JP2003052539A - 電気湯沸かし器 - Google Patents

電気湯沸かし器

Info

Publication number
JP2003052539A
JP2003052539A JP2001240811A JP2001240811A JP2003052539A JP 2003052539 A JP2003052539 A JP 2003052539A JP 2001240811 A JP2001240811 A JP 2001240811A JP 2001240811 A JP2001240811 A JP 2001240811A JP 2003052539 A JP2003052539 A JP 2003052539A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
heating
printing
insulating layer
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001240811A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3578123B2 (ja
Inventor
Haruo Ishikawa
春生 石川
Hideaki Kobayashi
英明 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001240811A priority Critical patent/JP3578123B2/ja
Publication of JP2003052539A publication Critical patent/JP2003052539A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3578123B2 publication Critical patent/JP3578123B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Cookers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気湯沸かし器において、加熱レスポンス性
能と温度制御性能の向上をはかるとともに、熱伝導率を
高めることが課題である。 【解決手段】 貯湯用の容器20の底部23下面に印刷
で加熱部30を形成するとともに、容器20の底部23
には加熱部30を中央部とその外周部に区分する位置に
凹部26を設けた電気湯沸かし器とすることで、加熱レ
スポンス性能と温度制御性能の向上をはかり、同時に加
熱部の熱容量を小さくし熱伝導の良い安定した性能を加
工上も問題なく得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として一般家庭ま
たは事務所等で使用される電気湯沸かし器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の電気湯沸かし器を図4及
び図5に基づいて説明する。図において1は上部を開口
した貯湯用の容器であり、ステンレス鋼板等を絞り加工
または溶接加工等で形成されている。2は容器1の底部
下面に内方に向かって形成された凹部である。3は凹部
2の内側に収納される加熱装置である。加熱装置3は、
容器1側つまり上側から集成マイカを打ち抜いて形成さ
れた第1の絶縁物5、ステンレス鋼板を打ち抜いて形成
して約1000ワットの消費電力がある湯沸かし電熱線
5、集成マイカで形成した第2の絶縁物6、ステンレス
鋼板を打ち抜いて形成した約100ワットの消費電力が
ある保温電熱線7、集成マイカで形成された第3の絶縁
物8で構成されている。9はアルミ鍍金鋼板等をプレス
加工して形成したシーム板で、容器1の底部側から抵抗
溶接で外周と中央付近とを溶接して、加熱装置3を凹部
2に収納して下方から凹部2に圧接している。
【0003】10は加熱装置3への通電を制御する制御
回路であり、上下に分割できる防水ケースに収納されて
容器1の下方に位置している。11は容器1の下に位置
して一端を容器1の底部に連通し、他端を給湯口12に
連通した送水装置である遠心ポンプである。13は凹部
2の中央下面に備えられたサーミスタで形成された温度
検知素子であり、凹部2を介して容器1内の温度を検知
する。14は上記各部をカバーした外装体である。15
は湯沸かし器の蓋である。
【0004】以上の構成において、水を容器1に所定量
入れ、加熱装置3に通電すると、制御回路10の制御に
より、湯沸かし時には湯沸かし電熱線5と保温電熱線7
に通電して合計1100ワットの電力で湯沸かしする。
加熱装置3で発生した熱は容器1の凹部2を通って容器
1内の水を加熱する。このとき湯沸かし電熱線5の温度
は約500度に達しており、またシーム板9の温度は約
250度に達している。温度検知素子13は容器1内の
湯温を検知し、やがて温度検知素子13が沸騰を検知し
