JP2003247392A - 袋付きセグメント - Google Patents

袋付きセグメント

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JP2003247392A
JP2003247392A JP2002050428A JP2002050428A JP2003247392A JP 2003247392 A JP2003247392 A JP 2003247392A JP 2002050428 A JP2002050428 A JP 2002050428A JP 2002050428 A JP2002050428 A JP 2002050428A JP 2003247392 A JP2003247392 A JP 2003247392A
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Japan
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bag
fiber
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surrounding frame
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JP2002050428A
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Munetaka Ozeki
宗孝 大関
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Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd
Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
Original Assignee
Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd
Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて高強度で且つ高い耐久性を有する袋付
きセグメントを提供する。 【解決手段】 掘削孔内で円周方向にリング状に連結さ
れるセグメント本体1の外周側に、グラウトの充填によ
ってセグメント本体1と地山との間に膨張させられる袋
体2が取り付けられた袋付きセグメントSにおいて、セ
グメント本体1を、少なくともセメント、ポゾラン質微
粉末、粒径2mm以下の骨材、水、及び減水剤が含有さ
れた配合物を硬化させたコンクリートにより構成するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒状壁体と掘削孔
との間に形成されるテールボイドへ、裏込め材を充填す
る際に用いて好適な、袋付きセグメントに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、シールド工法において、筒状
壁体と掘削孔との間に形成されるテールボイドと称する
空隙部へ、筒状壁体を構成するセグメントの内外に亘っ
て形成された注入孔からモルタル等の裏込め材を注入充
填し、地山の肌落ちによる地盤の緩みを防止することが
行われている。特に、掘進方向が急激に変化する急曲線
覆工箇所等ではテールボイドが大きくなってしまうが、
このように大きなテールボイドに裏込め材を高圧で充填
すると、この裏込め材がテールボイドから流出して、シ
ールド掘削機側へと流入してしまうおそれがあった。し
かし逆に、シールド掘削機側への裏込め材の流入を防止
すべく、裏込め材の注入圧力を抑えると、圧力不足によ
りセグメントと地山との接着力の低下を招き、トンネル
の変形を招くおそれがあった。
【0003】このため近年では、筒状壁体を構成するセ
グメントとして所定のもの、すなわち、セグメント本体
の外周側に袋体が設けられた構成の、袋付きセグメント
が使用されてきている。この袋付きセグメントを円周方
向に連結して構成したリングを所定間隔毎に配設して筒
状壁体を構成し、各々の袋体にグラウトを高圧充填して
膨張させて、その外周を掘削孔の地山の内面に密着させ
る。こうすることで、テールボイドは所定範囲毎に区画
されるので、この区画されたテールボイドに裏込め材を
高圧で充填することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした袋付きセグメ
ントにおいては、グラウトを高圧充填することによって
袋体を膨張させて地山を押圧するため、その反力によっ
てセグメント本体には多大な応力が作用する。加えて、
例えば大深度トンネルを構築する場合等のように、筒状
壁体を洪積層内に設けることとなる場合には、高い水圧
による多大な応力も作用する。これまで、セグメント本
体は、主に鋼により構成されていたが、高圧の地下水に
より腐食が発生して、強度や耐久性が低下してしまうお
それがあった。また、通常のコンクリートで構成しよう
とすると、上記のような高い応力に耐えうるような強度
を発現させることは困難であった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、極めて高強度で且つ高い耐久性を有する袋付きセグ
メントを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、掘削孔内で円周方向にリング状に連結されるセグメ
ント本体の外周側に、グラウトの充填によって前記セグ
メント本体と地山との間に膨張させられる袋体が取り付
けられた袋付きセグメントにおいて、前記セグメント本
体は、少なくともセメント、ポゾラン質微粉末、粒径2
mm以下の骨材、水、及び減水剤が含有された配合物を
硬化させたコンクリートにより構成されていることを特
徴とする。
【0007】このようなコンクリートでセグメント本体
を構成しているので、打設前のコンクリートの流動性、
分離抵抗性を高めることができるとともに、硬化後のコ
ンクリート、すなわちセグメント本体の強度を極めて高
いものとすることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の袋付きセグメントであって、前記配合物中に、金属繊
維及び/又は有機繊維が含有されていることを特徴とす
る。
【0009】このように、金属繊維及び/又は有機繊維
を含有しているので、コンクリートの曲げ強度及び曲げ
靱性を高めることができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の袋付きセグメントであって、前記金属繊維は、直径が
