JP2010151878A - 光ビーム分岐装置および露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源からの光ビームを等しい光量比に分割する分岐光学装置を、簡易かつ安価に、性能を低下させることなく実現する。
【解決手段】光源10aから照射された基本光ビームBL0を、分割比が1:1のビームスプリッタ(2等分割ビームスプリッタ)のツリー状の2段配置によって4等分割する。また全反射ミラー70を設けて各サブ光ビームの方向を平行にするとともに、全反射ミラー70の位置を調整することによって、各サブ光ビームBL1〜BL4の光路間で光路長を等しくする。2基の光分岐部20L、20Rを並列的に使用することによって、2本の基本光ビームBL0、BR0から8本のサブ光ビームBL1〜BL4、BR1〜BR4を得ることができるが、2等分割ビームスプリッタを3段配置すれば、1本の基本光ビームから8本のサブ光ビームを得ることもできる。
【選択図】 図1
【解決手段】光源10aから照射された基本光ビームBL0を、分割比が1:1のビームスプリッタ(2等分割ビームスプリッタ)のツリー状の2段配置によって4等分割する。また全反射ミラー70を設けて各サブ光ビームの方向を平行にするとともに、全反射ミラー70の位置を調整することによって、各サブ光ビームBL1〜BL4の光路間で光路長を等しくする。2基の光分岐部20L、20Rを並列的に使用することによって、2本の基本光ビームBL0、BR0から8本のサブ光ビームBL1〜BL4、BR1〜BR4を得ることができるが、2等分割ビームスプリッタを3段配置すれば、1本の基本光ビームから8本のサブ光ビームを得ることもできる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マルチビーム光学系において使用される分岐光学装置およびそれを用いた露光装置に関する。
液晶表示装置用ガラス基板などの精密電子装置用基板に塗布された感光剤の層(感光層)を光学的に走査することによって、所定のパターンを当該感光層に描画する露光装置が知られている。そして、このような露光装置においては、露光効率を上げるために、複数の光ビームで並列的な走査を行うマルチビーム光学系が使用される。
また、他の分野においてもマルチビーム光学系が使用されており、特許文献1にそのような例が示されている。
このようなマルチビーム光学系においては、光源から出射される1本あるいは小数の光ビーム(以下「基本光ビーム」とも呼ぶ)を複数のサブ光ビームに分割する分岐光学系(分岐光学装置)を用いることによって光源の数を少なくすることが好ましく、そのような分岐光学装置では、分岐後のサブ光ビーム間の性能にばらつきがないように基本光ビームを等しく分割することが要求される。
そこで、たとえば1本の基本光ビームを4本のサブビームに分割するにあたって、従来は、図8に示すように、入射光を等しい光量比に分割する分岐光学系として、「透過率:反射率」の比(以下、分割比と呼ぶ)の値がそれぞれ、1:1,2:1,3:1である3種類のビームスプリッタBSa,BSb,BScと、全反射ミラーMRとを用いている。
ところがこのような従来の装置では、光ビームの分岐数の増大に伴って使用するビームスプリッタの種類が多くなる。図8の例では4本のサブ光ビームを得るために3種類のビームスプリッタが使用されているが、一般に、M本のサブ光ビームを得るためには(M−1)種類のビームスプリッタを準備せねばならない。
また、図8に示す従来技術の構成では、分岐後のサブ光ビームの光路長が光路ごとに異なっている。このように光路長が異なる場合、光路間でサブ光ビームの広がり量の差が生じるために、光ビームの状態が変化し、結果として各光路間でサブ光ビームの性能差が発生する。従って、光ビーム分岐装置の性能が低下することになる。
本発明は上記課題を鑑みなされたものであり、光源からの光ビームを等しい光量比に分割する光ビーム分岐装置を、簡易かつ安価に実現することを第1の目的とする。
また、この発明の第2の目的は、前記第1の目的を達成しつつ、さらに、各サブ光ビーム間の性能差を生じさせないことを第2の目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は基本光ビームを互いに同一の光量を持つM本(Mは4以上の整数)のサブ光ビームに分岐させる光分岐部を備えた光ビーム分岐装置であって、前記光分岐部が、前記基本光ビームを前記M本のサブ光ビームに分割するビームスプリッタ群と、前記ビームスプリッタ群に付随して設けられ、前記M本のサブ光ビームの進行方向を整合させる全反射面群と、を備え、前記ビームスプリッタ群は、分割比が1:1の2分割ビームスプリッタの多段配置を含んでおり、前記M本のサブ光ビームのうち少なくとも2のN乗(Nは2以上の整数)の本数からなるサブ光ビームは、前記多段配置に入射する1本の光ビームを前記多段配置で等分割することによって得られることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の光ビーム分岐装置であって、Mは2のN乗であり、前記多段配置は、2の0乗個の2分割ビームスプリッタからなる第1段と、2の1乗個の2分割ビームスプリッタからなる第2段と、・・・2の(N−1)乗個の2分割ビームスプリッタからなる第N段と、の組み合わせからなり、すべてのサブ光ビームが、前記多段配置に入射する前記1本の基本光ビームを前記多段配置で等分割することによって得られることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の光ビーム分岐装置であって、前記ビームスプリッタ群は、異なる段数の2分割ビームスプリッタからなる複数の多段配置を含み、前記M本のサブ光ビームからなる集合のうち、2の累乗本ごとにまとめられた複数の部分集合が、前記複数の多段配置のそれぞれによって生成されることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の光ビーム分岐装置であって、前記全反射面群が、各サブ光ビームの光路長を相互に等しくする位置に配置された複数のミラーを含むことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、露光装置であって、基本光ビームを生成する光源と、前記基本光ビームを、互いに同一の光量を持つM本(Mは4以上の整数)のサブ光ビームに分岐させる光分岐部を備えた、請求項1ないし4のいずれかに記載の前記光ビーム分岐装置と、前記M本のサブ光ビームと露光対象物とを相対的に移動させることにより、所定の変調信号によって変調された後の前記M本のサブ光ビームによって前記露光対象物を走査する走査手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1ないし3及び5の発明によれば、分割比が1:1である1種類のビームスプリッタのみ、または、他の種類のビームスプリッタと併用する場合であっても、比較的少ない種類のビームスプリッタと併用することによって、光ビームの等分割が可能である。
従って、従来よりも使用するビームスプリッタの種類を削減することができ、光ビーム分岐装置の製造時、もしくは光ビーム分岐装置を搭載した露光装置の製造時におけるコストを削減することができる。
また、特に請求項4の発明によれば、分割された後のサブ光ビームについて光路長を等しくするため、サブ光ビームの広がり量に差が生じることを抑えることができる。従って、各光路間でサブ光ビームの性能差が発生することを防ぐことができる。
<1. 基板露光装置>
図2はこの発明の第1の実施形態に係る光ビーム分岐装置20を搭載した基板露光装置1の斜視図である。この図2において、図示および説明の都合上、Z軸方向が鉛直方向を表し、XY平面が水平面を表すものと定義するが、それらは位置関係を把握するために便宜上定義するものであって、以下に説明する各方向を限定するものではない。以下の各図においても同様である。
図2はこの発明の第1の実施形態に係る光ビーム分岐装置20を搭載した基板露光装置1の斜視図である。この図2において、図示および説明の都合上、Z軸方向が鉛直方向を表し、XY平面が水平面を表すものと定義するが、それらは位置関係を把握するために便宜上定義するものであって、以下に説明する各方向を限定するものではない。以下の各図においても同様である。
図2に示す基板露光装置1は、感光剤が塗布された基板S(たとえばレジスト層が形成された液晶表示装置用ガラス基板)の表面に露光パターンを形成するための装置であり、基板Sは移動ステージ部50によって(+Y)方向から(−Y)方向に向けて水平搬送される。基板露光装置1は、光源10、光路折り返し部15、光ビーム分岐装置20、変調素子40(図1参照)そして縮小投影光学部30から構成される露光光学部と、露光対象である基板Sを載置し、露光面を上にした基板Sを露光光学部に対して相対的に移動させる上記移動ステージ部50と、露光光学部への露光データ(露光パターン信号)の供給を制御する装置制御部90(図3参照)とを備えている。
一対の光源10(10a,10b)のそれぞれから出射した1本ずつの光ビーム(基本光ビーム)は(−Y)方向に進行する。それらの光ビームは互いの光量が等しくなるように光源10a,10bが調整されている。これらの光源10は、長手方向がZ方向と平行な略直方体である光路折り返し部15の一端と連結されており、この連結部に内蔵された複数の反射面により、光源10から照射された光ビームは進行方向を変えて、光路折り返し部15内を進行した後、光源10よりも上位置に設置された光ビーム分岐装置20に入射する。
<2. 光ビーム分岐装置および制御系>
図1は光ビーム分岐装置20の詳細図である。ただし、この図1では、図示の便宜上、光ビーム分岐装置20に入射するまでの光路に設置されている既述した複数の反射面は、反射面群PRとしてシンボル的に表現されている。この光ビーム分岐装置20は、2基の光分岐部、すなわち第1の光分岐部20Lと第2の光分岐部20Rとを鏡面対象に組合せた構成となっている。それぞれの光分岐部20L(20R)は、1本の基本光ビームBL0(BR0)から4本のサブ光ビームBL1〜BL4(BR1〜BR1)を生成するマルチビーム光学系となっている。また、第1と第2の光分岐部20L,20Rを組み合わせた光ビーム分岐装置20の全体としても、2本の基本光ビームBL0、BR0から8本のサブ光ビームBL1〜BL4、BR1〜BR4を生成するマルチビーム光学系となっている。
