JP6837228B2 - 無機系固定要素固着カプセル - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート製の母材にアンカーボルト等の固定要素を後付けする際に使用する固定要素固着カプセルに関し、特に、セメントを使用した無機系の固定要素固着カプセルに関する。
一般に、コンクリート壁などにアンカーボルト、アンカー筋、インサート金物等の固定要素を後付け固着するには、次のような方法が行われている。先ず、ドリルによってコンクリートに所定の穴を穿設して、この穴の中に固着剤入りの固着カプセルを挿入する。その後、固定要素を埋め込み機で回転させながら埋め込むことで固着カプセルを破壊して、穴内にて固着剤の流出・混合・硬化を生じさせることにより、固定要素を穴に固着する。
このような固定要素固着カプセルは、回転により破壊可能なカプセル内に、骨材のほか、固着剤として、互いに反応して硬化(固着)する2つの固着成分が互いに隔離された状態で封入されている。そして、固定要素の埋め込みの際にカプセルが破壊されることにより、2つの固着成分が混合されることで硬化が進行し、固定要素を固着するようになっている。このような固着剤としては、ラジカル反応により硬化するラジカル硬化型樹脂とその硬化剤との組み合わせからなる有機系の固着剤のほか、セメントと水との組み合わせからなる無機系の固着剤もある。
ところで、セメントを使用した無機系の固着カプセルによって固定要素を固着する場合、当該固着カプセルを穴の中で破壊すると、固着カプセル内に封入されていた水が外部に流出することになるが、その水が周囲のコンクリートに吸収されて固着剤が粉っぽくなることがある。この現象は、通称「ドライアウト」と称される。このドライアウト状態となると、セメントの硬化速度が過度に上昇してしまう。この場合、硬化が早すぎて固定要素を穴の奥にまで確り挿入できなかったり、固着剤の混錬が不十分となって、施工できない若しくは固着強度が大きく低下するという問題が発生する。したがって、従来では、穴を穿設した後、固着カプセルを挿入する前後に、ドライアウトを防止するためわざわざ穴の内部に水を散布して湿潤させたうえで、固定要素の埋め込みを行うことが一般的であった。
このようなドライアウトに対応した技術として、例えば下記特許文献1,2が提案されている。特許文献1には、紙製の吸水性容器にセメントと急結剤を収納した固着カプセルを使用してアンカー素子(固定要素)を定着する方法において、保水性物質を溶解又は分散させてなる水を注水してから固着カプセルを孔に入れるか、固着カプセルを孔に入れてから水を注水した後、アンカー素子を押し込んで固着カプセルを破壊する方法が開示されている。
特許文献2には、水硬性物質を紙目を有するヒートロン紙に封入してなるアンカー定着材が開示されている。特許文献2では、アンカー定着材を1.5〜30分間水に浸漬してある程度ヒートロン紙に水を吸収させてから、アンカー定着材を穿孔内に充填し、アンカー筋(固定要素)を圧入してアンカー定着材を破壊している。
また、無機系の固着剤を使用した固着カプセルとしては、他にも下記特許文献3が提案されている。特許文献3では、混合時間が短時間の場合でも充分に混練することができ、固着強度のばらつきも小さく、短時間で硬化して固定要素を固着でき施工管理も容易であって、耐熱性及び耐久性の高い固定要素固着材を提供することを目的として、水を含有しない液状親水性有機物質及び水硬性物質(セメント)を含有する混合物と、水を含有する液状物とを、別々の容器に収容した固定要素固着カプセルが開示されている。また、固着剤以外に、骨材のほか、硬化遅延剤や増粘剤等を混合してもよいとされているが、上記課題を解決するため、実際には硬化促進剤を添加している。
特開平3-225000号公報 特許第5410144号公報 特開2006−161461号公報
