JP2005202387A - 感光性セラミックス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波領域において十分な特性を得ることができるようにするため、光透過性が高く、かつ柔軟性を有するグリーンシートであることが必要であり、それに対応した感光性セラミックス組成物を提供する。
【解決手段】無機粉末と感光性有機成分を必須成分とする感光性セラミックス組成物であって、無機粉末が平均粒子径500nm以下のアルミナ粉末を含有し、かつ感光性有機成分がTg−60℃〜30℃のポリマーを含有することを特徴とする感光性セラミックス組成物。
【選択図】 なし





Description

本発明は、感光性セラミックス組成物に関する。本発明の感光性セラミックス組成物は、高周波無線用セラミックス多層基板などの回路材料などに用いられる。
携帯電話をはじめとする無線通信技術の普及が著しい。従来の携帯電話は800MHz〜1.5GHzの準マイクロ波帯を用いたものであったが、情報量の増大に伴い、搬送周波数をより高周波であるマイクロ波帯からミリ波帯とした無線技術が提案され、実現される状況にある。こうした高周波無線回路は、移動体通信やネットワーク機器としての応用が期待されており、中でもブルートゥース(Bluetooth)やITS(Intelligent Transport System,高度交通情報システム)での利用によってますます重要な技術となりつつある。
これらの高周波回路を実現するためには、そこで使用される基板材料も、使用波長帯、すなわち、1〜100GHzで優れた高周波伝送特性をもつ必要がある。優れた高周波伝送特性を実現するためには、低誘電率でかつ誘電損失が低いこと、加工精度が高いこと、寸法安定性がよいといった要件が必要であり、なかでもセラミックス基板が有望視されてきた。
しかしながら、これまでのセラミックス基板材料は、寸法安定性に優れているものの、微細加工度が低かったため、特に高周波領域において十分な特性を得ることができなかった。このような微細加工精度の問題を改良する方法として、感光性セラミックス組成物から形成したグリーンシートを用いたフォトリソグラフィー技術によるビアホール形成方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では高アスペクト比のビアホール形成に限界があった。その理由はフォトリソ加工時の紫外線が乱反射
し深部まで届かないことであった。
そこでこれらの課題を解決する方法として、シートに含有されるセラミックス粒子の平均粒子径を紫外線の波長より小さくすることが提案されている(特許文献2参照)。この方法により紫外線透過率を向上させ、シートの深部まで紫外線を到達させることで高アスペクト比のビアホール形成が可能になるものである。
しかしながら、この方法ではセラミックス粒子の分散が不十分なため、ペーストの粘度安定性が課題であった。また、乾燥後やビアホール形成後のシートに柔軟性がないため、導体ペースト穴埋めや導体パターン加工やシートを多層積層するなどのシートハンドリング工程において、割れや欠けが発生するという問題があった。セラミックス基板材料を多層基板として使用する際には、セラミックスグリーンシートにビアホールを形成する工程、ビアホールに導体ペーストあるいは導電性金属粉末を充填する工程、セラミックスグリーンシート表面に電極や回路などの導体パターンを形成する工程、ビアホールおよび導体パターンが形成されたセラミックスグリーンシートを積層および圧着し、適当な基板サイズにカットした後、焼成する工程を経ることとなるが、貼り合わせ時の接着不良が原因で焼成後の変形や剥がれが発生するという問題があった。
特開平6−202323号公報(段落0012) 特開2002−162735号公報(請求項1)
フォトリソグラフィー法を用いた高アスペクト比かつ高精細のビアホール形成を可能にするためには、微細なセラミックス粒子が均一に分散されていることが必要である。さらにビアホール形成後の加工工程に適した状態であるためには、シートが柔軟であることが必要である。本発明は、それらに対応した感光性セラミックス組成物を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、無機粉末と感光性有機成分を必須成分とする感光性セラミックス組成物であって、無機粉末が平均粒子径500nm以下のアルミナ粉末を含有し、かつ感光性有機成分がTg−60℃〜30℃のポリマーを含有することを特徴とする感光性セラミックス組成物により課題を解決するものである。
本発明の感光性セラミックス組成物により、アルミナ粉末の分散状態が良好となり、高透過率のシートを得ることができる。また、同時に柔軟性を保持することで、フォトリソ加工性に優れ、割れや破損の防止に有効なシートを得ることができる。
本発明の感光性セラミックス組成物は、無機粉末と感光性有機成分を必須成分とするものであり、無機粉末が平均粒子径500nm以下のアルミナ粉末を含有し、かつ感光性有機成分がTg−60℃〜30℃のポリマーを含有することを特徴とする感光性セラミックス組成物である。