図1は光ビーム分岐装置20の詳細図である。ただし、この図1では、図示の便宜上、光ビーム分岐装置20に入射するまでの光路に設置されている既述した複数の反射面は、反射面群PRとしてシンボル的に表現されている。この光ビーム分岐装置20は、2基の光分岐部、すなわち第1の光分岐部20Lと第2の光分岐部20Rとを鏡面対象に組合せた構成となっている。それぞれの光分岐部20L(20R)は、1本の基本光ビームBL0(BR0)から4本のサブ光ビームBL1〜BL4(BR1〜BR1)を生成するマルチビーム光学系となっている。また、第1と第2の光分岐部20L,20Rを組み合わせた光ビーム分岐装置20の全体としても、2本の基本光ビームBL0、BR0から8本のサブ光ビームBL1〜BL4、BR1〜BR4を生成するマルチビーム光学系となっている。
したがって、この実施形態の基板露光装置1では、光ビーム分岐装置20を用いることにより、合計8本のサブ光ビームBL1〜BL4、BR1〜BR4による基板Sの並列的な走査露光を行うことができる。第1と第2の光分岐部20L,20Rは光学的には等価であり、それらが異なるのは、露光すべきパターンに応じて供給される露光データだけである。このため、以下では双方を一括して説明するが、第1の光分岐部20Lのみについて説明してある事項については、第2の光分岐部20Rについても同様に適用される。
光源10aから第1の光分岐部20Lに入射した1本の基本光ビームBL0は、分割比が1:1である3枚のビームスプリッタ60(61,62a,62b)によって4等分割されて中間光ビームB11〜B12、B21〜B24となった後、6枚の全反射ミラー70(71a,71b,72a,72b,73,74)のうち対応する1枚あるいは2枚の全反射ミラーで反射されることによって4本のサブ光ビームBL1〜BL4に変換される。これらのビームスプリッタ群を構成するビームスプリッタ60のそれぞれは、同一の光学特性を有する1種類のハーフミラーによって構成されることが好ましい。全反射ミラー群を構成する各全反射ミラーは、通常の光学ミラーを使用可能である。
なお、光分岐部20L,20Rの詳細については後述する。また、以下では分割比が1:1であるビームスプリッタ60を「2等分割ビームスプリッタ」とも呼ぶ。
このようにして得られたサブ光ビームBL1〜BL4は、各光路に設置された変調素子40に向かうように進行方向が互いに平行に整合している。そして、それぞれの変調素子40で、サブ光ビームBL1〜BL4はそれぞれの露光データによるON/OFF変調を受けるとともに、(+Z)方向にその進行方向を変える。図1における変調素子40から下の図示領域では、図の下方向が(+Z)方向となるように描かれている。
(+Z)方向に進行方向を変えた各サブ光ビームBL1〜BL4のそれぞれは、縮小投影光学部30を通過して、移動ステージ部50上に載置された基板Sに照射される。既述したように、2基の4分岐型の光分岐部20L,20Rを用いることで、合計8ヘッドの縮小投影光学部30にサブ光ビームBL1〜BL4、BR1〜BR4を供給することが可能である。使用する光源10の数は、必要とされる1ヘッドあたりにおける基板Sの露光面でのパワーと、分岐数と、光源10のパワーと、各ヘッドの光路(光源から露光面まで)のパワー効率とにより決定される。露光の際に、供給される露光データ(変調信号)に応じて変調素子40において光ビームのONとOFFおよび中間調の変調が行われ、それに同期して、移動ステージ部50がX方向およびY方向へ交互に移動することで、基板S上の露光位置を変化させつつ、基板Sを走査露光する。
図3は装置制御部90の機能構成を示す図である。露光データ(CADデータ)がCAM用LANを通して、RIP作成部91に送られ、この露光データが基板露光装置1用の露光パターン信号、すなわち画素ごとの2値もしくは多値信号へと変換(RIP展開)される。
変換された露光パターンのデータは装置内LANを通してデータストレージ部93に送られる。データストレージ部93に送られた露光パターンに対しての露光量、露光枚数等の露光条件が製造管理システム(MES)からシステム制御部92に送信され、装置内LANを介して露光ヘッド制御部94および露光位置制御部95に制御信号が送られる。これらの各制御部から基板露光装置1の露光光学部へ露光データおよび制御信号が与えられ、移動ステージ部50に載置された基板S上への露光が行われる。
<3.光分岐部の詳細>
図1の第1の光分岐部20L(第2の光分岐部20Rでも同様)において、光源10aから得られた基本光ビームBL0は、1段目に設置された2等分割ビームスプリッタ61に最初に入射する。このビームスプリッタ61によって光源10aからの基本光ビームは2分割され、互いに等しい光量を持つ2本の中間光ビームB11,B12となる。
図1の第1の光分岐部20L(第2の光分岐部20Rでも同様)において、光源10aから得られた基本光ビームBL0は、1段目に設置された2等分割ビームスプリッタ61に最初に入射する。このビームスプリッタ61によって光源10aからの基本光ビームは2分割され、互いに等しい光量を持つ2本の中間光ビームB11,B12となる。
●中間光ビームB11:
