JP2000132728A - 紙幣収納装置 - Google Patents

紙幣収納装置

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JP2000132728A
JP2000132728A JP10320037A JP32003798A JP2000132728A JP 2000132728 A JP2000132728 A JP 2000132728A JP 10320037 A JP10320037 A JP 10320037A JP 32003798 A JP32003798 A JP 32003798A JP 2000132728 A JP2000132728 A JP 2000132728A
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roller
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Shunichi Yoshida
俊一 吉田
Akira Unosawa
晶 鵜野澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙幣の分離機能の経時的劣化を防止して重送
を低減可能であるとともに、メンテナンスの労を軽減可
能な紙幣収納装置とする。 【解決手段】 紙幣を収納可能であって、紙幣の両面か
らそれぞれ挟持すると共に、少なくとも紙幣の片面側が
紙幣を搬送する搬送手段である2つの挟持手段304
(312),310を備え、搬送手段304(312)
が摩耗しても、紙幣と他方の挟持手段310との挟持方
向の位置関係を、常に搬送手段304(312)の摩耗
前の状態に保つ位置不変更化手段801を備えるように
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣を外部から収
納室に収納させ、あるいは収納室から外部に紙幣を払い
出し可能な紙幣収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動販売機や両替機は、設置
されている場所が屋内であるか屋外であるかを問わず、
無人の環境下で使用されることが多い。例えば、高速道
路のパ−キングエリアなどに、最近、各種自動販売機を
集めている場所も多くなってきている。また、両替機や
自動販売機は、効率化および省力化を目的に設置される
ため、紙幣の入金および出金の際にトラブルが少ない、
いわゆる信頼性の高い装置であることが要求される。し
かも、取り扱う対象がお金であるため、他種の装置に比
べて高い信頼性が要求される。
【0003】一方、紙幣処理時間の短縮の要求は高く、
紙幣の搬送手段を高速で駆動することが多い。しかし、
積層した複数の紙幣から一枚ずつ紙幣を搬送する際に、
2枚以上の紙幣が搬送される、いわゆる重送というトラ
ブルが発生する場合がある。重送が頻繁に発生すると、
必要以上に紙幣を払い出す危険性があり、紙幣収納装置
の信頼性は著しく損なわれる。
【0004】ところで、紙幣収納装置の内部における紙
幣搬送手段として、紙幣を両面から挟持して搬送するベ
ルトやローラーを用いることが多い。重送を防止するた
めには、紙幣を両面から挟持する搬送手段同士あるいは
搬送手段と搬送機能を持たない挟持手段(以後、「搬送
手段同士等」という)を適度の位置にする必要がある。
なぜならば、搬送手段同士等の隙間あるいはかみ合わせ
の程度如何で、重送しかけた紙幣を確実に分離する分離
機能が大きく異なるからである。
【0005】具体的には、一方の搬送手段の位置が変動
して、搬送手段同士等の隙間が広かったりあるいはその
かみ合わせの程度が小さいと、分離機能も小さくなり、
複数の紙幣が搬送手段同士等の間に入り込む。その結
果、重送が生じやすくなる。逆に、搬送手段同士等の隙
間が狭かったり、そのかみ合わせが大き過ぎると、紙幣
の搬送が困難となり、モータ等の駆動手段に負荷がかか
ったり、あるいは駆動力の大きなモータを使用せざるを
得なくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を防止
する観点から、本出願人は、先に、搬送手段同士等の隙
間あるいはこれらのかみ合わせの大きさを考慮した紙幣
収納装置を創作した。図69は、その紙幣収納装置の収
納室の一部を示す図である。収納室900の上部には、
紙幣を収納室の内部および外部に搬送可能な搬送機構部
901が備えられている。搬送機構部901の下方に
は、紙幣を積載して載置すると共に、収納室900の内
部を上下動可能な積載プレート902が備えられてい
る。
【0007】搬送機構部901には、紙幣の幅方向、す
なわち、図69の紙面に対して垂直方向に、ローラー9
03とローラー904に張設されたベルト905が、2
組備えられている。また、2組の搬送ベルト905の間
には、ローラー906b、ローラー907およびローラ
ー908に張設されたベルト909が2組備えられてい
る。図69では、2個のローラー906aの間に配置さ
れている2個のローラー906bと、2個のローラー9
04の間に配置されている2個のローラー908とは、
紙面の裏となって図示できないので、カッコ書きで示し
ている。なお、ローラー906bの紙幣幅方向の外側に
は、ローラー906aがあるが、このローラー906a
は、ベルト905に接するのみである。
【0008】また、各ローラー903のベルト905を
挟んだ下方には、ローラー911がベルト905に当接
する位置に備えられている。さらに、ローラー911よ
りも収納室900内部の方向であって、ローラー906
a,906bのベルト905,909を挟んだ下方に
は、各2個ずつの分離ローラー912a,912bが備
えられている。分離ローラー912a,912bは、紙
幣を収納室に搬入する方向には、軸913を中心として
回転するが、紙幣を収納室900から搬出する方向には
回転しない。これは、収納室900から紙幣を搬出する
際の抵抗を高めて、重送を防止するためである。なお、
分離ローラー912bは、2個の分離ローラー912a
の間に配置され、紙面の裏となって図示できないので、
カッコ書きで示している。
【0009】紙幣を収納室900から搬出する際には、
積載プレート902を上方に移動させて、最上の紙幣を
ベルト905,909に接触させる。続いて、図示され
ないモータによって、ベルト905,909を駆動す
る。これによって、紙幣が、出金方向に搬送される。こ
こで、紙幣は、まず、分離ローラー912a,912b
に接触して、ベルト905,909と分離ローラー91
2a,912bの隙間に入る。図70に、ベルト90
5,909と分離ローラー912a,912bの近傍を
拡大して示す。Xが指示する破線部分から明らかなよう
に、ベルト905,909は、分離ローラー912a,
912bの上部に接触せず、分離ローラー912a,9
12bの上部より少し下方に配置されている。
【0010】図71は、紙幣搬送口914から、搬出さ
れる紙幣を見た図である。図をわかりやすくするため、
図71では、ローラー903,911を除外して、ロー
ラー903に巻かれているベルト905の断面を斜線で
示している。図示されるように、ローラー906aに接
する部分でのベルト905,909の下面位置Bは、分
離ローラー912a,912bの上部位置Aよりも高さ
dだけ下方にある。このため、紙幣は、その断面形状が
波形の状態で収納室900の外部に搬送される。かかる
形状で搬送することにより、紙幣の分離機能を高め、重
送を低減できる。この際、ベルト905,909の下面
位置Bと分離ローラー912a,912bの上部位置A
との食い込み長さであるdは、分離機能と搬送機能とを
共に高める適度な間隔となっている。
【0011】しかし、上述した紙幣収納装置は、搬送機
能と分離機能とが共に高く、信頼性に優れているもの
の、解決すべき問題を有している。紙幣の収納および出
金動作を繰り返しているうちに、ベルト905,909
が摩擦等によって擦り減り、その厚みtが減少する。こ
の結果、紙幣とその下方の分離ローラー912a,91
2bの上面との距離dが小さくなり、これによって、紙
幣の波形が浅くなると共に、分離ローラー912a,9
12bのローラー曲面に沿った紙幣のズレが小さくなっ
て、重送が生じやすくなる。かかるトラブルを回避する
ため、頻繁にベルト905,909を交換する方法もあ
るが、装置管理の労が大きくなると共に、ベルト交換に
伴うコストがかさむので好ましくない。
【0012】本発明は、このような問題を解決すべくな
されたものであり、紙幣の分離機能の経時的劣化を防止
して重送を低減可能であるとともに、メンテナンスの労
を軽減可能な紙幣収納装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的に鑑みて、本
発明の請求項1記載の紙幣収納装置は、紙幣を収納可能
であって、紙幣の両面からそれぞれ挟持すると共に、少
なくとも紙幣の片面側が紙幣を搬送する搬送手段である
2つの挟持手段を備え、搬送手段が摩耗しても、紙幣と
他方の挟持手段との挟持方向の位置関係を、常に搬送手
段の摩耗前の状態に保つ位置不変更化手段を備えるよう
にしている。
【0014】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の紙幣収納装置において、搬送手段の少なくとも一つ
をベルトとし、位置不変更化手段の一部をベルトに接触
させるようにしている。
【0015】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の紙幣収納装置において、位置不変更化手段は、ベル
トの摩耗量に対応して、ベルトが当接する紙幣の方向に
移動する可動部を有し、その可動部は、その可動範囲に
おいて、紙幣の方向に付勢されるようにしている。
【0016】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の紙幣収納装置において、可動部は、紙幣の方向にの
み移動可能としている。
【0017】また、請求項5記載の発明は、請求項1、
2、3または4記載の紙幣収納装置において、両挟持手
段は、紙幣の幅方向に、相互に凸部と凹部が係合するよ
うに配置するようにしている。
【0018】また、請求項6記載の発明は、請求項1か
ら6のいずれか1項記載の紙幣収納装置において、搬送
手段は、紙幣を収納する収納室の内部に配置され、その
収納室の内部および外部のいずれか一方に紙幣を搬送す
る手段としている。
【0019】また、請求項7記載の発明は、請求項1か
ら6のいずれか1項記載の紙幣収納装置において、搬送
手段の一方を正逆双方向に移動可能なベルトとし、他方
を挟持手段を紙幣の入金時には入金方向に回転し、紙幣
の出金時には出金方向に回転不能である分離ローラーと
している。
【0020】また、請求項8記載の発明は、請求項1か
ら7のいずれか1項記載の紙幣収納装置において、位置
不変更化手段の動作距離を計測する計測手段を備えるよ
うにしている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0022】(1)装置全体の構造について
【0023】図1は、本発明に係る紙幣収納装置全体の
構成を表したブロック図である。
【0024】この紙幣収納装置は、最上部に紙幣識別部
100、側面に紙幣搬送部200、最下部に紙幣収納部
300、そして紙幣識別部100と紙幣収納部300と
の間にイジェクト・リジェクト部400を備えた構造と
なっている。また、図1に示されていないが、紙幣収納
装置を制御する制御部500も備えられている(制御部
500の詳細については、後述する)。
【0025】紙幣識別部100は、紙幣挿入口101か
ら入金された紙幣1の真偽および種類を識別して、紙幣
搬送部200に紙幣1を搬送する部分である。紙幣識別
部100は、各種のセンサ−によって紙幣を検知する検
知部100aと検知した紙幣を収納準備が完了するまで
一時的に待機させる一時待機部100bとから構成され
ている。
【0026】紙幣搬送部200は、装置の下部に設けら
れた図示されていないステッピングモ−タの回転による
搬送ベルトの駆動によって紙幣1を紙幣識別部100か
ら紙幣収納部300へ搬送する入金動作と、紙幣1を紙
幣収納部300からイジェクト・リジェクト部400へ
搬送する出金動作を行う部分である。
【0027】紙幣収納部300は、3種の紙幣1を個別
に収納できる収納室(以後、収納室を「スタッカ−」と
いう)を上下に積載した構成となっている。具体的に
は、紙幣収納部300は、上から千円札用スタッカ−3
00a、5千円札用スタッカ−300bおよび1万円札
用スタッカ−300cとから構成されている。千円札用
スタッカ−300aは、紙幣の出入りが最も多いため、
一番大きな容量となっている。
【0028】イジェクト・リジェクト部400は、紙幣
収納部300から紙幣搬送部200を経由し紙幣1を受
け入れると共に紙幣出金口401から紙幣1を取り出せ
るようにする部分である。イジェクト・リジェクト部4
00は、真券を出金する出金動作を行うイジェクト部4
00aと、出金紙幣中に存在する異券、重送紙幣および
偽札を保存するリジェクト部400bとから構成されて
いる。イジェクト部400aは、搬送された紙幣1を出
金すべき枚数となるまで保留してから一括して出金動作
を行う部分である。また、リジェクト部400bは、出
金動作時に発見された異券等を正規の紙幣1と区別して
保存して出金を行わないようにする部分である。
【0029】制御部500は、紙幣識別部100、イジ
ェクト・リジェクト部400および紙幣収納部300の
裏側(図1の紙面に対して裏)に設けられている。
【0030】図2は、制御部500の構成を示したブロ
ック図である。制御部500は、紙幣識別部100、紙
幣搬送部200、紙幣収納部300およびイジェクト・
リジェクト部400を電子制御する部分である。制御部
500は、中央演算処理装置(CPU)501、識別部
MPU501a、読み出し専用記憶装置(ROM)50
2、読み出しと書き込みが可能な記憶装置(RAM
(1)503、RAM(2)504)、表示部505、
テストスイッチ506とから構成されている。識別部M
PU501aは、紙幣識別部100における紙幣の識別
に必要な紙幣デ−タを記録している部分であり、センサ
−で検知されたデータと照合する。
【0031】また、紙幣収納装置には、電源部507と
外部通信部508が設けられている。外部通信部508
によって、紙幣収納装置と当該装置を組み込んだ紙幣両
替機や自動販売機等の上位機制御装置509との間で、
信号のやりとりが可能となっている。また、必要によっ
ては、上位機制御装置509を他のホストコンピュ−タ
と通信可能に構成することも可能である。この紙幣収納
装置内には、多くのセンサ−やモ−タがあり(共に詳細
は後述する)、制御部500を介して紙幣1の搬送等の
動作を精密に制御できる構造となっている。
【0032】また、この紙幣収納装置の表側(図1の紙
面に対して表側)には、後述するカギ付きの紙幣格納部
ドア600が設けられており(詳細は後述する)、紙幣
1の回収や補充あるいは故障時の点検の際に開閉可能と
なっている。
【0033】図3は、この実施の形態における紙幣収納
装置の全体構造を示した図である。この図に示すよう
に、紙幣挿入口101と紙幣出金口401とが装置の上
部に近接して設けられている。そのため、紙幣1の取り
忘れを防止することができるとともに、使用者にとって
使いやすいものとなっている。
【0034】また、紙幣収納部300は、上から千円札
用スタッカ−300a、5千円札用スタッカ−300
b、1万円札用スタッカ−300cの順で積載された構
造となっている。すなわち、最も使用頻度の高い紙幣1
のスタッカ−が紙幣挿入口101と紙幣出金口401に
近い位置に配置されている。したがって、通常の紙幣1
の取引きにおいて迅速な入出金動作が可能となってい
る。なお、各紙幣1の収納位置は、この紙幣収納装置が
組み込まれる機器によって適宜その位置を変えることが
できる。例えば、上部から順に千円、1万円、5千円と
したり、1万円、千円、5千円としても良い。
【0035】(2)紙幣識別部について
【0036】図4および図5は、それぞれ紙幣識別部1
00の側面および上面からみた断面図である。紙幣識別
部100は、種々のセンサ−によって紙幣1の真偽およ
び種類を検知する検知部100aと真券である場合に紙
幣1の収納準備が完了するまで一時的に紙幣1を待機さ
せる一時待機部100bとから構成されている。
【0037】検知部100aおよび一時待機部100b
は、各々蓋となる上部100c,100dが独立して開
閉可能な構造となっている。したがって、紙幣1の入金
時にトラブルが発生した場合やメンテナンスの際に点検
あるいは修理が容易である。紙幣識別部100の入口側
には、紙幣1を入金する紙幣挿入口101が設けられて
いる。また、検知部100aの内部には、入口センサ−
102、光式識別センサ−103,104、磁気式識別
センサ−105、引き抜き防止レバ−センサ−106、
終端センサ−107の各センサ−が設けられている。
【0038】各センサ−102,103,104,10
5,106,107の構造および機能は、以下のとおり
である。すなわち、入口センサ−102は、検知部10
0aの両端であって、挿入された紙幣1の幅方向の両端
部を検知できる位置に各1個づつ設けられている。これ
によって、幅の狭い紙幣1が挿入されると偽札と判断
し、偽札が戻されるようになっている。なお、この入口
センサ−102は、識別部搬送モ−タ108および電磁
クラッチ109を動作させる信号を送る役割を有してい
る。
【0039】入口センサ−102は、透過型の光センサ
−であり、検知部100aの紙幣挿入経路の上側(検知
部上部100c)に設けられた発光素子と、下側となる
本体側に設けられた受光素子とから構成されている。入
口センサ−102は、紙幣挿入口101から入金された
紙幣1を検知する。
【0040】光式識別センサ−103,104は、紙幣
挿入口101からみて入口センサ−102よりさらに内
部に設けられている。検知部100aのほぼ中央に1
個、その位置から奥の検知部100aの両端に2個の計
3個のセンサ−が設けられている。中央に設けられた中
央光式識別センサ−103は、赤外線を用いた赤外線セ
ンサ−である。また、側部に設けられた側部光式識別セ
ンサ−104は、可視光を用いた可視光線センサ−であ
る。いずれの光式識別センサ−103,104も、入口
センサ−102と同様の透過型センサ−であり、蓋とな
る上側100cと本体となる下側に配置された発光素子
と受光素子とから構成されている。このように、赤外線
と可視光線の2種類の光を用いているのは、次の理由に
よる。波長の異なる光を用いると、波形パタ−ンが異な
る。そのため、紙幣1の真偽および種類をダブルチェッ
クできる。したがって、紙幣を正確に識別可能となるか
らである。
【0041】磁気式識別センサ−105は、検知部10
0aの下側であって、装置の上部からみて中央光式識別
センサ−103とほぼ水平の位置に2個設けられてい
る。磁気式識別センサ−105は、通過する紙幣1の磁
気パタ−ンを読み取るセンサ−である。磁気式識別セン
サ−105は、センサ−上を通過する紙幣に印刷されて
いる磁性体から磁気パタ−ンを読みとり、紙幣1の真偽
および種類を識別している。このように、3個の光式識
別センサ−103,104と2個の磁気式センサ−10
5によって、紙幣1の種類および真偽が正確に識別され
ている。
【0042】引き抜き防止レバ−センサ−106は、紙
幣1の有無を検知する光遮断型センサ−であり、検知部
上部100cに設けられている。紙幣1が引き抜き防止
レバ−112に乗ると、引き抜き防止レバ−センサ−1
06の光を遮断していた引き抜き防止レバ−112は下
降し、引き抜き防止レバ−センサ−106を遮断してい
た位置から外れる。その後、紙幣1の後端が引き抜き防
止レバ−112通過すると、該レバ−112が立ち上が
り、再度、引き抜き防止レバ−センサ−106を遮断す
る。これによって、引き抜き防止レバ−センサ−106
はオフとなる。このように、引き抜き防止レバ−112
が立ち上がることによって、紙幣の抜き取りを防止でき
るようになっている。
【0043】終端センサ−107は、透過型の光センサ
−であり、紙幣1の後端が終端センサ−107を通過す
ると、識別部搬送モ−タ108が停止することによっ
て、搬送ベルト113が停止する。したがって、紙幣1
は、一時待機部100bに待機することになる。これ
は、紙幣搬送部200および紙幣収納部300の入金準
備が整うまで、紙幣1を搬送しないようにするためであ
る。なお、終端センサ−107は、紙幣1の終端を検知
すると、電磁クラッチ109をオフにする。したがっ
て、紙幣1が一時待機部100bに待機している際に、
紙幣挿入口101から次の入金が行われても、搬送ベル
ト114は駆動しない。また、この終端センサ−107
は、他の透過型の光センサ−と同様に検知部100aの
上側と下側に配置される発光素子と受光素子とから構成
されている。
【0044】検知部100aの下側となる本体側には、
それぞれロ−ラ−115,116に張設された2本の搬
送ベルト114が備えられている。検知部100aの上
側には各ロ−ラ−115,116に対向する位置と、各
磁気式識別センサ−105に対向する位置の計6箇所
に、6個のロ−ラ−117が設けられている。紙幣1が
搬送ベルト114によって入金方向に駆動されると、ロ
−ラ−117は紙幣1の移動に従動して回転可能になっ
ている。
【0045】ロ−ラ−116は、軸118と連結してお
り、識別部搬送モ−タ108が回転して電磁クラッチ1
09がオンになると、出力プ−リ119、ベルト12
0、クラッチプ−リ121、ギア122、ギア123お
よびギア124を介して回転可能となっている。そし