本発明において、感光性セラミックス組成物は無機粉末と感光性有機成分を有する。無機粉末はアルミナ粉末を必須成分とし、ガラス粉末、その他無機粉末を含有してもよい。アルミナ粉末の平均粒子径は500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、さらに150nm以下がより好ましい。生産可能でかつ取り扱い性や分散性などを考慮すると、10nm以上が好ましい。紫外線の有効波長(500nm〜350nm)と同等か小さい平均粒径のアルミナ粉末を複合することにより、露光時の光散乱が少なくなり、シートの深部まで露光される。その結果、高精細で高アスペクト比のパターン加工が可能となる。しかし平均粒子径が500nmを超えると、散乱の割合が高くなり紫外線が深部まで届かない、またはパターン周辺が散乱光により露光されるため、高精細で高アスペクト比のパターンを形成することができない。
アルミナ粉末はシート強度を付与することと、シート誘電率を保持するために不可欠である。その含有量は感光性セラミックス組成物に対して5重量%〜90重量%が好ましく、さらに20重量%〜80重量%がより好ましい。5重量%未満では焼成後のシート誘電率特性が低下する。一方80重量%を超えるとシートの光透過率が低下し、フォトリソ加工性が悪くなる。
また、本発明の感光性セラミックス組成物は、シリカ、ジルコニア、チタニア、イットリア、セリアおよびマグネシアの群から選ばれた少なくとも1種無機粉末を含有してもよい。特に好ましいのはシリカ、チタニアなどであるが、複数種の成分を混合して用いることもできる。上記以外の無機成分としてガラス粉を含有することができるが、これらは超高圧水銀灯などの光を透過する為、平均粒子径が規制されるものではない。また本発明のセラミックス組成物に含有される無機粉末は焼成工程において焼結するものであり、本発明の目的とする基板形成では、1000℃以下、特に600〜950℃の温度での焼成が好ましいので、いわゆる低温焼成無機粉末が好ましい。もちろん、これらの無機粉末が基板の電気的特性、強度、熱膨張係数などの基本物性を決めるものであるため、目的とする特性に応じて選択されるものである。
本発明で用いられる無機粉末として有用な成分には4つの態様が挙げられる。第1の態様は、一般式RO−Al−SiO(Rはアルカリ金属(x=2)あるいはアルカリ土類金属(x=1)を示す)で表されるアルミノケイ酸塩系化合物である。特に限定されるものではないが、アノーサイト(CaO−Al−2SiO)、セルジアン(BaO−Al−2SiO)などであり、低温焼結セラミックス材料として用いられる無機粉末である。
第2の態様の無機粉末としては、ガラス粉末50〜90重量%と、石英粉末および/またはアモルファスシリカ粉末10〜50重量%を有する。ガラス粉末はホウ珪酸ガラスである。この時高純度シリカ(石英)は、ほう珪酸ガラスやコーディエライトと溶解しないことが好ましい。また、球状シリカである方が、スラリーの充填性が上がり好ましい。
第3の態様は、ホウ珪酸ガラス粉末30〜60重量%、石英粉末および/またはアモルファスシリカ粉末20〜60重量%およびコーディエライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイトおよびセルジアンの群から選ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末20〜60重量%との混合物である。
第4の態様は、酸化物換算表記でSiO:30〜70重量%、Al:5〜40重量%、CaO:3〜25重量%、B:3〜50重量%の組成範囲で、総量が85重量%以上となるガラス粉末を30〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディエライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末70〜40重量%との混合物である。
無機粉末はフィラー成分を含むことが可能であり、フィラー成分として前記の通りセラミックス粉末が用いられることが多く、基板の機械的強度の向上や熱膨張係数を制御するのに有効である。特に、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、アノーサイトはその効果が優れている。これらのセラミックス粉末の混合により、焼成温度を800〜900℃とし、強度、誘電率、熱膨張係数、焼結密度、体積固有抵抗、収縮率を所望の特性とすることができる。
ガラス粉末のSiO、Al、CaOおよびBなどの成分は、ガラス粉末中で総量85重量%以上であることが好ましい。残りの15重量%以下はNaO、KO、BaO、PbO、Fe、Mn酸化物、Cr酸化物、NiO、Co酸化物などを含有することができる。ガラス粉末30〜60重量%と組み合わされるセラミックス粉末70〜40重量%はフィラー成分となる。ガラス粉末中のSiOは30〜70重量%の範囲であることが好ましい。30重量%未満の場合は、ガラス層の強度や安定性が低下し、また誘電率や熱膨張係数が高くなり所望の値から外れやすい。また、70重量%より多くなると焼成基板の熱膨張係数が高くなり、1000℃以下での焼成が困難となる。Alは5〜40重量%の範囲で配合することが好ましい。5重量%未満ではガラス相中の強度が低下し、1000℃以下での焼成が困難となる。40重量%を越えるとガラス組成をフリット化する温度が高くなりすぎる。CaOは3〜25重量%の範囲で配合するのが好ましい。3重量%より少なくなると所望の熱膨張係数が得られなくなり、また1000℃以下での焼成が困難となる。25重量%を越えると誘電率や熱膨張係数が大きくなり好ましくない。Bはガラスフリットを1300〜1450℃付近の温度で溶解するため、およびAlが多い場合でも誘電率、強度、熱膨張係数、焼結温度などを電気、機械および熱的特性を損なうことのないように焼成温度を800〜900℃の範囲に制御するために配合することが望ましく、配合量として3〜50重量%の範囲が好ましい。
