JP2003048555A - 操舵装置及び車両 - Google Patents

操舵装置及び車両

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JP2003048555A
JP2003048555A JP2001235123A JP2001235123A JP2003048555A JP 2003048555 A JP2003048555 A JP 2003048555A JP 2001235123 A JP2001235123 A JP 2001235123A JP 2001235123 A JP2001235123 A JP 2001235123A JP 2003048555 A JP2003048555 A JP 2003048555A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全電気式操舵装置において、切れ角を決める
際のハンドル操作フィーリンクを、ハンドルと操舵輪が
機械的に連結された構成のものに近づけることができる
操舵装置及び車両を提供する。 【解決手段】 ハンドルと操舵輪の差角ΔHを算出し
(S140) 、差角ΔHに応じたモータ出力指令値Dm を算
出する(S150,S180〜S200)。ハンドル操作を切り返し
た瞬間、または操舵を止めた瞬間であるときは(S10
0)、ハンドルの位置情報を操舵輪の位置情報に合わせ
る(S110)。これにより差角ΔHが零にリセットされ、
出力指令値Dm が「0」になって、パワーステアリング
モータの駆動が停止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンドルと操舵輪
が機械的な連結を有しない全電気式操舵装置などの操舵
装置及び車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばフォークリフト等の産業車両に
は、全油圧式の操舵装置(パワーステアリング装置)を
装備するものがある。全油圧式操舵装置は、ハンドルの
回転を入力するステアリングバルブを備え、ハンドルの
操作量に応じた油量の作動油がステアリングバルブから
ステアリングシリンダに供給される。そして、ステアリ
ングバルブからの作動油によりその油量に応じてステア
リングシリンダが駆動されることにより、ハンドルの操
作量に応じた切れ角量だけ操舵輪が操舵されるようにな
っている。
【0003】また特開平7−206399号公報には、
ハンドルと操舵輪とが機械的に連結されていない操舵装
置として、図17に示す全電気式操舵装置が開示されて
いる。オーダーピッキングトラック61はコントローラ
(制御部)62を備え、コントローラ62はハンドル6
3の回転角をポテンショメータ64から入力し、操舵輪
65の操舵角(切れ角)をポテンショメータ66から入
力する。そして、コントローラ62はポテンショメータ
64,66の検知電圧の偏差を算出し、その偏差に応じ
た駆動電圧をステアリングモータ67(電動モータ)に
出力する。これにより、操舵輪65はハンドル63の操
作角に応じた切れ角となるように操舵される。
【0004】この操舵装置では、コントローラ62は図
16に示す電気回路からなるハードウェアで構成されて
いた。ハンドル63の操作角(回転角)を検出するポテ
ンショメータ64と、操舵輪65の切れ角(操舵角)を
検出するポテンショメータ66との各々の信号はステア
リング制御部70に入力される。ステアリング制御部7
0は、差動増幅器71と、パルス発生器72と、極性判
別回路73とから構成されている。モータ駆動部74
は、スイッチング素子CH1〜CH4がブリッジ状に接
続されて構成されていた。ハンドル63が操作される
と、ポテンショメータ64,66の検出電圧に偏差が生
じ、この偏差に応じたパルスがパルス発生回路から出力
されるとともに、ハンドル63の操舵方向に応じた極性
信号が極性判別回路73から出力される。そして、モー
タ駆動部74では、各制御信号を受けて任意の対角線上
のスイッチング素子CH1,CH4(CH2,CH3)
がオンし、これによりステアリングモータ67が駆動さ
れる。この結果、操舵輪65がハンドル63の回転角に
応じた切れ角となる操舵量かつ向きに操舵される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、全電気式操
舵装置は、ハンドル63と操舵輪65とが機械的にも油
圧回路的にも連結されていない、いわゆるステアバイワ
イヤ方式であるので、操舵輪に独立してハンドルを軽微
な操作力で自由に回転させることができる。このため、
ハンドル操作量に応じた切れ角量だけ操舵輪を操舵させ
る構成であると、例えばハンドルを速く何回転も操作さ
せて停止させたときに、ハンドルを停止させているにも
拘わらず、ハンドルに操舵輪が追いつくまでの間は操舵
輪だけが動き続けて遅れて止まることになる。しかし、
ハンドル操作を停止したのは、運転者が操舵輪を止めた
いという意志があったからで、ハンドル操作を止めてい
るにも拘わらず操舵輪が動くと、運転者の意図した通り
の切れ角に精度良く操舵輪を位置決めしにくいことにな
る。なお、仮にハンドル操作を停止または切り返した
際、操舵輪を強制的に止める回路構成を追加すると、ハ
ンドルと操舵輪の位置関係にずれが生じるという別の問
題が発生する。
【0006】このため、従来は、この種の全電気式操舵
装置においては、ハンドル操作速度を検出し、ハンドル
操作速度に応じた出力(駆動力)が得られるようにステ
アリングモータ(電動モータ)を駆動させるようにして
いた。しかし、ハンドル操作速度でモータの出力を決め
る構成であると、ハンドル操作量が同じでもハンドル操
作速度の違いによって操舵輪の切れ角量が異なることに
なるため、ハンドル操作量に見合った切れ角量とはなっ
ていなかった。つまり、ハンドル操作量と操舵輪の切れ
角量とが対応している訳ではなかった。
【0007】運転者としては、ハンドルの操作量を調整
することで操舵輪の切れ角量を調整できた方が操作性は
よい。従って、ハンドルと操舵輪が所定のリンク比で機
械的に連結された操舵装置と同様の操舵感覚で、ハンド
ル操作できることが好ましい。しかし、従来は、上記の
理由で、ハンドル操作速度に応じてステアリングモータ
の駆動力を決めていたので、切れ角を決める際のハンド
ル操作フィーリングが必ずしも好ましいものではなかっ
た。
【0008】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であって、その第1の目的は、全電気式操舵装置におい
て、切れ角を決める際のハンドル操作フィーリンクを、
ハンドルと操舵輪が機械的に連結された構成のものに近
づけることができる操舵装置及び車両を提供することに
ある。
【0009】第2の目的は、ハンドル角と操舵輪の切れ
角との位置関係がずれた場合、そのずれを補正すること
ができることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために請求項1に記載の発明は、ハンドルと操舵輪が
機械的に連結されていない操舵装置であって、ハンドル
のハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、操舵輪
の切れ角を検出する切れ角検出手段と、操舵輪を駆動す
る駆動手段と、前記各検出手段により検出されたハンド
ル角と切れ角とを基に、前記ハンドルと前記操舵輪との
間に設定された所定のリンク比が考慮されて、前記ハン
ドルの操作量に前記操舵輪の切れ角量を追従させるよう
に前記駆動手段を制御する制御手段と、ハンドル操作の
停止及び切り返しを検出するハンドル操作検出手段と、
前記ハンドル操作検出手段が前記ハンドル操作の停止又
は切り返しを検出すると、前記駆動手段の駆動を停止す
る停止手段とを備えたことを要旨とする。
【0011】この発明によれば、ハンドル角検出手段と
切れ角検出手段により各々検出されたハンドル角と切れ
角とを基に、ハンドルと操舵輪との間に設定された所定
のリンク比が考慮されて、ハンドルの操作量に操舵輪の
切れ角量を追従させるように駆動手段が制御される。従
って、ハンドルと操舵輪が所定のリンク比で機械的に連
結されているかのように、操舵輪がハンドル操作量に追
従する切れ角量で操舵され、切れ角を決める際のハンド
ル操作フィーリングが向上する。また、ハンドル操作を
停止または切り返すと、この操作がハンドル操作検出手
段により検出され、駆動手段の駆動が停止手段により停
止される。この結果、ハンドルを停止または切り返しし
た際に、運転者が意図したように操舵輪が直ちに停止ま
たは反転される。
【0012】前記第1の目的を達成するために請求項2
に記載の発明は、ハンドルと操舵輪が機械的に連結され
ていない操舵装置であって、ハンドルのハンドル角を検
出するハンドル角検出手段と、操舵輪の切れ角を検出す
る切れ角検出手段と、操舵輪を駆動する駆動手段と、ハ
ンドルと操舵輪との間に設定された所定のリンク比を考
慮して、ハンドル角と切れ角との差角を求める差角算出
手段と、前記差角に応じた駆動力が得られるように前記
駆動手段を制御する制御手段と、ハンドル操作の停止及
び切り返しを検出するハンドル操作検出手段と、前記ハ
ンドル操作検出手段が前記ハンドル操作の停止又は切り
返しを検出すると、前記駆動手段の駆動を停止する停止
手段とを備えたことを要旨とする。
【0013】この発明によれば、ハンドル角検出手段と
