JPH0767854A - 傾斜磁場コイル装置 - Google Patents

傾斜磁場コイル装置

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JPH0767854A
JPH0767854A JP6158929A JP15892994A JPH0767854A JP H0767854 A JPH0767854 A JP H0767854A JP 6158929 A JP6158929 A JP 6158929A JP 15892994 A JP15892994 A JP 15892994A JP H0767854 A JPH0767854 A JP H0767854A
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JP
Japan
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magnetic field
gradient magnetic
coil
gradient
field coil
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Application number
JP6158929A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Hoshino
勉 星野
Motoji Haratou
基司 原頭
Yoshio Machida
好男 町田
Hitoshi Yamagata
仁 山形
Hitoshi Kanazawa
仁 金沢
Fumikazu Takahashi
史一 高橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は関心領域を適当に撮影できる小形の傾
斜磁場コイル装置を提供することを目的とする。 【構成】本発明は円筒状に成型されたコイルボビン21
と、所定距離を隔てて平行に配置され、同じ方向に電流
が供給され、静磁場の方向に直交する傾斜磁場を形成す
るための有効導線22,23と、有効導線22,23と
逆方向の電源への帰還電流が流れる返り線24とを、頭
部が挿入されるコイルボビン21の開口端から奥に向か
って順番に設け、コイルボビン21の開口端から有効導
線22,23及び返り線24を隔てて奥に向かって、返
り線24と同方向に同値の電流が供給される第1付加導
線25と、有効導線22,23と同方向に同値の電流が
供給される第2付加導線26とを順番に設けた傾斜磁場
コイルとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静磁場中に配置され、
磁気共鳴信号に空間的位置情報を与えるために静磁場と
直交する方向に沿って磁場強度が勾配する傾斜磁場を局
所的に発生する小形の傾斜磁場コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の傾斜磁場コイル装置は、磁気共
鳴イメージングにおいて、磁気共鳴信号に空間的位置情
報を与えるために用いられ、静磁場の方向(Z軸)に沿
って磁場強度が傾斜するZ軸傾斜磁場、静磁場の方向に
直交するX軸に沿って磁場強度が傾斜するX軸傾斜磁
場、静磁場の方向及びX軸に直交するY軸に沿って磁場
強度が傾斜するY軸傾斜磁場を発生する。例えばエコー
プラナー撮影時には、各傾斜磁場を高速でスイッチング
する必要があるため、可能な限り小形化してインピーダ
ンスを小さくすることが電源装置にかかる負荷を抑えな
がら磁場強度を強くするという観点から有利である。こ
のため、被検体の頭部等を局所的に撮影するときには、
例えば特公平4-33210 号公報で開示され、図24に示す
ような局所用の小形の傾斜磁場コイル装置がオプション
として用いられている。図25には、小形の傾斜磁場コ
イル装置のコイルボビンに保持されたX軸傾斜磁場コイ
ル、Y軸傾斜磁場コイル、Z軸傾斜磁場コイル各々の導
線構造を示している。
【0003】図26(a)にY軸傾斜磁場コイルだけを
X軸上の視点から透視した図を示し、図26(b)にY
軸傾斜磁場コイルにより形成される磁場のY軸に沿った
強度変化(磁場勾配)を示し、図26(c)にY軸傾斜
磁場コイルにより形成される磁場のZ軸に沿った強度変
化(磁場勾配)を示している。Z軸の傾斜磁場に影響を
与えずに、一定レベルの磁場勾配が得られる有効磁場領
域A−B間に、撮影(データサンプリング)が制限され
る。一定レベルの磁場勾配が得られる有効磁場領域A−
B以外の領域では、所定の勾配が得られず、したがって
共鳴周波数や位相の変化に基づいて計算される位置が磁
場中心(磁場強度0)に集中して、図27(a)に示す
ような画像がこの磁場中心に集束傾向を示すいわゆる縮
退現象が発生したり、例えば矢状断面(Y−Z面)の撮
影で図27(b)に示すような磁気共鳴信号がXY各軸
に沿って磁場中心に向かって積分されて成る高信号部が
アーチファクトとして生じる。
【0004】このような小形の傾斜磁場コイル装置で
は、図28(a)に示すように、コイルボビンの開口端
に肩が干渉して、被検体の頭部の挿入深度が制限され
て、撮影したい関心領域が有効撮影領域にとどかないで
関心領域を良好に撮影することができなかった。この問
題を解決しようとして、コイルボビンの軸長を短縮する
と、これに伴って、図28(b)に示すように、有効撮
影領域が狭小化して、関心領域が有効撮影領域からはみ
出てしまうという問題が生じる。
【0005】また、心臓部位や腹部を局所的に撮影する
ために、少なくとも両肩が挿入できる程度に内径を大き
くすると、この問題は解決するが、小形の傾斜磁場コイ
