JP3232808B2 - 薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法

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JP3232808B2
JP3232808B2 JP23970393A JP23970393A JP3232808B2 JP 3232808 B2 JP3232808 B2 JP 3232808B2 JP 23970393 A JP23970393 A JP 23970393A JP 23970393 A JP23970393 A JP 23970393A JP 3232808 B2 JP3232808 B2 JP 3232808B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドスライ
ダーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録装置に対する高記録密度
化の要求が急速に高まり、この傾向は将来的にさらに高
まっていくことは確実である。この要求に対し、磁気ヘ
ッドスライダーは0.1μm以下の非常に低い浮上高さ
や、記録媒体の周速によって変化することのない安定し
た浮上特性を有することが求められるようになり、その
要求を満足するには微細かつ複雑なエアーベアリング面
形状を高精度で形成する技術が不可欠となっている。
【0003】従来の磁気ヘッドスライダーのエアーベア
リング面は砥石による研削を中心とした機械加工で作製
されており、加工機械の精度を高度に引き上げることに
より上記要求を満たそうという試みがなされているが、
従来の機械加工では目的の加工精度には達しておらず、
さらに曲線を含む複雑な形状の加工は実現不可能であっ
た。そこでフォトリソグラフィ技術を用いる方法、即ち
エアーベアリング面に対応するフォトマスクを作製し、
イオンビームエッチングなどのドライエッチングにより
加工する方法が提案されている。
【0004】ドライエッチングは半導体プロセスや薄膜
磁気ヘッド素子形成プロセスで盛んに用いられ、その加
工精度は上記の加工精度を充分に満足する方法であるこ
とは確かであるが、半導体プロセスや薄膜磁気ヘッド素
子形成プロセスが3〜5インチ程度のウェハーの表面を
対象にするのに対し、薄膜磁気ヘッドスライダーは、薄
膜磁気ヘッド素子を形成したウェハーから機械加工によ
り切り出した薄膜磁気ヘッド素子を複数個有する短冊状
のブロック(以下スライダーという)の表面を対象にし
ているという相違があり、ここが最も大きな問題となっ
ている。
【0005】すなわちドライエッチングなどを用いたフ
ォトリソグラフィ技術で微細かつ高精度に加工するため
には、良好なレジストパターンを形成することが重要と
なるが、スライダーバーのように小さな面積の部分には
均一にフォトレジスト膜を形成することは非常に難し
い。例えばウェハーにスピンコート法により液状フォト
レジストを塗布してレジスト被膜を形成すると、中心部
の厚みは均一であるが端部は中心部と比較して非常に厚
みが厚くなるため、端部には良好なレジストパターン形
状を形成することはできない。そこでウェハーの場合は
端部を除いて中心部だけを使用しているが、スライダー
バーでは全面が加工対象であるため端部を使用しないと
いう訳にはいかず、従って均一なレジスト被膜を全面に
形成しなければならない。
【0006】また半導体プロセスや薄膜磁気ヘッド素子
形成プロセスではウェハーの中に数百から数千個のデバ
イスを形成することができ、ウェハーを大口径化するこ
とにより比較的簡単に生産性を向上できるのに対し、ス
ライダーバーの中の磁気ヘッド素子は多くても20〜3
0個が限界で、スライダーバー1本毎の取扱いをしてい
ては生産性が著しく低く工業化できない。
【0007】以上の理由より必然的にスライダーバーを
多数並べてプレートに接着し、ウェハーのような大面積
として取り扱う方が有利であることは明白である。しか
し、このとき次に述べる問題が生じる。図5および図6
は従来の薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法の説明図
である。図5はプレートにスライダーバーを接着した断
面の模式図を示し、図6は1本のスライダーバーのエア
ーベアリング形成面の上にフォトマスクを重ねて上方か
ら見た状態を示しており、これらの図を用いて上記問題
