JP2003055359A - オキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法 - Google Patents
オキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法Info
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- JP2003055359A JP2003055359A JP2001239570A JP2001239570A JP2003055359A JP 2003055359 A JP2003055359 A JP 2003055359A JP 2001239570 A JP2001239570 A JP 2001239570A JP 2001239570 A JP2001239570 A JP 2001239570A JP 2003055359 A JP2003055359 A JP 2003055359A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生産性よく、高収率、低コストで目的物が得
られるオキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)
−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンを反応させる。該反応は、反応器内の水を除
去しながら行う場合は、反応に要する時間が短縮され、
副反応が抑えられ、特に高収率となるために好ましい。
られるオキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)
−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンを反応させる。該反応は、反応器内の水を除
去しながら行う場合は、反応に要する時間が短縮され、
副反応が抑えられ、特に高収率となるために好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン重合が可
能なオキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法に関
するものである。得られる誘導体を含有する光硬化性又
は熱硬化性組成物は、塗料、コーティング材、接着剤、
レンズ等に利用される。
能なオキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法に関
するものである。得られる誘導体を含有する光硬化性又
は熱硬化性組成物は、塗料、コーティング材、接着剤、
レンズ等に利用される。
【0002】
【従来の技術】オキセタン化合物は、光開始カチオン重
合または硬化が可能なモノマーとして近年注目を浴びて
いる化合物であり、多くの単官能性及び多官能性オキセ
タン化合物が報告されている。例えば、Pure Appl.Che
m.,A29(10),pp.915(1992)及びPure Appl.Chem.,A30(2&
amp;3), pp.189(1993)には種々のオキセタン誘導体の合
成法が記載されている。
合または硬化が可能なモノマーとして近年注目を浴びて
いる化合物であり、多くの単官能性及び多官能性オキセ
タン化合物が報告されている。例えば、Pure Appl.Che
m.,A29(10),pp.915(1992)及びPure Appl.Chem.,A30(2&
amp;3), pp.189(1993)には種々のオキセタン誘導体の合
成法が記載されている。
【0003】特開2000−302774号公報には、
オキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体およびその製造方法
が開示されている。該公報に開示されている製造方法
は、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを
一旦スルホン酸エステルに転化し、得られるスルホン酸
エステルを原料としてビス(ヒドロキシメチル)−トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカンと反応させるものであり、
製造工程が煩雑であり、製造コストが高いものである。
オキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体およびその製造方法
が開示されている。該公報に開示されている製造方法
は、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを
一旦スルホン酸エステルに転化し、得られるスルホン酸
エステルを原料としてビス(ヒドロキシメチル)−トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカンと反応させるものであり、
製造工程が煩雑であり、製造コストが高いものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
が改善された、すなわち生産性よく、高収率、低コスト
で目的物が得られるオキセタン環を有するビス(ヒドロ
キシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体
の製造方法を提供するものである。
が改善された、すなわち生産性よく、高収率、低コスト
で目的物が得られるオキセタン環を有するビス(ヒドロ
キシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体
の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載のオキセタン環を有するビス(ヒド
ロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導
体の製造方法は、ビス(ヒドロキシメチル)−トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキ
ル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチ
ルオキセタンを反応させることを特徴とするものであ
る。請求項2に記載のオキセタン環を有するビス(ヒド
ロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導
体の製造方法は、請求項1に記載の発明において、反応
器内の水を除去しながら反応させることを特徴とするも
のである。
に、請求項1に記載のオキセタン環を有するビス(ヒド
ロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導
体の製造方法は、ビス(ヒドロキシメチル)−トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキ
ル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチ
ルオキセタンを反応させることを特徴とするものであ
る。請求項2に記載のオキセタン環を有するビス(ヒド
ロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導
体の製造方法は、請求項1に記載の発明において、反応
器内の水を除去しながら反応させることを特徴とするも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】ビス(ヒドロキシメチル)−トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカンは、得られる誘導体の優れ
た耐熱性などに寄与する原料であり、式1に示す構造式
で表される化合物である。
シクロ[5.2.1.02,6]デカンは、得られる誘導体の優れ
た耐熱性などに寄与する原料であり、式1に示す構造式
で表される化合物である。
【0007】
【化1】
【0008】3−アルキル−3−クロロメチルオキセタ
ンまたは3−クロロメチルオキセタンは、オキセタン環
を導入するための原料であり、式2に示す構造式で表さ
れる化合物である。式2において、Rは、水素原子、メ
チル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を表す。
これらの化合物は公知の方法で製造することができる
(特開平10−204071号公報、特開平10−21
2282号公報、特表平11−500422号公報)。
ンまたは3−クロロメチルオキセタンは、オキセタン環
を導入するための原料であり、式2に示す構造式で表さ
れる化合物である。式2において、Rは、水素原子、メ
チル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を表す。
これらの化合物は公知の方法で製造することができる
(特開平10−204071号公報、特開平10−21
2282号公報、特表平11−500422号公報)。
【0009】
【化2】
【0010】アルカリ剤は、ビス(ヒドロキシメチル)
−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンと3−アルキル−3
−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチルオキ
セタンを脱塩化水素反応により縮合させるための成分で
あり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化
物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩
等が使用できる。具体例としては水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウムなどが挙げられるが、作業性が良好で
あり、目的の誘導体が高収率で得られやすいため、水酸
化ナトリウムおよび水酸化カリウムが特に好ましい。
−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンと3−アルキル−3
−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチルオキ
セタンを脱塩化水素反応により縮合させるための成分で
あり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化
物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩
等が使用できる。具体例としては水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウムなどが挙げられるが、作業性が良好で
あり、目的の誘導体が高収率で得られやすいため、水酸
化ナトリウムおよび水酸化カリウムが特に好ましい。
【0011】通常5〜60質量%の濃度の水溶液状のも
のまたは固体状のものが使用されるが、濃度20〜60
質量%の水溶液状のものが好ましい。アルカリ剤の使用
量は、ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.
02,6]デカンの水酸基の当量数を基準として、0.9〜
3倍当量であることが好ましく、1.5〜2.5倍当量
であることがより好ましい。アルカリ剤の使用量が少な
すぎると充分反応しない場合があり、多すぎると副反応
のため収率が悪くなる場合がある。
のまたは固体状のものが使用されるが、濃度20〜60