感光性セラミックス組成物においてパターン形成性を高いレベルに保持するためには、無機粉末と感光性有機成分との屈折率を整合させることが重要である。無機粉末の屈折率は組成の配合比で制御することが可能であり、配合する感光性有機成分の平均屈折率との整合をとるように配慮することが好ましい。場合によっては、感光性有機成分の屈折率を高める手段を用いることもあり、その場合には、硫黄原子、臭素原子、沃素原子、ナフタレン環、ビフェニル環、アントラセン環、カルバゾール環の群から選ばれた基を有する化合物を20重量%以上含有させるなどの方法を適用することができる。
本発明の無機粉末は、Cu、Ag、Auなどを配線導体として多層化が可能な600〜950℃での焼成が可能であるとともに、GaAsなどのチップ部品やプリント基板の熱膨張係数と近似した熱膨張係数を有し、高周波領域においても低誘電率でかつ誘電損失が低い基板を与えるものであることが好ましい。
感光性セラミックス組成物に含有される感光性有機成分とは、感光性ポリマーおよび/または非感光性ポリマーを主成分とするが、モノマー、光開始剤が混合していてもよく、紫外線吸光剤、増感剤、重合禁止剤、溶媒などを添加することもできる。感光性ポリマーは光硬化性を主体としているが、光可溶性のポリマーを用いても良い。
本発明で用いるポリマーのTg(ガラス転移温度)は、無機粉末の分散性と乾燥直後のシート柔軟性を左右し、Tgが低いポリマーを用いると、無機粉末が分散しやすく高光透過率で、かつ柔軟なシートとなり、高精細なパターン加工性が可能であると同時に、パターン加工後のプロセス(導電性ペーストの印刷や積層、プレスなど)において割れや欠けが少ない。その範囲は−60℃〜30℃が好ましく、−40℃〜30℃の範囲がさらに好ましい。Tgが−60℃より低いポリマーではシートのタック性が強くなるため離型フィルムに付着、または剥離時に伸長しパターンの変形を招く、さらにシート巻き取り時に塗膜が変形する場合もある。一方30℃を超える場合はアルミナ粉末の分散性が悪くなり、光透過率が低下するとによるパターン加工性の低下、同時にシート柔軟性低下によるシートの割れ欠け等の問題が発生する。このようなポリマーの含有量は感光性セラミックス組成物に対して好ましくは3重量%〜30重量%で、より好ましくは3重量%〜20重量%である。また上記の要件を満たす好ましいポリマーは、例えば、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、マレイン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ロジンなどを挙げることができる。
また感光性ポリマーとしては、側鎖にカルボキシ基を有するポリマー、またはエチレン性不飽和基を有するポリマー、さらには側鎖にカルボキシ基とエチレン性不飽和基を有するポリマー等があり、アクリル系共重合ポリマーが一般的である。または上記各種樹脂をブレンドすることによって無機粉末の分散特性を最適化することも可能である。
アクリル系共重合ポリマーの共重合成分は、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノールA−ジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボシキメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
上記以外に、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などのモノマーを選択し、光開始剤を用いて重合させることにより得られるが、これらの成分を重合することによって、できあがったアクリル系共重合ポリマーのTgが−60℃〜30℃の範囲となるように、モノマー成分と共重合比率を選択する。
また側鎖にカルボキシル基を有する重合体を含有することは、アルカリ現像を可能にするために好ましく、そのためには重合体の酸価は50〜140(mgKOH/g)であることが好ましい。酸価を140以下とすることで、現像許容幅を広くすることができ、酸価を50以上とすることで、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が保持され、高精細なパターンを得ることができる。また側鎖にエチレン性不飽和基を有することでさらに現像許容幅が広くなり、より高精細なパターンを得ることができる。