点を説明する。
【0008】図5(a)の状態、即ちスライダーバー1
をプレート2に接着剤3で接着した状態で、スライダー
バー1の間4にすき間がなく、しかもエアーベアリング
形成面5が凹凸のない平面であればウェハーと同様の取
扱いができ、エアーベアリング形成面5に塗布したフォ
トレジスト被膜6の厚みも均一となり良好なフォトレジ
ストパターンを形成することが可能となる。しかし図5
(b)のごとくスライダーバー1の間にすき間7がある
とエアーベアリング形成面5に大きな凹凸を生じ、そこ
にフォトレジストを塗布すると図示するように端部が厚
く中心部が薄い不均一なフォトレジスト被膜6が形成さ
れ、良好なフォトレジストパターンが形成できないばか
りか、薄膜磁気ヘッド素子の端子部を有するスライダー
バー1の側面1bはフォトレジスト被膜6が非常に薄く
なり、ドライエッチングによりダメージを受けるために
端子部が損傷し、また外観不良の原因ともなる。さらに
スライダーバー1の厚みには公差があるため厚み分布を
有し、さらに接着剤3の厚みのばらつきも加わり、図5
(c)のようにエアーベアリング形成面5は凹凸状態と
なり、図5(b)と同様に良好なフォトレジストパター
ンを形成することができない。なおスライダーバー1お
よび接着剤3の厚みのばらつきをなくすことは技術的に
不可能ではないが、工程数の増加および歩留りの低下に
より著しい製造コストの上昇を招く。
【0009】次に接着剤3はエアーベアリング形成面5
の加工工程ではスライダーバー1を強固に保持し、加工
工程後は簡単に剥離可能であり、さらに接着時に高温を
必要としない(薄膜磁気ヘッドの特性低下の原因とな
る)という特性を満足しなければならないが、この全て
の条件を満足する接着剤3は非常に少ない。また、スラ
イダーバー1の間4に毛細管現象により上昇したしみ出
し部9が発生すると、その部分はパターン不良となる。
【0010】次に図6について説明する。スライダーバ
ー1の幅HSBは薄膜磁気ヘッド素子形成プロセスで形成
される被膜の厚みHB とウェハーの厚みHA との和であ
り、一定の分布を有することは避けられない。この分布
を±aとするとHSBは HSB=(HB +HA )±a で表される。
【0011】一方フォトマスク10の幅をHFMとする
と、 HSB>HFM となった場合露光されない部分11ができパターン不良
となるためフォトマスクの幅は HFM≧HSB=(HB +HA )±a 即ちスライダーバー1の幅分布の最大幅以上に設計しな
ければならず、フォトマスク10はスライダーバー1に
対し ΔH=HFM−HSB だけ大きな幅となるよう設計しなければならない。その
結果スライダーバー1はΔH以上の間隔で並べなければ
二重に露光される部分ができるが、しかしながらΔH以
上の間隔で並べると図5(b)に示す状態となり、良好
なフォトレジストパターンを形成することができなくな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、幅お
よび厚みに寸法公差を有するスライダーバーであって
も、微細かつ複雑な形状のエアーベアリング面をドライ
プロセスにより高精度に形成することができ、しかも多
数のスライダーバーを同時に取り扱うことにより安価で
大量生産に適した薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
スライダーの製造方法は、薄膜磁気ヘッド素子を複数個
有する多数のブロック及びこれらのブロックと長さおよ
び厚みがほぼ同じである薄膜磁気ヘッド素子を有しない
ブロックとを交互に密接させて配列し、エアーベアリン
グ面を形成しようとするエアーベアリング形成面を水平
面に密着させてその高さを同じにした状態で、前記エア
ーベアリング形成面との対面にあたる裏面側の接着面と
プレートとを接着剤で接着し、前記エアーベアリング形
成面に液状フォトレジストを塗布してフォトリソグラフ
ィ手段によりエアーベアリング形状に対応するフォトレ
ジストパターンを形成した後、このフォトレジストパタ
ーンをマスクとしてドライエッチングにより前記エアー
ベアリング面を形成するようにしたものである。
【0014】
【作用】上記構成によれば、スライダーバーとスペーシ
ングバーを密接させて同じ高さに並べて接着面をプレー
トに接着するか、あるいはスライダーバーを一定の間隔
を設け、同じ高さに並べて接着面をプレートに接着した
