JP2004149917A - 薄膜製造装置およびその装置を用いた薄膜製造方法 - Google Patents

薄膜製造装置およびその装置を用いた薄膜製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アノード電極およびカソード電極が加熱された際に、それらの間の対向間隔の狂いを減少させること。
【解決手段】薄膜製造装置は、反応室と、反応室内に反応ガスを導入するガス導入部と、反応室内の反応ガスを排気する排気部と、反応室内に設けられる平板状の第1および第2電極と、第1および第2電極を平行にそれぞれ支持する第1および第2支持体と、第1および第2電極の間に高周波電力を印加する高周波電源部と、第1および第2電極の一方を加熱する加熱部とを備え、加熱される電極に成膜されるべき基板が搭載され、第1および第2電極の少なくとも一方が熱膨張方向に移動可能に支持される。
【選択図】図1

Description

この発明は、薄膜製造装置およびその装置を用いた薄膜製造方法に関し、詳しくは、プラズマCVD法を利用する薄膜製造装置と薄膜製造方法に関する。
基板上にシリコン系薄膜を形成する方法として、反応ガスをプラズマエネルギーで分解し、基板上に堆積させて薄膜を形成するプラズマCVD法が知られており、またその方法に用いる装置としてプラズマCVD装置が知られている。
一般に、プラズマCVD装置は、真空排気可能な反応室と、反応室内に反応ガスを導入するガス導入部と、反応室内の反応ガスを排気する排気部と、互いに間隔を空けて対向する平板状のアノードおよびカソード電極と、アノードおよびカソード電極間に高周波電力を印加する高周波電源部とを備える(例えば、特許文献1参照)。
ここで、通常、アノード電極はカソード電極との対向面に成膜すべき基板を載置し、アノード電極内部に基板を加熱するためのヒーターを内蔵している。
また、カソード電極は中空でアノード電極との対向面に多数の孔を有し、ガス導入部から供給されたガスを前記孔を介して噴出する。
そして、アノード電極とカソード電極は、それらの間の対向間隔を精密に維持するため反応容器に確実に固定される。
米国特許第4264393号明細書
プラズマCVD装置による薄膜形成の際、成膜すべき基板を載置するアノード電極はおおよそ300℃程度まで加熱され、またアノード電極に対向するカソード電極もアノード電極からの輻射熱によって加熱される。
この際、アノード電極およびカソード電極は熱膨張して変形し、それらの対向間隔に狂いが生じる。
アノード電極とカソード電極の間の対向間隔に狂いが生じると、所望の装置性能が得られなくなり、膜厚分布などの面で悪影響が生じる。
この発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、アノード電極およびカソード電極が加熱された際に、熱変形を防止してそれらの間の対向間隔の狂いを減少させることができる薄膜製造装置を提供するものである。
この発明は、反応室と、反応室内に反応ガスを導入するガス導入部と、反応室内の反応ガスを排気する排気部と、反応室内に設けられる平板状の第1および第2電極と、第1および第2電極を平行にそれぞれ支持する第1および第2支持体と、第1および第2電極の間に高周波電力を印加する高周波電源部と、第1および第2電極の一方を加熱する加熱部とを備え、加熱される電極に成膜されるべき基板が搭載され、第1および第2電極の少なくとも一方が熱膨張方向に移動可能に支持される薄膜製造装置を提供するものである。
この発明によれば、第1および第2電極を平行にそれぞれ支持する第1および第2支持体が設けられ、第1および第2電極の少なくとも一方が熱膨張方向に移動可能に支持されるので、第1および第2電極が加熱されて熱膨張した際にそれらの少なくとも一方については熱膨張方向への移動によって熱膨張を逃がすことができ、結果として、第1電極と第2電極の間の対向間隔の狂いが減少し、装置性能の向上が図られる。
また、第1および第2電極の少なくとも一方が熱膨張方向に移動可能に支持されるので、装置のメンテナンスを行う際に電極を装置から外し易くなり、プラズマCVD装置の整備性が向上する。
