JP2003062852A - 金属及び/又は合金粉体をフィラーとした樹脂成形品の射出成形方法及び装置 - Google Patents
金属及び/又は合金粉体をフィラーとした樹脂成形品の射出成形方法及び装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フィラーの表出を制御可能な射出成形方法及
び装置を提供する。 【解決手段】 金属粉体をフィラーとして添加した樹脂
材料を溶融して可塑化すると共に、この溶融材料を、製
造される樹脂成形品の容積以上の容積となるよう仮計量
し、この仮計量された溶融材料を金型内に射出して、射
出された溶融材料の容積に応じてキャビティの内部容積
を増大変化させながらキャビティ内に導入する。前記キ
ャビティの前記内部容積を減少変化させ、前記キャビテ
ィ内に過剰に導入された溶融材料をキャビティ外に排出
すると共に、前記キャビティの内部容積が、製造される
樹脂成形品の容積に前記溶融材料の冷却時における収縮
分の容積を加算した内部容積となったとき、前記キャビ
ティを閉塞する。その後、キャビティの容積を、製造さ
れる樹脂成形品の容積となるまで更に減少して前記溶融
材料を加圧すると共に、該加圧下で前記溶融材料を冷却
して固化する。
び装置を提供する。 【解決手段】 金属粉体をフィラーとして添加した樹脂
材料を溶融して可塑化すると共に、この溶融材料を、製
造される樹脂成形品の容積以上の容積となるよう仮計量
し、この仮計量された溶融材料を金型内に射出して、射
出された溶融材料の容積に応じてキャビティの内部容積
を増大変化させながらキャビティ内に導入する。前記キ
ャビティの前記内部容積を減少変化させ、前記キャビテ
ィ内に過剰に導入された溶融材料をキャビティ外に排出
すると共に、前記キャビティの内部容積が、製造される
樹脂成形品の容積に前記溶融材料の冷却時における収縮
分の容積を加算した内部容積となったとき、前記キャビ
ティを閉塞する。その後、キャビティの容積を、製造さ
れる樹脂成形品の容積となるまで更に減少して前記溶融
材料を加圧すると共に、該加圧下で前記溶融材料を冷却
して固化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属及び/又は合
金の粉体(以下、これらを総称して「金属粉体」とい
う。)をフィラーとして混入して成る樹脂成形品の射出
成形方法に関し、例えばIC、その他の電子部品のパッ
ケージ(封止)に使用するに好適な樹脂成形品の射出成
形方法及びその装置に関する。
金の粉体(以下、これらを総称して「金属粉体」とい
う。)をフィラーとして混入して成る樹脂成形品の射出
成形方法に関し、例えばIC、その他の電子部品のパッ
ケージ(封止)に使用するに好適な樹脂成形品の射出成
形方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来技術】IC等の電子部品にあってはその微細パタ
ーン化と低電圧化により、単位素子当たりの消費電力が
減少しているものの、メモリの大記憶容量化やロジック
の多機能化、高集積化に伴い、1個当たりのICの消費
電力は逆に増加する結果となっている。
ーン化と低電圧化により、単位素子当たりの消費電力が
減少しているものの、メモリの大記憶容量化やロジック
の多機能化、高集積化に伴い、1個当たりのICの消費
電力は逆に増加する結果となっている。
【0003】そして、この消費電力の増加に伴い、チッ
プの発熱による温度上昇が問題となっており、特に今後
更なる大記憶容量化、多機能化、高集積化が進む次世代
高度集積回路にあっては、このような電子部品を封止す
る封止材は、熱伝導率が高く、放熱性能が良好であるこ
とが要求されている。
プの発熱による温度上昇が問題となっており、特に今後
更なる大記憶容量化、多機能化、高集積化が進む次世代
高度集積回路にあっては、このような電子部品を封止す
る封止材は、熱伝導率が高く、放熱性能が良好であるこ
とが要求されている。
【0004】このような放熱に対する要求から、トラン
スファーモールド法により熱硬化型エポキシに、樹脂材
料に比べて約一桁程熱伝導率が高いガラスビーズをフィ
ラーとして添加した封止材にてICチップの封止を行う
ことで、封止材の熱伝導性を向上させて放熱性能の改善
を図るものがある。
スファーモールド法により熱硬化型エポキシに、樹脂材
料に比べて約一桁程熱伝導率が高いガラスビーズをフィ
ラーとして添加した封止材にてICチップの封止を行う
ことで、封止材の熱伝導性を向上させて放熱性能の改善
を図るものがある。
【0005】しかし、封止材中にフィラーとして添加す
ることができるガラスビーズの量は、容積比において封
止材の約63%程度を上限とすることから、ガラスビー
ズの添加により放熱性能を向上させる場合にはこの添加
量の上限による限界があり、今後さらに大容量化、多機
能化、高集積化により発熱量の増大が予想される次世代
の高度集積回路に十分に対応することができない。
ることができるガラスビーズの量は、容積比において封
止材の約63%程度を上限とすることから、ガラスビー
ズの添加により放熱性能を向上させる場合にはこの添加
量の上限による限界があり、今後さらに大容量化、多機
能化、高集積化により発熱量の増大が予想される次世代
の高度集積回路に十分に対応することができない。
【0006】そのため、ICの設計・試作が何世代か先
まで進展していながら、現状の封止材の放熱性能ではこ
の次世代高集積化回路に対応することができないため
に、これらの高性能な次世代高集積化回路の実用化に遅
れが生じているという問題が指摘されている。
まで進展していながら、現状の封止材の放熱性能ではこ
の次世代高集積化回路に対応することができないため
に、これらの高性能な次世代高集積化回路の実用化に遅
れが生じているという問題が指摘されている。
【0007】このような不都合を解消し、次世代のIC
に対応可能な封止材を提供するために、封止材料の放熱
性能を更に改善すべく数十μの径を持つ真球状のガラス
フィラーに、0.数μ径のガラスフィラーを添加するこ
とで、フィラーの容積比を90%近くまで高め、放熱性
を更に向上する試みが行われており、これにより放熱特
性が約30%程度向上することが確認されている。
に対応可能な封止材を提供するために、封止材料の放熱
性能を更に改善すべく数十μの径を持つ真球状のガラス
フィラーに、0.数μ径のガラスフィラーを添加するこ
とで、フィラーの容積比を90%近くまで高め、放熱性
を更に向上する試みが行われており、これにより放熱特
性が約30%程度向上することが確認されている。
【0008】しかし、ここでフィラーとして使用する数
十μの真球状ガラスは極めて高価であり、一般に提供さ
れる封止技術のコストとしては到底市場が容認できる範
囲には無く、このことが量産を不可能なものとしてい
る。
十μの真球状ガラスは極めて高価であり、一般に提供さ
れる封止技術のコストとしては到底市場が容認できる範
囲には無く、このことが量産を不可能なものとしてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のガラスの熱伝導
率が一例として5.5〜7.5W・m−1・K−1(常
温:ソーダガラス)であるのに対し、金属及び合金はこ
れよりも熱伝導率が1桁程高い。 一例としてアルミニ
ウムの熱伝導率は236W・m−1・K−1(0℃:理科
年表)であり、ガラスに対して31〜43倍の熱伝導率
を有し、銅の熱伝導率は約403W・m−1・K−1(0
℃:理科年表)であり、ガラスに対して54〜73倍の
高い熱伝導率を示している。
率が一例として5.5〜7.5W・m−1・K−1(常
温:ソーダガラス)であるのに対し、金属及び合金はこ
れよりも熱伝導率が1桁程高い。 一例としてアルミニ
ウムの熱伝導率は236W・m−1・K−1(0℃:理科
年表)であり、ガラスに対して31〜43倍の熱伝導率
を有し、銅の熱伝導率は約403W・m−1・K−1(0
℃:理科年表)であり、ガラスに対して54〜73倍の
高い熱伝導率を示している。
【0010】そのため、ガラスに代えてこのような金属
粉体をフィラーとして封止材中に混入することができれ
ば、前記ガラスビーズが混入された封止材よりも更に一
層の放熱性能が向上されることは明らかである。
粉体をフィラーとして封止材中に混入することができれ
ば、前記ガラスビーズが混入された封止材よりも更に一
層の放熱性能が向上されることは明らかである。
【0011】しかし、前述のように金属等が高い熱伝導
率を有するにも拘わらずフィラーとして使用されず、そ
の一方でガラスがフィラーとして使用されている理由
は、ガラスの有する絶縁性能にある。
率を有するにも拘わらずフィラーとして使用されず、そ
の一方でガラスがフィラーとして使用されている理由
は、ガラスの有する絶縁性能にある。
【0012】すなわち、樹脂材料にフィラーを添加する
場合には、溶融された状態で金型のキャビティ内に導入
された溶融材料は、この導入からキャビティ内で固化す
る過程でキャビティ内壁側に露出してしまうために、フ
ィラーとして導電性を有する金属粉体を使用する場合に
は、この部分に露出したフィラーにより導電性を有する
こととなる。
場合には、溶融された状態で金型のキャビティ内に導入
された溶融材料は、この導入からキャビティ内で固化す
る過程でキャビティ内壁側に露出してしまうために、フ
ィラーとして導電性を有する金属粉体を使用する場合に
は、この部分に露出したフィラーにより導電性を有する