0.01〜1.0mm、且つ繊維長が2〜30mmの鋼
により構成されていることを特徴とする。また、請求項
4に記載の発明は、請求項2に記載の袋付きセグメント
であって、前記有機繊維は、直径が0.005〜1.0
mm、且つ繊維長が2〜30mmの、ビニロン繊維、ポ
リプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維或
いは炭素繊維のうちから選択された少なくとも1種によ
り構成されていることを特徴とする。
【0011】このように、強度に優れた繊維を用いてい
るので、コンクリートの強度をより高めることができ
る。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
何れかに記載の袋付きセグメントであって、前記配合物
中に、平均粒径3〜20μmの無機粉末が含有されてい
ることを特徴とする。
【0013】このような無機粉末を含有しているので、
コンクリートの充填密度を高めることができる。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
何れかに記載の袋付きセグメントであって、前記配合物
中に、平均粒度1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子
が含有されていることを特徴とする。
【0015】このような繊維状粒子又は薄片状粒子を含
有しているので、コンクリートの靱性をより高めること
ができる。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
何れかに記載の袋付きセグメントであって、前記袋体
は、前記セグメント本体の外周側に形成された囲枠部内
に、前記セグメント本体に固定されて折り畳み自在に設
けられ、前記セグメント本体の内外に貫通した注入孔か
ら前記グラウトが充填されることを特徴とする。
【0017】このように、セグメント本体の内側から注
入孔を経て袋体にグラウトを充填するようにしているの
で、グラウト充填時に袋体が膨脹して地山に密着する。
即ち、この袋付きセグメントを円周方向へ配設してなる
リングを、掘削孔の軸線方向へ間隔をあけて設置して、
それぞれの袋体を膨脹させて、地山へ密着させることに
より、これら袋付きセグメントの袋体によってテールボ
イドが軸線方向へ区画され、この区画されたテールボイ
ドへの高圧での裏込め材の注入が可能となる。加えて、
袋体を囲枠部内に設けるようにしているので、袋体を的
確に収容できるとともに、囲枠部がシールド掘削機のテ
ールシールに直接的に接触し、テールシールの移動によ
って加えられる力の大半を囲枠部で受けるので、袋体に
加わるテールシールの摩擦力が軽減される。このため、
テールシール等の移動に伴う袋体の破損や捩れが緩和さ
れる。
【0018】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の袋付きセグメントであって、前記袋体は、一端側を前
記セグメント本体に固定された布状の袋部材と、該袋部
材の他端側に設けられ、該袋部材が前記囲枠部内に折り
畳まれた状態時に該袋部材を覆う薄板状の蓋部材と、を
備えていることを特徴とする。
【0019】このように、囲枠部内に折り畳まれた状態
時に、蓋部材が袋部材を覆うようにしているので、袋部
材とテールシール等とが直接接触して擦られることな
く、袋体のテールシール等による破損や捩れなどが的確
に防止される。
【0020】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の袋付きセグメントであって、前記蓋部材は、前記囲枠
部に着脱可能に嵌着されていることを特徴とする。
【0021】このように、蓋部材を囲枠部に着脱可能に
嵌着しているので、袋体が囲枠部内に折り畳まれた状態
時には、袋体のテールシール等による破損や捩れなどが
より一層的確に防止される。そして、袋体にグラウトを
充填して袋体を膨張させると、その膨張力によって蓋部
材が囲枠部から外れて、袋体は外方へ自由に膨張してい
くことができるので、簡易な構成として的確に蓋部材を
着脱可能とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る袋付きセグメ
ントの実施の形態について、図1乃至図3を用いて説明
する。
【0023】図2に示すように、この袋付きセグメント
Sは、セグメント本体1と、このセグメント本体1の外
周側に取り付けられ外周側へと膨張させられる袋体2と
から構成されている。
【0024】セグメント本体1はコンクリートからなる
もので、図1に示すように、表裏、すなわちに内周側か
ら外周側へと貫通する注入孔4が形成されている。セグ
メント本体1の外周側における両長辺部には、囲枠部1
aが外周側に屹立するようにして形成されているととも
に、この囲枠部1aの内側面には、略V字状或いは略コ
の字状をなして長辺方向に延在するように、嵌着溝1g
が形成されている。囲枠部1a内には、後述するように
袋体2が取り付けられるので、囲枠部1a内のセグメン
ト本体1には、袋体2を取り付け固定するための鋲6が
嵌入される固定穴1dが形成されている。また、セグメ
ント本体1の側面には、他のセグメントと連結固定する
ための連結穴1cが、適宜形成されている。
【0025】このセグメント本体1は、少なくともセメ
ント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の骨材、水、
及び減水剤が含有された配合物を硬化させたコンクリー
トにより構成されている。
【0026】セメントとしては、各種ポルトランドセメ
ントや高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合
セメントが、特に好適である。しかし、他のセメントを
用いても良く、その種類は特に限定されるものではな
い。なお、コンクリートの早期強度を向上しようとする
場合は、早強ポルトランドセメントを使用することが好
ましく、またコンクリートの流動性を向上しようとする
場合は、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトラン
ドセメントを使用することが好ましい。
【0027】ポゾラン質微粉末の例としては、シリカフ
ューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山
灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。シリカフ
ュームやシリカダストは、一般的にその平均粒径は1.
