WO2010013517A1

WO2010013517A1 - 金銭処理装置

Info

Publication number: WO2010013517A1
Application number: PCT/JP2009/056660
Authority: WO
Inventors: 信行新妻; 篤池本; 優太宮坂
Original assignee: 富士電機リテイルシステムズ株式会社
Priority date: 2008-07-31
Filing date: 2009-03-31
Publication date: 2010-02-04

Abstract

　包装硬貨を用いた両替を容易に、かつ厳正に実施するため、装置本体に対して開放した場合に包装硬貨の出し入れが可能となる包装硬貨収納庫と、包装硬貨収納庫において包装硬貨の有無を検出する包装硬貨鑑別センサと、係合状態となった場合に装置本体に対して包装硬貨収納庫を閉塞した状態に保持する係合手段とを備え、制御手段は、モード切替操作が入力された場合、投入口を介した貨幣の投入に伴って係合手段を解除し、かつ包装硬貨鑑別センサを通じて包装硬貨収納庫を監視し、投入口を介して投入された貨幣の入金額と包装硬貨収納庫から取り出された包装硬貨の出金額とが不一致の状態にある場合に係合手段を無効化する。

Description

金銭処理装置

　本発明は、ＰＯＳ（Ｐｏｉｎｔ　Ｏｆ　Ｓａｌｅｓ）レジスタ等の外部機器に接続され、投入口を介して貨幣が投入された場合にこれを鑑別して本体収納庫に収納する一方、外部機器から出金指令が与えられた場合にはこの出金指令に該当する金額の貨幣を本体収納庫から出金口を介して装置本体の外部に払い出す制御手段を備えた金銭処理装置に関するもので、特に、予め設定した複数枚の硬貨を定形に包装して成る包装硬貨を取り扱うことのできる金銭処理装置に関する。

　この種の従来技術としては、例えば特許文献１に記載のものが既に提供されている。この金銭処理装置は、ＰＯＳレジスタに釣銭機として接続されたものである。通常において金銭処理装置は、買い物客から受け取った貨幣を投入口から投入した場合、これを鑑別して本体収納庫に収納する一方、ＰＯＳレジスタからの出金指令に従って本体収納庫から出金口を介して釣銭となる貨幣の払い出しを行う。

　また、この金銭処理装置には、包装硬貨を収納するための包装硬貨収納庫が設けられている。この包装硬貨収納庫は、装置本体に対して開閉可能に設けられたもので、利用者によって所定の指令が与えられた場合に装置本体から引き出され、その内部に包装硬貨を収納することが可能となる。

　包装硬貨を収納した後に、包装硬貨収納庫を装置本体に対して閉塞させると、金銭処理装置は、新たに収納された包装硬貨の金種及び本数を検出し、この包装硬貨の入金額と等価となる貨幣を本体収納庫から出金口を介して払い出す。

　また、他の従来技術としては、例えば特許文献２に記載のものが既に提供されている。この金銭処理装置は、ＰＯＳレジスタに釣銭機として接続されたものである。通常において金銭処理装置は、買い物客から受け取った貨幣を投入した場合、これを鑑別して収納庫に収納する一方、ＰＯＳレジスタからの出金指令に従って収納庫から釣銭となる貨幣の払い出しを行う。

　また、この金銭処理装置では、動作モードを切り替えることにより、順両替処理及び逆両替処理を実施することができる。順両替処理では、高額金種から低額金種への等価払い出しを行い、逆両替処理では、低額金種から高額金種への等価払い出しを行う。

特開２００７－２３３９２０号公報特開２００５－４３４６号公報

　ところで、スーパーマーケット等の比較的規模の大きい店舗においては、複数台のＰＯＳレジスタが隣接して設けられている場合が多々ある。このような状況下では、一方のＰＯＳレジスタに接続された金銭処理装置において払い出すべき釣銭が不足した場合、他方のＰＯＳレジスタに接続された金銭処理装置との間で適宜両替を行っているのが実情である。

　こうしたＰＯＳレジスタに接続された金銭処理装置相互間の両替においてもこれを厳正に行うことが、収支を管理する上でも好ましいのはいうまでもない。しかしながら、包装硬貨を用いた金銭処理装置相互間の両替は、人手を介した操作となるため、上述した金銭処理装置を適用した場合であってもミスが発生しないとはいえない。特に、包装硬貨収納庫から包装硬貨を取り出す操作が必要となる両替操作においては、計算間違いや記憶違い等の要因により、包装硬貨の取り出し本数にミスが発生し易く、収支が合わない事態を招来する恐れが高い。

　尚、上述した問題は、ＰＯＳレジスタに接続した金銭処理装置相互間の両替に限らず、包装硬貨を用いた両替には同様に起こり得るものである。

　一方、特許文献２に記載された金銭処理装置では、投入された貨幣の数に応じて順両替処理と逆両替処理とを切り替えるようにしている。すなわち、投入貨幣が単数であった場合には、順両替処理が選択され、投入貨幣よりも低額金種の貨幣が複数枚払い出されることになる。これに対して投入貨幣が複数であった場合には、逆両替処理が選択され、投入貨幣よりも高額金種の貨幣が払い出される。

　こうした金銭処理装置にあっては、１０００円紙幣１枚を１００円硬貨１０枚に交換する場合、単に１０００円紙幣を投入すれば良い。しかしながら、例えば１０００円紙幣５枚をそれぞれ１００円硬貨に交換する場合、１枚目に投入した１０００円紙幣の順両替処理が終了した時点で２枚目の１０００円紙幣を投入し、次いで２枚目に投入した１０００円紙幣の順両替処理が終了した時点で３枚目の１０００円紙幣を投入し…という操作を５回繰り返さなければならず、必ずしも効率が良いとはいえない。しかも、上述した仕組みを知らずに１０００円紙幣５枚を続けて投入した場合には、金銭処理装置から意図せぬ５０００円紙幣が１枚だけ払い出される結果となり、利用者に不信感や煩雑感を与える恐れがある。

　本発明は、上記実情に鑑みて、包装硬貨を用いた両替を容易に、かつ厳正に実施し得る金銭処理装置を提供することを第１の目的とする。

　また本発明は、上記実情に鑑みて、効率良く両替処理を実施することのできる金銭処理装置を提供することを第２の目的とする。

　上記第１の目的を達成するため、本発明の請求項１に係る金銭処理装置は、装置本体の内部に本体収納庫を有し、投入口を介して貨幣が投入された場合にこれを鑑別して本体収納庫に収納する一方、出金指令が与えられた場合にはこの出金指令に該当する金額の貨幣を本体収納庫から出金口を介して装置本体の外部に払い出す制御手段を備えた金銭処理装置において、予め設定した複数枚の硬貨を定形に包装して成る包装硬貨を収納対象とし、装置本体に対して開閉可能、かつ前記装置本体に対して開放した場合に包装硬貨の出し入れが可能となる包装硬貨収納庫と、前記包装硬貨収納庫において包装硬貨の有無を検出する包装硬貨検出手段と、有効化した状態で前記装置本体に対して包装硬貨収納庫を閉塞した場合に係合可能となり、係合状態となった場合に前記装置本体に対して前記包装硬貨収納庫を閉塞した状態に保持する係合手段とを備え、前記制御手段は、所定の単体動作指令が与えられた場合、前記投入口を介した貨幣の投入に伴って前記係合手段による装置本体と包装硬貨収納庫との係合状態を解除し、かつ前記包装硬貨検出手段を通じて前記包装硬貨収納庫を監視し、前記投入口を介して投入された貨幣の入金額と前記包装硬貨収納庫から取り出された包装硬貨の出金額とが不一致の状態にある場合にこれを外部に報知することを特徴とする。

　また、本発明の請求項２に係る金銭処理装置は、装置本体の内部に本体収納庫を有し、投入口を介して貨幣が投入された場合にこれを鑑別して本体収納庫に収納する一方、出金指令が与えられた場合にはこの出金指令に該当する金額の貨幣を本体収納庫から出金口を介して装置本体の外部に払い出す制御手段を備えた金銭処理装置において、予め設定した複数枚の硬貨を定形に包装して成る包装硬貨を収納対象とし、装置本体に対して開閉可能、かつ前記装置本体に対して開放した場合に包装硬貨の出し入れが可能となる包装硬貨収納庫と、前記包装硬貨収納庫において包装硬貨の有無を検出する包装硬貨検出手段と、有効化した状態で前記装置本体に対して包装硬貨収納庫を閉塞した場合に係合可能となり、係合状態となった場合に前記装置本体に対して前記包装硬貨収納庫を閉塞した状態に保持する係合手段と、前記制御手段からの表示指令に従って外部表示を行う表示手段と、前記制御手段に対して選択指令を与える選択入力手段とを備え、前記制御手段は、所定の単体動作指令が与えられた場合、包装硬貨と包装硬貨との等価払い出しを行う包装硬貨両替処理を選択するための選択情報を前記表示手段に表示し、前記選択入力手段を介して包装硬貨両替処理が選択された場合、前記係合手段による装置本体と包装硬貨収納庫との係合状態を解除し、かつ前記包装硬貨検出手段を通じて前記包装硬貨収納庫を監視し、さらに前記包装硬貨収納庫が閉塞された時点で開放時点からの包装硬貨の入金額及び出金額を算出し、これら入金額と出金額とが不一致の状態にある場合にこれを外部に報知することを特徴とする。

　また、本発明の請求項３に係る金銭処理装置は、上述した請求項１または請求項２において、前記制御手段は、前記入金額と前記出金額とが不一致の状態にある場合、前記係合手段を無効化することによってこれを報知することを特徴とする。

　また、本発明の請求項４に係る金銭処理装置は、上述した請求項３において、前記装置本体と前記包装硬貨収納庫との間に介在し、前記係合手段による装置本体と包装硬貨収納庫との係合状態が解除されている場合に、前記装置本体に対して前記包装硬貨収納庫を押圧することにより該包装硬貨収納庫を開放した状態に保持する押圧手段を備えることを特徴とする。

　また、本発明の請求項５に係る金銭処理装置は、上述した請求項１または請求項２において、前記制御手段からの出力指令に応じて外部に出力を行う出力手段を備え、前記制御手段は、前記入金額と前記出金額とが不一致の状態にある場合、前記出力手段から出力を行うことによってこれを報知することを特徴とする。

　また、本発明の請求項６に係る金銭処理装置は、上述した請求項５において、前記出力手段は、前記制御手段からの表示指令に従って外部に数値表示を行う数値表示手段を備え、前記制御手段は、前記入金額と前記出金額とが不一致の状態にある場合、前記数値表示手段に入金額と出金額との差額を数値表示することを特徴とする。

　また、本発明の請求項７に係る金銭処理装置は、上述した請求項６において、前記制御手段は、入金もしくは出金を検出した場合には前記数値表示手段の表示を更新することを特徴とする。

　また、本発明の請求項８に係る金銭処理装置は、上述した請求項５において、前記出力手段は、前記制御手段からの表示指令に従って外部表示を行う表示手段を備え、前記制御手段は、前記入金額と前記出金額とが不一致の状態にある場合にその原因を前記表示手段に表示することを特徴とする。

　また、本発明の請求項９に係る金銭処理装置は、上述した請求項１または請求項２において、前記制御手段は、開放された包装硬貨収納庫が前記装置本体に対して閉塞された場合、前記包装硬貨検出手段を通じて開放時点から閉塞時点までの出金額を算出し、該算出した出金額がゼロの場合には入金額に対応する貨幣を前記出金口から払い出すことを特徴とする。

　また、本発明の請求項１０に係る金銭処理装置は、上述した請求項１または請求項２において、前記制御手段は、開放された包装硬貨収納庫が前記装置本体に対して閉塞された場合、前記包装硬貨検出手段を通じて開放時点から閉塞時点までの出金額を算出するとともに、この算出した出金額と入金額とを比較し、出金額が小さい場合には前記入金額との差額に相当する貨幣を前記出金口から払い出すことを特徴とする。

　また、本発明の請求項１１に係る金銭処理装置は、上述した請求項９または請求項１０において、前記制御手段は、前記包装硬貨収納庫から取り出された包装硬貨の出金額と前記出金口から払い出した貨幣の出金額との合計が前記入金額に一致した場合、外部に対する報知を停止するための処理を実施することを特徴とする。

　また、本発明の請求項１２に係る金銭処理装置は、上述した請求項１または請求項２において、前記制御手段からの表示指令に従って外部表示を行う表示手段と、前記制御手段に対して選択指令を与える選択入力手段とをさらに備え、前記制御手段は、所定の単体動作指令が与えられた場合、包装硬貨から高額金種への等価払い出しを行う逆両替処理を選択するための選択情報を前記表示手段に表示し、前記選択入力手段を介して逆両替処理が選択された場合、前記係合手段による装置本体と包装硬貨収納庫との係合状態を解除し、かつ前記包装硬貨検出手段を通じて前記包装硬貨収納庫を監視し、さらに前記包装硬貨収納庫が閉塞された時点で開放時点からの包装硬貨による入金額を算出し、この算出した入金額に対応する貨幣を前記出金口から払い出すことを特徴とする。

　また、上記第２の目的を達成するため、本発明の請求項１３に係る金銭処理装置は、貨幣が投入された場合にこれを鑑別して収納庫に収納する一方、出金指令が与えられた場合にはこの出金指令に該当する金額の貨幣を収納庫から払い出す制御手段を備えた金銭処理装置において、前記制御手段からの表示指令に従って外部表示を行う表示手段と、前記制御手段に対して選択指令を与える選択入力手段とを備え、前記制御手段は、所定の単体動作指令が与えられた場合、高額金種から低額金種への等価払い出しを行う順両替処理と、低額金種から高額金種への等価払い出しを行う逆両替処理とを選択するための選択情報を前記表示手段に表示し、前記選択入力手段を通じて選択指令が与えられた場合に該当する一方の両替処理を実施することを特徴とする。

