JP2003063865A - 圧電磁器組成物及び圧電共振子並びに積層型圧電素子 - Google Patents
圧電磁器組成物及び圧電共振子並びに積層型圧電素子Info
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Abstract
物及び圧電共振子並びに積層圧電素子を提供するを提供
する。 【解決手段】金属元素として、少なくともPb、Zr、
Ti、Nb、Sb、Mn、Moと、Zn及び/又はMg
を含有するペロブスカイト型複合酸化物からなる圧電磁
器組成物であって、原子比による組成式を、Pb[(N
b1/2Sb1/2)a(Nb2/3Mn1/3)b(Mo1/2M
e1/2)c(TidZr1-d)1-a ― b ― c]O3と表したと
き、前記a、b、c、dが0.01≦a≦0.04、
0.03≦b≦0.08、0.01≦c≦0.04、
0.48≦d≦0.60(MeはZn及び/又はMg)
を満足するものである。
Description
び圧電共振子並びに積層型圧電素子に関し、特に、焼成
温度を低温化できる圧電磁器組成物及び圧電共振子並び
に積層型圧電素子に関するものである。
波数の高周波化が進んでおり、これに伴って、これらの
電気信号に対して用いられる圧電共振子(発振子を含む
概念で用いる)は高い周波数領域に対応したものが要求
され、開発が行われている。最近は、特に、高い周波数
領域に対応できる厚み縦振動モードや厚み滑り振動モー
ドを利用した共振子、および周波数定数の高い圧電材料
の開発が進められている。
利用した圧電共振子では、共振周波数は圧電磁器板の厚
みにより決定される。従来から広く知られているチタン
酸鉛系圧電共振子では、厚み縦振動の3倍波を用い、発
振周波数33.86MHzの時圧電磁器板の厚みは約2
30μm、厚み滑り振動の基本波を用いた場合、発振周
波数が8.0MHzの時に圧電磁器板の厚みは約180
μmであり、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電共振子では、
厚み滑り振動の基本波を用いた場合、発振周波数が8.
0MHzの時に圧電磁器板の厚みは約130μmであっ
た。このように通常、16MHz以上の周波数帯域で
は、加工のし易さから振動モードとして、厚み縦振動の
3倍波が用いられている。
した場合には、低周波数領域に存在する厚み縦振動モー
ドの基本波振動や、高周波数領域に存在する5倍波振動
にて発振条件を満足してしまい、誤って発振してしまう
という問題があった。
のゲイン及び位相により決定され、また、発振回路のI
Cは周波数が高くなるに従いゲインが小さくなっていく
ために起こりうる現象で、発振回路の回路定数を最適化
することで誤発振を抑制している。
振回路の回路定数も変化してしまい、誤発振することが
あるため、高周波領域で使用する場合においても、基本
波振動を用いることが望ましく、また、より高周波数領
域の圧電共振子を得るため、薄肉化する必要があり、そ
の際に加工歩留まりの高い圧電磁器が望まれていた。
常に高く、分極処理の際、高電圧を印可せざるを得ず歩
留まりの点から、抗電界の低いチタン酸ジルコン酸鉛系
材料が厚み滑り振動の基本波を用いた圧電共振子材料と
して用いられている。
(Ti、Zr)O3のBサイトを、(Nb1/2Sb1/2)
で置換し、MnO2を含有させた酸化物圧電材料が知ら
れており、このような圧電材料は、電気機械結合係数や
機械的品質係数や抗電界が高く、キュリー温度も高い
上、抗折強度も高いため、圧電共振子用材料として好適
に用いられてきた。
Pb(Ti、Zr)O3のBサイトを、(Nb1/2Sb1/
2)で置換し、MnO2を含有させた酸化物圧電材料で
