JP2003064537A - カットパイルカーペット - Google Patents

カットパイルカーペット

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JP2003064537A
JP2003064537A JP2001251313A JP2001251313A JP2003064537A JP 2003064537 A JP2003064537 A JP 2003064537A JP 2001251313 A JP2001251313 A JP 2001251313A JP 2001251313 A JP2001251313 A JP 2001251313A JP 2003064537 A JP2003064537 A JP 2003064537A
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pile
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JP2001251313A
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Tatsuro Mizuki
水木  達郎
Shozo Inoue
正三 井上
Hiroaki Ozawa
宏明 小澤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、マルチフィラメントを使用したタフ
テッドカーペットでありながら、優れたボリューム感お
よび風合いを有するとともに、カーペットのタテ筋、ゲ
ージの畝やステッチ段が目立ちにくく、さらにはパイル
の粒が格子柄にみえることのない、スパンライクのカッ
トパイルカーペットを提供せんとするものである。 【解決手段】本発明はのカーペットは、カーペットのパ
イルを構成するマルチフィラメントが2種以上の異なる
単糸断面のフィラメントの混在糸であり、かつ、該マル
チフィラメントの繊度をTデシテックス、できあがった
カーペットにおけるゲージをG、1インチ当たりのステ
ッチをS、目付をWとするとき、下記算式を満足するこ
とを特徴とするものである。 900≦T≦2500 −(T)1/2 +76≦34×S×G≦−(T)1/2 +86 ・・・(1) 375≦W≦575(g/m2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カットパイルカー
ペットに関する。さらに詳しくは、マルチフィラメント
を使用したタフテッドカーペットでありながら、タテ筋
がなく、カーペットの畝やステッチ段が目立ちにくく、
さらにはパイルの粒が格子柄にみえることのない、スパ
ンライクのカットパイルカーペットに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カーペットの主な使用目的は、インテリ
アとしての用途によく適応した雰囲気を提供することで
あり、そのために色や柄はもちろんのこと、風合いやタ
ッチ、ボリューム感などの種々の特性が、用途に応じて
要求されている。
【0003】この中で、オプションカーペット、ロール
カーペットおよびラインカーペットなどは、そのクッシ
ョン性、高級感の他に、インテリアとしての空間の演出
が優れること、特に均一で落ち着いた雰囲気を有するこ
とが要求される。特に、周囲の壁や側面、天井などとの
調和が求められ、飽きのこない落ち着いた色調と風合い
が要求され、レベルカットのカーペットが汎用的には用
いられている。
【0004】かかるパイルに用いられる素材としては、
ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ートなどが用いられ、糸使いもフィラメント、スパン糸
とも使用されている。
【0005】これらカットパイルを使用するカーペット
においては、上記特性の他、カーペット表面に対して、
様々な要求が出されている。
【0006】具体的には、タテ筋の発生がないこと、ボ
リューム感に富んでおりステッチ段やゲージ隙が目立た
ないこと、パイルが一方向に倒れていないこと、見る方
向によって色目が変わって見えないこと、パイル表面が
堅すぎないこと、等が挙げられる。
【0007】この中で、ポリアミドのスパン糸使いのカ
ーマット用カーペットは、パイルの先端の方向がランダ
ムで、かつ、バルキー性に優れており、タフト方向と平
行方向に発生する隣接パイル間の畝や、その垂直方向に
みえるステッチ段等の隙間がみえにくいと言う特徴を有
している上に、ボリューム感に優れていることから、高
級車に好まれて使用されている。しかしながら、該スパ
ン糸は、短繊維を集束させるために、からみ糸を使用す
る必要があり、スパン糸の製造そのものにおいて、工程
が煩雑で、コスト高になり、また最終カーペットにおい
ても単糸が脱落しやすいなどの欠点があった。
【0008】上記スパン糸の特徴を活かしつつ短所を補
うため、上記スパン糸使いのカットパイルタイプの顔立
ちをフィラメントで表現するという試みは、これまでも
スパンライクという言い方で数多く提案されている。し
かし、逆にマルチフィラメントで同じ特徴を出そうとし
ても、表現ができないのが現実であり、マルチフィラメ
ントを用いて、スパンライクを狙ったカーペットを作る
試みにおいては、タテ筋が発生したり、タフトの畝が目