感光性有機成分が光硬化性を有する組成としては、上記ポリマーに加えてエチレン性不飽和基を有するモノマー、光開始剤、その他添加剤があげられる。エチレン性不飽和基を有するモノマーの例として、1個以上の光重合可能な不飽和基、例えば(メタ)アクリレート基またはアリル基等を有するモノマーなどが挙げられる。これらの具体例としては、アルコール類(例えばエタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)とアクリル酸(またはメタクリル酸)とのエステル、カルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジル(あるいは、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジル、またはテトラグリシジルメタキシリレンジアミン)との反応生成物、アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなど)、エポキシ化合物とアクリル酸(またはメタクリル酸)との反応物などを挙げることができる。また、感光性モノマー等は、多官能モノマーであっても良く、その場合において、不飽和基は、アクリル、メタクリル、ビニル、アリル基が混合して存在してもよい。これらは単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
感光性モノマーの具体例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、ウレタンジアクリレートなどを挙げることができ、これらは無機粉末、特にアルミナ粉末やガラス粉末との相性が良いため、良好な分散性が得られると同時に光透過率の高いセラミックスシートを得ることができる。
モノマー含有量は、感光性セラミックス組成物に対して、2〜40重量%の範囲で、好ましくは5〜20重量%である。モノマー含有量が2重量%未満では光硬化性がなくなり硬化しない。一方40重量%を超える範囲では逆に光硬化後の架橋密度が異常に高くなり、シートの柔軟性がなくなる。
本発明で用いる感光性有機成分は、アルミナ粉末に限らず、ガラス粉末の分散に対して有効であり、かつ現像後のパターンの柔軟性が付与されるため、現像時にシャープなパターンが得られることと現像後のプロセスにおけるパターン損傷を防止することができ、プラズマディスプレイの背面板のパターン加工用途にも好ましく用いることができる。
光開始剤は1種類または複数種混合で使用され、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4、4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどがあげられる。光開始剤の添加量は、感光性ポリマー、モノマー等の反応性成分に対し、0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%である。光開始剤の量が少なすぎると、光感度が不良となり、多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
その他添加剤として、有機染料からなる紫外線吸光剤を添加することも有効である。紫外線吸収効果の高い吸光剤を添加することによって高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。紫外線吸光剤としては有機系染料からなるものが用いられ、中でも300〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料が好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は吸光剤として添加した場合にも、焼成後の絶縁膜中に残存しないで吸光剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でもアゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。
有機染料の添加量は、感光性セラミックス組成物に対し0.01〜5重量部が好ましい。0.01重量%未満では紫外線吸光剤の添加効果が減少し、5重量%を越えると焼成後の絶縁膜特性が低下するので好ましくない。より好ましくは0.05〜2重量%である。有機染料からなる紫外線吸光剤の添加方法の一例を挙げると、有機染料を予め有機溶媒に溶解した溶液を作製し、次に該有機溶媒中に無機粉末を混合後、乾燥することによってできる。この方法によって無機粉末の個々の粉末表面に有機の膜をコートしたいわゆるカプセル状の粉末が作製できる。
本発明において、無機粉末にPb、Fe、Cd、Mn、Co、Mgなどの金属およびその酸化物が含まれる場合、有機成分中に含有する反応性成分と反応するために、無機粉末と有機成分の混合物(シートスラリー)が短時間でゲル化し、シート成形できなくなる場合がある。このような反応を防止するために安定化剤を添加してゲル化を防止することが好ましい。用いる安定化剤としては、トリアゾール化合物が好ましく用いられる。トリアゾール化合物の中でも特にベンゾトリアゾールが有効に作用する。本発明において使用されるベンゾトリアゾールによるガラス粉末の表面処理の一例を挙げると、無機粉末に対して所定の量のベンゾトリアゾールを酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、メチルアルコールなどの有機溶媒に溶解した後、これら粉末を十分に浸すことができるように溶液中に1〜24時間浸漬する。浸漬後、好ましくは20〜30℃で自然乾燥して溶媒を蒸発させてトリアゾール処理を行った粉末を調製する。使用される安定化剤の割合(安定化剤/無機粉末)は0.05〜5重量%が好ましい。