後エアーベアリング形成面にドライフィルムを密着し、
スライダーバーとドライフィルムで形成されるすき間を
樹脂で充填することにより、エアーベアリング形成面に
凹凸のないフォトレジスト被膜を形成することができ
る。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0016】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
における薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法の製造工
程図、図2(a)は本発明の第1の実施例における薄膜
磁気ヘッドスライダーの製造方法のスライダーバーおよ
びスペーシングバーをプレートに接着した状態の斜視
図、図2(b)は図2(a)のK部分の部分拡大斜視図
である。なお図1は図2(b)のA−A’断面図に相当
する。
【0017】図2(a)〜(b)において薄膜磁気ヘッ
ド素子を形成したウェハーから機械加工により短冊状の
スライダーバー1を切り出し、ラッピングした後、これ
らのスライダーバー1とほぼ等しい厚みを有するスペー
シングバー12を図示するように多数並べて接着用のプ
レート2に接着する。以下その方法を図1を参照して説
明する。
【0018】短冊状のスライダーバー1とスペーシング
バー12を交互に密接させて配列し(図1(a))、エ
アーベアリング面を形成しようとする面(以下エアーベ
アリング形成面5という)を下向きにして水平面13に
密着させてその高さを同じにする(図1(b))。1a
は接着面である。スライダーバー1の材質はAl2
3 、Al23 /TiC、フェライトなど種々あり、ス
ペーシングバー12の材質はスライダーバー1と同じ質
材とすることが望ましいが、材質が異なっても良い。こ
の状態で接着剤3によりエアーベアリング形成面5との
対面にあたる裏面側(以下接着面1aという)とプレー
ト2とを接着する(図1(c))。次に水平面13を取
り除き、スライダーバー1とプレート2の上下を逆にす
れば(図1(d))、スライダーバー1およびスペーシ
ングバー12の厚み分布は接着剤3の厚み差に吸収さ
れ、エアーベアリング形成面5は大口径で凹凸のない平
面となる。従ってこれ以後の工程では半導体プロセスや
薄膜磁気ヘッド素子形成プロセスで取り扱うウェハーと
同様の取り扱いが可能となる。
【0019】次に液状フォトレジストを塗布してフォト
レジスト被膜6を形成し(図1(e))、フォトリソグ
ラフィ技術により目的とするエアーベアリング面に対応
するフォトレジストパターン14を形成する(図1
(f))。次に形成したフォトレジストパターン14を
マスクとしてイオンビームミリングなどのドライエッチ
ングによりエアーベアリング面を形成し(図1
(g))、残ったフォトレジスト残さをアセトン等の溶
剤で除去し、スライダーバー1およびスペーシングバー
12をプレート2から剥離する(図1(h))。
【0020】上記工程中、スペーシングバー12の幅を
ΔH以上にすることにより、スライダーバー1を一定間
隔で並べる場合の従来の問題点は解決する。
【0021】次に接着剤3はエアーベアリング形成面5
の加工工程ではスペーシングバー12を強固に保持し、
工程後は簡単に剥離が可能であり、さらに接着時に高温
を必要としない(磁気ヘッドの特性低下の原因となる)
という特性を満足するものであれば良いが、特に液状フ
ォトレジストまたはシリコーン樹脂が接着剤3として優
れている。この効果を図3(a)〜(d)に示す本発明
の第1の実施例における薄膜磁気ヘッドスライダーの製
造方法の製造工程図により説明する。
【0022】図3(a)〜(d)は図2(b)における
A−A’断面図に相当する。液状フォトレジストは本来
接着剤でないが、図3(a)のように接着した後ベーク
することで強固な接着力が得られる。なお、ベーク温度
は120℃以下、60分程度で充分であり、薄膜磁気ヘ
ッドの特性を劣化させることはない。また液状フォトレ
ジストを用いる最大の特徴は、図3(b)に示すように
しみ出し部15が発生してもパターニングのために液状
フォトレジストを用いフォトレジスト被膜6を塗布した
図3(c)に示す状態でしみ出し部15が再溶解して新
たなるフォトレジスト被膜16となり、図3(d)のご
とく欠陥とならないことである。ただし、液状フォトレ
ジストにはポジ型、ネガ型があるが、接着剤としてのフ
ォトレジストとパターニングのためのフォトレジストは