　また、本発明の請求項１４に係る金銭処理装置は、上述した請求項１３において、前記制御手段は、前記単体動作指令が与えられた後に貨幣が投入された場合、投入された貨幣に対して異なる金種の組み合せで等価となる出金金種情報を前記選択情報とともに前記表示手段に表示し、前記選択入力手段を通じて選択指令が与えられた場合に当該選択された選択情報とともに表示した出金金種情報の組み合せで前記収納庫から貨幣の出金を行うことを特徴とする。

　また、本発明の請求項１５に係る金銭処理装置は、上述した請求項１４において、前記表示手段は、金種毎に該当するか否かの表示を行う該当表示部を備え、前記制御手段は、それぞれの該当表示部に対する表示の有無によって前記出金金種情報を表示することを特徴とする。

　また、本発明の請求項１６に係る金銭処理装置は、上述した請求項１４において、前記表示手段は、金種毎に個別の数値表示を行う数値表示部を備え、前記制御手段は、それぞれの数値表示部に数値を表示することによって前記出金金種情報を表示することを特徴とする。

　また、本発明の請求項１７に係る金銭処理装置は、上述した請求項１４において、前記表示手段は、文字表示を行う文字表示部を備え、前記制御手段は、前記出金金種情報を表示する場合に当該出金金種情報が、硬貨のみによるものか、あるいは紙幣のみによるものか、あるいは硬貨と紙幣との組み合せによるものかを前記文字表示部に表示することを特徴とする。

　また、本発明の請求項１８に係る金銭処理装置は、上述した請求項１４において、前記制御手段は、前記収納庫に収納された貨幣の金種及び枚数に応じて出金可能な出金金種情報を抽出し、該抽出した出金金種情報を前記表示手段に表示することを特徴とする。

　本発明の請求項１もしくは請求項２に係る金銭処理装置によれば、入金額と出金額とが不一致の状態にある場合、係合手段の無効化や出力手段による出力等によって報知される。従って、例えば包装硬貨収納庫から包装硬貨を取り出す本数を間違える等のミスをしても、これを直ちに認識して修正することができ、包装硬貨を用いた両替を容易に、かつ厳正に実施することが可能となる。

　また、本発明の請求項１３にかかる金銭処理装置によれば、利用者が実施すべき両替処理を選択することができるため、投入する貨幣の数に関わらず意図した両替処理が実施されることになり、利用者に不信感や煩雑感を与える恐れがない。しかも、例えば１０００円紙幣５枚をそれぞれ１００円硬貨に交換する場合には、順両替処理を選択すれば、１０００円紙幣をまとめて５枚投入した場合にも５０００円分の１００円硬貨が払い出されることになり、効率良く両替処理を実施することができるようになる。

図１は、本発明の実施の形態である金銭処理装置の外観を示す平面図である。図２は、図１に示した金銭処理装置の正面図である。図３は、図１に示した金銭処理装置の斜視図である。図４は、図３の金銭処理装置に適用する紙幣処理部のハードウェア構成を示す側断面図である。図５は、図４に示した紙幣処理部において紙幣が搬送される内部搬送路の構成を示す斜視図である。図６は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫の詳細構成を示す側断面図である。図７は、図４に示した紙幣処理部における入金処理の内容を示すフローチャートである。図８は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫への紙幣の入金開始時の状態を示す側断面図である。図９は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫への紙幣の入金後の状態を示す側断面図である。図１０－１は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫の収納開始時の動作状態を示す側断面図である。図１０－２は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫の収納開始時の動作状態を示す部分平面図である。図１１－１は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫のプッシャユニットが出金待機位置にある時の動作状態を示す側断面図である。図１１－２は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫のプッシャユニットが出金待機位置にある時の動作状態を示す部分平面図である。図１２－１は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫のプッシャユニットによる収納動作状態を示す側断面図である。図１２－２は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫のプッシャユニットによる収納動作状態を示す部分平面図である。図１３は、図４に示した紙幣処理部においてプッシャユニットの連動状態を示す平面図である。図１４は、図４に示した紙幣処理部においてプッシャユニットの連動状態を示す側面図である。図１５は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫の出金準備動作を示す側断面図である。図１６は、図４に示した紙幣処理部において混合収納庫からの紙幣の出金動作を示す側断面図である。図１７は、図４に示した紙幣処理部における出金処理を示すフローチャートである。図１８は、図４に示した紙幣処理部における回収処理を示すフローチャートである。図１９は、図４に示した紙幣処理部における精査処理（その１）を示すフローチャートである。図２０は、図４に示した紙幣処理部における精査処理（その２）を示すフローチャートである。図２１は、図１に示した金銭処理装置に適用される表示手段及び入力手段の拡大図である。図２２は、図１に示した金銭処理装置に適用される包装硬貨収納庫の斜視図である。図２３－１は、図２２に示した包装硬貨収納庫と装置本体との間に構成される係合手段の概念図であり、解除された状態の図である。図２３－２は、図２２に示した包装硬貨収納庫と装置本体との間に構成される係合手段の概念図であり、係合された状態の図である。図２４は、図１に示した金銭処理装置の制御系を示すブロック図である。図２５は、図２４に示した制御手段が実施するメイン処理の内容を示すフローチャートである。図２６は、図２５に示した釣銭モード処理の内容を示すフローチャートである。図２７は、図２５に示した貨幣両替モード処理の内容を示すフローチャートである。図２８－１は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金金種情報の表示例を示す図である。図２８－２は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金金種情報の表示例を示す図である。図２８－３は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金金種情報の表示例を示す図である。図２９－１は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金金種情報の表示例を示す図である。図２９－２は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金金種情報の表示例を示す図である。図２９－３は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金金種情報の表示例を示す図である。図３０－１は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金メニューの表示例を示す図である。図３０－２は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金メニューの表示例を示す図である。図３０－３は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金メニューの表示例を示す図である。図３０－４は、図２４に示した制御手段によって表示制御された出金メニューの表示例を示す図である。図３１は、図２７に示した元金払い出し処理の内容を示すフローチャートである。図３２は、図２５に示した包装硬貨両替モード処理の内容を示すフローチャートである。図３３－１は、図２４に示した制御手段によって表示制御された包装硬貨⇔包装硬貨両替処理を実施する場合に選択するメニューの表示例を示す図である。図３３－２は、図２４に示した制御手段によって表示制御された包装硬貨⇔包装硬貨両替処理を実施する場合に選択するメニューの表示例を示す図である。図３３－３は、図２４に示した制御手段によって表示制御された包装硬貨⇔包装硬貨両替処理を実施する場合に選択するメニューの表示例を示す図である。図３３－４は、図２４に示した制御手段によって表示制御された包装硬貨⇔包装硬貨両替処理を実施する場合に選択するメニューの表示例を示す図である。図３３－５は、図２４に示した制御手段によって表示制御された包装硬貨⇔包装硬貨両替処理を実施する場合に選択するメニューの表示例を示す図である。図３４は、図３２に示した包装硬貨→貨幣両替処理の内容を示すフローチャートである。図３５は、図１に示した金銭処理装置の変形例となる制御系を示すブロック図である。

符号の説明

　　１　　　装置本体
　１０　　　硬貨収納庫
　１１　　　硬貨投入口
　１２　　　硬貨出金口
　１５　　　硬貨鑑別センサ
　２０　　　紙幣収納庫
　２１　　　紙幣投入口
　２２　　　紙幣出金口
　２５　　　紙幣鑑別センサ
　３０　　　表示手段
　３１　　　数値表示部
　３２　　　文字表示部
　４０　　　入力手段
　５０　　　包装硬貨収納庫
　５２　　　包装硬貨鑑別センサ
　６０　　　係合手段
　６１　　　固定フック
　６２　　　可動フック
　６４　　　係合用電磁ソレノイド
　７０　　　押圧手段
　８０　　　開閉検知センサ
　９０　　　ブザー
１００　　　制御手段

　以下に添付図面を参照して、本発明に係る金銭処理装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、以下においては、高額金種から低額金種への等価払い出しを「順両替」と称する一方、低額金種から高額金種への等価払い出しを「逆両替」と称し、単に「両替」と称した場合には順両替及び逆両替の双方を含むものとして説明を行う。

（全体構成）
　図１～図３は、本発明の実施の形態である金銭処理装置の外観を概念的に示したものである。ここで例示する金銭処理装置は、スーパーマーケット等の店舗においてＰＯＳレジスタ等の外部機器に接続される釣銭機として用いられるもので、直方体状を成す装置本体１を備えている。

　装置本体１は、横巾及び奥行寸法に対して高さ寸法を小さく構成した比較的薄型のもので、その前方部に硬貨投入口１１、硬貨出金口１２、紙幣投入口２１、紙幣出金口２２を有している。

　硬貨投入口１１は、投入された硬貨を装置本体１の内部に受け入れるための開口であり、装置本体１の上面に設けてある。硬貨投入口１１から投入された硬貨は、硬貨処理部１Ｂの硬貨搬送機構（図示せず）によって搬送され、かつ図示せぬ硬貨鑑別センサによって金種が鑑別された後、金種別に硬貨収納庫（本体収納庫）１０に収納されることになる。硬貨出金口１２は、硬貨収納庫１０から払い出された硬貨を装置本体１の外部に排出するための開口であり、装置本体１の前面に設けた受け皿１３の上方部に設けてある。

　紙幣投入口２１は、投入された紙幣を装置本体１の内部に受け入れるための開口であり、装置本体１の前面に設けてある。紙幣投入口２１から投入された紙幣は、後述する紙幣処理部１Ａの紙幣搬送機構によって搬送され、かつ紙幣鑑別センサ２５によって金種等が鑑別された後、金種別に紙幣収納庫（本体収納庫）２０に収納されることになる。紙幣出金口２２は、紙幣収納庫２０から払い出された紙幣を装置本体１の外部に排出するための開口であり、装置本体１の前面において紙幣投入口２１よりも下方となる部位に設けてある。

　図１及び図２からも明らかなように、本実施の形態では、硬貨収納庫１０及び紙幣収納庫２０が別個に用意してあり、装置本体１の内部に並設してある。

　また、装置本体１の前方部上面には、表示手段３０及び入力手段４０が設けてある。表示手段３０は、利用者に対して各種表示を行うためのものである。本実施の形態では、図２１に示すように、数値表示部３１及び文字表示部３２を備えた表示手段３０を適用している。数値表示部３１は、数字を表示することのできる７セグメント表示器を左右方向に沿って複数並設することにより構成したものである。７セグメント表示器の数は、金銭処理装置で取り扱う金種に対応したものである。本実施の形態では、正面向かって左側から１００００円紙幣、５０００円紙幣、１０００円紙幣、５００円硬貨、１００円硬貨、５０円硬貨、１０円硬貨、５円硬貨、１円硬貨に対応した９個の７セグメント表示器によって数値表示部３１が構成してある。文字表示部３２は、文字を表示することのできる矩形状のドットマトリックス表示器によって構成したもので、数値表示部３１よりも手前側となる部位に配設してある。入力手段４０は、利用者が各種指令を入力するためのものである。本実施の形態では、３×４＝１２個の押ボタンスイッチによって入力手段４０が構成してある。これらの押ボタンスイッチには、例えば表示内容を上下にスクロールさせるための「△」スイッチ４１及び「▽」スイッチ４２、指令を出力するための「実行」スイッチ４３、指令を取り消すための「取消」スイッチ４４等々、各種機能スイッチが用意してある。尚、それぞれの機能スイッチには、一つずつ数字が割り当ててあり、数値を入力することも可能である。

（紙幣処理部の内部構成）
　図４は、図１の金銭処理装置に適用する紙幣処理部１Ａのハードウェア構成を示す側断面図、図５は、紙幣処理部１Ａにおいて紙幣が搬送される紙幣搬送機構を開放した状態の分解斜視図である。以下、これらの図を参照しながら、紙幣処理部１Ａの内部構成について説明する。

　図４及び図５に示すように、紙幣処理部１Ａには、紙幣投入口２１を介してその装置本体１内に投入された紙幣を搬送するための主搬送路２１０と、紙幣を収納する紙幣収納庫２０とが設けてある。本実施の形態では、１００００円紙幣及び２０００円紙幣を混合して収納する第１の紙幣収納庫（以下、「混合収納庫２０Ａ」という）と、同じく投入された１０００円紙幣を収納する第２の紙幣収納庫（以下、「１０００円収納庫２０Ｂ」という）と、投入された５０００円紙幣を収納する第３の紙幣収納庫（以下、「５０００円収納庫２０Ｃ」という）とを備えた紙幣収納庫２０を例示している。

　図５に示すように、装置本体１の上蓋１ａは、その後端部で回動可能に軸支され、開扉可能な上面部分を構成するものである。主搬送路２１０は、この装置本体１の上面近傍に形成されている。また、装置本体１の側面を構成する扉１ｂは、その下縁部で回動可能に軸支され、紙幣の搬送出金が不可能な場合に、横から混合収納庫２０Ａ、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃに収納されている紙幣の回収を可能にするよう開扉可能に構成されている。主搬送路２１０は、装置本体１の前面の紙幣投入口２１からその背面（図４の左側）までほぼ直線状に設けられている。

　主搬送路２１０には、紙幣投入口２１に最も近い位置に混合収納庫２０Ａを配置し、その後方に１０００円収納庫２０Ｂを配置し、主搬送路２１０の終端位置に５０００円収納庫２０Ｃを配置している。混合収納庫２０Ａに１００００円紙幣及び２０００円紙幣を混合して収納するのは、これらの紙幣が通常は釣銭として使用しない金種だからである。釣銭として使用可能な金種である１０００円紙幣、５０００円紙幣を１０００円収納庫２０Ｂ、５０００円収納庫２０Ｃにそれぞれ区分して収納するようにしたのは、釣銭紙幣の払い出し動作を迅速に行うためである。

