JP2003067906A - 薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置及び薄膜磁気ヘッドスライダーバーの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置及び薄膜磁気ヘッドスライダーバーの製造方法

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JP2003067906A
JP2003067906A JP2001261279A JP2001261279A JP2003067906A JP 2003067906 A JP2003067906 A JP 2003067906A JP 2001261279 A JP2001261279 A JP 2001261279A JP 2001261279 A JP2001261279 A JP 2001261279A JP 2003067906 A JP2003067906 A JP 2003067906A
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film magnetic
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Application number
JP2001261279A
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English (en)
Inventor
Tatsutoshi Suenaga
辰敏 末永
Yoshinori Yoshiji
慶記 吉次
Sadayoshi Ito
貞芳 伊藤
Ryuichi Nakagami
竜一 仲神
Kozo Tagashira
幸造 田頭
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液状フォトレジストを用いた場合においても
気泡を発生させることなく、薄膜磁気ヘッドスライダー
バーの上に所望のマスクパターンを生成可能にする。 【解決手段】 スライダーバー保持板1は、磁気記録媒
体との対向面に設けられた複数個の薄膜磁気ヘッド素子
を有する複数本のスライダーバー3を、対向面をフォト
リソグラフィー技術で任意のエアーベアリング形状に形
成する際に、所定の同一の面上に並置して保持するため
の保持装置である。複数本のスライダーバー3を当該ス
ライダバー保持板1の同一の面上に並置して保持したと
きに、各スライダーバー3間の位置の直下に位置する同
一の面において所定幅の溝2を形成する。ここで、各溝
2を、各スライダーバー3の長手方向が溝2の長手方向
と実質的に平行となるように、また各スライダーバー3
間の接触面が溝2の幅方向の中心線に実質的に一致する
ように形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ハードデ
ィスクドライブなどに搭載する薄膜磁気ヘッドスライダ
ーを多数有する薄膜磁気ヘッドスライダーバーを製造す
るときに複数の薄膜磁気ヘッドスライダーバーを保持す
るための薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置と、上
記薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置を用いた薄膜
磁気ヘッドスライダーバーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録装置においては、情報量
の増大と共に、高記録密度化の要求が急速に高まり、こ
の傾向は将来的にはさらに高まっていくことは確実であ
る。これに伴い、薄膜磁気ヘッドスライダーは、磁気記
録媒体上において非常に低い浮上量や磁気記録媒体の周
速によって変化することのない安定した浮上特性を有す
ることが求められるようになり、その要求を満足するに
は、磁気記録媒体との対向面であるエアーベアリング面
の形状を高精度で形成する技術が不可欠となっている。
また、この形成技術に関し、従来の機械加工では直線的
な加工は可能であるが、浮上特性を向上させるために設
計された近年の幾何学的なエアーベアリング面形状の加
工には対応できず、現在は、機械加工に替わる方法とし
て、フォトリソグラフィ技術を用いる方法が提案されて
いる。