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオ−テトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオ−テトラゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性セラミックス組成物に添加する場合、その添加量は反応性成分に対して通常0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
重合禁止剤は、保存時の熱安定性を向上させるために添加される。重合禁止剤の具体的な例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、感光性セラミックス組成物中に、通常、0.001〜1重量%である。
酸化防止剤は、保存時におけるアクリル系共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコ−ルエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添加する場合、その添加量は通常、感光性セラミックス組成物中に0.001〜1重量%である。
本発明の感光性セラミックス組成物には、シートスラリーの粘度を調整したい場合、溶媒を加えてもよい。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセルソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
本発明の感光性セラミックス組成物は次のようにして調製およびシート化することができる。まず感光性有機成分である側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する重合体、および光開始剤に、必要に応じて溶媒や各種添加剤を混合した後、濾過し、有機ビヒクルを調製する。これに、必要に応じて前処理された無機粉末を添加し、ボールミルなどの混練機で均質に混合・分散して感光性セラミックス組成物のスラリーまたはペーストを作製する。このスラリーまたはペーストの粘度は無機粉末と有機成分の配合比、溶媒の量、その他添加剤の添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は1〜5Pa・sが好ましい。得られたペーストをドクターブレード法、押し出し成形法などの一般的な方法でポリエステルなどのフィルム上に厚さ0.05〜0.5mmに連続的に成形し、溶媒を乾燥除去することにより、感光性セラミックス組成物であるグリーンシートが得られる。ビアホールは、この感光性セラミックス組成物であるグリーンシートに対して、ビアホール形成用パターンを有するフォトマスクを通したパターン露光を行い、アルカリ水溶液で現像することによって形成される。露光に用いる光源は超高圧水銀灯が最も好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。露光条件はグリーンシートの厚みによって異なり、5〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて5秒〜30分間露光を行う。なおビアホール形成と同じ手法でシート積層時のアライメント用ガイド孔を形成しておくことができる。アルカリ水溶液とは、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機アルカリ水溶液などをあげることができる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパターンを剥離させたり、侵食したりするおそれがある。現像時の温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。現像方法としては、一般的な浸漬法、スプレー法が用いられる。また、超音波を併用して現像時間の短縮や現像ムラの減少化を図る方法もある。
このようにして、焼成前の厚みが10〜500μm、最密なビアホールパターン部分がビアホール直径20〜200μm、ビアホールピッチ30〜250μmのシートを作製することができる。本発明ではこの状態のシートの柔軟性が良好で、アルミナ粒子の分散状態が良好なため光透過率が高く、高精細なパターンの形成性が向上することを特徴としている。
感光性セラミックス組成物から形成されたグリーンシートの焼成を行う場合、グリーンシートの上面および下面に難焼結性のセラミックスシートを積層して焼成してもよい。それによって、厚み方向のみ収縮させ、X−Y平面にはほぼ無収縮となるようにできるが、X−Y平面方向の焼成収縮率が1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
難焼結性のセラミックスとは、基板焼結温度では焼結しないセラミックス粉末で、アモルファスシリカ、石英、アルミナ、マグネシア、ヘマタイト、チタン酸バリウムおよび窒化硼素などから選択して用いることができる。これらの材料から得られるシートは、ダミー用グリーンシートまたは拘束シートなどと称せられる。このシートには、しばしば酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムなどの酸化剤やガラス・セラミックスグリーンシートとの密着性改良材となる酸化物粉末が1〜5重量%添加されることが好ましい。このような難焼結性のセラミックスシートの例としては、アルミナ粉末にポリビニルブチラール、ジオクチルフタレート、適当な酸化物、溶媒などを加えて、ドクターブレード法によってシート状に形成したものをあげることができる。
