JP2002105654A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

成膜装置及び成膜方法

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JP2002105654A JP2000297656A JP2000297656A JP2002105654A JP 2002105654 A JP2002105654 A JP 2002105654A JP 2000297656 A JP2000297656 A JP 2000297656A JP 2000297656 A JP2000297656 A JP 2000297656A JP 2002105654 A JP2002105654 A JP 2002105654A
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film
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微結晶或いは非晶質の炭素系薄膜とダイヤモン
ド薄膜との連続成膜を可能とする成膜装置及び成膜方法
を提供すること。 【解決手段】本発明の成膜装置10は、反応容器11
と、反応容器11に原料ガスを供給するガス供給口18
と、反応容器11からガスを排気する排気口と、反応容
器11内で基板13を支持する支持台14と、反応容器
11内の基板13上の空間に磁界を形成する磁界形成回
路21aと、反応容器11に連結されこの反応容器11
内の磁界が形成された空間にマイクロ波を導入するマイ
クロ波導入機構16,17と、磁界形成回路21aに接
続され磁界が形成され且つマイクロ波が導入された空間
内に原料ガスのプラズマが発生するように及び磁界の磁
束密度の最大値が電子サイクロトロン共鳴が起こる値未
満となるように磁界形成回路21aへの出力を制御する
制御機構31〜33とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜装置及び成膜
方法に係り、特には炭素系薄膜の形成に用いられ得る成
膜装置及び成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素系薄膜は、磁気ディスク及び磁気ヘ
ッドの保護膜や光学部品等の保護膜などとして用いられ
ている。そのような炭素系薄膜の一種である微結晶或い
は非晶質炭素系薄膜は、通常、ECRプラズマCVD法
を利用して成膜されている。
【0003】図5は、従来のECRプラズマCVD装置
の一般的な構造を概略的に示す図である。このECRプ
ラズマCVD装置100を用いた微結晶或いは非晶質炭
素系薄膜の成膜は、例えば、以下の方法で行う。
【0004】まず、試料室112b内に配置された支持
台114上に基板113を載置する。次に、試料室11
2bの下部に順次接続された圧力調節バルブ124、タ
ーボ分子ポンプ125、及びロータリポンプ126を用
いてプラズマ室112a及び試料室112b内の圧力を
所定値に制御しつつ、図示しない原料ガス供給口から、
水素ガスとメタンガスとの混合ガスのような原料ガスを
プラズマ室112a内に供給する。また、これととも
に、それぞれプラズマ室112aの周囲に配置されたプ
ラズマ発生用電磁コイル121a及びプラズマ収束用電
磁コイル121bに通電して、プラズマ室112a内に
875ガウスの磁界を形成する。さらに、この状態で、
マイクロ波導波路116から石英窓117を介してプラ
ズマ室112a内に2.45GHzのマイクロ波を導入
することにより、プラズマ室112a内に電子サイクロ
トロン共鳴による放電を生じさせて高密度プラズマを発
生させる。このようにして生成したイオン種を、必要に
応じて高周波電源115から支持台114に高周波電圧
を印加して基板113の表面に集中させることにより、
試料室112b内に配置された基板113の表面に微結
晶或いは非晶質炭素系薄膜を形成する。
【0005】上述のように、図5に示すECRプラズマ
CVD装置100では、プラズマの発生とイオン種の堆
積とが、プラズマ室112a及び試料室112bでそれ
ぞれ行われる。そのため、従来の炭素系薄膜の成膜技術
