JP3578123B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として一般家庭または事務所等で使用される電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の電気湯沸かし器を図4及び図5に基づいて説明する。図において1は上部を開口した貯湯用の容器であり、ステンレス鋼板等を絞り加工または溶接加工等で形成されている。2は容器1の底部下面に内方に向かって形成された凹部である。3は凹部2の内側に収納される加熱装置である。加熱装置3は、容器1側つまり上側から集成マイカを打ち抜いて形成された第1の絶縁物5、ステンレス鋼板を打ち抜いて形成して約1000ワットの消費電力がある湯沸かし電熱線5、集成マイカで形成した第2の絶縁物6、ステンレス鋼板を打ち抜いて形成した約100ワットの消費電力がある保温電熱線7、集成マイカで形成された第3の絶縁物8で構成されている。9はアルミ鍍金鋼板等をプレス加工して形成したシーム板で、容器1の底部側から抵抗溶接で外周と中央付近とを溶接して、加熱装置3を凹部2に収納して下方から凹部2に圧接している。
【0003】
10は加熱装置3への通電を制御する制御回路であり、上下に分割できる防水ケースに収納されて容器1の下方に位置している。11は容器1の下に位置して一端を容器1の底部に連通し、他端を給湯口12に連通した送水装置である遠心ポンプである。13は凹部2の中央下面に備えられたサーミスタで形成された温度検知素子であり、凹部2を介して容器1内の温度を検知する。14は上記各部をカバーした外装体である。15は湯沸かし器の蓋である。
【0004】
以上の構成において、水を容器1に所定量入れ、加熱装置3に通電すると、制御回路10の制御により、湯沸かし時には湯沸かし電熱線5と保温電熱線7に通電して合計1100ワットの電力で湯沸かしする。加熱装置3で発生した熱は容器1の凹部2を通って容器1内の水を加熱する。このとき湯沸かし電熱線5の温度は約500度に達しており、またシーム板9の温度は約250度に達している。温度検知素子13は容器1内の湯温を検知し、やがて温度検知素子13が沸騰を検知して制御回路10は湯沸かし電熱線5への通電を停止する。湯沸かし電熱線5への通電を断電した直後は、加熱装置3とシーム板9の温度が100度以上であるので、数十秒間は容器1底面の凹部2の各部から蒸気の気泡が発生し続ける。やがて加熱装置3とシーム板9の温度が100度以下になると、蒸気の気泡の発生が停止する。以降は制御回路10が保温電熱線7への通電を制御して容器1内の湯温を約95度に維持する。このとき制御回路10はまず温度検知素子13の温度を信号として入力し、保温電熱線7へ通電するが、通電当初は加熱装置3全体を加熱して温度上昇させる必要があり、やがて加熱装置3全体が加熱されると、次に凹部2を通して容器1内の湯を加熱することとなる。このときシーム板9の温度は約110度である。
【0005】
なお、湯沸かし時も保温時も加熱装置3へ通電しているときは、シーム板9下面から輻射熱を放出していることとなる。
【0006】
湯を所望のときは、操作部(図示せず)から遠心ポンプ11を駆動して昇水し給湯口12を介して給湯するものである。湯が少なくなると蓋15を開き、所望の水を容器1内に注水すると、制御回路10が温度検知素子13で湯温を検知して前述のようにして湯を沸かしてから保温するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の構成では、第1に、加熱装置3の熱容量(ヒートマス)が大きく加熱レスポンスが遅く、また、温度検知素子13で湯温を検知して制御回路10で加熱装置3へ通電して湯温を制御するときの通電と、湯温上昇の時間のずれが大きく制御しにくい。第2に、湯沸かし中や保温時に加熱装置3へ通電すると、シーム板9の温度が湯沸かし時には約250度になり、保温時には100度以上になり、容器1の底部近傍に配置した部品をより耐熱の高い材料で形成するか、加熱装置3から距離をおいて配置させる必要がある。第3に、加熱装置3へ通電しているときは、シーム板9から下方に熱が輻射により放散して熱効率が悪い。第4に、加熱装置3を構成する第1の絶縁物4と、第2の絶縁物6と、第3の絶縁物8と、湯沸かし電熱線5と、保温電熱線7の各部品を別々に加工する必要がある。