　主搬送路２１０において紙幣投入口２１と混合収納庫２０Ａとの間に位置する部位には、紙幣鑑別センサ２５が配置してあり、混合収納庫２０Ａと１０００円収納庫２０Ｂとの間に位置する部位には、第１の出金判別部２１５及び第２の出金判別部２１６が配置してある。紙幣鑑別センサ２５は、主搬送路２１０を搬送される紙幣の金種及びその真贋を鑑別するものである。

　主搬送路２１０の中間部分には、混合収納庫２０Ａ及び１０００円収納庫２０Ｂに収納される紙幣を導くための分岐搬送路２１０ａ，２１０ｂが、第１の出金判別部２１５及び第２の出金判別部２１６を挟んで設けてある。また、主搬送路２１０には、釣銭紙幣を紙幣出金口２２に払い出すための分岐搬送路２１０ｃが紙幣鑑別センサ２５の下流側に設けてあり、さらに、分岐搬送路２１０ｃから分岐して、内部に保管されている紙幣を回収カセット８に送り出すための分岐搬送路２１０ｄが設けてある。

　混合収納庫２０Ａ、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃは、図５に示すように、いずれも装置本体１の底板１ｃに固定して設けられた収納部２０Ａａ，２０Ｂａ，２０Ｃａと、それぞれ収納部２０Ａａ，２０Ｂａ，２０Ｃａの方向に紙幣を押圧するためのプッシャユニット２１７，２１８，２１９を備えている。これらのプッシャユニット２１７，２１８，２１９は、収納部２０Ａａ，２０Ｂａ，２０Ｃａに収納するために搬送されてきた紙幣を一時的に保留するための一時保留部２０Ａｂ，２０Ｂｂ，２０Ｃｂを形成するとともに既に収納されている紙幣と区別する機能と、その一時保留部２０Ａｂ，２０Ｂｂ，２０Ｃｂに保留された紙幣を複数枚まとめて収納部２０Ａａ，２０Ｂａ，２０Ｃａに収納する機能とを有するものであって、後述する図１４に示すように、単一の駆動モータＭ１によって一括して駆動される。

　すなわち、混合収納庫２０Ａのプッシャユニット２１７は、図４において実線で示す出金待機位置２１７ａと二点鎖線で示す入金待機位置２１７ｂとの間を移動するように構成してある。同様に、１０００円収納庫２０Ｂのプッシャユニット２１８は、図４において実線で示す入金待機位置２１８ａと二点鎖線で示す出金待機位置２１８ｂとの間を移動するように構成してあり、５０００円収納庫２０Ｃのプッシャユニット２１９は、図４において実線で示す入金待機位置２１９ａと二点鎖線で示す出金待機位置２１９ｂとの間を移動するように構成してある。混合収納庫２０Ａ、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃに収納される紙幣は、それぞれ分岐搬送路２１０ａ，２１０ｂあるいは主搬送路２１０の終端位置まで搬送されたとき、プッシャユニット２１７，２１８，２１９によって一時的に保留位置で保持され、その後にプッシャユニット２１７，２１８，２１９が入金待機位置２１７ｂ，２１８ａ，２１９ａまで移動することによって、それぞれ収納部２０Ａａ，２０Ｂａ，２０Ｃａに収納され、収納紙幣として確定される。

　図４に示すように、この紙幣処理部１Ａの主搬送路２１０は、複数の搬送ローラ群２１１ａを備えている。装置本体１の上蓋１ａにおいて搬送ローラ群２１１ａの上面の対応する位置には、それぞれ押えローラ群２１１ｂが設けられている。駆動モータＭ０は、図示しない伝動ベルトにより搬送ローラ群２１１ａに接続してあり、駆動した場合に主搬送路２１０の紙幣をその短辺が搬送方向と一致する状態で搬送する。さらに、主搬送路２１０には、フィードローラ２１２ａと分離ローラ２１２ｂとが紙幣投入口２１の近傍に対向配置されている。フィードローラ２１２ａ及び分離ローラ２１２ｂは、紙幣投入口２１に一括投入された紙幣を１枚ずつ分離して紙幣鑑別センサ２５に搬送するものである。

　主搬送路２１０の紙幣鑑別センサ２５の下流側に設けられた切換ゲート２２２は、分岐搬送路２１０ｃ，２１０ｄに紙幣を導入するためのものである。さらに分岐搬送路２１０ｃの入口には、切換ゲート２２３が設けられている。切換ゲート２２３は、分岐搬送路２１０ｃと分岐搬送路２１０ｄとを切り換えるもので、分岐搬送路２１０ｄに切り換えた場合に回収カセット８に紙幣を送り出すものである。また、分岐搬送路２１０ｃ，２１０ｄの端部には、それぞれ羽根車２２４，２２５が設けられている。これらの羽根車２２４，２２５は、分岐搬送路２１０ｃ，２１０ｄから排出される紙幣の後端を押すことによって、紙幣出金口２２及び回収カセット８に紙幣を確実に落とし込むためのものであって、これにより紙幣の集積ジャムが防止できる。

　分岐搬送路２１０ａには、切換ゲート２２６と、入出金用のフィードローラ２２６ａ及び分離ローラ２２６ｂとキックローラ２２６ｃとが設けられている。切換ゲート２２６、フィードローラ２２６ａ及び分離ローラ２２６ｂは、主搬送路２１０の分岐搬送路２１０ａとの合流点にあって、混合収納庫２０Ａに入出金される紙幣の流れを制御している。そして出金時には、分岐搬送路２１０ａを挟んで混合収納庫２０Ａと反対側に設けられたキックローラ２２６ｃにより、混合収納庫２０Ａの紙幣が分岐搬送路２１０ａを介してフィードローラ２２６ａ及び分離ローラ２２６ｂまで送り出される。

　同様に、分岐搬送路２１０ｂには、入出金用のフィードローラ２２７ａ、分離ローラ２２７ｂ及びキックローラ２２７ｃが設けてあり、主搬送路２１０の終端部分には、フィードローラ２２８ａ、分離ローラ２２８ｂ及びキックローラ２２８ｃが設けてある。フィードローラ２２７ａ、分離ローラ２２７ｂ及びフィードローラ２２８ａ、分離ローラ２２８ｂは、それぞれ１０００円収納庫２０Ｂと５０００円収納庫２０Ｃに入出金される紙幣の流れを制御している。そして出金時には、１０００円収納庫２０Ｂ、５０００円収納庫２０Ｃの紙幣がそれぞれキックローラ２２７ｃ，２２８ｃにより、フィードローラ２２７ａ、分離ローラ２２７ｂ及びフィードローラ２２８ａ、分離ローラ２２８ｂまで送り出される。

　このように、紙幣処理部１Ａの装置本体１においては、その上面部分に上蓋１ａを設け、かつこれを開放可能に構成しているので、搬送中の紙幣が主搬送路２１０で紙詰まりを生じるなどした場合のメンテナンス作業が容易に行える。また、混合収納庫２０Ａ、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃの配置位置に対応する装置本体１の側面部分に扉１ｂを設け、かつこれを開放可能に構成することで、非常の場合に混合収納庫２０Ａ、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃに格納された紙幣を容易に取り出すことができる。

（各紙幣収納庫の構成）
　次に、図４及び図５に示す各紙幣収納庫２０の構成について、混合収納庫２０Ａを一例にして、さらに説明する。

　図６は、混合収納庫２０Ａの詳細構成を示す側断面図である。この混合収納庫２０Ａは、紙幣の搬送経路を混合収納庫２０Ａの側へ振り分けることができるよう主搬送路２１０に回動可能に配置された切換ゲート２２６と、分岐搬送路２１０ａに沿って配置されたフィードローラ２２６ａと、これに対向配置されて紙幣収納方向にのみ回転自在な分離ローラ２２６ｂ（図６には示されていない）と、羽根車２２９とにより、主搬送路２１０から混合収納庫２０Ａの一時保留部２０Ａｂに紙幣が１枚ずつ導かれるように構成されている。ここでは、プッシャユニット２１７は、積層収納されている紙幣Ｇをキックローラ２２６ｃから離れる方向に移動させて紙幣を投入することができる一時保留部２０Ａｂを形成している入金待機位置２１７ｂにある。この一時保留部２０Ａｂには、水平の軸２３０ａに軸支された押え板２３０が配置されている。プッシャユニット２１７は、スプリング２３１によって付勢されたステージ２３２と協働して、収納部２０Ａａにおける紙幣を垂直に保持された状態で積層収納する。また、図６の右向き矢印Ａは、混合収納庫２０Ａに入金される紙幣の主搬送路２１０における搬送方向を示している。すなわち、この混合収納庫２０Ａでは、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃと違って紙幣鑑別センサ２５から搬送されてくる方向と搬送方向が逆になっており、入金する場合は、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃが搬送されてきた紙幣をそのまま受け入れるのに対し、この混合収納庫２０Ａを通り過ぎた後、スイッチバックして紙幣を受け入れることになる。尚、入金時にはフィードローラ２２６ａ、キックローラ２２６ｃ及び羽根車２２９がそれぞれ図示した矢印方向に回転し、出金時には、フィードローラ２２６ａ及びキックローラ２２６ｃが反対方向に回転することになる。

　収納部２０Ａａでは、プッシャユニット２１７がその入金待機位置２１７ｂまで移動しているので、収納された紙幣Ｇは、スプリング２３１によって付勢されたステージ２３２によってプッシャユニット２１７に押し付けられた状態にある。このとき、一時保留部２０Ａｂ及び収納部２０Ａａでは、それぞれ短辺が垂直に保持された状態で複数枚の紙幣Ｇを保留または収納することができる。従って、混合収納庫２０Ａの高さは、その紙幣収納容量にかかわらず紙幣Ｇの短辺の長さだけで決まる。また、この混合収納庫２０Ａにおける紙幣収納容量は、収納部２０Ａａの奥行き方向の長さによって規定されることになる。

　尚、図６には混合収納庫２０Ａを例示してその構成を説明したが、他の１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃでは紙幣の入金方向が混合収納庫２０Ａとは反対となって、かつ収納部２０Ｂａ，２０Ｃａと一時保留部２０Ｂｂ，２０Ｃｂとの位置関係が左右逆転しているほかは、上述したものと同様に構成されている。

（紙幣処理部における入金処理の概要）
　図７は、紙幣処理部１Ａにおいて後述の制御手段１００（図２４参照）が実施する入金処理の内容を示すフローチャートである。以下、この図７を参照しながら紙幣処理部１Ａにおける入金処理の概要について説明する。

　入金処理において制御手段１００は、まず、紙幣が紙幣投入口２１に投入されたか否かを監視する（ステップＳ５２２）。

　紙幣投入口２１から紙幣が投入されると（ステップＳ５２２：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、紙幣投入口２１に投入された紙幣を１枚ずつ主搬送路２１０の紙幣鑑別センサ２５に搬送し、その紙幣が１０００円紙幣であるかどうかを判断する（ステップＳ５２３）。ここで、投入された紙幣が１０００円紙幣である場合には（ステップＳ５２３：Ｙｅｓ）、その紙幣が１０００円収納庫２０Ｂの一時保留部２０Ｂｂに保留し（ステップＳ５２４）、手順をステップＳ５３０に移行させる。

　１０００円紙幣ではない場合（ステップＳ５２３：Ｎｏ）、制御手段１００は、搬送された紙幣が５０００円紙幣であるかどうかを判断する（ステップＳ５２５）。ここで、５０００円紙幣である場合には（ステップＳ５２５：Ｙｅｓ）、紙幣が５０００円収納庫２０Ｃの一時保留部２０Ｃｂに保留し（ステップＳ５２６）、手順をステップＳ５３０に移行させる。さらに、５０００円紙幣でない場合には（ステップＳ５２５：Ｎｏ）、手順をステップＳ５２７に進め、搬送された紙幣が１００００円紙幣または２０００円紙幣であるかどうかを判定し、１００００円紙幣または２０００円紙幣であれば（ステップＳ５２７：Ｙｅｓ）、その紙幣を混合収納庫２０Ａの一時保留部２０Ａｂに保留し（ステップＳ５２８）、手順をステップＳ５３０に移行させる。ステップＳ５２７において、紙幣の金種を識別することができないような場合には、リジェクト紙幣と判定し（ステップＳ５２７：Ｎｏ）、紙幣出金口２２から排出させ（ステップＳ５２９）、その後に手順をステップＳ５３０に移行させる。

　ステップＳ５３０において制御手段１００は、紙幣投入口２１に紙幣が残留しているかどうかを確認し、紙幣があれば（ステップＳ５３０：Ｙｅｓ）、手順をステップＳ５２３にリターンさせ、次の紙幣を紙幣鑑別センサ２５に搬送し、上述した入金の手順を繰り返し実行する。一方、紙幣投入口２１に紙幣がなくなった場合には（ステップＳ５３０：Ｎｏ）、混合収納庫２０Ａ、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃのそれぞれの一時保留部２０Ａｂ，２０Ｂｂ，２０Ｃｂに保留されている紙幣を、それぞれの収納部２０Ａａ，２０Ｂａ，２０Ｃａに収納し（ステップＳ５３１）、収納金額を表示手段３０に表示する（ステップＳ５３２）。これによって入金が確定され、今回の処理を終了する。尚、ここの例では、入金紙幣の判別の順序を１０００円紙幣、５０００円紙幣、１００００円紙幣または２０００円紙幣の順で行っているが、その順序は、この例に限定されるものではなく、任意に設定することができる。

（紙幣処理部における入金動作の詳細）
　次に、一例として混合収納庫２０Ａに投入紙幣が入金される動作の詳細について説明する。図８は、混合収納庫２０Ａへの紙幣の入金開始時の状態を示す側断面図、図９は、混合収納庫２０Ａへの紙幣の入金後の状態を示す側断面図である。