同型であることが望ましい。さらに液状フォトレジスト
は溶剤等で簡単に溶解するため工程後のスライダーバー
1の剥離も極めて容易である。
【0023】次にシリコーン樹脂であるが、この場合は
しみ出し部15が発生した場合には液状フォトレジスト
のように再溶解することはなく、欠陥となるためトルエ
ン等の溶剤で除去する必要があり、この点においては工
程数の増加となる。しかししみ出し部15の除去自体は
容易であり、また接着温度も常温で可能であり、さらに
液状フォトレジストと同様工程後のスライダーバー1の
剥離も極めて容易である。シリコーン樹脂はどれでも接
着剤となり得るが、シロキサン結合(Si−O−S
i)、有機質メチル基、フェニル基などからなるシリコ
ーンワニスは、耐熱性、耐水性、難燃性に優れ、トルエ
ンやキシレン等の溶剤に対する溶解性に非常に優れるた
め特に好ましい。また粘性も自由に調整できるが、10
0cp(25℃)以下の低粘性の方が取り扱いが容易で
ある。
【0024】次に具体的な数値を示しながら本実施例を
より詳細に説明する。薄膜磁気ヘッド素子を形成した
4.5インチ角のAl23 /TiCウェハーから砥石
を用いた研削加工およびラッピングにより幅2.00m
m±0.02mm、長さ50.00±0.05mm、厚
み0.45±0.01mmの寸法公差を有する短冊状の
スライダーバー1を作製し、また薄膜磁気ヘッド素子を
形成していない4.5インチ角のAl23 ウェハーか
ら砥石を用いた研削加工により幅0.50mm±0.0
5mm、長さ50.00±0.10mm、厚み0.45
±0.02mmの寸法公差を有する短冊状のスペーシン
グバー12を作製した。次にスライダーバー1とスペー
シングバー12とを交互に配列して密着させ、エアーベ
アリング形成面5を下向きにして水平なガラス面に密着
させて前後左右方向から0.5kg/cm2 の軽微な圧
力で加圧し機械的に固定した。この状態で接着剤3によ
りエアーベアリング加工面の対面である接着面1aと
4.5インチ角のAl23 /TiCウェハーを接着し
た。接着剤3には例えばヘキスト社製液状フォトレジス
トAZ4903を用い、これをスピンコート法によりプ
レート2に塗布し15μmの被膜を形成して接着し、9
0℃、60分のベークによりフォトレジストを固化し
た。その結果エアーベアリング形成面5の段差を0.0
02mm以下とすることができた。
【0025】次に液状フォトレジストを滴下し、スピン
コート法によりコーティングした後90℃、2時間ベー
クして膜厚25μmのフォトレジスト被膜6を形成し
た。スピンコート法によるフォトレジスト被膜6の形成
では、基板に凹凸があれば膜厚分布が著しく大きくなり
良好なフォトレジストパターンを得ることができない
が、本実施例では膜厚分布を0.5μm以下とすること
ができた。
【0026】次に、エアーベアリング形成面5の幅を
2.05mmとしたフォトマスクにより露光し、現像し
てフォトレジストパターンを得た。ここでフォトマスク
の幅はスライダーバー1の幅が2.00mm±0.02
mmであるため、その最大幅2.02mmよりも0.0
3mm広い幅とした。このフォトレジストパターンをマ
スクとしてイオンビームミリングによりエッチングし8
μm深さの加工を施した。
【0027】次にアセトン中に浸漬することにより、残
ったフォトレジストを除去し、スライダーバー1をプレ
ート2から剥がした後、磁気ヘッド素子単品に切断する
ことにより薄膜磁気ヘッドスライダーを作製した。
【0028】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
における薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法を説明す
る。図4は本発明の第2の実施例における薄膜磁気ヘッ
ドスライダーの製造方法の製造工程図である。薄膜磁気
ヘッド素子を形成したウェハーから機械加工により短冊
状のスライダーバー1を切り出しラッピングする(図4
(a))。次にΔH以上の間隔でスライダーバー1を配
置しエアーベアリング形成面5を下向きにして水平面1
7に密着させることでエアーベアリング形成面5の高さ
を同じにする(図4(b))。一定の間隔でスライダー
バー1を並べるには、水平面17に所定の間隔でスライ
ダーバー1と等しい大きさの座ぐり穴17aを設けてお
き、この座ぐり穴17aにスライダーバー1を落とし込
