JP2003316000A - 感光性セラミックス組成物 - Google Patents

感光性セラミックス組成物

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JP2003316000A
JP2003316000A JP2002121939A JP2002121939A JP2003316000A JP 2003316000 A JP2003316000 A JP 2003316000A JP 2002121939 A JP2002121939 A JP 2002121939A JP 2002121939 A JP2002121939 A JP 2002121939A JP 2003316000 A JP2003316000 A JP 2003316000A
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photosensitive
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ceramic composition
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Hironobu Sadakuni
広宣 定国
Tomoya Yamaho
智也 山舗
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】無機粉末の分散性に優れ、かつ露光特性・現像
性の良好な感光性セラミックス組成物を提供する。 【解決手段】一般式(1)、もしくは(2)で示された
構造を持つシラン系化合物を含む感光性有機成分と、無
機粉末を有する感光性セラミックス組成物であって、該
感光性有機成分には側鎖にカルボキシル基を有する重合
体を含み、かつ、該感光性有機成分中に有するカルボキ
シル基の数とアミン性窒素原子の数の比が10:1〜1
00:1であることを特徴とする感光性セラミックス組
成物。 (ただし、一般式(1),(2)中のR1,R2,R11
12は水素、メチル基、エチル基、メタクリル基から選
ばれる少なくとも一種であり、R3,R4,R5,R13
14は水素、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキ
シ基から選ばれる少なくとも一種であり、nは1〜5の
自然数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性セラミック
ス組成物に関する。本発明の感光性セラミックス組成物
は、高周波無線用セラミックス多層基板などの回路材料
や、電子部品用チップインダクターやノイズフィルタ用
セラミックス多層電子部品用材料に用いられる。また、
プラズマディスプレイ用隔壁・誘電体・絶縁体形成用材
料などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】携帯電話をはじめとする無線通信技術の
普及が著しい。従来の携帯電話は800MHz〜1.5
GHzの準マイクロ波帯を用いたものであったが、情報
量の増大に伴い、搬送周波数をより高周波であるマイク
ロ波帯からミリ波帯とした無線技術が提案され、実現さ
れる状況にある。こうした高周波無線回路は、移動体通
信やネットワーク機器としての応用が期待されており、
中でもブルートゥース(Bluetooth)やITS(Intelligen
t Transport System,高度交通情報システム)での利用に
よってますます重要な技術となりつつある。
【0003】これらの高周波回路を実現するためには、
そこで使用される基板材料も、当該使用周波数帯、すな
わち、1〜100GHzで優れた高周波伝送特性をもつ
必要がある。優れた高周波伝送特性を実現するために
は、低誘電率でかつ誘電損失が低いこと、加工精度が高
いこと、寸法安定性がよいといった要件が必要であり、
なかでもセラミックス基板が有望視されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような積層セラミ
ックス電子部品の製造に用いられるセラミックス基板
は、通常、有機溶剤あるいは水などの溶媒(分散媒)中
にセラミックス粉体や有機高分子結合剤などを分散、混
合することによりセラミックススラリーを調製し、得ら
れたセラミックススラリーをシート上に塗布し、積層・
焼成工程を経て作られる。
【0005】しかしながら、この焼成工程において、セ
ラミックス粉末の比率が小さい組成では、焼却しなけれ
ばならない有機成分が多くなりすぎるために、ひび割れ
や反り等の不良が発生する問題が生じてしまう。
【0006】したがって、セラミックス粉末をより多く
分散させなくてはならないが、セラミックス粉末と有機
高分子結合材との親和性の悪いものでは、必要な量を分
散させることが出来ずに凝集してしまうと言う問題が生
じた。
【0007】本発明は、かかる従来技術の欠点を改良
し、より多くの無機粉末を分散させても、凝集物の少な
いセラミックスグリーンシートを効率よく製造できる感
光性セラミックス組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の構成を有する。
【0009】一般式(1)、もしくは(2)で示された
構造を持つシラン系化合物を含む感光性有機成分と、無
機粉末を有する感光性セラミックス組成物であって、該
感光性有機成分には側鎖にカルボキシル基を有する重合
体を含み、かつ、該感光性有機成分中に有するカルボキ
シル基の数とアミノ基の数の比が10:1〜100:1
であることを特徴とする感光性セラミックス組成物。
【0010】
【化3】
【0011】(ただし、一般式(1)中のR1,R2は水
素、メチル基、エチル基、メタクリル基から選ばれる少
なくとも一種であり、R3,R4,R5は水素、メチル
基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基から選ばれる少
なくとも一種であり、nは1〜5の自然数である。)
【0012】
【化4】
【0013】(ただし、一般式(2)中のR1,R2,R
11,R12は水素、メチル基、エチル基、メタクリル基か
ら選ばれる少なくとも一種であり、R3,R4,R13,R
14は水素、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ
基から選ばれる少なくとも一種であり、nは1〜5の自
然数である。)
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0015】本発明の感光性セラミックス組成物は、一
般式(1)もしくは(2)に示したような構造を持つシ
