JP2643384B2 - 超電導マグネット - Google Patents

超電導マグネット

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JP2643384B2
JP2643384B2 JP63287898A JP28789888A JP2643384B2 JP 2643384 B2 JP2643384 B2 JP 2643384B2 JP 63287898 A JP63287898 A JP 63287898A JP 28789888 A JP28789888 A JP 28789888A JP 2643384 B2 JP2643384 B2 JP 2643384B2
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    • G01R33/3815Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field using electromagnets with superconducting coils, e.g. power supply therefor

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、空心の筒状コイルの内部空間に少なくと
も近似的に均一な磁場を発生させる磁場コイル、ことに
高磁場の核磁気共鳴断層撮像装置(以下MRI装置と称す
る)用の超電導マグネットに関する。
〔従来の技術〕
MRI装置用マグネットは、マグネット内に被検体であ
る人体を収納するために、内径が1mに近い筒状または複
数のリング状のコイルと、場合によりこれらのコイルの
外側に鋼材などの磁性体でなり前記のコイルが生起する
漏れ磁場を吸収するための磁気シールドとで構成され、
被検体である人体の断層像を得るためには、人体が収納
されるコイル内空間部における磁場の強さには百万分の
1のレベルの均一性が求められる。この磁場の強度とそ
の均一性を確保するために、同軸配置のリング状コイル
を複数個組み合わせて磁場の均一度の最も良い配置,電
流値を選んで均一磁場コイルを構成する方法が知られて
いる。
このような均一磁場コイルが生起した均一磁場が外部
空間に漏れ出すことによって近傍の電子装置の誤動作の
原因になるばかりでなくMRI装置の近傍の強磁性体がこ
の漏れ磁場を受けて磁場を歪ませそれが均一磁場空間に
影響を及ぼす結果、均一磁場コイルのみでは高度の均一
性を生起したにも係わらずMRI装置を設置した使用環境
において期待する磁場の均一性が得られないという問題
が生ずる。
このような漏れ磁場によって生ずる問題点を解消する
ための方策として磁気シールドを均一磁場コイルの外部
に施す方法が取られる。
この磁気シールドとして、第7図に示すように円筒状
の鋼材などの磁性体でなる磁気シールドを超電導コイル
でなる主コイル3Aを収納するクライオスタット20Aの外
側に設けるもので、この磁気シールドはセルフシールド
と称されており、主コイル3Aが生起する漏れ磁場をこの
セルフシールド1Aが吸収する方式であり、この方式は超
電導マグネットのみならず常電導コイルを用いたMRIマ
グネットにも使用されているが、超電導MRI装置のよう
に高い均一磁場強度に対しては漏れ磁場の量も大きいこ
とから鋼材で製作されるセルフシールドの重量が過大に
なりMRI装置を設置する部屋の強度が耐えられない場合
があるという問題がある。
このように超電導マグネットの磁気シールドとして強
磁性体を使用する方式の欠点を解消するために、第8図
に示すように主コイルと同じ超電導コイルで漏れ磁場を
打ち消すという方式が採用されるようになってきた。こ
の図で、3Bは主コイル、2Bは主コイル3Bと同じクライオ
スタット20Bに収納された超電導コイルでありアクティ
ブシールドと称される。
アクティブシールド2Bの磁気能率を主コイルのそれと
絶対値が同じで方向が反対になるように設定すると漏れ
磁場を理想的に打ち消すことができる(特開昭60−2176
08号公報)が、一方、均一磁場の強度は主コイル3Bが生
起する均一磁場の磁束密度に対してアクティブシールド
2Bが生起する均一磁場空間の磁束密度の方向が反対であ
るのでこれら2つの磁束密度の合成としての均一磁場の
磁束密度は主コイル3Bのみ場合よりも小さくなり、この
