JP2003051724A - デジタルパワーアンプ及びデジタルアナログ変換器 - Google Patents

デジタルパワーアンプ及びデジタルアナログ変換器

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JP2003051724A
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    • H03F3/21Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers with semiconductor devices only
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 D級増幅器における電力消費を削減する。 【解決手段】 入力信号S1を当該入力信号の信号レベ
ルに応じてPWM信号に変換するPWM手段2によって
生成されたPWM信号S2、S3によりスイッチング制
御される出力段3を有したD級増幅器1でなるデジタル
パワーアンプあって、このPWM手段によって生成され
たこのPWM信号のPWM比率を検出するPWM比率の
検出手段11、12と、この出力段のスイッチング状態
を停止させる停止手段13とを備え、この検出手段によ
ってPWM信号のPWM比率が50%であることが検出
されたとき、当該検出に基づきこの停止手段を制御して
出力段のスイッチングを停止させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力増幅段をスイ
ッチング動作するようにした音声帯域信号の電力増幅器
等に適用して好適なデジタルパワーアンプ及びデジタル
アナログ変換器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、D級増幅(class D opertion)と
呼称される信号増幅器が、可聴周波数(audio f
requency)帯域信号の増幅器の形態例として知
られている。
【0003】斯かる従来のD級電力増幅器例を図5に示
して説明する。このD級電力増幅器はパルス幅変調増幅
器(pulse width modulation
amplifier)2、電力スイッチング回路部3及
びローパス型周波数フィルタ部6で構成されている。ま
た9はスピーカである。
【0004】この電力スイッチング回路部3はNチャン
ネルのパワーMOSFET素子4のソースとNチャンネ
ルのパワーMOSFET素子5のドレインの間が直列に
接続され、パワーMOSFET素子4のドレイン側が電
源Vccに接続され、パワーMOSFET素子5のソー
ス側が接地されて構成され、このローパス型周波数フィ
ルタ部6はチョークコイル7とコンデンサ8でL型フィ
ルタとして構成されている。
【0005】またこれらパワーMOSFET素子4のソ
ースとパワーMOSFET素子5のドレインの間のこの
直列接続点が、チョークコイル7の入力側に接続され、
チョークコイル7の出力側とコンデンサ8の接続中点が
スピーカ9の駆動信号入力端の一方側に接続されそして
スピーカの駆動信号入力端の他方側およびコンデンサ8
の他端側が接地されて構成されている。
【0006】このパルス幅変調増幅器2の入力側に供給
された信号の一例としてPCM符号化された可聴周波数
帯域のデジタル信号S1が、パルス幅変調増幅器2を介
してこの信号S1の信号レベルの変化に応じてパルス幅
変調されたPWM信号S2に変換されると共に、このP
WM信号S2を位相反転した負のPWM信号S3に変換
される。そしてこの増幅器2から出力されたこのPWM
信号S2がMOSFET素子4のゲートに供給され、こ
のPWM信号S2のパルス幅の変化に応じてパワーMO
SFET素子4がスイッチング制御され、PWM信号S
3がパワーMOSFET素子5のゲートに供給され、こ
のPWM信号S3のパルス幅の変化に応じてこのパワー
MOSFET素子5がスイッチング制御される。
【0007】またPWM信号S2は、デジタル信号S1
の信号レベルがゼロレベルのときにオン期間とオフ期間
が等しくなる状態、すなわちPWM比率(デューティ)
が50%の状態にパルス幅変調され、デジタル信号S1
の信号レベルがゼロレベルから正方向に増大するに比例
してオン期間が増大しオフ期間が減少する状態にパルス
幅変調され、そしてこのPWM信号S2は、デジタル信
号S1の信号レベルがゼロレベルから負方向に増大する
に比例してオン期間が減少しオフ期間が増大する状態に
