JP2002155436A - 異色混繊捲縮糸および多色柄カーペット - Google Patents

異色混繊捲縮糸および多色柄カーペット

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JP2002155436A
JP2002155436A JP2000353648A JP2000353648A JP2002155436A JP 2002155436 A JP2002155436 A JP 2002155436A JP 2000353648 A JP2000353648 A JP 2000353648A JP 2000353648 A JP2000353648 A JP 2000353648A JP 2002155436 A JP2002155436 A JP 2002155436A
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fiber
crimped
crimped yarn
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JP2000353648A
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Hiroaki Ozawa
宏明 小澤
Hiroyuki Maeda
浩亨 前田
Tatsuro Mizuki
水木  達郎
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カーペットなどに使用した際に、多彩な多色柄
を発現する異色混繊捲縮糸、およびその異色混繊捲縮糸
を使用した多彩な多色柄を有するカーペットを得る。 【解決手段】互いに異色性を示す2種以上の捲縮糸が混
繊されてなる、沸騰水処理後の捲縮伸長率が16%以上
で、かつ単繊維繊度が10〜45dtexの異色混繊捲
縮糸であって、混繊される捲縮糸のうち少なくとも1種
の捲縮糸が、染色可能であるとともに次の(1)の要件
を満足する繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を有
する単繊維からなることを特徴とする異色混繊捲縮糸。
(1)ウースター斑測定チャートから求めた5%以上の
変動ピーク数が糸長1mあたり1.0〜20.0個であ
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーペットなどに
使用した際に、多彩な多色柄を発現する異色混繊捲縮
糸、およびその異色混繊捲縮糸を使用した多彩な多色柄
を有するカーペットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】タフティッドカーペットに多色柄を付与
するために、従来から一般に次の2つの方法が用いられ
ている。すなわちポリアミド、ポリエステル、ポリプロ
ピレン等の異色性を示す捲縮糸を合撚することにより多
色柄を付与する方法、また撚糸の代わりに異色性を示す
捲縮糸を引き揃えて高圧流体処理することでフィラメン
ト間に交絡を付与する、いわゆるインターレース加工に
よって多色柄を付与する方法が知られている。特にタイ
ルカーペット分野においては、その低コスト性から近年
では後者のインターレース加工が主流となっている。
【0003】この中で当業者はカーペットにいかに多彩
な多色柄を付与できるか検討を行ってきた。ここで多彩
な多色柄とは、より数多くの色によって構成される柄の
ことである。しかしながら前者の撚糸により多色柄を付
与する方法では、色の反転効果は得られるものの、使用
する異色糸の色種だけの色彩の表現にとどまっていた。
例えばa色、b色の2種の異色糸を用いた場合には、a
色、b色の2色の色彩にとどまっていた。後者のインタ
ーレース加工により多色柄を付与する方法においても、
基本的に使用する異色糸の色種数程度の色彩の表現にと
どまっていた。例えばa色、b色の2種の異色糸を用い
た場合に、単糸間の混繊度が高い時には混繊により主と
して中間色(a+b)色の1色の色彩しか得られず、メ
リハリのない柄になっていた。また単糸間の混繊度が低
い時には異色糸同士が分離することで主としてa色、b
色の2色の色彩しか得られず、粗い柄となっていた。
【0004】そこで多彩な多色柄を発現させるための提
案が過去になされている。特開平8−260277号公
報には、多色柄嵩高糸において、それを構成するマルチ
フィラメント束の内の一部のマルチフィラメント束のみ
が単交絡部を有し、かつ多色柄嵩高糸の全体に全交絡部
を有する多色柄嵩高糸が記載されている。この多色柄嵩
高糸では一部のマルチフィラメント束にのみ単交絡部を
設けることで、従来より多彩な多色柄を得ることが可能
であった。例えばa色、b色の2種の異色糸を用いた場
合にはa色、b色、中間色(a+b)色の3色の色彩を
表現することが可能となった。
【0005】このように特開平8−260277号公報
によれば、インターレース加工により多色柄を付与する
方法において、従来よりも多彩な多色柄を得ることが可
能であり、実用に耐えるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし最近は更に多彩