は、機械的品質係数(Qm)や共振周波数の温度特性等
の特性バラツキが大きいものであった。特に、圧電磁器
では磁器厚みによって圧電素子の共振周波数が変化する
ため、平面研磨における加工精度を高めているが、この
ように圧電定数のバラツキが大きい場合、共振周波数の
初期偏差が大きく、良品率が低下するという問題があっ
た。これは、上記材料は通常1260℃以上で焼結され
ており、焼成時に主成分であるPbの蒸発がおこり、圧
電定数のバラツキを生じさせていると考えている。
電極と同時焼成した積層素子として用いる場合、焼成温
度が高いと、電極材料のAg/Pd比率が30/70〜
40/60となってしまい、Pd含有量が全金属量のう
ち60重量%以上と多く、コストなどの点で不利である
という問題があった。
に開示された圧電磁器組成物では、圧電特性をほとんど
変化させず焼成温度のみを低下させることができるとし
て、主成分のPZTに、副成分としてMoを含有させ、
その量を主成分に対してMoO3に換算して0.06〜
5.0重量%下とする提案が成されている。しかしなが
ら、このMoO3はSiO2やBi2O3と同様液相焼結さ
せるため、低温で焼結し始めるが、焼成温度の管理が微
妙で結晶粒の異常粒成長を引き起こし易く、抗折強度が
低下したり、圧電特性のバラツキが大きくなるという問
題があった。
る圧電磁器組成物及び圧電共振子並びに積層圧電素子を
提供することを目的とする。
は、金属元素として、少なくともPb、Zr、Ti、N
b、Sb、Mn、Moと、Zn及び/又はMgを含有す
るペロブスカイト型複合酸化物からなる圧電磁器組成物
であって、原子比による組成式を、Pb[(Nb1/2S
b1/2)a(Nb2/3Mn1/3)b(Mo1/2Me1/2)c(T
idZr1-d)1-a ― b ― c]O3と表したとき、前記a、
b、c、dが0.01≦a≦0.04、0.03≦b≦
0.08、0.01≦c≦0.04、0.48≦d≦
0.60(MeはZn及び/又はMg)を満足するもの
である。
として働く、MoとMg及び/又はZnを複合させ、主
成分であるPZTのBサイトと同様4価として置換する
ことで、焼成温度を低下させることができ、優れた電気
特性、高い抗折強度を維持できるとともに、圧電特性の
バラツキを低減できる。特に、1000〜1100℃で
焼成した場合であっても、厚み滑りモードを利用した時
の機械的品質係数Qmが900以上、共振周波数の温度
特性が±0.3%以内、抗折強度が80MPa以上の優
れた特性を得ることができる。
の対向する面に一対の電極を形成してなる圧電共振子で
あって、前記圧電磁器板が、上記圧電磁器組成物からな
ることを特徴とする。このような圧電共振子では、圧電
特性が高く圧電特性のバラツキが低減された圧電磁器板
を用いることで、圧電共振子のPVが60dB以上と優
れた特性を得ることができる上、周波数定数の分布を小
さくでき、周波数定数の最大値および最小値を平均値に
対し±0.5%以内とすることができる。
圧電磁器板とを交互に積層してなり、前記電極と前記圧
電磁器板を同時焼成してなる積層型圧電素子であって、
前記電極中のAg含有量が前記電極中の全金属に対して
70重量%以上であるとともに、前記圧電磁器板が、上
記圧電磁器組成物からなるものである。本発明の積層型
圧電素子では、1100℃以下で焼成可能なため、電極
として使用する全金属中のAg比率を70重量%以上と
することができ、製造コストを大幅に低減できる。
比による組成式を、Pb[(Nb1/2Sb1/2)a(Nb
2/3Mn1/3)b(Mo1/2Me1/2)c(TidZr1-d)
1-a-b-c]O3と表したとき、前記a、b、c、dが0.
