JP2003055488A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2003055488A
JP2003055488A JP2001244305A JP2001244305A JP2003055488A JP 2003055488 A JP2003055488 A JP 2003055488A JP 2001244305 A JP2001244305 A JP 2001244305A JP 2001244305 A JP2001244305 A JP 2001244305A JP 2003055488 A JP2003055488 A JP 2003055488A
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JP2001244305A
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English (en)
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Masashi Inagaki
昌司 稲垣
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性、耐擦傷性、滑り性等に優れ、そ
の結果、ゴミ等の付着による汚れ防止、傷付き防止、取
り扱い性等に優れる特性を有する積層フィルムを提供す
る。 【解決手段】 二軸配向ポリエステルフィルムの一方の
表面に鉛筆硬度H以上の塗布層を有し、塗布層の厚みが
0.5μm以上でかつ二軸配向ポリエステルフィルムの
厚さの1/10までの範囲であり、塗布層表面の表面抵
抗が1×1011Ω以下であり、塗布層表面と塗布層の反
対側のフィルム表面との摩擦係数が0.4以下であるこ
とを特徴とする積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
するものであり、詳しくは、二軸配向ポリエステルフィ
ルムの一方の表面に、耐擦傷性、帯電防止性、滑り性等
に優れた塗布層が設けられた積層フィルムからなり、例
えば、自動車の窓、建築物の窓等の窓ガラス、LCD、
CRT、PDP等の各種ディスプレイ等のガラス等に貼
付されて使用される積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車の窓や建築物の窓等に遮
光、飛散防止等の目的で耐熱性、耐水性、耐薬品性、機
械的強度等に優れているポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上にハードコート層を塗布し乾燥、硬化させたハ
ードコートフィルムが主に使用されている。しかしなが
ら、ハードコートフィルムは、帯電防止性、滑り性に劣
り、帯電による埃や塵等の付着や、滑り性が悪いがため
の取り扱い性の悪さ等に問題点があり、改良が望まれて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、帯電防止性、耐
擦傷性、滑り性等に優れ、その結果、ゴミ等の付着によ
る汚れ防止、傷付き防止、取り扱い性等に優れる特性を
有する積層フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定の積層フィルムによれ
ば、上記課題が容易に解決されることを見いだし、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、二
軸配向ポリエステルフィルムの一方の表面に鉛筆硬度H
以上の塗布層を有し、塗布層の厚みが0.5μm以上で
かつ二軸配向ポリエステルフィルムの厚さの1/10ま
での範囲であり、塗布層表面の表面抵抗が1×1011Ω
以下であり、塗布層表面と塗布層の反対側のフィルム表
面との摩擦係数が0.4以下であることを特徴とする積
層フィルムに存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の偏光板保護フィルム用基材は、液晶表示板の偏
光板の表面に粘着剤等を介して貼着して使用されるもの
であり、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の表面に
塗布層が設けられた積層フィルムからなる。そして、本
発明の好ましい態様においては、他方の表面に粘着層が
設けられ、粘着層の表面に離型フィルムが積層される。
本発明の偏光板保護フィルム用基材は、一般的には、塗
布層形成工程、粘着層形成工程、離型フィルム積層工程
を順次に経て製造される。本発明において、二軸配向ポ
リエステルフィルム(以下、フィルムと略記する)と
は、いわゆる押出法に従い押出口金から溶融押出しされ
たシートを延伸して配向させたフィルムである。
【0006】上記のフィルムを構成するポリエステルと
は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合
させて得られるポリエステルを指す。芳香族ジカルボン
酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポ
リエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキ
シレート(PEN)等が例示される。上記のポリエステ
ルは、第三成分を含有した共重合体であってもよい。共
重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフ
タル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボ
ン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)が挙げられ、
グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコール等が挙げられる。これらのジカルボン酸成
分およびグリコール成分は、二種以上を併用してもよ
い。
【0007】本発明においては、その取扱性を考慮した
場合、透明性を損なわない条件でフィルムに粒子を含有
させることが好ましい。粒子としては、例えば、二酸化
ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化チ
タン、カオリン、タルク、ゼオライト、フッ化リチウ
ム、硫酸バリウム、カーボンブラック、特公昭59−5
216号公報に記載されているような、耐熱性高分子微
粉体などが挙げられる。これらの粒子は、2種以上を併
用してもよい。粒子の平均粒径は、通常0.02〜2μ
m、好ましくは0.05〜1.5μm、さらに好ましく
は0.05〜1μmである。粒子の含有量は、通常0.
01〜2重量%、好ましくは0.02〜1重量%であ
る。
【0008】フィルムに粒子を含有させる方法として
は、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステル製
造工程の任意の段階で粒子を添加することができる。特
に、エステル化の段階またはエステル交換反応終了後重
縮合反応開始前の段階において、エチレングリコール等
に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進め
るのが好ましい。また、ベント付混練押出機を使用し、
エチレングリコールまたは水に粒子を分散させたスラリ
ーとポリエステル原料とをブレンドする方法、混練押出
機を使用し、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブ
レンドする方法なども採用し得る。
【0009】フィルムの製造は、押出法に従い押出口金
から溶融押出しされたシートを縦および横方向の二軸方
向に延伸して配向させる方法によって行われる。押出法
においては、ポリエステルを押出口金から溶融押出し、
冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場
合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷
却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着
法または液体塗布密着法が好ましく採用される。静電印
加密着法とは、通常、シートの上面側にシートの流れと
直行する方向に線状電極を張架し、該電極に約5〜10
kVの直流電圧を印加することにより、シートに静電荷
を付与してシートとドラムとの密着性を向上させる方法
である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラム表
面の全体または一部(例えばシート両端部と接触する部
分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラムと
シートとの密着性を向上させる方法である。本発明にお
いては必要に応じ両者を併用してもよい。
【0010】フィルムの二軸方向の延伸配向方法につい
ては特に限定されるものではないが、同時二軸延伸法、
逐次二軸延伸法等が採用される。同時二軸延伸法として
は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好まし
くは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機
械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、
延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは
7〜35倍、さらに好ましくは10〜20倍である。そ
して、引き続き、通常170〜250℃の温度で緊張下
または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フ
ィルムを得る。逐次二軸延伸法としては、前記の未延伸
シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機に
より延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ま
しくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5
〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段
目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度
は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃で
あり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.
