JP2003055382A - 無水ピロメリット酸の製造方法 - Google Patents

無水ピロメリット酸の製造方法

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JP2003055382A
JP2003055382A JP2001241035A JP2001241035A JP2003055382A JP 2003055382 A JP2003055382 A JP 2003055382A JP 2001241035 A JP2001241035 A JP 2001241035A JP 2001241035 A JP2001241035 A JP 2001241035A JP 2003055382 A JP2003055382 A JP 2003055382A
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gas
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Tsukasa Takahashi
典 高橋
Hiroyuki Uhara
洋之 鵜原
Kazuo Anyoji
和夫 安養寺
Etsusei Matsunami
越成 松並
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Nippon Shokubai Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒寿命を向上することにより装置稼働率を
向上すると共に触媒費を削減することができ、しかも、
副生成物を削減することにより捕集精製等の後処理コス
トを削減することができる無水ピロメリット酸の製造方
法を提供する。 【解決手段】 テトラアルキルベンゼン及び/又はトリ
アルキルベンズアルデヒド並びに分子状酸素含有ガスを
含む原料混合ガスを、触媒層を有する固定床反応器によ
り接触気相酸化する工程を含む無水ピロメリット酸の製
造方法であって、該無水ピロメリット酸の製造方法は、
触媒層に導入する該原料混合ガス中の水分量を2容積%
以下として行うか、又は、分子状酸素含有ガスを除湿し
て行う無水ピロメリット酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テトラアルキルベ
ンゼン及び/又はトリアルキルベンズアルデヒドから接
触気相酸化法により無水ピロメリット酸を製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】無水ピロメリット酸は、耐熱性樹脂、可
塑剤、エポキシ樹脂硬化剤等に使用されており、各種工
業原料等として有用な化合物である。無水ピロメリット
酸の製造方法としては、種々の方法が提案されており、
例えば、1,2,4,5−テトラアルキルベンゼンの接
触気相酸化法について、特公昭49−9451号公報、
特公平4−15020号公報等に種々開示されている。
また、1,2,4,5−テトラアルキルベンゼンの液相
酸化法(特開昭61−27942号公報)、2,4,5
−トリメチルベンズアルデヒドの液相酸化法(特開昭5
7−38745号公報等)、その他アントラセンからの
接触気相酸化法(特開昭56−8388号公報等)が種
々開示されている。
【0003】接触気相酸化による無水ピロメリット酸の
製造に用いられる触媒としては、V−TiO
WO系(ベルギー特許第655686号明細書)、V
−P−TiO、MoO、WO(特公
昭45−4978号公報)、V −TiO(アナ
ターゼ型)−MoO、P(特公昭45−150
18号公報)、V−TiO−NaO−P
系(特公昭45−15252号会報)、V−M
oO−P(特公昭47−30821号公報)、
−TiO−P−Nb−KO、
、TiO 、NaO(特公昭49−3197
3号公報)、V−B(特公昭48−352
51号公報)、V−NaO−MoO−Cr、
Mn、Nb(特開平1−294679号公報)、V
−WO−TiO(ルチル型)−Mn、Sb、T
e、Bi、P、Cu、Al、VIIIB属、アルカリ金属
(特開2000−79344号公報)等が開示されてい
る。
【0004】また無水ピロメリット酸の製造に用いられ
る触媒の使用方法としては、触媒層を2段以上に分割し
た例として、特公平4−15020号公報、特公平1−
245857号公報、特公平4−13026号公報等
に、触媒層の熱点(HOTSPOT)の温度を低減させ