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、加熱時のレスポンス性能と温度制御性能を向上させるとともに、熱伝導率を高めることにより加熱装置周辺の温度上昇を抑え、かつ加工上の問題もなくした電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の電気湯沸かし器は、貯湯用の容器の底部下面の加熱部を、印刷で形成した第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に印刷で形成した電気抵抗体層と、前記第1の絶縁層と電気抵抗体層上に印刷で形成した第2の絶縁層とにより構成し、容器の底部には加熱部を中央部とその外周部に区分する位置に凹部を設けたものである。さらに、容器の底部に設けた凹部は環状に形成し、少なくとも1カ所は加熱部の中央部と外周部とを同一面で結ぶようにしたものである。
【0010】
これによって、加熱部の熱容量が小さく加熱時のレスポンス性能と温度制御性能を向上させるとともに、熱伝導率を高めて加熱部の温度上昇を抑え周辺に配置する部品の温度を低下させ、また、加熱部を構成する部品点数を低下させて加工上もすぐれたものとなる。さらに、中央部と外周部の加熱部が電気的に連続接続となり、端子などの接続を少なくできて、電気的に安定させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の本発明は、貯湯用の容器と、この容器の底部下面に印刷で形成した第1の絶縁層と第1の絶縁層上に印刷で形成した電気抵抗体層と前記第1の絶縁層と電気抵抗体層上に印刷で形成した第2の絶縁層とを備えた加熱部と、前記電気抵抗体層に電気的に接続した端子とを備え、前記容器の底部には加熱部を中央部とその外周部に区分する位置に凹部を設け、さらに、容器の底部に設けた凹部は環状に形成し、少なくとも1カ所は加熱部の中央部と外周部とを同一面で結ぶようにした電気湯沸かし器とすることにより、加熱部の熱容量が小さく加熱時のレスポンス性能と温度制御性能を向上させるとともに、熱伝導率を高めて加熱部の温度上昇を抑え周辺に配置する部品の温度を低下させ、また、加熱部を構成する部品点数を少なくし加工上もすぐれたものとなる。さらに、中央部と外周部の加熱部が電気的に連続接続となり、端子などの接続を少なくできて、電気的に安定 させることができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、容器の底部は略球面状に湾曲させた電気湯沸かし器とすることにより、容器の底部は必ず凸方向となるため、底部の印刷面の寸法が安定化し、熱変形が一方向となり熱による底部のそりなどの寸法変化を小さくでき、容器底部の肉厚も薄くでき熱効率を向上させることもできる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1、図2、図3を参照しながら説明する。図において、20は貯湯用の容器で、上部を開口し上端全周に水平方向にフランジ21を設けた円筒状の側壁22と底部23から構成されている。底部23は、実際には、側壁22下端に下方から圧入して外周を側壁22と水密的に溶接しているものである。24は底部23から一段下方に凸になるように絞り加工で形成された段部である。段部24は相対する2カ所に平行な直線の段部である直線部25を絞り加工で形成し、他の部分は底部23の外周からほぼ均等な距離で絞り加工されている。段部24は全体としては平面形状が小判形をしている。本実施例では、段部24は平面ではなく、略球面状に湾曲させた形状をしている。すなわち、容器20の底部23の中央部が一番深い絞り加工になるように下方に凸な形状をしているが、平面形状であってもよい。また、段部24の面には、凹部26が段部24を内側と外側に区分けする位置に環状に配置してあり、凹部26は少なくとも1カ所が切れていて、前記段部24の内側と外側とを結ぶ面を形成してある。
【0014】
なお、段部24は実施例では底部23から下方に凸になるように形成されているが、逆向きに凸として略球面状に湾曲させた形状に形成してもよい。また凹部26は、実施例では段部24の下面から容器20内側に向かって凸となるように形成されているが、これも逆向きに形成しても構わない。そしてまた、段部24と凹部26の向きは適宜の組み合わせが考えられるものである。
【0015】