　図８では、切換ゲート２２６が搬送経路を混合収納庫２０Ａの側へ振り分ける位置にあり、プッシャユニット２１７が入金待機位置２１７ｂにあって、混合収納庫２０Ａには一時保留部２０Ａｂの空間が形成されている。ここで、搬送されてきた紙幣Ｇ１が入金される場合、その紙幣Ｇ１は、主搬送路２１０からフィードローラ２２６ａによって一時保留部２０Ａｂに投入される。このとき、紙幣Ｇ１の搬送方向先端は、押え板２３０によって進路が邪魔されているが、羽根車２２９が紙幣Ｇ１の搬送方向後端を押すことにより、紙幣Ｇ１は一時保留部２０Ａｂに押し込まれる。

　このようにして押し込まれた紙幣Ｇ１の下端は、図９に示すように、押え板２３０によってプッシャユニット２１７の方へ押し付けられ、紙幣Ｇ１の上端は、羽根車２２９によってプッシャユニット２１７の方へ押し付けられることになる。このため、紙幣Ｇ１が一時保留部２０Ａｂにて保留されている場合には、主搬送路２１０から次に搬送されてきた紙幣Ｇ２が一時保留部２０Ａｂに投入されるときにも十分な空間が確保されており、先行して入金された紙幣Ｇ１とまったく同じように一時保留部２０Ａｂに保留させることができる。

（紙幣処理部における収納動作の詳細）
　次に、混合収納庫２０Ａの一時保留部２０Ａｂに保留されている紙幣を一括して、収納部２０Ａａに収納する動作の詳細について説明する。

　図１０－１は、混合収納庫２０Ａの収納開始時の動作状態を示す側断面図、図１０－２は、部分平面図である。図１１－１は、混合収納庫２０Ａのプッシャユニットが出金待機位置にある時の動作状態を示す側断面図、図１１－２は、部分平面図である。図１２－１は、混合収納庫２０Ａのプッシャユニットによる収納動作状態を示す側断面図、図１２－２は、部分平面図である。

　まず、収納開始時においては、図１０－１及び図１０－２に示すように、プッシャユニット２１７が入金待機位置２１７ｂにあって、３枚の紙幣Ｇ２は短辺が垂直に保持された状態で、混合収納庫２０Ａの一時保留部２０Ａｂに既に保留されているものとする。プッシャユニット２１７は、図１０－２に示すように、紙幣の長手方向両端部に位置しており、かつ、一時保留部２０Ａｂに保留された３枚の紙幣Ｇ２と収納部２０Ａａに収納されている紙幣Ｇとを区別するようにそれらの間に位置している。

　これにより、この段階では、混合収納庫２０Ａに既に収納されている紙幣Ｇと収納しようとしている紙幣Ｇ２とが明確に区別された状態にある。従って、混合収納庫２０Ａに収納する前に何らかの故障が発生した場合においても、それらの紙幣Ｇ，Ｇ２が店側のものなのか客側のものなのかを容易に切り分けすることができる。また、何らかの事情により、入金がキャンセルされた場合にも、区別して収納されている一時保留部２０Ａｂ内の紙幣Ｇ２をそのまま返却することが可能になる。

　次に、プッシャユニット２１７は、図１１－１及び図１１－２に示すように、出金待機位置２１７ａまで移動する。この移動の過程で、紙幣Ｇ２はその中央部が収納部２０Ａａの壁に押し付けられることによって移動が遮られ、長手方向両端のみプッシャユニット２１７によって変形状態にされる。そして、プッシャユニット２１７は、その出金待機位置２１７ａに到達するときには、紙幣Ｇ２との係合状態から抜けるので、紙幣Ｇ２はその弾性により元の真っ直ぐな状態に戻る。これにより、紙幣Ｇ２は収納されている紙幣Ｇと一体になる。

　その後、プッシャユニット２１７が、図１２－１及び図１２－２に示すように再び入金待機位置２１７ｂに復帰することによって、すべての紙幣Ｇが混合収納庫２０Ａの収納部２０Ａａに格納された状態になる。

　尚、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃは、上述の「各紙幣収納庫の構成」で説明したように、紙幣の収納位置が混合収納庫２０Ａでは紙幣投入口のある手前側であるのに対して奥側と反対になるように構成されている。従って、それらの紙幣収納動作についても、プッシャユニット２１８，２１９が反対方向に移動する点を除いて同じである。

　これら３つのプッシャユニット２１７，２１８，２１９は、１つの駆動モータＭ１で連動するように構成されている。図１３は、プッシャユニットの連動状態を示す平面図、図１４は、プッシャユニットの連動状態を示す側面図である。

　駆動モータＭ１の回転シャフトＳには、従動ローラＲとの間に伝動ベルトＢが掛け渡されている。また、伝動ベルトＢに沿ってガイドレールＧＲが並行して設けられていて、このガイドレールＧＲにガイドされるように３つのスライドブロックＢ１，Ｂ２，Ｂ３が設けられ、伝動ベルトＢの所定の位置に固着されている。また、これらのスライドブロックＢ１，Ｂ２，Ｂ３には、それぞれプッシャユニット２１７，２１８，２１９がガイドレールＧＲと直交する方向に取り付けられている。

　プッシャユニット２１７，２１８，２１９は、駆動モータＭ１が回動したとき、それぞれ伝動ベルトＢと一体に図中左右方向に往復移動する。そして、図１３に示すように、プッシャユニット２１７，２１８，２１９の移動幅Ｗだけ右方向に移動することで、混合収納庫２０Ａのプッシャユニット２１７は二点鎖線で示す入金待機位置２１７ｂに移動し、１０００円収納庫２０Ｂのプッシャユニット２１８及び５０００円収納庫２０Ｃのプッシャユニット２１９は、同じく二点鎖線で示す出金待機位置２１８ｂ，２１９ｂに移動する。そして、この紙幣処理部１Ａでは、精査用の紙幣収納庫として使用される混合収納庫２０Ａを、１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃでの紙幣の入金方向と逆向きに配置して構成しているため、前者が入金動作であるときには、後者で出金動作を行えることになり、反対に前者で出金動作を行っているとき、後者では入金動作が可能になる。

（紙幣処理部における出金動作の詳細）
　次に、一例として混合収納庫２０Ａから紙幣が出金される動作の詳細について説明する。図１５は、混合収納庫２０Ａの出金準備動作を示す側断面図、図１６は、混合収納庫２０Ａからの紙幣の出金動作を示す側断面図である。

　出金時には、プッシャユニット２１７によって混合収納庫２０Ａに押し込められている紙幣を繰り出し可能な状態にする必要がある。そのためには、まず、図１５に示すように、プッシャユニット２１７が出金待機位置２１７ａまで退避する。これにより、スプリング２３１によってプッシャユニット２１７に押し付けられていた紙幣Ｇは、キックローラ２２６ｃに押し付けられるようになる。

　この状態で、図１６に示すように、キックローラ２２６ｃ及びフィードローラ２２６ａが矢印方向に回転すると、最後に収納された紙幣Ｇ３がキックローラ２２６ｃによって上方へ繰り出され、さらにフィードローラ２２６ａによって主搬送路２１０に送り出される。このとき、羽根車２２９と同軸に設けられた図示しない分離ローラ２２６ｂは出金方向には回転することができない。これにより、キックローラ２２６ｃによって複数の紙幣が重なった状態で繰り出されたとしても、２枚目以降の紙幣が分離ローラ２２６ｂによって阻止され、フィードローラ２２６ａによって繰り出される紙幣は１枚だけである。

（紙幣処理部における出金処理の概要）
　次に、紙幣処理部１Ａに収納されている紙幣を紙幣処理部１Ａの紙幣出金口２２から出金する処理の概要を説明する。

　図１７は、紙幣処理部１Ａにおいて後述の制御手段１００が実施する出金処理の内容を示すフローチャートである。出金処理において制御手段１００は、最初に、出金金額が指定されたか否かを監視する（ステップＳ５４１）。出金金額の指定は、入力手段４０から出金金額が入力される場合と、上位装置から釣銭として指示された金額が指定される場合とがある。出金金額が指定されると（ステップＳ５４１：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、指定された出金金額に対応する金種毎の紙幣の枚数を確定する（ステップＳ５４２）。

　次に、制御手段１００は、１０００円収納庫２０Ｂから確定した必要枚数だけ紙幣を出金し（ステップＳ５４３）、リジェクト紙幣でないことを条件に出金した紙幣を紙幣出金口２２に排出する（ステップＳ５４４～ステップＳ５４７）。１０００円収納庫２０Ｂから出金された紙幣が、図４に示す第１の出金判別部２１５において金種の判別ができない場合には（ステップＳ５４４：Ｙｅｓ）、リジェクト紙幣として混合収納庫２０Ａに収納する（ステップＳ５４６）。尚、リジェクト紙幣は、真券とは区分してその枚数を計数する。

　必要枚数の１０００円紙幣が出金されていない場合（ステップＳ５４７：Ｎｏ）、制御手段１００は、手順をステップＳ５４３にリターンさせ、上述した処理を繰り返し実行する。必要枚数だけ１０００円紙幣の出金が終了すると（ステップＳ５４７：Ｙｅｓ）、次に、５０００円紙幣の出金が必要かどうかを判断し（ステップＳ５４８）、必要なら、５０００円収納庫２０Ｃから５０００円紙幣を出金する（ステップＳ５４９）。５０００円収納庫２０Ｃから紙幣を出金した場合にも、上述したステップＳ５４４～ステップＳ５４８の処理を実施する。最後に、制御手段１００は、ステップＳ５５０において、表示手段３０に出金金額の表示を行う。

（紙幣処理部における回収処理の概要）
　次に、紙幣処理部１Ａ内の紙幣を回収カセット８に出金する回収処理について説明する。尚、この回収処理における金種ごとの順番は、下記の例に限定されない。

　図１８は、紙幣処理部１Ａにおいて後述の制御手段１００が実施する回収処理の内容を示すフローチャートである。ここでは、５０００円紙幣と１０００円紙幣とをすべて回収するよう設定した場合の回収動作例を示す。回収処理において制御手段１００は、まず、５０００円収納庫２０Ｃに格納されている紙幣を出金する（ステップＳ５５１）。このとき出金される紙幣は、リジェクト紙幣でないことを条件に回収カセット８に排出される（ステップＳ５５２、ステップＳ５５３）。出金された紙幣が図４に示す第１の出金判別部２１５において金種の判別ができないリジェクト紙幣と判別すると（ステップＳ５５２：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、紙幣出金口２２に出金することなく、リジェクト紙幣として混合収納庫２０Ａに収納する（ステップＳ５５４）。

　すべての５０００円紙幣の回収が終了した場合（ステップＳ５５５：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、１０００円収納庫２０Ｂからの出金動作を開始する（ステップＳ５５６→ステップＳ５５７）。１０００円紙幣を回収カセット８に排出するときには、上述した５０００円紙幣の出金動作と同様に、ステップＳ５５２～Ｓ２５６が繰り返され、回収カセット８に排出しないリジェクト紙幣が混合収納庫２０Ａに収納される。最後に、制御手段１００は、ステップＳ５５８において、表示手段３０に回収金額の表示を行う。

（紙幣処理部における精査処理の概要）
　次に、紙幣処理部１Ａに収納されている紙幣の在高を確認する精査処理の概要について説明する。図１９は、紙幣処理部１Ａにおいて後述の制御手段１００が実施する精査処理（その１）の内容を示すフローチャート、図２０は、紙幣処理部１Ａにおいて制御手段１００が実施する精査処理（その２）の内容を示すフローチャートである。

　この精査処理は、例えば毎日の締め時に、紙幣処理部１Ａに収納された紙幣の金種、枚数を確認するために行われる作業である。ここでは最初に、精査用の紙幣収納庫として使用される混合収納庫２０Ａを空にし、次に１０００円収納庫２０Ｂに収納された１０００円紙幣を精査用の紙幣収納庫に移動してその枚数を計数し、次に、再び精査用の紙幣収納庫を空にして、５０００円収納庫２０Ｃから５０００円紙幣を移動し、その枚数を計数している。

　すなわち、制御手段１００は、まず、混合収納庫２０Ａから１００００円紙幣及び２０００円紙幣を出金する（ステップＳ５６１）。出金された紙幣は、主搬送路２１０を経由して５０００円収納庫２０Ｃに入金される（ステップＳ５６２）。この移動工程では、第１の出金判別部２１５を通過する紙幣の金種チェック及びその枚数が計数され、混合収納庫２０Ａが空になるまで繰り返される。そして、ステップＳ５６３によりすべての１００００円紙幣及び２０００円紙幣が出金されたと判断したとき、次のステップＳ５６４に進む。

　ステップＳ５６４において制御手段１００は、１００００円紙幣の出金枚数Ｎ１と２０００円紙幣の出金枚数Ｎ２とを計算する。そして、空になった混合収納庫２０Ａを精査用の紙幣収納庫として利用し、１０００円紙幣の精査を行う。すなわち、１０００円収納庫２０Ｂから１０００円紙幣を１枚ずつ出金する（ステップＳ５６５）。１０００円収納庫２０Ｂから出金された紙幣は、主搬送路２１０の第２の出金判別部２１６でチェックされ（ステップＳ５６６）、リジェクト紙幣以外の枚数が計数され、空の状態にある混合収納庫２０Ａに入金される（ステップＳ５６７）。この移動工程では、リジェクト紙幣が紙幣出金口２２に排出される（ステップＳ５６８）。そして、１０００円収納庫２０Ｂが空になるまで繰り返され、ステップＳ５６９によりすべての１０００円紙幣が出金されたと判断したとき、ステップＳ５７０で１０００円紙幣の出金枚数（Ｎ３）を確定してから、次の５０００円精査の工程（図２０）に進む。