る目的で、触媒を担体で希釈する、触媒径を大きくす
る、担持量を減じる、バナジウム、アルカリ金属もしく
はリンの含有量を調整する又はZrO、TiO若し
くはSnOの地表面積を小さくする等の方法により、
熱点部での反応量を抑制する方法が開示されている。特
開平8−41067号公報においては、Moを添加した
触媒を反応ガス出口側の触媒層に用いる方法や、多量の
アルカリ金属を添加した触媒を反応ガス入り口側の触媒
層に用いることにより、無水ピロメリット酸収率を向上
させる方法が開示されている。
【0005】更に無水ピロメリット酸の製造における反
応方法として、特公昭63−7537号公報には触媒層
に導入するガス中に水蒸気を添加することにより、収率
を向上させる方法が開示されている。
【0006】以上のような方法で無水ピロメリット酸を
製造することは可能であるが、触媒の寿命に関する検討
については不充分であった。例えば、特公昭44−29
446号公報には、断続的に行った30時間の反応で
1.9重量%の収率低下が起こることが開示されてい
る。特開昭61−25642号公報においては、低酸素
濃度、高水分量及び高反応温度の条件の1ケ月運転によ
り、0.9mol%の収率低下が、特開平11−104
497号公報には、3ケ月の運転で0.2mol%、
2.5mol%低下が起こることが開示されている。こ
の問題に対して、特公昭45−4978号公報において
は、酸化バナジウム系の触媒劣化を改善する方法とし
て、VとP、Ti、W、Moとを組み合わせることが開
示されており、断続的に行った30時間の反応では有効
であることが開示されている。また、特公昭49−30
821号公報には、溶融アルミナ担体にV−P−Moを
担持する触媒において、更にTiを添加することによ
り、1500時間で0.5mol%まで収率低下を抑制
できることが開示されている。しかしながら、これらの
技術でも触媒の劣化を充分に抑制する効果が不充分であ
り、触媒交換の回数を抑えるための工夫の余地があっ
た。すなわち工業的生産において、触媒交換は、装置稼
働率の低下、触媒費の上昇等、生産コストを押し上げる
重要な課題であり、更に触媒寿命の向上が求められてい
た。
【0007】ところで、無水ピロメリット酸の製造につ
いて、従来、原料ガス中の水蒸気含有量が反応に与える
影響として、反応初期の無水ピロメリット酸(PMD
A)収率を高める効果がある事については知られていた
(特公昭63−7537号公報)。しかしながら、原料
ガス中の水蒸気含有量が触媒の経時的な収率の変化に与
える影響については報告がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、触媒寿命を向上することに
より装置稼働率を向上すると共に触媒費を削減すること
ができ、しかも、副生成物を削減することにより捕集精
製等の後処理コストを削減することができる無水ピロメ
リット酸の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明らは、固定床反応
器を用いた固定床触媒の触媒交換は、経費、時間とも必
要とするため、触媒寿命が経済性に与える影響は極めて
高く、また触媒の経時変化が大きい場合、運転条件の変
更も頻繁に必要となるため、操業自体も困難なものとな
るため、あえて初期収率に劣る低水蒸気濃度での触媒劣
化挙動を検討し、水蒸気濃度が触媒劣化に極めて高い影
響を及ぼすことを見出した。少なくとも2000時間以
上触媒を使用する場合は高収率が得られ、より長期間の
運転においては更に優位性が高まる技術を完成した。す
なわちテトラアルキルベンゼン及び/又はトリアルキル
ベンズアルデヒド並びに分子状酸素含有ガスを含む原料
混合ガスを、触媒層を有する固定床反応器により接触気
相酸化する工程を含む無水ピロメリット酸の製造方法に
おける反応条件に着目し鋭意検討を行った結果、触媒層
に導入する原料混合ガス中の水分量(水蒸気量)が、触
媒劣化に重要な作用を及ぼすことを見いだし、該水蒸気
量を一定値以下に減じることにより、触媒寿命の延長を
達成したものである。同時に、該水蒸気量を一定値以下
に減じることにより、副生成物の発生をも抑制できるこ
とを見いだし、上記課題をみごとに解決することができ
ることに想到し、本発明に到達したものである。
【0010】本発明は、テトラアルキルベンゼン及び/
又はトリアルキルベンズアルデヒド並びに分子状酸素含
有ガスを含む原料混合ガスを、触媒層を有する固定床反