0μm以下であり、粉砕等の処理を行う必要がないの
で、特に好適である。
【0028】このようなポゾラン質微粉末を配合するこ
とにより、そのマイクロフィラー効果及びセメント分散
効果によりコンクリートが緻密化し、圧縮強度が向上す
る。なお、ポゾラン質微粉末の添加量が多くなると、単
位水量が増大するので、ポゾラン質微粉末の添加量は、
セメント100重量部に対して5〜50重量部が好まし
い。
【0029】骨材としては、粒径2mm以下の粒体を用
いることが好ましい。ここで、骨材の粒径とは、85w
t%累積粒径である。なお、粒径2mmよりも大きい骨
材が含まれていてもよいが、骨材の粒径が2mmを超え
ると、コンクリートの強度が低下してしまうおそれがあ
る。つまり、コンクリートの分離抵抗性、或いは硬化後
の強度等を考慮すると、最大粒径が2mm以下の骨材を
用いることが好ましく、最大粒径が1.5mm以下の骨
材を用いることがより好ましい。
【0030】このような骨材としては、川砂、陸砂、海
砂、砕砂、珪砂及びこれらの混合物を使用することがで
きる。骨材の配合量は、コンクリートの作業性や分離抵
抗性、硬化後の強度やクラックに対する抵抗性等を考慮
すると、セメント100重量部に対して50〜250重
量部が好ましく、80〜180重量部がより好ましい。
【0031】減水剤としては、リグニン系、ナフタレン
スルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水
剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を
使用することができる。それらの中でも、高性能減水剤
又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。減水
剤の添加量は、コンクリートの流動性や分離抵抗性、硬
化後の強度、さらにはコスト等を考慮すると、セメント
100重量部に対して、固形分換算で、0.5〜4.0
重量部が好ましい。
【0032】なお、水/セメント比は、コンクリートの
流動性や分離抵抗性、硬化体の強度や耐久性等を考慮す
ると、10〜30%が好ましく、15〜25%がより好
ましい。
【0033】また、セメント硬化時間の短縮を図るため
には、急硬材を用いることが好ましいが、その種類は特
に限定されない。一般的に急硬材としては、セメント鉱
物系と無機塩系とがあるが、トンネル工法において通常
用いられているのはセメント鉱物系の粉体であり、これ
をスラリー化してベースコンクリートに添加混合する。
こうしたセメント鉱物系の急硬材は、カルシウムアルミ
ネート類、又はカルシウムサルホアルミネート類等を主
成分とし、これにクエン酸類やオキシカルボン酸塩等の
凝結遅延剤を適宜組み合わせて使用することが多い。急
硬材の添加量は、環境温度や使用材料等の施工条件によ
って異なるが、通常の場合、粉体急硬材では、セメント
質量に対して固形分量で10〜05%程度であり、液体
急硬材では8〜15%程度である。
【0034】そして、セグメント本体1の曲げ強度及び
曲げ靭性を高める観点から、配合物に金属繊維及び/又
は有機繊維を含ませることが好ましい。金属繊維として
は、鋼繊維、アモルファス繊維等が挙げられるが、中で
も鋼繊維は強度に優れており、またコストや入手のし易
さの点からも好ましいものである。金属繊維は、径0.
01〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好まし
い。径が0.01mm未満では、繊維自身の強度が不足
して張力を受けた際に切れやすくなるし、逆に径が1.