パルス幅変調される。
【0008】一方PWM信号S3は、デジタル信号S1
の信号レベルの変化に応じたこのPWM信号S2のオン
期間中オフ状態になり、オフ期間中オン状態になるPW
M信号としてこのパルス幅変調増幅器2から出力される
ので、このPWM信号S3によりオン・オフ制御される
パワーMOSFET素子5は、MOSFET素子4がオ
ン状態の期間オフとなり、オフ状態の期間オンとなるよ
うに制御される。
【0009】よってパルス幅変調増幅器2の入力側に供
給された可聴周波数帯域のデジタル信号S1の信号レベ
ルがゼロレベルから正のレベル方向に増大する状態のと
きには、この増大に比例して電源Vccからローパス型
周波数フィルタ部6に流れ込む電力量が増大する反面、
このローパス型周波数フィルタ部6から接地側に流れ出
る電力量が減少するように制御される。
【0010】逆にパルス幅変調増幅器2の入力側に供給
されたこのデジタル信号S1の信号レベルが正のレベル
状態からゼロレベル方向に向かって減少する状態のとき
には、この減少に比例して電源Vccからローパス型周
波数フィルタ部6に流れ込む電力量が減少する反面、こ
のローパス型周波数フィルタ部6から接地側に流れ出る
電力量が増加し、デジタル信号S1の信号レベルがゼロ
レベルになった点で、ローパス型周波数フィルタ部6に
流れ込む電力量とこのローパス型周波数フィルタ部6か
ら接地側に流れ出る電力量が等しくなり、ローパス型周
波数フィルタ部6の出力もゼロレベルになる。
【0011】一方パルス幅変調増幅器2の入力側に供給
された可聴周波数帯域のデジタル信号S1の信号レベル
がゼロレベルから負のレベル方向に増大する状態のとき
には、この増大に比例して電源Vccからローパス型周
波数フィルタ部6に流れ込む電力量が減少する反面、こ
のローパス型周波数フィルタ部6から接地側に流れ出る
電力量が増加する。
【0012】逆にパルス幅変調増幅器2の入力側に供給
されたこのデジタル信号S1の信号レベルが負のレベル
状態からゼロレベル方向に向かって減少する状態のとき
には、この減少に比例して電源Vccからローパス型周
波数フィルタ部6に流れ込む電力量が増大する反面、こ
のローパス型周波数フィルタ部6から接地側に流れ出る
電力量が減少し、デジタル信号S1の信号レベルがゼロ
レベルになった点で、ローパス型周波数フィルタ部6に
流れ込む電力量とこのローパス型周波数フィルタ部6か
ら接地側に流れ出る電力量が等しくなり、ローパス型周
波数フィルタ部6の出力もゼロレベルになる。
【0013】従って図5に示して説明した従来のD級電
力増幅器例によれば、このD級電力増幅器に入力された
信号を効率良く電力増幅できる。しかしながらD級電力
増幅器の要部を構成するスイッチング素子が理想的なス
イッチではなく、現在の技術水準において利用すること
のできるスイッチング素子には必ずオン抵抗が存在す
る。よってデジタル信号S1の信号レベルがゼロレベル
の状態においても、パワーMOSFET素子4がオン状
態にスイッチングされる際の、このオン抵抗によるロス
の発生を免れることができないという問題がある。
【0014】このデジタル信号S1が音声信号である場
合には、特にこのゼロレベル点を通過する頻度が高いた
め、このゼロレベル点におけるスイッチング素子のこの
オン抵抗によるロスの発生を如何に減少させるかが課題
となっている。
【0015】本発明は斯かる点に鑑み、D級電力増幅器
において、このゼロレベル点におけるスイッチングロス
の影響を的確に削減できるようにすることを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明デジタルパワーア
ンプは入力信号を当該入力信号の信号レベルに応じてP
WM信号に変換するPWM手段によって生成されたPW
M信号によりスイッチング制御される出力段を有したデ
ジタルパワーアンプであって、このPWM手段によって
生成されたPWM信号のPWM比率を検出するPWM比
率の検出手段とを備え、この検出手段によってPWM信
号のPWM比率が50%であることが検出されたとき、
当該検出に基づき出力段のスイッチングを停止させるよ
うにしたことを特徴とする。
【0017】斯かる本発明によれば、入力信号の信号レ
ベルがゼロレベルであったとき或いはこのゼロレベルを
通過する際に、出力段のスイッチングを停止させること
によりこの出力段における無駄な電力消費を削減するこ
とができる。
【0018】また本発明デジタルアナログ変換器は、デ
ジタル入力信号を当該入力信号の信号レベルに応じてP