切れ角検出手段により各々検出されたハンドル角と切れ
角とを基に、差角算出手段により、ハンドルと操舵輪と
の間に設定された所定のリンク比が考慮されたハンドル
角と切れ角との差角が求められる。そして、この差角に
応じた駆動力が得られるように駆動手段が駆動制御され
る。従って、ハンドルと操舵輪が所定のリンク比で機械
的に連結されているかのように、ハンドル操作量に応じ
た切れ角量で操舵輪が操舵され、切れ角を決める際のハ
ンドル操作フィーリングが向上する。また、ハンドル操
作を停止または切り返したときは、これらの操作がハン
ドル操作検出手段により検出され、駆動手段の駆動が停
止手段により停止される。この結果、ハンドルを停止ま
たは切り返しした際に、運転者が意図したように操舵輪
が直ちに停止または反転される。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の操舵装置において、前記停止手段は、前記ハンドル操
作検出手段が前記ハンドル操作の停止又は切り返しを検
出すると、前記差角算出手段により求められる前記差角
を零化するリセット処理を行うことを要旨とする。
【0015】この発明によれば、ハンドル操作の停止又
は切り返しをすると、これがハンドル操作検出手段によ
り検出され、停止手段により、差角算出手段により求め
られる差角を零化するリセット処理が行われる。よっ
て、差角が零にリセットされることで、ハンドル操作の
停止時または切り返し時に操舵輪は停止(反転)され
る。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の操舵装置において、前記差角算出手段は、ハン
ドル角と切れ角のうち少なくとも一方の検出値を格納す
る格納手段を備え、ハンドル角と切れ角のうち前記格納
手段に格納された検出値と他方の検出値とを基にハンド
ル角と切れ角との前記リンク比を考慮した差角を計算す
るものであって、前記停止手段は、前記ハンドル操作検
出手段が前記ハンドル操作の停止又は切り返しを検出す
ると、前記格納手段に格納された検出値を、他方の検出
値の前記リンク比を考慮した換算値に合わせ込む処理を
行うことを要旨とする。
【0017】この発明によれば、ハンドル角と切れ角の
うち少なくとも一方の検出値は格納手段に格納される。
ハンドル角と切れ角のうち格納手段に格納された検出値
と他方の検出値とを基にハンドル角と切れ角とのリンク
比を考慮した差角が計算される。ハンドル操作の停止又
は切り返しがハンドル操作検出手段により検出される
と、停止手段は、格納手段に格納された検出値を、他方
の検出値のリンク比を考慮した換算値に合わせ込む処理
を行う。この結果、ハンドル操作の停止時または切り返
し時に操舵輪は停止(反転)される。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の操舵装置において、前記ハンドル角検出手段と
前記切れ角検出手段のうち少なくとも一方は検出対象の
変位量に応じた数のパルスを出力するパルス式センサ
と、該パルス式センサから出力されるパルスを計数する
カウンタとを備え、前記停止手段は、前記ハンドル操作
検出手段が前記ハンドル操作の停止又は切り返しを検出
すると、前記カウンタが計数した検出値を、他方の検出
値の前記リンク比を考慮した換算値に合わせ込む処理を
行うことを要旨とする。
【0019】この発明によれば、ハンドル操作の停止又
は切り返しがハンドル操作検出手段により検出される
と、停止手段は、カウンタが計数した検出値を、他方の
検出値のリンク比を考慮した換算値に合わせ込む処理を
行う。この結果、ハンドル操作の停止時または切り返し
時に操舵輪は停止(反転)される。
【0020】請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の
いずれか一項に記載の操舵装置において、前記リンク比
のデータを記憶する書替可能な記憶手段を備えているこ
とを要旨とする。
【0021】この発明によれば、記憶手段に記憶された
リンク比のデータを書き替えたり、車種毎にリンク比の
データを変更させることが可能になる。前記第2の目的
を達成するために請求項7に記載の発明は、請求項1〜
6のいずれか一項に記載の操舵装置において、前記ハン
ドル角と前記切れ角との位置関係のずれを検出すると、
前記ハンドル操作に応じた前記駆動手段の出力を停止ま
たは低減させるように前記駆動手段を制御して、前記ハ
ンドルを前記操舵輪に追いつくように空転させる補正手
段を備えていることを要旨とする。なお、空転とは、操
舵輪が停止している場合と、操舵輪の操舵速度がハンド
ル操作速度に比べ遅い場合との両方を含む。
【0022】この発明によれば、ハンドルを停止または
切り返した際は、ハンドル操作量に応じた切れ角量だけ
操舵輪が操舵されなくても、操舵輪の操舵が直ちに停止
されるので、ハンドル角と切れ角との位置関係にずれが
生じる。このずれが検出されているときにハンドルが操
作されると、ハンドル操作に応じた駆動手段の出力を停
止または低減させるように駆動手段が制御される。この
結果、ハンドルが操舵輪に追いつくように空転し、ずれ
が解消される。
【0023】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の操舵装置において、前記補正手段は、前記ハンドル角
と前記切れ角との位置関係のずれを検出すると、前記ハ
ンドル操作に応じた前記駆動手段の出力を所定割合低減
させるように前記駆動手段を制御して、前記ハンドルを
前記操舵輪に追いつかせるように空転させる補正手段を
備えていることを要旨とする。
【0024】この発明によれば、全電気式操舵装置にお
いて、ハンドル角と切れ角との位置関係のずれが検出さ
れると、補正手段により、ハンドル操作に応じて決まる
駆動手段の出力を所定割合低減させるように駆動手段が
制御され、ハンドルの空転状態が作り出されることによ
りずれを小さくするようにハンドル角が補正される。こ
のハンドル角補正実行中は、駆動手段の出力が所定割合
低減されるのみで、電気式駆動手段からはその動力が少
ないながらも操舵輪に伝わる状態にある。従って、ハン
ドル角補正実行中であっても、操舵輪の保持力が確保さ
れる。例えば操舵輪が路面上の障害物(石等)を踏んで
外力が加わっても、操舵輪はそのときの切れ角のまま保
持され易くなる。
【0025】請求項9に記載の発明は、請求項7又は8
に記載の操舵装置において、前記ハンドル角と前記切れ
角との位置関係が一致して前記補正手段による実行内容
が補正状態から補正禁止状態に切り替わる前後における
前記駆動手段の出力差を小さく緩和する第2補正を前記
駆動手段の出力に与える第2補正手段を備えていること
を要旨とする。
【0026】この発明によれば、ハンドル角と切れ角と
の位置関係のずれが検出されると、補正手段により、ハ
ンドル操作に応じて決まる駆動手段の出力が停止または
低減(請求項8では所定割合の低減のみ)されることに
よりハンドルの空転状態が作り出されてずれを小さくす
るようにハンドルの実位置が補正される。この補正によ
ってハンドル角と切れ角との位置関係が一致すれば、補
正手段はその実行内容を補正状態から補正禁止状態に切
り替える。この切り替わり時期及びその前後を含む所定
期間内の所定時期に、第2補正手段により、駆動手段の
出力を変化させる第2補正が実施され、補正状態から補
正禁止状態に切り替わる前後における駆動手段の出力差
が小さく緩和される。例えば直進走行中にハンドルを左
右に微操作させる際は、補正状態から補正禁止状態に頻
繁に切り替ることが起きるが、この切り替り前後での出
力の急変は緩和されるので、ハンドル操作の直進安定性
が確保され易くなる。例えばカーブを切って直進状態に
戻したときに、少ない回数のハンドル微操作で速やかに
車体が直進状態に整えられる。
【0027】請求項10に記載の発明は、請求項7又は
8に記載の操舵装置において、前記ハンドル角と前記切
れ角との位置関係が一致したことを検出すると、前記差
角算出手段により求められる前記差角を零化するリセッ
ト処理を行う第2補正手段を備えていることを要旨とす
る。
【0028】この発明によれば、第2補正手段は、ハン
ドル角と切れ角との位置関係が一致したことを検出した
ときに、差角算出手段により求められる差角を零化する
リセット処理を行う。この結果、停止手段により駆動手
段の駆動が停止され、ハンドル操作の停止時または切り
返し時に操舵輪の操舵が停止または反転される。
【0029】請求項11に記載の発明は、請求項1〜1
0のいずれか一項に記載の操舵装置において、前記ハン
ドル角検出手段は、実ハンドル角であるハンドルの実位
置をハンドル一回転単位における相対角度で検出し、前
記切れ角を前記ハンドルの相対角度に換算した目標位置
を求める目標位置演算手段を備え、前記補正手段は、前
記実位置と目標位置との相対角度でのずれを小さくする
ように前記駆動手段を制御することを要旨とする。
【0030】この発明によれば、ハンドル角検出手段
は、ハンドルの実位置(実ハンドル角)をハンドル一回
転単位における相対角度で検出し、目標位置演算手段
は、切れ角をハンドルの相対角度に換算した目標位置
(目標ハンドル角)を求める。補正手段は、各検出手段
により検出された実位置と目標位置との相対角度でのず
れを小さくするように駆動手段を制御する。このため、
例えばハンドルが操舵輪に対し1回転以上ずれた場合
(例えば380度)でも、ずれを解消するための補正角