ル装置としての本来的な効果が低下してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に対処すべくなされたもので、その目的は、関心領域
を適当に撮影できる小形の傾斜磁場コイル装置を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、静磁
場中に配置され、磁気共鳴信号に空間的位置情報を与え
るために上記静磁場に直交する方向に沿って磁場強度が
変化する傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル装置におい
て、被検体の頭部を挿入できるように円筒状に成型され
たコイルボビンと、所定距離を隔てて平行に配置され、
同じ方向に電流が供給され、上記静磁場に直交する方向
に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を形成するための
複数本の有効導線と、上記有効導線と逆方向の帰還電流
が流れる返り線とを、頭部が挿入される上記コイルボビ
ンの開口端から奥に向かって順番に設け、上記コイルボ
ビンの開口端から上記有効導線及び上記返り線を隔てて
奥に向かって、上記返り線と同方向に同値の電流が供給
される第1付加導線と、上記有効導線と同方向に同値の
電流が供給される第2付加導線とを順番に設けたことを
特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、磁気共鳴信号に空間的
位置情報を与えるために静磁場に直交する方向に沿って
磁場強度が変化する傾斜磁場を形成する傾斜磁場コイル
と、上記傾斜磁場コイルを保持し、被検体の頭部を収容
できるように円筒状に形成され、被検体の両肩を挿入で
きるように円筒の開口端に2箇所において切り欠き部が
形成されているコイルボビンとを具備する。
【0009】請求項8の発明は、静磁場中に配置され、
高周波パルスで励起された被検体の核スピンからの磁気
共鳴信号に空間的位置情報を与えるために磁場強度が変
化する傾斜磁場を形成する傾斜磁場コイルと、上記傾斜
磁場コイルを保持し、被検体を収容できるように円筒状
に形成され、複数の部分に分割可能なコイルボビンとを
具備する。
【0010】請求項14の発明は、被検体を収容できる
ように円筒状に形成されたコイルボビンと、上記コイル
ボビンに保持されて静磁場中に配置され、高周波パルス
で励起された被検体の核スピンからの磁気共鳴信号に空
間的位置情報を与えるために静磁場の方向に直交する第
1方向に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を形成する
第1の傾斜磁場コイルと、上記コイルボビンに保持され
て静磁場中に配置され、高周波パルスで励起された被検
体の核スピンからの磁気共鳴信号に空間的位置情報を与
えるために上記静磁場の方向と上記第1方向とに直交す
る第2方向に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を形成
し、上記静磁場の方向に関する巻線の径が上記第1の傾
斜磁場コイルより長い第2の傾斜磁場コイルとを具備す
る。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、コイルボビンの開口
端付近で傾斜磁場が形成されるので、コイルボビンの開
口端付近でも撮影をすることができる。さらに、有効導
線と第2付加導線とに同じ方向且つ同値の力がかかり、
返り線と第1付加導線とに同じ方向且つ同値の力がかか
るので、コイルボビンにトルクがかからない。
【0012】請求項4の発明によれば、コイルボビンの
円筒の開口端には2箇所において形成された切り欠き部
に被検体の両肩を挿入した状態で傾斜磁場コイル装置を
装着することで、コイルボビンに頭部を深く挿入するこ
とができ、関心領域の撮影が可能になる。
【0013】請求項8の発明によれば、被検体を収容で
きるように円筒状に形成されたコイルボビンは複数の部
分に分割可能になっているので、傾斜磁場コイル装置を
被検体に装着することが容易である。
【0014】請求項14の発明によれば、第1の傾斜磁
場コイルが無く、第2の傾斜磁場だけが存在する領域で
は、第1方向の位置情報には第1の傾斜磁場コイルの端
からの距離に応じて誤差が序々に増大するが、第2方向
の位置情報には誤差が生じない。したがって、この領域
での画像は、第1方向について縮退するが、第2方向に
ついては縮退しないので、第1、第2方向に共に縮退す
る従来の画像より診断能の低下は抑えられ、結果的に撮
影領域は拡大する。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による一実施例
を説明する。図1は、本発明による小形傾斜磁場コイル
装置が使用される磁気共鳴イメージング装置の構成を示
す図であり、まずこの図を参照して磁気共鳴イメージン
グ装置について簡単に説明する。円筒状のガントリ20
には静磁場を発生する静磁場磁石1が収容される。静磁
場制御装置4により静磁場磁石1が通電されることによ
り円筒内部に静磁場がZ軸方向に沿って発生される。静
磁場磁石1としては、超電導コイル、常伝導コイル、永
久磁石のいずれでもよい。撮影時には、寝台13により
被検体Pが円筒内部に挿入される。なお、Z軸は、円筒
の長軸、つまり被検体の体軸に平行に規定され、X軸と
Y軸はZ軸の垂直な面内で直交するように規定される。
【0016】また、ガントリ20には、円筒形状の傾斜
磁場コイル装置3が収容される。傾斜磁場コイル装置3
は、X軸傾斜磁場コイル、Y軸傾斜磁場コイル、Z軸傾