立ったり、逆にステッチ段が目立ったり、さらには両者
が格子状の柄となってしまっていた。
【0009】特公昭59−5688号公報、特公昭59
−20011号公報には、部分的に捲縮糸を融着させた
カーペットヤーンの提案がある。特公昭59−5688
号公報においては、部分的に捲縮糸を融着させるととも
に、S撚りとZ撚りがランダムな周期で交互に存在し、
かつ、2〜100ケ/cmのループまたはタルミを有す
るスパンライクカーペットヤーンを提案している。該提
案の中には、繊度や断面形状の異なる組み合わせること
についても記載がある。確かに該方法で得られる捲縮糸
は、捲縮糸としての形態はスパン糸に似ているものの、
融着や撚り、さらにまたループやタルミを強制的に作る
ため、工程が複雑であるという問題があった。また、カ
ーペットの規格を含めた構成用件との組み合わせについ
ては特に記載がなく、結局カーペット表面におけるパイ
ルの粒の広がりは、スパン糸に近づくものの、カーペッ
トの顔立ちとしては、スパン糸使いのものとは異なりゲ
ージ間隙やステッチ段が目立つものであった。
【0010】特公平1−23576号公報、特公平1−
23577号公報には、共重合ポリアミドポリマを用
い、熱収縮率の異なる2種以上のマルチフィラメント糸
を混繊し、さらに仮撚り加工したスパンライクカーペッ
トヤーンの提案がなされている。 しかし、こうして得
られる捲縮糸は、嵩高に優れた芯鞘構造で、外側が低収
縮繊維の細繊度糸であるため、嵩高で、かつ表面タッチ
に優れ、スパンライクカーペットヤーンの特徴を有する
との記載がある。該捲縮糸も確かにフィラメントとして
はスパン糸に形態が近づくものの、芯鞘構造にする必要
があるなど製法が煩雑である上、該フィラメントの目的
が、衣料用の織編み物を意識しており、したがって、カ
ーペットの規格を含めた構成用件との組み合わせについ
ては、その用途を含めて何ら記載されていない。したが
って、筋や畝、ステッチ段等のカーペットでの問題な
ど、問題にもしていなかったものであった。
【0011】特開昭63−12735号公報には、染色
性を異にする2つ以上のポリアミド捲縮糸と染色された
ポリエステルフィラメントをオーバーフィード率を変え
て混繊し、スパン調のパイルカーペット用混色糸の提案
がある。
【0012】しかしながら該方法も混繊時のオーバーフ
ィード率や張力を一定の条件にする必要があり、工程が
複雑であった。またポリエステルはポリアミドに比べて
捲縮発現が低いため、ループやタルミは発生するものの
ボリューム感に乏しいという問題があった。
【0013】このように、従来カットパイルカーペット
の提案においては、特にスパンライクカーペットを意識
するに当たり、捲縮糸の形態の模倣はなされているもの
のカーペットの表面全体を意識した構成に対する提案、
特にステッチ段やゲージの隙間が目立たなくする点につ
いては何ら触れられていなかった。
【0014】また、特開昭51−32814号公報等、
異染性のフィラメントを混繊し、タテ筋を軽減する試み
も数多く提案されている。しかし、いずれもカーペット
表面の見栄えに関わる、ステッチ段やゲージ隙を低減す
る提案については何ら記載されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の背景に鑑み、マルチフィラメントを使用したタ
フテッドカーペットでありながら、優れたボリューム感
および風合いを有するとともに、カーペットのタテ筋、
ゲージの畝やステッチ段が目立ちにくく、さらにはパイ
ルの粒が格子柄にみえることのない、スパンライクのカ
ットパイルカーペットを提供せんとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のカーペットは、カーペットのパ
イルを構成するマルチフィラメントが2種以上の異なる
単糸断面のフィラメントの混在糸であり、かつ、該マル
チフィラメントの繊度をTデシテックス、できあがった
カーペットにおけるゲージをG、1インチ当たりのステ
ッチをS、目付をWとするとき、下記算式を満足するこ
とを特徴とするものである。
【0017】 900≦T≦2500 −(T)1/2 +76≦34×S×G≦−(T)1/2 +86 ・・・(1) 375≦W≦575(g/m2
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまりマル
チフィラメントを使用したタフテッドカーペットであり
ながら、優れたボリューム感および風合いを有するとと
もに、カーペットのタテ筋、ゲージの畝やステッチ段が
目立ちにくく、さらにはパイルの粒が格子柄にみえるこ
とのない、スパンライクのカットパイルカーペットにつ
いて、鋭意検討し、カーペットの捲縮パイルを2種以上
の異なる単糸断面を有するフィラメントから構成すると
ともに、該パイルの総繊度とカーペットの規格を特定の
範囲のものに制御してみたところ、意外にも、かかる課
題を一挙に解決することを究明したものである。すなわ
ち、全体の外観もスパン糸使いのカーペットと遜色ない
顔立ちとすることがてきたものである。
【0019】捲縮パイルを2種以上の異なる単糸断面の
フィラメントから構成することで、捲縮発現の方向を3
次元によりランダムにし、また捲縮発現レベルに幅が出
ることからスパン糸のようにボリューム感とランダム性