ラン化合物を含有する感光性有機成分と、無機粉末から
なり、フォトリソグラフィを用いたパターン形成後に積
層・焼成を行い、実質的に無機物からなるパターンを形
成する目的で使用する。
【0016】本発明の感光性有機成分は感光性セラミッ
クス組成物中の有機成分の総体を指し、感光性セラミッ
クス組成物のうち無機成分を除いた成分全体を意味す
る。なお、本発明の感光性セラミックス組成物は、ペー
スト体として、塗布・積層に際して、好適に溶媒が用い
られるものではあるが、感光性有機成分の組成に関する
パラメータ(カルボキシル基の数とアミン性窒素原子の
数の比、エチレン性不飽和基の割合、無機粉末と感光性
有機成分、感光性有機成分に対する前記シラン系化合物
や光重合開始剤等の添加割合など)についての以下の説
明においては、原則として溶媒成分は除外して算出され
たものであるとする。
【0017】本発明の感光性有機成分は、反応性モノマ
ー、反応性オリゴマー、反応性ポリマーから選ばれた少
なくとも1種、および必要に応じてバインダーポリマ
ー、光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤、増感
剤、増感助剤、紫外線吸収剤、有機染料、分散剤、可塑
剤、増粘剤、有機溶媒、酸、塩基、沈降防止剤、酸化防
止剤などの添加剤成分を加えて構成される。ここで、反
応性モノマー、反応性オリゴマー、反応性ポリマーにお
ける反応性とは、感光性ペーストが活性光線の照射を受
けた場合に、反応性モノマー、反応性オリゴマー、反応
性ポリマーが感光性ペースト中の他の構成成分の助けを
借りることなく、または助けを借りたり協奏的に作用し
て、光架橋、光重合、光解重合、光変性などの反応を通
して化学構造が変化することを意味する。
【0018】本発明に用いるシラン系化合物は、一般式
(1)もしくは(2)に示したような構造を持つもので
ある。
【0019】一般式(1)および(2)中のアミン性窒
素原子(好ましくはアミノ基)が、粉末を分散させる上
で大きな役割を果たすと推定される。すなわち、アミン
性窒素原子(好ましくはアミノ基)が無機粉末のシリカ
成分の表面上に存在するシラノールと相互作用し、なお
かつ感光性有機成分中のポリマーのカルボキシル基とも
相互作用することにより、無機粉末が感光性有機成分中
に効率よく分散すると考えられる。
【0020】また、アミン性窒素原子を持ったシラン系
化合物を添加することによって、粉末の分散性を向上さ
せることは、感光性有機成分の光感度を上げる意味から
も好ましい。
【0021】一般式(1)中のR3,R4,R5は水素、
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基から選ば
れる少なくとも一種であるが、メトキシ基やエトキシ基
等のアルコキシ基を有する方が、無機粉末との反応性が
高く、より粉末が感光性有機成分中に分散しやすくなる
ため、好適に用いられる。一般式(2)中のR3,R4
13,R14についても上記と同様に、メトキシ基、エト
キシ基を用いたものが、より好ましい。
【0022】本発明で用いるシラン系化合物の添加量
は、感光性有機成分中の重合体に対して0.1〜5重量
%添加するのが好ましい。より好ましくは1〜2重量%
である。添加量が0.1重量%未満では分散性の向上に
効果は得られず、また5重量%を超えると感光性組成物
全体がゲル化してしまい、現像性を損なう恐れがあるた
めである。
【0023】本発明で用いられる感光性有機成分におい
て、カルボキシル基を有する重合体を含有することは、
アルカリ水溶液での現像を可能にするために好ましい。
前記側鎖にカルボキシル基を有する重合体は、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルまたはこれらの酸無
水物などのカルボキシル基含有モノマーおよびメタクリ
ル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチルアクリ
レートなどのモノマーを選択し、ラジカル重合開始剤を
用いて重合または共重合させることにより得られるが、
これらに限定されるものではない。
【0024】側鎖にカルボキシル基を有する重合体の酸
価は50〜140であることが好ましい。酸価を140
以下とすることで、現像許容幅を広くすることが出来、
酸価を50以上とすることで、未露光部の現像液に対す
る溶解性が低下することが無く、したがって現像液を濃
くする必要が無く露光部の損傷を防ぎ、高精細なパター
ンを得ることが出来る。
【0025】なお、酸価の測定方法は、一般的に酸・塩
基滴定法を用いる。すなわち,試料のエーテル・エタノ
ール溶液をKOHで滴定し,測定対象物1gに対するK
OHの消費量(mg)で酸価を表示するのである。
【0026】側鎖にカルボキシル基を有する重合体の酸
価と、添加するシラン系化合物の量に関連して、該感光
性有機成分中に有するカルボキシル基の数と、アミン性
窒素原子の数の比は、10:1〜100:1であること
が好ましい。より好ましくは20:1〜50:1であ
り、更に好ましくは20:1〜30:1である。ここ
で、アミン性窒素原子とは1〜3級アミンの窒素原子を
指し、即ち、アミノ基(−NH2)、イミノ基(−NH
−)、或いはニトリロ基(−N=)を意味するものであ
る。但し、これらの中ではアミノ基が最も好ましい。好
適には、感光性有機成分中において、重合体中のカルボ
キシル基とシラン系化合物中のアミン性窒素原子の数が
この割合にあることによって、分散性や露光特性・現像
特性のいずれもが良好である感光性セラミックス組成物
が得られるのであるが、これに限定されるものではな
い。即ち、カルボキシル基が低分子量の非ポリマー成分
のものであっても良いし、アミン性窒素原子が前記重合
体又はその他の重合体や単量体のものであっても良く、
これらの様々な態様が混合・複合したものであっても良
い。
【0027】側鎖にカルボキシル基を有する重合体とし
て、焼成時の熱分解温度が低いことが好ましいから、
(メタ)アクリル酸エステル(前記「(メタ)アクリ
ル」は「アクリル及び/又はメタアクリル」の意、以
下、(メタ)アクリレート等も同様)および(メタ)ア
クリル酸を共重合成分とする共重合体が好ましく用いら
れる。
【0028】さらに、側鎖にカルボキシル基を有する重
合体が、エチレン性不飽和基を有することも、パターン
形成性が向上するので好ましい。側鎖にカルボキシル基
を有する重合体において、エチレン性不飽和基として
は、架橋反応性を考慮すれば一般的に立体障害が小さく
分子運動の自由度が大きい方が好ましく、つまり、エチ
レン性不飽和基に大きな置換基が多数あることは好まし
くない。従って、一置換ついで二置換が好ましいが置換