WM信号に変換するPWM手段により生成されたPWM
信号によりスイッチング制御される出力段を有したデジ
タルアナログ変換器であって、このPWM手段によって
生成されたPWM信号のPWM比率を検出するPWM比
率の検出手段と、この出力段のスイッチング状態を停止
させる停止手段とを備え、この検出手段によってPWM
信号のPWM比率が50%であることが検出されたと
き、当該検出に基づきこの停止手段を制御して出力段の
スイッチング状態を停止させるようにしたことを特徴と
する。
【0019】斯かる本発明によれば、入力信号の信号レ
ベルがゼロレベルであったとき或いはこのゼロレベルを
通過する際に、出力段のスイッチングを停止させること
によりこの出力段における無駄な電力消費を削減するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明デジ
タルパワーアンプの実施の形態の例につき説明しよう。
【0021】図1〜図4は本発明をD級電力増幅器に適
用した例を示し、図1は本発明によるD級電力増幅器の
第1例を示している。
【0022】本発明によるD級電力増幅器の第1例を図
1に示して説明する。
【0023】この図1において15はこのD級電力増幅
器の第1例の要部を示したブロック図で、このD級電力
増幅器15は電力スイッチング回路部3と、ローパス型
周波数フィルタ部6と、クロック信号発生器10と、カ
ウンタ11と、デューティ比判別器12と、切り替え器
13と、電力スイッチング回路部16と、ローパス型周
波数フィルタ部17と、パルス幅変調増幅器18と、イ
ンバータ19A及び19Bにより構成され、スピーカ9
が電力スイッチング回路部3と電力スイッチング回路部
3により、バランス駆動(blanced driv
e)されるようにしたD級電力増幅器例を示した例が示
されている。
【0024】この電力スイッチング回路部3はNチャン
ネルのパワーMOSFET素子4及びNチャンネルのパ
ワーMOSFET素子5を有し、これらパワーMOSF
ET素子4のソースとパワーMOSFET素子5のドレ
インの間が直列に接続され、このFET素子4のドレイ
ン側が電源Vccに接続され、このFET素子5のソー
ス側が接地されている。
【0025】このローパス型周波数フィルタ部6はチョ
ークコイル7とコンデンサ8を有し、チョークコイル7
の一方側が、これらFET素子4のソースとFET素子
5のドレインの間の直列接続点に接続されている。また
チークコイル7の他方側及びコンデンサ8の一方側の夫
々がこのフィルタ部6の出力側に接続され、コンデンサ
8の他方側が接地されてフィルタ部6が構成されてい
る。そしてまたスピーカ9の信号入力の一方側が、この
出力側を通じてチークコイル7とコンデンサ8の接続点
に接続され、このスピーカ9の信号入力の他方側が、直
流電流カット用のコンデンサ9aを通じフィルタ部6の
出力側を通じてコンデンサ8の接地点に接続されてい
る。
【0026】このパルス幅変調増幅器18は、パルス幅
変調増幅部18A及び2の補数(2‘compleme
nt)反転回路部18Bを有し、パルス幅変調増幅部1
8Aの入力側が入力18aを通じて信号入力1aに接続
され、この変調増幅部18Aの出力側が第1の出力18
b及び2の補数反転回路部18Bの入力側の夫々に接続
されそしてこの補数反転回路部18Bの出力側が第2の
出力18cに接続されて構成されている。
【0027】このパルス幅変調増幅器18の第1の出力
18bが切り替え器13の第1の入力13a及びデュー
ティ比判別器12の第1の入力12aの夫々に接続さ
れ、第2の出力18cが、切り替え器13の第2の入力
13b及びこの判別器12の第2の入力12bの夫々に
接続されている。そして信号入力1aがクロック信号発
生器10の入力10aに接続され、この信号発生器10
のクロック信号出力10bがパルス幅変調増幅部18A
のクロック信号入力18d及びカウンタ11のクロック
信号入力11aの夫々に接続されている。
【0028】この信号入力1aに入力されたデジタル信
号S1のクロック信号にロックされた図2Fに示した繰
り返し周期tを有するクロック信号S6がこの信号発生
器10で生成され、この変調増幅器18のクロック信号
入力18d及びカウンタ11のクロック信号入力11a
の夫々に供給される。
【0029】この切り替え器13の第1の出力13dが
電力スイッチング回路部3のパワーMOSFET素子4
のゲートに接続され、インバータ19Aを介してパワー
MOSFET素子5のゲートに接続されている。この切