斜磁場コイルと、これら各コイルを含んで樹脂等で円筒
状に成形されたコイルボビンとから構成される。X軸傾
斜磁場電源7によりX軸傾斜磁場コイルが通電されるこ
とにより、磁気共鳴信号にX軸上の空間的位置情報を与
えるためにX軸に沿って磁場強度が傾斜(変化)するX
軸傾斜磁場(X軸勾配磁場ともいう)が発生される。Y
軸傾斜磁場電源8によりY軸傾斜磁場コイルが通電され
ることにより、磁気共鳴信号にY軸上の空間的位置情報
を与えるためにY軸に沿って磁場強度が傾斜(変化)す
るY軸傾斜磁場(Y軸勾配磁場ともいう)が発生され
る。Z軸傾斜磁場電源9によりZ軸傾斜磁場コイルが通
電されることにより、磁気共鳴信号にZ軸上の空間的位
置情報を与えるためにZ軸に沿って磁場強度が傾斜(変
化)するZ軸傾斜磁場(Z軸勾配磁場ともいう)が発生
される。X軸傾斜磁場、Y軸傾斜磁場、Z軸傾斜磁場
は、リード傾斜磁場GR 、位相エンコード傾斜磁場G
E、スライス傾斜磁場GS に対して任意に対応される
が、ここでは便宜的にそれぞれリード傾斜磁場GR 、位
相エンコード傾斜磁場GE 、スライス傾斜磁場GS に対
応するものとして考える。
【0017】さらに、ガントリ20には、図示しない
が、送受信コイルが収容される。磁気共鳴の励起時には
送受信コイルは送信器5に接続される。このとき、送信
器5から送受信コイル3に特定のスライスボリュームを
選択的に励起するように周波数調整がなされたパルスが
印加され、送受信コイル3からラジオ帯域のスライス選
択用の励起パルス(90°パルス)や反転パルス(18
0°パルス)が発生される。磁気共鳴信号の検出時に
は、送受信コイルは受信器6に接続される。受信器6
は、送受信コイルに誘起された磁気共鳴信号(スピンエ
コー)を受信する。
【0018】コンピュータシステム11は、送受信コイ
ルに誘起された磁気共鳴信号を受信器6を介して取り込
み、スピン密度画像やT2 強調画像等の磁気共鳴画像を
構成する。この画像は、表示部12に表示され、また図
示しない記憶装置に保存される。シーケンサ10は、X
軸傾斜磁場電源7、Y軸傾斜磁場電源8、Z軸傾斜磁場
電源9、送信器5、受信器6を制御して、スピンエコー
法等に所定のパルスシーケンスを実行し、データ収集を
行う。
【0019】図2は第1実施例によるY軸傾斜磁場コイ
ルの配線を示す斜視図である。図3(a)はY軸傾斜磁
場コイルとZ軸傾斜磁場コイルをY軸上の視点から見た
から図であり、図3(b)はY軸傾斜磁場コイルとZ軸
傾斜磁場コイルをX軸上の視点から見たから図である。
なお、これら各図の矢印は、電流の方向を示している。
【0020】コイルボビン21は、例えば被検体の頭部
を収容可能な口径の円筒形状に成形される。Y軸傾斜磁
場コイルは、Y軸傾斜磁場を形成すための同方向に同値
Iの電流が流れ、撮影領域の大きさに応じた所定距離だ
け隔てて平行に配置された2本の有効導線22,23
と、有効導線22,23と逆方向の電源に帰還する2・
Iの電流が流れる返り線24とが、被検体が挿入される
コイルボビン21の開口端から順に配置されてなる2つ
のコイル要素がX−Z面に関して面対称の関係で対向し
て配置されて構成されている。
【0021】また、図示しないが、X軸傾斜磁場コイル
は、Y軸傾斜磁場コイルと同構造の2つのコイル要素
が、Z軸に関して90°回動した状態で、Y−Z面に関
して面対称の関係で対向して配置されて構成されてい
る。Z軸傾斜磁場コイルは、X−Y面内でループ状の2
本のループコイル27,28が、X軸傾斜磁場コイル及
びY軸傾斜磁場コイルの全有効導線を挟み込む状態で、
Z軸に沿って対向して設けられる。各ループコイル2
7,28には、互いに逆方向の電流が流れる。
【0022】図4(a)にZ軸に沿って有効磁場の範囲
を示し、同図(b)にY軸傾斜磁場コイルによるY軸に
沿った磁場変化を示し、同図(c)にY軸傾斜磁場コイ
ルによるZ軸に沿った磁場変化を示している。Y軸傾斜
磁場コイルによる磁場の強度がZ軸に沿ってある程度安
定している領域(有効磁場領域A−B)でデータサンプ
リングが行われる。これは、Y軸傾斜磁場についても同
様である。上述のように、2本の有効導線をコイルボビ
ンの開口端付近に平行に配置し、返り線を2本の有効導
線の奥に配置したことで、有効磁場領域A−Bをコイル
ボビン21の開口端付近に形成することができ、したが
って例えば頭部から首の付け根付近まで撮影することが
可能になる。
【0023】しかし、このような構成を実用するには、
次のような問題が生じる。つまり、Y軸傾斜磁場コイル
の有効導線22,23と返り線24には逆向きの電流が
流れるので、静磁場と電流との関係から、互いに逆向き
の力がかかり、したがってこれらの偶力がコイルボビン
21をX軸回りに回転させるようにトルクが生じる。撮
影時には高電流で高速にスイッチングされるので、この
ままでは振動を回避するに十分な強度でコイルボビン2
1を固定することは困難で、位置分解能の低下や物理的
破損が生じる可能性が高い。本発明では、この問題を解
決する。つまり、コイルボビン21の開口部から返り線
24より奥に、返り線24と同方向に同値の電流が流れ
て同方向に同じ力がかかるように偶力キャンセル用の第
1付加導線25を付加し、そしてこの第1付加導線25
よりさらに奥に、有効導線22,23の合計電流と同値
の電流が同方向に流れて同方向に同じ力がかかるように
第2付加導線26を付加する。X軸傾斜磁場コイルにつ
いても同様に、偶力キャンセル用の第1,第2の付加導
線を付加する。
【0024】これにより、図5に示すように、全体とし
ての偶力が相殺され、コイルボビン21にトルクが生じ
ることがない。しかし、コイルボビン21を波状に湾曲
