JP4551522B2 - Mri装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用のMRI(磁気共鳴イメージング)装置に係り、とくに、静磁場磁石の近傍に設けられ且つ洩れ磁場を外界に対してシールドするシールドコイルを有する傾斜磁場コイルを備えた構造のMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用のMRI装置は、被検体内における原子核スピンの磁気共鳴現象を利用して断層像を撮像したり、NMRスペクトル計測を行なうシステムである。このようなMRI装置は、被検体を挿入・配置する、例えば略円筒状の診断用開口部(ウオームボア)を有するガントリを備える。ガントリは、診断用開口部を形成し且つ静磁場を発生させる静磁場磁石、静磁場に重畳させる傾斜磁場パルスを発生させる傾斜磁場コイル、及び被検体との間でRFパルス信号(MR信号を含む)の送受を行なうRFコイルを備える。
【0003】
上記傾斜磁場コイルには、外部への漏れ磁場を抑制するシールドコイルを有するシールドタイプのコイルアセンブリが多用される。この一例として、能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC:Actively Shielded Gradient Coil)が知られている(例えば米国特許第4,733,189号公報、同第4,737,716号公報を参照)。ASGCは、MRI装置のX、Y、及びZチャンネルそれぞれの磁場発生を担うコイルアセンブリを備え、各コイルアセンブリがメインコイルとシールドコイルとを有している。これにより、チャンネル毎に傾斜磁場を外界には殆ど洩らさないシールド構造になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシールドタイプの傾斜磁場コイル、例えばASGCを備えたMRI装置にあっては、静磁場磁石を覆っている、特に診断用開口部(ウオームボア)を形成しているボア内側の金属カバーにASGCからの漏れ磁束が磁気結合して当該カバー上に渦電流を発生させ、これに起因して騒音を発生してしまうという問題がある。すなわち、渦電流の発生に因り生じるローレンツ力が静磁場磁石のカバー体を叩き、騒音を発生させるのである。
【0005】
例えばASGCにおいては、シールド性能を考えると、そのシールドコイルを理想的(解析的)には無限に近いパターン長で巻く必要がある。「パターン長」とは、銅線を所定パターンでボビンに巻くときの、ボビン軸方向(以下、軸方向という)の長さであり、単に、軸長と呼ばれることもある。
【0006】
しかし、実際問題として、シールドコイルのパターン長には限度があり、とくに製品としては、できるだけ短いパターン長に止めたい。その一方で、シールドコイルの軸方向端部からの漏れ磁場は診断用開口部内に空間的に形成される撮影領域には影響が及ばないという状況もある。そこで、両者を考慮し、シールドコイルの軸方向端部の銅線の巻装パターンのみをできるだけ軸方向中心部側に詰め、これにより、コイル全体のパターン長を短縮させている。
【0007】
このようなシールドコイルでは、そのパターン長を詰めるか否かに関わらず、ASGCの各チャンネルにおけるコイルパターンの軸方向中央部からも当然に漏れ磁場が在り、この磁場に因って同様に騒音が発生している。シールドコイルのパターン長をその軸方向端部で詰めないときのASGCからの漏れ磁場は、パターン中心部で最も大きくなる。しかし、上述したようにパターン長を詰めると、シールドコイルの軸方向端部からの漏れ磁場も大きくなる。つまり、パターン長を詰めた場合、軸方向端部において漏れ磁場が大きくなった分、静磁場磁石の軸方向端部で発生する騒音も大きくなって、全体の騒音が増していた。
【0008】
従来では、撮影領域が一様磁場であればよいという磁気的特性に直接には影響しない軸方向端部での漏れ磁場に起因する騒音は、シールドコイルの軸長短縮を優先するがあまり、目を瞑っていたのである。
【0009】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)を備えたMRI装置において、シールドコイルの軸方向のパターン長を極力短い値に維持でき、且つ、軸方向端部から漏れる磁場に起因して発生する騒音を抑制することができるMRI装置を提供することを、目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、傾斜磁場コイルの駆動に伴って発生する騒音の問題と、傾斜磁場コイルのシールド性能、すなわち漏れ磁場とを関連付けて対処することを基本としている。
【0011】
