JP2003055036A - 感光性セラミックス組成物及びセラミックス基板 - Google Patents
感光性セラミックス組成物及びセラミックス基板Info
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Abstract
比かつ高精細のビアホール形成が可能でかつ焼成後の誘
電率が低い感光性セラミックス組成物に供する。 【解決手段】少なくとも中空構造を有する無機粒子を含
んだ、および感光性有機成分を必須成分として含有する
感光性セラミックス組成物。
Description
ス組成物に関する。本発明の感光性セラミックス組成物
は、高周波無線用積層基板などの回路材料などに用いら
れる。
普及が著しい。従来の携帯電話は800MHz〜1.5
GHzの準マイクロ波帯を用いたものであったが、情報
量の増大に伴い、搬送周波数をより高周波であるマイク
ロ波帯からミリ波帯とした無線技術が提案され、実現さ
れる状況にある。こうした高周波無線回路は、移動体通
信やネットワーク機器としての応用が期待されており、
中でもITS(Intelligent Transport System,高度交
通情報システム)での利用によってますます重要な技術
となりつつある。
そこで使用される基板材料も、使用周波数帯、すなわ
ち、数〜100GHzで優れた高周波伝送特性をもつ必
要がある。優れた高周波伝送特性を実現するためには、
誘電損失が低いこと、加工精度が高いこと、寸法安定性
がよいといった要件が必要である。これらの要件を備え
ている材料としては、従来アルミナを中心とするセラミ
ックス基板が使用されてきた。セラミックス基板は寸法
安定性に優れ、誘電正接(tanδ)が低いことから、高
周波帯で使用するセラミックス多層基板モジュールや部
品に使用されている。しかしながら、一方で、小型化す
るためにビアホールなどの微細加工を行うことが難し
く、パンチングやドリルによる切削加工といった方法で
は、せいぜい直径80μm程度の加工しかできなかっ
た。前述したように、セラミックス材料は、例えばアル
ミナの場合、誘電率は10前後、誘電正接は0.000
3程度であり、加工精度が粗いと実装密度が低下するだ
けでなく、高誘電率区間を長距離伝送することとなる。
そのため、誘電損失が上昇し、寸法安定性が高いにもか
かわらず、十分な特性を出すことができなくなるという
問題があった。特に、マイクロ波以上の領域の高周波回
路では、その効果が顕著になる。
料は誘電正接が低く、寸法安定性に優れているものの、
微細加工度が低かったため、特に高周波領域において十
分な特性を得ることができなかった。このような微細加
工精度の問題を改良する方法として、特開平1−183
456号公報、特開平6−202323号公報におい
て、感光性セラミックス組成物から形成したグリーンシ
ートを用いたフォトリソグラフィー技術によるビアホー
ル形成方法が提案されている。しかしながら、感光性セ
ラミックス組成物の感度や解像度が低いため高アスペク
ト比のもの、例えば50μmを越えるような厚みのシー
トに対し、100μm以下のビアホールを精度良く、か
つ均一に形成できないという欠点があった。
して使用する際には、使用する際には、セラミックスグ
リーンシートにビアホールを形成する工程、ビアホール
に導体ペーストあるいは導電性金属粉末を充填する工
程、セラミックスグリーンシート表面に電極や回路など
の導体パターンを形成する工程、ビアホールおよび導体
パターンが形成されたセラミックスグリーンシートを積
層および圧着し、適当な基板サイズにカットした後、焼
成する工程を経ることとなる。このとき、焼成工程によ
って通常10〜20%収縮するが、必ずしも均一には収
縮しないため寸法精度の低下が生じており、歩留まりを
下げる要因となっていた。このような収縮率のバラツキ
は、特開平5−102666号公報に示されるように、
セラミックスグリーンシートの上面および下面に難焼結
性のセラミックスグリーンシートを積層し、焼成するこ
とによって厚み方向のみ収縮させ、X−Y平面にはほぼ
無収縮にする事で低減できることが提案されている。
電正接の低いセラミックス基板材料の微細加工度を高め
て、高周波領域において十分な特性を得ることができる
ようにするため、低誘電率でありなおかつフォトリソグ
ラフィー法を用いた高アスペクト比かつ高精細のビアホ
ール形成が可能な感光性セラミックス組成物を提供す
る。
くとも中空構造を有する無機粒子を含んだ無機材料、お
よび感光性有機成分を含有することを特徴とする感光性
セラミックス組成物である。
無機材料、および感光性有機成分を含有することを特徴
とする感光性セラミックス組成物により製造されたセラ
ミックス基板である。
中空構造を有することを特徴とするセラミックス基板で
ある。
有する無機粒子を含んだ無機材料、および感光性有機成
分を含有する感光性セラミックス組成物を使用すること
によって、焼結後の誘電率を低くし、かつ低誘電正接性
を保持あるいは低下させること、さらに、フォトリソグ
ラフィー工程を使うことによって微細加工性を与え、高
周波数回路において必要となる高速信号伝送特性を高め
ることができるようにしたことを特徴とする。
構造を有する無機粒子を含んだ無機材料、および感光性
有機成分を必須成分とする。
の中空構造を有する無機粒子を含んだ無機材料について
説明する。
に、これを焼成して中空構造を有するセラミックス基板
が得られることに発明の効果を奏するものであるので、
本発明の中空構造は焼成条件に曝されても、その構造を
実質上保持することが重要である。従って、本発明の感
光性セラミックス組成物は、中空構造が実質上保持可能
な臨界温度である中空保持臨界温度よりも200℃以上
低温である温度域において、焼成可能温度を有すること
が好ましい(より好ましくは300℃以上、更に好まし
くは400℃以上)。なお、焼成可能温度は融点などの
ようにピンポイントではなく、有る程度の幅を持つ温度
帯であることが一般的である。そして、前記温度帯のう
ち少なくとも1つの温度について、前記中空保持臨界温
度との前記関係を有していればよい。
する無機粒子が軟化せず、中空構造を保持可能な温度に
おいて最高の温度であることを指す。中空保持臨界温度
は例えば、以下の方法等により測定される。すなわち、
中空構造を有する無機粒子乃至はそれを含んだ無機材料
の混合物を一定質量取り出し、真比重計で密度を測定す
る、その後、該無機粒子を加熱したのち、再び密度の測
定を行う。この際、中空構造が保持されていれば、加熱
前後での密度変化は測定されないが、中空空間の減少な
どが起こると密度変化が生じる。密度変化する加熱温度
を臨界温度として定義することができる。この時、透過
電子顕微鏡による粒子構造の観察を加えることによって
構造変化を評価・確認することができる。より具体的に
は、無機材料の全体積に対する、該中空構造を有する無
機粒子の全中空構造の体積の比率である無機材料空隙率
が50体積%未満になる最低の温度を持ってして中空保
持臨界温度と定義することが最も実用的ではある。
いが、例えば、以下の評価条件を満たせばよい。まず、
対象組成物を成形し、成形体を加熱処理をして焼成を行
う。そして、上記の工程を経た試料が、実質上一体のも
のとなり、持ち上げても(長軸の端部を把持して、前記
端部を上にして、長軸を鉛直方向にして持ち上げる)崩
れない条件を満たすことである。なお、前記実質上一体
のものとなっているとは、通常概念の通りであり、なん
ら限定されないが、おおよその目安を示せば、処理後得
られた固形物重量の少なくとも90重量%以上が一体と
なっていればよい。
焼成条件は材料により大きく異なり、一概にはいえない
が、例えば、以下の条件範囲内で最も良好な条件を選択
すればよい。即ち、対象組成物を一軸加圧、等方加圧、
