JP4040474B2 - セグメント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド工法によりトンネルを構築するのに利用されるセグメントに関し、特に、高強度コンクリートを用いたセグメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シールド工法により地下鉄等のトンネルを構築する場合、シールド掘削機により掘削した部分の内面に複数の円弧板状のセグメント(スチール型セグメント、中詰コンクリート型セグメント、コンクリート型セグメント等)を設け、掘削した部分の内面を被覆して補強する覆工が行われている。
【0003】
すなわち、シールド掘削機により地山を掘削し、掘削した部分の内面の同一周上に複数の円弧板状のセグメントを連続して設け、周方向に隣接するセグメント同士を継手を介して互いに連結し、同一周上にリング状のセグメントリング体を構成する。そして、このようなセグメントリング体を掘削方向に連続して設けて、掘削方向に隣接するセグメント同士を継手を介して互いに連結する。
【0004】
そして、このセグメントリング体の軸方向の端面にシールドジャッキを支持し、ジャッキの先端部のシールド掘削機を前進させて地山を更に掘削し、掘削した部分の内面に同様の方法によって複数の円弧板状のセグメントを設ける。そして、このようなことを連続して行うことにより、トンネルの内面の全体を複数のセグメントにより被覆して補強することができるものである。
【0005】
ところで、上記のようなトンネルの補強に使用されるセグメントにあっては、地山からの圧縮応力のみならず、シールド掘削機が前進する際の応力も作用するため、高い圧縮強度、曲げ強度等が要求される。このため、近年では、高強度コンクリートを用いたセグメントが多く利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−228787号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高強度コンクリート製のセグメントは、価格が高いために施工費が高くつく。また、通常のコンクリートを使用したセグメントよりも重くなるため、施工性が悪くなり、工期が長期化する等の問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、安価な施工費で高い圧縮強度や曲げ強度等が得られるとともに、軽量化を図ることができて施工性を向上させることができ、これにより工期を短縮化することができるセグメントを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。すなわち、請求項1に係る発明は、トンネルの内面に複数設けられて、トンネルの壁部を構築するセグメントであって、高強度コンクリートからなる円弧板状の基板と、該基板の内面又は外面の何れか一方に一体に設けられる内方又は外方に突出する高強度コンクリートからなる複数の板状のウェブと、前記基板の側部及び前記ウエブの先端部に一体に設けられた高強度コンクリートからなる主桁とを備え、前記ウェブは、前記基板の湾曲方向に所定の間隔ごとに、かつ各々が該基板の湾曲方向と直交する方向に全幅に渡って設けられるとともに、先端部にフランジが一体に設けられていることを特徴とする。
この発明によるセグメントによれば、高強度コンクリートからなる円弧板状の基板と高強度コンクリートからなる複数の板状のウェブと、高強度コンクリートからなる板状のフランジと、高強度コンクリートからなる主桁によって全体が構成されることになる。
【0011】
さらに、請求項に係る発明は、請求項1に記載のセグメントであって、隣接するウェブ間に充填材を充填したことを特徴とする。
この発明によるセグメントによれば、高強度コンクリートからなる円弧板状の基板と、高強度コンクリートからなる板状の複数のウェブと、高強度コンクリートからなる板状のフランジと、高強度コンクリートからなる主桁によって全体が構成されるとともに、隣接するウェブ間に充填材が充填されることになる。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項に記載のセグメントであって、前記充填材は、発泡スチロールであることを特徴とする。
この発明によるセグメントによれば、高強度コンクリートからなる円弧板状の基板と、高強度コンクリートからなる板状の複数のウェブと、高強度コンクリートからなる板状のフランジと、高強度コンクリートからなる主桁によって全体が構成されるとともに、隣接するウェブ間に発泡スチロールが充填材として充填されることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本発明によるセグメントの第1の実施の形態が示されていて、このセグメント1は、所謂コンクリート型セグメントであって、基板2と、基板2の内面側に一体に設けられる複数のウェブ3と、基板2の側部及びウエブ3の先端部に一体的に設けられる主桁10から構成されている。
