JP2003045812A - 炭化珪素質半導体製造装置用部材およびその製造方法 - Google Patents
炭化珪素質半導体製造装置用部材およびその製造方法Info
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Abstract
力が高く熱衝撃性が良好であり、高比強度を有し、また
膜表面の粗さが小さく仕上げ加工を省略することを可能
とし、サセプタ、ダミーウエハ、ボート、チューブなど
として好適に使用される炭化珪素質半導体製造装置用部
材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 シリコン基材にCVD法によりSiC膜
を被覆した半導体製造装置用部材であって、基材とSi
C膜の界面にSiC膜が基材中に突出してなる凹凸が形
成され、SiC膜の厚さが10〜120μmで、SiC
膜の厚さと基材の厚さの比が0.01〜0.16である
ことを特徴とする。シリコン基材にCVD反応装置内で
CVD法によりSiC膜を形成するに際し、該反応装置
内にSiC膜形成のための反応ガスを導入するに先立っ
て、反応装置内の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする。
Description
iC膜を被覆した半導体製造装置用部材およびその製造
方法の改良に関する。
酸化、LPCVD工程、エピタキシャル工程おいては、
サセプタ、ダミーウエハ、ボート、チューブなどの基材
として、従来、石英ガラスが使用されていたが、シリコ
ンウエハの大形化に伴い、石英ガラスでは熱変形した
り、酸洗浄により失透劣化するなどの問題が生じるよう
になったことから、優れた耐食性、耐熱性そなえている
SiC焼結体が半導体製造用の治具として実用化される
ようになったが、SiC焼結体は、その内部に気孔を有
するため、酸洗浄後の乾燥が十分でないと破壊するなど
の問題点があり、脱ガス工程に長時間を要するという難
点もあることから、気孔を埋めるために、Siを含浸し
たSi含浸焼結SiC材が提案された。
は、内部の気孔を無くして焼結SiCを緻密化すること
を目的とするものであるが、このままでは、耐酸化性、
耐熱衝撃性、耐食性を要求される半導体製造装置用の各
種部材に適用したり、高温、高純度雰囲気下で使用する
には問題があるため、Si含浸焼結SiC材を基材とし
て、その表面にCVD法によりSiC膜を被覆する手法
が提案された。
張係数をそなえ、基材とCVD−SiC膜との密着性が
良好となる反面、基材には不純物の含有が避けられず、
この不純物がSiC膜を通過して拡散し、半導体を汚染
するという問題があり、この問題を避けるために、高純
度材質のシリコンを基材として、シリコン基材にCVD
法によりSiC膜を形成する方法が提案されている(特
開平8−319186号公報、特開平10−97960
号公報など)。
体製造の熱処理工程において使用した場合、酸化物や付
着物の形成があるため、使用毎に部材を酸洗浄すること
が必要となる。CVD−SiC膜は、一般には酸洗浄で
溶出することがない耐食性を有するが、製造現場におい
ては繰り返しの酸洗浄操作によりSiC膜が僅かづつ取
り除かれることが経験されている。
形成する方法においては、シリコン基材とCVD−Si
C膜との熱膨張率に差があるため、密着性に難点があ
り、その対策として、基材表面を酸素含有CVD−Si
C膜で被覆し、この酸素含有SiC膜の酸素濃度が膜表
面から基材方向に連続的または段階的に増加するように
する手法が提案されている(特開平8−319186号
公報)が、耐食性の高い酸素濃度の少ないSiC膜は1
0μm程度の薄いものであるため、繰り返しの酸洗浄操
作によってSiC膜が僅かづつ取り除かれて、酸素濃度
の高い皮膜が現出すると、熱処理工程や酸洗浄でのSi
C膜の消耗が急速に進行するという不具合がある。
めに、基材の表面にシリカ層や窒化ケイ素層を形成する
手法も提案されている(特開平10−97960号公
報)が、この手法においても、繰り返しの酸洗浄操作に
よってSiC膜が僅かづつ取り除かれて、耐食性の劣る
シリカ層や窒化ケイ素層が現出したとたんに、熱処理工
程や酸洗浄でのSiC膜の消耗が急速に進行する。
形成する方法における上記従来の問題点を解消するため
に、基材表面に高い密着性をもって直接CVD−SiC
膜を形成させることを目的として、CVD法による成膜