爆縮衝撃成形法等の乾式成形法もしくは、泥漿鋳込法、
塑性成形法、射出成形法等の湿式成形法などの成形法を
用いて成形する。次に、成形体に外的な力を加えず、1
〜10時間加熱処理を行う方法(常圧焼結法)や、成形
体を加圧しながら、1〜10時間過熱処理を行う方法
(加圧焼結法)などの加熱方法を用いて焼成を行う。こ
の際の工程条件は、対象組成物により大きくことなる
が、おおよその加熱温度の範囲は、400〜2000
℃、圧力は常圧〜10GPaの範囲、また雰囲気ガスと
して、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスや酸
素などの反応性ガスを単独で使用、もしくは混合して使
用することができる。
ばなんら限定されるものではない。なお、かかる焼成可
能温度に代えて、焼成可能温度において最も温度の低い
焼成可能温度である焼成可能最低温度を用いて、定義し
ても良く、その場合、本発明の感光性セラミックス組成
物は、中空構造が実質上保持可能な臨界温度である中空
保持臨界温度が、焼成可能最低温度よりも200℃以上
高いことが好ましい(より好ましくは300℃以上、更
に好ましくは400℃以上)。
説明する。
成されたものであり、粒子主要構成物質が実質上存在し
ない中空部分であり、その内部は空気乃至はその他の気
体が満たされていて、圧力は空気圧と同じであってもよ
いし、それより高くとも低くてもよい。あるいは真空で
あっても良い。そして、粒子外部の空間とは実質上導通
する開口部や通路を有しないものである。仮に前記の通
路があったとしても、その通路内径が3nm以下ならば
無視できる。
を有する無機粒子の全中空構造の体積の比率である無機
材料空隙率は、好ましくは50〜90体積%(より好ま
しくは50〜77体積%、更に好ましくは55〜75体
積%)である。前記数値範囲の下限値を下回ると中空領
域が少なく、低誘電率化の効果が少なく、一方、前記上
限値を上回ると、焼結時に中空構造を有する無機粒子が
脆くなり粉砕して好ましくない場合がある。
(中空構造を有する無機粒子の中空構造の体積/中空構
造を有する無機粒子の中空構造も含んだ粒子全体の体
積)が、50〜95体積%であることが好ましい(より
好ましくは60〜85体積%、更に好ましくは65〜7
5体積%)。50体積%よりも少ないと中空領域が少な
く、低誘電率化の効果が少なく、一方95体積%以上の
空隙率では、焼結時に中空構造を有する無機粒子が脆く
なり粉砕してしまうからである。
空構造の平均内径(非球体の場合は、それと同体積球体
の直径で内径に代用すれば良く、簡便には、中空構造を
有する無機粒子の平均径と見掛け比重と真比重により、
算出可能である。あるいは、透過電顕写真の中空構造断
面を同面積円にしたときの直径から換算(球面の断面で
ある円直径から元の球の直径の推算による)できる)
は、好ましくは0.3〜1.8μm(より好ましくは
0.4〜1.5μm、更に好ましくは0.6〜1.2μ
m)である。前記数値範囲の下限値を下回ると低誘電率
化の効果が少なく、一方上限値を上回ると脆く破壊しや
すくなり、何れも好ましくない場合があるからである。
なお、中空構造内面と無機粒子外表面までの厚さは、好
ましくは0.2μm以上(より好ましくは0.3μm以
上、更に好ましくは0.4μm以上)である。何故なら
ば中空構造を粒子単体で維持するためには、自己支持可
能な厚みを持ち、該無機粒子を組成物として加工する際
に強度を保持しておく必要があるからである。
ある方が好ましい。なぜなら、焼結時に均一に圧縮力が
発生することにより、中空構造を保持しやすいからであ
る。また、中空構造を有する無機粒子の形状が前記の通
り球状(又は粒状)であるものを用いることによって高
アスペクト比で高精細のビアホールの形成が可能である
ので、球形率70個数%以上の無機粒子を用いることが
好ましい(より好ましくは80個数%、更に好ましくは
90個数%)。これは、中空構造を有する無機粒子以外
の無機材料を構成する他の材料についても同様である。
なお、球形率の測定は以下の通りに行えばよい。まず、
測定対象である粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて
撮影して計数する。そして、球形のもの(短径/長径≧
0.8)である個数の比率を算出した値を球形率とす
る。但し、前記撮影像では、立体的に球形であることを
判別することは困難であることが多いので、平面画像で
ある前記撮影像で円形のもの(短径/長径≧0.8)で
ある個数の比率を算出した値である円形率を球形率とし
てもよい。
粒子を含む無機材料)の粒子径および比表面積は、作製
しようとするグリーンシートの厚みや焼成収縮率を考慮
して選ばれるが、平均粒子径(50%分布粒子径)が1
〜5μm、10重量%粒子径が0.4〜2μm、90重
量%粒子径が1.5〜15μm、最大粒子径が30μm
以下、比表面積1.5〜4m2/gを有するものが適し
ている。より好ましくは、平均粒子径1〜3μm、10
重量%粒子径が0.5〜1.5μm、90重量%粒子径
が2.5〜10μm、最大粒子径が20μm以下、比表
面積2.5〜4m2/gであり、更に好ましくは平均粒
子径1〜2μm、10重量%粒子径が0.5〜1μm、
90重量%粒子径が4〜5μm、最大粒子径が10μm
以下、比表面積3〜4m2/gである。なお、ここで言
う粒子径とはレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて
得られた値である。
空構造を有する無機粒子(または、前記粒子を含む無機
材料)を用いることにより、粒子の充填性が向上し、グ
リーンシート中の粉末比率を増加させても気泡を巻き込
むことが少なくなり、余分な光散乱が小さいため、パタ
ーン形成性を高めることになる。中空構造を有する無機
粒子(または、前記粒子を含む無機材料)の粒度が上記
範囲より小さいと比表面積が増えるため、粒子の凝集性
が上昇し、有機成分内への分散性が低下し、気泡を巻き
込み易くなる。そのため、光散乱が増え、パターン形成
性が低下する。逆に上記範囲より大きい場合には、粒子
のかさ密度が下がるため充填性が低下し、感光性有機成
分の量が不足し、気泡を巻き込みやすくなり、やはり光
散乱を起こしやすくなる。さらに、粒子の粒度は上記範
囲にあると、粉末充填比率が高いので焼成収縮率が低く
なり、焼成時にビアホール形状が崩れにくい。さらに、
粒子の粒子径ならびに比表面積が上記範囲にあると、焼
成後も独立した中空構造を保持しやすく、粒子形状を維
持しやすい。
に含まれる中空構造の数は特に限定されるものではな
く、単数、複数の何れでも良いが、焼成時の形状保持
や、組成物製造時の機械的強度を保つことが必要なの
で、実質的にひとつであることが好ましい。
でSiO2を50重量%以上含むことが好ましい(より
好ましくは55重量%以上、更に好ましくは60重量%
以上)。酸化物の中でも、バルク値で最も低い比誘電率
(約3.5)を持つSiO2を上記重量%以上含む無機粒
子を使用することで、内部の中空領域の効果(空気の比
誘電率は1)に合わせて、粒子全体での誘電率の低減に
効果を及ぼすからである。また、低い誘電正接(1×1
0-4以下)であることからもSiO2を多く含有させた
ほうが、電気特性上好ましい。その上、内部の中空領域
とSiO2含量の少ない前記無機粒子以外の素材(後述
の無機素材など)との間に、電気特性が両者の間に位置
するSiO2含量の多い素材(中空構造を有する無機粒
子の材料)を配することにより、組成物中の電気特性に
ついて、構造間(非無機粒子、無機粒子、中空構造)に
おける落差を少なくして、連続的な変化に近いものにさ
せることが可能となり、その結果低い誘電正接を達成し
やすくなり好ましいものである。
は、低温焼成温度帯では軟化せず形状を保持すること
