JP2003055768A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

成膜方法及び成膜装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電性の表面を有する基板上にグラファイト系
の薄膜を層状に形成する技術を提供する。 【解決手段】本発明の成膜装置1は、所定の反応ガスを
導入可能に構成された真空槽2を有し、この真空槽2内
に、所定の方向の交流電界を発生するように構成された
電界発生手段6を備える。電界発生手段6は、矩形環状
のコア60と、コア60に巻回されたコイル9とを有す
る。コイル9に対して高周波電力を印加することによっ
て基板50に沿う方向の交流電界を発生させて基板50
に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱CVDならびに
プラズマCVDにおいて電界を印加することによって、
その膜質を制御したりできるプロセスに適応される。具
体的にはダイヤモンドやカーボンナノチューブ等のグラ
ファイト系薄膜において、その材料の向きや配向性が電
界を印加することによって制御できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術の構成を図5を用いて説明す
る。図5中、符号101は真空チャンバ(以下「チャン
バ」という。)であり、このチャンバ102は、金属を
用いて製作されグランド電位に接地されている。チャン
バ102には、キャパシタンスマノメータ102aが取
り付けられている。
【0003】チャンバ102内の上部には、高融点金属
(例えばタングステン、レニウム)からなり例えば波状
に形成されたフィラメント103が、水平面に対して平
行になるように配置されている。
【0004】フィラメント103は、チャンバ102の
外部に設けられたフィラメント加熱電源に接続されてい
る。
【0005】また、チャンバ102内には、高融点金属
からなる円板状の基板ホルダ105が設けられ、この基
板ホルダ105は、碍子107によってチャンバ102
から電気的に絶縁されている。そして、基板ホルダ10
5上には、ガラス基板上に磁性材が成膜された基板15
0が設置されている。
【0006】基板ホルダ105は、直流電源であるバイ
アス電源106のマイナス側の出力端子に接続されてい
る。一方、バイアス電源106のプラス側の出力端子は
グランド電位に接地されている。
【0007】また、基板ホルダ105とフィラメント1
03との間には、グランド電位に接地されたグランド電
位形成板108が配設されている。
【0008】一方、チャンバ102は、仕切バルブ10
9を介して真空ポンプ110に取り付けられている。こ
こで、仕切バルブ109の上流側には、ピラニ真空計1
11が設けられている。
【0009】また、チャンバ102は、仕切バルブ11
2、マスフローコントローラ113、仕切バルブ114
及びレギュレータ115を介してガスボンベ116に気
密に接続されるとともに、仕切バルブ117、マスフロ
ーコントローラ118、仕切バルブ119及びレギュレ
ータ120を介してガスボンベ121に気密に接続さ
れ、これによりチャンバ102内に水素とメタンを導入
するようになっている。
【0010】このような装置を用い、熱CVD法によっ
てグラファイト系の膜を形成する場合には、まず、仕切
バルブ109を開けて真空ポンプ110を駆動させ、チ
ャンバ102内を排気し、1×10-2Torr(1To
rrは133.322Pa)程度の真空状態にする。
【0011】次に、ガスボンベ116、121の元栓を
開けてレギュレータ115、120を1気圧より少し高
めに設定し各仕切バルブ114、119を開く。そし
て、マスフローコントローラ113、118を徐々に開
いて導入ガスの流量をメタン:2sccm、水素:8s
ccmに設定し、仕切バルブ112、117の解放度を
調整し、チャンバ102内の圧力を1〜10Torrに
設定する。
【0012】この状態でフィラメント加熱電源104か
らフィラメント103に通電し、フィラメント103の
温度が1500℃以上〜2000℃になるように設定す
る。さらにこの状態でバイアス電源106から基板ホル
ダ105に300V程度出力して基板150に電圧を印
加する。この状態で成膜を続けると基板150上にカー
ボンナノチューブが成長する。
【0013】図6(a)〜(d)は、基板ホルダ105
に電圧を印加した場合の電気力線図を示すものである。
基板150は、その表面上に磁性材料(金属)が成膜さ
れていることから導伝体であり、また電位形成板108
はプラス電位であることから基板150に対して電気力
線120が形成される。この場合、基板150上が導電
