JP2006083014A - セラミックス焼結体およびそれを用いたセラミックス多層基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光性セラミックス組成物を焼結する際、脱バインダー工程における反りを低減することを課題とする。
【解決手段】酸性基を有する重合体を含有する感光性有機成分と、ガラス成分およびセラミックス成分を含有する無機粉末と必須成分とする感光性セラミックス組成物を焼成して得られるセラミックス焼結体において、鉛の含有量が2.00重量%以下であり、アルカリ金属の含有量が0.85重量%以下であることを特徴とするセラミックス焼結体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感光性セラミックス組成物を焼成して得られるセラミックス焼結体に関する。本発明のセラミックス焼結体は、高周波無線用セラミックス多層基板などの回路材料などに用いられる。
携帯電話をはじめとする無線通信技術の普及が著しい。従来の携帯電話は800MHz〜1.5GHzの準マイクロ波帯を用いたものであったが、情報量の増大に伴い、搬送周波数をより高周波であるマイクロ波帯からミリ波帯とした無線技術が提案され、実現される状況にある。こうした高周波無線回路は、移動体通信やネットワーク機器としての応用が期待されており、中でもブルートゥース(Bluetooth)やITS(Intelligent Transport System,高度交通情報システム)での利用によってますます重要な技術となりつつある。
これらの高周波回路を実現するためには、そこで使用される基板材料も、当該使用周波数帯、すなわち、1〜100GHzで優れた高周波伝送特性をもつ必要がある。優れた高周波伝送特性を実現するためには、低誘電率でかつ誘電損失が低いこと、加工精度が高いこと、寸法安定性がよいことといった要件が必要であり、なかでもセラミックス基板が有望視されてきた。
これらのセラミックス基板には、低温焼成を実現するために無機成分にガラス成分とセラミックス成分が複合されたガラスセラミックスが用いられることが多く、融点を下げるためにガラス成分にアルカリ金属酸化物や酸化鉛を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、微細加工精度の高いセラミックス基板を得る方法として、感光性を付与したセラミックス組成物を用いてフォトリソグラフィー技術によるパターン形成を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、感光性セラミックス組成物におけるセラミックスの分散性を良くし、均一な寸法安定性に優れるセラミックス基板を得る目的で、有機バインダとして酸性基(例えば、カルボン酸)を有する重合体を用いることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、感光性セラミックス組成物を用いた場合、脱バインダー工程においてグリーンシートの反りが生じやすいという課題があった。特に、酸性基を有する重合体を含有する感光性樹脂組成物を用いた場合にはグリーンシートの反りが顕著になり、それにより積層体が剥離しやすいという課題があった。
特開平5−097470号公報 特開平6−202323号公報([0036]段〜[0040]段) 特開平8−133844号公報
本発明は、感光性セラミックス組成物を焼成して得られるセラミックス焼結体であって、脱バインダー工程における反りの低減されたセラミックス焼結体を提供することを課題とする。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討した結果、セラミックス焼結体中の鉛およびアルカリ金属含有量が、セラミックス焼結体の脱バインダー工程における反りに関与していることを見出し、発明を完成するに至った。すなわち、本発明は主として次の構成を有する。
酸性基を有する重合体を含有する感光性有機成分と、ガラス成分およびセラミックス成分を含有する無機粉末とを必須成分とする感光性セラミックス組成物を焼成して得られるセラミックス焼結体において、鉛の含有量が2.00重量%以下であり、アルカリ金属の含有量が0.85重量%以下であることを特徴とするセラミックス焼結体。
本発明によれば、脱バインダー工程における反りが低減され、寸法安定性に優れたセラミックス焼結体およびセラミックス基板を得ることができる。
本発明のセラミックス焼結体は、酸性基を有する重合体を含有する感光性有機成分と、ガラス成分およびセラミックス成分を含有する無機粉末とを必須成分とするものであり、鉛の含有量が2.00重量%以下であり、アルカリ金属の含有量が0.85重量%以下であることを特徴とするものである。
