JP4541074B2 - 操舵装置 - Google Patents
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Description
さらに、このような操舵装置において、ステアリングの操舵角に対する転舵角の比(舵角比)が車両の速度の増大に伴い減少傾向に変化するように設定することで、相対的に高車速状態では単位操舵角あたりの転舵角の変化を小さく設定し、相対的に低車速状態では単位操舵角あたりの転舵角の変化を大きく設定する制御が知られている。
例えば、車体のスピン等の異常な走行状態が発生した後に車両が停止したことに伴い操舵装置の作動が停止させられたり、車両の走行状態において操舵装置の作動が強制的に停止させられた場合等に、停止状態の車両で操舵装置を再起動させると、この時点での実際の転舵角は、この時点でのステアリングの操舵角と車速がゼロである状態に対応した所定の舵角比とにより得られる転舵角とは異なる値となり、例えば舵角比が車両の速度の増大に伴い減少傾向に変化するように設定されている状態では、速度に応じた転舵角が実際の転舵角に対して過剰に大きな値となる。
しかしながら、運転者の運転意志には何等関わらずにステアリングが回転駆動されてしまうことで、運転者が違和感を感じてしまうという問題が生じる。
さらに、請求項2または請求項3に記載の本発明の操舵装置の制御方法によれば、運転者に操舵フィーリングの違和感を与えることを抑制しつつ、操舵制御の処理を滑らかに切り換えることができる。
本実施の形態による操舵装置1は、例えば図1に示すように、運転者が操舵を行うステアリングホイール(操作子、以下、単にステアリングと呼ぶ)2と、ステアリング2に付設された操舵角センサ3および操舵反力付加モータ(反力アクチュエータ)4および操舵トルクセンサ5と、左右の車輪(転舵輪)6にナックルアーム7及びタイロッド8を介して連結されたステアリングロッド9と、ステアリングロッド9を軸方向に駆動して車輪6に舵角(転舵角)を与えるステアリングモータ(転舵アクチュエータ)10と、車両の速度(車速)を出力する車速センサ11と、ステアリングロッド9の軸方向位置から車輪6の舵角を出力する転舵角センサ(転舵角測定手段)12と、操舵反力付加モータ4及びステアリングモータ10を制御する制御装置13とを備えて構成されている。
これにより、ステアリング2に運転者が与えた操舵角に対し、その時の車速を加味した最適な車輪6の転舵角が決定される。
これにより、運転者による操舵方向とは逆方向の操舵反力がステアリング2に加えられ、ステアリング2と車輪6との間が、あたかも直接連結されているかのような操舵フィーリングが得られる。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、つまり操舵角θに対する転舵角δの比(舵角比)と車両の走行状態(例えば、車速V等)との所定の関係を示す舵角比マップを予め記憶しておき、車両の走行状態の検出値あるいは推定値に基づき舵角比マップをマップ検索することで車両の走行状態に応じた舵角比を算出し、この舵角比と、運転者によるステアリング2の操舵角θとに基づき、転舵角δの目標値(目標転舵角δT)を算出する制御の実行開始状態である場合には、ステップS02に進む。
なお、この舵角比マップにおいては、例えば標準制御舵角比K0(V)が車速Vの増大に伴い減少傾向に変化するように設定されている。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS09に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS03に進む。
この判定結果が「YES」の場合、例えば車体のスピン等の異常な走行状態が発生した後に車両が停止したことに伴い操舵装置1の作動が停止させられたり、車両の走行状態において操舵装置1の作動が強制的に停止させられた後に、停止状態の車両で操舵装置1を再起動させた場合等のように、システム起動時の実際の転舵角δに対して、この時点での車速Vがゼロである状態に対応してマップ検索される標準制御舵角比K0(V)と、この時点での操舵角θとにより得られる転舵角(θ×K0(V))が過剰に大きな値となる場合には、後述するステップS07に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS04に進む。
次に、ステップS05においては、操舵角θに制御舵角比Kを積算して得た値(θ×K)を目標転舵角δTとして設定する。
そして、ステップS06においては、例えばPI(比例・積分)制御等によって目転舵角δTと転舵角δとの差がゼロとなるようにしてステアリングモータ10を駆動制御する転舵角制御を実行し、一連の処理を終了する。
そして、制御舵角比Kとして、この時点での実際の転舵角δをこの時点での実際の操舵角θで除算して得た値(δ/θ)を設定し、上述したステップS05に進む。つまり、
システム起動の前後において、例えば実際の転舵角δおよび操舵角θが不変であれば、車速Vが変化していることで標準制御舵角比K0(V)が変化している状態であっても、制御舵角比Kが不変となるように設定される。