て、ロ−ラ−116の回転によって、搬送ベルト114
が入金あるいは出金方向に回転可能となっている。
【0046】なお、識別部搬送モ−タ108は定速回転
するモ−タとなっている。このように、紙幣識別部10
0には、後述するステッピングモ−タ700と独立した
モ−タとして、識別部搬送モ−タ108が設けられてい
る。そのため、連続入金の場合であっても、先に挿入し
た紙幣1の入金動作と併行して、一時待機部100bま
で次の紙幣1の挿入が可能となる。したがって、紙幣1
の入金動作を迅速に行うことが可能である。
【0047】一時待機部100bの下側には、ロ−ラ−
125およびロ−ラ−126に張設された2本の搬送ベ
ルト113が設けられている。また、一時待機部100
bの上側には各ロ−ラ−127,128,129に張設
された2本の搬送ベルト130が設けられている。紙幣
1を2本の搬送ベルト113と2本の搬送ベルト130
で挟持して搬送できるようにしている。搬送ベルト11
3は、出力プ−リ119、出力プ−リ131、ベルト1
32、駆動ロ−ラ−133およびロ−ラ−126を介し
て、識別部搬送モ−タ108と連結されており、入金方
向に回転可能となっている。
【0048】(3)紙幣搬送部について
【0049】次に、紙幣搬送部200の構造について説
明する。図6、図7および図8は、紙幣搬送部200の
搬送路ドア部201を開いた状態の斜視図、側面からみ
た断面図および紙幣挿入口101と反対方向からみた断
面図である。2本の搬送ベルト202は、搬送路ドア部
201の内側に設置された各2個のロ−ラ−203,2
04,205,206,207,208に張設されてい
る。ロ−ラ−203は、図8に示すステッピングモ−タ
700から図示されていないギアを介して回転を受けて
駆動される。なお、ステッピングモ−タ700は、制御
部500にあるCPU501からの信号によって、正逆
両方向に回転可能なモ−タとされている。すなわち、紙
幣1の入金時と出金時によってステッピングモ−タ70
0の回転方向が変えられるようになっている。
【0050】したがって、ステッピングモ−タ700に
連結しているロ−ラ−203の回転方向によって搬送ベ
ルト202は、紙幣搬送部200の中の紙幣1を上下両
方向に搬送可能となっている。この実施の形態では、紙
幣1の入金動作と出金動作を同一の搬送経路とすること
によって、紙幣収納装置全体の小型化を図っている。
【0051】また、ステッピングモ−タ700の回転速
度は、入金時あるいは後述するリジェクト時に変えてい
る。すなわち、入金時には、一時待機部100bの搬送
ベルト113の移動速度よりも、紙幣搬送部200の搬
送ベルト202の移動速度が速くなるように、ステッピ
ングモ−タ700を回転させている。これによって、入
金される紙幣1が紙幣搬送部200にスム−ズに送り込
まれる。ステッピングモ−タ700の回転速度は、識別
部搬送モ−タ108の回転速度の1から3倍が好まし
く、特に、2倍が好ましい。なお、入金の際、必要によ
っては搬送ベルト113と搬送ベルト202の移動速度
を同じにしても良い。
【0052】一方、リジェクト処理の際には、搬送ベル
ト202の移動速度を、搬送ベルト113の移動速度よ
りも遅くしている。すなわち、ステッピングモ−タ70
0を識別部搬送モ−タ108の回転速度よりも低速で回
転するようにしている。ステッピングモ−タ700の回
転速度は、識別部搬送モ−タ108の回転速度の0.2
から0.9倍が好ましく、特に、0.5から0.8が好
ましい。なお、出金時にも、搬送ベルト202の移動速
度を搬送ベルト113の移動速度よりも高速としても良
い。上述のステッピングモ−タ700の構造について
は、後述する。
【0053】紙幣搬送部200の紙幣収納装置本体側に
は、各2本の搬送ベルト210,211,212,21
3と、各2個のロ−ラ−214,215,216,21
7,218,219,220,221,222,22
3,224,225が設けられている。搬送ベルト21
0,211,212,213は、搬送ベルト202と異
なり一本の長いベルトではなく、各種紙幣用のスタッカ
−300a,300b,300c毎に別個に設けられて
いる。これは、紙幣1を各スタッカ−300a,300
b,300cに搬送可能とするためである。また、搬送
ベルト210,211,212,213は、ステッピン
グモ−タ700から直接駆動されず、搬送ベルト202
の駆動に従動して回転するようになっている。これによ
って、搬送モ−タの個数を少なくすることができると共
に、開閉可能としている搬送路ドア部201を簡易な構
造とすることができる。
【0054】紙幣搬送部200におけるイジェクト・リ
ジェクト部400の紙幣搬送口と対向する位置には、イ
ジェクト搬送ゲ−ト226が設けられている。イジェク
ト搬送ゲ−ト226は、各スタッカ−300a,300
b,300cから紙幣搬送部200を経由してきた紙幣
1を取り込むことができるように、図7において時計回
りに開くことが可能な構造となっている。
【0055】イジェクト搬送ゲ−ト226、千円搬送ゲ
−ト231および5千円搬送ゲ−ト261は、それぞれ
イジェクトゲ−トソレノイド227、千円ゲ−トソレノ
イド232および5千円ゲ−トソレノイド262がオン
になったときに開く機構となっている。具体的には、C
PU501から入金または出金信号が送られた時に開
く。
【0056】ここで、千円札を紙幣搬送部200から千
円札用スタッカ−300aに搬送する際の千円搬送ゲ−
ト231を例にとって、ゲ−トの開閉機構を説明する。
なお、5千円搬送ゲ−ト261は、千円搬送ゲ−ト23
1と同じ構造および機構を有する。したがって、千円搬
送ゲ−ト231の開閉機構に関与する各部材の番号の後
ろに、5千円搬送ゲ−ト261の対応する各部材の番号
を、カッコ書きで表すこととする。
【0057】図7に示すように、千円搬送ゲ−ト231
(261)は、ア−ム233(263)、ア−ム234
(264)、ア−ム235(265)、ア−ム236
(266)、ア−ム237(267)を介して千円ゲ−
トソレノイド232(262)と連結されている。制御
部500からの入金信号によって、千円ゲ−トソレノイ
ド232(262)がオンになると、ア−ム237(2
67)が引き上げられ、ア−ム236(266)が図7
において右に回動移動し、ア−ム235(265)とア
−ム234(264)が図7において右に移動する。こ
れによって、ア−ム233(263)がア−ム234
(264)に引っ張られ、千円搬送ゲ−ト231(26
1)が開くようになっている。
【0058】ここで、千円ゲ−トソレノイド232(2
62)がオンになると、ア−ム236(266)の端部
に備えられた磁石238(268)が、ホ−ルセンサ−
である千円搬送ゲ−トセンサ−239(269)と重な
る。これによって、千円搬送ゲ−ト231(261)が
開いたことを知らせる信号が、制御部500に送られ
る。その後、紙幣1が、紙幣搬送部200を通って千円
札用スタッカ−300a(300b)に搬送されるよう
になっている。なお、イジェクトゲ−トソレノイド22
7がオンになった場合にも、磁石228がイジェクトゲ
−トセンサ−229に重なることで、制御部500は、
イジェクト搬送ゲ−ト226が開いたことを知らせる信
号を受け取るようになっている。
【0059】また、千円ゲ−トソレノイド232(26
2)がオフになると、図8に示すスプリング(以下、
「リタ−ント−ションスプリング」という)260(2
90)によって、ア−ム233(263)が図7におい
て左に回動移動し、千円搬送ゲ−ト231(261)が
閉まるようになっている。これに伴い、ア−ム234
(264)とア−ム235(265)が、図7において
左に移動する。そして、ア−ム236(266)が、図
7において左に回動移動して、磁石238(268)
が、ホ−ルセンサ−としての千円搬送ゲ−トセンサ−2
39(269)から離れる。
【0060】これによって、千円搬送ゲ−ト231(2
61)が閉じたことを知らせる信号が、制御部500の
CPU501に送られる。なお、イジェクトゲ−トソレ
ノイド227がオフになった場合にも、リタ−ント−シ
ョンスプリング230によって、イジェクト搬送ゲ−ト
226が閉じるようになっている。この際、磁石228
がイジェクトゲ−トセンサ−229から離れることによ
って、CPU501は、イジェクト搬送ゲ−ト226が
閉じたことを知らせる信号を受け取るようになってい
る。
【0061】1万円札用スタッカ−300cの入口にあ
る1万円搬送ゲ−ト291は、紙幣収納部300の最下
段にある。このゲ−ト291を通り過ぎる紙幣1はない
ので、1万円搬送ゲ−ト291は、常時開いた状態で固
定されている。これによって、1万円搬送ゲ−ト291
を駆動するゲ−トソレノイドが不要となり、紙幣収納装
置の小型化および構造の単純化を図ることができる。
【0062】図9は、紙幣識別部100の方向から見た
千円搬送ゲ−ト231の開いた状態の斜視図である。な
お、5千円搬送ゲ−ト261も、千円搬送ゲ−ト231
と同じ構造を有する。したがって、千円搬送ゲ−ト23
1の各部材の番号の後ろに、5千円搬送ゲ−ト261の
各対応部材の番号を、カッコ書きで表すこととする。千
円搬送ゲ−ト231(261)は、3本の各ツメ231
a(261a),231b(261b),231c(2
61c)からなる形状であり、各ツメが図6に示す搬送
ベルト211(212)と交互に隣り合う位置に収納で
きるようになっている。中央のツメ231a(261
a)の裏側には、各ロ−ラ−240(270),241
(271),242(272),243(273)に張
設されたベルト244(274)が設けられている。ベ
ルト244(274)は、図6に示す搬送ベルト202
に従動して回転するようになっている。
【0063】また、千円搬送ゲ−ト231(261)が
閉じた時にツメ231b(261b)およびツメ231
c(261c)の裏側に位置する部分には、それぞれベ
ルト245(275)が設けられている。各ベルト24
5(275)は、各ロ−ラ−246(276),247
(277),248(278)に張設されている。ベル
ト245(275)は、図8に示すステッピングモ−タ
700に従動して駆動されるようになっている。
【0064】搬送ベルト202と搬送ベルト211(2
12)の駆動によって搬送されてきた紙幣1は、千円搬
送ゲ−ト231(261)からスタッカ−300a(3
00b)に入る際に、まずベルト244(274)に接
触する。そして、紙幣1は、ベルト244(274)の
駆動によって、千円札用スタッカ−300a(300
b)に向かう。次に、紙幣1先端の中央部分がベルト2
44(274)とロ−ラ−249(279)の間に引き
込まれる。この際、同時に、千円札の両先端は、各ベル
ト245(275)に接触するため、該ベルト245
(275)の駆動を受けることになる。このため、紙幣
1の先端全体がベルトの駆動を受けて、千円札用スタッ
カ−300a(300b)にスム−ズに搬入されること
になる。
【0065】また、各ベルト244(274),245
(275)を、ステッピングモ−タ700と噛み合うギ
アの比やプ−リ−の径を変更したり、あるいは別個のモ
−タで駆動することによって、搬送ベルト211(21
2)よりも高速で駆動することも可能である。これによ
り、千円搬送ゲ−ト231(261)から千円札用スタ
ッカ−300a(300b)に紙幣1を搬送する際に、
紙幣1の先端を強制的に引っ張るように搬送することが
可能となる。
【0066】また、1万円搬送ゲ−ト291は、中央の
ツメのみからなる形状であり、千円搬送ゲ−ト231
(261)の中央のツメ231a(261a)の裏側と
同じ構造となっている。そのため、1万円札紙幣1は、
紙幣1の先端の中央部分をベルトによって駆動されなが
ら、1万円札用スタッカ−300cに搬入される。
【0067】1万円搬送ゲ−ト291の場合も、千円搬
送ゲ−ト231(261)の場合と同様に、ステッピン
グモ−タ700と噛み合うギアの比の変更等によって、
搬送ベルト213よりも高速の搬送を行うことが可能で
ある。なお、以後、5千円搬送ゲ−ト261の各部材の
番号を、対応する千円搬送ゲ−ト231の各部材の番号
の後ろに、カッコ書きで表さないこととする。
【0068】このように、各搬送ゲ−ト231,26
1,291の裏側にベルト等を設けることにより、紙幣
1が紙幣搬送部200からほぼ直角に各スタッカ−30
0a,300b,300cに曲がって入る搬送経路であ
っても、ジャムを起こしにくくなっている。なお、ジャ
ムを防止するための方法の一つは、紙幣1の搬送経路を
急激に曲げないようにすることである。しかし、このよ
うにすると紙幣収納装置が大型化してしまう。このた
め、この実施の形態では紙幣1の搬送経路をほぼ直角に
して、かつロ−ラ−等を有効に活用することによって装
置の小型化を達成している。
【0069】紙幣搬送部200には、図8に示す搬送路
センサ−255、図6に示す搬送路ドアセンサ−256
が設けられている。搬送路センサ−255は、反射式の
光センサ−である。同センサ−255は、搬送路センサ
−255から発する光が紙幣1表面で反射した反射光を
検知できるようになっている。そして、紙幣1が搬送路
センサ−255の位置に存在すると、制御部500に信
号が送られて、ゲ−トの開閉等の動作を行うようにして
いる。
【0070】搬送路ドアセンサ−256は、接点式のセ
ンサ−であり、搬送路ドア201を開けた際に接点が解
除されて、制御部500に信号を送るようになってい
る。その信号を受けたCPU501は、搬送ベルト20
2等の動作が行われないようにしている。搬送路ドア2
01を開けてジャムを起こした紙幣1の除去あるいは装
置の点検等を行っている最中に、搬送ベルト202等が
駆動しないようにすることによって、安全を確保するた
めである。
【0071】(4)紙幣収納部について
【0072】次に、紙幣収納部300を構成するスタッ
カ−の構造について説明する。なお、千円札用スタッカ
−300a、5千円札用スタッカ−300b、1万円札
用スタッカ−300cは、容量が異なる以外は同じ構造
である。そこで、各スタッカ−300a,300b,3
00cを代表して、千円札用スタッカ−(以後、特に言
及しない限り「スタッカ−」という)300aの構造お
よび機能について説明する。
【0073】図10は、紙幣収納部300を構成するス
タッカ−300aの斜視図である。スタッカ−300a
の紙幣搬送口301には、スタック入口上ロ−ラ−30
2とスタック入口下ロ−ラ−303が設けられている。
これらのロ−ラ−302,303は、互いに対向する位
置に各々2個設けられている。また、これらのロ−ラ−
302,303は、それぞれ紙幣1より狭い間隔で紙幣
1の幅方向に備えられている。スタック入口下ロ−ラ−
303には搬送ベルトが巻かれておらず、スタック入口
上ロ−ラ−302には搬送ベルト304が巻かれてい
る。
【0074】スタック入口上ロ−ラ−302は、軸30
5を介してギア306と連結されている。ギア306
は、後述するように、図8に示すステッピングモ−タ7
00の回転によって正逆回転可能となっている。したが
って、紙幣1は、搬送ベルト304とスタック入口下ロ
−ラ−303に挟持されて、スタッカ−300aの内部
または外部に搬送される。
【0075】紙幣搬送口301には、紙幣1の通過を検
知するスタック入口センサ−307が、紙幣搬送口30
1を隔てて対向する位置に設けられている。スタック入
口センサ−307は、透過型の光式センサ−であり、発
光素子と受光素子から構成されている。かかる両素子か
ら構成される2組のスタック入口センサ−307が、紙
幣1より狭い幅で配置されている。スタック入口センサ
−307の発光素子(以後、「スタック入口下センサ
−」という)307bは、紙幣搬送口301の下面に設
けられている。同センサ−307の受光素子(以後、
「スタック入口上センサ−」という)307aは、同上
面に設けられている。紙幣1が、これらのセンサ−30
7a,307bの間に存在すると、光が遮られて紙幣1
の存在を検知できるようになっている。また、スタック
入口センサ−307は、紙幣1が通過する際に、紙幣1
の長さおよび紙幣1を透過する光量パタ−ンを測定する
機能を有している。
【0076】図11は、スタック入口センサ−307
を、紙幣搬送口301の側面からみた拡大図である。ス
タック入口センサ−307a,307bは、その対向平
面部分が紙幣搬送口301の上面および下面と水平にな
るように作られたセンサ−カバ−308a,308bに
よって覆われている。センサ−カバ−308が紙幣1の
汚れによって汚染されると、正確な紙幣1の識別ができ
なくなる。そのため、紙幣1によって持ち込まれた汚れ
をクリ−ニングする必要がある。特別なクリ−ニング機
構を設けることも可能であるが、構造の複雑化を避ける
べく、この紙幣収納装置には、他の紙幣1自身によって
センサ−カバ−308a,308bをセルフクリ−ニン
グできるようにしている。
【0077】具体的には、上下のセンサ−カバ−308
a,308bの隙間を適度な距離とすることによって、
セルフクリ−ニングを実現している。紙幣1は、下方の
センサ−カバ−308bには常に接する一方で、上方の
センサ−カバ−308aには頻繁ではあるが常時接する
ことがないようにしている。それは、下方のセンサ−カ
バ−308bの方が汚れやすい上に、上方のセンサ−カ
バ−308aに紙幣1が常時接するくらい狭くすると、
ジャムが起こりやすくなるからである。両センサ−カバ
−308a,308b間の距離は、2.0〜3.0mm
が適切であり、好ましくは2.3〜2.7mmが良い。
さらに最適な幅は2.4〜2.5mmである。
【0078】スタッカ−300aの上部には、紙幣1を
スタッカ−300aの内外に搬送する搬送機構部309
が固定されている。
【0079】図12は、搬送機構部309を取り外した
状態のスタッカ−300aの斜視図である。スタック入
口下ロ−ラ−303より奥には、3個の分離ロ−ラ−3
10が設けられている。紙幣1がスタッカ−300aの
内部に入金される際には、スタック入口上ロ−ラ−30
2と各分離ロ−ラ−310が、入金方向に駆動される。
スタック入口下ロ−ラ−303は、紙幣1の搬送によ
り、入金方向に回転するようになっている。これによっ
て、紙幣1は、スタッカ−300aの内部に搬送され
る。
【0080】また、スタッカ−300aの内部から紙幣
1を搬出する際には、ステッピングモ−タ700の駆動
を受けて、スタック入口上ロ−ラ−302が、出金方向
に回転する。したがって、スタック入口上ロ−ラ−30
2に巻かれた搬送ベルト304は、出金方向に回転す
る。この際、分離ロ−ラ−310は出金方向に回転でき
ないようになっている。具体的には、分離ロ−ラ−31
0に連結されているギア319に、入金方向に回転する
時のみ駆動を伝達するワンウェイクラッチが備えられて
いる。このように、分離ロ−ラ−310が出金方向に回
転できないようにしたのは、次の理由による。スタッカ
−300aの内部に収納されている紙幣1を外部に搬出
する際に、2枚以上の紙幣が一緒に分離ロ−ラ−310
のロ−ラ−面に沿って移動する場合がある。この際に、
分離ロ−ラ−310が出金方向に回転すると、2枚目以
下の紙幣も、紙幣搬送口301まで搬送されてしまい、
重送が生じる危険性があるからである。
【0081】分離ロ−ラ−310の紙幣収納方向側に
は、ロ−ラ−面に沿うようにロ−ラ−ガイド311が設
けられている。図13は、ロ−ラ−ガイド311を備え
たスタッカ−300aの内部の一部分の拡大図である。
ロ−ラ−ガイド311の一端は、スタッカ−300aの
外壁にネジ止めされ、分離ロ−ラ−310と接離可能と
なっている。
【0082】紙幣1がスタッカ−300aから搬出され
る際に、収納されている紙幣1が、搬送ベルト304と
後述する搬送ベルト312の駆動を受けてロ−ラ−ガイ
ド311を分離ロ−ラ−310の方向に押す。押された
ロ−ラ−ガイド311は、分離ロ−ラ−310のロ−ラ
−面に接する。したがって、搬出される紙幣1が、分離
ロ−ラ−310から下方に向かって折れてジャムを起こ
さないようになっている。
【0083】また、ロ−ラ−ガイド311は、固定して
いる図示されないネジを調節することによって、上下方
向に高さを調節できるようになっている。さらに、調節
ネジ313のねじ込む長さによって、ロ−ラ−ガイド3
11と分離ロ−ラ−310との距離を調節可能となって
いる。具体的には、調節ネジ313をねじ込むと、ロ−
ラ−ガイド311の上端が、分離ロ−ラ−310に接近
する。一方、調節ネジ313を緩めると、ロ−ラ−ガイ
ド311の上端が、分離ロ−ラ−310から離れる。こ
れによって、出金動作の際の重送あるいはジャムが起こ
る状況をみながら、ロ−ラ−ガイド311の高さと、分
離ロ−ラ−310との距離を調整できるようになってい
る。
【0084】図14は、スタッカ−300aの側面図で
ある。また、図15は、スタッカ−300aを紙幣収納
装置の上方からみた平面図である。搬送機構部309に
は、搬送ベルト304,312が、各々2本づつ備えら
れている。各2本づつの搬送ベルト304,312は、
搬送機構部309の下面にベルトを露出した状態とされ
ている。
【0085】2本の搬送ベルト304は、スタック入口
上ロ−ラ−302とロ−ラ−314に張設されている。
そして、搬送ベルト304の間には、それぞれ3個のロ
−ラ−315,316,317に張設された2本の搬送
ベルト312が設けられている。また、ギア306とギ
ア319は、図15に示すように互いにかみ合ってい
る。ギア319は、ステッピングモ−タ700からの駆
動を受けて正逆回転可能となっている。
【0086】分離ロ−ラ−310の外側には、搬送ベル
ト304と接するように分離ロ−ラ−310より径が小
さい2個のフリクションロ−ラ−320が設けられてい
る。フリクションロ−ラ−320は、紙幣1の出金時に
搬送ベルト304の駆動を受けて回転するロ−ラ−であ