て制御回路10は湯沸かし電熱線5への通電を停止す
る。湯沸かし電熱線5への通電を断電した直後は、加熱
装置3とシーム板9の温度が100度以上であるので、
数十秒間は容器1底面の凹部2の各部から蒸気の気泡が
発生し続ける。やがて加熱装置3とシーム板9の温度が
100度以下になると、蒸気の気泡の発生が停止する。
以降は制御回路10が保温電熱線7への通電を制御して
容器1内の湯温を約95度に維持する。このとき制御回
路10はまず温度検知素子13の温度を信号として入力
し、保温電熱線7へ通電するが、通電当初は加熱装置3
全体を加熱して温度上昇させる必要があり、やがて加熱
装置3全体が加熱されると、次に凹部2を通して容器1
内の湯を加熱することとなる。このときシーム板9の温
度は約110度である。
【0005】なお、湯沸かし時も保温時も加熱装置3へ
通電しているときは、シーム板9下面から輻射熱を放出
していることとなる。
【0006】湯を所望のときは、操作部(図示せず)か
ら遠心ポンプ11を駆動して昇水し給湯口12を介して
給湯するものである。湯が少なくなると蓋15を開き、
所望の水を容器1内に注水すると、制御回路10が温度
検知素子13で湯温を検知して前述のようにして湯を沸
かしてから保温するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の構成では、第1に、加熱装置3の熱容量
(ヒートマス)が大きく加熱レスポンスが遅く、また、
温度検知素子13で湯温を検知して制御回路10で加熱
装置3へ通電して湯温を制御するときの通電と、湯温上
昇の時間のずれが大きく制御しにくい。第2に、湯沸か
し中や保温時に加熱装置3へ通電すると、シーム板9の
温度が湯沸かし時には約250度になり、保温時には1
00度以上になり、容器1の底部近傍に配置した部品を
より耐熱の高い材料で形成するか、加熱装置3から距離
をおいて配置させる必要がある。第3に、加熱装置3へ
通電しているときは、シーム板9から下方に熱が輻射に
より放散して熱効率が悪い。第4に、加熱装置3を構成
する第1の絶縁物4と、第2の絶縁物6と、第3の絶縁
物8と、湯沸かし電熱線5と、保温電熱線7の各部品を
別々に加工する必要がある。
【0008】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、加熱時のレスポンス性能と温度制御性能を向上させ
るとともに、熱伝導率を高めることにより加熱装置周辺
の温度上昇を抑え、かつ加工上の問題もなくした電気湯
沸かし器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電気湯沸かし器は、貯湯用の容器の底部下面
の加熱部を、印刷で形成した第1の絶縁層と、第1の絶
縁層上に印刷で形成した電気抵抗体層と、前記第1の絶
縁層と電気抵抗体層上に印刷で形成した第2の絶縁層と
により構成し、容器の底部には加熱部を中央部とその外
周部に区分する位置に凹部を設けたものである。
【0010】これによって、加熱部の熱容量が小さく加
熱時のレスポンス性能と温度制御性能を向上させるとと
もに、熱伝導率を高めて加熱部の温度上昇を抑え周辺に
配置する部品の温度を低下させ、また、加熱部を構成す
る部品点数を低下させて加工上もすぐれたものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の本発明は、貯湯
用の容器と、この容器の底部下面に印刷で形成した第1
の絶縁層と第1の絶縁層上に印刷で形成した電気抵抗体
層と前記第1の絶縁層と電気抵抗体層上に印刷で形成し
た第2の絶縁層とを備えた加熱部と、前記電気抵抗体層
に電気的に接続した端子とを備え、前記容器の底部には
加熱部を中央部とその外周部に区分する位置に凹部を設
けた電気湯沸かし器とすることにより、加熱部の熱容量
が小さく加熱時のレスポンス性能と温度制御性能を向上
させるとともに、熱伝導率を高めて加熱部の温度上昇を
抑え周辺に配置する部品の温度を低下させ、また、加熱
部を構成する部品点数を少なくし加工上もすぐれたもの
となる。
【0012】請求項2記載の発明は、容器の底部は略球
面状に湾曲させた電気湯沸かし器とすることにより、容
器の底部は必ず凸方向となるため、底部の印刷面の寸法
が安定化し、熱変形が一方向となり熱による底部のそり
などの寸法変化を小さくでき、容器底部の肉厚も薄くで
き熱効率を向上させることもできる。
【0013】請求項3記載の発明は、容器の底部に設け
た凹部は環状に形成し、少なくとも1カ所は加熱部の中
央部と外周部とを同一面で結ぶようにした電気湯沸かし
器とすることにより、中央部と外周部の加熱部が電気的
に連続接続となり、端子などの接続を少なくできて、電
気的に安定させることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1、図
2、図3を参照しながら説明する。図において、20は
貯湯用の容器で、上部を開口し上端全周に水平方向にフ
ランジ21を設けた円筒状の側壁22と底部23から構