27は段部24の外周近傍に穴を開けてステンレスパイプを咬めて水密的に形成した流出口であり、遠心ポンプ28に連通し、昇水パイプ28aを通して容器20内の湯を抽出するようになっている。流出口27は底部23と別部品とすることで、流出口27の取付加工を任意の行程で行うことができるようにしている。
【0016】
29は底部23下面、すなわち段部24下面の凹部26を除くほぼ全面にあたる印刷面であり、ここに加熱部30が印刷形成される。
【0017】
加熱部30は以下のような構造になっている。まず印刷面29全面に無機質であるガラスを主成分とする絶縁物を3層のシルク印刷で約50マイクロメートルから約200マイクロメートルに積層して第1の絶縁層31を形成する。この第1の絶縁層31の厚みは定格電圧や必要とする絶縁耐力によって印刷回数や印刷時のインクの濃度を調節して所望の厚さにする。印刷状態のまま電気炉で約10分間約800度で焼結する。するとステンレス鋼板(JIS規格のSUS444相当)の線膨張係数10.5〜11.9×10のマイナス6乗とほぼ同じ膨張係数の第1の絶縁層31が完成する。この時、約800℃まで加熱するため、段部24の印刷面29の熱ひずみを少なくすることが重要となってくる。しかし、凹部26が、段部24全体が膨張する熱応力の吸収方向に配置してあり、熱ひずみを少なくして安定した加工ができる。
【0018】
次に図3に示しているように、第1の絶縁層31上に、金属酸化物を主成分とする適度な電気抵抗を持った抵抗体を含んだインクで電気抵抗体層32をシルク印刷で形成する。電気抵抗体層32は、肉厚により抵抗値がバラツキ、入力(W)も比例してバラツキ、製品上の大きな課題となるため、シルク印刷の印刷肉厚バラツキを少なくする。その大きな要因となる、段部24の印刷面29の寸法安定性が重要となるが、凹部26のプレス加工による寸法決め押しにより、寸法バラツキの少ない安定した印刷面29としている。電気抵抗体層32の印刷パターンは、底部23の中央部と外周部にそれぞれ幅広の湯沸かし回路32aと、湯沸かし回路32bを設け、その間には幅の狭い保温回路32cを同心円状に形成している。
【0019】
また湯沸かし回路32a、32bと保温回路32cは、共通端子33に一端を接続して他端はそれぞれ湯沸かし端子34と保温端子35と接続している。そして、湯沸かし回路32a、32b、保温回路32c、共通端子33、湯沸かし端子34及び保温端子35は、電気炉内で約10分間約800℃で焼成することにより、これらにより電気抵抗体層32を形成している。なお、凹部26は、加熱部30を中央部とその外周部に、すなわち湯沸かし回路32a及び保温回路32cと、湯沸かし回路32bに区分けする位置に設けてあり、湯沸かしの高加熱による熱応力を分散させている。また、凹部26は、環状の少なくとも1カ所が切れていて、加熱部30の中央部と外周部とを同一面で結ぶ面を形成してあるため、加熱部30が電気的に連続接続となっている。
【0020】
次に、共通端子33と湯沸かし端子34と保温端子35を銀を主成分とする銀ろう付け加工を表面に施す。同心円状の電気抵抗体層32を中心から放射状方向に接続するのは、共通端子33と湯沸かし端子34と保温端子35と同じ銀を主成分とする銀ろう材36である。これも銀ろう材36をシルク印刷してから電気炉で焼結して形成する。
【0021】
次に、第1の絶縁層31の範囲から共通端子33と湯沸かし端子34と保温端子35を除く範囲を無機質であるガラスを主成分とする絶縁物を1層にシルク印刷で約20マイクロメートルの厚さに積層して第2の絶縁層37を形成する。この第2の絶縁層37の厚みは定格電圧や必要とする絶縁耐力によって印刷回数や印刷時のインクの濃度を調節して所望の厚さにする。印刷状態のまま電気炉で約10分約800℃で焼結する。するとステンレス鋼板(JIS規格のSUS444相当)の線膨張係数10.5〜11.9×10のマイナス6乗とほぼ同じ膨張係数の第2の絶縁層37が完成する。
【0022】
以上の第1の絶縁層31と電気抵抗体層32と第2の絶縁層37とで加熱部30が形成されている。
【0023】
38は共通端子33と湯沸かし端子34と保温端子35とに銀ろう付けで接続された金属製の端子であり、黄銅にスズ鍍金を施した材料または鉄にニッケル鍍金を施した材料をプレス加工で打ち抜いて形成している。
【0024】