特許文献1,2はドライアウトに対応した技術であるが、作業現場において水を吸水性容器に吸収させたうえで施工しているので、吸水時間(浸漬時間)のバラツキや個々の固着カプセルの吸水性のバラツキ等により水/セメント比が変化するため、一定の固着強度が得られないという大きな問題を有する。しかも、従来と同様に固定要素によって固着カプセルを破壊する前にわざわざ穴内を湿潤させる必要があるので、当該穴湿潤工程が手間となる。
一方、特許文献3では、そもそもドライアウトには何ら対応していない。特許文献3のように組成物に硬化促進剤が添加されていると、セメントの硬化が積極的に促進されるため、ドライアウトがより生じ易くなってしまう。
そこで本発明は、上記課題を解決するものであって、穴を予め湿潤させなくてもドライアウトを防止できる無機系固定要素固着カプセルを提供することを目的とする。
そのための手段として、本発明の無機系固定要素固着カプセルは、固定要素の回転接触により破壊可能な筒状のカプセル内に、水、骨材、増粘剤、及び活性化剤を含有するスラリーと、酸化カルシウムを主成分とするセメント粉末とが隔離された状態で封入されている。ここで、スラリー中における増粘剤の含有量は10〜30重量%であり、且つスラリーの25℃における粘度は5〜60Pa・sである。そのうえで、スラリーの保水率が、90%以上であることを特徴とする。
なお、増粘剤としては第三リン酸カルシウムが好ましく、活性化剤としてはケイ酸ナトリウム塩が好ましい。また、スラリーは硬化遅延剤も含有することも好ましい。さらに、セメント粉末にアルミナセメントを混合することも好ましい。
本発明によれば、固着カプセルを破壊する前(セメント粉末と混合する前)のスラリーの保水率が90%以上もある。そのため、固定要素の回転接触によりカプセルを破壊しても、スラリー中の水が高い割合で保持される。したがって、硬化主剤としてのセメント粉末と混合する際に固着カプセル内の水が周囲のコンクリートに吸収される量が従来に比べて極めて少ないため、いわゆるドライアウト状態となることを避けることができる。これにより、固着カプセルを破壊する前に従来から一般的に行っていた穴湿潤工程を省くことができる。
しかも、本発明では固着カプセル内に予め水とセメント粉末とを隔離された状態で封入しているので、水/セメント比を正確に設計することができ、且つ水/セメント比がバラツクことも無いので、施工毎の固着強度が安定する。また、増粘剤を適量含有し、スラリーが適度な粘度を有していれば、良好な施工性及び固着強度を確保できる。
なお、セメント粉末の代わりに硬化主剤として水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムを使用すると、スラリーと混合した際の硬化速度が速すぎて固定要素を確実に施工することができなくなる。しかも、硬化主剤として水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムを使用する場合に、これらを硬化させる成分としてリン酸水素アンモニウムを使用した場合は、硬化後(固定要素固着後)にアンモニア成分が揮発して臭気が生じる問題もある。これに対し本発明では、硬化主剤として酸化カルシウムを主成分とするセメント粉末を用いているため、硬化に適度な時間を要することで固定要素を確実に施工することができることに加え、セメント粉末を硬化させる成分として水及び活性化剤(ケイ酸ナトリウム塩)を使用しているだけ(アンモニア成分は含まない)なので、固定要素を固着した後に臭気が発生することも無い。増粘剤として第三リン酸カルシウムを用いれば、粘度の調製が容易である。
さらに、スラリーに硬化遅延剤を添加していれば、仮に固着カプセル中の水が僅かに周囲のコンクリートに吸収され、極軽度のドライアウト状態となったとしても、硬化遅延剤の存在によってセメントの硬化速度が遅くなるため、固定要素を確実に穴の奥にまで挿入することができる。これにより、固着強度をより安定して確保することができる。セメント粉末にアルミナセメントも混合していれば、硬化初期から良好な固着強度を得ることができる。