成されている。底部23は、実際には、側壁22下端に
下方から圧入して外周を側壁22と水密的に溶接してい
るものである。24は底部23から一段下方に凸になる
ように絞り加工で形成された段部である。段部24は相
対する2カ所に平行な直線の段部である直線部25を絞
り加工で形成し、他の部分は底部23の外周からほぼ均
等な距離で絞り加工されている。段部24は全体として
は平面形状が小判形をしている。本実施例では、段部2
4は平面ではなく、略球面状に湾曲させた形状をしてい
る。すなわち、容器20の底部23の中央部が一番深い
絞り加工になるように下方に凸な形状をしているが、平
面形状であってもよい。また、段部24の面には、凹部
26が段部24を内側と外側に区分けする位置に環状に
配置してあり、凹部26は少なくとも1カ所が切れてい
て、前記段部24の内側と外側とを結ぶ面を形成してあ
る。
【0015】なお、段部24は実施例では底部23から
下方に凸になるように形成されているが、逆向きに凸と
して略球面状に湾曲させた形状に形成してもよい。また
凹部26は、実施例では段部24の下面から容器20内
側に向かって凸となるように形成されているが、これも
逆向きに形成しても構わない。そしてまた、段部24と
凹部26の向きは適宜の組み合わせが考えられるもので
ある。
【0016】27は段部24の外周近傍に穴を開けてス
テンレスパイプを咬めて水密的に形成した流出口であ
り、遠心ポンプ28に連通し、昇水パイプ28aを通し
て容器20内の湯を抽出するようになっている。流出口
27は底部23と別部品とすることで、流出口27の取
付加工を任意の行程で行うことができるようにしてい
る。
【0017】29は底部23下面、すなわち段部24下
面の凹部26を除くほぼ全面にあたる印刷面であり、こ
こに加熱部30が印刷形成される。
【0018】加熱部30は以下のような構造になってい
る。まず印刷面29全面に無機質であるガラスを主成分
とする絶縁物を3層のシルク印刷で約50マイクロメー
トルから約200マイクロメートルに積層して第1の絶
縁層31を形成する。この第1の絶縁層31の厚みは定
格電圧や必要とする絶縁耐力によって印刷回数や印刷時
のインクの濃度を調節して所望の厚さにする。印刷状態
のまま電気炉で約10分間約800度で焼結する。する
とステンレス鋼板(JIS規格のSUS444相当)の
線膨張係数10.5〜11.9×10のマイナス6乗と
ほぼ同じ膨張係数の第1の絶縁層31が完成する。この
時、約800℃まで加熱するため、段部24の印刷面2
9の熱ひずみを少なくすることが重要となってくる。し
かし、凹部26が、段部24全体が膨張する熱応力の吸
収方向に配置してあり、熱ひずみを少なくして安定した
加工ができる。
【0019】次に図3に示しているように、第1の絶縁
層31上に、金属酸化物を主成分とする適度な電気抵抗
を持った抵抗体を含んだインクで電気抵抗体層32をシ
ルク印刷で形成する。電気抵抗体層32は、肉厚により
抵抗値がバラツキ、入力(W)も比例してバラツキ、製
品上の大きな課題となるため、シルク印刷の印刷肉厚バ
ラツキを少なくする。その大きな要因となる、段部24
の印刷面29の寸法安定性が重要となるが、凹部26の
プレス加工による寸法決め押しにより、寸法バラツキの
少ない安定した印刷面29としている。電気抵抗体層3
2の印刷パターンは、底部23の中央部と外周部にそれ
ぞれ幅広の湯沸かし回路32aと、湯沸かし回路32b
を設け、その間には幅の狭い保温回路32cを同心円状
に形成している。
【0020】また湯沸かし回路32a、32bと保温回
路32cは、共通端子33に一端を接続して他端はそれ
ぞれ湯沸かし端子34と保温端子35と接続している。
そして、湯沸かし回路32a、32b、保温回路32
c、共通端子33、湯沸かし端子34及び保温端子35
は、電気炉内で約10分間約800℃で焼成することに
より、これらにより電気抵抗体層32を形成している。
なお、凹部26は、加熱部30を中央部とその外周部
に、すなわち湯沸かし回路32a及び保温回路32c
と、湯沸かし回路32bに区分けする位置に設けてあ
り、湯沸かしの高加熱による熱応力を分散させている。
また、凹部26は、環状の少なくとも1カ所が切れてい
て、加熱部30の中央部と外周部とを同一面で結ぶ面を
形成してあるため、加熱部30が電気的に連続接続とな
っている。
【0021】次に、共通端子33と湯沸かし端子34と
保温端子35を銀を主成分とする銀ろう付け加工を表面
に施す。同心円状の電気抵抗体層32を中心から放射状
方向に接続するのは、共通端子33と湯沸かし端子34
と保温端子35と同じ銀を主成分とする銀ろう材36で
ある。これも銀ろう材36をシルク印刷してから電気炉
で焼結して形成する。
【0022】次に、第1の絶縁層31の範囲から共通端
子33と湯沸かし端子34と保温端子35を除く範囲を
無機質であるガラスを主成分とする絶縁物を1層にシル
ク印刷で約20マイクロメートルの厚さに積層して第2
の絶縁層37を形成する。この第2の絶縁層37の厚み