こととなる。
【0013】特に、トランスファーモールド法やインジ
ェクションモールド法により、ICの封止を行う場合に
は、ボンディングが終了したリードフレームを金型内に
セットして樹脂を圧送してモールド成型が行われるが、
この場合には溶融材料中のフィラーはICとの接触部分
においてもこれら樹脂成形品の表面に露出(本明細書に
おいて、単に「表出」という。)し、この表出されたフ
ィラーの有する導電性により電気的な短絡が生じ、IC
に焼き付き等が生じるおそれがある。そのため、導電性
フィラーを使用した封止材により封止を行うことができ
ない。
ェクションモールド法により、ICの封止を行う場合に
は、ボンディングが終了したリードフレームを金型内に
セットして樹脂を圧送してモールド成型が行われるが、
この場合には溶融材料中のフィラーはICとの接触部分
においてもこれら樹脂成形品の表面に露出(本明細書に
おいて、単に「表出」という。)し、この表出されたフ
ィラーの有する導電性により電気的な短絡が生じ、IC
に焼き付き等が生じるおそれがある。そのため、導電性
フィラーを使用した封止材により封止を行うことができ
ない。
【0014】このように、キャビティの内壁や、キャビ
ティ内に配置された電子部品等の被封止材との接触部分
においてフィラーの表出が起こる原理について考える
と、キャビティ内に導入される樹脂材料は、図6に示す
ようにキャビティ内を流動時には噴水流れ、所謂「ファ
ンテンフロー」を起し、射出された溶融材料は金型壁面
に瞬間的に熱を奪われて薄い固化層(スキン層)を形成
すると共に、金型壁面に形成されたスキン層の間を通っ
てコア層(流動層)が移動し、コア層の樹脂が流動先端
から噴出すると共に壁面に到達して瞬間的に固化し、ス
キン層を形成し、これを繰り返して溶融材料は流路末端
まで到達すると共に、スキン層が更に厚みのあるものに
成長する。
ティ内に配置された電子部品等の被封止材との接触部分
においてフィラーの表出が起こる原理について考える
と、キャビティ内に導入される樹脂材料は、図6に示す
ようにキャビティ内を流動時には噴水流れ、所謂「ファ
ンテンフロー」を起し、射出された溶融材料は金型壁面
に瞬間的に熱を奪われて薄い固化層(スキン層)を形成
すると共に、金型壁面に形成されたスキン層の間を通っ
てコア層(流動層)が移動し、コア層の樹脂が流動先端
から噴出すると共に壁面に到達して瞬間的に固化し、ス
キン層を形成し、これを繰り返して溶融材料は流路末端
まで到達すると共に、スキン層が更に厚みのあるものに
成長する。
【0015】フィラーを含む原材料が流動するためには
スキン層は重要な要素であり、本来全く流動性を持たな
いフィラーそのものは、図7に示すように潤滑性あるい
は流動性をもっている素材に包み込まれている状態で始
めて流動させることが出来ることから、バインダーとし
ての樹脂材料を流動状態に溶融しながら、フィラーを完
全に包み込んでいる状態でなければフィラーを流動させ
ることは出来ない。
スキン層は重要な要素であり、本来全く流動性を持たな
いフィラーそのものは、図7に示すように潤滑性あるい
は流動性をもっている素材に包み込まれている状態で始
めて流動させることが出来ることから、バインダーとし
ての樹脂材料を流動状態に溶融しながら、フィラーを完
全に包み込んでいる状態でなければフィラーを流動させ
ることは出来ない。
【0016】このように、流動している過程においては
キャビティ内壁と接触している原材料の表面には最初に
樹脂のみのスキン層が発生することから、フィラーは直
接金型表面と接触することはない。従って、このままの
状態で樹脂成形品が完成すれば、樹脂成形品の表面はス
キン層に覆われ、フィラーが露出することを防止するこ
とができる。
キャビティ内壁と接触している原材料の表面には最初に
樹脂のみのスキン層が発生することから、フィラーは直
接金型表面と接触することはない。従って、このままの
状態で樹脂成形品が完成すれば、樹脂成形品の表面はス
キン層に覆われ、フィラーが露出することを防止するこ
とができる。
【0017】しかし、スキン層は溶融材料がキャビティ
内を一定時間以上流動していると共に、ある程度の密着
を維持する内部圧力が生じている場合には厚みを増しな
がら成長を続けるが、溶融材料がキャビティ内で流動を
止め、かつ圧力が取り除かれた状態ではコア層の熱によ
ってスキン層が加熱されて柔らかくなると共に、冷却時
の収縮によりキャビティ内壁から剥離する。一方、収縮
することなくその場に止まるフィラーがこのスキン層を
突き破って表出する現象が起こる(図8参照)。
内を一定時間以上流動していると共に、ある程度の密着
を維持する内部圧力が生じている場合には厚みを増しな
がら成長を続けるが、溶融材料がキャビティ内で流動を
止め、かつ圧力が取り除かれた状態ではコア層の熱によ
ってスキン層が加熱されて柔らかくなると共に、冷却時
の収縮によりキャビティ内壁から剥離する。一方、収縮
することなくその場に止まるフィラーがこのスキン層を
突き破って表出する現象が起こる(図8参照)。
【0018】そこで、本発明の目的は、射出成形時にお
ける各種の条件を調整することにより、形成されたスキ
ン層を収縮させることなく、従ってフィラーの表出を生
じさせることのない射出成形方法及びこれを実施する装
置を提供することにより、フィラーとして導電性を有す
る金属粉体を使用した場合であっても、この樹脂材料に
よりIC等の電子部品の封止を可能とすることで、放熱
性の優れた封止を行うことを目的とする。
ける各種の条件を調整することにより、形成されたスキ
ン層を収縮させることなく、従ってフィラーの表出を生
じさせることのない射出成形方法及びこれを実施する装
置を提供することにより、フィラーとして導電性を有す
る金属粉体を使用した場合であっても、この樹脂材料に
よりIC等の電子部品の封止を可能とすることで、放熱
性の優れた封止を行うことを目的とする。
【0019】また、本発明の別の目的は、射出成形時に
おける各種条件を調整することにより、必要に応じてフ
ィラーを表出させず、または表出させることを任意に選
択することができる射出成形方法及び装置を提供するこ
とにより、金属粉末をフィラーとして使用した場合であ
ってもICチップ等の電子部品と直接的に接触する部分
においてはこの導電性フィラーを樹脂バインダーで完全
に被覆することで絶縁膜を形成し、一方、放熱のために
空気と接触している部分及び他の放熱用に設置されてい
る部品との接触部分においては金属粉末を露出させるこ
とにより放熱性能の向上された封止を行うことを目的と
する。
おける各種条件を調整することにより、必要に応じてフ
ィラーを表出させず、または表出させることを任意に選
択することができる射出成形方法及び装置を提供するこ
とにより、金属粉末をフィラーとして使用した場合であ
ってもICチップ等の電子部品と直接的に接触する部分
においてはこの導電性フィラーを樹脂バインダーで完全
に被覆することで絶縁膜を形成し、一方、放熱のために
空気と接触している部分及び他の放熱用に設置されてい
る部品との接触部分においては金属粉末を露出させるこ
とにより放熱性能の向上された封止を行うことを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すめるた
めに、本発明の金属及び/又は合金粉体をフィラーとし
た樹脂成形品の射出成形方法は、金属及び/又は合金の
粉体をフィラーとして添加した樹脂材料を溶融して可塑
化すると共に、この溶融材料を、一回分の成形に必要と
される容積以上の容積となるよう計量する工程と、前記
工程において仮計量された溶融材料を、内部容積を変化
可能に構成されたキャビティを備える金型内に射出する
と共に、前記射出された溶融材料の容積に応じて前記キ
ャビティの内部容積を増大変化させながら前記溶融材料
を前記キャビティ内に導入する工程と、前記工程により
内部容積が増大変化された前記キャビティの前記内部容
積を減少変化させ、前記キャビティ内に過剰に導入され
た溶融材料をキャビティ外に排出すると共に、前記キャ
ビティの内部容積が、製造される樹脂成形品の容積に前
記溶融材料の冷却時における収縮分の容積を加算した内
部容積となったとき、前記キャビティを閉塞する工程
と、前記キャビティの容積を、製造される樹脂成形品の
容積となるまで更に減少して前記溶融材料を加圧すると
共に、該加圧下で前記溶融材料を冷却して固化する工程
を含むことを特徴とする(請求項1)。
めに、本発明の金属及び/又は合金粉体をフィラーとし
た樹脂成形品の射出成形方法は、金属及び/又は合金の
粉体をフィラーとして添加した樹脂材料を溶融して可塑
化すると共に、この溶融材料を、一回分の成形に必要と
される容積以上の容積となるよう計量する工程と、前記
工程において仮計量された溶融材料を、内部容積を変化
可能に構成されたキャビティを備える金型内に射出する
と共に、前記射出された溶融材料の容積に応じて前記キ
ャビティの内部容積を増大変化させながら前記溶融材料
を前記キャビティ内に導入する工程と、前記工程により
内部容積が増大変化された前記キャビティの前記内部容
積を減少変化させ、前記キャビティ内に過剰に導入され
た溶融材料をキャビティ外に排出すると共に、前記キャ
ビティの内部容積が、製造される樹脂成形品の容積に前
記溶融材料の冷却時における収縮分の容積を加算した内
部容積となったとき、前記キャビティを閉塞する工程
と、前記キャビティの容積を、製造される樹脂成形品の
容積となるまで更に減少して前記溶融材料を加圧すると