磁束密度の減少を補正するために主コイル3Bのアンペア
ターンを大きくする必要が生ずるので、アクティブシー
ルド2Bの超電導コイルの超電導線が付加されるとともに
主コイル3Bの超電導線の使用量も増加する。
この磁気シールドとして超電導コイルを使用したアク
ティブシールドを設ける方式は、磁性体を使用せずしか
も漏れ磁場が打ち消されることによってMRI装置近傍の
磁性体の均一磁場空間への影響が殆どないので均一磁場
コイルの設計上必要な磁場解析が容易になることから、
特に高均一磁場空間が要求される超電導MRI装置用マグ
ネットとして有効な方式である。このような超電導MRI
装置用マグネットとしての均一磁場コイルを同じく超電
導コイルで漏れ磁場を打ち消す方式をアクティブシール
ド型超電導MRI装置用マグネットと称される。この方式
は磁性体としての鋼材を使用しないので重量が小さくMR
I装置の設置場所の床の荷重制限を受けないという長所
がある代わりに、同じ均一磁場空間を生成するのに第7
図のセルフシールド型の超電導マグネットに比べて超電
導コイルを構成する超電導線の使用量が前述のごとく多
くなり、この超電導線は鋼材に比べてはるかに高価であ
ることから、重量は小さくても超電導マグネットの価格
はセルフシールド型に比べて高価になるという欠点があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
既設の部屋に超電導MRI装置を設置する場合に、この
部屋の床の荷重制限から決まる超電導マグネットの総重
量が磁気シールドとしてセルフシールドを採用すると超
過する場合にはアクティブシールドを採用することにな
るが、そのために超電導マグネットの価格が高くなりMR
I装置としての価格上昇につながるという問題がある。
この発明は、MRI装置を設置する部屋の床の荷重制限
によって超電導マグネットの総重量に制限を受けるため
に価格的には安価のセルフシールド型超電導マグネット
を採用することができない場合に、マグネットの制限重
量の範囲内で最も安価な超電導マグネットを提供するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、この発明によれば、軸対
称の超電導コイルでなる主コイルと、この主コイルの外
径側に同軸に配置した超電導コイルでなるアクティブシ
ールドと、このアクティブシールドの外径側に同軸に配
置した円筒状の磁性体でなるセルフシールドとで構成さ
れ、前記アクティブシールドの磁気能率が前記主コイル
の磁気能率に比べて絶対値が小さくその方向が反対であ
るものとする。
〔作用〕
この発明の構成において、主コイルが生起する漏れ磁
場の一部を超電導コイルでなるアクティブシールドで打
し消し、残る漏れ磁場をセルフシールドで吸収するとい
うようにアクティブシールドとセルフシールドの2つの
方式の磁気シールドを併用する構成とし、MRI装置を設
置する部屋の床の荷重制限で決まる超電導マグネットの
総重量の制限値に収まる範囲でセルフシールド型磁気シ
ールドによる漏れ磁場の吸収量が最大になるよう設定
し、残りの漏れ磁場をアクティブシールドで打ち消すよ
うにする。
〔実施例〕 以下この発明を実施例に基づいて説明する。第1図は
この発明の実施例を示す断面図で、1はセルフシール
ド、2はアクティブシールド、3は主コイル、20は主コ
イル3とアクティブシールド2とを収納するクライオス
タット、10は対称軸である。主コイル3によって生起す
る磁場はこの主コイル3の内径側に均一磁場空間を作り
この均一磁場の磁束は一部は外部に漏れ出すが主として
セルフシールド1に吸収される。一方、アクティブシー
ルド2は主コイル3の内径側に主コイル3が生起する磁
場に重畳して磁場を生起するのであるが、アクティブシ
ールド2の磁気能率は主コイル3のそれと反対方向にな
るようにアクティブシールド2を構成する超電導コイル
に電流を流すので、主コイル3が内径側に生起する磁場
に対してアクティブシールド2はこの磁場を減ずるよう
な磁場を生起することになる。このことは、前述の第3
図のアクティブシールド型の超電導マグネットと同様で
ある。
主コイル3が生起した漏れ磁場の殆どはセルフシール
ド1に吸収されるが、同時にアクティブシールド2が生
起する漏れ磁場も同様にセルフシールド1に吸収され、