は定格電圧や必要とする絶縁耐力によって印刷回数や印
刷時のインクの濃度を調節して所望の厚さにする。印刷
状態のまま電気炉で約10分約800℃で焼結する。す
るとステンレス鋼板(JIS規格のSUS444相当)
の線膨張係数10.5〜11.9×10のマイナス6乗
とほぼ同じ膨張係数の第2の絶縁層37が完成する。
【0023】以上の第1の絶縁層31と電気抵抗体層3
2と第2の絶縁層37とで加熱部30が形成されてい
る。
【0024】38は共通端子33と湯沸かし端子34と
保温端子35とに銀ろう付けで接続された金属製の端子
であり、黄銅にスズ鍍金を施した材料または鉄にニッケ
ル鍍金を施した材料をプレス加工で打ち抜いて形成して
いる。
【0025】39は容器20の底部23で段部24の直
線部25近傍に溶接して固定された一対の取付具であ
る。取付具39は下端にねじ穴40が設けてあり、止め
ねじ42で湯沸かし器の外装体41下部を固定してい
る。外装体41の上部は実質的に容器20のフランジ2
1の下面に押し当てられている。ここで、取付具39を
底部23に溶接するのは、外装体41の底板42と容器
20の底部23間に形成される空間に、制御回路43を
内蔵した防水ケース44を収納するからである。また取
付具39は外装体41を締め付けて固定するので、締め
付けによる応力を底部23に加えることとなるが、その
応力を印刷面29に伝わりにくくするためである。印刷
面29には焼結した加熱部30が固着しているので、こ
れに応力が加わらないようにすることが重要である。
【0026】45は底部23の中央下面に備えられたサ
ーミスタで形成された温度検知素子であり、底部23下
面を介して容器20内の温度を検知する。46は加熱部
30の外側に位置して設けた断熱材であり、ガラス繊
維、発泡シリコンゴム、熱変形温度が200度以上の熱
可塑性樹脂の発泡材、無機質材料の積層材等で形成さ
れ、遮熱機能を兼ね備えた保持板47にて保持されてい
る。48は湯沸かし器の蓋である。
【0027】以上のように構成された電気湯沸かし器に
ついてその動作を説明する。湯沸かし制御、ポンプによ
る給湯等、基本的な動作は従来の技術の動作と同じであ
るので、詳細は省略する。
【0028】湯沸かし時には、制御回路43が温度検知
素子45からの信号で容器20内の水温を検知して湯沸
かしモードに入り、湯沸かし回路32a、32bと保温
回路32cに通電する。湯沸かし回路32a、32bと
保温回路32cはジュール熱により発熱して約150度
の温度になり、第1の絶縁層31と第2の絶縁層37に
熱が伝導する。したがって、第1の絶縁層31から容器
20の底部23を介して容器20内の水を加熱する。こ
こで、第1の絶縁層31は底部23と電気抵抗体層32
とにそれぞれ焼結で密着しているので熱伝導が非常にす
ぐれており、発熱した熱が電気抵抗体層32に滞留する
ことなく容器20内の水を加熱することとなる。この状
態で湯沸かしが進行する。
【0029】また、電気抵抗体層32が通電とともに急
激に温度上昇するので熱膨張係数に見合う膨張が発生す
る。温度上昇は急激で局部的な発生であり、電気抵抗体
層32が熱膨張する瞬間はまだステンレス鋼板で形成さ
れた底部23は温度上昇していないので、電気抵抗体層
32と底部23の層状構成においてバイメタルのような
挙動をする。その熱応力を湯沸かし回路32a、32b
を区分けした位置に凹部26を配置したため、凹部26
の内側の加熱と外側の加熱の熱応力を分散させる働きを
行っている。また、印刷面29は熱膨張による応力をそ
の曲率がわずかに変化することで吸収してしまう。印刷
面29の熱膨張による曲率の変化は底部23の取付具3
9には伝わらないために、外装体41の締め付け寸法に
は影響しない。印刷面29の熱膨張による変化はそれ以
外の部品へ応力の影響を与えないこととなる。
【0030】やがて容器20内の水は沸騰する。温度検
知素子45が約100度の沸騰温度または温度上昇が停
止して一定温度になったことを検知して制御回路43が
湯沸かし回路32a、32bと保温回路32cの通電を
停止する。このとき電気抵抗体層32と第1の絶縁層3
1および第2の絶縁層37は熱容量(ヒートマス)が小
さく温度上昇も比較的少ない上に、前述のように電気抵
抗体層32と第1の絶縁層31と底部23はそれぞれ焼
結で熱伝導が良いため、通電を停止して1秒程度で底部
23からの沸騰時の蒸気の泡は発生しなくなる。これに
より沸騰直後に遠心ポンプ28を作動させても泡を巻き
込んで給湯能力が低下することはない。
【0031】以上のように実施例によれば、第1に、電
気抵抗体層32と絶縁層31と第2の絶縁層37のトー
タルの熱容量が非常に小さいので、加熱時のレスポンス
が良く温度制御しやすく、熱効率も高くなる。第2に、
電気抵抗体層32は薄くて熱伝導度が高いガラス材質の
絶縁層31を介して段部24に密着しているため熱伝導
が良く、加熱部30の温度上昇が低く、容器20下部の
温度上昇が小さくなり(断熱材45、保持板47の存在