　図２０のステップＳ５７１において制御手段１００は、混合収納庫２０Ａから１０００円紙幣を出金する。この１０００円紙幣は、主搬送路２１０を経由して１０００円収納庫２０Ｂに入金される（ステップＳ５７２）。ステップＳ５７３によりすべての１０００円紙幣が混合収納庫２０Ａから出金され、１０００円収納庫２０Ｂに戻されたと判断したとき、次のステップＳ５７４に進む。

　ステップＳ５７４～ステップＳ５７９において制御手段１００は、空になった混合収納庫２０Ａを精査用の紙幣収納庫として利用し、５０００円紙幣の精査を行う。このとき、５０００円収納庫２０Ｃには最初のステップＳ５６２で１００００円紙幣及び２０００円紙幣が退避されているので、最初に５０００円収納庫２０Ｃから１００００円紙幣及び２０００円紙幣を出金し、その後に５０００円紙幣を出金する（ステップＳ５７４）。これらの紙幣は、主搬送路２１０の第２の出金判別部２１６でチェックされ（ステップＳ５７５）、リジェクト紙幣以外の枚数が計数され、空になった混合収納庫２０Ａに入金される（ステップＳ５７６）。この移動工程では、リジェクト紙幣が紙幣出金口２２に排出される（ステップＳ５７７）。そして、５０００円収納庫２０Ｃが空になるまで繰り返される。ステップＳ５７８によりすべての５０００円紙幣が出金されたと判断したとき、ステップＳ５７９では５０００円紙幣だけでなく１００００円紙幣、２０００円紙幣を含む枚数（Ｎ４）を確定する。

　ステップＳ５８０において制御手段１００は、混合収納庫２０Ａから再び５０００円紙幣だけを出金し、主搬送路２１０を経由して５０００円収納庫２０Ｃに戻す（ステップＳ５８１）。ここでは、上述したステップＳ５６４において１００００円紙幣及び２０００円紙幣の枚数がそれぞれＮ１，Ｎ２と確定しているので、１００００円紙幣、２０００円紙幣を含む枚数（Ｎ４）から（Ｎ１＋Ｎ２）を差し引いた枚数分だけ出金することにより、５０００円紙幣だけを混合収納庫２０Ａから５０００円収納庫２０Ｃに戻すことができる。

　この段階では、１００００円紙幣の枚数（Ｎ１）、２０００円紙幣の枚数（Ｎ２）、１０００円紙幣の枚数（Ｎ３）及び５０００円紙幣の枚数（Ｎ４－（Ｎ１＋Ｎ２））が確定している。これら金種ごとの枚数から、制御手段１００は、紙幣処理部１Ａに保管されている紙幣の在高を計算し（ステップＳ５８２）、表示手段３０に精査金額を表示する処理を行う（ステップＳ５８３）。

　尚、以上の精査処理の例では、精査開始時に混合収納庫２０Ａに収納されている１００００円紙幣及び２０００円紙幣を５０００円収納庫２０Ｃに退避させることで混合収納庫２０Ａを空にしていたが、１００００円紙幣及び２０００円紙幣を紙幣出金口２２に排出しておき、１０００円紙幣及び５０００円紙幣の精査終了時に、紙幣出金口２２に退避させておいた１００００円紙幣及び２０００円紙幣を紙幣投入口２１から入金して混合収納庫２０Ａに戻し、そのときに紙幣鑑別センサ２５での鑑別結果を精査金額に反映させるようにしてもよい。

　また、精査時に紙幣出金口２２に排出されたリジェクト紙幣は、紙幣投入口２１から再度投入され、紙幣の在高精査が繰り返される。最終的にリジェクトされた紙幣については、同一金種の別紙幣に交換して投入するか、あるいは投入しないで、別の計数手段によってリジェクト紙幣の金額を計数して、精査金額を算出するようにしている。

　以上の精査処理において、精査用の紙幣収納庫として使用される混合収納庫２０Ａの入出金機構部が１０００円収納庫２０Ｂ及び５０００円収納庫２０Ｃの入出金機構部と対向して配置されているので、混合収納庫２０Ａと１０００円収納庫２０Ｂまたは５０００円収納庫２０Ｃとの間を紙幣が移動するときの移動距離が短くなっており、精査に要する時間を短縮することができる。

（包装硬貨収納庫の構成）
　一方、上記金銭処理装置には、図１及び図２に示すように、装置本体１の下方部に包装硬貨収納庫５０が設けてある。包装硬貨収納庫５０は、図２２に示すように、同一金種の硬貨を複数枚重ね合わせ、これを樹脂フィルムによって包装した円柱状を成す包装硬貨を収納するためのもので、上面が開口した箱状を成している。包装硬貨収納庫５０の内部には、包装硬貨を金種別に収納するための半円筒状の収納溝５１が複数形成してあり、さらに各収納溝５１には、収納された包装硬貨の金種を鑑別する包装硬貨鑑別センサ（包装硬貨検出手段）５２が配設してある。この包装硬貨収納庫５０は、前後方向にスライドさせることにより装置本体１に対して開閉可能に配設してある。すなわち、装置本体１に対して手前側に引き出した場合には、上面の開口が外部に露出し、個々の収納溝５１に対して包装硬貨を出し入れすることが可能となる。一方、装置本体１に対して押し入れ、包装硬貨収納庫５０を閉塞位置に配置させた場合、上面の開口が閉塞し、包装硬貨を出し入れすることができない状態となる。

　図２３－１及び図２３－２に示すように、包装硬貨収納庫５０と装置本体１の間には、係合手段６０、押圧手段７０及び開閉検知センサ８０が設けてある。

　係合手段６０は、装置本体１に対して包装硬貨収納庫５０を押し入れて閉塞した場合に係合可能となり、係合状態となった場合に装置本体１に対して包装硬貨収納庫５０を閉塞した状態に保持するものである。本実施の形態では、包装硬貨収納庫５０の背面に固定フック６１を設ける一方、装置本体１において包装硬貨収納庫５０の背面に対向する部位に可動フック６２を配設し、固定フック６１及び可動フック６２を互いに係合させた場合に包装硬貨収納庫５０を閉塞した状態に保持する係合手段６０を適用している。固定フック６１は、包装硬貨収納庫５０の背面から後方に向けて延在し、その延在端部に係合部６１ａを有したもので、包装硬貨収納庫５０に固定してある。これに対して可動フック６２は、装置本体１から前方に向けて延在したもので、鉛直方向に沿った軸心回りに揺動可能に配設してある。この可動フック６２は、一方側に揺動して係合位置に配置された場合に先端部の係合部６２ａを介して固定フック６１の係合部６１ａに係合可能となる一方、他方側に揺動して非係合位置に配置された場合に固定フック６１との係合状態を解除することが可能である。

　この可動フック６２には、フックバネ６３及び係合用電磁ソレノイド６４が連係してある。フックバネ６３は、可動フック６２と装置本体１との間に介在し、可動フック６２が常時係合位置となるように弾性力を付与するものである。係合用電磁ソレノイド６４は、励磁した場合にフックバネ６３の弾性力に抗して可動フック６２を非係合位置に移動させるものである。係合用電磁ソレノイド６４が消磁状態にある場合には、フックバネ６３の弾性力により可動フック６２が係合位置に配置されることになる。

　押圧手段７０は、装置本体１において包装硬貨収納庫５０の背面に対向する部位に配設したコイルスプリングである。この押圧手段７０は、装置本体１に対して包装硬貨収納庫５０を押し入れた場合に弾性的に変形し、その弾性復元力により包装硬貨収納庫５０を前方に向けて押圧する機能を有している。

　開閉検知センサ８０は、包装硬貨収納庫５０が閉塞位置にあるか否かを検出するもので、装置本体１に配設してある。

（制御系の構成）
　図２４は、上述した金銭処理装置の制御系を示すブロック図である。図２４に示す制御手段１００は、入力手段４０を通じて指令が与えられた場合、あるいは硬貨鑑別センサ１５、紙幣鑑別センサ２５、包装硬貨鑑別センサ５２、開閉検知センサ８０から検出信号が与えられた場合、メモリ１１０に格納したプログラムや初期データに基づいて表示手段３０の表示制御、ブザー（出力手段）９０の鳴動制御、硬貨搬送機構１６の駆動制御、紙幣搬送機構２６の駆動制御、係合用電磁ソレノイド６４の駆動制御を行うものである。図からも明らかなように、制御手段１００は、通信制御部１０１、表示制御部１０２、入力制御部１０３、搬送制御部１０４、入出金管理部１０５、メニュー管理部１０６、等価判定部１０７、開閉制御部１０８、報知出力制御部１０９を有している。

　通信制御部１０１は、通信インターフェース１１２を介して接続されたＰＯＳレジスタ２００との間においてデータの送受信制御を行うものである。表示制御部１０２は、表示手段３０に対して表示指令を与えることによって表示手段３０に所望の表示を行う等、表示手段３０の表示制御を行うものである。入力制御部１０３は、入力手段４０が操作された場合にこれに対応する指令を各部に与えるものである。搬送制御部１０４は、硬貨搬送機構１６、紙幣搬送機構２６の駆動を制御するものである。例えば、硬貨投入口１１及び紙幣投入口２１から貨幣が投入された場合、これを装置本体１の内部に取り込んだ後、硬貨鑑別センサ１５や紙幣鑑別センサ２５の鑑別結果に従って該当する金種の収納庫１０，２０，５０に貨幣を収納するように硬貨搬送機構１６や紙幣搬送機構２６の駆動制御を行う。入出金管理部１０５は、硬貨鑑別センサ１５、紙幣鑑別センサ２５及び包装硬貨鑑別センサ５２を監視し、これらの鑑別センサ１５，２５，５２によって検出される入出金額と、予めメモリ１１０に格納された硬貨収納庫１０、紙幣収納庫２０、包装硬貨収納庫５０の初期収納金額とから現在のそれぞれの収納庫１０，２０，５０に対する貨幣の収納金額を管理するものである。また、この入出金管理部１０５は、ＰＯＳレジスタ２００から出金指令が与えられた場合、出金指令に対応した貨幣を硬貨出金口１２及び紙幣出金口２２から払い出す制御も行う。メニュー管理部１０６は、入力手段４０を通じて与えられた指令や硬貨鑑別センサ１５、紙幣鑑別センサ２５、包装硬貨鑑別センサ５２の検出結果に従ってメニューを抽出し、該抽出したメニューを表示手段３０に表示させるべく表示制御部１０２に表示データを与えるものである。また、メニュー管理部１０６は、入力手段４０を通じて優先して払い出す金種が予め設定された場合、この設定された金種を含むメニューの表示順位を早くする等、優先表示するための処理を行う。等価判定部１０７は、両替処理を行う場合に硬貨鑑別センサ１５、紙幣鑑別センサ２５、包装硬貨鑑別センサ５２を監視し、これらの鑑別センサによって検出される入出金額が等価であるか否かを判定するものである。開閉制御部１０８は、係合手段６０の係合用電磁ソレノイド６４を駆動することにより、装置本体１に対する包装硬貨収納庫５０の開閉制御を行うものである。報知出力制御部１０９は、報知出力指令が与えられた場合にブザー９０を鳴動させるものである。

（メイン処理）
　図２５は、上述した制御手段１００が繰り返し実施するメイン処理の内容を示したフローチャートである。以下、このフローチャートを参照しながら、金銭処理装置の動作について説明する。

　金銭処理装置が起動している場合、図２５に示すように、制御手段１００は、常に入力制御部１０３を通じて入力手段４０からモード切替操作（単体動作指令）が入力されたか否かを監視している（ステップＳ１）。モード切替操作とは、釣銭機としてＰＯＳレジスタ２００に接続された金銭処理装置を両替機として使用する場合に行う操作である。本実施の形態では、予め入力手段４０の一要素として用意された２つの押ボタンスイッチ、具体的には「補充」スイッチ４５と「回収」スイッチ４６とを同時に押圧操作した場合にモード切替操作が入力されたと判断するように設定してある。

　モード切替操作が入力されなかった場合（ステップＳ１：Ｎｏ）、制御手段１００は、金銭処理装置を釣銭機として動作させるべく、釣銭モード処理を実施する（ステップＳ１００）。

　一方、メイン処理のステップＳ１において入力手段４０からモード切替操作が入力されると（ステップＳ１：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、メニュー管理部１０６を通じて両替に際して取り扱う金種を選択するための金種メニューを表示する（ステップＳ２）。金種メニューとは、両替に際して包装硬貨を使用するか否かを表示手段３０の文字表示部３２に表示しても良いし、貨幣のみによる両替メニュー、貨幣と包装硬貨との両替メニュー、包装硬貨と包装硬貨との両替メニューを選択情報として文字表示部３２に切り替え表示するようにしても良い。

　制御手段１００は、金種メニューから貨幣のみによる両替処理が選択された場合に貨幣両替モード処理を実施し（ステップＳ３：Ｎｏ→ステップＳ２００）、金種メニューから包装硬貨を使用した両替処理が選択された場合に包装硬貨両替モード処理を実施する（ステップＳ３：Ｙｅｓ→ステップＳ３００）。制御手段１００は、貨幣両替モード処理及び包装硬貨両替モード処理のいずれにおいても、それぞれの処理が終了した場合にモード切替操作をクリアする処理を実施して手順をリターンさせる（ステップＳ４）。従って、次回実施されるステップＳ１においては、新たなモード切替操作が入力されない限り、釣銭モード処理が実施され（ステップＳ１：Ｎｏ→ステップＳ１００）、金銭処理装置が釣銭機として動作することになる。

（釣銭モード処理）
　図２６は、上述した釣銭モード処理の内容を示すフローチャートである。この釣銭モード処理において制御手段１００は、まず、通信制御部１０１を通じてＰＯＳレジスタ２００からの入金許可指令を監視する（ステップＳ１０１）。ＰＯＳレジスタ２００から入金許可指令が与えられなかった場合、制御手段１００は、手順を後述のステップＳ１０９に移行させる（ステップＳ１０１：Ｎｏ→ステップＳ１０９）。