5〜6倍である。そして、引き続き、通常170〜25
0℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理
を行い、延伸配向フィルムを得る。
【0011】上記の延伸においては、一方向の延伸を2
段階以上で行う方法を採用することもできる。その場
合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲とな
るように行うのが好ましい。また、必要に応じて熱処理
を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸
してもよい。本発明において、フィルム厚さは特に限定
されるものではないが、通常5〜150μm、好ましく
は10〜100μm、さらに好ましくは25〜75μm
である。フィルムの厚さが5μm未満の場合は、フィル
ムのコシが弱くなるため塗布層形成工程や粘着層形成工
程における取扱性などが悪くなる傾向がある。また、フ
ィルムの厚さが150μmを超える場合は、可撓性の低
下により、積層フィルムとしての取り扱い作業性等に支
障を来す場合がある。
【0012】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、例えば、共押出による積層体であってもよく、
着色されていてもよい。本発明に用いることのできる塗
布層は、例えば、カチオン性共重合体を水、メチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等
の溶媒に溶解した状態で二軸配向ポリエステルフィルム
の一方の表面に塗工され、その後、乾燥したものであ
る。塗工に関しては、特に制限は無いが、通常は、エア
ーナイフコート、ブレードコート、バーコート、グラビ
アコート、カーテンコート、ロールコート等の塗工機械
で行われる。塗布層の厚みは、0.5μm〜二軸配向ポ
リエステルフィルムの厚さの1/10までの範囲であ
る。塗布層の厚みが0.5μm未満の場合は、耐擦傷性
が低下する傾向があり、塗布層の厚みが二軸配向ポリエ
ステルフィルムの厚さの1/10を超える場合には、積
層フィルムがカールするので、好ましくない。なお、塗
工に際して、カチオン性共重合体の性能に悪影響を及ぼ
さない限り、必要に応じて、他の添加剤、例えば、モノ
マー、樹脂、架橋剤、顔料等を適宜混合して用いること
ができる。
【0013】ここで言うカチオン性共重合体は主成分と
して、カチオン性単量体単位、疎水性単量体単位および
オルガノポリシロキサン単位からなる。本発明に使用で
きるカチオン性単量体単位としては、例えば、その単位
内に第4級アンモニウム塩基を含有するものである。中
でも、下記一般式(a)で表される単量体単位を使用す
ることにより、より優れた帯電防止性、防汚性を付与す
ることができる。
【0014】
【化1】
【0015】(上記式中、AはOまたはNHを表し、R
2は水素またはCH3を表し、R3は炭素数2〜4のアル
キレン基、または−CH2CH(OH)CH2−を表し、
4、R5、およびR6は、同一であっても異なっていて
もよい炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基
を表し、Xは、ハロゲンもしくはアルキル硫酸イオンを
表す)
【0016】上記のカチオン性単量体単位は、具体的に
は、例えば(メタ)アクリロイルオキシトリメチルアン
モニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヒド
ロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクリロイルオキシトリエチルアンモニウムク
ロライド、(メタ)アクリロイルオキシジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキ
シトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリ
ロイルオキシトリメチルアンモニウムメチルサルフェー
ト等の(メタ)アクリル系単量体単位、(メタ)アクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリ
ルアミド系カチオン性単量体単位が挙げられる。これら
は、その該当する単量体を重合してもよいし、その前駆
体である第3級アミノ基を有する単量体、例えばジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレートや、ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミドをまず重合した後、メチルク
ロライド等の変性剤でカチオン化してもよい。
【0017】カチオン性単量体単位は、共重合体中の通
常15〜60重量%を占めればよい。15重量%未満の
場合は、帯電防止性が不十分となる傾向がある。また、
60重量%を超える場合は、ブロッキングが起こりやす
くなる傾向がある。本発明で使用できる疎水性単量体単
位は、各種のものを使用することができる。疎水性単量
体単位は具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシ
ャリーブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシ
ルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、等
のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニ
ル等のビニルエステル等が挙げられる。疎水性単量体単
位は、共重合体中の30〜84.9重量%を有する。3
0重量%未満の場合は、防汚性が不十分となり、84.
9重量%を超える場合は、相対的に帯電防止性能が低下
する。
【0018】本発明で使用できるオルガノポリシロキサ
ン単位は、例えば、下記一般式(b)で表されるもので
ある。
【0019】
【化2】
【0020】(上記式中、R1は、同一でも異なってい
てもよい炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基
を表し、nは、5以上の整数を表す)ここで、nが5未
満では、得られる共重合体に十分な滑性を付与すること
が困難となる傾向がある。また、オルガノポリシロキサ
ン単位のカチオン性共重合体に含まれる割合は、通常
0.1〜20重量%である。0.1重量%未満である
と、防汚性が不十分となる傾向があり、20重量%を超
えても防汚性はこれ以上良くなることが期待できない。
【0021】カチオン性共重合体中のオルガノポリシロ
キサン単位は、具体的には下記一般式(イ)、(ロ)ま
たは(ハ)で示される前駆体を用いて共重合体中に組み
込むのが好適である。下記の一般式において示した前駆
体は、反応性基Dを用いて、これらを共重合体中に組み
込むことができる。
【0022】
【化3】
【0023】(上記式中、Dは、ビニル基、アクリロイ
ルオキシアルキル基およびメタクリロイルオキシアルキ
ル基からなる群から選ばれたラジカル重合性基、または
グリシドキシアルキル基等のエポキシ基またはアミノア
ルキル基を表し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基ま
たはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)
【0024】
【化4】
【0025】(上記式中、Dは、ビニル基、アクリロイ
ルオキシアルキル基およびメタクリロイルオキシアルキ
ル基からなる群から選ばれたラジカル重合性基、または
グリシドキシプロピル等のエポキシ基またはアミノアル
キル基を表し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基また
はフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)
【0026】
【化5】
【0027】(上記式中、Dは、グリシドキシプロピル
等のエポキシ基、アミノアルキル基またはメルカプトア
ルキル基を表し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基ま
たはフェニル基を表し、mは1〜20の整数を表し、n
は5以上の整数を表す)これらの前駆体は反応性シリコ
ーンとして市販されているものを使用することができる
が、高分子量になると反応性が低下することから考え
て、一般式(イ)、(ロ)の場合にはnとして200以
下が好ましく、一般式(ハ)の反応性基が多い場合でも
400以下が好ましい。これら前駆体をカチオン性共重
合体成分として組み込む方法としては、反応性基Dが重
合性基の場合には他の単量体と同時に重合すればよく、
メルカプトアルキル基の場合には、この前駆体存在下に