本発明は上述した目的を達成するため静磁場磁石のボア内に傾斜磁場コイルを配置したガントリを備えたMRI(磁気共鳴イメージング)装置において、前記傾斜磁場コイルはシールドコイルを有する能動遮蔽型傾斜磁場コイルであって、前記シールドコイルの巻線部のパターン長は、前記静磁場磁石の側端面よりもボア軸方向外側に延出しており、且つ、当該巻線部のボア軸方向外側には巻線位置を理論的に解析した位置よりもボア軸方向中心寄りに詰めた巻線を配していることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るMRI(磁気共鳴イメージング)装置を図1〜図6に基づき説明する。
【0017】
この磁気共鳴イメージング装置は、能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC:Actively Shielded Gradient Coil)を備えたタイプの装置である。
【0018】
図1には、このMRI装置におけるガントリ1の軸方向に沿った概略断面を示す。このガントリ1はその全体が円筒状に形成されており、内側のウオームボアが診断用空間OPとして機能し、診断時にはボア内に被検体Pが挿入可能になっている。なお、ガントリ1の軸方向をZ軸としたXYZ直交座標系が設定される。
【0019】
ガントリ1は、略円筒状に形成され且つ上記ボアを実質的に形成する静磁場用磁石11、この磁石11のボア内に配置された略円筒状の傾斜磁場コイル12、この傾斜磁場コイル12の例えば外周面に取り付けられたシムコイル13、及び傾斜磁場コイル12のボア内に配置されたRFコイル14を備える。被検体Pはその周りにRFコイル14を配置させた状態で、図示しない寝台天板に載せられ、ボア(診断用空間)内に置かれる。
【0020】
静磁場用磁石11は超伝導磁石で形成されている。つまり、外側の真空容器の中に、複数個の熱輻射シールド容器および単独の液体ヘリウム容器が収められ、液体ヘリウム容器の内部に超伝導コイルが巻装・設置されている。外側の真空容器の外周面は金属カバー11Aで覆われている。
【0021】
ASGC12は、ここでは能動遮蔽(アクティブシールド)型に形成されている。このコイル12はX,Y,Zチャンネル別々にコイルアセンブリを有し、しかも、そのコイルアセンブリは各チャンネル毎に磁場を外界に洩らし難いシールド構造になっている。このシールド状態で、X軸、Y軸、及びZ軸の各方向毎にパルス状の傾斜磁場を発生させる。
【0022】
具体的には、ASGC12は図2に示すように、X,Y,ZチャンネルのXコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ12Y,Zコイルアセンブリ12Zがコイル層毎に絶縁状態で積層され、全体として略円筒状を成している。Xコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ12Y及びZコイルアセンブリ12Zの各々は、各X,Y,Z軸方向の傾斜磁場を発生する複数の巻線部を有するメインコイルと、このメインコイルの巻線部が発生した傾斜磁場(パルス)が外界に洩れるのを抑制又は減少させる、いわゆるシールド用の複数の巻線部を有するシールドコイルとを備える。なお、各コイルアセンブリ12X,12Y,12Zは各チャンネル毎に独立した傾斜磁場電源に接続されている。
【0023】
図3には、Xコイルアセンブリ12X又はYコイルアセンブリ12Yのメインコイル、シールドコイルと静磁場磁石11の側端面(側端部)11Aaとの位置関係を例示する。
【0024】
Yコイルアセンブリ12Yは、そのメインコイル及びシールドコイル共に、ボビンBに巻装された4個のサドル型巻線部(コイルパターン)を備える。つまり、各コイルは、Z軸方向に並置され且つ直列接続される2個のサドル型巻線部を、Y軸方向において2組対向配置させている。メインコイル及びシールドコイルの合計8個の巻線部は共に電気的に直列に接続され、例えば共通の傾斜磁場電源に接続される。このとき、メインコイルとシールドコイルとでは流れる電流が互いに逆向きとなるように通電経路が作られる。これにより、シールド機能を持ちながら、Y軸方向に線形の傾斜磁場を発生可能になっている。
【0025】
図4は、シールドコイルが有する4個のサドル型巻線部の内の1つが描くコイルパターンを示す。この巻線部CRは、実際には、ボビン上にサドル状に巻かれるが、ここではを平面状に展開して示している。各巻線部CRは、このように略渦巻き状のパターンに沿って平板状の導体を巻き回して形成される。導体の巻き位置は所定磁束分布条件の元に解析的に求められている。
【0026】
Xコイルアセンブリ12Xは、Yコイルアセンブリ12YをZ軸に関して90度回転させた状態で同様に配置される。
【0027】