り、分離ロ−ラ−310の外側に備えたロ−ラ−固定円
板321に回転可能に固定されている。さらに、ロ−ラ
−固定円板321は、分離ロ−ラ−310と同軸である
軸318を中心に回動可能に備えられている。
【0087】さらに、図16に示すように、当該円板3
21上の係合支点322とスタッカ−300aとは、バ
ネ323によって連結されており、フリクションロ−ラ
−320は、上方に付勢されている。したがって、フリ
クションロ−ラ−320は、回動範囲内において、一定
圧力で、搬送ベルト304に接触する。このフリクショ
ンロ−ラ−320を設けることによって、次のような効
果が得られる。
【0088】すなわち、紙幣1の出金動作において、分
離ロ−ラ−310の方向に飛び出た紙幣1を、後述する
整頓動作によって容易にスタッカ−300aの内部に戻
すことが可能である。加えて、先端が折れている紙幣1
を出金する際には、フリクションロ−ラ−320が紙幣
1の先端の折れを修正して、出金することが可能であ
る。また、仮にフリクションロ−ラ−320と搬送ベル
ト304の間に複数の紙幣1が入り込んでも、紙幣1に
加わる圧力は一定となるため、紙幣1に必要以上の圧力
がかからない。このため、重送やジャムといったトラブ
ルを防止することができる。
【0089】図16は、スタッカ−300aから紙幣1
が搬出される際の状態を、紙幣搬送口301の方向から
みた図である。図16では、搬送時の紙幣1の断面形状
がわかるように、スタック入口上ローラー302および
スタック入口下ローラー303を除外した状態を示して
いる。紙幣1の上面は、外側にある2個のロ−ラ−31
7aの下面に接する搬送ベルト304と中側にあるロ−
ラ−317bに巻かれた搬送ベルト312に接している
(以下、外側のロ−ラ−317aとその内側のロ−ラ−
317bを総称して、「ローラー317」という)。ま
た、紙幣1の下面は、外側の分離ロ−ラ−310a、内
側の分離ローラー310b(以下、外側の分離ロ−ラ−
310aと内側の分離ローラー310bを総称して、
「分離ローラー310」という)およびフリクションロ
−ラ−320に接している。
【0090】ローラー317の下部に接する各搬送ベル
ト304,312の下面は、分離ロ−ラ−310のロ−
ラ−上面よりも下方に位置するように配置されている。
したがって、出金の際に紙幣1は、図16に示すよう
に、波形形状でスタッカ−300aから搬出されるよう
になっている。
【0091】図17は、紙幣搬送口301の方向からみ
たスタッカ−300aの内部構造である。スタッカ−3
00aの内部には、紙幣1を積載すると共にスタッカ−
300a内部を上下動可能な積載プレ−ト(以後、「プ
ッシャ−プレ−ト」という)325が備えられている。
また、スタッカ−300aの底部には、プッシャ−プレ
−ト325を引っ掛けて固定するためのプレ−トフック
346が備えられている。プレ−トフック346の使用
状況については、後述する。
【0092】図18は、図17からプッシャ−プレ−ト
325とその駆動部を抜き出して示した図である。図示
されるように、プッシャ−プレ−ト325の一部である
プレ−ト連結部325cは、弾性体(以後、「プッシャ
−スプリング」という)326を介して、スタッカ−3
00aの側部に固定される側部プレ−ト327の側部プ
レ−ト連結部327aに連結されている。プッシャ−ス
プリング326は、スタッカ−300aに固定される円
板328の円周に沿って設けられている溝に接するよう
に、逆U次状に曲げられている。プッシャ−スプリング
326は、プッシャ−プレ−ト325を上方に付勢する
ように、スタッカ−300aに連結されている。
【0093】プッシャ−プレ−ト325は、プッシャ−
スプリング326に連結される固定式プッシャ−プレ−
ト325aと、固定式プレッシャ−プレ−ト325aの
上に位置すると共に紙幣1の幅方向が上下に揺動可能と
する可動式プッシャ−プレ−ト325bとから構成され
ている。固定式プッシャ−プレ−ト325aの下方に
は、図17に示すように、紙幣1の幅方向に軸329が
固定されている。軸329の上部には、固定式プッシャ
−プレ−ト325aの縦方向に伸びる軸330が備えら
れている。可動式プッシャ−プレ−ト325bは、該プ
レ−ト325bに固定される連結板331を介して、軸
330に連結されている。連結板331は、軸330を
中心に回動可能となっている。
【0094】図19は、可動式プッシャ−プレ−ト32
5bの揺動動作を示した図である。(A)は、可動式プ
ッシャ−プレ−ト325bのプレ−ト面が固定式プッシ
ャ−プレ−ト325aと平行の状態を示した図である。
積載された紙幣1の右端の厚みaと左端の厚みbがほと
んど等しい場合には、(A)のように可動式プッシャ−
プレ−ト325bのプレ−ト面が水平状態となる。
【0095】しかし、積載された紙幣1の厚みが一定と
は限らない。(B)は、積載された紙幣1の右端の厚み
aよりも左端の厚みbの方が厚い状態を示した図であ
る。図示されるように、紙幣1の最上位の紙幣1が搬送
ベルト304,312に接すると、連結板331が軸3
30の時計と反対方向に回転する。その結果、最上位の
紙幣1は水平状態で搬送ベルト304,312に接する
ことが可能となる。
【0096】また、(C)は、積載された紙幣1の右端
の厚みaよりも左端の厚みbの方が薄い状態を示した図
である。図示されるように、紙幣1の最上位の紙幣1が
搬送ベルト304,312に接すると、連結板331が
軸330の時計方向に回転する。その結果、(B)と同
様に、最上位の紙幣1は水平状態で搬送ベルト304,
312に接することが可能となる。
【0097】このように、可動式プッシャ−プレ−ト3
25b上に積層される紙幣1の厚みが紙幣1の幅方向で
不均一な状態であっても、スタッカ−300a上部にあ
る搬送ベルト304,312に均一な圧力で接すること
が可能となる。したがって、紙幣1が曲がって出金され
るこなく、ジャムを防止できる。また、固定式プッシャ
−プレ−ト325aと搬送ベルト304,312とが厳
密に平行となっていなくても、紙幣1に均一な圧力がか
かることになる。したがって、製造コストの低減が可能
になる。なお、可動式プッシャ−プレ−ト325bは、
左右どちらに回転しても、その端部が固定式プッシャ−
プレ−ト325aに接触するため、可動範囲は必要以上
に大きくならないようになっている。したがって、可動
式プッシャ−プレ−ト325b上の紙幣1が、幅方向に
ずれる危険性がない。
【0098】図14に示されるように、スタッカ−30
0aの内部には、ア−ム部(以後、「スタックア−ム」
という)332が設けられている。スタックア−ム33
2は、図15にも示されるように、2本の細長いプレ−
トから構成されており、2本のプレ−トの内側の間隔
は、紙幣1の幅より狭く、かつ搬送機構部309の幅よ
りも広くしてある。なお、スタックア−ム332は、ス
タッカ−300aの下部に配置されたリフトモ−タ33
3に連結されており、リフトモ−タ333の回転で上下
動可能となっている。
【0099】スタックア−ム332は、入金待機状態に
おいて、プッシャ−プレ−ト325に積載される紙幣1
の最上位にある紙幣1の上面を押さえ、紙幣搬送口30
1より下方の所定位置に停止している。これは、スタッ
カ−300aに入金されてくる紙幣1が、既にプッシャ
−プレ−ト325上に積載されている紙幣1にぶつから
ないようにするためである。
【0100】図20は、紙幣1をスタッカ−300aか
ら搬出する直前のスタッカ−300aの側面図である。
紙幣1の出金の際には、スタックア−ム332は、搬送
機構部309に向かって上昇する。プッシャ−プレ−ト
325は、図18を参照して述べたように、プッシャ−
スプリング326の弾性力によって上方に付勢されてい
る。
【0101】そのため、スタックア−ム332が上昇す
ると、プッシャ−プレ−ト325は、その上に積載して
いる紙幣1の最上位にある紙幣1の上面を、スタックア
−ム332の下面に接触させた状態で上昇する。そし
て、スタックア−ム332が、搬送ベルト304,31
2のベルト面より上に移動した時点で、プッシャ−プレ
−ト325は、最上位の紙幣1を搬送ベルト304,3
12に接触させて停止する。なお、スタックア−ム33
2の上下動の機構については、後述する。
【0102】スタッカ−300aの紙幣搬送口301と
反対側には、出金後に搬送ベルト304,312を出金
と反対方向に駆動させる、いわゆる整頓動作の際に紙幣
1の先端を押さえるストッパ−部材(以後、「エンドス
トッパ−」という)334が設けられている。エンドス
トッパ−334は、紙幣搬送口301と反対側の垂直壁
面に平行な垂直部334aと、その垂直部334aの紙
幣搬送口301の高さ付近で直角に曲がった押しつけ部
334bと、その押しつけ部334bから上方に角度α
(αは鋭角)で立ち上がった傾斜部334cを有する形
状となっている。なお、この傾斜部334cの角度α
は、25から45度の範囲が好ましく、この実施の形態
では、35度としている。
【0103】エンドストッパ−334の垂直部334a
の下部は、バネ335を介してスタッカ−300aと連
結されている。図21は、エンドストッパ−334とそ
の周辺部分を示した図である。バネ335は、エンドス
トッパ−334を下方に付勢するように備えられてい
る。(A)に示す入金待機状態においては、エンドスト
ッパ−334は、プッシャ−プレ−ト325上に載置す
る紙幣1の最上位にある紙幣1と離れている。
【0104】一方、(B)に示す出金時には、スタック
ア−ム332が搬送ベルト304,312より上方に移
動することによって、プッシャ−プレ−ト325が上昇
する。その結果、プッシャ−プレ−ト325上に積載さ
れる紙幣1の最上位の紙幣1が、エンドストッパ−33
4を僅かに持ち上げると共に、搬送ベルト304,31
2に接する。エンドストッパ−334は、図示されるよ
うに、(A)の入金状態から僅かな距離Dだけ上昇した
分、下方に向かって最上位の紙幣1を押さえる働きを有
する。
【0105】このため、紙幣1の出金直後の整頓動作に
おいて、プッシャ−プレ−ト325に積載している紙幣
1の最上位にある紙幣1が搬送ベルト304,312の
駆動を受けて、たわんだり、あるいは下方に積載されて
いる他の紙幣1に回り込んだりする危険性が低い。ま
た、エンドストッパ−334の先端は、傾斜部334c
を有しているので、紙幣1が入金されてきた際に、紙幣
1が、万一エンドストッパ−334の上に載置する方向
に移動してきても、確実にエンドストッパ−334の下
方に向かわせて、正常な入金動作を行うことができる。
【0106】図22は、図14に示すスタッカ−300
aを、紙幣搬送口301と反対方向からみた図である。
また、図23は、図20に示すスタッカ−300aを、
紙幣搬送口301と反対方向からみた図である。スタッ
カ−300aの裏側(図22の右側)には、スタックア
−ム332を駆動するリフトモ−タ333を格納してい
るスタックア−ム駆動室336が設けられている。リフ
トモ−タ333は、、スタックア−ム駆動室336の下
部に固定されている。
【0107】スタックア−ム332は、図22に示すよ
うに、2本のプレ−トからスタックア−ム駆動室336
へと突き出た形状となっており、その突き出た部分に、
左右が丸みを帯びた細長い空隙部337を有している。
また、リフトモ−タ333のモ−タ軸333aには、回
転ア−ム338が取り付けられている。回転ア−ム33
8のモ−タ軸333aと反対方向の先端には、回転可能
な円板339が取り付けられている。さらに、その円板
339は、前述のスタックア−ム332にある空隙部3
37に、左右に移動可能に取り付けられている。
【0108】したがって、リフトモ−タ333が回転す
ると、回転ア−ム338が回転して、円板339が回転
しながら空隙部337を左右に移動する。そして、回転
ア−ム338の回転によって、スタックア−ム332が
上下動できるようになっている。
【0109】また、回転ア−ム338のモ−タ軸333
aと反対方向の先端には、筒状磁石340が設けられて
いる。スタッカ−300aには、円板339がほぼ最下
部にくる位置と、最上部にくる位置にそれぞれ1個のホ
−ルセンサ−341が固定されている。前者および後者
のホ−ルセンサ−341は、スタックア−ム332をそ
れぞれ上下の所定位置で停止させるスタックリフト上セ
ンサ−341aおよびスタックリフト下センサ−341
bである。
【0110】図22に示すように、リフトモ−タ333
が回転して筒状磁石340がスタックリフト下センサ−
341bと重なると、CPU501に信号が送られる。
そして、CPU501は、リフトモ−タ333を停止さ
せる。この際、スタックア−ム332は、紙幣搬送口3
01より下方の所定位置まで移動してプッシャ−プレ−
ト325の上昇を停止させた状態となっている。かかる
状態の後、搬送ベルト304,312が入金方向に駆動
されて、入金動作が行われる。
【0111】一方、出金の際には、図23に示すよう
に、リフトモ−タ333が、図22の状態から半回転す
ることによって、筒状磁石340がスタックリフト上セ
ンサ−341aと重なる。これによって、CPU501
は、リフトモ−タ333を停止させる。この際、スタッ
クア−ム332は、搬送ベルト304,312のベルト
面より上方の所定位置で停止した状態となっている。か
かる状態の後、搬送ベルト304,312が出金方向に
駆動されて、出金動作が行われる。
【0112】このように、リフトモ−タ333は、2個
のスタックリフトセンサ−341a,341bによっ
て、常に半回転毎に停止する。このため、スタックア−
ム332は、上下所定位置で往復動作できるようになっ
ている。
【0113】スタッカ−300aのスタックア−ム駆動
室336の内壁には、スタッカ−300aに収納されて
いる紙幣1が空に近いことを検知するニアエンドセンサ
−342と、紙幣1が満杯に近いことを検知するニアフ
ルセンサ−343が設けられている。これらのセンサ−
342,343の固定位置は、スタッカ−300aの外
から可変であるが、通常、収納されている紙幣1が空に
近い状態および満量に近い状態におけるプッシャ−プレ
−ト325の位置を検知できる場所に固定されている。
【0114】ニアエンドセンサ−342およびニアフル
センサ−343は、それぞれ中央に隙間を有している遮
断センサ−である。プッシャ−プレ−ト325に固定さ
れた検知プレ−ト344がこの隙間に入ると、それまで
隙間を通っていた光が遮断される。かかる光の遮断によ
って、CPU501に信号が送られるようになってい
る。検知プレ−ト344は、ニアエンドセンサ−342
に検知されてから、プッシャプレ−ト325がさらに上
昇しても、ニアエンドセンサ−342がオンの状態を維
持できるのに十分な長さを有している。ニアフルセンサ
−343についても同様である。
【0115】また、ニアエンドセンサ−342またはニ
アフルセンサ−343がオンになると、オンになった時
点からスタッカ−300aに入出する紙幣の枚数を相対
カウントする機構が設けられている。具体的には、ニア
エンドセンサ−342またはニアフルセンサ−343が
オンになった以後に、スタック入口センサ−307を通
過した紙幣1のカウント信号が、CPU501に送られ
る。そして、CPU501は、紙幣1の増減を相対的に
カウントする相対カウントを行う。そして、予め記憶さ
せて置いた所定の枚数に達すると、エンド信号またはフ
ル信号を送出してスタッカ−300aに収納されている
紙幣1が空あるいは満杯であることを知らせるようにな
っている。
【0116】したがって、この紙幣収納装置と外部のホ
ストコンピュ−タを接続しておくと、自動販売機等の上
位機の制御装置509から離れた場所でも、紙幣1の収
納状態を定量的かつ経時的に把握することができる。
【0117】また、ニアフルセンサ−343の下方に
は、使用不可センサ−345が設けられている。使用不
可センサ−345は、紙幣1の入金および出金動作にお
けるプッシャ−プレ−ト325の上下動の範囲では点灯
しない場所に固定されている。
【0118】本装置の保守、点検あるいは紙幣の回収、
補充の際には、プッシャ−プレ−ト325をスタッカ−
300aの最下部まで下げてプレ−トフック346で固
定できるようにしている。その際には、使用不可センサ
−345がオンになる。使用不可センサ−345がオン
になっている時には、管理者にプッシャプレ−ト325
が固定されていることを認知させて、仮にプッシャ−プ
レ−ト325を固定したまま電源を入れても本装置を運
転できないようにしている。
【0119】したがって、本装置の運転に際しては、プ
ッシャ−プレ−ト325から図17に示すプレ−トフッ
ク346をはずして、プッシャ−プレ−ト325が上下
動可能な状態となっていることを確認してから、運転を
行うことができる。これによって、管理者は、装置が動
作しない状態のまま、紙幣の補充、回収等の作業を終え
ることを低減できる。
【0120】図24は、出金最中におけるスタッカ−3
00a内部の側面図である。搬送機構部309には、収
納されている紙幣1がスタック入口センサ−307に検
知された時に、重送を防止するための機構が備えられて
いる。以下に、かかる機構について説明する。
【0121】スタッカ−300aの紙幣搬送口301の
反対側の上部には、軸347を中心に回動可能なストッ
パ−ア−ム348が備えられている。ストッパ−ア−ム
348は、軸347を介して図示されないブレ−キソレ
ノイドに連結されている。したがって、制御部500か
らの信号によってブレ−キソレノイドがオンとなると、
ストッパ−ア−ム348は、図24において時計と反対
方向に回動する。
【0122】ストッパ−ア−ム348の軸347と反対
方向の先端は、軸347よりも紙幣搬送口301の方向
に配置される軸349を中心に回動可能なブレ−キア−
ム350の先端350aに連結されている。ブレ−キア
−ム350の先端350aには、摩擦係数の大きなブレ
−キ部材(例えば、ゴム)351が取り付けられてい
る。ブレ−キ部材351には、紙幣1の出金と直角方向
に凹凸の溝がつけられている。
【0123】したがって、収納されている紙幣1の最上
位の紙幣1の先端が、スタック入口センサ−307に検
知されると、ストッパ−ア−ム348が回動し、それに
よってブレ−キア−ム350の先端350aが下降す
る。そして、該先端350aに備えられたブレ−キ部材
351が、最上位の紙幣1の直下にある2枚目の紙幣1
の上面を押さえる。
【0124】また、搬送機構部309には、軸349よ
り紙幣搬送口301の方向に備えられた軸352を中心
に回動可能なロ−ラ−ア−ム353が備えられている。
ロ−ラ−ア−ム353の先端353bは、ブレ−キア−
ム350の先端350aと反対側の先端350bの上方
に位置している。また、ロ−ラ−ア−ム353の先端3
53bと反対方向の先端353aには、紙幣1の入出両
方向に回転可能なロ−ラ−354が備えられている。
【0125】ブレ−キア−ム350が、図24において
時計回りに回動してその先端350bが上方に移動する
と、ロ−ラ−ア−ム353の先端353bが持ち上げら
れる。同時に、ロ−ラ−ア−ム353が、図24におい
て反時計回りに回動して、その先端353aに備えられ
たロ−ラ−354が、出金される紙幣1を押し下げる。
これによって、出金される紙幣1と搬送ベルト304,
312が離される。これによって、出金される紙幣1の
下方にある2枚目以下の紙幣1は、搬送ベルト304,
312によって出金方向に駆動を受けない。そのため、
単に、ブレ−キ部材351が2枚目の紙幣1の上面から
押さえるだけの機構よりも、重送を低減できる。
【0126】出金される紙幣1は、スタック入口センサ
−307に検知された時には、搬送ベルト304に巻か
れたスタック入口上ロ−ラ−302とスタック入口下ロ
−ラ−303に挟まれている。したがって、この挟まれ
た位置で搬送ベルト304の駆動を受けて出金される。
なお、ロ−ラ−354は、自由に回転できるので、出金
動作がスム−ズに行われる。
【0127】また、ロ−ラ−ア−ム353の先端353
aは、バネ355によって搬送機構部309の上部に連
結されて、かつ上方に付勢されている。そのため、スト
ッパ−ア−ム348が時計回りに回動すると、ロ−ラ−
ア−ム353は軸352を中心に時計回りに回動する。
それによって、ロ−ラ−354が搬送ベルト304,3
12等より上方に収納されるようになっている。
【0128】ところで、各スタッカ−300a、300
b、300cの構造および外形は、基本的には同一とな
っている。しかし、3種類の各紙幣1は幅は同じである
が、長さが異なる。具体的には千円札が最も短く、5千
円札、1万円札と5mmづつ長くなっている。紙幣1を
収納するスペ−スは、紙幣1の大きさとほぼ同じ大きさ
としないと、紙幣1が整頓された状態で収納できない。
【0129】例えば、各スタッカ−300a,300
b,300cの内部を1万円札の大きさに合わせた収納
スペ−スとすると、1万円札は問題ないが千円札および
5千円札は端部が揃わず遊びが多い状態で収納される。
そのため、出金動作においてトラブルが生じる危険性が
ある。一方、各スタッカ−300a,300b,300
cの内部を千円札あるいは5千円札の大きさに合わせた
収納スペ−スとすると、1万円札がたわんだり、折れ曲
がった状態で収納され、同様にトラブルの原因となる。
【0130】このため、各スタッカ−300a,300
b,300cの大きさを各種紙幣1の大きさにあった収
納スペ−スとすべく、各スタッカ−300a,300
b,300cの内部スペ−スをまず1万円札用に合わ
せ、他種の紙幣1のスタッカ−300a,300bの紙
幣搬送口301と反対方向の内壁には、千円札あるいは
5千円札の長さに合わせた調整プレ−トとしてのエンド
ストッパ−334を着脱可能に装着できるようにしてい
る。