01≦a≦0.04、0.03≦b≦0.08、0.0
1≦c≦0.04、0.48≦d≦0.60(MeはZ
n及び/又はMg)を満足するものである。
トを置換する(Nb1/2Sb1/2)は、機械的品質係数と
抗折強度を向上させる効果があるが、(Nb1/2S
b1/2)によるBサイトの置換量aが0.01未満では
機械的強度向上効果、Qm向上効果が見られず、aが
0.04より大きいと、焼成温度が1100℃を越えて
しまい、焼成時におけるPbの蒸発量が多くなり、これ
により圧電特性のバラツキを大きくなる。また、圧電磁
器板と同時焼成する場合、電極中のPd等の貴金属が多
くなり、Ag含有量が少なくなるからである。(Nb
1/2Sb1/2)によるBサイトの置換量aは、低温焼成、
及び機械的強度向上、機械的品質係数Qm向上という点
から、0.02〜0.03であることが望ましい。
1/3)は、特に機械的品質係数Qmを向上させる効果が
あるが、(Nb2/3Mn1/3)によるBサイトの置換量b
が0.03未満であれば、機械的品質係数Qm向上効果
がなく、bが0.08を超えると、焼結不良を起こし磁
器の機械的強度が低下するからである。(Nb2/3Mn1
/3)によるBサイトの置換量bは、機械的品質係数Qm
を向上し、焼結性を向上するという点から、0.05〜
0.07であることが望ましい。
1/2)は、低温焼成化に効果的であるが、(Mo1/2Me
1/2)によるBサイトの置換量cが0.01未満では、
1100℃以下に低温焼成化できず、0.04を超える
と磁器の粗大粒成長を引き起こし、磁器の機械的強度が
低下するからである。(Mo1/2Me1/2)によるBサイ
トの置換量cは、低温焼成及び機械的強度向上という点
から、0.02〜0.035であることが望ましい。
が、高温放置において機械的品質係数Qmの低下を抑制
するという点から、MeはZn及びMgであることが望
ましく、特には(MgxZn1-x)と表したとき、xは
0.25〜0.75であることが望ましい。さらに、こ
の場合のBサイト置換量cは、0.025〜0.035
であることが望ましい。
比は、機械的品質係数Qm、機械的強度に影響を及ぼす
が、Ti/(Ti+Zr)比を示すdが0.48未満で
ある場合、組成相境界(MPB)近傍で結晶構造が菱面
体晶となるため機械的強度が低下し、dが0.60を超
えた場合、温度によって共振周波数が大きく変化するか
らである。Ti/(Ti+Zr)比を示すdは、機械的
強度向上、共振周波数の温度特性維持という点から、
0.50〜0.55であることが望ましい。
比による組成式を、Pb[(Nb1/ 2Sb1/2)a(Nb
2/3Mn1/3)b(Mo1/2(MgxZn1-x)1/2)c(Ti
dZr 1-d)1-a ― b ― c]O3と表したとき、a、b、c、
dが0.02≦a≦0.03、0.05≦b≦0.0
7、0.02≦c≦0.035、0.50≦d≦0.5
5、0.25≦x≦0.75を満足することが望まし
い。
は、液相成分である(Mo1/2Me1 /2)を導入すること
により、1100℃以下で焼成しても、圧電磁器自体の
抗折強度を高く維持し、緻密体であるため、機械的品質
係数Qmを高く維持でき、電気特性のバラツキを低減で
きる。
場合であっても、厚み滑りモードを利用した圧電共振子
では機械的品質係数Qmが900以上、共振周波数の温
度特性が±0.3%以内、抗折強度が80MPa以上の
優れた特性を得ることができる。
ば、次のようにして製造することができる。まず、出発
原料として、PbO、TiO2、ZrO2、Nb2O5、S
b2O3、MnO2、MoO3、MgCO3、ZnOの各粉
末を、原子比による組成式を、Pb[(Nb1/2S
b1/2)a(Nb2/3Mn1/3)b(Mo1/2Me1/2)c(T
idZr1-d)1-a-b-c]O3と表したとき、a、b、c、
dが上記範囲を満足するように秤量し、湿式混合する。
所定の時間混合した後スラリーを排出し、乾燥後整粒を
行い、Al2O3製坩堝等に投入し、800〜950の温