本発明における感光性有機成分とは、感光性セラミックス組成物中の有機成分の総体を指し、酸性基を有する重合体(以下、成分A1)を含有する。その他の成分としてエチレン性不飽和基含有化合物、光重合開始剤、分散剤、紫外線吸光剤、重合禁止剤、可塑剤などを含んでもよい。なお、本発明における感光性セラミックス組成物は、ペースト体として、塗布・積層に際して、好適に溶媒が用いられるものではあるが、以下の説明において感光性有機成分の組成に関するパラメータ(各成分の含有割合など)は、原則として溶媒成分を除外して算出されたものである。
本発明において酸性基とは、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基などが挙げられる。酸性基を有する重合体として、特に限定されるものではないが、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、セルロース系ポリマー(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)および種々のアクリルポリマーなどが挙げられる。酸性基を有する重合体を用いることで、無機粉末の分散性を向上させることができる。中でも、アルカリ水溶液での現像性の観点からカルボキシル基を有する重合体が好ましい。さらに、感光特性の観点から側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する重合体がより好ましい。
側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する重合体は例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルまたはこれらの酸無水物などのカルボキシル基含有モノマーおよび必要によりメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのモノマーを選択し、ラジカル重合開始剤を用いて重合または共重合させて重合体を得たのち、重合体中の活性水素含有基である水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させることにより得られるが、これらに限定されるものではない。グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジル、イソクロトン酸グリシジルなどがある。イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリロイルイソシアネート、メタアクリロイルイソシアネート、アクリロイルエチルイソシアネート、メタアクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、重合体中の活性水素含有基に対して0.05〜0.95モル当量付加させることが好ましい。活性水素含有基の全量を側鎖基の導入に利用することもできるが、重合体の酸価が好ましい範囲になるよう付加量を調整することが好ましい。
側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する重合体の酸価は50〜200mgKOH/gであることが好ましい。酸価を50mgKOH/g以上とすることで、未露光部の現像液に対する溶解性が低下することがなく、200mgKOH/g以下とすることで、現像許容幅を広くすることができる。また、焼成時の熱分解温度を低くできることから、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、アクリル酸、メタアクリル酸を共重合成分とする共重合体が好ましく用いられる。
成分A1の分子量は、好ましくは10000〜50000、より好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは20000〜30000である。前記範囲内であれば、柔軟性が良好で、かつ現像時の溶解性も良好である。分子量はGPCを用いて測定する。また成分A1のガラス転移点は120℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以下である。前記範囲内であれば、グリーンシートを柔軟に保つことができる。
成分A1の添加量は、感光性有機成分中の10〜80重量%であることが好ましい。前記数値範囲内であれば、パターン形成性並びに焼成時の焼け飛び性を両立させることができる。
本発明に用いられる感光性セラミックス組成物において、光によるパターン形成をより効果的に行うために、エチレン性不飽和基含有化合物(成分A2)を含有することが好ましい。成分A2の分子構造形態について、直鎖状、分枝状、環状、あるいはそれらの組み合わせなど、なんら限定されるものではないが、相溶性の点から直鎖状が好ましい。また1種類だけでなく必要に応じて数種類用いても良い。成分A2の分子量は好ましくは100〜100000、より好ましくは100〜50000、更に好ましくは300〜45000である。前記数値範囲内であれば、柔軟性が良好で、かつ現像時の溶解性も良好である。分子量はGPCを用いて測定する。