が発現する。また、総繊度および総繊度を考慮したカー
ペットの規格を特定の条件にすることでゲージ間やステ
ッチ段、ひいてはパイルが格子状にみえることを極力抑
えることが可能となる。
【0020】本発明における2種以上の異なる単糸断面
のフィラメントとは、タフトを行うに供するフィラメン
トの断面が少なくとも2種以上の断面から構成されてい
ることをいう。異なる単糸断面とは、断面形状が異なる
ものや、形状は相似形であってもその大きさが異なるも
の、あるいは、これらの組み合わせたものを指すもので
ある。具体的には、断面形状においては、円形、Y型、
田型中空、Y型中空、扁平、星形、T型、三角形などを
組み合わせたものを指す。
【0021】また、形状は同じであっても単糸繊度が異
なるものも、断面が異なるものとする。この場合、通
常、単糸繊度が1.5倍以上、より好ましくは2倍以上
異なるものが2種以上組み合わされていることが、本発
明の効果をより高めることが出来る。
【0022】ここでいうY型断面とは、3方向に突出部
を有する断面であれば特に限定されないが、例えば特公
平2−8044号公報の第1図に記載のような3方向に
突出部を有する断面であり、特に制限なく類似のものが
使用されうる。3つの突出部がパイルとしてのボリュー
ム感・バルキー性を現出し、優れたクッション性を生み
出す。また、Y型中空断面とは、上記Y型断面の中心部
または突起部に1つ以上の中空部を有するものをいう。
Y型中空断面は、Y型断面糸と比較すると、同等繊度で
比較した場合に、カーペットにおいて、よりみかけの占
有体積を占めることが可能であり、バルキー性が高いカ
ーペットが得られる特徴を有する。
【0023】通常、本発明における2種以上の異なる単
糸断面のフィラメントは、各々の集合体としての繊度が
ほぼ同等であることが、それぞれの特徴が相乗的に発現
し好ましい結果を得る。
【0024】本発明における異なる単糸断面とは、製造
条件を故意に変えることにより互いに差を付けたもので
あり、例えば口金の吐出孔を変更し、未延伸糸段階で異
なる断面糸を作ったり、別工程で作った異なる断面糸を
後工程で混繊したことにより得られるものである。例え
ば、製糸する際のコントロールしきれない冷却風の変動
からくる不均一性に伴う断面形状のバラツキは、本発明
の異なる断面には入らない。
【0025】上記2種以上の断面の異なるフィラメント
は、カーペットの表面におけるカットパイルの捲縮の発
現が互いに微妙に異なり、また干渉しあうことで、ラン
ダムな方向にパイル先端が向くことになる。これによ
り、タテ筋が防止できるとともにスパンライクの風合い
が発現するものである。
【0026】異なる2種以上の断面においては、風合い
と反発性を兼ね備えさせる目的で、その単糸繊度を変え
ることも好ましい手法である。カーペットの腰を高める
ために、単糸繊度の大きいフィラメントと、柔軟な風合
いを担うための単糸繊度の小さいフィラメントを組み合
わせるなどがその代表例である。このとき、腰を持たせ
る単糸繊度の大きなフィラメントの断面形状を、パイル
の反発性を高めるために、断面の2次モーメントの大き
い単糸の設計にしたり、柔軟な風合いを担う単糸繊度の
小さい単糸は、その断面の2次モーメントを小さくする
ことはより好ましい手法となる。
【0027】本発明において、特に好ましい単糸断面の
組み合わせは、Y型断面とY型中空断面、あるいは、Y
型断面と扁平断面の組み合わせである。この組み合わせ
の場合、製造も容易である上、一方の断面の糸で反発性
や嵩高性を持たせ、他方の断面の糸で柔軟性を出すな
ど、ソフトタッチの風合いながらも、十分な反発弾性、
嵩高性、耐久性、防汚性を有するカーペットを作り出す
ことができるのである。この組み合わせにおいて、各々
の特徴を最大限引き出すために、柔軟性を担う単糸断面
の単糸繊度を細くしたり、逆に弾性を担う単糸断面の単
糸繊度を太くするなどの手法を合わせることが好ましい
ことは言うまでもない。
【0028】本発明におけるカーペットは、2種以上の
異なる断面を有するフィラメントを混在させた状態で、
そのパイルを構成するフィラメントの繊度やカーペット
のステッチとやゲージの関係を、特定の範囲に制御する
ところに特徴がある。
【0029】ゲージとステッチを一定の関係とすること
で、タフト方向およびタフト方向に垂直な方向の両者に
おいて、パイルがバランスよく配置され、ステッチ段や
ゲージ間隙といった、特定方向の隙間が強調されること
がなくなるのである。
【0030】本発明におけるカーペットのパイルを構成
するマルチフィラメントは、好ましくは総繊度が900
〜2500デシテックスであり、より好ましくは100
0〜1500デシテックスである。総繊度をかかる範囲
に制御することにより、工程通過性が良好で、タフト時
の単繊維切れやパイル抜けのない、安定したカーペット
を得ることが出来、かつ、後述する本発明におけるゲー
ジやステッチの設定を容易にすることができる。一方、
本発明におけるカーペットのゲージ(G)とステッチ
(S)は、できるだけバランスを持たせることが必要
で、かつ、フィラメントの繊度Tを含めた関係が、 −(T)1/2 +76≦34×S×G≦−(T)1/2 +86・・・(1) の範囲にあることが必要である。ここでゲージ(G)
は、バッキング上がりのカーペットにおいてタフト方向
と垂直方向の1インチ間に存在するフィラメント本数を