で、独立した中空構造を維持できることが重要である。
すなわち、本発明の中空構造を有する無機粒子を構成す
る材料のガラス転移点(Tg)は、好ましくは800℃
以上(より好ましくは、1000℃以上、更に好ましく
は1100℃以上)である。よって、Tgの高い、Si
O2を酸化物表記で50重量%以上含むことが好まし
い。
機粒子としては、以下のような成分からなるものを挙げ
ることができる。すなわち、SiO2:50〜80重量
%、Al2O3:10〜40重量%、Fe2O3:0〜10
重量%、CaO:0〜2重量%、MgO:0〜2重量
%、Na2O:0〜5重量%、K2O:0〜3重量%、T
iO2:0〜2重量%、からなるものである。これを発
泡処理するなどして、内部に中空構造を持たせることが
できる。上記範囲の無機粒子は、軟化点が少なくとも9
00℃以上であり、低温焼成温度領域では軟化せずに独
立気泡を持った中空構造のまま残存することができる。
その際、空隙率は、50〜95体積%であることが好ま
しい。
無機材料としては、前記中空構造を有する無機粒子のみ
からなるものでも発明の効果を上げることは不可能では
ないが、それ以外の無機素材(特に、焼成温度にて軟化
する素材を有していることが好ましい)等を含んでいる
ことが好適である。但し、無機材料中、中空構造を持つ
無機粒子が2〜40重量%であることが好ましい(より
好ましくは10〜35重量%、更に好ましくは20〜3
0重量%)。上記範囲内においては、焼成を行った際に
無機素材の焼結体と中空構造を持つ無機粒子とが並存
し、かつ基板の強度を保持し、かつ誘電率の低減に効果
を与えるからである。
材料には、以下の通りの組成・配合の無機素材を含有す
ることが好ましい。即ち、ここでいう無機素材とは、焼
成工程において焼結するものであり、本発明の目的とす
る基板の形成では、1000℃以下、特に600〜95
0℃の温度での焼成が好ましいので、いわゆる低温焼成
無機素材が好ましい。もちろん、これらの無機素材が基
板の電気的特性、強度、熱膨張係数などの基本物性を決
めるものであり、慎重に選択することが必要である。低
温焼成が可能なセラミックス材料やガラス・セラミック
ス材料が選択される。ガラス・セラミックス材料におい
ては、焼成時に、ガラス成分が焼結されるが、セラミッ
クス成分は実質上溶融乃至は軟化せずフィラーとしての
役割を果たすものを用いることができるので形成された
基板の強度や誘電的特性上好ましい無機素材となる。な
お、前述の通り、無機素材中には焼成時に軟化する成分
と軟化しない成分を混在して好ましく用いられることが
あり、従って、単純な平均組成だけでは、焼結性の適否
が判断できない場合がある。本発明のセラミックス組成
物全体の焼結性を考慮すると、SiO2を50重量%以
下で含有する粉末(又は粒子)は、無機材料中に60〜
85重量%で含まれることが好ましい。
誘電損失が高く、十分満足できる高周波特性を有するも
のでなかった。従って、本発明の無機素材は、Cu、A
g、Auなどを配線導体として多層化が可能な600〜
950℃での焼成が可能であるとともに、GaAsなど
のチップ部品やプリント基板の熱膨張係数と近似した熱
膨張係数を有し、高周波領域においても低誘電率でかつ
誘電損失が低い基板を与えるものであることが好まし
い。
素材として有用な成分には6つの態様がある。
Al2O3−SiO2(Rはアルカリ金属(x=2)また
はアルカリ土類金属(x=1)を表す)で表されるアル
ミノケイ酸塩系化合物である。これに限定されるもので
はないが、アノーサイト(CaO−Al2O3−2SiO
2)、セルジアン(BaO−Al2O3−2SiO2)など
であり、低温焼結セラミックス材料として用いられる無
機素材である。
〜90重量%および、石英粉末および/またはアモルフ
ァスシリカ粉末10〜50重量%である材料である。
で、SiO2:50〜90重量%、ZnO:3〜40重
量%、B2O3:1〜20重量%、およびアルカリ金属酸
化物:3〜10重量%からなるものである。Si、Z
n、Bおよびアルカリ金属を構成元素として含有する複
合酸化物で、1000℃以下の低温で焼結体を形成する
ことができる。アルカリ金属としては、少なくともLi
を含むことが望ましく、さらには、Liに加えて、K、
Na、CsおよびRbの群から選ばれる少なくとも1種
との組み合わせからなることが望ましい。
ラス粉末Aを用いたものであり、好ましくは、ガラス粉
末A50〜95重量%および、クオーツ粉末および/ま
たはアモルファスシリカ粉末5〜50重量%の割合でな
るものである。ガラス粉末Aは酸化物換算表記で、Si
O2:45〜55重量%、Al2O3:3〜10重量%、
MgO:13〜24重量%、およびCaO:20〜30
重量%からなることを特徴とする。ここに記載した組成
範囲で構成されたSiO2、Al2O3、MgOおよびC
aOを含むディオプサイド型酸化物結晶相を析出可能な
ガラス粉末は、ガラスの軟化点が500〜800℃であ
ることで望ましい。ディオプサイド型酸化物結晶相を析
出可能なガラス粉末Aの熱膨張係数をコントロールする
ため、高膨張係数を有するクオーツを特定量添加するこ
とができる。低熱膨張化が必要な場合には、ガラスとク
オーツの含有割合を変えるか、またはクオーツの一部ま
たは全てを熱膨張係数の小さいアモルファスシリカに代
えればよく、目的の特性に応じて適宜調整することがで
きる。ディオプサイドおよびクオーツはミリ波帯での誘
電損失が小さいものであることから、低誘電損失化を図
ることができる。
末Bを用いたものであり、好ましくは、ガラス粉末Bを
30〜95重量%、ZnO:0〜30重量%、Si
O2:5〜55重量%、およびB2O3:0〜10重量%
からなる混合物を含有するものである。ガラス粉末B
は、酸化物換算表記で、SiO2:40〜55重量%、
Al2O3:10〜35重量%、MgO:4〜24重量
%、ZnO:2〜20重量%、およびB2O3:5〜20
重量%からなる組成のものが好ましい。この無機素材か
ら形成される基板は、Si、Al、MgおよびZnを構
成元素として含む複合酸化物焼結体からなり、SiO2
を主体とする第1の結晶相と、少なくともZnOとAl
2O3とを主体とする第2の結晶相とを主結晶相として含
有し、かつ、室温から400℃における熱膨張係数が7
ppm/℃以上であることが特徴であり、これらの混合
物を成形後、1000℃以下の温度で焼成して得ること
ができる。
でSiO2:30〜70重量%、Al2O3:5〜40重
量%、CaO:3〜25重量%、およびB2O3:3〜5
0重量%の組成範囲である組成物を、85重量%以上有
してなるものであるガラス粉末Cを用いたものであり、
好ましくはガラス粉末Cを30〜60重量%と、アルミ
ナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コ
ーディライト、スピネル、フォルステライト、アノーサ
イト、セルジアン、シリカおよび窒化アルミの群から選
ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末70〜40
重量%との混合物である。ガラス粉末CのSiO2、A
l2O3、CaOおよびB2O3などの成分は、ガラス粉末
中で総量85重量%以上であることが好ましい。残りの
15重量%以下はNa2O、K2O、BaO、PbO、F
e2O3、Mn酸化物、Cr酸化物、NiO、Co酸化物
などを含有することができる。ガラス粉末C30〜60
重量%と組み合わされるセラミックス粉末70〜40重
量%はフィラー成分となる。ガラス粉末C中のSiO2
は30〜70重量%の範囲であることが好ましく、30
重量%未満の場合は、ガラス層の強度や安定性が低下
し、また誘電率や熱膨張係数が高くなり所望の値から外
れやすい。また、70重量%より多くなると焼成基板の