グリーンシートの上下の面に拘束シートを配置した状態での焼成工程によりX−Y平面方向の収縮は制限されるが、組成物の成分や配合組成、焼成時の諸条件により不可避の収縮が存在する。このため収縮率を1%以下に抑制できるならば、ほぼ無収縮を達成したものと考えることができるが、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下に抑制する。このような条件はスクリーン印刷等で形成した塗布膜(セラミックス等からなる基板に感光性セラミックス組成物のペーストを塗布する手法であり、一般的には、前記基板はそのまま残り完成品の一部を構成する)にも適用することが可能であり、塗布膜の場合には、膜の下面には既に基板が存在しているので、膜の上面に拘束シートを配した状態で実施することができる。
次に必要な枚数の配線パターンが形成されたシートをガイド孔を用いて積み重ね、80〜150℃の温度で5〜25MPaの圧力で接着し、多層シートを作成する。このグリーンシート積層体の両面に、このグリーンシートの焼結温度では実質的に焼結収縮を示さない無機組成物(例:アルミナやジルコニア)を主成分とする拘束シートを積層配置し、作成したグリーンシート多層体を焼成処理し、その後、この拘束シートを取り除く無収縮焼成を行って目的とする多層基板を作製することができる。焼成は焼成炉において行う。焼成雰囲気や温度は感光性セラミックス組成物中の無機粉末や有機成分の種類によって異なるが、空気中、窒素雰囲気中、または水素還元雰囲気中で焼成する。本発明の感光性セラミックス組成物の焼成は600〜950℃の温度で行う。このようにして得られたセラミックス多層基板は高周波回路用基板として用いられる。
本特許の感光性有機成分はパターン加工性、無機粉末分散性、パターン柔軟性に優れているため、セラミックスシート用途に限らずその用途は多岐にわたって利用できる。特にこれらの特性が活かされる用途はPDPの背面板用パターン加工である。PDP用のペースト組成としてはガラス粉末と本特許の感光性有機成分を主成分とすることで、露光、現像によって精細なパターンが形成され、さらにパターンが柔軟性を保持しているために、割れや欠け等の損傷がない好ましい背面板を得ることができる。
ガラス粉末および本発明の感光性有機成分からなる感光性ペーストを作製し、ソーダガラス基板もしくは石英ガラス基板上に、Tダイコーター塗布によって、100μmの塗布厚みになるように塗布を行った後、乾燥、プラズマディスプレイにおけるストライプ状の隔壁パターン形成が可能なマスクで露光、現像を行い、さらに得られたガラス基板を乾燥、焼成を行うことによって高精細で欠陥のない好ましい背面板を得ることができる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、濃度(%)は特に断らない限り重量%である。実施例に用いた無機微粒子成分および有機成分は次の通りである。
A.無機粉末
無機粉末I
アルミナ粉末50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
アルミナ粉末:平均粒子径40nm(“ナノテック”シーアイ化成(株)製)
ガラス粉末:SiOを主成分とする粉末で、平均粒子径2μm、組成はAl(10.8%)、SiO(52.5%)、PbO(15.6%)、CaO(7.1%)、MgO(2.9%)、NaO(3%)、KO(2.8%)、B(5.3%)
ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHZ)。
無機粉末II
アルミナ粉末50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
アルミナ粉末:平均粒子径2.5μm(“NKX−592J”(日本フェロー(株)製)
ガラス粉末:平均粒子径4.8μm、組成はAl−B−SiO−CaO系ガラス。
無機粉末III
アルミナ粉末8%+ガラス粉末92%の複合セラミックス
アルミナ粉末:平均粒子径40nm(“ナノテック”シーアイ化成(株)製)
ガラス粉末:SiOを主成分とする粉末で、平均粒子径2μm、組成はAl(10.8%)、SiO(52.5%)、PbO(15.6%)、CaO(7.1%)、MgO(2.9%)、NaO(3%)、KO(2.8%)、B(5.3%)。
ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHZ)。
無機粉末IV
アルミナ粉末 50%+ガラス粉末 50%の複合セラミックス
アルミナ粉末:平均粒子径150nm(AKP-50,住友化学(株)製)
ガラス粉末:SiOを主成分とする粉末で、平均粒子径2μm、組成はAl(10.8%)、SiO(52.5%)、PbO(15.6%)、CaO(7.1%)、MgO(2.9%)、NaO(3%)、KO(2.8%)、B(5.3%)。
ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHZ)。
無機粉末V
アルミナ粉末 50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