り替え器13の第2の出力13eが電力スイッチング回
路部16のパワーMOSFET素子16Aのゲートに接
続され、インバータ19Bを介してパワーMOSFET
素子16Bのゲートに接続されている。
【0030】そして、パワーMOSFET素子4のソー
スとパワーMOSFET素子5のドレインの接続中点
が、ローパス型周波数フィルタ部6及びこのフィルタ部
6に直列に接続された直流成分カット用のコンデンサ9
aを介してスピーカ9の一方の信号入力端に接続され、
パワーMOSFET素子16AのソースとパワーMOS
FET素子16Bのドレインの接続中点が、ローパス型
周波数フィルタ部17及びこのフィルタ部17に直列に
接続された直流成分カット用のコンデンサ9bを介して
スピーカ9の他方の信号入力端に接続されている。
【0031】次に図1に示した本発明によるD級電力増
幅器の第1例の動作を、図2に示したこの第1例の要部
の信号波形図を参照して説明する。
【0032】なおこの第1例においても、信号入力1a
からパルス幅変調増幅器2の入力2aに入力された可聴
周波数帯域のデジタル信号S1の一例を、説明の便宜上
アナログ信号で表して図4に示したごとく、デジタル信
号S1の信号レベルが+Pで表した点でプラスのレベル
方向の最大値になり、−Pで表した点でマイナスのレベ
ル方向の最大値になるものとする。またZcで表した点
はこのデジタル信号S1がゼロ信号レベルになる点を表
し、デジタル信号S1がゼロ信号レベルになる点をゼロ
クロスポイントと称するのは第1例と同様である。
【0033】入力10aを通じて供給されたデジタル信
号S1のクロック信号にロックされた状態でクロック信
号発生器10を介して生成され、クロック信号入力18
dを通じてパルス幅変調増幅器18に供給された繰り返
し周期tを有する図2Fに示したクロック信号S6、及
び入力18aを通じてこのパルス幅変調増幅器18に供
給されたデジタル信号S1に応じて、このパルス幅変調
増幅器2に設けられたパルス幅変調増幅器18を介して
生成された、このクロック信号S6の繰り返し周期にロ
ックされた固定エッジKと、この固定エッジKの間にお
いてデジタル信号S1の信号レベルの変化に応じて位置
変調された可動エッジF1を有するPWM信号S2が第
1の出力18bから出力される。
【0034】さらにこのPWM信号S2が2の補数(2
‘complement)反転回路部18Bに供給さ
れ、この2の補数反転回路部18Bを介して、PWM信
号S2に対して2の補数の関係になるPWM信号をさら
に位相反転した固定エッジK及び可動エッジF2を有し
た信号波形のPWM信号S9が生成され、このPWM信
号S9が第2の出力18cから出力される。
【0035】またデジタル信号S1の信号レベルが図4
に示されたゼロクロスポイントZcから+P点に向かっ
て増加する方向に変化した場合には、この第1の出力1
8bから出力されるPWM信号S2が、図2A1に示し
たデューティ50%のPWM信号S2が、図2B1に示
した如くこのデューティが増加する方向に変化するPW
M信号に変調された状態で出力され、この第2の出力1
8cから出力されるPWM信号S9は、図2A2に示し
たデューティ50%のPWM信号S9が、図2B2に示
した如くこのデューティが減少する方向に変化するPW
M信号に変調された状態で出力される。
【0036】またデジタル信号S1の信号レベルが図4
に示された+P点からゼロクロスポイントZcに向かっ
てする方向に変化した場合には、このPWM信号S2が
図2B1に示した状態から図2A1に示した状態に変化
するPWM信号に変調された状態で出力され、このPW
M信号S9が図2B2に示した状態から図2A2に示し
た状態に変化するPWM信号に変調された状態で出力さ
れる。
【0037】またデジタル信号S1の信号レベルが図4
に示されたゼロクロスポイントZcから−P点に向かっ
て増加する方向に変化した場合には、この第1の出力1
8bから出力されるPWM信号S2が、図2A1に示し
たデューティ50%のPWM信号S2が、図2D1に示
した如くこのデューティが減少する方向に変化するPW
M信号に変調された状態で出力され、この第2の出力1
8cから出力されるPWM信号S9は、図2A2に示し
たデューティ50%のPWM信号S9が、図2D2に示
した如くこのデューティが増加する方向に変化するPW
M信号に変調された状態で出力される。
【0038】またデジタル信号S1の信号レベルが図4
に示された−P点からゼロクロスポイントZcに向かっ
て減少する方向に変化した場合には、このPWM信号S