工程について、種々の観点から実験、検討を重ねた結
果、CVD−SiC膜形成のための反応ガスを導入する
に先立って、雰囲気を不活性ガス雰囲気とするのが有効
であり、この方法によって、密着性に優れたSiC膜が
形成でき、膜の性状もきわめて優れたものとなることを
見出した。
に基づき、さらに検討を加えた結果としてなされたもの
であり、その目的は、耐薬品性などの耐食性に優れ、基
材との結合力が高く熱衝撃性が良好であり、高比強度を
有し、また膜表面の粗さが小さく仕上げ加工を省略する
ことを可能とする炭化珪素質半導体製造装置用部材およ
びその製造方法を提供することにある。
めの本発明の請求項1による炭化珪素質半導体製造装置
用部材は、シリコン基材にCVD法によりSiC膜を被
覆した半導体製造装置用部材であって、基材とSiC膜
の界面にSiC膜が基材中に突出してなる凹凸が形成さ
れ、SiC膜の厚さが10〜120μmで、基材の厚さ
に対するSiC膜の厚さの比が0.01〜0.16であ
ることを特徴とする。
用部材は、請求項1において、前記シリコン基材がシリ
コン結晶体からなることを特徴とする。
用部材の製造方法は、シリコン基材にCVD反応装置内
でCVD法によりSiC膜を形成するに際し、該反応装
置内にSiC膜形成のための反応ガスを導入するに先立
って、反応装置内の雰囲気を不活性ガス雰囲気とするこ
とを特徴とする。
造装置用部材の製造方法は、シリコン基材にCVD反応
装置内でCVD法によりSiC膜を形成するに際し、該
反応装置内を減圧下で700〜1200℃の温度に加熱
した後、該温度域において不活性ガスを導入して、不活
性ガス雰囲気を保持しながらCVD反応温度とし、その
後、シリコン含有反応ガスをキャリアガスと共に導入し
て気相熱分解し、前記基材にSiC膜を被覆することを
特徴とする。
材としては、CZ法などにより得られる単結晶シリコ
ン、溶融Siを固化した多結晶シリコンなどのシリコン
結晶体、Si粉末を焼結してなる焼結シリコンが好適で
ある。
じた形状に成形し、酸洗浄などで表面の不純物を除去
し、さらに、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸などを用いて液
相または気相にて洗浄する高純度処理を施す。
成は、公知のCVD反応装置、すなわち、反応炉(反応
容器)の内部または外部に、反応室を加熱するためのヒ
ータなどからなる加熱装置を配設し、反応炉に原料ガス
およびキャリアガスを導入するためのガス導入管を配管
し、反応炉内を排気するための排気口を設けた装置が使
用される。
法によりSiC膜を形成するに際し、該反応装置内にS
iC膜形成のための反応ガスを導入するに先立って、原
料ガス導入のためのキャリアガスとは異なる不活性ガス
にて、反応装置内の雰囲気を不活性ガス雰囲気とするこ
とを特徴とする。好ましくは、CVD反応装置内に基材
をセットし、炉内を排気した後、反応装置内を減圧下
(実質的には真空下)で、基材を700〜1200℃、
好ましくは1050〜1150℃の温度に加熱した後、
この温度域で不活性ガス(ヘリウム(He)ガス、ネオ
ン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガスなどの希ガス、
窒素(N2 )ガスまたはこれらの混合ガスなど)を導入
して常圧雰囲気に置換する。
える温度域においてはシリコン基材の表面に窒化膜が形
成されるが、上記の温度範囲では窒化膜の形成はなく、
ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガスなどの希ガス
を使用した場合と同様、シリコン基材の表面に直接CV
D−SiC膜が形成される。
分、有機物、微量の塩化物などが除去される。不活性ガ
スの導入温度は、減圧下でSiが蒸発せず、且つ基材表
面の不純物を熱的にエッチングする効果のある温度であ
り、上記の700〜1200℃が好ましく、さらに好ま
しくは1050〜1150℃である。
のSiが蒸発し、SiC膜を被覆しても基材内部に気孔
が残留して、被覆SiC膜が剥離し易く耐熱衝撃性が低
下する。導入温度が低くなると、CVD−SiC膜の形
成前に基材の表面に繊維状物が生成し、SiC膜の表面
に突起が生じ易くなり、使用中に突起部の脱落に起因す
るトラブルが生じるおそれがある。
た後、このガス雰囲気を保持しながらCVD反応に必要
な温度まで昇温し、公知の方法に従って、シリコン含有