には、微結晶或いは非晶質炭素系薄膜の成膜に大型の成
膜装置を使用せざるを得ないという問題があった。
【0006】また、従来技術に係る炭素系薄膜の成膜技
術には、上記問題に加え、以下に説明する問題もある。
近年では、炭素系薄膜の1種であるダイヤモンド薄膜
が、真空マイクロ素子のエミッタ材料として注目を浴び
ている。これは、ダイヤモンドは負またはゼロに近い電
子親和力を有しているため、ダイヤモンド薄膜を上記エ
ミッタ材料として用いることにより電子放出が容易とな
るからである。
【0007】しかしながら、ダイヤモンドはバンドギャ
ップが大きい(約5.5eV)ため、金属電極層からダ
イヤモンド層への電子の注入が容易ではない。そこで、
金属電極層とダイヤモンド層との間に微結晶或いは非晶
質の炭素系薄膜を介在させることにより、金属電極層か
らダイヤモンド層への電子の注入を促進する提案がなさ
れている。
【0008】ところが、一般に、微結晶或いは非晶質炭
素系薄膜とダイヤモンド薄膜とは、それぞれ互いに異な
る方法で成膜されている。すなわち、微結晶或いは非晶
質炭素系薄膜はECRプラズマCVD法により成膜され
るのに対し、ダイヤモンド薄膜はマイクロ波CVD法に
より成膜されるのが通常である。そのため、それら薄膜
の一方の成膜と他方の成膜とには互いに異なる成膜装置
が使用され、したがって、それら成膜工程を連続して行
うことができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、炭素系薄膜の成膜に利用
可能であり且つ小型化が可能な成膜装置及び成膜装置の
小型化が可能な炭素系薄膜の成膜方法を提供することを
目的とする。また、本発明は、微結晶或いは非晶質炭素
系薄膜とダイヤモンド薄膜との連続成膜を可能とする成
膜装置及び成膜方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、反応容器と、前記反応容器内に原料ガス
を供給するガス供給口と、前記反応容器からガスを排気
する排気口と、前記反応容器内に配置され基板を支持す
る支持台と、前記反応容器の周囲を取り囲むように配置
され前記基板上の空間に磁界を形成する磁界形成回路
と、前記反応容器に連結されこの反応容器内の前記磁界
が形成された空間にマイクロ波を導入するマイクロ波導
入機構と、前記磁界形成回路に接続され、前記磁界が形
成され且つ前記マイクロ波が導入された空間内に前記原
料ガスのプラズマが発生するように、及び前記磁界の磁
束密度の最大値が電子サイクロトロン共鳴が起こる値未
満となるように、前記磁界形成回路への出力を制御する
制御機構と、を具備することを特徴とする成膜装置を提
供する。
【0011】また、本発明は、反応室内に磁界を形成す
るのとともに原料ガスを供給しつつマイクロ波を導入す
ることによりプラズマを発生させ前記プラズマを利用し
た化学蒸着法により前記反応室内に配置された基板の表
面に炭素系薄膜を形成する工程を含み、前記炭素系薄膜
を形成する工程を前記磁界の磁束密度の最大値を電子サ
イクロトロン共鳴が起こる値未満に制御しつつ行うこと
を特徴とする成膜方法を提供する。
【0012】上述のように、従来技術では、微結晶或い
は非晶質炭素系薄膜を成膜するに際し、電子サイクロト
ロン共鳴を利用してプラズマを発生させている。そのよ
うなプラズマは極めて強力であるため、基板をプラズマ
室内に配置した場合、成膜速度よりもエッチング速度が
高くなり、基板表面の劣化が生じたり或いは成膜自体が
不可能となる。従来技術では、このような理由で、プラ
ズマの発生とイオン種の堆積とをプラズマ室及び試料室
でそれぞれ行っていた。
【0013】それに対し、本発明では、磁界の磁束密度
の最大値を電子サイクロトロン共鳴が起こる値未満に制
御している。このような制御のもとで発生させたプラズ
マは、電子サイクロトロン共鳴を利用して発生させた場
合とは異なり、過剰に強力であるということはない。そ
のため、本発明によると、単一の反応室内でプラズマの
発生及びイオン種の堆積の双方を行うことが可能とな
る。すなわち、成膜装置の小型化が可能となる。
【0014】また、本発明では、プラズマの発生及びイ