共に、該加圧下で前記溶融材料を冷却して固化する工程
を含むことを特徴とする(請求項1)。
【0021】前述の射出成形方法において、金型の少な
くとも一部分の設定温度を他の部分に比較して低く設定
し、該部分に対応するキャビティの内壁に位置して導入
された前記可塑材料を一時的に冷却して収縮させること
により、該位置の樹脂成形品の表面に、前記金属及び/
又は合金粉体のフィラーを表出させることで、製造され
た樹脂成形品の任意の場所にフィラーを表出させ、又は
表出させないことを選択することができる(請求項
2)。
くとも一部分の設定温度を他の部分に比較して低く設定
し、該部分に対応するキャビティの内壁に位置して導入
された前記可塑材料を一時的に冷却して収縮させること
により、該位置の樹脂成形品の表面に、前記金属及び/
又は合金粉体のフィラーを表出させることで、製造され
た樹脂成形品の任意の場所にフィラーを表出させ、又は
表出させないことを選択することができる(請求項
2)。
【0022】さらに、前記射出工程をインラインスクリ
ュ式の射出装置により行うと共に、この射出の終了後、
前記射出装置のスクリュを前記射出装置のバレル内を進
退移動可能な状態と成すと共に、前記キャビティの容積
減少時にキャビティ外に排出された溶融材料を、前記射
出装置のバレル内に逆流させて前記射出装置のスクリュ
を後退させると共に、該後退位置から前記スクリュを回
転させて、該スクリュが所定の後退位置に至ったとき前
記仮計量を終了することにより、射出工程において金型
に射出される溶融材料の温度及び量が一定となるよう補
正して、より精度の高い樹脂成形品の提供に資すること
もできる(請求項3)。
ュ式の射出装置により行うと共に、この射出の終了後、
前記射出装置のスクリュを前記射出装置のバレル内を進
退移動可能な状態と成すと共に、前記キャビティの容積
減少時にキャビティ外に排出された溶融材料を、前記射
出装置のバレル内に逆流させて前記射出装置のスクリュ
を後退させると共に、該後退位置から前記スクリュを回
転させて、該スクリュが所定の後退位置に至ったとき前
記仮計量を終了することにより、射出工程において金型
に射出される溶融材料の温度及び量が一定となるよう補
正して、より精度の高い樹脂成形品の提供に資すること
もできる(請求項3)。
【0023】また上記目的を達成するための本発明金属
及び/又は合金粉体をフィラーとした樹脂成形品の射出
成形装置は、金属粉体と樹脂材料とを混合・混練・溶融
して可塑化して溶融材料とすると共に、この溶融材料を
計量する軽量手段を有し、金型内に射出する射出装置2
と、この射出装置2によって射出された溶融材料を導入
し、所定の形状に冷却・固化する金型5と、該金型5が
取り付けられる型締ユニット6とから成り、前記型締ユ
ニット6は、固定金型3を有する固定側ダイプレート6
1と、可動金型4を有する可動側ダイプレート62と、
前記可動側ダイプレート62を作動する型締シリンダ6
3とから成り、金型5内のランナ54を介して溶融材料
が導入されるキャビティ53の内部容積を、キャビティ
53内に樹脂成形品の製造に必要とされる溶融材料以上
の量、溶融材料が過導入すべく可動金型4を移動させ、
且つ、金型5内のキャビティ53を溶融材料の体積収縮
分を考慮した容積に減少して、キャビティ53を製造さ
れる樹脂成形品サイズに容積減少してキャビティ53内
の圧力を上昇させる可動側ダイプレート62の動作を制
御する制御手段64を有し、前記ランナ54とキャビテ
ィ53との間にはゲート52が形成され、さらに、前記
キャビティ53の内部容積が、製造されるべき樹脂成形
品の容積に溶融材料の熱収縮による容積減少分を加算し
た容積となったとき、前記ランナ54とキャビティ53
間の連通を遮断するゲート52を有することを特徴とす
る(請求項4)。
及び/又は合金粉体をフィラーとした樹脂成形品の射出
成形装置は、金属粉体と樹脂材料とを混合・混練・溶融
して可塑化して溶融材料とすると共に、この溶融材料を
計量する軽量手段を有し、金型内に射出する射出装置2
と、この射出装置2によって射出された溶融材料を導入
し、所定の形状に冷却・固化する金型5と、該金型5が
取り付けられる型締ユニット6とから成り、前記型締ユ
ニット6は、固定金型3を有する固定側ダイプレート6
1と、可動金型4を有する可動側ダイプレート62と、
前記可動側ダイプレート62を作動する型締シリンダ6
3とから成り、金型5内のランナ54を介して溶融材料
が導入されるキャビティ53の内部容積を、キャビティ
53内に樹脂成形品の製造に必要とされる溶融材料以上
の量、溶融材料が過導入すべく可動金型4を移動させ、
且つ、金型5内のキャビティ53を溶融材料の体積収縮
分を考慮した容積に減少して、キャビティ53を製造さ
れる樹脂成形品サイズに容積減少してキャビティ53内
の圧力を上昇させる可動側ダイプレート62の動作を制
御する制御手段64を有し、前記ランナ54とキャビテ
ィ53との間にはゲート52が形成され、さらに、前記
キャビティ53の内部容積が、製造されるべき樹脂成形
品の容積に溶融材料の熱収縮による容積減少分を加算し
た容積となったとき、前記ランナ54とキャビティ53
間の連通を遮断するゲート52を有することを特徴とす
る(請求項4)。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
説明する。
説明する。
【0025】本発明の射出成形方法は、前述のようにフ
ィラーの添加された樹脂材料を溶融して可塑化すると共
に、この溶融材料を、一回の成形に必要とされる容積以
上の容積となるよう仮計量する工程(仮計量工程)、こ
の仮計量された溶融材料を、金型内に射出すると共に、
前記射出された溶融材料の容積に応じて前記キャビティ
の内部容積を増大変化させながら前記溶融材料を前記キ
ャビティ内に導入する工程(射出工程)、前記射出工程
により内部容積が増大変化された前記キャビティの内部
容積を減少変化させ、前記キャビティ内に過剰に導入さ
れた溶融材料をキャビティ外に排出して、射出装置のバ
レル内に逆流させると共に、キャビティの内部容積が、
製造される樹脂成形品の容積に前記溶融材料の冷却時に
おける収縮分の容積を加算した内部容積となったとき、
前記キャビティを閉塞する工程(計量工程)、前記キャ
ビティの容積を、製造される樹脂成形品の容積となるま
で更に減少して前記溶融材料を加圧すると共に、該加圧
下で前記溶融材料を冷却して固化する工程(加圧冷却工
程)を含み、これらの各工程を実現するための射出成形
装置は、一例として下記の構成を備えている。
ィラーの添加された樹脂材料を溶融して可塑化すると共
に、この溶融材料を、一回の成形に必要とされる容積以
上の容積となるよう仮計量する工程(仮計量工程)、こ
の仮計量された溶融材料を、金型内に射出すると共に、
前記射出された溶融材料の容積に応じて前記キャビティ
の内部容積を増大変化させながら前記溶融材料を前記キ
ャビティ内に導入する工程(射出工程)、前記射出工程
により内部容積が増大変化された前記キャビティの内部
容積を減少変化させ、前記キャビティ内に過剰に導入さ
れた溶融材料をキャビティ外に排出して、射出装置のバ
レル内に逆流させると共に、キャビティの内部容積が、
製造される樹脂成形品の容積に前記溶融材料の冷却時に
おける収縮分の容積を加算した内部容積となったとき、
前記キャビティを閉塞する工程(計量工程)、前記キャ
ビティの容積を、製造される樹脂成形品の容積となるま
で更に減少して前記溶融材料を加圧すると共に、該加圧
下で前記溶融材料を冷却して固化する工程(加圧冷却工
程)を含み、これらの各工程を実現するための射出成形
装置は、一例として下記の構成を備えている。
【0026】本発明の射出成形方法に使用される射出成
形装置1は、図1に示すように、金属粉体と樹脂材料と
を混合・混練・溶融して可塑化して計量し、その後、後
述する金型内に射出する射出装置2と、この射出装置2
によって射出された溶融材料を導入すると共に所定の形
状に冷却・固化する金型5と、該金型5が取り付けられ
る型締ユニット6により構成されている。
形装置1は、図1に示すように、金属粉体と樹脂材料と
を混合・混練・溶融して可塑化して計量し、その後、後
述する金型内に射出する射出装置2と、この射出装置2
によって射出された溶融材料を導入すると共に所定の形
状に冷却・固化する金型5と、該金型5が取り付けられ
る型締ユニット6により構成されている。
【0027】〔射出装置〕射出装置2は、バレル21内
に供給された成形材料を、バレル21内で加熱・溶融し
て可塑化すると共に、所定量の溶融材料を計量してこれ
を後述の金型5内に射出するもので、既知の各種形式の
射出装置を使用することができる。
に供給された成形材料を、バレル21内で加熱・溶融し
て可塑化すると共に、所定量の溶融材料を計量してこれ
を後述の金型5内に射出するもので、既知の各種形式の
射出装置を使用することができる。
【0028】本実施形態において使用する射出装置は、
一例として図1に示すインライン・スクリュ式で、バレ
ル21内を進退移動するスクリュ22を備えている。
一例として図1に示すインライン・スクリュ式で、バレ
ル21内を進退移動するスクリュ22を備えている。
【0029】このスクリュ22は、一端22aに後述の
固定金型のノズルタッチ部31cに嵌合されるノズル2
3が取り付けられて成るバレル21の他端側からバレル
21内に挿入されており、このバレル21の他端の上方
に位置し、下端をバレル21内の空間と連通するホッパ