本発明における成分A2のエチレン性不飽和基は、架橋反応性を考慮すれば一般的に立体障害が小さく分子運動の自由度が大きい方が好ましい。従って、一置換ついで二置換が好ましい。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。特に、アクリロイル基やメタクリロイル基を有することが好ましい。
アクリロイル基やメタクリロイル基を有する化合物の具体例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド付加物のアクリレート、パラクミルフェノール−エチレンオキサイド付加物のアクリレート、ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物のアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレートおよびこれらのアクリレートの一部または全てをメタクリレートに代えたものなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
成分A2は、エチレン性不飽和基以外に有機基(結合)を有してもよい。そのような有機基(結合)の例としては、アルキレンオキサイド基、アルキル基、アリール基、アリーレン基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基、ウレタン結合などが例示できる。これらの中でも、相溶性の点からアルキレンオキサイド、特にエチレンオキサイドなどの極性基が好ましい。通常、本発明の成分A1のうち好ましく用いられる酸性基を有するアクリル系重合体と、成分A2とは、極性が異なる。しかしながら、成分A2に極性の高いエチレンオキサイドをさらに含有させることで、成分A1に近い極性を持つ部分を併せ持つことができ、成分A1と成分A2の相溶性を向上させることができる。そのような成分A2中のエチレンオキサイド含有量としては、成分A2中の8〜70重量%が好ましい。このような化合物の中でも、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを含む化合物は、焼け飛び性が良いため特に好ましい。成分A2の添加量は感光性有機成分中の20〜90重量%が好ましい。
感光性有機成分の相溶性はヘイズ値(曇値)で評価できる。感光性有機成分のヘイズ値は感光性有機成分をガラス基板に塗布、乾燥した後、ヘイズメーターによる測定によって得られる。この際の塗布膜厚は100μmである。本発明においてはヘイズ値は10以下が好ましい。前記範囲内においては相溶性が良好であり、光線の透過率が高いため、フォトリソ加工を効果的に行うことができる。
このような化合物を光反応性成分として用いることにより、感光性有機成分の相溶性を向上し、フォトリソ加工性を向上させることができる。
感光性有機成分に含有される成分A1、成分A2には、一般的に活性光線のエネルギーを吸収する能力は低いので、光反応を開始するためには、光重合開始剤を加えることが好ましい。また光重合開始剤の効果を補助するために増感剤を用いることがある。このような光重合開始剤には1分子系直接開裂型、イオン対間電子移動型、水素引き抜き型、2分子複合系など機構的に異なる種類があり、それらから選択して用いる。本発明に用いる光重合開始剤は、活性ラジカル種を発生するものが好ましい。光重合開始剤や増感剤は1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤の添加量は、感光性有機成分に対し0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、露光部の残存率を保ちつつ良好な光感度を得ることができる。
感光性セラミックス組成物中の感光性有機成分の添加量は10〜40重量%、さらには15〜35重量%であることが好ましい。前記範囲内であれば、グリーンシートの可撓性と通気性の両方の特性を満足させられる。
本発明に用いられる感光性セラミックス組成物は、上記感光性有機成分の他に無機粉末を必須成分とする。無機粉末はガラス成分とセラミック成分を含有する。本発明のセラミックス組成物に含有される無機粉末は焼成工程において焼結するものである。Cu、Ag、Auなどを配線導体として多層化した場合、600〜900℃での焼成が可能であることが好ましいので、いわゆる低温焼成無機粉末が好ましい。もちろん、これらの無機粉末が基板の電気的特性、強度、熱膨張係数などの基本物性を決めるものであるため、目的とする特性に応じて選択されるものである。
本発明のセラミックス焼結体は、鉛の含有量が2.00重量%以下であり、アルカリ金属の含有量が0.85重量%以下であることを特徴とする。本発明者らは、セラミックス焼結体中の鉛およびアルカリ金属の含有量が、脱バインダー工程におけるグリーンシートの反りに関与することを見いだした。鉛イオンやアルカリ金属イオンと酸性基を有する重合体(成分A1)とを組成物中に併用すると、熱などにより容易に反応が起こるためであると考えられる。本発明の含有量であれば上記の反応が起こりにくく、安定である。そのためアルカリ現像を可能にしながら脱バインダー時の反りが低減されたセラミック焼結体を得ることが可能となる。