0mmを超えると、同一配合量での本数が少なくなって
コンクリートの曲げ強度が低下するためである。また、
長さが30mmを超えると、混練の際ファイバーボール
が生じ易くなり、長さが2mm未満では、マトリックス
との付着力が低下し曲げ強度が低下するためである。
【0035】金属繊維の配合量は、凝結後のコンクリー
ト体積の4%未満が好ましく、より好ましくは3.5%
未満である。一般に、金属繊維の含有量が多くなると、
曲げ強度が向上するが、逆に、流動性を確保するために
単位水量も増大するため、流動性及び硬化体の曲げ強度
を考慮すると、上記の含有量が好ましい。
【0036】有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素
繊維等が挙げられる。有機繊維は、径0.005〜1.
0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。有機繊維
の含有量は、凝結後のコンクリート体積の10%未満が
好ましく、7%未満がより好ましい。なお、金属繊維と
有機繊維の双方を用いるようにしてもよい。
【0037】また、セグメント本体1の充填密度を高め
る観点から、平均粒径3〜20μm、より好ましくは平
均粒径4〜10μmの無機粉末を含ませることが好まし
い。無機粉末としては、石英粉末、石灰石粉末、酸化ア
ルミニウム(Al23)等の酸化物粉末、炭化珪素(S
iC)等の炭化物粉末等、窒化珪素(SiN)等の窒化
物粉末等が挙げられるが、中でも、石英粉末は、コスト
や硬化体の品質安定性の点から好ましい。石英粉末とし
ては、石英や非晶質石英、オパール質やクリストバライ
ト質のシリカ含有粉末等が挙げられる。無機粉末の配合
量は、コンクリートの流動性、硬化体の強度等から、セ
メント100重量部に対して50重量部以下が好まし
く、20〜35重量部がより好ましい。
【0038】更に、硬化体の靱性を高める観点から、平
均粒度が1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子を含ま
せることが好ましい。ここで、粒子の粒度とは、その最
大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)であ
る。繊維状粒子としては、ウォラストナイト、ボーキサ
イト、ムライト等が、薄片状粒子としては、マイカフレ
ーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、ア
ルミナフレーク等が挙げられる。繊維状粒子又は薄片状
粒子の配合量は、コンクリートの流動性、硬化体の強度
や靱性等から、セメント100重量部に対して35重量
部以下が好ましく、10〜25重量部がより好ましい。
なお、繊維状粒子においては、硬化体の靱性を高める観
点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のも
のを用いるのが好ましい。
【0039】混練したコンクリートを型枠内に打設し、
急硬材と混合して養生・硬化させることで、セグメント
本体1を製造することができる。なお、コンクリートの
打設方法は、特に限定されるものではない。
【0040】袋体2は、図2に示すように、通気性を有
する折り畳み自在な布状の袋部材2aと、この袋部材2
aの外周側に取り付けられた薄板状のシート等からなる
蓋部材2bとから構成されている。袋部材2aは、鋲6
によって、開口している一端側がセグメント本体1の囲
枠部1a内に取り付けられており、注入孔4と連通して
いる。なお、袋体2を取付固定するための手段として
は、鋲6に限られず、他の固定手段、例えば接着材やア
ンカー等を用いるようにしてもよい。また、蓋部材2b
は、略矩形状の弾性変形し易い薄板状のシート等から構
成されており、袋部材2aの閉口している側である他端
側に取り付けられている。この蓋部材2bは、袋部材2
aが萎んで折り畳まれた状態時には、その端部が囲枠部
1aの嵌着溝1gに嵌着されており、袋部材2aを外周
側から覆って囲枠部1a内を蓋するようになっている。
そして、袋部材2aの膨張時には、その膨張力によって
蓋部材2bは弾性変形して嵌着溝1gから外れるように
なっている。すなわち、蓋部材1gは、囲枠部1aに着
脱可能に嵌着されている。
【0041】次に、この袋付きセグメントSを用いたト
ンネルの覆工作業を、その手順に沿って説明する。ここ
では、袋付きセグメントSの他に、通常のセグメント1
0も用いてトンネルを構築していく。なお、セグメント
10は、セグメント本体11に注入孔14を備えてお
り、袋付きセグメントSのような袋体2を備えていない
構成となっている。
【0042】先ず、シールド掘削機にて掘削した掘削孔
内にて、図3(a)に示すように、袋付きセグメントS
及び通常のセグメント10をそれぞれ円周方向へ連結し
てリングを組み立て、これらリングを掘削孔の軸方向へ