おいて、カチオン性単量体(a)と疎水性単量体(b)
とを重合すれば、連鎖移動により効率よく導入できる。
【0028】さらに、反応性基Dがエポキシ基の場合に
は、カチオン性単量体(a)と疎水性単量体(b)との
共重合を、エポキシ基と反応性のある(メタ)アクリル
酸等のカルボン酸基含有単量体またはジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等の第3級アミン基含有単量
体の塩酸塩等の単量体類とともに行い、次いで前駆体の
エポキシ基と反応させればよい。
【0029】同様に、反応性基Dがアミノアルキル基の
場合は、カチオン性単量体(a)と疎水性単量体(b)
との共重合を、グリシジル(メタ)アクリレート等のア
ミノ基と反応する単量体と共に行い、次いで前駆体のア
ミノ基と反応すればよい。なお、帯電防止性と防汚性に
影響の無い限り、必要に応じて、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ビニルピロリドン等の他の親水性単
量体を共重合成分として含んでもよい。重合法として
は、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公知のラジカル
重合法が実施できる。好ましい重合法は、溶液重合法で
あり、各単量体を溶媒に溶解し、重合開始剤を添加し、
窒素気流下において、加熱撹拌することにより実施され
る。溶媒は、水、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類が好まし
く、またこれらの溶媒は混合使用してもよい。重合開始
剤は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化
物、アゾビスブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル
等のアゾ化合物が好適に用いられる。単量体濃度は、通
常10〜60重量%であり、重合開始剤は通常単量体に
対し、0.1〜10重量%である。
【0030】カチオン性共重合体の分子量は、重合温
度、重合開始剤の種類および量、溶剤使用量、連鎖移動
等の重合条件、オルガノポリシロキサン前駆体の種類お
よび反応性基の含有量等により任意のレベルとすること
ができる。一般には、得られるカチオン性共重合体の分
子量は5000〜50万の範囲が好ましい。上記のよう
に調整した塗料を使用し、二軸配向ポリエステルフィル
ム上に作成された塗布層は、帯電防止性、防汚性等に優
れる。本発明に用いることのできる他のカチオン性共重
合体としては、オルガノポリシロキサン単位および4級
アンモニウム塩単位を有する重合体と、分子内に3個以
上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートを含有
する活性エネルギー線硬化樹脂を主成分とするものを挙
げることができる。
【0031】オルガノポリシロキサン単位および4級ア
ンモニウム塩単位を有する重合体は、必要に応じて、側
鎖に(メタ)アクリロイル基を有するものであってもよ
い。このオルガノポリシロキサン単位および4級アンモ
ニウム塩単位を有する重合体は、1分子中に1個のラジ
カル重合性基または1分子中に2個のメルカプト基を有
するオルガノポリシロキサン化合物と1分子中に1個の
ラジカル重合性基を有する3級アミン化合物とを重合し
て得た3級アミン重合体化合物を4級化剤で4級アンモ
ニウム塩とすることにより得られる。オルガノポリシロ
キサン化合物と1分子中に1個のラジカル性基を有する
3級アミン化合物を共重合する際、これらの単量体に加
えて、他の(メタ)アクリル酸エステルを共重合させる
こともできる。また、このオルガノポリシロキサン単位
および4級アンモニウム塩単位を有する重合体は、1分
子中に1個のラジカル重合性基または1分子中に2個の
メルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物
と、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する4級ア
ンモニウム塩とを重合することにより得られる。オルガ
ノポリシロキサン化合物と1分子中に1個のラジカル重
合性基を有する4級アンモニウム塩を共重合する際、こ
れらの単量体に加えて他の(メタ)アクリル酸エステル
を共重合することもできる。
【0032】1分子中に1個のラジカル重合性基を有す
るオルガノポリシロキサン化合物は、アクリル、メタク
リル、スチリル、ケイ皮酸エステル、ビニル、アリル等
のラジカル重合性基を1分子中に1個有するものである
限り特に制限されないが、1分子中に1個のラジカル重
合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物とラジカ
ル重合性基を有する3級アミン化合物またはラジカル重
合性基を有する4級アンモニウム塩との共重合の容易さ
を考慮すると、アクリル、メタクリル、スチリルのラジ
カル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物で
あることが好ましい。また、ラジカル重合性基を有する
3級アミン化合物またはラジカル重合性基を有する4級
アンモニウム塩が重合する際、連鎖移動によりスルフィ
ド結合を介して、重合体中に導入される1分子中に2個
のメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物
も好適に用いることができる。このオルガノポリシロキ
サン化合物に含まれるオルガノポリシロキサン単位は下
記一般式(c)で表される。
【0033】
【化6】
【0034】(上記式中、R1とR2は、同一でも異なっ
ていてもよく、メチル基またはフェニル基であり、n
は、5以上の整数を表す)1分子中に1個のラジカル重
合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物の数平均
分子量は400〜60000、好ましくは1000〜3
0000である。ラジカル重合性基を有する3級アミン
化合物の1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3
級アミン化合物は、下記式(d)で表される。
【0035】
【化7】
【0036】(上記式中、R3はHまたはCH3を、R4
とR5はHまたは置換基を含んでいてもよい炭素数が1
〜9のアルキル基を、kは1〜6の整数を表す)かかる
ラジカル重合性基を有する3級アミン化合物としては、
例えば、N, N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N, N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N, N−ジメチルアミノプロピルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノブチルメタクリレート、N,
N−ジヒドロキシエチルアミノエチルメタクリレー
ト、N, N−ジプロピルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げ
られる。
【0037】また、ラジカル重合性基を有する4級アン
モニウム塩の1分子中に1個のラジカル重合性基を有す
る4級アンモニウム塩としては、上記式(d)で表され
る3級アミン化合物を、例えばメチルクロライド、ブチ
ルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイ
ド、メチルベンジルクロライド、ベンジルクロライド等
のハロゲン化物、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロ
ピル硫酸等のアルキル硫酸類、p−トルエンスルホン酸
メチル、ベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エス
テル類等の4級化剤により4級化したものが挙げられ
る。1分子中に1個のラジカル重合性基または1分子中
に2個のメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン
化合物と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3
級アミン化合物または4級アンモニウム塩とを共重合す
る際、これら単量体に加えて(メタ)アクリル酸エステ
ルを用いることができる。かかる(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては、1分子中に1個のラジカル重合性基を
有する、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】1分子中に1個のラジカル重合性基または