オン種の堆積の双方が単一の反応室内で行われるため、
本発明の成膜装置は、マイクロ波CVD装置の構成を含
むことができる。すなわち、本発明の成膜装置は、マイ
クロ波プラズマCVD装置として微結晶或いは非晶質炭
素系薄膜等の成膜に利用可能であるだけでなく、磁界形
成回路に通電することなく基板の位置等を適宜制御する
ことにより、マイクロ波CVD装置としてダイヤモンド
薄膜等の成膜にも使用することができる。したがって、
本発明によると、微結晶或いは非晶質炭素系薄膜とダイ
ヤモンド薄膜とを基板を大気に晒すことなく連続的に成
膜することが可能となる。
【0015】本発明において、基板を載置する支持台は
二重構造を有するものであることが好ましい。すなわ
ち、支持台は、基板が載置され且つ高周波電源と電気的
に接続された導電性の導電部と、この導電部の周囲に設
けられ導電部を支持台の周囲空間から電気的に絶縁する
絶縁部とを有することが好ましい。支持台をこのような
二重構造とした場合、支持体上部の基板載置領域に対し
て効果的に電界を形成することができる。
【0016】本発明で形成する炭素系薄膜は、通常は微
結晶或いは非晶質の炭素系薄膜である。この微結晶或い
は非晶質の炭素系薄膜は、窒素、硼素、リン、及び硫黄
のような不純物並びにそれらの混合物を含有することが
できる。
【0017】本発明の成膜装置において、磁界形成回路
は、反応室内にプラズマを発生させるのに利用される第
1の磁界形成回路と、発生したプラズマを収束させるの
に利用される第2の磁界形成回路とで構成することがで
きる。これら第1及び第2の磁界形成回路は、通常、成
膜装置の頂部に設けられるガス供給口から成膜装置の底
部に設けられる排気口に向けて順次配置される。また、
このような構成の成膜装置で、マイクロ波プラズマCV
D法により炭素系薄膜を形成する場合、通常、基板が第
2の磁界形成回路のガス供給口側端部と排気口側端部と
の間に位置するように支持台を位置合わせする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながらより詳細に説明する。なお、各図において同様
の部材には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略
する。
【0019】図1は、本発明の一実施形態に係る成膜装
置を概略的に示す図である。図1に示す成膜装置10は
反応容器11を有しており、この反応容器11は内部に
実質的に気密な反応室12を形成している。この反応容
器11の内部には、基板13を支持する支持台14が配
置されており、この支持台14には基板13にバイアス
を印加するための高周波電源15が接続されている。支
持台14は、図示しない駆動機構により、図中、縦方向
に可動であり、基板13を反応室12内で任意の高さに
位置させることができる。また、支持台14は、図2を
参照して後述するように二重構造を有している。
【0020】反応室12はその上部にマイクロ波導波路
16が連結されており、反応室12とマイクロ波導波路
16との接続部には石英からなるマイクロ波導入用の窓
17が設けられている。これらマイクロ波導波路16及
び窓17等はマイクロ波導入機構を構成している。ま
た、反応容器11の上部には、ガス供給口18が設けら
れており、この原料ガス供給口18は、原料ガスを収容
するガス供給源(図示せず)と接続されている。
【0021】反応容器11は、磁界形成回路である電磁
コイル21a及び電磁コイル21bによって上方から順
次取り囲まれている。電磁コイル21aは反応室12内
にプラズマを発生させるのに使用され、電磁コイル21
bは発生したプラズマを収束させるのに用いられる。
【0022】反応容器11の下部には、排気口(図示せ
ず)が設けられており、この排気口に、圧力調節バルブ
24、ターボ分子ポンプ25、及びロータリポンプ26
が順次接続されている。これら、圧力調節バルブ24、
ターボ分子ポンプ25、及びロータリポンプ26は、排
気系を構成しており、反応室12内の圧力を制御するの
に用いられる。この排気系は、上述した構成に限られる
ものではなく、反応室12内の圧力を所望値に制御可能
であれば、クライオポンプなどを用いることもできる。
