JP2003056074A - 打撃を伴わない回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル - Google Patents

打撃を伴わない回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル

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JP2003056074A
JP2003056074A JP2001241270A JP2001241270A JP2003056074A JP 2003056074 A JP2003056074 A JP 2003056074A JP 2001241270 A JP2001241270 A JP 2001241270A JP 2001241270 A JP2001241270 A JP 2001241270A JP 2003056074 A JP2003056074 A JP 2003056074A
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container
capsule
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Shigeo Kimura
重夫 木村
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Nippon Decoluxe KK
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NIPPON DEKORATSUKUSU KK
Nippon Decoluxe KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】施工時の騒音レベルを低下させることのでき
る、および/または、騒音発生時間を短縮することので
きる、固定要素固着用樹脂カプセルを提供する。 【解決手段】剛性を有し、回転により粉砕される容器4
と、前記容器4内に充てんされるラジカル硬化型樹脂の
主剤を含有する組成物8と、前記容器4内に前記ラジカ
ル硬化型樹脂の主剤との反応が回避された状態で収容さ
れる硬化剤14、とを備え、前記ラジカル硬化型樹脂主
剤含有組成物8の粘度が20℃において、10Pa・s
以上200Pa・s以下および/または20℃における
チキソトロピー係数が1.1以上5.0以下である、打
撃を伴わない回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル
とする。このカプセル2を用いて、打撃を伴わない回転
施工を行うことにより、施工時の騒音レベルの低下、お
よび/または、騒音発生時間の短縮を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル硬化型樹
脂の固定要素固着用樹脂カプセルに関し、特にコンクリ
ートなどの母材に、ボルト、異形棒鋼、インサート金物
等の固定要素を後付けする際に使用する、ラジカル硬化
型樹脂主剤を封入した固定要素固着剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にコンクリート壁などに、ボルト、
異形鉄筋等の固定要素を固着するには次のような方法が
行われている。すなわち、先ずドリルによリコンクリー
ト等の母材に所定の穴を穿設して、該穴内に接着剤入り
のカプセルを挿入し、その後、ボルト等を埋め込み機で
打撃を加えつつ回転させながら埋め込むとともにカプセ
ルを破壊して、穴内に接着剤の流出と硬化を生じさせる
ことにより、ボルトを穴に固着する。
【0003】このような固定要素固着用のカプセルは、
ガラス製あるいは合成樹脂製の容器にラジカル硬化型樹
脂と硬化剤とが互いに隔離された状態で封入されて形成
されている。そして、ボルトの埋め込みの際に容器が破
壊されることにより、ラジカル硬化型樹脂の主剤と硬化
剤とが混合されるようになっている。このようなカプセ
ルにおいて、樹脂主剤と硬化剤とのこのような隔離状態
を形成するには、従来、容器を二重構造とし、内側容器
に硬化剤を充てんし、外側容器に、硬化型樹脂の主剤や
骨材等を充てんしたものがある。また、棒状に成形した
硬化剤を樹脂主剤の入った容器内に充てんし、硬化剤表
面にラジカル硬化型樹脂の硬化膜を形成させることによ
り、硬化剤とラジカル硬化型樹脂の主剤とを隔離収容し
たものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなカプセルにおいては、回転・打撃によりアンカー筋
等の埋設を行うものが一般的であり、打撃時に騒音・振
動が発生し、居住区域での使用については、問題があっ
た。また、既に存在する構築物において追加の工事、例
えば、耐震構造部材の施工などを行う場合には、施工時
の騒音や振動のために、施工できる時間や期間が制限さ
れるという問題があった。
【0005】そこで、本発明では、施工時の騒音レベル
を低下させることのできる、および/または、騒音発生
時間を短縮することのできる、固定要素固着用樹脂カプ
セルを提供することを目的とする。また、本発明は、施
工時の騒音レベルを低下させることのできる、および/
または、騒音発生時間を短縮することのできる、固定要
素の固着方法を提供することも、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するべく検討したところ、打撃を伴わない回
転施工によって固定要素を固着すれば騒音レベルを低減
できることを見出し、さらに、このような固定要素の施
工に適した、樹脂カプセルの構成を見出し、本発明を完
成した。すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供
される。
【0007】(1) 剛性を有し、回転により粉砕され
る容器と、前記容器内に充てんされるラジカル硬化型樹
脂の主剤を含有する組成物と、前記容器内に前記ラジカ
ル硬化型樹脂の主剤との反応が回避された状態で収容さ
れる硬化剤、とを備え、前記ラジカル硬化型樹脂主剤含
有組成物の粘度が20℃において、10Pa・s以上2
00Pa・s以下および/または20℃におけるチキソ
トロピー係数が1.1以上5.0以下である、打撃を伴
わない回転施工用の固定要素固着用樹脂カプセル。 (2)前記容器内には、平均粒径が2mm以下の骨材を
含有する、(1)記載の固定要素固着用樹脂カプセル。 (3)前記容器の外側に硬化剤の被膜を備える、(1)
又は(2)に記載の固定要素固着用樹脂カプセル。ラジ
カル硬化型樹脂主剤含有組成物の粘度が20℃におい
て、10Pa・s以上200Pa・s以下および/また
は20℃におけるチキソトロピー係数が1.1以上5.