n本とするとその逆数1/nで表す。また、ステッチ数
(S)は、バッキング上がりのカーペットにおけるタフ
ト方向と平行方向において1インチあたりに存在するパ
イルの数、Tはパイルを構成する捲縮フィラメント糸の
総繊度をデシテックスで表したものをいう。
【0031】総繊度、ステッチ、ゲージの関係が上式を
外れると、繊度に適したステッチとゲージのバランスが
崩れ、ステッチ段やゲージ隙が目立つカーペットになっ
てしまう。左辺が中央項より大きい場合は往々にして用
いるフィラメントの繊度に対して、ステッチ、ゲージが
少なく、地透け感のあるカーペットになってしまう。こ
の場合パイルの粒感も目立つとともに反発性に乏しく、
これを補うために目付を必要以上に上げると、毛倒れの
激しいカーペットになってしまう。また、右辺が中央項
より小さい場合には、やはりステッチとゲージの関係が
適切でなく、ゲージ隙やステッチ段が目立ったり、往々
にしてパイルが密になり過ぎ、タフト性不良を起こして
しまうことになる。
【0032】本発明においては、縦横ほぼ均一にパイル
が存在するために、(S)×(G)が0.9以上1.5
以下が好ましく、より好ましくは1.1以上1.4以下
の範囲に制御するものである。
【0033】また、本発明のカーペットにおいては、一
定の目付であることが必要で、375g/m2以上57
5g/m2以下とする必要がある。375g/m2より少
ないと、2種以上の単糸断面の異なるフィラメントを混
在させ、互いに反発させ、かつステッチとゲージの関係
を本発明の範囲内としても、ボリューム感に乏しく、や
せたカーペットしか得られない。一方、575g/m2
より目付が高いと、タフト時に、隣接するフィラメント
の間隙が小さすぎ、タルミや毛羽に起因するタフト性不
良が多発してしまう。また、目付を高くするためにパイ
ル高さを上げた場合には、カットパイルの先端が寝てし
まい、パイルが一方向に寝てしまうと言う問題を生じた
り、フェルトライクのカーペットになったりしてしま
う。
【0034】本発明のカーペット用捲縮糸を構成するポ
リマは、糸状に加工することができ、捲縮を付与するこ
とができるものであれば、特に制限なく使用することが
できる。かかるポリマの具体例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リプロピレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポ
リカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミドなどのポ
リアミド類、さらにはポリアクリルニトリルなどを使用
することができる。なお、高い捲縮と、捲縮耐久性の点
からは、特にポリアミドが好ましく用いられる。
【0035】かかるポリアミドとしては、本発明の効果
を損なわない程度に共重合成分を含むポリアミドコポリ
マーであってもよい。さらには、製糸性改善や最終製品
の品質改善のために、共重合成分を添加すること、ま
た、艶消し剤などの粒子を添加することなどは何等差し
支えない。
【0036】かかるポリアミドの具体的な共重合成分と
しては、ε−カプロアミド、テトラメチレンアジパミ
ド、ヘキサメチレンセバカミド、ヘキサメチレンイソフ
タラミド、テトラメチレンテレフタラミドおよびキシリ
レンフタラミドなどが使用される。また艶消し剤として
は、酸化チタンが好ましく用いられる。また、汚染性を
改善するために、特開平3−137221号公報に記載
されるようなアルカリ金属塩を含有するスルホン化した
共重合ポリアミドを使用してもよい。さらには、着色さ
れた顔料を添加してもよい。顔料としては、有機物およ
び無機物のどらちでも差し支えなく使用することができ
るが、カーボンブラックやベンガラ、フタロシアニン系
の顔料が好ましく用いられる。
【0037】さらに、原料ポリアミド中には、必要に応
じて本発明の効果を損ねない範囲であれば耐候剤、耐熱
剤および酸化防止剤などの慣用の添加剤を併用添加して
もよい。
【0038】本発明のカーペットのパイルを構成する互
いに断面が異なる2種以上のフィラメントは、同一ポリ
マから構成されていても、異なるポリマから構成されて
いてもかまわないが、同一ポリマであることが好まし
い。
【0039】ここでいう同一ポリマとは、紡糸の段階で
用いるポリマが同一であることを指す。異なる単糸繊度
を有する各群ごとにポリマ種を変えた場合、製造工程が
複雑になるとともに光沢や染色性自体が異なるために、
落ち着きのある顔立ちが表現しにくくなる。異なるポリ
マの組み合わせの好ましい例としては、ポリアミドにお
いて末端基量を変更したり、上述のアルカリ金属塩を含
有するカチオン可染のポリマなどの共用が採用される。
【0040】さらに、本発明のカーペット用捲縮糸は、
沸騰水処理後の捲縮伸長率が8〜28%、特に12〜2
4%の範囲にあることが好ましい。捲縮伸長率をかかる
範囲にすることにより、捲縮発現性に富んだほど良いボ
リューム感と風合いに優れたカーペットを得ることが可
能である。8%に満たないと捲縮がほとんど発現せずボ
リューム感に乏しいカーペットになってしまい、28%
を越えると捲縮が発現しすぎ、フェルトライクのカーペ
ットになってしまう。
【0041】また、本発明におけるカーペット用捲縮糸
は、交絡数が30個/m以下より好ましくは20個/m