【0023】反応容器11には、磁界測定用プローブ3
1が設置されている。磁界測定用プローブ31は、その
先端が反応室12内に位置するように配置されている。
磁界測定用プローブ31は磁界測定装置32に接続され
ており、磁界測定装置32は磁界発生制御装置33に接
続されている。また、磁界発生制御装置33は電磁コイ
ル21aに接続されている。磁界測定用プローブ31、
磁界測定装置32、及び磁界発生制御装置33は制御機
構を構成しており、反応室12内の磁束密度はプローブ
31及び磁界測定装置32によって測定され、磁界発生
制御装置33は、その測定結果に基づいて反応室12内
の磁束密度の最大値が電子サイクロトロン共鳴が起こる
値未満となるように電磁コイル21aへの通電量を制御
する。
【0024】なお、通常、マイクロ波の周波数は2.4
5GHzであるので、反応室12内の磁束密度が875
ガウスである場合に電子サイクロトロン共鳴が起こる。
換言すれば、反応室12内の磁束密度が875ガウス未
満である場合だけでなく、反応室12内の磁束密度が8
75ガウスより高い場合でも電子サイクロトロン共鳴は
起こらない。しかしながら、磁束密度は反応室12内で
完全に均一である訳ではないので、磁束密度が875ガ
ウスより高い場合には磁束密度が875ガウスに等しい
領域が存在することとなる。したがって、電子サイクロ
トロン共鳴を防止するためには、現実的には、反応室1
2内の磁束密度の最大値を875未満とすることが必要
となる。
【0025】磁束密度の測定及び電磁コイル21aへの
通電量の制御は、成膜と並行して行うことが望ましい
が、成膜前に磁束密度の測定を行い、成膜時には成膜前
に測定した磁束密度に基づいて通電量の制御のみを行っ
てもよい。この場合、成膜の際に、プローブ31を成膜
装置10から取り外してもよい。また、磁界発生制御装
置33は、所定の設定値に基づいて電磁コイル21aへ
の通電量を制御するものであってもよい。この場合、プ
ローブ31及び磁界測定装置32は設けなくてもよい。
すなわち、制御機構は、磁界発生制御装置33のみで構
成することもできる。
【0026】次に、上述した成膜装置10の支持台14
について、より詳しく説明する。図2(a)は図1に示
す成膜装置10の支持台14を概略的に示す上面図であ
り、図2(b)は図2(a)に示す支持台14のA−A
線に沿った断面図である。図2(a)及び(b)に示す
ように、支持台14は、基板13が載置される導電部4
1と、導電部41の周囲に設けられた周囲絶縁部42と
を有している。
【0027】導電部41は、ステンレス、モリブデン、
及びタングステンなどのような金属で構成されており、
高周波電源15と電気的に接続されている。また、導電
部41の内部には、基板13を加熱するヒータ43が内
蔵されており、基板13の温度を所定値に制御可能であ
る。このヒータ43は、基板13の温度を制御可能であ
れば特に制限はなく、シーズヒータや誘導コイル型のヒ
ータなどを用いることができる。
【0028】絶縁部42は、導電部41を支持台14の
周囲空間から電気的に絶縁している。絶縁部42は、セ
ラミックなどの絶縁材料で構成することができる。ま
た、絶縁部42は、導電部41と電気的に接触していな
ければ金属であってもよい。
【0029】このような二重構造の支持台14を用いた
場合、支持体14上部の基板載置領域に対して有効に電
界を形成することができる。したがって、高い制御性及
び再現性での成膜が可能となる。
【0030】上述した成膜装置10は、例えば、真空マ
イクロ素子の製造に利用することができる。これについ
ては、図3(a)〜(k)を参照しながら説明する。
【0031】図3(a)〜(k)は、それぞれ、本発明
の一実施形態に係る成膜方法を利用した真空マイクロ素
子の製造プロセスを概略的に示す断面図である。図3
(k)に示す真空マイクロ素子50を製造するに当た
り、まず、(100)面が露出したSi単結晶基板13
を準備する。次に、図3(a)に示すように、この基板
13の一方の主面に、開口部から底部に向けてテーパし
た凹部52を形成する。
【0032】この凹部52は、例えば、異方性エッチン
グを利用して形成することができる。すなわち、まず、