【0014】
基板2は、円弧板状(長方形状をなすものを長さ方向に所定の曲率で湾曲させた形状)をなすものであって、高強度コンクリートから形成されるようになっている。
ウェブ3は、板状をなすものであって、基板2の内面に、基板2の長手方向(湾曲方向)に向かって所定の間隔ごとに、かつ各々が基板2の幅方向(湾曲方向と直交する方向)に全幅に渡って一体に設けられるようになっている。各ウェブ3は、基板2と同様に高強度コンクリートから形成されるようになっている。
【0015】
各ウェブ3の先端部には、高強度コンクリートからなる板状のフランジ4が一体に設けられるようになっている。
主桁10も高強度コンクリートから形成されたものである。
【0016】
基板2、ウェブ3、フランジ4及び主桁10を形成する高強度コンクリートは、セメント、ポラゾン質粉末、粒径2mm以下の骨材、水及び減水剤を所定の比率で混合させた混合物であって、これを型枠(図示せず)内に充填することにより、円弧板状の基板2、板状のウェブ3、板状のフランジ4及び主桁10を一体に形成することができるものである。
【0017】
ここで、セメントとしては、各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント等が挙げられ、用途に応じたものを選択して使用すればよい。例えば、高強度コンクリートの早期強度を向上させる場合には、早強ポルトランドセメントを使用し、高強度コンクリートの流動性を向上させる場合には、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを使用すれば良い。但し、これらのセメントに限定する必要はなく、それ以外のセメントを使用しても良い。
【0018】
ポゾラン質微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。これらの中でシリカフューム及びシリカダストは、平均粒径が1.0μm以下であり、粉砕等の処理を行う必要がないので、特に有効である。
【0019】
そして、このようなポゾラン質粉末を配合することにより、そのマイクロフィラー効果及びセメント分散効果により高強度コンクリートが緻密化し、圧縮強度が向上する。なお、ポゾラン質微粉末の添加量が多くなると、単位水量が増大するので、ポゾラン質微粉末の添加量はセメント100重量部に対して5〜50重量部が好ましい。
【0020】
骨材としては、粒径2mm以下の粒体を用いることが好ましい。ここで、骨材の粒径とは、85wt%累積粒径である。なお、粒径2mmよりも大きい骨材を含んでも良いが、骨材の粒径が2mmを超えると、高強度コンクリートの強度が低下してしまう虞がある。つまり、高強度コンクリートの分離抵抗性、或いは硬化後の強度等を考慮すると、最大粒径が2mm以下の骨材を用いることが好ましく、最大粒径が1.5mm以下の骨材を用いることがより好ましい。
【0021】
骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂及びこれらの混合物を使用することができる。骨材の配合量は、高強度コンクリートの作業性や分離抵抗性、硬化後の強度やクラックに対する抵抗性等を考慮すると、セメント100重量部に対して50〜250重量部が好ましく、80〜180重量部がより好ましい。
【0022】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。これらの中でも、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。減水剤の添加量は、高強度コンクリートの流動性や分離抵抗性、硬化後の強度、更にはコスト等を考慮すると、セメント100重量部に対して固形換算で0.5〜4.0重量部が好ましい。
【0023】
なお、水/セメント比は、高強度コンクリートの流動性や分離抵抗性、硬化体の強度や耐久性等を考慮すると、10〜30%が好ましく、15〜25%がより好ましい。
【0024】
また、セメント硬化時間の短縮を図るためには、急硬材を用いることが好ましいが、その種類は特に限定されるものではない。急硬材としては、セメント鉱物系と無機塩系とがあるが、トンネル工法において通常用いられているのはセメント鉱物系の粉体であり、これをスラリー化してベースコンクリートに添加混合する。このように構成したセメント鉱物系の急硬材は、カルシウムアルミネート類、又はカルシウムサルホアルミネート類等を主成分とし、これにクエン酸類やオキシカルボン酸塩等の凝結遅延剤を適宜組み合わせて使用することが多い。急硬材の添加量は、環境温度や使用材料等の施工条件によって異なるが、通常の場合、粉体急硬材では、セメント質量に対して固形分量で10〜15%程度であり、液体急硬材では8〜15%程度である。