以下であることが好ましい。交絡数が30個/mを越え
ると、集束性が強くカーペットとしたときのボリューム
感が損なわれたり交絡点が集束点となり風合いが硬く地
透けのするカーペットになってしまう問題を生じること
がある。
【0042】本発明のカーペットは、パイルである表糸
と、この表糸をタフトした基布と、この基布の裏に貼り
つけたバッキング材とから構成されたカーペットであっ
て、パイルが上記2種以上の異なる単糸断面のフィラメ
ントの混在糸を含み、一定の目付の範囲内においてカー
ペットのステッチとゲージを特定の範囲の値にしたもの
である。
【0043】そして、本発明のカーペットは、パイル中
に上記混在糸を90%以上、さらに好ましくは95%以
上用いる必要がある。本発明においては、前述のように
単糸繊度の異なる2種以上のマルチフィラメント糸が生
み出す染着性や捲縮発現程度の違いが適度なバラツキと
してミックスされ、たとえ微視的には形態差や染着差が
発生していたとても、カーペットの表面としてはタテ筋
にはならないという特徴も生じる。
【0044】本発明のカーペット用捲縮糸を用いたカー
ペットは、特にタテ筋に厳しいオプションカーペット、
ロールカーペットおよびラインカーペットの用途におい
て有用である。パイルの形態は、無撚り、片撚り、諸撚
りなど種々の方法が採られうるが、なかでもより一層タ
テ筋が目立ちやすい無撚りのカットパイルにおいて有用
となる。
【0045】本発明において、カーペットとして総合的
により高い品質のものを得るためには、上記した本発明
のカーペット用捲縮糸に、その効果を損ねない範囲で他
のフィラメントをパイルの一部として組み合わせて使用
することも何等差し支えない。例えば、カーペットの摩
擦帯電圧を下げるために、制電性を有する繊維を混繊し
たりすることは何ら差し支えない。
【0046】次に、本発明のタテ筋が目立ちにくいカー
ペット用捲縮糸の代表的な製造方法について説明する。
【0047】まず、本発明のカーペットのパイルは、基
本的に公知の製糸方法により製造される捲縮を有するフ
ィラメントである。すなわち、溶融ポリマを溶融紡糸
し、紡出糸を引き続き冷却、給油、延伸、捲縮付与の各
工程に通すことからなる通常の方法によって製造され
る。
【0048】ここにおいて、該フィラメントは異なる2
種以上の単糸断面を有するフィラメントの混在したもの
であるが、紡糸の段階から混在させてもかまわないし、
一旦それぞれの断面のフィラメントを別々に製造した
後、後工程で混繊してもかまわない。紡糸の段階から混
在させる場合、別々の口金から得られたフィラメントを
延伸工程の前後や捲縮工程のあとに引きそろえて混繊し
たり、1枚の紡糸口金に目的とする2種の断面となる孔
を設け、紡糸・冷却時に引き揃える方法などが挙げられ
る。工程の簡易さ、単糸レベルでの優れた混ざり具合な
どの点からは、中でも異なる単孔吐出量を有する1枚の
口金を用いて目的の捲縮糸を得る方法が好ましくなる。
目的の断面および繊度にするためには、溶融吐出する際
の口金の吐出孔形状と吐出量、吐出直後の冷却条件、引
取り速度などの紡糸条件を目的に合わせて調節すればよ
い。また、2種以上のポリマを用いる場合は公知の複合
紡糸方法を採用することも可能である。
【0049】本発明で用いる溶融紡糸装置は、エクスト
ルーダー型紡糸機およびプレッシャー型紡糸機のどちら
も使用可能であるが、製品の均一性および製糸工程にお
ける収率の点からは前者が好ましい。特に原着ポリマを
用いる場合にはエクストルーダ型紡糸機が有利である。
【0050】溶融紡糸された糸条は、冷却、給油の後、
必要に応じて延伸、熱固定が施される。延伸に際して
は、補助的に延伸点を固定するなどの目的でスチーム処
理装置などを併用してもよい。原料ポリマがポリアミド
やポリエステルの場合には、後の工程で高い捲縮を付与
するために、ある程度の配向と結晶化が必要であるた
め、通常2倍から4倍の延伸を行うことが好ましい。
【0051】次いで、得られた延伸糸について、捲縮付
与装置によって捲縮を付与する。捲縮は通常の加熱流体
加工処理により付与すればよく、例えばジェットノズル
タイプ、ジェットスタッファタイプ、さらにはギヤ方式
など各種の捲縮付与方法が採用され得るが、高い捲縮付
与とその顕在化を達成するためにはジェットノズル方式
が好ましい。なかでも米国特許第3,781,949号
明細書に記載の捲縮のノズルなどが好ましく使用され
る。さらには、捲縮を固定する目的から、特開平5−3
21058号公報に記載の冷却装置や、さらにはロータ
リーフィルタを組み合わせてもよい。
【0052】得られた本発明のカーペット用捲縮糸に
は、後工程の通過性改善などのために、必要に応じて交
絡を付与することができる。交絡は公知の方法で付与可
能であるが、あまりに多くの交絡を捲縮糸に付与する
と、上述したように捲縮糸の特性を損ねバルキー性など
を阻害するため、30個/m以下にすることが好まし
い。
【0053】得られた本発明のカーペット用捲縮糸に
は、目的に応じて撚りおよび熱処理が施されるが、これ
についてはいずれも公知の方法を採り得る。
【0054】タフティングは公知の方法で行うことが可
能である。上述したように、本発明のカーペットは、上
述により得られたフィラメントをカットパイルとしてカ
ーペットの表面に用いる。このとき、スパンライクにす
るため、特定の繊度でかつ異なる単糸断面の糸を混在さ