度量が1回転未満の小さな量(例えば20度)で済ませ
られる。
【0031】請求項12に記載の発明は、請求項2〜7
のいずれか一項に記載の操舵装置において、前記駆動手
段は電気式駆動手段であり、前記ハンドル操作停止時に
前記操舵輪の切れ角がずれたことにより差角が生じる
と、該差角分のずれを解消するように前記駆動手段を駆
動させる操舵輪保持手段を備えていることを要旨とす
る。
【0032】この発明によれば、ハンドルが操作されて
いないときに操舵輪が例えば外力によって変位して切れ
角がずれたことが検出されると、操舵輪保持手段によ
り、操舵輪の切れ角の前記変位分のずれを解消するよう
に電気式駆動手段が駆動される。従って、駆動手段が電
気式である全電気式操舵装置において、ハンドル停止中
においても操舵輪の保持力が確保される。
【0033】請求項13に記載の発明では、車両には、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の操舵装置が装備
されていることを要旨とする。この発明によれば、請求
項1〜12のいずれか一項に記載の発明と同様の作用が
得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を全電気式操舵装置
を装備する車両(産業車両)に具体化した一実施形態を
図1〜図15に従って説明する。
【0035】図2は、オーダーピッキング型フォークリ
フトの斜視図である。車両としてのオーダーピッキング
型フォークリフト(以下、単にフォークリフトという)
1は車体(機台)2の後部にマスト装置3を装備してい
る。マスト装置3には、運転台4がマスト5に沿って昇
降可能に配備されている。マスト5はアウタマスト6お
よびインナマスト7を備え、インナマスト7の上端にリ
フトシリンダ8のピストンロッド9(図3参照)の先端
が固定されている。そして、リフトシリンダ8が駆動す
ることによって、インナマスト7がアウタマスト6に対
してスライドしてマスト5が伸縮動作する。
【0036】インナマスト7の上端部にはスプロケット
10が取着され、運転台4はそのスプロケット10に掛
装されたチェーン11に吊り下げられた状態で支持され
ている。そして、リフトシリンダ8の駆動時にインナマ
スト7がアウタマスト6に対して伸縮動作することによ
って、運転台4が車体2に対して昇降移動する。運転台
4の下部には一対のフォーク12が取り付けられ、運転
台4の昇降移動に伴ってフォーク12が上下方向で位置
決めされる。
【0037】フォークリフト1は後二輪が従動輪(片側
のみ図示)、前一輪が駆動操舵輪のバッテリ車であり、
車体2に搭載された走行モータ13を駆動源としてい
る。従動輪14は車体2の左右両側から後方へ延出する
左右一対のレグ15の後端部にそれぞれ取り付けられ、
駆動操舵輪(以下、単に操舵輪という)16は車体2の
前部の車幅方向略中央位置に配置されている。
【0038】運転台4の前方正面(図1の右側側面)に
はハンドル17が取り付けられ、このハンドル17を操
作することにより操舵輪16が操舵されてフォークリフ
ト1の進行向きが変えられる。ハンドル17は所定箇所
にハンドルノブ18が形成され、左右方向のどちらも最
大回転量が規制されずに回転できるようになっている。
また、運転台4にはハンドル17の他にインストルメン
トパネル19、操作レバー20、各種スイッチ類(図示
省略)が配設されている。
【0039】図3は、フォークリフト1の概略構成を示
す。フォークリフト1はコントローラ21を備え、コン
トローラ21にはCPU22、ROM23、RAM2
4、記憶手段としてのEEPROM25等が内蔵されて
いる。ROM23には、操舵輪16を操舵させる操舵制
御用やハンドルノブ位置補正制御用の制御プログラムが
記憶されている。RAM24にはCPU22の演算結果
等が一時記憶され、EEPROM25には後述するリン
ク比や補正低減係数K等が記憶される。CPU22はR
OM23に記憶された制御プログラムに従って、操舵輪
制御やノブ位置補正制御を実行する。なお、CPU22
は、制御手段、停止手段、補正手段、第2補正手段及び
操舵輪保持手段を構成する。
【0040】ハンドル17にはハンドル角検出手段を構
成するハンドル角センサ26が取り付けられ、ハンドル
角センサ26はプーリ27に巻き掛けられた信号線(電
線ケーブル)28を介してコントローラ21の入力側に
接続されている。ハンドル角センサ26はロータリエン
コーダからなり、図5(a)に示すようにハンドル17
の主軸29に止着された円板30と、円板30の半径方
向外側に配置された3つの受光素子31〜33と、発光
素子(図示省略)とを備えている。
【0041】円板30の周縁部には複数(本例では40
個)のスリット34が周方向に等間隔で形成され、その
スリット34の半径方向内側に1つのスリット35が形
成されている。半径方向外側の2つの受光素子31,3
2は、スリット34と相対する位置で周方向に所定の間
隔をおいて並んだ状態で配置されている。また、残り1
つの受光素子33はスリット35と相対する位置に、か
つハンドルノブ18の原点位置に配置されている。
【0042】受光素子31,32はスリット34を介し
て発光素子からの光を受光し、互いに位相が90度ずれ
た図5(b)に示す検出信号(パルス信号)S1,S2
をCPU22にそれぞれ出力する。そして、CPU22
はこれら2つの検出信号S1,S2のエッジを計数する
ことでハンドル17の操作角(ハンドル角H、実ノブ位
置N)を算出する。本例では、ハンドル17の1回転を
160分割した分解能で角度検出され、1つのエッジを
計数するごとに2.25度の値で角度検出される。
【0043】また、受光素子33はスリット35を介し
て発光素子からの光を受光し、図5(b)に示す検出信
号(パルス信号)S3をCPU22に出力する。そし
て、CPU22は検出信号S3のHレベルを検出したと
き、ハンドルノブ18が原点位置に位置したと判断す
る。またCPU22は検出信号S1の立ち上がり検出時
に、検出信号S2がHレベルであれば「右操舵」、検出
信号S2がLレベルであれば「左操舵」と判断する。C
PU22は、逐次演算するこの操舵方向が反転すると、
ハンドル17が切り返されたと判断する。さらにCPU
22はハンドル角センサ26からの検出信号に基づき、
その検出信号S1(S2)のパルス間隔時間を計時し、
パルス間隔時間からハンドル17のハンドル操作速度を
算出する。CPU22は、パルス間隔時間がハンドル操
作停止と見なせる設定時間を超えると、ハンドル17の
操作が停止されたと判断する。
【0044】図3に示すように、フォークリフト1は車
体2内に駆動手段及び電気式駆動手段としてのパワース
テアリングモータ(以下、PSモータという)(電動モ
ータ)36を備え、このPSモータ36の出力軸36a
に取着されたギヤ37が操舵輪16を支持するギヤホイ
ール38に噛合している。そして、PSモータ36が駆
動されると、その駆動力がギヤ37からギヤホイール3
8へ伝達されて、操舵輪16がPSモータ36の回転方
向に応じた方向に操舵される。このPSモータ36およ
び走行モータ13は、コントローラ21によって駆動制
御される。
【0045】ギヤホイール38と相対する位置には切れ
角検出手段を構成するタイヤ角センサ39が取り付けら
れ、タイヤ角センサ39はコントローラ21の入力側に
接続されている。タイヤ角センサ39は例えばポテンシ
ョメータからなり、操舵輪16の切れ角Rに応じた検出
信号(電圧値)をCPU22に出力する。操舵輪16は
左右それぞれ最大約90度まで操舵可能となっており、
CPU22はタイヤ角センサ39からの検出信号を基に
して、その角度範囲内の値で操舵輪16の切れ角Rを算
出する。
【0046】走行モータ13の駆動軸40と相対する位
置には車速センサ41が取り付けられている。車速セン
サ41は走行モータ13の駆動軸40の外周面に形成さ
れた被検出部(図示省略)を検出することで駆動軸40
の回転に応じた検出信号(パルス信号)を出力する。C
PU22は車速センサ41から入力する検出信号のパル
ス間隔時間を計時してフォークリフト1の車速Vを算出
する。
【0047】ここで、操舵輪16とハンドル17とは機
械的に連結されていないことから、ハンドル17と操舵
輪16との間にリンク比を設定する必要がある。リンク
比とはハンドル17と操舵輪16との間の回転比率であ
り、本例ではこのリンク比が「12」と設定され、ハン
ドル17が6回転(360度×6)されると操舵輪16
が一方のエンドから他方のエンド(約180度)まで回
転する。リンク比「12」のデータはEEPROM25
に記憶されている。例えばリンク比は車種毎や仕様毎に
値を変更して設定される場合があり、そのような場合
は、例えば出荷時にEEPROM25に設定するリンク
比の値を車種毎または仕様毎に変更する。もちろん、車
両出荷後にリンク比の値を変更することもできる。
【0048】図4は、フォークリフト1の電気構成図で
ある。コントローラ21は、走行モータ13に接続され
たモータ駆動回路43と、PSモータ36に接続された
モータ駆動回路44とを備えている。CPU22はハン
ドル角センサ26からの検出信号と、タイヤ角センサ3
9からの検出信号とを入力し、これら信号値に基づき算
出された出力指令値(デューティ値)Dm をモータ駆動
回路44に出力する。モータ駆動回路44はCPU22
からの出力指令値に応じた駆動電流をPSモータ36に