一方、Zコイルアセンブリ12Zのメインコイル及びシールドコイルのそれぞれは、解析的に求めた巻き位置に沿って平板状の導体をボビン上に螺旋巻きして形成される。このため、Zコイルアセンブリ12Zの各巻線部は螺旋状のコイルパターンを有する。従って、このメインコイル及びシールドコイルのそれぞれは、ボビンのZ軸方向の左右両側に巻かれた2個の巻線部を電気的に互いに直列に接続して形成され、各コイルに逆向きに流れる電流によってシールド機能を持ちながら、線形なZチャンネル傾斜磁場を発生できる。
【0028】
このような構造を有する能動遮蔽型傾斜磁場コイル12のコイルアセンブリ12X,12Y,12Z各々において、シールドコイル12shieldの巻線部CRは本発明に拠る巻線法に基づいて巻装されている。すなわち、傾斜磁場コイル12のシールド性能、すなわち漏れ磁場の程度を騒音に関連付けて決めている。
【0029】
具体的には、図4,5に示す如く、巻線部CRにおいてそのZ軸方向端部に巻く巻線L1,L2は解析に求めた巻線位置よりもZ軸方向中央部寄りに詰めて巻く。解析的に求めた巻線L1,L2の位置は、図5の仮想線で示す如くZ軸方向外側になるが、これを中央寄りに詰めることで巻線部CRのパターン長(図4参照)を短縮し、強いては必要なボビンBの軸方向長さを短くすることができる。
このとき、診断用開口部に形成される撮像領域の磁場特性は所望のものが維持される。
【0030】
このようにパターン長を詰めると、シールドコイル12shieldの端部から洩れて、静磁場磁石11の外側の金属カバー(外端面)11Aに到達する磁場が詰めない場合よりも増える。これにより、洩れ磁場に因り、金属カバー11A上に生じる渦電流が増加し、磁気的結合に因る騒音が高くなる。
【0031】
そこで、本実施形態では、シールドコイル12shieldのパターン長を短い値に維持した状態で、端部からの洩れ磁束に因る騒音量を減らすようにパターン長を設定する。
【0032】
この設定に供したシミュレーション結果を図6(a)〜(d)に示す。これらの図は、Z軸方向におけるシールドコイル12shieldの実質的なパターン長と静磁場磁石12の側端面の位置との比較する長さDをパラメータとし、この長さDを種々の値に変化させたときの洩れ磁場Bzと渦電流NIの変化を示している。
【0033】
具体的には、(a)〜(d)の夫々において、左欄のグラフでは、横軸にシールドコイル12shieldのZ軸方向の位置をとり、縦軸に洩れ磁場の量をとっている。一方、右欄のグラフでは、横軸に同じくZ軸方向の位置をとり、縦軸に渦電流の大きさをとっている。両グラフ共に、横軸は、シールドコイル12shieldのZ軸方向中心から一方の側(例えば正側)の軸方向位置を表している。また、洩れ磁場及び渦電流は共に、静磁場磁石12の金属カバー表面上の所定位置でシミュレーションした値を示している。
【0034】
なお、この長さDを設定するときの「実質的なパターン長」とは、シールドコイル12shieldを成す、詰めた巻線L1,L2の内の最も内側の巻線L1までの位置を意味している。
【0035】
図6(a)はシールドコイル12shieldの実質的なパターン長が静磁場磁石11の軸長と等しい場合(即ち、図5に示すD=0)、同図(b)は実質的なパターン長が静磁場磁石11の側端面より10[cm]長い場合(即ち、図5に示すD=10[cm])、同図(c)は実質的なパターン長がその側端面より20[cm]長い場合(即ち、図5に示すD=20[cm])、及び、同図(d)は実質的なパターン長がその側端面より30[cm]長い場合(即ち、図5に示すD=30[cm])の場合をそれぞれ示している。
【0036】
これらの図から分かるように、Z軸方向中心部域(Z=30〜40[cm]付近)で洩れる磁場及びこれにより生じる渦電流の大きさは、実質的なパターン長と静磁場端面位置との位置関係パラメータDが変化しても、殆ど変化しない。これに対し、軸方向端部域(Z=70〜80[cm]付近)でのそれらの量は、位置関係パラメータDに依存して大きく変化することが分かる。
【0037】
具体的には、図6(c)の場合(D=20[cm])に、洩れ磁場に因る渦電流に関して、静磁場磁石の軸方向端部域(Z=70〜80[cm]付近)で生じる渦電流の大きさが軸方向中心部域(Z=30〜40[cm]付近)で発生する渦電流の大きさと同等又はそれ以下となる傾向を示している。つまり、このD=20[cm]の場合、静磁場磁石端部から発生する騒音は磁石の他の部分から発生する騒音と同等又はそれ以下となる。このため、騒音を抑制する上からは、このD=20[cm]の構造が最適となる。
【0038】