熱膨張係数が高くなり、1000℃以下の焼成が困難と
なる。Al2O3は5〜40重量%の範囲で配合すること
が好ましい。5重量%未満ではガラス相中の強度が低下
する上、1000℃以下での焼成が困難となる。40重
量%を越えるとガラス組成をフリット化する温度が高く
なりすぎる。CaOは3〜25重量%の範囲で配合する
のが好ましい。3重量%より少なくなると所望の熱膨張
係数が得られなくなり、また1000℃以下での焼成が
困難となる。25重量%を越えると誘電率や熱膨張係数
が大きくなり好ましくない。B2O3によりガラスフリッ
トは1300〜1450℃付近の温度で溶解するが、一
方、Al2O3が多い場合であっても誘電率、強度、熱膨
張係数、焼結温度などの電気、機械および熱的特性を損
なうことのないようにするためには焼成温度を800〜
1000℃の範囲に制御することが望ましく、従って、
B2O3の配合量として3〜50重量%の範囲が好まし
い。フィラー成分としてセラミックス粉末は、基板の機
械的強度の向上や熱膨張係数を制御するのに有効であ
り、特に、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディ
ライト、アノーサイトはその効果が優れている。これら
のセラミックス粉末の割合が70重量%を越えると焼結
しにくくなり、また40重量%未満では、熱膨張係数の
制御や低誘電率の基板が得られにくくなる。従って、セ
ラミックス粉末の混合量をこの範囲にすることにより、
焼成温度を800〜1000℃とし、強度、誘電率、熱
膨張係数、焼結密度、体積固有抵抗、収縮率を所望の特
性とすることができる。
独で用いても良いし、発明の効果を損なわない限り、適
宜複数の態様を組み合わせても良い。
を有する無機粒子以外の無機素材の形態としては、無機
粉末であることも良い。この場合、無機粉末とは、実質
上、中空構造を有しない粉末であり、特に限定されるも
のではないが、例えば、中空構造があったとしても、そ
の内径は0.2μm以下及び/又は空隙率が3体積%以
下である。あるいは実質上、中空構造があったとして
も、焼成条件においては中空構造が維持できない形態
(低軟化温度材質である、中空構造を形成する壁厚が薄
い)のものは、実質上中空構造を有していないと見なし
ても良い。
作製しようとするグリーンシートの厚みや焼成収縮率を
考慮して選ばれるが、平均粒子径(50%分布粒子径)
が1〜5μm、10%分布粒子径が0.4〜2μm、9
0%分布粒子径が4〜15μm、最大粒子径が30μm
以下、比表面積1.5〜4m2/gを有するものが適し
ている。ここで言う粒子径とはレーザー回折式粒度分布
測定装置を用いて得られた値である。素材の形状は粒状
または球状であるものを用いることによって高アスペク
ト比で高精細のビアホールの形成が可能であるので、球
形率80個数%以上の無機素材を用いることが好まし
い。このような粒径およびその分布を有する無機素材を
用いることにより、粉末の充填性が向上し、グリーンシ
ート中の粉末比率を増加させても気泡を巻き込むことが
少なくなり、余分な光散乱が小さいため、パターン形成
性を高めることになる。無機素材の粒度が上記範囲より
小さいと比表面積が増えるため、粉末の凝集性が上昇
し、有機成分内への分散性が低下し、気泡を巻き込み易
くなる。そのため、光散乱が増え、パターン形成性が低
下する。逆に上記範囲より大きい場合には、粉末のかさ
密度が下がるため充填性が低下し、感光性有機成分の量
が不足し、気泡を巻き込みやすくなり、やはり光散乱を
起こしやすくなる。さらに、無機素材の粒度は上記範囲
にあると、粉末充填比率が高いので焼成収縮率が低くな
り、焼成時にビアホール形状が崩れにくい。なお、球形
率の測定は以下の通りに行えばよい。まず、測定対象で
ある粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影して計
数する。そして、球形のもの(短径/長径≧0.8)で
ある個数の比率を算出した値を球形率とする。但し、前
記撮影像では、立体的に球形であることを判別すること
は困難であることが多いので、平面画像である前記撮影
像で円形のもの(短径/長径≧0.8)である個数の比
率を算出した値である円形率を球形率としてもよい。
述した従来の粒子形状や粒子サイズを有するセラミック
スに加えて、焼結体の緻密性を向上させるために、ある
いは熱や電気、機械特性を上げるためにナノ粒子のセラ
ミックス成分を添加すると好ましい。ナノ粒子のサイズ
は、平均粒子径0.002〜0.1μmを有するもの、
好ましくは、0.004〜0.05,さらに好ましくは
0.004〜0.01μmである。本発明の感光性セラ
ミックス組成物に適用することができるナノ粒子の材料
は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、イット
リア、セリア、酸化亜鉛、酸化錫、炭化物、窒化物など
から選択することができる。
ミックス粒子径は、パターン露光に用いる光の波長より
も小さいので露光光を分散させることがなく、優れたパ
ターン形成性を与えることができる。この場合には屈折
率による散乱阻害を低減することができるので好まし
い。
の比率は好ましくは60〜98重量%(より好ましくは
60〜85重量%、更に好ましくは65〜75重量%)
である。前記数値範囲の下限値を下回ると一体化して焼
成することが難しくなることがあり、また焼成できた場
合でも中空構造部分が多いため焼成後脆くなる(前記無
機素材が、中空構造を有する無機粒子の少なくとも一部
を構成していない場合)からであり、一方、上限値を上
回ると中空構造部分の占める割合が少ない(前記無機素
材が、中空構造を有する無機粒子の少なくとも一部を構
成していない場合)ために、低誘電率化が達成しにくく
なり好ましくないことがあるからである。又、その含ま
れる形態はなんら限定されるものでなく、例えば、最も
簡便には、本発明の中空構造を有する無機粒子とは別個
の無機粉末として混合されても良いし、あるいは、本発
明の中空構造を有する無機粒子の表面に接合乃至は積層
されても良いし、又は、本発明の中空構造を有する無機
粒子と同等乃至はそれ以上の高温の中空保持臨界温度を
有するならば、中空構造を有する無機粒子の少なくとも
一部を構成(前記の通り構成している粒子と構成してい
ない粒子の混合物である形態や、1つ1つの粒子におい
てその一部が前記の通り構成されている形態等)してい
ても良いし、更にはそれらの形態を複数組み合わせても
良い。前記の通り、混合されている場合、本発明の無機
材料中に占める中空構造を有する無機粒子の比率は好ま
しくは2〜40重量%(より好ましくは15〜40重量
%、更に好ましくは25〜35重量%)である。他の態
様も、これに準ずるものである。
る感光性有機成分は、本発明では側鎖にカルボキシル基
を有するアクリル系共重合体、光反応性化合物および光
重合開始剤を含有することが好ましい。必要に応じて、
バインダーポリマー、増感剤、紫外線吸収剤、分散剤、
界面活性剤、有機染料、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、
ゲル化防止剤などの添加剤成分を加えることができる。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体を含有して
いる。このような側鎖にカルボキシル基を有するアクリ
ル系共重合体を用いた感光性ペーストは、パターン露光
後の現像をアルカリ水溶液で実施することができるとい
うメリットを有している。側鎖にカルボキシル基を有す
るアクリル酸系共重合体は、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物などのカルボ
キシル基含有不飽和モノマーおよびメタクリル酸エステ