度で3〜5時間仮焼し、仮焼粉を得る。
粉砕し、乾燥後整粒を行い粉砕粉体を得る。得られた粉
砕粉体に有機バインダーを混合し、金型プレス、静水圧
プレス等により所望の形状に成形した後、大気中などの
酸素含有雰囲気において、1000〜1100℃で2〜
5時間焼成することによって、本発明の圧電磁器組成物
を得ることができる。
酸化物だけでなく、酢酸塩または有機金属などの化合物
のいずれであっても、焼成などの熱処理プロセスによっ
て酸化物になるものであれば差し支えない。
は、原料粉末などに微少量含まれるRbやHfなどの不
可避不純物が混入する場合があるが、特性に影響のない
範囲であれば何ら差し支えない。
ように、上記組成を有する圧電磁器板1の対向する面に
一対の電極2、3を形成してなるものである。このよう
な圧電共振子は、次のように製造できる。上記のように
して得られた圧電磁器板に銀電極を形成した後、80℃
〜250℃のシリコンオイル中で3〜5kV/mmの直
流電界を30分間印加して分極処理を行う。分極後所定
の厚さに研磨し、研磨された圧電磁器板1の上下面に、
電極2、3を蒸着し、所定の素子寸法を有する厚み滑り
振動モードの基本波を用いた圧電共振子を得ることがで
きる。
のの他、ブロック状のものでも良く、圧電共振子に要求
される所定の厚みにするための加工法は特に限定しな
い。
有量が全金属に対して70重量%以上の電極と上記組成
からなる圧電磁器板とを交互に積層し、電極と圧電磁器
板を同時焼成してなるもので、図2に圧電トランスから
なる積層型電子部品を詳細に示す。
の圧電基板21に、その長さ方向に、第1電圧入力部
A、電圧出力部B、第2電圧入力部Cが順次形成されて
おり、これらの第1電圧入力部A、電圧出力部B、第2
電圧入力部Cにおける圧電基板21の上下面には表面電
極22がそれぞれ形成されている。
には、内部電極24が形成されており、これらの内部電
極24の端部が交互に圧電基板21の対向する側面に露
出し、露出した内部電極24の端部が、圧電基板21の
対向する側面に設けられた一対の外部電極25に交互に
接続されている。
できる。
粉砕粉体に、バインダー、可塑剤を添加し、有機溶剤中
に分散させスラリーを作製する。得られたスラリーを用
いてドクターブレード法等により所定の厚みを有するセ
ラミックグリーンシートを作製する。
で配合されたAg/Pdペーストを所定の形状となるよ
うスクリーン印刷する。印刷されたグリーンシートを積
層し、これを熱間プレス等により圧着し一体化させ、4
00〜500℃で加熱により脱脂を行った後、1000
〜1100℃の温度で2〜5時間焼成することによって
積層体を得る。この後、表面電極や外部電極を形成し、
分極処理を行うことで、例えば圧電トランスや圧電アク
チュエータ等の積層型圧電素子を得ることができる。
板を1100℃以下で焼成しても良好な特性を維持でき
るため、積層型圧電素子とした場合、電極として、全金
属中のAg含有量を70重量%以上とすることができ、
高価なPt等の貴金属使用量を低減でき大幅なコストダ
ウンが図れる。
n,Mgは、それぞれ、単独で添加するのではなく、所
定の比率で合成し、Pb(Mo1/2Me1/2)O3等の複
合化合物としてBサイトへ置換するように添加している
ため、異常粒成長を抑制することができる。
O2、TiO2、Sb2O3、Nb2O5及びMnO2、Mo
O3、MgCO3、ZnOを用意し、Pb[(Nb1/2S
b1/2)a(Nb2/3Mn1/3)b(Mo1/2Me1/2)c(T
idZr1-d)1-a-b-c]O3と表したとき、a、b、c、
d、Meが表1を満足するように、上記原料を秤量し、
24時間湿式混合した。
0.5Zn0.5の場合、50%Mg50モル%Zn、Mg
0.25Zn0.75の場合、25%Mg75%Znのように表
記した。
出、乾燥して、950℃の温度で3時間、仮焼した。当
該仮焼物を再びボールミルで粉砕し、D50が0.7μ
m、D90が1.3μmの粒度分布で、比表面積が2.