【0131】具体的には、千円札用スタッカ−300a
には、厚さ10mmのエンドストッパ−334を、また
5千円札用スタッカ−300bには厚さ5mmのエンド
ストッパ−334を装着している。
【0132】このように、紙幣1の種類毎に各スタッカ
−300a,300b,300cの大きさを変えず、厚
さの異なるエンドストッパ−334の着脱のみによっ
て、各スタッカ−300a,300b,300c内容積
を変えることができる。そのため、各スタッカ−300
a,300b,300cの部品の共有化ができ、さらに
取り扱う紙幣1の変化への対応が容易となる。特に、最
近では米国のドル紙幣等の外国紙幣の使用要求が高まっ
ており、本装置は、このような要求にもすばやく対応で
きるものとなる。
【0133】(5)イジェクト・リジェクト部について
【0134】次に、イジェクト・リジェクト部400の
構造について説明する。図25および図26は、それぞ
れイジェクト・リジェクト部400の斜視図および側面
からみた断面図である。イジェクト・リジェクト部40
0は、図1に示すように、真券を一括して出金するまで
保存すると共に全ての真券が搬送された後に一括して出
金するイジェクト部400aと、偽券、ジャムあるいは
重送を起こした紙幣1等の異常紙幣(以後、「異券」と
いう)2のみを保存するリジェクト部400bとから構
成されている。
【0135】イジェクト部400aは、イジェクト・リ
ジェクト部400の下部に配置されている。一方、リジ
ェクト部400bは、イジェクト・リジェクト部400
の上部に配置されている。イジェクト部400aの前方
であって装置外部には、紙幣1が出金される紙幣出金口
401が設けられている。また、紙幣出金口401と反
対方向には、紙幣搬送部200からの紙幣1を受け入れ
る紙幣搬送口402が設けられている。紙幣搬送口40
2には、紙幣搬送部200から搬送される真券あるいは
異券2の通過を検知可能なイジェクト入口センサ−40
3が配置されている。
【0136】イジェクト入口センサ−403は、透過型
の光式センサ−であり、紙幣搬送口402の上下に対向
する位置に、発光素子403bと受光素子403aが各
2個づつ設けられている。図26では、イジェクト入口
センサ−403は、上下1個づつしか見えていないが、
同図の紙面裏方向に、上下1個づつのイジェクト入口セ
ンサ−403が存在する。発光素子403bは、紙幣搬
送口402の下側に、受光素子403aは、紙幣搬送口
402の上側に設けられている。イジェクト入口センサ
−403は、発光素子403bと受光素子403aの間
に紙幣1が存在すると、CPU501に、紙幣1の存在
を知らせる信号を送る。
【0137】さらに、イジェクト入口センサ−403
は、紙幣1によって運ばれた汚れを他の紙幣1の搬送時
にセルフクリ−ニングできるように、紙幣1との接触面
を平らにした上下各1個のセンサ−カバ−404a,4
04bで覆われている。上下のセンサ−カバ−404
a,404bの間隔は、スタック入口センサ−307の
センサ−カバ−308と同様に、2.0〜3.0mmが
適切であり、好ましくは2.3〜2.7mmが良い。さ
らに最適な幅は2.4〜2.5mmである。
【0138】紙幣搬送部200から搬送されてきた紙幣
1は、出金方向に回転するイジェクト下ロ−ラ−405
と回転可動に備えられたイジェクト上ロ−ラ−406に
挟持されて、イジェクト・リジェクト部400の内部に
搬送される。図27は、紙幣搬送口402に設けられた
イジェクト下ロ−ラ−405とその周辺部材を示した図
である。イジェクト下ロ−ラ−405の両側面には、イ
ジェクト下ロ−ラ−405の直径より大きな円形の支持
板407が備えられている。
【0139】また、支持板407の両側面には軟質ウレ
タンゴム製の8本の羽根408aを有する羽根車408
が設けられている。羽根車408は、紙幣搬送口402
から搬送されてきた紙幣1をイジェクト・リジェクト部
400の内部に導くと同時に、既にイジェクト部400
aに搬送されている紙幣1を下方に押さえる役割を有し
ている。この羽根車408の構造および機能について
は、後述する。
【0140】イジェクト下ロ−ラ−405は、図示され
ていないギアを介して紙幣収納装置の下部に設けられて
いるステッピングモ−タ700と連結されている。イジ
ェクト上ロ−ラ−406は、回転可動ではあるがモ−タ
等の駆動源とは連結されていない。したがって、紙幣1
は、ステッピングモ−タ700によって駆動されるイジ
ェクト下ロ−ラ−405と同ロ−ラ−405に従動して
回転するイジェクト上ロ−ラ−406に挟持されて、イ
ジェクト・リジェクト部400の内部に搬送される。
【0141】図28は、紙幣1が搬送されてくる際の紙
幣搬送口402の方向からみたイジェクト・リジェクト
部400である。図示されるように、紙幣1は、イジェ
クト上ロ−ラ−406とイジェクト下ロ−ラ−405の
接面によってほぼU字形状となる。加えて、紙幣1は、
中央から端部までの間で羽根車408に支えられると共
に、後述する回動式ア−ム485bの下面で押さえられ
ている。したがって、紙幣1は、全体としてその断面が
緩やかな波形形状で、イジェクト・リジェクト部400
に搬送されるようになっている。これによって、しわや
折り癖のある中古の紙幣1でも、イジェクト部400a
の下方に折れたりたわんだ状態とならず、イジェクト部
400aに既に保留されている紙幣1と衝突するといっ
たトラブルを防止することができる。
【0142】紙幣搬送口402から搬送された紙幣1が
異券2の場合には、その異券2は、リジェクト部400
bから下降してきたリフトベ−ス450の上に載置され
る。異券2を載置したリフトベ−ス450は、再びリジ
ェクト部400bまで上昇して待機状態となる。一方、
紙幣搬送口402から搬送された紙幣1が真券の場合に
は、その真券は、イジェクト部400aの下部に固定さ
れた紙幣出金駆動部420の上に設けられた一時保留板
410に載置される。この際、リフトベ−ス450は、
リジェクト部400bに待機した状態のままである。
【0143】リフトベ−ス450には、図26に示され
るように、先端にロ−ラ−451を備えたイジェクトロ
−ラ−ア−ム452が設けられている。イジェクトロ−
ラ−ア−ム452は、リフトベ−ス450がリジェクト
部400bに待機している場合には、図26に示すよう
にリフトベ−ス450の下方に降ろされた状態となって
いる。しかし、リフトベ−ス450がイジェクト部40
0aに移動した際には、ロ−ラ−451が一時保留板4
10の上に載置された紙幣1に接触する。これによっ
て、イジェクトロ−ラ−ア−ム452は、図26におい
て軸453を中心に反時計回りに回動してリフトベ−ス
450の内部に収納されるようになっている。イジェク
トロ−ラ−ア−ム452は、真券の搬送時には、紙幣搬
送口402から搬送されてくる紙幣1が丸まらないよう
に、紙幣出金口401方向のスペ−スを狭める役割を持
っている。また、出金時には、リフトベ−ス450が紙
幣1に自重をかける妨げとならないようになっている。
【0144】また、イジェクトロ−ラ−ア−ム452に
は、該ア−ム452のほぼ中心に一軸454によって連
結されると共に、紙幣搬送口402の方向に水平に伸び
たガイドア−ム455が連結されている。ガイドア−ム
455は、リフトベ−ス450がリジェクト部400b
に待機している時は、紙幣搬送口402とほぼ同じ高さ
でかつ水平状態になっている。しかし、リフトベ−ス4
50がイジェクト部400aに下降した時には、イジェ
クトロ−ラ−ア−ム452の収納動作によって、ガイド
ア−ム455は、軸454を中心に回動して水平状態を
維持する。
【0145】ガイドア−ム455は、真券がイジェクト
部400aに搬送されてくる際に、羽根車407によっ
て巻き上げられてイジェクト部400aの上方でジャム
を起こさないようにするために設けられている。さら
に、真券が、イジェクト部400aの入口付近で丸まる
ことによって、次の紙幣1と衝突しないようにする目的
もある。このように、搬送されてきた真券は、ガイドア
−ム455によって上方に向かわないように押さえられ
ながら、イジェクトロ−ラ−ア−ム452の傾斜に沿っ
て、正常に一時保留板410の上に載置されるようにな
っている。
【0146】図29および図30は、それぞれ紙幣1を
イジェクト部400aに搬送している際および出金直前
の一時保留板410と紙幣出金駆動部420の状態を示
す図である。図29に示されるように、一時保留板41
0は、イジェクト部400aの下部に固定された紙幣出
金駆動部420の上部に設けられている。紙幣1がイジ
ェクト部400aに搬送されている際には、一時保留板
410は、軸421を中心として回動可能な2つの前部
回動ア−ム422および軸423を中心として回動可能
な2つの後部回動ア−ム424によって持ち上げられた
状態となっている。前部回動ア−ム422の方が、後部
回動ア−ム424よりも急角度で立ち上げられているの
で、一時保留板410は、紙幣出金口401の方向がわ
ずかに高く傾斜した状態となっている。
【0147】このように、一時保留板410が傾斜する
ことによって、一時保留板410の上に載置される紙幣
1の後端を、イジェクト部400aの紙幣搬送口402
側に揃えることが可能となる。紙幣搬送口402の側に
は、羽根車408が回転して、羽根408aによって紙
幣1を一時保留板410に押しつけるようになってい
る。したがって、一時保留板410に載置されている紙
幣1は、次の紙幣1がイジェクト部400aに搬送され
てくる際に、一時保留板410の上に圧縮された状態に
おかれる。そのため、一時保留板410に載置されてい
る紙幣1と新たにイジェクト部400aに搬送されてく
る紙幣1とがぶつかる危険性がない。さらに、一時保留
板410が紙幣出金口401の方向を上に傾斜している
ので、紙幣出金口401の方向の空間が、紙幣搬送口4
02方向の空間よりも狭くなっている。このため、イジ
ェクト部400aに搬送されてきた紙幣1が、紙幣出金
口401側で丸まる等のトラブルを防止でき、正常なイ
ジェクト動作が可能となる。
【0148】図29および図30に示すように、一時保
留板410には、紙幣出金駆動部420を構成するロ−
ラ−425a,425bおよび搬送ベルト426が、一
時保留板410からわずかに上方に突出可能となるよう
に、各位置に合わせた2つの小長穴411a,411b
および1つの大長穴412が設けられている。上述のよ
うに、一時保留板410は、2つの前部回動ア−ム42
2と2つの後部回動ア−ム424によって、イジェクト
部400a側に持ち上げられている。そのため、出金時
以外は、一時保留板410の上から、ロ−ラ−425
a,425bおよび搬送ベルト426が突出しない状態
となっている。
【0149】図30は、出金直前に、一時保留部410
が紙幣出金駆動部420に下降した状態を示す図であ
る。後述するイジェクトシャッタ−ソレノイド440が
オンとなることによって、2つの前部回動ア−ム422
と2つの後部回動ア−ム424が、それぞれ軸421,
423を中心に回動して、紙幣搬送口402の方向に倒
れる。これによって、一時保留板410が、紙幣出金駆
動部420に下降するようになっている。
【0150】図26に示すように、前部回動ア−ム42
2と後部回動ア−ム424は、一時保留板410に固定
されておらず、一時保留板410に接する部分には、そ
れぞれロ−ラ−422a,424aが備えられている。
前部回動ア−ム422と後部回動ア−ム424が倒れる
と、一時保留板410は、紙幣搬送口402の方向には
移動せず、スム−ズに垂直方向に下降できるようになっ
ている。したがって、一時保留板410が紙幣搬送口4
02の方向に移動しながら下降する場合に比べて、イジ
ェクト部400aのスペ−スは小さくて済む。このた
め、装置の小型化を図ることができる。
【0151】図30に示すように、一時保留板410が
紙幣出金駆動部420に下降して重なった場合には、ロ
−ラ−425a,425bおよび搬送ベルト426の他
に、後述する紙幣検知プレ−ト427も、大長穴412
から一時保留板410の上に出る。一方、出金の際に、
一時保留板410上の紙幣1はリフトベ−ス450によ
って押されているので、紙幣検知プレ−ト427の上昇
が抑制されている。したがって、紙幣検知プレ−ト42
7は、上方に紙幣1が存在するか否かを検知する機能を
有する。この機能については、後述する。
【0152】図31は、紙幣出金駆動部420の構造を
示した斜視図である。ギア430は、紙幣収納装置下部
に配置されたステッピングモ−タ700と、図示されて
いないギアを介して連結されている。ギア430は、軸
431を介してロ−ラ−432と連結されいる。ロ−ラ
−432とロ−ラ−433はベルト434に巻かれてい
る。そして、ロ−ラ−433、ロ−ラ−435、ロ−ラ
−425aおよびロ−ラ−425bは、軸436によっ
て連結されている。
【0153】また、搬送ベルト426は、ロ−ラ−43
5とロ−ラ−437に張設されている。さらに、搬送ベ
ルト426のほぼ中央には、ロ−ラ−438が仲介ロ−
ラ−として配置されている。したがって、ステッピング
モ−タ700が回転することによって、ロ−ラ−425
a,425bおよび搬送ベルト426(以後、適宜、
「搬送ベルト426等」と記す)が回転可能となってい
る。
【0154】一方、ギア430は、イジェクト下ロ−ラ
−405と図示されないベルトを介して結ばれている。
したがって、ステッピングモ−タ700が出金方向に回
転すると、ロ−ラ−425a,425bおよび搬送ベル
ト426が出金方向に回転すると共に、イジェクト下ロ
−ラ−405も出金方向に回転するようになっている。
このため、イジェクト・リジェクト部400への紙幣1
の搬送と紙幣1の紙幣出金口401への搬送が、1つの
モ−タで行うことが可能となっている。したがって、装
置のコストの抑制と共に、簡易な構造とすることによる
故障の低減を図ることができる。
【0155】なお、上記のように、一時保留板410
は、出金する全ての紙幣1が一時保留板410の上に載
置されるまで、紙幣出金駆動部420の側に下降しな
い。そのため、紙幣1を一時保留板410に載置してい
る最中に、搬送ベルト426等が出金方向に回転してい
ても、紙幣1と搬送ベルト426等とは接触できない。
このため、一時保留板410に載置される紙幣1は、出
金直前まで出金方向の駆動を受けないようになってい
る。
【0156】図32は、イジェクト部400aとリジェ
クト部400bを隔てる回動式ア−ム485とリフトベ
−ス450を抜き出して示した図である。回動式ア−ム
485は、紙幣出金口401の側に配置された2つの回
動式ア−ム485aと紙幣搬送口402の側に配置され
た2つの回動式ア−ム485bから成る。回動式ア−ム
485a,485bは、図32に示す水平状態(図中の
Bの位置)を回動下限とする位置と、その状態からほぼ
90度上方の回動上限位置(図中のCの位置)との間
で、回動可能となっている。回動式ア−ム485a,4
85bは、紙幣1の幅より狭い幅で、リフトベ−ス45
0の4つ角に各1個づづ設けられた回動板456と接す
る位置に配置されている。
【0157】そして、異券2を上方から押さえつけるた
めの押さえ板488が、回動式ア−ム485の上に載置
されている。押さえ板488の構造については、後述す
る。4個の回動板456は、各片側をリフトベ−ス45
0の外側に備えた各1本の軸457(図32において残
り2本はみえていない)と連結されている。しかも、各
回動板456は、図32に示すように、水平状態からA
方向にのみ回動可能とされており、図示されないストッ
パ−によって、水平状態からAと逆方向には回動できな
いようになっている。
【0158】紙幣搬送口402から異券2が搬送されて
くると、CPU501からの命令にしたがって、リフト
ベ−ス450は、リジェクト部400bからイジェクト
部400aへ下降する。この際、水平状態を保持する回
動式ア−ム485に接触したリフトベ−ス450の回動
板456は、図32に示すA方向に回動する。これによ
って、リフトベ−ス450は、回動式ア−ム485を回
避してイジェクト部400aに下降できるようになって
いる。
【0159】イジェクト部400aに下降したリフトベ
−ス450は、異券2を載置すると、再びリジェクト部
400bへ上昇移動する。図33は、リフトベ−ス45
0がリジェクト部400bに上昇移動する際の回動式ア
−ム485aと回動板456の動きを、紙幣出金口40
1とその左側からみた図である。図33の(A)は、リ
フトベ−ス450が、イジェクト部400aにある状態
を示したものである。この状態では、まだ回動式ア−ム
485aと回動板456は接触していないため、両者と
も水平状態を維持している。
【0160】リフトベ−ス450が上昇して(B)のよ
うに、回動式ア−ム485aと回動板456が接触する
と、回動板456はリフトベ−ス450の内側には回転
できないため、水平を維持する。一方、回動式ア−ム4
85aは、上方に回動可能であるため、回動板456に
よって上方に押し上げられる。このようにして、リフト
ベ−ス450は、回動式ア−ム485aを上方に回動さ
せながらリジェクト部400bへと移動する。
【0161】回動式ア−ム485a,485bの軸48
6は、図示されていないストッパ−に連結されており、
回動式ア−ム485a,485bは、下方に回動しない
ようになっている。さらに、そのストッパ−は、バネに
連結されており、回動式ア−ム485bを水平に保持し
ている。したがって、(C)のように、リフトベ−ス4
50がリジェクト部400bに移動した後は、上方に回
動した回動式ア−ム485a,485bは、バネの復元
力によって、元の水平状態まで戻る。
【0162】図34は、リフトベ−ス450を、紙幣収
納装置の下方からみた底面図である。リフトベ−ス45
0は、紙幣搬送口402側に2個のロ−ラ−458a,
458bと、ほぼ中央に1個のロ−ラ−459と、紙幣
出金口401側に近接して配置される2個のロ−ラ−4
60a,460bを備えている。各ロ−ラ−458a,
458b,459は、紙幣出金駆動部420の各ロ−ラ
−425a,425b,438とそれぞれ対向する位置
に配置されている。
【0163】また、近接して配置されたロ−ラ−460
aとロ−ラ−460bは、紙幣出金駆動部420のロ−
ラ−437に対向する位置に配置されている。したがっ
て、出金の際に、リフトベ−ス450がイジェクト部4
00aに下降すると、出金すべき紙幣1をこれら上下の
各ロ−ラ−425a,425b,435,437,45
8a,458b,459,460a,460bによって
挟むようになっている。
【0164】図35は、出金直前のリフトベ−ス450
と紙幣出金駆動部420の各ロ−ラ−425a,425
b,435,437,458a,458b,459,4
60a,460bによって紙幣1を挟んだ状態の側面図
である。各ロ−ラ−458a,459,460aは、各
軸461a,462,463とそれぞれ連結されてい
る。なお、図35では紙幣1の裏となっていて見えない
が、図34に示すように、各ロ−ラ−458b,460
bは、各軸461b,463とそれぞれ連結されてい
る。
【0165】さらに、図34に示されるように、各軸4
61a,461b,462,463の両端は、各1個づ
つ計2個のバネ464a,464b,465,466を
介して、リフトベ−ス450の内部に連結されている。
したがって、出金する紙幣1の表面が出金方向で平らで
ない場合でも均一な圧力で紙幣出金口401に送り出す
ことができる。
【0166】図36は、出金直前のリフトベ−ス450
を、紙幣出金口401の方向からみた図である。リフト
ベ−ス450の両端に設けられた2個のロ−ラ−458
a,458bとリフトベ−ス450の紙幣出金口401
側に近接して設けられた2個のロ−ラ−460a,46
0bが図示されている。なお、ロ−ラ−459は、2個
のロ−ラ−460a,460bの後方に位置するため、
図を複雑にしないために図36から省略されている。図
示されるように、紙幣出金口401からみて左右に紙幣
1が不均一な状態であっても、均一な圧力で挟持される
ようになっている。したがって、紙幣1を紙幣出金口4
01に向かってまっすぐに、搬送することが可能であ
る。
【0167】図37は、ロ−ラ−458bを紙幣出金口
401の方向からみた拡大図である。図示されるよう
に、ロ−ラ−458bの軸461bの両端は、別個の各
バネ464bで連結されている。そのため、ロ−ラ−4
58bは、図示した中心線に対して傾斜可能である。し
たがって、紙幣1に局部的な凹凸があっても、均一な圧
力がかけられるようになっている。なお、図37は、ロ
−ラ−458bのみを示したものであるが、各ロ−ラ−
458a,459も同様の構造となっている。
【0168】図38は、紙幣搬送部200から異券2が
搬送された際の、イジェクト・リジェクト部400の側
面図である。図示されるように、リフトベ−ス450
が、イジェクト部400aに移動した状態となってい
る。既に搬送されてきた異券2は、その上部に押さえ板
488を載せて、回動式ア−ム485の上に載置されて
いる。前述のようにリフトベ−ス450は、その4つ角
に備えた回動板456が回動することによって回動式ア
−ム485より下方に移動できる。
【0169】しかし、回動式ア−ム485よりも幅が広
い異券2と押さえ板488は、回動式ア−ム485より
下方に移動できずに、イジェクト部400bに残され
る。なお、単に、回動式ア−ム485の上に異券2のみ
を載置するようにすると、異券2の折り癖やその重みに
よって、異券2は、回動式ア−ム485からイジェクト
部400aに落ちる危険性がある。そこで、押さえ板4
88が、リジェクト部400bに配置されている。ま
た、押さえ板488は、異券2の上部から圧縮すること
によって、狭いスペ−スになるべく多くの異券2を保存
できるようにする機能も有している。