基の化学的特性によっては、かえって架橋反応性が向上
する場合もある。具体的には、例えば、ビニル基、アリ
ル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などがあげら
れる。特に、アクリロイル基やメタクリロイル基を有す
ることが好ましいが、特にこれらに限定されるものでは
ない。
【0029】該感光性有機成分中のエチレン性不飽和基
の割合は、0.000016〜0.0075モル/gで
ある事が望ましい(0.000033〜0.0038モ
ル/gがより好ましい)。エチレン性不飽和基の割合を
前記範囲にあることで、露光時の光感度が良くまた現像
特性の良い組成物が得られるのである。又、このエチレ
ン性不飽和基は、側鎖にカルボキシル基を有する重合体
のものであることが好ましい。
【0030】側鎖にカルボキシル基を有する重合体の添
加量は、感光性有機成分中の10〜80重量%であるこ
とが好ましい。前記数値範囲の下限値を下回ると光硬化
不足となり、上限値を上回ると光硬化過剰となり好まし
くないからである。
【0031】感光性有機成分に含有される側鎖にカルボ
キシル基を有する重合体には、一般的に活性光線のエネ
ルギーを吸収する能力は低いので、光反応を開始するた
めには、光重合開始剤を加えることが好ましい。場合に
よっては光重合開始剤の硬化を補助するために増感剤を
用いることがある。このような光重合開始剤には1分子
系直接開裂型、イオン対間電子移動型、水素引き抜き
型、2分子複合系など機構的に異なる種類があり、それ
から選択して用いる。本発明に用いる光重合開始剤は、
活性ラジカル種を発生するものが好ましい。光重合開始
剤や増感剤は1種または2種以上使用することが出来
る。
【0032】本発明に用いる光重合開始剤は、ラジカル
種を発生するものから選んで用いられる。光重合開始剤
としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベン
ジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシ
クロへキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2
−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オ
キシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル
−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベン
ゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェ
ニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノ
ン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’
−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾ
フェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル
−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プ
ロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロ
ミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニ
ウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイル
フェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペン
アミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサ
ントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジ
エチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサント
ン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オ
キソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,
N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、
2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフェン
オサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−
4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミ
ダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−
エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナン
スレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリ
オキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−ク
メニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェ
イト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η
5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス
(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イ
ル)−フェニル)チタニウム、4,4−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−メチルチオ
キサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイ
ル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フ
ルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジル
メトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−
ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β
−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロ
ン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジ
ドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジド
ベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−ア
ジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2
−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシ
カルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパント
リオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ナ
フタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニル
クロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−ア
ゾビスイソブチロ二トリル、ベンズチアゾールジスルフ
ィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブ
ロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシ
ン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビ
ン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせ
などが挙げられる。
【0033】本発明では、これらを1種または2種以上
使用することができる。光重合開始剤は、感光性有機成
分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添
加され、より好ましくは、0.1〜10重量%である。
光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、
露光部の残存率を保ちつつ良好な光感度を得ることがで
きる。
【0034】本発明においては、必要に応じて、エチレ
ン性不飽和基を有する重合性モノマーを用いても良い。
このような重合性モノマーとしては、1個以上の光重合
可能な(メタ)アクリレート基またはアリル基を有する
モノマーなどが挙げられる。これらの具体例としては、
アルコール類(例えばエタノール、プロパノール、ヘキ
サノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
など)のアクリル酸またはメタクリル酸エステル、カル
ボン酸、(例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アク
リル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル
酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジル、またはテ
トラグリシジルメタキシリレンジアミンとの反応生成
物、アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビ
スアクリルアミドなど)、エポキシ化合物とアクリル酸
またはメタクリル酸との反応物などを挙げることが出来
る。また、多官能性モノマーにおいて、不飽和基は、ア
クリル、メタクリル、ビニル、アリル基が混合して存在
しても良い。これらは単独で用いても良く、また組み合
わせて用いても良い。
【0035】本発明の感光性セラミックス組成物は、上
記感光性有機成分の他に無機粉末を必須成分とする。本
発明の感光性セラミックス組成物に含有される無機粉末
は焼成工程において焼結するものであり、本発明の目的
とする基板形成では、1000℃以下、特に700〜9
00℃の温度での焼成が好ましいので、いわゆる低温焼
成無機粉末が好ましい。もちろん、これらの無機粉末が
基板の電気的特性、強度、熱膨張係数などの基本物性を
決めるものであるため、目的とする特性に応じて選択さ
れるものである。
【0036】本発明で用いられる無機粉末として有用な
成分には5つの態様が挙げられる。
【0037】前記の第1の態様は、一般式RxO−Al2
3−SiO2系材料(Rはアルカリ金属(x=2)ある
いはアルカリ土類金属(x=1)を示す)で表されるア
ルミノケイ酸塩系化合物である。特に限定されるもので
はないが、アノーサイト(CaO−Al23−2Si
2)、セルジアン(BaO−Al23−2SiO2)など
であり、低温焼結セラミックス材料として用いられる無
機粉末である。
【0038】前記の第2の態様の無機粉末としては、ガ
ラス粉末を50〜90重量%と、石英粉末および/また
はアモルファスシリカ粉末を10〜50重量%の割合か
らなるものである。ガラス粉末はホウ珪酸ガラスであ
る。この時高純度シリカ(石英)は、ほう珪酸ガラスやコ
ーディエライトと溶解しないことが好ましい。また、球
状シリカである方が、スラリーの充填性が上がり好まし
い。
【0039】前記の第3の態様は、ホウ珪酸ガラス粉末
30〜60重量%、石英粉末および/またはアモルファ
スシリカ粉末20〜60重量%およびコーディエライ
ト、スピネル、フォルステライト、アノーサイトおよび
セルジアンの群から選ばれた少なくとも1種類のセラミ
ックス粉末20〜60重量%との混合物である。
【0040】前記の第4の態様は、酸化物換算表記でS
iO2:30〜70重量%、Al2 3:5〜40重量
%、CaO:3〜25重量%、B23:3〜50重量%
の組成範囲のものが、総量が85重量%以上となるガラ
ス粉末を30〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、
マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディエライト、
スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジア
ン、シリカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくと
も1種類のセラミックス粉末70〜40重量%との混合
物である。