【0003】すなわち、所望のエアーベアリング形成面
に対応するマスク材料を作成し、イオンビームエッチン
グなどのドライエッチングによってエアーベアリング形
状を形成する方法である。さらに、ドライエッチング加
工のマスク材料には、半導体プロセスや薄膜磁気ヘッド
素子形成プロセスで一般的な液状フォトレジストとプリ
ント基板の配線形成プロセスなどに利用されるドライフ
ィルムレジストがあり、一般的には、ドライフィルムレ
ジストをマスク材料としたドライエッチングが主として
なされている。なお、加工精度の点でも、機械加工では
達成し得ないエアーベアリング面形状と精度が確保でき
ることから、マスク形成方法はドライエッチングプロセ
スでの必須技術となっている。
【0004】しかしながら、図5に図示されたように、
薄膜磁気ヘッドスライダーにおけるエアーベアリング面
の形成は半導体プロセスや薄膜磁気ヘッド素子形成プロ
セスなど平坦なウエハ表面が加工対象となる場合と異な
り、複数個の薄膜磁気ヘッド素子10を有する短冊状の
ブロックの薄膜磁気ヘッドスライダーバー(以下、スラ
イダーバー3という。)は機械加工(切断、研削、研
磨)によって作製されるため、スライダーバー3には公
差分の形状誤差(特に厚さのバラツキ)が発生し、数μ
m厚の均一なマスク層を複数本のスライダーバー3に同
時に形成する際の障害となる。ここで、一度に複数本の
スライダーバー3を同時に処理する目的は、1本のスラ
イダーバー3中の薄膜磁気ヘッド素子10は40〜60
個が限界で、取り扱いを一本毎にしていたのでは生産性
が著しく低くなり工業化できないためである。
【0005】以下、図5を参照して、数十μm厚のドラ
イフィルムフォトレジスト11をマスク材料として用い
て、複数本のスライダーバー3上にエアーベアリング面
12を形成するための従来技術に係るプロセスについて
詳細を説明する。
【0006】図5(a)に示すように、熱溶融型の接着
剤4をスライダーバー保持板20上に載置し、次いで、
接着剤4を加熱して、その後冷却することによって、接
着剤4をスライダーバー保持板20上に定着させる。次
いで、接着剤4が定着されたスライダーバー保持板20
上に、処理単位である複数本のスライダーバー3を一定
の方向に整列させて配置した後に、接着剤4を再度所定
の温度で加熱して溶融するとともにスライダーバー3を
密着させ、室温程度まで冷却することでスライダーバー
3をスライダー保持板20に固定させる。ここで、各ス
ライダーバー3の整列は、通常、スライダーバー3に予
め形成された薄膜磁気ヘッド素子10の位置を基準に揃
える場合が多い。その後、図5(b)に示すように、数
十μm厚のフォトレジスト11を複数本のスライダーバ
ー3上に載置し、次いで、フォトレジスト11を加熱し
て接着することによりスライダーバー3上にフォトレジ
スト11を定着させる。その後、図5(c)に示すよう
に、露光、現像などの工程を経てスライダーバー3の表
面に所定デザインのマスクを形成し、マスキングされて
いない部分をエッチングすることによってエアーベアリ
ング面12を形成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法で、エアーベアリング形状の更なる高精度化を考え
た場合、現在市販されている感光方式がネガ型のドライ
フィルムレジストは、機械強度等には優れるが、実用上
数十μmの厚さを有するものが用いられており、非常に
微細かつ複雑なエアーベアリング形状を形成するには解
像性の点で限界がある。つまり、露光工程においてレジ
スト表面と下面で膜厚に起因した架橋反応の差異が生
じ、レジスト下面においては露光光が減衰するため架橋
反応が十分に進行せず、レジスト表面よりも現像液に溶
解しやすくなる。このため得られるパターンは逆テーパ
形状(断面が逆台形となる)になりやすく、その後のド
ライエッチングプロセスにおいて、エッチングされた被
加工物がマスクパターンの側壁に再付着するため、加工
精度を劣化させる場合が多い。
【0008】これらの問題を解決するため、レジストの
薄膜化を行うが、数μmの厚さのドライフィルムレジス
トは製造上の限界から市販されておらず、レジストの薄
膜化に対しては、液状のフォトレジストで対応する検討
がされている。ただし、液状フォトレジストの問題とし
て、次のような問題がある。
【0009】図6は、図5(a)及び図5(b)のプロ
セスを詳細に図示する断面図であって、図5のスライダ