　一方、ＰＯＳレジスタ２００から入金許可指令が与えられた場合（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、入金許可状態となり（ステップＳ１０２）、その後、入出金管理部１０５を通じて硬貨投入口１１及び紙幣投入口２１からの入金を監視する（ステップＳ１０３）。

　硬貨投入口１１や紙幣投入口２１からの入金を確認した場合（ステップＳ１０３：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、硬貨鑑別センサ１５及び紙幣鑑別センサ２５を通じて投入された貨幣の鑑別を行い（ステップＳ１０４）、入出金管理部１０５を通じて鑑別結果を入金額情報として取得する。尚、入金がなかった場合（ステップＳ１０３：Ｎｏ）、制御手段１００は、ステップＳ１０４を経ることなく手順を進める。

　次いで、制御手段１００は、通信制御部１０１を通じてＰＯＳレジスタ２００からの入金額要求があるか否かを監視し（ステップＳ１０５）、入金額要求が与えられた場合（ステップＳ１０５：Ｙｅｓ）、通信制御部１０１を通じて入金額情報をＰＯＳレジスタ２００に送信する処理を実施する（ステップＳ１０６）。尚、入金額要求がない場合（ステップＳ１０５：Ｎｏ）、制御手段１００は、ステップＳ１０６を経ることなく手順を進める。

　その後、制御手段１００は、ＰＯＳレジスタ２００からの終了指令受信待機状態となり（ステップＳ１０７）、終了指令を受信するまでの間、上述したステップＳ１０３～ステップＳ１０７の処理を繰り返し実施する。

　上述した状況は、例えば、ＰＯＳレジスタ２００において買い上げ品の登録が終了し、その合計金額以上の貨幣を買い物客から預かったレジ担当者がこれを金銭処理装置に投入した場面である。買い上げ品の登録が終了した時点でＰＯＳレジスタ２００から金銭処理装置の制御手段１００に対して入金許可指令が与えられる。金銭処理装置から入金額情報を受信したＰＯＳレジスタ２００では、（釣銭）＝（入金額）－（買上額）が算出され、釣銭がある場合には釣銭に対応する出金指令が終了指令とともに金銭処理装置に出力されることになる。

　ステップＳ１０７においてＰＯＳレジスタ２００から終了指令を受信した金銭処理装置の制御手段１００は（ステップＳ１０７：Ｙｅｓ）、入金禁止状態となる（ステップＳ１０８）。さらに、制御手段１００は、通信制御部１０１を通じてＰＯＳレジスタ２００からの出金指令があるか否かを監視し（ステップＳ１０９）、出金指令が与えられた場合（ステップＳ１０９：Ｙｅｓ）、搬送制御部１０４を介して硬貨収納庫１０や紙幣収納庫２０に収納された貨幣を釣銭として払い出す処理を実施し（ステップＳ１１０）、今回の処理を終了する。尚、硬貨出金口１２や紙幣出金口２２から払い出された貨幣は、レジ担当者により、ＰＯＳレジスタ２００から出力されたレシートとともに買い物客に手渡される。

　以降、モード切替操作が実施されるまで、上述した釣銭モード処理が繰り返し実施され、金銭処理装置が釣銭機として適用されることになる。

（貨幣両替モード処理）
　図２７は、上述した貨幣両替モード処理の内容を示すフローチャートである。この貨幣両替モード処理において制御手段１００は、まず、変数ｎに「１」を代入する処理を実施し（ステップＳ２０１）、その後、入出金管理部１０５を通じて硬貨投入口１１及び紙幣投入口２１からの入金を監視する（ステップＳ２０２）。

　硬貨投入口１１や紙幣投入口２１からの入金を確認すると（ステップＳ２０２：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、硬貨鑑別センサ１５及び紙幣鑑別センサ２５を通じて投入された貨幣の鑑別を行い、入出金管理部１０５を通じて鑑別結果を入金額情報として取得する（ステップＳ２０３）。さらに、制御手段１００は、入出金管理部１０５を通じて払い出し可能な金種の抽出を行う（ステップＳ２０４）。具体的には、入出金管理部１０５によってメモリ１１０に格納された、現時点で硬貨収納庫１０に収納されている硬貨の金種とその収納数の情報、並びに紙幣収納庫２０に収納されている紙幣の金種とその収納数の情報を読み出す処理を実施し、これらに基づいて払い出し可能な金種を設定する。この場合、予め閾値（≠０）を設定しておき、閾値を下回る収納数の貨幣に関しては、払い出し可能な金種として設定しないようにしても良い。

　払い出し可能な金種を抽出した制御手段１００は、これらの金種から入金された貨幣に対して異なる組み合せで等価となる出金金種情報を設定し（ステップＳ２０５）、さらに設定した出金金種情報のうち、ｎ番目の出金金種情報（今回は１番目の出金金種情報）を表示手段３０にメニューとして表示する処理を行い（ステップＳ２０６）、その後、入力手段４０からの入力待ちとなる（ステップＳ２０７、ステップＳ２０８、ステップＳ２０９）。

　ここで制御手段１００が設定・表示する出金金種情報は、入金された貨幣に対して金種が異なる組み合せで等価となるものであり、入金された貨幣よりも低額金種の組み合せ（順両替）及び入金された貨幣よりも高額金種の組み合せ（逆両替）の双方となる。順両替及び逆両替のいずれにあっても複数種類の組み合せが存在し、かつ入出金管理部１０５によって払い出し可能な金種として抽出されたものである場合には、それらすべての表示を一つずつ行う。

　表示を行う順番については、メニュー管理部１０６を通じて適宜処理し、例えば抽出したすべての出金金種情報を過去の選択頻度順に並べてこれを先頭から順に表示すれば良い。また、予め入力手段４０を通じて優先して払い出す金種が設定された場合、この設定された金種を含むメニューの表示順位を早くするようにしても良い。

　図２８－１～図２８－３は、それぞれ制御手段１００によって表示制御された出金金種情報の表示例を示したものである。尚、この表示例についてだけは、高額金種から低額金種への等価払い出しを単に「リョウガエ」と記載し、低額金種から高額金種への等価払い出しを「ギャクリョウガエ」と記載して説明を行う。

　図２８－１は、１０００円紙幣の入金に対して５００円硬貨と１００円硬貨とで等価交換を行うリョウガエの表示例である。この表示例では、まず数値表示部３１に「１０００」を表示することによって入金額が１０００円であることを表示するとともに、文字表示部３２に「ニュウキン　１，０００エン」、「リョウガエ」と表示することにより、１０００円紙幣を低額金種へ等価交換する処理を行うことを示している。また、この表示例では、上述した表示を行った後に数値表示部３１の表示を切り替え、数値表示部３１において５００円硬貨及び１００円硬貨に対応する部位に「○」を表示する一方、他の貨幣に対応する部位に「－」を表示することにより、低額金種が５００円硬貨と１００円硬貨とを含むものであることを示している。

　図２８－２は、図２８－１と同様に、１０００円紙幣の入金に対して５００円硬貨と１００円硬貨とで等価交換を行うリョウガエの表示例であり、切り替え後の表示が異なっている。すなわち、この表示例では、１０００円紙幣を低額金種へ等価交換する処理を行うことを表示した後、切り替え後の表示では、数値表示部３１において５００円硬貨に対応する部位に「１」、１００円硬貨に対応する部位に「５」を表示する一方、他の貨幣に対応する部位に「－」を表示することにより、低額金種が５００円硬貨１枚と１００円硬貨５枚との組み合せであることを示している。こうした表示例によれば、払い出される貨幣の枚数が把握でき、利用者にとって処理される内容がより明確となる。

　図２８－３は、１０００円紙幣５枚の入金に対して５０００円紙幣１枚で等価交換を行うギャクリョウガエの表示例である。この表示例では、まず数値表示部３１に「５０００」を表示することによって入金額が５０００円であることを表示するとともに、文字表示部３２に「ニュウキン　５，０００エン」、「ギャクリョウガエ」と表示することにより、１０００円紙幣５枚を高額金種へ等価交換する処理を行うことを示している。また、この表示例では、上述した表示を行った後に数値表示部３１の表示を切り替え、数値表示部３１において５０００円紙幣に対応する部位に「○」を表示する一方、他の貨幣に対応する部位に「－」を表示することにより、高額金種が５０００円紙幣であることを示している。

　上述の切り替え表示が行われている間、図２７に示す貨幣両替モード処理において、「実行」スイッチ４３がＯＮ操作されると（ステップＳ２０７：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、表示していた貨幣の組み合せによる両替を実施し（ステップＳ２１０）、手順をリターンさせる。両替が実施されると、入出金管理部１０５を通じて硬貨収納庫１０及び紙幣収納庫２０から該当する貨幣が搬出され、装置本体１の硬貨出金口１２や紙幣出金口２２に払い出されることになる。

　これに対して切り替え表示が行われている間に「△」スイッチ４１もしくは「▽」スイッチ４２がＯＮ操作されると（ステップＳ２０９：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、変数ｎをインクリメント、もしくはデクリメントし（ステップＳ２１２）、手順をステップＳ２０２に移行させる。その後手順がステップＳ２０４→Ｓ２０５→Ｓ２０６に移行するため、２番目の出金金種情報が表示手段３０に表示されることになる。図２８－１に示すリョウガエの例では、「▽」スイッチ４２がＯＮ操作された場合、例えば１０００円紙幣の入金に対して１００円硬貨１０枚で等価交換を行うリョウガエの表示が行われる。

　尚、切り替え表示が行われている間に「取消」スイッチ４４をＯＮ操作すると（ステップＳ２０８：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、投入された貨幣の合計金額に相当する貨幣を硬貨出金口１２や紙幣出金口２２から払い出す処理を実施し（ステップＳ２１１）、手順をリターンさせる。

　以降、モード切替操作を実施した後、貨幣のみによる両替メニューを選択し、硬貨投入口１１や紙幣投入口２１から貨幣を投入すれば、両替を行うことが可能となる。この場合、上記金銭処理装置によれば、入金された貨幣に対して払い出される貨幣の金種を表示するようにしているため、順両替や逆両替という用語に左右されることなく、利用者の実施したい処理を容易に、かつ確実に選択することができ、利用者に不信感や煩雑感を与える恐れがない。また、投入した貨幣の数に応じて自動的に順両替及び逆両替が決定されることもないため、例えば複数枚の紙幣を低額硬貨に順両替する場合にもこれをきわめて効率良く行うことができるようになる。

　尚、出金金種情報としては、図２８－１～図２８－３に示したものに限らず、その他の表示を行っても構わない。例えば図２９－１～図２９－３に示す表示例では、両替によって払い出される貨幣が硬貨のみによるものか、紙幣のみによるものか、硬貨と紙幣との組み合わせによるものかを表示するようにしている。

　具体的に説明すると、図２９－１は、１０００円紙幣の入金に対して硬貨のみの等価交換を行うリョウガエの表示例である。この表示例では、まず数値表示部３１に「１０００」を表示することによって入金額が１０００円であることを表示するとともに、文字表示部３２に「ニュウキン　１，０００エン」、「リョウガエ　Ｃｏｉｎ」と表示することにより、１０００円を硬貨のみによって等価交換するリョウガエを行うことを示している。また、この表示例では、上述した表示を行った後に数値表示部３１の表示を切り替え、数値表示部３１に「ＣｏＩｎ」を表示することにより、１０００円を硬貨のみにリョウガエすることを示している。

　図２９－２は、５０００円紙幣の入金に対して紙幣のみの等価交換を行うリョウガエの表示例である。この表示例では、まず数値表示部３１に「５０００」を表示することによって入金額が５０００円であることを表示するとともに、文字表示部３２に「ニュウキン　５，０００エン」、「リョウガエ　ＢＩＬＬ」と表示することにより、５０００円を紙幣のみによって等価交換する処理を行うことを示している。また、この表示例では、上述した表示を行った後に数値表示部３１の表示を切り換え、数値表示部３１に「ｂＩＬＬ」と表示することにより、５０００円を紙幣のみにリョウガエを行うことを示している。

　図２９－３は、１００００円紙幣の入金に対して硬貨と紙幣との組み合わせによる等価交換を行うリョウガエの表示例である。この表示例では、まず数値表示部３１に「１００００」と表示することによって入金額が１００００円であることを表示するとともに、文字表示部３２に「ニュウキン　１０，０００エン」、「リョウガエ　ＢＩＬＬ＋Ｃｏｉｎ」と表示することにより、１００００円を硬貨と紙幣との組み合せによって等価交換するリョウガエを行うことを示している。また、この表示例では、上述した表示を行った後に数値表示部３１に「ｂＩＬＬ　ＣｏＩｎ」と表示することにより、１００００円を硬貨と紙幣との組み合わせによってリョウガエすることを示している。

（元金払い出し処理）
　一方、図２７に示した貨幣両替モード処理のステップＳ２０２において入金を確認せず、しかも今回の貨幣両替モード処理において入金が一度もなかった場合であって（ステップＳ２０２：Ｎｏ→ステップＳ２１３：Ｙｅｓ）、さらにステップＳ２０９において「△」スイッチ４１もしくは「▽」スイッチ４２がＯＮ操作され、ステップＳ２１２において変数ｎをインクリメント、もしくはデクリメントすることにより、表示メニューとして出金が指定されていた場合、制御手段１００は、表示手段３０に出金メニューを表示し（ステップＳ２１４）、その後、入力待ちとなる（ステップＳ２１５、ステップＳ２１６）。この状態から「実行」スイッチ４３をＯＮ操作すると（ステップＳ２１５：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、元金払い出し処理を実施する（ステップＳ２５０）。尚、ステップＳ２１３、ステップＳ２１４及びステップＳ２１５においてすべてがＮｏの場合、制御手段１００は、元金払い出し処理を行うことなく手順をステップＳ２０４に進める。