固定要素固着カプセルの断面図である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態の固定要素固着カプセル(以下、単に固着カプセルと称す)1は、図1に示すように、外カプセル2内に、水や骨材5等を含有するスラリー(組成物)3と、セメント粉末4とが互いに隔離された状態で封入されている。詳しくは、外カプセル2内にスラリー3と共に内カプセル7が収容されており、内カプセル7内にセメント粉末4が封入されている。
外カプセル2は有底筒状の容器であり、保管のために一定の剛性(保形性)を有する一方、固定要素を穴内へ施工する際の回転接触により破壊可能な素材からなる。外カプセル2は、ガラス製又は合成樹脂製とすることができるが、中でもガラス製が好ましい。ガラス製であれば、合成樹脂製よりも長期保存性が良く、且つ固定要素の回転接触により粉砕され易いからである。外カプセル2の開口は、ポリエチレン等からなる合成樹脂製のキャップ6によって封止されている。
内カプセル7も、外カプセル2と同様に有底筒状の容器であり、固定要素の回転接触により破壊可能なガラス製又は合成樹脂製となっている。内カプセル7と外カプセル2とは、同じ素材にすることが好ましい。内カプセル7と外カプセル2の素材が異なると、組成物3とセメント粉末4との混錬性が悪化する虞があるからである。内カプセル7の開口も、ポリエチレン等からなる合成樹脂製の封止材によって封止されている。
外カプセル2や内カプセル7の平断面(径方向断面)形状は、円形や楕円形のほか、四角形や五角形等の多角形にすることもできる。中でも、円形が好ましい。外カプセル2や内カプセル7が円形であれば、固定要素を埋設するための穴の形状と合致しており、且つ応力集中も生じ難いため、粉砕性や施工性が良好となる。
セメント粉末4は、固定要素固着剤の硬化主剤となる成分である。セメント粉末4としては、少なくとも酸化カルシウムを主成分とするセメント粉末を用いる。具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメントが挙げられる。また、ポルトランドセメントにフライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム、又は石灰石粉末などを混合した各種混合セメントも使用することができる。
また、セメント粉末4には、必須成分としてのポルトランドセメントに、アルミナセメントを混合することも好ましい。材料コストを抑える点ではポルトランドセメントのみが好ましいが、アルミナセメントを混合していれば、施工直後から高い固着強度を得られるメリットがある。この場合、セメント粉末4の全量中、アルミナセメントの含有量は1〜40重量%程度とすればよい。アルミナセメントの含有量が少ないほど材料コスト削減に有利であり、アルミナセメントの含有量が多いほど、短時間で高い固着強度が得られる。また、アルミナセメントは、耐火性及び耐酸性に優れ、寒冷地や化学工場での施工にも有利である。
スラリー3は、水と、骨材5と、増粘剤と、活性化剤とを必須成分として含有する組成物である。なお、水と活性化剤は、セメント粉末4を硬化させる硬化剤として機能する。骨材5は、固定要素を回転施工する際の回転抵抗を調整し、施工後の固着強度を安定化するために配合される。当該骨材5としては、この種の固着カプセルにおいて従来から一般的に使用されているものを特に制限なく使用できる。例えば、珪砂、山砂、海砂、陸砂、川砂、スラグ、再生骨材、セメントクリンカ、セラミックビーズ、ガラスビーズ等が挙げられる。スラリー3中における骨材5の含有量は、20〜80重量%程度とすればよく、好ましくは30〜60重量%、より好ましくは35〜50重量%である。骨材5の含有量が20重量%未満では、固定要素に対する回転抵抗が小さすぎ、80重量%を超えると回転抵抗が大きくなりすぎる。
なお、骨材5の中でも、珪砂が好ましい。珪砂によれば、その他の骨材よりもセメント粉末との混練性が高く、高い固着強度を得られやすい。また、セラミックビーズ等のように硬度の高い骨材では、固着要素を施工する際に、回転と共に打撃を加える回転打撃施工が必要となるが、珪砂であれば打撃を伴わない回転施工によって良好に施工できる。珪砂としては、花崗岩や珪岩の風化により得られた天然物でもよいし、珪石を粉砕した人工珪砂でもよい。