なお、鉛およびアルカリ金属の含有量とは、焼成後のセラミックス焼結体に対する重量%をいう。鉛、アルカリ金属などの金属元素は原子吸光分析やICP発光分光分析などの手法を用いて測定する。
本発明における無機粉末は特に限定されるものではないが、融点を低下させ、低温での焼成を可能にするために、たとえば次のような態様が好ましく用いられる。ガラス成分30〜70重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、スピネル、フォルステライト、アノーサート、セルジアン、コーディエライト、および窒化アルミからなる群より選ばれた少なくとも1種類のセラミックス成分30〜70重量%との混合物であって、該ガラス成分の93重量%以上が、酸化物換算表記で、SiO45〜60重量%、Al0.1〜10重量%、B9〜24重量%、CaO2〜15重量%、MgO 0.1〜 12重量%、NaO0.1〜1.5重量%、ZrO 0.1〜5重量%、KO0.1〜1重量%、TiO 0.1〜5重量%の組成範囲からなる無機粉末である。
SiO2はネットワークフォーマであり、またεを低下させる成分である。前記範囲内であれば、焼結体の特性を望ましい範囲内とすることができるため好ましい。
Al23は、ガラスを安定化させ、また化学的耐久性を向上させる成分である。前記範囲内であればガラスが安定で、化学的耐久性も十分であるため好ましい。
23は、ガラス軟化点またはガラス溶融温度を低下させるための成分である。前記範囲内であればガラス溶融温度を下げられるため好ましい。
CaOは、ガラス溶融温度を低下させる成分である。前記範囲内であればガラス溶融温度を下げられるため好ましい。
MgOは、ガラスを安定化させ、またガラス溶融温度を低下させる成分であり、前記範囲内であればガラスが安定で、ガラス溶融温度も下げられるため好ましい。
TiO2およびZrO2は、ガラス溶融温度を低下させるために、または焼成時の結晶析出を促進するために、それぞれ5重量%までの範囲で含有してもよい。
またガラス溶融温度を低下させるために、Li2O、Na2OおよびK2Oなどのアルカリ金属酸化物を、セラミックス焼結体中の総アルカリ金属含有量が0.85重量%以下となる範囲で、PbOをセラミックス焼結体中に2.15重量%(鉛含有量が2.00重量%)以下となる範囲で含有してもよい。
本発明のガラスは本質的に上記成分からなるが、他の成分を本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。該「他の成分」の含有量の合計は、7重量%以下であることが好ましい。
前記「他の成分」として次のようなものが例示される。すなわち、ガラス溶融温度を低下させるためにZnO、Bi23、P25、Fなどを含有してもよい。また、ガラスを着色するために、Fe23、MnO、CuO、CoO、V25、Cr23などの着色成分を含有してもよい。
本発明において、セラミックス成分は基板の機械的強度の向上や熱膨張係数を制御するのに有効であり、特に、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、コーディエライトおよび窒化アルミはその効果が優れている。これらのセラミックス粉末の混合により、焼成温度を800〜900℃とし、強度、誘電率、熱膨張係数、焼結密度、体積固有抵抗、収縮率を所望の特性とすることができる。
これらのセラミックス粉末は、平均粒子径が0.01μm以上0.5μm以下であると、光透過率が高く、良好なフォトリソ加工性が得られるため好ましい。
感光性セラミックス組成物中の無機粉末の添加量は60〜90重量%、さらには65〜85重量%であることが好ましい。前記範囲内であれば、グリーンシートの可撓性と通気性の両方の特性を満足させられる。
感光性セラミックス組成物においてパターン形成性を高いレベルに保持するためには、無機粉末と感光性有機成分との屈折率を整合させることが好ましい。無機粉末の屈折率は組成の配合比で制御することが可能であり、配合する感光性有機成分の平均屈折率との整合をとるように配慮することが好ましい。無機粉末の屈折率をN1、感光性有機成分の屈折率をN2としたとき|N1−N2|<0.15となるように整合させることが好ましい。
本発明において、グリーンシートの反りを評価するため反り率を次のように定義する。一辺の長さが126mmの正方形で、膜厚100μmのグリーンシートを、2.5℃/分の昇温レートにて室温から400℃まで焼成した後、水平な台においたときの台からの最大反り量をd(mm)とした場合、反り率はd/126×100であらわされる。