【0025】
そして、セグメント1の曲げ強度及び曲げ靭性を高める観点から、配合物に金属繊維及び/又は有機繊維を含ませることが好ましい。金属繊維としては、鋼繊維、アモルファス繊維等が挙げられるが、中でも鋼繊維は強度に優れており、またコストや入手のし易さの点からも好ましい。金属繊維は、径0.01〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。径が0.01mm未満では、繊維自身の強度が不足し、張力を受けた際に切れ易くなり、径が1.0mmを超えると、同一配合量での本数が少なくなって高強度コンクリートの曲げ強度が低下する。また、長さが30mmを超えると、混練の再ファイバーボールが生じ易くなり、長さが2mm未満では、マトリックスとの付着力が低下し、曲げ強度が低下するからである。
【0026】
金属繊維の配合量は、凝結後の高強度コンクリート体積の4%未満が好ましく、より好ましくは3.5%未満である。金属繊維の含有量が多くなると、曲げ強度が向上するが、逆に流動性を確保するために単位水量も増大する。このため、流動性及び硬化体の曲げ強度を考慮すると、上記の含有量が好ましい。
【0027】
有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維等が挙げられる。有機繊維は、径0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。有機繊維の含有量は、凝結後の高強度コンクリート体積の10%未満が好ましく、7%未満がより好ましい。なお、金属繊維と有機繊維の両方を用いるようにしても良い。
【0028】
また、セグメント1の充填密度を高める観点から、平均粒径3〜20μm、より好ましくは平均粒径4から10μmの無機粉末を含ませることが好ましい。無機粉末としては、石英粉末、石灰石粉末、酸化アルミニウム等の酸化物粉末、炭化珪素等の炭化物粉末等、窒化珪素等の窒化物粉末等が挙げられるが、中でも、石英粉末は、コストや硬化体の品質安定性の点から好ましい。石英粉末としては、石英や非晶質石英、オパール質やクリストバライト質のシリカ含有粉末等が挙げられる。無機粉末の配合量は、高強度コンクリートの流動性、硬化体の強度等から、セメント100重量部に対して50重量部以下が好ましく、20〜35重量部がより好ましい。
【0029】
さらに、硬化体の靭性を高める観点から、平均粒径が1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子を含ませることが好ましい。ここで、粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)である。繊維状粒子としては、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられ、薄片状粒子としては、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。繊維状粒子又は薄片状粒子の配合量は、高強度コンクリートの流動性、硬化体の強度や靭性等から、セメント100重量部に対して35重量部以下が好ましく、10〜25重量部がより好ましい。なお、繊維状粒子においては、硬化体の靭性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。
【0030】
上記のように構成したこの実施の形態によるセグメント1の隣接するウェブ3、3間には、高強度コンクリートよりも比重の小さい充填材5である発泡スチロール5が充填され、全体が中実構造に形成されている。
【0031】
そして、シールド掘削機(図示せず)により地山を掘削し、掘削した部分の内面の同一周上に上記のように構成したこの実施の形態によるセグメント1を複数連続して設け、周方向に隣接するセグメント1、1同士を互いに連結し、同一周上にリング状のセグメントリング体を構成する。そして、このようなセグメントリング体を掘削方向に連続して設けて、掘削方向に隣接するセグメント1、1同士を互いに連結する。
【0032】
そして、このセグメントリング体の軸方向の端面にシールドジャッキ(図示せず)を支持し、ジャッキの先端部のシールド掘削機(図示せず)を前進させて地山を更に掘削し、掘削した部分の内面に同様の方法によって複数のセグメント1、1……を設ける。そして、このようなことを連続して行うことにより、トンネルの内面の全体を被覆して補強することができるものである。
【0033】
上記のように構成したこの実施の形態によるセグメント1にあっては、高強度コンクリートからなる基板2とウェブ3とフランジ4と主桁10とによって構成し、隣接するウェブ3、3間に充填材である発泡スチロール5を充填しているので、全体を高強度コンクリートで形成したものに比べてセグメント1の単価を安く抑えることができることになる。従って、施工費を安く抑えることができることになる。