アクティブシールド2の外側のセルフシールド1の部分
では主コイル3とアクティブシールド2とが生起する漏
れ磁場の絶対値の差の値の磁束量が通ることになる。
アクティブシールド2の磁気能率の絶対値を主コイル
3のそれと同じ値にすると第8図の主コイル3Bとアクテ
ィブシールド2Bの関係と同一になるので、このときはセ
ルフシールド1を必要としない。また、アクティブシー
ルド2の電流を零であるとするとこのアクティブシール
ド2がないのと同一になるので、第7図の場合と同じに
なる。このようにアクティブシールド2の磁気能率の値
に応じてセルフシールド1を通る磁束量が変わるので、
セルフシールド1の必要とする断面積が変わりしたがっ
て重量も変わることになる。
したがって、アクティブシールド2の磁気能率を適当
な値に設定することによってセルフシールド1の寸法重
量、ひいては超電導マグネットの重量を自由に設定でき
ることになる。
均一磁場の強度を0.5Tとしたとき、第7図のセルフシ
ールドのみで漏れ磁場を吸収する構成としたときの超電
導マグネットの重量は約9トン、第8図のアクティブシ
ールドのみで構成したときの重量は約3トンとなるが、
通常の建屋の床の荷重制限から算出される超電導マグネ
ットの制限重量は約5トンであるので、このような床の
荷重制限の部屋に超電導マグネットを設置する際の超電
導マグネットは次の条件を満足するように設定する。
均一磁場の強度と均一度を満足する。
漏れ磁場強度が所定の制限値以下とする。
超電導マグネットの重量を5トン以内にする。
超電導線の使用量を最小限にする。
これらの条件を満足するには、この発明の適用におい
て、主コイルの巻数や寸法あるいはアクティブシールド
2やセルフシールド1の位置,形状の概略を予め設定し
た上でセルフシールド1の寸法を項の重量の範囲内で
最大になるような鋼材の厚みを設定し、セルフシールド
1内の磁束密度がを満足する範囲内になるようアクテ
ィブシールド2の磁気能率を設定し、主コイル3とアク
ティブシールド2とが生起する均一磁場が項を満足す
るように主コイル3やアクティブシールド2を構成する
超電導コイルの寸法や巻数の配分を調整する。このよう
な操作を何度か繰り返すことにより最終的に前述の全て
を満足する条件が決定される。
主コイル3が生起する漏れ磁場をセルフシールド1で
より多く吸収するほどアクティブシールド2の磁気能
率、言い換えれば巻数を小さくできるので、許容される
超電導マグネットの重量制限一杯にセルフシールドが吸
収する漏れ磁場を大きくするのが超電導マグネットの価
格を最も小さくする条件であり、この発明によって重量
制限がある場合の最低価格の超電導マグネットを製作す
ることができる。
高磁場である超電導マグネットでは低磁場の常電導マ
グネットに比べてより高い均一度が要求されるので、主
コイル3としては第1図に示すように3対の超電導コイ
ルで構成するのが妥当であり、一方、アクティブシール
ド2はセルフシールド1の近傍に位置し、しかもセルフ
シールド1があるためにアクティブシールド2の磁気能
率は第8図のアクティブシールド型超電導マグネットに
比べて小さくてよいので、均一磁場空間に対する影響は
小さいことから、第1図に示すように1対の超電導コイ
ルでも充分であり、均一度の点からアクティブシールド
の構成が制限される程度は小さい。
セルフシールド1は第7図のセルフシールド1Aのみの
構成の場合に比べてその厚みは小さくてよいので、第1
図に示すようにこのセルフシールド1Aをクライオスタッ
トの一部とした構成を採用することができる場合があ
り、この場合はクライオスタットとセルフシールドの間
の寸法が省略できることから、よりコンパクトな超電導
マグネットとすることができる。
以下にこの発明を均一磁場の強度が0.5Tの超電導マグ
ネットに適用した場合のコンピュータによる数値計算結
果に基づく具体的な実施例を示す。
第2図は実際の設定条件に基づいて均一磁場空間の均
一度を確保する条件をコンピュータによる数値計算によ
って探索して得られた超電導マグネットの1つの条件を
示す断面図である。主コイル3Dは3対の、アクティブシ
ールド2Dは2対の、それぞれリングコイルで構成され、
セルフシールド1Dは円筒部1D1の両端につば1D2を設けた
つば付のセルフシールドである。
内径寸法は、それぞれ、主コイル3Dが500mm、アクテ