この発明は、反応室と、反応室内に反応ガスを導入するガス導入部と、反応室内の反応ガスを排気する排気部と、反応室内に設けられる平板状の第1および第2電極と、第1および第2電極を平行にそれぞれ支持する第1および第2支持体と、第1および第2電極の間に高周波電力を印加する高周波電源部と、第1および第2電極の一方を加熱する加熱部とを備え、加熱される電極に成膜されるべき基板が搭載され、第1および第2電極の少なくとも一方が熱膨張方向に移動可能に支持される薄膜製造装置を提供するものである。
この発明による薄膜製造装置は、例えば、プラズマCVD法によってシリコン系薄膜を製造するのに用いられる。
シリコン系薄膜としては、例えば、シリコンを主成分とする結晶質から非晶質までの薄膜を挙げることができ、反応ガスとしてはシリコン元素を含有するガスを用いることができる。
具体的には、反応ガスとしてシラン(SiH4)、ジシラン(Si26)などを用いることができ、これらのシラン、ジシランを水素(H2)やヘリウム(He)などで希釈してもよい。
また、この発明による薄膜製造装置で製造されるシリコン系薄膜には、他にも炭化ケイ素(SiC)膜、窒化ケイ素(SiN)膜、酸化ケイ素(SiO)膜、SiGe膜などが挙げられる。
炭化ケイ素膜を製造する場合には、反応ガスとしてシリコン元素を含有するガスの他に炭素元素を含有するCH4、C26などのガスを同時に導入する。
窒化ケイ素膜を製造する場合には、反応ガスとしてシリコン元素を含有するガスの他に窒素元素を含有するNH3、NOなどのガスを同時に導入する。
酸化ケイ素膜を製造する場合には、反応ガスとしてシリコン元素を含有するガスの他に酸素元素を含有するNO、CO2などのガスを同時に導入する。
SiGe膜を製造する場合には、反応ガスとしてシリコン元素を含有するガスの他にゲルマニウム元素を含有するGeH4などのガスを同時に導入する。
さらに、これらシリコン系薄膜には導電性を制御するために不純物を導入させてもよく、n型とする場合にはPH3など、p型とする場合にはB26などの不純物元素を含有するガスを同時に導入する。
また、この発明による薄膜製造装置において、反応室としては、少なくとも内部を真空に排気可能なものを用いることができる。
このような反応室は、例えば、ステンレス鋼、アルミ合金などで製作することができ、2以上の部材で構成する場合には嵌合部にOリングなどを用いて完全に密閉できる構造とすることが好ましい。
また、この発明による薄膜製造装置において、ガス導入部としては、例えば、従来よりプラズマCVD装置において慣用的に用いられているものを用いることができ、特に限定されない。
また、この発明による薄膜製造装置において、排気部としては、例えば、真空ポンプ、反応室と真空ポンプを接続する排気管、排気管の途中に設けられた圧力制御器などで構成されたものを用いることができる。
また、この発明による薄膜製造装置において、高周波電源部としては、例えば、プラズマ励起電源とインピーダンス整合器などで構成されたものを用いることができる。
また、この発明による薄膜製造装置において、加熱部は基板が搭載される電極を加熱するために設けられる。加熱部としては、例えば、シースヒーターを用いることができ、これは第1または第2電極に内蔵して用いられてもよい。
また、この発明による薄膜製造装置において、第1および第2電極としては平板状であってステンレス鋼、アルミ合金、カーボンなどの耐熱導電性材料からなるものを用いることができる。
第1電極は、例えば、ヒーターを内蔵したアノード電極であってもよく、また第2電極は、例えば、中空で第1電極との対向面に多数の孔を有するカソード電極であってもよい。
また、この発明による薄膜製造装置は、第1および第2電極の少なくとも一方はその一部が対応する支持体に固定されてもよい。
また、この発明による薄膜製造装置において、第1および第2電極の少なくとも一方はその一部が対応する支持体に固定され、かつ、他の部分が熱膨張方向に移動可能に支持されることが好ましい。
このような構成によれば、第1および第2電極を対応する支持体上にそれぞれ設置する際に、第1および第2電極の少なくとも一方は、対応する支持体に対する固定位置が自ずと定められ、位置決めを容易に行うことができる。
また、その電極は、支持体へ固定される部分が一部に限られるため、加熱時の熱膨張方向への移動は妨げられない。