【0034】
また、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べて重量を大幅に軽くすることができるので、施工性を向上させることができ、工期を大幅に短縮することができることになる。
【0035】
なお、前記の説明においては、隣接するウェブ3、3間に充填材5として発泡スチロール5を充填したが、発泡スチロール5の代わりに普通強度のコンクリートを充填材5として充填しても良いものである。
【0036】
図2には、本発明によるセグメントの第2の実施の形態が示されていて、このセグメント11は、円弧板状の基板12の外面側に、複数の板状のウェブ13を長手方向に所定の間隔ごとに、幅方向に全幅に渡って一体に設けるとともに、各ウェブ13の先端部に板状のフランジ14をそれぞれ一体に設け、基板12の側部及びウエブ13,フランジ14の先端部に主桁100を一体的に設けたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0037】
そして、この実施の形態に示すセグメント11にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、高強度コンクリートからなる基板12とウェブ13とフランジ14とによって構成し、隣接するウェブ13、13間に充填材5である発泡スチロール5を充填しているので、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べてセグメント11の単価を安く抑えることができることになる。従って、施工費を安く抑えることができることになる。
【0038】
また、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べて重量を大幅に軽くすることができるので、施工性を向上させることができ、工期を大幅に短縮することができることになる。
【0039】
なお、この実施の形態においても、隣接するウェブ13、13間に充填材5として発泡スチロール5を充填したが、発泡スチロール5の代わりに普通強度のコンクリートを充填材5として充填しても良いものである。
【0040】
図3及び図4には、本発明によるセグメントの第3の実施の形態が示されていて、このセグメント1は、周方向に隣接するセグメント1、1同士を継手21を介して一体に連結したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0041】
すなわち、この継手21は、周方向に隣接する一方のセグメント1の長手方向の一端面に設けられる、一方のセグメント1の幅方向に延出する断面が半円形状の凸部22と、周方向に隣接する他方のセグメント1の長手方向の他端面に設けられる、他方のセグメント1の幅方向に延出する前記凸部22と合致する断面半円形状の凹部23とから構成されている。
【0042】
そして、このように構成した継手21の凸部22と凹部23とを相互に係合させることにより、周方向に隣接するセグメント1、1同士を一体に連結することができ、同一周上に複数のセグメント1、1……からなるセグメントリング体を構成することができるものである。
【0043】
なお、軸方向に隣接するセグメントリング体のセグメント1、1同士を連結する場合に、この実施の形態に示す凸部22と凹部23とからなる継手21を用いても良いものであり、またそれ以外の周知の継手を用いても良いものである。
【0044】
そして、この実施の形態によるセグメント1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、高強度コンクリートからなる基板2とウェブ3とフランジ4とによって構成し、隣接するウェブ3、3間に充填材5である発泡スチロール5を充填しているので、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べてセグメント1の単価を安く抑えることができることになる。従って、施工費を安く抑えることができることになる。
【0045】
また、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べて重量を大幅に軽くすることができるので、施工性を向上させることができ、工期を大幅に短縮することができることになる。
【0046】
なお、この実施の形態においても、隣接するウェブ3、3間に充填材5として発泡スチロール5を充填したが、発泡スチロール5の代わりに普通強度のコンクリートを充填材5として充填しても良いものである。また、この実施の形態に示す継手21を第2の実施の形態に適用しても良いものであり、その場合にも同様の作用効果を奏するものである。
【0047】