性薄膜で被覆されているため電気力線120は基板15
0に対して垂直に入射する。
【0014】図6(b)は、上述したような電気力線が
形成されている場合のカーボンナノチューブの一例であ
り、カーボンナノチューブ200は電気力線120と同
じ方向、つまり資料基板150に対して垂直に形成され
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の熱C
VDにおいて電界を印加する方法では、グラファイト系
材料を基板に対して平行に形成することはできないとい
う問題がある。
【0016】つまり、例えば図6(c)に示すように、
基板150に対して平行な電界を形成しようとして電位
形成板108を基板150に対して垂直に設置すると、
電気力線120は基板150に対して平行に放出される
が、基板150の表面が導電性薄膜に覆われ導伝体とな
っているため、図6(d)に示すように、基板150に
到達する際には、電気力線120は基板150に対して
垂直に入射し、その結果、基板150上に層状に膜を形
成することができない。
【0017】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、導電性の表面を有する
基板上にグラファイト系の薄膜を層状に形成する技術を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1記載の発明は、真空中で化学気相反
応によって成膜対象物に膜を形成する成膜方法であっ
て、前記成膜対象物に対し、当該成膜対象物に沿って交
流電界を印加することを特徴とする成膜方法である。
【0019】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記成膜対象物に沿う交流電界は、所定の
コアに巻回されたコイルに対して高周波電力を印加する
ことによって形成することを特徴とする。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記コイルに対して10kHz以上の高周
波電力を印加することを特徴とする。
【0021】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれか1項記載の発明において、前記成膜対象物は、
その表層部分が導電性を有していることを特徴とする。
【0022】請求項5記載の発明は、真空中で化学気相
反応によって成膜対象物に膜を形成する成膜方法であっ
て、前記成膜対象物に対し、当該成膜対象物に沿って静
電界を印加することを特徴とする。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記成膜対象物に沿う静電界は、当該成膜
対象物の近傍に設けた一対の電極間に所定の電位差を発
生させることによって形成することを特徴とする。
【0024】請求項7記載の発明は、請求項5又は6の
いずれか1項記載の発明において、前記成膜対象物は、
その表層部分が導電性を有していることを特徴とする。
【0025】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、前記成膜対象物は、その表層部分に導電性
で島状の被成膜部が設けられていることを特徴とする。
【0026】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の
いずれか1項記載の方法によって形成されたことを特徴
とする薄膜である。
【0027】請求項10記載の発明は、所定の反応ガス
を導入可能に構成され、化学気相反応によって成膜対象
物に膜を形成するための真空槽と、前記成膜対象物の近
傍に配設され、当該成膜対象物に沿う方向の交流電界を
発生するように構成された電界発生手段とを備えたこと
を特徴とする成膜装置である。
【0028】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の発明において、前記電界発生手段は、環状のコアと、
該コアに巻回されたコイルと、該コイルに接続された高
周波電源とを有することを特徴とする。
【0029】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の発明において、前記コアは、当該成膜対象物に対して
ほぼ平行な交流電界印加部を有することを特徴とする。
【0030】請求項13記載の発明は、請求項10乃至
12乃至のいずれか1項記載の発明において、前記コア
は、長円形状に形成されていることを特徴とする。
【0031】請求項14記載の発明は、請求項11乃至
13乃至のいずれか1項記載の発明において、前記コイ
ルは、前記コアに対して1回乃至3回巻回されているこ
とを特徴とする。
【0032】請求項15記載の発明は、請求項11乃至