応器により接触気相酸化する工程(以下、接触気相酸化
工程ともいう)を含む無水ピロメリット酸の製造方法で
あって、上記無水ピロメリット酸の製造方法は、触媒層
に導入する上記原料混合ガス中の水分量を2容積%以下
として行う無水ピロメリット酸の製造方法である。
【0011】本発明はまた、テトラアルキルベンゼン及
び/又はトリアルキルベンズアルデヒド並びに分子状酸
素含有ガスを含む原料混合ガスを、触媒層を有する固定
床反応器により接触気相酸化する工程を含む無水ピロメ
リット酸の製造方法であって、上記無水ピロメリット酸
の製造方法は、分子状酸素含有ガスを除湿して行う無水
ピロメリット酸の製造方法でもある。以下に、本発明を
詳述する。
【0012】本発明の製造方法では、接触気相酸化工程
において、(1)触媒層に導入する原料混合ガス中の水
分量を2容積%(vol%)以下とするか、又は、
(2)分子状酸素含有ガスの除湿を行うことになるが、
上記(1)を実施するためには、上記(2)を実施する
ことが好ましい。すなわち原料混合ガス中の水分量(水
蒸気量)を2容積%以下に減じる方法としては、例え
ば、原料混合ガスの大半の組成を構成する分子状酸素含
有ガス中の水分量を減じるのが効果的である。分子状酸
素含有ガスとして空気を用いる場合は、プラントの立地
を空気中の水分量の少ない地域に選んでも良いが、その
他の場合は、分子状酸素含有ガスの除湿を行うことが好
ましい。水蒸気の除去方法としては特に限定されず、例
えば、冷凍機を用いて飽和水蒸気濃度を下げて析出した
水を除く方法や、圧縮機を用いる方法、吸着剤を用いる
方法、更にこれらを複合して使用する方法等がある。こ
のように、本発明の好ましい形態では、触媒層に導入す
る原料混合ガス中の水分量が2容積%以下となるように
分子状酸素含有ガスの除湿を行うことになるが、実質的
には分子状酸素含有ガス中の水分量を2容積%以下とす
ると、原料混合ガス中の水分量も2容積%以下となる。
また原料混合ガス中の水分量や分子状酸素含有ガス中の
水分量を1.5容積%以下とすることが好ましい。より
好ましくは、1.0容積%以下である。
【0013】本発明の作用効果としては、(1)触媒性
能の経時劣化の度合いが小さい、(2)不純物(C
、CO以外の副生成物)量の削減ができる、等が挙
げられる。上記(1)については、水分量2vol%以
下であれば、年2回以下の交換で64mol%程度の高
い平均収率を維持でき、原料コストと触媒コストの両者
の削減がはかれるが、高い水分量の場合、同等の原料コ
ストに抑えるためには触媒交換回数を増やす必要があ
り、触媒コストが増加する。逆に収率が低くなっても4
000時間以上の反応を継続した場合は原料コストが増
加するため、無水ピロメリット酸の製造コストは上がる
こととなる。上記(2)については、不純物量を削減す
ることで、製品品質の向上、捕集精製コストの低減効果
を発揮することが可能となる。
【0014】これらの点について、水蒸気濃度5vol
%、2vol%、0.2vol%の分子状酸素含有ガス
を用いた場合のPMDA収率の経時変化を実施例及び比
較例、図1に示した。また1000時間毎の台形領域の
積分から算出した各経時時点までの平均収率を図2に示
した。図1に示したように、5vol%の水蒸気を含有
する分子状酸素含有ガスを用いた場合、水蒸気濃度2v
ol%、0.2vol%の分子状酸素含有ガスを用いた
場合に比べ初期収率は高いが経時的な収率の低下が大き
く、約500時間経過後には逆に水蒸気濃度2vol
%、0.2vol%の分子状酸素含有ガスを用いた場合
の方が収率は高くなり、図2に示したように、1000
時間経過時点での平均収率は各条件で同等となる。ま
た、2000時間経過後は、0.2vol%、2vol
%の水蒸気を含有する分子状酸素含有ガスを用いた場合
では平均収率が約65mol%であるのに対し5vol
%の水蒸気を含有する場合では約64mol%であり、
平均収率として1mol%の差異が生じ、2vol%以
下の水蒸気を含有する分子状酸素含有ガスを用いた場合
の方が優位となる。図2から明らかなようにこの差は触
媒を長期に使用するほど顕著となり、3000時間経過
時点には約3mol%の差、4000時間経過時点で
は、2vol%で約64mol%、0.2vol%で約
65mol%であるのに対し、5vol%の場合では、
外挿であるが約59mol%以下と推定され、分子状酸
素含有ガス中の水蒸気を2vol%以下に抑制すること
より約5mol%の顕著な差異が生じる。
【0015】更に原料混合ガス中の水蒸気含有量を低減