24が設けられている。
固定金型のノズルタッチ部31cに嵌合されるノズル2
3が取り付けられて成るバレル21の他端側からバレル
21内に挿入されており、このバレル21の他端の上方
に位置し、下端をバレル21内の空間と連通するホッパ
24が設けられている。
【0030】また、スクリュ22の他端22bはプラン
ジャ26を介して射出シリンダ25に連結され、この射
出シリンダ25に対する作動流体の導入によりバレル2
1内をノズル23に向かって前進移動可能に構成されて
いると共に、モータ等の駆動源からの回転力をスクリュ
22に伝達するギヤ、その他の動力伝達機構がプランジ
ャ26の外周に位置して設けられている。
ジャ26を介して射出シリンダ25に連結され、この射
出シリンダ25に対する作動流体の導入によりバレル2
1内をノズル23に向かって前進移動可能に構成されて
いると共に、モータ等の駆動源からの回転力をスクリュ
22に伝達するギヤ、その他の動力伝達機構がプランジ
ャ26の外周に位置して設けられている。
【0031】本実施形態にあっては、動力伝達手段であ
る被動ギヤ27をスプライン28を介してスクリュ22
の他端22bに連結されたプランジャ26の外周に取り
付けており、スクリュ22がバレル21内のノズル23
側に位置した前進位置から、射出シリンダ25側に位置
した後退位置迄のいずれの位置においても回転可能に構
成されている。
る被動ギヤ27をスプライン28を介してスクリュ22
の他端22bに連結されたプランジャ26の外周に取り
付けており、スクリュ22がバレル21内のノズル23
側に位置した前進位置から、射出シリンダ25側に位置
した後退位置迄のいずれの位置においても回転可能に構
成されている。
【0032】なお、射出装置2には、このスクリュ22
が前進位置にあること、及び後退位置にあることをそれ
ぞれ検知する検知手段29を備えており、図1に示す実
施形態にあっては、前述のプランジャ26の外周に位置
検出用の検知板29bを取り付けると共に、この検知板
29bと接触して検知信号を発生するリミットスイッチ
29aを設け、スクリュ22の位置を検知可能としてい
る。
が前進位置にあること、及び後退位置にあることをそれ
ぞれ検知する検知手段29を備えており、図1に示す実
施形態にあっては、前述のプランジャ26の外周に位置
検出用の検知板29bを取り付けると共に、この検知板
29bと接触して検知信号を発生するリミットスイッチ
29aを設け、スクリュ22の位置を検知可能としてい
る。
【0033】〔型締ユニット〕型締ユニット6は、後述
する固定金型3を取り付ける固定側ダイプレート61
と、可動金型4を取り付ける可動側ダイプレート62
と、前記可動側ダイプレート62を作動する型締シリン
ダ63とで構成され、また、前述の型締シリンダ63を
制御して可動側ダイプレート62の動作を制御する制御
手段64を備えている。
する固定金型3を取り付ける固定側ダイプレート61
と、可動金型4を取り付ける可動側ダイプレート62
と、前記可動側ダイプレート62を作動する型締シリン
ダ63とで構成され、また、前述の型締シリンダ63を
制御して可動側ダイプレート62の動作を制御する制御
手段64を備えている。
【0034】従って、後述するように可動金型4と固定
金型3との組合せにより金型5内に形成されたキャビテ
ィ53の内部容積を、可動金型4を移動させることによ
り変化させる機能を有している。
金型3との組合せにより金型5内に形成されたキャビテ
ィ53の内部容積を、可動金型4を移動させることによ
り変化させる機能を有している。
【0035】一般の射出成形装置において型締ユニット
という場合には、射出時の樹脂圧力により金型が開かな
いよう高圧で固定・可動の両金型を締結保持するものを
指すが、本発明における「型締ユニット」は、前述の射
出装置2による溶融材料の射出の際、可動金型4を固定
する可動側ダイプレート62が移動して、溶融材料の導
入と共に、後述する金型5内に形成されたキャビティ5
3内の容積を溶融材料の導入量に対応して拡大して、キ
ャビティ53内に樹脂成形品の製造に必要とされる溶融
材料以上の量、溶融材料が過導入されるよう構成されて
いる。
という場合には、射出時の樹脂圧力により金型が開かな
いよう高圧で固定・可動の両金型を締結保持するものを
指すが、本発明における「型締ユニット」は、前述の射
出装置2による溶融材料の射出の際、可動金型4を固定
する可動側ダイプレート62が移動して、溶融材料の導
入と共に、後述する金型5内に形成されたキャビティ5
3内の容積を溶融材料の導入量に対応して拡大して、キ
ャビティ53内に樹脂成形品の製造に必要とされる溶融
材料以上の量、溶融材料が過導入されるよう構成されて
いる。
【0036】また、溶融材料の導入後においては、可動
側ダイプレート62を固定側ダイプレート61側に移動
して、金型5内のキャビティ53を溶融材料の体積収縮
分を考慮した容積に減少して溶融材料の計量を行うと共
に、さらにキャビティ53を製造される樹脂成形品サイ
ズに容積減少してキャビティ53内の圧力を上昇させる
機能を備えている。
側ダイプレート62を固定側ダイプレート61側に移動
して、金型5内のキャビティ53を溶融材料の体積収縮
分を考慮した容積に減少して溶融材料の計量を行うと共
に、さらにキャビティ53を製造される樹脂成形品サイ
ズに容積減少してキャビティ53内の圧力を上昇させる
機能を備えている。
【0037】この型締ユニット6の前記可動側ダイプレ
ート62は、型締ラム65を介して型締シリンダ63に
連結されており、この型締シリンダ63に対する例えば
作動油等の作動流体の導入が前述の制御手段64により
制御され、可動側ダイプレート62の動作圧力、動作タ
イミング等が制御されている。
ート62は、型締ラム65を介して型締シリンダ63に
連結されており、この型締シリンダ63に対する例えば
作動油等の作動流体の導入が前述の制御手段64により
制御され、可動側ダイプレート62の動作圧力、動作タ
イミング等が制御されている。
【0038】〔金型〕前述の型締ユニット6の可動側ダ
イプレート62及び固定側ダイプレート61には、それ
ぞれ金型を構成する可動金型4と固定金型3が取り付け
られ、可動金型4と固定金型3とが組み合わされること
により、金型5内部に所定形状の樹脂成形品を形成する
ためのキャビティ53が形成される共に、このキャビテ
ィ53が前述の型締ユニット6によってその内部容積を
増減可能に構成されている。
イプレート62及び固定側ダイプレート61には、それ
ぞれ金型を構成する可動金型4と固定金型3が取り付け
られ、可動金型4と固定金型3とが組み合わされること
により、金型5内部に所定形状の樹脂成形品を形成する
ためのキャビティ53が形成される共に、このキャビテ
ィ53が前述の型締ユニット6によってその内部容積を
増減可能に構成されている。
【0039】図2〜図5に示す実施形態において、固定
金型3は固定側型板32、固定側取付板33、スプルー
ブッシュ31、ロケートリング34、キャビティ53の
一部を画定するキャビティブッシュ35により構成され
ており、このうち、前述のスプルーブッシュ31は、前
述の射出装置2のバレル21の一端に設けられたノズル
23を介して射出された溶融材料を金型内に導入するた
めの流路(スプル51)がその中央に形成されている。
金型3は固定側型板32、固定側取付板33、スプルー
ブッシュ31、ロケートリング34、キャビティ53の
一部を画定するキャビティブッシュ35により構成され
ており、このうち、前述のスプルーブッシュ31は、前
述の射出装置2のバレル21の一端に設けられたノズル
23を介して射出された溶融材料を金型内に導入するた
めの流路(スプル51)がその中央に形成されている。
【0040】本実施形態においてこのスプルーブッシュ
31は、可動金型4に向かって突出するよう配置される
細径部31aと、射出装置2のノズル23側に位置して
配置される大径部31bを備え、ノズル側に位置する大
径部31b周縁には、これを他の部分より若干細径に形
成して段部31dが形成されている。
31は、可動金型4に向かって突出するよう配置される
細径部31aと、射出装置2のノズル23側に位置して
配置される大径部31bを備え、ノズル側に位置する大
径部31b周縁には、これを他の部分より若干細径に形
成して段部31dが形成されている。
【0041】また、前述のキャビティブッシュ35は、
後述する可動金型4の移動プレート41に形成された挿
孔42内に挿入される軸部35aと、該軸部35aより
も幅太に形成された頭部35bを備え、前記軸部35a
の先端は、挿孔42と嵌合した際に、製造される樹脂成
形品の形状を成すキャビティ53を形成する。
後述する可動金型4の移動プレート41に形成された挿
孔42内に挿入される軸部35aと、該軸部35aより
も幅太に形成された頭部35bを備え、前記軸部35a
の先端は、挿孔42と嵌合した際に、製造される樹脂成
形品の形状を成すキャビティ53を形成する。
【0042】以上のように形成されたスプルーブッシュ
31と、キャビティブッシュ35は、共に固定側型板3
2に設けられた取付孔32a,32bにそれぞれ挿入さ
れている。
31と、キャビティブッシュ35は、共に固定側型板3
2に設けられた取付孔32a,32bにそれぞれ挿入さ
れている。
【0043】すなわち、このスプルーブッシュ31の取
付孔32aに隣接して、固定側型板32には前述のキャ
ビティブッシュ35を取り付けるための取付孔32bが