1分子中に2個のメルカプト基を有するオルガノポリシ
ロキサン化合物と1分子中に1個のラジカル重合性基を
有する3級アミン化合物または4級アンモニウム塩とを
共重合する際、1分子中に1個のラジカル重合性基また
は1分子中に2個のメルカプト基を有するオルガノポリ
シロキサン化合物の使用量は、共重合性単量体100重
量%中、通常1〜40重量%、好ましくは5〜30重量
%である。1重量%未満では、ビニル重合体を塗布層表
面に引き出す(ブリードアウト)能力に欠け、塗布層に
十分な帯電防止性が得られない場合がある。また、40
重量%を超えると、1分子中に1個のラジカル重合性基
を有する3級アミン化合物または4級アンモニウム塩の
使用割合が低下し、十分な帯電防止性が得られないこと
がある。
【0039】他方の、1分子中に1個のラジカル重合性
基を有する3級アミン化合物または、4級アンモニウム
塩の使用量は、共重合性単量体100重量%中、通常6
0〜99重量%、好ましくは60〜95重量%である。
60重量%未満では、塗布層に十分な帯電防止性が得ら
れない場合がある。また、99重量%を超えると、オル
ガノポリシロキサン化合物の使用割合が低下し、塗布層
に十分な帯電防止性が得られないおそれがある。上記、
オルガノポリシロキサン化合物単量体、ラジカル重合性
基を有する3級アミン化合物単量体、(メタ)アクリル
酸エステル単量体およびラジカル重合性基を有する4級
アンモニウム塩単量体の共重合は、溶剤中で通常のラジ
カル重合開始剤を用いて行われる。溶剤としては、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエ
ステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2
−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、2−
メトキシエトルアセタート、2−エトキシエチルアセタ
ート、2−ブトキシエチルアセタート、等のエーテルエ
ステル類および水が挙げられ、またこれらを混合使用す
ることもできる。
【0040】重合反応に使用するラジカル重合開始剤と
しては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機
過酸化物、2, 2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2, 2’−アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2, 2’−アゾビス(4−メトキシ−2, 4−ジ
メチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好適に用いら
れる。重合液中の単量体濃度は、通常10〜60重量%
であり、重合開始剤は通常単量体混合物に対し、0.1
〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%の量使用さ
れる。オルガノポリシロキサン化合物と1分子中に1個
のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物および必
要に応じ(メタ)アクリル酸エステルを共重合した場合
は、共重合して得た3級アミン重合体化合物を4級化剤
を用いて4級アンモニウム塩とする。4級化剤として
は、例えば、メチルクロライド、ブチルクロライド、等
のアルキルクロライド、メチルブロマイド、メチルベン
ジルクロライド、ベンジルクロライド等のハロゲン化
物、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸等の
アルキル硫酸類、p−トルエンスルホン酸メチル、ベン
ゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル類等が挙
げられる。
【0041】これらの方法で得られるオルガノポリシロ
キサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合
体の中でも、1分子中に1個のラジカル重合性基または
1分子中に2個のメルカプト基を有するオルガノポリシ
ロキサン化合物と1分子中に1個のラジカル重合性基を
有する3級アミン化合物、および必要に応じ(メタ)ア
クリル酸エステルを共重合して得た3級アミン重合体化
合物をアルキルクロライドで4級アンモニウム塩とする
ことにより、得られる重合体が、分子内に3個以上のア
クリロイル基を有する多官能アクリレートとの相溶性に
優れ、透明性のよい塗布層が得られる点から特に望まし
い。オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウ
ム塩単位を有する重合体として、側鎖に(メタ)アクリ
ロイル基を有するオルガノポリシロキサン単位および4
級アンモニウム塩単位を有する重合体を用いると、活性
エネルギー線照射時にこの重合体と多官能アクリレート
との間に結合が形成され、帯電防止性能の耐久性の向上
をはかることができる。
【0042】オルガノポリシロキサン単位および4級ア
ンモニウム塩単位を有する重合体側鎖に(メタ)アクリ
ロイル基を有する重合体は、例えば、オルガノポリシロ
キサン化合物と1分子中に1個のラジカル重合性基を有
する3級アミン化合物または4級アンモニウム塩を共重
合する際、これら単量体に加えてグリシジル(メタ)ア
クリレートを共重合した後、(メタ)アクリル酸を付加
(3級アミン化合物を用いた場合は、さらに得られた3
級アミン重合体化合物を4級化剤で4級アンモニウム塩
にする)することにより得られる。また、オルガノポリ
シロキサン化合物と1分子中に1個のラジカル重合性基
を有する3級アミン化合物または4級アンモニウム塩を
共重合する際、これら単量体に加えてヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基
を有する(メタ)アクリレートを共重合した後、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アク
リレートとトリレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイ
ソシアネート化合物のモル比1対1の付加体や、メタク
リロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエ
チルイソシアネート等を付加(3級アミン化合物を用い
た場合は、さらに、得られた3級アミン重合体化合物を
4級化剤で4級アンモニウム塩にする)することにより
得られる。
【0043】これらの方法で得られるオルガノポリシロ
キサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する側鎖
に(メタ)アクリロイル基を有する重合体の中でも、1
分子中に1個のラジカル重合性基または1分子中に2個
のメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物
と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミ
ン化合物および官能基を有する(メタ)アクリル酸エス
テルを共重合し、次いでこの重合体に(メタ)アクリロ
イル基を有する化合物を付加した後、3級アミン化合物
をアルキルクロライドで4級アンモニウム塩とすること
により得られる重合体が、分子中に3個以上のアクリロ
イル基を有する多官能アクリレートとの相溶性に優れ、
透明性の良い塗布層が得られる点から特に望ましい。
【0044】分子内に3個以上のアクリロイル基を有す
る多官能アクリレートとしては、例えば、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性ト
リメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオ
キシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプ
ロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシア
ヌレート、ペンタエルスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールト
リアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトール
テトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、テトラカルボン酸
二無水物と分子内に水酸基および3個以上のアクリロイ
ル基を有する水酸基含有多官能アクリレートを反応して
得られるカルボキシル基含有多官能アクリレート、およ
びこれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0045】テトラカルボン酸二無水物の具体例として
は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビ
フタル酸無水物、4,4’−オキソジフタル酸無水物、
4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタ
ル酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカ
ルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒド
ロフル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒ
ドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカル
ボン酸無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカル
ボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙
げられる。
【0046】また、分子内に水酸基および3個以上のア
クリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートの
具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、およびこれら
の混合物等が挙げられる。これら分子内に3個以上のア
クリロイル基を有する多官能アクリレートの中でも、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタアクリレート、テトラカルボン酸二
無水物と分子内に水酸基および3個以上のアクリロイル
基を有する水酸基含有多官能アクリレートを反応して得
られるカルボキシル基含有多官能アクリレート、および
これらの混合物が耐摩耗性の優れた塗布層を与える点か
ら特に望ましい。
【0047】オルガノポリシロキサン単位および4級ア
ンモニウム塩単位を有する重合体および分子内に3個以
上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートのほ
か、他の重合単量体、例えば分子内に1個または2個の
アクリロイル基を有するアクリレートを用いることを妨
げるものではない。具体的には、アクリロイル基を2個
有するウレタンアクリレートやエポキシアクリレート
を、耐摩耗性および帯電防止性の低下しない範囲(塗布
層成分中の例えば20重量%以下)で用いることができ
る。また、塗布組成物の硬化に活性エネルギー線とし
て、紫外線を用いる場合、上記オルガノポリシロキサン
単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体と、
分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アク
リレートに加えて光重合開始剤が用いられる。
【0048】光重合開始剤としては、例えば、2,2−
エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、p−クロロベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ア
セトフェノン、2−クロロチオキサントン、アントラキ
ノン、フェニルジスルフィド、2−メチル−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1
−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−
プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が挙げられ
る。これらの光重合開始剤は、1種類または2種類以上
を併用して使用することができる。
【0049】光重合開始助剤としては、トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノ
ール等の3級アミン、トリフェニルホスフィン等のアル
キルホスフィン、β−チオジグリコール等のチオエーテ
ル等が挙げられる。改質剤としては、塗布性改良剤、消
泡剤、増粘剤、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、有機
高分子、染料、顔料、安定剤などが挙げられる。これら
は、活性エネルギー線による反応を阻害しない範囲で使
用され、活性エネルギー線硬化樹脂層の特性を用途に応
じて改良することができる。活性エネルギー線硬化樹脂
層の組成物には、粘度調整、塗工時の作業性向上、塗工
厚さのコントロールのため、共重合体作成の際に用いた
溶剤を配合することができる。
【0050】本発明の活性エネルギー線硬化塗布組成物
には、塗布層特性を改良する目的で紫外線吸収剤(例え
ば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチ
ル酸系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤)、紫
外線安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定
剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リ
ン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤、スリップ剤、
レベリング剤等の添加剤を配合することができる。本発
明において、活性エネルギー線硬化塗布組成物中のオル
ガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位
を有する重合体の配合量は、固形分100重量%中、通
常1〜40重量%、好ましくは5〜25重量%である。
配合量が1重量%未満の場合は、十分な帯電防止性を有
する塗布層が得られない場合がある。また、40重量%
を超える場合は、塗布層の耐摩耗性が低下する傾向があ
る。
【0051】本発明において、活性エネルギー線硬化塗
布組成物中の3個以上のアクリロイル基を有する多官能
アクリレートの配合量は、固形分100重量%中、通常
60〜99重量%、好ましくは75〜95重量%であ
る。60重量%未満の場合には、十分な耐摩耗性を有す
る塗布層が得られない場合があり、99重量%を超える
場合には、十分な帯電防止性を有する塗布層が得られな
いことがある。本発明において、活性エネルギー線硬化
塗布組成物の固形分濃度は特に限定される訳ではない
が、通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量
%、さらに好ましくは1〜5重量%に調整され用いられ
る。
【0052】本発明において、活性エネルギー線硬化塗
布組成物中の光重合開始剤配合量は、固形分100重量
%中、通常0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重
量%である。本発明において、塗布層の形成は、フィル
ムの一方の表面に塗布組成物を塗布して硬化させる方法
により行われる。塗布方法としては、リバースロールコ
ート法、グラビアロールコート法、ロッドコート法、エ
アーナイフコート法などを採用し得る。塗布された塗布
組成物の硬化は、例えば、活性エネルギー線や熱により
行われる。活性エネルギー線としては、紫外線、可視光
線、電子線、X線、α線、β線、γ線などが使用され
る。熱源としては、赤外線ヒーター、熱オーブン等が使
用される。活性エネルギー線の照射は、通常、塗布層側
から行うが、フィルムとの密着を高めるため、塗布層の
反対面側から行ってもよい。必要に応じ、活性エネルギ
ー線を反射し得る反射板を利用してもよい。活性エネル
ギー線により硬化された皮膜は、特に耐擦傷性が良好で
ある。
【0053】本発明において、塗布層の鉛筆硬度H以上
でなければならない。塗布層の鉛筆硬度がH未満の場合
は、表面に傷が付きやすくなり、例えば、自動車の窓、
建築物の窓等に貼付されて使用された場合、清掃のた
め、表面を布などで、拭いた時、傷が付きやすく、曇り
が発生しやすくなるので、好ましくない。なお、本発明
における塗布層の構造上から、鉛筆硬度の上限は、3H
程度と考えられる。
【0054】本発明において、塗布層の表面抵抗は1×
1011Ω以下でなければならない。塗布層の表面抵抗が
上記の値を超える場合は静電気が発生しやすくなり、埃
や塵等の付着が多くなる。塗布層の表面抵抗は、好まし
くは1×108〜5×1010Ωである。本発明におい
て、塗布層が設けられた表面の摩擦係数は、0.4以
下、好ましくは0.35以下、さらに好ましくは、0.