ィブシールド2Dが750mm、セルフシールド1Dの円筒部1D1
が810mmである。また、セルフシールドの軸方向寸法は1
710mmで、両端のつば1D2の中に主コイル3Dやアクティブ
シールド2Dが収納される構成としているので、超電導マ
グネットとしての全長はこのセルフシールド1Dの軸方向
長さになっている。主コイルとアクティブシールドとの
間の磁気能率の比率としての磁気能率比は0.7を採用し
ている。セルフシールド1Dの円筒部1D1の厚み寸法は30m
m、つば1D2の内径寸法は400mmであり、主コイル3Dとア
クティブシールド2Dとは軸方向の両端の寸法がなるべく
一致するという条件を付加して計算されたものである。
均一磁場空間4は対称軸10の中央部を中心とした一点
鎖線でその表面を示す球によって表され、この球の中の
磁場の均一度として均一磁場空間の均一度が定義されて
いる。この球の半径値は一般に350mmが採用されてい
る。
第3図は第2図の構成による超電導マグネットが生起
する磁束分布図である。この図において、縦軸は対称軸
10としてのz軸であり、横軸は半径方向としてのr軸11
であり、z軸10とr軸11との交点としての左下の原点は
均一磁場空間4の中心でもある。なお、第2図では対称
軸10を紙面の水平方向にしてあるので、第2図を90度左
に回転させると第3図に一致する。
第3図は同軸円筒座標系の上半分を示しており、超電
導マグネットも上半分の断面だけが表示されている。し
たがって、主コイル3Dは3対のうちの上半分の3個、ア
クティブシールド2Dは2対の上半分の2個のリングコイ
ルの、それぞれ断面が図示されており、セルフシールド
1Dも上半分が図示されている。
磁束線6Dは磁束の流れの流れ線を表しており、その接
線の方向は磁束密度の方向に一致し、その密度はその点
での磁束密度と半径との積に比例するように作図されて
いる。磁束線6Dの密度がそのまま磁束密度に比例してい
ないので、この図から磁場強度としての磁束密度の絶対
値の分布を正確に知ることはできない。しかし、z軸10
の近くを除いては半径の変化が小さいので、おおよその
判断として、磁束線6Dの密度の大小がその位置での磁束
密度の絶対値の大小に略比例していると考えてよい。こ
のような観点からこの図を見ると、主コイル3Dやアクテ
ィブシールド2Dを構成するリングコイルの近傍で磁束密
度が局所的に高くなっているのが分かる。
この図の左下の表面を一点鎖線の円で示す均一磁場空
間4の中の磁束線はz軸10に平行になっているが、これ
はこの部分での磁束分布が均一であることを表してい
る。均一磁場空間4を通る磁束線を含めて主コイル3Dの
右側を通る磁束線6Dはセルフシールド1Dに吸収されるも
のと主コイル3Dとアクティブシールド2Dとの間の空間を
反対方向に通る成分とに別れるのが分かる。第7図のセ
ルフシールド型超電導マグネットの場合には、殆ど全て
の磁束線がセルフシールド1Aに吸収され、第8図のアク
ティブシールド型超電導マグネットの場合には、後述の
第4図に示すように、殆どの磁束線6Eが主コイル3Eとア
クティブシールド2Eとの間の空間を通る磁束分布とな
る。第2図と第3図ではアクティブシールド2Dとセルフ
シールド1Dとの両方を設けてあるので、主コイル3Dの左
側の磁束線は前述のように、主コイル3Dとアクティブシ
ールド2Dとの間の空間とセルフシールド1Dとに分流する
磁束分布をすることになる。
セルフシールド1Dの外側は図でも分かるように、磁束
線の漏れ出しは非常に少なく、セルフシールド1Dの中を
通る磁束によってセルフシールド1Dに発生する起磁力に
相当する強度の磁束が外部にも漏れ出すことになる。こ
の漏れ磁束は超電導マグネットから離れるほどその強度
が小さくなるが、この漏れ磁束の磁束密度が5ガウスに
なる範囲を5ガウスライン7Dとしてこの図に示してあ
る。この5ガウスライン7Dのこの図における範囲は、半
径方向の寸法R5が2.06m、軸方向の寸法Z5が3.81mであ
り、これらの寸法の2倍を辺の長さとする長方形の面積
S5は31m2である。この面積S5は5ガウスエリアと称され
て、漏れ磁束の広がりを示す指標として使用されてお
り、31m2という値はセルフシールドなり、アクティブシ
ールドなりの磁気シールドを設けることにより初めて達
成できるものである。5ガウスライン7Dの中はペースメ