39は容器20の底部23で段部24の直線部25近傍に溶接して固定された一対の取付具である。取付具39は下端にねじ穴40が設けてあり、止めねじ42で湯沸かし器の外装体41下部を固定している。外装体41の上部は実質的に容器20のフランジ21の下面に押し当てられている。ここで、取付具39を底部23に溶接するのは、外装体41の底板42と容器20の底部23間に形成される空間に、制御回路43を内蔵した防水ケース44を収納するからである。また取付具39は外装体41を締め付けて固定するので、締め付けによる応力を底部23に加えることとなるが、その応力を印刷面29に伝わりにくくするためである。印刷面29には焼結した加熱部30が固着しているので、これに応力が加わらないようにすることが重要である。
【0025】
45は底部23の中央下面に備えられたサーミスタで形成された温度検知素子であり、底部23下面を介して容器20内の温度を検知する。46は加熱部30の外側に位置して設けた断熱材であり、ガラス繊維、発泡シリコンゴム、熱変形温度が200度以上の熱可塑性樹脂の発泡材、無機質材料の積層材等で形成され、遮熱機能を兼ね備えた保持板47にて保持されている。48は湯沸かし器の蓋である。
【0026】
以上のように構成された電気湯沸かし器についてその動作を説明する。湯沸かし制御、ポンプによる給湯等、基本的な動作は従来の技術の動作と同じであるので、詳細は省略する。
【0027】
湯沸かし時には、制御回路43が温度検知素子45からの信号で容器20内の水温を検知して湯沸かしモードに入り、湯沸かし回路32a、32bと保温回路32cに通電する。湯沸かし回路32a、32bと保温回路32cはジュール熱により発熱して約150度の温度になり、第1の絶縁層31と第2の絶縁層37に熱が伝導する。したがって、第1の絶縁層31から容器20の底部23を介して容器20内の水を加熱する。ここで、第1の絶縁層31は底部23と電気抵抗体層32とにそれぞれ焼結で密着しているので熱伝導が非常にすぐれており、発熱した熱が電気抵抗体層32に滞留することなく容器20内の水を加熱することとなる。この状態で湯沸かしが進行する。
【0028】
また、電気抵抗体層32が通電とともに急激に温度上昇するので熱膨張係数に見合う膨張が発生する。温度上昇は急激で局部的な発生であり、電気抵抗体層32が熱膨張する瞬間はまだステンレス鋼板で形成された底部23は温度上昇していないので、電気抵抗体層32と底部23の層状構成においてバイメタルのような挙動をする。その熱応力を湯沸かし回路32a、32bを区分けした位置に凹部26を配置したため、凹部26の内側の加熱と外側の加熱の熱応力を分散させる働きを行っている。また、印刷面29は熱膨張による応力をその曲率がわずかに変化することで吸収してしまう。印刷面29の熱膨張による曲率の変化は底部23の取付具39には伝わらないために、外装体41の締め付け寸法には影響しない。印刷面29の熱膨張による変化はそれ以外の部品へ応力の影響を与えないこととなる。
【0029】
やがて容器20内の水は沸騰する。温度検知素子45が約100度の沸騰温度または温度上昇が停止して一定温度になったことを検知して制御回路43が湯沸かし回路32a、32bと保温回路32cの通電を停止する。このとき電気抵抗体層32と第1の絶縁層31および第2の絶縁層37は熱容量(ヒートマス)が小さく温度上昇も比較的少ない上に、前述のように電気抵抗体層32と第1の絶縁層31と底部23はそれぞれ焼結で熱伝導が良いため、通電を停止して1秒程度で底部23からの沸騰時の蒸気の泡は発生しなくなる。これにより沸騰直後に遠心ポンプ28を作動させても泡を巻き込んで給湯能力が低下することはない。
【0030】
以上のように実施例によれば、第1に、電気抵抗体層32と絶縁層31と第2の絶縁層37のトータルの熱容量が非常に小さいので、加熱時のレスポンスが良く温度制御しやすく、熱効率も高くなる。第2に、電気抵抗体層32は薄くて熱伝導度が高いガラス材質の絶縁層31を介して段部24に密着しているため熱伝導が良く、加熱部30の温度上昇が低く、容器20下部の温度上昇が小さくなり(断熱材45、保持板47の存在により、より一層温度上昇は抑えられる)、容器20下部近傍に配置する部品の耐熱温度を低く設定することができる。第3に、印刷による電気抵抗体層32と絶縁層31と第2の絶縁層37の形成は各部品の加工行程を著しく簡素化でき、しかも印刷加工では余分な廃材がないために地球環境にも優しい加工が行える。