させる力がかかるが、コイルボビン21自体の強度を強
化することは材料や断面構造の改良で比較的簡単に解決
できる。
【0025】なお、上述の説明では、偶力キャンセル用
の付加導線は矩形コイルであったが、コイルボビン21
の円筒形状に沿った湾曲形表面コイルであってもよい。
また、銅箔のRFシールドを有効磁場の中心に対して点
対称の関係で貼着し、RFシールドの銅箔上に発生する
一次元補正で除去不可能な非対称の渦電流の影響を回避
するようにしてもよい。また、有効磁場中心を、静磁場
中心に一致させて、シム補正によって除去不可能な熱シ
ールドからの渦電流を防止するようにしてもよい。ま
た、偶力キャンセル用の付加導線を傾斜磁場コイルより
小型にして、偶力キャンセルコイルを傾斜磁場コイルと
して流用し、この小型により得られる強い磁場強度によ
り、例えば、手等の小さい部位を高空間分解能にて撮影
するようにしてもよい。また、傾斜磁場コイル装置をA
SG(アクティブシールドグラディエント)化すること
により、静磁場中心と傾斜磁場中心とが不一致のときに
生じる渦電流の影響を回避するようにしてもよい。さら
に、傾斜磁場コイル装置をその内部にRFコイルを内蔵
させて例えばペンサイズにまで小型化し、その先端付近
に形成される傾斜磁場及び高周波パルスを利用して、例
えば人体の突起物を撮影できるようにしてもよい。
【0026】次に第2実施例について図面を参照して説
明する。図6は、傾斜磁場コイル装置のX軸傾斜磁場コ
イルの配線を示す斜視図であり、図7はY軸上の視点か
らみた傾斜磁場コイル装置のXYZ各軸の傾斜磁場コイ
ルの配線を示す図である。
【0027】Y軸傾斜磁場コイル35,36およびZ軸
傾斜磁場コイル37,38は図7に示したように従来と
同様に配線されるのでここでは説明を省略する。本実施
例では被検体の両肩を収容して頭部を円筒の奥まで挿入
できるようにしたコイルボビン31の形状及びこの形状
に応じたX軸傾斜磁場コイルの配線に特徴がある。
【0028】XYZ各軸の各傾斜磁場コイルを保持し、
被検体の頭部を挿入できるように円筒状に成形されたコ
イルボビン31は、被検体Pの両肩を収容できるように
円筒の開口端に2箇所において切り欠き部40がコの字
状に形成されている。データサンプリングでX軸の位置
情報を磁気共鳴信号に与えるX軸傾斜磁場は、X軸傾斜
磁場コイルの有効導線32,33と、これらとY−Z面
に関して反対側に設けられた2本の有効導線とにより形
成される。コイルボビン31の被検体Pの頭部が挿入さ
れる開口端から奥側の有効導線33は従来と同様に巻線
されて返り線34が存在するが、開口端に近い側の有効
導線32は巻線されず返り線がコイルボビン31内に存
在しないで、切り欠き部40を避けて且つZ軸に平行に
コイルボビン31から引き出し線41で引き出され、ケ
ーブル42,43を介して電源装置7の正負各端子に接
続される。返り線はX軸傾斜磁場の形成には全く寄与し
ないので、返り線が存在しないでも空間分解能の劣化を
誘引するものではない。ケーブル42,43は、インダ
クタンスを増加させない程度の距離だけコイルボビン3
1から離間した位置からより線で束ねられる。32乃至
34、41からなるコイルパターンは、Y−Z面に関し
て反対側にも同一構造で設けられる。
【0029】さらに、複数の有効導線32がマルチファ
イラ(多重)で設けられる。各有効導線32を含むファ
イラのインピーダンスが異なる場合、各有効導線32か
らの引き出し線41をコイルボビン31から個々に引き
出し、多チャンネルタイプの電源装置7の異なる正負端
子に個々に接続することで、各有効導線32を独立して
駆動することが可能となる。この場合、電源装置7は全
有効導線32に同方向の電流を各々のインピーダンスに
応じた振幅で供給する。また、各有効導線32を含むフ
ァイラのインピーダンスが等価な場合、各有効導線32
からの引き出し線41はコイルボビン31からまとめて
引き出され、電源装置7の同じ正負端子に個々に接続さ
れる。
【0030】このようにコイルパターンを形成し、これ
によりコイルボビン31の開口端に2箇所において切り
欠き部40を形成したことにより、被検体Pの両肩が邪
魔にならずに頭部をコイルボビン31の中央付近に形成
される有効磁場領域(撮影領域)まで深く挿入すること
ができる。しかも、コイルパターンは返り線が無いが、
この返り線はX軸傾斜磁場の形成には全く寄与しないの
で、返り線が存在しないでも空間分解能の劣化を誘引す
るものではない。なおコイルパターンは、図6に図示し
たパターンに限定されない。他のパターンを図8
(a),(b)に示す。図8(a)では、引き出し線4
1が切り欠き部40と逆サイドのコイルボビン31の後
部側に配置され、この場合、ケーブル42,43が被検
体と接触する危険が軽減される効果がある。図8(b)
では、有効導線32と33が返り線34を介して1本の
導線で巻線してもよく、この場合、ケーブル42,43
の本数を軽減する効果がある。
【0031】次に第3実施例について図面を参照して説
明する。図9(a)に従来のX軸傾斜磁場コイルのコイ
ルパターンを示し、同図(b)に従来のZ軸傾斜磁場コ
イルのコイルパターンを示し、同図(c)に図9
(a),(b)の各コイルを保持する円筒状に成形され
たコイルボビンを示している。なお、図9(a)と同じ
コイルターンがZ軸回りに90°回動したものが従来の
Y軸傾斜磁場コイルのコイルパターンである。
【0032】本実施例は、静磁場中に配置され、高周波
パルスで励起された被検体の核スピンからの磁気共鳴信
号に空間的位置情報を与えるために磁場強度が変化する
傾斜磁場を形成する傾斜磁場コイルを保持するコイルボ
ビンを、複数の部分に分割可能として、分割した各部分