ル、アクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチルアクリ
レートなどのモノマーを選択し、適当なラジカル重合開
始剤を用いて共重合することにより得られるが、これに
限定されるものではない。不飽和基を有する他の重合性
モノマーを共重合成分として加えることも可能である。
側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体の酸
価は、50〜140であることが好ましい。酸価を14
0以下とすることで、現像許容幅を広くすることがで
き、酸価を50以上とすることで、未露光部の現像液に
対する溶解性が低下することがなく、従って現像液を濃
くする必要がなく露光部の剥がれを防ぎ、高精細なパタ
ーンを得ることができる。側鎖にカルボキシル基を有す
るアクリル系共重合体は、焼成時の熱分解温度が低いこ
とから好ましく用いられる。
クリル系共重合体が、側鎖にエチレン性不飽和基を有す
ることも好ましく、該エチレン性不飽和基としては、架
橋反応性を考慮すれば一般的に立体障害が小さく分子運
動の自由度が大きい方が好ましく、つまり、エチレン性
不飽和基に大きな置換基が多数あることは好ましくな
い。従って、一置換ついで二置換が好ましいが置換基の
化学的特性により、かえって架橋反応性が向上する場合
もある。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、ア
クリロイル基、メタクリロイル基などがあげられる。こ
のようなエチレン性不飽和基側鎖をポリマーに付加させ
る方法は、ポリマー中の活性水素含有基であるメルカプ
ト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グ
リシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽
和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロラ
イドまたはアリルクロライドを付加反応させる。グリシ
ジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグ
リシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロ
トン酸グリシジル、イソクロトン酸グリシジルなどがあ
る。イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物
としては、(メタ)アクリロイルイソシアネート
(「(メタ)・・・」とは、メタ体および/または非メ
タ体を意味する、他も同様)、(メタ)アクリロイルエ
チルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基や
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やア
クリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはア
リルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ
基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜0.9
5モル当量付加させることが好ましい。活性水素含有基
がメルカプト基、アミノ基、水酸基の場合にはその全量
を側鎖基の導入に利用することもできるが、カルボキシ
ル基の場合には、ポリマーの酸価が好ましい範囲に保持
される範囲で付加することが好ましい。
され、これらの光反応性化合物の光反応による架橋反応
や重合反応が重要な役割をする。このような役割をする
光反応性化合物としては、活性な炭素−炭素二重結合を
有する化合物で、官能基としてビニル基、アリル基、ア
クリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基な
どを有する単官能および多官能化合物から選んだ少なく
とも1種が用いられる。光反応性化合物の選択は無機素
材の混合・分散性に影響を与えることもあるので、その
ためには好適な光反応性化合物を実験的に選択すること
が必要である。光反応性化合物は一種に限定されるもの
ではなく複数種を混合して用いることも可能であり、無
機素材の安定分散性を保持することと共に形成されるグ
リーンシートの形状安定性やパターン形成性にも留意し
て選択することが好ましい。これに限定されるものでは
ないが、エチレン性不飽和基を有するアミン化合物やウ
レタン結合を有するアクリロイルまたはメタクリロイル
誘導体などを用いることが好ましい。
一般的に活性光線のエネルギーを吸収する能力は低いの
で、光反応を開始するためには、光重合開始剤を加える
ことが好ましい。場合によっては光重合開始剤の効果を
補助するために増感剤を用いることがある。このような
光重合開始剤には1分子系直接開裂型、イオン対間電子
移動型、水素引き抜き型、2分子複合系など機構的に異
なる種類があり、それらから選択して用いる。本発明に
用いる光重合開始剤は、活性ラジカル種を発生するもの
が好ましい。光重合開始剤や増感剤は1種または2種以
上使用することができる。光重合開始剤は、感光性有機
成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で
添加され、より好ましくは0.1〜10重量%である。
光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、
露光部の残存率を保ちつつ良好な光感度を得ることがで
きる。
成分の含有率は5〜50重量%、さらには5〜30重量
%であることが好ましい。感光性セラミックス組成物を
塗布膜もしくはグリーンシートに形成した場合、それら
の形成体の可撓性や通気性を両立させることが重要であ
り、感光性有機成分の含有量はこれらの特性に影響を与
える。可撓性を向上させるためには、組成物中の有機成
分含有率の高い方が望ましいが、あまり多くなると無機
素材の間隙を埋め尽くしてしまい通気性を損なってしま
う。
て調製することができる。まず感光性有機成分である側
鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体、光反
応性化合物および光重合開始剤に、必要に応じて溶媒や
各種添加剤を混合した後、濾過し、有機ビヒクルを作製
する。一方、中空構造を有する無機粒子を含んだ無機材
料(必要に応じて無機素材や無機粉末を含む)を所望の
重量比で混合するなど調製し、必要に応じて前処理を行
う。以下、この無機材料乃至はその混合体(中空構造を
有する無機粒子+無機粉末など)を混合粉末と表記す
る。この混合粉末を有機ビヒクルに添加し、ボールミル
などの混練機で均質に混合・分散して感光性セラミック
ス組成物のペーストを作製する。グリーンシート形成用
感光性セラミックス組成物における混合粉末の割合(有
機溶媒などを含まない状態での割合)は60〜95重量
%(より好ましくは60〜90重量%、更に好ましくは
65〜85重量%)であることが好ましい。前記数値範
囲の下限値を下回ると有機成分が無機成分の間隙を埋め
尽くしてしまい通気性が損なわれ、焼結時に有機成分が
消失しにくくなったり、また焼結できた場合でも焼結前
後での体積変動が有機成分消失の分だけ多くなるため、
寸法安定性の保持が難しくなる。一方、上限値を上回る
とグリーンシート全体での可撓性が低下して好ましくな
い場合がある。感光性有機成分の割合(有機溶媒等を含
まない状態での割合)は5〜40重量%(より好ましく
は10〜40重量%、更に好ましくは15〜35重量
%)であることが好ましい。このペーストの粘度は、前