中間光ビームB11,B12のうち、ビームスプリッタ61での反射成分に相当する中間光ビームB11は(−Y)方向に進行し、2段目の2等分割ビームスプリッタ62aによってさらに2等分割されて2本の中間光ビームB21,B22となる。
中間光ビームB11,B12のうち、ビームスプリッタ61での反射成分に相当する中間光ビームB11は(−Y)方向に進行し、2段目の2等分割ビームスプリッタ62aによってさらに2等分割されて2本の中間光ビームB21,B22となる。
これらのうち、ビームスプリッタ62aの透過成分からなる中間光ビームB21は、互いに90度の角度をなして配置させた一対の全反射ミラー71a,71bによってその進行方向を180度転換されることにより、基準方向としての(+Y)方向に進行するサブ光ビームBL1となる。
また、ビームスプリッタ62aの反射成分からなる中間光ビームB22は、全反射ミラー73によってその進行方向を90度転換されることにより、基準方向に進行するサブ光ビームBL3となる。
●中間光ビームB12:
一方、ビームスプリッタ61の透過成分からなる中間光ビームB12は、2段目の2等分割ビームスプリッタ62bによってさらに2等分割され、互いに等しい光量を有する中間光ビームB23,B24となる。
一方、ビームスプリッタ61の透過成分からなる中間光ビームB12は、2段目の2等分割ビームスプリッタ62bによってさらに2等分割され、互いに等しい光量を有する中間光ビームB23,B24となる。
これらのうち、ビームスプリッタ62bでの反射成分に相当する中間光ビームB23は、互いに90度の角度をなして配置させた一対の全反射ミラー72a,72bによってその進行方向を180度転換されることにより、基準方向に進行するサブ光ビームBL2となる。
また、ビームスプリッタ62bの透過成分からなる中間光ビームB24は、全反射ミラー74によってその進行方向を90度転換されることにより、基準方向に進行するサブ光ビームBL4となる。
これらの構成により、サブ光ビームBL1〜BL4のそれぞれは基本光ビームBL0の光量の4分の1ずつの光量を持つことになる。すなわち、2等分割ビームスプリッタの多段配置(図1の例では2段配置)を用いることにより、基本光ビームBL0を4等分割することが可能となる。
一方、全反射ミラー70は中間光ビームB11〜B12、B21〜B24の方向を転換して、すべてが基準方向に進行する平行なサブ光ビームBL1〜BL4を得るという方向整合手段としてだけではなく、サブ光ビームBL1〜BL4の一部を迂回させることにより、それぞれの光路長を等しくする光路長整合手段としても機能している。
2つのビームスプリッタ61,62aを透過した成分から得られるサブ光ビームBL4の光路長を基準長として、他のサブ光ビームBL1〜BL3の光路長がこの基準長に一致するように、全反射ミラー71a,71b,72a,72b,73のそれぞれのXY面内での配置位置を決定することにより、このような光路長整合が実現される。
より具体的には、中間光ビームB21,B22,B23の迂回部の配置については以下の計算式を用いることが可能である。図1と同じ光学配置を示した図4において、サブ光ビームBL1〜BL4のそれぞれの光路A1〜A4に関して、
光路A1と光路A2との間のX方向の間隔をD1、
光路A2と光路A3との間のX方向の間隔をD2、
光路A3と光路A4との間のX方向の間隔をD3、
全反射ミラー71a(71b)と全反射ミラー72a(72b)との間のY方向距離をS1、
ビームスプリッタ62a(全反射ミラー73)と全反射ミラー72a(72b)との間のY方向距離をS2、
ビームスプリッタ61,62aの間のY方向距離をS3、
とすると、距離S1,S2,S3はそれぞれ次の式1〜式3で決定される。
光路A1と光路A2との間のX方向の間隔をD1、
光路A2と光路A3との間のX方向の間隔をD2、
光路A3と光路A4との間のX方向の間隔をD3、
全反射ミラー71a(71b)と全反射ミラー72a(72b)との間のY方向距離をS1、
ビームスプリッタ62a(全反射ミラー73)と全反射ミラー72a(72b)との間のY方向距離をS2、
ビームスプリッタ61,62aの間のY方向距離をS3、
とすると、距離S1,S2,S3はそれぞれ次の式1〜式3で決定される。
S1=D1/2 (式1)
S2=D2/2 (式2)
S3=D3/2 (式3)
ただし、ここにおけるサブ光ビームBL1〜BL4のそれぞれの光路長は、基本光ビームBL0の光路上の1点(図中、白丸で示す)と、互いに平行となったサブ光ビームBL1〜BL4のそれぞれの光路上の対応点(図中、黒丸で示す)との間の光学距離として定義している。
S2=D2/2 (式2)
S3=D3/2 (式3)
ただし、ここにおけるサブ光ビームBL1〜BL4のそれぞれの光路長は、基本光ビームBL0の光路上の1点(図中、白丸で示す)と、互いに平行となったサブ光ビームBL1〜BL4のそれぞれの光路上の対応点(図中、黒丸で示す)との間の光学距離として定義している。
多くの場合、サブ光ビームBL1〜BL4が等間隔に配列されるように構成するから、そのような場合には、
D1=D2=D3 (式4)
であり、したがって、
S1=S2=S3 (式5)
となる。
D1=D2=D3 (式4)