14乃至のいずれか1項記載の発明において、前記コア
は、当該成膜対象物を保持する保持部を兼ねていること
を特徴とする。
【0033】請求項16記載の発明は、所定の反応ガス
を導入可能に構成され、化学気相反応によって成膜対象
物に膜を形成するための真空槽と、前記成膜対象物の近
傍に配設され、当該成膜対象物に沿う方向の静電界を発
生するように構成された電界発生手段とを備えたことを
特徴とする成膜装置である。
【0034】請求項17記載の発明は、請求項16記載
の発明において、前記電界発生手段は、前記成膜対象物
を側方から挟むように配置される一対の平行電極と、該
一対の平行電極に接続された直流電源とを有することを
特徴とする。
【0035】本発明にあっては、例えば電界発生手段に
よって成膜対象物に沿う方向の交流電界を発生させ、こ
の交流電界を成膜対象物に印加することによって、成膜
対象物の表面に沿う方向に導電性の膜を成長させること
が可能になる。
【0036】この場合、例えば環状のコアを用い、この
コアに例えば1回乃至3回巻回されたコイルに対して例
えば10kHz以上の高周波電力を印加することによっ
て簡素な構成で最適の交流電界を形成することができ
る。
【0037】そして、コアが成膜対象物に対してほぼ平
行な交流電界印加部を有していれば、容易に成膜対象物
に沿う方向の交流電界を発生させて成膜対象物に印加す
ることができる。
【0038】一方、本発明に係るコアは、高周波電力を
印加する際の損失を小さくするため例えば薄いテープ状
の部材を積層して作成することが好ましいが、その場
合、コアを長円形状に形成するようにすれば、円形を押
しつぶすだけで作成することができるので、製造が容易
になるというメリットがある。
【0039】さらに、コアが成膜対象物を保持する保持
部を兼ねるように構成すれば、より簡素な構成の成膜装
置が得られる。
【0040】そして、このような本発明によれば、表層
部分が導電性を有している成膜対象物に対し、簡素な構
成の成膜装置を用いて例えばグラファイト系の薄膜を形
成することが可能になる。
【0041】また、本発明にあっては、例えば電界発生
手段によって成膜対象物に沿う方向の静電界を発生さ
せ、この静電界を成膜対象物に印加することによって
も、成膜対象物の表面に沿う方向に導電性の膜を成長さ
せることが可能になる。
【0042】この場合、成膜対象物の近傍に当該成膜対
象物を例えば側方から挟むように一対の電極を設け、こ
れら一対の電極間に電圧を印加して所定の電位差を発生
させるようにすれば、簡素な構成で最適の静電界を形成
することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る成膜装置の実
施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本
実施の形態の成膜装置の概略構成を示すものである。図
1に示すように、本実施の形態の成膜装置1は、後述す
る基板(成膜対象物)50に対して成膜を行うための真
空チャンバ(真空槽、以下「チャンバ2」という。)を
有している。
【0044】このチャンバ2は、金属を用いて製作され
グランド電位に接地されている。また、チャンバ2に
は、キャパシタンスマノメータ3が取り付けられてい
る。
【0045】チャンバ2内の上部には、高融点金属(例
えばタングステン、レニウム)からなるフィラメント4
が、水平面に対して平行になるように配置されている。
【0046】フィラメント4は、チャンバ2の外部に設
けられたフィラメント加熱電源5に接続されている。
【0047】本実施の形態においては、チャンバ2内
に、次のような電界発生手段6が設けられている。本実
施の形態の電界発生手段6は、基板保持部を兼ねるもの
で、長円形状のコア60を有する基板ホルダ7を有し、
この基板ホルダ7上には、ガラス基板上に磁性材が成膜
された基板50が設置されるようになっている。
【0048】本実施の形態のコア60は、高透磁率の材
料(例えばFe基合金)からなるもので、その上部に
は、成膜対象である基板50と同等の大きさで、水平な
保持面を有する交流電界印加部60aが設けられてい
る。
【0049】この場合、コア60は、高周波電力を印加
する際の損失を小さくするため例えば薄いテープ状の部
材を積層して作成することが好ましい。
【0050】コア60のチャンバ2側の部分にはコイル
9が1回乃至3回巻回され、このコイル9は、チャンバ
2に対して絶縁された導入端子10を介してチャンバ2
の外部に引き出されている。そして、本実施の形態の場
合、この引き出されたコイル9は、出力が±1500
V、周波数100kHz以上の高周波電源11に接続さ
れている。
【0051】一方、チャンバ2は、仕切バルブ20を介