ーバー保持板20上に固定された複数のスライダーバー
3上に液状フォトレジスト11を塗布するプロセスを表
す。
【0010】まず、図6(a)のステップにおいて、ス
ライダーバー保持板20上に接着剤4を載置し、接着剤
4を加熱してその後に冷却することによって、接着剤4
をスライダーバー保持板20に定着させる。次いで、図
6(b)のステップにおいて、定着された接着剤4の上
に多数のスライダーバー3を並置し、接着剤4を加熱し
て、その後に冷却することによって各スライダーバー3
をスライダーバー保持板20上に固定する。しかしなが
ら、このとき、スライダーバー3の加工精度の限界のた
めに、各スライダーバー3の間に数十μmの幅の隙間1
3が存在することがある。続いて、図6(c)のステッ
プにおいて、隙間13を有するように配置されたスライ
ダーバー3の上から液状フォトレジスト11を塗布する
と、隙間13の奥に残存する空気21が閉じ込められる
可能性があり、この残存する空気21はフォトレジスト
11が硬化される間にフォトレジスト11の表面に浮き
上がり、図6(d)のステップに図示されたように、浮
き上がった空気が、フォトレジスト11の硬化後に破裂
しないで気泡22としてそこに残存する場合には、異形
状のマスクパターンを生成するためプロセス上の大きな
障害となっている。
【0011】一般に、複数本のスライダーバー3を同時
に処理する場合が多いパターニングプロセスでは、フォ
トレジスト11はスライダーバー3表面に一旦滴下しス
ピンコータなどを用いて引き延ばし塗布するが、短冊状
のスライダーバー3を隙間無しに密着させるのは困難で
あり、ある程度の隙間13がスライダーバー3間には生
じる。従来技術の方法では、この隙間13に沿って、液
体であるフォトレジスト11の一部は流れるとともに空
気を閉じ込め、閉じ込められた空気21は気泡22とな
って表面に浮上し完全に抜けきらず硬化する。
【0012】以上説明したように、多数のスライダーバ
ー3を並置した場合に、そのスライダーバー3の間の隙
間13から発生しフォトレジスト11の表面に破裂せず
に残存する気泡22は、異形状のマスクパターンとなる
ためプロセス上の大きな障害となるという問題点があっ
た。
【0013】本発明の目的は上述の問題点を解決するた
めに、液状フォトレジストを用いた場合においても気泡
を発生させることなく、薄膜磁気ヘッドスライダーバー
の上に所望のマスクパターンを生成可能な、薄膜磁気ヘ
ッドスライダーバー保持装置及び薄膜磁気ヘッドスライ
ダーバーの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッドスライダーバー保持装置は、磁気記録媒体との対向
面に設けられた複数個の薄膜磁気ヘッド素子を有する複
数の薄膜磁気ヘッドスライダーバーを、上記対向面をフ
ォトリソグラフィー技術で任意のエアーベアリング形状
に形成する際に、所定の同一の面上に並置して保持する
ための薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置におい
て、上記複数の薄膜磁気ヘッドスライダーバーを上記薄
膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置の同一の面上に並
置して保持したときに、上記各薄膜磁気ヘッドスライダ
ーバー間の位置の直下に位置する上記同一の面において
所定幅の溝を形成したことを特徴とする。
【0015】また、上記薄膜磁気ヘッドスライダーバー
保持装置において、好ましくは、上記溝を、上記各薄膜
磁気ヘッドスライダーバーの長手方向が上記溝の長手方
向と実質的に平行となるように形成したことを特徴とす
る。
【0016】さらに、上記薄膜磁気ヘッドスライダーバ
ー保持装置において、好ましくは、上記溝を、上記各薄
膜磁気ヘッドスライダーバー間の接触面が上記溝の幅方
向の中心線に実質的に一致するように形成したことを特
徴とする。
【0017】本発明に係る薄膜磁気ヘッドスライダーバ
ーの製造方法は、磁気記録媒体との対向面に設けられた
複数個の薄膜磁気ヘッド素子を有する薄膜磁気ヘッドス
ライダーバーの製造方法において、複数の薄膜磁気ヘッ
ドスライダーバーを上記薄膜磁気ヘッドスライダーバー
保持装置の同一の面上に並置して保持したときに、上記
各薄膜磁気ヘッドスライダーバー間の位置の直下に位置
する上記同一の面において所定幅の溝を形成してなる薄
膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置を用いて、上記複
数の薄膜磁気ヘッドスライダーバーを並置して保持し、
上記対向面をフォトリソグラフィー技術で任意のエアー
ベアリング形状に形成するステップを含むことを特徴と
する。
【0018】
【発明の実施形態】以下図面を参照して本発明の実施形
態について説明する。
【0019】図1(a)は本発明の実施形態に係るスラ
イダーバー保持板1の上面図を示し、図1(b)は図1
(a)のスライダーバー保持板1の側面図を示す。この
実施形態に係るスライダーバー保持板1は、磁気記録媒
体との対向面に設けられた複数個の薄膜磁気ヘッド素子
を有する複数本のスライダーバー3を、上記対向面をフ
ォトリソグラフィー技術で任意のエアーベアリング形状
に形成する際に、所定の同一の面上に並置して保持する
ための保持装置であり、複数本のスライダーバー3を当
該スライダバー保持板1の同一の面上に並置して保持し
たときに、各スライダーバー3間の位置の直下に位置す
る同一の面において所定幅の溝2を形成したことを特徴
としている。ここで、好ましくは、各溝2を、各スライ
ダーバー3の長手方向が溝2の長手方向と実質的に平行
となるように、また、各スライダーバー3間の接触面が
溝2の幅方向の中心線に実質的に一致するように形成し
たことを特徴としている。
【0020】本実施形態で用いるスライダーバー保持板
1は、溝加工と鏡面加工が容易な材料から成り、その寸
法を限定するものではないが、規定された所定数のスラ
イダーバー3を処理し得る任意の長さL1、幅L2及び
厚さL3を有する直方体であって、上記直方体の少なく
とも1つの面において、長さL1を有する辺に平行であ
って、その幅及び深さと方向がそれぞれほぼ同一である
直線状の複数の溝2が、所定間隔L4で形成されてい
る。本実施形態では、スライダーバー保持板1の材料と
してセラミックスを使用した。なお、互いに隣接する溝
2の間の形成間隔L4は、後のステップで接着して保持
するスライダーバー3の形状によって決定され、スライ
ダーバー3の幅L5(図2を参照)とほぼ同一の間隔に
形成される。
【0021】図3を参照すると、この実施形態において
加工するスライダーバー3は、約1mmの幅L5と、7
0mmの長さL6と、0.3mmの厚さL7とを有する
直方体の形状(短冊状)に形成され、その中に、40個
乃至60個の薄膜磁気ヘッド素子10を一直線上に配置
して含んでいる。従って、本実施形態では、スライダー
バー保持板1上に接着しかつ固定するスライダーバー3
の本数nを、n=60本として、図1のスライダーバー
保持板1の長さL1を70mmとし、幅L2を70mm
とし、厚さL3を2mmとした。また、溝2は、図1
(b)に示されたように、幅Wが0.5mmであり、か
つ深さDが0.5mmの正方形の断面形状を有するよう
に構成される。ただし、図1乃至図3では、図示の簡単
化のため、1本のスライダーバー3に含まれる薄膜磁気
ヘッド素子10の個数を9個とし、スライダーバー保持
板1上に固定されるスライダーバー3の本数nを、n=
10本で図示した。
【0022】また、図2は、実際に、図1のスライダー
バー保持板1に複数のスライダーバー3を固定している
ときの断面図を図示している。詳しくは、図2では、図
1(a)のスライダーバー保持板1に接着剤4を塗布し
て複数本のスライダーバー3を並置し、上記スライダー
バー3を基準面用あて板5を用いて位置決めして配置し
たときの、図1(a)のA−A’面における断面図が図
示されている。上述した溝2は、所定数nのスライダー
バー3をその側面において互いに密着させ、スライダー
バー保持板1上に接着して固定するときに、各スライダ
ーバー3の密着された接触面6が溝2の幅方向の中心線
7と同じ位置に位置するように形成した。
【0023】なお、スライダーバー保持板1はその材料
及び面粗度を限定するものではなく、目的を達成できる
すべての材料について適用することができる。例えば、
スライダーバー保持板1の材料として、本実施形態で用
いたセラミックスのほかに、ステンレス等の金属を含
む、必要とされる平面加工と溝加工が可能な全ての材料
を用いてもよい。また、溝2の形成数は一度に取り扱う
スライダーバー3数によって変化するものとし、全ての
スライダーバー3間の接触面6に沿って溝2を形成し
た。
【0024】図3は、図1で説明したスライダーバー保