2が図2D1に示した状態から図2A1に示した状態に
変化するPWM信号に変調された状態で出力され、この
PWM信号S9が図2D2に示した状態から図2A2に
示した状態に変化するPWM信号に変調された状態で出
力される。
【0039】またカウンタ11においては、クロック信
号入力11aに入力されたクロック信号S6に応じてこ
のクロック信号S6の繰り返し周期tの四分の一の周期
すなわち周期t/4周期で図2Gに示したごとくパルス
1、2及び3が生成されクロック信号S6でリセットさ
れる判別パルス信号S7が生成され、この判別パルス信
号S7が判別信号入力12cを通じてデューティ比判別
器12に供給される。
【0040】一方このデューティ比判別器12の第1の
入力12aには第1の出力18bからPWM信号S2が
供給され、第2の入力12bには第2の出力18cから
PWM信号S9が供給され、デューティ比判別器12を
介してこれらPWM信号S2及びPWM信号S9の夫々
と判別パルス信号S7が比較される。この比較の結果と
してこの判別パルス信号S7のパルス1の位置において
これらPWM信号S2及びPWM信号S9の夫々の信号
極性が+であり、パルス2の位置においてこれらPWM
信号S2及びPWM信号S9の夫々の信号極性が+から
0に変化し、そしてパルス3の位置においてこれらPW
M信号S2及びPWM信号S9の夫々の信号極性が0で
あったときには、これらPWM信号S2及びPWM信号
S9の夫々はデューティ50%の信号であり、よってデ
ジタル信号S1の信号レベルはゼロクロスポイントにあ
ると判断され、判別信号S8としてゼロクロス点信号を
判別信号出力12dから判別信号入力13cにこの周期
tの期間中送出する。即ち図1例においては、カウンタ
11及びデューティ比判別器12がPWM比率の検出手
段を構成している。
【0041】この切り替え器13では、デューティ比判
別器12からこのゼロクロス点信号が送出されない状態
では、第1の入力13aと第1の出力13dが直接接続
され、第2の入力13bと第2の出力13eが直接接続
された状態にある。そしてこのゼロクロス点信号の送出
を受けたこの周期tの期間のみ、この直接接続された状
態が解除されると共に、第1の出力13dからパワーM
OSFET素子4のゲートにこの素子4をオフ(したが
ってパワーMOSFET素子5をオン)状態に維持する
制御信号が送り出され、第2の出力13eからパワーM
OSFET素子16Aのゲートにこの素子16Aをオフ
(したがってパワーMOSFET素子16Bをオン)状
態に維持し、これら電力スイッチング回路部3及び16
のスイッチング動作を停止させる制御信号が送り出され
る。
【0042】なおこの切り替え器13の第1の入力13
a側及び第2の入力13bの夫々には、PWM信号S2
及びS9をこの周期tの期間だけ遅延させる遅延手段を
設けてPWM信号S2及びS9とこのゼロクロス点信号
の送出とのタイミング調整が行われる。
【0043】よってデジタル信号S1の信号レベルがゼ
ロクロスポイントとプラスのレベル方向の最大値+Pの
間(但しゼロクロスポイントを含まない)を増大する方
向及び減少する方向の双方方向に変化している状態で
は、PWM信号S2の可動エッジF1が図2A1とB1
に示した波形の間を移動するPWM信号S2としてパワ
ーMOSFET素子4のゲートに供給されてこのFET
素子4がスイッチング制御され、このPWM信号S2を
インバータ19Aで位相反転したPWM信号がパワーM
OSFET素子5のゲートに供給されてこのFET素子
5がスイッチング制御される。したがって、このFET
素子4のソースとこのFET素子5のドレインの接続中
点からは、図2B1に示した如くこのPWM信号S2と
同位相の電力スイッチング信号S10が出力される。
【0044】またデジタル信号S1の信号レベルがゼロ
クロスポイントとプラスのレベル方向の最大値+Pの間
(但しゼロクロスポイントを含まない)を増大する方向
及び減少する方向の双方方向に変化している状態では、
PWM信号S9の可動エッジF2が図2A2とB2に示
した波形の間を移動するPWM信号S2としてパワーM
OSFET素子16Aのゲートに供給されてこのFET
素子16Aがスイッチング制御され、このPWM信号S
9をインバータ19Bで位相反転したPWM信号がパワ
ーMOSFET素子16Bのゲートに供給されてこのF
ET素子16Bがスイッチング制御される。したがっ
て、このFET素子16AのソースとこのFET素子1
6Bのドレインの接続中点からは、図2B2に示した如