することは、副生成物を減少させる作用もあることにつ
いて、例えばトリメリット酸の生成量は5vol%の水
蒸気を含有する空気を分子状酸素含有ガスとして用いた
場合では4.5mol%、水蒸気含有量2vol%空気
を用いた場合では3.5mol%、水蒸気含有量0.2
vol%空気を用いた場合ではでは2.8mol%であ
り、本発明では製品品質の向上や捕集精製工程での回収
率も高めることが出来ることとなる。
【0016】上記接触気相酸化工程で使用される原料混
合ガスとしては、テトラアルキルベンゼン及び/又はト
リアルキルベンズアルデヒド並びに分子状酸素含有ガス
を含むが、これら以外のものを含んでいても含んでいな
くてもよい。原料混合ガスの好ましい形態としては、テ
トラアルキルベンゼン及び/又はトリアルキルベンズア
ルデヒド並びに分子状酸素含有ガスを主成分とするもの
である。
【0017】上記原料混合ガスにおいて用いるテトラア
ルキルベンゼン及び/又はトリアルキルベンズアルデヒ
ドとしては、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。また、任意のアルキル基を持つものが
使用可能であるが、アルキル基の炭素数が大きくなるほ
ど酸化反応時の発熱量が増大するため、アルキル基の炭
素数は少ないほうが好ましくC1〜C3のアルキル基を
持つものが好適に使用できる。中でも1,2,4,5−
テトラメチルベンゼン、2,4,5−トリメチルベンズ
アルデヒドが、更に高い収率を得ることができるため、
無水ピロメリット酸を安価に製造するための原料として
は特に好ましい。また、2,4,5−トリアルキルベン
ズアルデヒドと1,2,4,5−テトラアルキルベンゼ
ンの混合物を用いて反応することも可能であり、これら
の混合物は任意の混合比で使用することができる。
【0018】上記接触気相酸化工程で使用される固定床
反応器が有する触媒層において、触媒の形態としては特
に限定されず、担持型触媒でも成形触媒でも良い。担持
型触媒とは、不活性な担体に触媒活性成分をコーティン
グすることによって得られ、吹き付け法、含浸法、転動
造粒法等既存の方法を用いることが出来る。成形触媒
は、触媒活性成分を成形して得られ、押し出し法や打錠
成形法等既存の方法を用いることができる。これらの触
媒における触媒活性成分とは、触媒を構成する物質の内
触媒作用を有する物質であり、これに該当しない物質と
しては、担持型触媒における担体が挙げられる。成形触
媒は特殊な場合を除き、通常全て活性物質からなると見
なせる。特殊な場合としては、触媒活性を抑制するため
に不活性な無機粉体を希釈剤として添加することがあ
る。
【0019】上記触媒としては、触媒活性成分としてバ
ナジウムを含んでなるものが好ましく、更に、モリブデ
ン、タングステン、リン、ホウ素、銀、アンチモン、硫
黄、ニオブ、アルカリ土類金属、希土類元素からなる群
より選ばれた少なくとも1種の元素を含んでなるものが
好ましい。これら元素の使用量としては、バナジウムに
対する他の元素の原子比として3を超えない範囲で用い
ることが好ましく、より好ましくは2を超えない範囲で
ある。
【0020】また上記触媒には、更に酸化チタン、酸化
ジルコニウム、酸化錫から選ばれる少なくとも1種の無
機酸化物を加えることもでき、これらを適量加えること
により無水ピロメリット酸収率の向上や触媒の耐熱性の
向上が可能となる。すなわち、上記触媒活性成分は、更
にTiO、ZrO及びSnOからなる群から選ば
れた少なくとも1種の無機酸化物粉体を含んでなること
が好ましい。これら無機酸化物の好ましい使用量として
は、例えば、上記触媒の構成元素のモル数の総和に対し
て、加える無機酸化物粉体の表面積が0を超えかつ1×
10/モル以下の範囲であり、更に好ましくは1
×10〜1×10/モル、最も好ましくは1×
10〜4×10/モルとなるように添加するの
が良い。
【0021】ここで、加える無機酸化物粉体の表面積
(m/モル)とは、使用した酸化物粉体の重量(g)
に該酸化物の比表面積(m/g)を乗じたものを、触
媒に使用した元素の金属状態でのモル数の総和(モル)
で除したものである。この比表面積は、BET(Bru
naer−Emmett−Teller)法により測定
したものである。
【0022】これらの触媒の調製方法及び原料について
は、特に制限されるものではなく従来から一般に用いら
れている手法により調製することができる。例えば原料