3以下である。摩擦係数の値が0.4を超える場合は、
取り扱い性が悪くなるので好ましくない。
【0055】本発明において、好ましい態様としては、
塗布層と反対側の面に粘着層が積層される。粘着層は、
特に限定される訳ではないが、公知の粘着剤、例えば、
アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ブロックコポリマー
系粘着剤、ポリイソブチレン系粘着剤、シリコーン系粘
着剤などから構成される。一般に、斯かる粘着剤は、エ
ラストマー、粘着付与剤、軟化剤(可塑剤)、劣化防止
剤、充填剤、架橋剤などの組成物として構成される。エ
ラストマーとしては、上記の各粘着剤の種類に従って、
例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、S
BR、ブロックコポリマー、ポリイソブチレン、ブチル
ゴム、ポリアクリル酸エステル共重合体、シリコーンゴ
ム等が挙げられる。
【0056】粘着付与剤としては、例えば、ロジン、水
添ロジンエステル、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン
樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、脂
肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂還族系水添石油
樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、アル
キルフェノール樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。
軟化剤としては、例えば、パラフィン系プロセスオイ
ル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイ
ル、液状ポリブテン、液状ポリイソブチレン、液状ポリ
イソプレン、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ひまし油、トール油等が挙げられる。
【0057】劣化防止剤としては、例えば、芳香族アミ
ン誘導体、フェノール誘導体、有機チオ酸塩等が挙げら
れる。充填剤としては、例えば、亜鉛華、チタン白、炭
酸カルシウム、クレー、顔料、カーボンブラック等が挙
げられる。充填剤が含有される場合は積層フィルムの全
光線透過率に大きく影響を与えない範囲で使用される。
架橋剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤の架橋に
は、イオウと加硫助剤および加硫促進剤(代表的なもの
として、ジブチルチオカーバメイト亜鉛など)が使用さ
れる。天然ゴムおよびカルボン酸共重合ポリイソプレン
を原料とした粘着剤を室温で架橋可能な架橋剤として、
ポリイソシアネート類が使用される。ブチルゴムおよび
天然ゴムなどの架橋剤に耐熱性と非汚染性の特色がある
架橋剤として、ポリアルキルフェノール樹脂類が使用さ
れる。ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよび
天然ゴムを原料とした粘着剤の架橋に有機過酸化物、例
えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イドなどがあり、非汚染性の粘着剤が得られる。架橋助
剤として、多官能メタクリルエステル類を使用する。そ
の他紫外線架橋、電子線架橋などの架橋による粘着剤の
形成がある。
【0058】粘着層の形成は、特に限定される訳ではな
いが、フィルムの他方の表面に粘着剤を塗布する方法に
より行われる。塗布方法としては、塗布層の形成に使用
したのと同様の方法を採用し得る。粘着層の厚さは、通
常0.5〜100μm、好ましくは1〜50μmの範囲
である。そして、粘着層の表面には、その取扱性の便宜
を図る観点から、公知の離型フィルムが積層される。上
記のように構成された本発明の積層フィルムの全光線透
過率(TL)は特に限定されるものではないが、通常8
0%以上、好ましくは85%以上である。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発
明で使用した測定法および評価基準は次のとおりであ
る。
【0060】(1)鉛筆硬度 JIS−K5401に準じて、塗布層の硬さ測定し、鉛
筆硬度で表示した。
【0061】(2)塗布層の厚み 塗布フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、
ミクロトームで切断し、塗布フィルムの断面を透過型電
子顕微鏡にて観察した。その断面のうちフィルム表面と
ほぼ平行に、明暗によってその塗布層が観察される。そ
の塗布層の距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平
均し厚みを計算した。これを少なくとも50枚の写真に
ついて行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から1
0点を削除して30点の相加平均を塗布層の厚みとし
た。
【0062】(3)表面抵抗(Ω) 三菱油化社製「Hiresta MODEL HT−2
10」を使用し、23℃/50%RHの雰囲気下で試料
を設置し、500Vの電圧を印加し、1分間充電後(電
圧印加時間1分)、塗布層の表面抵抗(Ω)を測定し
た。ここで使用した電極の型は、主電極の外径16m
m、対電極の内径40mmの同心円電極である。
【0063】(4)摩擦係数 ASTM D1894−73の方法に準じて塗布フィル
ム表裏間の静摩擦係数を測定した。
【0064】(5)ゴミ付着の有無 塗布層の表面にタバコの灰を落とし、1回転(360度
の回転)させた際の灰の付着状態を観察し、ゴミ付着の
有無を評価した。
【0065】(6)カール性の評価 塗布フィルムを10cm×10cmの大きさに切り出
し、水平盤上に置き、試験片のカール状態を観察して次
の3ランクにわけてカール性を評価した。 ランクA:全くカールが認められず、良好 ランクB:殆ど目立たないが、極わずかカールが認めら
れるが、実用上問題のないレベル ランクC:明らかにカールが認められ、実用上問題のあ
るレベル
【0066】(7)全光線透過率 日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによ
り、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の表面に塗布
層が設けられた積層フィルムの全光線透過率を測定し
た。
【0067】製造例1(ポリエステルA) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去
し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要
して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終
了した。次いで、平均粒径1.54μmのシリカ粒子を
0.1部含有するエチレングリコールスラリーを反応系
に添加し、さらに、エチルアシッドフォスフェート0.