であり、したがって、
S1=S2=S3 (式5)
となる。
<4.一般の分岐数への拡張>
既述したように、図1に示す第1の実施形態では、それぞれの光源10a,10bからの基本光ビームBL0,BR0の光量を等しくするとともに、M=4の分岐光学系を並列的に2組使用することによって、等しい光量を持った8本のサブ光ビームを生成する8分岐系を実現している。しかしながら、この発明はM=4の場合のみではなく、Mが4以上の整数であれば他の場合にも適用可能であって、以下ではその一般原理と具体例について説明する。
既述したように、図1に示す第1の実施形態では、それぞれの光源10a,10bからの基本光ビームBL0,BR0の光量を等しくするとともに、M=4の分岐光学系を並列的に2組使用することによって、等しい光量を持った8本のサブ光ビームを生成する8分岐系を実現している。しかしながら、この発明はM=4の場合のみではなく、Mが4以上の整数であれば他の場合にも適用可能であって、以下ではその一般原理と具体例について説明する。
<4−1. Mが2の累乗である場合>
1本の基本光ビームがM本のサブ光ビームに分岐されるにあたって、Mが2の累乗の値である場合、つまり、
M=2N (ただしNは2以上の整数) (式6)
である場合には、光ビームを分割するためのビームスプリッタとして、分割比が1:1である1種類のみを、(分岐数−1)枚つまり(M−1)枚使用し、それをツリー型に多段配置(N段配置)することで、基本光ビームを2のN乗本に等分割することができる。
1本の基本光ビームがM本のサブ光ビームに分岐されるにあたって、Mが2の累乗の値である場合、つまり、
M=2N (ただしNは2以上の整数) (式6)
である場合には、光ビームを分割するためのビームスプリッタとして、分割比が1:1である1種類のみを、(分岐数−1)枚つまり(M−1)枚使用し、それをツリー型に多段配置(N段配置)することで、基本光ビームを2のN乗本に等分割することができる。
すなわち、
1) 1段目の1個のビームスプリッタで、1本の基本光ビームを2等分割して2本の中間光ビーム(光量1/2ずつ)を生成し、
2) 2段目の2個のビームスプリッタで上記2本の中間光ビームのそれぞれを2等分割して、合計4本の中間光ビーム(光量1/4ずつ)を生成し、
3) 3段目の4個のビームスプリッタで上記4本の中間光ビームのそれぞれを2等分割して、合計8本の中間光ビーム(光量1/8ずつ)を生成する、
…
という構成をとることによって、M本のサブ光ビーム(光量は(1/M)ずつ)を得ることができる。
1) 1段目の1個のビームスプリッタで、1本の基本光ビームを2等分割して2本の中間光ビーム(光量1/2ずつ)を生成し、
2) 2段目の2個のビームスプリッタで上記2本の中間光ビームのそれぞれを2等分割して、合計4本の中間光ビーム(光量1/4ずつ)を生成し、
3) 3段目の4個のビームスプリッタで上記4本の中間光ビームのそれぞれを2等分割して、合計8本の中間光ビーム(光量1/8ずつ)を生成する、
…
という構成をとることによって、M本のサブ光ビーム(光量は(1/M)ずつ)を得ることができる。
換言すれば、Mが2のN乗である場合、2等分割ビームスプリッタの多段配置は、
1) 2の0乗個の2等分割ビームスプリッタからなる第1段と、
2) 2の1乗個の2等分割ビームスプリッタからなる第2段と、
・・・
N) 2の(N−1)乗個の2等分割ビームスプリッタからなる第N段と、
の組み合わせで構成される。すなわち、2のi乗個の2等分割ビームスプリッタが第(i+1)段(ただしiは0から(N−1)までの整数)設置されることで構成される。
1) 2の0乗個の2等分割ビームスプリッタからなる第1段と、
2) 2の1乗個の2等分割ビームスプリッタからなる第2段と、
・・・
N) 2の(N−1)乗個の2等分割ビームスプリッタからなる第N段と、
の組み合わせで構成される。すなわち、2のi乗個の2等分割ビームスプリッタが第(i+1)段(ただしiは0から(N−1)までの整数)設置されることで構成される。
必要なビームスプリッタの数は、
1+2+4+…+(M/2)=M−1=2N−1 (式7)
の条件式から、
20+21+22+…+2N-1
=2N−1 (式8)
個となる。
1+2+4+…+(M/2)=M−1=2N−1 (式7)
の条件式から、
20+21+22+…+2N-1
=2N−1 (式8)
個となる。
各サブ光ビームの進行方向と光路長とを整合させるための全反射ミラーとしては、図1の例のように1段目のビームスプリッタに入射する基本光ビームの進行方向と、各サブ光ビームの進行方向とが90度異なる場合には、
1) 最終段の2N-1個のビームスプリッタのそれぞれの透過成分からなる2N-1本のサブ光ビームにつき、方向を180度転換するために2枚ずつ、
2) 最終段の2N-1個のビームスプリッタのそれぞれの反射成分からなる2N-1本のサブ光ビームにつき、方向を90度転換するために1枚ずつ、
の合計で、
2N-1×2+2N-1
=2N+2N-1 (式9)
枚の全反射ミラーを使用する。
1) 最終段の2N-1個のビームスプリッタのそれぞれの透過成分からなる2N-1本のサブ光ビームにつき、方向を180度転換するために2枚ずつ、
