JP2003044897A - 紙葉類の状態検知装置とそれを用いた紙幣取扱装置 - Google Patents

紙葉類の状態検知装置とそれを用いた紙幣取扱装置

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JP2003044897A JP2001233177A JP2001233177A JP2003044897A JP 2003044897 A JP2003044897 A JP 2003044897A JP 2001233177 A JP2001233177 A JP 2001233177A JP 2001233177 A JP2001233177 A JP 2001233177A JP 2003044897 A JP2003044897 A JP 2003044897A
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Hiroyuki Seki
宏之 関
Hisahiro Koshizuka
久洋 腰塚
Akira Mochizuki
明 望月
Takashi Yoshida
吉田  隆
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙葉類を取扱う装置について、紙葉類を搬送
する搬送路に紙葉類を繰出す前に、紙葉類が搬送に支障
がないかどうかを検知する。 【解決手段】 積層された紙葉類2に加圧手段21によ
り押圧力を加えて、押圧力を変化させたときの紙葉類2
あるいは紙幣ガイド20の動きに関する量をセンサ、例
えばレーザ変位センサ42により検出し、レーザ変位セ
ンサ42から出力される信号の波形に基づいて特徴量算
出手段5により紙葉類2の搬送に影響する機械的特性の
程度を示す特徴量を算出し、状態判別手段9により予め
設定されている指標と算出された特徴量を比較して、紙
葉類の状態が搬送に支障がないかどうかを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙、紙幣、その他
の薄いシート状のものの状態、例えば、しわ、折れ等の
有無とその程度を検知する紙葉類の状態検知装置および
この紙葉類の状態検知装置を用いた紙幣取扱装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現金自動取引装置を含む紙幣取扱装置、
自動販売機、コピー機、プリンタ、印刷機等の紙葉類を
扱う装置、さらにははがき等を取り扱う郵便物区分け装
置等においては、対象となる紙葉類を装置内で搬送し、
各種の処理を行う。ここで紙葉類とは、紙、紙幣、その
他のシート状のものであって、重ねられたものを1枚づ
つに分離して搬送することができるものをいう。
【0003】上記紙葉類の搬送においては、紙葉類の状
態が装置の動作状態に影響する。ここでいう紙葉類の状
態は、紙葉類そのものの状態と、紙葉類が搬送されてい
る状態の二つに大別できる。前者はしわや折れの有無、
疲労や老朽化の程度、硬さ、テープ類などの付着物の有
無、濡れ、破れ等である。後者は紙葉類の重送、搬送遅
れ、滑りによる搬送中の姿勢の変化等である。
【0004】例えば、しわの多い紙幣は装置内搬送の過
程で紙幣詰まりや滑りなど動作異常を発生しやすく、腰
の弱くなった紙幣は座屈しやすい。また、しわや折れの
程度が大きい紙はコピーや印刷の用紙として好ましくな
い。動作異常を起こす可能性のある紙葉類を、紙葉類を
扱う装置に投入する前に予め検知できれば、その紙葉類
の回収、又は搬送速度を遅くする等の制御を行うこと
で、異常の発生を未然に防止できる。
【0005】また、例えば現金自動取引装置の金庫に投
入された紙幣の状態を予め検知しておくことで、金庫に
投入する紙幣の枚数を紙幣の状態に合わせて逐次変更
し、詰まりを防ぐことができる。
【0006】このために、様々の方法による紙葉類の状
態検知装置が既に開発または提案されている。特開平5
−97283号公報に開示されているように、移動する
紙葉類に向けてパルス状の音波を送波し、紙葉類からの
反射波を受波して、その伝播時間に基づいてしわの有無
を判定するものがある。また、特開平10−21358
1号公報では、搬送される紙葉類に接触する部材を通し
て生じる振動に関する量を検出し、検出した振動に関す
る量から特徴量を算出して、特徴量に基づいて紙葉類の
状態を表わす指標を算出する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの装置あるいは
方法を用いて紙葉類の状態を検知するためには、その対
象となる紙葉類を搬送路に繰出す、あるいは紙葉類の状
態検知装置内に通す必要がある。この時、紙葉類の状態
によっては、検知の対象となる紙葉類を搬送路に繰出す
あるいは紙葉類の状態検知装置内に通した時点で紙詰ま
りや紙葉類の滑り等を起こしてしまう可能性がある。そ
して、紙葉類を扱う装置自体の運転を止めてしまう可能
性もある。従って、紙葉類を搬送路や紙葉類状態検知装
置内に通す前(例えば、現金自動取引装置の入金口に紙
幣を投入した時等)に、紙葉類の状態を検知することが
望ましい。
【0008】また、従来の現金自動取引装置では、紙幣
を繰出す、あるいは紙幣を搬送する等紙幣を取扱ってい
る時に、何らかの異常が確認された場合には、取扱って
いた紙幣を出金して利用者に返却する。しかし、返却し
た紙幣を再び扱うために、発生した異常の解決策あるい
は回避策を利用客に提示することはなかった。
【0009】本発明の目的は、紙葉類を取扱う装置にお
いて、紙葉類を搬送する搬送路に紙葉類を繰出す前に、
紙葉類の状態を検知することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】ここでいう紙葉類の状態
とは、しわや折れの有無、疲労や老朽化によるその程
度、腰の強さ、硬さ、テープ類などの付着物の有無、破
れ等の、1枚づつに分離しての搬送路への繰り出しや、
搬送路での搬送に影響を及ぼす条件の程度のことをい
う。より具体的には、それらに起因する紙葉類の剛性お
よび粘性、および紙葉類の周縁の部分の形状で表される
機械的特性である。
【0011】発明者らは、紙葉類の搬送路への繰り出し
や搬送中に生ずる異常の原因が、紙葉類のしわや折れの
有無、疲労や老朽化の程度、硬さ、テープ類などの付着
物の有無、濡れ、破れ等であることに着目した。そし
て、それらの状態を総合的に表現するものを紙質の特徴
量として取り出し、その特徴量を基準として、搬送路へ
の繰り出しや、搬送路での搬送の可否を判断する本発明
に到達した。発明者らは、特徴量として、具体的には、
上述の、紙葉類の剛性および粘性に関連する数値、およ
び紙葉類の周縁の部分の形状で表す数値を用いた。これ
らの特徴量は、全体として、紙葉類の機械的特性、物理
的特性、あるいは形状的特性といえるものである。
【0012】上述のように本発明は紙質の特徴量を用い
て搬送路への繰り出しや、搬送路での搬送の可否を判断
するが、具体的な特徴量の取り出し方には種々の方法が
ある。以下に示す各手段はそれぞれ、特徴量の取り出し
方が異なるものである。
【0013】上記の課題を解決する本発明の第1の手段
は、紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える加圧手段
と、前記紙葉類の厚み方向の位置を検出して時系列的な
信号として出力する検出手段と、前記検出手段で検出さ
れた前記紙葉類の厚み方向の変位、速度および加速度に
基づいて、前記紙葉類の紙質の機械的特性を特徴量とし
て算出する特徴量算出手段とを備えてなり、前記特徴量
算出手段は、前記加圧手段によって前記紙葉類に負荷さ
れた押圧力が開放された時の前記検出手段の出力信号を
入力として前記紙葉類の紙質の特徴量を算出するように
構成されていることを特徴とする紙葉類の状態検知装置
である。
【0014】上記の課題を解決する本発明の第2の手段
は、紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える加圧手段
と、前記紙葉類の厚み方向の変位を検出し、時系列的な
信号として出力する変位検出手段と、前記変位検出手段
の出力信号の波形に基づいて前記紙葉類の紙質の機械的
特性を特徴量として算出する特徴量算出手段とを備えて
なり、前記特徴量算出手段は、前記加圧手段によって前
記紙葉類に負荷された押圧力が開放された時の前記変位
検出手段の出力信号の波形を入力として出力信号の波形
に基づいて前記紙葉類の紙質の特徴量を算出するよう構
成されていることを特徴とする紙葉類の状態検知装置で
ある。
【0015】上記の課題を解決する本発明の第3の手段
は、紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える加圧手段
と、前記化圧手段の押圧力により前記紙葉類に加わる圧
力を検出し、時系列的な信号として出力する圧力検出手
段と、前記圧力検出手段の出力信号の波形に基づいて前
記紙葉類の紙質の機械的特性を特徴量として算出する特
徴量算出手段とを備えてなり、前記特徴量算出手段は、
前記加圧手段により前記紙葉類に押圧力を加えて圧縮し
た時に前記圧力検出手段の出力信号の応答波形を入力と
して前記紙葉類の紙質の特徴量を算出するよう構成され
ていることを特徴とする紙葉類の状態検知装置である。
【0016】上記の課題を解決する本発明の第4の手段
は、紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える加圧手段
と、前記紙葉類の端面の形状を検出する画像検出手段
と、前記画像検出手段の出力信号に基づいて前記紙葉類
の紙質の形状的特性を特徴量として算出する特徴量算出
手段とを備えてなり、前記特徴量算出手段は、前記加圧
手段により前記紙葉類に押圧力を加えて圧縮した時に前
記画像検出手段より得られる出力信号を入力として前記
紙葉類の紙質の特徴量を算出するよう構成されているこ
とを特徴とする紙葉類の状態検知装置である。
【0017】上記の課題を解決する本発明の第5の手段
