JPH1094532A - 磁場発生用コイルユニットおよびコイル巻装方法 - Google Patents

磁場発生用コイルユニットおよびコイル巻装方法

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JPH1094532A
JPH1094532A JP9203529A JP20352997A JPH1094532A JP H1094532 A JPH1094532 A JP H1094532A JP 9203529 A JP9203529 A JP 9203529A JP 20352997 A JP20352997 A JP 20352997A JP H1094532 A JPH1094532 A JP H1094532A
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coil unit
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Abstract

(57)【要約】 【課題】巻線の一層巻き及び不連続巻線分布の構造で、
かつ、実際に発生させる磁場分布を、解析的に得られる
所望の連続空間分布に極力近づける。 【解決手段】導体を巻き回したシールドコイルのコイル
セグメント12Z−3,4を備え、この導体に電流を供
給することにより磁場を発生させるようにしたASGC
型の傾斜磁場コイルユニットのZコイルアセンブリのシ
ールドコイルユニット。コイルセグメント12Z−3,
4に、その導体が担っている電流を2本の流路に分流す
る分流路部として、例えば順流の分数ターンFTa,
…,FTdを当該導体の巻きパターンに付加的に設け
た。2本の流路は、そこに流れる電流が例えば共に同一
方向に流れるように巻装される。シールドコイルの巻線
位置は、ボビン軸方向両端部のそれぞれから中心部に向
かって順に決められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の空間分布を
有する磁場を発生させるためのコイルユニットおよびコ
イル巻装方法に関する。とくに、被検体の原子核スピン
の共鳴現象を利用した磁気共鳴イメージング(MRI)
装置や磁気共鳴(MR)装置に好適な磁場発生用コイル
ユニットにおけるコイルの巻き方の画期的な改善に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通電により磁場を発生するコイルは電気
回路や電気機器にとって無くてはならないエレメントで
ある。医用の磁気共鳴イメージング(MRI)装置のガ
ントリとて例外ではなく、静磁場を発生する静磁場コイ
ル、静磁場の均一度を補正するシムコイル、静磁場に重
畳する傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル、高周波信号
の送受用のRFコイルなどが磁場発生用コイルとして使
用されている。
【0003】MRI装置に用いられるこれらのコイルに
は、通常の電気回路におけるインダクタンス素子の場合
とは異なり、空間的に所望の磁場分布(所望の磁場強度
も含めて)を持った磁場を発生しなければならないとい
う別の要件も課されている。特に、パルス状の電流が供
給される傾斜磁場コイルには、最大傾斜磁場強度までの
立上り時間など、スイッチング特性への要件も加わる。
【0004】MRI装置のガントリの内部には被検体や
RFコイルを挿入するスペースが必要で、そのスペース
の周囲に各種のコイル類が配置される。このため、ガン
トリ全体としては大形化し易い構造にあるが、現在、こ
れを回避しつつ磁場発生能力を上げることが求められて
いる。このためには、静磁場コイル、シムコイル、傾斜
磁場コイルなどのコイル層は極力薄く巻装しなければな
らない。特に、傾斜磁場コイルのように、既に決まって
いる大きさの静磁場コイル(例えば超伝導磁石)のボア
内に収めるコイルの場合、コイル層を一層巻きにするこ
とが求められている。
【0005】傾斜磁場コイルについては、近年、その洩
れ磁場を防止するシールド型のものが多用されている。
このシールド型の傾斜磁場コイルの1つに、能動(自
己)遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)がある。このコ
イルアセンブリは、メインコイルの周りをシールドコイ
ルが囲む2重コイル構造になっているため、メインコイ
ルおよびシールドコイルの各々を一層巻きにして薄く形
成することは必須の要件となっている。
【0006】MRI装置に用いられるコイルアセンブリ
にあっては、空間的に所望の磁場分布を成すようにコイ
ルの巻線位置を決めなければならない。このコイル設計
の従来法として、特開昭60−132303号や特開昭
62−143012号に提案されている如く、連続分布
関数を用いて所望の磁場分布を有するコイルを設計する
手法が知られている。また、“R.Turner, Gradient Coi
l Design: A Reviewof Methods. Magn. Reson. Imagin
g. Vol.11, pp.903-920, 1993”記載の手法も知られて
いる。このTurner提案には、電流密度分布を積分した
“Integrated current(amp-turns) ”を求め(同論文9
11頁のFig.7(A)参照)、積分された電流密度の値が同
量づつ増加する曲線上の位置に対応する空間位置をコイ
ル位置として定める、“target field approach"が示さ
れている。
【0007】さらに、ASGC向けに提案されたコイル
配置設計法として、“依田 潔,「NMR用自己シール
ド形傾斜磁場コイルの設計」,T. IEE Japan, Vol.110-
A,No.4, p275-281, 1990”に記載されている、電流密度
分布を巻線位置決定に用いる手法が知られている。この
手法は、例えばZチャンネルのコイルの円筒状ボビン上
の軸方向距離について所望の電流密度分布を計算し、こ
の電流密度分布をボビンの軸方向中心部からそれぞれの
端部に向けて積分し、この積分値がI/2,I,…,
I,I/2(I:コイル電流値=駆動電流値)をとる位
置を巻線位置(ターン位置)として、ボビンの軸方向中
心部からそれぞれの端部に向けて決めるものである。
【0008】この「NMR用自己シールド形傾斜磁場コ
イルの設計」による方法(以下、国内文献記載のコイル
設計法と呼ぶ)は、このように解析的に求められた理想
的な連続電流分布を、巻き線という不連続な電流分布に
置き換え(離散化)、一層巻きのコイルアセンブリを形
成するというプロセスを採っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
コイル設計法は、解析的に求めた理想的な連続分布を不
連続なコイル位置に置き換えるので、実際の電流分布に
発生する誤差は基本的に不可避である。このため、所望
していた理想的な磁場分布は得られないとことが多かっ
た。例えば、傾斜磁場コイルの場合、連続分布で実現し
ていた傾斜磁場の線形性が劣化することなどである。静
磁場コイルやシムコイルの場合も上述の手法で設計され
るが、やはり同様の理由に因って、磁場分布が所望の理
想状態からずれてしまい、静磁場の均一性が期待してい
たようには確保できないという問題が指摘されていた。
実際に得られる磁場分布が理想状態から逸脱すると、M
R画像の画質に与える悪影響も大きくなり、また画像の
信頼性が損われてしまうので、極力、所望の理想磁場分
布を確保したいというニーズがある。
【0010】この連続から不連続への離散化自体に係わ
る基本的な問題に加えて、前述した国内文献記載のコイ
ル設計法には以下のような問題があった。
【0011】この国内文献記載のコイル設計法は、Zチ
ャンネルのシールドコイルに流す電流の電流密度関数か
ら演算される流線関数曲線のピーク値がコイル電流Iの
整数倍になる等の厳しい制約の元で使用することが前提
となっている。実際の設計では、流線関数曲線のピーク
値がコイル電流Iの整数倍となる解が見つかるというこ
とは殆どなく、大抵、余り電流が生じる状況にある。巻
線位置はボビン軸方向中心部から端部に向けて決めてい
くため、その余り電流の影響はコイル軸方向の端部に表
れる。つまり、シールドコイルのボビン軸方向端部にタ
ーンが存在しない比較的大きな隙間ができ、この隙間に
起因して磁束が漏れ、周囲の金属筐体に渦電流が発生す
る。軸方向端部で発生するこのような渦電流はMR画像
の画質に大きく影響し、画質を劣化させる。また、この
ように解析的にコイル位置を設計しようとすると、性能
面(例えば直線性)を犠牲にしなければならない。ま
た、コイルのインダクタンスや抵抗値が大きくなるの
で、傾斜磁場電源を大形化(大出力化)させなければな
らない。このように、国内文献記載のコイル設計法は実
用化する上で種々の困難を抱えていた。
【0012】また、上述した国内文献記載のコイル設計
法を含む従来法には、前述した巻線配置の離散化に伴う
基本的な問題に加え、以下のような問題があった。
【0013】まず、コイル配置の物理的な制約に係わる
問題がある。一定幅の線材を円筒ボビンの周囲に巻装し
てコイルを形成しようとすると、コイルの実際の幅は巻
線(ターン)が最も混んでいる(密になっている)箇所
の巻線間の幅により決定されてしまう。つまり、巻線が
一番混んでいる部分の巻線間幅よりも幅広の線材を用い
ることはできないという制約がある。この制約により、
理想的な連続電流分布が不連続な電流分布に置き換えら
れるとき、コイルの巻線の一部に線材が広く存在しない
隙間が空いてしまう。
【0014】この巻線間の隙間は、特に、能動遮蔽型傾
斜磁場コイルにとっては重大な問題となる。この隙間の
大きさは傾斜磁場コイルがサドル型であってもソレノイ
ド型であっても、コイルユニットの位置により異なる部
分ができるから、隙間の大きい部分があると、磁束が外
部に洩れてしまい、外部の導体部分に渦電流を発生す
る。この渦電流に因る磁場の影響で、能動遮蔽型である
にも拘らず、MR画像の劣化を招くという問題が近年特
に深刻化してきている。
【0015】この状況をさらに説明すると、近年、様々
な電子技術や超伝導技術の発展に伴って、従来のスピン
エコー法(SE)や高速スピンエコー法(FAST S
E)よりもさらに高速な撮像法の1つであるエコープレ
ナー法(EPI)が主流を占めつつある。スピンエコー
法では、例えば、最大傾斜磁場強度10mT/m、最大
傾斜磁場強度までの立上り時間1msの傾斜磁場性能が
要求されている。これに対し、エコープレナー法では、
例えば、最大傾斜磁場強度30mT/m、最大傾斜磁場
強度までの立上り時間0.1msの傾斜磁場性能が要求
される。
【0016】このような、最大傾斜磁場強度の増大や立
上り時間の短縮に伴って、洩れ磁場も増大し、渦電流の
増加に伴う様々な画質劣化の問題がとくに近年顕著にな
ってきている。
【0017】ASGCの構造を採用した場合でも渦電流
が発生するという問題は“J.W.Carlson et al. Design
and Evaluation of Shielded Gradient Coils. Magn.Re
son. Imaging, Vol.26 pp.191-206, 1992”でも指摘さ
れているところである。この渦電流の問題に対しては、
MR信号収集用のパルスシーケンスの改善で対処する、
印加するRFパルスの位相を工夫することで対処するな
ど、幾つかの提案もなされている。
【0018】しかしながら、かかる提案による手法を採
用したところで、シーケンス制御が複雑化することに加
え、その実効性は非常に低い。その理由は次のようであ
る。渦電流に拠る磁場が傾斜磁場と同じ空間分布(成
分)であればパルスシーケンス制御などによる補正は可
能である。しかし実際には、渦電流磁場には傾斜磁場と
は異なる磁場成分を含んでいるケースが殆どであるか
ら、そのような渦電流磁場を傾斜磁場、RFパルス,パ
ルスシーケンスの制御などに拠り後追い的に補正するこ
とは本質的に不可能である。即ち、渦電流の発生自体を
抑制するしか手立てはないのである。現状では、自己遮
蔽型傾斜磁場コイルを形成するときにシールド用巻線間
の隙間に起因する渦電流は不可避であるとして、この問
題は放置されてきた。
【0019】実際に発生させる磁場分布を滑らかにして
極力、所望の磁場分布に近づけるには、線材の幅を著し
く細く形成して巻装するターンを増加させることも想定
される。しかし、そのようなコイルは抵抗やインダクタ
ンスが著しく増加するので、電源の出力を途方も無く上
げなければコイルに電流を供給することはできない。そ
のような大出力の電源の製造は実際には困難で、現状で
は実現の可能性に乏しい。