0以下であることにより、打撃を伴わない固定要素の回
転施工時における音や震動の発生を有効に抑制すること
ができる。このため、施工時の騒音を低減することがで
きる。また、固定要素の回転によって破壊される容器と
硬化剤とが所定粘度あるいはチキソトロピーを呈する組
成物によって良好に混合されるため、回転施工時間が短
縮され、結果として騒音発生時間も短縮される。特に、
骨材の平均粒径が2mm以下の場合には、固定要素の回
転時における抵抗を低減することができるため、音や震
動の発生が低減される。また、容器の外側に硬化剤の被
膜を備えることにより、硬化剤と樹脂主剤との混合がよ
り良好に達成されるようになる。
【0008】さらに、本発明によれば、以下の手段も提
供される。 (4)固定要素を固着する方法であって、前記固定要素
を固着するための孔部に、(1)〜(3)のいずれかに
記載の固定要素固着用樹脂カプセルを挿入し、さらに、
固定要素を、打撃を伴わない回転施工により前記孔部に
埋設し、固着する、方法。また、この固定要素の固着方
法は、耐震構造部材の施工方法にも適用することができ
る。すなわち、耐震構造部材施工のための固定要素を固
着するための孔部に、(1)〜(3)のいずれかに記載
の固定要素固着用樹脂カプセルを挿入し、さらに、前記
固定要素を、打撃を伴わない回転施工により前記孔部に
埋設し、固着する、方法を採用することにより、低騒音
および/または振動での耐震施工が可能となる。
【0009】これらの方法によると、固定要素施工時に
おける騒音レベルおよび/または騒音発生時間が低減さ
れている。このため、居住地域ないしは居住者のいる構
築物内外での各種施工を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1に、本発明の樹脂カプセル2の
一形態を例示する。本発明の樹脂カプセルは、剛性を有
し、回転により粉砕される容器4と、前記容器内に充て
んされるラジカル硬化型樹脂の主剤を含有する組成物8
と、前記容器内に前記ラジカル硬化型樹脂の主剤との反
応が回避された状態で収容される硬化剤14、とを備え
ており、前記ラジカル硬化型樹脂主剤含有組成物8の粘
度が20℃において、10Pa・s以上200Pa・s
以下および/または20℃におけるチキソトロピー係数
が1.1以上5.0以下である、打撃を伴わない回転施
工用の固定要素固着用樹脂カプセルである。
【0011】容器4は、剛性容器で、固定要素の固着時
に回転により粉砕される性質をを満たす限り、ガラス製
の外、樹脂製であってもよく、特に、限定しないが、固
着時に固着をさまたげることのない程度の材質と量であ
ればよい。好ましくは、ガラス製容器である。容器4の
サイズは、本樹脂カプセルのサイズにおおよそ一致す
る。本発明においては、外径15mm〜25mm、長さ
70mm〜200mm程度の容器とすることが好まし
い。
【0012】樹脂カプセル2としては、具体的には、円
筒、角管等の各種管状体、様々な形状の球体、棒状体、
立方体あるいは直方体等の状体を包含する。本樹脂カプ
セル2としては、好ましくは円筒状、及び組合せにより
骨材などを含有するものである。
【0013】容器4内には、前記容器内に充てんされる
ラジカル硬化型樹脂の主剤を含有する組成物8を有して
いる。本発明におけるラジカル硬化型樹脂としては、特
に限定しないが、エポキシアクリレート樹脂、ポリエス