同図(a),(b)のD=0又は10[cm]では、磁石の軸方向端部域で生じる渦電流の大きさは中心部域でのそれよりも依然として大きいし、反対に、同図(d)のD=30[cm]の場合、磁石の軸方向端部域で生じる渦電流の大きさは中心部域でのそれよりも小さくなるが、中心部域での渦電流は他の要件で決まる固定量と考えられるので、したがって、端部域で生じる渦電流の大きさを中心部域のそれ以下にすることは、騒音抑制面から見て無意味である。
【0039】
したがって、このASGC12の各チャンネルのシールドコイル12shieldは、その実質的なパターン長を、静磁場磁石11の側端面よりも距離D=約20cmだけ軸方向外側に出しただけの短い値に維持され、且つ、端部からの洩れ磁束に因る騒音を中心部のそれと同等の量までを減らすことができる。これにより、ASGC12のシールドコイルの軸長(すなわちガントリ1の軸長)を極力短い値に維持して大形化を排除しつつ、全体の騒音を従来法に比べて低減させることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を図7に基づき説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一又は同等の構成要件には同一符号を用い、その説明を簡略化又は省略する。
【0041】
この第2の実施形態に係るガントリ1は、静磁場磁石11の側端面の形状を、シールドコイルの軸方向端部域からの洩れ磁場、すなわちその渦電流に因る騒音から改善したものである。
【0042】
図7に示す如く、磁石11の側端面(側端部)11Aaは、その軸方向内周面側から外側に進み出るにつれて丸みを呈して広がる、「広開口形状」を成している。これは、図3に示した「円筒形状」と対比させると、その特徴が際立って理解できる。
【0043】
これにより、磁石側端面(側端部)11Aaでは、磁石の金属カバーに到達する半径方向の距離は軸方向に進み出るほど長くなるので、渦電流の発生量も軸方向に進み出るほど少なくなり、騒音量もその分少なくなる。そこで、この丸みの広がり具合を、シミュレーションや実験に基づき、静磁場中に形成される撮影領域の磁場均一性、騒音の抑制などのファクタを考慮して決めておくことで、軸方向端部域から発生する騒音量を、軸方向のそれ以外の部分から洩れ磁場に起因した騒音量と同等又はそれ以下に設定することができる。この場合には、シールドコイル12shieldのパターン長は従来のままで済む。
【0044】
このように、静磁場磁石11の側端面(側端部)11Aaを広開口形状に形成することで、騒音を抑制できる一方で、ASGCの軸長を静磁場磁石のそれよりも短くして、ガントリをその軸方向にコンパクト化できる。
【0045】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態を図8に基づき説明する。
【0046】
第3の実施形態に係るガントリ1は、ASGC12のX,Y,Zコイルアセンブリ12X,12Y,12Zの夫々において、配線をボア半径方向の遠方の巻線部CR(コイルパターン部)から給電端子側に戻してくる帰り線(渡り線とも呼ばれる)の配置位置を騒音抑制の観点から決めた構成に関する。この構成は、単独で実施してもよいが、第1又は第2の実施形態の特徴ある構成と組み合わせて実施してもよい。
【0047】
一般に、ASGCの各チャンネルのメインコイル及びシールドコイルが巻装されるボア半径方向の位置は互いに異なるので、メインコイルはそれ自体で帰り線を配置し、またシールドコイルはそれ自体で帰り線を配置することになる。つまり、メインコイルとシールドコイルとでは、帰り線のボア半径方向における配置位置が互いに異なるので、帰り線を流れる電流が互いに逆向きであっても、磁場はキャンセルしきれない。このため、メインコイル及びシールドコイルの帰り線からのキャンセルしきれない磁場が外部に洩れて、これが騒音の一因になっている。
【0048】
そこで、本実施形態では、図8に示す如く、各チャンネルのコイルアセンブリにおいて、シールドコイル12shieldの帰り線(渡り線)Rshieldをメインコイル12mainの帰り線(渡り線)Rmainと同じ半径方向の位置に並べて配線する。しかも、その配線は、メインコイル12main側のボビン上で行なっている。シールドコイル側の帰り線Rshieldは、メインコイル12mainを作るときに一緒に差し込んでおけばよい。
【0049】
シールドコイル12shieldへの配線は、給電端子Tから立上げ線Lupでボア半径方向に立ち上げた後で接続される。また、シールドコイル12shieldからの配線は、その反対側の軸方向端部において立下げ線Ldownでボア半径方向の立ち下げ、前述した帰り線Rmainに接続され、別の給電端子Tに戻される。図8では、巻線部の形状をZチャンネルの如く表せしているが、この帰り線構造はXチャンネル及びYチャンネルにも同様に実施できる。