この判定結果が「YES」の場合、つまりステアリング2の状態が中立位置に到達している場合には、ステップS10に進み、このステップS10においては、制御舵角比Kとして標準制御舵角比K0(V)を設定し、次に、ステップS11において、起動可変制御フラグF_Cのフラグ値に「0」を設定して、上述したステップS05に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS12に進む。
そして、ステップS12においては、制御舵角比Kと標準制御舵角比K0(V)とが同等であるか否かを判定する。
ステップS12の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS05に進む。
一方、ステップS12の判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS10に進む。
このため、例えば時刻t2から時刻t3に示す車両の停止状態を経て、システム電源がオン状態に設定される時刻t3においては、システム電源がオフ状態となった時刻t1から時刻t3において操舵角θおよび転舵角δが不変であれば、システム起動時の実際の転舵角δに対して、車速Vがゼロである状態に対応してマップ検索される標準制御舵角比K0(V)に、この時点での操舵角θを積算して得られる転舵角(θ×K0(V))が過剰に大きな値となる。
そして、時刻t3以降の適宜の時刻において転舵角δを操舵角θで除算して得た値(δ/θ)を制御舵角比Kとして設定する処理は、例えば図4に示す時刻t5のように、運転者によるステアリング2の操舵角θがゼロとなってステアリング2の状態が中立位置に到達した時点、あるいは、例えば図5に示す時刻t34のように、車速Vに応じた標準制御舵角比K0(V)が、転舵角δを操舵角θで除算して得た値(δ/θ)である制御舵角比Kと同等になった時点で停止され、起動可変制御フラグF_Cのフラグ値が「0」に設定され、この時刻t34以降においては、車速Vに応じた標準制御舵角比K0(V)が制御舵角比Kとして設定される処理の実行が開始される。
しかも、転舵角δを操舵角θで除算して得た値(δ/θ)を制御舵角比Kとして設定する処理を、運転者によるステアリング2の操舵角θがゼロとなってステアリング2の状態が中立位置に到達した時点、あるいは、車速Vに応じた標準制御舵角比K0(V)が、転舵角δを操舵角θで除算して得た値(δ/θ)である制御舵角比Kと同等になった時点で停止し、この時点以降においては、車速Vに応じた標準制御舵角比K0(V)を制御舵角比Kとして設定する処理の実行を開始することで、運転者に操舵フィーリングの違和感を与えることを抑制しつつ、操舵制御の処理を滑らかに切り換えることができる。
また、例えば図7に示す上述した実施形態の第2変形例のように、ステップS03の代わりにステップS31として、システム停止時の車速VPがシステム起動時の車速Vと異なるか否かを判定してもよい。
例えば、ステアリング2と車輪6との間がクラッチを介して機械的に連結され、平常時は、クラッチ接続が断たれてステアリング2と車輪6とが機械的に連結されていないが、異常発生時は、クラッチが接続されてステアリング2と車輪6とが機械的に連結されるように構成されたものでもよい。
2 ステアリングホイール(操作子)
6 車輪(転舵輪)
Claims (4)
- 運転者が操作を行う操作子と転舵される転舵輪とが機械的に連結されていない又はその状態から連結可能に構成された操舵装置を、前記操作子の操作量に対する前記転舵輪の実転舵角の比が、車両の速度の増大に伴い減少傾向に変化する所定比となるように制御する操舵装置の制御方法であって、
前記操舵装置の起動時に、前記操作子の操作量に対する前記転舵輪の実転舵角の比が車両の速度に応じた所定比と異なる場合には、この時点での前記操作子の操作量に対する前記転舵輪の実転舵角の比に固定し、前記操作子の操作量に応じて前記転舵輪の実転舵角を制御し、所定の条件が成立した場合に前記車両の速度に応じた所定比に復帰することを特徴とする操舵装置の制御方法。 - 前記操舵装置の起動後において前記操作子の状態が中立位置に到達した時点以降には、車両の速度に応じた前記所定比に基づき、前記操作子の操作量に応じて前記転舵輪の実転舵角を制御することを特徴とする請求項1記載の操舵装置の制御方法。
- 前記操舵装置の起動後において前記操作子の操作量に対する前記転舵輪の実転舵角の比が車両の速度に応じた前記所定比と同等になった時点以降には、車両の速度に応じた前記所定比に基づき、前記操作子の操作量に応じて前記転舵輪の実転舵角を制御することを特徴とする請求項1記載の操舵装置の制御方法。
- 運転者が操作を行う操作子と転舵される転舵輪とが機械的に連結されていない又はその状態から連結可能に構成された操舵装置を、前記操作子の操作量に対する前記転舵輪の実転舵角の比が、車両の速度の増大に伴い減少傾向に変化する所定比となるように制御する操舵装置の制御方法であって、
前記操舵装置の起動時に、該起動時の車両の速度と、前記操舵装置の前回の停止時の車両の速度とが異なる場合には、この時点での前記操作子の操作量に対する前記転舵輪の実転舵角の比に固定し、前記操作子の操作量に応じて前記転舵輪の実転舵角を制御し、所定の条件が成立した場合に前記車両の速度に応じた所定比に復帰することを特徴とする操舵装置の制御方法。
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