04部、酸化ゲルマニウム0.01部を添加した後、1
00分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せし
め、以後も徐々に圧力を減じて最終的に0.3mmHg
とした。4時間後に系内を常圧に戻しポリエステルAを
得た。ポリエステルAのシリカ粒子の含有量は0.1重
量%であった。
【0068】製造例2(ポリエステルフィルムA1) ポリエステルAを180℃で4時間不活性ガス雰囲気中
で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融押出し、静
電印加密着法を使用し、表面温度を40℃に設定した冷
却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られ
たシートを85℃で3.5倍縦方向に延伸した後、10
0℃で3.7倍横方向に延伸し、さらに、230℃にて
熱固定し、厚さ38μmのポリエステルフィルムA1を
得た。
【0069】製造例3(ポリエステルフィルムA2) 製造例2と同様にして、厚さ25μmのポリエステルフ
ィルムA2を得た。 製造例4(ポリエステルフィルムA3) 製造例2と同様にして、厚さ12μmのポリエステルフ
ィルムA3を得た。 製造例5(ポリエステルフィルムA4) 製造例2と同様にして、厚さ50μmのポリエステルフ
ィルムA4を得た。
【0070】実施例1 片末端にスチレン基を有する数平均分子量11300の
オルガノポリシロキサン化合物(信越化学社製X−22
−2440)30部、N、N−ジメチルアミノエチルメ
タクリレート70部、およびイソプロピルアルコール1
50部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、および
同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロ
ニトリルを0.3部づつ添加し、80℃で8時間反応し
て、固形分40%の共重合体溶液を得た。次に、得られ
た共重合体溶液に、イソプロピルアルコール83.3部
を添加した後、塩化メチルを反応系に導入し、50℃で
6時間反応し、オルガノポリシロキサン単位および4級
アンモニウム塩単位を有する固形分濃度34%の重合体
溶液(1A)を得た。次に、ジペンタエリスリトールペ
ンタアクリレートを67モル%含有するジペンタエリス
リトールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリト
ールペンタアクリレートの混合物(日本化薬社製カヤラ
ッドDPHA)163部とピロメリット酸二無水物2
1.8部、メチルエチルケトン100部、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル0.1部およびN,N−ジメチル
ベンジルアミン1部を加え、80℃で8時間反応し、固
形分濃度65%のカルボキシル基含有多官能アクリレー
ト溶液(1B)を得た。上記で得られた(1A)を17
部、(1B)を83部、および光重合開始剤として、チ
バ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア907
を3部、希釈溶剤としてイソプロピルアルコール使用し
て均一に混合して、活性エネルギー線硬化塗布組成物を
調整し、ポリエステルフィルムA1の一方の表面に、硬
化後の厚さが2μm になるようにグラビアコーターを
用いて塗布、乾燥し、120W/cmのエネルギーの高
圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて15秒間照
射し塗布層を形成した。そして、塗布層と反対側の面に
アクリル系粘着剤を塗設し、離型フィルムで保護し積層
フィルムを得た。
【0071】実施例2 両末端にメルカプト基を有する数平均分子量が約334
0のオルガノポリシロキサン化合物(信越化学社製X−
22−167B)10部、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート80部、メチルメタクリレート10部
およびイソプロピルアルコール150部の混合物を加熱
して80℃に昇温した時、および同昇温時より2時間後
に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部づ
つ添加し、80℃で8時間反応して、固形分40%の共
重合体溶液を得た。次に、得られた共重合体溶液に、イ
ソプロピルアルコール83.3部を添加した後、塩化メ
チルを反応系に導入し、50℃で6時間反応し、オルガ
ノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を
有する固形分濃度35%の重合体溶液(2A)を得た。
上記で得られた(2A)を17部、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートを53部、および光重合開始剤
として、チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキ
ュア907を3部、希釈溶剤としてイソプロピルアルコ
ール使用して均一に混合して、活性エネルギー線硬化塗
布組成物を調整し、ポリエステルフィルムA1の一方の
表面に、硬化後の厚さが1.5μmになるようにバーコ
ーターを用いて塗布、乾燥し、120W/cmのエネル
ギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて1
5秒間照射し塗布層を形成した。そして、塗布層と反対
側の面にアクリル系粘着剤を塗設し、離型フィルムで保
護し積層フィルムを得た。
【0072】実施例3 片末端にメタクリロイル基を有する数平均分子量が約1
0000のオルガノポリシロキサン化合物(チッソ社製
FM0725)15部、N, N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート75部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート10部およびメチルエチルケトン150部の混合
物を加熱して80℃に昇温した時、および同昇温時より
2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを
0.3部づつ添加し、80℃で8時間反応して、固形分
40%の共重合体溶液を得た。このものに、メタクリロ
イルイソシアネート8部を添加し、80℃で6時間反応
し、側鎖にメタアクリロイル基を有する固形分42%の
共重合体溶液を得た。次に、得られた共重合体溶液に、
イソプロピルアルコール300部を添加した後、塩化メ
チルを反応系に導入し、50℃で6時間反応し、オルガ
ノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を
有し、メタアクリロイル基を有する固形分濃度22%の
重合体溶液(3A)を得た。上記で得られた(3A)を
26部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを
53部、および光重合開始剤として、チバ・スペシャリ
ティケミカルズ社製ダロキュア1173を5部、希釈溶
剤としてイソプロピルアルコール使用して均一に混合し
て、活性エネルギー線硬化塗布組成物を調整し、ポリエ
ステルフィルムA1の一方の表面に、硬化後の厚さが2
μm になるようにグラビアコーターを用いて塗布、乾
燥し、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用
し、照射距離100mmにて15秒間照射し塗布層を形
成した。そして、塗布層と反対側の面にアクリル系粘着
剤を塗設し離型フィルムで保護し積層フィルムを得た。
【0073】実施例4 片末端にスチレン基を有する数平均分子量11300の
オルガノポリシロキサン化合物(信越化学社製X−22
−2440)10部、N, N−ジメチルアミノエチルメ
タクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート10部およびメチルエチルケトン150部の混合物
を加熱して80℃に昇温した時、および同昇温時より2
時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.