Si単結晶基板13の(100)面に厚さ0.1μm程
度の熱酸化膜(SiO2膜:図示せず)を形成する。次
に、この熱酸化膜上に、スピンコート法によりレジスト
を塗布する。次いで、レジスト膜のパターン露光及び現
像を順次行って、レジストパターンを形成する。その
後、このレジストパターンをエッチングマスクとして用
いて、NH4F・HF混合用液による熱酸化膜のエッチ
ングを行う。レジストパターンを除去した後、パターニ
ングされた熱酸化膜をエッチングマスクとして用いて、
Si単結晶基板13表面のKOH水溶液による異方性エ
ッチングを行う。以上のようにして、Si単結晶基板1
3の表面に、逆ピラミッド状の凹部52を形成する。
【0033】次に、図3(b)に示すように、Si単結
晶基板13の凹部52を形成した面に厚さ0.4μm程
度の熱酸化膜53を形成する。この凹部52の形状は最
終的に形成される真空マイクロ素子50の電子放出特性
に大きな影響を与える。すなわち、逆ピラミッド状の凹
部52の底部がより鋭角化されている場合、それに対応
してエミッタも先鋭化されるため、低電圧での電子放出
が可能となる。このような凹部52の底部の鋭角化は、
上記のように熱酸化膜53を形成することにより可能で
ある。なお、熱酸化膜53の代わりに、CVD法などに
よって絶縁膜を形成することもできる。しかしながら、
熱酸化膜は緻密であり且つ厚さの制御等が容易であるの
で、CVD法などによって絶縁膜を形成するのではな
く、熱酸化膜53を形成することが好ましい。
【0034】次に、図1に示す成膜装置10を用いて、
図3(c)に示すように、熱酸化膜53上にエミッタ層
であるダイヤモンド薄膜54を形成する。このダイヤモ
ンド薄膜54の成膜に際し、反応室12内には、原料ガ
スとして、水素ガスを300sccmの流量で及びメタ
ン(CH4)ガスを2sccmの流量で供給し、反応室
12内の圧力は50Torrに制御した。また、マイク
ロ波(周波数:2.45GHz)のパワーを3kW、基
板温度を850℃とした。なお、電磁コイル21a,2
1bには通電しなかった。以上の条件で、厚さ約2μm
のダイヤモンド薄膜54を形成した。
【0035】このダイヤモンド薄膜54の成膜に引き続
き、図1に示す成膜装置10を用いて、図3(d)に示
すようにダイヤモンド薄膜54上に中間層として微結晶
或いは非晶質の炭素系薄膜55を形成する。この炭素系
薄膜55の成膜に際しては、反応室12内に原料ガスと
して水素ガスを10sccmの流量で及びメタン(CH
4)ガスを1sccmの流量で供給し、反応室12内の
圧力は10mTorrに制御した。また、マイクロ波
(周波数:2.45GHz)のパワーを50W、高周波
電源15から支持台14に印加する自己バイアスを−1
00V、基板温度を100℃とし、電磁コイル21aに
より形成される反応室12内の磁束密度の最大値を80
0ガウスに制御した。以上の条件で、厚さ約500nm
の微結晶或いは非晶質の炭素系薄膜55を形成した。
【0036】その後、図3(d)に示すように、炭素系
薄膜55上に、スパッタリング法によりエミッタ電極層
である金属層56を形成する。ここでは、金属層56と
して、厚さ3μm程度のモリブデン(Mo)膜を形成し
た。
【0037】上述した方法で各種薄膜の成膜等を行う一
方で、構造基板61として、厚さが1mmであり一方の
主面に厚さ0.3μm程度のAl層62が形成されたパ
イレックス(登録商標)ガラス基板を準備する。このガ
ラス基板61とSi基板13とを、図3(e)に示すよ
うに、Al層62が形成された面の裏面とMo層56と
が対向するように接着する。これらの接着には、例え
ば、静電接着法を用いることができる。
【0038】その後、ガラス基板61の一方の主面に形
成されたAl層62をHNO3・CH3COOH・HF混
合液を用いて除去した後、KOH水溶液等を用いてSi
基板13のみを選択的にエッチングする。これにより、
図3(f)に示すように、ゲート絶縁膜として用いられ
る熱酸化膜53が露出した構造を得る。
【0039】次に、図3(g)に示すように、熱酸化膜
53上にゲート電極層63を形成する。ここでは、ゲー
ト電極層63として、スパッタリング法により厚さ0.