2) 最終段の2N-1個のビームスプリッタのそれぞれの反射成分からなる2N-1本のサブ光ビームにつき、方向を90度転換するために1枚ずつ、
の合計で、
2N-1×2+2N-1
=2N+2N-1 (式9)
枚の全反射ミラーを使用する。
既述した図1の光分岐部20L、20RのそれぞれがM=4、N=2の場合に相当し、上記の各条件を満足することは容易に確認できる。すなわち、使用する2等分割ビームスプリッタの数は(22−1)=3個であり、使用する全反射ミラーは(22+21)=6枚である。
また、M=4、N=2の場合であっても、他の光学配置をとることもできる。図5は、この発明の第2の実施形態として、図1とは異なる配置を採用した4分岐の光分岐部21Aを備えた光ビーム分岐装置21を示している。
図1に示す第1の実施形態との相違点は、2段目のビームスプリッタ62a,62bの位置をそれぞれ(−Y)方向および(−X)方向にずらせ、2番目のサブ光ビームBL2の90度の方向転換を1枚の全反射ミラー72のみで行うとともに、3番目のサブ光ビームBL3の180度の方向転換を2枚の全反射ミラー73a,73bを用いて行っている点である。この例の場合でも、使用する2等分割ビームスプリッタの数は3個であり、使用する全反射ミラーは6枚である。
このように、M本のサブ光ビームのそれぞれは、2等分割ビームスプリッタをN回経由する光路で得ることが可能であり、2等分割ビームスプリッタおよび全反射ミラーの設置位置には自由度がある。
分岐数Mの値が4以外の例として、図6に示す光ビーム分岐装置22の光分岐部22Aのように、1本の基本光ビームB0を8分岐(M=8、N=3)させて8本のサブ光ビームB1〜B8を得る場合は、2等分割ビームスプリッタ60(61,62a,62b,63a〜63d)が3段配置の合計で7個(23−1=7)、全反射ミラー70は計12枚(23+22=8+4=12)が使用される。
また隣接するサブ光ビームについて、それらが最後に反射した全反射ミラー70の間のY方向距離が、それらのサブ光ビームのX方向の間隔の1/2になるように、各全反射ミラー70の位置を決定することにより、それぞれの光路長を整合させることができる。
一般的に、2のN乗本に光ビームを分岐する際の迂回部の全反射ミラー70の配置については以下の計算方法を用いる。各光路で最後に通過する全反射ミラー70により折り返された後の光路Atと光路A(t+1)との間の、X方向間の間隔をDtとし、その間隔Dtに対応する全反射ミラー70のY方向間の距離をStとする。ただし、tは1以上(M−1)以下の値である。このとき、Y方向におけるStの式は次式で定める。
St=Dt/2 (式10)
これは基本光ビームが2の累乗数のサブ光ビームに分岐される場合であるなら、分岐数の値によらず、常に成立する。ビームスプリッタ60、全反射ミラー70のX方向の配置は、隣接する光路に重ならない位置であれば、任意の位置で構わない。
これは基本光ビームが2の累乗数のサブ光ビームに分岐される場合であるなら、分岐数の値によらず、常に成立する。ビームスプリッタ60、全反射ミラー70のX方向の配置は、隣接する光路に重ならない位置であれば、任意の位置で構わない。
以上のように、基本光ビームを2の累乗本に分岐する場合であれば、必要なビームスプリッタの種類は分割比が1:1の1種類でよいため、従来と比較して光ビーム分岐装置の製造、もしくは光ビーム分岐装置を搭載した基板露光装置の製造コストを抑えることができる。さらには各光路において迂回部を用いて光路長を調節できるため、光路長を等しくすることができ、各光路間においてビーム性能差がない光ビーム分岐装置を実現することができる。
<4−2. Mが2の累乗でない場合>
次に、光源からの基本光ビームをM本のサブ光ビームに分岐する際に、Mが2の累乗の値でない場合について説明する。
次に、光源からの基本光ビームをM本のサブ光ビームに分岐する際に、Mが2の累乗の値でない場合について説明する。
一般に、2以上の任意の整数Mは、10進数を2進数で表現する場合と同様の考え方で、2の累乗の和として、数1に示す式のように展開することが可能である。
ただし、このときの係数a(0)、a(1)、・・・a(N−1)のそれぞれは「0」または「1」である。
係数a(0)、a(1)、・・・a(N−1)のすべてが「0」であるときには、Mがちょうど2のN乗となっている場合に相当するから、Mが2の累乗でない場合には、係数a(0)、a(1)、・・・a(N−1)のうち少なくとも1つは「1」である。
たとえばM=7の場合には、
N=2、a(0)=1、a(1)=1 (式12)
であって、
7=22+21+20 (式13)
のように展開される。このように、必要とされる分岐数Mが2の累乗の値でない場合のビームスプリッタの配置構成は以下のように行う。
N=2、a(0)=1、a(1)=1 (式12)
であって、
7=22+21+20 (式13)
のように展開される。このように、必要とされる分岐数Mが2の累乗の値でない場合のビームスプリッタの配置構成は以下のように行う。
まず最初に、Mよりも小さい範囲で最大の2の累乗の値U=2Nを用いて、分割比が(M−U):Uのビームスプリッタを1段目に設置して光ビームの分割を行う。M=7の場合は、U=22=4であるため、(M−U):U=3:4となる。