テルアクリレート樹脂、アクリルウレタン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等を包含する。特に、ラジカル硬化型
樹脂の中でも、エポキシアクリレート樹脂及び/又は、
不飽和ポリエステル樹脂とすることが好ましい。なお、
ラジカル硬化型樹脂の主剤とは、硬化剤以外の硬化前の
樹脂材料を意味する。
【0014】これらのラジカル硬化型樹脂の主剤の少な
くとも一部として、反応性モノマーを使用することもで
きる。かかる反応性モノマーとしては、スチレンモノマ
ー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リルレート、エチレングリコールジメタクリレート、シ
クロヘキシルフタレート、n―ブチルメタクリレート、
2−ヒドロシキエテル(メタ)アクリルレート、ベンジ
ル(メタ)アクリルレート、フェノキシエチル(メタ)
アクリルレート、1,4−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリルレート、トリメタアクリル酸トリメチロー
ルプロパン、マレイン酸ジメチル、イソボニル(メタ)
アクリルレート、ブタンジオール(メタ)アクリルレー
ト、2−ヒドロシキエチル(メタ)アクリルレート、
2,2−ビス[4−(メタクリロキシージエトキシ)]
フェニルプロパン等がある。
【0015】これらの反応性モノマーは、ラジカル硬化
型樹脂主剤に対して0〜100%の範囲で使用すること
ができるが、好ましくは、20〜60重量%の範囲で使
用する。
【0016】また、当該組成物8には、硬化促進剤を含
めることができる。かかる硬化促進剤としては、N,N
−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,
N−ジメチル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシ
プロピル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロ
ピル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−
P−トルイジン等の芳香族アニリン類、ナフテン酸コバ
ルト等の金属石鹸類、バナジルアセチルアセトネート等
のキレート化合物等がある。これらの硬化促進剤は、ラ
ジカル硬化型樹脂に対して、例えば、0.01〜5重量
%の範囲で添加されている。
【0017】当該組成物8は、前記ラジカル硬化型樹脂
主剤含有組成物の粘度(20℃)が10Pa・s以上2
00Pa・s以下である、および/または、20℃にお
けるチキソトロピー係数が1.1以上5.0以下であ
る。粘度が10Pa・s未満であると、固定要素に対す
る回転抵抗が小さすぎるため、ラジカル硬化型樹脂と硬
化剤との混合不足となる可能性が高くなり、200Pa
・sを超えると、固定要素に対する回転抵抗が大きくな
りすぎるからである。一方、当該範囲内であると、破壊
されたガラス容器の破片や骨材と硬化剤とを組成物に混
合させるのに、好ましい混合性を得つつ、かつ攪拌混合
による衝撃を吸収することができる。このため、音や振
動の発生を抑制できるとともに、短時間で良好な混合状
態を得ることができる。より好ましくは、20Pa・s
以上70Pa・s以下(20℃)である。粘度は、B型
粘度計、E型粘度計でのJIS K6833(粘度測
定)あるいはこれ準じた粘度測定法によって計測するこ
とができる。粘度は、0.5rpmの見かけ粘度η0.