出力し、PSモータ36はその電流値に応じた駆動力
(トルク)を出力するように駆動される。もちろん、P
Sモータ36は、電圧制御により駆動されても構わな
い。このようにして全電気式操舵装置では、操舵輪16
がハンドル17の操作に対した切れ角Rに操舵される。
【0049】CPU22は、第1カウンタ45と第2カ
ウンタ46とを備えている。第1カウンタ45および第
2カウンタ46は、ハンドル角センサ26から出力され
る各パルス信号S1,S2の立ち上がり及び立ち下がり
の各エッジをカウントし、ハンドル1回転当たり合計1
60パルスのカウント値をカウントする。ここで、第1
カウンタ45は、PSモータ36を駆動させるためにモ
ータ駆動回路44に出力する出力指令値Dm を決めるた
めに使用される。また、第2カウンタ46は、ノブ位置
補正制御を実行するために使用されるもので、ノブ位置
のハンドル角に相当する値をカウントする。なお、第1
カウンタ45および第2カウンタ46は、本例では正確
にはプログラムによるソフトウェアで構成されている。
もちろん、ハードウェアで各カウンタ45,46を構成
することもできる。
【0050】図6は、PSモータ36の出力指令値の計
算方法を説明する説明図である。リンク比が「12」の
場合、操舵輪16が一方のエンドから他方のエンドまで
回動する際にはハンドル17が6回転する。そして、ハ
ンドル17を1回転したときパルスが0〜159までカ
ウントされることから、操舵輪16が直進状態となった
ときを基準として、ハンドル17が左操舵されたときを
「−」、右操舵されたときを「+」とすると、第1カウ
ンタ45はハンドル17の6回転を−480〜+480
の間のカウント値Chとしてカウントする。
【0051】このとき、CPU22は第1カウンタ45
により計数されたカウント値Chを角度換算し、−10
80度(−480/160×360度)から+1080
度(+480/160×360度)の範囲内で、ハンド
ル17のハンドル角Hを算出する。なお、第1カウンタ
45は操舵輪16の左エンド位置以降、すなわち−48
0となるとそれ以下ではカウントダウンを行わず、一方
の右エンド位置以降、すなわち+480となるとそれ以
上ではカウントアップを行わない。
【0052】一方、操舵輪16の切れ角Rは左右それぞ
れ最大90度まで回転可能となっていることから、左最
大操舵を−90度、右最大操舵を+90度とすると、C
PU22はタイヤ角センサ39からの検出信号に基づ
き、−90度〜+90度の範囲内で操舵輪16の切れ角
Rを算出する。そして、CPU22は算出した操舵輪1
6の切れ角Rにリンク比「12」を乗算して、−108
0度〜+1080度の範囲内で切れ角Rをハンドル角に
換算したハンドル換算値Htを算出する。
【0053】ハンドル角Hとハンドル換算値Htを算出
した後、CPU22はこれら値の差をとって、ハンドル
17と操舵輪16との位置関係のずれである差角ΔH
(=H−Ht)を算出する。そして、差角ΔHから図9
に示す関係を用いてPSモータ36の出力指令値(デュ
ーティ値)Dm を算出する。同図に示すように、出力指
令値Dm は、差角ΔHの絶対値に対して、差角ΔHの絶
対値が0〜HA の範囲では比例的に増加する値をとり、
HA を超えると100%の値をとる。このHA は、例え
ば50〜200度の範囲内の所定値に設定されている。
なお、PSモータ36はΔH>0のときに右回転(右操
舵回転)され、ΔH<0のときに左回転(左操舵回転)
される。なお、以下、特に正負の符号を無視して差角Δ
Hを用いることにする。
【0054】また、CPU22はハンドル17が切り返
されたとき、またはハンドル17の操舵が止められたと
きに、ハンドルの位置情報を操舵輪の位置情報に合わせ
込む処理を行う。すなわち、CPU22は切れ角Rに応
じたカウンタ換算値Ctを算出し、第1カウンタ45に
そのカウンタ換算値Ctをセットする。これにより、第
1カウンタ45のカウント値Chとカウンタ換算値Ct
が同じ値となり、差角ΔHが「0」となってPSモータ
36に供給される電流値が「0」となる。
【0055】つまり、図8(a)に示す差角ΔHが存在
する状態でハンドル17が操舵され、この状態でハンド
ル17の操作が停止されるか、ハンドル17が切り返し
されるかすると、第1カウンタ45に切れ角Rから決ま
るカウンタ換算値Ctを強制的にセットする。この結
果、第1カウンタ45を用いた処理上は、図8(b)に
示すように差角ΔHがなくなった状態(ΔH=0)にな
る。よって、差角ΔHを基に出力指令値Dm を決める処
理方法を採用するものの、ハンドル操作を停止すれば操
舵輪16を停止でき、ハンドル17を切り返せばその切
り返しの瞬間に操舵輪16を停止させることができる。
そして、ハンドル切り返し後は、逆符号の差角ΔHが生
じるので操舵輪16は反転する。
【0056】また、例えばフォークリフト1が走行して
いるときに、操舵輪16が走行路面上の障害物(石な
ど)に当たって、ハンドル17を操作していないにも拘
わらず操舵輪16の切れ角Rがずれる場合がある。この
とき、CPU22が逐次算出する差角ΔHの値が「0」
でなくなるので、CPU22はこの差角ΔHを無くすよ
うにPSモータ36を駆動する。このため、操舵輪16
の切れ角Rが外力によってずれても元の切れ角Rに復帰
させようとする復元力が発生する。PSモータ36の停
止中は、操舵輪16に操舵のための動力が伝わっていな
いので、操舵輪16を一定の切れ角Rに保持する保持力
が低下している。しかし、操舵輪16の切れ角Rが外力
によってずれようとすると、PSモータ36が駆動され
て元の切れ角Rに復帰させる復元力が付与されるので、
操舵輪16の保持力が確保される。
【0057】図7は、ハンドルノブ位置補正制御を説明
する説明図である。第2カウンタ46はハンドル17の
回転に対して0〜159の間で計160パルスをカウン
トし、ハンドルノブ18がノブ位置原点と一致して、受
光素子33からの検出信号S3のパルスを検出する度に
そのカウント値がリセットされる。つまり、第2カウン
タ46はハンドルノブ18のノブ位置が最下点にくるノ
ブ位置原点を「0」とし、そのノブ位置原点からハンド
ル17を操舵したときに0〜159までのカウント値C
nをカウントする。CPU22は第2カウンタ46のカ
ウント値Cnから、0〜360度の範囲内でハンドルノ
ブ18の実ノブ位置(実位置)Nを算出する。つまり実
ノブ位置Nは、原点を基準としてハンドル一回転(36
0゜)のうちどの位置にハンドルノブ18が位置するか
をに示す。
【0058】一方、CPU22は上述したように、−9
0度〜+90度の範囲内で操舵輪16の切れ角Rを算出
し、算出した切れ角Rにリンク比「12」を乗算してハ
ンドル換算値Htを算出している。このとき、CPU2
2はハンドル換算値Htから、第2カウンタ46のカウ
ント値Cnと比較を行うためのカウンタ換算値Ckを算
出する。このカウンタ換算値Ckは0〜159の値であ
り、操舵輪16の切れ角に対応してハンドルノブ18が
いるべき位置に応じた値である。CPU22はカウンタ
換算値Ckから、0〜360度の範囲内でハンドルノブ
18の目標ノブ位置(目標位置)Noを算出する。この
ように実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noは、ハンドル一
回転単位の相対角度で求められる。
【0059】また、CPU22はハンドル17の操舵を
検出するとその操作方向を検出し、ハンドル17の操作
方向経路上で実ノブ位置Nから目標ノブ位置Noへ至る
までのズレ角Δθを算出する。そして、CPU22はズ
レ角Δθが180度以内(図10(a)参照)であると
きには第1補正を実行し、PSモータ36への出力指令
値Dm に補正低減係数Kを乗算して出力指令値Dm の値
を変化させる。ちなみに、本例では補正低減係数Kの値
が「0.5」に設定され、第1補正が実行されることで
PSモータ36への駆動電流値が50%に低減される。
【0060】そして、CPU22は補正低減係数Kが乗
算されることで50%に低減された出力指令値Dm (←
K・Dm )をモータ駆動回路44に出力し、この出力指
令値に基づく電流値がPSモータ36に出力される。こ
れにより、PSモータ36が通常よりも低速で回転し、
ハンドル操作時において実ノブ位置Nが目標ノブ位置N
oに追いつくことで、ハンドルノブ18の位置ずれが解
消される。
【0061】一方、CPU22はズレ角Δθが180度
を超える(図10(b)参照)ときには第1補正を実行
しない。この理由として、全電気式操舵装置はハンドル
17とPSモータ36とが機械的にリンクされていない
ので、ハンドル17の実ノブ位置Nが目標ノブ位置No
に対して大きくずれることがある。よって、ハンドル操
作方向のズレ角Δθが180度を超える場合に第1補正
を行うと、ハンドル操作を止めるタイミングによっては
ズレ角Δθが補正以前よりも大きくなる場合が生じてし
まうからである。
【0062】そして、ハンドル17を同一方向に回転し
た場合に、ハンドル17の実ノブ位置Nと目標ノブ位置
Noとの間にΔθ≦180度のずれが生じたときのみ補
正低減係数Kが乗算されるので、PSモータ36の出力
が低減される領域と、出力が低減されない領域とがズレ
角Δθの180度ごとで交互に現れることになる。つま
り、結果として、図11に示すように、ズレ角Δθが1
80度以内のときが補正許可領域となり、ズレ角Δθが
180度を超えるときが補正禁止領域となる。