増粘剤は、スラリー3の粘度を調整するために配合される。当該増粘剤としては、第三リン酸カルシウムが最も好ましい。増粘剤として第三リン酸カルシウムを使用すれば、水を含む組成物がスラリー状になり、他の材料を使用した場合よりも所望の粘度に調製し易い。例えば、増粘剤としてシリカ微粒子を使用すると、当該シリカ微粒子が活性化剤によって溶解してしまうので、所望の粘度を得難くなる。スラリー3中における増粘剤の含有量は、10〜30重量%好ましい。増粘剤の含有量がこの範囲を外れていると、スラリー3とセメント粉末4との混錬性が低下し、固着要素を施工できない場合が生じる。
活性化剤は、水とセメント粉末4との反応を活性化させるものである。活性化剤としては、ケイ酸ナトリウム塩が好ましい。具体的には、ケイ酸ソーダ(水ガラス)が挙げられる。スラリー3中における活性化剤の含有量は、10〜40重量%程度とすればよく、好ましくは15〜30重量%である。
そのうえで、セメント粉末4と混錬する前(固着カプセル1を破壊する前)のスラリー3の保水率は、少なくとも90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上とする。スラリー3の保水率は、スラリー3に含まれる特定の成分のみによって定まるものではなく、各成分全体のトータル的なバランスによって調整される。スラリー3の保水率が90%未満だと、穴湿潤工程を経なければドライアウトが生じて固定要素を確り施工できなくなる。保水率の上限は、理想的には100%なので、保水率の上限は特に制限されない。
また、セメント粉末4と混錬する前(固着カプセル1を破壊する前)のスラリー3の25℃における粘度は、5〜60Pa・sが好ましく、10〜50Pa・sがより好ましく、15〜40Pa・sがさらに好ましい。スラリー3の25℃における粘度がこの範囲にあることで、固定要素を確実に固着することができる。
スラリー3には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて硬化遅延剤、チキソトロピー化剤、着色剤、顔料、紫外線吸収剤、界面活性剤等の添加剤を添加することができる。中でも、硬化遅延剤が好ましい。
硬化遅延剤は、セメント粉末4の硬化速度を遅延させるために添加する。当該硬化遅延剤を添加していれば、スラリー3の保水率が比較的低くて軽度のドライアウトが生じ得る環境にあったとしても、セメント粉末4の硬化速度が遅くなることで、固定要素を確実に施工することができる。硬化遅延剤としては、代表的にはホウ酸塩化合物が挙げられる。この場合、スラリー3中における硬化遅延剤の含有量は、0.1〜15重量%程度とすればよく、好ましくは0.5〜12重量%である。
本発明の固着カプセル1を使用して固定要素を施工する際は、先ず、ドリルによってコンクリート製の母材に所定の穴を穿設して、この穴の中に固着カプセル1を挿入する。そのうえで、固定要素を埋め込み機で回転させながら埋め込んで、固定要素を固着カプセル1に回転接触させることで外カプセル2及び内カプセル7を破壊し、穴内にて組成物3とセメント粉末4とを混錬・硬化させることにより、固定要素を穴に固着する。このとき、本発明の固着カプセル1によればドライアウトは生じないので、固定要素を施工する前に穴内を湿潤させる必要はない。而して、穴湿潤工程を経ることなくドライアウトを防ぎながら固定要素を円滑に固着することができる。
(実施例1〜5、比較例1〜2)
穿孔径24mm、穿孔深さ250mmの穴に、外径20.5mm、長さ180mmのガラス製円筒型固着カプセルを挿入し、穴湿潤工程を経ずにD19のアンカー筋を回転ドリルにて回転施工(打撃は伴わない)により埋め込み固着し、24時間硬化養生後の、アンカー引張強度(固着強度)及び引張破壊パターンを表1に示す。このとき、固着カプセルに封入したセメント粉末としては、ポルトランドセメント70重量%、アルミナセメント30重量%の混合セメントとした。また、各実施例・比較例で使用したスラリーの組成も、表1に示す。なお、スラリーには、骨材として珪砂を、増粘剤として第三リン酸カルシウムを、活性化剤としてケイ酸ソーダを、硬化遅延剤として四ホウ酸ナトリウムをそれぞれ使用し、残部は水である。