くこのPWM信号S9と同位相の電力スイッチング信号
S11が出力される。
【0045】またデジタル信号S1の信号レベルがゼロ
クロスポイントとマイナスのレベル方向の最大値−Pの
間(但しゼロクロスポイントを含まない)を増大する方
向及び減少する方向の双方方向に変化している状態で
は、PWM信号S2の可動エッジF1が図2A1とD1
に示した波形の間を移動し、PWM信号S2としてパワ
ーMOSFET素子4のゲートに供給されてこのFET
素子4がスイッチング制御され、このPWM信号S2を
インバータ19Aで位相反転したPWM信号がパワーM
OSFET素子5のゲートに供給されてこのFET素子
5がスイッチング制御される。したがって、このFET
素子4のソースとこのFET素子5のドレインの接続中
点からは、図2D1に示した如くこのPWM信号S2と
同位相の電力スイッチング信号S10が出力される。
【0046】またデジタル信号S1の信号レベルがゼロ
クロスポイントとマイナスのレベル方向の最大値−Pの
間(但しゼロクロスポイントを含まない)を増大する方
向及び減少する方向の双方方向に変化している状態で
は、PWM信号S9の可動エッジF2が図2D2に示し
た如く移動し、パルス幅が拡大された状態のPWM信号
S9としてパワーMOSFET素子16Aのゲートに供
給されてこのFET素子16Aがスイッチング制御さ
れ、パルス幅が拡大された状態のPWM信号S9をイン
バータ19Bで位相反転したPWM信号がパワーMOS
FET素子16Bのゲートに供給されてこのFET素子
16Bがスイッチング制御される。したがって、このF
ET素子16AのソースとこのFET素子16Bのドレ
インの接続中点からは、図2D2に示した如くこのPW
M信号S9と同位相の電力スイッチング信号S11が出
力される。
【0047】したがってスピーカ9は、デジタル信号S
1の信号レベルがゼロクロスポイントとプラスのレベル
方向の最大値+Pの間(但しゼロクロスポイントを含ま
ない)を増大する方向及び減少する方向の双方方向に変
化している状態では、図2Cに示した両側方向にPWM
変調された正極性の電力スイッチング信号S10−S1
1により、ローパス型周波数フィルタ部6及び17を介
して駆動され、デジタル信号S1の信号レベルがゼロク
ロスポイントとマイナスのレベル方向の最大値−Pの間
(但しゼロクロスポイントを含まない)を増大する方向
及び減少する方向の双方方向に変化している状態では、
図2Eに示した両側方向にPWM変調された負極性の電
力スイッチング信号S10−S11により、ローパス型
周波数フィルタ部6及び17を介して駆動される。
【0048】それに対してデジタル信号S1の信号レベ
ルが図4に示した如く、ゼロクロスポイントZcにある
状態では、周期tの期間これら電力スイッチング回路部
3及び16のスイッチング動作を停止させることができ
る。
【0049】また図1例においては、切り替え器13の
出力によりパワーMOSFET素子4及び5並びにパワ
ーMOSFET素子16A及び16Bの夫々のゲートを
直接駆動するように構成しているが、切り替え器13の
第1の出力13dとパワーMOSFET素子4及び5の
ゲートの間及び第2の出力13eとパワーMOSFET
素子16A及び16Bのゲートとの間の夫々に前置駆動
回路(Pre−Deiver)を設けて、この前置駆動
回路を介してこれらパワーMOSFET素子4、5、1
6及びA16Bの夫々を駆動するようにしても良いこと
は勿論である。
【0050】したがって図1に示した本発明によるD級
電力増幅器の第1例によれば、このD級電力増幅器に入
力されるデジタル信号S1の信号レベルが、ゼロクロス
ポイントにある周期tの期間において、パワーMOSF
ET素子4がオフ状態に維持されるので、ゼロクロスポ
イントにある周期tの期間においてパワーMOSFET
素子4がオン状態に駆動されることによる電力損失を無
くすことができる。またこのゼロクロスポイントにある
周期tの期間においてパワーMOSFET素子4がオン
・オフ状態に駆動されることによるスイッチング動作に
起因した電気的ノイズの発生をなくすことができる。
【0051】そして特にこのデジタル信号S1が、ゼロ
クロスポイントが高頻度に発生する音声信号である場合
に、この電源からD級電力増幅器に供給される電力の無
駄な消費を無くし、D級電力増幅器における電気的ノイ
ズの発生を低減できる点で顕著な効果が得られる利点が
ある。
【0052】図1に示した本発明によるD級電力増幅器