は、紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える加圧手段
と、前記紙葉類の厚み方向の変位の加速度を検出し、時
系列的な信号として出力する加速度検出手段と、前記加
速度検出手段の出力信号に基づいて前記紙葉類の紙質の
機械的特性を特徴量として算出する特徴量算出手段とを
備えてなり、前記加圧手段は、紙葉類に与える押圧力の
値を振動的に変化させるとともに、振動の周波数を変化
させることが可能に構成され、前記特徴量算出手段は、
前記加圧手段により前記紙葉類に加える押圧力を、その
変化の周波数を変えて振動させた時に、前記加速度検出
手段の出力を入力として加速度がピークとなる周波数を
前記特徴量として算出するよう構成されていることを特
徴とする紙葉類の状態検知装置である。
【0018】上記の課題を解決する本発明の第6の手段
は、上記第1〜5のうちのいずれかの手段において、予
め設定された特徴量の指標を格納し、前記特徴量検出手
段で算出された特徴量を前記指標と比較して前記紙葉類
が搬送に適しているかどうかを判断する状態判別手段を
備えてなることを特徴とする。
【0019】上記の課題を解決する本発明の第7の手段
は、上記第6の手段において、前記特徴量算出手段に接
続され算出された特徴量を記憶する記憶手段を備え、こ
の記憶手段は、前記特徴量算出手段以外から入力される
信号を受信して格納されている前記特徴量に対応づけて
記憶することができるよう構成されていることを特徴と
する。
【0020】上記の課題を解決する本発明の第8の手段
は、上記第7の手段において、前記記憶手段は前記状態
判別手段に接続されているとともに前記予め設定された
指標は前記記憶手段に格納されていることと、前記記憶
手段に接続して指標更新手段及び指標算出手段が設けら
れていることと、前記指標算出手段は、前記記憶手段に
格納された特徴量及びこの特徴量に対応付けて格納され
た信号を入力として新たな指標を算出するように構成さ
れていることと、前記指標更新手段は前記指標算出手段
で算出された新たな指標を用いて記憶手段に格納されて
いる指標を書き換えるように構成されていることと、前
記状態判別手段は前記記憶手段に格納されている指標と
特徴量算出手段で算出された特徴量を比較して紙葉類の
紙質が搬送に適しているかどうかを判断することと、を
特徴とする。
【0021】上記の課題を解決する本発明の第9の手段
は、上記第7または第8の手段において、前記記憶手段
に、紙葉類の特徴量の範囲を示す限界指標が格納されて
おり、前記状態判別手段は、前記特徴量検出手段で算出
された特徴量を前記限界指標とも比較し、前記特徴量検
出手段で算出された特徴量が紙葉類の特徴量の範囲を外
れているとき、前記紙葉類以外の異物が投入されたこと
を判断する機能を備えたことを特徴とする。
【0022】上記の課題を解決する本発明の第10の手
段は、上記第9の手段において、前記状態検知装置は表
示手段を備えており、前記状態判別手段は算出された特
徴量あるいは前記紙葉類以外の異物が投入されたことを
前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0023】上記の課題を解決する本発明の第11の手
段は、投入された紙幣を分離して搬送路に供給する入金
口に、上記第1〜第5のうちのいずれかの手段を組み込
んでなる紙幣取扱装置である。
【0024】上記の課題を解決する本発明の第12の手
段は、投入された紙幣を分離して搬送路に供給する入金
口に、上記第6〜第10のうちのいずれかの手段を組み
込んでなる紙幣取扱装置である。
【0025】上記の課題を解決する本発明の第13の手
段は、上記第12の手段において、利用者に対して操作
案内を表示する表示手段を備えてなり、前記状態判別手
段が、投入された紙幣が搬送に適していないと判断した
とき、前記入金口の蓋を開き、前記表示手段に、紙幣を
取り出すよう表示することを特徴とする。
【0026】上記の課題を解決する本発明の第14の手
段は、上記第12または第13の手段において、前記入
金口に投入された紙幣を分離して搬送路に送り出すとき
に前記紙幣に加える押圧力と前記紙幣を搬送する速度を
制御する搬送制御手段が設けられ、前記状態判別手段
は、投入された紙幣が搬送に適していないと判断したと
き、前記入金口に投入された紙幣を分離して搬送路に送
り出すときに前記紙幣に加える押圧力と、前記紙幣を搬
送する速度のいずれか一方もしくは双方を、所定の値だ
け小さくする信号を前記搬送制御手段に対して出力する
よう構成されていることを特徴とする。
【0027】現金自動取引装置等の紙葉類を扱う装置に
備えられた紙葉類を分離する手段から紙葉類を搬送路に
繰出す時に、紙葉類の状態を予め検知することで、紙葉
類を搬送のために1枚づつに分離する手段の内部や紙葉
類を格納する手段に搬送される途中で状態が変わってし
まった紙葉類を搬送するときの制御を変えたり、あるい
は紙葉類を搬送路に繰出す時に紙葉類に加える力を最適
な値に変化させること等が可能になる。また、検知した
紙葉類の状態に基づいて、異常を回避する方法を利用客
に提示することが可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明による紙葉類の状態
検知装置および方法を、投入された紙幣を1枚ずつ分離
して搬送路に繰出す入金口に適用した現金自動取引装置
について詳述する。
【0029】本発明の第1の実施の形態を、図1〜図4
を参照して説明する。まず、入金口の構造について、図
1を用いて説明する。
【0030】入金口1は、紙幣2が立てた状態で載置さ
れる斜めに傾斜した底板4と、底板4の低くなっている
側に配置され、紙幣2を揃えるガイドである紙幣ガイド
20と、同じく底板4の低くなっている側に配置された
搬送路28と、同じく底板4の低くなっている側に配置
され、紙幣2を1枚づつ搬送路28の入り口に送るピッ
クアップローラ22と、底板4に積載された紙幣2を挟
んで紙幣ガイド20およびピックアップローラ22に対
向する位置に配置され、底板4に積載された紙幣2をピ
ックアップローラ22に押し付ける加圧手段をなす押板
21と、ピックアップローラ22により送られた紙幣2
を搬送路28に繰出すフィードローラ23と、紙幣2の
重送(2枚以上重なって搬送されること)を防止するゲ
ートローラ24と、ピックアップローラ22の位置を検
知する検知センサ61と、入金口1の蓋であるシャッタ
62を含んで構成されている。
【0031】前記ピックアップローラ22、フィードロ
ーラ23及びゲートローラ24は、それぞれの回転軸が
互いに平行で、かつ水平になるように配置されている。
前記紙幣ガイド20は、紙幣2を挟んで底板4と対向す
る位置に、前記ピックアップローラ22の回転軸と平行
するように配置された軸26を回転軸として揺動するよ
うに構成されている。紙幣ガイド20にはまた、紙幣ガ
イド20の図上時計回り方向の回転に対して抵抗する方
向に作用するばね25が取り付けられており、押板21
により紙幣ガイド20に図上時計回り方向の押圧力が負
荷されたとき、押板21と紙幣ガイド20の間に積載さ
れた紙幣2に圧力を加えるように構成されている。
【0032】なお、説明の便宜上、前記ピックアップロ
ーラ22の回転軸に垂直でかつ、底板4の面に平行する
方向を、入金口1の軸線方向と呼び、図上、左側を前方
(あるいは前面)、右側を後方(あるいは後面)とす
る。
【0033】図1に示すように、入金口1には、紙幣ガ
イド20の前面に設定された位置測定点Aの軸線方向位
置を検出し、時系列的な信号として出力するレーザ変位
センサ42、レーザ変位センサ42の出力信号を入力と
して紙幣の紙質の機械的特性を特徴量として算出する特
徴量算出手段5、特徴量算出手段5が算出した特徴量に
基づいて紙幣2の状態を判別する状態判別手段9が搭載
されている。レーザ変位センサ42は、紙幣2の厚み方
向すなわち軸線方向の位置を、紙幣ガイド20を介して
検出する変位検出手段をなしている。
【0034】底板4と紙幣2を挟んで対向する位置(つ
まり、底板4と紙幣2が載置される空間を挟んで対向す
る位置)の両側に、ベルト6が底板4と平行するように
傾斜してプーリ3に掛け渡され、プーリ3を回転させる
モータ31が設けられている。前記押板21はベルト6
に取り付けられており、プーリ3の回転に伴なって軸線
方向に進退するようになっている。モータ31を制御す
る制御部32が設けられ、制御部32はモータ31を制
御してプーリ3を回転させ、ベルト6を動かして、押板
21を移動させるように構成されている。
【0035】ピックアップローラ22は入金口1の軸線
方向に移動可能に支持されているとともに、ばね27に
より軸線方向後方に向かって付勢されており、このた
め、ピックアップローラ22の軸線方向位置は、ばね2
7から受ける力と紙幣2から受ける力の釣り合いで決定
される。
【0036】紙幣ガイド20は、紙幣2を介して押板2
1に押されて前記ばね25で抵抗しつつ前方に動く(時
計回り方向に回転する)が、ピックアップローラ22に
は当らないようになっている。例えばピックアップロー
ラ22に何箇所か切り込みを入れるとともに、紙幣ガイ
ド20を縦の格子状に形成し、紙幣ガイド2が前方に動
いたら、紙幣ガイド2がピックアップローラ22の前記
切り込み部に沈み込むようにする。
【0037】次に、紙幣2を入金する動作について説明
する。
【0038】まず、1枚以上積層された紙幣2(1枚以
上積層された紙幣を積層紙幣と呼ぶ)が紙幣ガイド20
と押板21の間に投入される。投入された紙幣2は、底
板4に厚み面を接し、立った状態で底板4上に保持され
る。
【0039】紙幣2の投入が図示されないセンサで検知
されると入金動作が開始され、シャッタ62が閉まる。
【0040】この段階で、後述する積層紙幣の紙質を判
別する手順が実行され、積層紙幣の紙質が、搬送路への
繰り出しに支障ないと判断されたら、紙幣2の搬送路へ
の繰り出しが行われる。紙幣2の繰り出しは次の手順で
行われる。
【0041】まず、制御部32がモータ31を制御して