としては、使用する元素の硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、リ
ン酸塩、炭酸塩等の無機塩や、蓚酸塩、クエン酸塩、酒
石酸塩等の有機酸塩類の他、錯塩、又は、酸化物などが
使用可能である。これらは触媒調製時の焼成等により、
対応する酸化物又は複合酸化物として触媒中に存在する
ものと考えられる。また、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化錫は、市販の酸化物、又は、対応する塩より調
製した酸化物などの粉体が使用でき、BET比表面積と
しては5〜100m/gのものが好適に使用可能であ
る。
【0023】上記接触気相酸化工程における反応は、固
定床反応器に触媒を充填し、1,2,4,5−テトラア
ルキルベンゼン、2,4,5−トリアルキルベンズアル
デヒド、又は、1,2,4,5−テトラアルキルベンゼ
ンと2,4,5−トリアルキルベンズアルデヒドとの混
合物等と、分子状酸素含有ガスを混合した原料混合ガス
を、所定の温度に制御された熱媒中に保持された反応管
に充填された上記触媒層に通じることによって行うこと
が好ましい。工業的には接触気相酸化反応に一般的に用
いられる反応ガス入口部空間と出口部空間を共有する複
数の反応管が熱媒中に保持された多管式熱交換器型の反
応器が好適に使用できる。反応管径は特に限定されない
が、接触気相酸化反応で通常用いられる内径15mm〜
30mmのものが使用できる。
【0024】上記接触気相酸化工程における反応条件は
特に限定されるものではないが、好ましい空間速度は5
00〜10000h-1、特に好ましくは1000〜80
00h -1である。また、反応温度は、熱媒温度で300
〜500℃であり、好ましくは350℃〜450℃であ
る。原料混合ガス濃度は、分子状酸素含有ガス1m
(標準状態)当りの質量として(以後g/mと表記
する)10〜100g/m、好ましくは10〜50g
/mである。また、分子状酸素含有ガスとしては、空
気、酸素、又は、窒素や二酸化炭素など反応に関与しな
い不活性ガスと酸素との混合ガスを用いることができ
る。
【0025】
【実施例】以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0026】触媒調整 (触媒A)脱イオン水400ml中に蓚酸200gを溶
解させ、これにメタバナジン酸アンモニウム100gを
加え均一に溶解した後、第1リン酸アンモニウム3.0
7gを加え均一に混合した。ここにさらに表面積20m
/gのアナターゼ型酸化チタン214g、三酸化アン
チモン1.95g、炭化珪素ウィスカー17gを加えて
均一なスラリーとなるまで充分攪拌混合し、600ml
の触媒成分スラリーを調製した。外部加熱式の回転炉中
に外径7mm、内径4mm、長さ7mmのリング状Si
C担体200mlを入れて200〜350℃に予熱して
おき、先に調製した触媒成分スラリーを噴霧して触媒物
質10gを担持させた。これを、焼成炉にて500℃で
6時間焼成し触媒Aを得た。
【0027】(触媒B)脱イオン水400ml中に蓚酸
240gを溶解させ、これにメタバナジン酸アンモニウ
ム100g及びパラモリブデン酸アンモニウム15.1
gを加え均一に混合した後、第1リン酸アンモニウム
3.07g及びあらかじめ少量の脱イオン水に溶解した
硝酸銀6.53gを加え均一に混合した。ここに更に比
表面積20m /gのアナターゼ型酸化チタン214
g、炭化珪素ウィスカー17gを加えて均一なスラリー
となるまで充分攪拌混合し、600mlの触媒成分スラ
リーを調製した。外部加熱式の回転炉中に外径7mm、
長さ7mmのリング状炭化ケイ素担体200mlを入れ
て200〜350℃に予熱しておき、先に調製した触媒
成分スラリーを噴霧して触媒物質10gを担持させた。
ついで焼成炉にて500℃で6時間焼成し触媒Bを得
た。担持された触媒活性物質粉体を剥離回収して比表面
積を測定したところ18.4m/gであった。
【0028】実施例1 溶融塩浴中に設置された内径25mm、溶融塩中の長さ
4000mmの反応管に触媒Bを900mm充填し、そ
の原料ガス入り口側に触媒Aを同重量の外径7mm、内
径4mm、長さ7mmのリング状SiC担体との混合物
を500mmを充填した。さらに、この上部に平均直径
8mmのデンストン担体(ノ−トン社製)500mmを
充填した。ここに水分を0.2vol%まで除湿した空
気とデュレンを混合して調製した、デュレンガス濃度3