【0041】前記の第5の態様は、酸化物換算表記でS
iO2:80〜90重量%、B23:10〜15重量
%、Al23:0〜5重量%、K2O:0〜5重量%の
割合で含まれる無機粉末である。
【0042】無機粉末はフィラー成分を含むことが可能
であり、フィラー成分として前記の通りセラミックス粉
末が用いられることが多く、基板の機械的強度の向上や
熱膨張係数を制御するのに有効であり、特に、アルミ
ナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、アノー
サイトはその効果が優れている。これらのセラミックス
粉末の混合により、焼成温度を800〜900℃とし、
強度、誘電率、熱膨張係数、焼結密度、体積固有抵抗、
収縮率を所望の特性とすることができる。
【0043】ガラス粉末のSiO2、Al23、CaO
およびB23などの成分は、ガラス粉末中で総量85重
量%以上であることが好ましい。残りの15重量%以下
はNa2O、K2O、BaO、PbO、Fe23、Mn酸
化物、Cr酸化物、NiO、Co酸化物などを含有する
ことができる。ガラス粉末30〜60重量%と組み合わ
されるセラミックス粉末70〜40重量%はフィラー成
分となる。ガラス粉末中のSiO2は30〜70重量%
の範囲であることが好ましく、30重量%未満の場合
は、ガラス層の強度や安定性が低下し、また誘電率や熱
膨張係数が高くなり所望の値から外れやすい。また、7
0重量%より多くなると焼成基板の熱膨張係数が高くな
り、1000℃以下の焼成が困難となる。Al23は5
〜40重量%の範囲で配合することが好ましい。5重量
%未満ではガラス相中の強度が低下する上、1000℃
以下での焼成が困難となる。40重量%を越えるとガラ
ス組成をフリット化する温度が高くなりすぎる。CaO
は3〜25重量%の範囲で配合するのが好ましい。3重
量%より少なくなると所望の熱膨張係数が得られなくな
り、また1000℃での焼成が困難となる。25重量%
を越えると誘電率や熱膨張係数が大きくなり好ましくな
い。B23はガラスフリットを1300〜1450℃付
近の温度で溶解するため、およびAl23が多い場合で
も誘電率、強度、熱膨張係数、焼結温度などを電気、機
械および熱的特性を損なうことのないように焼成温度を
800〜900℃の範囲に制御するために配合すること
が望ましく、配合量として3〜50重量%の範囲が好ま
しい。
【0044】用いられる無機粉末の粒子径および比表面
積は、作製しようとするグリーンシートの厚みや焼成収
縮率を考慮して選ばれるが、平均粒子径(50%分布粒
子径)が1〜5μm、10%分布粒子径が0.4〜2μ
m、90%分布粒子径が4〜15μm、最大粒子径が3
0μm以下、比表面積1.5〜4m2/gを有するもの
が適している。ここで言う粒子径とはレーザー回折式粒
度分布測定装置を用いて得られた値である。又、平均粒
子径は、前述の通り、50%分布粒子径とする。なお、
50%分布粒子径とは粒度分布が50%のところの粒子
径を指し、今後特に断りがない限り平均粒子径とはこの
粒子径を指す。粉末の形状は粒状または球状であるもの
を用いることによって高アスペクト比で高精細のビアホ
ールの形成が可能であるので、球形率80個数%以上の
無機粉末を用いることが好ましい。なお、球形率の測定
は以下の通りに行えばよい。まず、測定対象である粉末
を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影して計数する。
そして、球形のもの(短径/長径≧0.8)である個数
の比率を算出した値を球形率とする。但し、前記撮影像
では、立体的に球形であることを判別することは困難で
あることが多いので、平面画像である前記撮影像で円形
のもの(短径/長径≧0.8)である個数の比率を算出
した値である円形率を球形率としてもよい。このような
粒径およびその分布を有する無機粉末を用いることによ
り、粉末の充填性が向上し、グリーンシート中の粉末比
率を増加させても気泡を巻き込むことが少なくなり、余
分な光散乱が少ないため、パターン形成性を高めること
になる。無機粉末の平均粒子径が上記範囲より小さいと
比表面積が増えるため、粉末の凝集性があがり、有機成
分内への分散性が低下し、気泡を巻き込み易くなる。そ
のため、光散乱が増え、パターン形成性が低下する。逆
に上記範囲より大きい場合には、粉末のかさ密度が下が
るため充填性が低下し、感光性有機成分の量が不足し、
気泡を巻き込みやすくなり、やはり光散乱を起こしやす
くなる。さらに、無機粉末の平均粒子径は上記範囲にあ
ると、粉末充填比率が高いので焼成収縮率が低くなり、
焼成時にビアホール形状が崩れにくい。
【0045】本発明の無機粉末は、Cu、Ag、Auな
どを配線導体として多層化が可能な600〜900℃で
の焼成が可能であるとともに、GaAsなどのチップ部
品やプリント基板の熱膨張係数と近似した熱膨張係数を
有し、高周波領域においても低誘電率でかつ誘電損失が
低い基板を与えるものであることが好ましい。
【0046】感光性セラミックス組成物から形成された
グリーンシートの焼成を行う場合、グリーンシートの上
面および下面に難焼結性のセラミックスシートを積層し
て焼成してもよい。それによって、厚み方向のみ収縮さ
せ、X−Y平面にはほぼ無収縮となるようにできる。X
−Y平面方向の焼成収縮率が1%以下であることが好ま
しく、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは
0.1%以下である。
【0047】難焼結性のセラミックスとは、基板焼結温
度では焼結しないセラミックス粉末で、アモルファスシ
リカ、石英、アルミナ、マグネシア、ヘマタイト、チタ
ン酸バリウムおよび窒化硼素などから選択して用いるこ
とができる。これらの材料から得られるシートは、ダミ
ー用グリーンシートまたは拘束シートなどと称せられ
る。このシートには、しばしば酸化鉛、酸化ビスマス、
酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化バリウム、酸化カルシウ
ム、酸化ストロンチウムなどの酸化剤やガラス・セラミ
ックスグリーンシートとの密着性改良材となる酸化物粉
末が1〜5重量%添加されることが好ましい。このよう
な難焼結性のセラミックスシートの例としては、アルミ
ナ粉末にポリビニルブチラール、ジオクチルフタレー
ト、適当な酸化物、有機溶媒などを加えて、ドクターブ
レード法によってシート状に形成したものをあげること
ができる。
【0048】グリーンシートの組成物の成分や配合組
成、焼成時の諸条件により不可避の収縮が存在するの
で、収縮率を1%以下に抑制できるならば、ほぼ無収縮
を達成したものと考えることができる。このような条件