【0020】本発明は上述した従来技術に伴う様々な困
難を打破すべくなされたものである。 本発明の目的の
1つは、とくにASGCにおいて、通電によって所望の
磁場分布を発生させるコイルセグメントに対し、コイル
を巻装しているボビンの軸方向端部での著しい磁束漏洩
に因る渦電流の発生を抑制できる磁場発生用コイルユニ
ットおよびコイル巻装方法を提供することである。
【0021】本発明の別の目的は、巻線(線材)の不連
続巻線分布の構造を維持し、かつ、実際に発生させる磁
場分布を、解析的に得られる所望の連続分布に極力近づ
けることができる磁場発生用コイルユニットを提供する
ことである。
【0022】本発明の別の目的は、コイルユニットに電
流を供給する電源の出力を格別上げることなく、現在使
用に供されている規模の出力の電源を使うことができ、
この電源条件の下で、巻線(線材)の不連続巻線分布の
構造を維持し、かつ、実際に発生させる磁場分布を、解
析的に得られる所望の連続分布に極力近づけることがで
きる磁場発生用コイルユニットを提供することである。
【0023】本発明のさらに別の目的は、磁気共鳴イメ
ージング(MRI)に静磁場コイル、シムコイル、傾斜
磁場コイルなどに好適に適用できる磁場発生用コイルユ
ニットを提供することである。
【0024】本発明のさらに別の目的は、コイルユニッ
トに遮蔽機能を持たせた場合、磁場の漏れや歪みを抑制
して遮蔽機能を充実させ、周囲の金属に発生する不要な
渦電流を抑制した磁場発生用コイルユニットを提供する
ことである。
【0025】本発明のさらに別の目的は、実際に発生さ
せる磁場分布を所望の空間磁場分布に極力近づけ、周囲
の金属における不要な渦電流の発生自体を抑制し、これ
により、かかる渦電流に因る影響を除くための後追い的
なデータ補正処理でも対応できる程度に抑制できるよう
にした磁場発生用コイルユニットを提供することであ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、現状で使用可
能な容量や規模の電源設備、製造設備の中で、磁場発生
用コイルユニットをどのように構成すれば所望の磁場分
布(すなわち所望のコイル性能)が得られるか、の動機
付けの下でなされた。
【0027】まず、コイルの巻装方法に関する本発明の
第1の着眼点を、従来技術としての前述した国内文献記
載のコイル設計法と対比させながら説明する。
【0028】ASGCにおいて、傾斜磁場を発生するメ
インコイルの総電流を、このメインコイルに流す電流I
cとメインコイルの総巻数Ncとで表すと、
【数1】Ic×Nc となる。メインコイルの外周側に配置され、かつメイン
コイルで発生した傾斜磁場をシールドする遮蔽磁場を発
生するシールドコイルの巻数は、メインコイルと同様に
整数値をとる必要がある。シールドコイルの電流値は、
解析的に要求されたシールドコイルの総電流を適当な総
巻数で除して求められる。この割算によって求めた電流
値がシールドコイルの巻線位置(ターン位置)を決定す
るための電流ステップ値となる。これが前述した国内文
献記載のコイル設計法を含む従来法による巻線位置決定
法の基本的考えであった。
【0029】ここで、メインコイルと同様に、シールド
コイルの総電流をシールドコイルの電流Isとその総巻
数Nsとで表すと、
【数2】Is×Ns となる。
【0030】メインコイルとシールドコイルとを直列に
接続して同一電源で駆動するには、電流IcとIsが互
いに等しくなることが望ましい。そこで、Ic=Is
で、かつ、ターンによる余り電流がでない、という特定
の条件下でコイル設計を行うのが前述した国内文献記載
のコイル設計法に相当する。この条件はコイル設計者に
とって、非常に厳しい制約であり、このような特定条件
を外した条件でも一般的に通用するコイル設計法が望ま
れていた。
【0031】そこで、本発明者は例えばZチャンネルの
場合、ボビン軸方向中央部での磁束漏れに渦電流の画質
への影響はその両端部のそれよりも小さいという事実に
着目し、コイルの巻線位置を決める方向性に着目した。
そこで、ボビン軸方向端部を優先し、この端部からその
中央部に向けて、メインコイルの電流ステップ値(また
は、シールドコイルの巻数決定に応じて決まるシールド
コイルの電流ステップ値)を用いて巻線位置を順次決定
していく手法に基づく本発明を提案するものである。
【0032】解析的に要求されたシールドコイルの総電
流を、前述した従来法に拠って決定された電流Isおよ
び総巻数Nsで表し、また本発明の提案法に拠って決定
されたシールドコイルの総巻数をNs′で表し、さら
に、余った電流値をdNIで表すと、
【数3】Is×Ns=Ic×Ns′+dNI となる。
【0033】このように両端部それぞれから中心部に向
けて巻線位置を決めると、余り電流dNIはボビン中心
部に集まってくる。この余り電流は、Zチャンネルの場
合、ボビンの軸方向中心部で互いに逆方向に流れる。こ
のため、余り電流が担っている磁場成分を極力少ないも
のにできる。
【0034】余り電流dNI=0[A]にできる条件が
成立する特定の場合、前述した国内文献記載のコイル設
計法と本発明とは最終的に決まる巻線位置の点で同じに
なる。しかし、前述したように一般的には、余り電流d
NIは零にならないから、本発明の巻線方法を使用すれ
ば、余り電流dNIが零になるか、又は零にならないか
の条件に無関係に、メインコイルとシールドコイルとを
直列接続するときの巻線位置を決めることができる。つ
まり、コイル設計者にとって、設計上の条件を1つ減ら
すことができ、設計の自由度を上げることができる。
【0035】上述の第1の着眼点に基づく本発明の具体
的な構成は以下のようである。
【0036】その1つの側面は、導体をボビンに巻き回
したコイルセグメントを備え、この導体に電流を供給す
ることにより磁場を発生させるようにした磁場発生用コ
イルユニットにおいて、前記導体を巻装する巻線位置
を、前記ボビンの軸方向における前記コイルセグメント
の端部側の位置から順に所定電流ステップ値に基づき決
めてある構造である。
【0037】好適には、前記磁場発生用コイルユニット
は、磁気共鳴イメージング(MRI)装置の能動遮蔽型
傾斜磁場コイル(ASGC)を形成しており、前記コイ
ルセグメントは前記ASGCのZチャンネルのシールド
コイルに含まれている。
【0038】さら好適には、前記シールドコイルは、前
記ボビンに縦列状態かつ直列接続状態で巻装した前記コ
イルセグメントを2個から成るコイルセグメント群を備
え、前記巻線位置を、前記コイルセグメント群が呈する
前記軸方向の両端部のそれぞれから順に、このコイルセ
グメント群が呈する前記軸方向中央部に向けて決めてあ
る構造を有する。
【0039】また別の側面によれば、ボビンに導体を巻
き回してコイルセグメントを形成するコイル巻装方法に
おいて、前記ボビンの軸方向における前記コイルセグメ
ントの端部側の位置から順に所定電流ステップ値に基づ
き前記導体の巻線位置を決め、この決めた巻線位置に前
記導体を巻装することである。
【0040】コイル巻装に関して、上記第1の着眼点を
補完する、又は単独に実施できる第2の着眼点をさらに
説明する。
【0041】実際のコイルユニットを設計、製造する場
合、限られたスペースに入るサイズにする必要があり、
また製造上の制約もあることから、コイルユニットのコ
イルチャンネルは、必須事項ではないが、それぞれ一層
巻きで形成することが望ましい。(各チャンネルの帰り
線などは、チャンネル間の隙間を通すようにして、一つ
のチャンネル全体でも一層巻きの状態が保持される。)
磁場発生用コイルにおいて、連続的な所望の電流密度関
数を不連続な巻線位置に離散化する際、コイルエレメン
トとして一定幅の線材を使うと、前述したように、磁場
分布が理想分布からずれるとともに、巻線間隔が広く空
いてしまう。その原因は、離散化された巻線位置のター
ンが所望電流値Iの通電を担っていることに因る、とい
うことに本発明者は着目した。
【0042】そこで、本発明者が提案する解決手段の主
要構成は、所望値Iの電流を通電させる1本のターン
(巻線)を複数n本のターンに分ける、ことである。こ
の「I/n」に分流させる巻線部分を「分数ターン」を
呼ぶこととする。この分数ターンは、とくに、次のよう
な態様で使用される。その一つは、巻線間隔がほかの部
分よりも空いてしまう部分(隙間)だけ、所望電流値I
を通電させる1本のターン(巻線)をI/n(≧2:整
数)ずつの電流を担うn本に分岐させ、磁場分布を所望
分布に近付けるとともに、かかる巻線間の隙間を少なく
する場合である。また巻線間隔がほかの部分よりも空い
てしまう部分(隙間)に、この分数ターンを付加的に設
けることもできる。一方、分数ターンの複数のターンに
流す電流値は例えば2I/3、I/3の如く、所望の磁
場分布に応じて偏らせることもでき、電流値を必ずしも
等量ずつ分配させなくてもよい。
【0043】上述の第2の着眼点に基づく本発明の具体
的な構成は以下のようである。
【0044】本発明の主要部によれば、導体を巻き回し
たコイルセグメントを備え、この導体に電流を供給する
ことにより磁場を発生させるようにした磁場発生用コイ
ルユニットにおいて、前記コイルセグメントに、前記導
体が担っている電流を複数の流路に分流する分流路部を
当該導体の巻きパターンに関連して設けたことを特徴と
する。
【0045】例えば、前記分流路部は前記導体を2本の
分流導体に分岐し、その2本の分流導体を合流させる回
路である。この場合、2本の分流導体はそれらに流れる
電流が共に同一方向、または互いに逆方向となるように
巻装される。また、例えば、前記分流路部は、前記コイ
ルセグメントの前記巻きパターンに沿って巻き回された
前記導体の一部を置換して設けてある。
【0046】さらに好適には、前記分流路部は、前記コ
イルセグメントを成す前記導体の一部として前記巻きパ
ターンに付加的に設けられ、かつ前記巻きパターンに準
じて巻き回されている。前記コイルセグメントは、例え
ば、ソレノイド型コイルである。
【0047】さらに好適には、前記磁場発生用コイルユ
ニットは磁気共鳴イメージング(MRI)装置の傾斜磁
場コイルユニットとして形成されている。例えば、前記
傾斜磁場コイルユニットはX軸方向,Y軸方向,および
そのZ軸方向の傾斜磁場を個別に形成するXコイルアセ
ンブリ,Yコイルアセンブリ,およびZコイルアセンブ
リを備え、これらのコイルアセブリの少なくとも1つは
前記コイルセグメントを有する。
【0048】さらに好適には、前記磁場発生用コイルユ
ニットは磁気共鳴イメージング(MRI)装置の静磁場
発生用の静磁場コイルユニットとして形成されている。
また例えば、前記磁場発生用コイルユニットは磁気共鳴
イメージング(MRI)装置における静磁場の均一性を
補正する補正コイルユニットとして形成されていてもよ
い。
【0049】本発明のそのほかの特徴および利点は、以
下の発明の詳細な説明および図面の説明により明らかに
なる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
磁場発生用コイルを説明する。
【0051】[第1の実施形態]第1の実施形態を図1
〜図16に基づき説明する。
【0052】第1の実施形態では、磁場発生用コイルユ
ニットとしてMRI装置の能動(自己)遮蔽型傾斜磁場
コイル(ASGC:Actively Shielded Gradient Coil
)のユニットのZチャンネル(Zコイル)を例示す
る。なお、本発明はASGCのXチャンネル(Xコイ
ル)、Yチャンネル(Yコイル)にも同様に実施できる
ものであり、また静磁場コイルおよび静磁場補正(シ
ム)コイルなどにも好適に実施できる。
【0053】また本発明の磁場発生用コイルユニットは
円筒型や対向型、またサーフェイス型、オープン型と言
ったコイルの形状や磁場発生方式に無関係に実施でき
る。
【0054】図1にMRI装置のガントリ1の概略断面
を示す。このガントリ1はその全体が円筒状に形成され
ており、中心部のボアが診断用空間として機能し、診断
時にはそのボア内に被検体Pが挿入可能になっている。
【0055】ガントリ1は、略円筒状の静磁場コイルユ
ニット11、このコイルユニット11のボア内に配置さ
れた略円筒状の傾斜磁場コイルユニット12、このユニ
ット12の例えば外周面に取り付けられたシムコイルユ
ニット13、および傾斜磁場コイルユニット12のボア
内に配置されたRFコイル14を備える。被検体Pは図
示しない寝台天板に載せられて、RFコイル14が形成
するボア(診断用空間)内に遊挿される。
【0056】静磁場コイルユニット11は超伝導磁石で
形成されている。つまり、外側の真空容器の中に、複数
個の熱輻射シールド容器および単独の液体ヘリウム容器
が収められ、液体ヘリウム容器の内部に超伝導コイルが