せるだけでなく、タフトの規格も特定の条件となるよう
にタフトを行う。ステッチ段やゲージ隙、さらには格子
を目立たなくするため、ステッチとゲージの関係を本発
明に記載の関係を保持するようにタフトする。本発明の
カーペットのパイル高さは、用途により適宜設定すれば
よいが、2mmから20mm、好ましくは3mmから1
0mmの範囲が通常選択される。用いるフィラメントの
繊度、目付、ステッチ、ゲージ等の条件を考慮して適宜
設定すればよい。
【0055】続いて、公知の方法により、染色・バッキ
ングが施される。染色方法は、連続染色、ウィンス染
色、さらにはロープ染色などが特に制限なく使用可能で
ある。もちろん、原着糸を使用している場合や、タフト
前にチーズ染色を施している場合などには、タフト後の
染色を省略することができ、直接バッキングが実施され
る。この場合に、必要に応じシャーリングや毛割りを実
施することは、より好ましい手法として推奨される。
【0056】本発明のカーペットには、防汚性を高める
ために、防汚剤を塗布することも好ましい。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。かかる実施例における各物性値は、具体的には
下記の方法で測定した値である。
【0058】[硫酸相対粘度]ポリマ試料を98%硫酸
に1重量%の濃度で溶解し、オストワルド粘度計を用い
て25℃で測定した。
【0059】[総繊度]JIS L 1090により測
定した。
【0060】[単糸繊度]JIS L 1090により
測定した総繊度を、単糸数で除して求めた。
【0061】[沸騰水処理後の捲縮伸長率]室温(25
〜35℃)、相対湿度50〜75%の雰囲気中に20時
間以上放置されていたパッケージから解舒した捲縮糸
を、無荷重状態で30分間沸騰水で浸漬処理した後、平
衡水分率まで乾燥し、これを沸騰水処理後捲縮糸の試料
とする。この試料糸に0.0176mN/デシテックス
の初荷重をかけ30秒経過した後に、試料長50cm
(L1)にマーキングをする。次いで、同試料に0.8
82mN/デシテックスの定荷重をかけて30秒経過後
に、伸びた試料長(L2)を測定する。次いで、下記式
により、捲縮伸長率(%)を求める。n=5の平均で算
出する。 捲縮伸長率(%)=[(L2−L1)/L1]×100 なお、沸騰水処理前に糸条を放置する際の雰囲気条件
は、実際のカーペット製造工程において使用される時の
捲縮糸状態、つまり吸湿により捲縮特性が平衡状態に達
した状態とするためのものであり、平衡状態に達するの
に時間がかかり過ぎず、かつ結露を生じないという点か
ら選定したものである。
【0062】[Y型断面糸の変形度]断面を顕微鏡にて
拡大し、外接円と内接円の各直径の比を変形度とする。
単繊維5本の測定の平均値とする。
【0063】[中空断面糸の中空率]中空率中空部を含
む単繊維全体の断面積に対する中空部の断面積を百分率
で示す。断面積の算出は、顕微鏡などで断面を拡大して
厚みの均一な紙に写し取り、その断面や中空部の紙の重
量を測定することにより求めた。
【0064】[扁平糸の扁平度]単糸断面を楕円に近似
し、その短軸の長さに対する長軸の長さの比で表す。
【0065】[交絡数]フィラメントをチーズから10
mg/デシテックス以下の張力で解除し、1m当たりの
交絡数を目視により測定する。n=5の平均で算出す
る。
【0066】[カーペットの表面外観]カーペットを3
0Wの蛍光灯の下に静置し、約1m離れたところからパ
イルのタフト方向に沿った方向、またその90°垂直な
方向からカーペットのパイルを観察し、ステッチ段、ケ
ージ隙、格子状の見え具合を5段階で評価した。
【0067】4以上が合格である。
【0068】5…タテ筋、ステッチ段、ゲージ隙、格子
状とも認められない。カーペット表面においてパイルが
均一に見える。
【0069】4…タテ筋、ステッチ段、ゲージ隙は認め
られない。パイルの先端のまとまりから、わずかにパイ
ルの粒がわかる。
【0070】3…明確なステッチ段、ゲージ隙は認めら
れないが、パイルの粒がわかり、格子状にみえる。また
は、タテ筋がわずかに認識できる。
【0071】2…ステッチ段、またはゲージ隙が目立
つ。どちらか1方向の畝感が強い。または、タテ筋が目
立つ。
【0072】1…ステッチ段、ゲージ隙、格子状とも認
められる。パイルのボリューム感もなく、基布が見え
る。または、きついタテ筋が認められる。
【0073】[カーペットの感触]カーペットの表面パ
イルを素手でさわり、その柔軟性、反発性、ボリューム
感を定性的に評価。柔軟でかつ反発性があるほど良好。
またボリューム感に富むほど良好と判定。
【0074】[カーペットの総合評価]カーペットとし
ての適合性を相対的に下記のように総合評価した。
【0075】 ◎…適合性きわめて良好 ○…適合性良好 △…適合性やや不良 ×…適合性不良。
【0076】[実施例1]1枚の口金に単糸繊度の異な
る2群(太繊度、細繊度)の吐出孔を有する口金を用い
て硫酸相対粘度2.8のナイロン6のチップを、エクス
トルーダータイプの紡糸機により溶融紡糸し、単糸がY
型断面糸を得た。ここで2群の吐出孔群は、紡出後の単
孔あたりの吐出量が太繊度群は細繊度群の1.7倍にな
るよう、また最終の変形度はいずれも3.0となるよう
に吐出孔形状、吐出孔深さを設計した。また各2群の吐
出孔の孔数は太繊度群が30個、細繊度群が51個と