3部づつ添加し、80℃で8時間反応して、固形分40
%の共重合体溶液を得た。このものに、イソホロンジイ
ソシアネート28部と2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト22部を反応して得られる化合物50部を添加し、8
0℃で6時間反応し、固形分50%の側鎖にアクリロイ
ル基を有する共重合体溶液を得た。次に、ここで得られ
た共重合体溶液に、イソプロピルアルコール300部を
添加した後、塩化メチルを反応系に導入し、50℃で6
時間反応し、オルガノポリシロキサン単位および4級ア
ンモニウム塩単位を有し、側鎖にアクリロイル基を有す
る固形分濃度28%の重合体溶液(4A)を得た。上記
で得られた(4A)を20部、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレートを53部、および光重合開始剤とし
て、チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア
184を4部、希釈溶剤としてイソプロピルアルコール
を使用して均一に混合して、活性エネルギー線硬化塗布
組成物を調整し、ポリエステルフィルムA1の一方の表
面に、硬化後の厚さが2μm になるようにグラビアコ
ーターを用いて塗布、乾燥し、120W/cmのエネル
ギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて1
5秒間照射し塗布層を形成した。そして、塗布層と反対
側の面にアクリル系粘着剤を塗設し、離型フィルムで保
護し積層フィルムを得た。
【0074】実施例5 実施例1で得られた重合体溶液(1A)を17部、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートを53部、およ
び光重合開始剤として、チバ・スペシャリティケミカル
ズ社製イルガキュア907を3部にイソプロピルアルコ
ールを希釈溶剤として均一に混合して、活性エネルギー
線硬化塗布組成物を調整し、ポリエステルフィルムA1
の一方の表面に、硬化後の厚さが2μm になるように
グラビアコーターを用いて塗布し、120W/cmのエ
ネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmに
て15秒間照射し塗布層を形成した。そして、塗布層と
反対側の面にアクリル系粘着剤を塗設し離型フィルムで
保護し積層フィルムを得た。
【0075】実施例6 疎水性単量体単位として、メチルメタクリレート55
部、カチオン性単量体単位として、メタクリルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液5
0部、オルガノポリシロキサン単位として、分子量約5
000の片末端メタクリルオキシ変性オルガノポリシロ
キサン(チッソ社製FM0721)5部、およびエチル
アルコール140部と重合開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリル1部を添加し、窒素気流下80℃で6時間
重合反応を行いカチオン性共重合体の40%エチルアル
コール溶液を得た。このカチオン性共重合体をエチルア
ルコール/イソプロピルアルコール=50/50の混合
溶剤で希釈しポリエステルフィルムA1の片面に乾燥後
の塗布厚さが2μmとなる様にグラビアコーターを用い
て塗布、乾燥して塗布層を形成した。そして、塗布層と
反対側の面にアクリル系粘着剤を塗設し、離型フィルム
で保護し積層フィルムを得た。
【0076】実施例7 実施例1において、ポリエステルフィルムA1をポリエ
ステルフィルムA2に変更する以外は実施例1と同様に
して、積層フィルムを得た。 実施例8 実施例1において、ポリエステルフィルムA1をポリエ
ステルフィルムA4に変更する以外は実施例1と同様に
して、積層フィルムを得た。
【0077】比較例1 実施例1において、ポリエステルフィルムA1をポリエ
ステルフィルムA3に変更する以外は実施例1と同様に
して、積層フィルムを得た。
【0078】比較例2 疎水性単量体単位として、メチルメタクリレート60
部、カチオン性単量体単位として、メタクリルオキシエ
チルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液5
0部およびエチルアルコール140部と重合開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、窒素気流
下80℃で6時間重合反応を行いカチオン性共重合体の
40%エチルアルコール溶液を得た。このカチオン性共
重合体をエチルアルコール/イソプロピルアルコール=
50/50の混合溶媒で希釈しポリエステルフィルムA
1の片面に乾燥後の塗布厚さが2μmとなる様にグラビ
アコーターを用いて塗布、乾燥して塗布層を形成した。
そして、塗布層と反対側の面にアクリル系粘着剤を塗設
し離型フィルムで保護し積層フィルムを得た。
【0079】比較例3 N, N−ジメチルアミノエチルメタクリレート80部、
メチルメタクリレート20部およびイソプロピルアルコ
ール150部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、
および同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソ
ブチロニトリルを0.3部づつ添加し、80℃で8時間
反応して、固形分40%の共重合体溶液を得た。次に、
ここで得られた共重合体溶液に、イソプロピルアルコー
ル83.3部を添加した後、塩化メチルを反応系に導入
し、50℃で6時間反応し、4級アンモニウム塩単位を
有する固形分濃度34%の重合体溶液(5A)を得た。
上記で得られた(5A)を17部、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートを53部、および光重合開始剤
として、チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキ
ュア907を3部、希釈溶剤としてイソプロピルアルコ
ールを使用して均一に混合して、活性エネルギー線硬化
塗布組成物を調整し、ポリエステルフィルムA1の一方
の表面に、硬化後の厚さが2μm になるように塗布
し、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用
し、照射距離100mmにて15秒間照射し塗布層を形
成した。そして、塗布層と反対側の面にアクリル系粘着
剤を塗設し、離型フィルムで保護し積層フィルムを得
た。
【0080】比較例4 片末端にスチレン基を有する数平均分子量約11300
のオルガノポリシロキサン化合物(信越化学社製X−2
2−2440)30部、メチルメタクリレート70部、
およびイソプロピルアルコール150部の混合物を加熱
して80℃に昇温した時、および同昇温時より2時間後
に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部づ
つ添加し、80℃で8時間反応して、オルガノポリシロ
キサン単位を有する固形分40%の共重合体溶液(6
A)を得た。上記で得られた(6A)を15部、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレートを53部、および
光重合開始剤として、チバ・スペシャリティケミカルズ
社製イルガキュア907を3部、希釈溶剤としてイソプ
ロピルアルコールを使用して均一に混合して、活性エネ
ルギー線硬化塗布組成物を調整し、ポリエステルフィル
ムA1の一方の表面に、硬化後の厚さが2μm になる
ように塗布し、120W/cmのエネルギーの高圧水銀
灯を使用し、照射距離100mmにて15秒間照射し塗
布層を形成した。そして、塗布層と反対側の面にアクリ
ル系粘着剤を塗設し離型フィルムで保護し積層フィルム
を得た。以上、得られた実施例1〜8、比較例1〜4の
フィルムの特性を下記表1〜2に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、帯電防止性、耐擦傷
性、滑り性等に優れ、その結果、ゴミ等の付着による汚
れ防止、傷付き防止、取り扱い性等に優れる特性を有す
る積層フィルムを提供することができ、本発明の工業的
価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 JA07 JB02 JC07 JD13 4F006 AA35 AB24 AB39 BA02 BA07 BA09 BA11 CA00 CA04 DA04 4F100 AK25 AK25J AK41A AK42 AK52 AK52B AK52J AL01 AL05 AT00D BA02 BA03 BA04 BA07 BA10B BA10C BA10D BA15 CA22B CB05C CC00B EJ38A EJ54 GB07 GB32 GB41 JA20B JG03 JG04B JK12B JK14 JK16 JK16B JL05 JL06 JL13C JL14D YY00B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸配向ポリエステルフィルムの一方の
    表面に鉛筆硬度H以上の塗布層を有し、塗布層の厚みが
    0.5μm以上でかつ二軸配向ポリエステルフィルムの
    厚さの1/10までの範囲であり、塗布層表面の表面抵
    抗が1×1011Ω以下であり、塗布層表面と塗布層の反
    対側のフィルム表面との摩擦係数が0.4以下であるこ
    とを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 塗布層中に帯電防止剤を含有することを
    特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 塗布層中にシリコーン系化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の積層フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 塗布層と反対側のフィルム面に粘着剤層
    が積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 粘着剤層の表面に離型フィルムが積層さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の積層フィル
    ム。
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