なお、第1および第2電極の少なくとも一方を対応する支持体に固定する方法としては、例えば、ネジ止めが挙げられる。また、他の方法としては、対応する支持体と電極にボス(突起)と貫通孔をそれぞれ形成し、支持体のボスを電極の貫通孔に挿入する方法が挙げられる。
また、この発明による薄膜製造装置において、第1および第2電極は重力方向に対して直交するように水平に支持されてもよい。
このような構成において、第1および第2支持体は、対応する電極の縁をゆるく係止する複数の係止部をそれぞれ有し、各係止部は対応する電極の縁と水平方向に隙間を有する係止片と、電極の下面を支持する支持片とからなっていてもよい。
例えば、第1および第2電極がほぼ方形である場合、第1および第2支持体の各々は対応する電極の4隅を支持する4つの係止部からなっていてもよい。
このように、第1および第2支持体がそれぞれ4つの係止部からなる場合、第2支持体を構成する4つの係止部は反応室の底面から垂直に延びる4本の支柱の上端にそれぞれ固定されていてもよい。
また、第1および第2支持体の形状・形態としては上述のものに限定されず、例えば、第1および第2電極の縁のみをそれぞれ支持するような2つの枠状の架台であってもよいし、さらには、この2つの枠状の架台が上下に連なって一体に形成されていてもよい。
このように、第1および第2支持体の形状・形態は、第1および第2電極を平行に支持でき、かつ、第1および第2電極の少なくとも一方を熱膨張方向に移動可能に支持できればどのような形状・形態であってもよく特に限定されるものではない。
また、この発明による薄膜製造装置において、第1および第2支持体は絶縁物で構成されていてもよい。
ここで、第1および第2支持体を構成する絶縁物としては、例えば、ガラス、アルミナまたはジルコニアなどの絶縁性・断熱性に優れた耐熱材料を挙げることができる。
これらの耐熱材料で第1および第2支持体を構成すると、第1および第2電極を反応容器と電気的に絶縁できるだけでなく、第1または第2電極が加熱されたときに反応室への熱伝導を最小限に抑制できるようになる。
この結果、従来のプラズマCVD装置において、反応室を冷却する目的で反応室の周囲に配設されていた冷却水管などの冷却装置を省略できるようになる。
また、この発明はさらに別の観点からみると、反応室と、反応室内に反応ガスを導入するガス導入部と、反応室内の反応ガスを排気する排気部と、反応室内に設けられる複数対の平板状の第1および第2電極と、第1および第2電極の各対を平行にそれぞれ支持する第1および第2支持体と、第1および第2電極の各対の間に高周波電力を印加する高周波電源部と、各対における第1および第2電極の一方を加熱する加熱部とを備え、成膜されるべき各基板が各対の加熱される電極に搭載され、第1および第2電極の各対は少なくとも一方が熱膨張方向に移動可能に支持される薄膜製造装置を提供するものでもある。
複数対の第1および第2電極を備える上記薄膜製造装置において、第1および第2電極の各対の少なくとも一方はその一部が対応する支持体に固定されてもよい。
また、複数対の第1および第2電極を備える上記薄膜製造装置において、第1および第2電極の各対の少なくとも一方はその一部が対応する支持体に固定され、かつ、他の部分が熱膨張方向に移動可能に支持されてもよい。
また、複数対の第1および第2電極を備える上記薄膜製造装置において、複数対の第1および第2電極は重力方向に対して直交するように水平に支持されてもよい。
また、この発明は更に別の観点からみると、一対の第1および第2電極を備えるこの発明による上記薄膜製造装置を用い、成膜すべき基板を加熱される電極に載置し、反応室内に反応ガスを供給し、第1および第2電極間に高周波電力を印加して基板上に薄膜を形成する薄膜製造方法を提供するものでもある。
また、この発明は更に別の観点からみると、複数対の第1および第2電極を備えるこの発明による上記薄膜製造装置を用い、成膜すべき各基板を各対の加熱される電極に載置し、反応室内に反応ガスを供給し、第1および第2電極の各対の間に高周波電力を印加して各基板上に薄膜を形成する薄膜製造方法を提供するものでもある。