押板21を前方に動かし、積層紙幣を紙幣ガイド20に
押しつける。紙幣ガイド20は積層紙幣を介して押板2
1に押され、軸26を中心にして、図上、時計回りに回
転する。紙幣ガイド20がある程度回転すると、先に述
べたように紙幣ガイド20がピックアップローラ22に
沈み込む形になり、ピックアップローラ22と積層紙幣
が接触する。
【0042】積層紙幣とピックアップローラ22が接触
すると、今度はピックアップローラ22と紙幣ガイド2
0の双方が積層紙幣を介して押板21に押される。この
結果、ピックアップローラ22は前記ばね27を押し縮
めて前方に動き、紙幣ガイド20はピックアップローラ
22の動きに追従して動く紙幣2に押され、前記ばね2
5を押し縮めながら前記軸26を回転中心として時計回
りに回転する。
【0043】前記検知センサ61は光源が発する光が検
出対象物で遮られて受光部に入射しなくなったとき、検
出対象物が所定の位置に来たことを示す信号を出力する
ように構成されている。したがって、ピックアップロー
ラ22が前方に動いて検知センサ61の光を遮ると、ピ
ックアップローラ22が検知センサ61を通過したこと
を表わす信号が検知センサ61から制御部32に送信さ
れる。制御部32は検知センサ61より前記の信号を受
信すると、モータ31を停止させて押板21を停止させ
る。
【0044】制御部32は、続いてピックアップローラ
22を回転させ、紙幣2を搬送路28の入り口へと送
る。ピックアップローラ22に同期してフィードローラ
23が回転し、ゲートローラ24と協働して積層紙幣を
1枚ずつ分離して搬送路28に繰出す。紙幣2を搬送路
28に繰出す間、制御部32は検知センサ61からの信
号に基づいて、ばね27の変位が予め定めた値となるよ
うに、即ち紙幣2に加わる力(押圧力と呼ぶ)が一定に
なるようにモータ31を介して押板21の位置を制御す
る。
【0045】次に、第1の実施の形態の紙幣の状態を判
別する動作について、図2から図4を用いて説明する。
【0046】上述のように、紙幣2が入金口1に投入さ
れ、制御部32がモータ31を制御して押板21を動か
し、紙幣2を一定の押圧力で紙幣ガイド20に押しつけ
る。図2にこの状態を示す。
【0047】制御部32は、ばね27の変位が予め定め
た値となるように、即ち紙幣2に加わる力(押圧力と呼
ぶ)が一定になるようにモータ31を介して押板21の
位置を制御したら、積層された紙幣2の状態検知を開始
することを伝える開始信号を特徴量算出手段5に送信す
る。特徴量算出手段5は制御部32から前記開始信号を
受信すると、レーザ変位センサ42に紙幣ガイド20の
位置の計測開始を指示し、レーザ変位センサ42の出力
信号の受信を開始する。
【0048】次に、制御部32はモータ31を制御し
て、押板21を紙幣ガイド20から離す方向に、予め設
定した位置まで高速(紙幣の動きよりも早く)に移動さ
せる。
【0049】押板21を紙幣ガイド20から離す方向に
動かすと、積層紙幣に加えられていた力が減少あるいは
なくなるため、押さえつけられていた積層紙幣が元の状
態に戻るように変形し、同時に紙幣ガイド20も紙幣を
介して押板21により加えられていた力が開放され、前
記ばね25の力で前記軸26を回転中心として反時計回
りに回転する。この時の入金口1の状態の一例を図3に
示す。この時の紙幣ガイド20の挙動は、紙幣のしわや
折れの程度によって応答特性が変化する。この間、レー
ザ変位センサ42は紙幣ガイド20の測定点の軸線方向
の位置を所定の時間間隔で連続的に測定する。紙幣ガイ
ド20の位置の測定結果の一例を図4に示す。
【0050】図4は、押板21を紙幣ガイド20から離
す方向に、予め設定した位置まで高速に移動させた時刻
(移動を開始した時刻)からの時間を横軸にとり、紙幣
ガイド20の位置測定点Aの軸線方向の位置を縦軸にと
って、位置測定点Aの位置の前記時間による変化を示し
たものである。特徴量算出手段5は、レーザ変位センサ
42からその測定結果として出力される紙幣ガイド20
の位置測定点Aの位置を表す位置検出信号を入力とし
て、紙幣ガイド20の位置測定点A(以下、単に、紙幣
ガイド20という)がある特定の位置を通過するまでに
経過した時間(経過時間と呼ぶ)を算出する。この経過
時間は、紙幣のしわの大小により変化するから、算出さ
れた経過時間を積層紙幣の動特性を表わす特徴量とす
る。
【0051】状態判別手段9は、予め記憶している指標
と、特徴量算出手段5で算出された特徴量(本実施の形
態では上記経過時間)を比較して、積層紙幣の状態、即
ちしわや折れ目の有無やその程度等を判別する。そして
この判別結果により積層紙幣を現金自動取引装置内の搬
送路に繰出すか否かを判断する。例えば紙幣の状態を判
別する指標として、経過時間がtB以上tA未満の紙幣を
しわ度A、tC以上tB未満の紙幣をしわ度B、tD以上
tC未満の紙幣をしわ度Cとする。但し、tD<tC<tB
<tAとする。この時本実施の形態で経過時間がtC<t
<tBであるとすると、紙幣2はしわ度Bと判別され
る。あらかじめ、どのしわ度のときは紙幣の繰り出しを
行い、どのしわ度のときは紙幣の繰り出しを行わないか
を決めておいて、判別したしわ度に応じて、紙幣の繰り
出しの可否が決定される。
【0052】ここで、入金口1に異物、例えば硬貨が投
入されたとする。硬貨は紙幣2に比べて十分重いため、
上記構成の装置で状態検知を行う場合、紙幣ガイド20
の動特性における慣性項が見かけ上大きくなり、紙幣ガ
イド20の応答が変化する。従って、状態判別手段9
は、レーザ変位センサ42の出力信号から算出された経
過時間が限界指標として設定されたtD以上tA未満の場
合は入金口に投入された物体が紙幣等の紙葉類であると
判断するが、経過時間がtD以上tA未満の範囲外である
場合は、硬貨等の異物が投入されたと判断し、繰出し動
作を行わない。
【0053】紙幣ガイド20の位置の時間変化を示す応
答波形から、紙葉類の状態を表わすその他の特徴量の例
を、図4を用いて説明する。図4において、停止位置
(B)は押板21により状態検知の対象となる1枚以上
の紙葉類に力を加えて圧縮した状態からその力を減少あ
るいはなくした後に、紙葉類が停止した時の測定対象
(紙幣ガイド20)の軸線方向位置である。飛出し量
(C)は押板21により状態検知の対象となる1枚以上
の紙葉類に力を加えて圧縮した状態からその力を減少さ
せた後で、押板21を特定の位置で停止させた時の、測
定対象(紙幣ガイド20)のオーバーシュート量であ
る。初期位置(D)は押板21により状態検知の対象と
なる1枚以上の紙葉類に力を加えて圧縮した状態で、紙
葉類が停止した時の測定対象(紙幣ガイド20)の位置
である。
【0054】この図4からわかるように、特徴量である
経過時間は、積層紙幣2の剛性係数、減衰係数等の機械
特性に依存し、紙葉類の状態により変化する。そして、
紙葉類の状態による機械特性の違いを特徴量で検出し
て、紙葉類の状態を判別することができる。
【0055】なお、ピックアップローラ22と紙幣ガイ
ド20はともに紙幣2に押されて動くので、押板21を
停止させる位置を検出するための方法として、紙幣ガイ
ド20の位置即ちレーザ変位センサ42の出力信号を制
御部32に送信し、制御部32が押板21を停止させる
位置を判断してもよい。
【0056】また、本実施の形態では紙幣ガイド20の
位置を測定するセンサとしてレーザ変位センサ42を用
いたが、代わりにポテンショメータや渦電流を利用した
距離センサ等の変位センサを用いることもできる。
【0057】このように本実施の形態によれば、紙幣取
扱機構の搬送路に紙幣を繰出す前に紙幣のしわや折れの
状態を検知することができる。従って、しわや折れのあ
る紙幣を搬送路に繰出して紙幣詰まりや紙幣の滑り等を
起こす前に、紙幣を利用者に返却したり、紙幣を搬送す
るときの速度や経路を変えたり、あるいは紙葉類を搬送
路に繰出す時に紙葉類に加える押圧力を適切な値に変化
させることで、紙幣の状態が原因で起こる異常を未然に
防止できるという効果がある。
【0058】また、状態検知装置は簡単な機構で構成さ
れており、複雑な処理を必要とすることなくリアルタイ
ムで実行できるという効果がある。さらに、装置の搬送
路に紙幣を繰り出す前に異物の混入を検知することがで
き、紙幣に異物が混入することが原因で起こる異常を未
然に防止できる。
【0059】次に、第2の実施の形態について、図5、
図6を用いて説明する。図5に、本実施の形態における
入金口1を示す。本実施の形態が前記第1の実施の形態
と異なるのは、図1の装置に加えて、紙幣ガイド20を
固定する可動式のツメ29を底板4に備えている点と、
レーザ変位センサ42は積層紙幣の後面の位置を測定し
て出力するようになっている点である。他の構成は前記
第1の実施の形態と同じなので同一の符号を付して説明
を省略する。
【0060】以下、本実施の形態の紙質状態判別動作を
説明する。まず紙幣の投入を待っている状態では、図示
していないアクチュエータによりツメ29を底板4の面
上に突出させ、紙幣ガイド20の基準位置を定める。
【0061】状態検知の対象となる紙幣2が、前記第1
の実施の形態と同様、紙幣ガイド20と押板21の間に
投入される。レーザ変位センサ42は、シャッタ62が
開いたらレーザ光を照射し、このレーザ光は、押板21
にある図示していない穴を通過して紙幣2の後面で反射
する。レーザ変位センサ42はその反射光を受光して紙
幣2の後面の位置を検出し、位置検出信号を出力する。
【0062】制御部32は、図示されていないセンサで
紙幣2が入金口1に投入されたことを認識し、入金動作
を開始してシャッタ62を閉じる。制御部32は、次い
で、モータ31を制御して積層紙幣を圧縮する方向に押
板21を動かし、積層紙幣に予め定めた押圧力が加えら
れる位置で押板21を停止させる。紙幣ガイド20は前
記ツメ29で前記基準位置に固定もしくは前記基準位置
よりも前方に移動しないように拘束されている。この
時、制御部32が積層紙幣から押板21に加えられる力
をモータ31に加わるトルクから算出し、その反力を積