形成され、この取付孔32b内に、軸部35aを可動金
型4に向けてキャビティブッシュ35の頭部35bを挿
入することにより、このキャビティブッシュ35が固定
側型板32に取り付けられている。
付孔32aに隣接して、固定側型板32には前述のキャ
ビティブッシュ35を取り付けるための取付孔32bが
形成され、この取付孔32b内に、軸部35aを可動金
型4に向けてキャビティブッシュ35の頭部35bを挿
入することにより、このキャビティブッシュ35が固定
側型板32に取り付けられている。
【0044】そして、キャビティブッシュ35の軸部3
5aが突出する側と反対側の固定側型板32の側面に、
固定側取付板33を取り付け、キャビティブッシュ35
が固定側型板32上で位置決めされている。
5aが突出する側と反対側の固定側型板32の側面に、
固定側取付板33を取り付け、キャビティブッシュ35
が固定側型板32上で位置決めされている。
【0045】なお、この固定側取付板33の中央部分に
は、前記スプルーブッシュ31の大径部31bが挿入さ
れる開孔33aが形成されており、この開孔33a内に
前記スプルーブッシュ31の大径部31bを、段部31
dが突出するように挿入している。
は、前記スプルーブッシュ31の大径部31bが挿入さ
れる開孔33aが形成されており、この開孔33a内に
前記スプルーブッシュ31の大径部31bを、段部31
dが突出するように挿入している。
【0046】そして、固定金型3のスプルーブッシュ3
1に隣接して設けたロケートリング34は、中央に開孔
34aが形成され、該開孔34a内に、前記スプルーブ
ッシュ31の段部31dを挿入してスプルーブッシュ3
1を固定側取付板33に固着している。
1に隣接して設けたロケートリング34は、中央に開孔
34aが形成され、該開孔34a内に、前記スプルーブ
ッシュ31の段部31dを挿入してスプルーブッシュ3
1を固定側取付板33に固着している。
【0047】前記ロケートリング34の中央部には、ス
プルーブッシュ31の段部31dが挿入された開孔34
aに連続して、射出装置2のノズル23が挿入される崔
頭円錐状の凹部34bが形成され、この凹部34bの細
径部となる可動金型4側に、スプルーブッシュ31の段
部31dの軸方向端面でノズルタッチ部31cが形成さ
れて射出装置2より射出された溶融材料が好適にスプル
51内に導入されるよう構成されている。
プルーブッシュ31の段部31dが挿入された開孔34
aに連続して、射出装置2のノズル23が挿入される崔
頭円錐状の凹部34bが形成され、この凹部34bの細
径部となる可動金型4側に、スプルーブッシュ31の段
部31dの軸方向端面でノズルタッチ部31cが形成さ
れて射出装置2より射出された溶融材料が好適にスプル
51内に導入されるよう構成されている。
【0048】可動金型4は、前述移動プレートの説明と
やや重複するが、前述の固定金型3の固定側型板32に
対峙する移動プレート41を備えており、この移動プレ
ート41には、固定金型3の固定側型板32より突出す
るスプルーブッシュ31の細径部31aが挿入される挿
孔43と、前述したキャビティブッシュ35の軸部35
aが挿入される挿孔42が形成され、キャビティブッシ
ュ35が前記挿孔42に挿入されたとき、このキャビテ
ィブッシュ35の軸部35aの先端と挿孔42の底部と
で囲まれた空間に、製造される樹脂成形品の形状を成す
キャビティ53が形成されている。
やや重複するが、前述の固定金型3の固定側型板32に
対峙する移動プレート41を備えており、この移動プレ
ート41には、固定金型3の固定側型板32より突出す
るスプルーブッシュ31の細径部31aが挿入される挿
孔43と、前述したキャビティブッシュ35の軸部35
aが挿入される挿孔42が形成され、キャビティブッシ
ュ35が前記挿孔42に挿入されたとき、このキャビテ
ィブッシュ35の軸部35aの先端と挿孔42の底部と
で囲まれた空間に、製造される樹脂成形品の形状を成す
キャビティ53が形成されている。
【0049】また、スプルーブッシュ31の細径部31
aが挿孔43に挿入された際、前記キャビティ53とス
プルーブッシュ31の細径部31a先端を連通するラン
ナ54が形成され、スプル51を介して導入された溶融
材料は、このランナ54を介してキャビティ53内に導
入可能とされている。
aが挿孔43に挿入された際、前記キャビティ53とス
プルーブッシュ31の細径部31a先端を連通するラン
ナ54が形成され、スプル51を介して導入された溶融
材料は、このランナ54を介してキャビティ53内に導
入可能とされている。
【0050】このランナ54とキャビティ53との間に
はゲート52が形成されており、このゲート52は、可
動金型4を固定金型3に向かって移動してキャビティ5
3の内部容積を減少する過程において、キャビティ53
の内部容積が、製造されるべき樹脂成形品の容積に溶融
材料の熱収縮による容積減少分を加算した容積となった
とき、ランナ54とキャビティ53間の連通を遮断す
る。
はゲート52が形成されており、このゲート52は、可
動金型4を固定金型3に向かって移動してキャビティ5
3の内部容積を減少する過程において、キャビティ53
の内部容積が、製造されるべき樹脂成形品の容積に溶融
材料の熱収縮による容積減少分を加算した容積となった
とき、ランナ54とキャビティ53間の連通を遮断す
る。
【0051】なお、可動金型4は固定金型3に既知のプ
ラーボルト(図示せず)と呼ばれる連結部材を介して連
結されており、この連結部材の長さによりその移動範囲
が規制され、可動金型が固定・可動金型を閉じた状態で
キャビティ内の容積を変化しつつ移動できるよう構成さ
れている。
ラーボルト(図示せず)と呼ばれる連結部材を介して連
結されており、この連結部材の長さによりその移動範囲
が規制され、可動金型が固定・可動金型を閉じた状態で
キャビティ内の容積を変化しつつ移動できるよう構成さ
れている。
【0052】また、固定金型3の固定側型板32と可動
金型4の移動プレート41間には、例えば板状あるいは
コイル状のスプリングから成る弾性部材(図示せず)が
可動金型4を固定金型3から離間する方向に付勢してい
る。そして、射出装置2からの溶融材料の導入時、この
弾性手段の付勢力とバランスする応力が可動金型4に生
じるよう、前記制御手段64により制御された型締ピス
トン63の押圧力が、可動金型4が取り付けられている
可動側ダイプレート62に付加されて、ゲート52が開
いた状態に位置されている(図1)。
金型4の移動プレート41間には、例えば板状あるいは
コイル状のスプリングから成る弾性部材(図示せず)が
可動金型4を固定金型3から離間する方向に付勢してい
る。そして、射出装置2からの溶融材料の導入時、この
弾性手段の付勢力とバランスする応力が可動金型4に生
じるよう、前記制御手段64により制御された型締ピス
トン63の押圧力が、可動金型4が取り付けられている
可動側ダイプレート62に付加されて、ゲート52が開
いた状態に位置されている(図1)。
【0053】この弾性手段と型締シリンダ63の相互の
応力がバランスした状態においては、可動金型4の前
進、後退のいずれの方向に対する新たな応力に対しても
自由に移動できる状態が作り出されているが、実際には
成形機のタイバー66と可動ダイプレート62の間に設
けられているメタル及び型締シリンダ63内に設けられ
たピストンのシーリングパッキン等とシリンダ63内壁
との摺接摩擦によって、幾分かの抵抗が生じており、金
型内部に流れ込んだ原材料によって内部圧力が所定の圧
力に上昇した後、キャビティ53の容積が大きくなる方
向に可動金型の後退方向への力が発生する。この後退
は、射出時に導入された溶融材料の導入量に応じてその
距離を変化し、従ってキャビティ53内に導入された溶
融材料は、この可動金型の移動により常に一定の圧力と
なるよう調整される。
応力がバランスした状態においては、可動金型4の前
進、後退のいずれの方向に対する新たな応力に対しても
自由に移動できる状態が作り出されているが、実際には
成形機のタイバー66と可動ダイプレート62の間に設
けられているメタル及び型締シリンダ63内に設けられ
たピストンのシーリングパッキン等とシリンダ63内壁
との摺接摩擦によって、幾分かの抵抗が生じており、金
型内部に流れ込んだ原材料によって内部圧力が所定の圧
力に上昇した後、キャビティ53の容積が大きくなる方
向に可動金型の後退方向への力が発生する。この後退
は、射出時に導入された溶融材料の導入量に応じてその
距離を変化し、従ってキャビティ53内に導入された溶
融材料は、この可動金型の移動により常に一定の圧力と
なるよう調整される。
【0054】移動プレート41は可動金型4と共に移動
し、固定金型3と可動金型4の間の樹脂成形品を取り出
すときの分割面(パーティングライン)が材料の充填の
間に分離しない役目をしている。
し、固定金型3と可動金型4の間の樹脂成形品を取り出
すときの分割面(パーティングライン)が材料の充填の
間に分離しない役目をしている。
【0055】〔動作〕以上のように構成された射出装置
2、金型5及び型締ユニット6から成る射出成形装置1
を使用した本発明の射出成形工程について説明すると、
先ず、射出装置2に設けられたホッパ24内に樹脂及び
金属粉体等から成る成形材料を投入すると共に、スクリ
ュ22を回転すると、このホッパ24内に投入された成
形材料はバレル21の外壁に設けられたバンドヒーター
による加熱、及びスクリュ22による混合・混練・圧縮