持板1を用い、スライダーバー3のエアーベアリング面
12を形成する際のプロセス図である。図3(a)の第
1のステップにおいて、好ましくはフィルム状である熱
溶融型の接着剤4を、スライダーバー保持板1のほぼ全
面に載置し、次いで、接着剤4をいったん加熱(本実施
形態では100〜120°Cで加熱した)した後で冷却
することで、接着剤4をスライダーバー保持板1に固着
させる。次いで、各スライダーバー3の密着された接触
面6が各溝2の幅方向の中心線7上にそれぞれ位置する
ように、所定数nのスライダーバー3(本実施形態では
n=60としたが、図中ではn=10で記す。)を、溝
2の長手方向と平行な同一の方向に揃えて接着剤4の上
に並置し、接着剤4を再度加熱して、その後冷却するこ
とでスライダーバー3をスライダーバー保持板1に接着
する。なお、熱溶融型の接着剤4は、取り扱いの便利さ
のために、本実施形態ではフィルム状の接着剤4を用い
たが、液状の接着剤をスピンコータ等によって塗布して
用いてもよい。
【0025】その後、図3(b)の第2のステップにお
いて、液状フォトレジスト(又は、使用可能ならば、ド
ライフィルムフォトレジストなど)のマスク材料11を
スライダーバー3の上に所定の厚さで形成する。さら
に、図3(c)の第3のステップにおいて、フォトレジ
スト11が形成されたスライダーバー3に対して露光し
て現像することによって、所望のエアーベアリング形状
に対応したマスクパターンを形成し、ドライエッチング
などの手法でマスキングされていない部分をエッチング
することで所定形状のエアーベアリング面12を形成し
た。
【0026】次に、図4は、気泡22の発生抑制を説明
するために、図3(a)及び図3(b)のプロセスを詳
細に図示する断面図であって、本実施形態のスライダー
バー保持板1上に固定された複数のスライダーバー3上
に液状フォトレジスト11を塗布するプロセスを表す図
である。
【0027】まず、図4(a)のステップにおいて、熱
溶融型の接着剤4をスライダーバー保持板1のほぼ全面
に載置し、次いで、図4(b)のステップにおいて、接
着剤4をいったん加熱し、その後冷却することで接着剤
4をスライダーバー保持板1に固着させる。このとき、
フィルム状接着剤4を加熱して溶融することによって、
スライダーバー3の固定に寄与しない余分な接着剤4は
溝2の底部に落下し、後のステップでフォトレジスト1
1を排出するための空間が溝2において確保される。次
に、図4(c)のステップにおいて、溝2の長手方向と
平行な一定の方向に揃えた所定数のスライダーバー3を
接着剤4上に並置し、接着剤4を再度加熱し、その後冷
却することでスライダーバー3をスライダーバー保持板
1に接着する。このとき、従来技術に係る図6(b)と
同様に、互いに隣接するスライダーバー3間に隙間13
が存在することがあるが、続く図4(d)のステップ
で、スライダーバー3の上から液状フォトレジスト11
を塗布しても、フォトレジスト11は、硬化するまでの
間に隙間13を通って直下の溝2に排出されるので、隙
間13に空気が残存することはない。従って、図6
(d)のように気泡22がフォトレジスト11の表面に
浮き上がって残存することがないので、スライダーバー
3上に、気泡22を含まずに均一に塗布されたフォトレ
ジスト11を得ることができる。
【0028】以上説明したように、本実施形態のスライ
ダーバー保持板1はスライダーバー3間の密着された接
触面6の直下の位置に溝2を設けることで、通常は閉じ
込められる空気に対して、溝2によって空気の抜け道を
確保することで閉じ込められる空気を低減し、気泡22
の発生を実用レベルまで抑制することができる。
【0029】本実施形態に係るスライダーバー保持板1
によれば、液状フォトレジスト11を塗布し、熱硬化さ
せる際にスライダーバー3間の隙間13から発生する気
泡22を抑制できるため、気泡22の影響を受けない均
一な厚さのフォトレジスト11を得ることができる。以
上のことから、パターニングの際に気泡22を主因とし
たパターン形状の不良が発生せず、露光及び現像にて所
望のパターニングをした場合でも、微細で複雑な任意の
パターン形状が形成できるため高精度でかつ生産性の高
い、薄膜磁気ヘッドスライダーバーの製造方法を得るこ
とができる。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る薄膜
