JP2003043398A - マルチビーム生成装置および光走査型画像表示装置 - Google Patents

マルチビーム生成装置および光走査型画像表示装置

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JP2003043398A JP2001227237A JP2001227237A JP2003043398A JP 2003043398 A JP2003043398 A JP 2003043398A JP 2001227237 A JP2001227237 A JP 2001227237A JP 2001227237 A JP2001227237 A JP 2001227237A JP 2003043398 A JP2003043398 A JP 2003043398A
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light
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の光ビームの集光スポット特性を均一化
することができるようにする。 【解決手段】 光ビームを出射する光ビーム出射手段2
0から出射した光ビームを、ビーム分岐手段24によっ
て複数の光ビームに分岐するマルチビーム生成装置2
で、光ビーム出射手段20から出射した光ビームを平行
化してビーム分岐手段24へ入射させるビーム整形手段
21を設けた。これによって、ビーム分岐手段24に入
射する光ビームの入射角度を均一化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチビーム生成
装置および光走査型画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザー光源から出射されたレー
ザービームを複数のレーザービームに分岐するマルチビ
ーム生成装置がある。
【0003】マルチビーム生成装置は、例えば、マルチ
ビーム生成装置から出射した複数のレーザービームを変
調手段によって変調し、回転多面鏡ポリゴン水平走査装
置と垂直走査ガルバノミラーとによってレーザービーム
を水平および垂直方向に走査させることで、スクリーン
上に画像を表示させるレーザー走査型画像表示装置に用
いられる。ここで、回転多面鏡ポリゴン水平走査装置と
は、複数の反射面を外周面に備えたポリゴンミラーをモ
ータ等によって水平面上で回転駆動させ、この反射面に
よってレーザービームを反射させることによって、レー
ザービームを水平方向に走査する。
【0004】ところで、近年のディスプレイ市場では、
表示画像の高精細化が急速に進んでいる。上述したレー
ザー走査型画像表示装置では、表示画像の高精細化を図
る方法の一つとして、解像度を向上させることによって
表示画像の高精細化を図るようにした方法での検討が始
まっている。解像度を向上させるための技術改良の一つ
として、水平方向の走査速度を向上させる方法が挙げら
れる。
【0005】しかし、上述したように、回転多面鏡ポリ
ゴン水平走査装置を用いてレーザービームの水平方向の
走査を行うようにしたレーザー走査型画像表示装置で
は、理論上、ポリゴンミラーの回転速度を高速化するこ
とによって水平方向の走査速度を向上させることができ
るが、実際には、ポリゴンミラーの回転速度の高速化に
は限界がある。
【0006】このため、複数のレーザービームを出射す
るマルチビーム生成装置を用いて、マルチビーム生成装
置から出射した複数のレーザービームのビームスポット
が、スクリーン上で垂直方向に配列されたスポット列を
形成するように導きながら水平方向に同時に走査させる
ようにしたレーザー走査型画像表示装置が考えられてい
る。これにより、単位面積を水平方向に走査する速度を
向上させることができ、回転多面鏡ポリゴン水平走査装
置のポリゴンミラーの回転に際しての負荷を軽減するこ
とができる。
【0007】マルチビーム生成装置には、レーザービー
ムを出射するレーザー光源と、レーザー光源から出射さ
れたレーザービームを複数に分岐するビーム分岐プリズ
ムとを備えているものがある。ビーム分岐プリズムは、
入射されたレーザービームを反射/透過によって分岐す
るビームスプリッタを備えるスプリッタブロックや、入
射されたレーザービームを反射させるミラーブロック等
の複数のブロックを接合して構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ビーム分岐
プリズムに入射されるレーザービームのエネルギーは、
レーザー光源から出射されたレーザービームが直接入射
される入射位置に近いブロック程大きい。各ブロック
は、エネルギーが加えられることにより発熱し、この発
熱によって熱膨張する。このときの熱膨張率は、加えら
れたエネルギーが大きいほど大きくなり、入射位置に近
いブロック程大きく熱膨張する。このため、入射位置に
位置付けられたブロックに対する各ブロックの距離に応
じて、ブロック間の熱膨張率に差が生じる。
【0009】ブロック間で熱膨張率の差が生じると、ブ
ロックとブロックとを接合している接合面にテンション
が発生する。接合面でテンションが発生すると、接続面
が歪んだり剥がれたりしてしまうことがある。
【0010】ビーム分岐装置の接合面が歪んだり剥がれ
たりすると、各ブロックを通過するレーザービームの波
面特性が劣化して、マルチビーム生成装置から出射され
るレーザービームの集光特性が劣化するという不都合が
生じる。
【0011】マルチビーム生成装置から出射するレーザ
ービームの集光特性の劣化は、このマルチビーム生成装
置を用いたレーザー走査型画像表示装置がスクリーン上
に集光するレーザービームのスポット特性の均一性の劣
化の原因となる。スクリーン上に集光されるレーザービ
ームのスポット特性の均一性の劣化は、スクリーンに表
示された画像にムラが発生して画質が低下する原因とな
る。
【0012】また、レーザー走査型画像表示装置がスク
リーンに表示する画像の高精細化に際しては、マルチビ
ーム生成装置から出射されてスクリーンに集光されるま
でのレーザービームの光路が問題になるが、従来のレー
ザー走査型画像表示装置では光路の設計することが高精
細画像を形成する上で有効な技術であることは言及され
ていない。
【0013】加えて、マルチビーム生成装置およびレー
ザー走査型画像表示装置の小型化に際しては、マルチビ
ーム生成装置およびレーザー走査型画像表示装置におけ
るレーザービームの光路長を短くする必要があるが、画
像の高精細化を維持したままマルチビーム生成装置およ
びレーザー走査型画像表示装置におけるレーザービーム
の光路長を短くする技術については開示されていない。
【0014】ところで、レーザービームの水平走査を行
うためには、ポリゴンミラーを有する回転多面鏡ポリゴ
ン装置が広く用いられている。このポリゴンミラーが有
する複数の反射面は、垂直方向に対するそれぞれの角度
にばらつきがあり、これは実際上の技術的に否めない。
各反射面の垂直方向に対する角度がばらつくことによ
り、各反射面から反射され偏向されるレーザービームの
偏向角度にもばらつきが発生する、いわゆる、面倒れの
影響が発生する。
【0015】また、単一の反射面であっても、面内に微
少な凹凸が生じていることは技術的には十分に考えら
れ、このため、単一の反射面から反射され偏向されるレ
ーザービームの偏向角度にもばらつきが発生してしま
う。
【0016】レーザービームの偏向角度にばらつきが発
生している場合、スクリーン上に集光するレーザービー
ムのスポット特性の均一性の劣化の原因となる。上述し
たように、スクリーン上に集光されるレーザービームの
スポット特性の均一性の劣化は、スクリーンに表示され
た画像にムラが発生する原因となり、画質が低下する。
【0017】従来装置においてはビームを単に偏向走査
面に入射させているものが多く、このような場合には上
記の偏向角度のバラツキが画像劣化要因となる。
【0018】また、レーザービームを高速走査させるこ
とによって画像形成する方式の場合において、スクリー
ン上の画素形状の、特に、水平方向の長さに対する照射
ビームの同一方向の長さを制御調整して、ビームが変調
信号に対応して点灯している時間内に描く軌跡として定
義される1画素の大きさがスクリーン上に規定される1
画素のサイズを超えないようにすることが必要である
が、これを実現するための具体的手段について言及した
前例がない。
【0019】以上のように、レーザー走査型画像表示装
置の概念は古くから存在していたが、コンパクトな構成
で高精細画像形成を実現する装置については多くの課題
が残されている。
【0020】マルチビーム生成装置から出射するレーザ
ービームのパワーは、スクリーンの大型化に伴って増大
させる必要があるため、上述した不具合はスクリーンの
大型化に伴って顕著に表れる。
【0021】特開平9-134135号公報、特開平8-327924号
公報には、レーザー光源を2次元的に走査して画像表示
する際に、画面を複数に分割すると同時に、分割した画
面に相当するように画像信号も分割し、分割した画面に
対してレーザー画像を描画させることで、画面の高解像
度化を図るようにした技術が開示されている。しかし、
同公報には、上述と同様の不具合の発生が懸念される
が、これを解決する技術は開示されていない。
【0022】また、特表平09-504920号公報には、レー
ザー光源を2次元的に走査して画像表示する際に、走査
するレーザービームの本数を複数とし、複数のレーザー
ビームを同時に走査させることによって、単数のビーム
走査による場合よりも偏向走査装置の回転速度を下げる
ようにした技術が開示されている。同公報には、赤、
緑、青の3色の波長を発振するレーザーアレイについて
放射するビーム数が複数であるとしているが、赤、緑、
青の3色の波長を発振するレーザーアレイそのものの実
現において問題となる多くの課題を解決する記載がなさ
れていない。このため、実用上、実現は困難であると考
えられる。
【0023】本発明は、複数の光ビームの集光スポット
特性を均一化することができるマルチビーム生成装置お
よび光走査型画像表示装置を得ることを目的とする。
【0024】本発明は、表示画像の解像度およびコント
ラストの劣化を防止することができるマルチビーム生成
装置および光走査型画像表示装置を得ることを目的とす
る。
【0025】本発明は、表示画像のムラの発生を防止し