【0170】図39は、押さえ板488を、イジェクト
・リジェクト部400の壁面から取り外した状態の斜視
図である。また、図40および図41は、それぞれ押さ
え板488を装置上部からみた図および紙幣出金口40
1の方向(図39の矢印Aの方向)からみた図である。
図39から図41に示すように、押さえ板488には、
各フック489a,489bが設けられている。そし
て、各フック489a,489bを、それぞれイジェク
ト・リジェクト部400の壁面に設けられた溝490
a,490bにはめ込むようになっている。
【0171】各溝490a,490bの下端は、L字型
となっており、この場所でのみ各フック489a,48
9bを挿入することが可能とされている。また、各溝4
90a,490bの下端は、回動式ア−ム485より下
方にある。したがって、回動式ア−ム485より上方で
のみ上下動可能な押さえ板488は、装置の動作中に各
溝490a,490bから抜け出ないようになってい
る。
【0172】なお、フック489aは、押さえ板488
と同一平面上になるような形状となっている。一方、フ
ック489bは、押さえ板488と同一平面上にならな
い形状となっている。かかる形状の違いを設けたのは、
次の理由による。図44に示すように、図示されるイジ
ェクト・リジェクト部400の右上には、異券2の満杯
を知らせる機能を持たせたリジェクトフルセンサ−49
1が取り付けられている。リジェクトフルセンサ−49
1は、異券2を保存する場所の図44の紙面に対して裏
側に配置されている。保存される異券2が増加すると、
フック489bが、バネ492の弾性力に抗して調節ネ
ジ493を押し上げる。調節ネジ493が上昇すると、
これに伴って、小ア−ム494が上がるようになってい
る。そして、保存される異券2が所定量に達して、小ア
−ム494が所定の傾斜になると、リジェクトフルセン
サ−491がオンとなるようになっている。
【0173】図42は、図26に示される状態を紙幣出
金口401の方向からみた図である。リフトベ−ス45
0を駆動するモ−タであるイジェクトリフトモ−タ47
1は、イジェクト・リジェクト部400の裏(図42の
右側)に設けられたリフトベ−ス駆動部470に配置さ
れている。リフトベ−ス450は、リフトベ−ス駆動部
470に突き出した駆動ア−ム450aを有している。
イジェクトリフトモ−タ471のモ−タ軸471aに
は、円板472が連結されている。さらに、円板472
は、回転ア−ム473を介してカム474に連結されて
いる。
【0174】回転ア−ム473には、図示されない磁石
475が備えられている。また、カム474がほぼ垂直
上部および垂直下部にきたときに、その磁石475と対
向する位置に、それぞれ各1個のホ−ルセンサ−476
が固定されている。一つは、リフトベ−ス450をリジ
ェクト部400bに停止させるために設けられた、イジ
ェクトリフトモ−タ上センサ−476aである。もう一
つは、リフトベ−ス450をイジェクト部400aに停
止させるために設けられたイジェクトリフトモ−タ下セ
ンサ−476bである。
【0175】両ホ−ルセンサ−476ともに、磁石47
5と重なった時に、CPU501に信号を送る。これに
よって、イジェクトリフトモ−タ471が停止するよう
になっている。したがって、イジェクトリフトモ−タ4
71は、半回転単位で停止する。図42によれば、磁石
475がイジェクトリフトモ−タ上センサ−476aと
重なることによって、リフトベ−ス450が、リジェク
ト部400bに停止した状態となる。
【0176】図43は、一時保留板410に出金する全
ての紙幣1が載置された後あるいは異券2をリフトベ−
ス450の上に載置する際に、リフトベ−ス450が一
時保留板410の上に降りた状態を示した図である。回
転ア−ム473は、図42の状態から半回転している。
この状態で、カム474は、駆動ア−ム450aからは
ずれている。したがって、一時保留板410の上に載置
されている紙幣1には、リフトベ−ス450の自重がか
かった状態となっている。
【0177】図44は、図43の状態を紙幣出金口40
1の左側からみた図である。リフトベ−ス450が一時
保留板410の上に下降しても、この段階ではまだ一時
保留板410は下方の紙幣出金駆動部420の側に降下
していない。なお、紙幣出金駆動部420のロ−ラ−4
25a,425bと搬送ベルト426は、出金すべき紙
幣1が全てイジェクト部400aに搬送された時点で、
停止するようになっている。また、図44に示すよう
に、前部回動ア−ム422は、各ア−ム441a,44
1b,441c,441dを介して、イジェクトシャッ
タ−ソレノイド440に連結されている。
【0178】図45は、リフトベ−ス450が一時保留
板410の側に下降した状態を示した図である。リフト
ベ−ス450が一時保留板410の上に降下すると、イ
ジェクトリフトモ−タ471に連結した回転ア−ム47
3に備えられた図示されていないリフトセンサ−がオン
となる。これによって、イジェクトシャッタ−ソレノイ
ド440がオンとなる。
【0179】イジェクトシャッタ−ソレノイド440が
オンとなると、前部回動ア−ム422が、各ア−ム44
1a,441b,441c,441dに引かれて倒れ
る。前部回動ア−ム422が倒れると、後部回動ア−ム
424も紙幣出金口401と反対方向に倒れる。これに
よって、一時保留板410は、下方に移動して、紙幣出
金駆動部420に重なる。なお、イジェクトシャッタ−
ソレノイド440は、オンとなった直後にオフとなる。
【0180】前部回動ア−ム422の軸421には、折
れ曲がった形状の屈曲ア−ム442が連結されており、
前部回動ア−ム422の回動に連動して回動するように
なっている。そして、屈曲ア−ム442が回動して磁石
445が停止する2つの位置には、各1個のホ−ルセン
サ−443が固定されている。両ホ−ルセンサ−443
の内、上方の所定位置に固定されているホ−ルセンサ−
443は、後述するシャッタ−413が開いたことを知
らせるイジェクトシャッタ−上センサ−443aであ
る。また、下方の所定位置に固定されているホ−ルセン
サ−443は、シャッタ−413が閉じたことを知らせ
るイジェクトシャッタ−下センサ−443bである。
【0181】図44および図45に示されるように、一
時保留板410の紙幣出金口401側であって、紙幣出
金口401に対向する位置には、出金前に紙幣出金口4
01を塞ぐ機能を有するシャッタ−413が設けられて
いる。また、このシャッタ−413は、一時保留板41
0と一体的に動作するように取り付けられている。した
がって、一時保留板410の上下動作によって、紙幣出
金口401が開閉可能となっている。かかる簡易な機構
で紙幣出金口401を開閉可能とすることで、特別なシ
ャッタ−機構を設ける必要がない。したがって、装置の
コスト低減や故障の低減を図ることができる。
【0182】屈曲ア−ム442が回動して、イジェクト
シャッタ−上センサ−443aがオンとなると、同セン
サ−443aからCPU501に、シャッタ−413が
開いたことを知らせる信号が送られる。また、一時保留
板410の上に載置される紙幣1の上部からリフトベ−
ス450の自重がかかっている。このため、紙幣出金駆
動部420に備えられた紙幣検知プレ−ト427の下端
に固定された磁石428が、ホ−ルセンサ−である紙幣
有無センサ−429と重なる。イジェクトシャッタ−上
センサ−443aと紙幣有無センサ−429の両センサ
−がオンであることを確認してから、CPU501は、
ステッピングモ−タ700を出金方向に駆動する。
【0183】図46は、図45の状態を、紙幣出金口4
01の方向からみた図である。リフトベ−ス450は、
一時保留板410の下降によって、図43で示された位
置よりさらに低い位置に下降していることがわかる。こ
の状態において、カム474は、図43の状態と同様に
駆動ア−ム450aから離れている。したがって、一時
保留板410上に載置れている紙幣1には、リフトベ−
ス450の自重がかかった状態となっている。したがっ
て、下方から紙幣1に圧力をかけて出金する場合と比べ
ると、特別な加圧機構を設ける必要がない。したがっ
て、装置のコスト低減や故障の低減を図ることができ
る。
【0184】図47は、紙幣1の出金中における、紙幣
検知プレ−ト427の動作の変化を示した図である。
(A)に示す出金直前の段階では、紙幣検知プレ−ト4
27は、リフトベ−ス450の自重で一時保留板410
に圧縮された紙幣1によって下方に押されている。その
ため、紙幣検知プレ−ト427の下端に固定された磁石
428が、出金する紙幣1の有無を検知する紙幣有無セ
ンサ−429に重なった状態(オン状態)となってい
る。
【0185】しかし、(B)に示すように、紙幣1の後
端が紙幣検知プレ−ト427より紙幣出金口401側に
搬送されると、紙幣検知プレ−ト427は立ち上がり、
紙幣有無センサ−429から磁石428が離れる(オフ
状態)。そして、紙幣1の搬送が停止して、紙幣1の一
部が紙幣出金口401から飛び出した状態に保持され
る。したがって、紙幣1が完全に装置外部に出てしまう
ことがないため、自動販売機等の利用者は、紙幣1を受
け取りやすい。
【0186】また、紙幣出金口401の直前には、図4
3から図46に示すように、イジェクト排出口センサ−
444が設けられている。このセンサ−444は、紙幣
1が抜き取られたか否かを検知するセンサ−である。イ
ジェクト排出口センサ−444は、透過型の光式センサ
−で、発光素子と受光素子の一対の素子から成ってい
る。紙幣1が、発光素子と受光素子の間に入ると光が遮
断され、それによって紙幣1の存在を検知できるように
なっている。
【0187】紙幣1が紙幣出金口401から抜き取られ
ると、イジェクト排出口センサ−444がオフとなる。
そして、紙幣1が存在しないことを知らせる信号が、C
PU501に送られる。これによって、イジェクトリフ
トモ−タ471が回転して、リフトベ−ス450がリジ
ェクト部400bへと上昇する。リフトベ−ス450
は、一時保留板410と、図示されていないバネで連結
されているので、リフトベ−ス450の上昇に伴い、一
時保留板410も上方に持ち上げられる。このようにし
て、イジェクト・リジェクト部400は、紙幣1の搬送
前である図26の状態に戻る。
【0188】(6)紙幣格納部ドア について
【0189】紙幣収納装置の紙幣収納部300およびイ
ジェクト・リジェクト部400の側面には、紙幣格納部
ドア600が設けられている。紙幣格納部ドア600
は、紙幣収納装置の修理および点検時ならびに紙幣の回
収および補充時に開けられるようになっている。
【0190】図48および図49は、カギ部601を、
それぞれスタッカ−300aの内部かみた斜視図および
ドア(以後、「紙幣格納部ドア」という)600の開く
側からみた拡大図である。カギ部601は、紙幣格納部
ドア600の開閉を検知するドアセンサ−601aと、
紙幣格納部ドア600の施錠を行う施錠部601bとか
ら構成されている。
【0191】施錠部601bは、紙幣格納部ドア600
に固定されたプレ−ト602と、装置本体側に備えられ
たフック603とから構成されている。プレ−ト602
は、クランク状に立体的に曲げられた形状となってい
る。以後、このプレ−トを、「クランク型金具」とい
う。クランク型金具602には、図示されるように、ド
アセンサ−601aに検知可能な磁石606が固着され
ている。
【0192】また、装置本体に備えられたフック603
は、コの字形状となっている。以後、このフックを、
「薄型フック金具」という。なお、図48(A)および
(B)では、施錠部601bの構造および動作を理解し
やすくするため、薄型フック金具603は宙に浮いたよ
うに示され、かつ後述するドアセンサ−601aは省略
されている。
【0193】図49に示すように、薄型フック金具60
3は、溝603aを有している。そして、施錠時におい
て、薄型フック金具603は、クランク型金具602の
一部であるプレ−ト602aに掛かる状態となる。紙幣
格納部ドア600を開ける際には、図48(B)におい
て、薄型フック金具603の面に、キ−604を差込ん
で時計回りに回転させる。
【0194】すると、薄型フック金具603は、図49
(B)に示すように、キ−差し込み口603eを中心と
して、矢印Xの方向に回動する。これによって、薄型フ
ック金具603のツメ部603bが、プレ−ト602a
からはずれる。それと同時に薄型フック金具603の下
部603cがクランク型金具602を、矢印Y方向に押
し出す。そのため、紙幣格納部ドア601は、キ−60
4を回すことによって、外側へと自動的に開くようにな
っている。
【0195】また、薄型フック金具603は、スプリン
グ605を介してスタッカ−300aに連結されてい
る。スプリング605は、薄型フック金具603の固定
点603dと、スタッカ−300aの固定点300dに
接続されている。薄型フック金具603は、このスプリ
ング605によって、紙幣格納部ドア600を開け、キ
−604を離した際に、再び施錠時の状態に戻るよう
に、付勢されている。
【0196】したがって、再度、キ−604を差し込ん
で薄型フック金具603のロック状態を解除させない
と、紙幣格納部ドア600を閉められないようになって
いる。これは、キ−604を装置内部に置いたまま施錠
する危険性を回避するためである。
【0197】また、図49に示すように、薄型フック金
具603の上方向には、ドアセンサ−601aとして、
ホ−ルセンサ−(以後、「紙幣格納部ドアセンサ−」と
いう)が備えられている。施錠時には、図49(A)に
示すように、紙幣格納部ドアセンサ−601aとクラン
ク型金具602に固着されている磁石606が重なる。
これによって、CPU501は、装置の動作を可能な状
態としている。
【0198】一方、図49(B)および図50に示すよ
うに、解錠時には、紙幣格納部ドアセンサ−601aと
磁石606が離れる。なお、図50中の602Lは、施
錠時のクランク型金具602の位置である。これによ
り、紙幣格納部ドアセンサ−601aは、オフとなる。
CPU501は、リフトモ−タ333を回転させて、ス
タックア−ム332を上方に移動させた後、装置全体の
動作を停止させる。
【0199】スタックア−ム332を上方に移動させる
のは、紙幣1の回収、補充あるいは点検等を容易に行う
ことができるようにするためである。また、その後に、
装置全体の動作を停止するのは、紙幣1の回収等の作業
中に、装置が作動すると、けがをする危険性があるため
である。
【0200】(7)制御部について
【0201】図51および図52は、紙幣収納装置の各
構成部の関係を示したブロック図である。制御部500
が識別部100、紙幣搬送部200、紙幣収納部30
0、イジェクト・リジェクト部400および外部通信部
508と信号のやり取りを行うことによって、紙幣収納
装置の正確な動作が可能となっている。
【0202】識別部MPU501aは、光式および磁気
式センサ−から、入金された紙幣1の長さ、光透過パタ
−ンおよび磁気パタ−ンの各種信号を受け取る。そし
て、識別部MPUは、記録されている千円札、5千円札
および1万円札の各種紙幣の保存デ−タと比較して、い
ずれかの真券情報と一致すれば、所定の動作を行う。一
方、デ−タが一致しない場合は、偽券と判断して、紙幣
1が戻される。
【0203】制御部500のCPU501は、紙幣搬送
部200、紙幣収納部300、イジェクト・リジェクト
部400等にある光式および磁気式センサ−から、紙幣
1の存在、紙幣1の長さ、紙幣1の光透過パタ−ン等の
信号を受け取る部分である。そして、ROM502に記
録されているデ−タと比較して、一致すれば所定の動作
を行う。一方、一致しない場合は、偽券と判断して、リ
ジェクト処理等の所定の処理を行う。
【0204】RAM(1)503には、予め所定のステ
ップで次のセンサ−からの信号を受け取ることを記憶さ
せている。したがって、紙幣1が、あるセンサ−から他
のセンサ−の間を所定のステップ範囲で行けなかった場
合には、紙幣1がその経路の途中でジャムを起こしたと
判断されるようになっている。また、RAM(1)50
3には、入金および出金動作の直後に、スタッカ−30
0aの最上位の紙幣1を出金と反対方向に駆動するステ
ップ数を24とするデ−タも記憶されている。
【0205】RAM(2)504は、各センサ−から送
られてくる紙幣1の長さや磁気パタ−ン等のデ−タやエ
ラ−があった回数等を、バックアップデ−タとして記憶
させておく部分である。
【0206】電源部507は、紙幣収納装置の電源であ
って、24V直流電源を使用している。直流電源を用い
ることによって、ステッピングモ−タ700を使用する
ことができる。また、直流24Vとすることによって、
漏電しても交流100V電源より安全である。また、外
部の電源を利用するので、装置の軽量化が図れる。さら
に、電圧が安定しているので装置の動作が安定するメリ
ットがある。
【0207】(8)ステッピングモ−タについて
【0208】本発明の紙幣収納装置の駆動源は、紙幣搬
送部100に設けられた識別部搬送モ−タ108と、装
置下部の設けられたステッピングモ−タ700の2個で
ある。したがって、紙幣識別部100から紙幣搬送部2
00に送られた後の紙幣1の搬送およびスタッカ−30
0a内部から紙幣出金口401まで紙幣1を搬送する動
作は、1個のステッピングモ−タ700を使用して行わ
れている。
【0209】ステッピングモ−タ700の回転数は、3
00〜1500ppsまで可変となっている。なお、回
転数の範囲は、この範囲に限定されるものではない。紙
幣1の迅速な入出金動作とジャム等のエラ−の発生を考
慮して、かかる範囲としている。また。装置の電源をオ
ンにした時の初期動作は、ステッピングモ−タ700が
正逆に回転して、紙幣搬送部200や紙幣収納部300
等の内部に配置されている各搬送ベルトが回転する動作
となっている。装置の動作に異常がないことを確認する
ためである。
【0210】また、温度計等の温度検知素子を装置内部
の所定箇所に備えることによって、外部の温度が所定の
温度以下に低下した際に、ステッピングモ−タ700に
電流を流すことも可能である。ステッピングモ−タ70
0が作動している時には、該モ−タが高温となる。した
がって、冬に外界の温度が下がっても、装置の動作に支
障が生じる危険性は少ない。
【0211】しかし、装置の動作が停止している場合に
は、装置内部の温度も外界の気温に近くなるため、装置
の動作に支障を期たす場合がある。例えば、平温時(2
0度前後)に比べて、動作が遅くなる場合、凍結して動
作しない等のごとくである。装置は、外壁で囲まれてい
るので、発熱する部材を設けることによって、このよう
なトラブルを低減することができる。
【0212】上記の発熱する部材として、例えば、温風
器等のヒ−タを装置内部に備えることも考えられる。し
かし、装置に余分な部材が多くなると、装置の小型化や
コストダウンの障害となる。
【0213】そこで、装置内の温度が低い時であって、
かつステッピングモ−タ700が回転していない時に
は、該モ−タ700に電流を流して、装置内部を暖める
方法を採るようになっている。このような方法を採るこ
とによって、長時間モ−タが停止しているシステムで
も、装置動作に支障を期たす危険性を低減できる。
【0214】(9)入金動作について
【0215】図53に、入金動作のフロ−チャ−トを示
す。以下、フロ−チャ−トに従って、紙幣収納装置の入
金動作を説明する。
【0216】最初に、紙幣収納装置の電源部507をオ
ンにして、入金待機状態とする(ステップS1)。この
状態で、まず、紙幣1を紙幣識別部100の紙幣挿入口
101に入れ、入金動作を開始する(ステップS2)。
すると、紙幣識別部100の検知部100aに備えた入
口センサ−102が、紙幣1が挿入されたか否かを検知
する(ステップS3)。なお、挿入された紙幣1の幅
が、正規の紙幣1の幅よりも狭いために、入口センサ−
102に検出されない場合には、元の待機状態のままで
ある。
【0217】入口センサ−102が紙幣1を検知する
と、紙幣識別部100にある電磁クラッチ109がオン
になるとともに、識別部搬送モ−タ108が入金方向に
回転する(ステップS4)。
【0218】識別部搬送モ−タ108が入金方向に回転
すると、検知部100aの搬送ベルト114と一時待機
部100bの搬送ベルト113が、入金方向に回転す
る。そのため、紙幣1は、搬送ベルト114と6個のロ
−ラ−117に挟持されたまま、さらに奥へとすすむ。
紙幣1が、2個の磁気式識別センサ−105、検知部1
00aに配置された側部光式識別センサ−104および
中央光式識別センサ−103を通過する間に、紙幣1の
長さ、光透過パタ−ンおよび磁気パタ−ンが検知される
(ステップS5)。
【0219】紙幣1の後端が、側部光式識別センサ−1
04を通過したところで、識別部搬送モ−タ108が停
止する(ステップS6)。ここで、識別部MPU501
aは、磁気式識別センサ−105および各光式識別セン
サ−103,104から受け取った識別デ−タと、予め
識別部MPU501aに記憶されている各種紙幣1のデ
−タとを比較して、真券か否かを判断する(ステップS
7)。
【0220】その結果、検知された各識別デ−タが、3
種の紙幣のいずれのデ−タとも一致しない場合には、識
別部MPU501aは、入金された紙幣1を偽券と判断
する。そして、識別部搬送モ−タ108を入金と逆方向
に回転させる(ステップS8)。これによって、紙幣1
は、検知部100aの搬送ベルト114によって紙幣挿
入口101へと搬送される。
【0221】紙幣挿入口101に戻された偽券の後端
が、中央光式識別センサ−103を通過したところで、
識別部搬送モ−タ108が停止し、偽券の引き抜きを待
つ状態となる(ステップS9)。そして、入口センサ−
102からの信号を受けた識別部MPU501aは、紙
幣1が引き抜かれたか否かを判断する(ステップS1