はスクリーン印刷等で形成した塗布膜にも適用すること
が可能である。なお、前記塗布膜とは、セラミックス等
よりなる基板に感光性セラミックス組成物のスラリーを
塗布して膜と成し、セラミックス基板を形成する手法に
おけるセラミックス組成物の膜のことであり、一般的に
は、前記基板はそのまま残り完成品の一部を構成する。
塗布膜の場合には、膜の下面には既に基板が存在してい
るので、膜の上面に拘束シートを配した状態で実施する
ことができる。
【0049】感光性セラミックス組成物中の無機粉末の
配合量と感光性有機成分の配合量との比は6:4〜9:
1の範囲内であることが好ましい。すなわち、感光性有
機成分の配合量は10〜40重量%、さらには15〜3
5重量%であることが好ましい。感光性有機成分が10
重量%より小さいと可撓性が低下し、40重量%より大
きいと、組成物中の無機成分の間隙を埋め尽くしてしま
い通気性が損なわれてしまうので、これらの特性の両立
を維持するためには上記の範囲内とすることが好まし
い。
【0050】本発明の感光性セラミックス組成物は次の
ようにして調製することができる。まず感光性有機成分
である側鎖にカルボキシル基を有する重合体、エチレン
性不飽和基を含有する重合性モノマー、光重合開始剤お
よび前記シラン系化合物に、必要に応じて溶媒や各種添
加剤を混合した後、濾過し、有機ビヒクルを作製する。
これに、必要に応じて前処理された無機粉末とフィラー
成分からなる無機成分を添加し、ボールミルなどの混練
機で均質に混合・分散して感光性セラミックス組成物の
スラリーまたはペーストを作製する。このスラリーまた
はペーストの粘度は無機粉末と有機成分の配合比、有機
溶媒の量、可塑剤その他の添加剤の添加割合によって適
宜調整されるが、その範囲は1〜5Pa・sが好まし
い。スラリーもしくはペーストを構成する際に用いる溶
媒は、感光性有機成分を溶解し得るものであればよい。
例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチル
セルソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセト
ン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチル
アルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、
トルエン、トリクロロエチレン、メチルイソブチルケト
ン、イソフォロンなどや、これのうち1種以上を含有す
る有機溶媒混合物が用いられる。なお、前記溶媒がペー
ストに含まれる量は目的用途に応じて様々であり、前記
粘度範囲となるならば、何等制限されるものではない
が、例えば、塗布段階においては、ペースト(無機粉末
を除く)中に10〜30重量%含まれていることが好ま
しい。なお、現像段階においては溶媒含量は実質上0で
あることが好適である。
【0051】得られたスラリーをドクターブレード法、
押し出し成形法などの一般的な方法でポリエステルなど
のフィルム上に厚さ0.05〜0.5mmに連続的に成
形し、溶媒を乾燥除去することにより、感光性セラミッ
クス組成物であるグリーンシートが得られる。ビアホー
ルは、この感光性セラミックス組成物であるグリーンシ
ートに対して、ビアホール形成用パターンを有するフォ
トマスクを通したパターン露光を行い、アルカリ水溶液
で現像することによって形成される。露光に用いる光源
は、好ましくは波長360〜440nmであり、具体的
には、超高圧水銀灯が最も好ましいが、必ずしもこれに
限定されるものではない。露光条件はグリーンシートの
厚みによって異なり、5〜100mW/cm2の出力の
超高圧水銀灯を用いて5秒〜30分間露光を行う。なお
ビアホール形成と同じ手法でシート積層時のアライメン
ト用ガイド孔を形成しておくことができる。
【0052】本発明の感光性セラミックス組成物の感光
性有機成分には、側鎖にカルボキシル基を有する重合体
が含有されていれば、アルカリ水溶液で現像することが
できるので好ましい。アルカリ水溶液としては、ナトリ
ウムやカリウムなどの金属アルカリ水溶液が使用できる
が、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ
成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカリとして
は、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサ
イド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイ
ド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが
あげられる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜1
重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。
アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去されず、
アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパターンを剥離さ
せたり、侵食したりするおそれがある。現像時の温度
は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。現
像方法としては、一般的な浸漬法、スプレー法が用いら
れる。また、超音波を併用して現像時間の短縮や現像ム
ラの減少化を図る方法もある。
【0053】このようにして、焼成前の厚みが10〜5
00μm、最密なビアホールパターン部分がビアホール
直径20〜200μm、ビアホールピッチ30〜250
μmのシートを作製することができる。本発明では、こ
の状態のシートの物理的特性が良好であるため、後工程
の歩留まりが向上するという利点を有している。
【0054】次に必要な枚数の配線パターンの形成され
たシートをガイド孔を用いて積み重ね、80〜150℃
の温度で5〜25MPaの圧力で接着し、多層シートを
作製する。このグリーンシート積層体の両面に、このグ
リーンシートの焼結温度では実質的に焼結収縮を示さな
い無機組成物(例:アルミナやジルコニア)を主成分とす
る拘束シートを積層配置し、作製したグリーンシート多
層体を焼成処理し、その後、この拘束シートを取り除く
無収縮焼成を行って目的とする多層基板を作製すること
ができる。焼成は焼成炉において行う。焼成雰囲気や温
度は感光性セラミックス組成物中の無機粉末や有機成分
の種類によって異なるが、空気中、窒素雰囲気中、また