記有機ビヒクルと混合粉末の混合比率以外に、さらに増
粘剤、有機溶媒、可塑剤その他の添加剤の添加割合によ
って適宜調整されるが、その範囲は1〜5Pa・sであ
る。ペーストもしくはスラリーを構成する際に用いる溶
媒は、感光性有機成分を溶解し得るものであればよい。
例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソブル、ブチル
セルソブル、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセト
ン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチル
アルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、
トルエン、トリクロロエチレン、メチルイソブチルケト
ン、イソフォロンなどや、これのうち1種以上を含有す
る有機溶媒混合物が用いられる。本発明の感光性セラミ
ックス組成物において含まれる有機溶媒の割合(有機溶
媒重量/(有機溶媒重量+無機材料+感光性有機成分
(+その他))は好ましくは5〜50重量%(より好ま
しくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜30重量
%)である。前記数値範囲の下限値を下回ると組成物全
体を均一組成とすることが困難となり、一方、上限値を
上回ると組成物中の固形成分量が少なく濃度が低くなる
ため、シート状に成形したりする場合、10μm以上の
厚い膜を得ることが難しくなり、何れも好ましくない場
合がある。
スラリーなどの状態に調製された後、グリーンシートも
しくは塗布膜に形成した後、焼成して基板材料などとし
てそれぞれの用途に提供される。
ト状態などに形成される、この間には、ペーストに含ま
れる溶媒を乾燥揮発させる工程が含まれる。このような
ペーストを経て形成された塗布膜やグリーンシートにお
いては、感光性セラミックス組成物は、有機感光性成分
が形成している連続媒体中に無機材料が分散した形態を
有しているものである。
成されたグリーンシートは、好適には多層セラミックス
基板の作製に用いられるシート状物として用いられ、こ
のシート上に導電ペーストと絶縁ペーストを交互に印刷
積層して多層化する方法や、一回で焼成を完了するグリ
ーンシート印刷法や、多層化する時に、導体を印刷して
熱圧着後、焼成して多層化するグリーンシート積層法に
用いられるものである。塗布膜は基板などの機能性材料
の上に塗布形成された膜を示す。
押し出し成形法などの一般的な方法でポリエステルなど
のフィルム上に厚さ0.05〜0.5mmに連続的に成
形し、溶媒を乾燥除去することにより、感光性セラミッ
クス組成物であるグリーンシートが得られる。
ンシートは、厚みは好ましくは10〜500μm(より
好ましくは30〜300μm、更に好ましくは50〜2
00μm)である。前記数値範囲の下限値を下回るとシ
ート使用時に変形や破損が起きやすくとなり、一方、前
記上限値を上回ると焼結時に熱分解した有機成分が気化
しにくくなり好ましくないことがあるからである。又、
有機溶媒の含有量は一般的にはペースト体よりも低いも
のであるが、シート形成後直ちに感光等の処理がされた
り、運搬・貯蔵・その他の加工がなされる場合等、様々
なケースがあり得るので、特に限定されるものではな
い。前記グリーンシートは前記製法にて記載したとお
り、ポリエステルなどのポリマーよりなるフィルムを少
なくとも一方の面に有していることが好ましい。何故な
らば、片方の表面を保護することができ、焼結後のシー
トに剥離や欠陥が生じにくくできることや、シートを工
程中で使用する際にもハンドリングが容易となるからで
ある。前記フィルム厚みは好ましくは10〜300μm
(より好ましくは30〜200μm、更に好ましくは5
0〜150μm)である。前記数値範囲の下限値を下回
るとシート作製時にフィルムの変形が発生したり、シー
トの破れが発生することがある。一方、前記上限値を上
回ると可撓性が損なわれることがあり好ましくないこと
があるからである。
成物であるグリーンシートに対して、ビアホール形成用
パターンを有するフォトマスクを通したパターン露光を
行い、アルカリ水溶液で現像することによって形成され
る。露光に用いる光源は超高圧水銀灯が最も好ましい
が、必ずしもこれに限定されるものではない。露光条件
はグリーンシートの厚みによって異なるが、5〜100
mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて5秒〜30
分間露光を行うことが好ましい。
性有機成分には、側鎖にカルボキシル基を有するアクリ
ル系共重合体が含有されているので、アルカリ水溶液で
現像することができる。アルカリ水溶液としては、ナト
リウムやカリウムなどの金属アルカリ水溶液が使用でき
るが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカ
リ成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカリとし
ては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具
体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、
トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミンなどがあげられ
る。アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜1重量%、
より好ましくは0.1〜0.5重量%である。アルカリ
濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去されず、アルカリ
濃度が高すぎれば、露光部のパターンを剥離させたり、
侵食したりするおそれがある。現像時の温度は、20〜
50℃で行うことが工程管理上好ましい。現像方法とし
ては、一般的な浸漬法、スプレー法が用いられる。ま
た、超音波を併用して現像時間の短縮や現像ムラの減少
化を図る方法もある。
のアライメント用ガイド孔を形成しておくことができ
る。
00μm、最密なビアホールパターン部分がビアホール
直径20〜200μm、ビアホールピッチ30〜250
μmであることを特徴とするシートが作製される。
たシートをガイド孔を用いて積み重ね、80〜150℃
の温度で5〜25MPaの圧力で接着し、多層シートを
作製する。このグリーンシート積層体の両面に、このグ
リーンシートの焼結温度では実質的に焼結収縮を示さな
い無機組成物(例:アルミナやジルコニア)を主成分と
する拘束シートを積層配置し、作製したグリーンシート
積層体を焼成処理し、その後、この拘束シートを取り除
くことを特徴とする無収縮焼成を行って目的とする多層
基板を作製してもよい。焼成は焼成炉において行う。焼
成雰囲気や温度は感光性セラミックス組成物中の無機素
材や有機成分の種類によって異なるが、空気中、窒素雰
囲気中、または水素還元雰囲気中で焼成する。焼成温度
は600〜950℃で行う。このようにして得られたセ
ラミックス基板は高周波回路用基板として用いられる。
前記基板が有する中空構造は、好ましくは中空部分平均
径0.3〜1.8μm(より好ましくは0.4〜1.5
μm、更に好ましくは0.6〜1.2μm)であり、好
ましくは空隙率10〜40体積%(より好ましくは15
〜40体積%、更に好ましくは15〜35体積%)であ
る。なお条件によっては、中空部分の平均径は焼結など
の熱処理時に膨張する場合もあり得るので、その上限は
5μmに及ぶ場合もあり、それに伴い、空隙率も増加す
る。