て画質向上を図ることができるマルチビーム生成装置お
よび光走査型画像表示装置を得ることを目的とする。
【0026】本発明は、上記の目的に加えて小型化を図
ることができるマルチビーム生成装置および光走査型画
像表示装置を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のマ
ルチビーム生成装置は、光ビームを出射する光ビーム出
射手段と、前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを
複数の光ビームに分岐するビーム分岐手段と、を備える
マルチビーム生成装置において、前記光ビーム出射手段
が出射した光ビームを平行化して前記ビーム分岐手段へ
入射させるビーム整形手段を具備する。
【0028】したがって、光ビーム出射手段から出射さ
れた光ビームは、ビーム整形手段によって平行化されて
ビーム分岐手段へ入射される。これによって、ビーム分
岐手段に入射する光ビームの入射角度を均一化すること
ができる。
【0029】請求項2記載の発明のマルチビーム生成装
置は、光ビームを出射する光ビーム出射手段と、前記光
ビーム出射手段が出射した光ビームを複数の光ビームに
分岐するビーム分岐手段と、を備えるマルチビーム生成
装置において、前記光ビーム出射手段が出射した光ビー
ムを平行化するとともに光ビームのビーム径を拡大して
前記ビーム分岐手段へ入射させるビーム整形手段を具備
する。
【0030】したがって、光ビーム出射手段から出射さ
れた光ビームは、ビーム整形手段によって平行化される
とともにビーム径が拡大されてビーム分岐手段へ入射さ
れる。これによって、ビーム分岐手段に入射する光ビー
ムの入射角度を均一化するとともに、ビーム分岐手段を
通過する光ビームの単位面積当たりのパワーを低減する
ことができる。
【0031】請求項3記載の発明のマルチビーム生成装
置は、光ビームを出射する光ビーム出射手段と、前記光
ビーム出射手段が出射した光ビームを複数の光ビームに
分岐するビーム分岐手段と、を備えるマルチビーム生成
装置において、前記ビーム分岐手段が分岐した光ビーム
を偏向走査する走査手段へ出射する光ビームを前記走査
手段による走査方向の径が走査方向に直交する方向の径
よりも長くなるように整形するビーム整形手段を具備す
る。
【0032】したがって、光ビーム出射手段から出射さ
れてビーム分岐手段によって分岐された光ビームは、ビ
ーム整形手段によって偏向走査される際の走査方向の径
が走査方向に直交する方向の径よりも長くなるように整
形される。これによって、走査手段より後段に集光レン
ズを設けた場合に、集光レンズの実効的なNA値が大き
くなるので、集光レンズによってスクリーン面等に集光
される光ビームのスポットの走査方向の径を走査方向に
直交する方向の径よりも短くすることができる。
【0033】請求項4記載の発明は、請求項1または2
記載のマルチビーム生成装置において、前記ビーム分岐
手段が分岐した光ビームを偏向走査する走査手段へ出射
する光ビームを前記走査手段による走査方向の径が走査
方向に直交する方向の径よりも長くなるように整形する
ビーム整形手段を具備する。
【0034】したがって、ビーム分岐手段によって分岐
された光ビームは、ビーム整形手段によって偏向走査さ
れる際の走査方向の径が走査方向に直交する方向の径よ
りも長くなるように整形される。これによって、走査手
段より後段に集光レンズを設けた場合に、集光レンズの
実効的なNA値が大きくなるので、請求項1または2記
載の発明の作用に加えて、集光レンズによってスクリー
ン面等に集光される光ビームのスポットの走査方向の径
を走査方向に直交する方向の径よりも短くすることがで
きる。
【0035】請求項5記載の発明は、請求項1、2、3
または4記載のマルチビーム生成装置において、前記ビ
ーム分岐手段は、前記光ビーム出射手段が出射した光ビ
ームが入射される入射位置から分岐後の光ビームが出射
される各出射位置までの光路長が同一となるように構成
されている。
【0036】したがって、光ビーム出射手段から出射さ
れてビーム分岐手段に入射された光ビームは、入射位置
から同一の長さの光路を通過して出射位置から複数に分
岐されて出射される。これによって、複数に分岐されて
ビーム分岐手段から出射される光ビームの光量を各出射
位置で均一化することができる。
【0037】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4または5記載のマルチビーム生成装置において、
前記ビーム分岐手段は、光ビームを分岐させるビームス
プリッタを備えるスプリッタブロックと、光ビームを通
過させるスルーブロックと、光ビームを全反射させるミ
ラーを備えるミラーブロックとによって構成されている
ビーム分岐プリズムであり、前記ビーム分岐プリズムの
光ビームが通過する位置とは異なる位置に接触配置され
各前記ブロックに入射される光ビームのエネルギーに応
じた熱容量を有するヒートシンク片を前記ブロック毎に
設けた。
【0038】したがって、入射された光ビームによるビ
ーム分岐プリズムの発熱は、ヒートシンク片によって各
ブロックに入射される光ビームのエネルギーに応じて吸
熱される。これによって、各ブロック毎の熱膨張率を均
一化して、各ブロック間の接合面にテンションがかかる
ことを防止することができる。
【0039】請求項7記載の発明は、請求項6記載のマ
ルチビーム生成装置において、前記ヒートシンク片は、
前記ビーム分岐プリズムにおける前記光ビーム出射手段
が出射した光ビームが入射される入射位置に近い前記ブ
ロックに接触配置される前記ヒートシンク片の方が前記
入射位置から遠い前記ブロックに対応する前記ヒートシ
ンク片よりも熱容量が大きくなるように設定されてい
る。
【0040】したがって、入射された光ビームによって
発熱したビーム分岐プリズムは、ヒートシンク片によっ
て、光ビーム出射手段から出射された光ビームが入射さ
れる入射位置に近いブロックからの吸熱量の方がこの入
射位置から遠いブロックからの吸熱量よりも多くなるよ
うに吸熱される。これによって、実用上、より効果的に
請求項6記載の発明の作用を得ることができる。
【0041】請求項8記載の発明は、請求項6または7
記載のマルチビーム生成装置において、前記ビーム分岐
プリズムにおける前記スプリッタブロックと前記ミラー
ブロックとに入射する光ビームの光量が同一である場合
に、前記ヒートシンク片は、前記スプリッタブロックよ
りも前記ミラーブロックに対応するヒートシンク片の熱
容量の方が大きくなるように設定されている。
【0042】したがって、スプリッタブロックとミラー
ブロックとに入射する光ビームの光量が同一である場
合、入射された光ビームを全反射させるためにより発熱
量が大きくなるミラーブロックの方が多く吸熱される。
これによって、実用上、より効果的に請求項6または7
記載の発明の作用を得ることができる。
【0043】請求項9記載の発明は、請求項3、4、5
または6記載のマルチビーム生成装置において、隣接す
る各前記ヒートシンク片を連続的に形成したヒートシン
ク部材を具備する。
【0044】したがって、単一のヒートシンク部材を取
り付けることで、ビーム分岐プリズムに対して複数のヒ
ートシンク片を取り付けることができる。これによっ
て、ビーム分岐プリズムに対して複数のヒートシンク片
を個々に取り付ける場合と比較して、煩雑な作業をなく
して作業の容易化を図ることができる。
【0045】請求項10記載の発明の光走査型画像表示
装置は、請求項1ないし9いずれか一に記載のマルチビ
ーム生成装置と、前記マルチビーム生成装置から出射さ
れた複数の光ビームを変調する変調手段と、前記変調手
段が変調した光ビームを所定の走査方向に走査させる走
査手段とを備える光走査型画像表示装置において、前記
変調手段は、前記マルチビーム生成装置から出射した光
ビームの径よりも径が小さくなるように光ビームを変調
する。
【0046】したがって、マルチビーム生成装置から出
射された複数の光ビームは、変調手段によってマルチビ
ーム生成装置から出射された光ビームの径よりも径を小
さくなるように変調されて、走査手段によって走査され
る。これによって、走査手段に入射される光ビームが走
査手段で占める面積を小さくすることができる。
【0047】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の光走査型画像表示装置において、前記マルチビーム生
成装置から出射された複数の光ビームを集光して前記変
調手段に入射させる第1の集光光学系と、前記変調手段
から出射される光ビームを集光して前記走査手段に向け
て出射する第2の集光光学系と、を具備し、前記第2の
集光光学系の焦点距離は前記第1の集光光学系の焦点距
離よりも短く設定されている。
【0048】したがって、第1の集光光学系によって集
光された光ビームが変調手段に入射され、変調手段によ
る変調後の光ビームが第2の集光光学系によって集光さ
れて走査手段に入射される。これによって、走査手段に
入射される光ビームが走査手段で占める面積を小さくす
るとともに、光ビームを単一の集光光学系によって集光
した場合と比較して、マルチビーム生成装置から走査手
段までの光路長を短くすることができる。
【0049】請求項12記載の発明は、請求項10また
は11記載の光走査型画像表示装置において、前記変調
手段と前記走査手段との間に、前記走査手段による光ビ
ームの走査方向の径がこの走査方向に直交する方向の径
よりも長いアパーチャを有するアパーチャ手段を具備
し、前記変調手段から出射された光ビームを前記アパー
チャ手段の前記アパーチャを通過させて前記走査手段に
導くようにした。
【0050】したがって、変調手段によって変調された
光ビームは、アパーチャ手段のアパーチャを通過するこ
とによって走査手段による走査方向の径が走査方向に直
交する方向の径よりも長くなるように整形される。これ
によって、走査手段より後段に集光レンズを設けた場合
に、集光レンズの実効的なNA値が大きくなるので、集
光レンズによってスクリーン面等に集光される光ビーム
のスポットの走査方向の径を走査方向に直交する方向の
径よりも短くすることができる。
【0051】請求項13記載の発明は、請求項10、1
1または12記載の光走査型画像表示装置において、前
記走査手段により走査される光ビームを前記走査手段に
よる走査方向の径が走査方向に直交する方向の径よりも