を合わせるように被検体の例えば頭部や胴体部分に装着
可能にすることでこれら頭部や胴体等の小形傾斜磁場コ
イル装置の適用が困難とされてきた部位について撮影
(データサンプリング)を可能とするものである。 図
10(a)に示すように、非磁性体の樹脂、例えばエポ
キシ系樹脂で円筒状に成形されたコイルボビンは、中心
軸を通る面(X−Z面またはY−Z面、ここではX−Z
面)で2つの半円筒片51,52に分断(縦断分割)さ
れている。半円筒片51,52は、図10(a),
(b)に示すように、分断部分で非磁性体の蝶番で接合
され、開閉可能になっている。
【0033】図11にXYZ各軸の傾斜磁場コイルの各
半円筒片51,52のコイルパターンを示している。図
11(a),(b)はX軸傾斜磁場コイルのコイルパタ
ーン、図11(c),(d)はY軸傾斜磁場コイルのコ
イルパターン、図11(e),(f)はZ軸傾斜磁場コ
イルのコイルパターンをそれぞれ示している。なお、図
11(a),(c),(e)は、図10(a)の視線A
から見たコイルパターン、図11(b),(d),
(f)は、図10(a)の視線Bから見たコイルパター
ンを示しており、切り口aはa´に、またbはb´に合
致する。上述したように、コイルボビンが中心軸を通る
面(ここではX−Z面)で2つの半円筒片51,52に
分断(縦断分割)されているので、図10から理解され
るように、X傾斜磁場コイルとZ傾斜磁場コイルの導線
(巻線)は分割面で切断されてしまう。そこで本実施例
では、X傾斜磁場コイル、Z傾斜磁場コイルについて、
次のようなパターンで各半円筒片51,52に導線を敷
設する。
【0034】X傾斜磁場コイルは、8つの巻線53乃至
60が各半円筒片51,52に、4つづつ設けられ、半
円筒片51,52を閉じたときに、53と58、54と
57、55と59、56と60がそれぞれ1つの電流ル
ープを完結し、さらに53と58の電流ループが54と
57の電流ループとY−Z面に関して対向し、55と5
9の電流ループが56と60の電流ループとY−Z面に
関して対向するように構成される。なお、コイルボビン
を半円筒片51,52に分割することに伴って新たに追
加されることになる全ての導線を静磁場H0 と平行に設
けたので、この追加された導線を流れる電流により生じ
る磁場は、磁気共鳴イメージングに影響を与える静磁場
方向の磁場成分をもたない。
【0035】Z傾斜磁場コイルは、2つの巻線65,6
6が各半円筒片51,52にそれぞれ設けられ、半円筒
片51,52を閉じたときに、Z軸回りの2つの電流ル
ープを完結するように構成される。なお、コイルボビン
を半円筒片51,52に分割することに付随して新たに
追加されることになる全ての導線を静磁場H0 と平行に
設けたので、この追加された導線を流れる電流により生
じる磁場は、磁気共鳴イメージングに影響を与える静磁
場方向の磁場成分をもたない。
【0036】図12にXYZ各軸の傾斜磁場コイルの導
線の引き回し方法及び引き出し方法の具体例が示されて
いて、同図(a)乃至(f)は、図11(a)乃至
(f)にそれぞれ対応して示している。このように導線
を各半円筒片51,52で引き回して蝶番部分で連結し
て、さらに外部電源へ引き出し線を取ることにより、X
YZ各軸の傾斜磁場コイルをそれぞれ1本の導線で簡易
に図11(a)乃至(f)のコイルパターンを実現す
る。
【0037】図13には半円筒片51,52を閉じて固
定するための固定具を示し、同図(a)に側面図、同図
(b)に正面図を示している。この固定具は非磁性体で
形成され、半円筒片51,52が接合されたとき、蝶番
と共に全体として円筒形状を保つように固定し、ローレ
ンツ力によるコイル装置全体のがたつきを防止する。な
お、蝶番を設けずに、半円筒片51,52を完全分離で
きるようにしてもよく、この場合、半円筒片51,52
の接触部に複数の固定具を配列することが好ましい。
【0038】次に、X傾斜磁場コイルで、半円筒片5
1,52を閉じたときに1つの電流ループを構成するこ
とになる巻線53と58、54と57、55と59、5
6と60各々の接合部分、およびZ傾斜磁場コイルで、
半円筒片51,52を閉じたときに1つの電流ループを
構成することになる2つの巻線65,66の接合部分の
取扱いを説明する。この取扱いの一例として巻線65,
66の接合部分について、巻線65,66を各々巻数4
で厚み方向に重ねられている場合を考える。図14
(a)は、図12(e),(f)の円AのX−Y面によ
る断面図を示し、同図(b)に表面から見た巻線65,
66を透視図を示す。半円筒片51,52に分離された
導線651 と661 、652 と662 、653 と66
3 、654 と664 の各導線間を、あたかも1本の導線
で形成されているように密着させコイルボビンの円周方
向に沿って連続性をもたせるのが理想的であるが、実際
には、導線が一定の径を有し、絶縁性を保つ必要性があ
ることから、各導線間にコイルボビンの円周方向に沿っ
て隙間があいてしまい、Z傾斜磁場コイルによる磁場が
X−Y面内で不均一になってしまう可能性がある。そこ
で、本実施例では、半円筒片51,52の各接合面に厚
み方向に凹凸を螺合するように形成し、各導線651
661 、652 、662 、653 、663 、654 、6
4 を、表面から見て静磁場方向の導線が重なるように
凸部の可能な限り先端まで配線することで、コイルボビ
ンの円周方向に沿って隙間を減少させて、導線651
661 、652と662 、653 と663 、654 と6
4 の各導線間を、あたかも1本の導線で形成されてい
るようにコイルボビンの円周方向に連続性をもたせるよ
うにする。さらに、静磁場方向の導線を厚み方向に交互