0)。紙幣1が引き抜かれて、入口センサ−102が紙
幣1を検知しなくなったら、紙幣収納装置は、次の紙幣
1の入金を待つ状態に戻る(ステップS11)。一方、
紙幣1が引き抜かれなかった時には、識別部MPU50
1aは、ステップS9に戻って紙幣1の引き抜きを待
つ。
【0222】また、挿入された紙幣1の識別デ−タが、
いずれかの紙幣デ−タと一致した場合には、入金された
紙幣1が真券と判断される。そして、識別部搬送モ−タ
108が再び入金方向に回転して(ステップS12)、
紙幣1は、各搬送ベルト114,113の駆動を受けて
一時待機部100bへと進む。
【0223】紙幣1の後端が、検知部100aの引き抜
き防止レバ−112の下部に設けた引き抜き防止レバ−
センサ−106を通過した段階で、識別部搬送モ−タ1
08が停止し、かつ電磁クラッチ109がオフとなる
(ステップS13)。したがって、紙幣1は一時待機部
100bで停止するとともに、引き抜き防止レバ−11
2が検知部100aの下方より立ち上がる。これによっ
て、以後、紙幣1の引き抜きは不可能となる。
【0224】次に、紙幣識別部100は、制御部500
に真券信号を送るとともに、外部通信部508を通じて
自動販売機等の上位機の制御部509に入金通知を行う
(ステップS14)。紙幣識別部100は、紙幣搬送部
200を制御する制御部500からの真券確認信号を待
つ状態となる(ステップS15)。
【0225】一方、紙幣搬送部200と制御部500
は、電源をオンにした後、紙幣識別部100のステップ
S1の待機状態と同様に待機状態となっている(ステッ
プS16)。そして、紙幣搬送部200と制御部500
は、ステップS14における紙幣識別部100からの真
券信号が入力されると、その真券信号を確認できたか否
かを判断する(ステップS17)。
【0226】その結果、制御部500(具体的には、C
PU501)が、真券信号を受け取った場合には、紙幣
1の種類に応じた各スタッカ−300a,300bの各
搬送ゲ−トソレノイド232,262に信号を送る。そ
して、CPU501は、千円搬送ゲ−ト231または5
千円搬送ゲ−ト261のいずれかを開けるとともに、ス
テッピングモ−タ700を回転させる(ステップS1
8)。これによって、紙幣搬送部200の搬送ベルト2
02が入金方向に駆動されて、入金準備が始まる。な
お、紙幣1が1万円札の場合には、1万円搬送ゲ−ト2
91は常時開いているので、搬送ゲ−トソレノイドのオ
ンは行われない。したがって、ステッピングモ−タ70
0のみを回転させることによって、入金準備が行われ
る。
【0227】一方、真券信号を受け取っていないと判断
された場合には、CPU501は、ステップS16に戻
って待機状態を維持する。
【0228】入金準備が行われると、CPU501は、
真券確認信号を識別部MPU501aに送る(ステップ
S19)。識別部MPU501aは、CPU501から
真券確認信号を受け取ったか否かを判断する(ステップ
S20)。
【0229】その結果、識別部MPU501aが真券確
認信号を受け取った場合には、識別部搬送モ−タ108
が入金方向に回転して、一時待機部100bにある紙幣
1は、紙幣搬送部200へと搬送される(ステップS2
1)。この段階では、電磁クラッチ109がオフなの
で、次の紙幣1を紙幣挿入口101から挿入しても、搬
送ベルト114は駆動せず、次の紙幣1は取り込まれな
い。その後、識別部MPU501aは、CPU501か
らの再度の真券確認信号を待つ状態となる(ステップS
22)。
【0230】一方、紙幣搬送部200に送られた紙幣1
は、途中でジャム等のトラブルが生じなければ、搬送路
センサ−255を通過する(ステップS23)。紙幣1
の後端が搬送路センサ−255を通過したところで、C
PU501は、真券確認信号を識別部MPU501aに
送る(ステップS24)。
【0231】識別部MPU501aは、真券確認信号を
受け取ったか否かを判断する(ステップS25)。その
結果、真券確認信号を受け取った場合には、識別部搬送
モ−タ108が停止する(ステップS26)。一方、真
券確認信号を受け取っていない場合には、ステップS2
2の待機状態を維持する。
【0232】識別部搬送モ−タ108が停止すると、紙
幣識別部100は、次の紙幣1を入金できる待機状態に
戻り、紙幣識別部100の動作が終了する(ステップS
27)。
【0233】一方、搬送路センサ−255を通過した紙
幣1は、各搬送ゲ−ト231,261,291のいずれ
かの搬送ゲ−トから、各スタッカ−300a,300
b,300cのいずれかに向かう。ここで、千円札の場
合を例にとると、千円札は、紙幣搬送口301に設けら
れたスタック入口センサ−307を通過する(ステップ
S28)。なお、ステップS28からステップS33に
ついては、千円札を例に説明するが、他の紙幣の場合も
同様のステップとなっている。
【0234】千円札の後端が、スタック入口センサ−3
07を通過すると、CPU501はスタック入口センサ
−308からの信号を受けて、紙幣1が完全にスタッカ
−300a内部に収納されるのに十分な時間を経過して
から、ステッピングモ−タ700を停止させる(ステッ
プS29)。ステッピングモ−タ700の停止によっ
て、搬送機構部309の各搬送ベルト304,312が
停止する。そして、紙幣1は、スタッカ−300a内部
に収納されている紙幣1の上面を押さえているスタック
ア−ム332の上に載置される。
【0235】次に、リフトモ−タ333が、スタックア
−ム332を上昇させる方向に半回転する(ステップS
30)。スタックア−ム332の上に載置された紙幣1
は、各搬送ベルト304、312に接触してスタックア
−ム332の2本のプレ−トの間から下方に向かって力
を受ける。続いて、紙幣1は、スタックア−ム332の
2本のプレ−トの間から下方にすり抜けて、プッシャ−
プレ−ト325上の紙幣1の上に載置される。その後、
スタックア−ム332は、搬送ベルト304,312よ
り上方の所定位置で停止する。
【0236】スタックア−ム332が停止すると、CP
U501の命令に従って、ステッピングモ−タ700が
入金方向に回転する(ステップS31)。なお、この実
施の形態では、ステッピングモ−タ700が入金方向に
24ステップ回転するようになっている。入金時にスタ
ッカ−300aの奥まで入りきらなかった紙幣1があっ
ても、かかる整頓動作によって、収納されている他の紙
幣1と端部を揃えて載置される。
【0237】次に、スタックア−ム332は、リフトモ
−タ333が半回転することによって下降し、スタック
リフト下センサ−341bがオンになる位置で停止する
(ステップS32)。この結果、プッシャ−プレ−ト3
25は、入金された紙幣1を含め収納されている紙幣1
を積載した状態で、スタックア−ム332に押さえられ
る。
【0238】そして、千円ゲ−トソレノイド232がオ
フになり(ステップS33)、千円搬送ゲ−ト231が
閉じると共に、上位機の制御装置509に入金の登録通
知が行なわれる。以上で、紙幣収納装置の入金動作が終
了する(ステップS34)。そして、同時に上位機の制
御装置509の動作も終了する(ステップS35)。
【0239】(10)出金動作について
【0240】次に、千円札2枚を出金する場合を例にし
て、出金動作について説明する。図54および図55
に、出金動作のフロ−チャ−トを示す。以下、フロ−チ
ャ−トにしたがって、紙幣収納装置の出金動作を説明す
る。
【0241】自動販売機等の上位機の制御装置509か
ら、千円札2枚を出金するための信号となる出金通知
が、CPU501に送られる(ステップS51)。
【0242】CPU501は、紙幣識別部100に入金
禁止信号を送り、紙幣識別部100を入金禁止状態とす
る(ステップS52)。先の出金通知によって、CPU
501は、紙幣収納部300と紙幣搬送部200を制御
する。すなわち、紙幣搬送部200のイジェクトゲ−ト
ソレノイド227がオンとなり、イジェクト搬送ゲ−ト
226が開かれる。同時に千円ゲ−トソレノイド232
がオンとなり、千円搬送ゲ−ト231が開かれる。そし
て、リフトモ−タ333の回転によって、スタックア−
ム332が上昇する(ステップS53)。プッシャ−プ
レ−ト325に積載された紙幣1の最上位にある紙幣1
の上面が、各搬送ベルト304,312に接したところ
で、プッシャ−プレ−ト325が停止する。この際、エ
ンドストッパ−334は、バネ335の弾性力によって
紙幣1の後端を軽く下に押し下げた状態となっている。
【0243】次に、ステッピングモ−タ700が出金方
向に回転することによって、各搬送ベルト304,31
2が出金方向に駆動される(ステップS54)。これに
よって、収納されている千円札の一番上の紙幣が、スタ
ッカ−300aから紙幣搬送口301に向かって搬出さ
れる。この際、2枚目の千円札も、各搬送ベルト30
4,312により出金方向の駆動を受ける。しかし、紙
幣搬送口301に設けられた分離ロ−ラ−310、フリ
クションロ−ラ−320およびロ−ラ−ガイド311に
よって、スタッカ−300aの外に飛び出さないように
されている。
【0244】スタッカ−300aの外部へと搬出された
千円札の先端が、スタック入口センサ−307を通過す
ると(ステップS55)、スタック入口センサ−307
が、CPU501に信号を送る。すると、CPU501
は、スタック紙幣ブレ−キソレノイドをオンにする(ス
テップS56)。この結果、搬送機構部309の後端に
設けられたストッパ−ア−ム348が回動して、ブレ−
キア−ム350の先端350aに接続されたブレ−キ部
材351が、2枚目の千円札の後端に押しあてられる。
同時に、ロ−ラ−ア−ム353が回動して、その先端に
あるロ−ラ−354が1枚目の千円札の上面から下方に
向かって押す。これによって、1枚目の千円札と各搬送
ベルト304,312とが引き離される。
【0245】1枚目の千円札は、スタック入口上ロ−ラ
−302とスタック入口下ロ−ラ−303の接触部およ
び分離ロ−ラ−310とロ−ラ−317とによる挟持部
分で搬送ベルト304の駆動を受けて、紙幣搬送部20
0へと搬送される。千円札がスタック入口センサ−30
7を通過している最中には、同センサ−307によっ
て、紙幣1の長さと光透過パタ−ンが検知される(ステ
ップS57)。
【0246】千円札の後端が、スタック入口センサ−3
07を通過する(ステップS58)と、スタック紙幣ブ
レ−キソレノイドがオフとなる(ステップS59)。な
お、ブレ−キア−ム350とロ−ラ−ア−ム353は、
下がったままでスタッカ−300a内部の紙幣1が搬送
されないようにしている。
【0247】次に、CPU501は、スタック入口セン
サ−307からのデ−タ信号を受けて、重送していない
かどうか判断する(ステップS60)。その結果、重送
していると判断すれば、ステップS61にすすみ、後述
するようなリジェクト処理を行う。
【0248】一方、重送していないと判断されると、C
PU501は、紙幣1が正しいか否かの判定、すなわち
千円札か否かの判定をする(ステップS62)。その結
果、別の種類の紙幣1であれば、ステップS61のリジ
ェクト処理が行なわれる。また、紙幣1の識別の結果、
真券と判断された場合には、千円札は、既に開かれてい
るイジェクト搬送ゲ−ト226から、イジェクト部40
0aに搬送される(ステップS63)。
【0249】次に、CPU501は、指定枚数の紙幣
1、すなわち、この例では2枚の千円札が搬送されたか
否かを判断する(ステップS64)。1枚しか搬送して
いなければ、さらに紙幣1をイジェクト部400aに送
るべく、ステップS54以下の動作を繰り返す。なお、
2枚目の千円札がイジェクト部400aに搬送されるま
で、先に搬送された千円札は、イジェクト部400aの
一時保留板410に載置された状態となっている。
【0250】一方、指定枚数の紙幣1、すなわち、この
例では2枚の千円札が、イジェクト部400aに搬送さ
れると、ステッピングモ−タ700が、入金方向に回転
する(ステップS65)。この実施の形態では、24ス
テップ回転する。
【0251】次に、リフトモ−タ333を半回転させる
ことによって、スタックア−ム332が、下方に向かっ
て移動し、プッシャ−プレ−ト325を紙幣搬送口30
1より下方に押し下げる(ステップS66)。続いて、
CPU501からイジェクトゲ−トソレノイド227お
よび千円ゲ−トソレノイド232に信号が送られ、各ソ
レノイド227,232がオフとなる。これによって、
イジェクト搬送ゲ−ト226および千円搬送ゲ−ト23
1が、閉められる(ステップS67)。
【0252】次に、CPU501は、イジェクトリフト
モ−タ471を回転させて、リフトベ−ス450を下降
させる(ステップS68)。イジェクトリフトモ−タ4
71の回転によって、回転ア−ム473に備えられた図
示されないリフトセンサ−がオンになる。CPU501
は、リフトセンサ−がオンとなっているか否かを確認し
て(ステップS69)、オンになっていなければ、エラ
−処理を要することとなる(ステップS70)。
【0253】一方、リフトセンサ−がオンとなっていれ
ば、CPU501は、イジェクトシャッタ−ソレノイド
440をオンにする(ステップS71)。これによっ
て、一時保留板410が、紙幣出金駆動部420に重な
る。そして、リフトベ−ス450によって下方に押しつ
けられた紙幣1によって、紙幣検知プレ−ト427の下
部に備えられた磁石428が、イジェクト紙幣有無セン
サ−429と重なる。
【0254】一方、一時保留板410の下降によって、
紙幣出金口401のシャッタ−413が開く。この時、
屈曲ア−ム442が回動して、イジェクトシャッタ−上
センサ−443aがオンとなる。CPU501は、イジ
ェクト紙幣有無センサ−429とイジェクトシャッタ−
上センサ−443aが共にオンになっているか否かを確
認する(ステップS72)。その結果、両センサ−42
9,443aがオンになっていなければ、エラ−処理を
要することとなる(ステップS70)。
【0255】一方、両センサ−429,443aがオン
になっていれば、CPU501は、ステッピングモ−タ
700を出金方向に回転させる(ステップS73)。こ
れによって、一時保留板410の上に載置されている全
ての紙幣1が、出金方向の駆動を受ける。紙幣1が、出
金方向に移動して紙幣検知プレ−ト427を通過する
と、同プレ−ト427が立ち上がる。CPU501は、
イジェクト紙幣有無センサ−429がオフになったか否
かを確認する(ステップS74)。
【0256】その結果、イジェクト紙幣有無センサ−4
29がオンのままであれば、エラ−処理を要することと
なる(ステップS75)。一方、イジェクト紙幣有無セ
ンサ−429がオフとなれば、ステッピングモ−タ70
0が停止する(ステップS76)。この状態では、紙幣
1の先端が、紙幣出金口401から半分程度出た状態と
なっている。
【0257】そして、紙幣1が引き抜かれて、イジェク
ト排出口センサ−444がオフになるまで、待機状態が
維持される(ステップS77)。紙幣1が全て引き抜か
れると、CPU501は、イジェクト排出口センサ−4
44がオフになったか否かを判断する(ステップS7
8)。イジェクト排出口センサ−444がオフにならな
ければ、ステップS76に戻りそのままの状態におかれ
る。
【0258】イジェクト排出口センサ−444がオフに
なると、イジェクトリフトモ−タ471が回転して、リ
フトベ−ス450が上昇する(ステップS79)。ま
た、一時保留板410が、紙幣出金駆動部420から上
方に持ち上げられる。これによって、紙幣出金口401
のシャッタ−413が閉まる。
【0259】次に、CPU501は、入金禁止状態とな
っていた紙幣識別部100に入金禁止解除信号を送出す
る。これによって、紙幣識別部100の入金禁止状態が
解除され(ステップS80)、紙幣識別部100は、元
の状態に戻り、その動作を終了する(ステップS8
1)。
【0260】一方、CPU501は、上位機制御装置5
09に出金動作を完了した旨の通知を行い、紙幣収納装
置の動作が終了する(ステップS82)とともに、上位
機制御装置509の動作も終了する(ステップS8
3)。
【0261】(11)リジェクト動作について
【0262】次に、上述したような正常な入金動作ある
いは出金動作が行われない場合、すなわち、ジャム、重
送、異券混入等が生じた場合に行うリジェクト動作につ
いて説明する。
【0263】入金動作あるいは出金動作の途中でトラブ
ルが起きた場合は、ジャムを生じた紙幣1を取り除き易
くする機構、紙幣1をリジェクト部400bに搬送する
機構およびエラ−表示がされてからエラ−処理を行う機
構を採用することによって、対応している。これらの中
で、紙幣1をリジェクト部400bに搬送するリジェク
ト動作とは、入金の途中でジャムが起こったとき、出金
時に紙幣1が重送を起こしたときまたは出金時に異券2
が搬送されたときの3つの場合に行う動作をいう。
【0264】また、エラ−処理は、例えば、出金時にジ
ャムが生じた場合等のごとく、リジェクト部400bに
紙幣1を搬送できない場合に、管理者が人力で行う処理
をいう。
【0265】図56に、入金時に紙幣1がジャムを起こ
した場合のリジェクト動作のフロ−チャ−トを示す。以
下、該フロ−チャ−トにしたがって説明する。紙幣1を
紙幣識別部100の紙幣挿入口101に入れてから、紙
幣搬送部200に搬送されるまでの動作は、入金動作と
共通なので省略する。
【0266】紙幣1が紙幣搬送部200を移動中、どこ
かでジャムを起こすと、リジェクト動作を開始する(ス
テップS101)。なお、ジャムの発生検知は、次のよ
うに行われる。すなわち、CPU501は、紙幣1が搬
送路センサ−255から所定範囲のステップ数で、各ス
タッカ−300a,300b,300cの入口に備えた
スタック入口センサ−307等まで到達しない場合に、
ジャムが発生したものと判断する。ステッピングモ−タ
700のステップ数で判断するのは、紙幣1が両センサ
−255,307の間を正常に通過する場合のステップ
数が、所定の範囲にはいるためである。
【0267】ジャムが発生した場合には、まず、ステッ
ピングモ−タ700の回転が停止し、搬送ベルト202
の駆動が停止する。(ステップS102)。ここで、ジ
ャムには、紙幣1が搬送路センサ−255に検知された
ままの状態で発生するものと、同センサ−255に検知
されない位置で発生するものとがある。前者のジャム
は、紙幣1(特に、千円札)が千円札用スタッカ−30
0aの紙幣搬送口301の直前にある千円搬送ゲ−ト2
31に入る部分で発生するジャムである。
【0268】また、後者のジャムは、例えば、5千円札
あるいは1万円札がそれぞれの搬送ゲ−ト261,29
1に入る部分で発生するジャムである。かかる2通りの
ジャムによって、リジェクト動作が異なるため、CPU
501は、まず、搬送路センサ−255が紙幣1に反射
した光を受光して、オンになっているかを判断する(ス
テップS103)。
【0269】その結果、搬送路センサ−255がオンに
なっている場合には、CPU501は、紙幣搬送部20
0に信号を送りステッピングモ−タ700を回転させ
る。これによって、搬送ベルト202が出金方向に駆動
する(ステップS104)。駆動は予め設定してあるス
テップ数だけ可能であるが、この実施の形態では、最大
200ステップまで駆動できるようになっている。
【0270】搬送ベルト202を出金方向に駆動した結
果、CPU501は、紙幣1が搬送路センサ−255を
通過して、同センサ−255がオフになったか否かを判
断する(ステップS105)。
【0271】その結果、搬送路センサ−255がオフに
なっていない場合には、搬送ベルト202を出金方向に
駆動することによっては、ジャムを解消することはでき
ない。そのため、エラ−処理を要するようになる(ステ
ップS106)。一方、搬送路センサ−255がオフと
なった場合には、CPU501からの信号によって、ス
テッピングモ−タ700が停止する(ステップS10
7)。
【0272】この段階では、イジェクト・リジェクト部
400の紙幣搬送口402の直前にあるイジェクト搬送
ゲ−ト226のゲ−ト外面に紙幣1が存在する。そのた
め、この状態からは直接、紙幣1をリジェクト部400
bに搬送できない。そこで、まず、CPU501は、開
いている搬送ゲ−トを閉じるために、搬送ゲ−トソレノ
イド(通常の場合、千円ゲ−トソレノイド232)をオ
フにする(ステップS108)。
【0273】次に、ステッピングモ−タ700を入金方
向に回転させて、搬送ベルト202を入金方向に駆動す
る(ステップS109)。かかる駆動は、予め設定した
ステップ数だけ可能であるが、この実施の形態では、最
大300ステップまで駆動できるようにしている。搬送
ベルト202を所定のステップ数だけ入金方向に駆動し
ている最中に、CPU501は、紙幣1の後端が搬送路
センサ−255を通過してオフになったか否を判断する
(ステップS110)。
【0274】その結果、紙幣1の後端が、搬送路センサ
−255を通過せずに、該センサ−255がオンのまま
であれば、エラ−処理を要することになる(ステップS
111)。一方、搬送路センサ−255がオフになれ
ば、紙幣1がイジェクト搬送ゲ−ト226を通過してい
ることになる。CPU501は、イジェクトゲ−トソレ
ノイド227をオンにして、イジェクト搬送ゲ−ト22
6を開く(ステップS112)。
【0275】次に、CPU501は、イジェクト・リジ
ェクト部400に信号を送り、イジェクトリフトモ−タ
471を回転させる。リジェクト部400bに待機して
いたリフトベ−ス450が下方に移動し、ジャムを起こ
した紙幣1を受け入れる体制となる(ステップS11
3)。
【0276】次に、CPU501は、ステッピングモ−
タ700を回転させる。これによって、搬送ベルト20
2が出金方向に駆動される(ステップS114)。ジャ
ムを起こした紙幣1は、イジェクト・リジェクト部40
0のイジェクト搬送ゲ−ト226からリフトベ−ス45