以下にこの発明の実施例による薄膜製造装置について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の複数の実施例において、共通する部材には同じ符号を用いて説明する。
この発明の実施例1による薄膜製造装置について図1〜図5に基づいて説明する。図1は実施例1による薄膜製造装置の全体構成を示す説明図、図2は図1のA部拡大図、図3は図1のB部拡大図、図4はアノード電極の支持方法を説明する説明図、図5はカソード電極の支持方法を説明する説明図である。
図1に示されるように、実施例1による薄膜製造装置100は、チャンバー(反応室)31と、チャンバー31内に反応ガスを導入するガス導入部28と、チャンバー31内の反応ガスを排気する排気部29と、チャンバー31内に設けられる平板状のアノード電極(第1電極)4およびカソード電極(第2電極)34と、アノード電極4とカソード電極34を平行にそれぞれ支持する係止部6,5と、アノード電極4とカソード電極34の間に高周波電力を印加する高周波電源部30と、アノード電極4を加熱するシースヒーター(加熱部)24とを備え、成膜されるべき基板1がアノード電極4に搭載され、アノード電極4とカソード電極34はそれらの熱膨張方向に移動可能に支持されるように構成されている。
ここで、チャンバー31は本体部11と扉部10とからなり、本体部11と扉部10はいずれもステンレス鋼またはアルミ合金などで製作できる。本体部11と扉部10の嵌合部分はOリング(図示せず)などを用いて密閉されている。
チャンバー31には、排気管20、圧力制御器22および真空ポンプ21からなる排気部29が接続され、チャンバー31内を任意の真空度に制御できるように構成されている。
図1および図4に示されるように、チャンバー31の底面には4つの係止部6が設けられ、これら4つの係止部6上にアノード電極4の4隅が載置されている。4つの係止部6は第1支持体を構成する。
アノード電極4の寸法は成膜すべき基板1の寸法に応じた適切な寸法に設定する。実施例1では、基板1の寸法を900×550mm〜1200×750mmと設定し、これに対するアノード電極4の寸法を1000×600mm〜1200×800mmと設定する。
アノード電極4は、ステンレス鋼、アルミ合金、カーボンなどで製作でき、実施例1ではアルミ合金を用いる。
アノード電極4は、シースヒーター24を内蔵し、熱電対25などの密閉型温度センサーを使用して室温〜600℃の範囲で温度制御できるように構成されている。
アノード電極4からの輻射熱によるチャンバー31の熱上昇を抑えるため、チャンバー31の底面とアノード電極4の下面との間には係止部6によって10〜30mmの間隙D1が設けられる。
係止部6は、アノード電極4からの熱伝導によるチャンバー31の熱上昇を抑えるため、ガラス、アルミナまたはジルコニアなどの熱伝導率の小さな材料で製作されることが望ましく、実施例1ではジルコニアを用いる。
また、同様の理由からアノード電極4と係止部6との接触面積は小さいほうが望ましく、実施例1では、前述の通り、4つの係止部6でアノード電極4の4隅のみを支持し、アノード電極4と係止部6との接触面積を各係止部6aあたり30×50mmに設定する。この支持形態と接触面積は、アノード電極4が撓まないようにすることを考慮して設定される。
また、アノード電極4からチャンバー31への熱伝導をさらに抑制するため、各係止部6のアノード電極4との接触面には深さ1〜5mmの掘り込みが数カ所にわたって設けられ、係止部6の強度を損なうことなく接触面積を減少させている。
ここで、特に図2および図4に示されるように、各係止部6はアノード電極4が載置された状態でアノード電極4の縁に対して水平方向に隙間を形成する係止片6aと、アノード電極4の下面を支持する支持片6bとから構成されている。
係止片6aは、加熱によるアノード電極4の熱膨張を勘案したうえで、アノード電極4の縁と各係止片6aとの間に適当な隙間が生じるような寸法と位置で形成される。実施例1では、図2に示されるように、室温状態における熱膨張前のアノード電極4の縁と各係止片6aとの間の隙間D2を5mmに設定する。