　図３０－１は、上述した出金メニューの表示例である。この表示例では、まず数値表示部３１に「５０００」を表示することによって出金額が５０００円であることを表示するとともに、文字表示部３２に「モトキンハライダシ」、「リョウガエ　５０００エン」と表示することにより、５０００円をリョウガエの元金として払い出すことを示している。また、この表示例では、上述した表示を行った後に数値表示部３１の表示を切り換え、数値表示部３１において５０００円紙幣に対応する部位に「○」を表示する一方、他の貨幣に対応する部位に「－」を表示することにより、払い出す金種が５０００円紙幣であることを示している。これらのいずれかが表示された状態において「実行」スイッチ４３がＯＮ操作された場合、出金指令が入力されたと判断する。

　図３１は、上述した元金払い出し処理の内容を示すフローチャートである。この元金払い出し処理において制御手段１００は、まず、選択した払い出し金額を了解するか否かの入力待ちとなり（ステップＳ２５１）、「実行」スイッチ４３がＯＮ操作された場合（ステップＳ２５１：Ｙｅｓ）、入出金管理部１０５を通じて指令金額に対応する貨幣を硬貨出金口１２及び紙幣出金口２２から払い出す処理を行う（ステップＳ２５２）。その後、制御手段１００は、入出金管理部１０５を通じて硬貨投入口１１及び紙幣投入口２１からの入金を監視する（ステップＳ２５３）。

　図３０－２は、硬貨出金口１２や紙幣出金口２２から元金を払い出した後の表示手段３０を表示例を示したものである。この表示例では、数値表示部３１に「－５０００」を表示することにより５０００円を入金した時点で収支がゼロとなることを表示するとともに、文字表示部３２に「モトキンニュウキン」、「リョウガエ　－５０００エン」と表示するようにしている。

　図３１に示すステップＳ２５３において硬貨投入口１１や紙幣投入口２１からの入金を確認すると（ステップＳ２５３：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、硬貨鑑別センサ１５及び紙幣鑑別センサ２５を通じて投入された貨幣の鑑別を行い（ステップＳ２５４）、さらに入出金管理部１０５を通じて（入金額）－（出金額）を算出し、この算出結果を表示手段３０の数値表示部３１に表示する処理を行うとともに（ステップＳ２５５）、等価判定部１０７を通じて（入金額）＝（出金額）であるか否かを判断する（ステップＳ２５６）。（入金額）≠（出金額）である場合（ステップＳ２５６：Ｎｏ）、制御手段１００は、手順をステップＳ２５３に移行し、再び硬貨投入口１１及び紙幣投入口２１からの入金を監視する。

　図３０－３は、硬貨投入口１１や紙幣投入口２１から入金した途中の表示例を示したものである。この表示例では、５０００円の元金払い出しに対して３０００円を入金した状態のものである。硬貨投入口１１や紙幣投入口２１から３０００円分の貨幣を投入すると、入金管理部によって３０００－５０００＝－２０００が算出され、この算出結果が数値表示部３１に「－２０００」と表示されることになる。文字表示部３２の表示も「モトキンニュウキン」、「リョウガエ　－２０００エン」となる。

　図３１に示すステップＳ２５６において（入金額）＝（出金額）となると（ステップＳ２５６：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、今回の元金払い出し処理を終了し、手順をリターンさせる。

　図３０－４は、図３０－３に示す表示例から２０００円の貨幣を入金した状態を示すもので、数値表示部３１の表示が「０」となり、文字表示部３２の表示も「モトキンニュウキン」、「リョウガエ　－０エン」となって収支が合ったことを認識することができる。

　上述した状況は、例えば、ＰＯＳレジスタ２００に接続した金銭処理装置の相互間において両替を行う場合に、釣銭の不足した金銭処理装置から順両替を行うために必要となる元金（高額金種）を先に出金する場面である。上記のようにして出金した元金を隣接するＰＯＳレジスタ２００の金銭処理装置に入金し、順両替を行えば、出金した高額金種の元金を釣銭となる低額金種に等価交換することができるようになる。さらに、上述した元金払い出し処理においては、釣銭となった低額金種のすべてを元の金銭処理装置に入金しない限り元金払い出し処理が終了しない。従って、先に元金を出金した金銭処理装置に対して入金を忘れたり、入金が不足する事態を防止することが可能となる。

　尚、ステップＳ２５７において「取消」スイッチ４４をＯＮ操作すれば、上述した処理を行うことなく手順がリターンされ、一旦選択した元金払い出し処理をキャンセルすることができる。

（包装硬貨両替モード処理）
　図３２は、メイン処理のステップＳ２において金種メニューが表示された後、包装硬貨を使用した両替処理が選択された場合に制御手段１００が実施する包装硬貨両替モード処理の内容を示したフローチャートである。

　包装硬貨両替モード処理において制御手段１００は、入出金管理部１０５を通じて硬貨投入口１１及び紙幣投入口２１からの入金を監視し（ステップＳ３０１）、さらにメニュー表示を行い（ステップＳ３０２）、貨幣による入金待ち及び入力手段４０を通じた指令入力待ちとなる（ステップＳ３０１：Ｎｏ→ステップＳ３０２→ステップＳ３０３：Ｎｏ→ステップＳ３０４：Ｎｏ→ステップＳ３０５：Ｎｏ→ステップＳ３０１）。

　上記の状態において硬貨投入口１１や紙幣投入口２１からの入金を確認すると（ステップＳ３０１：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、硬貨鑑別センサ１５及び紙幣鑑別センサ２５を通じて投入された貨幣の鑑別を行い（ステップＳ３０６）、その後、開閉制御部１０８を通じて係合用電磁ソレノイド６４を励磁し、係合手段６０を解除する処理を行う（ステップＳ３０７）。この結果、押圧手段７０の押圧力により、包装硬貨収納庫５０が装置本体１に対して押し出され、その内部を開放して包装硬貨を出し入れすることが可能となる。

　係合手段６０を解除した制御手段１００は、さらに包装硬貨鑑別センサ５２の検出結果により入出金管理部１０５を通じて包装硬貨収納庫５０に対する包装硬貨の入出金を監視する（ステップＳ３０８）。さらに制御手段１００は、入出金管理部１０５を通じて（入金額）－（出金額）を算出し、この算出結果を表示手段３０の数値表示部３１に表示する処理を行う一方（ステップＳ３０９）、開閉検知センサ８０を通じて包装硬貨収納庫５０が閉塞されたか否かを監視する（ステップＳ３１０）。包装硬貨収納庫５０が開放されている場合には（ステップＳ３１０：Ｎｏ）、依然として包装硬貨収納庫５０に対し包装硬貨を出し入れすることが可能であり、上述したステップＳ３０８、ステップＳ３０９の処理を繰り返し実施する。

　これに対し開閉検知センサ８０を通じて包装硬貨収納庫５０が閉塞されたことを検知すると（ステップＳ３１０：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、入出金管理部１０５を通じて包装硬貨収納庫５０を開放した時点から閉塞した時点までの包装硬貨の出金額を算出するとともに、この算出した出金額と入金額とを比較する（ステップＳ３１１）。

　入金額と出金額とが一致した場合（ステップＳ３１１：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、開閉制御部１０８を通じて係合手段６０を有効化し（ステップＳ３１２）、さらに報知出力がある場合に報知出力制御部１０９を通じてこれを停止し（ステップＳ３１３：Ｙｅｓ→ステップＳ３１４）、その後に手順をリターンさせる。

　係合手段６０の有効化とは、係合用電磁ソレノイド６４を消磁した状態に保持する処理である。この結果、固定フック６１と可動フック６２とが係合した状態となり、包装硬貨収納庫５０が閉塞した状態に保持される。さらに、ブザー９０が鳴動することはなく、金銭処理装置が通常状態に復帰することになる。

　これに対して入金額と出金額とが一致しない場合（ステップＳ３１１：Ｎｏ）、制御手段１００は、開閉制御部１０８を通じて係合手段６０を無効化し（ステップＳ３１５）、さらに報知出力制御部１０９を通じてブザー９０を鳴動させるとともに、無効化した原因を文字表示部３２に表示する処理を行う（ステップＳ３１６）。

　係合手段６０の無効化とは、例えば係合用電磁ソレノイド６４を励磁した状態に保持する処理である。無効化した場合に表示する原因としては、例えば「シュッキンガクガフソクシテイマス」、「ニュウキンガクガフソクシテマス」等々、利用者がこれを認識して訂正することのできる具体的なものであることが好ましい。

　これらの結果、装置本体１に対して閉塞された包装硬貨収納庫５０は、押圧手段７０の押圧力によって押し出された状態となり、さらにはブザー９０の鳴動や表示手段３０の表示により、入金額に対して包装硬貨による出金額が一致していないことを認識することができるようになる。

　次いで制御手段１００は、入出金管理部１０５を通じて入金額と出金額とを比較し、出金額に対して入金額が大きいか否かを判断する（ステップＳ３１７）。出金額に対して入金額が大きい場合（ステップＳ３１７：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、利用者に対して貨幣による出金がＯＫか否かのメニュー表示を行い（ステップＳ３１８）、その後、入力を待つ。

　利用者が貨幣による出金をＯＫした場合（ステップＳ３１８：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、入金額と出金額との差額に相当する貨幣を払い出す処理を実施し（ステップＳ３１９）、その後、手順をステップＳ３１２に移行させる。すなわち、係合手段６０が有効化され（ステップＳ３１２）、さらに、ブザー９０が鳴動している場合、報知出力制御部１０９を通じてこれを停止し（ステップＳ３１３：Ｙｅｓ→ステップＳ３１４）、その後に手順をリターンさせる処理が行われる。この結果、包装硬貨収納庫５０を押し入れれば、固定フック６１と可動フック６２とが係合した状態となり、包装硬貨収納庫５０が閉塞した状態に保持され、かつブザー９０の鳴動が停止し、金銭処理装置が通常状態に復帰することになる。

　尚、出金額に対して入金額が小さい場合（ステップＳ３１７：Ｎｏ）、あるいは出金額に対して入金額が大きいが利用者が貨幣による出金をＯＫしなかった場合（ステップＳ３１７：Ｙｅｓ→ステップＳ３１８：Ｎｏ）、制御手段１００は、いずれも手順をステップＳ３０８に移行させる。この状態においては、ステップＳ３０９において再び（入金額）－（出金額）が表示されるため、取りすぎた包装硬貨を包装硬貨収納庫５０に返却する、あるいは不足している出金額を包装硬貨によって取り出すことで、入金額と出金額とを一致させることができる。

（包装硬貨⇔包装硬貨両替処理）
　一方、包装硬貨両替モード処理のステップＳ３０２で表示されたメニューから利用者が包装硬貨と包装硬貨との間の両替を選択した場合（ステップＳ３０３：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、手順をステップＳ３０７に移行させる処理を行う。すなわち、開閉制御部１０８を通じて係合用電磁ソレノイド６４を励磁することにより係合手段６０を解除し（ステップＳ３０７）、その後、上述と同様の処理を実施する。この結果、先と同様、押圧手段７０の押圧力により、包装硬貨収納庫５０が装置本体１に対して押し出され、その内部を開放して包装硬貨を出し入れすることが可能となる。従って、開放された包装硬貨収納庫５０に対して利用者が包装硬貨を出し入れすれば、その収支がステップＳ３０９において表示手段３０に表示されることになる。収支が合ってない状態において包装硬貨収納庫５０を閉塞させれば、上述したように、係合手段６０が無効化されて押し出されるとともに、ブザー９０が鳴動してこれを報知することになる。これにより、表示手段３０の表示により入金額と出金額との差額を確認し、これが一致した時点で包装硬貨収納庫５０を閉塞させれば、閉塞状態を維持するとともに、ブザー９０の鳴動が停止することでこれを認識することができるようになり、包装硬貨を適用した両替処理を容易、かつ確実に実施できる。

　図３３－１は、包装硬貨と包装硬貨との間の両替を実施する場合に選択するメニューの表示例を示したものである。尚、以下の表示例においては包装硬貨を「ボウキン」として説明する。この表示例では、文字表示部３２に「ボウキン→ボウキン」、「リョウガエ」と表示することにより、包装硬貨と包装硬貨との間の両替であることを示している。この場合、数値表示部３１には「０」が表示してあり、まだ入出金されていないことを示している。

　この状態から例えば５００円硬貨を５０枚包装した５００円包装硬貨を包装硬貨収納庫５０から取り出すと、図３３－２に示すように、数値表示部３１に「－２５０００」と表示し、２５０００円の出金があったことを表示する。

　この状態から１００円硬貨を５０枚包装した１００円包装硬貨を包装硬貨収納庫５０に３本追加すると、図３３－３に示すように、数値表示部３１の表示が「－１００００」に更新される。さらに、１００円包装硬貨を包装硬貨収納庫５０に２本追加すれば、収支が合うことになり、図３３－４に示すように、数値表示部３１の表示が「０」となる。尚、１００円包装硬貨を１本追加しすぎた場合には、図３３－５に示すように、数値表示部３１が「＋５０００」となり、５０００円分超過であることが認識できるようになる。

（包装硬貨→貨幣両替処理）
　次に、包装硬貨両替モード処理のステップＳ３０２で表示されたメニューから利用者が包装硬貨から貨幣への両替処理を選択した場合（ステップＳ３０４：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、包装硬貨→貨幣両替処理を実施する（ステップＳ３５０）。

　図３４は、制御手段１００が実施する包装硬貨→貨幣両替処理の内容を示すフローチャートである。包装硬貨→貨幣両替処理において制御手段１００は、開閉制御部１０８を通じて係合用電磁ソレノイド６４を励磁し、係合手段６０を解除する処理を行う（ステップＳ３５１）。この結果、押圧手段７０の押圧力により、包装硬貨収納庫５０が装置本体１に対して押し出され、その内部を開放して包装硬貨を出し入れすることが可能となる。