に重なるようにすることで、重ねるための導線の屈曲部
分で発生する有害な磁場を抑えるようにしている。な
お、励起パルスの送信及び磁気共鳴信号を受信するため
の高周波プローブ(送受信コイル)とのカップリングを
低減するために、コイルボビンの内面に高周波シールド
用導体を貼着することがある。本実施例ではコイルボビ
ンを半円筒片51,52に分割したため、この接合部分
で高周波シールド用導体71,72が分断され、シール
ド効果が機能しない不具合が生じる可能性があるが、こ
こでは、高周波シールド用導体71,72を各々の半円
筒片51,52の切り口(接触面)にまで貼着して両者
の電気的な接合を保証する。
【0039】このようにコイルボビンを半円筒片51,
52に分割したことで、被検体の所望部位への装着が容
易になる効果がある。図15(a),(b)に頭部への
装着の様子を示し、図15(c),(d)に胴体部(腹
部)への装着の様子を示し、図16(a),(b)に下
肢部への装着の様子を示している。特に、胴体部への装
着の容易性は、コイルボビンを半円筒片51,52に分
割しない場合に比べて格段に向上する。
【0040】次に変形例を説明する。図17(a)乃至
(f)は、図11(a)乃至(f)にそれぞれ対応して
示している。この変形例では、半円筒片51,52に腕
通し穴75,76を形成するものである。通常、Z傾斜
磁場コイル65,66のZ軸回りに周回する導線は、X
傾斜磁場コイル53乃至60やY傾斜磁場コイル61乃
至64の電流ループを横断して設けられるので、X傾斜
磁場コイル53乃至60やY傾斜磁場コイル61乃至6
4を避けた位置に腕通し穴75,76を形成するとZ傾
斜磁場コイル65,66を断線してしまう不具合が生じ
る。ここでは、この不具合を解決するために、Z傾斜磁
場コイル65,66のZ軸回りに周回する導線を、この
Z軸傾斜磁場中心(磁場強度0)がX及びYの各軸の傾
斜磁場中心と一致させたままでZ軸に沿って両端にずら
して、腕通し穴75,76を避ける。また、Z傾斜磁場
コイル65,66を当該小形傾斜磁場コイル装置の装備
から除外して、Z傾斜磁場コイルとしてはガントリに装
備されている全身用Z傾斜磁場コイルを利用する。
【0041】このように腕通し穴75,76を形成した
半円筒片51,52は、その径を胴体を収容できる程度
で設け、また長さを少なくとも胴体部分を収容できる程
度で設けることにより、例えば頭部撮影では図18のよ
うに、また腹部撮影では図19のようにそれぞれ被検体
Pに装着して、広い撮影領域を確保できるようになる。
【0042】上述したようにコイルボビンを半円筒片5
1,52に分割可能にしたことで新たに生じる問題とし
て半円筒片51,52の固定が完全でない状態で撮影
(データサンプリング)が実行されることである。ここ
では、固定具が半円筒片51,52を円筒形状に固定し
ているときに、傾斜磁場電源が傾斜磁場コイルを駆動す
ることを許可する手段を設ける。図20に示すように、
スイッチセンサ80で図13に示した固定具の作動状態
を検出し、この検出結果をセンサコントローラ81を介
して傾斜磁場電源82に、またはシーケンサ10にフィ
ードバックして、シーケンサ10から傾斜磁場電源82
に傾斜磁場波形信号を兼用したトリガ信号が出力されて
も、半円筒片51,52が固定されていないときには傾
斜磁場電源82が作動しないようにすることにより、こ
の問題を解決する。
【0043】次に第4実施例について図面を参照して説
明する。図27を参照して説明した通り、一定の勾配が
得られる有効撮影領域以外の部分では、所定の勾配が得
られず、したがって共鳴周波数や位相の変化に基づいて
計算される位置が磁場中心(磁場強度0)に集中して、
画像がこの磁場中心に集束傾向を示すいわゆる縮退現象
が発生するという問題があった。本実施例は、この問題
を解決して、有効撮影領域を拡大するものである。
【0044】X軸傾斜磁場コイルおよびZ軸傾斜磁場コ
イルは、従来と同様であり、本発明の特徴でもないの
で、具体的な説明は省略する。コイルボビンの形状とY
軸傾斜磁場コイルの形状に本発明の特徴が存在する。
【0045】図21(a)に傾斜磁場コイル装置のコイ
ルボビンの側面図を示し、同図(b)にコイルボビンの
斜視図を示している。円筒状のコイルボビン90の各々
の開口端に、2つの突出部分91をX−Z面に関して対
向する関係で付加する。換言すると、円筒状のコイルボ
ビン90の各々の開口端に略コの字状に2つの切り欠き
部分95をX−Z面に関して対向する関係で切欠する。
頭部撮影時には、両肩が干渉しないで、対向する突出部
分91の間に被検体の胸部が挿入される。
【0046】図22(a)はコイルボビンに保持されて
いるXYZ各軸の傾斜磁場コイルを側面から見た図であ
る。図中、93はZ軸傾斜磁場コイル、94はX軸傾斜
磁場コイルである。92はY軸傾斜磁場コイルであり、
円筒部分から突出部分91に渡って設けられ、有効導線
92aをZ軸傾斜磁場コイル93とほぼ同じZ位置に配
置し、返り線92bをZ軸に沿って突出部分91の先端
付近まで移動して、静磁場H0 の方向に関する巻線の径
をX軸傾斜磁場コイル94より長くして有効導線92a
と返り線92bとの距離を延長する。通常、Y軸傾斜磁
場コイルは、X軸傾斜磁場コイルをZ軸に関して90°
だけ回転したと等価構造を有しているが、本実施例で
は、等価でない。
【0047】図22(b)に、Z軸と平行な円筒の非中
心線上のX軸傾斜磁場GX とY軸傾斜磁場GY の強度変
化を示している。Y軸傾斜磁場GY により形成される有
効磁場領域C−Dは、X軸傾斜磁場GX により形成され
る有効磁場領域A−Bより、返り線92bがZ軸に沿っ