層紙幣に加わる力とする。レーザ変位センサ42は、引
き続き、位置検出信号の出力を継続している。
【0063】制御部32は、押板21を停止させたら、
積層紙幣の状態検知を開始することを伝える開始信号を
特徴量算出手段5に送信する。特徴量算出手段5は制御
部32から前記開始信号を受信すると、前記位置検出信
号を入力として紙幣2の位置の計測を開始する。
【0064】次に、図6に示すように、制御部32はモ
ータ31を制御して押板21を紙幣ガイド20から離す
方向に急速に動かす。この時の押板21の速度は、押板
21と積層紙幣が完全に離れる速度とする。この結果、
紙幣ガイド20に押しつけられていた積層紙幣は、押板
21の押しつけ力から解放され、後方(押板方向)に動
く。
【0065】特徴量算出手段5は、測定結果として得ら
れたレーザ変位センサ42の位置検出信号を入力とし
て、紙幣2の後面が予め定められた特定の位置に達する
までの経過時間を算出する。この経過時間が積層紙幣の
動特性を表わす特徴量である。
【0066】状態判別手段9は、予め記憶している指標
と算出された上記経過時間を比較して、積層紙幣の状
態、即ちしわの有無やその程度等を判別する。そしてこ
の判別結果により積層紙幣を現金自動取引装置内の搬送
路に繰出すか否かを判断する。すなわち、しわが大きく
て許容限界を超えている場合は、積層紙幣を現金自動取
引装置内の搬送路に繰出すのをやめ、シャッタ62を開
くとともに、所定のメッセージを操作パネルの表示手段
に表示する。しわが許容限界を超えていない場合は、前
記ツメ29を下降させて紙幣ガイド20の拘束を外し、
前記第1の実施の形態において述べたように、押板21
を再び紙幣に押し付けてピックアップローラ22を所定
の位置まで移動させたのち、ピックアップローラ22、
フィードローラ23を駆動して、紙幣を搬送路28に1
枚づつ送り出す。
【0067】本実施の形態では紙幣ガイド20を固定す
る方法としてツメ29を用いたが、例えば軸26にモー
タを取り付け、モータにより紙幣ガイド20の軸26回
りの回転を拘束してもよい。あるいは、紙幣ガイド20
と入金口1のフレームに電磁石を取り付け、紙幣2の状
態を測定する時に紙幣ガイド20を固定するようにして
もよい。
【0068】このように本実施の形態によれば、紙幣の
動特性を測定して、紙幣のしわや折れの状態を、紙幣取
扱装置の搬送路に紙幣を繰出す前に検知することができ
る。
【0069】また、状態検知方法および装置は簡単な機
構で構成されており、複雑な処理を必要とすることなく
リアルタイムで実行できるという効果がある。
【0070】次に、第3の実施の形態について、図7、
図8、図9を用いて説明する。本実施の形態が前記第1
の実施の形態と異なるのは、レーザ変位センサ42に代
えて、特徴量算出手段5で制御される画像センサ43
(例えば、CCDカメラ)を画像検出手段としてシャッ
タ62の下面に下向きに設け、紙葉類の状態検知の指標
となる特徴量を紙葉類の形状(後述する高さ64)とし
た点である。この場合の入金口1の構成を図7に示す。
他の構成は前記第1の実施の形態と同じなので同一の符
号を付して説明を省略する。
【0071】まず、状態検知の対象となる紙幣2を紙幣
ガイド20と押板21の間に投入する。図示されないセ
ンサで紙幣の投入を検知した制御部32は、モータ31
を制御して積層紙幣を圧縮する方向に押板21を動か
し、第1の実施の形態と同様の手順で積層紙幣を紙幣ガ
イド20に押しつけて押板21を停止させる。
【0072】制御部32は、モータ31を停止させたこ
とを伝える信号(開始信号)を特徴量算出手段5に送信
する。特徴量算出手段5は制御部32から前記開始信号
を受信すると、画像センサ43に撮影開始を指示する。
指示を受けた画像センサ43は、積層紙幣を上から下に
向かって、すなわち、紙幣2の厚みを見る方向から撮影
し、画像情報として特徴量算出手段5に出力する。
【0073】特徴量算出手段5は、画像センサ43から
出力された画像情報を受信し、受信した画像情報を解析
して、積層紙幣を構成する紙幣2の枚数とその形状を抽
出する。ここでいう紙幣の形状は、図8に示すように、
紙幣2を厚み方向に見たときの厚み面の線状の形状(縁
の形状)である。
【0074】紙幣2の形状から紙幣2の状態を算出する
方法として、本実施の形態では積層紙幣を一定の力で加
圧したときの紙幣2の縁の形状を撮影した画像の濃淡の
濃い部分を紙幣2、淡い部分を紙幣間の空間として、こ
の濃淡の差から抽出する。特徴量算出手段5は、この結
果から、図8に示すように紙幣2の高さ64を算出す
る。高さ64は、紙幣を平面上に置いたときの、該平面
から最も離れた位置の紙幣と該平面の距離であり、紙幣
のしわが深いほど大きい値となる。
【0075】また、紙幣ガイド20の位置と押板21の
位置から積層紙幣の厚さを、画像センサ43が出力した
画像情報を元に各紙幣2の縁の形状を抽出して紙幣の枚
数を、それぞれ算出して、積層紙幣を構成する紙幣2の
状態(高さ)の平均値を求めてもよい。
【0076】特徴量算出手段5は、この高さ64と紙幣
2に加えられた力から紙幣2の剛性を算出し、状態判別
手段9は、算出された紙幣2の剛性をもとに紙幣2の1
枚ごとの状態、あるいは積層紙幣全体の状態を判別す
る。そして紙幣の剛性が予め定められた基準の値よりも
低い場合は、搬送路においてトラブルを生じる惧れが高
いと判断して、搬送路28への紙幣の繰り出しを行わな
い。
【0077】ここで、特徴量算出手段5は、図8に示す
ように、画像センサ43が出力した画像情報を元に、撮
影した画像の濃淡の濃い部分の数箇所について紙幣の厚
さ65を検出する。そして、状態判別手段9はその厚さ
65から、入金口1に投入された物体が紙幣等の紙葉類
かあるいは紙葉類以外の異物であるかを判断する。即
ち、厚さ65が予め設定された厚さ以上か、あるいは数
箇所について検出した厚さ65の差が予め設定された値
より大きい場合は、入金口1に投入された物体は異物で
あると判断する。
【0078】尚、図7では画像センサ43がシャッタ6
2に取り付けられているが、画像センサ43は紙幣ガイ
ド20と押板21の間、即ち状態検知の対象となる積層
紙幣が撮影できる箇所ならばどこに取り付けてもよい。
例えば、図9に示すように、画像センサ43ではなく画
像を映すもの、例えば鏡63を入金口の横方向に設置
し、そこに映った積層紙幣の画像を撮影できる位置に画
像センサ43を設置してもよい。図9に示す構成によれ
ば、画像センサ43を稼動部分であるシャッタ62に取
り付ける必要がなくなり、構成が簡単になる。なお、画
像センサ43は、固定してもよいし、移動できるように
してもよい。
【0079】このように本実施の形態によれば、画像情
報を使うことで、紙幣2の形状および枚数を検出して、
紙幣の状態を、紙幣取扱機構の搬送路に紙幣を繰出す前
に検知することができ、紙幣搬送中のトラブルを回避す
ることが可能になる。さらに、装置の搬送路に紙幣を繰
り出す前に異物の混入を検知することができ、紙幣に異
物が混入することが原因で起こる異常を未然に防止でき
る。
【0080】また、状態検知方法および装置は簡単な機
構で構成されており、複雑な処理を必要とすることなく
リアルタイムで実行できるという効果がある。
【0081】次に、本発明の第4の実施の形態につい
て、図10を用いて説明する。本実施の形態が前記第1
の実施の形態と異なるのは、特徴量を積層紙幣の厚さが
特定の厚さになるまで、押板21により積層紙幣と紙幣
ガイド20を押したときの力とし、レーザ変位センサ4
2及び検知センサ61に代えて、前記特徴量を検出する
圧力検出手段である力センサ44を紙幣ガイド20の後
面(紙幣2に接する面)に取り付けた点である。力セン
サ44には、例えば、ひずみゲージ、圧電センサ等を用
いることができる。他の構成は前記第1の実施の形態と
同じなので同一の符号を付して説明を省略する。レーザ
変位センサ42及び検知センサ61は図示を省略してあ
る。
【0082】以下、本実施の形態の動作を説明する。ま
ず、紙幣2が紙幣ガイド20と押板21の間に投入さ
れ、制御部32は、積層紙幣の厚さ即ち紙幣ガイド20
と押板21の距離が予め設定した値になるように押板2
1を動かす。ここで、押板21の位置はモータ31の基
準点からの回転数から、紙幣ガイド20の位置はレーザ
変位センサ42の出力波形から算出する。紙幣ガイド2
0は固定してもよい。力センサ44は紙幣2に当接する
位置にあり、紙幣2から紙幣ガイド20に加わる力を検
出して出力する。
【0083】特徴量算出手段5は、紙幣ガイド20と押
板21の距離が予め設定した値になった時、力センサ4
4の出力波形から紙幣ガイド20に加えられる力を算出
し、これにより積層紙幣2に加えられる力を算出する。
紙幣ガイド20と押板21の距離が予め設定した値であ
るとき、積層紙幣に加えられている力は紙幣2の剛性に
より変化する。紙幣2の剛性はその状態により変化する
ので、状態判別手段9は、特徴量算出手段5から特徴量
として出力される前記力に基づいて紙幣2の状態を判別
する。
【0084】このとき、紙幣の大きさが異なる場合につ
いても、紙幣を入金口1の底板4に合わせて揃えるよう
に投入し、力センサ44を紙幣ガイド20の下部即ち軸
26と離した地点に設置することで、入金口1に積載さ
れた全ての紙幣に加わる力を均等に検出することができ
る。更に好ましくは、図10に示すように、紙幣ガイド
20の下部で力センサが設置された部分が突出している
と、より確実に入金口1に積載された全ての紙幣に力を
加えることができ、その時に紙幣に加えられた力をより
正確に測定できる。
【0085】本実施の形態では、力センサ44を紙幣ガ
イド20に取り付けたが、これは押板21に取り付けて
もよい。また、本実施の形態では力センサ44を使って
力を検出したが、例えば積層紙幣が押板21を押すこと
でモータ31に加えられるトルクを検出して、その反力
を積層紙幣2に加えられている力としてもよい。
【0086】このように本実施の形態によれば、積層紙
幣に加わる力と積層紙幣の変位を測定して紙幣の剛性を
算出して、紙幣のしわや折れの状態を、紙幣取扱機構の
搬送路に紙幣を繰出す前に検知することができる。
【0087】また、状態検知方法および装置は簡単な機
構で構成されており、複雑な処理を必要とすることなく
リアルタイムで実行できるという効果がある。
【0088】次に、本発明の第5の実施の形態につい
て、図11、図12を用いて説明する。本実施の形態が
前記第1の実施の形態と異なるのは、特徴量を紙幣ガイ
ド20の振動特性とし、レーザ変位センサ42に代えて
加速度センサ45を加速度検出手段として紙幣ガイド2
0に装着してその出力を特徴量算出手段5に入力するよ
うにした点である。他の構成は前記第1の実施の形態と
同じなので同一の符号を付して説明を省略する。
【0089】本実施の形態の動作を次に説明する。ま
ず、第1の実施の形態と同様に押板21を使って積層紙
幣と紙幣ガイド20に押圧力を加える。続けて、制御部
32によりモータ31を正逆転駆動してベルト6を往復
動させ、押板21を周波数を変えて振動させる。その時
の紙幣ガイド20の軸線方向、すなわち紙幣厚み方向の
変位の加速度を加速度センサ45で測定する。加速度セ
ンサ45が直接測定するのは紙幣ガイド20の変位の加
速度であるが、この場合、紙幣ガイド20の動きと紙幣
2の動きは一致していると考えてよく、加速度センサ4
5の出力は、紙幣2の軸線方向加速度を示している。特
徴量算出手段5は、加速度センサ45から出力される信
号に基づいて、紙幣ガイド20の加速度がピークとなる
時の周波数を算出する。図12に示すように紙幣ガイド
20の加速度がピークとなる時の周波数は積層した紙幣
2の状態により変化するので、状態判別手段9は、この
加速度がピークとなる時の周波数に基づいて紙幣2の状
態を判別する。加速度がピークとなる時の周波数が小さ
いほど、紙幣のしわが大きい。ここで、紙幣ガイド20
の加速度がピークとなる周波数は、積層した紙幣の質量
の合計値を紙幣の剛性係数の合計値で割った形で影響を
受ける。従って、紙幣の枚数の項は分子と分母で相殺さ
れるため、紙幣ガイド20の周波数は紙幣の枚数によら
ない。
【0090】本実施の形態によれば、紙幣とともに振動
する紙幣ガイド20の振動特性を測定して、紙幣のしわ
や折れの状態を、紙幣取扱機構の搬送路に紙幣を繰出す
前に検知することができる。
【0091】また、状態検知方法および装置は簡単な機
構で構成されており、複雑な処理を必要とすることなく
リアルタイムで実行できるという効果がある。
【0092】次に、本発明の第6の実施の形態につい
て、図13を用いて説明する。本実施の形態が前記第1
の実施の形態と異なるのは、レーザ変位センサ42に代
えて、紙幣ガイド20の通過を検知するための通過セン
サ41が設置されている点である。他の構成は前記第1
の実施の形態と同じなので同一の符号を付して説明を省
略する。
【0093】通過センサ41は、押板21による押しつ
け力が解放されたときに、紙幣ガイド20が特定の位置
に戻るまでの経過時間を測定する手段として、前記レー
ザ変位センサ42の代わりに用いられる。通過センサ4
1は、発光部で発した光を受光部で受光したとき所定の
信号を出力するように構成され、測定対象の紙幣ガイド
20が予め設定された位置にきたとき、それまで紙幣ガ
イド20で遮られていた光(発光部で発した光)を受光
部に到達させるようになっている。
【0094】以下、本実施の形態の動作を説明する。ま
ず第1の実施の形態と同様に、紙幣2を紙幣ガイド20
と押板21の間に投入して、押板21を動かして積層紙
幣を一定の押圧力で圧縮する。このとき、紙幣ガイド2
0は積層紙幣を介して押板21で押されて前方に移動
(軸26を回転中心として図上、時計回りに回転)し、
通過センサ41の発光部から受光部へ向かう光を遮断す
る。
【0095】制御部32は、前記圧縮が終了したら、積
層された紙幣2の状態検知を開始することを伝える開始
信号を特徴量算出手段5に送信する。特徴量算出手段5
は制御部32から前記開始信号を受信すると、紙幣ガイ
ド20が特定の位置に達するまでの経過時間の計測を開
始する。
【0096】次に、制御部32はモータ31を制御し
て、押板21を紙幣ガイド20から離す方向に、予め設
定した位置まで高速に移動させる。押板21を紙幣ガイ
ド20から離す方向に動かすと、押さえつけられていた
積層紙幣が元の状態に戻るように変形し、同時に紙幣ガ
イド20もばね25に付勢されて、軸26を回転中心と
して反時計回り方向に回動する。そして、特徴量算出手
段5は、紙幣ガイド20が通過センサ41から離れて通
過センサ41の受光部が発光部からの光を受光するまで
の経過時間を測定し、状態判別手段9は、この経過時間
を特徴量として、積層紙幣の状態、即ちしわや折れ目の
有無やその程度等を判別する。そして、この判別結果に
より積層紙幣を現金自動取引装置内の搬送路に繰出すか
否かを判断する。なお、制御部32からモータ31に出
力される、押板21を移動させる信号を、特徴量算出手
段5にも送信するようにしておき、この信号が入力され
た時点を前記経過時間の始点としてもよい。
【0097】本実施の形態によれば、紙幣の動特性を測
定して、紙幣のしわや折れの状態を、紙幣取扱機構の搬
送路に紙幣を繰出す前に検知することができる。
【0098】また、状態検知方法および装置は簡単な機
構で構成されており、複雑な処理を必要とすることなく
リアルタイムで実行できるという効果がある。
【0099】次に、本発明の第7の実施の形態につい
て、図14を用いて説明する。本実施の形態が前記第1
の実施の形態と異なるのは、ばね25に代えて、軸26
に結合されたモータ34、紙幣ガイド20の紙幣と当接
する面に装着された力センサ44、及び前記モータ34
を力センサ44の出力を入力としてインピーダンス制御
するインピーダンス制御部33を設けた点である。他の
構成は前記第1の実施の形態と同じなので同一の符号を
付して説明を省略する。
【0100】インピーダンス制御部33は、力センサ4
4が検出した力情報をもとにモータ34をインピーダン
ス制御して、紙幣ガイド20のばね特性および慣性およ
び粘性を実現する。本実施の形態での、紙幣2の状態を
判別する手法は、第1の実施の形態と同様の手法であ
る。
【0101】なお、新たにインピーダンス制御部33を
設けるのではなく、制御部32にモータ34のインピー
ダンス制御を行う機能を付加し、制御部32を使ってモ
ータ34のインピーダンス制御を実行するようにしても
よい。
【0102】また、本実施の形態の構成は、先に示した
第1の実施の形態に限らず、他の実施の形態にも適用す
ることができる。
【0103】本実施の形態によれば、インピーダンス制
御のパラメータ即ち剛性係数、減衰係数、慣性係数等を
自由に設定でき、特徴量を算出するのに最適なパラメー
タを容易に設定できるという効果がある。
【0104】次に、本発明の第8の実施の形態につい
て、図15を用いて説明する。本実施の形態が前記図5
に示す第2の実施の形態と異なるのは、レーザ変位セン
サ42に代えて押板21の軸線方向位置を検出する通過
センサ41を設けた点と、加圧手段である押板21の紙
幣に接する面に力センサ44を装着した点と、押板21
の動きを力センサ44の出力を入力としてインピーダン
ス制御するインピーダンス制御部33を設けた点であ
る。他の構成は前記第2の実施の形態と同じなので同一
の符号を付して説明を省略する。
【0105】通過センサ41は、発光部とこの発光部か
ら発光された光を受光する受光部を含んで構成され、発
光部から発光された光が遮られて受光部に到達しないと
き、所定の信号を出力するようになっている。そして、
押板21が軸線方向後方に移動するとき、予め設定され
た特定の位置を押板21が通過したとき、押板21によ
り光が遮られ、前記信号を出力するように配置されてい
る。
【0106】以下、本実施の形態の動作を説明する。
【0107】まず前記第2実施の形態と同様の手段(ツ
メ29)で紙幣ガイド20を固定し、紙幣(積層紙幣)
2を入金口1に投入する。紙幣の投入が確認されると、
加圧手段である押板21で投入された積層紙幣2に押圧
力が加えられ、力センサ44で検出される力が所定の大
きさになった段階で、押板21は一旦停止される。この
状態から、力センサ44が検出した力情報をもとに加圧
手段手段である押板21をインピーダンス制御部33に
よりインピーダンス制御して、その時の加圧手段の挙動
を前記通過センサ41により検出する。
【0108】言い換えると、押板21をばねで紙幣2に
押しつけている状態を想定し、ばねの押しつけ力を前記
所定の大きさよりも小さい値とするのである。そうする
と、押しつけられていた紙幣はばねの押しつけ力をはね
返して元に戻ろうとする。このときの押板21の動き
を、力センサ44の出力を入力とするインピーダンス制
御部33により、モータ31をインピーダンス制御して
実現する。そして、特徴量算出手段5は、インピーダン
ス制御に切り換えてから押板21が前記特定の位置を通
過するまでの時間(経過時間)を、前記通過センサ41
から出力される信号に基づいて、特徴量として算出す
る。
【0109】状態判別手段9は、算出された経過時間お
よび予め格納されている指標にに基づいて、積層紙幣の
状態を判断し、搬送路28に紙幣を送り出すかどうかを
決定する。
【0110】インピーダンス制御部33を設けず、制御
部32に上記インピーダンス制御の機能を付加し、制御
部32を使ってモータ34のインピーダンス制御を行う
ようにしてもよい。
【0111】また、本実施の形態も先に示した第2の実
施の形態に限らず、他の実施の形態にも適用することが
できる。
【0112】本実施の形態によれば、前記第2の実施の
形態の効果に加え、インピーダンス制御のパラメータ即
ち剛性係数、減衰係数、慣性係数等を自由に設定でき、
特徴量を算出するのに最適なパラメータを容易に設定で
きるという効果がある。
【0113】次に、本発明の第9の実施の形態につい
て、図16を用いて説明する。本実施の形態が前記第1
の実施の形態と異なるのは、学習機能が付加されている
点である。他の構成は前記第1の実施の形態と同じなの
で同一の符号を付して説明を省略する。
【0114】図16に本実施の形態における入金口1を
示す。本実施の形態では、前記第1の実施の形態の装置
に加えて、制御部32に接続されて学習機能の起動を指
示する学習機能起動手段(開始ボタン)81と、学習機
能起動手段81及び特徴量算出手段5に接続され、状態
検知装置に学習させる特徴量等を設定する学習機能設定
手段82と、特徴量算出手段5に接続されて紙葉類の状
態を判別する時に判別の基準となる指標を算出する指標
算出手段83と、指標算出手段83に接続されて指標を
更新する指標更新手段84と、指標更新手段84に接続
されて指標を記憶する記憶手段85と、学習機能設定手
段82及び制御部32に接続されて学習機能の終了を指
示する学習機能終了手段86と、を備えている。前記状
態判別手段9は、特徴量算出手段5及び前記記憶手段8
5に接続されており、記憶手段85に記憶されている指
標を参照して紙葉類の状態を判別するようになってい
る。
【0115】以下、本実施の形態で学習機能を用いて、
紙幣の状態検知を行う為の指標を設定する方法について
説明する。
【0116】まず、学習機能起動手段81としての開始
ボタンの押下により学習機能が起動される。次いで、紙
葉類の状態を判別する基準となる紙葉類(基準紙葉類7
と呼ぶ)を紙幣ガイド20と押板21の間に投入する。
基準紙葉類7が投入されると、制御部32はモータ31
を制御して、第1の実施の形態と同様の手順で基準紙葉
類7を圧縮してから押板21を基準紙葉類7から離れる
ように軸線方向後方に高速で動かして、その行程中の紙
幣ガイド20の軸線方向位置をレーザ変位センサ42に
より測定する。測定の結果得られたレーザ変位センサ4
2の出力信号から、特徴量算出手段5により基準紙葉類
7の動特性を表わす特徴量、本実施の形態では、紙幣ガ
イド20が、押板21を基準紙葉類7から離れるように
動かした時点から予め設定されている特定の位置を通過
するまでの経過時間を算出する。算出された経過時間は
指標算出手段83に入力され、格納される。この基準紙
葉類7の圧縮から経過時間格納までの手順を1回以上繰
り返し、指標算出手段83により紙葉類の状態を判別す
る時に判別の基準となる指標を決定する。例えば、算出
された複数の特徴量の平均値を指標とする。
【0117】紙幣の状態を表わす特徴量が2種類以上あ
り、指標となる特徴量を2回以上に分けて測定する場合
は、学習機能設定手段82により算出する特徴量の種類
を1種類以上選択し、上記の方法により指標となる値を
決定する。
【0118】決定された指標は、指標更新手段84によ
り記憶手段85に更新して記録される。
【0119】最後に、学習機能終了手段86としての終
了ボタンの押下により学習機能を終了する。
【0120】レーザ変位センサ42の代わりにその他の
変位センサを用いてもよい。
【0121】本実施の形態によれば、現実の状況に応じ
た特徴量の指標の決定が可能となる。すなわち、紙葉類
の状態検知装置が例えば紙幣取扱装置や現金自動取引装
置に設けられた状態で特徴量の指標を決定することがで
きる。従って、紙葉類の状態検知装置が設けられた装置
(例えば紙幣取扱装置や現金自動取引装置)自体の特
性、装置が設置された環境、紙葉類の性質等が考慮され
た特徴量が決定される。これにより装置の個体差、ばら
つき、経時変化等に対応でき、気温、湿度等の装置が利
用される環境にも対応できるという効果がある。また、
紙葉類の種類即ち材料、紙質、形状等が変わっても、技
術者による調整が必ずしも必要ではなくなるという効果
がある。
【0122】次に、本発明の第10の実施の形態につい
て図16を用いて説明する。本実施の形態では、前記第
9の実施の形態に示す紙葉類の状態検知装置を装備した
現金自動取引装置において、紙幣の状態検知を行う為の
指標を設定する方法について述べる。なお、本実施の形
態における指標は、その紙幣を搬送路に繰出すか繰出さ
ないかを判断するためのしきい値である。装置の構成自
体は前記第9の実施の形態と同じなので説明を省略す
る。
【0123】ただし、特徴量算出手段5、指標算出手段
83、指標更新手段84、記憶手段85は、投入された
紙幣について算出された特徴量を、記憶手段85に格納
するよう構成されているとともに、搬送路に繰り出され
た紙幣の搬送中あるいは金庫の格納するとき等に、紙幣
詰まり等の異常が発生した場合、記憶手段に格納されて
いる当該紙幣に係る特徴量に異常の発生を示す符号が付
されるようになっている。
【0124】まず、学習機能起動手段81としての開始
ボタンの押下により、学習機能を起動する。学習機能設
定手段82により、「随時更新モード」「定期更新モー
ド」から実行するモードと、更新の対象となる特徴量を
選択する。ここで、「定期更新モード」を選択した場合
には、指標を更新する日時、時間、更新する間隔等を設
定する。
【0125】次いで、紙幣2を紙幣ガイド20と押板2
1の間に投入する。制御部32はモータ31を制御して
紙幣2を圧縮する方向に紙幣ガイド20を動かし、第1
の実施の形態と同様の手順で積層紙幣の状態に関する特
徴量を算出する。なお、レーザ変位センサ42の代わり
に、その他の変位センサを用いてもよい。算出された特
徴量は前述のように、記憶手段85に格納される。
【0126】その後、特徴量を算出した紙幣2を搬送路
に繰出す。搬送中あるいは紙幣2を金庫に格納する時等
に紙幣詰まり等の異常が発生した場合、記憶手段85に
格納されている、搬送路に繰出した紙幣2の状態を表わ
す特徴量に、異常が発生したことを示す符号を付加す
る。なお、計測された特徴量全てを記憶手段に格納する
のではなく、搬送路に繰出した紙幣2に異常が発生した
場合に、それら紙幣(積層紙幣)に関して計測された、
紙幣2の状態を表わす特徴量の種類と値、本実施の形態
では経過時間を表わすコードと経過時間を記憶手段85
に記録するようにしてもよい。
【0127】「随時更新モード」では、指標算出手段8
3は現在登録されている指標と新たに記録された特徴量
を用いて、異常が発生する度に指標を新規に算出する。
新たに異常の発生が記録された紙幣に係る特徴量が現在
の指標よりも状態の良い紙幣、例えば剛性の高い紙幣や
しわの度合いが小さい紙幣等を表わす場合には、新たに
記録された特徴量を指標として指標更新手段84により
記憶手段85に記憶する。
【0128】「定期更新モード」では、学習機能設定手
段82により設定された日時あるいは時間に、もしくは
前回の更新から予め設定された更新間隔だけ経過した場
合に、指標算出手段83が記憶手段85に異常が発生し
たとして記憶された特徴量を取得して、指標を新規に算
出する。算出した指標は指標更新手段84により記憶手
段85に記憶される。記憶手段85に記憶された異常発
生時の紙幣の特徴量が同一のコード即ち同一の特徴量に
対して2種類以上の値が記憶されている場合は、同一の
コードに対応する特徴量の値の平均値を算出してこれを
指標とする。
【0129】このようにして取扱う紙幣と取扱わない紙
幣を判別する指標を決定することで、異常を発生しうる
紙幣を搬送路に繰出さずに、紙幣の状態が原因となる異
常を未然に防ぐことができる。
【0130】学習機能を停止させる場合には、学習機能
終了手段86としての終了ボタンを押下する。
【0131】本実施の形態では、指標を更新する方法と
して、同一のコードに対応する特徴量の値の平均値を算
出してこれを指標とするとしたが、例えば同一のコード
に対応する値の中で最も状態の悪い状態を表わす数値も
しくは最も状態の良い状態を表わす数値を指標としても
よい。
【0132】本実施の形態は、第1の実施の形態の入金
口を備えた状態検知装置に限らず、他の実施の形態の入
金口を備えた状態検知装置においても適用することがで
きる。
【0133】本実施の形態によれば、異常が発生したと
きの紙葉類の状態に関する情報(特徴量)を記憶してお
き、搬送路に送り出すと異常が発生しうる紙幣の状態を
装置毎に更新することができる。従って、紙葉類の状態
検知装置が設けられた装置自体の特性、装置が設置され
た環境、紙葉類の性質等が考慮された特徴量が決定され
る。これにより装置、つまり搬送路や搬送路に介装され
た各種機器の形状、構成、性能の個体差、ばらつき、経
時変化等に対応でき、気温、湿度等の装置が利用される
環境の変化にも対応できるという効果がある。また、紙
葉類の種類即ち材料、紙質、形状等が変わっても、技術
者による調整が必ずしも必要ではなくなるという効果が
ある。
【0134】さらに、学習機能を備えることで、過去に
その装置で障害が起こったときに扱った紙葉類の状態を
表わす特徴量の値を記憶し、障害発生時の紙葉類の特徴
量を指標を決定する為の境界条件の一つとすることで、
障害を発生しうる紙葉類を搬送路に繰出す前に検知し、
その結果に応じた対策をすることで紙葉類の状態が原因
で発生する障害を未然に防ぐことができる。
【0135】次に、本発明の第11の実施の形態とし
て、本発明を現金自動取引装置の紙幣取扱機構に適用し
た搬送制御の例を図17を用いて説明する。
【0136】図17に本実施の形態における紙幣取扱機
構70を示す。紙幣取扱機構70は、紙幣が投入されか
つ繰り出す入金口1、紙幣の真贋を検知する鑑別器7
1、紙幣の重送を検知する二枚検知センサ72、紙幣を
格納する金庫73a〜73e、紙幣を一時的にスタック
する一時スタッカ74、紙幣を出金する出金口75、及
びそれらの間で紙幣を搬送する搬送路28、を含んで構
成される。また、紙幣取扱機構70は前記第1の実施の
形態の状態検知装置を含んで構成され、前記入金口1
は、前記図1に示す入金口1となっている。また、搬送
路28には、図示されない通過センサがあり、搬送され
る紙幣の通過を監視している。なお、入金口1から紙幣
を搬送路28に繰出す時の押圧力の大きさ、搬送路28
で紙幣2を搬送するときの搬送速度等の紙幣搬送中の異
常発生に関連する装置側の条件(搬送条件)は、変更す
ることが可能な構成となっている。
【0137】状態判別手段9は、入金口1から紙幣を搬
送路28に繰出す時の押圧力の大きさ、搬送路28で紙
幣2を搬送するときの搬送速度等の搬送条件と、その搬
送条件のときに異常を生ずることなく搬送することので
きる紙幣の特徴量の指標を、前記変更可能な搬送条件ご
とに格納しており、測定された特徴量がその時点で設定
されている搬送条件において、異常を生ずることなく紙
幣を搬送することのできる紙幣の特徴量の指標の範囲を
越えている場合、搬送条件を、測定された特徴量の紙幣
を異常を生ずることなく紙幣を搬送することのできる搬
送条件に変化させるようになっている。
【0138】以下、上記構成の現金自動取引装置の動作
を説明する。まず現金自動取引装置の利用者が、紙幣取
扱機構70の入金口1に紙幣2を投入する。
【0139】紙幣取扱機構70は上述してきた紙葉類の
状態検知方法を用いて紙幣2の状態を判別する。判別の
結果、紙幣2が現状の紙幣取扱機構70の設定、即ち紙
幣2を搬送路28に繰出す時の押圧力の大きさ、搬送路
28で紙幣2を搬送するときの搬送速度等で扱える範囲
の紙幣状態である場合は、紙幣取扱機構70の設定通り
に紙幣2を入金口1から搬送路28に繰出す。そして、
鑑別器71および二枚検知センサ72を通って一時スタ
ッカ74に格納される。そして鑑別器71で紙幣2が本
物であると判別され、かつ二枚検知センサ72で重送し
ていないと判別された紙幣を金庫73a〜73eのそれ
ぞれ該当個所に、それ以外の紙幣を出金口75に搬送す
る。
【0140】一方、紙幣2が現状の紙幣取扱機構70の
搬送条件の設定では異常を起こす可能性が大きい紙幣状
態で、かつ紙幣取扱機構70の搬送条件の設定を変更す
ることで異常の発生を防ぐことができる場合は、状態検
知装置の状態判別手段9は、紙幣取扱機構70の搬送条
件設定を変更して、紙幣2を入金口1から搬送路28に
繰出す。紙幣2のしわの度合いが強いと、一定の力で紙
幣2を圧縮した時に紙幣の間の摩擦力がピックアップロ
ーラ22と紙幣2の間の摩擦力よりも大きくなってしま
う場合がある。この時には、入金口1で紙幣2を繰出す
ときに紙幣を圧縮する押圧力を小さくして、紙幣間の摩
擦力を小さくする。また、しわの度合いが強い時には、
紙幣を搬送する速度を遅くして紙幣詰まりを防ぐ。押圧
力と紙幣を搬送する速度の双方を変更するようにするこ
とも可能である。
【0141】状態判別手段9が、紙幣2が現状の紙幣取
扱機構70の設定では異常を起こす可能性が大きい紙幣
状態で、かつ紙幣取扱機構70の設定を変更しても異常
の発生を防ぐことができないと判断した場合は、紙幣2
を利用客に返却する手順が開始される。返却した後に、
紙幣取扱機構70の表示手段あるいは紙幣取扱機構70
が搭載されている現金自動取引装置の表示手段に、紙幣
取扱機構70の設定で扱える枚数ずつに紙幣を分けて入
れるように利用者に案内する表示が表示される。また、
紙幣取扱機構70の保守作業時や障害発生による復旧作
業時等には、前記表示手段に紙幣2の紙質および紙幣2
の特徴量が表示される。
【0142】また、本実施の形態で、入金口1に投入さ
れた物体が紙幣等の紙葉類でない異物であると判断され
た場合には、紙幣の繰出し動作を行わずに、入金口1に
異物が投入されたこと、異物を取り出して紙幣を改めて
投入してもらいたいことが表示手段に表示される。そし
てシャッタ62を開き、利用客が異物を取り出せるよう
にする。
【0143】紙幣2を金庫73に格納する時には、紙幣
2の状態から紙幣2が占める体積を算出して、その結果
と複数の金庫73a、73b、73c、73d、73eの空
き容量を比較して、紙幣2を格納する金庫を前記金庫7
3a、73b、73c、73d、73eの中から選択するよ
うにしてもよい。あるいは、紙幣2の状態に応じて、紙
幣2を格納する金庫73を選択するようにしてもよい。
例えば、紙幣の状態としてしわの度合を5段階で表わす
ときに、金庫73aにはしわの度合が1の紙幣を、金庫
73bにはしわの度合が2の紙幣を格納する、としても
よい。
【0144】本実施の形態によれば、入金口1を紙葉類
の状態検知装置とすることで、紙幣を紙幣取扱機構の搬
送路28に繰出す前に、紙幣を繰出すか繰出さないかの
判別をすることができるという効果がある。
【0145】また、その判別した結果を用いて、紙幣の
状態に適した制御を実行することができるようになると
いう効果がある。従って、紙葉類の状態が原因で発生す
る障害を未然に防ぐことができるという効果がある。さ
らに、装置の搬送路に紙幣を繰り出す前に異物の混入を
検知することができ、紙葉類に異物が混入することが原
因で起こる異常を未然に防止できる。
【0146】また、紙葉類の状態に応じて、紙葉類を格
納する場所を選択できるという効果がある。従って、紙
葉類を格納する場所を最大限に活用することが可能にな
る。
【0147】また、本実施の形態によれば、紙葉類を格
納した場所から紙葉類を搬送路に繰出す時に、紙葉類の
状態を予め検知することで、紙葉類を搬送するときの速
度や経路を変えたり、あるいは紙葉類を搬送路に繰出す
時に紙葉類に加える力等を最適な値に変化させることが
できる。従って、紙葉類の状態に応じた迅速な制御が期
待できる。
【0148】上記各実施の形態では、紙幣取扱機構にお
ける状態検知装置について詳述したが、本発明の状態検
知装置はすべての種類の紙葉類を取扱う装置、例えばコ
ピー機、プリンタ、印刷機等にも、紙幣ガイド20に相
当するものと加圧手段を付加することで適用可能であ
る。加えて、紙幣取扱機構において、紙幣ガイド20と
押板21を使わず、紙幣ガイド20に相当するものと加
圧手段の片方あるいは両方を新たに付加することでも本
発明を適用可能である。
【0149】また、上記の各実施の形態で用いた各種セ
ンサは併用してもよい。例えば、画像センサ43を使っ
て積層紙幣2を構成する紙幣の枚数を検出し、通過セン
サ41を使って経過時間を求め、これらの特徴量を使っ
て紙幣の状態検知を行うようにしてもよい。このことに
より、紙幣の状態をより詳細に判別できるという効果が
ある。
【0150】また、一種類の特徴量についても、条件を
変えて測定したもの、例えば押板21によって積層紙幣
に加える押圧力を変えたときに、入金口1内のある地点
を紙幣ガイド20が通過するまでの経過時間を測定し
て、それらを特徴量として紙幣2の状態を判別してもよ
い。このことにより、紙幣2の状態をより詳細に判別で
きるという効果がある。
【0151】また、上記各実施の形態において、測定対
象を積層紙幣の端面あるいは紙幣ガイド20としたが、
積層紙幣の間に板または測定用の紙葉類等を挿入し、こ
の板または測定用の紙葉類の挙動をセンサで検出しても
よい。
【0152】また、各センサによる測定対象と、センサ
およびセンサが検出する特徴量との組み合わせは、上記
の各実施の形態で説明したものに限定されないことは言
うまでもない。
【0153】また、上記各実施の形態の紙葉類の状態検
知装置においては、画像センサを用いる場合以外はセン
サから得られる信号波形に基づいて特徴量を算出してい
るので、大容量のメモリや高速演算処理装置を必ずしも
必要とせず、コストの大きな増加がないというメリット
がある。
【0154】
【発明の効果】本発明の紙葉類の状態検知装置によれ
ば、紙葉類を取り扱う装置の搬送路に紙葉類を繰出す前
に紙葉類が装置内での搬送に適した状態であるかどうか
を検知することができ、紙葉類の状態が原因で起こる搬
送中、あるいは格納位置に格納するときに生ずる異常を
未然に防止できる。
【0155】また、本発明の紙葉類の状態検知装置によ
れば、紙葉類を取扱う装置について、紙葉類を取り扱う
装置の搬送路に紙葉類を繰り出す前に異物の混入を検知
することができ、紙葉類に異物が混入することが原因で
起こる異常を未然に防止できる。
【0156】さらに、本発明の紙葉類取扱装置によれ
ば、搬送路に繰出す前に障害を発生させる可能性のある
もしくは可能性の高い紙幣を予め検知でき、紙幣の状態
に合わせて対策をすることで、現金自動取引装置におけ
る障害の発生を低減でき、その結果として現金自動取引
装置などの紙葉類取扱装置の停止回数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図2】図1に示す実施の形態において紙幣が押圧され
た状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す実施の形態において紙幣の押圧が開
放された状態を示す断面図である。
【図4】図1に示す実施の形態において、積層紙幣の状
態を判別するための特徴量を示す概念図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図6】図5に示す実施の形態において紙幣の押圧が開
放された状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図8】図7に示す実施の形態において積層紙幣の状態
を判別する方法を示す平面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における画像センサ
の他の設置例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図11】本発明の第5の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図12】図5に示す実施の形態において紙幣の状態に
よる積層紙幣の共振周波数の変化の一例を示す概念図で
ある。
【図13】本発明の第6の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図14】本発明の第7の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図15】本発明の第8の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図16】本発明の第9の実施の形態および第10の実
施の形態を示す断面図である。
【図17】本発明の第11の実施の形態における紙幣取
扱機構を示す断面図である。
【符号の説明】