5μm程度のW層を形成した。次いで、図3(h)に示
すように、ゲート電極層63上にレジスト膜64を形成
する。レジスト膜64は、ゲート電極層63の凸部先端
が僅かに隠れる程度に形成する。
【0040】その後、特開平6−36682号公報に記
載されるのと同様の工程を実施する。すなわち、図3
(i)に示すように、酸素プラズマを用いたドライエッ
チングにより、ゲート電極層63の凸部先端のみが露出
するようにレジスト膜64をエッチングする。次に、図
3(j)に示すように、レジスト膜64をエッチングマ
スクとして用いて、ゲート電極層63の露出した凸部先
端をエッチングして、熱酸化膜53の凸部先端を露出さ
せる。その後、熱酸化膜53の露出した凸部先端をNH
4F・HF混合液を用いてエッチングすることによりダ
イヤモンド薄膜54の凸部先端を露出させ、さらに、レ
ジスト膜64を除去することにより、図3(k)に示す
真空マイクロ素子50を得る。
【0041】なお、上述した真空マイクロ素子50の製
造プロセスは、種々の変形が可能である。例えば、微結
晶或いは非晶質の炭素系薄膜55をnタイプ或いはpタ
イプの薄膜としてもよい。炭素系薄膜55をnタイプの
薄膜とする場合は、ドーパントとしてN2ガスを導入す
ることができる。また、N2ガスに限らず、尿素、エチ
レンジアミン、及びジメチルアミンなどのように窒素源
として機能する化合物を用いることもできる。さらに、
硫黄をドーパントとして用いることも可能である。
【0042】また、ダイヤモンド薄膜54や微結晶或い
は非晶質炭素系薄膜55の炭素源としては、メタンガス
に限られるものではなく、アセトン、エタノール、及び
メタノールなどのように炭素を含む有機溶剤等を使用す
ることができる。
【0043】ゲート電極層63の材料としては、タング
ステン(W)以外にもモリブデン(Mo)などの金属を
用いることができる。このゲート電極層63の材料は、
金属に限られるものではなく、Si基板13の一部を利
用することも可能である。以下、ゲート電極層63の材
料としてSi基板13の一部を利用した真空マイクロ素
子50の製造プロセスについて説明する。
【0044】まず(100)面が露出したn-Si基板
の一方の主面の表面領域に、イオンドーピング法などに
よりp+層を形成する。次に、図3(a)を参照して説
明したのと同様の方法により、Si基板の表面に、p+
層を貫通して逆ピラミッド状の凹部を形成する。
【0045】次に、Si基板の凹部を形成した面に、ゲ
ート絶縁膜として用いられる厚さ0.4μm程度の熱酸
化膜を形成する。次いで、この熱酸化膜上に、上述した
のと同様の方法により非晶質炭素薄膜を形成し、さら
に、非晶質炭素薄膜上にSi薄膜及び金属薄膜を順次形
成する。
【0046】上述した方法で各種薄膜の成膜等を行う一
方で、厚さが1mmであり一方の主面に厚さ0.3μm
程度のAl層が形成されたパイレックスガラス基板を準
備する。このガラス基板と上記Si基板とを、Al層が
形成された面の裏面と金属薄膜とが対向するように接着
する。その後、ガラス基板の一方の主面に形成されたA
l層をHNO3・CH3COOH・HF混合液を用いて除
去した後、KOH水溶液等を用いて電気化学エッチング
を行う。この電気化学エッチング法を用いれば、n-
i層のみを選択的に除去し、ゲート電極層としてp+
i層を残置させることができる。その後、n-Si層の
除去により露出した熱酸化膜を除去することにより、非
晶質炭素薄膜を露出させる。以上のようにして、真空マ
イクロ素子を得る。
【0047】上述した方法で製造した真空マイクロ素子
50は、図4に示す平板型画像表示装置で使用すること
ができる。なお、図4は、本発明の一実施形態に係る成
膜方法を利用した真空マイクロ素子を用いた平板型画像
表示装置を概略的に示す断面図である。
【0048】図4に示す平板型画像表示装置70は、複
数の真空マイクロ素子50が配列された構造の真空マイ
クロ素子基板71と、真空マイクロ素子基板71のエミ
ッタ層54が形成された面と対向して配置された対向基
板72とで主に構成されている。対向基板72は、ガラ
スフェースプレート73と、その真空マイクロ素子基板
71と対向する面に順次形成されたITOからなる透明
電極層74及び蛍光体層75とを有している。真空マイ
クロ素子基板71と対向基板72とは、離間して配置さ
れており、真空筐体を構成している。
【0049】このように、上記実施形態で説明した成膜
装置及び成膜方法は、図4に示す平板型画像表示装置7
0の製造に有用である。また、上記実施形態で説明した
成膜装置及び成膜方法は、図4に示す平板型画像表示装
置70に限られるものではなく、様々な用途で利用する
ことができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、磁界
の磁束密度の最大値を電子サイクロトロン共鳴が起こる
値未満に制御することにより適度な強さのプラズマを発
生させて、単一の反応室内でプラズマの発生及びイオン
種の堆積の双方を行うことを可能としている。また、本
発明では、プラズマの発生及びイオン種の堆積の双方が
単一の反応室内で行われるため、本発明の成膜装置は、
マイクロ波プラズマCVD装置としてだけでなくマイク