して真空ポンプ21に接続され、さらに、この仕切バル
ブ20の上流側には、ピラニ真空計22が設けられてい
る。
【0052】また、チャンバ2は、仕切バルブ30、マ
スフローコントローラ31、仕切バルブ32及びレギュ
レータ33を介してガスボンベ34に気密に接続される
とともに、仕切バルブ35、マスフローコントローラ3
6、仕切バルブ37及びレギュレータ38を介してガス
ボンベ39に気密に接続され、これによりチャンバ2内
に反応ガスである水素ガスとメタンガスを導入するよう
になっている。
【0053】なお、本実施の形態にあっては、ガス導入
管40、41を連結し、水素ガスとメタンガスをチャン
バ2の外部で混合した状態でチャンバ2内に導入するよ
うに構成されている。
【0054】本発明の原理を図2(a)(b)を用いて
説明する。図2(a)(b)に示されているように、コ
ア60に高周波を印加すると、コア60内に、交流磁場
が発生する。図2(b)に示すように、この交流磁場
は、コア60内において、コア60の周方向に沿って磁
力線(B)が通過している(図2(b)中、紙面に垂直
方向)。そして、この磁力線(B)が時間的な変化する
ことによって、磁力線(B)と垂直方向(図2(b)
中、紙面に平行方向)に交流の電界(E)が発生する。
【0055】この電界(E)の強度は、(1)式の計算
式で示される。
【0056】 E=a×B0×ω×cosωt・・・式(1) ここでは、コア60の厚さaを1cm(10-2m)、コ
ア60内で形成される磁束密度B0を1T、高周波電源
の周波数ωとする。
【0057】そして、 f=100kHz ω=2×π×f=2×3.14×100×103 とし、これらの値を(1)式に代入すると、電界(E)
の強度は、 E=3×103V/m=30V/cm となる。
【0058】この高周波電源に必要とされる出力電圧
は、φ20cm基板を搭載すると仮定すると、 Vrf=2×20cm×30V/cm=1200V となる。
【0059】つまり、この場合の必要な出力電圧は、 Vrf=±1200V であることがわかる。
【0060】以上述べたように本実施の形態にあって
は、電界発生手段6によって基板50に沿う方向の交流
電界を発生させ、この交流電界を基板50に印加するよ
うにしたことから、基板50の表面方向にグラファイト
系の膜を成長させ層状に形成することが可能になる。
【0061】特に、本実施の形態のように環状のコア6
0を用い、このコア60に1回乃至3回巻回されたコイ
ル9に対して例えば100kHz以上の高周波電力を印
加することによって簡素な構成で最適の交流電界を形成
することができる。
【0062】また、本実施の形態の場合は、コア60
が、基板50に対して平行な交流電界印加部60aを有
しているので、基板50に沿う方向の交流電界を基板5
0に印加することができる。
【0063】なお、本実施の形態のコア60は長円形状
に形成され、円形を押しつぶすだけで作成することがで
きるので、容易に製造することができるものである。
【0064】さらにまた、コア60が基板50を保持す
る保持部を兼ねているので、簡素な構成の成膜装置が得
られる。
【0065】そして、このような本発明によれば、表層
部分が導電性を有している基板50に対し、簡素な構成
の成膜装置を用いて例えばグラファイト系の薄膜を形成
することができる。
【0066】図3は、本発明の他の実施の形態の成膜装
置の概略構成図、図4(a)は、本実施の形態における
成膜対象物を示す平面図、図4(b)は、図4(a)の
S−S線断面図である。以下、上記実施の形態と対応す
る部分については、同一の符号を付しその詳細な説明を
省略する。
【0067】図3に示すように、本実施の形態の成膜装
置1Aは、従来例と同様の基板ホルダ51を有し、この
基板ホルダ51は、グランド電位に接地されたバイアス
電源52のマイナス側の出力端子に接続されている。
【0068】図4(a)(b)に示すように、本実施の
形態の場合は、成膜対象物として、例えばシリコンウェ
ハ53上に、絶縁層54及び半導体層55が順次全面に
わたって形成された基板50Aが用いられる。
【0069】ここで、絶縁層54は、シリコンウェハ5
3と半導体層55間において安定して電圧を印加するた
めのもので、その構成する材料は特に限定されることは
ないが、耐電圧の確保及び成膜の容易さの観点からは、
シリコン酸化膜(SiO2)を形成することが好ましい。
【0070】この場合、絶縁層54の厚さは特に限定さ
れることはないが、耐電圧の確保の観点からは、0.1
〜10μmとすることが好ましく、より好ましい絶縁層
54の厚さは、1〜10μmである。
【0071】また、絶縁層54を形成する方法は特に限
定されることはないが、膜厚制御性の容易さの観点から
は、真空蒸着法によって形成することが好ましい。