な多色柄の要求が高まりつつある。また撚糸により多色
柄を付与する方法においては相変わらず、使用した異色
糸の色数までの色彩にとどまったままである。また従来
は、中間色の表現が単糸の混ざりの程度によるものだけ
であり、1本の糸の中で染料の吸着程度を変えることで
多彩な多色柄にするという発想はなされたことがなかっ
た。
【0007】本発明は上述した従来技術における問題の
解決を課題として検討した結果、達成されたものであ
る。従って本発明の目的は、カーペットなどに使用した
際に、多彩な多色柄を発現する異色混繊捲縮糸、および
その異色混繊捲縮糸を使用した多彩な多色柄を有するカ
ーペットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の異色混繊捲縮糸は、主として次の構成を有
する。すなわち、互いに異色性を示す2種以上の捲縮糸
が混繊されてなる、沸騰水処理後の捲縮伸長率が16%
以上で、かつ単繊維繊度が10〜45dtexの異色混
繊捲縮糸であって、混繊される捲縮糸のうち少なくとも
1種の捲縮糸が、染色可能であるとともに次の(1)の
要件を満足する繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑
を有する単繊維からなることを特徴とする異色混繊捲縮
糸である。
【0009】(1)ウースター斑測定チャートから求め
た5%以上の変動ピーク数が糸長1mあたり1.0〜2
0個であること。
【0010】そして、本発明においては、次の(a)〜
(e)がそれぞれ好まして態様であり、これらの条件を
適用することにより、更に優れた効果を取得することが
出来る (a)混繊される捲縮糸の全てが、染色可能であるとと
もに上記(1)の要件を満足する繊維軸方向に不規則か
つ連続的な太細斑を有する単繊維からなること。 (b)太細斑を有する単繊維の繊維軸垂直方向の太/細
比が1.2〜5.0であること。 (c)沸騰水処理後の捲縮伸長率が24%以上であるこ
と。 (d)互いに異色性を示す捲縮糸を構成する単繊維が田
型中空糸、Y型糸、Y型中空糸、扁平糸のいずれかであ
ること。 (e)互いに異色性を示す捲縮糸がポリカプラミド(ナ
イロン6)および/またはポリヘキサメチレンアジパミ
ド(ナイロン66)からなること。
【0011】また、本発明の多色柄カーペットは前記異
色混繊糸をパイルに用いたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における異色混繊捲縮糸と
は、互いに異色性を示す2種以上の捲縮糸によって得ら
れる混繊糸であり、かつ捲縮を有する嵩高な糸である。
【0013】ここで「互いに異色性を示す」とは、最終
的には互いに異なる色を示すということである。原着糸
であれば染色せずとも互いに異色性を示し、原着ではな
い未染色の糸であれば染色することで互いに異色性を示
すことになる。
【0014】「混繊」とは2種以上の糸を1本の糸とし
て集束させた状態を示す。一般的には混繊の手段として
流体交絡処理によって単糸同士をからませる方法、撚糸
による方法が知られている。
【0015】本発明における異色性を示す捲縮糸とは、
顔料または染料によってあらかじめ着色された捲縮糸、
もしくは染色性を有する捲縮糸である。
【0016】つまり本発明における異色混繊捲縮糸と
は、色調が異なるか、もしくは後に染色等の処理を行う
ことで色調が異なりうる2種以上の捲縮糸によって得ら
れる混繊糸であり、かつ捲縮を有する嵩高な糸である。
【0017】本発明においては、異色混繊捲縮糸の沸騰
水処理後の捲縮伸長率が16%以上であることが必要で
ある。捲縮伸長率を16%以上とすることで反発弾性の
あるカーペットを得ることができる。
【0018】なお本発明において沸騰水処理後の捲縮伸
長率とは次のように求められる値である。まず、かせ状
態にした糸条を、室温20℃、湿度65%の室内におい
て3時間、放縮させる。次いで沸騰水中に20分間ひた
して沸騰水処理を施す。更に沸騰水処理したかせ状態の
糸条を12時間前述の室内で放置乾燥させる。そして糸
条を1m程度の長さに切り取り、糸条の総繊度をA[d
tex]とすると17.7A[μN](1.8A[m
g])の初荷重を30秒間加えた後の糸条の長さL1を
まず測定する。
【0019】次に883A[μN](90A[mg])
の定荷重を30秒間加えた後の糸条の長さL2を測定す
る。本発明における捲縮伸長率G[%]はL1,L2よ
り G={(L2−L1)/L1}×100 として求められる。
【0020】本発明においては、異色混繊捲縮糸の単繊
維繊度が10〜45dtexであることが必要である。
単繊維繊度が10dtex未満では風合いが柔らか過ぎ
るとともに製糸性が低下するため好ましくない。また単
繊維繊度が45dtexを越える場合は得られるカーペ
ットの風合いが硬くなり過ぎるため好ましくない。
【0021】本発明においては、混繊される捲縮糸のう
ち少なくとも1種の捲縮糸が、染色可能であるとともに
次の(1)の要件を満足する繊維軸方向に不規則かつ連
続的な太細斑を有する単繊維からなることが必要であ
る。
【0022】(1)ウースター斑測定チャートから求め
た5%以上の変動ピーク数が糸長1mあたり1.0〜2
0個であること。
【0023】ここでウースター斑の5%以上の変動ピー