この(M−U)の値が2の累乗でない場合はさらに(M−U)の値よりも小さい範囲で最大の2の累乗の値S(M=7の場合は、S=21=2)を使って同じ操作を繰り返す。つまり、分割比が(M−U−S):Sとなっているビームスプリッタ(M=7の場合は、分割比が1:2となっているビームスプリッタ)を、1段目で分岐された中間光ビームのうち、2の累乗の値Uで分割されなかった光路、つまり(M−U)の値で分割された光路に設置して、さらに中間光ビームの分割を行う。
このように、Mよりも小さい範囲で大きな順に2の累乗の値をとり、それらの値ごとに部分集合を作るように光ビームを分割していき、最終的には、分割比の両方の値が2の累乗の値になるまで、この操作を行う。Mが奇数の場合には20=1が最後のものとなる。
このように、2の累乗の値に分割されたサブ光ビームの部分集合それぞれに、第1の実施形態で記載したような、2等分割ビームスプリッタをツリー状に多段配置させることにより、サブ光ビームの光量比が等しくなるように分割する。
具体例として、図7に7分岐の光ビーム分岐装置23における光分岐部23Aを示す。この図7のビームスプリッタのうち「*」印を付したものは、分割比が1:1ではないビームスプリッタであり、「*」印を付していないものは、2等分割ビームスプリッタである。この場合、既述したように、「7」を構成する2の累乗の値のうち最大の値は4である。そこで、分割比が3:4であるビームスプリッタ61uを基本光ビームB0が入射する1段目に設置する。この1段目のビームスプリッタ61uで反射した成分は、基本光ビームB0の7分の4の光量比を持つ中間光ビームBaとなる。また、この1段目のビームスプリッタ61uを透過した成分は、基本光ビームB0の7分の3の光量比を持つ中間光ビームBbとなる。「3」は2の累乗である「2」をさらに含んでいるため、中間光ビームBbが入射する2段目のビームスプリッタとしては、分割比が1:2であるビームスプリッタ62uを設置する。「1」は2の0乗の値であるため、分割比1:2は両方の値が2の累乗の値である。これによって中間光ビームBc,Bdが得られる。
このように分割されて得られた中間光ビームBa,Bc,Bdの光量比は、基本光ビームB0の光量を4:2:1に分割したものとなる。この比の各要素はいずれも2の累乗の値であるため、さらに後段のそれぞれの部分について「Mが2の累乗である場合」について説明した光学配置を用いることができる。すなわち光量比4に分割されたビームスプリッタ61uの反射光に相当する中間光ビームBaであれば、分割比が1:1のビームスプリッタ60を2段配置で計3枚、光量比2に分割されたビームスプリッタ62uの反射光である中間光ビームBcあれば、分割比が1:1のビームスプリッタ60を1段配置で計1枚用いて、それぞれの部分集合ごとにサブ光ビームを等分割する。光量比1に分割された光路を進む中間光ビームBdについては、ビームスプリッタを用いて分割する必要はない。このようにして、7等分割された光量を持つサブ光ビームB1〜B7を得ることができる。
すなわち、ビームスプリッタの多段配置として、異なる段数の2分割ビームスプリッタからなる複数の多段配置を組み合わせることによって、M本のサブ光ビームからなる集合のうち、2の累乗本ごとにまとめられた複数の部分集合が、複数の多段配置のそれぞれによって生成されることになる。
このとき、上記の7分岐の例においては、分割比が(M−U):U、つまり3:4であるビームスプリッタを1段目に使用しているが、分割比がU:(M−U)、つまり4:3であるビームスプリッタを使用しても構わない。つまり、分割比における透過率の値と反射率の値とのうち、どちらが分割本数Mより小さい2の累乗の値であっても構わない。これは、2の累乗ではない値で分割された光路に設置されたビームスプリッタ、つまり分割比が1:1ではないビームスプリッタにおいては常にあてはまる。
また、光ビームは、2の累乗の値ごとに分割を行って、部分集合をつくるが、その際に分割していく順番については、分割本数であるMの値よりも小さい2の累乗の値であるならば、どの値で分割をはじめても構わない。ただし、Mの値が偶数の場合であれば、2の0乗である1以外の値で分割を行ったほうが、使用するビームスプリッタの種類はより少なくすることができる。
光路長については第1の実施の形態と同様に、等光量比に分割された後の光路において、全反射ミラーを用いて迂回部を設ける。迂回部の配置は、Y方向については、式10に従う。X方向のビームスプリッタや全反射ミラーの配置は、隣接する光路に重ならない任意の位置で構わない。迂回部があることによって、分岐前の光路上の点(白丸)から分岐後の光路上の基準点(黒丸)までの各光路長は互いに等しくなる。
このように、光ビームをM本に分割する際に、Mの値が2の累乗の値でない場合であっても、Mを構成する2の累乗の値ごとに光ビームを分割することで、それらの部分集合ごとに2等分割ビームスプリッタを多段配置させて光量比を等分割することができる。分割比が1:1ではないビームスプリッタも併用するが、その種類は図8に示した従来技術を適用した場合と比較して少ない。これにより、使用するビームスプリッタの種類を従来よりも少なくすることができるため、これらを用いる光ビーム分岐装置、さらには光ビーム分岐装置を搭載する露光装置の製造コストを抑えることができる。また、等光量比に分割された光ビームは全反射ミラーを用いて迂回部を設置し、光路を調節することで、それぞれの光路長を等しくすることができるため、ビーム広がり量において差が生じず、ビーム性能差が発生することを抑えることができる。