し、単孔吐出量×孔数の積が同数になる様に設計した。
紡出した2群の糸条は冷却固化後直ちに引き揃えられ、
次いで給油し、延伸し、引き続き巻き取ることなく特公
昭58−1214号公報に記載のジェットノズル(J
N)を用いて捲縮を付与してから巻取り、総繊度117
0デシテックス、81フィラメントのポリアミドマルチ
フィラメント捲縮糸を得た。巻き取り前に、軽度の交絡
を付与した。得られた捲縮糸の単糸繊度は太繊度群から
得られた単糸が19.5デシテックス、細繊度群から得
られた単糸が11.5デシテックスであった。この捲縮
糸の沸騰水処理後の捲縮伸長率は平均で18.0%であ
った。
【0077】次いで得られた捲縮糸400本を引き揃え
て、通常のレベルカットにて、1/10ゲージ、ステッ
チが14.2、目付が450g/m2 となるようにパイ
ルハイを調節してタフトした。その後、常法に従い染
色、バッキングを実施した。このようにして得られたカ
ーペットの「表面外観」、「感触」について評価した結
果を表1に示す。
【0078】[実施例2]実施例1において異なる2種
の断面を扁平断面およびY断面の組み合わせとした。硫
酸相対粘度2.8のナイロン6のチップを、エクストル
ーダータイプの紡糸機により溶融紡糸にあたり、1枚の
口金に扁平吐出孔とY型吐出孔の両者を有する口金を用
い、扁平断面フィラメント、およびY型断面フィラメン
トを1つの口金で同時に得た。ここで扁平断面はその扁
平率が4.0、Y型断面の変形度は3.0となるように
吐出孔形状、製糸条件を調整した。
【0079】紡出された2群の糸条は冷却固化後、直ち
に引き揃えられ、次いで給油し、延伸し、引き続き巻き
取ることなくジェットノズル(JN)を用いて捲縮を付
与してから巻取り、総繊度1450デシテックス、96
フィラメントのポリアミドマルチフィラメント捲縮糸を
得た。巻き取り前には、軽度の交絡を付与した。得られ
た捲縮糸の沸騰水処理後の捲縮伸長率は平均で16.0
%、交絡数は10個/mであった。
【0080】なおここで扁平断面フィラメントは、繊度
800デシテックス、単糸数64個、単繊維繊度12.
5デシテックス、Y型断面フィラメントは繊度650デ
シテックス、単糸数32個、単繊維繊度20.3デシテ
ックスであった。
【0081】次いで得られた捲縮糸は通常のレベルカッ
トにて、1/10ゲージ、ステッチが10.2目付が5
50g/m2 となるようにパイルハイを調節してタフト
した。その後、常法に従い染色、バッキングを実施し
た。このようにして得られたカーペットの評価結果を表
1に示す。
【0082】[実施例3]実施例1において異なる2種
の断面をY型断面およびY型中空断面の組み合わせとし
た。実施例1と同様、硫酸相対粘度2.8のナイロン6
のチップを、エクストルーダータイプの紡糸機により溶
融紡糸にあたり、1枚の口金に最終的に糸断面としてY
型断面とY型中空断面となる吐出孔を配置した口金を用
い、Y型断面フィラメント、およびY型中空断面フィラ
メントを1つの口金で同時に得た。ここでY型断面はそ
の扁平率が3.0、Y型中空断面の変形度は2.5とな
るように吐出孔形状、製糸条件を調整した。
【0083】紡出された2群の糸条は冷却固化後、直ち
に引き揃えられ、次いで給油し、延伸し、引き続き巻き
取ることなくジェットノズル(JN)を用いて捲縮を付
与してから巻取り、総繊度1200デシテックス、96
フィラメントのポリアミドマルチフィラメント捲縮糸を
得た。巻き取り前には、軽度の交絡を付与した。得られ
た捲縮糸の沸騰水処理後の捲縮伸長率は平均で18.0
%、交絡数は8個/mであった。
【0084】得られた捲縮糸において、Y型断面フィラ
メントは、変形度2.5、繊度600デシテックス、単
糸数64個、単繊維繊度9.4デシテックス、Y型中空
断面フィラメントは、繊度600デシテックス、単糸数
32個、単繊維繊度18.8デシテックス、その中空率
が10%であった。
【0085】次いで得られた捲縮糸は通常のレベルカッ
トにて、1/10ゲージ、ステッチが12.2、目付が
550g/m2 となるようにパイルハイを調節してタフ
トした。その後、常法に従い染色、バッキングを実施し
た。このようにして得られたカーペットの評価結果を表
1に示す。
【0086】[実施例4]実施例2の異なる2種の断面
が扁平断面およびY型断面の組み合わせにおいて、口金
を変更し、それぞれのフィラメント数を扁平断面が10
8、Y型断面が72の計180、総繊度を2200デシ
テックスとした。このとき扁平断面フィラメントは、扁
平率4.5、繊度1100デシテックス、単糸数108
であり、単繊維繊度が10.2デシテックスと計算され
る。また、Y型断面フィラメントは変形度が3.0で繊
度1100デシテックス、単糸数72であり、その単繊
維繊度は15.3デシテックスであった。
【0087】得られた捲縮糸の沸騰水処理後の捲縮伸長
率は平均で13.5%、交絡数は13個/mであった。
【0088】次いで得られた捲縮糸は通常のレベルカッ
トにて、1/10ゲージ、ステッチが9.8、目付が5
00g/m2 となるようにパイルハイを調節してタフト
した。その後、常法に従い染色、バッキングを実施し
た。このようにして得られたカーペットの評価結果を表
1に示す。
【0089】[比較例1]実施例1において、81本全
ての単糸繊度の繊度を同一の14.4デシテックスとし