短くなるように整形する副ビーム整形手段を具備する。
【0052】したがって、走査手段により走査される光
ビームは、副ビーム整形手段によって走査手段による走
査方向の径が走査方向に直交する方向の径よりも短くな
るように整形される。これによって、スクリーン面等に
集光される光ビームのスポットの走査方向の径を走査方
向に直交する方向の径よりも短くすることができる。
【0053】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の光走査型画像表示装置において、前記走査手段により
走査される光ビームを前記走査手段による走査方向に直
交する方向に前記走査手段による走査速度よりも低速で
走査させる副走査手段を具備し、前記副ビーム整形手段
は、前記副走査手段により走査される光ビームを整形す
る。
【0054】したがって、副走査手段により走査される
光ビームは、副ビーム整形手段によって走査手段による
走査方向の径が走査方向に直交する方向の径よりも短く
なるように整形される。これによって、スクリーン面等
に集光される光ビームのスポットの高速方向の径を低速
方向の径よりも短くすることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態につい
て図1ないし図5を参照して説明する。本実施の形態
は、光走査型画像表示装置としてプロジェクタへの適用
例を示す。
【0056】図1は、本発明の第1の実施の形態のプロ
ジェクタを概略的に示すブロック図である。プロジェク
タ1は、複数のレーザービーム(光ビーム)を出射するマ
ルチビーム生成装置2(図2参照)を備えている。詳細は
後述するが、マルチビーム生成装置2は、レーザービー
ムを出射する光ビーム出射手段としての半導体レーザー
アレイ20と、半導体レーザーアレイ20から出射した
単一のレーザービームを複数のレーザービームに分岐す
るレーザービーム分岐手段としてのビーム分岐プリズム
24を備えている。
【0057】図2は、マルチビーム生成装置2から出射
された複数のレーザービームの光路の一部を示す説明図
である。マルチビーム生成装置2から出射されたレーザ
ービームは、第1の集光光学系としての集光光学系5に
入射される。集光光学系5は、マルチビーム生成装置2
から出射された複数のレーザービームのビーム径を各レ
ーザービーム毎に縮小する。ここで、縮小した後のレー
ザービームのビーム径は、複数のレーザービームのいず
れも等しくなるように縮小される。集光光学系5からビ
ーム径が縮小されて出射された複数のレーザービーム
は、変調手段としての光変調装置6にそれぞれ入射され
る。
【0058】光変調装置6は、入射された複数のレーザ
ービームに対して、それぞれ異なる変調信号をかけてレ
ーザービーム毎に変調を行うとともに、変調した各レー
ザービームを第2の集光光学系としての集光光学系7へ
向けて出射する。本実施の形態の光変調装置6は、AO
M(音響光学変調素子)を用いた変調を行う。
【0059】なお、レーザービームの変調は、AOM
(音響光学変調素子)を用いた変調に限るものではなく、
例えば、EOM(電気光学変調素子)を用いた変調等であ
ってもよい。
【0060】光変調装置6から出射された変調後のレー
ザービームは、第2の集光光学系としての集光光学系7
に入射される。集光光学系7は、入射された複数のレー
ザービームをレーザービーム毎に集光する。集光光学系
7は、集光したレーザービームを、ビーム集光位置もし
くはその近傍に反射面がくるように配置された走査手段
としての回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8に向けて出
射する。
【0061】公知の技術であるため説明を省略するが、
回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8は、鏡状の複数の反
射面8aを外周面に有する多角形状のポリゴンミラー8
bと、ポリゴンミラーを回転駆動する図示しない駆動手
段とを備えており、駆動手段によってポリゴンミラー8
bを回転駆動しながら反射面8aに入射されたレーザー
ビームを反射することで、レーザービームを回転方向
(水平方向)に沿って走査する。
【0062】回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8によっ
て、水平方向に沿って走査されたレーザービームは、折
り返しミラー9を介して垂直走査ガルバノミラー10に
入射される。
【0063】垂直走査ガルバノミラー10は、垂直方向
に対するミラー面の角度を調整することによって、入射
されたレーザービームを垂直方向に偏向走査する。垂直
走査ガルバノミラー10によって偏向走査されたレーザ
ービームは、スクリーン相当面11に至る。
【0064】なお、図1中符号xで示す点線は、回転多
面鏡ポリゴン水平走査装置8の反射面8a、折り返しミ
ラー9または垂直走査ガルバノミラー10におけるレー
ザービームの反射位置を示している。
【0065】本実施の形態の回転多面鏡ポリゴン水平走
査装置8による水平方向の走査速度は、垂直走査ガルバ
ノミラー10による垂直方向の走査速度よりも充分に速
く設定されている。
【0066】具体的に、回転多面鏡ポリゴン水平走査装
置8による水平方向の走査速度は、ポリゴンミラー8b
と垂直走査ガルバノミラー10との両方が同時に動いて
いる状況下で、回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8が走
査するレーザービームが描く軌跡がほぼ水平となる程度
に、垂直走査ガルバノミラー10による垂直方向の走査
速度よりも十分に速く設定されている。
【0067】これにより、回転多面鏡ポリゴン水平走査
装置8および垂直走査ガルバノミラー10により走査さ
れるレーザービームは、厳密には、スクリーン相当面1
1上で、走査開始端より走査終了端の方が垂直方向の位
置がわずかに下がった軌跡となるように走査される。
【0068】スクリーン相当面11には、通常、画像が
映し出される(表示される)スクリーンが配置される。以
降、スクリーン相当面11を単にスクリーン面11とい
う。
【0069】次に、マルチビーム生成装置2について詳
細に説明する。図3は、マルチビーム生成装置2を概略
的に示すブロック図である。マルチビーム生成装置2
は、レーザービームを放射するレーザービーム発生手段
としての、半導体レーザーアレイ20を備えている。ま
た、マルチビーム生成装置2は、半導体レーザーアレイ
20から出射されたレーザービームを拡大するとともに
平行化するビーム整形手段としてのレンズ系21を備え
ている。
【0070】レンズ系21は、負のパワーをもつ透過レ
ンズ22と、透過レンズ22の後段に配置された正のパ
ワーをもつ透過レンズ23とによって構成されている。
レンズ系21に入射されたレーザービームは、透過レン
ズ22によって発散角が広げられて、透過レンズ23に
よってコリメートされる。
【0071】マルチビーム生成装置2は、レンズ系21
によって拡大平行化されたレーザービームを、複数のレ
ーザービームに分岐するマルチビーム分岐手段としての
ビーム分岐プリズム24を備えている。
【0072】図4は、ビーム分岐プリズム24を示す説
明図である。ビーム分岐プリズム24は、レーザービー
ムをスプリットさせるビームスプリッタ25aを備える
スプリッタブロック25と、レーザービームをスプリッ
トせず通過させるスルーブロック26と、レーザービー
ムを全反射させるミラー27aを備えるミラーブロック
27とによって構成されている。スプリッタブロック2
5のビームスプリッタ25aの反射率は、50%に設定
されている。スプリッタブロック25、ミラーブロック
27およびスルーブロック26は、いずれも同等の屈折
率を有する光透過材料によって形成されている。
【0073】ビーム分岐プリズム24に入射されたレー
ザービームは、光路A,B,C,Dに分岐される。光路
Aは、ビーム分岐プリズム24に入射されたレーザービ
ームを、2つのスプリッタブロック25を通過させる。
光路Bは、ビーム分岐プリズム24に入射されたレーザ
ービームを、2つのスプリッタブロック25で反射さ
せ、1つのスルーブロックを通過させる。光路Cは、1
つのスプリッタブロック25で反射させ、1つのスプリ
ッタブロック25を通過させ、ミラーブロック27で全
反射させてから1つのスルーブロックを通過させる。光
路Dは、1つのスルーブロックを通過させ、1つのスプ
リッタブロック25で反射させ、21つのスルーブロッ
クを通過させてからミラーブロック27で全反射させ
る。いずれの光路A,B,C,Dを通過するレーザービ
ームも、ビームスプリッタ25aを2回ずつ通過される
ため、ビーム分岐プリズム24で分岐されて、4本のレ
ーザービームとして出射される各レーザービームの光量
は、半導体レーザーアレイ20から出射された時点での
光量の25%程度とされる。
【0074】ビーム分岐プリズム24には、ビーム分岐
プリズム24中におけるレーザービームの進行方向と平
行する面に、図5に示すヒートシンク部材28が面で接
触するように接着されている。ヒートシンク部材28
は、ビーム分岐プリズム24を構成する各ブロック2
5,26,27に入射されるレーザービームのパワー応
じて、反射/透過による分岐前のレーザービームが入射
されるブロックに対応する程熱容量が大きくなるように
それぞれ熱容量を異ならせたヒートシンク片28a〜2
8gが接着されている。本実施の形態では、ヒートシン
ク片28aの熱容量を1とした場合、ヒートシンク片2
8b,28cの熱容量はヒートシンク片28aの1/
2、ヒートシンク片28d〜28gの熱容量はヒートシ
ンク片28aの1/4となるように設定されている。
【0075】本実施の形態では、図5中YZ面における
個々のヒートシンク片28a〜28gの底面積を等しく
とり、YZ面に対するX方向の寸法を異ならせることに
よって、各々の素子に対応するヒートシンク片28a〜
28gの熱容量を変えるようにしている。
【0076】ヒートシンク片28a〜28gは、隣り合
うヒートシンク片28a〜28gと一体的に形成されて
いる。これにより、各々のヒートシンク片28a〜28
gの底面部は単一の平面を構成している。
【0077】このような構成において、マルチビーム生
成装置2から出射されたレーザービームは、集光光学系