の際に生じる摩擦熱等により加熱・溶融されて可塑化さ
れ、バレル21内をノズル23方向に向かって移動す
る。
2、金型5及び型締ユニット6から成る射出成形装置1
を使用した本発明の射出成形工程について説明すると、
先ず、射出装置2に設けられたホッパ24内に樹脂及び
金属粉体等から成る成形材料を投入すると共に、スクリ
ュ22を回転すると、このホッパ24内に投入された成
形材料はバレル21の外壁に設けられたバンドヒーター
による加熱、及びスクリュ22による混合・混練・圧縮
の際に生じる摩擦熱等により加熱・溶融されて可塑化さ
れ、バレル21内をノズル23方向に向かって移動す
る。
【0056】スクリュ22は、回転の初期においてバレ
ル21内のノズル23側に位置した前進位置にあり、ス
クリュ22の回転に伴う溶融材料の搬送によりバレル2
1内のノズル23側に位置して溶融材料が滞留すること
により、徐々にノズル23側から射出シリンダ側に移動
する。そして、このスクリュ22が所定の位置まで後退
したことを検知手段29が検知すると、スクリュ22の
回転が停止して可塑化された材料の仮計量(仮計量工
程)が終了する。
ル21内のノズル23側に位置した前進位置にあり、ス
クリュ22の回転に伴う溶融材料の搬送によりバレル2
1内のノズル23側に位置して溶融材料が滞留すること
により、徐々にノズル23側から射出シリンダ側に移動
する。そして、このスクリュ22が所定の位置まで後退
したことを検知手段29が検知すると、スクリュ22の
回転が停止して可塑化された材料の仮計量(仮計量工
程)が終了する。
【0057】この仮計量工程においては、計量された溶
融材料の容積が、製造される樹脂成形品の容量に対して
金型内に過供給となる量に計量されるよう前記検知手段
による後退位置を設定する。
融材料の容積が、製造される樹脂成形品の容量に対して
金型内に過供給となる量に計量されるよう前記検知手段
による後退位置を設定する。
【0058】このようにして、材料の可塑化及び仮計量
が終了すると、射出シリンダ25に対して例えば圧縮空
気等の作動流体が導入され、スクリュ22がバレル21
内をノズル23側に前進されると共に、このスクリュ2
2の前進移動により、ノズル23側に位置してバレル2
1内に滞留していた仮計量された溶融材料がノズル23
を介して金型5内に全量射出される。
が終了すると、射出シリンダ25に対して例えば圧縮空
気等の作動流体が導入され、スクリュ22がバレル21
内をノズル23側に前進されると共に、このスクリュ2
2の前進移動により、ノズル23側に位置してバレル2
1内に滞留していた仮計量された溶融材料がノズル23
を介して金型5内に全量射出される。
【0059】ノズル23を介して射出された溶融材料
は、固定金型3のスプルー31からランナ54及びゲー
ト52を経てキャビティ53まで流れ込む。このとき、
型締シリンダ63は制御ユニット64により低圧の作動
状態に制御されており、可動金型4は、型締シリンダ6
3により固定金型3と可動金型4間に配置されたスプリ
ング等の弾性部材の付勢力により固定金型3から離間す
る方向の付勢力とバランスする力で固定金型3側に押圧
されていることから、キャビティ53やランナ54内に
導入された溶融材料の圧力によりこのバランスが崩れる
と、可動金型4は固定金型3から離間する方向に移動
し、キャビティ53及びランナ54が徐々にその内部容
積を拡大する。
は、固定金型3のスプルー31からランナ54及びゲー
ト52を経てキャビティ53まで流れ込む。このとき、
型締シリンダ63は制御ユニット64により低圧の作動
状態に制御されており、可動金型4は、型締シリンダ6
3により固定金型3と可動金型4間に配置されたスプリ
ング等の弾性部材の付勢力により固定金型3から離間す
る方向の付勢力とバランスする力で固定金型3側に押圧
されていることから、キャビティ53やランナ54内に
導入された溶融材料の圧力によりこのバランスが崩れる
と、可動金型4は固定金型3から離間する方向に移動
し、キャビティ53及びランナ54が徐々にその内部容
積を拡大する。
【0060】この可動金型4の移動量は一定しておら
ず、射出装置より射出される溶融材料の量に応じてその
移動量が決定されることから、射出された溶融材料の量
が多い場合には可動金型4の移動量が増すことにより、
少ない場合には可動金型4の移動量が減少することによ
り、導入される溶融材料の容積に応じてキャビティ53
の内部容積が変化し、前述の射出装置2による仮計量工
程において計量された溶融材料の量にばらつきが生じて
いる場合であっても、キャビティ53内に導入される溶
融材料の圧力を一定に補正することができる。
ず、射出装置より射出される溶融材料の量に応じてその
移動量が決定されることから、射出された溶融材料の量
が多い場合には可動金型4の移動量が増すことにより、
少ない場合には可動金型4の移動量が減少することによ
り、導入される溶融材料の容積に応じてキャビティ53
の内部容積が変化し、前述の射出装置2による仮計量工
程において計量された溶融材料の量にばらつきが生じて
いる場合であっても、キャビティ53内に導入される溶
融材料の圧力を一定に補正することができる。
【0061】スクリュ22がノズル23側に移動して、
このスクリュ22の前進移動が終了したことを検知手段
29が検知すると、バレル21の先端部に滞留されてい
た、仮計量された一回分の溶融材料の全量の射出が終了
する。この検知信号により、射出シリンダ25に対する
作動流体の供給を停止すると共に、射出シリンダ25の
ピストン前後の回路を開放して射出シリンダ25内でピ
ストンが自由に動ける状態とする。従ってこの射出シリ
ンダ25に連結されているスクリュ22も、バレル21
内を自由に進退移動することが可能となる。
このスクリュ22の前進移動が終了したことを検知手段
29が検知すると、バレル21の先端部に滞留されてい
た、仮計量された一回分の溶融材料の全量の射出が終了
する。この検知信号により、射出シリンダ25に対する
作動流体の供給を停止すると共に、射出シリンダ25の
ピストン前後の回路を開放して射出シリンダ25内でピ
ストンが自由に動ける状態とする。従ってこの射出シリ
ンダ25に連結されているスクリュ22も、バレル21
内を自由に進退移動することが可能となる。
【0062】また、この検知手段29の検知信号によ
り、型締ユニット6に設けられた制御手段64が高圧回
路に切り替わり、型締ユニット6の型締シリンダ63に
作動流体を供給して可動金型4を固定金型3に向かって
大きな型締め力で移動させる。
り、型締ユニット6に設けられた制御手段64が高圧回
路に切り替わり、型締ユニット6の型締シリンダ63に
作動流体を供給して可動金型4を固定金型3に向かって
大きな型締め力で移動させる。
【0063】この可動金型4の移動により、キャビティ
53内に過導入されていた溶融材料は、ランナ54及び
スプル51を通りバレル21の内部に逆流を始める。
53内に過導入されていた溶融材料は、ランナ54及び
スプル51を通りバレル21の内部に逆流を始める。
【0064】このように、キャビティ53に対して溶融
材料を過導入した後、過剰な溶融材料を直ちに排出する
ことにより、キャビティ53内は常に低い圧力で加圧さ
れた状態にあると共に、常に溶融材料の流動が生じてい
ることから、キャビティ53内に溶融材料を導入した際
にキャビティ53内壁との接触による冷却で形成された
スキン層は、キャビティ53の内壁から剥離することが
なく、また、コア層により再加熱されてこのスキン層が
軟化することが防止される。一例としてこのスキン層
は、3〜20μmであった。
材料を過導入した後、過剰な溶融材料を直ちに排出する
ことにより、キャビティ53内は常に低い圧力で加圧さ
れた状態にあると共に、常に溶融材料の流動が生じてい
ることから、キャビティ53内に溶融材料を導入した際
にキャビティ53内壁との接触による冷却で形成された
スキン層は、キャビティ53の内壁から剥離することが
なく、また、コア層により再加熱されてこのスキン層が
軟化することが防止される。一例としてこのスキン層
は、3〜20μmであった。
【0065】キャビティ53内の溶融材料の逆流は、可
動金型4の移動によりキャビティ53の入口に設けられ
たゲート52により、キャビティ53とランナ54との
連通が遮断されるまで行われる。
動金型4の移動によりキャビティ53の入口に設けられ
たゲート52により、キャビティ53とランナ54との
連通が遮断されるまで行われる。
【0066】このゲート52によるキャビティ53とラ
ンナ54間の遮断は、キャビティ53内の容積が、樹脂
成形品の容積に溶融材料の熱収縮による容積減少分の容
積を加算した容積となったとき行われるよう構成されて
おり、ゲート52が遮断された時点におけるキャビティ
53内の容積は、常に一定となるよう構成されている。
従って、このゲートの閉塞によりキャビティ53内の溶
融材料を常に一定量に計量することができる(計量工
程)。
ンナ54間の遮断は、キャビティ53内の容積が、樹脂
成形品の容積に溶融材料の熱収縮による容積減少分の容
積を加算した容積となったとき行われるよう構成されて
おり、ゲート52が遮断された時点におけるキャビティ
53内の容積は、常に一定となるよう構成されている。
従って、このゲートの閉塞によりキャビティ53内の溶
融材料を常に一定量に計量することができる(計量工
程)。
【0067】その後、可動金型4は、固定金型3との間