図5及び図6には、この発明によるセグメントの第4の実施の形態が示されていて、このセグメント1は、周方向に隣接するセグメント1、1同士を継手25を介して一体に連結したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0048】
すなわち、この継手25は、周方向に隣接する一方のセグメント1の長手方向の一端面に設けられる、一方のセグメント1の幅方向に延出する断面が傘形状の凸部26と、周方向に隣接する他方のセグメント1の長手方向の他端面に設けられる、他方のセグメント1の幅方向に延出する前記凸部26と合致する断面傘形状の凹部27とから構成されている。なお、この場合、凹部27の長手方向の一端はセグメント1の幅方向の一端面に開口している。
【0049】
そして、このように構成した継手25の凸部26と凹部27とを相互に係合させることにより、周方向に隣接するセグメント1、1同士を一体に連結することができ、同一周上に複数のセグメント1、1……からなるセグメントリング体を構成することができるものである。
【0050】
なお、軸方向に隣接するセグメントリング体のセグメント1、1同士を連結する場合に、第3の実施の形態に示すような凸部と凹部とからなる継手を用いても良いものであり、またそれ以外の周知の継手を用いても良いものである。
【0051】
そして、この実施の形態によるセグメント1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、高強度コンクリートからなる基板2とウェブ3とフランジ4とによって構成し、隣接するウェブ3、3間に充填材5である発泡スチロール5を充填しているので、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べてセグメント1の単価を安く抑えることができることになる。従って、施工費を安く抑えることができることになる。
【0052】
また、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べて重量を大幅に軽くすることができるので、施工性を向上させることができ、工期を大幅に短縮することができることになる。
【0053】
なお、この実施の形態においても、隣接するウェブ3、3間に充填材5として発泡スチロール5を充填したが、発泡スチロール5の代わりに普通強度のコンクリートを充填材5として充填しても良いものである。また、この実施の形態に示す継手25を第2の実施の形態のセグメントに適用しても良いものであり、その場合にも同様の作用効果を奏するものである。
【0054】
図7には、本発明によるセグメントの第5の実施の形態が示されていて、このセグメント1は、周方向に隣接するセグメント1、1同士を継手30を介して一体に連結したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0055】
すなわち、この継手30は、周方向に隣接する一方のセグメント1の長手方向の一端面に設けられる断面が山形状の凸部31と、周方向に隣接する他方のセグメント1の長手方向の他端面に設けられる前記凸部31と合致する断面が山形状の凹部32と、凸部31の中心部に設けられる内周面に雌ネジ34が螺設される鋼、アルミ等の金属から形成される筒状の凸部側雌部材33と、凹部32の中心部に設けられる鋼、アルミ、硬質ゴム等から形成される筒状の凹部側雌部材35と、凸部側雌部材33と凹部側雌部材35とを一体に連結する、一端部に凸部側雌部材33の雌ネジ34と合致する雄ネジ37が設けられ、他端部が凹部側雌部材35の内側を挿通する鋼、アルミ等の金属から形成される丸棒状の雄部材36とから構成されている。
【0056】
この場合、雄部材36は、外径が凹部側雌部材35の内径よりも大きく形成されるとともに、他端部の先端が面取りされ、かつ、他端部に切込み38が設けられて他端部が複数割りに形成され、凹部側雌部材35の内側への挿入の際に縮径して挿入し易くし、挿入後は拡径して凹部側雌部材35から脱落するのを阻止している。
【0057】
そして、このように構成した継手30の凸部側雌部材33に雄部材36を螺合させ、この状態で凸部31と凹部32とを相互に係合させて雄部材36の他端部を凹部側雌部材35の内側に挿通させることで、周方向に隣接するセグメント1、1同士を一体に連結することができ、同一周上に複数のセグメント1、1……からなるセグメントリング体を構成することができるものである。
【0058】
なお、軸方向に隣接するセグメントリング体のセグメント1、1同士を連結する場合には、第3の実施の形態に示すような凸部と凹部とからなる継手を用いても良いものであり、またそれ以外の周知の継手を用いても良いものである。
【0059】
そして、この実施の形態によるセグメント1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、高強度コンクリートからなる基板2とウェブ3とフランジ4とによって構成し、隣接するウェブ3、3間に充填材5である発泡スチロール5を充填しているので、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べてセグメント1の単価を安く抑えることができることになる。従って、施工費を安く抑えることができることになる。