磁気ヘッドスライダーバー保持装置によれば、磁気記録
媒体との対向面に設けられた複数個の薄膜磁気ヘッド素
子を有する複数の薄膜磁気ヘッドスライダーバーを、上
記対向面をフォトリソグラフィー技術で任意のエアーベ
アリング形状に形成する際に、所定の同一の面上に並置
して保持するための薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持
装置において、上記複数の薄膜磁気ヘッドスライダーバ
ーを上記薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置の同一
の面上に並置して保持したときに、上記各薄膜磁気ヘッ
ドスライダーバー間の位置の直下に位置する上記同一の
面において所定幅の溝を形成される。ここで、上記溝
は、好ましくは、上記各薄膜磁気ヘッドスライダーバー
の長手方向が上記溝の長手方向と実質的に平行となるよ
うに形成され、また、上記溝は、好ましくは、上記各薄
膜磁気ヘッドスライダーバー間の接触面が上記溝の幅方
向の中心線に実質的に一致するように形成される。
【0031】従って、薄膜磁気ヘッドスライダーバー保
持装置において、薄膜磁気ヘッドスライダーバーの密着
された接触面の直下の位置に溝を設けることで、通常は
閉じ込められる空気に対して、溝によって空気の抜け道
を確保することで閉じ込められる空気を低減し気泡の発
生を抑制することができる。
【0032】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドスライ
ダーバーの製造方法によれば、磁気記録媒体との対向面
に設けられた複数個の薄膜磁気ヘッド素子を有する薄膜
磁気ヘッドスライダーバーの製造方法において、複数の
薄膜磁気ヘッドスライダーバーを上記薄膜磁気ヘッドス
ライダーバー保持装置の同一の面上に並置して保持した
ときに、上記各薄膜磁気ヘッドスライダーバー間の位置
の直下に位置する上記同一の面において所定幅の溝を形
成してなる薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置を用
いて、上記複数の薄膜磁気ヘッドスライダーバーを並置
して保持し、上記対向面をフォトリソグラフィー技術で
任意のエアーベアリング形状に形成するステップを含
む。
【0033】従って、上記薄膜磁気ヘッドスライダーバ
ー保持装置を用いれば、液状フォトレジストを塗布し、
熱硬化させる際にスライダーバーの密着された接触面か
ら発生する気泡を抑制できるため、気泡の影響を受けな
い均一な厚さのフォトレジストを得ることができる。そ
れ故、パターニングの際に気泡を主因としたパターン形
状の不良が発生せず、露光及び現像にて所望のパターニ
ングをした場合でも、微細で複雑な任意のパターン形状
が形成できるため高精度でかつ生産性の高い、薄膜磁気
ヘッドスライダーバーの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の実施形態に係るスライダー
バー保持板1の構成を示す上面図であり、(b)は
(a)のスライダーバー保持板1の構成を示す側面図で
ある。
【図2】 図1(a)のスライダーバー保持板1に複数
のスライダーバー3を固定したときの、図1(a)のA
−A’面における断面図である。
【図3】 図1のスライダーバー保持板1を用いて複数
のスライダーバー3上にエアーベアリング面12を形成
するプロセスを表す斜視図であり、(a)は複数本のス
ライダーバー3をスライダーバー保持板1上に配置する
ステップを表し、(b)はスライダーバー3上にフォト
レジスト11を塗布するステップを表し、(c)はスラ
イダーバー3上にエアーベアリング面12を形成するス
テップを表す。
【図4】 図1のスライダーバー保持板1に固定された
スライダーバー3上に液状フォトレジスト11を塗布す
るプロセスを説明する図であって、(a)はスライダー
バー保持板1上にフィルム状の接着剤4を配置するステ
ップを表し、(b)は熱溶融によって接着剤4をスライ
ダーバー保持板1上に固着するステップを表し、(c)
はスライダーバー3をスライダーバー保持板1上に配置
しかつ固定するステップを表し、(d)はスライダーバ
ー3上にフォトレジスト11を塗布するステップを表す
図である。
【図5】 従来技術に係るスライダーバー保持板20を
用いて複数本のスライダーバー3上にエアーベアリング
面12を形成するプロセスを表す斜視図であり、(a)