むことにより可能である。この状態で接着面1aと事前
に接着剤3を塗布したプレート2を接着する(図4
(c))。接着剤3はエアーベアリング形成面5の加工
工程ではスライダーバー1を強固に保持し、工程後は簡
単に剥離可能であり、さらに接着時に高温を必要としな
いという特性を満足すれば良いが、上述と同様の理由に
より、特に液状フォトレジストまたはシリコーン樹脂が
優れている。
【0029】次に水平面17を取り除き、スライダーバ
ー1とプレート2の上下を逆にすれば図4(d)に示す
状態となり、スライダーバー1の厚み分布は接着剤3の
厚み差に吸収されエアーベアリング形成面5は水平とな
るものの、すき間7の形成により、図5(b)と同様の
状態となり、このままではウェハーと同様に取り扱うこ
とはできない。そこで、図4(e)に示すようにドライ
フィルムフォトレジスト18をラミネーター等によりエ
アーベアリング形成面5に密着させることにより、エア
ーベアリング形成面5はスライダーバー1間にすき間7
がなくなって凹凸のない平面が得られ、さらにこのまま
フォトリソグラフィ技術によるフォトレジストパターン
の形成が可能となる。
【0030】しかし、パターニングの形状によってはス
ライダーバー1とドライフィルムフォトレジスト18で
形成されるすき間7がむき出しになる部分ができ、この
ままドライエッチングを行うとスライダーバー1の側面
1bがエッチングされるため、薄膜磁気ヘッド素子の端
子部が損傷を受けると共に外観を損なう。そこですき間
7を液状フォトレジストまたは樹脂20で充填すること
により上記問題は解決する。すき間7を充填する液状フ
ォトレジストまたは樹脂20は工程後簡単に除去できる
ものであれば良い。また、液状フォトレジストを用いた
場合には90℃、60分程度のベークを行う。以上の方
法により得られた図4(e)のものは、図1(e)のも
ののごとくウェハーと同様の取り扱いが可能である。
【0031】次にフォトリソグラフィ技術により目的と
するエアーベアリング形成面5に対応するフォトレジス
トパターン19を形成し(図4(f))、フォトレジス
トパターン19をマスクとしてイオンビームミリングな
どのドライエッチングによりエアーベアリング面を形成
した後(図4(g))、残ったドライフィルムフォトレ
ジスト18およびすき間7に充填した液状フォトレジス
トまたは樹脂20を除去し、スライダーバー1をプレー
ト2から剥離する(図4(h))。
【0032】次に具体的な数値を示しながら第2実施例
をより詳細に説明する。薄膜磁気ヘッド素子を形成した
3インチφのAl23 /TiCウェハーから砥石を用
いた研削加工およびラッピングにより幅2.50mm±
0.02mm、長さ25.00±0.05mm、厚み
0.45±0.01mmの寸法公差を有する短冊状のス
ライダーバー1を作製した。0.30mmの間隔でスラ
イダーバー1を配置しエアーベアリング形成面5を下向
きにして表面を水平に仕上げたAl23 面に密着させ
た。このAl23 面にはエアーベアリング形成面5と
同じ形状でかつ50μmのクリアランスを見込んだ幅
2.57mm、長さ25.07mm、深さ0.02mm
の座ぐり穴17aをスライダーバー1の間隔と等しい
0.03mm間隔で設け、この座ぐり穴17aにスライ
ダーバー1を落とし込むことによりよって正確に0.3
0mmの間隔でスライダーバー1を並べた。この状態で
接着剤3により接着面1aと4.5インチ角のAl2
3 /TiCウェハーを接着した。接着剤3には例えば信
越化学社製シリコーンワニスKR251を用い、これを
スピンコート法によりプレート2に塗布し10μmの被
膜を形成して接着し、50℃、60分間のベークにより
接着剤の固化を促進した。以上によりエアーベアリング
形成面5の段差を0.002mm以下とすることができ
た。
【0033】次に例えば東京応化工業社製ドライフィル
ムフォトレジストAP950(厚さ50μm)を温度1
10℃、圧力1.5kg/cm2 、速度0.8m/分の
条件でラミネーターによりエアーベアリング形成面5に
密着し、スライダーバー1とドライフィルムフォトレジ
スト18で形成される空間にヘキスト社製液状フォトレ
ジストAZ4400を注入し80℃、30分ベークして
空間を充填した。
【0034】次に、エアーベアリング形成面5の幅を
2.55mmとしたフォトマスクにより露光し、現像し
てフォトレジストパターン19を得た。ここでフォトマ
スクの幅はスライダーバー1の幅が2.50mm±0.