5、光変調装置6、集光光学系7、回転多面鏡ポリゴン
水平走査装置8および垂直走査ガルバノミラー10を経
由してスクリーン面11上に走査され、スクリーン面1
1上に複数のビームスポットが垂直方向に連なるスポッ
ト列を形成する。スクリーン面に形成されたスポット列
を構成する各々のスポットは、回転多面鏡ポリゴン水平
走査装置8によって一定速度で水平方向に走査されると
ともに、垂直走査ガルバノミラー10によって一定速度
で垂直方向に走査されることで、スクリーン面11上の
全ての領域を順次ビーム走査する。
【0078】回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8は、ポ
リゴンミラー8bの一の反射面8aによってスクリーン
面11の一端部側から他端部側へ一連の水平走査を行
い、一の反射面8aによる一連の走査が終了すると、ポ
リゴンミラー8bの次の反射面8aによって再び水平走
査を行う。このとき、垂直走査ガルバノミラー10が、
ポリゴンミラー8bの一の反射面8aによって走査され
るレーザービームを垂直方向に走査するため、ポリゴン
ミラー8bと垂直走査ガルバノミラー10との両方が同
時に動いている状況下では、ポリゴンミラー8bの一の
反射面8aによって走査されるレーザービームは、走査
の開始位置の方が終了位置よりも垂直方向で高い位置に
なるような斜めの軌跡を描く。
【0079】上述したように、回転多面鏡ポリゴン水平
走査装置8による水平方向の走査速度は、垂直走査ガル
バノミラー10による垂直方向の走査速度よりも十分に
速く設定されているため、ポリゴンミラー8bと垂直走
査ガルバノミラー10との両方が同時に動いている状況
下で、回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8の一の反射面
8aによって走査されるレーザービームは、ほぼ水平と
なる軌跡を描く。
【0080】ポリゴンミラー8bの次の反射面8aによ
ってスクリーン面11上に描かれるレーザービームは、
垂直走査ガルバノミラー10を経由することで、始めの
一の反射面8aによって先に描画された領域の下方端
(終端位置)の画素列よりもひとつだけ下段にある画素列
を埋めるように、垂直方向に走査される。
【0081】このように、水平および垂直走査動作を複
数回繰り返すことによって、スクリーン面上の全ての描
画領域を順次ビーム走査していく。
【0082】回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8および
垂直走査ガルバノミラー10によって、スクリーン面1
1上の全ての描画領域のビーム走査が終了すると、再び
スクリーン面11の垂直方向の最上段から走査を開始す
る。
【0083】加えて、上述のような水平および垂直走査
中に、光変調装置6によって、任意の画素位置にあるレ
ーザービームの各々に異なる変調信号をかけて光量を適
宜変調制御する。これにより、スクリーン面11上に画
像を表示させることができる。
【0084】このとき、フレーム周波数は60MHz以
上、望ましくは80MHz程度に設定されている。
【0085】ところで、従来のレーザー走査型ディスプ
レイにおいては、画像の解像度を重視した技術検討はあ
まり進んでいなかった。従来の技術では、レーザービー
ムを平行化した状態で走査させることでスクリーン上に
画像を表示させるものがあり、使用される変調素子の変
調速度もKHzオーダーの遅いものが使用されていた。
【0086】本実施の形態では、フレーム周波数を60
MHz以上、望ましくは80MHz程度に設定すること
により、視覚上、フレーム間の繋がりの不連続性が認識
されることを防止することができる。
【0087】一般的に広く知られているが、本実施の形
態のプロジェクタ1は、光源に半導体レーザーアレイ2
0を用いているため、ランプ光源を使用した場合と比較
して、色再現範囲を広く取ることができる。
【0088】また、本実施の形態のプロジェクタ1は、
光源に半導体レーザーアレイ20を用いているため、半
導体レーザーアレイ20から出射されたレーザービーム
は、レーザービームの有するコヒーレンシーにより拡散
せずに直進し、プロジェクタ1の光学系内を良好に伝搬
する。これにより、発散光を放出するランプを光源とし
て用いた場合と比較して、半導体レーザーアレイ20か
ら放射されるレーザービームを赤、緑、青の3色に色分
解し、変調をかけた各色のレーザービームを再び光学的
に合成した後にスクリーン上に画像を表示(投影)させる
場合の光利用効率を向上させることができる。
【0089】ところで、現状のレーザー技術で赤、緑、
青の波長の発振が可能であるレーザ装置で実用に供され
ているものは1本のビームしか放射しない。プロジェク
タ1は、1本のビームを放射する半導体レーザーアレイ
20を用いることにより、以下に説明するような、高精
細画像を形成させる上で従来にない優位性を備えてい
る。
【0090】例えば、Eシネマのような用途への展開を
想定した場合等、1本のビームでスクリーンサイズの大
型化に対応する場合、スクリーン上で適切なる輝度を確
保するためにはレーザービームのエネルギー(パワー)は
W級以上のエネルギーの大きなレーザービームを用いる
必要がある。このW級以上のパワーのレーザービームを
マルチビーム生成装置から出射する場合、出射されたレ
ーザービームのビーム径は数mmレベルの小さいビーム
径となる。小さいビーム径のビームを光学系に入射させ
ると、光学系が受ける負荷・ダメージは大きくなり、装
置寿命が短くなる。さらには光学素子が破損する場合も
ある。
【0091】本実施の形態では、レンズ系21の透過レ
ンズ22によって半導体レーザーアレイ20から出射さ
れるレーザービームの径を拡大しているため、ビーム分
岐プリズム24を構成する各ブロック25,26,2
7、特に、半導体レーザーアレイ20から出射されるレ
ーザービームが直接入射されるスプリッタブロック25
の単位面積にかかるレーザービームのパワー密度を下げ
ることができる。
【0092】これによって、ビーム分岐プリズム24を
構成する各ブロック25,26,27が受ける熱的なダ
メージによる劣化を抑制して、各ブロック25,26,
27ひいてはビーム分岐プリズム24の寿命を伸ばすこ
とができる。
【0093】ビーム分岐プリズム24のスプリッタブロ
ック25では、ビームスプリッタ25aに入射するレー
ザービームが非平行状態であると、ビームスプリッタ2
5aに入射するレーザービームの入射角度が入射位置に
よってばらついてしまう。ビームスプリッタ25aに入
射するレーザービームの入射角度が入射位置によってば
らついてしまうと、反射/透過によって2つに分岐され
るレーザービームの光量が等しくならない。このため、
分岐されて出射されるレーザービームの光量が通過する
光路A,B,C,Dによってばらついてしまうという不
具合が発生する。
【0094】本実施の形態では、レーザービームのビー
ム径をレンズ系21の透過レンズ22によって拡大する
とともに、レンズ系21の透過レンズ23によってコリ
メートしているため、ビームスプリッタ25aに入射す
るレーザービームの入射角度を入射位置に依らず均一と
して、反射/透過によって2つに分岐されるレーザービ
ームの強度分布の光軸対称性を等しくすることができ
る。これによって、いずれの光路A,B,C,Dを通過
するレーザービームであっても、ビーム分岐プリズム2
4で分岐されて出射されるレーザービームの光量を等し
くすることができる。
【0095】ところで、音響光学素子(AOM)を用い
た変調を行う光変調装置6では、光変調装置6に入射さ
れるレーザービームのビーム径が絞られている方が変調
特性が高くなるという性質を有している。
【0096】本実施の形態では、音響光学素子(AO
M)を用いた変調を行う光変調装置6の前段に、集光光
学系5が設けられているため、ビーム分岐プリズム24
で分岐されたレーザービームを集光した状態で光変調装
置6に入射することができる。
【0097】しかし、一方で、光変調装置6に入射させ
るレーザービームのビームの径が小さい場合、これを集
光光学系5によって絞り込むと、所定のビーム径に絞り
込むに要する光路長が長くなってしまう。
【0098】本実施の形態では、レンズ系21の透過レ
ンズ22でビーム径を広げるようにしているため、集光
光学系5の開口数NAを大きくとることができる。これ
により、レンズ系21の透過レンズ22を用いない場合
と比較して、光変調装置6に入射されるレーザービーム
のビーム径を短い焦点距離で同等のスポット径に絞り込
むことができるので、光路長の短縮化を図るとともに、
良好な変調特性をえることができる。
【0099】レーザービームがビーム分岐プリズム24
を通過する際には、レーザービームが有するエネルギー
によってビーム分岐プリズム24を構成する各ブロック
25,26,27の温度上昇が生じる。各ブロック2
5,26,27が温度上昇することにより、各ブロック
25,26,27の熱的膨張が誘発される。
【0100】本実施の形態のビーム分岐プリズム24で
は、レンズ系21の透過レンズ23を通過したレーザー
ビームが直接入射されるスプリッタブロック25に加え
られるエネルギーが、ビーム分岐プリズム24を構成す
る他のブロック25,26,27よりも大きい。また、
スプリッタブロック25のビームスプリッタ25aでの
反射/透過による分岐前あるいは分岐の回数が少ないレ
ーザービームが通過するブロック25,26,27の方
が、他のブロック25,26,27と比較して加えられ
るエネルギーが大きい。
【0101】このように、ビーム分岐プリズム24にお
ける各光路A,B,C,Dの上流側と下流側とで、各ブ
ロック25,26,27にかかるエネルギーが大きく異
なると、隣接する各ブロック25,26,27間で加え
られるエネルギーに差が生じて、隣接する各ブロック2
5,26,27間での熱的膨張率に差が生じる。隣接す
る各ブロック25,26,27間で熱的膨張率に差が生
じると、各ブロック25,26,27を接合する接合面
にテンションが発生して接合面が歪んでしまう。接合面
が歪んでしまうと、各ブロック25,26,27を通過
するレーザービームの波面特性が劣化して、レーザービ
ームの集光特性が劣化するという不都合が生じる。
【0102】本実施の形態では、ビーム分岐プリズム2
4のレーザービームが通過しない面にヒートシンク部材
28が設けられているため、レーザービームが通過する