5で表される。例えば、E型粘度計(東京計器社製、E
HD−U型)を用いて試料量10.0gにて測定するこ
とができる。組成物の粘度は、例えば、ラジカル硬化型
樹脂主剤に添加する充填材や骨材の添加量にて制御する
ことができる。これらの添加物の配合比率が高い程粘度
が高くなる。
【0018】好ましくは、組成物8は塑性流体あるいは
擬塑性流体である。組成物が塑性流体あるいは擬塑性流
体であるか否かは、粘度計による測定を利用して判断す
ることができる。組成物が塑性流体あるいは擬塑性流体
であるか否かは、粘度計による測定を利用して判断する
ことができる。具体的には、B型粘度計、E型粘度計で
のJIS K6833(粘度測定)あるいはこれに準じ
た粘度測定法によって判断することができる。また、組
成物8の20℃におけるチキソトロピー係数が1.1以
上5.0以下であると、固定要素の回転施工時において
発生する抵抗を低下させることができる。このため、音
や震動の発生を抑制することができる。また、良好に混
合できるため、回転施工時間を短縮できる。チキソトロ
ピー係数が1.1未満であると、固定要素に対する回転
抵抗が小さすぎるため、ラジカル硬化型樹脂と硬化剤と
が混合不足になる可能性が高くなり、5.0を超える
と、固定要素に対する回転抵抗が大きくなりすぎるから
である。好ましくは、チキソトロピー係数は2.0以上
4.0以下である。チキソトロピー係数は、具体的に
は、B型粘度計、E型粘度計でのJIS K6833
(粘度測定)あるいはこれ準じた粘度測定法によって計
測することができる。例えば、チキソトロピー係数は、
E型粘度計(東京計器社製、EHD−U型)を用いて試
料量10.0gとし、回転数1rpmと10rpmのみ
かけ粘度η1とη10の比η1/η10として表すこと
ができる。好ましくは、前記所定範囲の粘度と前記所定
範囲のチキソトロピー係数との双方とを備える組成物8
を用いる。
【0019】組成物8の粘度の調整や、チキソトロピー
を呈するようにするには、多糖類、樹脂、ゴム等の有機
高分子、セラミックス、ガラス、金属などの無機化合
物、鉱物等を利用することができる。具体的には、二酸
化珪素等を主成分とする特殊シリカ、炭酸カルシウム、
珪酸カルシウム等の無機化合物、または、ガラス長繊
維、マイクロバルーン、さらに、カルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、グアーガム、ローカストビ
ーンガム、ゼラチン、PVA、アラビアゴム、微結晶性
セルロース、アミロース、アミロペクチン等の多糖類等
である。また、コロイダルシリカ、フュ−ムドシリカ、
シリカエーロゲル、有機改質粘土、クレー、シリカパウ
ダー、酢酸セルロース、セピオライト、アエロジル(商
品名、日本アエロジル社製)、チクソゲル(商品名、横
浜化成社製)等のチキソトロピー付与剤も使用できる。
なお、所定の粘度付与あるいはチキソトロピー性付与の
ために、顔料や着色料を用いることもできる。
【0020】本発明においては、これらの粘性ないし流
動性調整剤(以下、単に粘性調整剤という。)を1種類
あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。粘性調
整剤は、分散状、溶解、あるいは相溶して組成物中に存
在する。好ましくは分散形態であり、分散される形態と
しては、略球状体、不定形状体、繊維状体、フレーク状
体等である。粘性調整剤として、好ましくは二酸化珪
素、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム等であり、最も好
ましくは、二酸化珪素等の特殊シリカである。また、こ
れらの粘性調整剤は、ラジカル硬化型樹脂に対して、0
〜300%の範囲で使用することがてきるが、好ましく
は、5〜50重量%の範囲で使用する。
【0021】容器4内の組成物8には、骨材12を含有
させることもできる。使用する骨材12としては、特に
限定しないが、マグネシアクリンカー、又はガラス、セ
ラミック等の人工の無機系骨材、あるいは、珪石、大理
石、御影石、珪砂、石英等の天然の無機系骨材が使用で
きる。また、硬質塩化ビニルのような硬質プラスチック
製の有機系骨材を用いることもできる。骨材12の形態
は、特に限定しないが、略球状体、チップ状体の外、フ
レーク状体等であるが、好ましくは、略球状体である。
本発明においては、好ましくは、平均粒径が2mm以下
である。平均粒径が2mmを超えると、アンカー筋等の
固定要素の埋込作業時において、固定要素に対する回転
抵抗が大きくなり、それによる騒音が発生し、騒音が大
きくなるからである。より好ましくは、1mm以下であ
る。
【0022】骨材12の含有量は、組成物全体の重量に
対して20〜80wt%であることが好ましい。20w
t%未満であると固定要素に対する回転抵抗が小さす
ぎ、80wt%を超えると回転抵抗が大きくなりすぎる
からである。より好ましくは40〜60wt%である。
【0023】本発明の樹脂カプセル2の容器4内には、