0cm2/gである粉砕粉体を得た。
ル(PVA)などのバインダーを混合して造粒した。得
られた粉末を150MPaの圧力で幅25mm×長さ3
5mm×厚さ1.5mmの寸法からなる角板状にプレス
成形した。この成形体を大気中において表1に示す温度
で2時間焼成した。得られた磁器を0.5mmの厚みに
なるまで研磨した。
m×厚み0.50mmの短冊形状に加工し、これらの端
面部に銀電極を形成した後、200℃のシリコンオイル
中で3〜5kV/mmの直流電界を30分間印加して分
極処理を行った。この後、短冊を0.2mm(200μ
m)の厚さまで研磨し、それらの上下面に、銀電極を蒸
着し、幅1.5mm×長さ4.5mmの厚み滑り振動モ
ードの基本波を用いた圧電共振子を作製した。
共振周波数fr、反共振周波数fa、共振抵抗R0、反
共振抵抗Raをインピーダンスアナライザーで測定し、
機械的品質係数Qm、厚み滑り振動モードの基本波振動
におけるP/Vを求めた。P/Vは圧電共振子の発振性
能を表す指数で、機械的品質係数Qm、およびP/V
は、Qm=fr2÷[2π×R0×Cf×(fa2−f
r2)] P/V=20×Log(Ra÷R0) (単位:dB) の式にて算出した。
T.Cを、以下の式から算出した。fr.T.C=[f
r(T)−fr(25 ℃ )]/fr(25 ℃ )×100 (単位:
%)ここで、fr(T)はT℃で測定したfrであり、2
5℃に対する変化の度合いを求めた。測定は−20℃〜
80℃で行い、絶対値が最も大きなものをその試料の共
振周波数の温度特性とした。fr.T.Cが±0.2%
以内の場合を○、±0.2%より大きく±0.3%以内
を△、±0.3%より大きい場合を×とした。
い4点曲げ強度を評価した。また、周波数定数のバラツ
キに関しては、各試料100個抜き取りで周波数定数を
評価し、平均値に対して、最大値および最小値のズレを
算出し、バラツキが±0.3%以内の場合を○、±0.
3%より大きく±0.5%以内を△、±0.5%より大
きい場合を×とした。得られた結果を表1に表記した。
なお、周波数定数は反共振周波数と磁器厚みから算出し
た。
で焼成したにも拘わらず、Qmが900以上、共振周波
数の温度特性fr.T.Cが±0.3%以内、PVが6
0dB以上で、周波数定数のバラツキが平均値に対して
±0.5%以内、抗折強度が80MPa以上であり、通
常焼成温度より100℃以上低温で焼成しても高い電気
特性と高い機械的強度を兼ね備えるものであることが分
かる。
の試料No.2の場合、1100℃で焼成しても、抗折
強度が53MPaであったものが、本発明範囲内である
例えば、試料No.5では95MPaと飛躍的に向上す
ることが分かる。また、比較例である試料No.2では
機械的品質係数Qmが670、PVが43dBであった
電気特性が、試料No.5においてはQmが1200、
PVが75dBに、また試料No.21においてはQm
が1100、PVが73dBの電気特性が得られた。
3、11では低温焼成化の効果が見られず、抗折強度が
68MPaより低く、Qmも850より低く、分極工程
でのバラツキから周波数定数のバラツキが大きいもので
あった。また、試料No.7、8、12の場合Qmが小
さいものであった。さらに、試料No.15では、緻密
化が進まず抗折強度が低い上、Qmも低かった。また、
試料No.16では、組成相境界近傍で、抗折強度が低
く、試料No.20では、共振周波数の温度特性が大き
いものであった。
では、1100℃以下で焼成することができ、かつ、1
100℃以下で焼成しても優れた圧電特性を有してお
り、主元素であるPbの蒸発を抑制し、電気特性、特に
周波数定数のバラツキを抑えることができるとともに、
内部電極材料としてAg含有量を増加でき、安価な積層
型電子部品を得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】金属元素として、少なくともPb、Zr、
Ti、Nb、Sb、Mn、Moと、Zn及び/又はMg
を含有するペロブスカイト型複合酸化物からなる圧電磁
器組成物であって、 原子比による組成式を、 Pb[(Nb1/2Sb1/2)a(Nb2/3Mn1/3)b(Mo
1/2Me1/2)c(TidZr1-d)1-a-b-c]O3 と表したとき、前記a、b、c、dが 0.01≦a≦0.04 0.03≦b≦0.08 0.01≦c≦0.04 0.48≦d≦0.60 MeはZn及び/又はMg を満足することを特徴とする圧電磁器組成物。 - 【請求項2】圧電磁器板の対向する面に一対の電極を形
成してなる圧電共振子であって、前記圧電磁器板が、請
求項1記載の圧電磁器組成物からなることを特徴とする
圧電共振子。 - 【請求項3】電極と圧電磁器板とを交互に積層してな
り、前記電極と前記圧電磁器板を同時焼成してなる積層
型圧電素子であって、前記電極中のAg含有量が前記電
極中の全金属に対して70重量%以上であるとともに、
前記圧電磁器板が、請求項1記載の圧電磁器組成物から
なることを特徴とする積層型圧電素子。
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