0の上に搬送される。この際、イジェクト入口センサ−
403によって、紙幣1の通過が確認される(ステップ
S115)。
【0277】この後、イジェクトリフトモ−タ471が
回転して、リフトベ−ス450がリジェクト部400b
へ上昇する。リフトベ−ス450は、回動式ア−ム48
5を押し上げて、押さえ板488と異券2を積載した状
態で、リジェクト部400bに停止する(ステップS1
16)。以上の動作によって、千円搬送ゲ−ト231の
近傍でジャムを起こした紙幣1のリジェクト動作が終了
する(ステップS117)。
【0278】一方、5千円札または1万円札が、各搬送
ゲ−ト261,291の近傍でジャムを起こした場合に
は、千円札がジャムを起こした場合より単純な動作とな
る。それは、ジャムの際に、紙幣1がイジェクト搬送ゲ
−ト226の部分になく、該ゲ−ト226の開き動作の
邪魔にならないからである。具体的には、ステップS1
03において、搬送路センサ−255がオフになってい
ると、上記のステップS112以降の動作に入る。
【0279】以上のように、入金時にジャムが生じたと
き、単に、エラ−表示をさせるのではなく、リジェクト
部400bに紙幣1を搬送するようにしている。これ
は、入金方向にジャムが生じたとき、反対方向に駆動す
ると解消する可能性が高いためと、その処理によって装
置の保守労力を減少できるためである。なお、再入金処
理を行わせるのではなく、リジェクト処理させるのは、
紙幣1が傷んでいることによって、再度のジャムが発生
する危険性があるからである。
【0280】図57に、重送した場合あるいは異券2が
出金された場合におけるリジェクト動作のフロ−チャ−
トを示す。以下、このフロ−チャ−トにしたがって説明
する。
【0281】自動販売機等の上位機制御装置509から
出金信号がCPU501に送られてから、各スタッカ−
300a,300b,300cより紙幣が搬出されるま
での動作は、前述した通常の出金動作と共通するので省
略する。
【0282】2枚目の紙幣1が、1枚目の紙幣1と密着
した状態で各スタッカ−300a,300b,300c
から搬出される、いわゆる重送が起こる場合がある。紙
幣1は、スタック入口センサ−307を通過している最
中に、同センサ−307によって、紙幣1の長さと光透
過パタ−ンを検知する。
【0283】CPU501は、紙幣1の長さと光透過パ
タ−ンから、紙幣1が重送していないか、あるいは異券
2でないかを判断する。通常、重送した場合は、紙幣1
の長さが所定の長さより長くなるため、紙幣1の長さの
みの識別で足りる。
【0284】しかし、ほとんど重なった状態の紙幣1で
あれば、1枚の紙幣1の長さとほぼ同じであり重送を検
知することが困難となる。そこで、光透過パタ−ンを測
定することによって、紙幣1の重送を判断している。重
送、あるいは異券2の搬送が行われると、CPU501
は、以下の動作を開始する(ステップS151)。
【0285】重送した紙幣1または異券2が搬送された
と判断した場合には、まず、イジェクト入口センサ−4
03の近傍に、紙幣1が存在しているかを確認する(ス
テップS152)。そして、複数枚の紙幣1を出金して
いる際、先に進行中の紙幣1が、イジェクト入口センサ
−403の近傍に存在している場合には、該紙幣1がイ
ジェクト入口センサ−403を通過するまで、搬送ベル
ト202の駆動を継続する(ステップS153)。
【0286】一方、イジェクト入口センサ−403の近
傍に紙幣1がない場合には、ステッピングモ−タ700
を停止する。この際、スタック紙幣ブレ−キソレノイド
はオンのままとし、スタッカ−300aは次の紙幣1の
出金を停止した状態となっている(ステップS15
4)。
【0287】次に、CPU501は、イジェクトリフト
モ−タ471を回転させる。その結果、リジェクト部4
00bに待機していたリフトベ−ス450が下方に移動
して重送した紙幣1や異券2を受け入れる体制となる
(ステップS155)。
【0288】その後、CPU501は、ステッピングモ
−タ700を回転させる(ステップS156)。これに
よって、搬送ベルト202が出金方向に駆動し、搬送ベ
ルト202上の重送した紙幣1や異券2が、リフトベ−
ス450の上に搬送される。
【0289】次に、紙幣搬送口402に設けたイジェク
ト入口センサ−403によって、重送した紙幣1または
異券2の通過が確認される(ステップS157)。そし
て、イジェクトリフトモ−タ471が回転して、リフト
ベ−ス450がリジェクト部400bへ上昇する。リフ
トベ−ス450は、押さえ板488と重送した紙幣1ま
たは異券2を積載した状態で、リジェクト部400bに
停止する。なお、重送した紙幣1等が確認されなけれ
ば、エラ−処理を要することとなる(ステップS15
8)。
【0290】一方、搬送ベルト202の駆動は、予め設
定したステップ数だけ移動できるようになっている。こ
の実施の形態では、最大1000ステップの設定が可能
である。ステッピングモ−タ700は、設定したステッ
プ数だけ回転し、重送した紙幣1等が、まだスタック入
口センサ−307あるいは搬送路センサ−255に検知
される位置にあるか否かの確認動作が行われる(ステッ
プS159)。
【0291】確認の結果、重送した紙幣1が上記各セン
サ−307,255に検知される位置にある場合には、
エラ−処理を要することとなる(ステップS160)。
一方、重送した紙幣1等が検知されず、重送した全ての
紙幣1がリフトベ−ス450に載置された場合には、イ
ジェクトリフトモ−タ471によるリフトベ−ス450
の上動作が行われる(ステップS161)。続いて、ス
タック紙幣ブレ−キソレノイドがオフとなり、重送防止
機構が解除される(ステップS162)。
【0292】次に、ステッピングモ−タ700が入金方
向に回転して、再度の重送が生じないように、前述のい
わゆる紙幣の整頓動作が行われる(ステップS16
3)。引き続いて、次の紙幣1の出金動作に入る(ステ
ップS164)。かかる一連の動作によって、リジェク
ト動作が終了する(ステップS165)。
【0293】次に、出金時において、ジャムが生じた場
合の動作について説明する。以下、図58のフロ−チャ
−トにしたがって説明する。
【0294】まず、CPU501は、紙幣1の搬送中に
ジャムが発生したことを、前述のように、各センサ−3
07,255間のステップ数によって検知する(ステッ
プS181)。そして、CPU501は、ステッピング
モ−タ700の回転を停止させる。その結果、搬送ベル
ト202の駆動が停止する(ステップS182)。
【0295】各搬送ゲ−トソレノイド232,262は
オンのまま維持される(ステップS183)。各搬送ゲ
−ト231,261の近傍でジャムを起こしている場合
に、各搬送ゲ−ト231,261を閉めると、紙幣1の
破損につながるからである。また、ジャムを起こした紙
幣1の除去作業ができないからである。
【0296】なお、出金時のジャムについては、リジェ
クト部400bへの搬送を行わず、エラ−処理を要する
こととなる(ステップS184)。これによって、紙幣
収納装置の管理者は、搬送路ドア部201を開けて、紙
幣1の除去を行うことになる。かかる動作によって、出
金時のジャムに対するリジェクト動作が終了する(ステ
ップS185)。
【0297】上記の各実施の形態における紙幣収納装置
に使用される搬送手段は、紙幣1の搬送に伴い摩耗す
る。このため、紙幣1を挟持する挟持力が低下すると共
に、分離ローラー310のローラー曲面に沿って紙幣1
をずらす機能が低下して、重送しやすくなる。特に、多
くの紙幣1を積層して収納しているスタッカー300a
等から、1枚づつ搬送する部分では、重送が起きやすく
なる。このため、スタッカー300a等の内部の搬送機
構部309には、次に示すような位置不変更化手段とし
てのベルト摩耗追随機構部が設けられている。
【0298】図59、60および図61は、それぞれベ
ルト摩耗追随機構部801とその近傍を示す側面図、斜
視図および紙幣搬送口301から見た正面図である。な
お、図59、60および図61では、ベルト摩耗追随機
構部801の構造およびその動作をわかりやすくするた
め、スタック入口上ローラー302およびスタック入口
下ローラー303を除外している。また、重複した説明
を避けると共に、図をわかりやすくするため、搬送ベル
ト312の摩耗に対処するベルト摩耗追随機構部は省略
されているが、搬送ベルト304の摩耗に対処するベル
ト摩耗追随機構部801と同様の構造および動作をする
ものである。
【0299】これらの図に示されるように、ベルト摩耗
追随機構部801は、搬送ベルト304の下側にある下
側搬送ベルト304bの上面に接する位置に設けられた
ロ−ラ−802と、搬送ベルト304の上側にある上側
搬送ベルト304aの上面に接する位置に設けられたロ
−ラ−803とを連結する支柱804とを有している。
支柱804の支柱上端部804aは、支柱804とほぼ
直角方向に配置されたプレ−ト805のプレ−ト先端部
805aと連結されている。
【0300】さらに、支柱804は、搬送ベルト304
の摩耗に追随して鉛直方向に上下可動自在となるように
軸806を有している。また、固定式支柱807は、上
側搬送ベルト304aの下面に接する位置に固定されて
いる。但し、固定式支柱807は、支柱804と連結さ
れていない。プレ−ト805の一部とスタッカ−300
aの外壁とは、可動部としてのロ−ラ−802,803
が下方に付勢されるように、バネ808を介して連結さ
れている。また、プレ−ト805のプレ−ト先端部80
5bは、スタッカー300aの外壁に固定されている。
【0301】したがって、搬送ベルト304が摩耗する
と、プレ−ト805が図59において時計回りに回動し
て、支柱804が下方に移動する。すなわち、プレ−ト
805がプレ−ト先端部805bを中心に回動して、ロ
−ラ−803は上側搬送ベルト304aを固定式支柱8
07との間で挟み続ける。一方、ロ−ラ−802は、搬
送ベルト304の摩耗した厚さの分だけ下方に移動す
る。これによって、ローラー802は、下側搬送ベルト
304bを下方に押し下げる。プレ−ト先端部805b
は、時計回りにのみ回転可能なワンウェイクラッチ80
9に固定されている。したがって、支柱804は、一旦
下降すると上昇できない構造となっている。
【0302】ローラー802,803の動きを、紙幣搬
送口301の方向からみると、図62のようになる。な
お、図62では、紙面に向かって右側に設けられている
ベルト摩耗追随機構部801を省略している。図62
(A)および(B)に示すように、搬送ベルト304が
摩耗して元の厚み(t)の3分の2の厚み(2t/3)
になると、可動部であるローラー802,803は、下
方に付勢されているバネ808の弾性力によって、図6
2の(A)において矢印Xで示すように、下方に移動す
る。下側搬送ベルト304bの下面は、外側の分離ロー
ラー317aの垂直下方において、t/3だけ上昇して
いる。しかし、ベルト摩耗追随機構部801のローラー
802の垂直下方の部分では、下側搬送ベルト304b
は、図62の(B)において矢印Yで示す斜線部分のよ
うに、t/3だけ下方に移動している。なお、矢印Yで
示す斜線部分は、分離ローラー317aの垂直下方にお
いてt/3だけ上昇した搬送ベルト304bと異なる斜
線で示されている。
【0303】図63および図64は、ベルト摩耗追随機
構部801の有無によって異なるスタッカ−300aの
入口付近の状態を比較して示す図である。まず、図63
に示すベルト摩耗追随機構部801がない場合について
説明する。搬送ベルト304が摩耗して、元の厚み
(t)から2t/3の厚みに摩滅すると、分離ロ−ラ−
310のロ−ラ−上面と下側搬送ベルト304bの下面
との距離dが、d−t/3になる。このため、紙幣1の
分離ローラー310に対する上下方向の位置が、当初の
位置よりも上になる。したがって、下側搬送ベルト30
4bと分離ロ−ラ−310とによる紙幣1の挟持力が低
下して、重送しやすくなる。
【0304】そこで、図64に示すようなベルト摩耗追
随機構部801を設けると、このような問題がなくな
る。ベルト摩耗追随機構部801のロ−ラ−802は、
搬送ベルト304の摩耗した厚さ、すなわちt/3だけ
下降する。したがって、ロ−ラ−802の下降によっ
て、下側搬送ベルト304bが、わずかにスタッカ−3
00aの内部に向かって傾斜する。このため、分離ロ−
ラ−310の上面と下側搬送ベルト304bとの間隔
は、d−t/3よりもdに限りなく近い距離Dとなる。
しかも、この動作は、搬送ベルト304の摩耗に追随し
て行われる。このため、分離ロ−ラ−310の上面と下
側搬送ベルト304bに接する紙幣1との距離は、ほぼ
一定に保たれる。したがって、分離作用が一定に保た
れ、重送を防止することができる。
【0305】一方、搬送ベルト304が摩耗し続けて、
やがて搬送ベルト304が切れた場合には、紙幣収納装
置が使用不可能となる。そこで、かかる状態を防止すべ
く、搬送ベルト304が摩耗して変化する厚みを計測す
る計測手段を備えている。さらに、その計測手段により
カウントした値が所定値に達した際に、制御部500を
通じて警告表示を行う表示部505を備えている。した
がって、紙幣収納装置の管理者は、装置内のベルトが切
れる危険性が高くなった時点で、ベルトの交換時期を認
知し、ベルト等の交換をすることが可能となる。
【0306】なお、上記の実施の形態は、本発明の一形
態に過ぎない。したがって、上述の実施の形態では、紙
幣1を両面から挟持する両挟持手段の一方を搬送手段で
ある搬送ベルト304,312とし、他方の挟持手段を
出金方向に対して搬送機能を持たない分離ローラー31
0としているが、両挟持手段を共に搬送ベルト等の搬送
手段としても良い。
【0307】また、搬送手段を、搬送ベルト304,3
12としているが、ベルト以外の他の搬送手段、例えば
ローラーを適用しても良い。その場合には、ローラーの
挟持方向の摩耗量に相当する分だけ、ローラーを挟持方
向に動かすようにする。また、上述の実施の形態では、
搬送手段としての搬送ベルト304,312と、挟持手
段としての分離ローラー310とを噛み合うように配置
しているが、搬送ベルト304,312のベルト面と分
離ローラー310のローラー面とを接触させたり、ある
いは極僅かに隙間を形成するように配置しても良い。
【0308】また、搬送ベルト304,312を下方に
付勢している部材は、バネ808に限定されず、バネ以
外の弾性体を適用しても良い。また、紙幣1を挟む一方
の挟持手段に接する紙幣1と他方の挟持手段との距離を
一定に保持する位置不変更化手段は、スタッカー300
a等の内部に備えた搬送ベルト304,312に備えら
れる場合に限定されず、例えば、紙幣搬送部200の搬
送ベルト202等に備えても良い。
【0309】また、搬送ベルト304,312の摩耗し
た厚みをカウントする計測手段は、ワンウェイクラッチ
809の回転数をカウントするカウンタに限定されず、
例えば、赤外線で搬送ベルト304,312のベルト面
の高さを検知する赤外線センサーを用いても良い。ま
た、計測手段は、位置不変更化手段の内部に限らず、そ
の外部に設けるようにしても良い。さらに、計測手段に
より計測したカウントが所定値となった際に、表示部5
05に警告表示する場合に限定されず、管理者のいるホ
ストコンピュータに向けて、警告表示や警告音を発する
ための信号を送出するようにしても良い。
【0310】なお、上記の実施の形態は、本発明の好適
な実施の形態の一例であり、これに限られるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形し
た実施が可能である。
【0311】例えば、図14等に示されるスタックア−
ム332は、図65に示すような構造のものでも良い。
以下、図65に基づいて、スタックア−ムの構造および
動作について説明する。なお、図65に示したスタッカ
−300a内部に設けられたプッシャ−プレ−ト32
5、搬送機構部309等は、図14等に示したスタッカ
−300aと共通するので、説明を省略する。
【0312】スタックア−ム810は、分離ロ−ラ−3
10と同軸である軸318と連結した駆動手段によって
回動可能となっている。また、スタックア−ム810
は、プッシャ−プレ−ト325に積載された紙幣1の上
側端面を押さえることが可能な幅で、かつ搬送機構部3
09の幅より広い2本のア−ムから構成されている。
【0313】2本のア−ムの長さは、紙幣1の先端部分
を押さえるだけの長さとなっている。スタックア−ム8
10の主な役割は、入金時に入金されてくる紙幣1と積
載されている紙弊1との衝突を防止し、かつ出金時に、
プッシャ−プレ−ト325の上昇を抑制することであ
る。したがって、図65に示す長さであっても、かかる
役割は十分に果たせる。また、スタックア−ム810の
長さを短くすると、スタックア−ム810の駆動機構を
小型化できるメリットもある。
【0314】次に、スタックア−ム810を用いたスタ
ッカ−300aの内部に、紙幣1を搬送する入金動作お
よび同スタッカ−300aの外部に、紙幣1を搬送する
出金動作について説明する。
【0315】まず、入金動作について、図66のフロ−
チャ−トと図65に基づいて説明する。
【0316】紙幣1の入金の際には、スタックア−ム8
10は、スタッカ−300aの内部にア−ムを回動させ
て、収納されている紙幣1の上面からプッシャ−プレ−
ト325を押し下げた位置であるA部に停止している。
かかる待機状態から入金動作が開始する(ステップS2
31)。
【0317】入金待機状態では、収納されている紙幣1
の上面と各搬送ベルト304,312の間には空間が形
成されている。したがって、スタック入口上ロ−ラ−3
02に巻かれた搬送ベルト304の駆動によって入金さ
れてくる紙幣1は、すでに収納されている紙幣1と衝突
せずに、スタッカ−300aの内部に搬送される。入金
されてくる紙幣1は、スタックア−ム810にその先端
を載せた状態で、収納されている紙幣1の上面にたわん
だ状態で積載される(ステップS232)。
【0318】次に、スタックア−ム810が、軸318
を中心に、図65において反時計回りに回動する(ステ
ップS233)。プッシャ−プレ−ト325は、図示さ
れていないバネの弾性力で上昇する。スタックア−ム8
10が図示されるB部まで回動すると、入金された紙幣
1は、スタックア−ム810の間から抜けて、収納され
ている紙幣1の上に積載される。それと同時に、プッシ
ャ−プレ−ト325は、入金された紙幣1を各搬送ベル
ト304,312に接触させた状態で停止する(ステッ
プS234)。
【0319】スタックア−ム810は、B部からさらに
回動を続けて、スタッカ−300a外部のC部で停止す
る(ステップS235)。次に、ステッピングモ−タ7
00の回転によって、スタック入口上ロ−ラ302が出
金方向と反対方向に駆動される。すなわち、入金された
紙幣1が収納された紙幣1と端部を揃えて載置される、
いわゆる整頓動作が行われる(ステップS236)。
【0320】かかる整頓動作が完了すると、スタックア
−ム810は、図65においてC部から時計回りに回動
する(ステップS237)。スタックア−ム810がB
部にきた時点以後、スタックア−ム810は、入金され
た紙幣1の上面からプッシャ−プレ−ト325を押し下
げる(ステップS238)。この押し下げは、プッシャ
−プレ−ト325を上方に付勢するバネに抗して行われ
る。
【0321】そして、スタックア−ム810は、A部ま
で回動して停止する(ステップS239)。かかる一連
の動作をもって、入金動作が終了する(ステップS24
0)。
【0322】図67は、図65に示すスタッカ−300
aの出金動作のフロ−チャ−トである。以下、図67の
フロ−チャ−トおよび図65に基づいて、出金動作を説
明する。
【0323】出金動作の前には、スタックア−ム810
は、図65に示すA部にてプッシャ−プレ−ト325を
押し下げている。かかる待機状態から出金動作が開始始
する(ステップS251)。まず、上位機制御装置50
9から、制御部500に出金信号が出される(ステップ
S252)。スタックア−ム810は、図65において
反時計回りに回動する(ステップS253)。
【0324】プッシャ−プレ−ト325は、図示されて
いないバネの弾性力によって、スタックア−ム810の
先端の上昇に追随して上昇する(ステップS254)。
そして、スタックア−ム810が図示されるB部にきた
時点で、プッシャ−プレ−ト325は、収納されている
紙幣1の上面を各搬送ベルト304,312に接触させ
た状態で停止する(ステップS255)。スタックア−
ム810は、さらに回動を続けC点で停止する(ステッ
プS256)。
【0325】次に、ステッピングモ−タ700が回転し
て、各搬送ベルト304,312が出金方向に駆動され
る(ステップS257)。各搬送ベルト304,312
の駆動によって、収納されている紙幣1の最上位にある
紙幣1が、紙幣搬送口301からスタッカ−300aの
外部へと出金される(ステップS258)。
【0326】出金後、各搬送ベルト304が出金方向と
反対方向に駆動されて、収納されている紙幣1の端部を
揃える、いわゆる整頓動作が行われる。これにより、出
金の際にスタッカ−300aの外方向に飛び出た紙幣1
が、スタッカ−300aの正規の位置に戻される(ステ
ップS259)。整頓動作が終了すると、スタックア−
ム810は、C部から図65において時計回りに回動し
てB部までくる(ステップS260)。
【0327】スタックア−ム810は、B部からA部に
至る過程で、プッシャプレ−ト325を、図示されない
バネの上方への付勢に抗して押し下げる(ステップS2
61)。そして、スタックア−ム810は、A部で停止
するとともに、プッシャプレ−ト325が停止する(ス
テップS262)。かかる一連の動作によって、出金動
作が終了する(ステップS263)。