により、より一層温度上昇は抑えられる)、容器20下
部近傍に配置する部品の耐熱温度を低く設定することが
できる。第3に、印刷による電気抵抗体層32と絶縁層
31と第2の絶縁層37の形成は各部品の加工行程を著
しく簡素化でき、しかも印刷加工では余分な廃材がない
ために地球環境にも優しい加工が行える。第4に、凹部
26のプレス加工による寸法決め押しにより、寸法バラ
ツキの少ない安定した印刷面29として、シルク印刷の
印刷肉厚バラツキを少なくすることができて、電気抵抗
体層32の肉厚による抵抗値のバラツキが小さくなり、
入力(W)バラツキの小さな安定した製品となる。第5
に、凹部26が段部24全体が膨張する熱応力の吸収方
向に配置してあり、電気抵抗体層32と絶縁層31と第
2の絶縁層37を形成するために約800℃まで加熱し
ても、段部24の印刷面29の熱ひずみを少なくするこ
とができ安定化させる。第6に、略球面状に湾曲させた
印刷面29に凹部26を形成することで、熱変形が一方
向となり印刷面29の寸法が安定化するとともに、段部
24のソリなどの寸法変化を小さくでき、段部24の肉
厚が薄くても発熱による熱膨張の応力を吸収することが
でき、また強度も高くなり、さらに段部24の熱容量が
小さくなる分、熱効率と熱応答性が向上する。第7に、
加熱部30を区分けした位置に凹部26を配置したた
め、凹部26の中央部と外周部(内側と外側)の加熱の
熱応力を分散させる働きを行い、加熱部30のON・O
FFによるヒートサイクルに対応できる熱構造となる。
第8に、絶縁層31はガラス材質で形成されているため
に物の落下による局部的な衝撃強度を受けるとひび割れ
をおこして絶縁不良となる恐れがあるが、凹部26によ
り物の落下による局部的な衝撃を受け止めて力を凹部2
6全体で分散させるため、絶縁層31を衝撃強度から守
る構造としている。第9に、凹部26は少なくとも1カ
所が切れていて、段部24の中央部と外周部(内側と外
側)を結ぶ面を形成してあるため、電気抵抗体層32が
電気的に連続接続となり、加熱部30に接続する湯沸か
し端子34などの接続を少なくできて、電気的により安
定に安価にできる。
【0032】なお、加熱部30の印刷工程を側壁22と
底部23を溶接して容器20を形成した後としたが、底
部23のみの状態のときに先に印刷加工を施してから側
壁22と底部23の溶接加工を施しても良い。
【0033】また、印刷加工をシルク印刷加工法とした
が、転写等の異なる印刷方法でも良い。要は液体状の材
料を容器20の底部23に固着させればよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の電気湯沸かし器
は、貯湯用の容器と、この容器の底部下面に印刷で形成
した第1の絶縁層と第1の絶縁層上に印刷で形成した電
気抵抗体層と前記第1の絶縁層と電気抵抗体層上に印刷
で形成した第2の絶縁層とを備えた加熱部と、前記電気
抵抗体層に電気的に接続した端子とを備え、前記容器の
底部には加熱部を中央部とその外周部に区分する位置に
凹部を設けた電気湯沸かし器とすることにより、加熱部
の熱容量が小さく加熱時のレスポンス性能と温度制御性
能を向上させるとともに、熱伝導率を高めて加熱部の温
度上昇を抑え周辺に配置する部品の温度を低下させ、ま
た、加熱部を構成する部品点数を少なくし加工上もすぐ
れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す電気湯沸かし器を一部切
り欠いて示した断面図
【図2】同電気湯沸かし器の加熱部の平面図
【図3】同電気湯沸かし器の加熱部の部分断面図
【図4】従来の電気湯沸かし器を一部切り欠いて示した
断面図
【図5】従来の電気湯沸かし器の加熱部を示す部分断面
【符号の説明】
20 容器 23 底部 26 凹部 30 加熱部 31 第1の絶縁層 32 電気抵抗体層 37 第2の絶縁層 38 端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA10 AA12 AA21 AA37 BB05 BC04 BC16 CA03 DA05 FA14 4B055 AA34 BA22 CA02 CB03 DA02 DB02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯湯用の容器と、この容器の底部下面に
    印刷で形成した第1の絶縁層と第1の絶縁層上に印刷で
    形成した電気抵抗体層と前記第1の絶縁層と電気抵抗体
    層上に印刷で形成した第2の絶縁層とを備えた加熱部
    と、前記電気抵抗体層に電気的に接続した端子とを備
    え、前記容器の底部には加熱部を中央部とその外周部に
    区分する位置に凹部を設けた電気湯沸かし器。
  2. 【請求項2】 容器の底部は下方に略球面状に湾曲させ
    た請求項1記載の電気湯沸かし器。
  3. 【請求項3】 容器の底部に設けた凹部は環状に形成
    し、少なくとも1カ所は加熱部の中央部と外周部とを同