の第1例においては、パルス幅変調増幅器18に2の補
数反転回路部18Bを設けて、PWM信号S2をこの2
の補数反転回路部18Bを介してこのPWM信号S2の
2の補数反転信号を生成してPWM信号S9としている
が、図3に本発明によるD級電力増幅器の第2例を示し
た如く、この補数反転回路部に位相反転回路部を適用す
る如くし、PWM信号S2を位相反転した信号としてP
WM信号S9を生成するようにする。その他は図1と同
様に構成する。
【0053】この図3例においても図1例と同様の作用
効果が得られることは容易に理解できよう。
【0054】また図1に示した第1例、図3に示した第
2例の夫々においては電力スイッチング回路部の負荷と
してスピーカを適用した例として説明した。しかしなが
ら本発明はこれら例に限定されることなく、誘導電動機
などの誘導回転機器をこの負荷として適用してもよいこ
とは勿論である。
【0055】また図1に示した第1例及び図3に示した
第2例の夫々においては、デジタルアンプに入力される
デジタル信号の信号レベルがゼロクロスポイントにある
状態の時には、電力スイッチング回路部を構成するMO
SFET素子のうち電源Vcc側に接続されたFET素
子をオフとし、接地側に接続されたFET素子をオン状
態になるように制御するようにした例として説明した。
しかしながら本発明においてはこれらの例に限定される
ことなく、電力スイッチング回路部を構成するMOSF
ET素子のうち電源Vcc側に接続されたFET素子を
オンとし、設置側に接続されたFET素子をオフ状態に
なるように制御するようにしてもよいことは勿論であ
る。
【0056】また本発明においては、これら電力スイッ
チング回路部を負荷で終端させることなく出力端子を設
けて信号出力として取り出せるようにして、デジタル・
アナログ変換器を構成するようにしてもよいことは勿論
である。さらにこのようにデジタル・アナログ変換器を
構成する場合には、これら電力スイッチング回路部を、
信号スイッチング回路部で構成してもよいことは勿論で
ある。また本発明においては、信号S2及びS3の信号
波形を、その固定エッジK側が立ち上がり波形とし、可
動エッジF1及びF2側を立下り側として説明したが、
本発明においては、その固定エッジK側を立下り側と
し、可動エッジF1及びF2側を立ち上がり側になるよ
うに設定し、この設定に応じてデューティ比判別器12
における判別基準を変更するようにしてもよいことは勿
論である。
【0057】また本発明においては、このデジタルアン
プに入力されるデジタル信号の信号レベルがゼロクロス
ポイントにあるときに生成されるデューティ50%にな
るPWM信号の検出手段として繰り返し周期tのクロッ
ク信号のt/4の判別パルス信号を用いるようにした例
を示した。しかしながら本発明においては、この例に限
定されることなく、一例としてこの周期tよりも格段に
短くかつこの周期tの整数分の一の周期を有するカウン
タでこのクロック信号毎にカウントを開始してこの周期
tの二分の一の点を求めて、このデューティ50%にな
るPWM信号を検出するようにしてもよいことは勿論で
ある。
【0058】また本発明は上述例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなくその他種々の構成が採り得る
ことは勿論である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、入力信号の信号レベル
がゼロレベルであったとき或いはこのゼロレベルを通過
する際に、出力段のスイッチング動作を停止させること
により、D級増幅器における電力消費を削減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明デジタルアンプの実施の形態をD級電力
増幅器に適用した第1例を示すブロック図である。
【図2】この第1例の説明の供する信号波形図である。
【図3】本発明デジタルアンプの実施の形態をD級電力
増幅器に適用した第2例を示すブロック図である。
【図4】この第1例及び第2例の説明の供する他の信号
波形図である。
【図5】従来のD級電力増幅器の説明に供する回路ブロ
ック図である。
【符号の説明】
1・・・・・・D級電力増幅器、2・・・・・・パルス幅変調増幅
器、3・・・・・・電力スイッチング回路部、4・・・・・・パワー
MOSFET素子、5・・・・・・パワーMOSFET素子、
6・・・・・・ローパス型周波数フィルタ部、9・・・・・・スピー
カ、10・・・・・・クロック信号発生器、11・・・・・・カウン