質量%の水溶液状のものが好ましい。アルカリ剤の使用
量は、ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.
02,6]デカンの水酸基の当量数を基準として、0.9〜
3倍当量であることが好ましく、1.5〜2.5倍当量
であることがより好ましい。アルカリ剤の使用量が少な
すぎると充分反応しない場合があり、多すぎると副反応
のため収率が悪くなる場合がある。
【0012】ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンの反応は、通常の脱塩化水素反応を行う条件
にて実施することができる。反応温度は50〜200℃
が好ましく、90〜150℃がより好ましい。反応温度
が低すぎると生産性が悪く、高すぎると副反応がおきや
すいため収率が悪くなる場合がある。反応時間は、反応
温度や後述する相関移動触媒の有無にもよるが、1〜2
0時間が好ましい。
[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンの反応は、通常の脱塩化水素反応を行う条件
にて実施することができる。反応温度は50〜200℃
が好ましく、90〜150℃がより好ましい。反応温度
が低すぎると生産性が悪く、高すぎると副反応がおきや
すいため収率が悪くなる場合がある。反応時間は、反応
温度や後述する相関移動触媒の有無にもよるが、1〜2
0時間が好ましい。
【0013】反応させるビス(ヒドロキシメチル)−ト
リシクロ[5.2.1.02,6]デカンと3−アルキル−3−ク
ロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチルオキセタ
ンの割合は、ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカンの有する水酸基の当量数を基準と
して、3−アルキル−3−クロロメチルオキセタンまた
は3−クロロメチルオキセタンが1〜5倍当量であるの
が好ましく、2〜3倍当量であるのがより好ましい。3
−アルキル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−ク
ロロメチルオキセタンの使用量が少なすぎるとビス(ヒ
ドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンが
効率的に利用されない場合があり、多すぎると3−アル
キル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメ
チルオキセタンが効率的に利用されない場合があって、
いずれの場合も経済的ではない。
リシクロ[5.2.1.02,6]デカンと3−アルキル−3−ク
ロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチルオキセタ
ンの割合は、ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカンの有する水酸基の当量数を基準と
して、3−アルキル−3−クロロメチルオキセタンまた
は3−クロロメチルオキセタンが1〜5倍当量であるの
が好ましく、2〜3倍当量であるのがより好ましい。3
−アルキル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−ク
ロロメチルオキセタンの使用量が少なすぎるとビス(ヒ
ドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンが
効率的に利用されない場合があり、多すぎると3−アル
キル−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメ
チルオキセタンが効率的に利用されない場合があって、
いずれの場合も経済的ではない。
【0014】ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンの反応は、相間移動触媒を用いることにより
反応時間を短縮することができる。相間移動触媒として
は、公知の相間移動触媒(例えば、W.P.Webe
r,G.W.Gokel共著、田伏岩夫、西谷孝子共訳
「相間移動触媒」、株式会社化学同人発行などに記載の
もの)をいずれも用いることができる。これらの中で
も、触媒としての能力の高さから、有機第4級アンモニ
ウム塩およびホスホニウム塩が好ましい。具体例として
は、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、ベンジ
ルトリエチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチ
ルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルホスホニ
ウムクロリド、トリオクチルエチルホスホニウムブロミ
ドおよびテトラフェニルホスホニウムクロリドなどが挙
げられる。
[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンの反応は、相間移動触媒を用いることにより
反応時間を短縮することができる。相間移動触媒として
は、公知の相間移動触媒(例えば、W.P.Webe
r,G.W.Gokel共著、田伏岩夫、西谷孝子共訳
「相間移動触媒」、株式会社化学同人発行などに記載の
もの)をいずれも用いることができる。これらの中で
も、触媒としての能力の高さから、有機第4級アンモニ
ウム塩およびホスホニウム塩が好ましい。具体例として
は、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、ベンジ
ルトリエチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチ
ルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルホスホニ
ウムクロリド、トリオクチルエチルホスホニウムブロミ
ドおよびテトラフェニルホスホニウムクロリドなどが挙
げられる。
【0015】相間移動触媒の使用量は、ビス(ヒドロキ
シメチル)−トリシクロ[5.2.1.02 ,6]デカンの水酸基
を基準としてモル比で0.1〜30%であることが好ま
しく、1〜10%であることがより好ましい。使用量が
少なすぎると反応を円滑にさせる効果が十分でなく、多
すぎると経済的に無駄なだけでなく製品の純度が悪くな
る場合がある。
シメチル)−トリシクロ[5.2.1.02 ,6]デカンの水酸基
を基準としてモル比で0.1〜30%であることが好ま
しく、1〜10%であることがより好ましい。使用量が
少なすぎると反応を円滑にさせる効果が十分でなく、多
すぎると経済的に無駄なだけでなく製品の純度が悪くな
る場合がある。
【0016】上記の反応は、溶媒を使用して実施するこ
とができ、特に芳香族炭化水素溶媒を使用する方法は、
反応を円滑に進行させることができる。芳香族炭化水素
溶媒のうちでも、ベンゼン、トルエン、キシレン等が好
適に用いられる。
とができ、特に芳香族炭化水素溶媒を使用する方法は、
反応を円滑に進行させることができる。芳香族炭化水素
溶媒のうちでも、ベンゼン、トルエン、キシレン等が好
適に用いられる。
【0017】上記反応において、反応器の中には水が存
在する。水は原材料の一部として供給されるものもある
し反応により生成するものもある。反応器内の水を除去
しながら反応させる方法は、反応に要する時間が短縮さ
れ、副反応が抑えられ、特に収率が高くなるために好ま
しい方法である。反応系器内の水を反応系外に除去する
方法としては特に限定されないが、例えば常圧で50℃
以上の加熱下、要すれば窒素や空気等を流しながら蒸発
させる方法、反応器内を減圧にして蒸発させる方法、水
と共沸し得る溶媒、例えばトルエンやキシレンを用いて
共沸により除去する方法又はこれらの併用による方法等
がある。このような水の留去の際、原料の一部が水と共
に留去する時もあるがこの場合は脱水管等を使い原料は
反応器内に戻すのが好ましい。
在する。水は原材料の一部として供給されるものもある
し反応により生成するものもある。反応器内の水を除去
しながら反応させる方法は、反応に要する時間が短縮さ
れ、副反応が抑えられ、特に収率が高くなるために好ま
しい方法である。反応系器内の水を反応系外に除去する
方法としては特に限定されないが、例えば常圧で50℃
以上の加熱下、要すれば窒素や空気等を流しながら蒸発
させる方法、反応器内を減圧にして蒸発させる方法、水
と共沸し得る溶媒、例えばトルエンやキシレンを用いて
共沸により除去する方法又はこれらの併用による方法等
がある。このような水の留去の際、原料の一部が水と共
に留去する時もあるがこの場合は脱水管等を使い原料は
反応器内に戻すのが好ましい。
【0018】反応により塩が生成するので、常法により
分離すればよい。反応混合物をろ過することにより塩と
有機物を分離する方法や、反応混合物に水を加えて塩を
溶解した後、有機相と水相を分離する方法などにより、
有機成分を取り出すことができる。次に、得られる有機
成分を減圧蒸留することにより、溶媒、未反応の原料等
を除去することができる。必要により活性炭、珪藻土、
シリカ、アルミナなどで処理した後、ろ過することによ
り、高純度の目的とするオキセタン環を有するビス(ヒ
ドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘
導体を得ることができる。
分離すればよい。反応混合物をろ過することにより塩と
有機物を分離する方法や、反応混合物に水を加えて塩を
溶解した後、有機相と水相を分離する方法などにより、
有機成分を取り出すことができる。次に、得られる有機
成分を減圧蒸留することにより、溶媒、未反応の原料等
を除去することができる。必要により活性炭、珪藻土、
シリカ、アルミナなどで処理した後、ろ過することによ
り、高純度の目的とするオキセタン環を有するビス(ヒ
ドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘
導体を得ることができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0020】(実施例1)温度計、冷却器、攪拌装置、
滴下漏斗兼窒素ガス吹込口を備えた1Lの四つ口丸底フ
ラスコに、3(4), 8(9)−ビス(ヒドロキシメチル)
−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(セラニーズジャ
パン株式会社製。「3(4), 8(9)」はヒドロキシメチ
ルが置換されている部位が3位または4位、および8位
または9位である異性体の混合物であることを意味す
る。)を157.0g(0.8mol)、3−クロロメチル−3−エ
チルオキセタン(以下、OXCという。)を430.7g(3.2mo
l)仕込み、攪拌しながら内温が120℃になるように加温
した。その後、48%KOH水溶液を374.0g(KOHとして3.2mo
l) 4時間かけて滴下した。48%KOH水溶液滴下終了後、
触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド20.6gを
添加し、水とOXCの還流下で更に7時間反応させた。反応
終了後、500gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。有
機相と水相を分離し、550gの有機相と905gの水相を得
た。有機相をガスクロマトグラフ(以下、GCという。)
により分析した結果、3(4), 8(9)−ビス[(1−エ