【0063】また、CPU22は実ノブ位置Nが目標ノ
ブ位置Noと一致したときに第2補正を実行し、PSモ
ータ36へ供給される電流値を「0」に落とす処理を実
行する。つまり、CPU22は第1カウンタ45に操舵
輪16の切れ角Rに応じて決まるカウンタ換算値Ctを
セットすることで差角ΔHを「0」とし、PSモータ3
6へ出力される電流値を「0」にする。これは、例えば
図12に示すように、フォークリフト1を略90度カー
ブさせたその終了時に直進状態に戻すために行われるハ
ンドル操作の直進安定性を高めるためである。直進状態
に戻ったときに直進性を整えるためにハンドル17は左
右に微操作されることが通常行われる。このときに第2
補正が実行されることによって、実ノブ位置Nが目標ノ
ブ位置Noと一致した瞬間にPSモータ36が一瞬停止
される。この第2補正が実行されることで、ハンドル1
7を左右に微操作する際に補正許可領域(K=0.5)
から補正禁止領域(K=1)に切り替る前後におけるP
Sモータ36の出力差が小さく緩和されるので、ハンド
ル操作に対する操舵輪16の直進安定性が確保される。
これはカーブ走行における直進復帰時に限らず、直進走
行中の直進安定性の確保にも当然寄与する。この第2補
正については後でもう一度詳述する。なお、第2補正に
用いられる第1カウンタ45は、第2補正手段及びカウ
ンタを構成する。
【0064】図1は、ハンドルノブ位置補正実行時にC
PU22が行う手順を示すフローチャートである。な
お、S160〜S190が第1補正に、S120,S1
30が第2補正に相当する。このフローチャートは、例
えば2〜50(ミリ秒)の範囲内の所定時間の間隔で繰
り返し実行される。
【0065】まず、ステップ(以下、単にSと記す)1
00では、ハンドル17を切り返した瞬間か、またはハ
ンドル17の操舵を止めた瞬間か否かを判断する。ハン
ドル角センサ26がロータリエンコーダである本例の場
合、CPU22は検出信号S1,S2の立ち上がりエッ
ジとレベル(HレベルかLレベル)との比較処理をして
操舵方向を求め、操舵方向が反転するとハンドル操作の
切り返し時であると判断する。また、CPU22は、ハ
ンドル角センサ26からの検出信号に基づき逐次計時す
るパルス間隔時間がハンドル操作停止と見なせる設定時
間を超えると、ハンドル操作の停止時と判断する。ハン
ドル17が切り返されたとき、または操舵を止めたとき
にはS110に移行し、そうでないときにはS120に
移行する。
【0066】S110では、ハンドル17の位置情報を
操舵輪16の位置情報に合わせる。すなわち、CPU2
2は第1カウンタ45に操舵輪16の切れ角Rから決ま
るカウンタ換算値Ctをセットする。これにより、差角
ΔHが「0」となってPSモータ36の出力が「0」と
なり、操舵輪16の操舵が止まる。従って、ハンドル1
7が停止されているにも拘わらず、操舵輪16の操舵が
継続されたり、ハンドル17を切り返したにも拘わらず
操舵輪16の操舵方向が反転しないような不具合が生じ
ない。
【0067】S120では、ハンドルノブ18の実ノブ
位置Nと、操舵輪16の切れ角Rから決まる目標ノブ位
置Noとが一致したか否かを判断する。すなわち、第2
カウンタ46のカウント値Cnと、操舵輪16の切れ角
Rから決まるカウンタ換算値Ckとが一致したか否かを
判断する。実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noに一致して
いればS130に進み、一致していなければS140に
移行する。
【0068】S130では、ハンドル17の位置情報を
操舵輪16の位置情報に合わせる。すなわち、CPU2
2は第1カウンタ45に操舵輪16の切れ角Rから決ま
るカウンタ換算値Ctをセットする。ハンドル操作中に
実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noが一致する度に差角Δ
Hが「0」となって出力指令値Dm が「0」となる。こ
の第2補正の結果、PSモータ36の出力が一瞬停止さ
れる。
【0069】S140では、ハンドル17と操舵輪16
の差角ΔHを算出する。すなわち、CPU22は第1カ
ウンタ45のカウント値Chを基にしてハンドル17の
ハンドル角Hを算出するとともに、タイヤ角センサ39
からの検出信号を基に決まる切れ角Rからハンドル換算
値Htを算出する。そして、CPU22は2つの値H,
Htの差をとって、ハンドル17と操舵輪16との間の
差角ΔHを算出する。
【0070】S150では、差角ΔHに応じたPSモー
タ36の出力指令値Dm を算出する。すなわち、CPU
22は差角ΔHに図9の関係から決まる所定係数を乗算
して出力指令値Dm を算出する。
【0071】S160では、ハンドル17の操舵方向を
求める。すなわち、CPU22はハンドル角センサ26
から入力する位相のずれた2つのパルス信号を比較処理
してハンドル操舵方向を検出する。そして、ハンドル1
7が右操舵されたか、左操舵されたかが検出される。
【0072】S170では、ハンドルノブ18の実ノブ
位置Nと目標ノブ位置Noとの間のハンドル操作方向に
おけるズレ角Δθを算出する。すなわち、CPU22は
第2カウンタ46のカウント値Cnを基にハンドルノブ
18の実ノブ位置Nを算出するとともに、操舵輪16の
切れ角Rから求まるカウンタ換算値Ckを基にハンドル
ノブ18の目標ノブ位置Noを算出する。そして、CP
U22は図10に示すように、実ノブ位置Nと目標ノブ
位置Noとの間においてハンドル17の操作方向の差を
とってズレ角Δθを算出する。
【0073】S180では、ハンドル操作方向のズレ角
Δθが180度以内(Δθ≦180度)か否かを判断す
る。Δθ≦180度が成立するときはS190に移行
し、Δθ≦180度が不成立のときはS200に移行す
る。
【0074】S190では、PSモータ36の出力指令
値Dm に補正低減係数Kを乗算する。本例では、PSモ
ータ36への出力指令値Dm に「0.5」が乗算され、
その乗算結果として50%軽減された出力指令値Dm が
得られる。
【0075】S200では、出力指令値Dm をPSモー
タ36に出力する。つまり、補正低減係数Kが乗算され
た出力指令値Dm が出力されたときには、ハンドル操作
の割にPSモータ36の出力が小さく抑えられ、PSモ
ータ36が相対的に低速で回転する。この結果、ハンド
ル17の操作速度に対して操舵輪16の操舵速度が通常
時(補正禁止時)より遅れることになり(例えば通常操
舵速度に比べ約半減)、ハンドル17の空転状態が作り
出される。これにより実ノブ位置Nが目標ノブ位置No
に追いつくことでハンドルノブ18の位置ずれが解消さ
れる。一方、補正低減係数Kが乗算されない出力指令値
Dm が出力されたときには、通常の駆動力でPSモータ
36が駆動される。
【0076】次に図12に示すようにコーナを曲がると
きを例にして、ハンドル操舵特性およびハンドルノブ位
置補正について説明する。図14は、カーブ走行時にお
ける仮出力指令値Dm 、補正低減係数K、最終出力指令
値Dm の変化の様子を示すグラフである。ここで、仮出
力指令値Dm とは、差角ΔHから図9に示す関係を用い
て求められる値を指し、最終出力指令値Dmとは仮出力
指令値Dm に補正低減係数K(但しK=1を含む)を乗
算して得られる値を指す。なお、出力指令値Dm のグラ
フ中、「+」表記がハンドル右操舵に対応するモータ右
回転(正転)、「−」表記がハンドル左操舵に対応する
モータ左回転(逆転)を示す。
【0077】例えば車両が直進走行している状態から図
12に示すように右折する場合、まずハンドル17が右
操舵される。直進走行時の第1カウンタが「0」であっ
たとすると、この右操舵の開始ととも第1カウンタ45
の値Chはカウントダウンされる。ハンドル17が操作
されてΔHが大きくなるに連れて図9の関係に示される
ように出力指令値Dm も増大する。例えば図14に示す
ように右操舵時は、同図(a)に示すような出力指令値
Dm が得られる。
【0078】ハンドル17を右操舵するときにノブずれ
が発生するが、ハンドル操作方向のズレ角Δθが180
度を超えているうちはハンドルノブ位置補正は実行され
ない。よって、補正低減係数K=0.5は乗算されず、
K=1に相当する出力指令値Dm が指令される。
【0079】そして、ハンドル17を切り返した瞬間、
第1カウンタ45に切れ角Rから決まるカウンタ換算値
CtがセットされることによりΔHが「0」となる。よ
って、この切り返しの瞬間、出力指令値Dm が「0」に
なってPSモータ36が停止される。そしてハンドル1
7が左方向へ逆操作されるとΔHが「0」からカウント
アップされ、ΔHが大きくなるに連れて図9の関係に示
されるように出力指令値Dm も増大する。この左操舵時
は同図(b)に示すような出力指令値Dm が得られる。
【0080】ハンドル17を切り返した後に直進側へ戻
すときは、実ノブ位置Nから目標ノブ位置No に近回り
で向かうハンドル操作方向となってズレ角Δθが180
度以下になるので、ハンドルノブ位置補正が実行され
る。このとき出力指令値Dm は正規値の50%に低減さ
れる。そして、ハンドル17を直進状態に戻すと、車体
を直進走行状態に整えるために運転者はハンドル17を
左右に微操作する。このとき、実ノブ位置Nが目標ノブ
位置No を通過する度に、第1カウンタ45に切れ角R
から決まるカウンタ換算値Ctがセットされて差角ΔH