巻装・設置されている。
【0057】傾斜磁場コイルユニット12は、ここでは
アクティブシールド(能動遮蔽)型に形成されている。
このコイルユニット12はX軸方向、Y軸方向、Z軸方
向毎にパルス状の傾斜磁場を発生させるため、X,Y,
Zチャンネル別々にコイルアセンブリを有し、しかも、
そのコイルアセンブリは各チャンネル毎に傾斜磁場を外
界に殆ど洩らさないシールド構造になっている。
【0058】また、このMRI装置は図1に示す如く、
静磁場コイルユニット11に電力を供給する静磁場電源
51、傾斜磁場コイルユニット12に電流を供給する傾
斜磁場電源52、RFコイル14にRF信号を送信する
とともにRFコイル14で検出したMR信号を受ける送
受信器53、ならびに、傾斜磁場電源および送受信器の
動作を所望のシーケンスに基づき制御するシーケンサ5
4を備える。さらに、システム全体を制御するコントロ
ーラ55、および、MR信号からMR画像を再構成する
ユニット56が備えられるほか、モニタ57、メモリ5
8、および入力器59が備えられている。
【0059】この能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASG
C)ユニット12は図2に示すように、X,Y,Zチャ
ンネルのXコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブ
リ12Y,Zコイルアセンブリ12Zがコイル層毎に絶
縁されながら積層され、全体として略円筒状を成してい
る。Xコイルアセンブリ12X,Yコイルアセンブリ1
2YおよびZコイルアセンブリ12Zの各々は、メイン
コイルおよびシールドコイルを有する。このメインコイ
ルおよびシールドコイルのそれぞれは、複数のコイルセ
グメントを備えている。これにより、各コイルアセンブ
リは、各軸方向の傾斜磁場を発生するとともに、その傾
斜磁場を磁気的に外界に殆ど洩らさない構造になってい
る。
【0060】最初に、ZチャンネルのZコイルアセンブ
リ12Zを図3および図4に基づき説明する。このZコ
イルアセンブリ12Zは図3および図4に示すように、
同心筒状に配置され且つ内径が異なる2つのボビンB
1,B2と、このボビンB1,B2夫々に一層巻きで対
を成すように巻装された、コイルセグメント12Z−
1,12Z−2を有するメインコイル12ZM、およ
び、コイルセグメント12Z−3,12Z−4を有する
シールドコイル12ZSとを備える。シールドコイル1
2ZSのアセンブリは、メインコイル12ZMのアセン
ブリよりもボビン径が大きく、シールドコイルがメイン
コイルの外周側を覆うように設けられている。対を成す
メインコイルのコイルセグメント12Z−1および12
Z−2についてはパルス電流が互いに反対向きに流れる
ように巻装され、且つ、別の対を成すシールドコイルの
コイルセグメント12Z−3および12Z−4について
はパルス電流が互いに反対向きに流れるように巻装され
る。また、径方向において対向するメインコイル、シー
ルドコイルについては、一方の組を成すコイルセグメン
ト12Z−1およびコイルセグメント12Z−3間で電
流の向きが互いに反対であり、他方の組を成すコイルセ
グメント12Z−2およびコイルセグメント12Z−4
間で電流の向きが互いに反対になっている。
【0061】このZコイルアセンブリ12Z全体の電気
的な等価回路を図5に示す。2つのコイルセグメント1
2Z−1,12Z−2(メインコイル)と、2つのコイ
ルセグメント12Z−3,12Z−4(シールドコイ
ル)とが直列に接続される。単一の傾斜磁場電源17か
ら一括して所望電流値Iが供給されるようになってい
る。電源17には波形整形器18が接続されている。波
形整形器18は、図示しないシーケンサから指令される
傾斜磁場Zチャンネルの波形データを受け、このデータ
に対応した波形制御信号を電源17に出力する。これに
より電源はシーケンサが意図したZチャンネルの傾斜磁
場を生成するためのパルス電流Iを直列接続されたコイ
ルセグメント群に出力する。
【0062】メインコイル12ZMは、従来周知の手法
(例えば、特開昭62−143012号参照)によって
ボビンB1上のZ軸方向の巻線位置が決められ、その位
置を順守してソレノイド状に巻装される。(ただし、こ
のメインコイル12Z−1および12Z−2に、後述す
る本発明の巻線方法を適用することもできる。)これに
対してシールドコイル12ZSは本実施形態では以下の
ように、その巻線位置が決められる。
【0063】まず、空間的に線形なZ軸方向の傾斜磁場
特性Bzが例えば図6に示すように解析的に決められ
る。この特性を満足させるシールドコイルのコイルセグ
メント12Z−3,12Z−4の理想的な電流密度関数
[A/m]とZ軸方向の位置との関係が従来周知の演算
により求められる。この理想的な電流密度関数の例を図
7に示す。
【0064】次いで、この理想電流密度関数をZ軸方向
の位置について積分し、理想的な流線関数を求める。求
められた理想流線関数の一例を図8(a)に示す。
【0065】次いで、求められた理想流線関数を使って
シールドコイルのコイルセグメント12Z−3,12Z
−4の巻線位置を割り出す。つまり、この段階で、解析
的に求められた連続電流分布が巻き線という物理的な不
連続な電流分布に置き換えられる(離散化)。
【0066】この巻線位置は、以下のようにして決めら
れる。メインコイルのコイルセグメント12Z−1,1
2Z−2に流す電流Ic、その総巻数をNcとし、シー
ルドコイルのコイルセグメント12Z−3,12Z−4
に流す電流をIs(=Ic),その総巻数をNsとする
と、電流ステップ値をI(=Ic=Is)として、ボビ
ンB2の軸方向の両端部のそれぞれからその中心部に向
かって巻線位置が決められる。
【0067】最初に、両端部のそれぞれにおいて、ボビ
ンB2上の端部所定位置−Z1,Z1が指定される。こ
の指定位置−Z1,Z1のそれぞれにて図8(b)に示
す如く1ターンが巻線されるから、電流ステップ値Iの
分だけ流線関数が立ち上がる(同図(a)参照)。この
指定位置−Z1,Z1は例えば、電流Iと巻数Nの積を
表わす縦軸の電流値=I/2となる位置が望ましい。以
下同様に、縦軸の電流値=3I/2,5I/2,7I/
2となる位置を順次指定して巻線位置−Z2,−Z3,
−Z4およびZ2,Z3,Z4を決める。
【0068】このように巻線位置を両端部のそれぞれか
ら中心部に向かって順次決めていくことで、両端部のそ
れぞれでは理想流線関数曲線の裾の拡り具合に応じた所
望の巻線位置を指定できる。このため、シールドコイル
のコイルセグメント12Z−3,12Z−4のボビン軸
方向両端部からの漏れ磁場は少なくなり、MR画像の画
質劣化も少なくなる。また余り電流は中心部に寄せら
れ、しかも両サイドで互いに逆向きの余り電流である。
このため、余り電流が担っている有効磁場成分が極力少
なくなり、中心部からの漏れ磁場も少なくなる。従来の
コイル設計法に基づく巻線位置でかつIc=Isのとき
と比べて、この実施例による漏れ磁場は1/2.6もの
改善度となる。
【0069】また、この巻装方法によれば、補正抵抗を
シールドコイルに並列に挿入してシールドコイルの電流
を調整する必要もない。補正抵抗を入れる場合、コイル
の温度上昇に因ってコイルの抵抗値が変動し、補正抵抗
による所望の分流割合が変化してしまう。これは所望の
シールド条件からの変化をもたらし、結局、漏れ磁場に
因る渦電流の増大を引き起こす。しかるに、このような
補正方法は回避することが必要で、本実施形態の巻装方
法によれば、このようなシステムの不安定要因を排除で
き、安定したシールド効果を得ることができる。
【0070】ここで、本実施形態のコイル巻装方法を傾
斜磁場コイルのZコイルアセンブリに実施したときの漏
れ磁場による渦電流のシミュレーション結果を示す。
【0071】図9及び図10は共に、本発明者が行った
シミュレーションに係るASGC型の傾斜磁場コイルユ
ニットのZチャンネルの理想流線関数(積分された電流
密度関数)の曲線を示す。図9の方はメインコイルの流
線関数の曲線であり、図10の方はシールドコイルの流
線関数の曲線である。両方とも例えば前述した“J.W. C
arlson et al”に依る演算法により理論的に求められ
る。つまり、流線関数がこのように滑かで且つ理想値を
採る場合、発生するZチャンネルの傾斜磁場の発生状況
及びその自己シールド性能が理想(所望)状態となるの
である。
【0072】次に所望の電流値I(=Ic=Is)をI
=99.345[A]に設定して前述した国内文献記載
のコイル設計法に基づいてZチャンネルのメインコイル
およびシールドコイルの巻線位置を求めると、図11
(a),(b)に示すようになる(同図の巻線位置はZ
軸方向の(+)側のみを示す。したがって実際の巻線は
(−)側にもこれと対称位置に各々巻かれる)。マイナ
ス符号は電流の向きが+のものに対して逆であること示
す。
【0073】この図11(a),(b)のように離散化
された巻線位置状態は理想状態は異なるもので、このと
きの漏れ磁場による渦電流は図12に示すように好まし
くないものとなる。同図は、Zコイルアセンブリに因り
発生する渦電流の流線関数を表わす。このシミュレーシ
ョンは有限要素法又は境界要素法などを用いて行なうこ
とができ、ガントリ中心軸から半径0.5[m]の位置
における洩れ磁場に因る渦電流値を計算したものであ
る。渦電流の流線関数は図12から明らかなように、Z
軸方向の両端部と中心部の広い範囲とにおいて大きな値
を示している。これはシールドコイルの粗い巻線間(隙
間)を磁束が通り抜けてしまうことに因る。静磁場コイ
ルユニットのボア内径は通常、半径=0.5[m]程度
であるから、図12に示すZ軸方向両端部および中心部
の渦電流は静磁場コイルユニットの導体部分の対向位置
およびその付近に発生することになる。この渦電流は前
述した如く、ASGCタイプでありながらMR画質劣化
を招くものであった。
【0074】これに対して、端部から中心部に向けて巻
線位置を順次決める本実施形態の巻装方法に基づくZコ
イルアセンブリのメインコイルおよびシールドコイルの
配線位置は、一例として、図13(a),(b)に示す
ようにシミュレーションされる。このときのメインコイ
ルおよびシールドコイルの実際の流線関数曲線は図14
および図15となり、前述した図9、10の理想流線関
数曲線に非常良く近似される。
【0075】このときの漏れ磁場による渦電流のシミュ
レーション結果は図16に示すようになった。この図は
前述した図12に対比されるものである。両図の比較か
ら分かるように渦電流が全体範囲にわたって大幅に低下
している。これはとりも直さず、端部から中心部に向か
って巻線位置を順次決めていく手法が寄与して実際の流
線関数曲線が理想状態に近くなっていることであり、こ
れによりASGCを組み込んだMRI装置により得られ
るMR画像の画質を著しく向上させることができる。
【0076】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態に係る磁場発生用コイルユニットを図17〜図22に
基づき説明する。この実施形態における磁場発生用コイ
ルユニットは第1の実施形態のときと同様に、ASGC
型の1つのコイルアセンブリである円筒状のZコイルア
センブリのシールドコイルのコイルセグメント12Z−
3、4について実施したものである。ここで、第1の実
施形態の構成要素と同一又は同等のものには同一符号を
付して説明を省略又は簡単化する。
【0077】この第2の実施形態は、第1の実施形態の
巻装方法を踏襲するとともに、その漏れ磁場の改善度を
さらに上げようとするものである。これを実行するた
め、分数ターンと呼ぶ巻方を採用する。
【0078】Zコイルアセンブリのシールドコイルのコ
イルセグメント12Z−3および12Z−4は、前述し
た理想的な流線関数(図17(a)参照)に対して、前
述と同様に、ボビンB2の軸方向両端部のそれぞれから
中心部に向かって順次、巻線位置が決められる。これに
加えて、本実施形態では、ボビンB2のZ軸方向の中心
部と両端部に巻くコイルセグメント12Z−3,12Z
−4の巻き線については、本発明者が「分数ターン」と
呼ぶ概念の巻き方を施している。
【0079】「分数ターン」とは、従来には無い全く新
しい概念のコイルの巻き方で、通常の1ターンが担って
いるI[A]の所定値電流をI/n(n≧2の整数値)
に分流するように巻く巻き方を言う。この「分数ター
ン」の導入によって実際の流線関係をスムージングし、
理想流線関数により近付けようとするものである。この
分数ターンは例えばI/2ターンであり、ボビン軸方向
の両端部と中心部に形成される。
【0080】具体的には図17(a)に示すように、所