チル−3−オキセタニル)メトキシメチル]−トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン(以下、TCD-DOXとい
う。):5.5wt%、OXC:41.7wt%、3(4), 8(9)−ビ
ス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02 ,6]
デカン(以下、TCD-DOHという。):14.1wt.%、3−エ
チル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(以下、OXAと
いう。):12.6wt%、ジ(1−エチル(3−オキセタニ
ル))メチルエーテル(以下、DOXという。):7.8wt
%、3(4), 8(9)−ビス(ヒドロキシメチル)−トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカンの一方の水酸基にのみOX
Cが反応した化合物(以下、TCD-MOXという。):16.1w
t.%であった。この分析結果をもとに計算すると、TCD-D
OHを基準としたTCD-DOXの反応収率は9.6%、TCD-DOHを
基準としたTCD-DOX選択率は19.0%となる。なお、TCD-D
OX反応収率、TCD-DOX選択率の定義を以下に示す。 TCD-DOX反応収率 =[TCD-DOX生成量(mol)]÷〔TCD-DO
Hの仕込量(mol)〕×100 TCD-DOX選択率 =[TCD-DOX生成量(mol)]÷〔TCD-DOH
の反応量(mol)〕×100
滴下漏斗兼窒素ガス吹込口を備えた1Lの四つ口丸底フ
ラスコに、3(4), 8(9)−ビス(ヒドロキシメチル)
−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(セラニーズジャ
パン株式会社製。「3(4), 8(9)」はヒドロキシメチ
ルが置換されている部位が3位または4位、および8位
または9位である異性体の混合物であることを意味す
る。)を157.0g(0.8mol)、3−クロロメチル−3−エ
チルオキセタン(以下、OXCという。)を430.7g(3.2mo
l)仕込み、攪拌しながら内温が120℃になるように加温
した。その後、48%KOH水溶液を374.0g(KOHとして3.2mo
l) 4時間かけて滴下した。48%KOH水溶液滴下終了後、
触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド20.6gを
添加し、水とOXCの還流下で更に7時間反応させた。反応
終了後、500gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。有
機相と水相を分離し、550gの有機相と905gの水相を得
た。有機相をガスクロマトグラフ(以下、GCという。)
により分析した結果、3(4), 8(9)−ビス[(1−エ
チル−3−オキセタニル)メトキシメチル]−トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン(以下、TCD-DOXとい
う。):5.5wt%、OXC:41.7wt%、3(4), 8(9)−ビ
ス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02 ,6]
デカン(以下、TCD-DOHという。):14.1wt.%、3−エ
チル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(以下、OXAと
いう。):12.6wt%、ジ(1−エチル(3−オキセタニ
ル))メチルエーテル(以下、DOXという。):7.8wt
%、3(4), 8(9)−ビス(ヒドロキシメチル)−トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカンの一方の水酸基にのみOX
Cが反応した化合物(以下、TCD-MOXという。):16.1w
t.%であった。この分析結果をもとに計算すると、TCD-D
OHを基準としたTCD-DOXの反応収率は9.6%、TCD-DOHを
基準としたTCD-DOX選択率は19.0%となる。なお、TCD-D
OX反応収率、TCD-DOX選択率の定義を以下に示す。 TCD-DOX反応収率 =[TCD-DOX生成量(mol)]÷〔TCD-DO
Hの仕込量(mol)〕×100 TCD-DOX選択率 =[TCD-DOX生成量(mol)]÷〔TCD-DOH
の反応量(mol)〕×100
【0021】(実施例2)攪拌機、滴下ロート、温度
計、脱水管およびコンデンサーを取り付けたガラス製の
1Lの四つ口丸底フラスコに、3(4), 8(9)−ビス
(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[[5.2.1.02,6]
デカンを157.0g(0.8mol)、OXCを430.7g(3.2mol)仕込
み、攪拌しながら内温が120℃になるように加温し、反
応系中の圧力が150mmHgになるように減圧した。その
後、48%KOH水溶液を374.0g(KOHとして3.2mol)を4時間
かけて滴下するとともに、水をOXCと共沸させ、水を留
去させた。48%KOH水溶液滴下終了後も、反応系の圧力を
150mmHgに維持したまま、水をOXCと共沸させ、水を留去
させながら、更に7時間反応させた。なお、脱水管中の
有機相はすべて反応器へ戻した。反応終了までに留出し
た水は234.4gであった。反応終了後、1020gの蒸留水を
添加し、固形物を溶解した。有機相と水相を分離し、52
2gの有機相と1200gの水相を得た。有機相をGCにより分
析した結果、TCD-DOX:60.6wt%、OXC:2.3wt%、TCD-D