【0328】なお、スタックア−ム810は、モ−タ以
外の駆動、例えばゼンマイやバネ等の弾性力を利用して
回動できるようにしても良い。
【0329】また、図9に示すような搬送ゲ−ト231
の各ツメの内側の構造について、中央のツメ231aと
両サイドのツメ231b,231cを逆にすることも可
能である。
【0330】図68に、図9に示す千円搬送ゲ−ト23
1のツメ231aの裏構造と、同ゲ−ト231の各両端
のツメ231b,231cの裏構造とを逆転した搬送ゲ
−トを示す。両サイドの各ツメ231b、231cの裏
側には、それぞれ各ロ−ラ−820,821,822,
823とこれらに張設されたベルト824が設けられて
いる。ベルト824は、ステッピングモ−タ700の回
転によって駆動される搬送ベルト202に従動して回転
する機構となっている。
【0331】また、千円搬送ゲ−ト231が閉じた時に
中央のツメ231aの裏側に位置する部分には、ベルト
825が設けられている。ベルト825は、各ロ−ラ−
826,827,828に張設され、ステッピングモ−
タ700に従動して回転できるようにされている。
【0332】ロ−ラ−829は、ベルト825に巻かれ
たロ−ラ−827と対向する位置に配置されている。さ
らに、ロ−ラ−830は、ロ−ラ−822とベルト82
4を挟持する位置に設けられている。ロ−ラ−830
は、搬送ベルト211に巻かれている。
【0333】したがって、搬送ベルト202と搬送ベル
ト211の駆動によって搬送された千円札は、開いた千
円搬送ゲ−ト231に入る際に、両端の2本のベルト8
24に接触して、千円札用スタッカ−300aに向か
う。次に、千円札の両側の先端部分が、それぞれベルト
824とロ−ラ−830に巻かれた搬送ベルト211と
の間に引き込まれる。この際同時に、千円札の中央先端
部分は、ベルト825とロ−ラ−829の間に引き込ま
れる。このように、千円札先端が局部的にベルト等の駆
動を受けることなく、千円札用スタッカ−300aにス
ム−ズに引き込まれる。
【0334】また、ステッピングモ−タ700に噛み合
うギアの比やプ−リ−の径を変更したり、あるいはステ
ッピングモ−タ700と別個のモ−タで駆動することに
よって、ベルト825を搬送ベルト211よりも高速で
駆動することも可能である。これによって、千円搬送ゲ
−ト231から千円札用スタッカ−300aに紙幣1を
搬送する際に、紙幣1の先端を積極的に引っ張るように
搬送することが可能となる。
【0335】なお、5千円搬送ゲ−ト261も、千円搬
送ゲ−ト231と同じ構造と機構を有している。そのた
め、5千円札が入金された際には、上述の千円札と同様
の動作で5千円札用スタッカ−300bに搬入される。
【0336】また、1万円搬送ゲ−ト291は、中央の
1本のツメからなる形状であるが、千円搬送ゲ−ト23
1の中央のツメ231aと同じ構造と機構を有してい
る。そのため、1万円札の先端の中央部分は、図68に
示す中央のツメ231aの下方に配置されたベルト82
5と同位置に配置されたベルトの駆動を受ける。
【0337】なお、5千円搬送ゲ−ト261、1万円搬
送ゲ−ト291も、ステッピングモ−タ700と別個に
備えられたモ−タによって高速で紙幣1の搬送を行うこ
とが可能である。
【0338】このように、各搬送ゲ−ト231,26
1,291の裏側に駆動ベルトを設けることにより、紙
幣搬送部200からほぼ直角に各スタッカ−300a、
300b、300cに曲がって入る搬送経路であって
も、ジャムがを起こりにくくなる。なお、ジャムを防止
するための方法の一つは、紙幣1の搬送経路を急激に曲
げないようにすることである。しかし、このようにする
と、紙幣収納装置が大型化してしまう。このため、この
実施の形態では、紙幣1の搬送経路をほぼ直角にして、
かつロ−ラ−およびベルトを有効に活用することによっ
て、装置の小型化を達成している。
【0339】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、紙幣の両
面からそれぞれ挟持すると共に、少なくとも紙幣の片面
側が紙幣を搬送する搬送手段である2つの挟持手段を備
え、搬送手段が摩耗しても、紙幣と他方の挟持手段との
挟持方向の位置関係を、常に搬送手段の摩耗前の状態に
保つ位置不変更化手段を備えている。したがって、紙幣
を1枚ずつ分離して搬送する分離機能の経時的劣化を防
止でき、重送の発生を防止できる。加えて、紙幣の搬送
機能も一定に維持できる。さらに、重送を防止するため
のメンテナンスの労を少なくできる。
【0340】また、請求項2記載の発明によれば、搬送
手段の少なくとも一つをベルトとし、位置不変更化手段
の一部をベルトに接触させるようにしている。このた
め、搬送手段の中でも最も摩耗して挟持力を低下させや
すい部分に対応することが可能となる。
【0341】また、請求項3記載の発明によれば、位置
不変更化手段は、ベルトの摩耗量に対応して、ベルトが
当接する紙幣の方向に移動する可動部を有し、その可動
部は、その可動範囲において、紙幣の方向に付勢される
ようにしている。このため、簡易な構造にて紙幣の挟持
力を一定に維持でき、装置の低コスト化を図ることがで
きる。
【0342】また、請求項4記載の発明によれば、可動
部は、紙幣の方向にのみ移動可能としているため、複数
の紙幣が搬出されかかっても、搬送手段は、紙幣の挟持
方向と反対方向に移動しにくく、重送を効果的に防止で
きる。
【0343】また、請求項5記載の発明によれば、両挟
持手段は、紙幣の幅方向に、相互に凸部と凹部が係合す
るように配置するようにしている。したがって、複数枚
の紙幣が重なって搬送されようとしても、これらの紙幣
が入り込む隙間が小さく、分離されやすくなる。したが
って、より一層重送を防止できる。
【0344】また、請求項6記載の発明によれば、搬送
手段は、紙幣を収納する収納室の内部に配置され、その
収納室の内部および外部のいずれか一方に紙幣を搬送す
る手段としている。したがって、紙幣を積層して収納し
ている所定の場所から収納室に一枚ずつ紙幣を搬入させ
たり、紙幣を積層して収納している収納室から一枚ずつ
紙幣を搬出させたりする際に、重送を防止できる。
【0345】また、請求項7記載の発明によれば、搬送
手段の一方を正逆双方向に移動可能なベルトとし、他方
を挟持手段を紙幣の入金時には入金方向に回転し、紙幣
の出金時には出金方向に回転不能である分離ローラーと
している。このため、出金方向に回転しない分離ローラ
ーのローラ面に沿って紙幣が移動すると、一枚ずつ分離
されて、より効果的に紙幣の重送を防止できる。
【0346】また、請求項8記載の発明によれば、位置
不変更化手段の動作距離を計測する計測手段を備えてい
るので、搬送手段の摩耗により紙幣の正常な搬送ができ
なくなる前に、装置の管理者は、ベルトやローラー等の
搬送手段を交換し、トラブルを未然に防止することがで
きる。したがって、紙幣収納装置の信頼性を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である紙幣収納装置の全体
の構成を表したブロック図である。
【図2】図1の紙幣収納装置における制御部の構成およ
び制御部とその他の構成部との関係を示したブロック図
である。
【図3】図1の紙幣収納装置の詳細な構成を示した全体
側面図で、主要部品を一部重ね合わせて示した図であ
る。
【図4】図1から図3に示す紙幣収納装置の紙幣識別部
の側面図で、主要部品を一部重ね合わせて示した図であ
る。
【図5】図1から図3の紙幣収納装置の紙幣識別部から
蓋部分を取り除いた状態の平面図で、主要部品の一部を
重ね合わせて示す図である。
【図6】図1から図3の紙幣収納装置の紙幣搬送部を示
す図であり、搬送路ドア部を開いた状態の斜視図であ
る。
【図7】図1から図3の紙幣収納装置の紙幣搬送部の主
要部品を示す側面図で、主要部品を一部を重ね合わせて
示す図である。
【図8】図1から図3の紙幣収納装置の紙幣搬送部を紙
幣挿入口と反対方向からみた詳細構成を示す図で、主要
部品の一部を重ね合わせて示す図である。
【図9】図1から図3の紙幣収納装置の搬送ゲ−ト部分
を、紙幣識別部の方向から見た斜視図である。
【図10】図1から図3の紙幣収納装置の紙幣収納部を
構成する千円札用スタッカ−を示す斜視図である。
【図11】図10に示される千円札用スタッカ−に備え
られたスタック入口センサ−とその周辺を示す要部側面
図である。
【図12】図10の千円札用スタッカ−の搬送機構部を
外した状態の斜視図である。
【図13】図10の千円札用スタッカ−の出口に備えら
れたロ−ラ−ガイドおよびその周辺を示す図である。
【図14】図10の千円札用スタッカ−の入金待機状態
の側面図で、主要部品の一部を重ねて示す図である。
【図15】図14の千円札用スタッカ−を装置の上方か
らみた平面図で、主要部品の一部を重ねて示す図であ
る。
【図16】図10の千円札用スタッカ−から紙幣が搬出
される際の状態を、紙幣搬送口の方向からみた図であ
る。
【図17】図10の千円札用スタッカ−の出金直前の状
態を示す側面図で、主要部品の一部を重ねて示す図であ
る。
【図18】図17のプッシャ−プレ−トとそれを上方に
付勢するプッシャ−スプリングを抜き出して示す図であ
る。
【図19】図17のプッシャ−プレ−トの一部を構成す
る可動式プッシャ−プレ−トの揺動動作を示す図であ
る。(A)は、収納されている紙幣の右側の厚みaと左
側の厚みbが、ほぼ等しい状態を示す。(B)は、収納
されている紙幣の右側の厚みaが、左側の厚みbより薄
い状態を示す。(C)は、収納されている紙幣の右側の
厚みaが、左側の厚みbより厚い状態を示す。
【図20】図10の千円札用スタッカ−から紙幣が出金
される直前の状態を示す側面図である。
【図21】図14および図20の、千円札用スタッカ−
のストッパ−部材であるエンドストッパ−とその周辺部
分を示した図である。(A)は、入金待機状態を示す。
(B)は、出金時の状態を示す。
【図22】図14の千円札用スタッカ−を紙幣搬送口と
反対方向からみた図で、主要部品の一部を重ね合わせて
示す図である。
【図23】図20の千円札用スタッカ−を紙幣搬送口と
反対方向からみた図で、主要部品の一部を重ね合わせて
示す図である。
【図24】図17の千円札用スタッカ−の重送防止機構
が働いている状態を示す図で、主要部品の一部を重ね合
わせて示す図である。
【図25】図1から図3の紙幣収納装置のイジェクト・
リジェクト部の斜視図である。
【図26】図25のイジェクト・リジェクト部の側面図
で、主要部品の一部を重ね合わせて示す図である。
【図27】図25のイジェクト・リジェクト部の紙幣搬
送口に設けられたイジェクト下ロ−ラ−とその周辺部材
を示した斜視図である。
【図28】図25のイジェクト・リジェクト部の紙幣搬
送口に紙幣が搬入されている状態を、紙幣搬送口の方向
からみた図である。
【図29】図25のイジェクト・リジェクト部の出金前
における、一時保留板と紙幣出金駆動部の状態を示した
斜視図である。
【図30】図25のイジェクト・リジェクト部の出金直
前に、一時保留部と紙幣出金駆動部とが重なった状態を
示す斜視図である。
【図31】図25のイジェクト・リジェクト部の一部で
ある紙幣出金駆動部の構造を示した斜視図である。
【図32】図25のイジェクト・リジェクト部の回動式
ア−ムとリフトベ−スを抜き出して示した分解斜視図で
ある。Aは、回動板が回動可能な方向を示す。Bは、回
動式ア−ムが水平状態を保持している位置を示す。C
は、回動式ア−ムが、下方からのリフトベ−スの上昇に
よって上方に回動した位置である。
【図33】図25のイジェクト・リジェクト部のリフト
ベ−スが、リジェクト部に上昇する際に、回動式ア−ム
と回動板の動きを、紙幣出金口の方向とその左側面方向
からみた図である。(A)は、リフトベ−スがイジェク
ト部から上方に移動する前の状態を示す。(B)は、リ
フトベ−スがリジェクト部に向かって上昇し、回動板が
回動式ア−ムを上方に回動させている状態を示す。
(C)は、リフトベ−スが、リジェクト部への移動を完
了した状態を示す。
【図34】図25のイジェクト・リジェクト部のリフト
ベ−スを、紙幣収納装置の下方からみた底面図である。
【図35】図25のイジェクト・リジェクト部の出金直
前における、リフトベ−スと紙幣出金駆動部の各ロ−ラ
−によって紙幣を挟んだ状態を模式的に示す側面図であ
る。
【図36】図35に示すリフトベ−スの内部構造を、紙
幣出金口の方向からみた図である。
【図37】図36に示すロ−ラとその周辺部分の拡大図
である。
【図38】図25のイジェクト・リジェクト部のリフト
ベ−ス上に異券が搬送された際の、イジェクト・リジェ
クト部の側面図で、主要部品の一部を重ね合わせて示す
図である。
【図39】図25のイジェクト・リジェクト部の押さえ
板を、これと係合する溝を示す斜視図である
【図40】図39の押さえ板を装置上部からみた平面図
である。
【図41】図39の押さえ板を紙幣出金口の方向(図中
のA方向)からみた側面図である。
【図42】図26のイジェクト・リジェクト部を、紙幣
出金口の方向からみた図で、主要部品の一部を重ね合わ
せて示す図である。
【図43】図38のイジェクト・リジェクト部を、紙幣
出金口の方向からみた図で、主要部品の一部を重ね合わ
せて示す図である。
【図44】図43のイジェクト・リジェクト部の側面図
で、主要部品の一部を重ね合わせて示す図である。
【図45】図25のイジェクト・リジェクト部の、出金
直前の状態を示す側面図で、主要部品の一部を重ね合わ
せて示す図である。
【図46】図45のイジェクト・リジェクト部を紙幣出
金口の方向からみた図で、主要部品の一部を重ね合わせ
て示す図である。
【図47】図45のイジェクト・リジェクト部の、紙幣
検知プレ−トの動作の変化を透過的に示す図である。
(A)は、一時保留板上にある紙幣を出金する直前の状
態の紙幣検知プレ−トとその周辺の状態を示す。(B)
は、一時保留板上にある紙幣が出金方向に移動して、紙
幣検知プレ−トが上方に立ち上がった状態を示す。
【図48】図1から図3の紙幣収納装置の紙幣格納部ド
アに設けられたカギの開閉状態を、スタッカ−内部から
みた斜視図である。(A)は、施錠時であり、(B)は
開錠時の状態である。
【図49】図1から図3の紙幣収納装置のカギ部の一構
成部である施錠部の開閉状態を、紙幣格納部ドアの開く
側からみた拡大図である。(A)は、施錠時であり、
(B)は解錠時の状態である。
【図50】図1から図3の紙幣収納装置のカギ部を、紙
幣収納装置の上方からみた図である。602Lは、施錠
時のクランク金具の位置を示す。
【図51】図1から図3の紙幣収納装置の各構成部の関
係の一部を示すブロック図である。
【図52】図51以外の、図1から図3の紙幣収納装置
の各構成部を示すブロック図である。
【図53】図1から図3の紙幣収納装置の入金動作を示
すフロ−チャ−トである。
【図54】図1から図3の紙幣収納装置の出金動作を示
すフロ−チャ−トである。
【図55】図54のフロ−チャ−トの続きを示す図であ
る。
【図56】図1から図3の紙幣収納装置の入金時に、紙
幣がジャムを起こした場合のリジェクト動作のフロ−チ
ャ−トを示す。
【図57】図1から図3の紙幣収納装置の出金時に、重
送した場合あるいは異券が搬送された場合におけるリジ
ェクト動作のフロ−チャ−トを示す。
【図58】図1から図3の紙幣収納装置の出金時に、紙
幣がジャムを起こした場合の動作のフロ−チャ−トを示
す。
【図59】図1から図3の紙幣収納装置に、ベルト摩耗
追随機構部を付加した場合の構造を示した図である。
【図60】図59のベルト摩耗追随機構部とその周辺部
材を示す斜視図である。
【図61】図60に示すベルト摩耗追随機構部とその周
辺部材を、紙幣搬送口からみた図である。
【図62】図61に示すベルト摩耗追随機構部が、搬送
ベルトの摩耗に追随して、その搬送ベルトを押し下げた
状態を、搬送ベルトの摩耗前と比較して示した図であ
る。
【図63】図59のベルト摩耗追随機構部が無い場合に
おいて、搬送ベルトが摩耗した場合の搬送ベルトと分離
ロ−ラ−との位置関係を示す図である。
【図64】図59のベルト摩耗追随機構部を備えた場合
において、搬送ベルトが摩耗した場合の搬送ベルトと分
離ロ−ラ−との位置関係を示す図である。
【図65】図1から図3の紙幣収納装置において、その
実施の形態で示したスタックア−ムに換えて、スタッカ
−の紙幣搬送口近傍に回動式のア−ムを備えた場合のス
タッカ−の側面断面図である。
【図66】図65のスタッカ−を備えた紙幣収納装置の
入金動作を示すフロ−チャ−トである。
【図67】図65のスタッカ−を備えた紙幣収納装置の
出金動作を示すフロ−チャ−トである。
【図68】図9に示す千円搬送ゲ−トの中央のツメの裏
構造と、同ゲ−トの各両端のツメの裏構造とを逆転した
千円搬送ゲ−トを、紙幣識別部の方向からみた斜視図で
ある。
【図69】本出願人が先に創作した紙幣収納装置の収納
室の一部を示す図である。
【図70】図69に示す紙幣収納装置の収納室の一部を
拡大して示す図である。
【図71】図69に示す紙幣収納装置の収納室から紙幣
を搬出する際の状態を紙幣搬送口の方向からみた図であ
る。
【符号の説明】
100 紙幣識別部 100a 検知部 100b 一時待機部 101 紙幣挿入口 200 紙幣搬送部 300 紙幣収納部 300a 千円札用スタッカ−(収納室) 300b 5千円札用スタッカ−(収納室) 300c 1万円札用スタッカ−(収納室) 304 搬送ベルト(挟持手段、搬送手段) 309 搬送機構部 310a 分離ローラー(挟持手段) 310b 分離ローラー(挟持手段) 312 搬送ベルト(挟持手段、搬送手段) 400 イジェクト・リジェクト部 400a イジェクト部 400b リジェクト部 401 紙幣出金口 500 制御部 501 CPU 501a 識別部MPU 503 RAM(1) 504 RAM(2) 505 表示部 507 電源部 700 ステッピングモ−タ 801 ベルト摩耗追随機構部(位置不変更化手段) 802 ローラー(可動部) 803 ローラー(可動部) 808 バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G07F 19/00 Fターム(参考) 3E040 AA01 BA13 BA20 FC14 FC15 FG14 3F049 DA04 DB04 LA08 LB04 3F100 AA06 BA12 CA03 CA06 EA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙幣を収納可能な紙幣収納装置におい
    て、紙幣の両面からそれぞれ挟持すると共に、少なくと
    も紙幣の片面側が紙幣を搬送する搬送手段である2つの
    挟持手段を備え、上記搬送手段が摩耗しても、紙幣と他
    方の挟持手段との挟持方向の位置関係を、常に上記搬送
    手段の摩耗前の状態に保つ位置不変更化手段を備えてい
    ることを特徴とする紙幣収納装置。
  2. 【請求項2】 前記搬送手段の少なくとも一つをベルト
    とし、前記位置不変更化手段の一部を上記ベルトに接触
    させていることを特徴とする請求項1記載の紙幣収納装
    置。
  3. 【請求項3】 前記位置不変更化手段は、前記ベルトの
    摩耗量に対応して、前記ベルトが当接する紙幣の方向に
    移動する可動部を有し、その可動部は、その可動範囲に
    おいて、紙幣の方向に付勢されていることを特徴とする
    請求項2記載の紙幣収納装置。
  4. 【請求項4】 前記可動部は、紙幣の方向にのみ移動可
    能としていることを特徴とするする請求項3記載の紙幣
    収納装置。
  5. 【請求項5】 前記両挟持手段は、紙幣の幅方向に、相
    互に凸部と凹部が係合するように配置していることを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の紙幣収納装
    置。
  6. 【請求項6】 前記搬送手段は、紙幣を収納する収納室
    の内部に配置され、その収納室の内部および外部のいず
    れか一方に紙幣を搬送する手段であることを特徴とする
    請求項1から5のいずれか1項記載の紙幣収納装置。
  7. 【請求項7】 前記搬送手段の一方を正逆双方向に移動
    可能なベルトとし、他方を挟持手段を紙幣の入金時には
    入金方向に回転し、紙幣の出金時には出金方向に回転不
    能である分離ローラーとしたことを特徴とする請求項1
    から6のいずれか1項記載の紙幣収納装置。
  8. 【請求項8】 前記位置不変更化手段の動作距離を計測
    する計測手段を備えていることを特徴とする請求項1か
    ら7のいずれか1項記載の紙幣収納装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008129753A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Oizumi Corp 紙幣処理装置
JP2008214017A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Ricoh Co Ltd シート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置
JP2013025606A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Oki Electric Ind Co Ltd 紙幣処理装置
JP2014174624A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Hitachi Systems Ltd 紙葉類搬送部品の摩耗確認システム

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