=0とされるので、PSモータ36の出力が一瞬切られ
る。このため、ハンドル操作に対する直進安定性が確保
される。このため、図14に示すように直進状態に戻っ
た後のハンドル微操作中は実ノブ位置が目標ノブ位置を
通過する度にPSモータ36が一瞬切られる。
【0081】この際、ハンドル直進微操作中において、
実ノブ位置が目標ノブ位置に接近するときに補正許可領
域(K=0.5)にあり、実ノブ位置が目標ノブ位置を
通過し終わると補正禁止領域(K=1)になる。
【0082】図13は、直進走行時にハンドルを微操作
する際の操舵制御を説明するものである。例えばハンド
ル微操作時に、ハンドル17を同図(a)の左切り返し
点HLから同図(e)の右切り返し点HRまで、左操作す
るときの最終出力指令値Dmは次のように決まる。 (1) ハンドル17を右操舵から左操舵に切り返した時点
(左切り返し点HL)で、第1カウンタ45に切れ角R
から決まるカウンタ換算値Ctがセットされるので、Δ
H=0となり最終出力指令値Dm =0になる(同図
(a))。 (2) 実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noに接近する過程
は、補正許可領域なので、切り返し点HLをΔH=0と
して増加する差角ΔHの値から決まる出力指令値Dmに
K=0.5を乗算して最終出力指令値「0.5Dm 」が
得られる(同図(b))。 (3) 実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noを通過する際は、
両点N,No が一致した瞬間にΔH=0とされるため
(S100,S110,S140)、最終出力指令値D
m は「0」になる(同図(c))。 (4) 実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noから離間する過程
は、補正禁止領域なので、実ノブ位置Nが目標ノブ位置
Noに一致した時点をΔH=0として増加する差角ΔH
の値から決まる出力指令値「Dm 」がそのまま最終出力
指令値になる(同図(d))。 (5) ハンドル17を左操舵から右操舵に切り返す時点
(右切り返し点HR)で、第1カウンタ45にそのとき
の切れ角Rから決まるカウンタ換算値Ctがセットされ
るので、差角ΔH=0となり最終出力指令値Dm =0に
なる(同図(e))。
【0083】図15は、第2補正が、直進操作安定性を
保証できる理由を説明するグラフである。同図(a)が
第2補正を実施した例、同図(b)が第2補正を実施し
ない例である。。
【0084】第2補正を実施しない場合、例えばハンド
ル左操作過程であれば、左切り返し点HL から右切り返
し点HR に至るまでΔHが徐々に増大し、図15(b)
の上段に示す山型波形を描くような仮出力指令値Dm が
決まる。この際、実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noを通
過する前は補正許可領域(K=0.5)で、通過後は補
正禁止領域(K=1)なので最終出力値Dm は同図
(b)下段のように上段の山型の前半部分だけが50%
低減され、実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noを通過する
と最終出力指令値Dm が急増する。つまり、補正実施領
域と補正禁止領域の境界を挟む前後で最終出力指令値D
m に大きな差が生じる。従って、運転者はハンドル17
を微操作しているつもりでも、ハンドル微操作範囲の中
程を過ぎて補正禁止領域に入った時点からPSモータ3
6が過大な出力となって、操舵輪16の切れ角Rが運転
者の意図に反して少し過大に切れてしまう。これが蛇行
気味の直進走行を引き起こす原因となる。
【0085】これに対し、第2補正を実施する場合は、
例えばハンドル左操作過程で、左切り返し点HL から徐
々に増大したΔHは、ハンドル微操作範囲の中程で実ノ
ブ位置Nが目標ノブ位置Noを通過して両者が一致した
時点で一旦「0」になり、この時点からΔHは再び
「0」から増大することになる。よって、同図(a)の
上段に示す小さめの2つの山型波形を描くように仮出力
指令値Dm は決まる。点HL から点HR に至る途中で実
ノブ位置Nが目標ノブ位置Noを通過する前は補正許可
領域(K=0.5)で、通過後は補正禁止領域(K=
1)なので最終出力指令値Dm は同図(a)下段のよう
に上段の前半1つの山型だけが50%低減される。しか
し、後半1つの山型がもともと小さめなので、補正実施
(許可)領域と補正禁止領域の間で最終出力指令値Dm
に大きな差が生じにくくなる。このため、実ノブ位置N
が目標ノブ位置Noを通過した後の出力指令値Dm の増
加割合が緩和され、補正実施領域から補正禁止領域に切
り換わる時のモータ出力値の急増特性が緩和される。従
って、ハンドル微操作範囲の中程を過ぎた時点から補正
禁止領域に入った後も、それまでとPSモータ36の出
力が大きく変わらず、運転者の意図通りの直進操作安定
性が得られる。
【0086】このように第2補正によれば、補正許可領
域から補正禁止領域に移行する変わり目で、ΔHを零に
してPSモータ36の出力を「0」にすることと、補正
禁止領域の出力値を決めるΔHを振り出し「0」に戻す
(リセットする)こととの2点の理由により、直進操作
安定性が保証される。
【0087】従って、ハンドル微操作中は実ノブ位置N
と目標ノブ位置Noが一致する度に出力指令値Dm が
「0」に落ちるため、実ノブ位置Nが目標ノブ位置No
を通過後もPSモータ36の出力値がさほど急増せず、
実ノブ位置Nが目標ノブ位置Noを通過する前後におけ
るPSモータ36の出力差が小さく緩和される。よっ
て、ハンドル直進微操作中は、ハンドル操作量(差角Δ
H)に対する操舵輪16の操舵量(最終出力指令値D
m)が比較的安定するので、直進走行安定性が確保され
易くなる。例えばハンドル微操作中に車両が蛇行気味に
直進走行する不都合を防止できる。特にカーブを曲がり
終えて直進状態に戻す際は、車体を直進姿勢に整えるた
めにハンドル17を微操作するが、このとき少ないハン
ドル微操作で比較的スピーディに安定な直進状態に復帰
できる。
【0088】また、カーブを曲がるときなどハンドル操
作過程では、差角ΔHに応じて出力指令値Dmが決まる
ので、ハンドル17を速く操作すれば差角ΔHが大きく
なって操舵輪16が速く操舵される。よって、通常のハ
ンドル操作をする限りにおいて、ハンドル操作に対して
操舵輪16はほとんど遅れなく追従する。このため、ハ
ンドル操作停止時に差角ΔHの如何に拘わらずこれを強
制的に零として操舵輪16を即座に停止しても、このと
きの操舵輪16の操舵量はハンドル操作量にほぼ見合っ
たものとなる。
【0089】従って、この実施形態では以下のような効
果を得ることができる。 (1)差角ΔHに応じて出力指令値Dmを決め、差角Δ
Hに応じてPSモータ36の駆動力(トルク)を制御す
るので、ハンドル操作量に切れ角量を追従させるハンド
ル操舵制御を実現することができる。また、ハンドル操
作の停止または切り返しを検出したときは、第1カウン
タ45に切れ角Rから決まるカウンタ換算値Ctをセッ
トして差角ΔHを強制的に「0」にし、PSモータ36
を停止させる。よって、差角ΔHの値に応じてPSモー
タ36の出力指令値Dmを決める構成としているもの
の、ハンドル操作の停止時または切り返し時は即座に操
舵輪16が停止される。このため、ハンドル17を回し
過ぎてもハンドル操作を止めれば、ハンドル操作量に比
例する切れ角量が操舵されてしまうことはなく、ハンド
ル操作停止と同時に操舵輪16の操舵が停止される。そ
のため、ハンドル操作を停止させたにも拘わらず、操舵
輪16がハンドル操作停止直後しばらく動き続ける不都
合を回避することができる。また、ハンドル切り返し時
はハンドル17を切り返したと同時に操舵輪16が直ち
に反転し逆方向に操舵される。従って、全電気式操舵装
置において、ハンドルと操舵輪が機械的に連結された操
舵装置と同様のハンドル操作フィーリングが得られると
ともに、ハンドル操作停止時や切り返し時には運転者の
意図通りの操舵が可能である。
【0090】(2)リンク比「12」のデータをEEP
ROM25に記憶しているので、例えばリンク比を車種
毎や仕様毎に値を変更して設定したい場合、出荷前にE
EPROM25に設定するリンク比の値を車種毎または
仕様毎に変更すれば、車種や使用毎に適したリンク比を
簡単に設定することができる。もちろん、車両出荷後に
リンク比の値を変更することも可能である。
【0091】(3)PSモータ36の能力が不足してハ
ンドル17に操舵輪16が追従できない場合や、操舵輪
16がエンドで規制された状態でハンドル17を回転し
続けた場合にはハンドル17のノブ位置が切れ角Rに対
してずれることになる。しかし、ハンドルノブ位置補正
が実行され、ハンドル操作時にPSモータ36の出力が
低減されることでハンドル17が空転気味に操舵されて
操舵輪17に追いつくので、このようなずれも補正され
る。特に本実施形態では、ハンドル17の操作停止時や
切り返し時に、差角ΔHを強制的に零にしてPSモータ
36の出力を停止させるためにずれが発生するが、ハン
ドルノブ位置補正によりこの種のずれも補正される。こ
のため、ハンドルノブ18は操舵輪16の切れ角Rに応
じた正規の位置に配置される頻度が高く、例えばハンド
ルノブ18の位置から切れ角Rを判断する目安とされて
も、ほぼ正しく切れ角Rを判断できる。