望のコイル電流値I(例えば100[A])とすると、
理想流線関数と縦軸上の電流値のI/4,3I/4の位
置が交わるZ軸上の位置−Z1,−Z2、Z1,Z2
(分流ターンの位置)をボビン軸方向両端部の分数ター
ンI/2の位置として決める。その後、実際の流線関数
が所定電流ステップ値Iずつ増える縦軸上の3I/2,
5I/2,7I/2に相当する巻線位置;−Z3,−Z
4,−Z5,Z3,Z4,Z5を順次それぞれ決める。
さらに、17I/4および19I/4に相当する巻線位
置−Z6,−Z7(略零)、Z6,Z7(略零)が分流
ターン位置として決められる。
【0081】最初に両端部の分数ターンFTa,FTb
を説明する。両端部の各々において、縦軸上のI/4,
3I/4の位置に対応して、電流Iを2分割(1/2タ
ーン,すなわちn=2)してI/2の電流を流す巻き線
位置−Z1 ,−Z2 およびZ2 ,Z1 が決まる。図17
の左側端部の分数ターンFTaは、電源側からのリード
線を−Z1 および−Z2 の巻線位置で2分岐させ、その
まま各々の巻線F1,F2を1ターンさせた後で合流さ
せ、次の巻線位置−Z3 の巻線に繋げる。同図の右側端
部の分数ターンFTbは、巻線位置Z3 から出てきた巻
線を巻線位置Z2 ,Z1 の位置で2分岐させ、そのまま
各々の巻線F3,F4を1ターンさせた後で合流させ、
電源側のリード線に繋げる。
【0082】またZ軸方向の中心部にもI/2の分数タ
ーンFTc,FTdを図示の如く巻装する。すなわち流
線関数NI=17I/4の位置に相当する−Z6 とZ6
の各位置を2つのI/2の分数ターンFTc,FTdの
各一方の巻線位置として決める。同時に、この2つのI
/2の分数ターンFTc,FTdの各他方の巻線(余り
ターン)位置を、流線関数NI=19I/4の位置に相
当する、Z=略零と見做せる近傍位置−Z7 ,Z7 にそ
れぞれ決める。
【0083】中心部の分数ターンの内の一方の分数ター
ンFTcの構成としては、巻線位置−Z5 から出てきた
巻線を巻線位置−Z6 、マイナス側略零の位置−Z7
2分岐し、そのまま各々の巻線F5,F6を1ターンさ
せる。ターンしてきた2つの分岐巻線F5,F6はその
ままマイナス位置側からプラス位置側へZ軸方向に沿っ
て互いに交差しないように渡される。この2本の渡し線
はそのまま、もう一方の分数ターンFTdに繋がる。つ
まり、2本の渡し線は、マイナス側のときとは反対方向
に折り返す状態で、巻線位置がプラス側略零のZ7 、お
よびプラス側所定位置Z6 の巻線F8,F7に繋げる。
この2本の巻線F8,F7のそれぞれを再び1ターンさ
せた後で合流させ、巻線位置Z5 の巻線に繋げる。
【0084】この結果、Z軸方向中心部においては特
に、−Z7 およびZ7 の位置で隣り合う2本の巻線F
6,F7が実質的に同一巻線と見做される。この2ター
ンの巻線F6,F7を流れる2つの電流の向きは互いに
反対であり、この2つの巻線F6,F7により発生する
磁場はキャンセルされる。このため、中心部の−Z6
6 の両位置では実質的に分流に依らないI/2ターン
が等価的に実現される。
【0085】このZコイルアセンブリ12Z全体の簡略
化した、分数ターンの存在のみを示す概念的な回路を図
18に示す。メインコイルの2つのコイルセグメント1
2Z−1,12Z−2と、シールドコイルの2つのコイ
ルセグメント12Z−3,12Z−4とが直列に接続さ
れる。単一の傾斜磁場電源17から一括して所望電流値
Iが供給されるようになっている。コイルセグメント1
2Z−3,12Z−4において、符号F1〜F8の巻線
は上述した分数ターン(I/2ターン)の巻線を等価的
に表わしている。電源17には波形整形器18が接続さ
れている。波形整形器18は、図示しないシーケンサか
ら指令される傾斜磁場Zチャンネルの波形データを受
け、このデータに対応した波形制御信号を電源17に出
力する。これにより電源はシーケンサが意図したZチャ
ンネルの傾斜磁場を生成するためのパルス電流Iを直列
接続されたコイルセグメント群に出力する。
【0086】このようにシールドコイルのコイルセグメ
ント12Z−3,12Z−4に分数ターンFTa〜FT
dを付加することで、一層巻きでありながら、シールド
コイル12ZSにより実際に得られる流線関数を理想流
線関数により近付けることができ、またZ軸方向の中心
部と両端部の巻線密度を上げることができる。
【0087】これを詳述すると、従来では、一定幅の1
本のコイル材を用いたために、Z軸方向の中心部と両端
部に巻線の無い隙間が広く空いていた。例えば、図19
に示すように、一定幅の線材100を円筒ボビン101
の周囲に巻装して一層巻きのコイルを形成しようとする
と、コイルの実際の幅は巻線(ターン)が最も混んでい
る(密になっている)箇所Aの巻線間の幅により決定さ
れてしまう。つまり、巻線が一番混んでいる部分の巻線
間幅よりも幅広の線材を用いることはできないという制
約があった。この制約により、理想的な連続電流分布が
不連続な電流分布に置き換えられるとき、コイルの巻線
の一部に線材が広く存在しない隙間が空いてしまってい
た。
【0088】しかし、分数ターンを併用することにより
流線関数の曲線を理想状態により近付けることができ
る。これにより、シールドコイルのコイルセグメント1
2Z−3,12Z−4の磁束発生状況がその理想状態に
近付くことになり、結果として発生磁場に対するシール
ド性能が向上することになる。
【0089】つまり、Z軸方向位置についてよりスムー
ズ(滑か)な流線関数曲線を得ることができ、連続関数
により近くなる。したがって、前述した第1の実施形態
に係る巻線位置の決定方法と共働して、ASGCを組み
込んだMRI装置により得られるMR画像の画質を著し
く向上させることができる。
【0090】同時に、ASGCとしては、必要に応じて
一層巻きの巻き状態を維持できるので、ASGCがその
径方向に厚くなって、ガントリ全体を大形化させてしま
うこともない。さらに、このように分数ターンという新
しい概念を導入することにより、従来一部で試みられて
いたパルスシーケンスの工夫や、RFパルスの位相制御
と言った後追い的な渦電流磁場の補正処理でも対処可能
になる。これに拠り、パルスシーケンス制御の複雑化を
防止できるという二次的な利点もさることながら、その
ような後追い的な補正処理では対処しきれなかった渦電
流磁場の空間的な高次成分に対して極めて有効である。
すなわち、本発明の分数ターンを追加・併用することに
より、発生する渦電流自体を本質的に極めて低レベルま
で抑制できるから、かかる高次成分磁場自体も低く抑え
られ、補正処理が不要になるのである。またコイル自体
の抵抗やインダクタンスも殆ど変わらないから、分数タ
ーンに拠る傾斜磁場電源の出力増は必要では無く、従来
のものを使用できる。
【0091】ここで、上述のように定性的に説明できた
効果をシミュレーションで検証したところ以下のような
った。
【0092】本実施形態の分数ターンを採用したZコイ
ルアセンブリのメインコイルの巻線位置の例を図20
(a)に、シールドコイルの巻線位置を同図(b)に示
す。所望の電流値IはI=99.345[A]である。
同図の巻線位置はZ軸方向の(+)側のみを示す。した
がって実際の巻線は(−)側にもこれと対称位置に各々
巻かれる。この巻線位置に基づくシールドコイルの流線
関数は図21のようになる。同図から明らかなように、
Z軸方向中心部、すなわちZ=−0.3[m]〜0.3
[m]付近、ならびに、Z軸方向両端部、すなわちZ=
−0.7[m]〜−1[m]付近およびZ=0.7
[m]〜1[m]付近の流線関数が第1の実施形態のも
のよりも更に滑らかになり、理想流線関数により近くな
っている。この結果、漏れ磁場に因る渦電流分布は図2
2のようになり、第1の実施例のものに比べて、半径
0.5[m]地点の両端部および中心部での渦電流が著
しく低下し、しかもZ軸方向の各位置全体に亘って平坦
化されている。
【0093】これはとりも直さず、実際の電流の流線関
数が理想状態である滑かな曲線になるように付加した分
数ターンが寄与していることであり、これによりASG
Cを組み込んだMRI装置により得られるMR画像の画
質を著しく向上させることができる。
【0094】なお、上記第2の実施形態に係るZコイル
アセンブリでは分数ターンをZ軸方向中心部と両端部の
両方に実施する場合を説明したが、これは必要に応じて
何れか一方、すなわち中心部又は両端部のみに実施する
こともできる。また、Zコイルアセンブリにおいてシー
ルドコイルにのみ分数ターンを追加する例を示したが、
メインコイルおよびシールドコイルの双方に実施するこ
ともできるし、場合によってはメインコイルのみに実施
してもよい。メインコイルに分数ターンを付加するとき
もやはりメインコイルによる電流の流線関数をスムージ
ングできるから、傾斜磁場特性自体を向上させ、強いて
はMR画像の画質向上に寄与することになる。
【0095】また、上記第2実施形態ではコイルの巻線
位置を決めるのに、一度、流線関数を算出し、この関数
上で電流ステップ毎に簡単に巻線位置を決める手法を採
用したが、これに代えて従来と同様に、電流密度関数を
積分しながら、その積分値毎に巻線位置を決めることも
当然に可能である。
【0096】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形
態に係る磁場発生用コイルユニットを図23〜図26に
基づき説明する。この実施形態における磁場発生用コイ
ルユニットは第2の実施形態のときと同様に、ASGC
型の1つのコイルアセンブリである円筒状のZコイルア
センブリのシールドコイルのコイルセグメント12Z−
3、4について実施したものである。ここで、第1の実
施形態の構成要素と同一又は同等のものには同一符号を
付して説明を省略又は簡単化する。
【0097】前述した第2の実施形態の分数ターンは、
分割した分流路に流す電流の向きが共に同一方向(以
下、順流分数ターンという)であったが、この第3の実
施形態では、分割した分流路に流す電流の向きが互いに
逆向きとなる分数ターン(以下、逆流分数ターンとい
う)を実施したものである。第1の実施形態に係る巻線
位置の決定法はこの第3の実施形態にも適用される。
【0098】図23(b),(c)に示すように、シー
ルドコイルのコイルセグメント12Z−3、4の両端
に、この「逆流分数ターン」FTi ,FTj をそれぞれ
実施し、その中央部には第2の実施形態と同様の「順流
分数ターン」をFTc ,FTdを実施している。一方の
シールドコイル12Z−3において、給電点の一方に繋
がる巻線はボビンB2の端部の所定巻線位置で巻線F2
1,F22に分岐しかつその巻線方向がボビン周回方向に
おいて互いに逆向きのまま、巻線位置−Z1 ,−Z2 の
位置に巻装されている。一周巻装された巻線F21,F22
は合流して、次のターンである巻線位置−Z3 の巻線に
繋がる。巻線F21,F22の抵抗値は少なくとも同一であ
る。これにより、巻線F21,F22には共にI/2の大き
さの電流が流れるが、一方の巻線F21には+I/2の電
流が流れ、もう一方の巻線F22には−I/2の逆向きの
電流が流れる。もう一方のシールドコイル12Z−3に
おいても、巻線F23,F24によって同様の逆流分数ター
ンFTj が形成されている。
【0099】この逆流分数ターンFTi ,FTj を設け
たことによる実際の流線関数を図23(a)に示す。一
方の巻線F21(F24)の位置でアンペアターンNIはI
/2だけ上昇し、その隣の巻線F22(F23)の位置でI
/2だけ低下する関数曲線となる。これにより、理想流
線関数の裾野の傾斜が緩やかな場合、その緩やかさに極
力近い流線関数を実現でき、前述した第2の実施形態と
同等の作用効果を得ることができる。
【0100】ここで、図23に示すように順流(ボビン
中央部)と逆流(ボビン両端部)の分数ターンを実施し
たときのシミュレーション結果の一例を示す。
【0101】Zコイルアセンブリのメインコイルの巻線
位置の例を図24(a)に、シールドコイルの巻線位置
を同図(b)に示す。シールドコイルに対して図24
(b)に示す如くZ軸方向(+)側についてはその中心
部(Z=約零、0.0400[m])に順流分数ターン
を、端部(Z=0.97500[m],1.03500
[m])には逆流分数ターンをそれぞれ付加した。これ
らの分数ターンはI/2(I=99.345[A])の
分数ターンである。同図(b)における分数ターン以外
の巻線位置は通常ターンであり、また図24(a)は図
20(a)と同じ数値内容で、対比を容易にするため再
掲した。所望の電流値IはI=99.345[A]であ
る。同図の巻線位置はZ軸方向の(+)側のみを示す。
したがって実際の巻線は(−)側にもこれと対称位置に