ク数とは次のように求められる値である。まずウースタ
ーテスターを用い、ノーマルモードにて測定およびチャ
ート用紙に記録する。次に任意の10mの範囲に相当す
るチャート部分において波形ピークの上端と下端との差
を読みとり、その差が5%以上であるものの個数を勘定
して、糸長1mあたりに除して算出した値が5%以上の
変動ピーク数である。
【0024】また「繊維軸方向に不規則かつ連続的」と
は、任意に取り出した捲縮糸10mにおいて、先のウー
スター斑測定チャートから求めた5%以上の変動ピーク
数が、糸長1mあたり1.0〜20個であり、かつ周期
性が存在しない連続的な捲縮糸であることを意味する。
【0025】なお太細の周期が規則的に発生した場合に
は、自然な杢調を有するカーペットとはなり得ず、作為
的な柄となるため好ましくない。
【0026】本発明において多彩な多色柄が発現する理
由は次のとおりである。本発明では上述のとおり繊維軸
方向に不規則かつ連続的な太細斑を有する単繊維からな
る捲縮糸が少なくとも1種混繊されている。この捲縮糸
に存在する太部と細部では繊維構造、つまりポリマー分
子鎖の配向度や結晶化度が異なっている。このため染色
すると繊維内への染料の浸透速度、浸透量に差が生じ、
糸の長手方向には濃染部分と淡染部分が生じる。また太
部と細部の間では糸径が連続的に変化するので濃染部分
と淡染部分の間の色調も自然な変化をする。従ってこの
捲縮糸が混繊されてなる本発明の異色混繊捲縮糸は、従
来は得られなかった自然で多彩な多色柄を発現すること
が可能になる。
【0027】本発明においては混繊される捲縮糸の全て
が、染色可能であるとともに上記の(1)の要件を満足
する繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を有する単
繊維からなることが好ましい。
【0028】この場合、染色後の糸長手方向の色彩変化
が混繊されるそれぞれの捲縮糸において生じるため、色
彩の多彩さが際立って優れた異色混繊捲縮糸となる。
【0029】本発明においては混繊される捲縮糸の内、
染色可能であるとともに上記(1)の要件を満足する繊
維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を有する単繊維か
らなる捲縮糸以外の捲縮糸は原着糸であっても差し支え
ない。
【0030】顔料は有機物、無機物のどちらでも差し支
えないが一般的にはカーボンブラック、ベンガラ、フタ
ロシアニン系の顔料が用いられる。
【0031】染色性を有する糸としては、例えばポリア
ミド繊維を例に取るならば通常のポリアミド、酸性染料
と結合するアミノ末端基(−NH2)量を増加させたポ
リアミド、塩基性染料と結合するスルホ末端基(−SO
3)を導入したポリアミドがあげられる。
【0032】本発明においては混繊される、繊維軸方向
に不規則かつ連続的な太細斑を有する単繊維からなる捲
縮糸は、ウースター斑測定チャートから求めた5%以上
の変動ピーク数が糸長1mあたり1.0〜20.0であ
ることが必要である。5%以上の変動ピーク数が1.0
個未満では、太細斑による染着差の周期が長いため、糸
長手方向の色彩の変化が緩やか過ぎて、多彩な多色柄の
カーペットが得られない。また5%以上の変動ピーク数
が20.0個を越える場合は、太細斑による染着差の周
期が短いため、糸長手方向の色彩変化が激しすぎて、多
彩な多色柄に感じられないカーペットとなってしまう。
【0033】本発明においては、染色可能で繊維軸方向
に不規則かつ連続的な太細斑を有する単繊維からなる捲
縮糸は、太細斑を有する単繊維の繊維軸垂直方向の太/
細比が1.2〜5.0であることが好ましい。繊維軸垂
直方向の太/細比をこのような範囲内におさめること
で、製糸性を保ちつつ、より自然で多彩な多色柄のカー
ペットを得ることができる。
【0034】ここでいう繊維軸垂直方向の太/細比とは
次にように求められる値である。まず捲縮糸を50cm
毎に10カ所サンプリングした後、光学顕微鏡を用いて
各サンプルの個々のフィラメントを内部に包含する最小
の円の半径を全て測定する。つまり円断面の場合には円
断面の半径であり、例えば長方形の断面であれば長方形
の重心を中心として長方形の対角線を直径とする円の半
径を求める。次に、各サンプル毎に総単繊維数の15%
に最も近い整数本数分、太糸と細糸をそれぞれ大きい
順、小さい順に選択し、先述の円のそれぞれの半径平均
値を算出する。そして[太糸の半径平均値/細糸の半径
平均値]を各サンプルで求め、10サンプルの最大値を
繊維軸垂直方向の太/細比とする。。
【0035】本発明においては、異色混繊捲縮糸の沸騰
水処理後の捲縮伸長率が24%以上であることが好まし
い。捲縮伸長率を24%以上とすることで反発弾性が十
分でへたりにくい耐久性の高いカーペットを得ることが
できる。更に好ましくは異色混繊捲縮糸の沸騰水処理後
の捲縮伸長率が30%以上である。
【0036】本発明においては、互いに異色性を示す捲
縮糸を構成する単繊維が田型中空糸、Y型糸、Y型中空
糸、扁平糸のいずれかであることが好ましい。これらは
いずれも一般的にカーペット用途に用いられる。田型中
空糸は防汚性に優れており、Y型糸は嵩高性に優れてい
る。またY型中空糸は嵩高性とある程度の防汚性を有し