ことによってビーム分岐プリズム24にエネルギーが加
えられて、ビーム分岐プリズム24が温度上昇した場合
にも、ヒートシンク部材28によってビーム分岐プリズ
ム24から熱を奪うことができる。これによって、ビー
ム分岐プリズム24の熱膨張を抑制して、接合面の歪み
を抑制することができる。
【0103】加えて、本実施の形態では、ビーム分岐プ
リズム24を構成する各ブロック25,26,27を通
過するレーザービームのエネルギーに応じて、それぞれ
熱容量の異なるヒートシンク片28a〜28gが設けら
れているため、レーザービームが通過することによって
各ブロック25,26,27にそれぞれ異なるエネルギ
ーが加えられて、各ブロック25,26,27がそれぞ
れ温度上昇した場合にも、各ブロック25,26,27
毎に適切な熱量を奪い、各ブロック25,26,27の
熱膨張を各ブロック25,26,27毎の熱量に応じて
抑制することができる。
【0104】これによって、熱容量が同一のヒートシン
ク片28a〜28gを接合した場合と比較して、各ブロ
ック25,26,27の時間的な熱膨張率を均等化し
て、接合面の歪みをより効果的に抑制することができ
る。このとき、ヒートシンク片28a〜28gは、ビー
ム分岐プリズム24に対向する面が単一の平面を形成す
るようにして、ビーム分岐プリズム24から離反する方
向への寸法を調整することで体積調整がなされているた
め、各ブロック25,26,27に対応した熱容量を有
するヒートシンク片28a〜28gを一度にビーム分岐
プリズム24に取り付けることができる。なお、ヒート
シンク片28a〜28gの形状は、本実施の形態の形状
に限定されるものではなく、例えば、多角柱型、ピラミ
ッド型等であってもよい。
【0105】ところで、隣接するブロック25,26,
27の各々に対して、各々別々に構成されたヒートシン
ク片28a〜28gを接合することは煩雑な作業であ
る。
【0106】本実施の形態では、各ヒートシンク片28
a〜28gの形状を四角柱状とし、隣り合うヒートシン
ク片28a〜28gを一体的に接合して形成したヒート
シンク部材28をビーム分岐プリズム24に取り付ける
ようにしているため、ビーム分岐プリズム24へのヒー
トシンク部材28の取付作業が一度で済む。
【0107】これによって、マルチビーム生成装置2の
光学部材に対する取付工程の容易化を図ることができ
る。
【0108】なお、本実施の形態では、負のパワーをも
つ透過レンズ22と、透過レンズ22の後段に配置され
た正のパワーをもつ透過レンズ23とによって構成され
ているレンズ系21をビーム整形手段として用いたが、
これに限るものではなく、例えば、図6に示すように、
湾曲された反射面30a,30bを対向配置させた一対
の反射部材30によって、半導体レーザーアレイ20か
ら出射されたレーザービームを拡大するとともに平行化
するようにしてもよい。
【0109】また、本実施の形態では、半導体レーザー
アレイ20から出射された各レーザービームを拡大およ
び平行化するビーム整形手段を設けるようにしたが、こ
れに限るものではなく、半導体レーザーアレイ20から
放射された各レーザービームをコリメートするビーム整
形手段を設けるようにしてもよい。
【0110】半導体レーザーアレイ20から放射された
レーザービームをコリメートして、ビーム分岐プリズム
24に出射することにより、反射/透過により分岐され
たレーザービームの強度分布を光軸に対して対称とする
ことができる。
【0111】これによって、単一のスプリッタにより、
生成された2つのレーザービームを集光した際に、各々
の集光スポット特性を均一化することができ、スクリー
ン面11上での表示画像のムラの発生を防止することが
できる。
【0112】加えて、本実施の形態では、スクリーン面
11上に単色の画像を形成するプロジェクタ1について
説明したが、これに限るものではなく、例えば、マルチ
ビーム生成装置2の後段に、マルチビーム生成装置2か
ら出射されたマルチビームをRGBの各色の波長に変調
する波長変換素子を設けることで、スクリーン上に任意
の色調の画像を形成するカラー投影装置に適用してもよ
い。
【0113】次に、本発明の第2の実施の形態について
図7を参照して説明する。本実施の形態は、投影装置へ
の適用例を示す。なお、第1の実施の形態と同一部分は
同一符号で示し、説明も省略する。以下、同様とする。
【0114】図7は、本発明の第2の実施の形態のマル
チビーム生成装置2から出射された各レーザービームの
光路の一部を示す説明図である。光変調装置6によって
変調された各レーザービームは、第2の集光光学系とし
ての集光光学系15に向けて出射される。
【0115】集光光学系15は、凸レンズ16と凹レン
ズ17とを有しており、入射された各レーザービームの
径を縮小するとともに、レーザービーム間の距離を縮小
する縮小光学系である。集光光学系15の焦点距離は、
集光光学系5の焦点距離より短く設定されている。
【0116】このような構成において、マルチビーム生
成装置2から出射されたレーザービームは、集光光学系
5、光変調装置6を通過して、集光光学系15に入射さ
れる。本実施の形態では、集光光学系15の焦点距離が
集光光学系5の焦点距離より短く設定されているため、
集光光学系15を通過したレーザービームは、ビーム径
が再び絞り込まれてポリゴンミラー8bに入射される。
【0117】これにより、ポリゴンミラー8bの各反射
面8aに入射するレーザービームのスポットが占める垂
直方向の寸法を極力小さくすることができ、ポリゴンミ
ラー8bの反射面8aの面倒れによる影響を抑制するこ
とができる。
【0118】ところで、集光光学系5を用いない場合に
は、集光光学系5を用いた場合と比較して、集光光学系
15が集光するレーザービームのビーム径は大きくな
る。径の大きいレーザービームを集光するためには、集
光光学系15の開口数NAが大きくなる。集光光学系1
5の開口数NAが大きい場合には、小さい場合と比較し
て集光スポット径が小さくなるため、集光光学系15を
介してポリゴンミラー8bの反射面8aに導かれるレー
ザービームのエネルギーが高くなる。このため、ポリゴ
ンミラー8bの反射面8a与えるダメージが大きくなっ
て、反射面8aの劣化を早める原因となる。
【0119】また、集光スポット径が小さくなると、ポ
リゴンミラー8bの反射面8aの面精度の微少な変動に
よっても、レーザービームの反射方向が大きくばらつい
てしまう。
【0120】この対策として、集光光学系5を用いない
状態で上述のような不都合を回避するためには、図示し
ない長焦点レンズを用いることで集光パワーを弱めるこ
とが考えられるが、長焦点レンズを用いることにより光
路長が長くなるので、プロジェクタ1が大型化してしま
う。
【0121】本実施の形態では、集光光学系5で集光し
たレーザービームを光変調装置6で変調し、光変調装置
6から出射されたレーザービームを集光光学系15によ
って集光してポリゴンミラー8bの反射面8aで反射す
るようにしているため、レーザービームを単一の集光光
学系によって集光した場合と比較して、ポリゴンミラー
8bの反射面8aを劣化させることなく、マルチビーム
生成装置からポリゴンミラーまでの光路長を短くするこ
とができる。
【0122】これによって、ポリゴンミラー8bおよび
プロジェクタ1の長寿命化および小型化を図ることがで
きる。
【0123】また、集光光学系15は縮小光学系である
ため、集光光学系15を通過することにより、レーザー
ビーム間の距離もあわせて縮小される。これにより、プ
ロジェクタ1の小型化を図ることができる。
【0124】次に、本発明の第3の実施の形態について
図8ないし図10を参照して説明する。
【0125】図8は、本発明の第3の実施の形態のプロ
ジェクタの一部を概略的に示す平面図である。本実施の
形態のプロジェクタは、第1の実施の形態と同様に、マ
ルチビーム生成装置2、集光光学系5、光変調装置6、
集光光学系7を備えている。集光光学系7よりも後段に
は、図9に示すように、垂直方向に沿って複数個配列さ
れたアパーチャ50を有するアパーチャ手段としてのア
パーチャ部材51が設けられている。アパーチャ部材5
1のアパーチャ50は、水平方向(図9(a)中X方向)の
長さが垂直方向(図9(b)中Y方向)の長さよりも長くな
るように形成されている。
【0126】ポリゴンミラーよりも後段には、ポリゴン
ミラー8bの反射面8aで反射されたレーザービームを
縦長のビームに拡大整形してスクリーン面11に結像さ
せる副ビーム整形手段としての集光光学系52が設けら
れている。
【0127】このような構成において、マルチビーム生
成装置2から出射されたレーザービームは、集光光学系
5で集光されて入射された光変調装置6で変調され、集
光光学系7によって集光されながらアパーチャ部材51
のアパーチャ50を通過する。アパーチャ部材51のア
パーチャ50を通過することにより、レーザービーム
を、水平方向の長さの方が垂直方向の長さよりも長い横
長形状の集光スポットが垂直方向に並んだスポット列と
して、回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8のポリゴンミ
ラー8bの反射面8aに集光する。
【0128】これによって、ポリゴンミラー8bの反射
面8aに入射されたレーザービームは、図10に示すよ
うに、水平方向の長さの方が垂直方向の長さよりも長い
横長形状のスポットが垂直方向に複数配列されたスポッ
ト列53を形成する。これによって、スポット列53が
占める垂直方向の寸法を極力小さくすることができるの
で、ポリゴンミラー8bの反射面8aの面倒れによる影
響を抑制することができる。
【0129】また、水平方向のビーム径の寸法を垂直方
向の寸法よりも相対的に大きくすることにより、集光レ
ンズが入射ビームに対して機能する実効的なNA値が大
きくなる。これによって、ポリゴンミラー8bの反射面
8aに形成されるスポットサイズを小さくすることがで
き、反射面8aに入射するレーザービームのスポットが
占める垂直方向の寸法を極力小さくして、ポリゴンミラ
ー8bの反射面8aの面倒れによる影響を抑制すること
ができる。
【0130】回転多面鏡ポリゴン水平走査装置8の反射
面から反射されたレーザービームは、集光光学系52に
入射される。各レーザービームは、集光光学系52を通
過する際に、縦長のビームに拡大整形されながらスクリ