前記組成物8との反応が回避された状態で硬化剤14を
有している。硬化剤14は、容器4内の前記組成物8と
の接触が回避される隔壁を備えた状態で存在されてい
る。硬化剤14は、棒状、球状等の所望の形状を有する
成形体であり、隔壁としては、ラジカル硬化型樹脂の硬
化膜を有する形態で存在していてもよいし、あるいは、
棒状等で中空状の隔離用容器に充てんされた状態で存在
していてもよい。
【0024】硬化剤14は、また、容器の外側及び/又
は内側に被膜16として付与されていてもよい。好まし
くは外側である。容器4の内外表面に被膜16として硬
化剤14を備えると、回転施工時において、効果的に樹
脂の主剤と硬化剤14とが接触することにより、容易に
樹脂主剤との良好な混合状態を得ることができる。硬化
剤の被膜16は、好ましくは、容器4の外表面あるいは
内表面の少なくともおおよそ半分である。外表面に備え
ていることが好ましい。
【0025】ラジカル硬化型樹脂の硬化剤14として
は、例えば、キュメンパーオキサイド等のハイドロオキ
サイド類、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパー
オキサイド類、過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキ
サイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケト
ンパーオキサイド類、ビスー(4−t−ブチルシクロヘ
キシル)パーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート等のパーオキシエステル類等の有機過酸化
物、及びこれらの有機過酸化物をフタル酸ジシクロヘキ
シル等の有機物や、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等
の無機物で希釈したものも使用できる。好ましくは、パ
ーオキサイド系硬化剤であり、特に好ましくは、ジアシ
ルパーオキサイド類であり、さらに好ましくは、過酸化
ベンゾイル、及び過酸化ベンゾイルを希釈剤で希釈した
ものである。硬化剤は、ラジカル硬化型樹脂成形体全重
量に対して、硬化剤は、好ましくは、1〜70重量%含
有されている。1重量%未満であると、硬化剤が少なす
ぎて、充分なラジカル硬化型樹脂の硬化状態が得られに
くいからであり、70重量%を超えると、硬化成形体の
成形性や強度に問題が生じやすくなるからである。特
に、過酸化ベンゾイルなどのパーオキサイド類を使用す
る場合、好ましくは、1〜30重量%である。より好ま
しくは、かかる硬化剤含有量が、ラジカル硬化型樹脂の
重量に対して1〜10重量%である。
【0026】なお、硬化剤14を隔壁を介して樹脂の主
剤組成物8中に含有する場合においても、容器4の内外
表面に被膜16として硬化剤を備える場合においても、
必要に応じて硬化剤14とともに、着色料、顔料の他
に、繊維状体、粉状体、粒状体、チップあるいはフレー
ク状体を添加できる。また、充てん性や被覆性を確保す
るために、樹脂や多糖類、、接着剤等を含有することも
できる。
【0027】本発明の樹脂カプセル2によれば、打撃を
伴わない回転施工により、低騒音、すなわち、低い騒音
レベルと短い騒音発生時間とを容易に得ることができ
る。このため、従来と異なり、騒音のために、施工時間
帯、施工時期、施工場所を制限されることがなく、近隣
の居住者や施工を実施する居住者に対する騒音の影響を
回避しつつ、固定要素の固着作業や、耐震構造部材の施
工を実施することができる。
【0028】例えば、出力が好ましくは600W以下の
打撃を伴わない回転施工用の回転工具を用いて施工する
ことにより、騒音を60dB以下に抑制できる。また、
回転施工時間を従来20秒程度であったものを半分以下
の10秒以下とすることができる。このような騒音低減
効果は、特にアンカー筋寸法が外径16mm〜22mm
程度のものについて顕著に発揮される。これらのサイズ
は、耐震構造付加工事に使用されるのに適したアンカー
筋のサイズである。なお、騒音は、JIS C1502
に適合する騒音レベル計を、JIS Z8731に規定
される条件に準じて測定することができる。例えば、図
2に示すようなRC構造の壁(厚さ0.25m)を母材
として、図示左区画の所定位置で固定要素の埋め込み施
工を実施して、そのときの図示右側区画の所定の測定位
置における騒音を、計量法普通騒音計(例えば、リオン
NL−06 JIS C1502適合)を測定すること
によって、騒音を評価することもできる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の具体例について説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)ラジカル硬化型樹脂である、不飽和ポリエ
ステル樹脂23gに粘度増加を付与させるための粘性調
整材を10g、焼成骨材(球状、粒径0.5mm〜1.