て突出部分91の先端付近まで移動した分、Z軸に沿っ
て拡大される。これは、Yチャンネルについては、有効
磁場領域C−Dで、磁場勾配の線形性が得られ、したが
って図23(a)に示すように、少なくとも有効磁場領
域C−D内ではY軸に沿って縮退現象が生じないことを
意味し、これにより矢状断面(Y−Z面)を撮影する場
合、画像の歪みが軽減され、さらにX軸に沿って信号積
算された高信号部としてのアーチファクトも軽減され
る。
【0048】なお、本実施例では、Y軸傾斜磁場コイル
に設計上スペース的な余裕ができるので、これを利用し
てY軸傾斜磁場コイルをダブルマクセルタイプで設ける
ことができる。また、XYZ各軸の傾斜磁場コイルとし
てアクティブシールドタイプを採用してもよい。また、
切り欠き部分95を一般的な肩の輪郭に沿って多重曲線
で形成してもよい。さらに、X軸傾斜磁場コイル94に
ついて、その返り線を共通化して一方の開口端に配置す
るような構造を採用してもよい。本発明は上述した実施
例に限定されることなく、種々変形して実施可能である
のは勿論である。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、コイルボビン
の開口端付近に傾斜磁場を形成して、コイルボビンの開
口端付近でも撮影をすることができ、さらに、有効導線
と第2付加導線とに同じ方向且つ同値の力がかかり、返
り線と第1付加導線とに同じ方向且つ同値の力がかかる
るようにしてコイルボビンにトルクがかからない傾斜磁
場コイル装置を提供できる。
【0050】請求項4の発明によれば、コイルボビンの
円筒の開口端には2箇所において形成された切り欠き部
に被検体の両肩を挿入した状態で傾斜磁場コイル装置を
装着することで、コイルボビンに頭部を深く挿入するこ
とができ、関心部分の撮影が可能になる傾斜磁場コイル
装置を提供できる。
【0051】請求項8の発明によれば、被検体を収容で
きるように円筒状に形成されたコイルボビンは複数の部
分に分割可能になっているので、被検体に装着すること
が容易な傾斜磁場コイル装置を提供できる。
【0052】請求項14の発明によれば、第2の傾斜磁
場コイルの巻線の静磁場の方向に関する径が、第1の傾
斜磁場コイルより長い領域では、第1方向の位置情報に
は第1の傾斜磁場コイルの端からの距離に応じて誤差が
序々に増大するが、第2方向の位置情報には誤差が生じ
ないので、この領域での画像は、第1方向について縮退
するが、第2方向については縮退しないで、第1、第2
方向に共に縮退する従来の画像より診断能の低下は抑え
られ、結果的に撮影可能領域が拡大する傾斜磁場コイル
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気共鳴イメージング装置の概略構成を示す
図。
【図2】第1実施例に係る小形傾斜磁場コイル装置のY
軸傾斜磁場コイルの配線を示す斜視図。
【図3】図2のY軸上の視点とX軸上の視点から見た
図。
【図4】図2のY軸傾斜磁場コイルによる磁場勾配を示
す図。
【図5】図3のA−A断面図。
【図6】第2実施例によるX軸傾斜磁場コイルの配線を
示す図。
【図7】図6をY軸上の視点から見た図。
【図8】図6の他の配線方法を示す図。
【図9】X軸傾斜磁場コイル及びZ軸傾斜磁場コイルを
示す斜視図。
【図10】第3実施例に係るコイルボビンを示す斜視
図。
【図11】図10の半円筒片各々への傾斜磁場コイルの
分配を示す図。
【図12】図11のコイルパターンを示す図。
【図13】固定具の外観図。
【図14】有効導線の接合部分を示す図。
【図15】頭部及び腹部撮影時の装着方法を説明する
図。
【図16】下肢撮影時の装着方法を説明する図。
【図17】腕通し穴の位置を示す図。
【図18】腕通し穴を利用した頭部撮影時の装着方法を
説明する図。
【図19】腕通し穴を利用した腹部撮影時の装着方法を
説明する図。
【図20】電源装置へのフィードバック制御を説明する
図。
【図21】第4実施例の傾斜磁場コイル装置の外観図。
【図22】図21の傾斜磁場コイル装置による有効磁場
領域を示す図。
【図23】第4実施例の効果を説明する図。
【図24】小形傾斜磁場コイル装置の利用例を示す図。
【図25】従来の小形傾斜磁場コイル装置の構造を示す
斜視図。
【図26】従来の小形傾斜磁場コイル装置による有効磁
場領域を示す図。
【図27】有効磁場領域外から得た信号による画像上の
問題を説明するための図。
【図28】従来の小形傾斜磁場コイル装置の問題を示す
図。
【符号の説明】
1…静磁場磁石、 3…小型傾斜磁場コイル、4
…静磁場制御装置、 5…送信器、6…受信器、
7…X軸傾斜磁場電源、8…Y軸傾斜磁場電
源、 9…Z軸傾斜磁場電源、10…シーケンサ、
11…コンピュータシステム、12…表示部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山形 仁 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 金沢 仁 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 高橋 史一 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場中に配置され、磁気共鳴信号に空
    間的位置情報を与えるために前記静磁場に直交する方向
    に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する傾斜磁
    場コイル装置において、 被検体の頭部を挿入できるように円筒状に成型されたコ