連結して、筒状壁体を構成する。このとき、袋付きセグ
メントSからなるリングを、所定間隔をあけて、すなわ
ちセグメント10からなるリング同士の間に位置させる
ようにして配置する。ここで、上記のように通常のセグ
メント10とともに袋付きセグメントSを設置する際、
袋付きセグメントS蓋部材2bが嵌着溝1gに嵌着さ
れ、袋体2がセグメント本体1に固定されているので、
シールド掘削機のテールシール(図示省略)よる袋体2
のめくれが的確に防止されている。
【0043】次いで図3(b)に示すように、リングの
内側から、それぞれの袋付きセグメントSのセグメント
本体1の注入孔4に、瞬結タイプのグラウトrを注入す
る。こうすると、注入孔4を介して袋部材2a内にグラ
ウトrが充填されるので、袋体2はセグメント本体1の
外方に向かって膨張しようとする。嵌着溝1gによって
囲枠部1aに嵌着されている蓋部材2bは、この膨張力
が所定以上となると弾性変形して、嵌着溝1gから外れ
る。これで、袋体2aの自由端側に位置する蓋部材2b
は、外周方向に向けて自由に移動することができるよう
になる。すなわち、袋体2はテールボイドT内にて外周
側へと膨脹し、蓋部材2bが地山Gに押し付けられて密
着する。なおこのとき、袋部材2aが通気性を有するも
のであるので、グラウトrが注入された際に、袋部材2
a内の空気が外部へと次第に抜けていき、袋体2内にお
いて空気が残留することはない。
【0044】このように、袋付きセグメントSの袋部材
2a内にグラウトrを充填して袋体2を膨脹させ、蓋部
材2bを地山Gに押し付けて密着させることにより、テ
ールボイドTを区画したら、これら袋付きセグメントS
によるリング同士の間、すなわちセグメント10による
リングにおいて、注入孔14からテールボイドTへ裏込
め材(図示省略)をそれぞれ注入する。
【0045】こうした袋付きセグメントSを用いること
で、地山Gと筒状壁体との間に形成されたテールボイド
Tを、袋体2によって所定間隔をあけて軸線方向へ区画
し、この区画したテールボイドTへ裏込め材を注入する
ことができるので、特に、大きなテールボイドTが形成
されてしまう急曲線覆工箇所等においても、高圧力にて
裏込め材を充填させることができる。したがって、筒状
壁体と地山Gとの確実な接着力を確保することができる
とともに、裏込め材の充填圧不足によるトンネルの変形
の発生を的確に防止することができる。
【0046】本実施形態に係る袋付きセグメントSにお
いては、セグメント本体1を、少なくともセメント、ポ
ゾラン質微粉末、骨材、水、及び減水剤が含有された配
合物を硬化させたコンクリートにより構成するようにし
ている。このようなコンクリートでセグメント本体を構
成しているので、打設前のコンクリートの流動性、分離
抵抗性を高めることができるとともに、打設後のコンク
リート、すなわちセグメント本体1の強度を極めて高い
ものとすることができ、耐久性を高いものとすることが
できる。
【0047】また、配合物中に、金属繊維及び/又は有
機繊維を含有させるようにすれば、コンクリートの曲げ
強度及び曲げ靱性を高めることができる。
【0048】更に、このような金属繊維や有機繊維とし
て、直径が0.01〜1.0mm、且つ繊維長が2〜3
0mmの鋼により構成されている金属繊維、あるいは、
直径が0.005〜1.0mm、且つ繊維長が2〜30
mmの、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチ
レン繊維、アラミド繊維或いは炭素繊維のうちから選択
された少なくとも1種により構成されている有機繊維を
用いるようにすれば、強度に優れた繊維によりコンクリ
ートを補強できるので、コンクリートの強度をより高め
ることができる。
【0049】更に、配合物中に、平均粒径3〜20μm
の無機粉末を含有させるようにすれば、コンクリートの
充填密度を高めることができる。
【0050】更に、配合物中に、平均粒度1mm以下の
繊維状粒子又は薄片状粒子を含有させるようにすれば、
コンクリートの靱性をより高めることができる。
【0051】更に、セグメント本体1の内側から注入孔
4を介して袋体2にグラウトrを充填して、膨脹した袋
体2を地山Gに密着させるようにしているので、これら
袋付きセグメントSの袋体2によってテールボイドTが
軸線方向へ区画され、この区画されたテールボイドTへ
の高圧での裏込め材の注入が可能となる。加えて、袋体
2を囲枠部1a内に設けるようにしているので、袋体2
を的確に収容できるとともに、囲枠部1aがシールド掘
削機のテールシールに直接的に接触し、テールシールの
移動によって加えられる力の大半を囲枠部1aで受ける
ので、袋体2に加わるテールシールの摩擦力が軽減され
る。このため、テールシール等の移動に伴う袋体2の破
損や捩れが防止され、袋付きセグメントSの信頼性・耐
久性を高めることができる。