アノード電極4は4つの係止部6上に載置されるのみでネジ止めなどの固定はなされない。これにより、アノード電極4が加熱されて熱膨張しても、アノード電極4は熱膨張分だけ係止部6の支持片6b上を移動(摺動)し熱膨張が逃がされる。
なお、アノード電極4とチャンバー31とは接地線26によって電気的に接続されている。接地線26は幅10〜35mm、厚さ0.5〜3mmのアルミ板で製作され、アノード電極4の4隅に取り付けられている。
カソード電極34は、シャワープレート2と裏板3とからなり、シャワープレート2と裏板3はいずれもステンレス鋼、アルミ合金などで製作できるが、実施例1ではアルミ合金を用いる。カソード電極34の寸法は成膜すべき基板1の寸法に応じた適切な寸法に設定する。実施例1では、カソード電極34の寸法を1000×600mm〜1200×800mmに設定する。
カソード電極34の内部は中空であり、ガス導入部28と反応性ガス配管23によって接続されている。ガス導入部28から反応性ガス配管23を通じてカソード電極34内へ導入された反応性ガスは、カソード電極34のシャワープレート2に形成された複数の孔からシャワー状に導出される。
シャワープレート2の複数の孔は、直径0.1〜2.0mmで、隣接する孔どうしの間隔が数mm〜数cmピッチとなるように形成されることが望ましい。
図1および図5に示されるように、カソード34は、その4隅が4つの係止部5上にそれぞれ載置されている。4つの係止部5は第2支持体を構成する。
各係止部5はチャンバー31の底面から垂直に延びる4本の支柱8の上端近傍にそれぞれ固定されている。また4本の支柱8を補強するために、それらの上端には天板9が取り付けられる。
第2支持体5を構成する各係止部5は、ガラス、アルミナまたはジルコニアなどで製作でき、実施例1ではアルミナまたはジルコニアを用いる。
天板9はステンレス鋼、アルミ合金などで製作でき、実施例1ではアルミ合金を用いる。
カソード電極34もアノード電極4からの輻射熱を受けて加熱されるため、係止部6と同様にカソード電極34と第2支持体5との接触面積はなるべく小さいことが望ましく、実施例1ではカソード電極34と係止部5との接触面積を各係止部5あたり100×50mmに設定する。
この接触面積もまた、係止部6と同様に、カソード電極34が撓まないようにすることを考慮して設定される。
また、特に図3および図5に示されるように、各係止部5はカソード電極34が載置された状態でカソード電極34の縁に対して水平方向に隙間を形成する係止片5aと、カソード電極34の下面を支持する支持片5bとから構成されている。
係止片5aは、アノード電極4からの輻射熱を受けて加熱されるカソード電極34の熱膨張を勘案したうえで、カソード電極34の縁と各係止片5aとの間に適当な隙間が生じるような寸法と位置で形成される。実施例1では、室温状態における熱膨張前のカソード電極34の縁と各係止片5aとの間の隙間D3を5mmに設定する。
カソード電極34は4つの係止部5上に載置されるのみでネジ止めなどの固定はなされない。これにより、カソード電極34が加熱されて熱膨張しても、カソード電極34は熱膨張分だけ係止部5の支持片5b上を移動(摺動)し熱膨張が逃がされる。
つまり、実施例1では、アノード電極4とカソード電極34の両方が、熱膨張方向に移動可能となるように支持されるので、アノード電極4およびカソード電極34の熱膨張は、いずれも係止部6,5の支持片6b,5b上で生じる摺動によって逃がされ、アノード電極4とカソード電極34との対向間隔に狂いが生じず、設計通りの間隔精度が維持される。
また、上述の通り、アノード電極4およびカソード電極34は、いずれもネジ止めなどの固定がなされないため、装置のメンテナンスの際に容易に取り外すことができ、装置の整備性に優れている。
なお、アノード電極4とカソード電極34との対向間隔D4は数mm〜数十mmの間で設定することができ、実施例1では2〜30mmの範囲内に設定する。
アノード電極4とカソード電極34との対向間隔の公差(間隔精度)は、設定値の数%以内であることが望ましく、実施例1では1%以内に収められる。
カソード電極34にはプラズマ励起電源12とインピーダンス整合器13とからなる高周波電源部30が電力導入端子27を介し接続され、高周波電力が印加される。プラズマ励起電源12はDC〜108.48MHzの周波数で10W〜100KWの電力を使用する。実施例1では13.56MHz〜54.24MHzの周波数で10W〜100KWの電力を使用する。