反応ガス(原料ガス)をキャリアガス(水素ガス、ヘリ
ウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガスなどを使用す
ることができるが、一般的に水素ガスが使用され、原料
ガスとキャリアガスとのモル比率は5〜15mol%)
と共に導入して気相熱分解し、シリコン基材にSiC膜
を被覆する。CVD反応温度まで昇温する際、不活性ガ
ス雰囲気を保持することにより、基材表面での凹凸や繊
維状物の成長が抑制され、面粗さを小さくすることが可
能となり仕上げ加工が不要とすることができるという利
点がある。
には、原料ガスとして、メチルトリクロロシラン、トリ
クロロフェニルシラン、ジクロロメチルシラン、ジクロ
ロジメチルシラン、クロロトリメチルシランなどの有機
珪素化合物を導入して気相蒸着させSiC膜を形成す
る。二成分シリコン含有原料系の場合には、四塩化珪素
などのモノシランなどのSi源と、メタン、プロパンな
どのC源を反応させることにより気相蒸着させSiC膜
を形成する。
しく、1050℃未満ではSiCの生成が少なく、12
00℃を越えると、Siの熱揮散が生じ、SiC膜と基
材との密着性が低下する。反応圧力は、6.7kPa〜
0.1MPa(常圧)(50〜760Torr)が好ま
しく、6.7kPa未満では、成膜速度が小さく、反応
時間が長くなりコスト高となる。0.1MPaを越える
と、炉にリークが生じた場合、ガスが炉外に漏れ危険で
ある。
10〜120μmが好ましく、10μm未満では、Si
C膜自体が消耗を受けるため寿命が短くなるおそれがあ
り、120μmを越えると、SiC膜が剥離し易くな
る。さらに、シリコン基材の厚さに対するCVD−Si
C膜の厚さの比(SiC膜厚/基材厚)を0.05〜
0.16とすることにより、基材とSiC膜との強度バ
ランスが保たれ、部材の反りが±50μm以内に抑制で
きる。
した場合、シリコン基材とSiC膜の界面にSiC膜が
基材中に突出してなる凹凸が形成され、基材とSiC膜
との結合力が大きくなって、密着性に優れ、使用時の熱
サイクルでクラックや剥離が抑制される。前記凹凸の形
態は、図1〜3に示すように、シリコン基材とSiC膜
の界面において、SiC膜の一部が0.5〜1.5μm
の深さでSi基材中に突出して凹凸を形成するもので、
この凹凸による楔効果によって、シリコン基材とSiC
膜との結合が強固となる。
明し、その効果を実証する。なお、これらの実施例は本
発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれらに
限定されるものではない。
盤を基材として、これをCVD反応装置の反応管内にセ
ットし、装置内の空気を排気し、減圧下(実質的には真
空)において、基材を1100〜1200℃の温度に加
熱した。ついで、この温度域で各種希ガス、窒素
(N2 )ガスを導入して常圧(0.1MPa)とし、こ
れらのガス雰囲気に置換した。
応温度に加熱し、原料ガスとしてメチルトリクロロシラ
ン、キャリアガスとして水素ガスを使用し、これらの混
合ガスを200l/分の流量で反応管内に導入し、基材
の表面に厚さ10〜75μmのSiC膜を成膜した。
応圧力、反応温度を表1に示すように変化させて、CV
D−SiC膜の物理特性を調整し、得られた炭化珪素被
覆シリコン基材(試験材)について、以下の方法により
曲げ強度、耐熱衝撃性、光透過性、耐食性を評価した。
結果を表2に示す。
4mm、厚さ(SiC膜を被覆した炭化珪素被覆シリコ
ン基材の全厚)0.5mmの短冊状の試験片を採取し、
3点曲げを行った。 耐熱衝撃性:1200℃に加熱した炉内に、試験材を投
入して、1200℃の温度に10分間保持した後、炉か
ら大気中に取り出して10分間で室温まで冷却する熱サ
イクル試験を10回繰り返し行って、SiC膜のクラッ
ク発生の有無を観察した。
(UV−3100PC)により、波長1μmおよび3μ
mの光透過率を測定した。 耐食性:HNO3 :HFをO.65:0.35の割合で
混合調製したフッ硝酸水溶液中に常温で14時間浸漬し
て重量減少率{(試験前重量−試験後重量)/(試験前
重量)}×100%を測定した。
実施例1〜4はいずれも、熱サイクル試験でのクラック
発生が無く耐熱衝撃性に優れ、耐食性試験においては重
量変化が無く、光透過率は波長1μmおよび3μmにお
いて、いずれも0.3%以下であった。