明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 A.無機素材 無機素材1:BaO−Al2O3−SiO2系材料 無機素材2:ガラス粉末C55重量%とアルミナ粉末4
5重量%との混合物 ガラス粉末Cの組成:Al2O3(34.5重量%)、S
iO2(38.2重量%)、B2O3(9.2重量%)、
BaO(5.1重量%)、MgO(4.8重量%)、C
aO(4.4重量%)、TiO2(2.1重量%) ガラス粉末Cの特性:球形率80個数%、平均粒子径
2.5μm、最大粒子径13.1μm、比表面積2.4
1m2/g、ガラス転移点652℃、荷重軟化点746
℃。
%)、ZnO(12重量%)、Li2O(8重量%)、
B2O3(10重量%)の複合酸化物素材、平均粒子径が
1μm以下のZn2SiO4粉末、ZnO・2B2O3粉末
または4ZnO・3B2O3粉末で示される化合物、溶融
SiO2(アモルファス)、アルカリ金属炭酸塩の粉末
を原料とする。この混合物を大気中、750℃で1時間
仮焼処理した後、粉砕処理したものを用いる。
iO2:30重量%との混合物 ガラス粉末Bの組成:SiO2(44重量%)、Al2O
3(29重量%)、MgO(11重量%)、ZnO(7
重量%)、B2O3(9重量%)。
nO:20重量%とSiO22:10重量%の混合物 ガラス粉末Bの組成:SiO2(44重量%)、Al2O
3(26重量%)、MgO(19重量%)、ZnO(1
重量%)、B2O3(10重量%)。
オーツ20重量%の混合物 ガラス粉末Aの組成:SiO2(50重量%)、Al2O
3(5.5重量%)、MgO(18.5重量%)、Ca
O(26重量%)。
%)、Al2O3(12.8重量%)、Fe2O3(1.6
重量%)、CaO(1.0重量%)、MgO(0.3重
量%)、K2O(3.0重量%)、TiO2(0.1重量
%)からなり、空隙率60〜95体積%である。分球処
理しD50値で0.5〜10μmの平均粒子径とした。
軟化点は950℃以上。
2(55重量%)、 Al2O3 (35重量%)、Fe2
O3 (5重量%)、C (1重量%)、K2O(1重量
%)、CaO(1重量%)、MgO(1重量%)、Ti
O2(1重量%)、からなり、空隙率60〜95%であ
る。分球処理しD50値で0.5〜10μmの平均粒子
径とした。 軟化点は1000℃以上。 誘電率3.1
9 中空構造を有する無機粒子3:SiO2(45重量
%)、 Al2O3 (45重量%)、Fe2O3 (5重
量%)、C (1重量%)、K2O(1重量%)、Ca
O(1重量%)、MgO(1重量%)、TiO2(1重
量%)、からなり、空隙率60〜95体積%である。分
球処理しD50値で2.5μmの平均粒子径とした。
レート30重量%およびスチレン30重量%からなる共
重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジ
ルメタクリレートを付加反応させた重量平均分子量4
3,000、酸価95を有するポリマー ポリマー2:サイクロマーP(ダイセル化学工業株式会
社製、ACA250)、重量平均分子量10,000、
酸価75を有するポリマー。
−3−メタクリロイルオキシプロピル)イソプロピルア
ミン(GMPA) 光反応性化合物2:TN−1(根上工業株式会社製、ウ
レタンプレポリマー、分子量約12,000) 光反応性化合物3:ビス(4−メタクリロイルチオフェ
ニル)スルフィド(住友精化株式会社製:高屈折率モノ
マーMPSMA) 光重合開始剤:IC−369(チバ・ガイギー社製、Ir
gacure-369) 溶媒:メチルエチルケトンとn−ブチルアルコールの
9:1混合溶媒。
熱し、すべてのポリマーを溶解させた。溶液を室温まで
冷却し、光反応性化合物、光重合開始剤を加えて溶解さ
せた。その溶液を真空脱泡した後、250メッシュのフ
ィルターで濾過し、有機ビヒクルを作製した。ポリマー
10重量部、光反応性化合物(複数種を用いる場合は均
等割り)10重量部、光開始剤3.5重量部の配合比と
した。
粒子を混合した(以下、混合粉末と表記する)。この混
合粉末をボールミルで20時間湿式混合し、ペーストと
した。有機ビヒクル中のポリマーと光反応性化合物とを
合わせた20重量部に対して混合粉末の量は80重量部
とした。
ルのキャリアフィルムとブレードとの間隔を0.1〜
0.8mmとし、成形速度0.2m/min.でドクタ
ーブレード法によって行った。シートの厚みは100ま
たは150μmである。
℃で1時間乾燥し、溶媒を蒸発させた。ビア径30〜6
0μm、ビアホールピッチ500μmのクロムマスクを
用いて、シートの上面から15〜25mW/cm2の出
力の超高圧水銀灯でパターン露光した。次に、25℃に
保持したモノエタノールアミンの0.5%水溶液により
現像し、その後、スプレーを用いてビアホールを水洗浄
した。
ートを5枚積層し、80℃でプレス圧力150kg/c
m2にて熱圧着した。得られた積層体を空気中で、所定
の焼成温度で2時間焼成して、焼結基板を作製した。
合) 無機素材として無機素材1を、中空構造を有する無機粒
子として無機粒子1を、感光性有機成分としては、ポリ
マー2、光反応性化合物1および2、光重合開始剤を用
い、厚み100μmのグリーンシートを得た。中空構造
を有する無機粒子1の平均粒子径は2.5μmで、空隙
率は75体積%のものを使用した。混合粉末中の中空構
造を有する無機粒子の割合を変化させたものを作製した
ところ、以下表1のような結果となった。
せたところ、特に中空構造を有する無機粒子の割合が2
〜40重量%の範囲では、比較例1と比較して、比誘電
率の低減効果が大きく、かつ焼結後の抗折強度も使用可
能な範囲内にあることがわかった。なお、中空構造を有
する無機粒子が1重量%程度では、比誘電率の変化が少
なかった。また50重量%では、40重量%時に比べて
増量したにもかかわらず比誘電率の低減量がやや少ない
こと、その一方で焼結後の抗折強度が若干低下している
ことかわかった。なお、900℃、30分焼成して得ら
れた焼成基板でのビアホール径は55μmであった。
子としては中空構造を有する無機粒子2を、感光性有機
成分としては、ポリマー1、光反応性化合物3、光重合
開始剤を用い、厚み100μmのグリーンシートを得
た。混合粉末中の中空構造を有する無機粒子の割合を3
0重量%とし、かつ空隙率として71体積%のものを用
いた。中空構造を有する無機粒子2の平均粒子径を、
0.5〜10μmまで変化させた。フォトリソグラフィ
ー工程で、30〜100μmまでのビアホール径を持つ
マスクパターンを使用して微細加工性を観察した。ま
た、焼成後の中空構造の保持状態は、断面を光学顕微鏡
および走査電子顕微鏡で観察した。その結果を以下表2
に示す。
の平均粒子径は、1〜5μmである場合において、特に
優れた特性を発揮した。なお、中空構造を有する無機粒
子の平均粒子径が1.0μmよりも小さいと、ペースト
作製時に均一な分散が難しくなり、シート化したときに
も成分の凝集が若干見られた。一方、10μmでは、中
空構造を保持することが難しく変形してしまった中空構
造を有する無機粒子が一部で見られた。そのため、期待
されるほどの比誘電率低減効果を得ることができなかっ
た。また、ビア形成性でも100μm程度のビア形成性
しかなかった。
子として中空構造を有する無機粒子1を、感光性有機成
分としては、ポリマー2、光反応性化合物1、光重合開
始剤を用い、厚み100μmのグリーンシートを得た。
中空構造を有する無機粒子1の平均粒子径は2.5μm
とし、混合粒子中の中空構造を有する無機粒子の割合
は、30重量%とした。中空構造を有する無機粒子1の
中でも空隙率が40〜97体積%と異なる粒子を用い
た。その結果を以下表3に示す。
グラフィーによるビア加工では、ビア径50μmを達成
した。特に、中空構造を持つ無機粒子の空隙率は、50