【0072】また、半導体層55を構成する材料は特に
限定されることはないが、最適な導伝性を得る観点から
は、シリコンを用いて形成することが好ましい。
【0073】この場合、半導体層55の厚さは特に限定
されることはないが、最適な体積抵抗率を得る観点から
は、0.01〜10μmとすることが好ましく、より好
ましい半導体層55の厚さは、0.1〜10μmであ
る。
【0074】また、半導体層55を形成する方法は特に
限定されることはないが、膜厚制御性の容易さの観点か
らは、真空蒸着法によって形成することが好ましい。
【0075】さらに、半導体層55の表面には、島状の
被成膜部56が複数個形成されている。
【0076】ここで、被成膜部56を構成する材料は特
に限定されることはないが、カーボンナノチューブを成
長させる観点からは、導入される反応ガスに対して触媒
反応する金属を用いて形成することが好ましい。
【0077】例えば、本実施の形態のようにCH4とH2
を導入する場合には、ニッケル(Ni)を用いることが
好ましい。
【0078】この場合、被成膜部56の厚さは特に限定
されることはないが、量産性確保の観点からは、0.0
5〜0.2μmとすることが好ましく、より好ましい被
成膜部56の厚さは、0.1〜0.2μmである。
【0079】また、被成膜部56を形成する方法は特に
限定されることはないが、高純度の膜を形成する観点か
らは、真空蒸着法によって形成することが好ましい。
【0080】さらに、被成膜部56の形状は、電極形成
の容易さの観点から、正方形形状とすることが好まし
い。
【0081】この場合、被成膜部56の大きさは、デバ
イスの作り易さの観点から、0.1〜1μmとすること
が好ましい。
【0082】また、被成膜部56間の間隔は、電流量の
最適化の観点から、0.1〜1mmとすることが好まし
い。
【0083】本実施の形態にあっては、チャンバ2内
に、次のような電界発生手段6Aが設けられている。
【0084】この電界発生手段6Aは、半導体層55の
一対の対向する端縁部の側部に設けられた第1及び第2
の電極61、62を有している。
【0085】ここで、第1及び第2の電極61、62を
構成する材料は特に限定されることはないが、デバイス
の作り易さと抵抗値の低さの観点からは、例えば白金を
用いて形成することが好ましい。
【0086】また、第1及び第2の電極61、62を形
成する方法は特に限定されることはないが、膜厚制御性
の容易さの観点からは、真空蒸着法によって形成するこ
とが好ましい。
【0087】なお、絶縁層54の絶縁性確保のため、第
1及び第2の電極61、62は上述した絶縁層54に掛
からないように形成する必要がある。
【0088】そして、上述した第1及び第2の電極6
1、62は、両極性出力可能な直流電源63に接続され
ている。この場合、直流電源63の出力端子ではない方
の端子はグランド電位に接地されている。
【0089】そして、直流電源63から第1及び第2の
電極61、62に所定の電圧を印加する。この場合、第
1及び第2の電極に印加する電圧は、絶縁層54の耐電
圧確保の観点から、20〜50Vとすることが好まし
い。
【0090】そして、第1及び第2の電極61、62に
所定の電圧を印加すると、第1及び第2の電極61、6
2間の半導体層55に基板50Aに沿う方向の電流が流
れ、その結果、被成膜部56の表面において基板50A
に対して平行な静電界が形成され、基板50Aの表面方
向にグラファイト系の膜が成長する。
【0091】このように本実施の形態にあっては、電界
発生手段6Aによって基板50Aに沿う方向の静電界を
発生させ、この静電界を基板50Aに印加するようにし
たことから、基板50Aの表面方向にグラファイト系の
膜を成長させ層状に形成することが可能になる。
【0092】特に本実施の形態にあっては、基板を側方
から挟むように第1及び第2の電極61、62を設け、
これら第1及び第2の電極61、62間に電圧を印加し
て所定の電位差を発生させるようにしたことから、簡素
な構成で最適の静電界を形成することができる。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、導電
性の表面を有する基板上にグラファイト系の薄膜を層状
に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成膜装置の実施の形態の成膜装置
の概略構成図
【図2】(a):本発明の原理を示す説明図 (b):図2(a)のQ−Q線断面図
【図3】本発明の他の実施の形態の成膜装置の概略構成
【図4】(a):同実施の形態における成膜対象物を示
す平面図 (b):図4(a)のS−S線断面図
【図5】従来の成膜装置の概略構成図
【図6】(a)〜(d)従来技術の課題を示す説明図