隔が完全に閉じる迄固定金型3側に移動され、ゲート5
2が閉じた後のキャビティ53内の溶融材料は、この可
動金型4の移動によるキャビティ53の容積減少により
加圧された状態で冷却される(加圧冷却工程)。このよ
うに、体積収縮分を考慮した量の溶融材料を、製造され
る樹脂成形品のサイズにまで圧縮した状態で冷却して成
型が行われることから、キャビティ53内の溶融材料は
冷却に際して体積収縮を生じることがなく、従って冷却
時における体積収縮によりフィラーが表出することもな
い。
隔が完全に閉じる迄固定金型3側に移動され、ゲート5
2が閉じた後のキャビティ53内の溶融材料は、この可
動金型4の移動によるキャビティ53の容積減少により
加圧された状態で冷却される(加圧冷却工程)。このよ
うに、体積収縮分を考慮した量の溶融材料を、製造され
る樹脂成形品のサイズにまで圧縮した状態で冷却して成
型が行われることから、キャビティ53内の溶融材料は
冷却に際して体積収縮を生じることがなく、従って冷却
時における体積収縮によりフィラーが表出することもな
い。
【0068】なお、このようにキャビティ53の入口
に、キャビティ53内が所定の容積となったときにキャ
ビティ53を閉塞するゲート52を設けたことにより、
このゲート52が閉じた後にはキャビティ53内の圧力
は、ランナ54、スプル51及び射出装置2のバレル2
1内の圧力の影響を受けないものとなる。
に、キャビティ53内が所定の容積となったときにキャ
ビティ53を閉塞するゲート52を設けたことにより、
このゲート52が閉じた後にはキャビティ53内の圧力
は、ランナ54、スプル51及び射出装置2のバレル2
1内の圧力の影響を受けないものとなる。
【0069】そのため、従来の射出成形法において溶融
材料の射出後に射出装置による保圧(後充填)を行う必
要があったが、前述した射出成形装置1を使用すること
によりこの保圧を行う必要がなくなる。従って、射出後
はスクリュ22に連結されている射出シリンダ25の作
動回路を開放し、射出シリンダ25内でピストンが自由
に移動できるようにすることで、スクリュ22をバレル
21内で自由に進退移動できる状態とすることが可能と
なる。
材料の射出後に射出装置による保圧(後充填)を行う必
要があったが、前述した射出成形装置1を使用すること
によりこの保圧を行う必要がなくなる。従って、射出後
はスクリュ22に連結されている射出シリンダ25の作
動回路を開放し、射出シリンダ25内でピストンが自由
に移動できるようにすることで、スクリュ22をバレル
21内で自由に進退移動できる状態とすることが可能と
なる。
【0070】このように、スクリュ22は射出後におい
てバレル21内を自由に進退移動することができるよう
に構成されていることから、可動金型4の移動によりキ
ャビティ53、ランナ54及びスプル51を介して逆流
した溶融材料は、射出装置2のバレル21内に導入され
て、スクリュ22を射出シリンダ25側に後退させる。
てバレル21内を自由に進退移動することができるよう
に構成されていることから、可動金型4の移動によりキ
ャビティ53、ランナ54及びスプル51を介して逆流
した溶融材料は、射出装置2のバレル21内に導入され
て、スクリュ22を射出シリンダ25側に後退させる。
【0071】そして、この状態において可塑化・仮計量
を行うためにスクリュ22を回転させると、スクリュ2
2の回転によりノズル側に溶融材料が滞留するに従い、
スクリュ22は射出シリンダ25側に後退し、この後退
位置が予め決定されている所定の位置に達したことを検
知手段29が検知したときその回転を停止して可塑化・
仮計量を完了する。
を行うためにスクリュ22を回転させると、スクリュ2
2の回転によりノズル側に溶融材料が滞留するに従い、
スクリュ22は射出シリンダ25側に後退し、この後退
位置が予め決定されている所定の位置に達したことを検
知手段29が検知したときその回転を停止して可塑化・
仮計量を完了する。
【0072】このとき、前述のように、計量工程におい
てバレル21内に戻された余分な溶融材料分、スクリュ
22は既に後退しているので、スクリュ22が後退して
検知手段により検知されるまでの距離は短くなってい
る。
てバレル21内に戻された余分な溶融材料分、スクリュ
22は既に後退しているので、スクリュ22が後退して
検知手段により検知されるまでの距離は短くなってい
る。
【0073】そのため、スクリュ22の回転時間も短
く、このスクリュ22の回転による樹脂材料の溶融・混
練の際に発生する摩擦熱等が樹脂材料に与えられる時間
も短くなり、これにより樹脂材料に与えられる熱量が補
正されることとなる。
く、このスクリュ22の回転による樹脂材料の溶融・混
練の際に発生する摩擦熱等が樹脂材料に与えられる時間
も短くなり、これにより樹脂材料に与えられる熱量が補
正されることとなる。
【0074】このように、バレル21内に戻される溶融
材料の量に応じて可塑化・仮計量の時間が補正されるこ
とから、この時間の相違により金型5に導入される溶融
材料の温度が直接的に補正され、射出装置2側から金型
5に射出される溶融材料の導入量も補正されることとな
る。よって、射出装置2により金型に射出される溶融材
料の温度及び量についても一定となることから、より均
一な条件において射出成形を行うことができる。
材料の量に応じて可塑化・仮計量の時間が補正されるこ
とから、この時間の相違により金型5に導入される溶融
材料の温度が直接的に補正され、射出装置2側から金型
5に射出される溶融材料の導入量も補正されることとな
る。よって、射出装置2により金型に射出される溶融材
料の温度及び量についても一定となることから、より均
一な条件において射出成形を行うことができる。
【0075】樹脂成形品の表面にフィラーを表出させる
必要がある場合には、フィラーを表出させたい部分の金
型温度を低く設定することで、この部分に導入された溶
融材料の表面温度を一時的に低下させて局部的に収縮を
起こさせることで、フィラーを表出させた後、前述と同
様の方法によりキャビティ53内に均一に圧力を加えて
フィラーが表出した状態のまま冷却、固化させる。
必要がある場合には、フィラーを表出させたい部分の金
型温度を低く設定することで、この部分に導入された溶
融材料の表面温度を一時的に低下させて局部的に収縮を
起こさせることで、フィラーを表出させた後、前述と同
様の方法によりキャビティ53内に均一に圧力を加えて
フィラーが表出した状態のまま冷却、固化させる。
【0076】例えば、キャビティ内にボンディングされ
たリードフレームを配置すると共に、このキャビティを
備える金型内に溶融材料を導入してICチップ等の電子
部品の封止を行う場合、固化した樹脂は、電子部品との
接触面においてはフィラーが表出することなく、その他
の部分においてはフィラーが表出して空気等と接触する
ことにより放熱性能を向上させることができるが、この
場合には金型の温度を低く設定すると、導入された溶融
材料は、この金型のキャビティ内壁と接触した部分にお
いては収縮が起こりフィラーが表出するが、ICチップ
との接触部分においてはフィラーの表出が生じずに絶縁
性を得ることができる。
たリードフレームを配置すると共に、このキャビティを
備える金型内に溶融材料を導入してICチップ等の電子
部品の封止を行う場合、固化した樹脂は、電子部品との
接触面においてはフィラーが表出することなく、その他
の部分においてはフィラーが表出して空気等と接触する
ことにより放熱性能を向上させることができるが、この
場合には金型の温度を低く設定すると、導入された溶融
材料は、この金型のキャビティ内壁と接触した部分にお
いては収縮が起こりフィラーが表出するが、ICチップ
との接触部分においてはフィラーの表出が生じずに絶縁
性を得ることができる。
【0077】従って、電気的な短絡によりICチップが
焼き付くことを防止することができると共に、フィラー
が表出した部分においては、熱伝導率の高い金属が露出
しているために放熱性能が向上されて、放熱性能の向上
された封止を行うことができる。
焼き付くことを防止することができると共に、フィラー
が表出した部分においては、熱伝導率の高い金属が露出
しているために放熱性能が向上されて、放熱性能の向上
された封止を行うことができる。
【0078】
【発明の効果】上述説明した本発明の構成により、所望
に応じて樹脂材料中に添加されたフィラーが表出するこ
とを防止でき、従って金属や合金等の導電性を有するフ
ィラーを使用した場合であっても、成形された樹脂成形
品に絶縁性を持たせることができる。
に応じて樹脂材料中に添加されたフィラーが表出するこ
とを防止でき、従って金属や合金等の導電性を有するフ
ィラーを使用した場合であっても、成形された樹脂成形
品に絶縁性を持たせることができる。
【0079】その結果、熱伝導率が高く、従って放熱性
能の高い金属や合金の粉体をフィラーとして使用した封
止材料により、電子部品等の封止を行うことが可能とな
り、絶縁性により電気的な短絡による部品の焼き付き等
を防止できると共に、高い放熱性能を有する封止が可能
となった。
能の高い金属や合金の粉体をフィラーとして使用した封
止材料により、電子部品等の封止を行うことが可能とな
り、絶縁性により電気的な短絡による部品の焼き付き等
を防止できると共に、高い放熱性能を有する封止が可能
となった。
【0080】また、射出成形の際の金型温度を適宜調節
することにより、樹脂成形品に部分的にフィラーを表出
させることができ、電子部品等とは接触しない、絶縁性