以上のような構成からなる実施例1による薄膜製造装置100に、H2で希釈したSiH4からなる反応性ガスを所定の流量と圧力でカソード電極34を介して導入し、カソード電極34とアノード電極4との間に上記高周波電力を印加してグロー放電を発生させることにより、基板1上に膜厚300nmのシリコン薄膜が成膜時間10分、膜厚分布±10%以内で堆積される。
実施例2による薄膜製造装置について図6に基づいて説明する。実施例2による薄膜製造装置200は、1つのチャンバー31内に2組のアノード電極4およびカソード電極34と、2組の係止部5,6を設けて2段構成としている。
具体的には1段目のカソード電極34の上に2段目のアノード電極4を載置するための係止部6を設け、2組のアノード電極4およびカソード電極34を上下に重ねている。
また、支柱8は、1段目と2段目の係止部5に対して共通に用いられている。実施例2では2段構成としたが、同様の構成を繰り返すことにより3段以上の構成も可能である。
なお、チャンバー31、ガス導入部28、排気部29、高周波電源部30、各アノード電極4、各カソード電極34、各第1支持体6および各第2支持体5など各部の構成については実施例1と同じである。
実施例3による薄膜製造装置について図7および図8に基づいて説明する。図7は実施例3によるアノード電極の支持方法を説明する説明図、図8は実施例3によるカソード電極の支持方法を説明する説明図である。
図7および図8に示されるように、実施例3では、アノード電極304とカソード電極334の1つの隅が、それぞれ固定用係止部306a,305a上で点状に固定され、残る3つの隅は、上述の実施例1と同様に係止部6,5上に熱膨張方向に移動可能に載置されている。
固定用係止部306,305には、円柱状のボス306a,305aがそれぞれ立設され、アノード電極304およびカソード電極334は、1つの隅にボス306a,305aと対応する孔304a,334aがそれぞれ形成されている。
そして、固定用係止部306,305に立設されたボス306a,305aをアノード電極304およびカソード電極334の孔304a,334aにそれぞれ嵌め込むことにより、アノード電極304およびカソード電極334は固定用係止部306,305に対して着脱可能に固定される。
これにより、アノード電極304およびカソード電極334を固定用係止部306,305および係止部6,5上にそれぞれ設置する際に、アノード電極304およびカソード電極334は、固定用係止部306,305に対する固定位置が自ずと定められ、位置決めを容易に行うことができる。
また、アノード電極304およびカソード電極334は、1つの隅のみが固定用係止部306,305に固定されるので、他の3つの隅は熱膨張方向への移動が妨げられない。
従って、実施例1と同様に、アノード電極304とカソード電極334が加熱されて膨張しても、アノード電極304とカソード電極334の対向間隔は精度よく維持される。
なお、固定用係止部306,305は、係止部6,5と同様の材料で形成できる。その他の構成は、上述の実施例1と同じである。
また、図示はしないが、この実施例3においても、上述の実施例2と同様に1つのチャンバー内に複数対のアノード電極およびカソード電極と、複数対の係止部を設けることにより多段構成とすることができる。
この発明の実施例1による薄膜製造装置の全体構成を示す説明図である。 図1のA部拡大図である。 図1のB部拡大図である。 実施例1におけるアノード電極の支持方法を説明する説明図である。 実施例1におけるカソード電極の支持方法を説明する説明図である。 この発明の実施例2による薄膜製造装置の全体構成を示す説明図である。 実施例3おけるアノード電極の支持方法を説明する説明図である。 実施例3おけるカソード電極の支持方法を説明する説明図である。
符号の説明
1・・・基板
2・・・シャワープレート
3・・・裏板
4,304・・・アノード電極
5,6・・・係止部
5a,6a・・・係止片
5b,6b・・・支持片
8・・・支柱
9・・・天板
10・・・扉部
11・・・本体部