コン単結晶の円盤を基材として、これをCVD反応装置
の反応管内にセットし、装置内の空気を排気し、減圧下
(実質的には真空)において、基材を1100〜120
0℃の温度に加熱した。ついで、この温度域で各種希ガ
ス、窒素(N2 )ガスを導入して常圧(0.1MPa)
とし、これらのガス雰囲気に置換した。
応温度に加熱し、実施例と同様、原料ガスとしてメチル
トリクロロシラン、キャリアガスとして水素ガスを使用
し、これらの混合ガスを200l/分の流量で反応管内
に導入し、基材の表面に厚さ2〜208μmのSiC膜
を成膜した。
応圧力、反応温度を表3に示すように変化させて、CV
D−SiC膜の物理特性を調整し、得られた炭化珪素被
覆シリコン基材(比較例1〜4)および基材として用い
たシリコン単結晶(比較例5)を試験材として、実施例
と同一の方法により曲げ強度、耐熱衝撃性、光透過性、
耐食性を評価した。結果を表4に示す。
SiC膜厚と基材厚の比が大きいため、耐熱衝撃性評価
における熱サイクル中に、Si部分に発生する熱応力が
大きくなってSi部分から破壊が生じ、1回目の冷却時
にクラックが発生した。
が小さくため、耐熱衝撃性評価における熱サイクル中
に、SiC部分に発生する熱応力が大きくなってSiC
部分から破壊が生じ、1回目の冷却時にクラックが発生
した。比較例3は耐食性評価において重量変化が生じて
いるが、これはSiC膜形成後の冷却時にSiC膜にヘ
アクラックが生じ、クラック部分から酸が浸透してSi
部分を浸食したためである。比較例5のシリコン単結晶
(シリコンウエハ)は、耐食性評価において17.00
%重量減少した。
に優れ、基材との結合力が高く熱衝撃性が良好であり、
高比強度を有し、また膜表面の粗さが小さく仕上げ加工
を省略することを可能とする炭化珪素質半導体製造装置
用部材およびその製造方法を提供される。
部材は、例えば、ガイドリング、サセプター、ライナー
チューブ、プロセスチューブ、ウエハボート、ダミーウ
エハ、モニターウエハなどとして好適に使用することが
できる。SiC膜表面の粗さが小さく仕上げ加工を省略
することができるので、ダミーウエハとして適用する場
合、ウエハと略同じ形状に成形したシリコン基材にCV
D−SiC膜を形成すればよく、きわめて有利である。
膜との界面を示す顕微鏡写真である。
Claims (4)
- 【請求項1】 シリコン基材にCVD法によりSiC膜
を被覆した半導体製造装置用部材であって、基材とSi
C膜の界面にSiC膜が基材中に突出してなる凹凸が形
成され、SiC膜の厚さが10〜120μmで、基材の
厚さに対するSiC膜の厚さの比が0.01〜0.16
であることを特徴とする炭化珪素質半導体製造装置用部
材。 - 【請求項2】 前記シリコン基材がシリコン結晶体から
なることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素質半導体
製造装置用部材。 - 【請求項3】 シリコン基材にCVD反応装置内でCV
D法によりSiC膜を形成するに際し、該反応装置内に
SiC膜形成のための反応ガスを導入するに先立って、
反応装置内の雰囲気を不活性ガス雰囲気とすることを特
徴とする炭化珪素質半導体製造装置用部材の製造方法。 - 【請求項4】 シリコン基材にCVD反応装置内でCV
D法によりSiC膜を形成するに際し、該反応装置内を
減圧下で700〜1200℃の温度に加熱した後、該温
度域において不活性ガスを導入して、不活性ガス雰囲気
を保持しながらCVD反応温度とし、その後、シリコン
含有反応ガスをキャリアガスと共に導入して気相熱分解
し、前記基材にSiC膜を被覆することを特徴とする炭
化珪素質半導体製造装置用部材の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2001231507A JP4556090B2 (ja) | 2001-07-31 | 2001-07-31 | 炭化珪素質半導体製造装置用部材およびその製造方法 |
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- 2001-07-31 JP JP2001231507A patent/JP4556090B2/ja not_active Expired - Fee Related
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