を付与することが不要な部分において熱伝導率の高い金
属や合金の粉体から成るフィラーを表出させることによ
り、放熱性能がより一層向上された封止を行うことがで
きた。
することにより、樹脂成形品に部分的にフィラーを表出
させることができ、電子部品等とは接触しない、絶縁性
を付与することが不要な部分において熱伝導率の高い金
属や合金の粉体から成るフィラーを表出させることによ
り、放熱性能がより一層向上された封止を行うことがで
きた。
【図1】本発明の方法に使用する射出成形装置の一例を
示す概略断面図。
示す概略断面図。
【図2】本発明の方法に使用する金型の一例を示す断面
概略斜視図であり、溶融材料の射出前の状態を示す。
概略斜視図であり、溶融材料の射出前の状態を示す。
【図3】本発明の方法に使用する金型の一例を示す断面
概略斜視図であり、溶融材料の射出を受けキャビティを
拡大している状態を示す。
概略斜視図であり、溶融材料の射出を受けキャビティを
拡大している状態を示す。
【図4】本発明の方法に使用する金型の一例を示す断面
概略斜視図であり、計量工程が完了した状態を示す。
概略斜視図であり、計量工程が完了した状態を示す。
【図5】本発明の方法に使用する金型の一例を示す断面
概略斜視図であり、加圧冷却工程を示す。
概略斜視図であり、加圧冷却工程を示す。
1 射出成形装置
2 射出装置
21 バレル
22 スクリュ
22a スクリュの一端
22b スクリュの他端
23 ノズル
24 ホッパ
25 射出シリンダ
26 プランジャ
27 被動ギヤ
28 スプライン
29 検知手段
29a リミットスイッチ
29b 検知板
3 固定金型
31 スプルーブッシュ
31a 細径部
31b 大径部
31c ノズルタッチ部
31d 段部
32 固定側型板
32a,32b 取付孔
33 固定側取付板
33a 開孔
34 ロケートリング
34a 開孔
35 キャビティブッシュ
35a 軸部
35b 頭部
4 可動金型
41 移動プレート
42 挿孔(キャビティブッシュ用)
43 挿孔(スプルーブッシュ用)
5 金型
51 スプル
52 ゲート
53 キャビティ
54 ランナ
6 型締ユニット
61 固定側ダイプレート
62 可動側ダイプレート
63 型締シリンダ
64 制御手段
65 型締ラム
66 ダイバー
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4F202 AB11 AB16 AH33 CA11 CB01
CK06 CK07 CK17
4F206 AB11 AB16 AH37 JA07 JB30
JD04 JM13 JN31 JQ81
Claims (4)
- 【請求項1】 金属及び/又は合金の粉体をフィラーと
して添加した樹脂材料を溶融して可塑化すると共に、こ
の溶融材料を一回分の成形に必要な容積以上の容積とな
るよう仮計量する工程と、 前記工程において仮計量された溶融材料を、内部容積を
変化可能に構成されたキャビティを備える金型内に射出
すると共に、前記射出された溶融材料の容積に応じて前
記キャビティの内部容積を増大変化させながら前記溶融
材料を前記キャビティ内に導入する工程と、 前記工程により内部容積が増大変化された前記キャビテ
ィの前記内部容積を減少変化させ、前記キャビティ内に
過剰に導入された溶融材料をキャビティ外に排出すると
共に、前記キャビティの内部容積が、製造される樹脂成
形品の容積に前記溶融材料の冷却時における収縮分の容
積を加算した内部容積となったとき、前記キャビティを
閉塞する工程と、 前記キャビティの容積を、製造される樹脂成形品の容積
となるまで更に減少して前記溶融材料を加圧すると共
に、該加圧下で前記溶融材料を冷却して固化する工程を
含むことを特徴とする金属及び/又は合金粉体をフィラ
ーとした樹脂成形品の射出成形方法。 - 【請求項2】 前記金型の少なくとも一部分の設定温度
を他の部分に比較して低く設定し、該部分に対応するキ
ャビティの内壁に位置して導入された前記可塑材料を一
時的に冷却して収縮させることにより、該位置の樹脂成
形品の表面に、前記金属及び/又は合金粉体のフィラー
を表出させることを特徴とする請求項1記載の金属及び
/又は合金粉体をフィラーとした樹脂成形品の射出成形
方法。 - 【請求項3】 前記溶融材料の射出をインラインスクリ
ュ式の射出装置により行うと共に、この射出の終了後、
前記射出装置のスクリュを前記射出装置のバレル内を進
退移動可能な状態と成し、 前記キャビティの容積減少時においてキャビティ外に排
出された溶融材料を、前記射出装置のバレル内に逆流さ
せて前記射出装置のスクリュを後退させると共に、該後
退位置から前記スクリュを回転させて、該スクリュが所
定の後退位置に至ったとき前記仮計量を終了することを
特徴とする請求項1又は2記載の金属及び/又は合金粉
体をフィラーとした樹脂成形品の射出成形方法。 - 【請求項4】 金属粉体と樹脂材料とを混合・混練・溶
融して可塑化して溶融材料とすると共に、この溶融材料
を計量する軽量手段を有し、金型内に射出する射出装置
と、この射出装置によって射出された溶融材料を導入
し、所定の形状に冷却・固化する金型と、該金型が取り
付けられる型締ユニットとから成り、 前記型締ユニットは、固定金型を有する固定側ダイプレ
ートと、可動金型を有する可動側ダイプレートと、前記
可動側ダイプレートを作動する型締シリンダとから成
り、金型内のランナを介して溶融材料が導入されるキャ
ビティの内部容積を、キャビティ内に樹脂成形品の製造
に必要とされる溶融材料以上の量、溶融材料を過導入す
べく可動金型を移動させ、且つ、金型内のキャビティを
溶融材料の体積収縮分を考慮した容積に減少して、キャ
ビティを製造される樹脂成形品サイズに容積減少してキ
ャビティ内の圧力を上昇させる可動側ダイプレートの動
作を制御する制御手段を有し、前記ランナとキャビティ
との間にはゲートが形成され、前記キャビティの内部容
積が、製造されるべき樹脂成形品の容積に溶融材料の熱
収縮による容積減少分を加算した容積となったとき、前
記ランナとキャビティ間の連通を遮断するゲートを有す
ることを特徴とする金属及び/又は合金粉体をフィラー
とした樹脂成形品の射出成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001252558A JP2003062852A (ja) | 2001-08-23 | 2001-08-23 | 金属及び/又は合金粉体をフィラーとした樹脂成形品の射出成形方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001252558A JP2003062852A (ja) | 2001-08-23 | 2001-08-23 | 金属及び/又は合金粉体をフィラーとした樹脂成形品の射出成形方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003062852A true JP2003062852A (ja) | 2003-03-05 |
Family
ID=19081013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001252558A Pending JP2003062852A (ja) | 2001-08-23 | 2001-08-23 | 金属及び/又は合金粉体をフィラーとした樹脂成形品の射出成形方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003062852A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006278568A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Matsushita Electric Works Ltd | 電磁波シールド筐体 |
CN102785326A (zh) * | 2011-05-19 | 2012-11-21 | 深圳市安托山特种机电有限公司 | 一种新型封装材料注射机 |
JP2014107430A (ja) * | 2012-11-28 | 2014-06-09 | Nec Tokin Corp | リアクトル |
-
2001
- 2001-08-23 JP JP2001252558A patent/JP2003062852A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006278568A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Matsushita Electric Works Ltd | 電磁波シールド筐体 |
JP4635679B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-02-23 | パナソニック電工株式会社 | 電磁波シールド筐体の製造方法 |
CN102785326A (zh) * | 2011-05-19 | 2012-11-21 | 深圳市安托山特种机电有限公司 | 一种新型封装材料注射机 |
JP2014107430A (ja) * | 2012-11-28 | 2014-06-09 | Nec Tokin Corp | リアクトル |
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