第4に、凹部26のプレス加工による寸法決め押しにより、寸法バラツキの少ない安定した印刷面29として、シルク印刷の印刷肉厚バラツキを少なくすることができて、電気抵抗体層32の肉厚による抵抗値のバラツキが小さくなり、入力(W)バラツキの小さな安定した製品となる。第5に、凹部26が段部24全体が膨張する熱応力の吸収方向に配置してあり、電気抵抗体層32と絶縁層31と第2の絶縁層37を形成するために約800℃まで加熱しても、段部24の印刷面29の熱ひずみを少なくすることができ安定化させる。第6に、略球面状に湾曲させた印刷面29に凹部26を形成することで、熱変形が一方向となり印刷面29の寸法が安定化するとともに、段部24のソリなどの寸法変化を小さくでき、段部24の肉厚が薄くても発熱による熱膨張の応力を吸収することができ、また強度も高くなり、さらに段部24の熱容量が小さくなる分、熱効率と熱応答性が向上する。第7に、加熱部30を区分けした位置に凹部26を配置したため、凹部26の中央部と外周部(内側と外側)の加熱の熱応力を分散させる働きを行い、加熱部30のON・OFFによるヒートサイクルに対応できる熱構造となる。第8に、絶縁層31はガラス材質で形成されているために物の落下による局部的な衝撃強度を受けるとひび割れをおこして絶縁不良となる恐れがあるが、凹部26により物の落下による局部的な衝撃を受け止めて力を凹部26全体で分散させるため、絶縁層31を衝撃強度から守る構造としている。第9に、凹部26は少なくとも1カ所が切れていて、段部24の中央部と外周部(内側と外側)を結ぶ面を形成してあるため、電気抵抗体層32が電気的に連続接続となり、加熱部30に接続する湯沸かし端子34などの接続を少なくできて、電気的により安定に安価にできる。
【0031】
なお、加熱部30の印刷工程を側壁22と底部23を溶接して容器20を形成した後としたが、底部23のみの状態のときに先に印刷加工を施してから側壁22と底部23の溶接加工を施しても良い。
【0032】
また、印刷加工をシルク印刷加工法としたが、転写等の異なる印刷方法でも良い。要は液体状の材料を容器20の底部23に固着させればよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明の電気湯沸かし器は、貯湯用の容器と、この容器の底部下面に印刷で形成した第1の絶縁層と第1の絶縁層上に印刷で形成した電気抵抗体層と前記第1の絶縁層と電気抵抗体層上に印刷で形成した第2の絶縁層とを備えた加熱部と、前記電気抵抗体層に電気的に接続した端子とを備え、前記容器の底部には加熱部を中央部とその外周部に区分する位置に凹部を設け、さらに、容器の底部に設けた凹部は環状に形成し、少なくとも1カ所は加熱部の中央部と外周部とを同一面で結ぶようにした電気湯沸かし器とすることにより、加熱部の熱容量が小さく加熱時のレスポンス性能と温度制御性能を向上させるとともに、熱伝導率を高めて加熱部の温度上昇を抑え周辺に配置する部品の温度を低下させ、また、加熱部を構成する部品点数を少なくし加工上もすぐれたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す電気湯沸かし器を一部切り欠いて示した断面図
【図2】同電気湯沸かし器の加熱部の平面図
【図3】同電気湯沸かし器の加熱部の部分断面図
【図4】従来の電気湯沸かし器を一部切り欠いて示した断面図
【図5】従来の電気湯沸かし器の加熱部を示す部分断面図
【符号の説明】
20 容器
23 底部
26 凹部
30 加熱部
31 第1の絶縁層
32 電気抵抗体層
37 第2の絶縁層
38 端子
Claims (2)
- 貯湯用の容器と、この容器の底部下面に印刷で形成した第1の絶縁層と第1の絶縁層上に印刷で形成した電気抵抗体層と前記第1の絶縁層と電気抵抗体層上に印刷で形成した第2の絶縁層とを備えた加熱部と、前記電気抵抗体層に電気的に接続した端子とを備え、前記容器の底部には加熱部を中央部とその外周部に区分する位置に凹部を設け、前記凹部は環状に形成し、少なくとも1カ所は加熱部の中央部と外周部とを同一面で結ぶようにした電気湯沸かし器。
- 容器の底部は下方に略球面状に湾曲させた請求項1記載の電気湯沸かし器。
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JP2022520737A (ja) | 調理容器及びセラミックヒータを有する調理デバイス |
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