ており、扁平糸はソフトな風合いに優れている。これら
の形状の糸を適切に使用することで様々な用途にあわせ
たカーペットを得ることができる。例えば防汚性が強く
求められる用途では異色性を示す捲縮糸すべてを田型中
空糸にすることで目的の性能のカーペットを得ることが
できる。一方、嵩高性が要求される用途では捲縮糸のす
べてをY型糸またはY型中空糸にすることで目的の性能
のカーペットを得ることができる。また嵩高性と防汚性
のバランスが要求される用途の場合には捲縮糸の一部を
田型中空糸、残りの一部をY型糸とすることで目的の性
能のカーペットを得ることができる。
【0037】ここで本発明における田型中空糸とは図1
に示すような、単繊維の長手方向に垂直な断面において
正方形から円形に近い外断面形状を有し、円形に近い4
つの中空部分が外断面の重心から等距離かつほぼ90度
の間隔をもつように存在する形状の糸である。例えば米
国特許第3745061号公報に記載されている。
【0038】また本発明におけるY型糸とは図2に示す
ような、単繊維の長手方向に垂直な断面において3方に
凸部を有し、かつ3つの凸部の間がなめらかな凹部で結
ばれている糸である。
【0039】また本発明におけるY型中空糸とは、図3
に示すような、単繊維の長手方向に垂直な断面において
3方に凸部を有し、かつ3つの凸部の間がなめらかな凹
部で結ばれており、1カ所以上の中空部を有するもので
ある。中空部は前記の凸部それぞれに存在していても良
いし、3つの凸部の交わる中心に1つだけ存在してもよ
い。例えば米国特許2945739号公報に記載されて
いる。
【0040】また本発明における扁平糸とは、図4に示
すような、単繊維の長手方向に垂直な断面において、ほ
ぼ長方形に近い形状の糸である。長方形の長辺と短辺の
比は2.0以上であることが好ましい。長方形の辺は凹
凸があっても構わないし中空部があっても差し支えな
い。
【0041】本発明においては、互いに異色性を示す捲
縮糸がポリカプラミド(ナイロン6)および/またはポ
リヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)からなる
ことが好ましい。本発明は使用するポリマーを何ら制限
しないが、反発弾性の強さ、耐久性の強さ、染色性の良
さの点からポリアミド、なかでもポリカプラミド(ナイ
ロン6)、ポリヘキサメチレンジアミド(ナイロン6
6)が好ましいのである。目的とするカーペットの性能
・価格の点からポリマー種類は選定される。
【0042】なお本発明においてはポリマー種類が異な
る捲縮糸を組み合わせて使用してもなんら差し支えな
い。むろん先述の通り、この場合も少なくとも混繊され
る捲縮糸のうち、繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細
斑を有する単繊維からなる捲縮糸は染色性を有する必要
がある。また本発明において使用するポリマーは共重合
成分を含むコポリマーであってもよい。更には製糸性改
善や最終製品の品位向上のために共重合成分を添加した
り、顔料などの粒子を添加してあっても何ら問題はな
い。
【0043】またポリマー中には必要に応じて酸化チタ
ンなどの艶消し剤、耐候剤、酸化防止剤、抗菌剤、殺菌
剤、吸湿剤、防臭剤、消臭剤、芳香剤、防虫剤、蓄光物
質、蛍光物質、磁性体、放射性物質などを混入させても
良い。
【0044】本発明の多色柄カーペットは、前述の異色
混繊捲縮糸を用いた多色柄カーペットである。好ましく
は前述の異色混繊捲縮糸をパイル基布にタフティングし
た多色柄カーペットである。パイル基布にタフティング
することで低コストの多色柄カーペットを得ることがで
きる。
【0045】ここでカーペットのパイルはループパイル
でもカットパイルでも差し支えない。本発明の特徴であ
る多彩な多色柄が連続的に発現する点ではループパイル
が有利である。一方カットパイルではパイルをカットす
る性質上、カットした粒間での色の連続性に欠けるがや
はり多彩な多色柄を有する新規なカーペットが得られ
る。
【0046】次に本発明の異色混繊捲縮糸の製造方法に
ついて説明する。まず繊維軸方向に不規則かつ連続的な
太細斑を有する単繊維からなる捲縮糸の製造方法を説明
する。図5はその一例を示す工程図である。
【0047】図5の例ではまずポリマーを図示していな
いエクストルーダー型紡糸機で溶融後、口金1より紡糸
する。次に、紡糸された糸条に給油装置2で油剤を付着
させ、続いて供給ローラー3で引き取り、加熱延伸ロー
ラー6にて延伸を行なう。
【0048】ここで供給ローラー3と延伸ローラー6と
の間の延伸部に設けた流体旋回エアーガイド4により走
行糸条にバールンを与える。こうすることで流体旋回エ
アーガイド4の近傍に設置された熱板5に対して走行糸
条がランダムに接触・非接触を繰り返す。従って走行糸
条の長手方向に対して延伸斑が顕在化し、糸条の長手方
向および垂直方向において断面積が異なる太細斑が生じ
る。
【0049】次いで連続して捲縮付与装置7において加
熱流体処理によって、捲縮を付与し、ロータリーフィル
ター8における冷却、ティクアップローラー9を経てパ
ッケージ10へと巻取られる。加熱流体としては乾燥空
気、蒸気が好ましい。