    イルボビンと、 所定距離を隔てて平行に配置され、同じ方向に電流が供
    給され、前記静磁場に直交する方向に沿って磁場強度が
    変化する傾斜磁場を形成するための複数本の有効導線
    と、前記有効導線と逆方向の帰還電流が流れる返り線と
    を、頭部が挿入される前記コイルボビンの開口端から奥
    に向かって順番に設け、前記コイルボビンの開口端から
    前記有効導線及び前記返り線を隔てて奥に向かって、前
    記返り線と同方向に同値の電流が供給される第1付加導
    線と、前記有効導線と同方向に同値の電流が供給される
    第2付加導線とを順番に設けたことを特徴とする傾斜磁
    場コイル装置。
  2. 【請求項2】 前記コイルボビンには、前記傾斜磁場コ
    イルと同じ構造であって、前記静磁場の方向及び前記傾
    斜磁場の傾斜方向に直交する方向に沿って磁場強度が変
    化する傾斜磁場を形成する他の傾斜磁場コイルが装備さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の傾斜磁場コイル
    装置。
  3. 【請求項3】 前記コイルボビンには、前記静磁場の方
    向に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を形成する他の
    傾斜磁場コイルが装備されることを特徴とする請求項1
    に記載の傾斜磁場コイル装置。
  4. 【請求項4】 磁気共鳴信号に空間的位置情報を与える
    ために静磁場に直交する方向に沿って磁場強度が変化す
    る傾斜磁場を形成する傾斜磁場コイルと、 前記傾斜磁場コイルを保持し、被検体の頭部を収容でき
    るように円筒状に形成され、被検体の両肩を挿入できる
    ように円筒の開口端に2箇所において切り欠き部が形成
    されているコイルボビンとを具備することを特徴とする
    傾斜磁場コイル装置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜磁場コイルは、前記各切り欠き
    部に沿って導線がコの字状に設けられていることを特徴
    とする請求項4に記載の傾斜磁場コイル装置。
  6. 【請求項6】 前記傾斜磁場コイルは、前記各切り欠き
    部に沿って複数の導線が平行にコの字状に設けられてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の傾斜磁場コイル装
    置。
  7. 【請求項7】 前記複数の導線個々に同方向の電流を供
    給する電源装置をさらに具備することを特徴とする請求
    項6に記載の傾斜磁場コイル装置。
  8. 【請求項8】 静磁場中に配置され、高周波パルスで励
    起された被検体の核スピンからの磁気共鳴信号に空間的
    位置情報を与えるために磁場強度が変化する傾斜磁場を
    形成する傾斜磁場コイルと、 前記傾斜磁場コイルを保持し、被検体を収容できるよう
    に円筒状に形成され、複数の部分に分割可能なコイルボ
    ビンとを具備することを特徴とする傾斜磁場コイル装
    置。
  9. 【請求項9】 前記コイルボビンは中心軸を通る面に沿
    って2つの半円筒片に分割されていることを特徴とする
    請求項8に記載の傾斜磁場コイル装置。
  10. 【請求項10】 前記2つの半円筒片各々の内面及び切
    り口には、高周波磁場シールドのための導体が装着され
    ることを特徴とする請求項9に記載の傾斜磁場コイル装
    置。
  11. 【請求項11】 前記2つの半円筒片それぞれには、腕
    通し穴が形成されていることを特徴とする請求項9に記
    載の傾斜磁場コイル装置。
  12. 【請求項12】 前記複数の部分が接合されたときに円
    筒形状を保つ固定具をさらに備えることを特徴とする請
    求項8に記載の傾斜磁場コイル装置。
  13. 【請求項13】 前記傾斜磁場コイルを駆動する駆動手
    段と、前記固定具が前記複数の部分を円筒形状に固定し
    ているときに前記駆動手段に前記傾斜磁場コイルを駆動
    することを許可する手段とをさらに備えることを特徴と
    する請求項12に記載の傾斜磁場コイル装置。
  14. 【請求項14】 被検体を収容できるように円筒状に形
    成されたコイルボビンと、 前記コイルボビンに保持されて静磁場中に配置され、高
    周波パルスで励起された被検体の核スピンからの磁気共
    鳴信号に空間的位置情報を与えるために静磁場の方向に
    直交する第1方向に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場
    を形成する第1の傾斜磁場コイルと、 前記コイルボビンに保持されて静磁場中に配置され、高
    周波パルスで励起された被検体の核スピンからの磁気共
    鳴信号に空間的位置情報を与えるために前記静磁場の方
    向と前記第1方向とに直交する第2方向に沿って磁場強
    度が変化する傾斜磁場を形成し、前記静磁場の方向に関
    する巻線の径が前記第1の傾斜磁場コイルより長い第2
    の傾斜磁場コイルとを具備することを特徴とする傾斜磁
    場コイル装置。
  15. 【請求項15】 前記コイルボビンは開口端に突出部分
    を有し、前記第2の傾斜磁場コイルは円筒部分から前記
    突出部分に渡って設けられていることを特徴とする請求
    項14に記載の傾斜磁場コイル装置。
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