ーン面11上に集光される。これにより、スクリーン面
11上には、水平方向よりも垂直方向が長い形状のスポ
ットが垂直方向に並んだスポット列54が形成される。
【0131】スクリーン面11上に形成されるスポット
列54を形成する各スポットの形状は、水平方向のビー
ム径の寸法が垂直方向よりも相対的に大きい縦長形状で
あるため、走査方向に隣接する画素間の重なりを防止す
ることができる。
【0132】これによって、スクリーン面11上に表示
される画像のにじみを防止して、スクリーン面11上に
形成される画像の解像度およびコントラストの劣化を防
止することができる。
【0133】ところで、回転多面鏡ポリゴン水平走査装
置8による水平方向の走査速度が、垂直走査ガルバノミ
ラー10による垂直方向の走査速度よりも十分に速く設
定されている場合には、スクリーン面11上に形成され
るスポット列は、特に水平走査方向において、隣接する
画素間での重なりが生じやすい。
【0134】本実施の形態では、スクリーン面11上に
形成されるスポットの形状が、水平方向すなわち高速方
向のビーム径の寸法が垂直方向すなわち低速方向のビー
ム径の寸法よりも相対的に大きい縦長形状とされている
ため、水平方向に隣接する画素間の重なりをより効果的
に防止することができる。
【0135】これによって、スクリーン面11上に表示
される画像のにじみを確実に防止して、スクリーン面1
1上に形成される画像の解像度およびコントラストの劣
化をより効果的に防止することができる。
【0136】また、複数個のアパーチャ50が形成され
たアパーチャ部材51によってレーザービームの形状を
整形することにより、アパーチャ部材51を所定の位置
に取り付けるだけで全てのアパーチャ50の位置決め調
整を一度に行うことができる。
【0137】これによって、アパーチャ50の位置決め
調整作業の容易化を図ることができる。
【0138】次に、本発明の第4の実施の形態について
図11を参照して説明する。
【0139】図11は、本発明の第4の実施の形態のマ
ルチビーム生成装置2’の一部を示す説明図である。半
導体レーザーアレイ20より後方には、ビーム整形手段
としてのビーム整形光学系70が設けられている。ビー
ム整形光学系70は、凹レンズ71、2つのシリンダレ
ンズ72,73とにより構成されている。凹レンズ71
は、半導体レーザーアレイ20から出射されたレーザー
ビームの径を拡大させる。シリンダレンズ72は、入射
されたレーザービームの水平方向成分をコリメートす
る。シリンダレンズ73は、入射されたレーザービーム
の垂直方向成分をコリメートする。半導体レーザーアレ
イ20から出射されたレーザービームは、凹レンズ7
1、2つのシリンダレンズ72,73を通過する間に、
水平方向の寸法が垂直方向の寸法より長い横長のビーム
形状に整形される。横長のビーム形状に整形されたレー
ザービームは、ビーム分岐プリズム24に入射される。
【0140】このような構成において、半導体レーザー
アレイ20から出射されたレーザービームは、ビーム整
形光学系70を通過する際に、凹レンズ71によってレ
ーザービームのビーム径が拡大され、シリンダレンズ7
2,73によってコリメートされながら水平方向の寸法
が垂直方向の寸法より長い横長のビーム形状に整形され
る。レーザービームは、横長のビーム形状に整形された
ままポリゴンミラー8bの反射面8aに入射される。
【0141】これによって、ポリゴンミラー8bの反射
面8aに入射するレーザービームのスポットが占める垂
直方向の寸法を極力小さくすることができ、ポリゴンミ
ラー8bの反射面8aの面倒れによる影響を抑制するこ
とができる。
【0142】ポリゴンミラー8bの反射面8aから反射
されたレーザービームを集光光学系52によって縦長の
ビーム形状に拡大整形することで、スクリーン面11上
には水平方向の寸法が垂直方向の寸法より短い縦長のビ
ーム形状のスポットが垂直方向に複数配列されたスポッ
ト列54が形成される。
【0143】これによって、走査方向(水平方向)に隣接
するスポット間の重なりを防止して、スクリーン面11
上に表示される画像のにじみを防止して、スクリーン面
11上に表示される画像の解像度およびコントラストの
劣化を防止することができる。
【0144】ここで、例えば、アパーチャ50によっ
て、水平方向の寸法が垂直方向の寸法より長い横長のビ
ーム形状に整形する場合、半導体レーザーアレイ20か
ら出射されたレーザービームの一部はアパーチャ部材5
1に遮られる(けられる)ため、半導体レーザーアレイ2
0から出射されたレーザービームの利用効率が低下する
ことが懸念される。
【0145】本実施の形態では、ビーム整形光学系70
を用いて、水平方向の寸法が垂直方向の寸法より長い横
長のビーム形状に整形することにより、半導体レーザー
アレイ20から出射されたレーザービームをほぼ完全に
利用することができる。
【0146】これによって、アパーチャ50を用いてレ
ーザービームを整形する場合と比較して、半導体レーザ
ーアレイ20から出射されたレーザービームをより効率
的に利用することができる。
【0147】本実施の形態では、ビーム分岐プリズム2
4の前段においてレーザービームの形状を横長の楕円形
状に整形変換するため、その後段に配置されたビーム分
岐プリズム24により分岐して得られる複数本のレーザ
ービームを、全て同様の楕円形状とすることができる。
【0148】これによって、ビーム分岐プリズム24で
分岐された後、集光光学系5、光変調装置6、集光光学
系7または15および回転多面鏡ポリゴン水平走査装置
8を介して、集光光学系52によってスクリーン上に集
光される各レーザービームのスポットの形状を、縦長の
形状にすることができる。
【0149】次に、本発明の第5の実施の形態について
図12を参照して説明する。
【0150】図12は、本発明の第5の実施の形態のビ
ーム分岐プリズムを示す説明図である。本実施の形態の
ビーム分岐手段としてのビーム分岐プリズム80は、ス
プリッタブロック25とスルーブロック26とミラーブ
ロック27とによって構成されており、半導体レーザー
アレイ20から出射されたレーザービームを4本に分岐
する4本の光路A,B,C,Dを有している。スプリッ
タブロック25のビームスプリッタ25aの反射率は、
50%に設定されている。
【0151】4本の光路A,B,C,Dの光路長は、下
記に示す(1)式で表わされるように全て等しい。
【0152】光路長:L=N*l ・・・(1) ただし、N:媒質の屈折率、 l:媒質自身の長さ
【0153】一般に、スルーブロック26がなく図12
中スルーブロック26が配設されている部分が空気であ
る場合、空気領域の媒質の屈折率は1となる。このた
め、スルーブロック26を用いずに図12に示すような
4本の光路A,B,C,Dを設計した場合には、光学材
媒質内を透過するビームとの間に光路長差が発生する。
【0154】本実施の形態では、4本の光路A,B,
C,D中の適所に、スルーブロックを配置することによ
って、(1)式で示す光路長Lが全ての光路A,B,C,
Dで一致するように構成されている。
【0155】このような構成において、半導体レーザー
アレイ20から出射されてビーム分岐プリズム80に入
射されたレーザービームは、同一の長さの光路A,B,
C,Dを通過して出射位置から4本のレーザービームに
分岐されて出射される。
【0156】ところで、レーザービームはガウシアン伝
搬特性を有するため、ビーム分岐プリズム80に入射さ
れたレーザービームが通過する光路に光路長差がある
と、最終的にスクリーン面11上に集光される分岐後の
レーザービームのスポットが不均一になるという不具合
が発生する。
【0157】本実施の形態では、ビーム分岐プリズム8
0の全ての光路A,B,C,Dの光路長Lが等しくなる
ように構成されているため、4本に分岐されてビーム分
岐プリズム80から出射される各レーザービームの光量
を均一化して、スクリーン面11上に集光されるビーム
スポットの大きさを均一化することができる。
【0158】これによって、スクリーン面11上に集光
されるレーザービームスポットの大きさを均一化するこ
とで、スクリーン面11上に表示される画像のムラの発
生を防止して、画質の向上を図ることができる。
【0159】また、レーザービームを分岐するビーム分
岐プリズム80で光路長差が発生しないようにすること
で、レーザービームの光路長差による影響がビーム分岐
プリズム80より後段で、拡大されることを抑制するこ
とができる。
【0160】これによって、スクリーン面11上に集光
されるビームスポットの大きさを、より効果的に均一化
することができ、スクリーン面11上に表示される画像
のムラの発生を防止して、画質の向上を図ることができ
る。
【0161】
【発明の効果】請求項1記載の発明のマルチビーム生成
装置によれば、光ビームを出射する光ビーム出射手段
と、前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを複数の
光ビームに分岐するビーム分岐手段と、を備えるマルチ
ビーム生成装置において、前記光ビーム出射手段が出射
した光ビームを平行化して前記ビーム分岐手段へ入射さ
せるビーム整形手段を具備して、光ビーム出射手段から
出射した光ビームをビーム整形手段によって平行化して
ビーム分岐手段へ入射させることにより、ビーム分岐手
段に入射する光ビームの入射角度を均一化することがで
きるので、入射された光ビームを反射/透過によって分
岐するビームスプリッタをビーム分岐手段として用いた
場合に、放射角を伴って光ビーム出射手段から出射され
た光ビームの反射/透過の強度分布を光軸対称として、
分岐後の複数の光ビームの集光スポット特性を均一化す
ることができる。これによって、本発明のマルチビーム
生成装置を、例えば、請求項9記載の光走査型画像表示
装置に適用した場合に、スクリーン面に表示される画像
ムラを防止して、画質向上を図ることができる。
【0162】請求項2記載の発明のマルチビーム生成装
置によれば、光ビームを出射する光ビーム出射手段と、
前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを複数の光ビ
ームに分岐するビーム分岐手段と、を備えるマルチビー
ム生成装置において、前記光ビーム出射手段が出射した
光ビームを平行化するとともに光ビームのビーム径を拡
大して前記ビーム分岐手段へ入射させるビーム整形手段