【0050】繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を
有する単繊維からなる捲縮糸は、基本的に公知の溶融紡
糸、冷却、給油、延伸、捲縮付与の各工程からなる通常
の溶融紡糸工程に加えて、上述した延伸点を変動させる
ための流体旋回エアーガイドおよび熱板を使用すること
によって製造される。
【0051】溶融紡糸装置は、エクストルーダー型紡糸
機およびプレッシャーメルター型紡糸機のどちらも使用
可能であるが、製品の均一性および製糸工程における収
率の点から前者が好ましい。紡糸口金の断面形状はY
型、Y型中空、田形中空、扁平など、特に制限されるも
のではなく、目的とするカーペットに合わせ適宜選択す
ればよい。
【0052】溶融紡糸された糸条は、冷却、給油の後、
次いで延伸工程に導かれる。延伸に際しては、上述した
ように、流体旋回エアーガイドにより糸条にバルーンを
与え、加えて熱板との接触・非接触をランダムに生じさ
せることで、糸条の延伸斑を顕在化させ、フィラメント
の長さ方向、かつ横断面方向において断面積が異なる太
細斑を付与する。延伸倍率は1.2〜3.0倍の範囲と
することが好ましく、より好ましくは1.4〜2.8倍
である。延伸倍率をかかる好ましい範囲とすることによ
って、目的とする捲縮糸およびカーペットの要求特性を
容易に得ることができる。
【0053】次いで、捲縮付与装置によって捲縮を付与
する。捲縮は通常の加熱流体処理により付与すればよ
く、例えば、ジェットノズルタイプ、ジェットスタッフ
ァタイプ、さらにはギヤ方式など各種の捲縮付与方法が
採用され得るが、高い捲縮付与とその顕在化を達成する
ためにはジェットノズル方式が好ましく、例えば米国特
許第3,781,949号明細書に記載の捲縮ノズルな
どが好ましく使用される。なお、この場合には、捲縮を
固定する目的から、例えば特開平5−321058号公
報に記載のような冷却装置、さらにはロータリーフィル
タを組み合わせてもよい。
【0054】なお工程通過性や捲縮特性をコントロール
する目的のために、捲縮ノズルに導入する糸条に予め原
糸交絡を付与しても差し支えない。
【0055】次に太細斑を有していない通常の単繊維か
らなる捲縮糸の製造方法を説明する。図6はその一例を
示す工程図である。
【0056】図6の例ではまずポリマーを図示していな
いエクストルーダー型紡糸機で溶融後、口金11より紡
糸する。次に、紡糸された糸条に給油装置12で油剤を
付着させ、続いて供給ローラー13で引き取り、加熱延
伸ローラー14にて延伸を行なう。次いで、連続して捲
縮付与装置15において加熱流体処理によって、捲縮を
付与し、ロータリーフィルター16における冷却、ティ
クアップローラー17を経てパッケージ18へと巻取
る。加熱流体は乾燥空気、蒸気が好ましい。
【0057】太細斑を有していない通常の単繊維からな
る捲縮糸は、基本的に公知の溶融紡糸、冷却、給油、延
伸、捲縮付与の各工程からなる通常の溶融紡糸工程によ
って製造される。
【0058】本発明で用いる溶融紡糸装置は、エクスト
ルーダー型紡糸機およびプレッシャーメルター型紡糸機
のどちらも使用可能であるが、製品の均一性および製糸
工程における収率の点から前者が好ましい。紡糸口金の
断面形状はY型、Y型中空、田形中空、扁平など、特に
制限されるものではなく、目的とするカーペットに合わ
せ適宜選択すればよい。
【0059】溶融紡糸された糸条は、冷却、給油の後、
次いで延伸工程に導かれる。延伸倍率は1.2〜4.0
倍の範囲とすることが好ましく、より好ましくは2.2
〜3.0倍である。延伸倍率をかかる好ましい範囲とす
ることによって、目的とする捲縮糸およびカーペットの
要求特性を容易に得ることができる。
【0060】次いで、捲縮付与装置によって捲縮を付与
する。捲縮は通常の加熱流体処理により付与すればよ
く、例えば、ジェットノズルタイプ、ジェットスタッフ
ァタイプ、さらにはギヤ方式など各種の捲縮付与方法が
採用され得るが、高い捲縮付与とその顕在化を達成する
ためにはジェットノズル方式が好ましく、例えば米国特
許第3,781,949号明細書に記載の捲縮ノズルな
どが好ましく使用される。なお、この場合には、捲縮を
固定する目的から、例えば特開平5−321058号公
報に記載のような冷却装置、さらにはロータリーフィル
タを組み合わせてもよい。
【0061】なお工程通過性や捲縮特性をコントロール
する目的のために、捲縮ノズルに導入する糸条に予め原
糸交絡を付与しても差し支えない。
【0062】こうして得られた少なくとも1種の染色可
能で繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を有する捲
縮糸、および太細斑を有していない通常の単繊維からな
る捲縮糸は引き揃えられて流体交絡処理、または撚糸処
理されて最終的に異色混繊捲縮糸となる。
【0063】図7に流体交絡処理による合糸混繊法の一
例を示す。混繊される捲縮糸はパッケージからそれぞれ
解舒され、第1ローラーで引き取られる。ついで第1ロ
ーラーと第2ローラー間に配置された交絡エアーガイド
によって捲縮糸同士が合糸、混繊される。次いでパッケ
ージに巻き取られて異色混繊捲縮糸が得られる。ここで
交絡エアーガイドは通常のものが使用される。目的の異
色混繊糸の混繊度、柄にあわせて適宜使用すればよい。
【0064】このようにして得られた異色混繊捲縮糸
は、公知の方法にて主としてカーペット用途に好適に使
用される。
【0065】本発明の異色混繊捲縮糸はカットパイル、
ループパイル、カットアンドループさらにはサキソニー
調などの様々なカーペット用途に適用可能であるが、な
かでもカットパイル、ループパイルとしてタフトされた
ときに特に最も優れた効果を発現する。
【0066】また、カーペットの意匠性を高めるため
に、カットアンドループなどの規格とすることもでき
る。カーペツトのパイル長さは、用途により適宜設定す
ればよいが、2〜30mm、好ましくは4〜20mmが
選択される。
【0067】このとき、カーペットの制電性を高めた
り、さらには意匠性を高めることなどを目的として、本
発明の効果を損ねない程度であれば、制電糸あるいはモ
ノフィラメントや他の糸を混織することは何ら差し支え
ない。
【0068】カーペットには、公知の方法によりバッキ
ングが施される。この場合に、必要に応じ、シャーリン
グを実施することはより好ましい手法として推奨され
る。また、防汚性を高めるために、防汚剤を塗布するこ
とも何ら差し支えない。
【0069】本発明の異色混繊糸を用いたカーペット
は、多彩な多色柄の杢調を活かし、特に家庭用カーペッ
トとして適しているが、その奏する効果の活用を必要と
する場合であれば、業務用カーペットや車両用カーペッ
トなどの用途にも利用可能である。
【0070】
【実施例】実施例により本発明をさらに説明する。なお
前述および以下に説明する物性値などは次のように求め
た。
【0071】[総繊度]JIS L 1090に従って
測定した。
【0072】[単繊維繊度]上記にて測定した総繊度を
捲縮糸の単繊維数で徐した値を単繊維繊度とした。
【0073】[ウスター斑の5%以上の変動ピーク数]
USTER TESTER MONITOR C(Ze
llweger USTER社製)を用い、下記条件に
て測定してチャートに記録する。 糸速 :25m/min 測定モード:ノーマル 測定レンジ:50% 測定張力 :5 測定時間 :1min ツイスト :Z2 上記したチャートから、任意の10mの範囲に相当する
チャート部分において波形ピークの上端と下端の差を読
みとり、その差が5%以上であるものをカウントしたの
ち、糸長1mあたりに除して算出した。
【0074】[繊維軸垂直方向の太/細比]発明の実施
の形態に記載の方法で測定した。
【0075】[沸騰水処理後の捲縮伸長率]発明の実施
の形態に記載の方法で測定した。
【0076】[多色柄の多彩感]幅1m長さ5mのタフ
ティッドカーペットを用意し、10名のモニターに目視
で多色柄の多彩感の判定をしてもらい4段階評価した。
柄の多彩なものほど点数が高い。2点以上が合格。
【0077】[製糸性]捲縮糸を製造する際の糸切れの
回数から4段階評価した。製糸性が良好なものほど点数
が高い。2点以上が合格。
【0078】[反発弾性]幅1m長さ5mのタフティッ
ドカーペットを用意し、10名のモニターに触れてもら
いカーペットの反発性を判定してもらい4段階評価し
た。反発性のよいものほど点数が高く、2点以上が合
格。
【0079】[風合い]幅1m長さ5mのタフティッド
カーペットを用意し、10名のモニターに触れてもらっ
て風合を判定してもらい4段階評価した。風合いのよい
ものほど点数が高く、2点以上が合格。
【0080】[実施例1]硫酸相対粘度2.8で通常の
アミノ末端基量を有する酸性染料可染型のナイロン6チ
ップをエクストルダー型紡糸機で溶融し、田型中空口金
より紡糸した。紡糸された糸条は冷風によって冷却・固
化された後に給油され、続いて供給ローラーで引き取
り、更に140℃以上の加熱延伸ローラーにて2.0
倍、2200m/minで延伸した。延伸の際に、供給
ローラーと加熱延伸ローラー間において流体旋回エアー
ガイドにて走行糸条にバルーンを与えると共に、250
℃の熱板への糸条の接触・非接触をランダムにコントロ
ールすることで、延伸斑を付与した。次いで連続して捲
縮ノズルにて200℃以上の加熱蒸気処理を行い、捲縮
を付与した。その後、捲縮がへたらない程度に引き伸ば
し、最後に0.09g/dtex程度の巻取張力で巻き
取ることにより、1450dtex68フィラメント
の、繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を有する単
繊維からなるポリアミド捲縮糸を得た。
【0081】また硫酸相対粘度2.75でカチオン染料
可染型のナイロン6チップをエクストルーダー型紡糸機
で溶融し、田型中空口金より紡糸した。紡糸された糸条
は冷風によって冷却・固化された後に給油され、続いて
供給ローラーで引き取り、更に180℃以上の加熱延伸
ローラーにて2.5倍、2900m/minで延伸し
た。次いで連続して捲縮付与装置にて200℃以上の加
熱蒸気処理を行い、捲縮を付与した。その後、捲縮がへ
たらない程度に引き伸ばし、最後に0.09g/dte
x程度の巻取張力で巻き取ることにより、1450dt
ex68フィラメントの、太細斑を有していない通常の
単繊維からなるポリアミド捲縮糸を得た。次いで得られ
た酸性染料可染の捲縮糸とカチオン染料可染の捲縮糸を