は水素還元雰囲気中で焼成する。本発明の感光性セラミ
ックス組成物の焼成は600〜950℃の温度で行う。
このようにして得られたセラミックス多層基板は高周波
回路用基板として用いられる。
【0055】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。なお、濃度(%)は特に断らない限り重量%であ
る。実施例に用いた無機微粒子成分および有機成分は次
の通りである。 (1)無機粉末 (1−A)無機粉末I: SiO2−B23−K2O−Al23系ガラス粉末(BS
−003SSA、日本山村硝子株式会社) 上記ガラス粉末の組成:SiO2(84.3%)、B2
3(11.7%)、K2O(1.3%)、Al23(0.3
%) 上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点509℃、熱膨張
係数22×10-7/K、誘電率4.5(1MHZ)、平均粒
子径2.5μm (1−B)無機粉末II: アルミナ粉末49.8%+ガラス粉末50.2%の複合
セラミックス 上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm 上記ガラス粉末の組成:Al23(10.8%)、SiO
2(51.5%)、PbO(15.6%)、CaO(7.1
%)、MgO(2.86%)、Na2O(3%)、K2O(2
%)、B23(5.3%) 上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張
係数60.5×10-7/K、誘電率8.0(1MHZ)、平
均粒子径2μm (1−C)無機粉末III : Al23−SiO2−B23系ガラス粉末 上記ガラス粉末の組成:Al23(8.7%)、SiO
2(67%)、ZrO2(2.7%)、K2O(1.6%)、B2
3(12.5%) 上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点500℃、熱膨張
係数42×10-7/K、誘電率4.7(1MHZ)、平均粒
子径3μm (1−D)無機粉末IV: アルミナ粉末50%+ガラス粉末50%との複合セラミ
ックス(NKX−592J、日本フェロー株式会社製) 上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm 上記ガラス粉末の組成:Al23−B23−SiO2
CaO系ガラス 上記ガラス粉末の特性:平均粒子径4.8μm (1−E)無機粉末V: アルミナ・結晶性ガラス複合系セラミックス(FJ35
2J、日本フェロー株式会社製) 上記ガラス粉末の組成:Al23−B23−SiO2
CaO−ZnO系ガラス 上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点683℃、熱膨張
係数52×10-7/K、平均粒子径5μm (1−F)無機粉末VI: 結晶性ガラス(FJ351J、日本フェロー株式会社
製) 上記結晶性ガラス粉末の組成:Al23−B23−Si
2−MgO系ガラス 上記結晶性ガラス粉末の特性:ガラス転移点681℃、
熱膨張係数90×10-7/K、平均粒子径5μm (1−G)無機粉末VII: 非結晶性ガラス(K805、旭テクノグラス株式会社
製) 上記非結晶性ガラス粉末の組成:Al23−B23−S
iO2系ガラス (2)感光性有機成分 (2−A1)シラン系化合物I: γ−アミノプロピルトリエトキシシラン (2−A2)シラン系化合物II: 1,3−bis(3−アミノプロピル)−テトラメトキ
シジシロキサン (2−A3)シラン系化合物III: ビニルトリエトキシシラン (2−A4)シラン系化合物IV: γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン (2−B1)ポリマーI:スチレン30%、メチルメタ
クリレート30%およびメタクリル酸40%からなる共
重合体のカルボキシル基1モルに対して0.4モルのグ
リシジルメタクリレートを付加反応したものであり、重
量平均分子量43,000、酸価95。 (2−B2)ポリマーII:ダイセル化学工業株式会社製
サイクロマーP(ACA)250(メタクリル酸とメチ
ルメタクリレートとの共重合体に3,4−エポキシシク
ロヘキシルメタクリレートを付加反応して得られたも
の)であり、重量平均分子量10,000、酸価75。 (2−C1)モノマーI: CH2=C(CH3)CO−(OCH(CH3)CH2)9−OC
OC(CH3)=CH2 (2−C2)モノマーII: プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリア
クリレート (プロピレンオキシド単位が1分子当たり平均3単位含
まれる) (2−D)光重合開始剤: 2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリ
ノフェニル)−ブタノン−1。 (3)有機ビヒクルの作製 有機溶媒(γ−ブチロラクトン)およびポリマーを混合
し、撹拌しながら60℃に加熱し、すべてのポリマーを
溶解させた。溶液を室温まで冷却し、モノマー、光重合
開始剤、シラン系化合物を加えて溶解させた。その溶液
を真空脱泡した後、250メッシュのフィルターで濾過
し、有機ビヒクルを作製した。 (4)スラリー調整 上記の有機ビヒクルに無機粉末を混合し、ボールミルで
20時間湿式混合しスラリーまたはペーストとした。有
機ビヒクル中の感光性有機成分を合わせた量、30重量
部に対して無機成分の量は70重量部とした。有機溶媒
量は前記2者の合計を100重量部として17重量部と
なるように調製した。(5)グリーンシートの作製 成形は紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリア
フィルムとブレードとの間隔を0.1〜0.8mmと
し、成形速度0.2m/min.でドクターブレード法
によって行った。グリーンシートの厚みは100μmで
あった。 (6)ビアホ−ルの形成 グリーンシートを100mm角に切断した後、温度80
℃で1時間乾燥し、溶媒を蒸発させた。ビア径30〜1
00μm、ビアホールピッチ500μmのクロムマスク
を用いて、グリーンシートの上面から15〜25mW/
cm2の出力の超高圧水銀灯を用いてグリーンシートと
マスクの間を密着条件下で、1分間パターン露光した。
次に、25℃に保持した0.5重量%モノエタノールア
ミンの水溶液により現像し、その後、スプレーを用いて
ビアホールを水洗浄した。
【0056】実施例1 以下に示す組成物の割合は、無機粉末・ポリマー・モノ
マー・重合開始剤及びシラン系化合物の和を100%と
する。