02mmであるため、その最大幅2.52mmよりも
0.03mm広い幅とした。このフォトレジストパター
ン19をマスクとしてイオンビームミリングによりエッ
チングし12μm深さの加工を施した。
【0035】次に残ったドライフィルムフォトレジスト
18をKOHで剥離し、空間に充填したフォトレジスト
をアセトンで除去し、さらにトルエン中に浸漬してスラ
イダーバー1をプレート2から剥がした後磁気ヘッド素
子単品に切断することにより薄膜磁気ヘッドスライダー
を作製した。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明は、スライダーバー
とスペーシングバーを密着させて同じ高さに並べて接着
面をプレートに接着するか、あるいはスライダーバーを
一定間隔を設け、同じ高さに並べて接着面をプレートに
接着した後エアーベアリング形成面にドライフィルムフ
ォトレジストを密着し、スライダーバーとドライフィル
ムフォトレジストで形成される空間を樹脂で充填するこ
とより、エアーベアリング形成面に凹凸のないフォトレ
ジスト被膜を形成することができるため、スライダーバ
ーをウェハーと同様の状態で多数一度に取り扱うことで
生産性が非常に向上し、しかもスライダーバーの厚みお
よび幅は厳しく制御されずある程度の分布を有していて
も微細かつ高精度に任意の形状のエアーベアリング面を
形成することが可能であり、さらに工程の簡素化および
歩留りの向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における薄膜磁気ヘッド
スライダーの製造方法の製造工程図
【図2】(a)は本発明の第1の実施例における薄膜磁
気ヘッドスライダーの製造方法のスライダーバーおよび
スペーシングバーをプレートに接着した状態の斜視図 (b)は図2(a)のK部分の部分拡大斜視図
【図3】(a)は本発明の第1の実施例における薄膜磁
気ヘッドスライダーの製造方法の製造工程図 (b)は本発明の第1の実施例における薄膜磁気ヘッド
スライダーの製造方法の製造工程図 (c)は本発明の第1の実施例における薄膜磁気ヘッド
スライダーの製造方法の製造工程図 (d)は本発明の第1の実施例における薄膜磁気ヘッド
スライダーの製造方法の製造工程図
【図4】本発明の第2の実施例における薄膜磁気ヘッド
スライダーの製造方法の製造工程図
【図5】(a)は従来の薄膜磁気ヘッドスライダーの製
造方法の製造工程図 (b)は従来の薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法の
製造工程図 (c)は従来の薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法の
製造工程図
【図6】従来の薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法の
説明図
【符号の説明】
1 スライダーバー 1a 接着面 2 プレート 3 接着剤 5 エアーベアリング形成面 6 フォトレジスト被膜 7 すき間 12 スペーシングバー 13,17 水平面 14 フォトレジストパターン

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜磁気ヘッド素子を複数個有する多数の
    ブロック及びこれらのブロックと長さおよび厚みがほぼ
    同じである薄膜磁気ヘッド素子を有しないブロックとを
    交互に密接させて配列し、エアーベアリング面を形成し
    ようとするエアーベアリング形成面を水平面に密着させ
    てその高さを同じにした状態で、前記エアーベアリング
    形成面との対面にあたる裏面側の接着面とプレートとを
    接着剤で接着し、前記エアーベアリング形成面に液状フ
    ォトレジストを塗布してフォトリソグラフィ手段により
    エアーベアリング形状に対応するフォトレジストパター
    ンを形成した後、このフォトレジストパターンをマスク
    としてドライエッチングにより前記エアーベアリング面
    を形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドスライダー
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記薄膜磁気ヘッド素子を複数個有する多
    数のブロック及びこれらのブロックと長さおよび厚みが
    ほぼ同じである薄膜磁気ヘッド素子を有しないブロック
    を液状フォトレジストまたはシリコーン樹脂を接着剤と
    して前記プレートに接着することを特徴とする請求項1
    記載の薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法。
  3. 【請求項3】薄膜磁気ヘッド素子を複数個有する多数の
    ブロックを一定の間隔を設けて配列し、エアーベアリン
    グ形成面を水平面に密着させてその高さを同じにした状
    態で接着面とプレートとを接着剤により接着し、前記エ
    アーベアリング形成面にドライフィルムフォトレジスト
    を密着し、前記ブロックとドライフィルムフォトレジス
    トで形成されるすき間を液状フォトレジストまたは樹脂
    で充填し、フォトリソグラフィ手段により前記エアーベ
    アリング面に対応するフォトレジストパターンを形成
    し、このフォトレジストパターンをマスクとしてドライ
    エッチングにより前記エアーベアリング面を形成するこ
    とを特徴とする薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方法。
  4. 【請求項4】薄膜磁気ヘッド素子を複数個有する多数の
    前記ブロックを液状フォトレジストまたはシリコーン樹
    脂を接着剤として前記プレートに接着することを特徴と
    する請求項3記載の薄膜磁気ヘッドスライダーの製造方
    法。
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