反り率の測定に用いるグリーンシートは、感光性セラミックス組成物をグリーンシートに加工した後、最適露光量の活性光線を照射し、70〜90℃で10〜20分間乾燥することにより作製できる。最適露光量とは、ビアホール形成に適した露光量をいう。
感光性セラミックス組成物は、グリーンシートに加工された後、光硬化と現像によるビアホール形成工程、導体形成工程などを経た後、積層されて焼成され、多層セラミックス基板を構成する。
本発明に用いられる感光性セラミックス組成物は次のようにして調製することができる。まず感光性有機成分である酸性基を有する重合体、必要に応じてエチレン性不飽和基を有する化合物や、光重合開始剤、溶媒や各種添加剤などを混合した後、濾過し、有機ビヒクルを作製する。これに、必要に応じて前処理された無機粉末を添加し、ボールミルなどの混練機で均質に混合・分散して感光性セラミックス組成物のスラリーまたはペーストを作製する。このスラリーまたはペーストの粘度は無機粉末と感光性有機成分の配合比、有機溶媒の量、可塑剤その他の添加剤の添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は1〜5Pa・sが好ましい。スラリーもしくはペーストを構成する際に用いる溶媒は、有機成分を溶解し得るものであればよい。例えば、メチルセルソルブ、エチルセルソブル、ブチルセルソブル、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、3−メチルメトキシブタノール、トルエン、トリクロロエチレン、メチルイソブチルケトン、イソフォロンなどや、これらのうち1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。なお、前記溶媒がペーストに含まれる量は目的用途に応じて様々であり、前記粘度範囲となるならば、なんら制限されるものではないが、例えば、塗布段階においては、ペースト(無機粉末を除く)中に10〜30重量%含まれていることが好ましい。
得られたペーストをドクターブレード法、押し出し成形法などの一般的な方法でポリエステルなどのフィルム上に厚さ0.05〜0.5mmに連続的に成形し、溶媒を乾燥除去することにより、感光性セラミックス組成物からなるグリーンシートが得られる。この段階で、グリーンシート中の溶媒含有量はほぼ0重量%とすることが好適である。
ビアホールは、グリーンシートに対して、ビアホール形成用パターンを有するフォトマスクを通したパターン露光を行い、アルカリ水溶液で現像することによって形成される。露光に用いる光源は超高圧水銀灯が特に好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。露光条件はグリーンシートの厚みによって異なり、5〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて5秒〜30分間露光を行う。なおビアホール形成と同じ手法でグリーンシート積層時のアライメント用ガイド孔を形成しておくことができる。
本発明において、感光性セラミックス組成物の感光性有機成分には、酸性基を有する重合体が含有されているので、アルカリ水溶液で現像することができる。アルカリ水溶液としては、ナトリウムやカリウムなどの金属アルカリ水溶液、有機アルカリ水溶液が使用できる。その場合のアルカリ水溶液の濃度は通常0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパターンを剥離させたり、侵食したりするおそれがある。現像時の現像液温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。現像方法としては、一般的な浸漬法、スプレー法が用いられる。また、超音波を併用して現像時間の短縮や現像ムラの減少化を図る方法もある。
このようにして、焼成前の厚みが10〜500μm、最密なビアホールパターン部分がビアホール直径20〜200μm、ビアホールピッチ30〜250μmのグリーンシートを作製することができる。
次に得られたグリーンシートに対し、導体や抵抗体ペーストなどを用いて、ビアホールの穴埋め、配線の形成など、必要とされるパターンを形成する。配線はスクリーン印刷機などにより印刷で形成してもよいし、感光性導体ペーストを用いてフォトリソ加工で形成してもよい。
複数のグリーンシートからなる多層シートを作製する場合は、必要な枚数の配線パターンの形成されたグリーンシートをガイド孔を用いて積み重ね、80〜150℃の温度で5〜25MPaの圧力で接着する。
感光性セラミックス組成物から形成されたグリーンシートの焼成を行う場合、グリーンシートの上面および下面に難焼結性のセラミックスシートを積層して焼成してもよい。複数のグリーンシートからなる多層シートを焼成する場合は、多層シートの両面に難焼結性のセラミックスシートを積層して焼成してもよい。