【符号の説明】
1…成膜装置 2…真空チャンバ(真空槽) 6…電界
発生手段 7…基板ホルダ 9…フィラメント 50…
基板 60…コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沈 国華 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 Fターム(参考) 4G046 CA01 CB01 CB03 EB13 EC03 GA01 4K030 BA27 BA28 FA01 FA10 JA14 JA17 JA18 KA15 KA20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空中で化学気相反応によって成膜対象物
    に膜を形成する成膜方法であって、 前記成膜対象物に対し、当該成膜対象物に沿って交流電
    界を印加することを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】前記成膜対象物に沿う交流電界は、所定の
    コアに巻回されたコイルに対して高周波電力を印加する
    ことによって形成することを特徴とする請求項1記載の
    成膜方法。
  3. 【請求項3】前記コイルに対して10kHz以上の高周
    波電力を印加することを特徴とする請求項2記載の成膜
    方法。
  4. 【請求項4】前記成膜対象物は、その表層部分が導電性
    を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1項記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】真空中で化学気相反応によって成膜対象物
    に膜を形成する成膜方法であって、 前記成膜対象物に対し、当該成膜対象物に沿って静電界
    を印加することを特徴とする成膜方法。
  6. 【請求項6】前記成膜対象物に沿う静電界は、当該成膜
    対象物の近傍に設けた一対の電極間に所定の電位差を発
    生させることによって形成することを特徴とする請求項
    5記載の成膜方法。
  7. 【請求項7】前記成膜対象物は、その表層部分が導電性
    を有していることを特徴とする請求項5又は6のいずれ
    か1項記載の成膜方法。
  8. 【請求項8】前記成膜対象物は、その表層部分に導電性
    で島状の被成膜部が設けられていることを特徴とする請
    求項7記載の成膜方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか1項記載の方法
    によって形成されたことを特徴とする薄膜。
  10. 【請求項10】所定の反応ガスを導入可能に構成され、
    化学気相反応によって成膜対象物に膜を形成するための
    真空槽と、 前記成膜対象物の近傍に配設され、当該成膜対象物に沿
    う方向の交流電界を発生するように構成された電界発生
    手段とを備えたことを特徴とする成膜装置。
  11. 【請求項11】前記電界発生手段は、環状のコアと、該
    コアに巻回されたコイルと、該コイルに接続された高周
    波電源とを有することを特徴とする請求項10記載の成
    膜装置。
  12. 【請求項12】前記コアは、当該成膜対象物に対してほ
    ぼ平行な交流電界印加部を有することを特徴とする請求
    項11記載の成膜装置。
  13. 【請求項13】前記コアは、長円形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項記
    載の成膜装置。
  14. 【請求項14】前記コイルは、前記コアに対して1回乃
    至3回巻回されていることを特徴とする請求項11乃至
    13のいずれか1項記載の成膜装置。
  15. 【請求項15】前記コアは、当該成膜対象物を保持する
    保持部を兼ねていることを特徴とする請求項11乃至1
    4のいずれか1項記載の成膜装置。
  16. 【請求項16】所定の反応ガスを導入可能に構成され、
    化学気相反応によって成膜対象物に膜を形成するための
    真空槽と、 前記成膜対象物の近傍に配設され、当該成膜対象物に沿
    う方向の静電界を発生するように構成された電界発生手
    段とを備えたことを特徴とする成膜装置。
  17. 【請求項17】前記電界発生手段は、前記成膜対象物を
    側方から挟むように配置される一対の平行電極と、該一
    対の平行電極に接続された直流電源とを有することを特
    徴とする請求項16記載の成膜装置。
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