た。実施例1と同様にカーペット評価を実施した。
【0090】[比較例2]実施例2においてステッチを
10.0に下げるとともに、目付を同等にするためパイ
ル高さを調整した。得られたフィラメントの伸長率は1
6.0%であった。
【0091】[比較例3]実施例2において、吐出量を
下げ総繊度を800デシテックスとした。このとき、扁
平糸の扁平率は4.3、Y型断面糸の変形度は3.5で
あった。
【0092】次いで得られた捲縮糸は通常のレベルカッ
トにて、1/10ゲージ、ステッチが16.3、目付が
400g/m2 となるようにパイルハイを調節してタフ
トした。得られたカーペットの評価結果を表1に示す。
【0093】[比較例4]実施例3において、ステッチ
とゲージはそのままにして、パイル高さを低く調整して
目付を340g/m2 とした。
【0094】比較例1〜4の結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】比較例1においては、単一の単糸断面から
パイルが構成されているため、パイルにおける捲縮の位
相が揃い、パイルの広がりが小さくなった。このため、
パイルの粒がわかりやすいものとなった。さらに軽度の
タテ筋が認められた。比較例2においては、ステッチが
低くステッチ段、パイルの粒感が目立った結果となっ
た。また、比較例3においては、総繊度が低すぎるた
め、ステッチを上げる必要があり、ゲージ隙の目立つ外
観となった。比較例4においては、パイル高さが低く目
付も低いため、地透け感があり、また手で触ったときに
ボリューム感に乏しい風合いであった。
【0097】これに対し、実施例1〜4のものは、パイ
ルを構成するマルチフィラメントが2種以上の異なる単
糸断面から構成されており、かつ目付が特定の範囲であ
り、かつ総繊度とステッチ・ゲージの関係が式(1)を
満足しているため、畝やステッチ段が目立たず、またパ
イルが格子状にみえることもなく、さらにはフェルト感
もなくスパンカーペットと遜色ない外観を呈していた。
また、手触りも柔軟でかつバルキー性に富み、良好な風
合いであった。
【0098】
【発明の効果】本発明のカーペットは、風合いを損ねる
ことなく、タテ筋、畝やステッチ段が目立ちにくく、さ
らにはパイルの粒が格子柄にみえることのないスパンラ
イクであるカーペットを与えることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D05C 17/02 D05C 17/02 Fターム(参考) 3B120 AA15 AA35 AA42 EB30 4L036 MA06 MA20 MA33 MA39 PA33 RA04 UA01 4L044 CA02 CA06 CC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーペットのパイルを構成するマルチフィ
    ラメントが2種以上の異なる単糸断面のフィラメントの
    混在糸であり、かつ、該マルチフィラメントの繊度をT
    デシテックス、できあがったカーペットにおけるゲージ
    をG、1インチ当たりのステッチをS、目付をWとする
    とき、下記算式を満足することを特徴とするカットパイ
    ルカーペット。 900≦T≦2500 −(T)1/2 +76≦34×S×G≦−(T)1/2 +86 ・・・(1) 375≦W≦575(g/m2
  2. 【請求項2】パイルを構成するマルチフィラメントがポ
    リアミド捲縮糸であることを特徴とする請求項1に記載
    のカットパイルカーペット。
  3. 【請求項3】異なる単糸断面の組み合わせが、Y型断面
    と扁平断面の組み合わせ、あるいは、Y型断面とY型中
    空断面の組み合わせであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のカットパイルカーペット。
  4. 【請求項4】パイルを構成するマルチフィラメントの繊
    度が1000デシテックス以上1500デシテック以下
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のカットパイルカーペット。
  5. 【請求項5】マルチフィラメントの沸騰水処理後の捲縮
    伸長率が8%以上28%以下であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のカットパイルカーペ
    ット。
  6. 【請求項6】カーペットがオプションカーペット、ロー
    ルカーペットおよびラインカーペットのいずれかである
    ことを特徴とする請求項4に記載のカーペット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009050407A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd ポリプロピレンマルチフィラメント混繊糸を用いたパイル製品およびその製造方法
JP2011172775A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Unitika Ltd 靴拭きマットの製造方法

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