パッケージから解舒して引き揃え、交絡ノズルによる流
体処理で合糸混繊された。次いで糸条は巻き取られ異色
混繊捲縮糸を得た。
【0082】そして異色混繊捲縮糸をパイル糸に用い1
/10ゲージ、目付650g/m2、パイル高さ3.5
mmでタフトしてタフティッドカーペットサンプルを得
た。次いでウィンス染色機を使用して酸性染料とカチオ
ン染料が含まれる浴中で染色が施され、杢調のタフティ
ッドカーペットサンプルを得た。
【0083】繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を
有する単繊維からなるポリアミド捲縮糸のウースター斑
の5%以上の変動ピーク数、繊維軸垂直方向の太/細比
の評価結果、および異色混繊捲縮糸の沸騰水処理後の捲
縮伸長率、単繊維繊度、およびカーペットサンプルの反
発弾性、多色柄の多彩感、風合い、および捲縮糸を製造
する際の製糸性を表1に示した。表1から明らかなよう
に本実施例1によれば、優れた多色柄の多彩感、反発弾
性、風合いを有し、捲縮糸を製糸する際の製糸性が優れ
た、異色混繊捲縮糸および多色柄カーペットが得られ
た。
【0084】[実施例2]捲縮ノズルにおける熱処理を
変更して表1に示す捲縮伸長率にした以外は実施例1と
同様にして異色混繊捲縮糸およびカーペットを得た。表
1から明らかなように本実施例2によれば、優れた多色
柄の多彩感、風合い、極めて優れた反発弾性を有し、捲
縮糸を製糸する際の操業性が優れた、異色混繊捲縮糸お
よび多色柄カーペットが得られた。
【0085】[実施例3]カチオン染料可染のナイロン
6チップを酸性染料可染のナイロン6チップと同様の製
造方法で繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を有す
る単繊維からなる捲縮糸とした以外は実施例1と同様に
して異色混繊捲縮糸およびカーペットを得た。表1から
明らかなように本実施例3によれば、混繊する捲縮糸が
すべて繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を有する
単繊維からなる捲縮糸のため、極めて優れた多色柄の多
彩感、優れた風合い、反発弾性を有し、捲縮糸を製糸す
る際の操業性が優れた、異色混繊捲縮糸および多色柄カ
ーペットが得られた。
【0086】[実施例4,5]繊維軸垂直方向の太/細
比が表1の値になるように熱板への糸条接触状況、熱板
温度を変更した以外は実施例1と同様にして異色混繊捲
縮糸およびカーペットを得た。表1から明らかなように
本実施例4、5によれば、実施例1同様に優れた多色柄
の多彩感、風合い、反発弾性を有し、捲縮糸を製糸する
際の操業性が優れた、異色混繊捲縮糸および多色柄カー
ペットが得られた。しかしながら実施例1と比較すると
やや多色柄の多彩感および捲縮糸を製糸する際の操業性
が低下していた。
【0087】[実施例6、7]単繊維繊度が表1の値に
なるようにフィラメント数を変えた以外は実施例1と同
様にして異色混繊捲縮糸およびカーペットを得た。表1
から明らかなように本実施例6、7によれば、実施例1
同様に優れた多色柄の多彩感、風合い、反発弾性を有
し、捲縮糸を製糸する際の操業性が優れた、異色混繊捲
縮糸および多色柄カーペットが得られた。しかしながら
実施例1と比較するとやや風合いが低下していた。
【0088】[実施例8、9]ウースター斑の5%以上
の変動ピーク数が表1の値になるように旋回ノズルの処
理圧力を変更した以外は実施例1と同様にして異色混繊
捲縮糸およびカーペットを得た。表1から明らかなよう
に本実施例8,9によれば、実施例1同様に優れた多色
柄の多彩感、風合い、反発弾性を有し、捲縮糸を製糸す
る際の操業性が優れた、異色混繊捲縮糸および多色柄カ
ーペットが得られた。しかしながら実施例1と比較する
とやや多色柄の多彩感が低下していた。
【0089】[比較例1]酸性染料可染のナイロン6チ
ップをカチオン染料可染のナイロン6チップと同様の製
造方法で加工して通常の捲縮糸とした以外は実施例1と
同様にして異色混繊捲縮糸およびカーペットを得た。表
2から明らかなように本比較例1によれば、多色柄の多
彩感が低い異色混繊捲縮糸および多色柄カーペットとな
ってしまった。
【0090】[比較例2、3]ウースター斑の5%以上
の変動ピーク数が表2の値になるように旋回ノズルの処
理圧力を変更した以外は実施例1と同様にして異色混繊
捲縮糸およびカーペットを得た。表1から明らかなよう
に本比較例2によれば、太細斑捲縮糸の繊維軸方向の色
彩変化が緩やかすぎて多色柄の多彩感の低い異色混繊捲
縮糸および多色柄カーペットとなってしまった。また本
比較例3によれば、太細斑捲縮糸の繊維軸方向の色彩変
化が激しすぎて多彩感が感じられず多色柄の多彩感の低
い異色混繊捲縮糸および多色柄カーペットとなってしま
った。
【0091】[比較例4、5]単繊維繊度が表2の値に
なるようにフィラメント数を変えた以外は実施例1と同
様にして異色混繊捲縮糸およびカーペットを得た。表1
から明らかなように本比較例4によれば、風合いが柔ら
かすぎて不適でかつ捲縮糸の製糸性が不良な異色混繊捲
縮糸および多色柄カーペットとなってしまった。また本
比較例5によれば、風合いが粗剛すぎて不適な異色混繊
捲縮糸および多色柄カーペットとなってしまった。