タ、12・・・・・・デューティ比判別器、13・・・・・・切り替
え器、S1・・・・・・デジタル信号、S2・・・・・・PWM信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J022 AB01 BA02 CA07 CE05 CF02 CF07 CG01 5J091 AA02 AA19 AA41 AA51 AA66 CA36 FA18 HA10 HA29 HA32 HA33 HA38 KA04 KA32 KA35 KA42 KA53 KA62 MA21 SA05 TA06 UW01 UW10 5J092 AA02 AA19 AA41 AA51 AA66 CA36 FA18 HA10 HA29 HA32 HA33 HA38 KA04 KA32 KA35 KA42 KA53 KA62 MA21 SA05 TA06 VL08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を当該入力信号の信号レベルに
    応じてPWM信号に変換するPWM手段によって生成さ
    れたPWM信号によりスイッチング制御される出力段を
    有したデジタルパワーアンプであって、 検出手段によって前記PWM信号のPWM比率が50%
    であることが検出されたとき、当該検出に基づき停止手
    段を制御して前記出力段のスイッチング状態を停止させ
    るようにしたことを特徴とするデジタルパワーアンプ。
  2. 【請求項2】 入力信号の信号レベルに応じたPWM信
    号によりスイッチング制御される出力段を有したデジタ
    ルパワーアンプであって、 当該入力信号を2の補数の関係にある2つの片側PWM
    信号に変換するPWM手段と、 前記2つの片側PWM信号の一方のPWM信号によりス
    イッチング制御される第1の電力スイッチング手段と、 前記2つの片側PWM信号の他方のPWM信号によりス
    イッチング制御される第2の電力スイッチング手段と、 前記PWM手段によって生成された前記PWM信号のP
    WM比率を検出するPWM比率の検出手段と、 前記第1及び第2の電力スイッチング手段のスイッチン
    グ状態を停止させる停止手段とを備え、 前記検出手段によって前記PWM信号のPWM比率が5
    0%であることが検出されたとき、当該検出に基づき前
    記停止手段を制御して前記第1及び第2の電力スイッチ
    ング手段のスイッチング状態を停止させるようにしたこ
    とを特徴とするデジタルパワーアンプ。
  3. 【請求項3】 入力信号の信号レベルに応じたPWM信
    号によりスイッチング制御される出力段を有したデジタ
    ルパワーアンプであって、 入力信号を相互に負の関係にある2つの片側PWM信号
    に変換するPWM手段と、 前記2つの片側PWM信号の一方のPWM信号によりス
    イッチング制御される第1の電力スイッチング手段と、 前記2つの片側PWM信号の他方のPWM信号によりス
    イッチング制御される第2の電力スイッチング手段と、 前記PWM手段によって生成された前記PWM信号のP
    WM比率を検出するPWM比率の検出手段と、 前記第1及び第2の電力スイッチング手段のスイッチン
    グ状態を停止させる停止手段とを備え、 前記検出手段によって前記PWM信号のPWM比率が5
    0%であることが検出されたとき、当該検出に基づき前
    記停止手段を制御して前記第1及び第2の電力スイッチ
    ング手段のスイッチング状態を停止させるようにしたこ
    とを特徴とするデジタルパワーアンプ。
  4. 【請求項4】 デジタル入力信号を当該入力信号の信号
    レベルに応じてPWM信号に変換するPWM手段により
    生成されたPWM信号によりスイッチング制御される出
    力段を有したデジタルアナログ変換器であって、 前記PWM手段によって生成された前記PWM信号のP
    WM比率を検出するPWM比率の検出手段と、 前記出力段のスイッチング状態を停止させる停止手段と
    を備え、 前記検出手段によって前記PWM信号のPWM比率が5
    0%であることが検出されたとき、当該検出に基づき前
    記停止手段を制御して前記出力段のスイッチング状態を
    停止させるようにしたことを特徴とするデジタルアナロ
    グ変換器。
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