〜95体積%である場合において、優れた特性を発揮し
た。しかしながら、空隙率40体積%のものでは、無機
素材3のみの状態での比誘電率(5.7)とほとんど変
わらないことから、中空構造を有する無機粒子を混合す
る効果が少ない。一方、97体積%の空隙率では、中空
構造を保持することができずに、比誘電率も大きくなっ
てしまい、かつ抗折強度も低下してしまった。
有量) 中空構造を有する無機粒子のSiO2含有量の効果を調
べるために、中空構造を有する無機粒子1、中空構造を
有する無機粒子2、中空構造を有する無機粒子3を用い
て比較することにした。無機素材として無機素材4を、
感光性有機成分としては、ポリマー2、光反応性化合物
1、光重合開始剤を用い、厚み100μmのグリーンシ
ートを得た。中空構造を有する無機粒子の平均粒子径は
2.5μmとし、空隙率は88体積%、混合素材中に占
める中空構造を有する無機粒子の割合は35重量%とし
た。いずれの粒子においても、フォトリソグラフィーを
用いたビア形成では、55μmのビアホールを形成でき
た。以下表4に結果を示す。
3、誘電正接は5×10-4であった。従って、中空構造
を有する無機粒子1、2では電気特性の向上が見られた
が、中空構造を有する無機粒子3を混合しても誘電率は
殆ど変化せず、誘電正接がやや悪化することがわかっ
た。このことから、中空構造を有する無機粒子の成分と
しては、SiO2を50重量%以上含有している方がよ
いことがわかった。
子として中空構造を有する無機粒子1を、感光性有機成
分としては、ポリマー2、光反応性化合物1、光重合開
始剤を用い、厚み100μmのグリーンシートを得た。
中空構造を有する無機粒子1の平均粒子径は2.5μ
m、混合粉末に占める中空構造を有する無機粒子1の割
合は35重量%とした。中空構造を有する無機粒子1の
形状として、比較的粒状のもの(球形率25個数%以
下、実施例19)と球状のもの(球形率70個数%以
上、実施例20)の2種類を選別し、その2つでの差異
を調べた。
径を形成することができた、しかしながら、900℃、
60分焼成後、走査電子顕微鏡にて観察したところ、粒
状のものはわずかながら中空構造が乱れ、独立気泡とな
っていない個所が多少見られた。一方、球状のものにつ
いてはほとんど破壊した様子は見られず、焼結時にも独
立中空構造を保持できることがわかった。球状のもの
は、基板全体の強度はより一様であり、なおかつ平面性
にも特に優れていることがわかった。
子として中空構造を有する無機粒子1を、感光性有機成
分としては、ポリマー2,光反応化合物1および2,光
重合開始剤を用い、表面処理したアルミナシート上にこ
のペーストを塗布して厚み100μmの塗布膜を形成し
た。中空構造を有する無機粒子1の平均粒子径は2μ
m、空隙率は85体積%、混合粉末中に占める無機粒子
1の割合は40重量%であった。
を通して露光し、現像した後、950℃で15分間、焼
成をおこなった。得られたビアホール径は55μmであ
った。塗布膜の比誘電率は3.6と無機素材6のみの時
(約4.8)に比べて小さくすることができた。
有する無機粒子、および感光性有機成分を含有すること
を特徴とする感光性セラミックス組成物を使用すること
により、従来のセラミックス組成物では実現できなかっ
た低誘電率化とフォトリソグラフィーによる微細加工が
可能となる。
Claims (13)
- 【請求項1】少なくとも中空構造を有する無機粒子を含
んだ無機材料、および感光性有機成分を含有することを
特徴とする感光性セラミックス組成物。 - 【請求項2】該中空構造が実質上保持可能な臨界温度で
ある中空保持臨界温度よりも200℃以上低温である焼
成可能温度を有するものである請求項1に記載の感光性
セラミックス組成物。 - 【請求項3】該無機材料の全体積に対する、該中空構造
を有する無機粒子の全中空構造の体積の比率である無機
材料空隙率が、50〜90体積%である請求項1または
2に記載の感光性セラミックス組成物。 - 【請求項4】該中空構造の平均内径が0.3〜1.8μ
mである請求項1〜3のいずれかに記載の感光性セラミ
ックス組成物。 - 【請求項5】該中空構造を有する無機粒子が球状である
請求項1〜4のいずれかに記載の感光性セラミックス組
成物。 - 【請求項6】該中空構造を有する無機粒子の平均粒子径
が1〜5μmの範囲である請求項1〜5のいずれかに記
載の感光性セラミックス組成物。 - 【請求項7】該中空構造を有する無機粒子が、酸化物表
記でSiO2を50重量%以上含むものである請求項1
〜6のいずれかに記載の感光性セラミックス組成物。 - 【請求項8】該感光性有機成分が、側鎖にカルボキシル
基を有するアクリル系共重合体、光反応性化合物および
光重合開始剤を含有するものである請求項1〜7のいず
れかに記載の感光性セラミックス組成物。 - 【請求項9】該無機材料のうち、該中空構造を有する無
機粒子が2〜40重量%であり、それ以外の無機素材が
60〜98重量%である請求項1〜8のいずれかに記載
の感光性セラミックス組成物。 - 【請求項10】該無機素材は、 (a)RxO−Al2O3−SiO2系材料(Rはアルカリ
金属(x=2)またはアルカリ土類金属(x=1)を表
す)、 (b)ガラス粉末50〜90重量%および、石英粉末お
よび/またはアモルファスシリカ粉末10〜50重量%
の割合でなるものである材料、 (c)酸化物換算表記でSiO2:50〜90重量%、
ZnO:3〜40重量%、B2O3:1〜20重量%、お
よびアルカリ金属酸化物:3〜10重量%の割合でなる
ものである材料、 (d)酸化物換算表記で、SiO2:45〜55重量
%、Al2O3:3〜10重量%、MgO:13〜24重
量%、およびCaO:20〜30重量%の割合でなるも
のであるガラス粉末A、 (e)該ガラス粉末A50〜96重量%、およびクオー
ツ粉末および/またはアモルファスシリカ粉末5〜50
重量%の割合でなるものである材料、 (f)SiO2:40〜55重量%、Al2O3:10〜
35重量%、MgO:4〜24重量%、ZnO:2〜2
0重量%、およびB2O3:5〜20重量%の割合でなる
ものであるガラス粉末B、 (g)該ガラス粉末B30〜95重量%とZnO:0〜
30重量%、SiO2:5〜55重量%、およびB
2O3:0〜10重量%の割合でなるものである混合物、
又は、 (h)酸化物換算表記でSiO2:30〜70重量%、
Al2O3:5〜40重量%、CaO:3〜25重量
%、およびB2O3:3〜50重量%の組成範囲である組
成物を、85重量%以上有してなるものであるガラス粉
末C30〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグ
ネシア、ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネ
ル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シ
リカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも1種
類のセラミックス粉末70〜40重量%との混合物の少
なくともいずれかが含まれているものである請求項9に
記載の感光性セラミックス組成物。 - 【請求項11】該無機素材は、無機粉末である請求項9
または10に記載の感光性セラミックス組成物。 - 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の感光
性セラミックス組成物により製造されたセラミックス基
板。 - 【請求項13】平均径が0.3〜1.8μmである中空
構造を有することを特徴とするセラミックス基板。
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