アルミナ粉末:平均粒子径300nm(AKP-30,住友化学(株)製)
ガラス粉末:SiOを主成分とする粉末で、平均粒子径2μm、組成はAl(10.8%)、SiO(52.5%)、PbO(15.6%)、CaO(7.1%)、MgO(2.9%)、NaO(3%)、KO(2.8%)、B(5.3%)。
ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、熱膨張係数60.5×10−7/K、誘電率8.0(1MHZ)。
なお、無機粉末の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA LA-920)を用いて測定した。具体的には、ヘキサメタリン酸ソーダ0.2%水溶液にサンプルを入れ、ULTRA SONICATORで5分間分散処理を行い、適度な濃度に希釈した後測定を行う。ここでの50%分布粒子径を平均粒子径とする。なお、50%分布粒子径とは粒度分布ヒストグラムの積分値が50%となるところの粒子径を指す。
B.感光性有機成分
ポリマーI
エチルアクリレート40%、メチルアクリレート30%およびメタクリル酸30%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応したものであり、重量平均分子量23,000、酸価105、Tg22℃
ポリマーII
2−エチルヘキシルアクリレート70%、アクリル酸30%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応したものであり、重量平均分子量16,000、酸価110、Tg−15℃
ポリマーIII
ダイセル化学工業(株)製“サイクロマーP(ACA)250”(メタクリル酸とメチルメタクリレートとの共重合体に3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートを付加反応して得られたもの)であり、重量平均分子量10,000、酸価75、Tg135℃
ポリマーIV
2−エチルヘキシルアクリレート80%、アクリル酸20%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.5当量のグリシジルメタクリレートを付加反応したものであり、重量平均分子量16,000、酸価80、Tg−45℃。
なお、ポリマーのTgの測定法は、島津製作所(株)製DSC−50型測定装置を用い、サンプル重量10mg、窒素気流下で昇温速度20℃/分で昇温し、ベースラインの偏起の開始する温度をTg(ガラス転移点)とした。
光開始剤:2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1。
C.有機ビヒクルの調製
溶媒およびポリマーを混合し、撹拌しながら60℃に加熱し、すべてのポリマーを溶解させた。溶液を室温まで冷却し、モノマー、光開始剤を加えて溶解させ、有機ビヒクルを調製した。
D.ペースト調製
上記の有機ビヒクルに無機粉末を混合し、三本ロールで5回通しでスラリーまたはペーストとした。有機ビヒクル中の感光性有機成分30重量部に対して無機粉末の量は70重量部とした。
E.グリーンシートの作製
成形は紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリアフィルムとブレードとの間隔を0.1〜0.8mmとし、成形速度0.2m/でドクターブレード法によって行った。シートの厚みは100μmであった。
F.ビアホ−ルの形成
グリーンシートを100mm角に切断した後、温度80℃で1時間乾燥し、溶媒を蒸発させた。ビア径30〜100μm、ビアホールピッチ500μmのクロムマスクを用いて、シートの上面から15〜25mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いてシートとマスクの間を密着条件下で、1分間パターン露光した。次に、25℃の0.5重量%モノエタノールアミン水溶液により現像し、その後、スプレーを用いてビアホールを水洗浄した。
G.焼成時に用いる拘束シートの作製
アルミナ粉末またはジルコニア粉末またはマグネシア粉末にポリビニルブチラール、ジオクチルフタレート、有機溶媒など加えて、ドクターブレード法によってシート状に作製したものを用いた。
H.多層基板の作製
本発明の感光性セラミックス組成物からなるグリーンシートを5〜6枚積層し、上下に無収縮焼成のための拘束シートを配置し、80℃でプレス圧力15MPaにて熱圧着した。得られた多層体を空気中で、900℃の温度で30分間焼成して、多層基板を作製した。
I.全光線透過率の測定
ヘイズコンピューター(スガ試験機(株)製)で、乾燥直後のグリーンシートの全光線透過率を測定した。50μmの上下の膜厚の異なる2種類のシートで測定し、膜厚と透過率のグラフにプロットされた2点を直線で結び、この直線から膜厚50μmの透過率を求めた。
J.割れ欠け評価
焼成前の積層プレスまでの工程で割れや欠けについて評価し、無傷を○、傷または割れが発生した場合を×として評価した。
実施例1