難焼結性のセラミックスとは、基板焼結温度では焼結しないセラミックス粉末で、アモルファスシリカ、石英、アルミナ、マグネシア、ヘマタイト、チタン酸バリウムおよび窒化硼素などから選択して用いることができる。これらの材料から得られるシートは、ダミー用グリーンシートまたは拘束シートなどと称せられる。このシートには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムなどの酸化剤やガラス・セラミックスグリーンシートとの密着性改良剤となる酸化物粉末が1〜5重量%添加されることが好ましい。このような難焼結性のセラミックスシートの例としては、アルミナ粉末にポリビニルブチラール、アクリル共重合体などの有機バインダー、ジオクチルフタレートなどの可塑剤、適当な酸化物、有機溶媒などを加えて、ドクターブレード法によってシート状に形成したものをあげることができる。
グリーンシートの両面に拘束シートを配置した状態での焼成により、X−Y平面方向の収縮は制限されるが、組成物の成分や配合組成、焼成時の諸条件により不可避の収縮が存在する。収縮率を1%以下に抑制できるならば、ほぼ無収縮を達成したものと考えることができる。このような条件はスクリーン印刷などで形成した塗布膜にも適用(セラミックスなどよりなる基板にセラミックス組成物のペーストを塗布する手法であり、一般的には、前記基板はそのまま残り完成品の一部を構成する)することが可能であり、塗布膜の場合には、膜の下面には既に基板が存在しているので、膜の上面に拘束シートを配した状態で実施することができる。
焼成は焼成炉において行う。焼成雰囲気や温度はセラミックス組成物中の無機粉末や有機成分の種類によって異なるが、空気中、窒素雰囲気中、または水素還元雰囲気中で焼成する。本発明の感光性セラミックス組成物の焼成はまず室温〜600℃の有機物を分解、飛散させる工程(脱バインダー工程)を経たのち、600〜950℃の温度で焼結を行う。このようにして得られたセラミックス多層基板は高周波回路用基板として用いられる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、濃度(%)は特に断らない限り重量%である。実施例に用いた有機成分および感光性有機成分および無機粉末は次の通りである。
A.感光性有機成分
モノマーI(成分A2):ポリエチレングリコールジアクリレート(“M−245”:東亞合成(株)製)
モノマーII(成分A2):ウレタンアクリレート“UV6100B”(日本合成化学工業(株)製)
重合体I(成分A1):エチルアクリレート35%、2−エチルヘキシルアクリレート35%およびメタクリル酸30%からなる共重合体。重量平均分子量25000、酸価160
重合体II(成分A1):ヒドロキシプロピルセルロース3.0〜5.9(和光純薬工業(株)製)重量平均分子量30,000〜70,000
重合体III(成分A1):スチレン30%、メチルメタクリレート30%およびメタクリル酸40%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応したもの。重量平均分子量30000、酸価110(75℃に保った溶媒中にスチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アゾイソブチロニトリルを溶解したものをゆっくり滴下、5時間反応後、グリシジルメタクリレート、テトラブチルアンモニウムクロライド、p−メトキシフェノールを溶解したものをゆっくり滴下、3時間反応して得られる。)
重合体IV(成分A1):ダイセルUCB(株)製“サイクロマーP(ACA)250”(メタクリル酸とメチルメタクリレートとの共重合体に3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートを付加反応して得られたもの)、重量平均分子量10000、酸価75
光重合開始剤:2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1(“イルガキュア369”チバ・スペシャリティケミカルズ製)
紫外線吸光剤:スダンIV(東京化成工業(株)製)
重合禁止剤:p−メトキシフェノール(和光純薬工業(株)製)
可塑剤:ジブチルフタレート(和光純薬工業(株)製)
B.無機粉末
無機粉末I:
アルミナ粉末50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:SiO(53.8%)、Al(3.4%)、B(16.7%)、CaO(8.2%)、MgO(5.0%)、NaO(1.0%)、ZrO(2.3%)、KO(0.8%)、TiO(1.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点630℃、平均粒子径2μm
無機粉末II:
アルミナ粉末40%+ガラス粉末60%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径37nm