　係合手段６０を解除した制御手段１００は、さらに包装硬貨鑑別センサ５２の検出結果により入出金管理部１０５を通じて包装硬貨収納庫５０に対する包装硬貨の入金を監視し（ステップＳ３５２）、さらに表示手段３０に入金額を表示する処理を行い（ステップＳ３５３）、その後、開閉検知センサ８０を通じて包装硬貨収納庫５０が閉塞されたか否かを監視する（ステップＳ３５４）。包装硬貨収納庫５０が開放されている場合には（ステップＳ３５４：Ｎｏ）、依然として包装硬貨収納庫５０に対し包装硬貨を出し入れすることが可能であり、上述したステップＳ３５２及びステップＳ３５３の処理を繰り返し実施する。

　これに対し開閉検知センサ８０を通じて包装硬貨収納庫５０が閉塞されたことを検知すると（ステップＳ３５４：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、入出金管理部１０５を通じて包装硬貨収納庫５０に対する入金額がゼロでないか否かを確認する（ステップＳ３５５）。包装硬貨による入金額がゼロの場合（ステップＳ３５５：Ｎｏ）、制御手段１００は、以降の処理を実施することなく今回の包装硬貨→貨幣両替処理を終了し、手順をリターンさせる。

　一方、包装硬貨収納庫５０が開放されてから閉塞されるまでの間の包装硬貨の入金額がゼロでない場合（ステップＳ３５５：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、変数ｍに「１」を代入する処理を実施し（ステップＳ３５６）、その後、入出金管理部１０５を通じて払い出し可能な金種の抽出を行う（ステップＳ３５７）。具体的には、入出金管理部１０５によってメモリ１１０に格納された、現時点で硬貨収納庫１０に収納されている硬貨の金種とその収納数の情報、並びに紙幣収納庫２０に収納されている紙幣の金種とその収納数の情報を読み出す処理を実施し、これらに基づいて払い出し可能な金種を設定する。この場合、予め閾値（≠０）を設定しておき、閾値を下回る収納数の貨幣に関しては、払い出し可能な金種として設定しないようにしても良い。

　払い出し可能な金種を抽出した制御手段１００は、これらの金種から入金された貨幣に対して異なる組み合せで等価となる出金金種情報を設定し（ステップＳ３５８）、さらに設定した出金金種情報のうち、ｍ番目の出金金種情報（今回は１番目の出金金種情報）を表示手段３０にメニューとして表示する処理を行い（ステップＳ３５９）、入力手段４０からの入力待ちとなる（ステップＳ３６０、ステップＳ３６１）。

　ここで制御手段１００が設定・表示する出金金種情報は、入金された貨幣に対して金種が異なる組み合せで等価となるものであり、入金された貨幣よりも低額金種の組み合せ（順両替）及び入金された貨幣よりも高額金種の組み合せ（逆両替）の双方となる。順両替及び逆両替のいずれにあっても複数種類の組み合せが存在し、かつ入出金管理部１０５によって払い出し可能な金種として抽出されたものである場合には、それらすべての表示を行う。

　表示手段３０のメニュー表示は、表示された処理を選択するべく「実行」スイッチ４３をＯＮ操作するか（ステップＳ３６０：Ｙｅｓ）、他の出金金種情報を表示させるべく「△」スイッチ４１もしくは「▽」スイッチ４２をＯＮ操作するまで（ステップＳ３６１：Ｙｅｓ）、継続して表示される（ステップＳ３６０：Ｎｏ→ステップＳ３６１：Ｎｏ→ステップＳ３６０）。

　上述のメニュー表示が行われている間に「△」スイッチ４１もしくは「▽」スイッチ４２がＯＮ操作されると（ステップＳ３６１：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、変数ｍをインクリメントし（ステップＳ３６２）、その後、手順をステップＳ３５９に移行させる。この結果、表示手段３０に２番目の出金金種情報が表示されることになる。

　これに対してメニュー表示が行われている間、「実行」スイッチ４３がＯＮ操作されると（ステップＳ３６０：Ｙｅｓ）、制御手段１００は、表示していた貨幣の組み合せによる両替を実施し（ステップＳ３６３）、手順をリターンさせる。両替が実施されると、入出金管理部１０５を通じて硬貨収納庫１０及び紙幣収納庫２０から該当する貨幣が搬出され、装置本体１の硬貨出金口１２や紙幣出金口２２に払い出されることになる。

　尚、上述した実施の形態では、１つの制御手段１００によって硬貨、紙幣、包装硬貨の入出金を集中制御するようにしているが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば図３５の変形例に示すように、硬貨処理部、紙幣処理部及び包装硬貨処理部がそれぞれ専用の制御手段１００Ａ，１００Ｂ，１００Ｃを備えるように構成することも可能である。さらに、硬貨処理部、紙幣処理部及び包装硬貨処理部をそれぞれ個別の筐体に収容し、硬貨処理部に対して紙幣処理部や包装硬貨処理部を着脱可能に接続させれば、硬貨処理部のみを備えた金銭処理装置や硬貨処理部と包装硬貨処理部とから成る金銭処理装置を構成することも可能となる。尚、図３５の変形例において上述した実施の形態と同様の構成に関しては、同一の符号を付してある。

Claims

　装置本体の内部に本体収納庫を有し、投入口を介して貨幣が投入された場合にこれを鑑別して本体収納庫に収納する一方、出金指令が与えられた場合にはこの出金指令に該当する金額の貨幣を本体収納庫から出金口を介して装置本体の外部に払い出す制御手段を備えた金銭処理装置において、
　予め設定した複数枚の硬貨を定形に包装して成る包装硬貨を収納対象とし、装置本体に対して開閉可能、かつ前記装置本体に対して開放した場合に包装硬貨の出し入れが可能となる包装硬貨収納庫と、
　前記包装硬貨収納庫において包装硬貨の有無を検出する包装硬貨検出手段と、
　有効化した状態で前記装置本体に対して包装硬貨収納庫を閉塞した場合に係合可能となり、係合状態となった場合に前記装置本体に対して前記包装硬貨収納庫を閉塞した状態に保持する係合手段と
　を備え、前記制御手段は、所定の単体動作指令が与えられた場合、前記投入口を介した貨幣の投入に伴って前記係合手段による装置本体と包装硬貨収納庫との係合状態を解除し、かつ前記包装硬貨検出手段を通じて前記包装硬貨収納庫を監視し、前記投入口を介して投入された貨幣の入金額と前記包装硬貨収納庫から取り出された包装硬貨の出金額とが不一致の状態にある場合にこれを外部に報知することを特徴とする金銭処理装置。
　装置本体の内部に本体収納庫を有し、投入口を介して貨幣が投入された場合にこれを鑑別して本体収納庫に収納する一方、出金指令が与えられた場合にはこの出金指令に該当する金額の貨幣を本体収納庫から出金口を介して装置本体の外部に払い出す制御手段を備えた金銭処理装置において、
　予め設定した複数枚の硬貨を定形に包装して成る包装硬貨を収納対象とし、装置本体に対して開閉可能、かつ前記装置本体に対して開放した場合に包装硬貨の出し入れが可能となる包装硬貨収納庫と、
　前記包装硬貨収納庫において包装硬貨の有無を検出する包装硬貨検出手段と、
　有効化した状態で前記装置本体に対して包装硬貨収納庫を閉塞した場合に係合可能となり、係合状態となった場合に前記装置本体に対して前記包装硬貨収納庫を閉塞した状態に保持する係合手段と、
　前記制御手段からの表示指令に従って外部表示を行う表示手段と、
　前記制御手段に対して選択指令を与える選択入力手段と
　を備え、前記制御手段は、所定の単体動作指令が与えられた場合、包装硬貨と包装硬貨との等価払い出しを行う包装硬貨両替処理を選択するための選択情報を前記表示手段に表示し、
　前記選択入力手段を介して包装硬貨両替処理が選択された場合、前記係合手段による装置本体と包装硬貨収納庫との係合状態を解除し、かつ前記包装硬貨検出手段を通じて前記包装硬貨収納庫を監視し、
　さらに前記包装硬貨収納庫が閉塞された時点で開放時点からの包装硬貨の入金額及び出金額を算出し、これら入金額と出金額とが不一致の状態にある場合にこれを外部に報知することを特徴とする金銭処理装置。
　前記制御手段は、前記入金額と前記出金額とが不一致の状態にある場合、前記係合手段を無効化することによってこれを報知することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の金銭処理装置。
　前記装置本体と前記包装硬貨収納庫との間に介在し、前記係合手段による装置本体と包装硬貨収納庫との係合状態が解除されている場合に、前記装置本体に対して前記包装硬貨収納庫を押圧することにより該包装硬貨収納庫を開放した状態に保持する押圧手段を備えることを特徴とする請求項３に記載の金銭処理装置。
　前記制御手段からの出力指令に応じて外部に出力を行う出力手段を備え、
　前記制御手段は、前記入金額と前記出金額とが不一致の状態にある場合、前記出力手段から出力を行うことによってこれを報知することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の金銭処理装置。
　前記出力手段は、前記制御手段からの表示指令に従って外部に数値表示を行う数値表示手段を備え、
　前記制御手段は、前記入金額と前記出金額とが不一致の状態にある場合、前記数値表示手段に入金額と出金額との差額を数値表示することを特徴とする請求項５に記載の金銭処理装置。
　前記制御手段は、入金もしくは出金を検出した場合には前記数値表示手段の表示を更新することを特徴とする請求項６に記載の金銭処理装置。
　前記出力手段は、前記制御手段からの表示指令に従って外部表示を行う表示手段を備え、
　前記制御手段は、前記入金額と前記出金額とが不一致の状態にある場合にその原因を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項５に記載の金銭処理装置。
　前記制御手段は、開放された包装硬貨収納庫が前記装置本体に対して閉塞された場合、前記包装硬貨検出手段を通じて開放時点から閉塞時点までの出金額を算出し、該算出した出金額がゼロの場合には入金額に対応する貨幣を前記出金口から払い出すことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の金銭処理装置。
　前記制御手段は、開放された包装硬貨収納庫が前記装置本体に対して閉塞された場合、前記包装硬貨検出手段を通じて開放時点から閉塞時点までの出金額を算出するとともに、この算出した出金額と入金額とを比較し、出金額が小さい場合には前記入金額との差額に相当する貨幣を前記出金口から払い出すことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の金銭処理装置。
　前記制御手段は、前記包装硬貨収納庫から取り出された包装硬貨の出金額と前記出金口から払い出した貨幣の出金額との合計が前記入金額に一致した場合、外部に対する報知を停止するための処理を実施することを特徴とする請求項９または請求項１０に記載の金銭処理装置。
　前記制御手段からの表示指令に従って外部表示を行う表示手段と、
　前記制御手段に対して選択指令を与える選択入力手段と
　をさらに備え、前記制御手段は、所定の単体動作指令が与えられた場合、包装硬貨から高額金種への等価払い出しを行う逆両替処理を選択するための選択情報を前記表示手段に表示し、
　前記選択入力手段を介して逆両替処理が選択された場合、前記係合手段による装置本体と包装硬貨収納庫との係合状態を解除し、かつ前記包装硬貨検出手段を通じて前記包装硬貨収納庫を監視し、
　さらに前記包装硬貨収納庫が閉塞された時点で開放時点からの包装硬貨による入金額を算出し、この算出した入金額に対応する貨幣を前記出金口から払い出すことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の金銭処理装置。
　貨幣が投入された場合にこれを鑑別して収納庫に収納する一方、出金指令が与えられた場合にはこの出金指令に該当する金額の貨幣を収納庫から払い出す制御手段を備えた金銭処理装置において、
　前記制御手段からの表示指令に従って外部表示を行う表示手段と、
　前記制御手段に対して選択指令を与える選択入力手段と
　を備え、前記制御手段は、所定の単体動作指令が与えられた場合、高額金種から低額金種への等価払い出しを行う順両替処理と、低額金種から高額金種への等価払い出しを行う逆両替処理とを選択するための選択情報を前記表示手段に表示し、前記選択入力手段を通じて選択指令が与えられた場合に該当する一方の両替処理を実施することを特徴とする金銭処理装置。
　前記制御手段は、前記単体動作指令が与えられた後に貨幣が投入された場合、投入された貨幣に対して異なる金種の組み合せで等価となる出金金種情報を前記選択情報とともに前記表示手段に表示し、前記選択入力手段を通じて選択指令が与えられた場合に当該選択された選択情報とともに表示した出金金種情報の組み合せで前記収納庫から貨幣の出金を行うことを特徴とする請求項１３に記載の金銭処理装置。
　前記表示手段は、金種毎に該当するか否かの表示を行う該当表示部を備え、
　前記制御手段は、それぞれの該当表示部に対する表示の有無によって前記出金金種情報を表示することを特徴とする請求項１４に記載の金銭処理装置。
　前記表示手段は、金種毎に個別の数値表示を行う数値表示部を備え、
　前記制御手段は、それぞれの数値表示部に数値を表示することによって前記出金金種情報を表示することを特徴とする請求項１４に記載の金銭処理装置。
　前記表示手段は、文字表示を行う文字表示部を備え、
　前記制御手段は、前記出金金種情報を表示する場合に当該出金金種情報が、硬貨のみによるものか、あるいは紙幣のみによるものか、あるいは硬貨と紙幣との組み合せによるものかを前記文字表示部に表示することを特徴とする請求項１４に記載の金銭処理装置。
　前記制御手段は、前記収納庫に収納された貨幣の金種及び枚数に応じて出金可能な出金金種情報を抽出し、該抽出した出金金種情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項１４に記載の金銭処理装置。