はスライダーバー保持板20上に複数本のスライダーバ
ー3を配置するステップを表し、(b)はスライダーバ
ー3上にフォトレジスト11を配置するステップを表
し、(c)はスライダーバー3上にエアーベアリング面
12を形成するステップを表す。
【図6】 図5のスライダーバー保持板20に固定され
たスライダーバー3上に液状フォトレジスト11を塗布
するプロセスを説明する図であって、(a)はスライダ
ーバー保持板20上にフィルム状の接着剤4を配置しか
つ固着するステップを表し、(b)はスライダーバー保
持板20上にスライダーバー3を配置しかつ固定するス
テップを表し、(c)はスライダーバー3上にフォトレ
ジスト11を塗布するステップを表し、(d)はフォト
レジスト11の表面に気泡22が発生するステップを表
す図である。
【符号の説明】
1…スライダーバー保持板、 2…溝、 3…スライダーバー、 4…接着剤、 5…基準面用あて板、 6…スライダーバー3の密着された接触面、 7…溝2の幅方向の中心線、 10…薄膜磁気ヘッド素子、 11…フォトレジスト、 12…エアーベアリング面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 貞芳 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 仲神 竜一 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 田頭 幸造 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 Fターム(参考) 5D033 BB14 DA07 DA22 5D042 NA02 PA09 RA04 RA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体との対向面に設けられた複
    数個の薄膜磁気ヘッド素子を有する複数の薄膜磁気ヘッ
    ドスライダーバーを、上記対向面をフォトリソグラフィ
    ー技術で任意のエアーベアリング形状に形成する際に、
    所定の同一の面上に並置して保持するための薄膜磁気ヘ
    ッドスライダーバー保持装置において、 上記複数の薄膜磁気ヘッドスライダーバーを上記薄膜磁
    気ヘッドスライダーバー保持装置の同一の面上に並置し
    て保持したときに、上記各薄膜磁気ヘッドスライダーバ
    ー間の位置の直下に位置する上記同一の面において所定
    幅の溝を形成したことを特徴とする薄膜磁気ヘッドスラ
    イダーバー保持装置。
  2. 【請求項2】 上記溝を、上記各薄膜磁気ヘッドスライ
    ダーバーの長手方向が上記溝の長手方向と実質的に平行
    となるように形成したことを特徴とする請求項1記載の
    薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置。
  3. 【請求項3】 上記溝を、上記各薄膜磁気ヘッドスライ
    ダーバー間の接触面が上記溝の幅方向の中心線に実質的
    に一致するように形成したことを特徴とする請求項1又
    は2記載の薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装置。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体との対向面に設けられた複
    数個の薄膜磁気ヘッド素子を有する薄膜磁気ヘッドスラ
    イダーバーの製造方法において、 複数の薄膜磁気ヘッドスライダーバーを上記薄膜磁気ヘ
    ッドスライダーバー保持装置の同一の面上に並置して保
    持したときに、上記各薄膜磁気ヘッドスライダーバー間
    の位置の直下に位置する上記同一の面において所定幅の
    溝を形成してなる薄膜磁気ヘッドスライダーバー保持装
    置を用いて、上記複数の薄膜磁気ヘッドスライダーバー
    を並置して保持し、上記対向面をフォトリソグラフィー
    技術で任意のエアーベアリング形状に形成するステップ
    を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドスライダーバー
    の製造方法。
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