ーカを埋め込んだ心臓病患者にとって危険な範囲である
と考えられているとともに、その外側はコンピュータや
その他の機器を設置しても漏れ磁束による影響を受けな
い、また、強磁性体があっても超電導マグネットの磁場
均一度に実質的に影響を与えないとしてよい。
第2図の構成になる超電導マグネットが生起する均一
磁場空間4内の磁場成分を、ルジャンドル関数に基づく
級数展開をした場合の、各次数の項の強度を次数0であ
る均一磁場成分に対する比率で次表に示す。なお、この
表で次数12を越える次数は省略してあり、次数12以外の
次数成分の値は少数点以下四捨五入してある。
この表において、B3、B2、B1、Bは、それぞれ、主コ
イル1、アクティブシールド2、セルフシールド1が生
起する磁場であり、Bはこれらが合成された実際の均一
磁場空間での合成磁場である。また、括弧内は次数0の
磁場強度でもある均一磁場成分の磁束密度を単位ガウス
で表示したものである。次数2以上の値は、合成磁場B
の均一磁場成分である5000ガウスに対する比率をppm(1
0-6)表示したものである。
主コイル3を3対のリングコイルで構成しているの
で、原理的に次数2から10までの5つの次数の成分を0
にすることができる。超電導マグネットの構成がz軸方
向に対して上下対称構造を採用していることから次数が
奇数の成分は発生しない。この実施例では原理通り次数
10までの磁場成分を0にする結果を得ることができた
が、アクティブシールド2Dやセルフシールド1Dの構成に
よっては主コイル3Dの各リングコイルのアンペアターン
や位置を変えることにより次数10までの磁場成分を消去
することのできる最適条件が得られないか、別の要因で
実用的でない場合がある。また、異なる条件に応じて5
ガウスエリアS5がはるかに大きくて実用的に妥当でない
ものもある。例えば、この実施例ではセルフシールド1D
につば1D2を設けたが、セルフシールド1Dの構成を簡素
化して製作コストを低減するためにつば1D2を省略した
構成にすると、つば付の場合に比べて5ガウスエリアS5
がはるかに大きくなるという計算結果が得られ、実用に
適しないことが分かっている。第2図や第3図の実施例
は種々の条件を試算した結果の中で最良の結果が得られ
たものの1つである。
第4図は第8図に相当するアクティブシールド型超電
導マグネットの磁束分布と5ガウスラインとを示す磁束
分布図で、第3図との比較のために示すものである。前
述のように、この場合は、主コイル3Eの右側を通る磁束
線6Eの全てが主コイル3Eとアクティブシールド2Eとの間
を通る磁束分布となっている。5ガウスライン7Eは、半
径方向の寸法R51.92m、軸方向の寸法Z5が2.71mとなり、
5ガウスエリアS5は21m2である。この場合の前表と同じ
各次数成分の値を次表に示す。
第5図は主コイルの内径に対するアクティブシールド
の内径の比率としての内径比ρと、主コイルとアクティ
ブシールドとを構成する超電導コイルが占める体積の総
和としてのコイル総量との関係を示す線図である。この
図において、横軸が内径比、縦軸がコイル総量であり、
主コイルとアクティブシールドとの磁気能率比Kをパラ
メータとしている。第2図や第3図の実施例は内径比ρ
が1.5であり、この図では、その前後の1.25から1.75の
間のKを示すものである。この図に明らかなように、内
径比ρを大きくするとコイル総量は減少するという関係
になっている。また、磁気能率比Kが小さいほどコイル
総量Vcが減少している。磁気能率比Kが0.8と0.7との場
合を比較すると、磁気能率比Kが0.7の方が約1割コイ
ル総量が小さいことが分かる。
コイル総量Vcは超電導線材を使用量でもあるので、こ
のコイル総量Vcが小さいほど高価な超電導線材の使用量
が少ないことを表している。第5図では磁気能率比Kに
関係なく超電導線の電流密度を一定にして計算してい
る。実際には、磁気能率比Kが1.0に近いほど超電導線
がある位置での最大磁束密度が増大するという関係があ
り、また、この最大磁束密度が大きいほど超電導臨界電
流値Icが小さくなるという超電導線固有の特性がある。
したがって、前述のように最大磁束密度が大きい場合に
は、超電導線の電流密度を下げる必要がある。したがっ
て、例えば第4図の磁気能率比Kが1.0のアクティブシ
ールドのみの場合に対して、第5図の磁気能率比Kが0.