各々巻かれる。)この巻線位置に基づくシールドコイル
の流線関数は図25のようになる。同図から明らかなよ
うに、Z軸方向中心部、すなわちZ=−0.3[m]〜
0.3[m]付近、ならびに、Z軸方向両端部、すなわ
ちZ=−0.7[m]〜−1.5[m]付近およびZ=
0.7[m]〜1.5[m]付近の流線関数が第1の実
施形態のものよりも更に滑らかになり、理想流線関数に
より近くなっている。この結果、漏れ磁場に因る渦電流
分布は図26のようになり、第1の実施例のものに比べ
て、半径0.5[m]地点の両端部および中心部での渦
電流が著しく低下し、しかもZ軸方向の各位置全体に亘
って平坦化されている。
【0102】これはとりも直さず、第2の実施形態のと
きと同様に、実際の電流の流線関数が理想状態である滑
かな曲線になるように付加した順流、逆流分数ターンが
寄与していることであり、これによりASGCを組み込
んだMRI装置により得られるMR画像の画質を著しく
向上させることができる。
【0103】[第4の実施形態]本発明の第4の実施形
態に係る磁場発生用コイルユニットを図27に基づき説
明する。この実施形態における磁場発生用コイルユニッ
トは前記各実施形態のときと同様に、ASGC型の1つ
のコイルアセンブリである円筒状のZコイルアセンブリ
のシールドコイルのコイルセグメント12Z−3、4に
ついて実施したものである。
【0104】この実施形態では、前述した「逆流分数タ
ーン」FTk を1つだけボビンB2の中央部に実施した
ものである。ボビンB2の両端部には「順流分数ター
ン」FTa ,FTb を実施している。なお、第1の実施
形態に係る巻線位置の決定法、すなわち、ボビン端部側
からボビン中心部に向けて順に巻線位置を決める方法
は、この実施形態のシールドコイルにも実施される(以
下の実施形態でも同様とする)。
【0105】この逆流分数ターンFTk は巻線F25,F
26から成り、それぞれ、ボビン中央部の巻線位置−Z6
,Z6 に巻装されている。巻線位置−Z5 の通常巻線
につながる巻線は、巻線位置−Z6 にて互いに逆向きの
巻線F25(巻線位置=−Z6 )と巻線F26(巻線位置=
Z6 )に分岐し、そのまま巻き回される。そして、再
び、巻線位置=Z6 にて合流し、隣の巻線位置Z5 の通
常巻線につながる。これにより、2本の巻線F25,F26
に流れる電流は、それらのインピーダンスが同じ場合、
I/2の電流値となり、かつ、その向きは互いに反対方
向となる。
【0106】この結果、前述した実施形態のものと同等
の作用効果を得ることができる。さらに、中心部に逆流
分数ターンを実施する場合、その数は1つで済むという
利点がある。これは、前述した実施形態に係る中央部の
巻線F6 ,F7 に流れる電流が互いに相殺され、巻線F
5 ,F8 の電流値のみが流線関数に寄与することと等価
である。したがって、逆流分数ターンをボビン中央部に
実施すると、順流分数ターンに比べて、分数ターン数を
1個に減らすことができ、巻線構造がより簡素化され、
また巻線作業も容易化されるという、別の優れた効果が
得られる。
【0107】また、図27の巻線構造において、2本の
巻線F25,F26が交差する部分(図中のD部分)は、板
状のリード線の板厚を1/2に形成しかつ絶縁した状態
で重ねている。このため、巻線構造全体の一層巻きの状
態を維持できる。
【0108】なお、上述のようにボビン中央部に逆流分
数ターンをボビン中央部に実施する場合、図28のよう
な分数ターンFTk′を形成してもよい。すなわち、こ
の逆流分数ターンFTk′をボビン円周方向に約半周さ
せた位置で、巻線位置を−Z6 からZ6 に、および、Z
6 から−Z6 に渡らせるものである。これによっても、
同等の逆流分数ターンを実施できる。
【0109】[第5の実施形態]本発明の第5の実施形
態に係る磁場発生用コイルユニットを図29〜図31に
基づき説明する。この実施形態における磁場発生用コイ
ルユニットは前記実施形態のときと同様に、ASGC型
の1つのコイルアセンブリである円筒状のZコイルアセ
ンブリのシールドコイルのコイルセグメント12Z−
3、4について実施したものである。ここで、第1の実
施形態の構成要素と同一又は同等のものには同一符号を
付して説明を省略又は簡単化する。
【0110】この第5の実施形態は、上記実施形態に係
る作用効果に加えて、分数ターンを形成したときの各タ
ーン(分流路)の抵抗および/又はインダクタンスの値
を互いに同一にし、目的とした数の分流を確実に行わせ
ようとするものである。前記実施形態で説明した磁場発
生用コイルの場合には特に言及しなかったが、分数ター
ンを形成するに当り、下記の点に留意することがより望
ましい。
【0111】(1)まず、電流を各ターンに等しく分流
させる場合には分数ターンを形成する各ターン(分流
路)の抵抗値を互いに等しく設定する必要がある。定常
電流を対象とする静磁場コイルやシムコイルの場合、こ
の条件(1)を満足させる構成がより望ましい。 (2)また傾斜磁場発生用コイルのようにパルス電流を
流すコイルの場合、上記条件(1)に加えて、分数ター
ンのそれぞれのターン(分流路)のインダクタンス値も
互いに等しく設定することがより望ましい。
【0112】上記条件(1),(2)を満足させるた
め、本実施形態に係るZコイルアセンブリのシールドコ
イルのコイルセグメント12Z−3,4は図29
(b),(c)に示す巻線配置および巻き方を採用して
いる。同図に示す毎く、このコイルセグメント12Z−
3,4では第2の実施形態に係る図17と同様の手法に
より、Z軸方向の中心部および両端部に分数ターン(順
流分数ターン)を各々形成している。なお、図29
(b),(c)は、コイルセグメント12Z−3,4を
同一方向の外側面および内側面から見た様子を示す(同
図の方向A,B参照)。
【0113】最初に中心部の分数ターンFTg,FTh
を説明する。一方の分数ターンFTgは、図29
(b),(c)におけるZ軸(−)側の中心部の位置−
6 ,−Z7 に巻装されたI/2ターンの巻線F5,F
6で構成され、もう一方の分数ターンFThは、Z軸
(+)側の中心部の位置Z7 ,Z6 に巻装されたI/2
ターンの巻線F7,F8で構成される。
【0114】これらの分数ターンFTg,FTh自体の
巻線位置は第2の実施形態のものと同一であるが、一方
の分数ターンFTgの巻線F5,F6をもう一方の分数
ターンFThに繋げる際、折り返しにより隣り合う一方
の巻き線、すなわち巻線F5(F7)とF6(F8)を
互いに交差させている(仮想線B部参照)。この等価回
路は図30のようになる。各分流路(すなわち巻き線
「F5+F7」、および「F6+F8」)の長さは互い
に等しく設定されている。これにより、各分流路の抵抗
値が同一値に揃えられている。
【0115】この分数ターンFTg,FThに対して
は、電流I/2の向きは第2の実施形態のときと同様に
保持され、巻線F6およびF7間の磁束キャンセル機能
も確保されている。また巻線の交差により、この分流閉
路に流れる鎖交磁束による誘起電流(図30の矢印参
照)は2つのループS1,S2で同じ向きになる。した
がって、ループS1,SS2での磁束が互いにキャンセ
ルし合い、各分流路F6+F8およびF5+F7のイン
ダクタンスが互いに等しくなる。換言すればF6とF5
のインダクタンス値が相互に等しく、且つF7とF8の
インダクタンス値が相互に等しい。
【0116】このコイルセグメント12Z−3,4の巻
線の内、例えば図29(b)中の仮想円Aで示す如くの
分流させていない通常の巻線(電流Iを流す)は、図3
1(a)に示すように縦横にtの長さを有するt2 の断
面積の線材で巻装されている。一方、分数ターン部分の
2本の分流路「F5+F7」および「F6+F8」は、
その全体経路に亘って、図31(b)又は(c)に示す
ように縦がt/2の厚さの線材で巻装されている。この
ため、巻線F5(F7)とF6(F8)の交差部分の厚
さは何れの場合もtに収まる。これにより、コイルセグ
メント12Z−3,4全体を一層巻きで形成することも
できる。
【0117】2本の分流路の断面形状として図31
(b)の方を採用した場合、厚さt/2だが、幅2tと
2倍になっているから断面積自体は通常巻線と同じにな
る。このため、分数ターン部分の両端の単位長さ当りの
抵抗は通常巻線(Iアンペアターン)のそれの1/2に
なる。また図31(c)の方を採用した場合、各分流路
の断面形状は厚さt/2かつ幅tであり、単純に厚さの
みを通常巻線に比べて半分の線材を用いている。このた
め、分数ターン部分の両端の単位長さ当りの抵抗値は、
2本の線材の並列接続であるため、通常巻線(Iアンペ
アターン)のそれと等しい。
【0118】一方、両端部の分数ターンFTe,FTf
の場合もそれぞれ、第2の実施形態の場合と同一の巻線
位置においてI/2ターンの分数ターンを成している。
しかも、前記条件(1)および(2)を考慮して、分数
ターンFTe,FTfそれぞれの分流路の抵抗値および
インダクタンス値を互いに揃えている。抵抗値について
は、それぞれの分流路(巻線)の長さを一致させる。イ
ンダクタンス値については、図29(c)の仮想円C部
分に示す如く、巻線F1,F2(またはF3,F4)を
互いに交差させ、鎖交磁束による誘起電流に対して中心
部の分数ターンと同一のキャンセル機能を発揮させてい
る。
【0119】このように第5の実施形態によれば、第2
の実施形態における作用効果のほか、分数ターンの各巻
線(分流路)間の抵抗値およびインダクタンス値が同一
値に揃えられるので、傾斜磁場のようにパルス状の電流
(磁場)を扱う場合でも、分数ターンにおける確実な分
流機能を得る。
【0120】なお、パルス状電流の時間的変化が緩やか
な場合、分数ターンの各巻線間で必ずしもインダクタン
スを同じにする必要がないので、そのような場合、例え
ば抵抗値のみを揃えるようにしてもよい。
【0121】また、この実施形態に係る分数ターンは、
シールドコイルのみならず、メインコイルにも適用でき
るし、また傾斜磁場コイルユニットのZチャンネルのみ
ならず、X,Yチャンネルにも適用できる。
【0122】また分数ターンの分流路の抵抗値のみ、ま
たはインダクタンス値のみを揃えることもでき、そのよ
うな分数ターンを静磁場コイルやシムコイルに適用する
ことも可能である。
【0123】さらに、前述した第2〜第4の実施形態で
は、この分数ターンの巻線の交差に触れていないが、こ
れらの実施形態の分数ターンにも、かかる巻線交差の構
成を適宜採用してもよい。
【0124】さらに、分数ターンに入れる交差数は上述
したように必ずしも1個に限定されない。この交差数は
他のチャンネルのコイルが発生する磁束をも考慮して決
めることができ、種々の態様がある。例えば、ほかのチ
ャンネルの磁束の影響が大きい場合は、上述したように
交差数を1つとし、また、その影響が大きくかつ磁束分
布が複雑な場合、交差数を複数個形成してもよい(例え
ば3個:図45の分数ターンFTw参照)。なお、かか
る磁束の影響が少ない場合、交差させなくてもよい場合
もある。
【0125】さらに、上述した第5の実施形態において
Z軸方向端部に実施した分数ターンFTe,FTfの構
成をその中心部の分数ターンに適用することもできる。
その一例を図32(a),(b)に示す。つまり、この
例では、端部および中心部ともに同一構成の分数ターン
FTe,FTfおよびFTe′,FTf′を採用し、共
に抵抗値およびインダクタンス値をそれぞれの分数ター
ンの分流ターン間で揃え、鎖交磁束に因る誘起電流に対
するキャンセル機能を良好に発揮させることができる。
とくに、全部の分数ターンが同一の構成であるから、設
計の容易化などにも貢献できる。
【0126】また、上述した分数ターンはZ軸方向の中
心部や端部の特定の巻線のみに限定して適用するもので
はなく、必要に応じて、途中の任意の巻線(ターン)を
分数ターンに変えてもよいし、また巻線と巻線との間に
本発明に係る分数ターンを付加的に配置するようにして
もよい。コイルユニットの形状やコイルの巻き方が異な
る場合でも同様に、任意の位置にこの分数ターンを実施
できる。
【0127】[第6の実施形態]本発明の第6の実施形
態を図33に基づき説明する。この実施形態に係る磁場
発生用コイルユニットは、第5の実施形態のものと同様
のシールドコイルのコイルセグメント12Z−3,4で
あるが、順流分数ターンを更に3分流路に発展させたも
のである。
【0128】図33(b),(c)はそれぞれ同図
(a)に示すように、円筒状ボビンB2を同一方向の外
側面および内側面の方向A,Bから巻線位置を見た様子
を模式的に示す。
【0129】シールドコイルのコイルセグメント12Z
−3および12Z−4が対を成してシールド用Zチャン
ネルを形成している。コイルセグメント12Z−3,4