を具備して、光ビーム出射手段から出射した光ビームを
ビーム整形手段によって平行化するとともにビーム径を
拡大してビーム分岐手段へ入射させることにより、ビー
ム分岐手段に入射する光ビームの入射角度を均一化する
とともに、ビーム分岐手段を通過する光ビームの単位面
積当たりのパワーを低減することができるので、入射さ
れた光ビームを反射/透過によって分岐するビームスプ
リッタをビーム分岐手段として用いた場合に、放射角を
伴って光ビーム出射手段から出射された光ビームの反射
/透過の強度分布を光軸対称として、分岐後の光ビーム
の集光スポット特性を均一化し、強いパワーの光ビーム
が通過することによるスプリット面の反射特性および通
過特性の劣化を防止することに加えて、マルチビーム生
成装置の小型化を図ることができる。これによって、本
発明のマルチビーム生成装置を、例えば、請求項9記載
の光走査型画像表示装置に適用した場合に、スクリーン
面に表示される画像ムラを防止して画質向上を図るとと
もに、光走査型画像表示装置の小型化を図ることができ
る。
【0163】請求項3記載の発明のマルチビーム生成装
置によれば、光ビームを出射する光ビーム出射手段と、
前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを複数の光ビ
ームに分岐するビーム分岐手段と、を備えるマルチビー
ム生成装置において、前記ビーム分岐手段が分岐した光
ビームを偏向走査する走査手段へ出射する光ビームを前
記走査手段による走査方向の径が走査方向に直交する方
向の径よりも長くなるように整形するビーム整形手段を
具備して、光ビーム出射手段から出射してビーム分岐手
段によって分岐した光ビームを、偏向走査される際の走
査方向の径が走査方向に直交する方向の径よりも長くな
るようにビーム整形手段によって整形することにより、
走査手段より後段に集光レンズを設けた場合に、集光レ
ンズの実効的なNA値が大きくなるので、集光レンズに
よってスクリーン面等に集光される光ビームのスポット
の走査方向の径を走査方向に直交する方向の径よりも短
くすることができる。これによって、走査方向に隣接す
る画素間の重なりによる像のにじみを防止して、スクリ
ーン上に形成される画像の解像度およびコントラストの
劣化を防止することができる。
【0164】請求項4記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載のマルチビーム生成装置において、前記ビー
ム分岐手段が分岐した光ビームを偏向走査する走査手段
へ出射する光ビームを前記走査手段による走査方向の径
が走査方向に直交する方向の径よりも長くなるように整
形するビーム整形手段を具備して、ビーム分岐手段によ
って分岐した光ビームを、偏向走査される際の走査方向
の径が走査方向に直交する方向の径よりも長くなるよう
にビーム整形手段によって整形することにより、走査手
段より後段に集光レンズを設けた場合に、集光レンズの
実効的なNA値が大きくなるので、請求項1または2記
載の発明の効果に加えて、集光レンズによってスクリー
ン面等に集光される光ビームのスポットの走査方向の径
を走査方向に直交する方向の径よりも短くすることがで
きる。これによって、走査方向に隣接する画素間の重な
りによる像のにじみを防止して、スクリーン上に形成さ
れる画像の解像度およびコントラストの劣化を防止する
ことができる。
【0165】請求項5記載の発明によれば、請求項1、
2、3または4記載のマルチビーム生成装置において、
前記ビーム分岐手段は、前記光ビーム出射手段が出射し
た光ビームが入射される入射位置から分岐後の光ビーム
が出射される各出射位置までの光路長が同一となるよう
に構成されており、光ビーム出射手段から出射されてビ
ーム分岐手段に入射された光ビームは、入射位置から同
一の長さの光路を通過して出射位置から複数に分岐され
て出射される。これによって、複数に分岐されてビーム
分岐手段から出射される光ビームの光量を各出射位置で
均一化することができる。これによって、本発明のマル
チビーム生成装置を、例えば、請求項10記載の光走査
型画像表示装置に適用した場合に、スクリーン上に形成
される表示画像のムラの発生を防止して画質向上を図る
とともに、光走査型画像表示装置の小型化を図ることが
できる。
【0166】請求項6記載の発明によれば、請求項1、
2、3、4または5記載のマルチビーム生成装置におい
て、前記ビーム分岐手段は、光ビームを分岐させるビー
ムスプリッタを備えるスプリッタブロックと、光ビーム
を通過させるスルーブロックと、光ビームを全反射させ
るミラーを備えるミラーブロックとによって構成されて
いるビーム分岐プリズムであり、前記ビーム分岐プリズ
ムの光ビームが通過する位置とは異なる位置に接触配置
され各前記ブロックに入射される光ビームのエネルギー
に応じた熱容量を有するヒートシンク片を前記ブロック
毎に設けて、入射された光ビームによるビーム分岐プリ
ズムの発熱を、各ブロックに入射される光ビームのエネ
ルギーに応じてヒートシンク片によって吸熱することに
より、各ブロック毎の熱膨張率を均一化して、各ブロッ
ク間の接合面にテンションがかかることを防止すること
ができるので、接合面にテンションがかかることによる
接合面の歪みや剥離等を防止することができる。これに
より、本発明のマルチビーム生成装置を、例えば、請求
項10記載の発明の光走査型画像表示装置に用いた場合
に、スクリーン上に形成される表示画像のムラの発生を
防止するとともに画質向上を図ることができる。
【0167】請求項7記載の発明によれば、請求項6記
載のマルチビーム生成装置において、前記ヒートシンク
片は、前記ビーム分岐プリズムにおける前記光ビーム出
射手段が出射した光ビームが入射される入射位置に近い
前記ブロックに接触配置される前記ヒートシンク片の方
が前記入射位置から遠い前記ブロックに対応する前記ヒ
ートシンク片よりも熱容量が大きくなるように設定され
ており、入射された光ビームによるビーム分岐プリズム
の発熱量を、ヒートシンク片によって、光ビーム出射手
段から出射された光ビームが入射される入射位置に近い
ブロックからの吸熱量の方がこの入射位置から遠いブロ
ックからの吸熱量よりも多くなるように吸熱することに
より、実用上、より効果的に請求項6記載の発明の効果
を得ることができる。
【0168】請求項8記載の発明によれば、請求項6ま
たは7記載のマルチビーム生成装置において、前記ビー
ム分岐プリズムにおける前記スプリッタブロックと前記
ミラーブロックとに入射する光ビームの光量が同一であ
る場合に、前記ヒートシンク片は、前記スプリッタブロ
ックよりも前記ミラーブロックに対応するヒートシンク
片の熱容量の方が大きくなるように設定されており、ス
プリッタブロックとミラーブロックとに入射する光ビー
ムの光量が同一である場合、入射された光ビームを全反
射させるためにより発熱量が大きくなるミラーブロック
の方から多く吸熱することにより、実用上、より効果的
に請求項6または7記載の発明の効果を得ることができ
る。
【0169】請求項9記載の発明によれば、請求項3、
4、5または6記載のマルチビーム生成装置において、
隣接する各前記ヒートシンク片を連続的に形成したヒー
トシンク部材を具備して、単一のヒートシンク部材を取
り付ける作業だけで、ビーム分岐プリズムに対して複数
のヒートシンク片を取り付けることができる。これによ
って、ビーム分岐プリズムに対して複数のヒートシンク
片を個々に取り付ける場合と比較して、煩雑な作業をな
くして作業の容易化を図ることができる。
【0170】請求項10記載の発明の光走査型画像表示
装置によれば、請求項1ないし9いずれか一に記載のマ
ルチビーム生成装置と、前記マルチビーム生成装置から
出射された複数の光ビームを変調する変調手段と、前記
変調手段が変調した光ビームを所定の走査方向に走査さ
せる走査手段とを備える光走査型画像表示装置におい
て、前記変調手段は、前記マルチビーム生成装置から出
射した光ビームの径よりも径が小さくなるように光ビー
ムを変調して、走査手段によって走査することにより、
走査手段に入射される光ビームが走査手段で占める面積
を小さくすることができるので、例えば、走査手段とし
てポリゴンミラーを用いた場合に、ポリゴンミラーの小
型化を図ることができる。これによって、光走査型画像
表示装置の小型化を図ることができる。
【0171】請求項11記載の発明によれば、請求項1
0記載の光走査型画像表示装置において、前記マルチビ
ーム生成装置から出射された複数の光ビームを集光して
前記変調手段に入射させる第1の集光光学系と、前記変
調手段から出射される光ビームを集光して前記走査手段
に向けて出射する第2の集光光学系と、を具備し、前記
第2の集光光学系の焦点距離は前記第1の集光光学系の
焦点距離よりも短く設定されており、第1の集光光学系
によって集光された光ビームを変調手段に入射し、変調
手段による変調後の光ビームを第2の集光光学系によっ
て集光して走査手段に入射することにより、走査手段に
入射される光ビームが走査手段で占める面積を小さくす
るとともに、光ビームを単一の集光光学系によって集光
した場合と比較して、マルチビーム生成装置から走査手
段までの光路長を短くすることができるので、光走査型
画像表示装置の小型化およびポリゴンミラーの長寿命化
を図ることができる。
【0172】請求項12記載の発明によれば、請求項1
0または11記載の光走査型画像表示装置において、前
記変調手段と前記走査手段との間に、前記走査手段によ
る光ビームの走査方向の径がこの走査方向に直交する方
向の径よりも長いアパーチャを有するアパーチャ手段を
具備し、前記変調手段から出射された光ビームを前記ア
パーチャ手段の前記アパーチャを通過させて前記走査手
段に導いて、変調手段によって変調した光ビームをアパ
ーチャ手段のアパーチャを通過させて走査手段による走
査方向の径が走査方向に直交する方向の径よりも長くな
るように整形することにより、走査手段よりも後段に集
光レンズを設けた場合に、集光レンズの実効的なNA値
が大きくなるので、集光レンズによってスクリーン面等
に集光される光ビームのスポットの走査方向の径を走査
方向に直交する方向の径よりも短くすることができるの
で、走査方向に隣接する画素間の重なりによる像のにじ
みを防止して、スクリーン上に形成される画像の解像度
およびコントラストの劣化を防止することができる。