無機粉末として無機粉末I(70%)を、感光性有機成分としてポリマーI(15%)、モノマー(10%)(“アロニックスM245”東亞合成(株)製)および光開始剤(0.5%)(“IC819”チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ製)、分散剤(0.3%)(“ノプコスパース”、サンノプコ(株)製)、溶剤(4%)(“ソルフィット”クラレ製)、p−メトキシフェノール(0.2%)を用い、厚み100μmのグリーンシートを得た。フォトリソ法でビアホールを形成したところ、100μmのビアホールが形成できた。得られたシートの透過率を測定した結果を表1に示す。アルミナ拘束シートとともに積層プレスを行ったところ、600℃、30分間焼成して得られた多層白基板に亀裂は見られず、誘電率は7.8(1MHz)であった。また、焼成前の貼り合わせ工程での破損もなく加工性は良好であった。
実施例2
実施例1のポリマーIをポリマーIIとする以外は同様の組成、試作操作を繰り返した。その結果グリーンシートの透過率が高く、焼成前の貼り合わせ工程での破損もなくパターン加工性は良好であった。
実施例3
実施例1の無機粉末Iを無機粉末IVに変更した以外は、実施例1と同様の組成、試作操作を繰り返した。その結果グリーンシートの透過率が高く、パターン加工ができた。さらに焼成前の貼り合わせ工程での破損もなく良好な積層セラミックスシートが得られた。
実施例4
実施例1の無機粉末Iを無機粉末Vに変更した以外は、実施例1と同様の組成、試作操作を繰り返した。その結果グリーンシートの透過率が高く、パターン加工ができた。さらに焼成前の貼り合わせ工程での破損もなく良好な積層セラミックスシートが得られた。
実施例5
実施例1のポリマーIをポリマーIVとする以外は同様の組成、試作操作を繰り返した。その結果グリーンシートの透過率が高く、パターン加工ができた。さらに焼成前の貼り合わせ工程での破損もなく良好な積層セラミックスシートが得られた。
実施例6
無機粉末として無機粉末III(70%)を、感光性有機成分としてポリマーI(15%)、モノマー(10%)(“アロニックスM245”東亞合成(株)製)および光開始剤(0.5%)(“IC819”チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ製)、分散剤(0.3%)(“ノプコスパース”、サンノプコ(株)製)、溶剤(4%)(“ソルフィット”クラレ(株)製)、p−メトキシフェノール(0.2%)を用いたペーストを調製し、2.8mm厚さのガラス基板に250μm(乾燥後)厚さになるように、スリットダイコーターで塗布、乾燥した後、パターンがピッチ300μm、線幅100μm、プラズマディスプレイにおけるストライプ状の隔壁パターン用マスクを用い、超高圧水銀灯で露光(露光量200mJ/cm)、25℃の0.5重量%モノエタノールアミン水溶液により現像してストライプパターンを形成、600℃で焼成した結果、パターン欠損のない良好な背面板が得られた。
比較例1
無機粉末として無機粉末II(70%)を、感光性有機成分としてポリマーI(15%)、モノマー(10%)(“アロニックスM245”東亞合成製)および光開始剤(0.5%)(“IC819”チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ製)、分散剤(0.3%)(“ノプコスパース”サンノプコ株式会社製)、溶剤(4%)(“ソルフィット”クラレ製)、p−メトキシフェノール(0.2%)を用い、厚み100μmのグリーンシートを得た。得られたシートで100μmのビアホールが形成できた。しかし、シートの透過率が低いため光硬化不十分でビアホールの形状が欠けていて悪い。
比較例2
無機粉末として無機粉末I(70%)を、感光性有機成分としてポリマーIII(15%)、モノマー(10%) (“アロニックスM245”東亞合成(株)製)および光開始剤(0.5%)(“IC819”チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ製)、分散剤(0.3%)(“ノプコスパース”サンノプコ(株)製)、溶剤(4%)(“ソルフィット”クラレ製)、p−メトキシフェノール(0.2%)を用い、厚み100μmのグリーンシートを得た。得られたシートは100μm、ビアホールは100μmのビアホールが形成できた。アルミナ拘束シートを用いて焼成した結果、多層白基板には亀裂や剥離が見られた。
Figure 2005202387

Claims (3)

  1. 無機粉末と感光性有機成分を必須成分とする感光性セラミックス組成物であって、無機粉末が平均粒子径500nm以下のアルミナ粉末を含有し、かつ感光性有機成分がTg−60℃〜30℃のポリマーを含有することを特徴とする感光性セラミックス組成物。
  2. Tgが−60℃〜30℃のポリマーを3重量%〜30重量%含有することを特徴とする請求項1記載の感光性セラミックス組成物。
  3. 平均粒子径500nm以下のアルミナ粉末を5重量%〜90重量%含有することを特徴とする請求項1記載の感光性セラミックス組成物。
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JP2008019336A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Taiyo Ink Mfg Ltd 光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板

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