また、セメント粉末と混錬する前(固着カプセルを破壊する前)のスラリーの粘度及び保水率を次のように測定した。
<粘度>
外径44mm、内径40mm、高さ180mmのガラス管に、組成物を高さ120mmの位置まで充填し、アルミホイルで蓋をした。25℃に設定した恒温恒湿機内にガラス管を入れ、組成物の温度が25℃になるまで保管する。そして、東京計器(株)製のB型粘度計にNo.4のロータをセットし、組成物の粘度の測定を開始する。測定開始後、粘度が一定になるまで回転数30rpmで回転させ、1分以上粘度が変化しない状態で粘度計に示される値を記録する。そのうえで、粘度計の取扱説明書に記載されている換算乗数表に基づき、以下の式により粘度を求めた。
η=η0×K
η:試験体の粘度(mPa・s-1)
η0:測定開始後に粘度計の示す値が一定になった時の粘度
K:換算乗数(=200)
<保水率>
保水率の試験方法としては、JIS A 6916附属書aの「保水性試験(ろ紙法)」を参照した。
150×150×5mmのガラス板上に、直径11cmの5種Aろ紙を乗せ、ろ紙の中央部に、内径50mm、高さ10mm、厚さ3mmのリング型枠を設置して、組成物をリング型枠内に平坦に詰め込み、直ちにリング型枠上部にガラス板を当てて上下にひっくり返し、ろ紙部分が上部になるようにして静置する。60分後、ろ紙へにじみ出た水分の広がりが最大と認められた方向と、これに直角な方向の長さをノギスを用いて1mmまで測定する。試験は3回行い、平均値L60(mm)を用いて以下の式により保水率Rw(%)を求めた。
Rw=(Lγ/L60)×100
L60:60分後の水分の広がり(mm)
Lγ:リング型枠の内径(mm)
(比較例3)
硬化主剤として、セメント粉末の代わりに水酸化マグネシウムを使用し、スラリーの代わりにリン酸アンモニウム水溶液(リン酸アンモニウム濃度31質量%)を用いた以外は、実施例1等と同じ条件で試験した。その結果、硬化速度が速すぎて、アンカー筋を穴の奥まで確り挿入固着することができなかった。
Figure 0006837228
表1の結果から、スラリー3の25℃における粘度が5〜60Pa・sであり、且つ保水率が90%以上あれば、穴湿潤工程を経なくても、ドライアウトが生じず固定要素を確実に固着することができることが確認された。一方、比較例1では、スラリー3の保水率が90%に満たないためドライアウトが発生し、且つ粘度が低すぎるため、固定要素を固着できなかった。また、比較例2では、スラリー3の保水率が高いことでドライアウトは発生しなかったが、粘度が高すぎるため固定要素を固着できなかった。
1 固着カプセル
2 外カプセル
3 スラリー
4 セメント粉末
5 骨材
6 キャップ
7 内カプセル

Claims (4)

  1. 固定要素の回転接触により破壊可能な筒状のカプセル内に、水、骨材、増粘剤、及び活性化剤を含有するスラリーと、酸化カルシウムを主成分とするセメント粉末とが隔離された状態で封入されており、
    前記スラリー中における前記増粘剤の含有量が10〜30重量%であり、
    前記スラリーの25℃における粘度が5〜60Pa・sであり、
    前記スラリーの保水率が90%以上であり、
    前記増粘剤が第三リン酸カルシウムである、無機系固定要素固着カプセル。
  2. 前記活性化剤が、ケイ酸ナトリウム塩である、請求項1に記載の無機系固定要素固着カプセル。
  3. 前記スラリーが、さらに硬化遅延剤を含有する、請求項1または請求項2に記載の無機系固定要素固着カプセル。
  4. 前記セメント粉末に、アルミナセメントが混合されている、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無機系固定要素固着カプセル。
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