0mmが90%以上である)を26g混合し、混練した
主剤樹脂組成物を調製する。外径7mm、長さ95mm
のガラス管の内部に過酸化ベンゾイルを定量充填しシー
ルしたものを、外径16.5mm、長さ80mmで一方
を封塞した管状ガラス管に予め硫酸カルシウムにて25
%に希釈された過酸化ベンゾイルにアクリル系接着剤を
混合調製したものを塗装乾燥させたものに挿填した後、
前記の調製した主剤樹脂を同管状ガラス管の内部に定量
充墳し、キャップにてシールした後、本発明の固定要素
固着用樹脂カプセルを得た。
【0030】これを、圧縮強度21N/mm2のコンク
リートく体に、外径19mm、深さ130mmの穴を穿
設する。穿設穴をブラシ、吸塵機等で清掃した後、本発
明のアンカー固着用樹脂カプセルを挿填し、アンカー筋
D16(材質:SD345材)を回転ドリル(出力30
0W)に装着し、アンカーの回転にてカプセルを破砕混
合させ、穴の底まで埋め込んだ。なお、埋めこみのため
の回転施工時間は、4秒であった。このアンカー埋込作
業において騒音試験、また硬化養成1日後、アンカーの
引張試験を行ったところ下記のような結果が得られた。
なお、騒音試験は、図2に示すようなRC構造の壁(厚
さ0.25m)を母材として、図示左区画の所定位置で
固定要素の埋め込み施工を実施して、そのときの図示右
側区画の所定の測定位置における騒音を、計量法普通騒
音計(例えば、リオンNL−06 JIS C1502
適合)を測定することによって評価した。試験時、気温
約16℃、湿度約60%であった。
【0031】
【表1】
【0032】引抜試験結果については、すべての試験体
にて鋼材の降伏点以上であり、良好な固着性能が確認さ
れた。また、騒音試験についても、騒音規制法および騒
音規制法に定める環境基準となる60dB以下(A特
性)(騒音規制法に定める第3種及び第4種区域、振動
規制法に定める第2種区域)を満足する良好な計測結果
を確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低騒音アンカー固着用樹脂カプセルの
一例を示す図である。
【図2】騒音の評価方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 樹脂カプセル 4 容器 8 ラジカル硬化型樹脂の主剤を含有する組成物 12 骨材 14 硬化剤 16 被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E125 AA48 AA53 AB13 AC14 AE01 BA13 BE10 CA86 EA00 4J040 DC032 DF061 EC361 ED111 EF181 FA231 HA346 HA356 HB41 JA11 JA13 JB02 KA03 KA16 KA17 KA42 LA11 MA03 MA06 MB12 NA12 PA25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有し、回転により粉砕される容器
    と、 前記容器内に充てんされるラジカル硬化型樹脂の主剤を
    含有する組成物と、 前記容器内に前記ラジカル硬化型樹脂の主剤との反応が
    回避された状態で収容される硬化剤、とを備え、 前記ラジカル硬化型樹脂主剤含有組成物の粘度が20℃
    において、10Pa・s以上200Pa・s以下および
    /または20℃におけるチキソトロピー係数が1.1以
    上5.0以下である、打撃を伴わない回転施工用の固定
    要素固着用樹脂カプセル。
  2. 【請求項2】前記容器内には、平均粒径が2mm以下の
    骨材を含有する、請求項1に記載の固定要素固着用樹脂
    カプセル。
  3. 【請求項3】前記容器の外側に硬化剤の被膜を備える、
    請求項1又は2に記載の固定要素固着用樹脂カプセル。
  4. 【請求項4】 固定要素を固着する方法であって、 前記固定要素を固着するための孔部に、請求項1〜3の
    いずれかに記載の固定要素固着用樹脂カプセルを挿入
    し、 さらに、固定要素を、打撃を伴わない回転施工により前
    記孔部に埋設し、固着する、方法。
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