のZ軸方向両端部および中心部には、順流分数ターンと
しての3分割の「I/3ターン」FTm,FTn,FT
o,FTpがそれぞれ形成されている。この「I/3タ
ーン」FTm…FTpのそれぞれの巻線位置は前記実施
形態と同様の手法により決められている。
【0130】「I/3ターン」FTm…FTpのそれぞ
れの各分流路(巻線)の長さは同一で抗値が揃えら
れ、また巻線の交差によりそのインダクタンス値も揃え
られている。このため、I/3ターンにより、実際の磁
場分布をよりきめ細かくスムージングして理想磁場分布
に近付けることができるとともに、パルス状の電流に対
して第5の実施形態のものと同等の作用効果を発揮でき
る。
【0131】なお、磁場発生用コイルユニットの例えば
中心部および両端部に分数ターンを施す場合、必ずしも
常に同一個数の分流路の分数ターンにする必要はなく、
例えば、両端部のそれぞれには2分流路の分数ターン
を、中心部には3分流路の分数ターンを施すなど、分流
路数を巻線位置で適宜に変えるようにしてもよい。
【0132】[第7の実施形態]本発明の第7の実施形
態に係る磁場発生用コイルを図34〜図37に基づいて
説明する。この磁場発生用コイルとして、前述した図2
に示すアクティブシールド型の傾斜磁場コイルユニット
12のYチャンネルのYコイルアセンブリ12Yを説明
する。
【0133】Yコイルアセンブリ12Yは図34に示す
ように、ボビンを含めてその全体が略円筒状に形成さ
れ、そのコイル部はメインコイル12YM及びシールド
コイル12YSから成る。メインコイル12YMは、空
間原点(X,Y,Z)=(0,0,0)を中心に且つZ
X面を介して対向配置される、各々が半円筒状の2対
(4つ)のボビンB,…,Bと、このボビンB,…,B
上に巻装される2対のコイルセグメント12YM−1,
12YM−2とを備える。各対のコイルセグメント12
YM−1(又は12YM−2)は、ボビンB,B上で各
サドル状にパターン化され且つXZ面を介して対向する
2つのコイルセグメントCS,CSから成る。
【0134】シールドコイル12YSは、メインコイル
12YMの外周側の所定径だけ離間した位置に配置さ
れ、メインコイル12YM全体を覆う円筒状に形成され
ている。シールドコイル12YSは、径は異なるもの
の、メインコイル12YMと同様の構造を有する。すな
わち、シールドコイル群12YSは空間原点(X,Y,
Z)=(0,0,0)を挟んでZ軸方向に並置される、
各々が半円筒状の対のボビンB,…,Bと、このボビン
B,…,B上に巻装される2対のコイルセグメント12
YS−1,12YS−2とを備える。各対のコイルセグ
メント12YS−1(又は12YS−2)は、ボビン
B,B上で各サドル状にパターン化され且つXZ面を介
して対抗する2つのコイルセグメントCS,CSから成
る。
【0135】メインコイル12YMおよびシールドコイ
ル12YS共に、そのコイルセグメントCSのコイルパ
ターンは実際には、展開図上で幾重にも回された渦巻き
状に形成される。このコイルパターンは、例えば特開昭
62−143012号に示される手法を用いて形成でき
る。
【0136】本実施形態では本発明の分数パターンを、
YチャンネルのシールドコイルのコイルセグメントCS
のそれぞれに実施している。この様子を図35に模式的
に示す。同図は、見易くするため、1つのコイルセグメ
ントCSを3周回巻き回しの渦状のみに簡単化させたサ
ドルコイルとして示している。なお、このYチャンネル
のシールドコイルのコイルセグメントの巻線位置も、前
述した第1の実施形態のコイル巻装法を踏襲している。
すなわち、各コイルセグメントについて、図34の2点
鎖線K1,K2で示す如く、Z軸方向の中心部および端
部からセグメント中心部に向かって順に巻線位置を決め
ている。
【0137】いま図35において、3周の流路を外側か
ら順にCout ,Cmid ,Cinと呼ぶことにする。一番外
側の流路Cout には、その途中に部分的に分数ターン
(順流)FTout が挿入されている。この分数ターンF
out は、流路Cout から流路上の所定位置で2つに分
岐する分流路F11,F12で構成される。この分流路
11,F12は所定の途中位置で交差し(但し、互いに絶
縁状態)、流路上の所定位置で再び合流するようになっ
ている。
【0138】この外側の流路Cout の内、分数ターンF
out 以外の1本の線材部分は所定厚さtの線材(幅は
t)で形成される。なお、この線材の縦横比は任意であ
る。一方、分数ターンFTout の分流路F11,F12の各
々は厚さt/2の線材(幅は2t又はt)で形成されて
いる。また分流路F11,F12の流路に沿った長さは同一
に設定されている。このため、分流路F11,F12の抵抗
値は互いに等しく、且つ交差によって渦電流に対する各
々の閉路の起電力を相殺させることができ、相互のイン
ダクタンス値も等しくなる。また交差点での線材のトー
タルの厚さはt(=t/2+t/2)で済む。
【0139】真中の流路Cmid はその全周に亘って1本
の線材(厚さt,幅t)により形成される。
【0140】さらに一番内側の流路Cinはその全周に亘
って分数ターン(順流)FTinにより構成されている。
すなわち、内側流路Cin(=FTin)はその起点位置で
2本の同一長の分流路F13,F14に分岐し、流路途中の
所定位置で交差し、1周回った最後の終点位置で互いに
合流するものである。この全周に亘る分数ターンFTin
の場合、個々の分流路F13,F14は最初から最後まで厚
さt/2(幅は2t又はt)の線材が所定パターンに沿
って引き回される。この場合も同様に、分流路F13,F
14の抵抗値およびインダクタンス値は流路同士で互いに
等しい。また交差点での線材のトータルの厚さはtのま
まである。
【0141】したがって、外側流路Cout の給電端に供
給されたパルス状の電流Iはその流路の分流路F11,F
12で正確にI/2ずつに分流した後、再び合流して電流
Iとなる。この電流Iは真中の流路Cmin を回った後、
一番内側の流路Cinに入る。この流路Cinではその分流
路F13,F14を最初からI/2ずつの正確な分流電流が
流れ、周回した後、別の給電端から次のコイルセグメン
トに流れる。図36には、そのように形成された個々の
コイルセグメントCSをメインコイル群、シールドコイ
ル群で相互に直列接続してYチャンネルのパルス電流I
を流す等価回路を示す。同図のシールドコイル群12Y
Sのコイルには分数ターンを図示してはいないが、各々
のコイルセグメント(シールドコイル)CSは分数ター
ンFTou t およびFTinを含んでいる。
【0142】このようなコイルセグメントCSが、図3
4に示した各々のボビンB上に配置される。従来では図
37に示すように、渦巻き状のコイルセグメントのZ軸
方向中心部およびコイル端部で線材間に前述した隙間が
できていたが、本実施形態の分数ターンによってその隙
間を埋めることができる。したがって、シールドコイル
の流線関数をスムージングして理想曲線へより近付ける
ことができ、そのような隙間から洩れる磁場を適確にシ
ールドできる。これにより、前述と同様、渦電流の発生
を抑制し、ASGCの本来の目的を達成して画質を向上
させる。また一層巻きの状態も維持しているユニット径
方向の小形化を阻害することもない。
【0143】さらに、分数ターンの各流路の抵抗値およ
びインダクタンス値が共に流路同士で等しいから、パル
ス状の電流でも正確に分流でき、高精度なシールド機能
を確保できる。
【0144】なお、上記実施形態では分数ターンの抵抗
値、インダクタンス値の両方を流路間で相互に揃えるこ
ととしたが、構造上の都合などに拠っては、何れか一方
のみを相互に揃えることにしてもよい。また、この分数
ターンをYチャンネルのメインコイルについても併せて
実施することもできるし、メインコイルのみに実施する
こともできる。
【0145】また、上記した如くの分数ターンF
out ,FTinの数や位置(何周目に置くか)は任意で
ある。実際の流線関数が極力、理想流線関数に近付くよ
うにスムージングできればよく、実際の物理的な条件と
の兼ね合いに応じて決めればよい。上記説明では、外側
の分数ターンFTout は流路Cout の途中に部分的に介
在させるとしたが、内側の分数ターンFTinと同様に、
その全周に亘って形成することもできる。
【0146】なおまた、X軸方向の傾斜磁場を形成する
Xコイルアセンブリ12Xにも上記分数ターンを実施し
てもよい。Xコイルアセンブリ12XはYコイルアセン
ブリ12YをZ軸周りに90°回転させたものと等価で
ある。そのようなXコイルアセンブリ12Xのメインコ
イルまたは/およびシールドコイルに前述したと同様の
適宜な態様で適用できる。また静磁場コイルやシムコイ
ルにも同様に実施してもよい。
【0147】さらに、上述した図35の巻線構造におい
て、分数ターンFTout ,FTinそれぞれの巻線交差位
置は必ずしも分流路のリード線走行方向の中心位置など
の固定位置にて行うという構成に限定されるものではな
い。例えば、他チャンネルコイルからの磁束が分流路に
交鎖する場合で磁束アンバランスを生じる場合、分数タ
ーンの分流路を交差させる位置は、磁束アンバランスの
影響を打ち消すように調整することもできる。この調整
法は、非対称な傾斜磁場を発生させるコイルユニットに
とくに有効である。
【0148】さらに、上述した内側の分数ターンFTin
は順流分数ターンで形成する構造を示したが、この分数
ターンは逆流分数ターンで形成することもでき、その一
例を図38に示す。
【0149】[第8の実施形態]本発明の第8の実施形
態を図39に基づき説明する。この実施形態は、第7の
実施形態と同様に、アクティブシールド型の傾斜磁場コ
イルユニット12のYコイルアセンブリ12Yのシール
ドコイルに本発明を実施したもので、順流分数ターンを
「I/3ターン」に発展させた例を示す。
【0150】Yコイルアセンブリ12Yのシールド用の
各コイルセグメントCS(シールドコイル)は図39に
示すように、3周の流路Cout ,Cmid ,Cinを備え
る。この内、外側を周回する流路Cout には、その途中
の一部に、流路を3分岐する「I/3ターン」の分数タ
ーンFTout が形成されている。また内側の流路Cin
その全体が「I/3ターン」の分数ターンFTinで形成
されている。
【0151】外側の分数ターンFTout の3本の分岐線
材(分流路)は分岐前の1本の線材に比べて、幅tは同
一であるが、厚さがt/3に形成されている。(図39
中の断面説明図(a),(b)参照)。これにより、1
本の分岐線材当たりの断面積が1/3になるが、3本の
並列接続であるので、Iアンペア・ターンのものと同じ
抵抗値になる。
【0152】さらに、この外側の分数ターンFTout
3本の分岐線材の長さは互いに等しく、また途中の所定
位置で交差させている。これにより、各分流路の抵抗値
およびインダクタンス値が互いに等しくなり、定常電流
のみならず、パルス電流に対しても正確なI/3ターン
の分流が可能になる。また交差部分では、厚さをt/3
に設定しているので、Yコイルアセンブリ12Yのシー
ルドコイル全体の1層巻きの状態を維持でき、アセンブ
リ径方向におけるコンパクトサイズを維持できる。な
お、3本の分岐線材の厚さは必ずしもt/3に限定され
るものではなく、シールドコイル1層の厚さを増やせる
場合には各分岐線材を厚く(絶対値として)してもよ
い。
【0153】一方、内側の分数ターンFTinの3本の分
岐線材(分流路)もその途中所定位置で交差させなが
ら、I/3ターンを形成している。ただし、図39中の
点線円Cに示すように、分岐線材を異なる3か所におい
てその内の2本ずつを互いに重ねながら交差状態を実現
しているため、各分岐線材の厚みをt/2に設定した場
合でも、1層巻き状態を維持できる。この内側の分数タ
ーンFTinの各分流路の抵抗値およびインダクタンス値
が分流路相互に等しく設定され、分流機能の確実化が達
成されている。
【0154】[第9の実施形態]本発明の第9の実施形
態を図40に基づき説明する。この実施形態は、第8の
実施形態をさらに発展させ、前述したシールドコイル1
2YSのコイルセグメントに「I/nターン」(n>
3:整数値)を実施したものである。
【0155】Yコイルアセンブリ12Yのシールド用の
各コイルセグメントCSは図40に示すように、例えば
3周の流路Cout ,Cmid ,Cinを備える。この内、外
側を周回する流路Cout には、その途中の一部に、流路
をn分岐する「I/nターン」の分数ターンFTout
形成されている。また内側の流路Cinはその全体が「I
/nターン」の分数ターンFTinで形成されている。
【0156】分数ターンFTout およびFTinのそれぞ