<5.変形例>
ビームスプリッタとしては、ミラー型のビームスプリッタのほか、各次数の回折光に分割する回折型ビームスプリッタや、光導波路型ビームスプリッタを用いてもよい。もっとも、ミラー型ビームスプリッタ(分割比1:1の場合はハーフミラー)は、ガラス基板上に透過率、反射率を制御するための誘電体多層膜等をコートしたものであり、比較的単純な構造である。そのため設計の自由度が高く、市販品も多いので、ミラー型ビームスプリッタ分岐光学系の構成が容易に実現可能である。
ビームスプリッタとしては、ミラー型のビームスプリッタのほか、各次数の回折光に分割する回折型ビームスプリッタや、光導波路型ビームスプリッタを用いてもよい。もっとも、ミラー型ビームスプリッタ(分割比1:1の場合はハーフミラー)は、ガラス基板上に透過率、反射率を制御するための誘電体多層膜等をコートしたものであり、比較的単純な構造である。そのため設計の自由度が高く、市販品も多いので、ミラー型ビームスプリッタ分岐光学系の構成が容易に実現可能である。
全反射ミラーのかわりにプリズムや回折素子などを使用して中間光ビームの反射を行わせてもよく、光学的な全反射面の機能を提供する種々の光学素子を利用できる。
この発明は、基板へのパターン露光装置だけでなく、印刷技術において感光シートに画像描画を行う露光装置など、複数の光ビームを使用する種々の露光装置に組み込んで使用可能である。
1 基板露光装置
10,10a,10b 光源
15 光路折り返し部
20〜23 光ビーム分岐装置
20L,20R,21A〜23A 光分岐部
30 縮小投影光学部
40 変調素子
50 移動ステージ部
60,61,61a〜63a,63a〜63d 2等分割ビームスプリッタ
61u,62u,BSa〜BSc 分割比が1:1ではないビームスプリッタ
70〜74,71a,71b,72a,72b,MR 全反射ミラー
S 基板(露光対象物)
10,10a,10b 光源
15 光路折り返し部
20〜23 光ビーム分岐装置
20L,20R,21A〜23A 光分岐部
30 縮小投影光学部
40 変調素子
50 移動ステージ部
60,61,61a〜63a,63a〜63d 2等分割ビームスプリッタ
61u,62u,BSa〜BSc 分割比が1:1ではないビームスプリッタ
70〜74,71a,71b,72a,72b,MR 全反射ミラー
S 基板(露光対象物)
Claims (5)
- 基本光ビームを互いに同一の光量を持つM本(Mは4以上の整数)のサブ光ビームに分岐させる光分岐部を備えた光ビーム分岐装置であって、
前記光分岐部が、
前記基本光ビームを前記M本のサブ光ビームに分割するビームスプリッタ群と、
前記ビームスプリッタ群に付随して設けられ、前記M本のサブ光ビームの進行方向を整合させる全反射面群と、
を備え、
前記ビームスプリッタ群は、分割比が1:1の2分割ビームスプリッタの多段配置を含んでおり、
前記M本のサブ光ビームのうち少なくとも2のN乗(Nは2以上の整数)の本数からなるサブ光ビームは、前記多段配置に入射する1本の光ビームを前記多段配置で等分割することによって得られることを特徴とする光ビーム分岐装置。 - 請求項1に記載の光ビーム分岐装置であって、
Mは2のN乗であり、前記多段配置は、
2の0乗個の2分割ビームスプリッタからなる第1段と、
2の1乗個の2分割ビームスプリッタからなる第2段と、
・・・
2の(N−1)乗個の2分割ビームスプリッタからなる第N段と、
の組み合わせからなり、
すべてのサブ光ビームが、前記多段配置に入射する前記1本の基本光ビームを前記多段配置で等分割することによって得られることを特徴とする光ビーム分岐装置。 - 請求項1に記載の光ビーム分岐装置であって、
前記ビームスプリッタ群は、異なる段数の2分割ビームスプリッタからなる複数の多段配置を含み、
前記M本のサブ光ビームからなる集合のうち、2の累乗本ごとにまとめられた複数の部分集合が、前記複数の多段配置のそれぞれによって生成されることを特徴とする光ビーム分岐装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の光ビーム分岐装置であって、
前記全反射面群が、
各サブ光ビームの光路長を相互に等しくする位置に配置された複数のミラーを含むことを特徴とする光ビーム分岐装置。 - 基本光ビームを生成する光源と、
前記基本光ビームを、互いに同一の光量を持つM本(Mは4以上の整数)のサブ光ビームに分岐させる光分岐部を備えた、請求項1ないし4のいずれかに記載の前記光ビーム分岐装置と、
前記M本のサブ光ビームと露光対象物とを相対的に移動させることにより、所定の変調信号によって変調された後の前記M本のサブ光ビームによって前記露光対象物を走査する走査手段と、
を備えることを特徴とする露光装置。
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