12・・・プラズマ励起電源
13・・・インピーダンス整合器
20・・・排気管
21・・・真空ポンプ
22・・・圧力制御器
23・・・反応性ガス配管
24・・・シースヒーター
25・・・熱電対
26・・・接地線
27・・・電力導入端子
28・・・ガス導入部
29・・・排気部
30・・・高周波電源部
31・・・チャンバー
34,334・・・カソード電極
304a,334a・・・孔
305,306・・・固定用係止部
305a,306a・・・ボス
D1・・・チャンバーとアノード電極の下面との間の間隙
D2・・・アノード電極の縁と係止部の係止片との間の隙間
D3・・・カソード電極の縁と係止部の係止片との間の隙間
D4・・・アノード電極とカソード電極との対向間隔

Claims (14)

  1. 反応室と、反応室内に反応ガスを導入するガス導入部と、反応室内の反応ガスを排気する排気部と、反応室内に設けられる平板状の第1および第2電極と、第1および第2電極を平行にそれぞれ支持する第1および第2支持体と、第1および第2電極の間に高周波電力を印加する高周波電源部と、第1および第2電極の一方を加熱する加熱部とを備え、加熱される電極に成膜されるべき基板が搭載され、第1および第2電極の少なくとも一方は対応する支持体によって熱膨張方向に移動可能に支持される薄膜製造装置。
  2. 第1および第2電極の少なくとも一方はその一部が対応する支持体に固定される請求項1に記載の薄膜製造装置。
  3. 第1および第2電極の少なくとも一方はその一部が対応する支持体に固定され、かつ、他の部分が熱膨張方向に移動可能に支持される請求項1に記載の薄膜製造装置。
  4. 第1および第2電極は重力方向に対して直交するように水平に支持される請求項1〜3のいずれか1つに記載の薄膜製造装置。
  5. 第1および第2支持体は、対応する電極の縁をゆるく係止する複数の係止部をそれぞれ有し、各係止部は対応する電極の縁と水平方向に隙間を有する係止片と、電極の下面を支持する支持片とからなる請求項4に記載の薄膜製造装置。
  6. 第1および第2電極はほぼ方形であって、第1および第2支持体の各々は対応する電極の4隅を支持する4つの係止部からなる請求項4に記載の薄膜製造装置。
  7. 第1および第2支持体は絶縁物で構成される請求項1〜6のいずれか1つに記載の薄膜製造装置。
  8. 絶縁物がガラス、アルミナまたはジルコニアからなる請求項7に記載の薄膜製造装置。
  9. 反応室と、反応室内に反応ガスを導入するガス導入部と、反応室内の反応ガスを排気する排気部と、反応室内に設けられる複数対の平板状の第1および第2電極と、第1および第2電極の各対を平行にそれぞれ支持する第1および第2支持体と、第1および第2電極の各対の間に高周波電力を印加する高周波電源部と、各対における第1および第2電極の一方を加熱する加熱部とを備え、成膜されるべき各基板が各対の加熱される電極に搭載され、第1および第2電極の各対は少なくとも一方が熱膨張方向に移動可能に支持される薄膜製造装置。
  10. 第1および第2電極の各対の少なくとも一方はその一部が対応する支持体に固定される請求項9に記載の薄膜製造装置。
  11. 第1および第2電極の各対の少なくとも一方はその一部が対応する支持体に固定され、かつ、他の部分が熱膨張方向に移動可能に支持される請求項9に記載の薄膜製造装置。
  12. 複数対の第1および第2電極は重力方向に対して直交するように水平に支持される請求項9〜11のいずれか1つに記載の薄膜製造装置。
  13. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の薄膜製造装置を用い、成膜すべき基板を加熱される電極に載置し、反応室内に反応ガスを供給し、第1および第2電極間に高周波電力を印加して基板上に薄膜を形成する薄膜製造方法。
  14. 請求項9〜12のいずれか1つに記載の薄膜製造装置を用い、成膜すべき各基板を各対の加熱される電極に載置し、反応室内に反応ガスを供給し、第1および第2電極の各対の間に高周波電力を印加して各基板上に薄膜を形成する薄膜製造方法。
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