【0050】
このため、両方の帰り線RmainとRshieldに流れる電流は互いに逆向きであり、ボア半径方向の位置が等しく、且つ殆ど並んだ位置であるため、それらの帰り線から発生する磁場はその殆どが確実に相殺される。したがって、帰り線を流れる電流に因る騒音も確実に低減する。また、シールドコイル側の帰り線Rshieldは、メインコイル側に配置されているので、その分、静磁場磁石から遠ざかり、この点でも騒音低減に有効である。さらに、本実施形態では、パターン長がシールドコイルよりも短いことに拠り、空間的に比較的余裕のあるメインコイル12main側を利用することで、シールドコイル12shieldの帰り線Rshieldを配線するためのスペースを確保できる。シールド側にそのようなスペースを確保する必要は無いので、ASGCの短軸化を維持することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るMRI装置によれば、能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)を備えたMRI装置において、ASGCのシールドコイルの軸方向のパターン長を騒音の抑制と関係付けて決めることで、シールドコイルの軸方向のパターン長を極力短い値に維持し、これによりガントリの小形化を維持するとともに、軸方向端部から漏れる磁場に起因して発生する騒音を抑制して、患者にとっての居住性を向上させたMRI装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置のガントリの概略断面図。
【図2】ASGCのZ軸方向に直交する面(図1中のII−II線に沿った破断した面)の概略断面図。
【図3】第1の実施形態に係るASGCのシールドコイルと静磁場磁石の側端部との位置関係を説明する図。
【図4】シールドコイルの巻線部の詰めた巻線とパターン長とを説明する図。
【図5】ASGCのシールドコイルと静磁場磁石の側端部との位置関係を説明する図。
【図6】シールドコイルの実質的なパターン長と磁石の軸長との間の距離差Dをパラメータとした洩れ磁場と渦電流のシミュレーション結果を示すグラフ。
【図7】第2の実施形態に係るASGCのシールドコイルと静磁場磁石の側端部との位置関係を説明する図。
【図8】第3の実施形態に係るASGCの各チャンネルにおけるメインコイルとシールドコイルの帰り線構造を説明する概略説明図。
【符号の説明】
1 ガントリ
11 静磁場磁石
11Aa 側端面(側端部)
12 能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)
12X Xチャンネルの傾斜磁場コイルアセンブリ
12Y Yチャンネルの傾斜磁場コイルアセンブリ
12Z Zチャンネルの傾斜磁場コイルアセンブリ
12main メインコイル(1次コイル)
12shield シールドコイル(2次コイル)
CR 巻線部
main,Rshild 帰り線(渡り線)

Claims (5)

  1. 静磁場磁石のボア内に傾斜磁場コイルを配置したガントリを備えたMRI(磁気共鳴イメージング)装置において、
    前記傾斜磁場コイルはシールドコイルを有する能動遮蔽型傾斜磁場コイルであって、
    前記シールドコイルの巻線部のパターン長は、前記静磁場磁石の側端面よりもボア軸方向外側に延出しており、且つ、当該巻線部のボア軸方向外側には巻線位置を理論的に解析した位置よりもボア軸方向中心寄りに詰めた巻線を配していることを特徴とするMRI装置。
  2. 請求項1記載のMRI装置において、
    前記パターン長の前記静磁場磁石の側端面からの延出量は少なくとも20[mm]であることを特徴とするMRI装置。
  3. 請求項1又は2の何れか一項に記載のMRI装置において、
    前記静磁場磁石がその内周側に形成するボアの軸方向端部の形状は、その軸方向外側に進み出るに従って拡径された開口形状を成していることを特徴とするMRI装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のMRI装置において、
    前記傾斜磁場コイルの各チャンネルのうち、少なくとも1つのチャンネルのメインコイル及びシールドコイルの両帰り線は、通電により発生する磁場を互いにキャンセルするように配置されていることを特徴とするMRI装置。
  5. 請求項4記載のMRI装置において、
    前記メインコイル及びシールドコイルの両帰り線は、当該メインコイルのアセンブリにおける半径方向の同一位置にて互いにほぼ隣接した状態で並設されていることを特徴とするMRI装置。
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