OH:0wt.%、OXA:0.4wt%、DOX:31.9wt%、TCD-MOX:
4.5wt%であった。この分析結果をもとに計算すると、TC
D-DOHを基準としたTCD-DOXの反応収率は98.1%、TCD-DO
Hを基準としたTCD-DOX選択率は98.1%となる。
計、脱水管およびコンデンサーを取り付けたガラス製の
1Lの四つ口丸底フラスコに、3(4), 8(9)−ビス
(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[[5.2.1.02,6]
デカンを157.0g(0.8mol)、OXCを430.7g(3.2mol)仕込
み、攪拌しながら内温が120℃になるように加温し、反
応系中の圧力が150mmHgになるように減圧した。その
後、48%KOH水溶液を374.0g(KOHとして3.2mol)を4時間
かけて滴下するとともに、水をOXCと共沸させ、水を留
去させた。48%KOH水溶液滴下終了後も、反応系の圧力を
150mmHgに維持したまま、水をOXCと共沸させ、水を留去
させながら、更に7時間反応させた。なお、脱水管中の
有機相はすべて反応器へ戻した。反応終了までに留出し
た水は234.4gであった。反応終了後、1020gの蒸留水を
添加し、固形物を溶解した。有機相と水相を分離し、52
2gの有機相と1200gの水相を得た。有機相をGCにより分
析した結果、TCD-DOX:60.6wt%、OXC:2.3wt%、TCD-D
OH:0wt.%、OXA:0.4wt%、DOX:31.9wt%、TCD-MOX:
4.5wt%であった。この分析結果をもとに計算すると、TC
D-DOHを基準としたTCD-DOXの反応収率は98.1%、TCD-DO
Hを基準としたTCD-DOX選択率は98.1%となる。
【0022】
【発明の効果】容易に入手可能な原料から高収率で経済
的にオキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体が得られる。本
発明のオキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)
−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体を含有する光
硬化性又は熱硬化性組成物は、塗料、コーティング材、
接着剤、レンズ等に利用することができる。
的にオキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体が得られる。本
発明のオキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)
−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体を含有する光
硬化性又は熱硬化性組成物は、塗料、コーティング材、
接着剤、レンズ等に利用することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、アルカリ剤および3−アルキル
−3−クロロメチルオキセタンまたは3−クロロメチル
オキセタンを反応させることを特徴とするオキセタン環
を有するビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン誘導体の製造方法。 - 【請求項2】 反応器内の水を除去しながら反応させる
ことを特徴とする請求項1に記載のオキセタン環を有す
るビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.
02,6]デカン誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001239570A JP2003055359A (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | オキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001239570A JP2003055359A (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | オキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003055359A true JP2003055359A (ja) | 2003-02-26 |
Family
ID=19070299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001239570A Pending JP2003055359A (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | オキセタン環を有するビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003055359A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101077692B1 (ko) | 2004-02-23 | 2011-10-27 | 신닛테츠가가쿠 가부시키가이샤 | 지환식 옥세탄 화합물의 제조방법 |
-
2001
- 2001-08-07 JP JP2001239570A patent/JP2003055359A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101077692B1 (ko) | 2004-02-23 | 2011-10-27 | 신닛테츠가가쿠 가부시키가이샤 | 지환식 옥세탄 화합물의 제조방법 |
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