ロ波CVD装置としても利用可能である。すなわち、本
発明によると、炭素系薄膜の成膜に利用可能であり且つ
小型化が可能な成膜装置及び成膜装置の小型化が可能な
炭素系薄膜の成膜方法が提供される。また、本発明によ
ると、微結晶或いは非晶質炭素系薄膜とダイヤモンド薄
膜との連続成膜を可能とする成膜装置及び成膜方法が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る成膜装置を概略的に
示す図。
【図2】(a)は図1に示す成膜装置の支持台を概略的
に示す上面図、(b)は(a)に示す支持台のA−A線
に沿った断面図。
【図3】(a)〜(k)は、それぞれ、本発明の一実施
形態に係る成膜方法を利用した真空マイクロ素子の製造
プロセスを概略的に示す断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る成膜方法を利用した
真空マイクロ素子を用いた平板型画像表示装置を概略的
に示す断面図。
【図5】従来のECRプラズマCVD装置の一般的な構
造を概略的に示す図。
【符号の説明】
10,100…成膜装置; 11…反応容器; 12…
反応室;13,113…基板; 14,114…支持
台;15,115…高周波電源; 16,116…マイ
クロ波導波路;17,117…窓; 18…原料ガス供
給口;21a,21b,121a,121b…電磁コイ
ル;24,124…圧力調節バルブ; 25,125…
ターボ分子ポンプ;26,126…ロータリポンプ;
31…磁界測定用プローブ;32…磁界測定装置; 3
3…磁界発生制御装置; 41…導電部;42…周囲絶
縁部; 43…ヒータ; 50…真空マイクロ素子;5
2…凹部; 53…熱酸化膜; 54…ダイヤモンド薄
膜;55…炭素系薄膜; 56…金属層; 61…構造
基板; 62…Al層;63…ゲート電極層; 64…
レジスト膜; 70…平板型画像表示装置;71…真空
マイクロ素子基板; 72…対向基板;73…ガラスフ
ェースプレート; 74…透明電極層; 75…蛍光体
層;112a…プラズマ室; 112b…試料室;
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 富男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4K030 AA10 AA17 BA27 BA28 BB04 BB05 CA04 CA06 FA02 HA01 KA30 KA34 KA41 LA18 5F045 AA09 AB07 AF03 BB08 EH03 EH12 EH16 GB08 HA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器と、 前記反応容器内に原料ガスを供給するガス供給口と、 前記反応容器からガスを排気する排気口と、 前記反応容器内に配置され基板を支持する支持台と、 前記反応容器の周囲を取り囲むように配置され前記基板
    上の空間に磁界を形成する磁界形成回路と、 前記反応容器に連結されこの反応容器内の前記磁界が形
    成された空間にマイクロ波を導入するマイクロ波導入機
    構と、 前記磁界形成回路に接続され、前記磁界が形成され且つ
    前記マイクロ波が導入された空間内に前記原料ガスのプ
    ラズマが発生するように、及び前記磁界の磁束密度の最
    大値が電子サイクロトロン共鳴が起こる値未満となるよ
    うに、前記磁界形成回路への出力を制御する制御機構
    と、を具備することを特徴とする成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記支持台は、前記基板が載置され且つ
    高周波電源と電気的に接続された導電性の導電部と、前
    記導電部の周囲に設けられ前記導電部を前記支持台の周
    囲空間から電気的に絶縁する絶縁部とを具備することを
    特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 【請求項3】 反応室内に磁界を形成するのとともに原
    料ガスを供給しつつマイクロ波を導入することによりプ
    ラズマを発生させ前記プラズマを利用した化学蒸着法に
    より前記反応室内に配置された基板の表面に炭素系薄膜
    を形成する工程を含み、前記炭素系薄膜を形成する工程
    を前記磁界の磁束密度の最大値を電子サイクロトロン共
    鳴が起こる値未満に制御しつつ行うことを特徴とする成
    膜方法。
  4. 【請求項4】 前記反応室内に原料ガスを供給しつつマ
    イクロ波を導入することによりプラズマを発生させ前記
    プラズマを利用した化学蒸着法により前記基板の表面に
    ダイヤモンド薄膜を形成する工程をさらに含み、前記炭
    素系薄膜は微結晶及び非晶質の少なくとも一方の構造を
    有し、前記炭素系薄膜を形成する工程と前記ダイヤモン
    ド薄膜を形成する工程とを前記基板を大気に晒すことな
    く連続的に行うことを特徴とする請求項3に記載の成膜
    方法。
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