【0060】
また、全体を高強度コンクリートによって形成したものに比べて重量を大幅に軽くすることができるので、施工性を向上させることができ、工期を大幅に短縮することができることになる。
【0061】
なお、この実施の形態においても、隣接するウェブ3、3間に充填材5として発泡スチロール5を充填したが、発泡スチロール5の代わりに普通強度のコンクリートを充填材5として充填しても良いものである。また、この実施の形態に示す継手30を第2の実施の形態のセグメントに適用しても良いものであり、その場合にも同様の作用効果を奏するものである。さらに、図8に示すように、雄部材36の一端部を凸部31の中心部に埋設するように構成しても良いし、このように構成することにより、凸部側雌部材33が不要となるとともに、雄部材36の一端部に雄ネジ37を設ける必要もなくなるものである。さらに、凹部側雌部材35は、図9に示すように、中心部から右側の部分を所定の角度のテーパ39に形成しても良いものである。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の請求項1に記載のセグメントによれば、高強度コンクリートからなる円弧板状の基板と、高強度コンクリートからなる板状のウェブと、高強度コンクリートからなる板状のフランジと、高強度コンクリートからなる主桁によって全体を構成することができるので、全体を高強度コンクリートによって構成したものに比べて単価を安く抑えることができ、施工費を安く抑えることができることになる。また、全体を高強度コンクリートで形成したものに比べて重量を軽くすることができるので、施工性を向上させることができ、工期を大幅に短縮することができることになる。さらに、フランジによってウェブの強度を高めることもできることになる。
【0064】
さらに、本発明の請求項2又は3に記載のセグメントによれば、高強度コンクリートからなる円弧板状の基板と、高強度コンクリートからなる板状のウェブと、高強度コンクリートからなるフランジと、高強度コンクリートからなる主桁によって全体を構成することができるとともに、隣接するウェブ間に発泡スチロール等の充填材を充填することができることになる。従って、全体を高強度コンクリートによって構成したものに比べて単価を安く抑えることができ、施工費を安く抑えることができることになる。また、全体を高強度コンクリートで形成したものに比べて重量を軽くすることができるので、施工性を向上させることができ、工期を大幅に短縮することができることになる。さらに、フランジによってウェブの強度を高めることもできることになる。さらに、充填材によって全体の強度を高めることもできることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるセグメントの第1の実施の形態を示す一部を省略した斜視図である。
【図2】 本発明によるセグメントの第2の実施の形態を示す一部を省略した斜視図である。
【図3】 本発明によるセグメントの第3の実施の形態を示した部分平面図である。
【図4】 図3のA−A線断面図である。
【図5】 本発明によるセグメントの第4の実施の形態を示した部分平面図である。
【図6】 図5のB−B線断面図である。
【図7】 本発明によるセグメントの第5の実施の形態を示した部分平面図である。
【図8】 第5の実施の形態の変形例を示した部分平面図である。
【図9】 第5の実施の形態の変形例を示した部分平面図である。
【符号の説明】
1、11 セグメント
2、12 基板
3、13 ウェブ
4、14 フランジ
5 充填材(発泡スチロール)
10、100 主桁

Claims (3)

  1. トンネルの内面に複数設けられて、トンネルの壁部を構築するセグメントであって、高強度コンクリートからなる円弧板状の基板と、該基板の内面又は外面の何れか一方に一体に設けられる内方又は外方に突出する高強度コンクリートからなる複数の板状のウェブと、前記基板の側部及び前記ウエブの先端部に一体に設けられた高強度コンクリートからなる主桁とを備え、前記ウェブは、前記基板の湾曲方向に所定の間隔ごとに、かつ各々が該基板の湾曲方向と直交する方向に全幅に渡って設けられるとともに、先端部にフランジが一体に設けられていることを特徴とするセグメント。
  2. 請求項1に記載のセグメントであって、隣接するウェブ間に充填材を充填したことを特徴とするセグメント。
  3. 請求項2に記載のセグメントであって、前記充填材は、発泡スチロールであることを特徴とするセグメント。
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