【0173】請求項13記載の発明によれば、請求項1
0、11または12記載の光走査型画像表示装置におい
て、前記走査手段により走査される光ビームを前記走査
手段による走査方向の径が走査方向に直交する方向の径
よりも短くなるように整形する副ビーム整形手段を具備
して、走査手段により走査される光ビームを、副ビーム
整形手段によって、走査手段による走査方向の径が走査
方向に直交する方向の径よりも短くなるように整形する
ことにより、スクリーン面等に集光される光ビームのス
ポットの走査方向の径を走査方向に直交する方向の径よ
りも短くすることができる。これによって、走査方向に
隣接する画素間の重なりによる像のにじみを防止して、
スクリーン上に形成される画像の解像度およびコントラ
ストの劣化を防止することができる。
【0174】請求項14記載の発明によれば、請求項1
3記載の光走査型画像表示装置において、前記走査手段
により走査される光ビームを前記走査手段による走査方
向に直交する方向に前記走査手段による走査速度よりも
低速で走査させる副走査手段を具備し、前記副ビーム整
形手段は、前記副走査手段により走査される光ビームを
整形するため、副走査手段により走査される光ビームを
副ビーム整形手段によって走査手段による走査方向の径
が走査方向に直交する方向の径よりも短くなるように整
形して、スクリーン面等に集光される光ビームのスポッ
トの高速方向の径を低速方向の径よりも短くすることが
できる。これによって、高速で走査されることにより発
生しやすい高速方向に沿った画素間の重なりを防止し
て、スクリーン上に形成される画像の解像度およびコン
トラストの劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のプロジェクタを概
略的に示すブロック図である。
【図2】マルチビーム生成装置から出射された複数のレ
ーザービームの光路の一部を示す説明図である。
【図3】マルチビーム生成装置を概略的に示すブロック
図である。
【図4】ビーム分岐プリズムを示す説明図である。
【図5】ビーム分岐プリズムおよびヒートシンク部材を
示す分解斜視図である。
【図6】別の実施の形態のマルチビーム生成装置を概略
的に示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のマルチビーム生成
装置から出射された各レーザービームの光路の一部を示
す説明図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態のプロジェクタを概
略的に示す平面図である。
【図9】アパーチャ形状を説明するアパーチャ部材の断
面図である。
【図10】レーザービームの光路の一部を示す説明図で
ある。
【図11】本発明の第4の実施の形態のマルチビーム生
成装置の一部を示す説明図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態のビーム分岐プリ
ズムを示す説明図である。
【符号の説明】
1 光走査型画像表示装置 2 マルチビーム生成装置 5 第1の集光光学系 7 第2の集光光学系 8 走査手段 21 ビーム整形手段 24 ビーム分岐手段 25 スプリッタブロック 25a ビームスプリッタ 26 スルーブロック 27 ミラーブロック 27a ミラー 30 ビーム整形手段 50 アパーチャ 51 アパーチャ手段 52 副ビーム整形手段 70 ビーム整形手段 80 ビーム分岐手段

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを出射する光ビーム出射手段
    と、前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを複数の
    光ビームに分岐するビーム分岐手段と、を備えるマルチ
    ビーム生成装置において、 前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを平行化して
    前記ビーム分岐手段へ入射させるビーム整形手段を具備
    することを特徴とするマルチビーム生成装置。
  2. 【請求項2】 光ビームを出射する光ビーム出射手段
    と、前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを複数の
    光ビームに分岐するビーム分岐手段と、を備えるマルチ
    ビーム生成装置において、 前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを平行化する
    とともに光ビームのビーム径を拡大して前記ビーム分岐
    手段へ入射させるビーム整形手段を具備することを特徴
    とするマルチビーム生成装置。
  3. 【請求項3】 光ビームを出射する光ビーム出射手段
    と、前記光ビーム出射手段が出射した光ビームを複数の
    光ビームに分岐するビーム分岐手段と、を備えるマルチ
    ビーム生成装置において、 前記ビーム分岐手段が分岐した光ビームを偏向走査する
    走査手段へ出射する光ビームを前記走査手段による走査
    方向の径が走査方向に直交する方向の径よりも長くなる
    ように整形するビーム整形手段を具備することを特徴と
    するマルチビーム生成装置。
  4. 【請求項4】 前記ビーム分岐手段が分岐した光ビーム
    を偏向走査する走査手段へ出射する光ビームを前記走査
    手段による走査方向の径が走査方向に直交する方向の径
    よりも長くなるように整形するビーム整形手段を具備す
    ることを特徴とする請求項1または2記載のマルチビー
    ム生成装置。
  5. 【請求項5】 前記ビーム分岐手段は、前記光ビーム出
    射手段が出射した光ビームが入射される入射位置から分
    岐後の光ビームが出射される各出射位置までの光路長が
    同一となるように構成されていることを特徴とする請求
    項1、2、3または4記載のマルチビーム生成装置。
  6. 【請求項6】 前記ビーム分岐手段は、光ビームを分岐
    させるビームスプリッタを備えるスプリッタブロック
    と、光ビームを通過させるスルーブロックと、光ビーム
    を全反射させるミラーを備えるミラーブロックとによっ
    て構成されているビーム分岐プリズムであり、 前記ビーム分岐プリズムの光ビームが通過する位置とは
    異なる位置に接触配置され各前記ブロックに入射される
    光ビームのエネルギーに応じた熱容量を有するヒートシ
    ンク片を前記ブロック毎に設けたことを特徴とする請求
    項1、2、3、4または5記載のマルチビーム生成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ヒートシンク片は、前記ビーム分岐
    プリズムにおける前記光ビーム出射手段が出射した光ビ
    ームが入射される入射位置に近い前記ブロックに接触配
    置される前記ヒートシンク片の方が前記入射位置から遠
    い前記ブロックに対応する前記ヒートシンク片よりも熱
    容量が大きくなるように設定されていることを特徴とす
    る請求項6記載のマルチビーム生成装置。
  8. 【請求項8】 前記ビーム分岐プリズムにおける前記ス
    プリッタブロックと前記ミラーブロックとに入射する光
    ビームの光量が同一である場合に、 前記ヒートシンク片は、前記スプリッタブロックよりも
    前記ミラーブロックに対応するヒートシンク片の熱容量
    の方が大きくなるように設定されていることを特徴とす
    る請求項6または7記載のマルチビーム生成装置。
  9. 【請求項9】 隣接する各前記ヒートシンク片を連続的
    に形成したヒートシンク部材を具備することを特徴とす
    る請求項3、4、5または6記載のマルチビーム生成装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9いずれか一に記載の
    マルチビーム生成装置と、前記マルチビーム生成装置か
    ら出射された複数の光ビームを変調する変調手段と、前
    記変調手段が変調した光ビームを所定の走査方向に走査
    させる走査手段とを備える光走査型画像表示装置におい
    て、 前記変調手段は、前記マルチビーム生成装置から出射し
    た光ビームの径よりも径が小さくなるように光ビームを
    変調することを特徴とする光走査型画像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記マルチビーム生成装置から出射さ
    れた複数の光ビームを集光して前記変調手段に入射させ
    る第1の集光光学系と、 前記変調手段から出射される光ビームを集光して前記走
    査手段に向けて出射する第2の集光光学系と、を具備
    し、 前記第2の集光光学系の焦点距離は前記第1の集光光学
    系の焦点距離よりも短く設定されていることを特徴とす
    る請求項10記載の光走査型画像表示装置。
  12. 【請求項12】 前記変調手段と前記走査手段との間
    に、前記走査手段による光ビームの走査方向の径がこの
    走査方向に直交する方向の径よりも長いアパーチャを有
    するアパーチャ手段を具備し、 前記変調手段から出射された光ビームを前記アパーチャ
    手段の前記アパーチャを通過させて前記走査手段に導く
    ようにしたことを特徴とする請求項10または11記載
    の光走査型画像表示装置。
  13. 【請求項13】 前記走査手段により走査される光ビー
    ムを前記走査手段による走査方向の径が走査方向に直交
    する方向の径よりも短くなるように整形する副ビーム整
    形手段を具備することを特徴とする請求項10、11ま
    たは12記載の光走査型画像表示装置。
  14. 【請求項14】 前記走査手段により走査される光ビー
    ムを前記走査手段による走査方向に直交する方向に前記
    走査手段による走査速度よりも低速で走査させる副走査
    手段を具備し、 前記副ビーム整形手段は、前記副走査手段により走査さ
    れる光ビームを整形することを特徴とする請求項13記
    載の光走査型画像表示装置。
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