0g/Nmの原料ガスを空間速度4000h-1で流通
し反応を行った。反応ガス100リットルを空冷式結晶
管及び脱イオン水を満した洗気瓶2個にて補集し、液体
クロマトグラフによりピロメリット酸収率を求め、これ
を換算して無水ピロメリット酸収率を求めた。反応開始
後24時間での無水ピロメリット酸収率は65.3mo
l%であり、2000時間後も収率の変化は見られなか
った。4000時間後の収率は64.1mol%であっ
た。
【0029】実施例2 原料ガス調製に用いる空気の水蒸気含有量を2.0vo
l%に調整した以外は、実施例1と同様に反応及び分析
を行った。反応開始後24時間での無水ピロメリット酸
収率は66.1mol%であった。1000時間後の収
率は65.0mol%、2000時間後の収率は63.
9mol%、4000時間後の収率は61.4mol%
であり4000時間後も60mol%以上の収率を維持
した。
【0030】比較例1 原料ガス調製に用いる空気の水蒸気含有量を5vol%
に調整した以外は、実施例1と同様に反応及び分析を行
った。反応開始後24時間での無水ピロメリット酸収率
は66.5mol%であった。1000時間後の収率は
64.0mol%、2000時間後の収率は60.5m
ol%、3000時間後の収率は54.2mol%であ
った。収率が60mol%を大幅に下回ったため反応を
停止した。
【0031】実施例3 実施例1と同様に反応を実施し、100時間後に原料ガ
ス調製に用いる空気の水蒸気含有量を2.0vol%、
5.0vol%に変更し、実施例1と同様に反応ガスを
分析して、それぞれの条件でのトリメリット酸の生成量
を求めた。結果、トリメリット酸の選択率は、水蒸気含
有量0.2vol%では2.8mol%、2.0vol
%では3.5mol%、5.0vol%では4.5mo
l%であった。
【0032】(収率の低下速度について)水蒸気濃度
5.0vol%の場合、反応の初期1000時間での収
率低下が2.5mol%であったのに対して、1000
時間から2000時間では3.5mol%となり、劣化
が加速された。一方、水蒸気濃度2.0vol%以下で
は、この間ほぼ直線的に収率が低下した。
【0033】
【発明の効果】本発明の無水ピロメリット酸の製造方法
は、上述の構成よりなり、触媒寿命の向上による装置稼
働率向上、触媒費削減や、副生成物の削減による捕集精
製等の後処理コストの削減等の効果を発揮することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例における反応経過とPMDA
収率との関係を示したグラフである。
【図2】実施例及び比較例における反応経過とPMDA
平均収率との関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安養寺 和夫 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 松並 越成 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4C071 AA01 AA08 BB01 BB05 CC12 EE05 FF15 HH09 KK03 LL07 4H039 CA42 CC20 CC30 CD10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラアルキルベンゼン及び/又はトリ
    アルキルベンズアルデヒド並びに分子状酸素含有ガスを
    含む原料混合ガスを、触媒層を有する固定床反応器によ
    り接触気相酸化する工程を含む無水ピロメリット酸の製
    造方法であって、該無水ピロメリット酸の製造方法は、
    触媒層に導入する該原料混合ガス中の水分量を2容積%
    以下として行うことを特徴とする無水ピロメリット酸の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 テトラアルキルベンゼン及び/又はトリ
    アルキルベンズアルデヒド並びに分子状酸素含有ガスを
    含む原料混合ガスを、触媒層を有する固定床反応器によ
    り接触気相酸化する工程を含む無水ピロメリット酸の製
    造方法であって、該無水ピロメリット酸の製造方法は、
    分子状酸素含有ガスを除湿して行うことを特徴とする無
    水ピロメリット酸の製造方法。
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