れは、n本の分岐線材(分流路)で成り、前述したI/
3ターンの構成上の特徴を踏襲して形成されている。n
本の分岐線材の交差部分は、1本の分岐線材の厚さを例
えばt/nに設定して、シールドコイル全体の1層巻き
状態を確保している。
【0157】これにより、前述したと同等の作用効果が
得られるほか、分岐本数を増やすことで、このコイル構
成により実現される階段状の流線関数のスムージング精
度を上げ、連続的な理想流線関数に一層近づけることが
できる。
【0158】[第10の実施形態]第10の実施形態に
係る磁場発生用コイルを図41、42に基づき説明す
る。磁場発生用コイルユニットとしてZ軸方向(Zチャ
ンネル)のシム(静磁場補正)コイルを挙げる。
【0159】図41(b)にZ軸方向シムコイル13Z
の巻線位置を模式的に示す。同図に示すように、Z軸方
向の中心部に本発明に係る分数ターンFTD-1 ,FT
D-2 を形成している。すなわち、同図におけるZ軸方向
左側の分数ターンFTD-1 は、流線関数値=13I/
4,15I/4に対応するZ軸方向位置−Za,−Zb
の分岐巻線F12-1,F13-1で構成し、一方、Z軸方向右
側の分数ターンFTD-2 は、流線関数値=17I/4,
19I/4に対応するZ軸方向位置Zb,Zaの分岐巻
線F13-2,F12-2で構成している。そして、流線関数値
=5I/2に相当する左側の巻線F11-1が一方の分数タ
ーンFTD-1 に繋がり、分数ターンFTD-1がZ軸方向
に這う渡り線を介して右側のもう一方の分数ターンFT
D-2 に至る。この分数ターンFTD-2 は流線関数値=1
1I/2に相当する右側の巻線F11-2に至る。分数ター
ンFTD-1 ,FTD-2 それぞれの分流巻線F12,F13
流路長さは同一に設定し、抵抗値を互いに同じに設定す
ることが特に望ましい。
【0160】このようにターンの一部を分数ターンFT
D に置換することにより、図41(a)に示す如く、関
数値13I/4[A・T]から19I/4[A・T]に
かけて流線関数NIの繋ぎの刻み具合が、従来の巻線に
対するそれよりもスムーズになり、より理想(所望)流
線関数に近付く。すなわち、図42(b)に示す従来の
巻線状態(分数ターンFTD-1 ,FTD-2 のそれぞれの
部分が通常の電流値Iの1ターンになっていることを除
いて図41(b)と同じ)を流線関数で観た場合の図4
2(a)と対比すれば、分数ターンの付加により流線関
数が改善していることが明らかである。したがって、Z
チャンネルのシムコイル13Zの静磁場均一化に対する
性能を向上させることができる。
【0161】なお、この分数ターンはZ軸方向の任意の
位置に所望数を設けてもよい。また、この分数ターンを
シムコイルユニットのシミングの次数に拘らず設けるこ
とができ、XY,X2 −Y2 ,Z3 ,Z,X,Y,ZX
Y,Z(X2 −Y2 )…など、任意のチャンネルに適用
できる。
【0162】なお、上述した各種の実施形態は静磁場の
発生方向が水平な水平磁場方式の場合の各種のコイルに
ついてその分数ターンの適用例を説明してきたが、本発
明は静磁場の発生方式により限定されるものではなく、
例えば図43,44に示すような静磁場を垂直方向に発
生させる垂直磁場方式の各種のコイル(静磁場コイル,
シムコイル,傾斜磁場コイル,RFコイルなど)にも同
様に実施できる。
【0163】図43には、垂直磁場方式に係るASGC
ユニットのZコイルアセンブリ30Zの概略構造を、図
44にはそのYコイルアセンブリ30Yの概略構造をそ
れぞれ示す。図43において、30ZMがメインコイル
であり、30ZSがシールドコイルである。また図44
において、30YMがメインコイル、30YSがシール
ドコイルである。これらのメインコイルおよび/又はシ
ールドコイルの各コイルセグメントの少なくとも一部に
前述したと同様の分数ターンFTv を実施することで、
前述と同様の作用効果を得ることができる。
【0164】なお、コイルをエッチングなどの銅板を腐
食させてつくる方法(例えば特開平7−303624号
「勾配コイル」参照)の場合、導体幅が広くなる部分が
形成されてしまう。このため、一般的には高速スイッチ
ングをさせるEPIのようなMRI装置では、導体から
の渦電流を無視できなくなり、そのようなコイルは適当
でない。この場合も、上記の方法によって理想電流分布
に近付けることができる(ワイヤとして、例えば細線を
撚ったリッツ線などを用いれば、高速スイッチングなど
による線材自体の渦電流も問題とならない)。すなわ
ち、エッチングによるコイル形成の場合も、その一部の
ターンをとってみると、線幅の広い平角線と見做せるか
らターン分割を上述と同様に行うことができる。つまり
例えば、端のターンの線幅を狭くし、自分自身の渦を減
らすことができる。このエッチングによるコイル形成に
おいて本発明の巻線交差を実現するには、例えば図35
の例において、点線丸部分の銅を予め腐食させておき、
図35の場合と同様に、例えば2本のt/2の厚さの線
材で導体を互いに接続すればよい。したがって、エッチ
ングやミリングといったコイル形成法の場合にも本発明
の分数ターンを適用でき、より理想的なコイルパターン
が得られる。
【0165】またなお、上述した実施形態およびその変
形例では、分数ターンとしてI/n(n≧2)の、電流
値Iを等分割する形態について説明してきた。しかし、
本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例え
ば2分割の場合に、一方のターンの線幅をもう一方のそ
れの2倍にして(厚さは同じ)、巻線の線材(または導
体部)の断面積Sを2:1の割合(抵抗値は1:2)に
設定することで、ターン分割数n=2であるが、各ター
ンの電流値が2I/3,I/3と一方のターンに電流値
を余計に流す分数ターンも形成できる。これにより、分
数ターンを実施するときの設計の自由度が上がり、所望
の磁場分布が得られ易くなる。
【0166】さらに上記各実施形態において、磁場発生
用コイルユニットを傾斜磁場コイルユニットに適用する
場合、傾斜磁場コイルユニットは図1〜図3に示したよ
うに一体型に形成したものであった。しかし、本発明は
必ずしもそのような一体型の傾斜磁場コイルユニットに
限定されるものではなく、例えば、メインコイルとシー
ルドコイルをそれぞれ構造的には別体として形成し、ガ
ントリ内の離れた位置に別々に配置する構造のものにも
好適に実施できる。
【0167】さらに、前記第2の実施形態以降で説明し
た分数ターンを用いたコイルユニットにおいて、前述し
た第1の実施形態に基づくコイル巻装法を採用しない
で、従来の例えばZ軸方向中心部から端部に向かって巻
線位置を決めていく手法(Zチャンネルの傾斜磁場の場
合)を採用してもよい。
【0168】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁場発生
用コイルユニットおよびコイル巻装方法に拠れば、導体
をボビンに巻装してコイルセグメントを形成する際、コ
イルセグメントのボビン軸方向の端部側から順に巻線位
置を、例えばメインコイルの電流値など、所定電流ステ
ップ値に基づき決めたり、また、導体を巻き回したコイ
ルセグメントを備え、この導体に電流を供給することに
より磁場を発生させるようにし、そのコイルセグメント
に、前記導体が担っている電流を複数の流路に分流する
分流路部を当該導体の巻きパターンに関連して設けたた
め、順流または逆流の分数ターンを形成できることか
ら、巻線(線材)の不連続巻線分布の構造を維持し、か
つ、実際に発生させる磁場分布を、解析的に得られる所
望の連続分布に極力近づけることができ、これにより高
精度な空間分布の磁場を発生させることができる。
【0169】また、コイルユニットに電流を供給する電
源の容量を格別に大形化させることなく、現在使用に供
されている規模の出力の電源を使うことができ、この電
源条件の下で、巻線(線材)の一層巻き及び不連続巻線
分布の構造を維持し、かつ、実際に発生させる磁場分布
を、解析的に得られる所望の連続分布に極力近づけるこ
とができる。
【0170】さらに、コイルユニットに遮蔽機能を持た
せた場合、磁場の漏れや歪みを抑制して遮蔽機能を充実
させ、周囲の金属に発生する不要な渦電流を抑制でき
る。また、実際に発生させる磁場分布を所望の磁場分布
に極力近づけ、周囲の金属における不要な渦電流の発生
自体を抑制できる。これにより、かかる渦電流に因る影
響を除くための後追い的なデータ補正処理で対応できる
程度まで渦電流を抑制できる。
【0171】したがって、このコイルユニットを例えば
MRI装置の例えば、傾斜磁場コイルユニット、静磁場
コイルユニット、シムコイルユニット、RFコイルユニ
ットなどに実施することにより、感度むらの改善、直線
性の改善、均一性の改善などの直接的効果を介して、高
精度かつ高画質なMR像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁場発生用コイルユニットを実施した
MRI装置のガントリの概略断面図。
【図2】傾斜磁場コイルユニットのZ軸方向に直交する
面の概略断面図。
【図3】傾斜磁場コイルユニットの能動遮蔽型のZコイ
ルアセンブリの概略構造を示す斜視図。
【図4】第1の実施形態に係るZコイルアセンブリのメ
インコイルおよびシールドコイルのZ軸方向の巻線配置
を示す図。
【図5】Zコイルアセンブリの等価回路図。
【図6】Zコイルアセンブリに要求される傾斜磁場特性
の一例を示すグラフ。
【図7】Zコイルアセンブリのシールドコイルに要求さ
れる理想電流密度関数の一例を示すグラフ。
【図8】第1の実施形態に係るシールドコイルの流線関
数およびシールドコイルのZ軸方向の巻線位置を示す
図。
【図9】Zコイルアセンブリのメインコイルの理想的な
流線関数を例示するグラフ。
【図10】Zコイルアセンブリのシールドコイルの理想
的な流線関数を例示するグラフ。
【図11】Zコイルアセンブリのメインコイルおよびシ
ールドコイルの巻線配置位置のシミュレーション例を示
す表図。
【図12】第1の実施形態の効果との対比するためにシ
ミュレーションした比較例の渦電流の流線関数を表す
図。
【図13】第1の実施形態に係るZコイルアセンブリに
対するシミュレーション例におけるメインコイルおよび
シールドコイルの巻線配置位置の詳細例を示す表図。
【図14】上記シミュレーション例におけるメインコイ
ルの特性を流線関数を用いて説明するグラフ。
【図15】上記シミュレーション例におけるシールドコ
イルの特性を流線関数を用いて説明するグラフ。
【図16】上記シミュレーション例においてシールドコ
イルに因り発生する渦電流を示す流線関数の図。
【図17】第2の実施形態に係るシールドコイルの流線
関数およびシールドコイルのZ軸方向の巻線位置を示す
図。
【図18】Zコイルアセンブリの等価回路図。
【図19】コイルを一定幅の線材で一層巻きするときの
巻線位置と巻線の混み具合を説明する図。
【図20】第2の実施形態に係るシミュレーション例に
おけるメインコイルおよびシールドコイルのZ軸方向の
巻線位置を示す表図。
【図21】上記シミュレーション例におけるシールドコ
イルの特性を流線関数を用いて説明するグラフ。
【図22】上記シミュレーション例においてシールドコ
イルに因り発生する渦電流を示す流線関数の図。
【図23】第3の実施形態に係るシールドコイルの流線
関数およびシールドコイルのZ軸方向の巻線位置を示す
図。
【図24】第3の実施形態に係るシミュレーション例に
おけるメインコイルおよびシールドコイルのZ軸方向の
巻線位置を示す表図。
【図25】上記シミュレーション例におけるシールドコ
イルの特性を流線関数を用いて説明するグラフ。
【図26】上記シミュレーション例においてシールドコ
イルに因り発生する渦電流を示す流線関数の図。
【図27】第4の実施形態に係るシールドコイルの流線
関数およびシールドコイルのZ軸方向の巻線位置を示す
図。
【図28】第4の実施形態の変形例に係るシールドコイ
ルの流線関数を示す図およびシールドコイルのZ軸方向
の巻線位置を示す図。
【図29】第5の実施形態に係るシールドコイルの流線
関数および巻線位置を示す図。
【図30】中央部の分数ターンの部分の等価回路図。
【図31】(a)〜(c)は導体(線材)の断面を説明
する図。
【図32】第5の実施形態の変形例の一例を示すコイル
の巻線位置を示す図。
【図33】第6の実施形態に係るZコイルアセンブリの
シールドコイルの流線関数および巻線位置を示す図。
【図34】第7の実施形態に係る能動遮蔽型傾斜磁場コ
イルユニットのYコイルアセンブリの概略斜視図。
【図35】Yコイルアセンブリのコイルセグメントにお
ける分数ターンを模式的に示す巻線図。