7の場合は電流密度を1.3倍にすることができることか
ら、セルフシールドを併用するこの発明の場合は第5図
に示すよりも更にコイル総量Vcを減少させることができ
る。ちなみに、第5図のρが1.5の場合の、磁気能率比
Kが1.0のコイル総量Vcに対して、磁気能率比Kが0.7の
コイル総量Vcは68%であるが、前述の電流密度の違いを
考慮するとこの比率は52%となる。
第6図は内径比ρと5ガウスエリアS5の関係を示す線
図である。この図の横軸は第6図と同じく内径比ρであ
り、縦軸は5ガウスエリアS5、パラメータは磁気能率比
Kである。この図から分かるごとく、磁気能率比Kが小
さくなるほど5ガウスエリアS5も大きいという関係があ
る。したがって、前述のように、磁気能率比Kを1.0未
満に設定してセルフシールドを設けるこの発明では、磁
気能率比Kが1.0であるアクティブシールド方式に比べ
て5ガウスエリアS5が大きくなるという結果になってい
る。ただし、これは、セルフシールドを構成する強磁性
体の厚み寸法を厚くしてセルフシールド内の磁束密度を
下げることにより改善することができるので、実用上必
要とする5ガウスエリア以下になるようにセルフシール
ドを設計する必要があることを意味しており、この発明
の原理的な欠点という訳ではない。
〔発明の効果〕
この発明は前述のように、セルフシールドとアクティ
ブシールドとを併用し、主コイルが生起する漏れ磁場を
吸収もしくは打ち消す割合を変化させることにより超電
導マグネットの重量を変化させることができ、かつ超電
導マグネットの価格は高価な超電導線の使用量によって
その大小が決まることから、超電導マグネットに許容さ
れる制限重量内でなるべくセルフシールドが吸収する漏
れ磁束を大きく設定し、残りの漏れ磁束量をアクティブ
シールドによって打ち消す構成とすることにより、重量
制限の範囲内で最も超電導線の使用量が小さくしたがっ
て最低価格の超電導マグネットとすることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の実施例を示す断面図、第2図はこの
発明の実施例の断面図、第3図は第2図の構成による磁
束分布図、第4図はアクティブシールド型超電導マグネ
ットの磁束分布図,第5図および第6図はコイル内径比
とコイル総量,5ガウスエリアとの関係を示す線図、第7
図および第8図はそれぞれ従来の超電導マグネットの断
面図である。 1,1A,1D……セルフシールド、2,2B,2D,2E……アクティ
ブシールド、3,3A,3B,3D,3E……主コイル、20,20A,20B
……クライオスタット、10……対称軸。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸対称の超電導コイルでなる主コイルと、
    この主コイルの外径側に同軸に配置した超電導コイルで
    なるアクティブシールドと、このアクティブシールドの
    外径側に同軸に配置した円筒状の磁性体でなるセルフシ
    ールドとで構成され、前記アクティブシールドの磁気能
    率が前記主コイルの磁気能率に比べて絶対値が小さくそ
    の方向が反対であることを特徴とする超電導マグネッ
    ト。
  2. 【請求項2】特許請求範囲第1項記載のものにおいて、
    セルフシールドが超電導コイルを収納するクライオスタ
    ットの一部を形成することを特徴とする超電導マグネッ
    ト。
  3. 【請求項3】特許請求範囲第1項記載のものにおいて、
    主コイルが3対のリング状コイルでなることを特徴とす
    る超電導マグネット。
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