【0092】(4)ハンドルノブ位置補正が実行される
際は第1補正が実行され、出力指令値Dm が所定割合
(K=0.5)だけ低減される。よって、ハンドルノブ
位置補正中であっても、PSモータ36の出力を零にす
る訳でないので、操舵輪16の保持力が確保される。全
油圧式操舵装置であればステアリングシリンダ中の作動
油の存在により操舵輪の保持力がある程度確保される
が、全電気式操舵装置ではPSモータ36の停止中は操
舵輪16の保持力が確保されにくい。しかし、PSモー
タ36の出力を零とはせず通常の半分は出力するので、
操舵輪の保持力が確保される。従って、ハンドルノブ位
置補正実行中に操舵輪16が石などを踏んで外力が加わ
っても、操舵輪16の切れ角Rが変化する事態は回避で
き、ハンドルノブ位置補正を実行することに起因する車
体2の不安定化を防止できる。
【0093】(5)ハンドル操作中は第2補正が実行さ
れ、実ノブ位置Nが目標ノブ位置No に一致すると、P
Sモータ36の出力指令値Dm を「0」とし、PSモー
タ36を停止する。ハンドル操作中に補正禁止状態から
補正許可状態に切り替わって出力指令値が0.5Dm か
らDm に倍増しても、この切り替り時にPSモータ36
が一瞬停止することで、切り替り前後におけるPSモー
タ36の出力差が小さく緩和される。よって、ハンドル
操作に対する直進安定性が確保される。例えばカーブを
終了して直進状態に復帰したときに蛇行気味の直進走行
となる事態を回避し易い。
【0094】(6)さらに第2補正では、ハンドル操作
中に補正禁止状態から補正許可状態に切り替わる際に第
1カウンタ45の処理によりΔH=0にするので、切り
替わり前後におけるPSモータ36の出力差をより一層
小さく緩和できる。この結果、ハンドル操作に対する直
進安定性が一層確保され易い。
【0095】(7)ハンドルノブ18のズレ角Δθは、
ハンドル一回転単位の相対角度で求められるので、仮に
1回転半ずれても半回転のずれ量の補正だけで済む。 (8)ズレ角Δθが180度以内の近回りのときのみ補
正をするので、ハンドルノブ補正を実行したことで、却
ってずれが拡大することを回避できる。
【0096】なお、実施形態は前記に限定されず、例え
ば、次の態様に変更してもよい。 ○ カウンタ処理を採用しない方法で停止手段を構成し
てもよい。例えばポテンショメータなどを使用して得ら
れたハンドル角の検出値を、CPUで毎回計算処理して
出力指令値計算用の値(ハンドル角)を求める方法でも
よい。
【0097】○ リンク比は一定値であることに必ずし
も限定されない。例えば差角Δの大きさに応じてリンク
比の値を一部域または全域で多少可変させても構わな
い。 ○ 補正低減係数Kは一定値(0.5)であることに限
定されない。例えば補正低減係数Kを可変の値に設定し
てもよい。補正許可領域においてズレ角Δθが減少する
に従って比例関係をもって増加する値としてもよい。こ
の設定方法でも、ハンドル位置補正中において出力指令
値Dm が所定割合低減されるのみなので、PSモータ3
6の動力が操舵輪16に少ないながらも伝わるので、操
舵輪16の保持力を確保することができる。
【0098】○ 第1補正の補正許可領域はズレ角が1
80度以内の時に限定されず、180度以内の任意の値
以内の時としてもよい。 ○ 第2補正は、ハンドルの実位置と操舵輪の切れ角と
の位置関係のずれが解消された所定時期にPSモータの
出力を零にすることに限定されない。単に出力を所定割
合低減させるだけでもよい。この場合、第1カウンタ4
5には差角ΔHが零より大きくなるような値をセットす
る。
【0099】○ 前記実施形態では、第1カウンタ45
はハンドル角検出手段を構成するもの(ハンドル角の値
を計数するもの)であったが、ハンドル角検出手段と別
に用意したカウンタを使用して停止処理を行ってもよ
い。例えばハンドル角センサとしてポテンショメータを
使用する場合、当然カウンタは不要であるが、この場合
にも、格納手段としてのカウンタを出力指令値計算用に
用意する。そして、ハンドル操作を停止または切り返し
たときに、このカウンタに切れ角Rから決まるカウンタ
換算値Ctをセットし、差角ΔH=0にする。この場
合、格納手段としてのカウンタは、差角ΔHを求めるた
めに使われ、差角算出手段に含まれる。もちろん、格納
手段は、カウンタに限定されず、RAM24やEEPR
OM25などの書替可能メモリの所定記憶領域を利用す
るものであっても構わない。この場合、RAM24やE
EPROM25などが格納手段となる。
【0100】○ 停止手段による処理で使用される格納
手段やカウンタは、ハンドル角と切れ角のどちらの値を
格納または計数するものでも構わない。例えば切れ角が
計数されるカウンタを用意し、ハンドル角を切れ角換算
したカウンタ換算値をそのカウンタにセットすることで
差角ΔRを零にする方法でもよい。また、ハンドル角と
切れ角の両方を2つのカウンタに各々計数される構成と
し、一方のカウンタの計数値を他方の計数値に合わせ込
む処理をして、差角ΔHまたはΔRを零にする方法でも
よい。これらの方法によっても、差角ΔHまたはΔRが
零になることで、これを基に決まる出力指令値が零とさ
れ、PSモータ36の駆動が停止される。
【0101】○ ハンドル角Hとハンドル換算値Htと
の差角ΔHに基づき操舵輪16を駆動する出力指令値を
決める構成に限定されない。ハンドル操作速度を除く、
ハンドル操作に対して操舵輪をリンク比に応じた操舵制
御させられる、操作量(または角度量)に応じたパラメ
ータ(操作量または角度量と同じ次元)を用いることが
できる。
【0102】○ ハンドル位置補正装置が適用される操
舵装置は全電気式に限らない。例えばハンドルの操作量
を検出した信号を基に、電磁制御弁(例えば電磁比例
弁)を制御してステアリングシリンダ(PSシリンダ)
に供給する油量を制御する操舵装置において適用するこ
ともできる。もちろん、電磁制御弁に替え、ステアリン
グシリンダに作動油を供給する油圧ポンプを駆動するた
めの電動モータを駆動手段(電気式駆動手段)とした操
舵装置に適用してもよい。これらの場合、ハンドル角補
正は、電磁制御弁の開度調整や電動モータの回転速度制
御することにより操舵輪の操向速度をハンドルの操作速
度に対し遅らせる制御をする。また第2補正を実施する
場合、電磁制御弁を開弁するとともにその開度を補正時
の開度よりも大きくする。電動モータの回転速度を補正
時の速度より遅くする。なお、これらの操舵装置の場
合、駆動手段は、ステアリングシリンダの他、電磁制御
弁または電動モータにより構成され、制御手段及び停止
手段は、コントローラ等により構成される。
【0103】○ ハンドル位置補正は、操舵輪16の切
れ角Rから求まる目標ノブ位置にハンドル17の実ノブ
位置を近づける方式に限定されない。例えばハンドル1
7のハンドル角から目標タイヤ角を求め、実タイヤ角を
目標タイヤ角に近づける方式を採用してもよい。
【0104】○ ハンドル17の実ノブ位置Nと目標ノ
ブ位置Noは0〜360度の相対角度で算出されること
に限定されず、絶対角度で算出されてもよい。例えば、
本例では実ノブ位置Nと目標ノブ位置Noが−1080
度〜+1080度の範囲内の絶対角度で算出されてもよ
い。
【0105】○ ハンドル17にはハンドルノブ18が
必ずしも設けられていることに限らず、ハンドル17に
ノブがないものでもよい。 ○ 産業車両はオーダーピッキング型フォークリフト1
に限定されず、カウンタバランス式やリーチ式等の他の
様式のフォークリフトでもよい。また、本例のハンドル
ノブ位置補正制御は産業車両に用いることに限らず、自
動車等の車両に用いてもよい。
【0106】前記実施形態及び別例から把握できる技術
的思想を、以下に記載する。 (1)請求項2〜5のいずれか一項に記載の発明におい
て、操舵装置は、前記駆動手段が電気式駆動手段である
全電気式操舵装置であり、前記制御手段は、前記差角に
応じた指令値を基に前記駆動手段を制御することを要旨
とする。
【0107】(2)請求項8の発明において、ハンドル
操作方向を検出する操作方向検出手段を備え、前記補正
手段は、前記ハンドル操作方向が、前記実位置から前記
目標位置に近回りで至る方向であれば補正を実行する。
【0108】(3)請求項9に記載の発明において、前
記第2補正手段による第2補正は、前記補正禁止後の出
力を小さくする。 (4)請求項9の発明において、前記第2補正手段によ
る第2補正は、補正禁止後の出力を小さく導く補正、ま
たは補正禁止後の出力を小さく低減させる補正である。
【0109】(5)請求項1〜12のいずれかの発明に
おいて、前記駆動手段は電気式駆動手段であって、前記
操舵装置は全電気式操舵装置である。 (6)請求項1〜12及び前記技術的思想(1)〜
(5)のうちいずれかの操舵装置を備えた産業車両。
【0110】(7)前記技術的思想(6)において、前
記産業車両は、車体に対して運転台が昇降するオーダー
ピッキング型である。
【0111】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜13に記
載の発明によれば、ハンドルと操舵輪が機械的に連結さ
れていない操舵装置であっても、切れ角を決める操舵の
際にハンドルと操舵輪が所定のリンク比で連結されてい
るかのようなハンドル操作フィーリング(操舵感覚)を
提供することができる。
【0112】請求項7〜13に記載の発明によれば、さ
らにハンドル角と切れ角とのずれが生じても補正するこ