上記ガラス粉末の組成:SiO(53.8%)、Al(3.4%)、B(16.7%)、CaO(8.2%)、MgO(5.0%)、NaO(1.0%)、ZrO(2.3%)、KO(0.8%)、TiO(1.8%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点630℃、平均粒子径2μm
無機粉末III:
アルミナ粉末50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:SiO(38.2%)、Al(34.5%)、B(9.2%)、CaO(4.4%)、MgO(4.8%)、NaO(0.1%)、KO(0.2%)、TiO(0.6%)、ZnO(2.1%)、BaO(5.1%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点687℃、平均粒子径2μm
無機粉末IV:
アルミナ粉末45%+ガラス粉末55%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径37nm
上記ガラス粉末の組成:SiO(38.2%)、Al(34.5%)、B(9.2%)、CaO(4.4%)、MgO(4.8%)、NaO(0.1%)、KO(0.2%)、TiO(0.6%)、ZnO(2.1%)、BaO(5.1%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点687℃、平均粒子径2μm
無機粉末V:
アルミナ粉末55%+ガラス粉末45%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:SiO(60.0%)、B(5.8%)、CaO(7.5%)、MgO(3.0%)、NaO(3.15%)、KO(2%)、 PbO(17.5%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点565℃、平均粒子径2μm
無機粉末VI:
アルミナ粉末50%+ガラス粉末50%の複合セラミックス
上記アルミナ粉末の特性:平均粒子径2μm
上記ガラス粉末の組成:SiO(42.76%)、Al(25.38%)、B(9.2%)、CaO(4.4%)、MgO(4.8%)、NaO(0.1%)、KO(0.2%)、PbO(4.56%)、TiO(0.6%)、ZnO(2.1%)、BaO(5.1%)
上記ガラス粉末の特性:ガラス転移点600℃、平均粒子径2μm
C.現像液
現像液I:炭酸ナトリウム1.5%水溶液
D.有機ビヒクルの作製
溶媒およびポリマーを混合し、撹拌しながら60℃に加熱し、すべてのポリマーを溶解させた。溶液を室温まで冷却し、モノマー、光重合開始剤を加えて溶解させた。その溶液を真空脱泡した後、250メッシュのフィルターで濾過し、有機ビヒクルを作製した。
E.ペースト調製
上記の有機ビヒクルに無機粉末を混合し、ボールミルで20時間湿式混合しスラリーまたはペーストとした。
F.グリーンシートの作製
紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリアフィルムとブレードとの間隔を0.1〜0.8mmとし、成形速度0.2m/分でドクターブレード法によってグリーンシートを作製した。グリーンシートの厚みは100μmであった。
G.ビアホ−ルの形成
グリーンシートを一辺の長さが126mmの正方形に切断した後、温度80℃で1時間乾燥し、溶媒を蒸発させた。ビア径50〜150μm、ビアホールピッチ500μmのクロムマスクを用いて、グリーンシートの上面から15〜25mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いてグリーンシートとマスクの間を密着条件下で、1分間パターン露光した。次に、25℃に保持した現像液により現像し、その後、スプレーを用いてビアホールを水洗浄した。
H.反り率の測定
一辺の長さが126mmの正方形、膜厚100μmのグリーンシートを、400℃にて焼成した後、水平な台において平面からの最大反り量d(mm)を計測し、算出式反り率(%)=d/126×100にて算出した。反り率が10%以下の場合を○、10%を越える場合を×として判定した。
I.鉛およびアルカリ金属の含有量の測定
セラミックス焼結体(100mg)を硝酸、フッ化水素酸、過塩素酸を用いて加熱分解し、濾過後、濾液を定容した。原子吸光法でアルカリ金属を定量し、ICP発光分光分析法で鉛を定量した。その値を試料中の濃度に換算した。
J.焼成に用いる拘束シートの作製
アルミナ粉末にポリビニルブチラール、ジオクチルフタレート、有機溶媒など加えて、ドクターブレード法によってシート状に作製したものを用いた。
K.多層基板の作製
本発明の感光性セラミックス組成物からなるグリーンシートを5〜6枚積層し、上下に無収縮焼成のための拘束シートを配置し、90℃でプレス圧力15MPaにて熱圧着した。得られた多層体を空気中で、900℃の温度で30分間焼成して、多層基板を作製した。焼成収縮率(%)はX−Y面方向で測定した。
実施例1