    一面で結ぶようにした請求項1または2記載の電気湯沸
    かし器。
JP2001240811A 2001-08-08 2001-08-08 電気湯沸かし器 Expired - Fee Related JP3578123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001240811A JP3578123B2 (ja) 2001-08-08 2001-08-08 電気湯沸かし器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001240811A JP3578123B2 (ja) 2001-08-08 2001-08-08 電気湯沸かし器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003052539A true JP2003052539A (ja) 2003-02-25
JP3578123B2 JP3578123B2 (ja) 2004-10-20

Family

ID=19071365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001240811A Expired - Fee Related JP3578123B2 (ja) 2001-08-08 2001-08-08 電気湯沸かし器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3578123B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024089731A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成システム
WO2024089729A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成システム
WO2024089732A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024089731A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成システム
WO2024089729A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成システム
WO2024089732A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 日本たばこ産業株式会社 エアロゾル生成システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3578123B2 (ja) 2004-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI81235B (fi) Kokplatta.
JP5661967B1 (ja) フッ素樹脂フィルム面状ヒータ
US20230300951A1 (en) Cooking device having a modular ceramic heater
JP2003052539A (ja) 電気湯沸かし器
JP3578086B2 (ja) 電気湯沸かし器
JP3587134B2 (ja) 電気湯沸かし器
JP2002204749A (ja) 電気湯沸かし器
JP2002056959A (ja) 誘導加熱装置
TWM595461U (zh) 電鍋裝置
JP2008000361A (ja) 誘導加熱調理用容器
CN214230911U (zh) 一种厚膜加热电器
JPH03295185A (ja) 発熱体
CN214104151U (zh) 一种厚膜加热电器
JP3886338B2 (ja) クラッド材及びその製造方法
TWI653423B (zh) 加熱板
CN213909749U (zh) 一种液体加热器
JPS6329459Y2 (ja)
JP3128637B2 (ja) 発熱体
JPS58124413A (ja) 液体加熱器
CN112315312A (zh) 一种厚膜加热电器
CN112244630A (zh) 一种厚膜加热电器
KR100276021B1 (ko) 세라믹 수중히터
JP2811897B2 (ja) 電気発熱体
KR20010046648A (ko) 직접가열식 전기밥솥
JPH04101378A (ja) 発熱体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040705

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070723

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120723

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees