JP2000194898A - 紙幣処理装置 - Google Patents

紙幣処理装置

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JP2000194898A
JP2000194898A JP10376554A JP37655498A JP2000194898A JP 2000194898 A JP2000194898 A JP 2000194898A JP 10376554 A JP10376554 A JP 10376554A JP 37655498 A JP37655498 A JP 37655498A JP 2000194898 A JP2000194898 A JP 2000194898A
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banknote
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yen
card
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JP10376554A
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Tsutomu Shimizu
力 清水
Shunichi Yoshida
俊一 吉田
Wataru Sakurai
渉 桜井
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Mamiya OP Co Ltd
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  • Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 顧客サービスに優れ、小スペースおよび低コ
スト化に対応可能な紙幣処理装置を提供する。 【解決手段】 紙幣を券種毎に搬入および搬出可能な紙
幣収納室を複数有する紙幣収納部21と、搬入された高
額紙幣の金額に相当する低額紙幣を搬出させる両替動作
および搬入された低額紙幣の金額に相当する高額紙幣を
搬出させる逆両替動作のうち、少なくとも逆両替動作を
行わせる第一制御部23とを備えるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣の両替、逆両
替およびカード券の購入を可能とする紙幣処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】紙幣を処理する装置は、大別すると、金
融機関に設置されている大型の現金自動預け払い機(以
後、「ATM」という)と、自動販売機や両替機等の小
型の紙幣処理装置(以下、単に、「紙幣処理装置」とい
う)とに分けられる。ATMは、日本で流通する3種の
紙幣(千円札、5千円札、1万円札)の入金および出金
可能なものとなっている。ATMとしては、各紙幣毎
に、収納専用のボックスと、出金専用に予め紙幣を収納
しているボックスとを備えている非環流式の機器や、各
紙幣毎に入出金可能なボックスを備える環流式の機器が
ある。
【0003】一方、自動販売機は、限られたスペ−スに
設置され、加えて、その内部には、ある程度の商品を収
納するスペ−スを確保する必要がある。このため、上述
のATMに比べて小型化の要求は極めて強いものとなっ
ている。また、両替機も、自動販売機やコインロッカ−
に隣接して置かれたり、パチンコ店やゲ−ムセンタ−等
において、遊技機器の片隅に置かれることが多いため、
同様に小型化の要求は強い。
【0004】しかも、紙幣処理装置は、現金を扱う以
上、ATMと同様に故障が少なく信頼性の高い装置であ
ることが要求される一方で、ATM以上に製造コストを
抑える必要がある。したがって、紙幣処理装置は、使用
頻度の高い千円札のみを使用できる装置、あるいは、1
万円、5千円、千円の全種類の紙幣を入金できても、1
万円札や5千円札については収納のみで、出金できない
構造としているものが多い。
【0005】例えば、図63に示す特開平9−2189
70号公報に開示されている装置(以後、「公知装置
1」という)のように、1万円札および5千円札を入金
のみとして、千円札を入出金可能にしている装置が知ら
れている。また、特開平7−192160号公報に開示
されている装置(以後、「公知装置2」という)のよう
に、硬貨を千円札に替える、いわゆる逆両替を可能とす
る装置も知られている。公知装置1,2が、千円札のみ
を入出金可能としている理由として、装置の小型化、単
純化さらには低コスト化の他に、次のような理由もあ
る。
【0006】第一の理由は、自動販売機としての紙幣処
理装置の場合には、お釣りとして1万円札を出金するこ
とがないことである。5千円札をお釣りとして出金する
必要は生じるが、かかる際には千円札を5枚出金させる
ことで足りる。第二の理由は、万一重送した場合には、
入金された額(例えば、1万円)と同額あるいはそれ以
上の釣り銭を出金してしまう危険性があることである。
例えば、5千円札1枚を釣り銭として出金させるときに
5千円札を2枚出金させてしまうと、入金された金額と
同額を返金することになる。千円札5枚を出金させるよ
うにすると、1枚余分に出金させても6千円の返金で済
み、損害額を小さくできるからでる。このため、上記と
同様に、重送の危険を犯してまで、高額紙幣の出金機構
を設けていないのである。
【0007】一方、一般に、食券あるいはテレホンカー
ドの自動販売機と両替機とは別個に設置されている。し
たがって、各装置を設置するスペースを確保する必要性
があった。また、利用者は、食券等の購入と両替の両動
作を行う際に、各装置の設置場所にそれぞれ移動して行
っていた。
【0008】また、カード券を一旦購入した後、購入を
キャンセルしたい場合には、利用者は販売関係者の手を
介して、返金してもらうようになっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、公知装置1,
2を含めた従来の紙幣処理装置は、以下のようなサービ
スに対応できないという問題を有している。まず、公知
装置1,2は、1万円札の入金は可能であるが、出金で
きない構造であるため、千円札10枚、千円札5枚と5
千円札1枚あるいは5千円札2枚を、1万円札1枚に替
える、いわゆる紙幣間の逆両替を行うことができない。
逆両替は、次のようなサ−ビスの一例として付加価値が
高いものである。すなわち、パチンコ店等の遊戯場に出
入りするお客には、来店時に保有する高額紙幣を低額紙
幣に両替しておき、低額紙幣がなくなる度に高額紙幣を
両替に行く煩わしさをなくし、プレイに集中するお客が
多い。そのため、帰る際に、未使用の低額紙幣を高額紙
幣に両替できると、財布が厚くならずに済む。このた
め、遊戯場のサ−ビスがより充実したものとなる。
【0010】また、カード券搬出部を備えた自動販売機
と両替機とを別個に備えると、設置スペースの確保に加
えて、利用者の移動距離が長くなり煩わしさに耐えな
い。さらに、自動販売機に、紙幣の処理機構を備えてい
るので、この機構を有効利用して両替ができると、装置
の低コスト化につながる。
【0011】また、購入したカード券を換金する際に人
手を介して行わざるを得ないので、24時間の換金対応
ができず、十分な顧客サービスができない。
【0012】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたものであり、顧客サービスに優れ、小スペースおよ
び低コスト化に対応可能な紙幣処理装置を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載の紙幣処理装置は、紙幣を
券種毎に搬入および搬出可能な紙幣収納室を複数有する
紙幣収納部と、搬入された高額紙幣の金額に相当する低
額紙幣を搬出させる両替動作および搬入された低額紙幣
の金額に相当する高額紙幣を搬出させる逆両替動作のう
ち、少なくとも逆両替動作を行わせる第一制御部とを備
えるようにしている。
【0014】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の紙幣処理装置において、第一制御部を、逆両替動作
において最少枚数となるように紙幣を搬出するようにし
ている。
【0015】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の紙幣処理装置において、紙幣収納室を、紙
幣を積層して収納すると共に、その収納されている紙幣
の最表面の紙幣に接触して紙幣収納室の外部に紙幣を搬
送する搬送手段とを備え、最表面の紙幣が紙幣収納室の
出口に備えた挟持手段と搬送手段との間に挟持される位
置まで紙幣収納室の外部方向に搬出された際に、最表面
の紙幣の次にある二枚目の紙幣の表面を押さえて重送を
防止する重送防止手段と、その重送防止手段が二枚目の
紙幣に接する位置と挟持手段の位置との間において、二
枚目の紙幣と搬送手段とを離す分離手段とを備えるもの
としている。
【0016】また、請求項4記載の紙幣処理装置は、カ
ード券を搬出可能なカード券搬出室を少なくとも1個備
えたカード券搬出部と、紙幣を券種毎に搬入および搬出
可能な紙幣収納室を複数有する紙幣収納部と、紙幣の搬
入によって、カード券搬出部から所定のカード券を搬出
させると共に、必要に応じて釣り銭として紙幣収納部か
ら紙幣を搬出させる第二制御部とを備えるようにしてい
る。
【0017】また、請求項5記載の発明は、請求項3記
載の紙幣処理装置において、第二制御部は、カード券を
搬出させる動作と、搬入された高額紙幣の金額に相当す
る低額紙幣を搬出させる両替動作および搬入された低額
紙幣の金額に相当する高額紙幣を搬出させる逆両替動作
のうち少なくともいずれか一方の動作の内、選択によっ
て一つの動作を行わせるようにしている。
【0018】また、請求項6記載の紙幣処理装置は、カ
ード券を搬入可能なカード券収納室を少なくとも1個備
えたカード券収納部と、紙幣を搬出可能な紙幣搬出室を
少なくとも1個備えた紙幣搬出部と、カード券の搬入に
よって、紙幣搬出部から所定金額相当の紙幣を搬出させ
る第三制御部とを備えるようにしている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0020】(1)紙幣処理装置全体の構造について
【0021】図1は、本発明に係る紙幣処理装置の外観
斜視図である。紙幣処理装置は、前面上部に、販売表示
部11と、金額表示部12と、取り消しボタン13とを
有している。販売表示部11は、紙幣処理装置が使用可
能であって、商品であるカード券が販売中であることを
示す部分である。販売表示部11は、販売中のときには
「販売中」と、また販売中止のときには「販売中止」と
表示される。金額表示部12は、入金時に入金された金
額をデジタル表示する部分である。また、金額表示部1
2は、カード券の購入を選択した際には、お釣りの金額
も表示する。取り消しボタン13は、入金をキャンセル
する時に押すためのボタンである。
【0022】販売表示部11、金額表示部12および取
り消しボタン13の下には、向かって右側から、両替ボ
タン14、逆両替ボタン15、3000円カード券ボタ
ン16および1000円カード券ボタン17の4個のボ
タンがある。両替ボタン14は、高額紙幣を低額紙幣に
両替する時に押すボタンである。例えば、1万円札を挿
入して、両替ボタン14を押すと、5千円札1枚と千円
札5枚とが搬出される。逆両替ボタン15は、低額紙幣
を高額紙幣に両替する時に押すボタンである。
【0023】例えば、千円札5枚と5千円札1枚を挿入
して、逆両替ボタン15を押すと、1万円札1枚が搬出
される。なお、2枚の5千円札を挿入した際には、両替
と逆両替の双方が可能である。両替ボタン14を押す
と、千円札10枚が搬出され、逆両替ボタン15を押す
と、1万円札1枚が搬出される。3000円カード券ボ
タン16および1000円カード券ボタン17は、各金
額のカード券2を購入する際に押すボタンである。
【0024】上記ボタン14,15,16,17の下に
は、紙幣挿入口18と紙幣受取口19が上下に配置され
ている。さらに、カード券受取口20は、紙幣受取口1
9の左側に並んで配置されている。紙幣処理装置を使用
する顧客が、紙幣1を紙幣挿入口18に挿入して、希望
のカード券2を選択すると、カード券2がカード券受取
口20から搬出される。そして、お釣りが紙幣受取口1
9から搬出される。また、カード券2を購入せずに両替
のみを行いたいときには、紙幣挿入口18に紙幣1を挿
入して、両替か逆両替を選択する。すると、紙幣受取口
19から両替後の紙幣1が搬出される。カード券2の購
入動作および両替動作の詳細な手順については、後述す
る。
【0025】図2および図3は、それぞれ紙幣処理装置
の正面図およびそれと同方向から見た内部構成図であ
る。また、図4は、紙幣処理装置の左側面からみた内部
構成図である。紙幣処理装置の内部には、紙幣1の入金
と出金とが可能な紙幣収納部21と、カード券2の搬出
が可能なカード券搬出部22とが隣接されている。紙幣
収納部21およびカード券搬出部22の上方には、紙幣
収納部21を制御する第一制御部23と、カード券搬出
部22を制御する第二制御部24とが配置されている。
これらの制御部23,24のさらに上方には、販売表示
部11、金額表示部12、取り消しボタン13、各ボタ
ン14,15,16,17と、各制御部23,24との
間で信号の送受可能な信号送受信部25が備えられてい
る。紙幣収納部21の紙幣挿入口は、そのまま紙幣処理
装置の紙幣挿入口18に対応しており、紙幣収納部21
の紙幣受取口は、紙幣処理装置の紙幣受取口19に対応
している。
【0026】また、カード券搬出部22のカード券受取
口は、紙幣処理装置のカード券受取口20に対応してい
る。紙幣収納部21とカード券搬出部22は、基本的に
同じ構造を持った機器としている。ただし、カード券搬
出部22の場合には、カード券2を挿入する必要性がな
いため、挿入口を紙幣処理装置の外部に露出させていな
い。したがって、本実施の形態において、カード券搬出
部22は、カード券2を外部に搬出するのみの動作しか
行わない。なお、カード券搬出部22のカード搬出検査
の際には、カード券2を挿入して収納するようにするこ
ともできる。
【0027】図5は、図1に対応させて、紙幣処理装置
に内設された紙幣収納部21とカード券搬出部22とを
抜き出して、紙幣1およびカード券2の流れを模式的に
示す図である。紙幣収納部21およびカード券搬出部2
2の外形は波線で示している。紙幣1を紙幣挿入口18
から、矢印Aのように挿入すると、挿入された紙幣1
は、矢印Bのように、千円札、5千円札、1万円札の券
種に応じた収納室に収納される。そして、使用者が購入
したいカード券2を選択すると、カード券搬出部22か
らカード券受取口20に向けて、矢印Cのように、カー
ド券2が搬出される。そして、釣り銭が必要であれば、
紙幣収納部21から紙幣受取口19に向けて、矢印Dの
ように釣り銭として紙幣1が一括搬出される。
【0028】図6は、紙幣収納部21の内部構成を示す
ブロック図である。紙幣収納部21は、最上部に紙幣識
別部100、側面に紙幣搬送部200、最下部に紙幣収
納室300、そして紙幣識別部100と紙幣収納室30
0との間に紙幣イジェクト・リジェクト部400を備え
た構造となっている。
【0029】紙幣識別部100は、紙幣挿入口18から
入金された紙幣1の真偽および種類を識別して、紙幣搬
送部200に紙幣1を搬送する部分である。紙幣識別部
100は、各種のセンサ−によって紙幣1を検知する検
知部100aと検知した紙幣1を収納準備が完了するま
で一時的に待機させる一時待機部100bとから構成さ
れている。
【0030】紙幣搬送部200は、下部に設けられた図
示されていないステッピングモ−タの回転による搬送ベ
ルトの駆動によって紙幣1を紙幣識別部100から紙幣
収納室300へ搬送する入金動作と、紙幣1を紙幣収納
室300から紙幣イジェクト・リジェクト部400へ搬
送する出金動作を行う部分である。ステッピングモータ
の回転方向を変えることにより、入金と出金の両動作が
可能な構造となっている。図中、入金方向は矢印Aと矢
印Bで示している。また、出金方向は矢印Dで示してい
る。なお、出金すべきでない不具合紙幣の場合には、矢
印Eで示すように、リジェクト部400bに搬送する。
【0031】紙幣収納室300は、3種の紙幣1を個別
に収納できる収納室(以後、収納室を「スタッカ−」と
いう)を上下に積載した構成となっている。具体的に
は、紙幣収納室300は、上から千円札用スタッカ−3
00a、5千円札用スタッカ−300bおよび1万円札
用スタッカ−300cとから構成されている。千円札用
スタッカ−300aは、紙幣の出入りが最も多いため、
紙幣挿入口18と紙幣受取口19に近い位置に配置さ
れ、かつ一番大きな容量となっている。5千円札用スタ
ッカ−300bは最も小さい容量としているが、これ
は、5千円札が少なくなっても、千円札5枚の払い出し
で対応可能だからである。1万円札は、いわゆる逆両替
に必要であるため、1万円札用スタッカ−300cを2
番目に大きな容量としている。
【0032】なお、各スタッカ−300a,300b,
300cの位置と容量は、この紙幣収納部21が組み込
まれる紙幣処理装置の使用条件によって、適宜変えるこ
とができる。例えば、上部から順に千円、1万円、5千
円としたり、1万円、千円、5千円としても良い。容量
も、5千円札用スタッカ−300bや1万円札用スタッ
カ−300cを最も大きくしても良い。また、各スタッ
カ−300a,300b,300c内の上部には、後述
するような、複数のロ−ラ−に巻かれた内部搬送手段と
しての搬送ベルトが備えられている。このベルトは、各
スタッカ−300a等の内部および外部に紙幣を搬送す
る方向に駆動可能に取り付けられている。
【0033】紙幣イジェクト・リジェクト部400は、
紙幣収納室300から紙幣搬送部200を経由し紙幣1
を受け入れると共に紙幣受取口19から紙幣1を取り出
せるようにする部分である。紙幣イジェクト・リジェク
ト部400は、真券を出金する出金動作を行うイジェク
ト部400aと、出金紙幣中に存在する異券、重送紙幣
および偽札等の不具合紙幣を保存するリジェクト部40
0bとから構成されている。イジェクト部400aは、
搬送された紙幣1を出金すべき枚数となるまで保留して
から一括して出金動作を行う部分である。また、リジェ
クト部400bは、出金動作時に発見された不具合紙幣
を正規の紙幣1と区別して保存して出金を行わないよう
にする部分である。
【0034】図7は、カード券搬出部22の内部構成を
示すブロック図である。カード券搬出部22は、図7か
ら明らかなように、紙幣収納部21とほぼ同じ構造であ
る。単に、カード券2の搬入動作が不要であるため、識
別部を機能させず、さらに、2種のカード券2のみを搬
出させるべく、1000円カード券スタッカー600a
と3000円カード券スタッカー600bのみを使用し
ているだけである。したがって、使用条件を変更するこ
とによって、識別部を機能させるようにしたり、最下部
のスタッカーを使用したりできる。カード券搬送部50
0は、紙幣収納部21の紙幣搬送部200と同一構造で
ある。また、カード券収納室600と紙幣収納部21の
紙幣収納室300、カード券イジェクト・リジェクト部
700と紙幣収納部21の紙幣イジェクト・リジェクト
部400も同一構造である。カード券2は、矢印Cで示
すように、各スタッカー600a,600bからカード
搬送部500を経て、カード券イジェクト・リジェクト
部700に搬送される。そして、カード券2は、カード
券受取口20から搬出される。もし、本来搬出すべきで
ないカード券2が各スタッカー600a,600bから
搬出された場合には、矢印Fに示すように、カード券2
は、上部のリジェクト部700bへと搬送される。図8
は、紙幣収納部21およびカード券搬出部22の内部構
造を示す図である。カード券搬出部22の各構成部は、
カッコ書きで示している。各構成部の詳細な構造および
動作については後述する。
【0035】図9は、紙幣処理装置の制御の構成を示す
ブロック図である。第一制御部23は、主に、紙幣識別
部100、紙幣搬送部200、紙幣収納室300および
紙幣イジェクト・リジェクト部400を制御する部分で
ある。また、第二制御部24は、カード券搬送部50
0、カード券収納室600およびカード券イジェクト・
リジェクト部700を制御する部分である。第一制御部
23と第二制御部24とは、相互に信号の送受信が可能
である。第一制御部23は、中央演算処理装置(第一C
PU)26、第一識別部MPU27、読み出し専用記憶
装置(第一ROM)28、読み出しと書き込みが可能な
記憶装置(第一RAM(1)29、第一RAM(2)3
0)、第一表示部31、第一テストスイッチ32とから
構成されている。
【0036】また、第二制御部24は、中央演算処理装
置(第二CPU)35、読み出し専用記憶装置(第二R
OM)36、読み出しと書き込みが可能な記憶装置(第
二RAM(1)37、第二RAM(2)38)、第二表
示部39、第二テストスイッチ40とから構成されてい
る。また、第一制御部23は第一電源部33と、そして
第二制御部24は第二電源部41と接続されている。し
たがって、紙幣収納部21およびカード券搬出部22
は、個別にオンオフ可能となっている。信号送受信部2
5は、第一制御部23および第二制御部24からの信号
を受信して、各ボタン14,15,16,17、販売表
示部11および金額表示部12に信号を送信したり、逆
に、各ボタン14等から信号を受けて、第一制御部23
および第二制御部24に信号を送出する部分である。
【0037】第一識別部MPU27は、紙幣識別部10
0にある光式および磁気式センサ−から、入金された紙
幣1の長さ、光透過パタ−ンおよび磁気パタ−ンの各種
信号を受け取る。そして、第一識別部MPU27は、記
録されている千円札、5千円札および1万円札の各種紙
幣1の保存デ−タと比較して、いずれかの真券情報と一
致すれば、紙幣1の入金を許可する。一方、デ−タが一
致しない場合は、偽券と判断して、紙幣1が戻される。
紙幣1の入金が行われると、第一識別部MPU27から
第一CPU26を介して、信号送受信部25に、入金さ
れた金額を知らせる信号を送出する。すると、金額表示
部12に、入金された金額が表示されるようになってい
る。そして、カード券2の購入金額以上の入金がされる
と、信号送受信部25は、3000円カード券ボタン1
6あるいは1000円カード券ボタン17を点灯させ
る。また、入金された紙幣1の種類と金額から、両替ボ
タン14あるいは逆両替ボタン15も点灯する。
【0038】両替ボタン14あるいは逆両替ボタン15
のいずれかが選択されると、信号送受信部25から第一
制御部23に対して出金をするための信号が送出され
る。第一制御部23の第一CPU26は、最も紙幣1の
枚数が少なくなる券種と枚数を判断して、紙幣収納室3
00から紙幣1を紙幣紙幣イジェクト・リジェクト部4
00に搬送させる。そして、一括して紙幣1が紙幣受取
口19に搬出される。一方、3000円カード券ボタン
16あるいは1000円カード券ボタン17のいずれか
が選択されると、信号送受信部25は、第二制御部24
にカード券2を搬出するための信号を送出すると共に、
第一制御部23にどのカード券2が選択されたかを知ら
せる信号を送出する。第一制御部23は、入金額からカ
ード券2の金額を差し引いて、お釣りを支払うための信
号を紙幣収納部21に送出すると共に、信号送受信部2
5を介して金額表示部12にお釣りの額を表示させる。
そして、第二制御部24は、カード券搬出部22に選択
されたカード券2を搬出するように信号を送出する。
【0039】第一CPU26は、紙幣搬送部200、紙
幣収納室300、紙幣イジェクト・リジェクト部400
等にある光式および磁気式センサ−から、紙幣1の存
在、紙幣1の長さ、紙幣1の光透過パタ−ン等の信号を
受け取り、装置の種々動作を司る部分である。第一RO
M28には、各種紙幣1の紙幣長の所定範囲のデータや
その所定範囲に相当するステップ数範囲が記録されてい
る。第一CPU26は、各スタッカ−300a,300
b,300cの入口にあるセンサーを通過した紙幣1の
ステップ数から、その紙幣1が千円札および1万円のい
ずれか一方か、それとも5千円札かを判断することがで
きる。そして、第一CPU26は、紙幣1の透過光量デ
ータと照らし合わせて、紙幣1の特定を行う。この結
果、第一CPU26は、出金すべき紙幣1と判断すれば
出金動作を行い、そうでなければリジェクト処理を行
う。
【0040】第一RAM(1)29には、予め所定のス
テップで次のセンサ−からの信号を受け取ることを記憶
させている。したがって、紙幣1が、あるセンサ−から
他のセンサ−の間を所定のステップ範囲で行けなかった
場合には、紙幣1がその経路の途中でジャムを起こした
と判断されるようになっている。また、第一RAM
(1)29には、ステッピングモータの加速領域におけ
るエンコーダパルス検出時間や、定速領域における所定
時間あたりのエンコーダパルス数が記憶されている。し
たがって、第一CPU26が、第一RAM(1)29か
ら、これらのデータを読み出して実際のエンコーダパル
スと比較することによって、過負荷検出できるようにな
っている。この点は、第二RAM(1)37も同様であ
る。
【0041】また、第一RAM(1)29には、各紙幣
1の紙幣長方向を3分割した各ブロック毎の平均透過光
量パターンと、紙幣全長の平均透過光量データが記憶さ
れている。そして、紙幣1が存在しないときのバックグ
ラウンドデータも更新可能に記憶されている。なお、第
二RAM(1)37には、このようなデータは記憶され
ていない。さらに、第一RAM(1)29には、入金お
よび出金動作の直後に、スタッカ−300aの最上位の
紙幣1を出金と反対方向に駆動するステップ数を24と
するデ−タも記憶されている。この点は、第二RAM
(1)37も同様である。
【0042】第一RAM(2)30は、各センサ−から
送られてくる紙幣1の長さや磁気パタ−ン等のデ−タや
エラ−があった回数等を、バックアップデ−タとして記
憶させておく部分である。第二RAM(2)38は、エ
ラー回数のみをバックアップデータとして記憶させてい
る。なお、第一テストスイッチ32および第二テストス
イッチ40は、紙幣収納部21およびカード券搬出部2
2の作動テストの際に用いるスイッチである。
【0043】第一電源部33および第二電源部41は、
24V直流電源である。直流電源を用いることによっ
て、ステッピングモ−タを使用することができる。ま
た、直流24Vとすることによって、漏電しても交流1
00V電源より安全である。また、外部の電源を利用す
るので、装置の軽量化が図れる。さらに、電圧が安定し
ているので装置の動作が安定するメリットがある。
【0044】(2)紙幣処理装置の動作
【0045】次に、図10から図13を用いて、高額紙
幣を低額紙幣に両替する両替動作の手順、低額紙幣を高
額紙幣に両替する逆両替動作の手順、カード券を購入す
るカード券購入動作およびカード券を紙幣に換金する換
金動作の各手順について、それぞれ説明する。
【0046】図10は、両替動作の手順を示すフローチ
ャートである。両替動作の手順を、1万円札を5千円札
1枚と千円札5枚に両替する場合を例にとって説明す
る。まず、1万円札を紙幣挿入口18に挿入する(ステ
ップS101)。すると、紙幣収納部21の紙幣識別部
100は、1万円札であるか否かを識別する(ステップ
S102)。挿入された紙幣1が1万円札である場合に
は、紙幣識別部100から第一制御部23に1万円札と
しての真券信号が送出される。この結果、第一制御部2
3は、1万円という金額認識をすることになる(ステッ
プS103)。続いて、信号送受信部25は、第一制御
部23から金額の認識信号を受け、金額表示部12に1
万円のデジタル表示を行う(ステップS104)。さら
に、信号送受信部25は、1000円カード券ボタン1
7、3000円カード券ボタン16および両替ボタン1
4を点灯させる(ステップS105)。
【0047】顧客が、両替ボタン14を押すと(ステッ
プS106)、紙幣挿入禁止の処置が行われ(ステップ
S107)、次の紙幣1の挿入ができない状態となる。
そして、紙幣収納部21の5千札用スタッカー300b
から5千札が1枚と、千円札用スタッカー300aから
5枚の千円札が出金される(ステップS108)。な
お、他のボタン17,16は消灯する。計6枚の紙幣1
は、一旦イジェクト部400aに保留された後に、一括
して紙幣受取口19に向けて出金される。顧客が、紙幣
受取口19から紙幣1を受け取ると(ステップS10
9)、第一制御部23は、紙幣1の抜き取りを検知し
て、信号送受信部25をして金額表示の消灯および両替
ボタン14の消灯を行わせる(ステップS110)。こ
の結果、第一制御部23から紙幣収納部21の紙幣識別
部100に信号が送られて、紙幣挿入禁止が解除される
(ステップS111)。かかる一連のフローによって両
替動作が終了する。
【0048】なお、上記両替動作の手順は1万円札を両
替する一例を示すものであるが、5千円札を千円札5枚
に両替したり、5千円札2枚を千円札10枚に両替した
りすることも、同様のフローによって可能である。ただ
し、5千円札を2枚挿入した場合には、両替動作の他
に、後述する逆両替も可能である。したがって、ステッ
プS105において、逆両替ボタン15も点灯し、選択
可能な状態となる。
【0049】図11は、逆両替動作の手順を示すフロー
チャートである。逆両替動作の手順を、千円札10枚を
1万円札1枚に両替する場合を例にとって説明する。ま
ず、千円札1枚を紙幣挿入口18に挿入する(ステップ
S201)。すると、紙幣収納部21の紙幣識別部10
0は、千円札であるか否かを識別する(ステップS20
2)。挿入された紙幣1が千円札である場合には、紙幣
識別部100から第一制御部23に千円札としての真券
信号が送出される。この結果、第一制御部23は、千円
という金額認識をすることになる(ステップS20
3)。続いて、信号送受信部25は、第一制御部23か
ら金額の認識信号を受け、金額表示部12に千円のデジ
タル表示を行う(ステップS204)。また、同時に、
第一制御部23から第二制御部24に金額を認識させる
信号が送出され、1000円カード券ボタン17が点灯
する。そして、第一制御部23は、3千円、5千円ある
いは1万円になったか否かを判断する(ステップS20
5)。3000円カード券ボタン16、逆両替ボタン1
5を点灯させる必要があるからである。ここで、まだ、
1万円に達していなければ、入金を待つ状態におかれ
る。顧客は、続いて紙幣1の挿入を行うことによって、
1万円に達するまで、ステップS201からステップS
205までの各ステップが繰り返される。1万円に達す
ると、第一制御部23から信号送受信部25に信号が送
られて、金額表示部に10000円のデジタル表示がさ
れると共に、逆両替ボタン15が点灯する(ステップS
206)。なお、入金額が3千円に達した段階で、30
00円カード券ボタン16も点灯状態となっている。
【0050】顧客が、逆両替ボタン15を押すと(ステ
ップS207)、紙幣挿入禁止の処置が行われ(ステッ
プS208)、次の紙幣1の挿入ができない状態とな
る。そして、第一制御部23は、最少枚数となるように
出金すべく、紙幣収納部21の1万円札用スタッカー3
00cから1万円札を1枚出金させる(ステップS20
9)。なお、他のボタン17,16は消灯する。1万円
札は、一旦イジェクト部400aに保留された後に紙幣
受取口19に向けて出金される。顧客が、紙幣受取口1
9から紙幣1を受け取ると(ステップS210)、第一
制御部23は、紙幣1の抜き取りを検知して、信号送受
信部25をして金額表示の消灯および逆両替ボタン15
の消灯を行わせる(ステップS211)。この結果、第
一制御部23から紙幣収納部21の紙幣識別部100に
信号が送られて、紙幣挿入禁止が解除される(ステップ
S212)。かかる一連のフローによって両替動作が終
了する。
【0051】なお、上記の逆両替の動作手順は千円札1
0枚を1万円札1枚に両替する一例を示すものである
が、その他に、千円札5枚を5千円札1枚に両替した
り、5千円札2枚を1万円札1枚に両替したり、さらに
千円札5枚と5千円札1枚を1万円札1枚に両替したり
することも、同様のフローによって可能である。ただ
し、5千円札を2枚挿入した場合には、逆両替の他に、
前述の両替も可能である。したがって、ステップS20
6において、両替ボタン14も点灯する。
【0052】図12は、カード券購入動作の手順を示す
フローチャートである。カード券購入動作の手順を、1
万円札1枚で3000円カード券を購入する場合を例に
とって説明する。まず、1万円札1枚を紙幣挿入口18
に挿入する(ステップS301)。すると、紙幣収納部
21の紙幣識別部100は、1万円札であるか否かを識
別する(ステップS302)。挿入された紙幣1が1万
円札である場合には、紙幣識別部100から第一制御部
23に1万円札としての真券信号が送出される。この結
果、第一制御部23は、1万円という金額認識をするこ
とになる(ステップS303)。続いて、信号送受信部
25は、第一制御部23から金額の認識信号を受け、金
額表示部12に1万円のデジタル表示を行う(ステップ
S304)。また、同時に、第一制御部23から第二制
御部24に金額を認識させる信号が送出され、1000
円カード券ボタン17および3000円カード券ボタン
16が点灯すると共に、両替ボタン14も点灯する(ス
テップS305)。
【0053】顧客が、3000円カード券ボタン16を
押すと(ステップS306)、紙幣挿入禁止の処置が行
われ(ステップS307)、次の紙幣1の挿入ができな
い状態となる。そして、第二制御部24は、カード券搬
出部22に3000円カード券の搬出命令を出す。これ
によって、3000円カード券スタッカー600bから
3000円カード券が1枚搬出される(ステップS30
8)。第一制御部23は、お釣りの金額に相当する紙幣
1の枚数が最少になる券種と枚数を判断する(ステップ
S309)。その結果、第一制御部23は、5千札用ス
タッカー300bから5千円札1枚と、千円札用スタッ
カー300aから千円札2枚を出金させる(ステップS
310)。顧客は、カード券受取口20から3000円
カード券を受け取り、紙幣受取口19からお釣りを受け
取る(ステップS311)。紙幣収納部21およびカー
ド券搬出部22は、それぞれ紙幣1およびカード券2が
抜き取られると、第一制御部23および第二制御部24
に信号を送る。第一制御部23および第二制御部24
は、信号送受信部25に信号を送り、金額表示と300
0円カード券ボタン16を消灯させる(ステップS31
2)。これによって、第一制御部23から紙幣収納部2
1の紙幣識別部100に信号が送られて、紙幣挿入禁止
が解除される(ステップS313)。かかる一連のフロ
ーによってカード券購入動作が終了する。
【0054】なお、上記のカード券購入動作の手順は、
5千円札1枚で3000円カード券あるいは1000円
カード券を購入して、2千円あるいは4千円のお釣りを
受け取る場合や、1万円札1枚で1000円カード券を
購入して、9千円のお釣りを受け取る場合の他、千円札
3枚あるいは千円札1枚で、3000円カード券あるい
はを1000円カード券を購入する場合もある。これら
の場合も、上記と同様のフローで可能である。
【0055】図13は、換金動作の手順を示すフローチ
ャートである。換金動作の手順を、3000円カード券
から千円札3枚へと換金する場合を例にとって説明す
る。なお、換金動作の仕様として紙幣処理装置を用いる
際には、図5に示す紙幣収納部21は、カード券を収納
しておくカード券収納部21とし、同図のカード券搬出
部22は、紙幣を搬出する紙幣搬出部22とする。した
がって、紙幣挿入口18は、カード券挿入口18に、カ
ード券受取口20は紙幣受取口20になる。また、図1
のボタン14〜17のうち一つを換金の決定時に押す換
金ボタンとし、図1の金額表示部12は、カード券の金
額を表示する部分とする。さらに、図2〜図4および図
9に示す第一制御部23と第二制御部24を、第三制御
部23として説明する。
【0056】まず、3000円カード券1枚をカード券
挿入口18に挿入する(ステップS401)。すると、
カード券収納部21の識別部は、カード券2の種類と真
偽を識別する(ステップS402)。挿入されたカード
券2が3000円カード券である場合には、識別部から
第三制御部23に真券と金額認識の信号が送出される。
この結果、第三制御部23は、3000円という金額認
識をすることになる(ステップS403)。続いて、信
号送受信部25は、第三制御部23から金額の認識信号
を受け、金額表示部12に3000円というデジタル表
示を行う(ステップS404)。また、同時に、換金ボ
タンが点灯する(ステップS405)。
【0057】顧客が、換金ボタンを押すと(ステップS
406)、カード券挿入禁止の処置が行われ(ステップ
S407)、次のカード券2の挿入ができない状態とな
る。そして、第三制御部23は、紙幣搬出部22に3千
円を出金させる命令を出す。これによって、紙幣搬出部
22から千円札3枚が搬出される(ステップS40
8)。顧客は、紙幣受取口20から千円札3枚を受け取
る。これによって、紙幣搬出部22から第三制御部23
に信号を送る。第三制御部23は、信号送受信部25に
信号を送り、金額表示と換金ボタンを消灯させる(ステ
ップS409)。続いて、カード券挿入禁止が解除され
る(ステップS410)。かかる一連のフローによって
換金動作が終了する。
【0058】(2)紙幣識別部について
【0059】図14および図15は、それぞれ紙幣識別
部100の側面および上面からみた断面図である。紙幣
識別部100は、種々のセンサ−によって紙幣1の真偽
および種類を検知する検知部100aと真券である場合
に紙幣1の収納準備が完了するまで一時的に紙幣1を待
機させる一時待機部100bとから構成されている。
【0060】検知部100aおよび一時待機部100b
は、各々蓋となる上部100c,100dが独立して開
閉可能な構造となっている。したがって、紙幣1の入金
時にトラブルが発生した場合やメンテナンスの際に点検
あるいは修理が容易である。紙幣識別部100の入口側
には、紙幣1を入金する紙幣挿入口18が設けられてい
る。また、検知部100aの内部には、入口センサ−1
02、光式識別センサ−103,104、磁気式識別セ
ンサ−105、引き抜き防止レバ−センサ−106、終
端センサ−107の各センサ−が設けられている。
【0061】各センサ−102,103,104,10
5,106,107の構造および機能は、以下のとおり
である。すなわち、入口センサ−102は、検知部10
0aの両端であって、挿入された紙幣1の幅方向の両端
部を検知できる位置に各1個づつ設けられている。これ
によって、幅の狭い紙幣1が挿入されると偽札と判断
し、偽札が戻されるようになっている。なお、この入口
センサ−102は、識別部搬送モ−タ108および電磁
クラッチ109を動作させる信号を送る役割を有してい
る。
【0062】入口センサ−102は、透過型の光センサ
−であり、検知部100aの紙幣挿入経路の上側(検知
部上部100c)に設けられた発光素子と、下側となる
本体側に設けられた受光素子とから構成されている。入
口センサ−102は、紙幣挿入口18から入金された紙
幣1を検知する。
【0063】光式識別センサ−103,104は、紙幣
挿入口18からみて入口センサ−102よりさらに内部
に設けられている。検知部100aのほぼ中央に1個、
その位置から奥の検知部100aの両端に2個の計3個
のセンサ−が設けられている。中央に設けられた中央光
式識別センサ−103は、赤外線を用いた赤外線センサ
−である。
【0064】また、側部に設けられた側部光式識別セン
サ−104は、可視光を用いた可視光線センサ−であ
る。いずれの光式識別センサ−103,104も、入口
センサ−102と同様の透過型センサ−であり、蓋とな
る上側100cと本体となる下側に配置された発光素子
と受光素子とから構成されている。このように、赤外線
と可視光線の2種類の光を用いているのは、次の理由に
よる。波長の異なる光を用いると、波形パタ−ンが異な
る。そのため、紙幣1の真偽および種類をダブルチェッ
クできる。したがって、紙幣を正確に識別可能となるか
らである。
【0065】磁気式識別センサ−105は、検知部10
0aの下側であって、装置の上部からみて中央光式識別
センサ−103とほぼ水平の位置に2個設けられてい
る。磁気式識別センサ−105は、通過する紙幣1の磁
気パタ−ンを読み取るセンサ−である。磁気式識別セン
サ−105は、センサ−上を通過する紙幣に印刷されて
いる磁性体から磁気パタ−ンを読みとり、紙幣1の真偽
および種類を識別している。このように、3個の光式識
別センサ−103,104と2個の磁気式センサ−10
5によって、紙幣1の種類および真偽が正確に識別され
ている。
【0066】引き抜き防止レバ−センサ−106は、紙
幣1の有無を検知する光遮断型センサ−であり、検知部
上部100cに設けられている。紙幣1が引き抜き防止
レバ−112に乗ると、引き抜き防止レバ−センサ−1
06の光を遮断していた引き抜き防止レバ−112は下
降し、引き抜き防止レバ−センサ−106を遮断してい
た位置から外れる。
【0067】その後、紙幣1の後端が引き抜き防止レバ
−112通過すると、該レバ−112が立ち上がり、再
度、引き抜き防止レバ−センサ−106を遮断する。こ
れによって、引き抜き防止レバ−センサ−106はオフ
となる。このように、引き抜き防止レバ−112が立ち
上がることによって、紙幣1の抜き取りを防止できるよ
うになっている。
【0068】終端センサ−107は、透過型の光センサ
−であり、紙幣1の後端が終端センサ−107を通過す
ると、識別部搬送モ−タ108が停止することによっ
て、搬送ベルト113が停止する。したがって、紙幣1
は、一時待機部100bに待機することになる。これ
は、紙幣搬送部200および紙幣収納室300の入金準
備が整うまで、紙幣1を搬送しないようにするためであ
る。
【0069】なお、終端センサ−107は、紙幣1の終
端を検知すると、電磁クラッチ109をオフにする。し
たがって、紙幣1が一時待機部100bに待機している
際に、紙幣挿入口18から次の入金が行われても、搬送
ベルト114は駆動しない。また、この終端センサ−1
07は、他の透過型の光センサ−と同様に検知部100
aの上側と下側に配置される発光素子と受光素子とから
構成されている。
【0070】検知部100aの下側となる本体側には、
それぞれロ−ラ−115,116に張設された2本の搬
送ベルト114が備えられている。検知部100aの上
側には各ロ−ラ−115,116に対向する位置と、各
磁気式識別センサ−105に対向する位置の計6箇所
に、6個のロ−ラ−117が設けられている。紙幣1が
搬送ベルト114によって入金方向に駆動されると、ロ
−ラ−117は紙幣1の移動に従動して回転可能になっ
ている。
【0071】ロ−ラ−116は、軸118と連結してお
り、識別部搬送モ−タ108が回転して電磁クラッチ1
09がオンになると、出力プ−リ119、ベルト12
0、クラッチプ−リ121、ギア122、ギア123お
よびギア124を介して回転可能となっている。そし
て、ロ−ラ−116の回転によって、搬送ベルト114
が入金あるいは出金方向に回転可能となっている。
【0072】なお、識別部搬送モ−タ108は定速回転
するモ−タとなっている。このように、紙幣識別部10
0には、後述するステッピングモータ800と独立した
モ−タとして、識別部搬送モ−タ108が設けられてい
る。そのため、連続入金の場合であっても、先に挿入し
た紙幣1の入金動作と併行して、一時待機部100bま
で次の紙幣1の挿入が可能となる。したがって、紙幣1
の入金動作を迅速に行うことが可能である。
【0073】一時待機部100bの下側には、ロ−ラ−
125およびロ−ラ−126に張設された2本の搬送ベ
ルト113が設けられている。また、一時待機部100
bの上側には各ロ−ラ−127,128,129に張設
された2本の搬送ベルト130が設けられている。紙幣
1を2本の搬送ベルト113と2本の搬送ベルト130
で挟持して搬送できるようにしている。搬送ベルト11
3は、出力プ−リ119、出力プ−リ131、ベルト1
32、駆動ロ−ラ−133およびロ−ラ−126を介し
て、識別部搬送モ−タ108と連結されており、入金方
向に回転可能となっている。
【0074】(3)紙幣搬送部について
【0075】次に、紙幣搬送部200の構造について説
明する。図16、図17および図18は、紙幣搬送部2
00の搬送路ドア部201を開いた状態の斜視図、側面
からみた断面図および紙幣挿入口18と反対方向からみ
た断面図である。2本の搬送ベルト202は、搬送路ド
ア部201の内側に設置された各2個のロ−ラ−20
3,204,205,206,207,208に張設さ
れている。ロ−ラ−203は、図8に示す駆動手段とし
てのステッピングモータ800から図示されていないギ
アを介して回転を受けて駆動される。
【0076】ステッピングモータ800は、第一制御部
23にある第一CPU26からの信号によって、正逆両
方向に回転可能なモ−タとされている。すなわち、紙幣
1の入金時と出金時によってステッピングモータ800
の回転方向が変えられるようになっている。
【0077】したがって、ステッピングモータ800に
連結しているロ−ラ−203の回転方向によって搬送ベ
ルト202は、紙幣搬送部200の中の紙幣1を上下両
方向に搬送可能となっている。すなわち、搬送ベルト2
02は、入金搬送手段と出金搬送手段とを兼ねたベルト
となっている。また、この実施の形態では、紙幣1の入
金動作と出金動作を同一の搬送経路とすることによっ
て、紙幣収納部21の小型化を図っている。
【0078】また、ステッピングモータ800の回転速
度は、入金時あるいは後述するリジェクト時に変えてい
る。すなわち、入金時には、一時待機部100bの搬送
ベルト113の移動速度よりも、紙幣搬送部200の搬
送ベルト202の移動速度が速くなるように、ステッピ
ングモータ800を回転させている。これによって、入
金される紙幣1が紙幣搬送部200にスム−ズに送り込
まれる。ステッピングモータ800の回転速度は、識別
部搬送モ−タ108の回転速度の1から3倍が好まし
く、特に、2倍が好ましい。なお、入金の際、必要によ
っては搬送ベルト113と搬送ベルト202の移動速度
を同じにしても良い。
【0079】一方、リジェクト処理の際には、搬送ベル
ト202の移動速度を、搬送ベルト113の移動速度よ
りも遅くしている。すなわち、ステッピングモータ80
0を識別部搬送モ−タ108の回転速度よりも低速で回
転するようにしている。ステッピングモータ800の回
転速度は、識別部搬送モ−タ108の回転速度の0.2
から0.9倍が好ましく、特に、0.5から0.8が好
ましい。なお、出金時にも、搬送ベルト202の移動速
度を搬送ベルト113の移動速度よりも高速としても良
い。上述のステッピングモータ800の説明について
は、後述する。
【0080】紙幣搬送部200の紙幣収納部21本体側
には、各2本の搬送ベルト210,211,212,2
13と、各2個のロ−ラ−214,215,216,2
17,218,219,220,221,222,22
3,224,225が設けられている。搬送ベルト21
0,211,212,213は、搬送ベルト202と異
なり一本の長いベルトではなく、各種紙幣用のスタッカ
−300a,300b,300c毎に別個に設けられて
いる。これは、紙幣1を各スタッカ−300a,300
b,300cに搬送可能とするためである。
【0081】また、搬送ベルト210,211,21
2,213は、ステッピングモータ800から直接駆動
されず、搬送ベルト202の駆動に従動して回転するよ
うになっている。これによって、搬送モ−タの個数を少
なくすることができると共に、開閉可能としている搬送
路ドア部201を簡易な構造とすることができる。ここ
で、各2本の搬送ベルト210,211,212,21
3も、搬送ベルト202と同様に、入金搬送手段と出金
搬送手段とを兼ねている。
【0082】紙幣搬送部200における紙幣イジェクト
・リジェクト部400の紙幣搬送口と対向する位置に
は、イジェクト搬送ゲ−ト226が設けられている。イ
ジェクト搬送ゲ−ト226は、各スタッカ−300a,
300b,300cから紙幣搬送部200を経由してき
た紙幣1を取り込むことができるように、図17におい
て時計回りに開くことが可能な構造となっている。
【0083】イジェクト搬送ゲ−ト226、千円搬送ゲ
−ト231および5千円搬送ゲ−ト261は、それぞれ
イジェクトゲ−トソレノイド227、千円ゲ−トソレノ
イド232および5千円ゲ−トソレノイド262がオン
になったときに開く機構となっている。具体的には、第
一CPU26から入金または出金信号が送られた時に開
く。
【0084】ここで、千円札を紙幣搬送部200から千
円札用スタッカ−300aに搬送する際の千円搬送ゲ−
ト231を例にとって、ゲ−トの開閉機構を説明する。
なお、5千円搬送ゲ−ト261は、千円搬送ゲ−ト23
1と同じ構造および機構を有する。したがって、千円搬
送ゲ−ト231の開閉機構に関与する各部材の番号の後
ろに、5千円搬送ゲ−ト261の対応する各部材の番号
を、カッコ書きで表すこととする。
【0085】図17に示すように、千円搬送ゲ−ト23
1(261)は、ア−ム233(263)、ア−ム23
4(264)、ア−ム235(265)、ア−ム236
(266)、ア−ム237(267)を介して千円ゲ−
トソレノイド232(262)と連結されている。第一
制御部23からの入金信号によって、千円ゲ−トソレノ
イド232(262)がオンになると、ア−ム237
(267)が引き上げられ、ア−ム236(266)が
図17において右に回動移動し、ア−ム235(26
5)とア−ム234(264)が図17において右に移
動する。これによって、ア−ム233(263)がア−
ム234(264)に引っ張られ、千円搬送ゲ−ト23
1(261)が開くようになっている。
【0086】ここで、千円ゲ−トソレノイド232(2
62)がオンになると、ア−ム236(266)の端部
に備えられた磁石238(268)が、ホ−ルセンサ−
である千円搬送ゲ−トセンサ−239(269)と重な
る。これによって、千円搬送ゲ−ト231(261)が
開いたことを知らせる信号が、第一制御部23に送られ
る。その後、紙幣1が、紙幣搬送部200を通って千円
札用スタッカ−300a(300b)に搬送されるよう
になっている。なお、イジェクトゲ−トソレノイド22
7がオンになった場合にも、磁石228がイジェクトゲ
−トセンサ−229に重なることで、第一制御部23
は、イジェクト搬送ゲ−ト226が開いたことを知らせ
る信号を受け取るようになっている。
【0087】また、千円ゲ−トソレノイド232(26
2)がオフになると、図18に示すスプリング(以下、
「リタ−ント−ションスプリング」という)260(2
90)によって、ア−ム233(263)が図17にお
いて左に回動移動し、千円搬送ゲ−ト231(261)
が閉まるようになっている。これに伴い、ア−ム234
(264)とア−ム235(265)が、図17におい
て左に移動する。そして、ア−ム236(266)が、
図17において左に回動移動して、磁石238(26
8)が、ホ−ルセンサ−としての千円搬送ゲ−トセンサ
−239(269)から離れる。
【0088】これによって、千円搬送ゲ−ト231(2
61)が閉じたことを知らせる信号が、第一制御部23
の第一CPU26に送られる。なお、イジェクトゲ−ト
ソレノイド227がオフになった場合にも、リタ−ント
−ションスプリング230によって、イジェクト搬送ゲ
−ト226が閉じるようになっている。この際、磁石2
28がイジェクトゲ−トセンサ−229から離れること
によって、第一CPU26は、イジェクト搬送ゲ−ト2
26が閉じたことを知らせる信号を受け取るようになっ
ている。
【0089】1万円札用スタッカ−300cの入口にあ
る1万円搬送ゲ−ト291は、紙幣収納室300の最下
段にある。このゲ−ト291を通り過ぎる紙幣1はない
ので、1万円搬送ゲ−ト291は、常時開いた状態で固
定されている。これによって、1万円搬送ゲ−ト291
を駆動するゲ−トソレノイドが不要となり、紙幣収納部
21の小型化および構造の単純化を図ることができる。
【0090】図19は、紙幣識別部100の方向から見
た千円搬送ゲ−ト231の開いた状態の斜視図である。
なお、5千円搬送ゲ−ト261も、千円搬送ゲ−ト23
1と同じ構造を有する。したがって、千円搬送ゲ−ト2
31の各部材の番号の後ろに、5千円搬送ゲ−ト261
の各対応部材の番号を、カッコ書きで表すこととする。
【0091】千円搬送ゲ−ト231(261)は、3本
の各ツメ231a(261a),231b(261
b),231c(261c)からなる形状であり、各ツ
メが図16に示す搬送ベルト211(212)と交互に
隣り合う位置に収納できるようになっている。中央のツ
メ231a(261a)の裏側には、各ロ−ラ−240
(270),241(271),242(272),2
43(273)に張設されたベルト244(274)が
設けられている。ベルト244(274)は、図16に
示す搬送ベルト202に従動して回転するようになって
いる。
【0092】また、千円搬送ゲ−ト231(261)が
閉じた時にツメ231b(261b)およびツメ231
c(261c)の裏側に位置する部分には、それぞれベ
ルト245(275)が設けられている。各ベルト24
5(275)は、各ロ−ラ−246(276),247
(277),248(278)に張設されている。ベル
ト245(275)は、図18に示すステッピングモー
タ800に従動して駆動されるようになっている。
【0093】搬送ベルト202と搬送ベルト211(2
12)の駆動によって搬送されてきた紙幣1は、千円搬
送ゲ−ト231(261)からスタッカ−300a(3
00b)に入る際に、まずベルト244(274)に接
触する。そして、紙幣1は、ベルト244(274)の
駆動によって、千円札用スタッカ−300a(300
b)に向かう。次に、紙幣1先端の中央部分がベルト2
44(274)とロ−ラ−249(279)の間に引き
込まれる。
【0094】この際、同時に、千円札の両先端は、各ベ
ルト245(275)に接触するため、該ベルト245
(275)の駆動を受けることになる。このため、紙幣
1の先端全体がベルトの駆動を受けて、千円札用スタッ
カ−300a(300b)にスム−ズに搬入されること
になる。
【0095】また、各ベルト244(274),245
(275)を、ステッピングモータ800と噛み合うギ
アの比やプ−リ−の径を変更したり、あるいは別個のモ
−タで駆動することによって、搬送ベルト211(21
2)よりも高速で駆動することも可能である。これによ
り、千円搬送ゲ−ト231(261)から千円札用スタ
ッカ−300a(300b)に紙幣1を搬送する際に、
紙幣1の先端を強制的に引っ張るように搬送することが
可能となる。
【0096】また、1万円搬送ゲ−ト291は、中央の
ツメのみからなる形状であり、千円搬送ゲ−ト231
(261)の中央のツメ231a(261a)の裏側と
同じ構造となっている。そのため、1万円札紙幣1は、
紙幣1の先端の中央部分をベルトによって駆動されなが
ら、1万円札用スタッカ−300cに搬入される。
【0097】1万円搬送ゲ−ト291の場合も、千円搬
送ゲ−ト231(261)の場合と同様に、ステッピン
グモータ800と噛み合うギアの比の変更等によって、
搬送ベルト213よりも高速の搬送を行うことが可能で
ある。なお、以後、5千円搬送ゲ−ト261の各部材の
番号を、対応する千円搬送ゲ−ト231の各部材の番号
の後ろに、カッコ書きで表さないこととする。
【0098】このように、各搬送ゲ−ト231,26
1,291の裏側にベルト等を設けることにより、紙幣
1が紙幣搬送部200からほぼ直角に各スタッカ−30
0a,300b,300cに曲がって入る搬送経路であ
っても、ジャムを起こしにくくなっている。なお、ジャ
ムを防止するための方法の一つは、紙幣1の搬送経路を
急激に曲げないようにすることである。しかし、このよ
うにすると紙幣収納部21が大型化してしまう。このた
め、この実施の形態では紙幣1の搬送経路をほぼ直角に
して、かつロ−ラ−等を有効に活用することによって、
紙幣収納部21の小型化を達成している。
【0099】紙幣搬送部200には、図18に示す搬送
路センサ−255、図16に示す搬送路ドアセンサ−2
56が設けられている。搬送路センサ−255は、反射
式の光センサ−である。同センサ−255は、搬送路セ
ンサ−255から発する光が紙幣1表面で反射した反射
光を検知できるようになっている。そして、紙幣1が搬
送路センサ−255の位置に存在すると、第一制御部2
3に信号が送られて、ゲ−トの開閉等の動作を行うよう
にしている。
【0100】搬送路ドアセンサ−256は、接点式のセ
ンサ−であり、搬送路ドア201を開けた際に接点が解
除されて、第一制御部23に信号を送るようになってい
る。その信号を受けた第一CPU26は、搬送ベルト2
02等の動作が行われないようにしている。搬送路ドア
201を開けてジャムを起こした紙幣1の除去あるいは
装置の点検等を行っている最中に、搬送ベルト202等
が駆動しないようにすることによって、安全を確保する
ためである。
【0101】(4)紙幣収納室について
【0102】次に、紙幣収納室300を構成するスタッ
カ−の構造について説明する。なお、千円札用スタッカ
−300a、5千円札用スタッカ−300b、1万円札
用スタッカ−300cは、容量が異なる以外は同じ構造
である。そこで、各スタッカ−300a,300b,3
00cを代表して、千円札用スタッカ−(以後、特に言
及しない限り「スタッカ−」という)300aの構造お
よび機能について説明する。
【0103】図20は、紙幣収納室300を構成するス
タッカ−300aの斜視図である。スタッカ−300a
の紙幣搬送口301には、スタック入口上ロ−ラ−30
2とスタック入口下ロ−ラ−303が設けられている。
これらのロ−ラ−302,303は、互いに対向する位
置に各々2個設けられている。また、これらのロ−ラ−
302,303は、それぞれ紙幣1より狭い間隔で紙幣
1の幅方向に備えられている。スタック入口下ロ−ラ−
303には搬送ベルトが巻かれておらず、スタック入口
上ロ−ラ−302には搬送ベルト304が巻かれてい
る。
【0104】スタック入口上ロ−ラ−302は、軸30
5を介してギア306と連結されている。ギア306
は、後述するように、図18に示すステッピングモータ
800の回転によって正逆回転可能となっている。した
がって、紙幣1は、搬送ベルト304とスタック入口下
ロ−ラ−303に挟持されて、スタッカ−300aの内
部または外部に搬送される。
【0105】紙幣搬送口301には、紙幣1の通過を検
知するスタック入口センサ−307が、紙幣搬送口30
1を隔てて対向する位置に設けられている。スタック入
口センサ−307は、透過型の光式センサ−であり、発
光素子と受光素子から構成されている。かかる両素子か
ら構成される2組のスタック入口センサ−307が、紙
幣1より狭い幅で配置されている。
【0106】スタック入口センサ−307の発光素子
(以後、「スタック入口下センサ−」という)307b
は、紙幣搬送口301の下面に設けられている。同セン
サ−307の受光素子(以後、「スタック入口上センサ
−」という)307aは、同上面に設けられている。紙
幣1が、これらのセンサ−307a,307bの間に存
在すると、光が遮られて紙幣1の存在を検知できるよう
になっている。また、スタック入口センサ−307は、
紙幣1が通過する際に、紙幣1の長さおよび紙幣1を透
過する光量パタ−ンを測定する機能を有している。
【0107】図21は、スタック入口センサ−307
を、紙幣搬送口301の側面からみた拡大図である。ス
タック入口センサ−307a,307bは、その対向平
面部分が紙幣搬送口301の上面および下面と水平にな
るように作られたセンサ−カバ−308a,308bに
よって覆われている。センサ−カバ−308が紙幣1の
汚れによって汚染されると、正確な紙幣1の識別ができ
なくなる。そのため、紙幣1によって持ち込まれた汚れ
をクリ−ニングする必要がある。特別なクリ−ニング機
構を設けることも可能であるが、構造の複雑化を避ける
べく、この紙幣収納部21では、他の紙幣1自身によっ
てセンサ−カバ−308a,308bをセルフクリ−ニ
ングできるようにしている。
【0108】具体的には、上下のセンサ−カバ−308
a,308bの隙間を適度な距離とすることによって、
セルフクリ−ニングを実現している。紙幣1は、下方の
センサ−カバ−308bには常に接する一方で、上方の
センサ−カバ−308aには頻繁ではあるが常時接する
ことがないようにしている。それは、下方のセンサ−カ
バ−308bの方が汚れやすい上に、上方のセンサ−カ
バ−308aに紙幣1が常時接するくらい狭くすると、
ジャムが起こりやすくなるからである。両センサ−カバ
−308a,308b間の距離は、2.0〜3.0mm
が適切であり、好ましくは2.3〜2.7mmが良い。
さらに最適な幅は2.4〜2.5mmである。
【0109】スタッカ−300aの上部には、紙幣1を
スタッカ−300aの内外に搬送する搬送機構部309
が固定されている。
【0110】図22は、搬送機構部309を取り外した
状態のスタッカ−300aの斜視図である。スタック入
口下ロ−ラ−303より奥には、3個の分離ロ−ラ−3
10が設けられている。紙幣1がスタッカ−300aの
内部に入金される際には、スタック入口上ロ−ラ−30
2と各分離ロ−ラ−310が、入金方向に駆動される。
スタック入口下ロ−ラ−303は、紙幣1の搬送によ
り、入金方向に回転するようになっている。これによっ
て、紙幣1は、スタッカ−300aの内部に搬送され
る。
【0111】また、スタッカ−300aの内部から紙幣
1を搬出する際には、ステッピングモータ800の駆動
を受けて、スタック入口上ロ−ラ−302が、出金方向
に回転する。したがって、スタック入口上ロ−ラ−30
2に巻かれた搬送ベルト304は、出金方向に回転す
る。この際、分離ロ−ラ−310は出金方向に回転でき
ないようになっている。具体的には、分離ロ−ラ−31
0に連結されているギア319に、入金方向に回転する
時のみ駆動を伝達するワンウェイクラッチが備えられて
いる。
【0112】このように、分離ロ−ラ−310が出金方
向に回転できないようにしたのは、次の理由による。ス
タッカ−300aの内部に収納されている紙幣1を外部
に搬出する際に、2枚以上の紙幣1が一緒に分離ロ−ラ
−310のロ−ラ−面に沿って移動する場合がある。こ
の際に、分離ロ−ラ−310が出金方向に回転すると、
2枚目以下の紙幣1も、紙幣搬送口301まで搬送され
てしまい、重送が生じる危険性があるからである。
【0113】分離ロ−ラ−310の紙幣収納方向側に
は、ロ−ラ−面に沿うようにロ−ラ−ガイド311が設
けられている。図23は、ロ−ラ−ガイド311を備え
たスタッカ−300aの内部の一部分の拡大図である。
ロ−ラ−ガイド311の一端は、スタッカ−300aの
外壁にネジ止めされ、分離ロ−ラ−310と接離可能と
なっている。
【0114】紙幣1がスタッカ−300aから搬出され
る際に、収納されている紙幣1が、搬送ベルト304と
後述する搬送ベルト312の駆動を受けてロ−ラ−ガイ
ド311を分離ロ−ラ−310の方向に押す。押された
ロ−ラ−ガイド311は、分離ロ−ラ−310のロ−ラ
−面に接する。したがって、搬出される紙幣1が、分離
ロ−ラ−310から下方に向かって折れてジャムを起こ
さないようになっている。
【0115】また、ロ−ラ−ガイド311は、固定して
いる図示されないネジを調節することによって、上下方
向に高さを調節できるようになっている。さらに、調節
ネジ313のねじ込む長さによって、ロ−ラ−ガイド3
11と分離ロ−ラ−310との距離を調節可能となって
いる。具体的には、調節ネジ313をねじ込むと、ロ−
ラ−ガイド311の上端が、分離ロ−ラ−310に接近
する。一方、調節ネジ313を緩めると、ロ−ラ−ガイ
ド311の上端が、分離ロ−ラ−310から離れる。こ
れによって、出金動作の際の重送あるいはジャムが起こ
る状況をみながら、ロ−ラ−ガイド311の高さと、分
離ロ−ラ−310との距離を調整できるようになってい
る。
【0116】図24は、スタッカ−300aの側面図で
ある。また、図25は、スタッカ−300aを紙幣収納
部21の上方からみた平面図である。搬送機構部309
には、搬送手段としての搬送ベルト304,312が、
各々2本づつ備えられている。各2本づつの搬送ベルト
304,312は、搬送機構部309の下面にベルトを
露出した状態とされている。
【0117】2本の搬送ベルト304は、スタック入口
上ロ−ラ−302とロ−ラ−314に張設されている。
そして、搬送ベルト304の間には、それぞれ3個のロ
−ラ−315,316,317に張設された2本の搬送
ベルト312が設けられている。また、ギア306とギ
ア319は、図25に示すように互いにかみ合ってい
る。ギア319は、ステッピングモータ800からの駆
動を受けて正逆回転可能となっている。
【0118】分離ロ−ラ−310の外側には、搬送ベル
ト304と接するように分離ロ−ラ−310より径が小
さい2個のフリクションロ−ラ−320が設けられてい
る。フリクションロ−ラ−320は、紙幣1の出金時に
搬送ベルト304の駆動を受けて回転するロ−ラ−であ
り、分離ロ−ラ−310の外側に備えたロ−ラ−固定円
板321に回転可能に固定されている。さらに、ロ−ラ
−固定円板321は、分離ロ−ラ−310と同軸である
軸318を中心に回動可能に備えられている。
【0119】さらに、図26に示すように、当該円板3
21上の係合支点322とスタッカ−300aとは、バ
ネ323によって連結されており、フリクションロ−ラ
−320は、上方に付勢されている。したがって、フリ
クションロ−ラ−320は、回動範囲内において、一定
圧力で、搬送ベルト304に接触する。このフリクショ
ンロ−ラ−320を設けることによって、次のような効
果が得られる。
【0120】すなわち、紙幣1の出金動作において、分
離ロ−ラ−310の方向に飛び出た紙幣1を、後述する
整頓動作によって容易にスタッカ−300aの内部に戻
すことが可能である。加えて、先端が折れている紙幣1
を出金する際には、フリクションロ−ラ−320が紙幣
1の先端の折れを修正して、出金することが可能であ
る。また、仮にフリクションロ−ラ−320と搬送ベル
ト304の間に複数の紙幣1が入り込んでも、紙幣1に
加わる圧力は一定となるため、紙幣1に必要以上の圧力
がかからない。このため、重送やジャムといったトラブ
ルを防止することができる。
【0121】図26は、スタッカ−300aから紙幣1
が搬出される際の状態を、紙幣搬送口301の方向から
みた図である。紙幣1の上面は、スタック入口上ロ−ラ
−302に巻かれた搬送ベルト304とロ−ラ−317
に巻かれた搬送ベルト312に接している。また、紙幣
1の下面は、分離ロ−ラ−310とフリクションロ−ラ
−320に接している。
【0122】搬送ベルト304,312は、分離ロ−ラ
−310のロ−ラ−上面よりも下方に位置するように配
置されている。したがって、出金の際に紙幣1は、図2
6に示すように、波形形状でスタッカ−300aから搬
出されるようになっている。
【0123】図27は、紙幣搬送口301の方向からみ
たスタッカ−300aの内部構造である。スタッカ−3
00aの内部には、紙幣1を積載すると共にスタッカ−
300a内部を上下動可能な積載プレ−ト(以後、「プ
ッシャ−プレ−ト」という)325が備えられている。
また、スタッカ−300aの底部には、プッシャ−プレ
−ト325を引っ掛けて固定するためのプレ−トフック
346が備えられている。プレ−トフック346の使用
状況については、後述する。
【0124】図28は、図27からプッシャ−プレ−ト
325とその駆動部を抜き出して示した図である。図示
されるように、プッシャ−プレ−ト325の一部である
プレ−ト連結部325cは、弾性体(以後、「プッシャ
−スプリング」という)326を介して、スタッカ−3
00aの側部に固定される側部プレ−ト327の側部プ
レ−ト連結部327aに連結されている。プッシャ−ス
プリング326は、スタッカ−300aに固定される円
板328の円周に沿って設けられている溝に接するよう
に、逆U次状に曲げられている。プッシャ−スプリング
326は、プッシャ−プレ−ト325を上方に付勢する
ように、スタッカ−300aに連結されている。
【0125】プッシャ−プレ−ト325は、プッシャ−
スプリング326に連結される固定式プッシャ−プレ−
ト325aと、固定式プレッシャ−プレ−ト325aの
上に位置すると共に紙幣1の幅方向が上下に揺動可能と
する可動式プッシャ−プレ−ト325bとから構成され
ている。固定式プッシャ−プレ−ト325aの下方に
は、図27に示すように、紙幣1の幅方向に軸329が
固定されている。軸329の上部には、固定式プッシャ
−プレ−ト325aの縦方向に伸びる軸330が備えら
れている。可動式プッシャ−プレ−ト325bは、該プ
レ−ト325bに固定される連結板331を介して、軸
330に連結されている。連結板331は、軸330を
中心に回動可能となっている。
【0126】図29は、可動式プッシャ−プレ−ト32
5bの揺動動作を示した図である。(A)は、可動式プ
ッシャ−プレ−ト325bのプレ−ト面が固定式プッシ
ャ−プレ−ト325aと平行の状態を示した図である。
積載された紙幣1の右端の厚みaと左端の厚みbがほと
んど等しい場合には、(A)のように可動式プッシャ−
プレ−ト325bのプレ−ト面が水平状態となる。
【0127】しかし、積載された紙幣1の厚みが一定と
は限らない。(B)は、積載された紙幣1の右端の厚み
aよりも左端の厚みbの方が厚い状態を示した図であ
る。図示されるように、紙幣1の最上位の紙幣1が搬送
ベルト304,312に接すると、連結板331が軸3
30の時計と反対方向に回転する。その結果、最上位の
紙幣1は水平状態で搬送ベルト304,312に接する
ことが可能となる。
【0128】また、(C)は、積載された紙幣1の右端
の厚みaよりも左端の厚みbの方が薄い状態を示した図
である。図示されるように、紙幣1の最上位の紙幣1が
搬送ベルト304,312に接すると、連結板331が
軸330の時計方向に回転する。その結果、(B)と同
様に、最上位の紙幣1は水平状態で搬送ベルト304,
312に接することが可能となる。
【0129】このように、可動式プッシャ−プレ−ト3
25b上に積層される紙幣1の厚みが紙幣1の幅方向で
不均一な状態であっても、スタッカ−300a上部にあ
る搬送ベルト304,312に均一な圧力で接すること
が可能となる。したがって、紙幣1が曲がって出金され
るこなく、ジャムを防止できる。また、固定式プッシャ
−プレ−ト325aと搬送ベルト304,312とが厳
密に平行となっていなくても、紙幣1に均一な圧力がか
かることになる。したがって、製造コストの低減が可能
になる。
【0130】なお、可動式プッシャ−プレ−ト325b
は、左右どちらに回転しても、その端部が固定式プッシ
ャ−プレ−ト325aに接触するため、可動範囲は必要
以上に大きくならないようになっている。したがって、
可動式プッシャ−プレ−ト325b上の紙幣1が、幅方
向にずれる危険性がない。
【0131】図24に示されるように、スタッカ−30
0aの内部には、ア−ム部(以後、「スタックア−ム」
という)332が設けられている。スタックア−ム33
2は、図25にも示されるように、2本の細長いプレ−
トから構成されており、2本のプレ−トの内側の間隔
は、紙幣1の幅より狭く、かつ搬送機構部309の幅よ
りも広くしてある。なお、スタックア−ム332は、ス
タッカ−300aの下部に配置されたリフトモ−タ33
3に連結されており、リフトモ−タ333の回転で上下
動可能となっている。
【0132】スタックア−ム332は、入金待機状態に
おいて、プッシャ−プレ−ト325に積載される紙幣1
の最上位にある紙幣1の上面を押さえ、紙幣搬送口30
1より下方の所定位置に停止している。これは、スタッ
カ−300aに入金されてくる紙幣1が、既にプッシャ
−プレ−ト325上に積載されている紙幣1にぶつから
ないようにするためである。
【0133】図30は、紙幣1をスタッカ−300aか
ら搬出する直前のスタッカ−300aの側面図である。
紙幣1の出金の際には、スタックア−ム332は、搬送
機構部309に向かって上昇する。プッシャ−プレ−ト
325は、図28を参照して述べたように、プッシャ−
スプリング326の弾性力によって上方に付勢されてい
る。
【0134】そのため、スタックア−ム332が上昇す
ると、プッシャ−プレ−ト325は、その上に積載して
いる紙幣1の最上位にある紙幣1の上面を、スタックア
−ム332の下面に接触させた状態で上昇する。そし
て、スタックア−ム332が、搬送ベルト304,31
2のベルト面より上に移動した時点で、プッシャ−プレ
−ト325は、最上位の紙幣1を搬送ベルト304,3
12に接触させて停止する。そして、最上位の紙幣1か
ら順番に出金できるようになっている。したがって、紙
幣を収納した順序と逆の順序で出金可能となっている。
なお、スタックア−ム332の上下動の機構について
は、後述する。
【0135】スタッカ−300aの紙幣搬送口301と
反対側には、出金後に搬送ベルト304,312を出金
と反対方向に駆動させる、いわゆる整頓動作の際に紙幣
1の先端を押さえるストッパ−部材(以後、「エンドス
トッパ−」という)334が設けられている。エンドス
トッパ−334は、紙幣搬送口301と反対側の垂直壁
面に平行な垂直部334aと、その垂直部334aの紙
幣搬送口301の高さ付近で直角に曲がった押しつけ部
334bと、その押しつけ部334bから上方に角度α
(αは鋭角)で立ち上がった傾斜部334cを有する形
状となっている。なお、この傾斜部334cの角度α
は、25から45度の範囲が好ましく、この実施の形態
では、35度としている。
【0136】エンドストッパ−334の垂直部334a
の下部は、バネ335を介してスタッカ−300aと連
結されている。図31は、エンドストッパ−334とそ
の周辺部分を示した図である。バネ335は、エンドス
トッパ−334を下方に付勢するように備えられてい
る。(A)に示す入金待機状態においては、エンドスト
ッパ−334は、プッシャ−プレ−ト325上に載置す
る紙幣1の最上位にある紙幣1と離れている。
【0137】一方、(B)に示す出金時には、スタック
ア−ム332が搬送ベルト304,312より上方に移
動することによって、プッシャ−プレ−ト325が上昇
する。その結果、プッシャ−プレ−ト325上に積載さ
れる紙幣1の最上位の紙幣1が、エンドストッパ−33
4を僅かに持ち上げると共に、搬送ベルト304,31
2に接する。エンドストッパ−334は、図示されるよ
うに、(A)の入金状態から僅かな距離Dだけ上昇した
分、下方に向かって最上位の紙幣1を押さえる働きを有
する。
【0138】このため、紙幣1の出金直後の整頓動作に
おいて、プッシャ−プレ−ト325に積載している紙幣
1の最上位にある紙幣1が搬送ベルト304,312の
駆動を受けて、たわんだり、あるいは下方に積載されて
いる他の紙幣1に回り込んだりする危険性が低い。ま
た、エンドストッパ−334の先端は、傾斜部334c
を有しているので、紙幣1が入金されてきた際に、紙幣
1が、万一エンドストッパ−334の上に載置する方向
に移動してきても、確実にエンドストッパ−334の下
方に向かわせて、正常な入金動作を行うことができる。
【0139】図32は、図24に示すスタッカ−300
aを、紙幣搬送口301と反対方向からみた図である。
また、図33は、図30に示すスタッカ−300aを、
紙幣搬送口301と反対方向からみた図である。スタッ
カ−300aの裏側(図32の右側)には、スタックア
−ム332を駆動するリフトモ−タ333を格納してい
るスタックア−ム駆動室336が設けられている。リフ
トモ−タ333は、スタックア−ム駆動室336の下部
に固定されている。
【0140】スタックア−ム332は、図32に示すよ
うに、2本のプレ−トからスタックア−ム駆動室336
へと突き出た形状となっており、その突き出た部分に、
左右が丸みを帯びた細長い空隙部337を有している。
また、リフトモ−タ333のモ−タ軸333aには、回
転ア−ム338が取り付けられている。回転ア−ム33
8のモ−タ軸333aと反対方向の先端には、回転可能
な円板339が取り付けられている。さらに、その円板
339は、前述のスタックア−ム332にある空隙部3
37に、左右に移動可能に取り付けられている。
【0141】したがって、リフトモ−タ333が回転す
ると、回転ア−ム338が回転して、円板339が回転
しながら空隙部337を左右に移動する。そして、回転
ア−ム338の回転によって、スタックア−ム332が
上下動できるようになっている。
【0142】また、回転ア−ム338のモ−タ軸333
aと反対方向の先端には、筒状磁石340が設けられて
いる。スタッカ−300aには、円板339がほぼ最下
部にくる位置と、最上部にくる位置にそれぞれ1個のホ
−ルセンサ−341が固定されている。前者および後者
のホ−ルセンサ−341は、スタックア−ム332をそ
れぞれ上下の所定位置で停止させるスタックリフト上セ
ンサ−341aおよびスタックリフト下センサ−341
bである。
【0143】図32に示すように、リフトモ−タ333
が回転して筒状磁石340がスタックリフト下センサ−
341bと重なると、第一CPU26に信号が送られ
る。そして、第一CPU26は、リフトモ−タ333を
停止させる。この際、スタックア−ム332は、紙幣搬
送口301より下方の所定位置まで移動してプッシャ−
プレ−ト325の上昇を停止させた状態となっている。
かかる状態の後、搬送ベルト304,312が入金方向
に駆動されて、入金動作が行われる。
【0144】一方、出金の際には、図33に示すよう
に、リフトモ−タ333が、図32の状態から半回転す
ることによって、筒状磁石340がスタックリフト上セ
ンサ−341aと重なる。これによって、第一CPU2
6は、リフトモ−タ333を停止させる。この際、スタ
ックア−ム332は、搬送ベルト304,312のベル
ト面より上方の所定位置で停止した状態となっている。
かかる状態の後、搬送ベルト304,312が出金方向
に駆動されて、出金動作が行われる。
【0145】このように、リフトモ−タ333は、2個
のスタックリフトセンサ−341a,341bによっ
て、常に半回転毎に停止する。このため、スタックア−
ム332は、上下所定位置で往復動作できるようになっ
ている。また、複数種の紙幣、例えば、千円札1枚と、
5千円札1枚を出金する際には、千円札を出金した後
は、千円札用スタッカ−300aのスタックア−ム33
2を下方に移動させて、千円札と搬送ベルト304,3
12とを離す。その状態を保持したまま、5千円札用ス
タッカ−300bのスタックア−ム332を上方に移動
させ、5千円札と搬送ベルト304,312とを接触せ
しめ、5千円札を出金するようにできる。すなわち、ス
テッピングモータ800の回転を停止せずに、スタック
ア−ム332の上下動のみで、任意のスタッカ−300
a等から出金可能となっている。
【0146】スタッカ−300aのスタックア−ム駆動
室336の内壁には、スタッカ−300aに収納されて
いる紙幣1が空に近いことを検知するニアエンドセンサ
−342と、紙幣1が満杯に近いことを検知するニアフ
ルセンサ−343が設けられている。これらのセンサ−
342,343の固定位置は、スタッカ−300aの外
から可変であるが、通常、収納されている紙幣1が空に
近い状態および満量に近い状態におけるプッシャ−プレ
−ト325の位置を検知できる場所に固定されている。
【0147】ニアエンドセンサ−342およびニアフル
センサ−343は、それぞれ中央に隙間を有している遮
断センサ−である。プッシャ−プレ−ト325に固定さ
れた検知プレ−ト344がこの隙間に入ると、それまで
隙間を通っていた光が遮断される。かかる光の遮断によ
って、第一CPU26に信号が送られるようになってい
る。検知プレ−ト344は、ニアエンドセンサ−342
に検知されてから、プッシャプレ−ト325がさらに上
昇しても、ニアエンドセンサ−342がオンの状態を維
持できるのに十分な長さを有している。ニアフルセンサ
−343についても同様である。
【0148】また、ニアエンドセンサ−342またはニ
アフルセンサ−343がオンになると、オンになった時
点からスタッカ−300aに入出する紙幣1の枚数を相
対カウントする機構が設けられている。具体的には、ニ
アエンドセンサ−342またはニアフルセンサ−343
がオンになった以後に、スタック入口センサ−307を
通過した紙幣1のカウント信号が、第一CPU26に送
られる。そして、第一CPU26は、紙幣1の増減を相
対的にカウントする相対カウントを行う。そして、予め
記憶させて置いた所定の枚数に達すると、エンド信号ま
たはフル信号を送出してスタッカ−300aに収納され
ている紙幣1が空あるいは満杯であることを知らせるよ
うになっている。
【0149】したがって、この紙幣収納部21と外部通
信部34を介してホストコンピュ−タに接続すると、紙
幣処理装置から離れた場所でも、紙幣1の収納状態を定
量的かつ経時的に把握することができる。また、ニアフ
ルセンサ−343の下方には、使用不可センサ−345
が設けられている。使用不可センサ−345は、紙幣1
の入金および出金動作におけるプッシャ−プレ−ト32
5の上下動の範囲では点灯しない場所に固定されてい
る。
【0150】本装置の保守、点検あるいは紙幣1の回
収、補充の際には、プッシャ−プレ−ト325をスタッ
カ−300aの最下部まで下げてプレ−トフック346
で固定できるようにしている。その際には、使用不可セ
ンサ−345がオンになる。使用不可センサ−345が
オンになっている時には、管理者にプッシャプレ−ト3
25が固定されていることを認知させて、仮にプッシャ
−プレ−ト325を固定したまま電源を入れても本装置
を運転できないようにしている。
【0151】したがって、本装置の運転に際しては、プ
ッシャ−プレ−ト325から図27に示すプレ−トフッ
ク346をはずして、プッシャ−プレ−ト325が上下
動可能な状態となっていることを確認してから、運転を
行うことができる。これによって、管理者は、装置が動
作しない状態のまま、紙幣の補充、回収等の作業を終え
ることを低減できる。
【0152】図34は、出金最中におけるスタッカ−3
00a内部の側面図である。搬送機構部309には、収
納されている紙幣1がスタック入口センサ−307に検
知された時に、重送を防止するための機構が備えられて
いる。以下に、かかる機構について説明する。
【0153】スタッカ−300aの紙幣搬送口301の
反対側の上部には、軸347を中心に回動可能なストッ
パ−ア−ム348が備えられている。ストッパ−ア−ム
348は、軸347を介して図示されないブレ−キソレ
ノイドに連結されている。したがって、第一制御部23
からの信号によってブレ−キソレノイドがオンとなる
と、ストッパ−ア−ム348は、図34において時計と
反対方向に回動する。
【0154】ストッパ−ア−ム348の軸347と反対
方向の先端は、軸347よりも紙幣搬送口301の方向
に配置される軸349を中心に回動可能な重送防止手段
としてのブレ−キア−ム350の先端350aに連結さ
れている。ブレ−キア−ム350の先端350aには、
摩擦係数の大きなブレ−キ部材(例えば、ゴム)351
が取り付けられている。ブレ−キ部材351には、紙幣
1の出金と直角方向に凹凸の溝がつけられている。
【0155】したがって、収納されている紙幣1の最上
位の紙幣1の先端が、スタック入口センサ−307に検
知されると、ストッパ−ア−ム348が回動し、それに
よってブレ−キア−ム350の先端350aが下降す
る。そして、該先端350aに備えられたブレ−キ部材
351が、最上位の紙幣1の直下にある2枚目の紙幣1
の上面を押さえる。
【0156】また、搬送機構部309には、軸349よ
り紙幣搬送口301の方向に備えられた軸352を中心
に回動可能な分離手段としてのロ−ラ−ア−ム353が
設けられている。ロ−ラ−ア−ム353の先端353b
は、ブレ−キア−ム350の先端350aと反対側の先
端350bの上方に位置している。また、ロ−ラ−ア−
ム353の先端353bと反対方向の先端353aに
は、紙幣1の入出両方向に回転可能なロ−ラ−354が
備えられている。
【0157】ブレ−キア−ム350が、図34において
時計回りに回動してその先端350bが上方に移動する
と、ロ−ラ−ア−ム353の先端353bが持ち上げら
れる。同時に、ロ−ラ−ア−ム353が、図34におい
て反時計回りに回動して、その先端353aに備えられ
たロ−ラ−354が、出金される紙幣1を押し下げる。
これによって、出金される紙幣1と搬送手段としての搬
送ベルト304,312とが離される。これによって、
出金される紙幣1の下方にある2枚目以下の紙幣1は、
搬送ベルト304,312によって出金方向に駆動を受
けない。そのため、単に、ブレ−キ部材351が2枚目
の紙幣1の上面から押さえるだけの機構よりも、重送を
低減できる。したがって、5千円札および1万円札(高
額紙幣)を出金する機能としても、重送による損害の発
生を防止できる。
【0158】出金される紙幣1は、スタック入口センサ
−307に検知された時には、搬送ベルト304に巻か
れた挟持手段としてのスタック入口上ロ−ラ−302と
同手段としてのスタック入口下ロ−ラ−303に挟まれ
ている。したがって、この挟まれた位置で搬送ベルト3
04の駆動を受けて出金される。なお、ロ−ラ−354
は、自由に回転できるので、出金動作がスム−ズに行わ
れる。
【0159】また、ロ−ラ−ア−ム353の先端353
aは、バネ355によって搬送機構部309の上部に連
結されて、かつ上方に付勢されている。そのため、スト
ッパ−ア−ム348が時計回りに回動すると、ロ−ラ−
ア−ム353は軸352を中心に時計回りに回動する。
それによって、ロ−ラ−354が搬送ベルト304,3
12等より上方に収納されるようになっている。
【0160】ところで、各スタッカ−300a、300
b、300cの構造および外形は、基本的には同一とな
っている。しかし、3種類の各紙幣1は幅は同じである
が、長さが異なる。具体的には千円札が最も短く、5千
円札、1万円札と5mmづつ長くなっている。紙幣1を
収納するスペ−スは、紙幣1の大きさとほぼ同じ大きさ
としないと、紙幣1が整頓された状態で収納できない。
【0161】例えば、各スタッカ−300a,300
b,300cの内部を1万円札の大きさに合わせた収納
スペ−スとすると、1万円札は問題ないが千円札および
5千円札は端部が揃わず遊びが多い状態で収納される。
そのため、出金動作においてトラブルが生じる危険性が
ある。一方、各スタッカ−300a,300b,300
cの内部を千円札あるいは5千円札の大きさに合わせた
収納スペ−スとすると、1万円札がたわんだり、折れ曲
がった状態で収納され、同様にトラブルの原因となる。
【0162】このため、各スタッカ−300a,300
b,300cの大きさを各種紙幣1の大きさにあった収
納スペ−スとすべく、各スタッカ−300a,300
b,300cの内部スペ−スをまず1万円札用に合わ
せ、他種の紙幣1のスタッカ−300a,300bの紙
幣搬送口301と反対方向の内壁には、千円札あるいは
5千円札の長さに合わせた調整部材としてのエンドスト
ッパ−334を着脱可能に装着できるようにしている。
【0163】具体的には、千円札用スタッカ−300a
には、厚さ10mmのエンドストッパ−334を、また
5千円札用スタッカ−300bには厚さ5mmのエンド
ストッパ−334を装着している。
【0164】このように、紙幣1の種類毎に各スタッカ
−300a,300b,300cの大きさを変えず、厚
さの異なるエンドストッパ−334の着脱のみによっ
て、各スタッカ−300a,300b,300c内容積
を変えることができる。そのため、各スタッカ−300
a,300b,300cの部品の共有化ができ、さらに
取り扱う紙幣1の変化への対応が容易となる。特に、最
近では米国のドル紙幣等の外国紙幣の使用要求が高まっ
ており、本装置は、このような要求にもすばやく対応で
きるものとなる。
【0165】(5)紙幣イジェクト・リジェクト部につ
いて
【0166】次に、紙幣イジェクト・リジェクト部40
0の構造について説明する。図35および図36は、そ
れぞれ紙幣イジェクト・リジェクト部400の斜視図お
よび側面からみた断面図である。紙幣イジェクト・リジ
ェクト部400は、真券を一括して出金するまで保存す
ると共に全ての真券が搬送された後に一括して出金する
イジェクト部400aと、偽券、ジャムあるいは重送を
起こした紙幣1等の異常紙幣(以後、「異券」という)
3のみを保存するリジェクト部400bとから構成され
ている。
【0167】イジェクト部400aは、紙幣イジェクト
・リジェクト部400の下部に配置されている。一方、
リジェクト部400bは、紙幣イジェクト・リジェクト
部400の上部に配置されている。イジェクト部400
aの前方であって装置外部には、紙幣1が出金される紙
幣受取口19が設けられている。また、紙幣受取口19
と反対方向には、紙幣搬送部200からの紙幣1を受け
入れる紙幣搬送口402が設けられている。紙幣搬送口
402には、紙幣搬送部200から搬送される真券ある
いは異券3の通過を検知可能なイジェクト入口センサ−
403が配置されている。
【0168】イジェクト入口センサ−403は、透過型
の光式センサ−であり、紙幣搬送口402の上下に対向
する位置に、発光素子403bと受光素子403aが各
2個づつ設けられている。図36では、イジェクト入口
センサ−403は、上下1個づつしか見えていないが、
同図の紙面裏方向に、上下1個づつのイジェクト入口セ
ンサ−403が存在する。発光素子403bは、紙幣搬
送口402の下側に、受光素子403aは、紙幣搬送口
402の上側に設けられている。イジェクト入口センサ
−403は、発光素子403bと受光素子403aの間
に紙幣1が存在すると、第一CPU26に、紙幣1の存
在を知らせる信号を送る。
【0169】さらに、イジェクト入口センサ−403
は、紙幣1によって運ばれた汚れを他の紙幣1の搬送時
にセルフクリ−ニングできるように、紙幣1との接触面
を平らにした上下各1個のセンサ−カバ−404a,4
04bで覆われている。上下のセンサ−カバ−404
a,404bの間隔は、スタック入口センサ−307の
センサ−カバ−308と同様に、2.0〜3.0mmが
適切であり、好ましくは2.3〜2.7mmが良い。さ
らに最適な幅は2.4〜2.5mmである。
【0170】紙幣搬送部200から搬送されてきた紙幣
1は、出金方向に回転するイジェクト下ロ−ラ−405
と回転可動に備えられたイジェクト上ロ−ラ−406に
挟持されて、紙幣イジェクト・リジェクト部400の内
部に搬送される。図37は、紙幣搬送口402に設けら
れたイジェクト下ロ−ラ−405とその周辺部材を示し
た図である。イジェクト下ロ−ラ−405の両側面に
は、イジェクト下ロ−ラ−405の直径より大きな円形
の支持板407が備えられている。
【0171】また、支持板407の両側面には軟質ウレ
タンゴム製の8本の羽根408aを有する羽根車408
が設けられている。羽根車408は、紙幣搬送口402
から搬送されてきた紙幣1を紙幣イジェクト・リジェク
ト部400の内部に導くと同時に、既にイジェクト部4
00aに搬送されている紙幣1を下方に押さえる役割を
有している。この羽根車408の構造および機能につい
ては、後述する。
【0172】イジェクト下ロ−ラ−405は、図示され
ていないギアを介して紙幣収納部21の下部に設けられ
ているステッピングモータ800と連結されている。イ
ジェクト上ロ−ラ−406は、回転可動ではあるがモ−
タ等の駆動源とは連結されていない。したがって、紙幣
1は、ステッピングモータ800によって駆動されるイ
ジェクト下ロ−ラ−405と同ロ−ラ−405に従動し
て回転するイジェクト上ロ−ラ−406に挟持されて、
紙幣イジェクト・リジェクト部400の内部に搬送され
る。
【0173】図38は、紙幣1が搬送されてくる際の紙
幣搬送口402の方向からみた紙幣イジェクト・リジェ
クト部400である。図示されるように、紙幣1は、イ
ジェクト上ロ−ラ−406とイジェクト下ロ−ラ−40
5の接面によってほぼU字形状となる。加えて、紙幣1
は、中央から端部までの間で羽根車408に支えられる
と共に、後述する回動式ア−ム485bの下面で押さえ
られている。
【0174】したがって、紙幣1は、全体としてその断
面が緩やかな波形形状で、紙幣イジェクト・リジェクト
部400に搬送されるようになっている。これによっ
て、しわや折り癖のある中古の紙幣1でも、イジェクト
部400aの下方に折れたりたわんだ状態とならず、イ
ジェクト部400aに既に保留されている紙幣1と衝突
するといったトラブルを防止することができる。
【0175】紙幣搬送口402から搬送された紙幣1が
異券3の場合には、その異券3は、リジェクト部400
bから下降してきたリフトベ−ス450の上に載置され
る。異券3を載置したリフトベ−ス450は、再びリジ
ェクト部400bまで上昇して待機状態となる。一方、
紙幣搬送口402から搬送された紙幣1が真券の場合に
は、その真券は、イジェクト部400aの下部に固定さ
れた紙幣出金駆動部420の上に設けられた一時保留板
410に載置される。この際、リフトベ−ス450は、
リジェクト部400bに待機した状態のままである。
【0176】リフトベ−ス450には、図36に示され
るように、先端にロ−ラ−451を備えたイジェクトロ
−ラ−ア−ム452が設けられている。イジェクトロ−
ラ−ア−ム452は、リフトベ−ス450がリジェクト
部400bに待機している場合には、図36に示すよう
にリフトベ−ス450の下方に降ろされた状態となって
いる。しかし、リフトベ−ス450がイジェクト部40
0aに移動した際には、ロ−ラ−451が一時保留板4
10の上に載置された紙幣1に接触する。
【0177】これによって、イジェクトロ−ラ−ア−ム
452は、図36において軸453を中心に反時計回り
に回動してリフトベ−ス450の内部に収納されるよう
になっている。イジェクトロ−ラ−ア−ム452は、真
券の搬送時には、紙幣搬送口402から搬送されてくる
紙幣1が丸まらないように、紙幣受取口19方向のスペ
−スを狭める役割を持っている。また、出金時には、リ
フトベ−ス450が紙幣1に自重をかける妨げとならな
いようになっている。
【0178】また、イジェクトロ−ラ−ア−ム452に
は、該ア−ム452のほぼ中心に一軸454によって連
結されると共に、紙幣搬送口402の方向に水平に伸び
たガイドア−ム455が連結されている。ガイドア−ム
455は、リフトベ−ス450がリジェクト部400b
に待機している時は、紙幣搬送口402とほぼ同じ高さ
でかつ水平状態になっている。しかし、リフトベ−ス4
50がイジェクト部400aに下降した時には、イジェ
クトロ−ラ−ア−ム452の収納動作によって、ガイド
ア−ム455は、軸454を中心に回動して水平状態を
維持する。
【0179】ガイドア−ム455は、真券がイジェクト
部400aに搬送されてくる際に、羽根車407によっ
て巻き上げられてイジェクト部400aの上方でジャム
を起こさないようにするために設けられている。さら
に、真券が、イジェクト部400aの入口付近で丸まる
ことによって、次の紙幣1と衝突しないようにする目的
もある。このように、搬送されてきた真券は、ガイドア
−ム455によって上方に向かわないように押さえられ
ながら、イジェクトロ−ラ−ア−ム452の傾斜に沿っ
て、正常に一時保留板410の上に載置されるようにな
っている。
【0180】図39および図40は、それぞれ紙幣1を
イジェクト部400aに搬送している際および出金直前
の一時保留板410と紙幣出金駆動部420の状態を示
す図である。図39に示されるように、一時保留板41
0は、イジェクト部400aの下部に固定された紙幣出
金駆動部420の上部に設けられている。紙幣1がイジ
ェクト部400aに搬送されている際には、一時保留板
410は、軸421を中心として回動可能な2つの前部
回動ア−ム422および軸423を中心として回動可能
な2つの後部回動ア−ム424によって持ち上げられた
状態となっている。前部回動ア−ム422の方が、後部
回動ア−ム424よりも急角度で立ち上げられているの
で、一時保留板410は、紙幣受取口19の方向がわず
かに高く傾斜した状態となっている。
【0181】このように、一時保留板410が傾斜する
ことによって、一時保留板410の上に載置される紙幣
1の後端を、イジェクト部400aの紙幣搬送口402
側に揃えることが可能となる。紙幣搬送口402の側に
は、羽根車408が回転して、羽根408aによって紙
幣1を一時保留板410に押しつけるようになってい
る。
【0182】したがって、一時保留板410に載置され
ている紙幣1は、次の紙幣1がイジェクト部400aに
搬送されてくる際に、一時保留板410の上に圧縮され
た状態におかれる。そのため、一時保留板410に載置
されている紙幣1と新たにイジェクト部400aに搬送
されてくる紙幣1とがぶつかる危険性がない。さらに、
一時保留板410が紙幣受取口19の方向を上に傾斜し
ているので、紙幣受取口19の方向の空間が、紙幣搬送
口402方向の空間よりも狭くなっている。このため、
イジェクト部400aに搬送されてきた紙幣1が、紙幣
受取口19側で丸まる等のトラブルを防止でき、正常な
イジェクト動作が可能となる。
【0183】図39および図40に示すように、一時保
留板410には、紙幣出金駆動部420を構成するロ−
ラ−425a,425bおよび搬送ベルト426が、一
時保留板410からわずかに上方に突出可能となるよう
に、各位置に合わせた2つの小長穴411a,411b
および1つの大長穴412が設けられている。上述のよ
うに、一時保留板410は、2つの前部回動ア−ム42
2と2つの後部回動ア−ム424によって、イジェクト
部400a側に持ち上げられている。そのため、出金時
以外は、一時保留板410の上から、ロ−ラ−425
a,425bおよび搬送ベルト426が突出しない状態
となっている。
【0184】図40は、出金直前に、一時保留部410
が紙幣出金駆動部420に下降した状態を示す図であ
る。後述するイジェクトシャッタ−ソレノイド440が
オンとなることによって、2つの前部回動ア−ム422
と2つの後部回動ア−ム424が、それぞれ軸421,
423を中心に回動して、紙幣搬送口402の方向に倒
れる。これによって、一時保留板410が、紙幣出金駆
動部420に下降するようになっている。
【0185】図36に示すように、前部回動ア−ム42
2と後部回動ア−ム424は、一時保留板410に固定
されておらず、一時保留板410に接する部分には、そ
れぞれロ−ラ−422a,424aが備えられている。
前部回動ア−ム422と後部回動ア−ム424が倒れる
と、一時保留板410は、紙幣搬送口402の方向には
移動せず、スム−ズに垂直方向に下降できるようになっ
ている。したがって、一時保留板410が紙幣搬送口4
02の方向に移動しながら下降する場合に比べて、イジ
ェクト部400aのスペ−スは小さくて済む。このた
め、装置の小型化を図ることができる。
【0186】図40に示すように、一時保留板410が
紙幣出金駆動部420に下降して重なった場合には、ロ
−ラ−425a,425bおよび搬送ベルト426の他
に、後述する紙幣検知プレ−ト427も、大長穴412
から一時保留板410の上に出る。一方、出金の際に、
一時保留板410上の紙幣1はリフトベ−ス450によ
って押されているので、紙幣検知プレ−ト427の上昇
が抑制されている。したがって、紙幣検知プレ−ト42
7は、上方に紙幣1が存在するか否かを検知する機能を
有する。この機能については、後述する。
【0187】図41は、紙幣出金駆動部420の構造を
示した斜視図である。ギア430は、紙幣収納部21下
部に配置されたステッピングモータ800と、図示され
ていないギアを介して連結されている。ギア430は、
軸431を介してロ−ラ−432と連結されいる。ロ−
ラ−432とロ−ラ−433はベルト434に巻かれて
いる。そして、ロ−ラ−433、ロ−ラ−435、ロ−
ラ−425aおよびロ−ラ−425bは、軸436によ
って連結されている。
【0188】また、搬送ベルト426は、ロ−ラ−43
5とロ−ラ−437に張設されている。さらに、搬送ベ
ルト426のほぼ中央には、ロ−ラ−438が仲介ロ−
ラ−として配置されている。したがって、ステッピング
モータ800が回転することによって、ロ−ラ−425
a,425bおよび搬送ベルト426(以後、適宜、
「搬送ベルト426等」と記す)が回転可能となってい
る。
【0189】一方、ギア430は、イジェクト下ロ−ラ
−405と図示されないベルトを介して結ばれている。
したがって、ステッピングモータ800が出金方向に回
転すると、ロ−ラ−425a,425bおよび搬送ベル
ト426が出金方向に回転すると共に、イジェクト下ロ
−ラ−405も出金方向に回転するようになっている。
このため、紙幣イジェクト・リジェクト部400への紙
幣1の搬送と紙幣1の紙幣受取口19への搬送が、1つ
のモ−タで行うことが可能となっている。したがって、
装置のコストの抑制と共に、簡易な構造とすることによ
る故障の低減を図ることができる。
【0190】なお、上記のように、一時保留板410
は、出金する全ての紙幣1が一時保留板410の上に載
置されるまで、紙幣出金駆動部420の側に下降しな
い。そのため、紙幣1を一時保留板410に載置してい
る最中に、搬送ベルト426等が出金方向に回転してい
ても、紙幣1と搬送ベルト426等とは接触できない。
このため、一時保留板410に載置される紙幣1は、出
金直前まで出金方向の駆動を受けないようになってい
る。
【0191】図42は、イジェクト部400aとリジェ
クト部400bを隔てる回動式ア−ム485とリフトベ
−ス450を抜き出して示した図である。回動式ア−ム
485は、紙幣受取口19の側に配置された2つの回動
式ア−ム485aと紙幣搬送口402の側に配置された
2つの回動式ア−ム485bから成る。回動式ア−ム4
85a,485bは、図42に示す水平状態(図中のB
の位置)を回動下限とする位置と、その状態からほぼ9
0度上方の回動上限位置(図中のCの位置)との間で、
回動可能となっている。回動式ア−ム485a,485
bは、紙幣1の幅より狭い幅で、リフトベ−ス450の
4つ角に各1個づづ設けられた回動板456と接する位
置に配置されている。
【0192】そして、異券3を上方から押さえつけるた
めの押さえ板488が、回動式ア−ム485の上に載置
されている。押さえ板488の構造については、後述す
る。4個の回動板456は、各片側をリフトベ−ス45
0の外側に備えた各1本の軸457(図42において残
り2本はみえていない)と連結されている。しかも、各
回動板456は、図42に示すように、水平状態からA
方向にのみ回動可能とされており、図示されないストッ
パ−によって、水平状態からAと逆方向には回動できな
いようになっている。
【0193】紙幣搬送口402から異券3が搬送されて
くると、第一CPU26からの命令にしたがって、リフ
トベ−ス450は、リジェクト部400bからイジェク
ト部400aへ下降する。この際、水平状態を保持する
回動式ア−ム485に接触したリフトベ−ス450の回
動板456は、図42に示すA方向に回動する。これに
よって、リフトベ−ス450は、回動式ア−ム485を
回避してイジェクト部400aに下降できるようになっ
ている。
【0194】イジェクト部400aに下降したリフトベ
−ス450は、異券3を載置すると、再びリジェクト部
400bへ上昇移動する。図43は、リフトベ−ス45
0がリジェクト部400bに上昇移動する際の回動式ア
−ム485aと回動板456の動きを、紙幣受取口19
とその左側からみた図である。図43の(A)は、リフ
トベ−ス450が、イジェクト部400aにある状態を
示したものである。この状態では、まだ回動式ア−ム4
85aと回動板456は接触していないため、両者とも
水平状態を維持している。
【0195】リフトベ−ス450が上昇して(B)のよ
うに、回動式ア−ム485aと回動板456が接触する
と、回動板456はリフトベ−ス450の内側には回転
できないため、水平を維持する。一方、回動式ア−ム4
85aは、上方に回動可能であるため、回動板456に
よって上方に押し上げられる。このようにして、リフト
ベ−ス450は、回動式ア−ム485aを上方に回動さ
せながらリジェクト部400bへと移動する。
【0196】回動式ア−ム485a,485bの軸48
6は、図示されていないストッパ−に連結されており、
回動式ア−ム485a,485bは、下方に回動しない
ようになっている。さらに、そのストッパ−は、バネに
連結されており、回動式ア−ム485bを水平に保持し
ている。したがって、(C)のように、リフトベ−ス4
50がリジェクト部400bに移動した後は、上方に回
動した回動式ア−ム485a,485bは、バネの復元
力によって、元の水平状態まで戻る。
【0197】図44は、リフトベ−ス450を、紙幣収
納部21の下方からみた底面図である。リフトベ−ス4
50は、紙幣搬送口402側に2個のロ−ラ−458
a,458bと、ほぼ中央に1個のロ−ラ−459と、
紙幣受取口19側に近接して配置される2個のロ−ラ−
460a,460bを備えている。各ロ−ラ−458
a,458b,459は、紙幣出金駆動部420の各ロ
−ラ−425a,425b,438とそれぞれ対向する
位置に配置されている。
【0198】また、近接して配置されたロ−ラ−460
aとロ−ラ−460bは、紙幣出金駆動部420のロ−
ラ−437に対向する位置に配置されている。したがっ
て、出金の際に、リフトベ−ス450がイジェクト部4
00aに下降すると、出金すべき紙幣1をこれら上下の
各ロ−ラ−425a,425b,435,437,45
8a,458b,459,460a,460bによって
挟むようになっている。
【0199】図45は、出金直前のリフトベ−ス450
と紙幣出金駆動部420の各ロ−ラ−425a,425
b,435,437,458a,458b,459,4
60a,460bによって紙幣1を挟んだ状態の側面図
である。各ロ−ラ−458a,459,460aは、各
軸461a,462,463とそれぞれ連結されてい
る。なお、図45では紙幣1の裏となっていて見えない
が、図44に示すように、各ロ−ラ−458b,460
bは、各軸461b,463とそれぞれ連結されてい
る。
【0200】さらに、図44に示されるように、各軸4
61a,461b,462,463の両端は、各1個づ
つ計2個のバネ464a,464b,465,466を
介して、リフトベ−ス450の内部に連結されている。
したがって、出金する紙幣1の表面が出金方向で平らで
ない場合でも均一な圧力で紙幣受取口19に送り出すこ
とができる。
【0201】図46は、出金直前のリフトベ−ス450
を、紙幣受取口19の方向からみた図である。リフトベ
−ス450の両端に設けられた2個のロ−ラ−458
a,458bとリフトベ−ス450の紙幣受取口19側
に近接して設けられた2個のロ−ラ−460a,460
bが図示されている。なお、ロ−ラ−459は、2個の
ロ−ラ−460a,460bの後方に位置するため、図
を複雑にしないために図46から省略されている。図示
されるように、紙幣受取口19からみて左右に紙幣1が
不均一な状態であっても、均一な圧力で挟持されるよう
になっている。したがって、紙幣1を紙幣受取口19に
向かってまっすぐに、搬送することが可能である。
【0202】図47は、ロ−ラ−458bを紙幣受取口
19の方向からみた拡大図である。図示されるように、
ロ−ラ−458bの軸461bの両端は、別個の各バネ
464bで連結されている。そのため、ロ−ラ−458
bは、図示した中心線に対して傾斜可能である。したが
って、紙幣1に局部的な凹凸があっても、均一な圧力が
かけられるようになっている。なお、図47は、ロ−ラ
−458bのみを示したものであるが、各ロ−ラ−45
8a,459も同様の構造となっている。
【0203】図48は、紙幣搬送部200から異券3が
搬送された際の、紙幣イジェクト・リジェクト部400
の側面図である。図示されるように、リフトベ−ス45
0が、イジェクト部400aに移動した状態となってい
る。既に搬送されてきた異券3は、その上部に押さえ板
488を載せて、回動式ア−ム485の上に載置されて
いる。前述のようにリフトベ−ス450は、その4つ角
に備えた回動板456が回動することによって回動式ア
−ム485より下方に移動できる。
【0204】しかし、回動式ア−ム485よりも幅が広
い異券3と押さえ板488は、回動式ア−ム485より
下方に移動できずに、イジェクト部400bに残され
る。なお、単に、回動式ア−ム485の上に異券3のみ
を載置するようにすると、異券3の折り癖やその重みに
よって、異券3は、回動式ア−ム485からイジェクト
部400aに落ちる危険性がある。そこで、押さえ板4
88が、リジェクト部400bに配置されている。ま
た、押さえ板488は、異券3の上部から圧縮すること
によって、狭いスペ−スになるべく多くの異券3を保存
できるようにする機能も有している。
【0205】図49は、押さえ板488を、紙幣イジェ
クト・リジェクト部400の壁面から取り外した状態の
斜視図である。また、図50および図51は、それぞれ
押さえ板488を装置上部からみた図および紙幣受取口
19の方向(図49の矢印Aの方向)からみた図であ
る。図49から図51に示すように、押さえ板488に
は、各フック489a,489bが設けられている。そ
して、各フック489a,489bを、それぞれ紙幣イ
ジェクト・リジェクト部400の壁面に設けられた溝4
90a,490bにはめ込むようになっている。
【0206】各溝490a,490bの下端は、L字型
となっており、この場所でのみ各フック489a,48
9bを挿入することが可能とされている。また、各溝4
90a,490bの下端は、回動式ア−ム485より下
方にある。したがって、回動式ア−ム485より上方で
のみ上下動可能な押さえ板488は、装置の動作中に各
溝490a,490bから抜け出ないようになってい
る。
【0207】なお、フック489aは、押さえ板488
と同一平面上になるような形状となっている。一方、フ
ック489bは、押さえ板488と同一平面上にならな
い形状となっている。かかる形状の違いを設けたのは、
次の理由による。図54に示すように、図示される紙幣
イジェクト・リジェクト部400の右上には、異券3の
満杯を知らせる機能を持たせたリジェクトフルセンサ−
491が取り付けられている。
【0208】リジェクトフルセンサ−491は、異券3
を保存する場所の図54の紙面に対して裏側に配置され
ている。保存される異券3が増加すると、フック489
bが、バネ492の弾性力に抗して調節ネジ493を押
し上げる。調節ネジ493が上昇すると、これに伴っ
て、小ア−ム494が上がるようになっている。そし
て、保存される異券3が所定量に達して、小ア−ム49
4が所定の傾斜になると、リジェクトフルセンサ−49
1がオンとなるようになっている。
【0209】図52は、図36に示される状態を紙幣受
取口19の方向からみた図である。リフトベ−ス450
を駆動するモ−タであるイジェクトリフトモ−タ471
は、紙幣イジェクト・リジェクト部400の裏(図52
の右側)に設けられたリフトベ−ス駆動部470に配置
されている。リフトベ−ス450は、リフトベ−ス駆動
部470に突き出した駆動ア−ム450aを有してい
る。イジェクトリフトモ−タ471のモ−タ軸471a
には、円板472が連結されている。さらに、円板47
2は、回転ア−ム473を介してカム474に連結され
ている。
【0210】回転ア−ム473には、図示されない磁石
475が備えられている。また、カム474がほぼ垂直
上部および垂直下部にきたときに、その磁石475と対
向する位置に、それぞれ各1個のホ−ルセンサ−476
が固定されている。一つは、リフトベ−ス450をリジ
ェクト部400bに停止させるために設けられた、イジ
ェクトリフトモ−タ上センサ−476aである。もう一
つは、リフトベ−ス450をイジェクト部400aに停
止させるために設けられたイジェクトリフトモ−タ下セ
ンサ−476bである。
【0211】両ホ−ルセンサ−476ともに、磁石47
5と重なった時に、第一CPU26に信号を送る。これ
によって、イジェクトリフトモ−タ471が停止するよ
うになっている。したがって、イジェクトリフトモ−タ
471は、半回転単位で停止する。図52によれば、磁
石475がイジェクトリフトモ−タ上センサ−476a
と重なることによって、リフトベ−ス450が、リジェ
クト部400bに停止した状態となる。
【0212】図53は、一時保留板410に出金する全
ての紙幣1が載置された後あるいは異券3をリフトベ−
ス450の上に載置する際に、リフトベ−ス450が一
時保留板410の上に降りた状態を示した図である。回
転ア−ム473は、図43の状態から半回転している。
この状態で、カム474は、駆動ア−ム450aからは
ずれている。したがって、一時保留板410の上に載置
されている紙幣1には、リフトベ−ス450の自重がか
かった状態となっている。
【0213】図54は、図53の状態を紙幣受取口19
の左側からみた図である。リフトベ−ス450が一時保
留板410の上に下降しても、この段階ではまだ一時保
留板410は下方の紙幣出金駆動部420の側に降下し
ていない。なお、紙幣出金駆動部420のロ−ラ−42
5a,425bと搬送ベルト426は、出金すべき紙幣
1が全てイジェクト部400aに搬送された時点で、停
止するようになっている。また、図54に示すように、
前部回動ア−ム422は、各ア−ム441a,441
b,441c,441dを介して、イジェクトシャッタ
−ソレノイド440に連結されている。
【0214】図55は、リフトベ−ス450が一時保留
板410の側に下降した状態を示した図である。リフト
ベ−ス450が一時保留板410の上に降下すると、イ
ジェクトリフトモ−タ471に連結した回転ア−ム47
3に備えられた図示されていないリフトセンサ−がオン
となる。これによって、イジェクトシャッタ−ソレノイ
ド440がオンとなる。
【0215】イジェクトシャッタ−ソレノイド440が
オンとなると、前部回動ア−ム422が、各ア−ム44
1a,441b,441c,441dに引かれて倒れ
る。前部回動ア−ム422が倒れると、後部回動ア−ム
424も紙幣受取口19と反対方向に倒れる。これによ
って、一時保留板410は、下方に移動して、紙幣出金
駆動部420に重なる。なお、イジェクトシャッタ−ソ
レノイド440は、オンとなった直後にオフとなる。
【0216】前部回動ア−ム422の軸421には、折
れ曲がった形状の屈曲ア−ム442が連結されており、
前部回動ア−ム422の回動に連動して回動するように
なっている。そして、屈曲ア−ム442が回動して磁石
445が停止する2つの位置には、各1個のホ−ルセン
サ−443が固定されている。両ホ−ルセンサ−443
の内、上方の所定位置に固定されているホ−ルセンサ−
443は、後述するシャッタ−413が開いたことを知
らせるイジェクトシャッタ−上センサ−443aであ
る。また、下方の所定位置に固定されているホ−ルセン
サ−443は、シャッタ−413が閉じたことを知らせ
るイジェクトシャッタ−下センサ−443bである。
【0217】図54および図55に示されるように、一
時保留板410の紙幣受取口19側であって、紙幣受取
口19に対向する位置には、出金前に紙幣受取口19を
塞ぐ機能を有するシャッタ−413が設けられている。
また、このシャッタ−413は、一時保留板410と一
体的に動作するように取り付けられている。したがっ
て、一時保留板410の上下動作によって、紙幣受取口
19が開閉可能となっている。かかる簡易な機構で紙幣
受取口19を開閉可能とすることで、特別なシャッタ−
機構を設ける必要がない。したがって、装置のコスト低
減や故障の低減を図ることができる。
【0218】屈曲ア−ム442が回動して、イジェクト
シャッタ−上センサ−443aがオンとなると、同セン
サ−443aから第一CPU26に、シャッタ−413
が開いたことを知らせる信号が送られる。また、一時保
留板410の上に載置される紙幣1の上部からリフトベ
−ス450の自重がかかっている。このため、紙幣出金
駆動部420に備えられた紙幣検知プレ−ト427の下
端に固定された磁石428が、ホ−ルセンサ−である紙
幣有無センサ−429と重なる。イジェクトシャッタ−
上センサ−443aと紙幣有無センサ−429の両セン
サ−がオンであることを確認してから、第一CPU26
は、ステッピングモータ800を出金方向に駆動する。
【0219】図56は、図55の状態を、紙幣受取口1
9の方向からみた図である。リフトベ−ス450は、一
時保留板410の下降によって、図53で示された位置
よりさらに低い位置に下降していることがわかる。この
状態において、カム474は、図53の状態と同様に駆
動ア−ム450aから離れている。したがって、一時保
留板410上に載置れている紙幣1には、リフトベ−ス
450の自重がかかった状態となっている。したがっ
て、下方から紙幣1に圧力をかけて出金する場合と比べ
ると、特別な加圧機構を設ける必要がない。したがっ
て、装置のコスト低減や故障の低減を図ることができ
る。
【0220】図57は、紙幣1の出金中における、紙幣
検知プレ−ト427の動作の変化を示した図である。
(A)に示す出金直前の段階では、紙幣検知プレ−ト4
27は、リフトベ−ス450の自重で一時保留板410
に圧縮された紙幣1によって下方に押されている。その
ため、紙幣検知プレ−ト427の下端に固定された磁石
428が、出金する紙幣1の有無を検知する紙幣有無セ
ンサ−429に重なった状態(オン状態)となってい
る。
【0221】しかし、(B)に示すように、紙幣1の後
端が紙幣検知プレ−ト427より紙幣受取口19側に搬
送されると、紙幣検知プレ−ト427は立ち上がり、紙
幣有無センサ−429から磁石428が離れる(オフ状
態)。そして、紙幣1の搬送が停止して、紙幣1の一部
が紙幣受取口19から飛び出した状態に保持される。し
たがって、紙幣1が完全に装置外部に出てしまうことが
ないため、自動販売機等の利用者は、紙幣1を受け取り
やすい。
【0222】また、紙幣受取口19の直前には、図53
から図56に示すように、イジェクト排出口センサ−4
44が設けられている。このセンサ−444は、紙幣1
が抜き取られたか否かを検知するセンサ−である。イジ
ェクト排出口センサ−444は、透過型の光式センサ−
で、発光素子と受光素子の一対の素子から成っている。
紙幣1が、発光素子と受光素子の間に入ると光が遮断さ
れ、それによって紙幣1の存在を検知できるようになっ
ている。
【0223】紙幣1が紙幣受取口19から抜き取られる
と、イジェクト排出口センサ−444がオフとなる。そ
して、紙幣1が存在しないことを知らせる信号が、第一
CPU26に送られる。これによって、イジェクトリフ
トモ−タ471が回転して、リフトベ−ス450がリジ
ェクト部400bへと上昇する。リフトベ−ス450
は、一時保留板410と、図示されていないバネで連結
されているので、リフトベ−ス450の上昇に伴い、一
時保留板410も上方に持ち上げられる。このようにし
て、紙幣イジェクト・リジェクト部400は、紙幣1の
搬送前である図36の状態に戻る。
【0224】(6)ステッピングモ−タについて
【0225】紙幣収納部21の駆動源は、紙幣搬送部1
00に設けられた識別部搬送モ−タ108と、下部に設
けられたステッピングモータ800の2個である。した
がって、紙幣識別部100から紙幣搬送部200に送ら
れた後の紙幣1の搬送およびスタッカ−300a内部か
ら紙幣受取口19まで紙幣1を搬送する動作は、1個の
ステッピングモータ800を使用して行われている。
【0226】ステッピングモータ800の回転数は、3
00〜1500ppsまで可変となっている。なお、回
転数の範囲は、この範囲に限定されるものではない。紙
幣1の迅速な入出金動作とジャム等のエラ−の発生を考
慮して、かかる範囲としている。また。装置の電源をオ
ンにした時の初期動作は、ステッピングモータ800が
正逆に回転して、紙幣搬送部200や紙幣収納室300
等の内部に配置されている各搬送ベルトが回転する動作
となっている。装置の動作に異常がないことを確認する
ためである。
【0227】また、温度計等の温度検知素子を装置内部
の所定箇所に備えることによって、外部の温度が所定の
温度以下に低下した際に、ステッピングモータ800に
電流を流すことも可能である。ステッピングモータ80
0が作動している時には、該モ−タが高温となる。した
がって、冬に外界の温度が下がっても、装置の動作に支
障が生じる危険性は少ない。
【0228】しかし、装置の動作が停止している場合に
は、装置内部の温度も外界の気温に近くなるため、装置
の動作に支障を期たす場合がある。例えば、平温時(2
0度前後)に比べて、動作が遅くなる場合、凍結して動
作しない等のごとくである。装置は、外壁で囲まれてい
るので、発熱する部材を設けることによって、このよう
なトラブルを低減することができる。
【0229】上記の発熱する部材として、例えば、温風
器等のヒ−タを装置内部に備えることも考えられる。し
かし、装置に余分な部材が多くなると、装置の小型化や
コストダウンの障害となる。
【0230】そこで、装置内の温度が低い時であって、
かつステッピングモータ800が回転していない時に
は、該モ−タ700に電流を流して、装置内部を暖める
方法を採るようになっている。このような方法を採るこ
とによって、長時間モ−タが停止しているシステムで
も、装置動作に支障を期たす危険性を低減できる。
【0231】次に、ステッピングモータ800にかかる
過負荷を検知する方法について説明する。図58は、紙
幣1がジャムを起こしそうになった際に、ステッピング
モータ800の過負荷状態を第一制御部23に伝えるシ
ステムを模式的に示す図である。第一制御部23とステ
ッピングモータ800との間のパルス伝送経路を模式的
に表した図である。紙幣搬送路200の搬送ベルト20
2等は、ステッピングモータ800の駆動を受けて、正
逆双方向に回転可能となっている。ステッピングモータ
800は、モータ本体801と、そのモータ軸802に
取り付けたエンコーダ803とから構成されている。ま
た、エンコーダ803の両面から挟む形で、透過型光セ
ンサー804が設けられている。第一制御部23は、ス
テッピングモータ800にモータパルスを入力できると
共に、エンコーダ803に取り付けた透過型光センサー
804からのエンコーダパルスを検出することができ
る。
【0232】また、ステッピングモータ800のエンコ
ーダ803と反対側には、モータ軸802にとりつけら
れたローラー805があり、ベルト806を介して紙幣
搬送部200の搬送ベルト202を駆動可能となってい
る。したがって、紙幣1が搬送中にその搬送を妨げられ
る力を受けた場合には、搬送ベルト202、ベルト80
6を介して、モータ軸802の駆動に過負荷がかかり、
エンコーダ803の回転が第一制御部23からの入力パ
ルスに対応しなくなる。そして、この過負荷状態は、透
過型光センサー804からの光信号を光電変換したエン
コーダパルスの異常として、第一制御部23に伝えられ
る。
【0233】一方、ステッピングモータ800が逆方向
に回転する際には、相の切り替えが行われ、この切り替
えから一定の搬送速度に至る定速領域までの時間は、加
速領域となる。また、停止状態から回転を開始する際も
同様に、ステッピングモータ800の回転は加速領域と
なる。この加速領域は、定速領域に比べて、ステッピン
グモータ800にかかる負荷が大きい。かかる負荷の違
いに鑑みて、加速領域と定速領域とで、異なる過負荷検
出を採用している。以下に、加速領域および定速領域に
おける各過負荷検出について説明する。
【0234】図59は、紙幣搬送時のエンコーダパルス
の一部を、時間軸を横軸にとって示した図である。
(A)は、加速領域のエンコーダパルスであり、(B)
は、定速領域のエンコーダパルスである。ステッピング
モータ800が停止状態からある方向に回転する際に
は、停止状態から相固定の領域を経て、加速領域に入
る。この加速領域において、ステッピングモータ800
にかかる負荷が過負荷でなければ、約1〜10msec
に1個のエンコーダパルスが第一制御部23に伝送され
る。
【0235】しかし、エンコーダパルスから30mse
c経過しても次のエンコーダパルスが検出されない場合
には、第一制御部23は、ステッピングモータ800に
過負荷がかかっていると判断する。この検出を、パルス
非検出という。エンコーダパルスから次のエンコーダパ
ルスまでの経過時間は、入金時と出金時とで変えずに同
じ30msecとしている。ただし、この時間を入金時
と出金時で変えても良い。
【0236】第一制御部23は、ステッピングモータ8
00に過負荷がかかっていると判断すると、ステッピン
グモータ800を停止して紙幣搬送を中止し、続いてエ
ラー処理を行う。エラー処理には、2種類の処理があ
る。入金方向への紙幣搬送の場合には、紙幣をリジェク
ト部400bに保留するリジェクト処理というエラー処
理をする。一方、出金方向への紙幣搬送の場合には、エ
ラー処理として表示部505あるいは管理者のいる機器
の表示部にエラー表示を行う。かかる2通りのエラー処
理を行うのは、次の理由からである。
【0237】本実施の形態に示す紙幣収納部21は、リ
ジェクト部400bの下にイジェクト部400aを配設
し、イジェクト部400aの下に各スタッカー300a
等を配設している。したがって、各スタッカー300a
等からイジェクト部400aに向けて出金する方向と、
リジェクト部400bに向けてリジェクト処理を行う搬
送方向とは、同じ方向となる。このため、入金方向への
搬送中に過負荷がかかった際には、逆送させてリジェク
ト処理することは可能である。しかし、出金方向への搬
送中に過負荷がかかった場合にリジェクト処理を行うこ
とは、出金を継続することに等しくなり、ジャムの危険
性が高くなる。かかる理由から、出金方向の搬送時の過
負荷の際には、エラー表示を行うのみとして、管理者を
待つこととしている。
【0238】次に、定速搬送領域における過負荷検出に
ついて、図59の(B)に基づいて説明する。定速領域
と加速領域とを比較すると、所定時間内における定速領
域のエンコーダパルスの数の方が多い。したがって、一
つ一つのエンコーダパルスの時間間隔が短い。そこで、
過負荷検出を容易にするため、所定時間内のエンコーダ
パルスの数が、所定パルス数より少ない場合に、過負荷
がかかった状態と判断するパルス数所定以下検出が採用
されている。具体的には、入金時には、10msec内
のエンコーダパルス数が7以下の場合に、第一制御部2
3はエラー処理としてリジェクト処理を行う。一方、出
金時の際には、10msec内のエンコーダパルス数が
6以下の場合に、第一制御部23は、過負荷状態と判断
してエラー処理としてのエラー表示を行う。
【0239】このように、出金時の過負荷検出条件が、
入金時のそれと比較して緩和しているは、次の理由から
である。入金時に過負荷状態となった場合には、出金方
向と同方向にリジェクト処理をするという手段がある。
これに対して、出金時に過負荷状態となった場合には、
もはや講ずる手段が無く、エラー表示を行って管理者を
待たざるを得ない。したがって、出金方向への搬送時の
過負荷検知条件を、入金時に比べて厳しくしてしまう
と、出金動作中に過負荷状態となる頻度が増し、装置の
使用不可状態を招く。したがって、出金方向の際には、
多少の過負荷状態であっても、強制的に出金動作を続行
し、できるだけ装置を使用可能な状態にしておくように
する理由からである。
【0240】(7)リジェクト動作について
【0241】次に、ジャム、重送、異券混入等が生じた
場合に行うリジェクト動作について説明する。
【0242】入金動作あるいは出金動作の途中でトラブ
ルが起きた場合は、ジャムを生じた紙幣1を取り除き易
くする機構、紙幣1をリジェクト部400bに搬送する
機構およびエラ−表示がされてからエラ−処理を行う機
構を採用することによって、対応している。これらの中
で、紙幣1をリジェクト部400bに搬送するリジェク
ト動作とは、入金の途中でジャムが起こったとき、出金
時に紙幣1が重送を起こしたときまたは出金時に異券3
が搬送されたときの3つの場合に行う動作をいう。
【0243】また、エラ−処理は、例えば、出金時にジ
ャムが生じた場合等のごとく、リジェクト部400bに
紙幣1を搬送できない場合に、管理者が人力で行う処理
をいう。
【0244】図60に、入金時に紙幣1がジャムを起こ
した場合のリジェクト動作のフロ−チャ−トを示す。以
下、該フロ−チャ−トにしたがって説明する。
【0245】紙幣1が紙幣搬送部200を移動中、どこ
かでジャムを起こした段階からリジェクト動作を開始す
る(ステップS501)。なお、ジャムの発生検知は、
次のように行われる。すなわち、第一CPU26は、紙
幣1が搬送路センサ−255から所定範囲のステップ数
で、各スタッカ−300a,300b,300cの入口
に備えたスタック入口センサ−307等まで到達しない
場合に、ジャムが発生したものと判断する。なお、ジャ
ムの危険性がある場合にも同様の動作を行う。ジャムが
起こりそうか否かは、前述のステッピングモータ800
のステップ数の以上により検知される。以下、ジャムが
発生した場合を代表して説明する。
【0246】ジャムが発生した場合には、まず、ステッ
ピングモータ800の回転が停止し、搬送ベルト202
の駆動が停止する。(ステップS502)。ここで、ジ
ャムには、紙幣1が搬送路センサ−255に検知された
ままの状態で発生するものと、同センサ−255に検知
されない位置で発生するものとがある。前者のジャム
は、紙幣1(特に、千円札)が千円札用スタッカ−30
0aの紙幣搬送口301の直前にある千円搬送ゲ−ト2
31に入る部分で発生するジャムである。
【0247】また、後者のジャムは、例えば、5千円札
あるいは1万円札がそれぞれの搬送ゲ−ト261,29
1に入る部分で発生するジャムである。かかる2通りの
ジャムによって、リジェクト動作が異なるため、第一C
PU26は、まず、搬送路センサ−255が紙幣1に反
射した光を受光して、オンになっているかを判断する
(ステップS503)。
【0248】その結果、搬送路センサ−255がオンに
なっている場合には、第一CPU26は、紙幣搬送部2
00に信号を送りステッピングモータ800を回転させ
る。これによって、搬送ベルト202が出金方向に駆動
する(ステップS504)。駆動は予め設定してあるス
テップ数だけ可能であるが、この実施の形態では、最大
200ステップまで駆動できるようになっている。
【0249】搬送ベルト202を出金方向に駆動した結
果、第一CPU26は、紙幣1が搬送路センサ−255
を通過して、同センサ−255がオフになったか否かを
判断する(ステップS505)。
【0250】その結果、搬送路センサ−255がオフに
なっていない場合には、搬送ベルト202を出金方向に
駆動することによっては、ジャムを解消することはでき
ない。そのため、エラ−処理を要するようになる(ステ
ップS506)。一方、搬送路センサ−255がオフと
なった場合には、第一CPU26からの信号によって、
ステッピングモータ800が停止する(ステップS50
7)。
【0251】この段階では、紙幣イジェクト・リジェク
ト部400の紙幣搬送口402の直前にあるイジェクト
搬送ゲ−ト226のゲ−ト外面に紙幣1が存在する。そ
のため、この状態からは直接、紙幣1をリジェクト部4
00bに搬送できない。そこで、まず、第一CPU26
は、開いている搬送ゲ−トを閉じるために、搬送ゲ−ト
ソレノイド(通常の場合、千円ゲ−トソレノイド23
2)をオフにする(ステップS508)。
【0252】次に、ステッピングモータ800を入金方
向に回転させて、搬送ベルト202を入金方向に駆動す
る(ステップS509)。かかる駆動は、予め設定した
ステップ数だけ可能であるが、この実施の形態では、最
大300ステップまで駆動できるようにしている。搬送
ベルト202を所定のステップ数だけ入金方向に駆動し
ている最中に、第一CPU26は、紙幣1の後端が搬送
路センサ−255を通過してオフになったか否を判断す
る(ステップS510)。
【0253】その結果、紙幣1の後端が、搬送路センサ
−255を通過せずに、該センサ−255がオンのまま
であれば、エラ−処理を要することになる(ステップS
511)。一方、搬送路センサ−255がオフになれ
ば、紙幣1がイジェクト搬送ゲ−ト226を通過してい
ることになる。第一CPU26は、イジェクトゲ−トソ
レノイド227をオンにして、イジェクト搬送ゲ−ト2
26を開く(ステップS512)。
【0254】次に、第一CPU26は、紙幣イジェクト
・リジェクト部400に信号を送り、イジェクトリフト
モ−タ471を回転させる。リジェクト部400bに待
機していたリフトベ−ス450が下方に移動し、ジャム
を起こした紙幣1を受け入れる体制となる(ステップS
513)。
【0255】次に、第一CPU26は、ステッピングモ
ータ800を回転させる。これによって、搬送ベルト2
02が出金方向に駆動される(ステップS514)。ジ
ャムを起こした紙幣1は、紙幣イジェクト・リジェクト
部400のイジェクト搬送ゲ−ト226からリフトベ−
ス450の上に搬送される。この際、イジェクト入口セ
ンサ−403によって、紙幣1の通過が確認される(ス
テップS515)。
【0256】この後、イジェクトリフトモ−タ471が
回転して、リフトベ−ス450がリジェクト部400b
へ上昇する。リフトベ−ス450は、回動式ア−ム48
5を押し上げて、押さえ板488と異券3を積載した状
態で、リジェクト部400bに停止する(ステップS5
16)。以上の動作によって、千円搬送ゲ−ト231の
近傍でジャムを起こした紙幣1のリジェクト動作が終了
する(ステップS517)。
【0257】一方、5千円札または1万円札が、各搬送
ゲ−ト261,291の近傍でジャムを起こした場合に
は、千円札がジャムを起こした場合より単純な動作とな
る。それは、ジャムの際に、紙幣1がイジェクト搬送ゲ
−ト226の部分になく、該ゲ−ト226の開き動作の
邪魔にならないからである。具体的には、ステップS5
03において、搬送路センサ−255がオフになってい
ると、上記のステップS512以降の動作に入る。
【0258】以上のように、入金時にジャムが生じたと
き、単に、エラ−表示をさせるのではなく、リジェクト
部400bに紙幣1を搬送するようにしている。これ
は、入金方向にジャムが生じたとき、反対方向に駆動す
ると解消する可能性が高いためと、その処理によって装
置の保守労力を減少できるためである。なお、再入金処
理を行わせるのではなく、リジェクト処理させるのは、
紙幣1が傷んでいることによって、再度のジャムが発生
する危険性があるからである。
【0259】図61に、重送した場合あるいは異券3が
出金された場合におけるリジェクト動作のフロ−チャ−
トを示す。以下、このフロ−チャ−トにしたがって説明
する。
【0260】2枚目の紙幣1が、1枚目の紙幣1と密着
した状態で各スタッカ−300a,300b,300c
から搬出される、いわゆる重送が起こる場合がある。紙
幣1は、スタック入口センサ−307を通過している最
中に、同センサ−307によって、紙幣1の長さと光透
過パタ−ンを検知する。
【0261】第一CPU26は、紙幣1の長さと光透過
パタ−ンから、紙幣1が重送していないか、あるいは異
券3でないかを判断する。通常、重送した場合は、紙幣
1の長さが所定の長さより長くなるため、紙幣1の長さ
のみの識別で足りる。
【0262】しかし、ほとんど重なった状態の紙幣1で
あれば、1枚の紙幣1の長さとほぼ同じであり重送を検
知することが困難となる。そこで、光透過パタ−ンを測
定することによって、紙幣1の重送を判断している。重
送、あるいは異券3の搬送が行われると、第一CPU2
6は、以下の動作を開始する(ステップS601)。
【0263】重送した紙幣1または異券3が搬送された
と判断した場合には、まず、イジェクト入口センサ−4
03の近傍に、紙幣1が存在しているかを確認する(ス
テップS602)。そして、複数枚の紙幣1を出金して
いる際、先に進行中の紙幣1が、イジェクト入口センサ
−403の近傍に存在している場合には、該紙幣1がイ
ジェクト入口センサ−403を通過するまで、搬送ベル
ト202の駆動を継続する(ステップS603)。
【0264】一方、イジェクト入口センサ−403の近
傍に紙幣1がない場合には、ステッピングモータ800
を停止する。この際、スタック紙幣ブレ−キソレノイド
はオンのままとし、スタッカ−300aは次の紙幣1の
出金を停止した状態となっている(ステップS60
4)。
【0265】次に、第一CPU26は、イジェクトリフ
トモ−タ471を回転させる。その結果、リジェクト部
400bに待機していたリフトベ−ス450が下方に移
動して重送した紙幣1や異券3を受け入れる体制となる
(ステップS605)。
【0266】その後、第一CPU26は、ステッピング
モータ800を回転させる(ステップS606)。これ
によって、搬送ベルト202が出金方向に駆動し、搬送
ベルト202上の重送した紙幣1や異券3が、リフトベ
−ス450の上に搬送される。
【0267】次に、紙幣搬送口402に設けたイジェク
ト入口センサ−403によって、重送した紙幣1または
異券3の通過が確認される(ステップS607)。そし
て、イジェクトリフトモ−タ471が回転して、リフト
ベ−ス450がリジェクト部400bへ上昇する。リフ
トベ−ス450は、押さえ板488と重送した紙幣1ま
たは異券3を積載した状態で、リジェクト部400bに
停止する。なお、重送した紙幣1等が確認されなけれ
ば、エラ−処理を要することとなる(ステップS60
8)。
【0268】一方、搬送ベルト202の駆動は、予め設
定したステップ数だけ移動できるようになっている。こ
の実施の形態では、最大1000ステップの設定が可能
である。ステッピングモータ800は、設定したステッ
プ数だけ回転し、重送した紙幣1等が、まだスタック入
口センサ−307あるいは搬送路センサ−255に検知
される位置にあるか否かの確認動作が行われる(ステッ
プS609)。
【0269】確認の結果、重送した紙幣1が上記各セン
サ−307,255に検知される位置にある場合には、
エラ−処理を要することとなる(ステップS610)。
一方、重送した紙幣1等が検知されず、重送した全ての
紙幣1がリフトベ−ス450に載置された場合には、イ
ジェクトリフトモ−タ471によるリフトベ−ス450
の上動作が行われる(ステップS611)。続いて、ス
タック紙幣ブレ−キソレノイドがオフとなり、重送防止
機構が解除される(ステップS612)。
【0270】次に、ステッピングモータ800が入金方
向に回転して、再度の重送が生じないように、前述のい
わゆる紙幣の整頓動作が行われる(ステップS61
3)。引き続いて、次の紙幣1の出金動作に入る(ステ
ップS614)。かかる一連の動作によって、リジェク
ト動作が終了する(ステップS615)。
【0271】次に、出金時において、ジャムが生じた場
合の動作について説明する。以下、図62のフロ−チャ
−トにしたがって説明する。
【0272】まず、第一CPU26は、紙幣1の搬送中
にジャムが発生したことを、前述のように、各センサ−
307,255間のステップ数によって検知する(ステ
ップS701)。そして、第一CPU26は、ステッピ
ングモータ800の回転を停止させる。その結果、搬送
ベルト202の駆動が停止する(ステップS702)。
【0273】各搬送ゲ−トソレノイド232,262は
オンのまま維持される(ステップS703)。各搬送ゲ
−ト231,261の近傍でジャムを起こしている場合
に、各搬送ゲ−ト231,261を閉めると、紙幣1の
破損につながるからである。また、ジャムを起こした紙
幣1の除去作業ができないからである。
【0274】なお、出金時のジャムについては、リジェ
クト部400bへの搬送を行わず、エラ−処理を要する
こととなる(ステップS704)。これによって、紙幣
処理装置の管理者は、搬送路ドア部201を開けて、紙
幣1の除去を行うことになる。かかる動作によって、出
金時のジャムに対するリジェクト動作が終了する(ステ
ップS705)。
【0275】(8)カード券搬出部の構成について カード券搬出部22は、紙幣収納部21と同一の構成と
なっており、前述の紙幣搬送部200、紙幣収納室30
0および紙幣イジェクト・リジェクト部400は、それ
ぞれカード券搬送部500、カード券収納室600およ
びカード券イジェクト・リジェクト部700に相当す
る。カード券搬出部22にも、紙幣収納部21にあるス
テッピングモータ800と同じステッピングモータが備
えられている。
【0276】また、カード券2を挿入して紙幣1に換金
する仕様とするときには、紙幣収納部21にカード券2
を収納して、カード券搬出部22に紙幣1を収納する。
すなわち、紙幣収納室300がカード券収納室となり、
カード券搬出室600が紙幣搬出室になる。カード券2
と紙幣1の長さ方向の違いは、エンドストッパー334
の種類を変えることにより対応し、券種の違いによる識
別方法は、第三制御部に、カード券2の種類および真偽
を識別可能なデータをインプットさせることにより対応
する。
【0277】なお、上記の実施の形態は、本発明の一実
施の形態に過ぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、
種々の形態を採用できる。例えば、カード券搬出部22
は、収納も可能な紙幣収納部21と同一構造のものとせ
ずに、カード券2の搬出しかできない構造のものであっ
ても良い。また、紙幣収納部21を制御する第一制御部
23とカード券搬出部22を制御する第二制御部24と
を一つの制御部として、紙幣収納部21とカード券搬出
部22の双方を制御できるものとしても良い。さらに、
紙幣収納部21は、両替のみならず逆両替も可能な構成
であるが、逆両替のみ行う装置であっても良い。
【0278】また、一回の入金動作で、カード券2を複
数枚一括購入できるようにしても良い。また、紙幣収納
部21は、両替や逆両替を種々のパターンで実施できる
ように選択可能な構成としても良い。たとえば、千円札
10枚を入金して逆両替ボタンを押した場合には、1万
円1枚が払い出されるだけでなく、選択によって5千円
札2枚を払い出すようにしても良い。さらに、1万円札
1枚を入金して両替ボタンを押した場合には、5千札1
枚と千円札5枚に両替できるだけではなく、選択によっ
て5千円札2枚あるいは千円札10枚を払い出すことが
できるようにしても良い。これは、カード券2およびそ
の他の商品購入後の釣り銭を受け取る際も同様である。
例えば、1万円札を入金して1000円カード券を購入
した後に受け取るお釣りとして、5千円札1枚と千円札
4枚のみならず、選択によって千円札9枚を受け取るこ
とができるようにしても良い。
【0279】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、紙幣処理
装置は少なくとも逆両替動作を行わせる第一制御部を備
えているので、顧客は多くの紙幣を持たずに財布を軽く
することができる。特に、遊技終了後に過剰に両替した
紙幣を、より高額紙幣に両替するサービスを提供でき
る。
【0280】また、請求項2記載の発明によれば、第一
制御部は、逆両替動作において最少枚数となるように紙
幣を搬出するようにしているので、上記のサービスをよ
り充実させることができる。
【0281】また、請求項3記載の発明によれば、紙幣
収納部の紙幣収納室に、2枚目の紙幣の上から押さえて
重送を防止する重送防止手段と、1枚目の紙幣と搬送手
段との接触を少なくするために、搬送手段から分離させ
る分離手段とを備えている。このため、重送が生じる危
険性が低くなり、高額紙幣を出金させる機能を備えても
損害が大きくなる事態を防止できる。
【0282】また、請求項4記載の発明によれば、カー
ド券を搬出可能なカード券搬出室を少なくとも1個備え
たカード券搬出部と、紙幣を券種毎に搬入および搬出可
能な紙幣収納室を複数有する紙幣収納部と、紙幣の搬入
によって、カード券搬出部から所定のカード券を搬出さ
せると共に、必要に応じて釣り銭として紙幣収納部から
紙幣を搬出させる第二制御部とを備えている。したがっ
て、カード券搬出部と紙幣収納部を備えるだけで、釣り
銭として紙幣を搬出させるための構成部を特別備えるこ
となく、紙幣のカード券購入動作が可能となる。このた
め、装置の小型化とコスト低減が可能である。
【0283】また、請求項5記載の発明によれば、第二
制御部を、カード券を搬出させる動作と、搬入された高
額紙幣の金額に相当する低額紙幣を搬出させる両替動作
および搬入された低額紙幣の金額に相当する高額紙幣を
搬出させる逆両替動作の内少なくともいずれか一方の動
作の内、選択によって一つの動作を行わせるようにして
いる。このため、両替あるいは逆両替と、カード券購入
とを一台の装置によって行うことができる。したがっ
て、カード券の購入と両替とを一カ所で行うことがで
き、サービスに優れたものとなる。
【0284】また、請求項6記載の発明によれば、カー
ド券を搬入可能なカード券収納室を少なくとも1個備え
たカード券収納部と、紙幣を搬出可能な紙幣搬出室を少
なくとも1個備えた紙幣搬出部と、カード券の搬入によ
って、紙幣搬出部から所定金額相当の紙幣を搬出させる
第三制御部とを備えるようにしている。このため、カー
ド券から紙幣への取り替えが可能となる。したがって、
換金サービスに優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る紙幣処理装置の外観を示す斜視
図である。
【図2】 図1に示す紙幣処理装置の正面図である。
【図3】 図2に示す紙幣処理装置の内部構成図であ
る。
【図4】 図3に示す紙幣処理装置の左側面からみた内
部構成図である。
【図5】 図3に示す紙幣処理装置に内設された紙幣収
納部とカード券搬出部とを抜き出して、紙幣およびカー
ド券の流れを模式的に示す図である。
【図6】 図3に示す紙幣収納部の内部構成を示すブロ
ック図である。
【図7】 図3に示すカード券搬出部の内部構成を示
すブロック図である。
【図8】 図3に示す紙幣収納部およびカード券搬出部
の内部構造を詳細に示す図である。
【図9】 図1に示す紙幣処理装置の制御の構成を示す
ブロック図である。
【図10】図1に示す紙幣処理装置における両替動作の
手順を示すフローチャートである。
【図11】図1に示す紙幣処理装置における逆両替動作
の手順を示すフローチャートである。
【図12】図1に示す紙幣処理装置におけるカード券購
入動作の手順を示すフローチャートである。
【図13】図1に示す紙幣処理装置における換金動作の
手順を示すフローチャートである。
【図14】図8に示す紙幣収納部の紙幣識別部の側面図
で、主要部品を一部重ね合わせて示した図である。
【図15】図14の紙幣識別部から蓋部分を取り除いた
状態の平面図で、主要部品の一部を重ね合わせて示す図
である。
【図16】図8の紙幣収納部の紙幣搬送部を示す図であ
り、搬送路ドア部を開いた状態の斜視図である。
【図17】図8の紙幣収納部の紙幣搬送部の主要部品を
示す側面図で、主要部品を一部を重ね合わせて示す図で
ある。
【図18】図8の紙幣収納部の紙幣搬送部を紙幣挿入口
と反対方向からみた詳細構成を示す図で、主要部品の一
部を重ね合わせて示す図である。
【図19】図8の紙幣収納部の搬送ゲ−ト部分を、紙幣
識別部の方向から見た斜視図である。
【図20】図8の紙幣収納部の紙幣収納室を構成する千
円札用スタッカ−を示す斜視図である。
【図21】図20に示される千円札用スタッカ−に備え
られたスタック入口センサ−とその周辺を示す要部側面
図である。
【図22】図20の千円札用スタッカ−の搬送機構部を
外した状態の斜視図である。
【図23】図20の千円札用スタッカ−の出口に備えら
れたロ−ラ−ガイドおよびその周辺を示す図である。
【図24】図20の千円札用スタッカ−の入金待機状態
の側面図で、主要部品の一部を重ねて示す図である。
【図25】図24の千円札用スタッカ−を装置の上方か
らみた平面図で、主要部品の一部を重ねて示す図であ
る。
【図26】図20の千円札用スタッカ−から紙幣が搬出
される際の状態を、紙幣搬送口の方向からみた図であ
る。
【図27】図20の千円札用スタッカ−の出金直前の状
態を示す側面図で、主要部品の一部を重ねて示す図であ
る。
【図28】図27のプッシャ−プレ−トとそれを上方に
付勢するプッシャ−スプリングを抜き出して示す図であ
る。
【図29】図27のプッシャ−プレ−トの一部を構成す
る可動式プッシャ−プレ−トの揺動動作を示す図であ
る。(A)は、収納されている紙幣の右側の厚みaと左
側の厚みbが、ほぼ等しい状態を示す。(B)は、収納
されている紙幣の右側の厚みaが、左側の厚みbより薄
い状態を示す。(C)は、収納されている紙幣の右側の
厚みaが、左側の厚みbより厚い状態を示す。
【図30】図20の千円札用スタッカ−から紙幣が出金
される直前の状態を示す側面図である。
【図31】図24および図30の、千円札用スタッカ−
のストッパ−部材であるエンドストッパ−とその周辺部
分を示した図である。(A)は、入金待機状態を示す。
(B)は、出金時の状態を示す。
【図32】図24の千円札用スタッカ−を紙幣搬送口と
反対方向からみた図で、主要部品の一部を重ね合わせて
示す図である。
【図33】図30の千円札用スタッカ−を紙幣搬送口と
反対方向からみた図で、主要部品の一部を重ね合わせて
示す図である。
【図34】図27の千円札用スタッカ−の重送防止機構
が働いている状態を示す図で、主要部品の一部を重ね合
わせて示す図である。
【図35】図8の紙幣収納部の紙幣イジェクト・リジェ
クト部の斜視図である。
【図36】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の側
面図で、主要部品の一部を重ね合わせて示す図である。
【図37】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の紙
幣搬送口に設けられたイジェクト下ロ−ラ−とその周辺
部材を示した斜視図である。
【図38】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の紙
幣搬送口に紙幣が搬入されている状態を、紙幣搬送口の
方向からみた図である。
【図39】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の出
金前における、一時保留板と紙幣出金駆動部の状態を示
した斜視図である。
【図40】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の出
金直前に、一時保留部と紙幣出金駆動部とが重なった状
態を示す斜視図である。
【図41】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の一
部である紙幣出金駆動部の構造を示した斜視図である。
【図42】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の回
動式ア−ムとリフトベ−スを抜き出して示した分解斜視
図である。Aは、回動板が回動可能な方向を示す。B
は、回動式ア−ムが水平状態を保持している位置を示
す。Cは、回動式ア−ムが、下方からのリフトベ−スの
上昇によって上方に回動した位置である。
【図43】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部のリ
フトベ−スが、リジェクト部に上昇する際に、回動式ア
−ムと回動板の動きを、紙幣受取口の方向とその左側面
方向からみた図である。(A)は、リフトベ−スがイジ
ェクト部から上方に移動する前の状態を示す。(B)
は、リフトベ−スがリジェクト部に向かって上昇し、回
動板が回動式ア−ムを上方に回動させている状態を示
す。(C)は、リフトベ−スが、リジェクト部への移動
を完了した状態を示す。
【図44】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部のリ
フトベ−スを、紙幣収納部の下方からみた底面図であ
る。
【図45】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の出
金直前における、リフトベ−スと紙幣出金駆動部の各ロ
−ラ−によって紙幣を挟んだ状態を模式的に示す側面図
である。
【図46】図45に示すリフトベ−スの内部構造を、紙
幣受取口の方向からみた図である。
【図47】図46に示すロ−ラとその周辺部分の拡大図
である。
【図48】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部のリ
フトベ−ス上に異券が搬送された際の、紙幣イジェクト
・リジェクト部の側面図で、主要部品の一部を重ね合わ
せて示す図である。
【図49】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の押
さえ板と、これと係合する溝を示す斜視図である
【図50】図49の押さえ板を装置上部からみた平面図
である。
【図51】図49の押さえ板を紙幣受取口の方向(図中
のA方向)からみた側面図である。
【図52】図36の紙幣イジェクト・リジェクト部を、
紙幣受取口の方向からみた図で、主要部品の一部を重ね
合わせて示す図である。
【図53】図48の紙幣イジェクト・リジェクト部を、
紙幣受取口の方向からみた図で、主要部品の一部を重ね
合わせて示す図である。
【図54】図53の紙幣イジェクト・リジェクト部の側
面図で、主要部品の一部を重ね合わせて示す図である。
【図55】図35の紙幣イジェクト・リジェクト部の、
出金直前の状態を示す側面図で、主要部品の一部を重ね
合わせて示す図である。
【図56】図55の紙幣イジェクト・リジェクト部を紙
幣受取口の方向からみた図で、主要部品の一部を重ね合
わせて示す図である。
【図57】図55の紙幣イジェクト・リジェクト部の、
紙幣検知プレ−トの動作の変化を透過的に示す図であ
る。(A)は、一時保留板上にある紙幣を出金する直前
の状態の紙幣検知プレ−トとその周辺の状態を示す。
(B)は、一時保留板上にある紙幣が出金方向に移動し
て、紙幣検知プレ−トが上方に立ち上がった状態を示
す。
【図58】紙幣がジャムを起こしそうになった際に、ス
テッピングモータにかかる過負荷が第一制御部に検知さ
れる経路を、模式的に示す図である。
【図59】第一制御部が検出したエンコーダパルスを、
時間軸を横軸にして示す図である。(A)は、加速領域
のエンコーダパルスを。(B)は、定速領域のエンコー
ダパルスを示す。
【図60】図8の紙幣収納部への入金時に、紙幣がジャ
ムを起こした場合のリジェクト動作のフロ−チャ−トを
示す。
【図61】図8の紙幣収納部からの出金時に、重送した
場合あるいは異券が搬送された場合におけるリジェクト
動作のフロ−チャ−トを示す。
【図62】図8の紙幣収納部からの出金時に、紙幣がジ
ャムを起こした場合の動作のフロ−チャ−トを示す。
【図63】従来の紙幣処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
18 紙幣挿入口(カード券挿入口を兼ねる) 19 紙幣受取口 20 カード券受取口(紙幣受取口を兼ねる) 21 紙幣収納部(カード券収納部を兼ねる) 22 カード券搬出部(紙幣搬出部を兼ねる) 23 第一制御部(第三制御部を兼ねる) 24 第二制御部 300a 千円札用スタッカー(紙幣収納室、カード
券収納室を兼ねる) 300b 5千円札用スタッカー(紙幣収納室、カー
ド券収納室を兼ねる) 300c 1万円札用スタッカー(紙幣収納室、カー
ド券収納室を兼ねる) 302 スタック入口上ローラー(挟持手段) 303 スタック入口下ローラー(挟持手段) 304 搬送ベルト(搬送手段) 312 搬送ベルト(搬送手段) 350 ブレーキアーム(重送防止手段) 353 ローラーアーム(分離手段) 400a イジェクト部 400b リジェクト部 600a 1000円カード券スタッカー(カード券
収納室、紙幣搬出室を兼ねる) 600b 3000円カード券スタッカー(カード券
収納室、紙幣搬出室を兼ねる)
フロントページの続き Fターム(参考) 3E001 BA02 BA05 CA03 CA07 CA10 DA12 DA20 3E040 AA01 AA03 BA07 BA13 BA20 EA10 FD05 3E044 AA01 AA09 AA20 DE06 FA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙幣を券種毎に搬入および搬出可能な紙
    幣収納室を複数有する紙幣収納部と、 搬入された高額紙幣の金額に相当する低額紙幣を搬出さ
    せる両替動作および搬入された低額紙幣の金額に相当す
    る高額紙幣を搬出させる逆両替動作のうち、少なくとも
    逆両替動作を行わせる第一制御部と、を備えることを特
    徴とする紙幣処理装置。
  2. 【請求項2】 前記第一制御部は、前記逆両替動作にお
    いて最少枚数となるように紙幣を搬出することを特徴と
    する請求項1記載の紙幣処理装置。
  3. 【請求項3】 前記紙幣収納室は、紙幣を積層して収納
    すると共に、その収納されている紙幣の最表面の紙幣に
    接触して、上記紙幣収納室の外部に紙幣を搬送する搬送
    手段とを備え、上記最表面の紙幣が紙幣収納室の出口に
    備えた挟持手段と上記搬送手段との間に挟持される位置
    まで紙幣収納室の外部方向に搬出された際に、上記最表
    面の紙幣の次にある二枚目の紙幣の表面を押さえて重送
    を防止する重送防止手段と、その重送防止手段が二枚目
    の紙幣に接する位置と上記挟持手段の位置との間におい
    て、二枚目の紙幣と上記搬送手段とを離す分離手段とを
    備えることを特徴とする請求項1または2記載の紙幣処
    理装置。
  4. 【請求項4】 カード券を搬出可能なカード券搬出室を
    少なくとも1個備えたカード券搬出部と、 紙幣を券種毎に搬入および搬出可能な紙幣収納室を複数
    有する紙幣収納部と、 紙幣の搬入によって、上記カード券搬出部から所定のカ
    ード券を搬出させると共に、必要に応じて、釣り銭とし
    て上記紙幣収納部から紙幣を搬出させる第二制御部と、
    を備えることを特徴とする紙幣処理装置。
  5. 【請求項5】 前記第二制御部は、カード券を搬出させ
    る動作と、搬入された高額紙幣の金額に相当する低額紙
    幣を搬出させる両替動作および搬入された低額紙幣の金
    額に相当する高額紙幣を搬出させる逆両替動作のうち少
    なくともいずれか一方の動作の内、選択によって一つの
    動作を行わせることを特徴とする請求項4記載の紙幣処
    理装置。
  6. 【請求項6】 カード券を搬入可能なカード券収納室を
    少なくとも1個備えたカード券収納部と、 紙幣を搬出可能な紙幣搬出室を少なくとも1個備えた紙
    幣搬出部と、 カード券の搬入によって、上記紙幣搬出部から所定金額
    相当の紙幣を搬出させる第三制御部と、を備えることを
    特徴とする紙幣処理装置。
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