とができる。請求項9〜13に記載の発明によれば、さ
らにハンドルと切れ角とのずれを補正する処理を採用し
ても、ハンドル操作の直進安定性を確保し易くすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態におけるハンドルノブ位置補正の
実行手順を示すフローチャート。
【図2】 オーダーピッキング型フォークリフトの斜視
図。
【図3】 フォークリフトの概略的構成を示す模式側面
図。
【図4】 フォークリフトの電気的構成図。
【図5】 (a)はハンドル角センサの構成図、(b)
はハンドル角センサから出力される信号波形図。
【図6】 PSモータの出力指令値の計算方法を説明す
る説明図。
【図7】 ハンドルノブ位置補正制御を説明する説明
図。
【図8】 (a)はハンドルと操舵輪に差角が生じたと
きの説明図、(b)はその差角を無くす処理の説明図。
【図9】 差角とモータ出力指令値との関係を示すグラ
フ。
【図10】 (a)はズレ角が180度以内のときの状
態図、(b)はズレ角が180度を超えるときの状態
図。
【図11】 ズレ角と補正低減係数の関係を示すグラ
フ。
【図12】 車両がカーブ走行したときの動作図。
【図13】 ハンドル微操作中における第2補正を説明
する説明図。
【図14】 カーブ走行過程における出力指令値の変化
を示すグラフ。
【図15】 (a)は第2補正の原理説明をする出力指
令値のグラフ、(b)は第2補正を実施しない場合の出
力指令値のグラフ。
【図16】 従来技術における操舵装置を制御する電気
回路図。
【図17】 従来技術における全電気式操舵装置を備え
たオーダーピッキングトラックの概略構成図。
【符号の説明】
1…車両としてのフォークリフト、2…車体、4…運転
台、16…操舵輪、17…ハンドル、21…制御手段及
び停止手段等を構成するコントローラ、22…制御手
段、停止手段、補正手段、第2補正手段及び操舵輪保持
手段を構成するCPU、25…記憶手段としてのEEP
ROM、26…ハンドル角検出手段を構成するハンドル
角センサ、36…駆動手段及び電気式駆動手段としての
PSモータ、39…切れ角検出手段を構成するタイヤ角
センサ、44…制御手段及び停止手段等を構成するモー
タ駆動回路、45…第2補正手段及びカウンタを構成す
る第1カウンタ、46…実ハンドル角を検出するハンド
ル角検出手段を構成する第2カウンタ、R…切れ角、N
…実ハンドル角としての実ノブ位置、No…目標ハンド
ル角としての目標ノブ位置。
フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC08 CC24 DA02 DA03 DC03 EB01 EC22 GG06 3F333 AA02 AA15 AC01 AE02 BA02 BD02 BE02 CA11 CA21 CA24 FA20 FA25 FA28 FD09 FE04 FE05 FE08 FE09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルと操舵輪が機械的に連結されて
    いない操舵装置であって、 ハンドルのハンドル角を検出するハンドル角検出手段
    と、 操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、 操舵輪を駆動する駆動手段と、 前記各検出手段により検出されたハンドル角と切れ角と
    を基に、前記ハンドルと前記操舵輪との間に設定された
    所定のリンク比を考慮して、前記ハンドルの操作量に前
    記操舵輪の切れ角量を追従させるように前記駆動手段を
    制御する制御手段と、 ハンドル操作の停止及び切り返しを検出するハンドル操
    作検出手段と、 前記ハンドル操作検出手段が前記ハンドル操作の停止又
    は切り返しを検出すると、前記駆動手段の駆動を停止す
    る停止手段とを備えた操舵装置。
  2. 【請求項2】 ハンドルと操舵輪が機械的に連結されて
    いない操舵装置であって、 ハンドルのハンドル角を検出するハンドル角検出手段
    と、 操舵輪の切れ角を検出する切れ角検出手段と、 操舵輪を駆動する駆動手段と、 ハンドルと操舵輪との間に設定された所定のリンク比が
    考慮されたハンドル角と切れ角との差角を求める差角算
    出手段と、 前記差角に応じた駆動力が得られるように前記駆動手段
    を制御する制御手段と、 ハンドル操作の停止及び切り返しを検出するハンドル操
    作検出手段と、 前記ハンドル操作検出手段が前記ハンドル操作の停止又
    は切り返しを検出すると、前記駆動手段の駆動を停止す
    る停止手段とを備えた操舵装置。
  3. 【請求項3】 前記停止手段は、前記ハンドル操作検出
    手段が前記ハンドル操作の停止又は切り返しを検出する
    と、前記差角算出手段により求められる前記差角を零化
    するリセット処理を行う請求項2に記載の操舵装置。
  4. 【請求項4】 前記差角算出手段は、ハンドル角と切れ
    角のうち少なくとも一方の検出値を格納する格納手段を
    備え、ハンドル角と切れ角のうち前記格納手段に格納さ
    れた検出値と他方の検出値とを基にハンドル角と切れ角
    との前記リンク比を考慮した差角を計算するものであっ
    て、 前記停止手段は、前記ハンドル操作検出手段が前記ハン
    ドル操作の停止又は切り返しを検出すると、前記格納手
    段に格納された検出値を、他方の検出値の前記リンク比
    を考慮した換算値に合わせ込む処理を行う請求項2又は
    3に記載の操舵装置。
  5. 【請求項5】 前記ハンドル角検出手段と前記切れ角検
    出手段のうち少なくとも一方は検出対象の変位量に応じ
    た数のパルスを出力するパルス式センサと、該パルス式
    センサから出力されるパルスを計数するカウンタとを備
    え、 前記停止手段は、前記ハンドル操作検出手段が前記ハン
    ドル操作の停止又は切り返しを検出すると、前記カウン
    タが計数した検出値を、他方の検出値の前記リンク比を
    考慮した換算値に合わせ込む処理を行う請求項2又は3
    に記載の操舵装置。
  6. 【請求項6】 前記リンク比のデータを記憶する書替可
    能な記憶手段を備えている請求項2〜5のいずれか一項
    に記載の操舵装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の操
    舵装置において、 前記ハンドル角と前記切れ角との位置関係のずれを検出
    すると、前記ハンドル操作に応じた前記駆動手段の出力
    を停止または低減させるように前記駆動手段を制御し
    て、前記ハンドルを前記操舵輪に追いつくように空転さ
    せる補正手段を備えている操舵装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の操舵装置において、 前記補正手段は、前記ハンドル角と前記切れ角との位置
    関係のずれを検出すると、前記ハンドル操作に応じた前
    記駆動手段の出力を所定割合低減させるように前記駆動
    手段を制御して、前記ハンドルを前記操舵輪に追いつか
    せるように空転させる補正手段を備えている操舵装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の操舵装置におい
    て、 前記ハンドル角と前記切れ角との位置関係が一致して前
    記補正手段による実行内容が補正状態から補正禁止状態
    に切り替わる前後における前記駆動手段の出力差を小さ
    く緩和する第2補正を前記駆動手段の出力に与える第2
    補正手段を備えている操舵装置。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8に記載の操舵装置にお
    いて、 前記ハンドル角と前記切れ角との位置関係が一致したこ
    とを検出すると、前記差角算出手段により求められる前
    記差角を零化するリセット処理を行う第2補正手段を備
    えている操舵装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項に記載
    の操舵装置において、 前記ハンドル角検出手段は、実ハンドル角であるハンド
    ルの実位置をハンドル一回転単位における相対角度で検
    出し、 前記切れ角を前記ハンドルの相対角度に換算した目標位
    置を求める目標位置演算手段を備え、 前記補正手段は、前記実位置と目標位置との相対角度で
    のずれを小さくするように前記駆動手段を制御する操舵
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項2〜7のいずれか一項に記載の
    操舵装置において、 前記駆動手段は電気式駆動手段であり、前記ハンドル操
    作停止時に前記操舵輪の切れ角がずれたことにより差角
    が生じると、該差角分のずれを解消するように前記駆動
    手段を駆動させる操舵輪保持手段を備えている操舵装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか一項に記載
    の操舵装置を装備する車両。
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