1 入金口 2 紙幣 5 特徴量算出手段 9 状態判別手段 20 紙幣ガイド 21 押板 25 ばね 26 軸 27 ばね 28 搬送路 29 ツメ 31 モータ 32 制御部 33 インピーダンス制御部 34 モータ 41 通過センサ 42 レーザ変位センサ 43 画像センサ 44 力センサ 45 加速度センサ 61 検知センサ 62 シャッタ 81 学習機能起動手段 82 学習機能設定手段 83 指標算出手段 84 指標更新手段 85 記憶手段 86 学習機能終了手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01B 11/24 Z (72)発明者 望月 明 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 吉田 隆 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 2F065 AA02 AA06 AA24 AA51 BB02 CC00 FF04 FF41 GG04 JJ03 JJ26 LL30 PP16 PP22 QQ21 QQ42 3E040 AA01 AA05 BA03 BA06 BA13 BA20 FA03 FA05 FA06 FA09 FA10 FG11 FG13 FG14 FJ06 FJ08 3F048 AA06 AB03 BA06 BA11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える
    加圧手段と、前記紙葉類の厚み方向の位置を検出して時
    系列的な信号として出力する検出手段と、前記検出手段
    で検出された前記紙葉類の厚み方向の変位、速度および
    加速度に基づいて、前記紙葉類の紙質の機械的特性を特
    徴量として算出する特徴量算出手段とを備えてなり、前
    記特徴量算出手段は、前記加圧手段によって前記紙葉類
    に負荷された押圧力が開放された時の前記検出手段の出
    力信号を入力として前記紙葉類の紙質の特徴量を算出す
    るように構成されていることを特徴とする紙葉類の状態
    検知装置。
  2. 【請求項2】 紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える
    加圧手段と、前記紙葉類の厚み方向の変位を検出し、時
    系列的な信号として出力する変位検出手段と、前記変位
    検出手段の出力信号の波形に基づいて前記紙葉類の紙質
    の機械的特性を特徴量として算出する特徴量算出手段と
    を備えてなり、前記特徴量算出手段は、前記加圧手段に
    よって前記紙葉類に負荷された押圧力が開放された時の
    前記変位検出手段の出力信号の波形を入力として出力信
    号の波形に基づいて前記紙葉類の紙質の特徴量を算出す
    るよう構成されていることを特徴とする紙葉類の状態検
    知装置。
  3. 【請求項3】 紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える
    加圧手段と、前記加圧手段の押圧力により前記紙葉類に
    加わる圧力を検出し、時系列的な信号として出力する圧
    力検出手段と、前記圧力検出手段の出力信号の波形に基
    づいて前記紙葉類の紙質の機械的特性を特徴量として算
    出する特徴量算出手段とを備えてなり、前記特徴量算出
    手段は、前記加圧手段により前記紙葉類に押圧力を加え
    て圧縮した時に前記圧力検出手段の出力信号の応答波形
    を入力として前記紙葉類の紙質の特徴量を算出するよう
    構成されていることを特徴とする紙葉類の状態検知装
    置。
  4. 【請求項4】 紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える
    加圧手段と、前記紙葉類の端面の形状を検出する画像検
    出手段と、前記画像検出手段の出力信号に基づいて前記
    紙葉類の紙質の形状的特性を特徴量として算出する特徴
    量算出手段とを備えてなり、前記特徴量算出手段は、前
    記加圧手段により前記紙葉類に押圧力を加えて圧縮した
    時に前記画像検出手段より得られる出力信号を入力とし
    て前記紙葉類の紙質の特徴量を算出するよう構成されて
    いることを特徴とする紙葉類の状態検知装置。
  5. 【請求項5】 紙葉類にその厚み方向に押圧力を与える
    加圧手段と、前記紙葉類の厚み方向の変位の加速度を検
    出し、時系列的な信号として出力する加速度検出手段
    と、前記加速度検出手段の出力信号に基づいて前記紙葉
    類の紙質の機械的特性を特徴量として算出する特徴量算
    出手段とを備えてなり、前記加圧手段は、紙葉類に与え
    る押圧力の値を振動的に変化させるとともに、振動の周
    波数を変化させることが可能に構成され、前記特徴量算
    出手段は、前記加圧手段により前記紙葉類に加える押圧
    力を、その変化の周波数を変えて振動させた時に、前記
    加速度検出手段の出力を入力として加速度がピークとな
    る周波数を前記特徴量として算出するよう構成されてい
    ることを特徴とする紙葉類の状態検知装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちのいずれか1項に記
    載の紙葉類の状態検知装置において、予め設定された特
    徴量の指標を格納し、前記特徴量検出手段で算出された
    特徴量を前記指標と比較して前記紙葉類が搬送に適して
    いるかどうかを判断する状態判別手段を備えてなること
    を特徴とする紙葉類の状態検知装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の紙葉類の状態検知装置
    において、前記特徴量算出手段に接続され算出された特
    徴量を記憶する記憶手段を備え、この記憶手段は、前記
    特徴量算出手段以外から入力される信号を受信して格納
    されている前記特徴量に対応づけて記憶することができ
    るよう構成されていることを特徴とする紙葉類の状態検
    知装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の紙葉類の状態検知装置
    において、前記記憶手段は前記状態判別手段に接続され
    ているとともに前記予め設定された指標は前記記憶手段
    に格納されていることと、前記記憶手段に接続して指標
    更新手段及び指標算出手段が設けられていることと、前
    記指標算出手段は、前記記憶手段に格納された特徴量及
    びこの特徴量に対応付けて格納された信号を入力として
    新たな指標を算出するように構成されていることと、前
    記指標更新手段は前記指標算出手段で算出された新たな
    指標を用いて記憶手段に格納されている指標を書き換え
    るように構成されていることと、前記状態判別手段は前
    記記憶手段に格納されている指標と特徴量算出手段で算
    出された特徴量を比較して紙葉類の紙質が搬送に適して
    いるかどうかを判断することと、を特徴とする紙葉類の
    状態検知装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の紙葉類の状態
    検知装置において、前記記憶手段に、紙葉類の特徴量の
    範囲を示す限界指標が格納されており、前記状態判別手
    段は、前記特徴量検出手段で算出された特徴量を前記限
    界指標とも比較し、前記特徴量検出手段で算出された特
    徴量が紙葉類の特徴量の範囲を外れているとき、前記紙
    葉類以外の異物が投入されたことを判断する機能を備え
    たことを特徴とする紙葉類の状態検知装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の紙葉類の状態検知装
    置において、前記状態検知装置は表示手段を備えてお
    り、前記状態判別手段は算出された特徴量あるいは前記
    紙葉類以外の異物が投入されたことを前記表示手段に表
    示することを特徴とする紙葉類の状態検知装置。
  11. 【請求項11】 投入された紙幣を分離して搬送路に供
    給する入金口に、請求項1〜5のうちのいずれか1項に
    記載の紙葉類の状態検知装置を組み込んでなる紙幣取扱
    装置。
  12. 【請求項12】 投入された紙幣を分離して搬送路に供
    給する入金口に、請求項6〜10のうちのいずれか1項
    に記載の紙葉類の状態検知装置を組み込んでなる紙幣取
    扱装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の紙幣取扱装置におい
    て、利用者に対して操作案内を表示する表示手段を備え
    てなり、前記状態判別手段が、投入された紙幣が搬送に
    適していないと判断したとき、前記入金口の蓋を開き、
    前記表示手段に、紙幣を取り出すよう表示することを特
    徴とする紙幣取扱装置。
  14. 【請求項14】 請求項12または13記載の紙幣取扱
    装置において、前記入金口に投入された紙幣を分離して
    搬送路に送り出すときに前記紙幣に加える押圧力と前記
    紙幣を搬送する速度を制御する搬送制御手段が設けら
    れ、前記状態判別手段は、投入された紙幣が搬送に適し
    ていないと判断したとき、前記入金口に投入された紙幣
    を分離して搬送路に送り出すときに前記紙幣に加える押
    圧力と、前記紙幣を搬送する速度のいずれか一方もしく
    は双方を、所定の値だけ小さくする信号を前記搬送制御
    手段に対して出力するよう構成されていることを特徴と
    する紙幣取扱装置。
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