【0057】無機粉末として無機粉末I(70%)を、感
光性有機成分としてポリマーI(1.7.65%)、モノ
マーI(10%)、シラン系化合物I(0.35%)およ
び光重合開始剤(3%)を用い、厚み100μmのグリ
ーンシートを得た。(カルボキシル基:アミン性窒素原
子=20:1。)なお、ビアホールの形成を試みたとこ
ろ、50μmのビアホールが形成できた。表面を光学顕
微鏡で観察した結果、無機粉末が十分に分散できている
ことが、確認された。ペーストのゲル化現象もなく、現
像性に問題はなかった。
【0058】実施例2〜13 表1にあるような各成分を用いて実施例1にある操作を
繰り返した。またその結果を表1に示した。いずれも、
実施例1と同様な結果を得た。
【0059】比較例1 無機粉末として無機粉末I(70%)を、感光性有機成分
としてポリマーI(1.7.65%)、モノマーI(10
%)、シラン系化合物III(0.35%)および光重合開
始剤(3%)を用い、厚み100μmのグリーンシート
を得た。(カルボキシル基:アミン性窒素原子=20:
1)なお、ビアホールの形成を試みたところ、150μ
mのビアホールまでしか形成できなかった。表面を光学
顕微鏡で観察した結果、無機粉末が表面上に凝集してお
り、分散していなかった。ペーストのゲル化現象はな
く、現像性には問題はなかった。
【0060】比較例2 無機粉末として無機粉末I(70%)を、感光性有機成分
としてポリマーI(1.7.65%)、モノマーI(10
%)、シラン系化合物IV(0.35%)および光重合開
始剤(3%)を用い、厚み100μmのグリーンシート
を得た。(カルボキシル基:アミン性窒素原子=20:
1)なお、ビアホールの形成を試みたところ、150μ
mのビアホールまでしか形成できなかった。表面を光学
顕微鏡で観察した結果、無機粉末が表面上に凝集してお
り、分散していなかった。ペーストのゲル化現象はな
く、現像性には問題はなかった。
【0061】比較例3 無機粉末として無機粉末I(70%)を、感光性有機成分
としてポリマーI(1.6.7%)、モノマーI(10
%)、シラン系化合物III(1.3%)および光重合開始
剤(3%)を用い、厚み100μmのグリーンシートを
得た。(カルボキシル基:アミン性窒素原子=5:1)
表面を光学顕微鏡で観察した結果、無機粉末が十分に分
散できていることが、確認された。しかし、ペーストが
ゲル化していたため、現像性が悪くビアホールが形成で
きなかった。
【0062】比較例4 無機粉末として無機粉末I(70%)を、感光性有機成分
としてポリマーI(1.7.96%)、モノマーI(10
%)、シラン系化合物III(0.04%)および光重合開
始剤(3%)を用い、厚み100μmのグリーンシート
を得た。(カルボキシル基:アミン性窒素原子=20
0:1)なお、ビアホールの形成を試みたところ、15
0μmのビアホールまでしか形成できなかった。表面を
光学顕微鏡で観察した結果、無機粉末が表面上に凝集し
ており、分散していなかった。ペーストのゲル化現象は
なく、現像性には問題はなかった。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明の感光性セラミックス組成物は、
有機高分子結合材との親和性の悪い無機粉末も十分に分
散させることが可能であり、かつ露光特性・現像性も良
好であるために、これを用いることにより、寸法安定性
に優れ、誘電正接の低いセラミックス基板材料への高ア
スペクト比かつ高精細のビアホール形成が可能であると
ともに、焼成工程時にひび割れや反りなどの欠陥を抑制
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA02 AB17 AC01 AD01 BC13 BC85 CC08 CC20 FA29 4G030 AA03 AA04 AA07 AA08 AA17 AA32 AA35 AA36 AA37 AA40 BA12 CA08 GA09 GA14 GA17 GA20 HA09 HA12 HA18 HA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)、もしくは(2)で示された
    構造を持つシラン系化合物を含む感光性有機成分と、無
    機粉末を有する感光性セラミックス組成物であって、該
    感光性有機成分には側鎖にカルボキシル基を有する重合
    体を含み、かつ、該感光性有機成分中に有するカルボキ
    シル基の数とアミン性窒素原子の数の比が10:1〜1
    00:1であることを特徴とする感光性セラミックス組
    成物。 【化1】 (ただし、一般式(1)中のR1,R2は水素、メチル
    基、エチル基、メタクリル基から選ばれる少なくとも一
    種であり、R3,R4,R5は水素、メチル基、エチル
    基、メトキシ基、エトキシ基から選ばれる少なくとも一
    種であり、nは1〜5の自然数である。) 【化2】 (ただし、一般式(2)中のR1,R2,R11,R12は水
    素、メチル基、エチル基、メタクリル基から選ばれる少
    なくとも一種であり、R3,R4,R13,R14は水素、メ
    チル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基から選ばれ
    る少なくとも一種であり、nは1〜5の自然数であ
    る。)
  2. 【請求項2】該感光性有機成分中においては、エチレン
    性不飽和基の割合が0.000016〜0.0075モ
    ル/gであることを特徴とする請求項1記載の感光性セ
    ラミックス組成物。
  3. 【請求項3】該無機粉末はガラス粉末よりなり、かつ、
    前記ガラス粉末が酸化物換算表記で酸化珪素80〜90
    重量%、酸化硼素10〜15重量%、酸化アルミ0〜5
    重量%、酸化カリウム0〜5重量%含有されているもの
    であることを特徴とする請求項1記載の感光性セラミッ
    クス組成物。
  4. 【請求項4】該無機粉末には、ホウ珪酸ガラス粉末30
    〜60重量%、石英粉末、アモルファスシリカ粉末の少
    なくとも1種を20〜60重量%、コーディエライト、
    スピネル、フォルステライト、アノーサイトおよびセル
    ジアンの群から選ばれた少なくとも1種類のセラミック
    ス粉末を20〜60重量%有することを特徴とする請求
    項1記載の感光性セラミックス組成物。
  5. 【請求項5】無機粉末と、感光性有機成分が、6:4〜
    9:1の重量比であることを特徴とする請求項1記載の
    感光性セラミックス組成物。
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