【0052】更に、袋体2を袋部材2aと蓋部材2bと
から構成し、袋部材2aが囲枠部1a内に折り畳まれた
状態時に蓋部材2bが袋部材2aを覆うようにしている
ので、袋部材2aとテールシール等とが直接接触して擦
られることなく、袋体2のテールシール等による破損や
捩れなどが的確に防止され、袋付きセグメントSの信頼
性・耐久性を更に高めることができる。
【0053】更に、セグメント本体1の囲枠部1aに嵌
着溝1gを形成して、蓋部材2bを着脱可能に嵌着する
ようにしているので、袋体2が囲枠部1a内に折り畳ま
れた状態時には、袋体2のテールシール等による破損や
捩れなどがより一層的確に防止される。そして、袋体2
にグラウトrを充填して袋体2を膨張させると、その膨
張力によって蓋部材2bが囲枠部1aから外れて、袋体
2は外方へ自由に膨張していくことができるので、簡易
な構成として的確に蓋部材2bを着脱可能とすることが
でき、袋付きセグメントSの製造コストや施工コストの
低廉化を図ることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る袋付
きセグメントにおいては、上記の如き構成を採用してい
るので、極めて高強度で且つ高い耐久性を有する袋付き
セグメントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る袋付きセグメン
トにおいて用いるセグメント本体を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る袋付きセグメン
トを示す縦断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る袋付きセグメン
トを用いたトンネルの構築作業を説明する筒状壁体の一
部の断面図である。
【符号の説明】
S 袋付きセグメント 1 セグメント本体 1a 囲枠部 2 袋体 2a 袋部材 2b 蓋部材 4 注入孔 G 地山 T テールボイド r グラウト

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削孔内で円周方向にリング状に連結
    されるセグメント本体の外周側に、グラウトの充填によ
    って前記セグメント本体と地山との間に膨張させられる
    袋体が取り付けられた袋付きセグメントにおいて、 前記セグメント本体は、少なくともセメント、ポゾラン
    質微粉末、骨材、水、及び減水剤が含有された配合物を
    硬化させたコンクリートにより構成されていることを特
    徴とする袋付きセグメント。
  2. 【請求項2】 前記配合物中に、金属繊維及び/又は
    有機繊維が含有されていることを特徴とする請求項1に
    記載の袋付きセグメント。
  3. 【請求項3】 前記金属繊維は、直径が0.01〜
    1.0mm、且つ繊維長が2〜30mmの鋼により構成
    されていることを特徴とする請求項2に記載の袋付きセ
    グメント。
  4. 【請求項4】 前記有機繊維は、直径が0.005〜
    1.0mm、且つ繊維長が2〜30mmの、ビニロン繊
    維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド
    繊維或いは炭素繊維のうちから選択された少なくとも1
    種により構成されていることを特徴とする請求項2に記
    載の袋付きセグメント。
  5. 【請求項5】 前記配合物中に、平均粒径3〜20μ
    mの無機粉末が含有されていることを特徴とする請求項
    1〜4の何れかに記載の袋付きセグメント。
  6. 【請求項6】 前記配合物中に、平均粒度1mm以下
    の繊維状粒子又は薄片状粒子が含有されていることを特
    徴とする請求項1〜5の何れかに記載の袋付きセグメン
    ト。
  7. 【請求項7】 前記袋体は、前記セグメント本体の外
    周側に形成された囲枠部内に、前記セグメント本体に固
    定されて折り畳み自在に設けられ、前記セグメント本体
    の内外に貫通した注入孔から前記グラウトが充填される
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の袋付き
    セグメント。
  8. 【請求項8】 前記袋体は、一端側を前記セグメント
    本体に固定された布状の袋部材と、該袋部材の他端側に
    設けられ、該袋部材が前記囲枠内に折り畳まれた状態時
    に該袋部材を覆う薄板状の蓋部材と、を備えていること
    を特徴とする請求項7に記載の袋付きセグメント。
  9. 【請求項9】 前記蓋部材は、前記囲枠部に着脱可能
    に嵌着されていることを特徴とする請求項8に記載の袋
    付きセグメント。
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