無機粉末として無機粉末I(80%)を、感光性有機成分として重合体I(12%)、モノマーI(4%)、モノマーII(2%)紫外線吸光剤(0.02%)、重合禁止剤(0.18%)を用い、厚み150μmのグリーンシートを得た。グリーンシートを焼成して得られた焼結体の鉛の含有量は0重量%、アルカリ金属の含有量は0.35重量%であった。加工可能なビアホールの径は130μmであった。反り率を測定したところ0.3%であった。また焼成収縮率は0.8%であった。
実施例2
無機粉末として無機粉末I(80%)を、有機成分として重合体II(12%)、モノマーI(4%)、モノマーII(2%)紫外線吸光剤(0.02%)、重合禁止剤(0.18%)を用い、厚み150μmのグリーンシートを得た。焼結体の鉛の含有量は0重量%、アルカリ金属の含有量は0.35重量%であった。加工可能なビアホールの径は150μmであった。反り率は0.2%、焼成収縮率は0.8%であった。
実施例3
無機粉末として無機粉末I(80%)を、感光性有機成分として重合体III(12%)、モノマーI(4%)、モノマーII(2%)および光重合開始剤(1.8%)、紫外線吸光剤(0.02%)、重合禁止剤(0.18%)を用い、厚み150μmのグリーンシートを得た。焼結体の鉛の含有量は0重量%、アルカリ金属の含有量は0.35重量%であった。加工可能なビアホールの径は110μmであった。反り率は3%、焼成収縮率は0.8%であった。
実施例4〜10
表1に示す成分を用いて実施例4の操作を繰り返した。その結果を表1に示した。いずれの実施例においても反り率は小さかった。
比較例1〜3
無機粉末として無機粉末V(80%)または無機粉末VI(80%)を用いた以外は実施例1と同じ操作を繰り返した。その結果を表1に示す。グリーンシートの反り率は10%以上であった。アルミナ拘束シートを用いて焼成したところ、拘束シートの剥離が生じ無収縮焼成できなかった。
Figure 2006083014

Claims (6)

  1. 酸性基を有する重合体を含有する感光性有機成分と、ガラス成分およびセラミックス成分を含有する無機粉末とを必須成分とする感光性セラミックス組成物を焼成して得られるセラミックス焼結体において、鉛の含有量が2.00重量%以下であり、アルカリ金属の含有量が0.85重量%以下であることを特徴とするセラミックス焼結体。
  2. 酸性基がカルボキシル基を含有することを特徴とする請求項1記載のセラミックス焼結体。
  3. 感光性有機成分が、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する重合体および/またはエチレン性不飽和基含有化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のセラミックス焼結体。
  4. 無機粉末が、ガラス成分30〜70重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、スピネル、フォルステライト、アノーサート、セルジアン、コーディエライトおよび窒化アルミからなる群より選ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末30〜70重量%との混合物であって、該ガラス成分の93重量%以上が、酸化物換算表記で、SiO45〜60重量%、Al0.1〜10重量%、B9〜24重量%、CaO 2〜15重量%、MgO0.1〜 12重量%、NaO 0.1〜1.5重量%、ZrO 0.1〜5重量%、KO0.1〜1重量%、TiO 0.1〜5重量%の組成範囲からなることを特徴とする請求項1記載のセラミックス焼結体。
  5. セラミックス成分がアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、スピネル、フォルステライト、アノーサート、セルジアン、コーディエライトおよび窒化アルミからなる群より選ばれた少なくとも1種類のセラミックス粉末からなり、該セラミックス粉末の平均粒子径が0.01μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス焼結体。
  6. 請求項1記載のセラミックス焼結体を用いたセラミックス多層基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5633707B2 (ja) * 2009-08-18 2014-12-03 株式会社村田製作所 ガラスセラミック組成物、セラミックグリーンシートおよび多層セラミック基板
JP2016040215A (ja) * 2014-08-13 2016-03-24 日本特殊陶業株式会社 セラミック成形体の製造方法
WO2019012929A1 (ja) * 2017-07-12 2019-01-17 株式会社村田製作所 複合配線基板及びプローブカード

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