【図36】Yコイルアセンブリの等価回路図。
【図37】第7の実施形態の作用効果を対比説明するた
めに用いたYコイルアセンブリのコイルセグメントの模
式図。
【図38】第7の実施形態の変形例に係るYコイルアセ
ンブリのコイルセグメントにおける分数ターンを模式的
に示す巻線図。
【図39】第8の実施形態に係る能動遮蔽型傾斜磁場コ
イルユニットのYコイルアセンブリの概略斜視図。
【図40】第9の実施形態に係る能動遮蔽型傾斜磁場コ
イルユニットのYコイルアセンブリの概略斜視図。
【図41】第10の実施形態に係るZ軸方向シムコイル
の流線関数および巻線位置を示す図。
【図42】図41との対比説明のために導入したZ軸方
向シムコイル流線関数およびそのコイルの巻線位置を示
す図。
【図43】その他の実施形態の一例を示す、垂直磁場方
式のASGCのZチャンネルの概略模式図。
【図44】その他の実施形態の一例を示す、垂直磁場方
式のASGCのYチャンネルの概略構成図。
【図45】分数ターンの交差数の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 MRI装置のガントリ 11 静磁場コイルユニット 12 傾斜磁場コイルユニット 12X Xコイルアセンブリ 12Y Yコイルアセンブリ 12Z Zコイルアセンブリ 12YM メインコイル 12YS シールドコイル 12YM−1,12YM−2 メインコイルのコイルセ
グメント対 12YS−1,12YS−2 シールドコイルのコイル
セグメント対 12ZM メインコイル 12ZS シールドコイル 12Z−1,12Z−2 メインコイルのコイルセグメ
ント 12Z−3,12Z−4 シールドコイルのコイルセグ
メント 13 シムコイルユニット 13Z Z軸方向シムコイル 14 RFコイルユニット 30Y Y軸方向ASGC 30Z Z軸方向ASGC CS コイメルセグメント Cin,Cmid ,Cout 流路(導体) F1〜F8 分流路(分岐導体) F11〜F14,F21〜F26 分流路(分岐導体) Fin,Fout 分数ターン(分流路部) FTD 分数ターン(分流路部) FTa〜FTk,FTm〜FTp,FTe′,FT
f′,FTk′ 分数ターン(分流路部) FTv 分数ターン(分流路部) FTw 分数ターン(分流路部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 24/06 510B

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体をボビンに巻き回したコイルセグメ
    ントを備え、この導体に電流を供給することにより磁場
    を発生させるようにした磁場発生用コイルユニットにお
    いて、 前記導体を巻装する巻線位置を、前記ボビンの軸方向に
    おける前記コイルセグメントの端部側の位置から順に所
    定電流ステップ値に基づき決めてある構造の磁場発生用
    コイルユニット。
  2. 【請求項2】 前記磁場発生用コイルユニットは、磁気
    共鳴イメージング(MRI)装置の能動遮蔽型傾斜磁場
    コイル(ASGC)を形成しており、前記コイルセグメ
    ントは前記ASGCのZチャンネルのシールドコイルに
    含まれている請求項2記載の磁場発生用コイルユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記シールドコイルは、前記ボビンに縦
    列状態かつ直列接続状態で巻装した前記コイルセグメン
    トの2個から成るコイルセグメント群を備え、前記巻線
    位置を、前記コイルセグメント群が呈する前記軸方向の
    両端部のそれぞれから順に、このコイルセグメント群が
    呈する前記軸方向中央部に向けて決めてある構造を有す
    る請求項2記載の磁場発生用コイルユニット。
  4. 【請求項4】 前記所定電流ステップ値は、前記シール
    ドコイルに対向して配置されているメインコイルに流す
    電流値である請求項3記載の磁場発生用コイルユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】 前記コイルセグメントに、前記導体が担
    っている電流を複数の流路に分流する分流路部を当該導
    体の巻きパターンに関連して設けたことを特徴とする請
    求項1記載の磁場発生用コイルユニット。
  6. 【請求項6】 前記分流路部は、前記導体を2本の分流
    導体に分岐し、その2本の分流導体を合流させる回路で
    ある請求項5記載の磁場発生用コイルユニット。
  7. 【請求項7】 前記分流路部は、前記コイルセグメント
    の前記巻きパターンに沿って巻き回された前記導体の一
    部を置換して設けてある請求項5記載の磁場発生用コイ
    ルユニット。
  8. 【請求項8】 前記コイルセグメントの導体は同一面状
    に巻き回された構造である請求項7記載の磁場発生用コ
    イルユニット。
  9. 【請求項9】 前記コイルセグメントはサドル型コイル
    を形成する複数のコイルセグメントの中の1つである請
    求項8記載の磁場発生用コイルユニット。
  10. 【請求項10】 前記分流路部は、前記コイルセグメン
    トを成す前記導体の一部として前記巻きパターンに付加
    的に設けられ、かつ前記巻きパターンに準じて巻き回さ
    れている請求項5記載の磁場発生用コイルユニット。
  11. 【請求項11】 前記コイルセグメントはソレノイド型
    コイルである請求項10記載の磁場発生用コイルユニッ
    ト。
  12. 【請求項12】 前記磁場発生用コイルユニットは磁気
    共鳴イメージング(MRI)装置の傾斜磁場コイルユニ
    ットとして形成されている請求項5記載の磁場発生用コ
    イルユニット。
  13. 【請求項13】 前記傾斜磁場コイルユニットはX軸方
    向,Y軸方向,およびそのZ軸方向の傾斜磁場を個別に
    形成するXコイルアセンブリ,Yコイルアセンブリ,お
    よびZコイルアセンブリを備え、これらのコイルアセブ
    リの少なくとも1つは前記コイルセグメントを有する請
    求項12記載の磁場発生用コイルユニット。
  14. 【請求項14】 前記少なくとも1つのコイルアセンブ
    リは、傾斜磁場発生用のメインコイルおよびこのメイン
    コイルの発生した磁場を外界に対して磁気的にシールド
    するシールド用磁場を発生するシールドコイルを備えた
    能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)を形成している
    請求項13記載の磁場発生用コイルユニット。
  15. 【請求項15】 前記シールドコイルおよび前記メイン
    コイルの少なくとも一方が前記コイルセグメントを有し
    ている請求項14記載の磁場発生用コイルユニット。
  16. 【請求項16】 前記シールドコイルが前記コイルセグ
    メントを有している請求項15記載の磁場発生用コイル
    ユニット。
  17. 【請求項17】 前記少なくとも1つのコイルアセンブ
    リは前記Zコイルアセンブリであり、このZコイルアセ
    ンブリの前記シールドコイルおよびメインコイルは個別
    の円筒状ボビンに巻装されたソレノイド型コイルを成
    し、前記分流導体部は前記シールドコイルのZ軸方向の
    中心部および両端部の内の少なくとも一方に設けてある
    請求項16記載の磁場発生用コイルユニット。
  18. 【請求項18】 前記分流路部は、前記導体を2本の分
    流導体に分岐し、この2本の分流導体を合流させる回路
    である請求項17記載の磁場発生用コイルユニット。
  19. 【請求項19】 前記2本の分流導体はその導体路の途
    中で絶縁状態で互いに交差している請求項18記載の磁
    場発生用コイルユニット。
  20. 【請求項20】 前記2本の分流導体の導体走行方向の
    長さは互いに一致している請求項18記載の磁場発生用
    コイルユニット。
  21. 【請求項21】 前記2本の分流導体の導体走行方向の
    長さは互いに一致し、且つ、その2本の分流導体はその
    導体途中で絶縁状態で互いに交差している請求項18記
    載の磁場発生用コイルユニット。
  22. 【請求項22】 前記2本の分流導体の各々の厚さは前
    記導体の厚さの1/2に形成されている請求項19また
    は21記載の磁場発生用コイルユニット。
  23. 【請求項23】 前記導体および前記分流導体は断面平
    板状の線材で形成され、この線材を前記ボビンに一層巻
    きしてある請求項18記載の磁場発生用コイルユニッ
    ト。
  24. 【請求項24】 前記分流路部は、前記Z軸方向の原点
    の両サイドに跨る中心部であって前記導体で形成される
    巻線の間に設けられる構成であり、前記2本の分流導体
    は、そのZ軸方向の前記中心部の一方のサイドに巻装さ
    れた第1の分流導体部分と、この分流導体部分がもう一
    方のサイドに渡され、かつそのもう一方のサイドで前記
    一方のサイドとは反対方向に巻装されている第2の分流
    導体部分とを有する請求項18記載の磁場発生用コイル
    ユニット。
  25. 【請求項25】 前記一方のサイドおよび前記もう一方
    のサイドに巻装される互いに反対方向に巻装される前記
    第1、第2の分流導体部分それぞれの前記原点寄りの導
    体は略原点位置に巻装されている請求項24記載の磁場
    発生用コイルユニット。
  26. 【請求項26】 前記少なくとも1つのコイルアセンブ
    リは前記Xコイルアセンブリ又は前記Yコイルアセンブ
    リであり、このコイルアセンブリの前記シールドコイル
    およびメインコイルの各々は円筒状ボビンに対向・巻装
    された2対のサドルコイルを成し、前記シールドコイル
    が有する前記コイルセグメントの導体の配置パターンは
    周回渦巻き状であって、前記分流路部はその周回渦巻き
    状の導体の任意の周回導体の少なくとも一部に置換配置
    されている請求項16記載の磁場発生用コイルユニッ
    ト。
  27. 【請求項27】 前記磁場発生用コイルユニットは磁気
    共鳴イメージング(MRI)装置の静磁場発生用の静磁
    場コイルユニットとして形成されている請求項5記載の
    磁場発生用コイルユニット。
  28. 【請求項28】 前記磁場発生用コイルユニットは磁気
    共鳴イメージング(MRI)装置における静磁場の均一
    性を補正する補正コイルユニットとして形成されている
    請求項5記載の磁場発生用コイルユニット。
  29. 【請求項29】 前記分流路部はその複数の流路の各々
    を、前記導体が担っている電流値を等分割した値の分割
    電流を導くように形成してある請求項5記載の磁場発生
    用コイルユニット。
  30. 【請求項30】 前記分流路部はその複数の流路の各々
    に、前記導体が担っている電流値を互いに異なる値に分
    割した電流を導くように形成してある請求項5記載の磁
    場発生用コイルユニット。
  31. 【請求項31】 前記2本の分流導体は、これらの分流
    導体に流れる分流電流の向きが共に同一方向となるよう
    に巻装してある請求項6記載の磁場発生用コイルユニッ
    ト。
  32. 【請求項32】 前記2本の分流導体は、これらの分流
    導体に流れる分流電流の向きが互いに逆方向となるよう
    に巻装してある請求項6記載の磁場発生用コイルユニッ
    ト。
  33. 【請求項33】 導体を巻き回したコイルセグメントを
    備え、この導体に電流を供給することにより磁場を発生
    させるようにした磁場発生用コイルユニットにおいて、 前記コイルセグメントに、前記導体が担っている電流を
    複数の流路に分流する分流路部を当該導体の巻きパター
    ンに関連して設けたことを特徴とする磁場発生用コイル
    ユニット。
  34. 【請求項34】 ボビンに導体を巻き回してコイルセグ
    メントを形成するコイル巻装方法において、 前記ボビンの軸方向における前記コイルセグメントの端
    部側の位置から順に所定電流ステップ値に基づき前記導
    体の巻線位置を決め、この決めた巻線位置に前記導体を
    巻装することを特徴としたコイル巻装方法。
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