【0092】[比較例6]捲縮ノズルにおける熱処理を
変更して表1に示す捲縮伸長率にした以外は実施例1と
同様にして異色混繊捲縮糸およびカーペットを得た。表
2から明らかなように本比較例6によれば、反発弾性の
低い異色混繊捲縮糸および多色柄カーペットとなってし
まった。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【発明の効果】本発明によるとカーペットなどに使用し
た際に、多彩な多色柄を発現する異色混繊捲縮糸、およ
びその異色混繊捲縮糸を使用した多彩な多色柄を有する
カーペットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において好ましく用いられる田型中空糸
の横断面形状の一例を示す断面図。
【図2】本発明において好ましく用いられるY型糸の横
断面形状の一例を示す断面図。
【図3】本発明において好ましく用いられるY型中空糸
の横断面形状の一例を示す断面図。
【図4】本発明において好ましく用いられる扁平糸の横
断面形状の一例を示す断面図。
【図5】本発明における、繊維軸方向に不規則かつ連続
的な太細斑を有する単繊維からなる捲縮糸を製造する方
法の一例を示す断面図。
【図6】本発明における、繊維軸方向に不規則かつ連続
的な太細斑を有しない通常の単繊維からなる捲縮糸を製
造する方法の一例を示す概略図。
【図7】本発明における、異色性を示す捲縮糸同士を引
き揃えて流体交絡処理して異色混繊捲縮糸を製造する方
法の一例を示す概略図。
【符号の説明】
1,11 口金 2,12 給油装置 3, 13 供給ローラー 4 流体旋回エアーガイド 5 熱板 6, 14 加熱延伸ローラー 7,15 捲縮付与装置 8, 16 ロータリーフィルター 9, 17 テイクアップローラー 10, 18 パッケージ a, b 捲縮糸 c 第1ローラ d 交絡エアーガイド e 第2ローラ f 異色混繊捲縮糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B120 AA15 BA15 EB18 EB30 4L036 MA06 MA19 MA39 PA33 RA04 UA16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに異色性を示す2種以上の捲縮糸が混
    繊されてなる、沸騰水処理後の捲縮伸長率が16%以上
    で、かつ単繊維繊度が10〜45dtexの異色混繊捲
    縮糸であって、混繊される捲縮糸のうち少なくとも1種
    の捲縮糸が、染色可能であるとともに次の(1)の要件
    を満足する繊維軸方向に不規則かつ連続的な太細斑を有
    する単繊維からなることを特徴とする異色混繊捲縮糸。 (1)ウースター斑測定チャートから求めた5%以上の
    変動ピーク数が糸長1mあたり1.0〜20個であるこ
    と。
  2. 【請求項2】混繊される捲縮糸の全てが、染色可能であ
    るとともに上記(1)の要件を満足する繊維軸方向に不
    規則かつ連続的な太細斑を有する単繊維からなることを
    特徴とする請求項1に記載の異色混繊捲縮糸。
  3. 【請求項3】太細斑を有する単繊維の繊維軸垂直方向の
    太/細比が1.2〜5.0であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の異色混繊捲縮糸。
  4. 【請求項4】沸騰水処理後の捲縮伸長率が24%以上で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    異色混繊捲縮糸。
  5. 【請求項5】互いに異色性を示す捲縮糸を構成する単繊
    維が田型中空糸、Y型糸、Y型中空糸、扁平糸のいずれ
    かであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の異色混繊捲縮糸。
  6. 【請求項6】互いに異色性を示す捲縮糸がポリカプラミ
    ド(ナイロン6)および/またはポリヘキサメチレンア
    ジパミド(ナイロン66)からなることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の異色混繊捲縮糸。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の異色混繊
    捲縮糸をパイルに用いたことを特徴とする多色柄カーペ
    ット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115768932A (zh) * 2020-04-17 2023-03-07 通用纤维公司 清晰彩色效果纱
JP7507474B2 (ja) 2020-05-29 2024-06-28 楠橋紋織株式会社 タオル織物

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CN115768932A (zh) * 2020-04-17 2023-03-07 通用纤维公司 清晰彩色效果纱
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