JP2000171738A - ビーム合成装置、マルチビーム光源装置及びマルチビーム走査装置 - Google Patents

ビーム合成装置、マルチビーム光源装置及びマルチビーム走査装置

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JP2000171738A
JP2000171738A JP10343313A JP34331398A JP2000171738A JP 2000171738 A JP2000171738 A JP 2000171738A JP 10343313 A JP10343313 A JP 10343313A JP 34331398 A JP34331398 A JP 34331398A JP 2000171738 A JP2000171738 A JP 2000171738A
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beam splitter
beams
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Katsumi Yamaguchi
勝己 山口
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率にして光利用効率を各光ビーム間で均
一化し得る小型で簡易な構成の多ビーム用のビーム合成
装置を提供する。 【解決手段】 第1,2のビーム合成手段S1,S2の
各々のビームスプリッタ面BS1〜BSm-1、BS1〜B
n-1の配列方向に対応してマトリックス状にm*n本
の光ビームBM11〜BMnmを入射させることにより、こ
れらの光ビームを実質的に1本の光ビームに合成でき
る。併せて、第1,2のビーム合成手段S1,S2の各
ビームスプリッタ面BS1〜BSm-1、BS1〜BSn-1
反射率及び透過率をビーム合成前後の光量比が略均一と
なるように設定することで、m*n本の全ての光ビーム
BM11〜BMnmについて入射ビームの光量をビーム間で
同一としたまま、合成後の各光ビームの光量を略均一に
できる。加えて、m*n本の光ビームBM11〜BMnm
マトリックス状に第1のビーム合成手段S1に入射させ
るため、比較的小型な構成で済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタ、
デジタル複写機、レーザファクシミリ等における高速光
書込系に利用されるビーム合成装置、マルチビーム走査
装置及びマルチビーム走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高速記録を行なうため、複数
本の光ビームを感光体上に同時に走査させて画像記録を
行なうマルチビーム走査装置が知られている。この場合
のマルチビーム走査装置としては、光源として複数個の
半導体レーザを用い、偏光ビームスプリッタ等により各
半導体レーザからの光ビームを合成するビーム合成方式
(例えば、特開平6−331913号公報参照)と、光
源として複数の発光点を有する半導体レーザアレイを用
いるアレイ方式(例えば、特開平5−53068号公報
参照)とが、一般によく知られている。これらのマルチ
ビーム走査装置におけるビーム数は、通常、2ビームで
あるが、高速記録の要求に対してさらなる多ビーム化の
実現が望まれている。
【0003】アレイ方式の場合、半導体レーザアレイ自
体の入手が困難で、また、入手できたとしても非常に高
価である。特に、発光点の数、即ち、射出し得る光ビー
ム数が増えるに従ってこの傾向が増す。一方、ビーム合
成方式によれば、通常の汎用されている半導体レーザを
用い得るため、3ビーム以上のマルチビーム化を図る上
では、コスト面においてアレイ方式より有利と考えられ
る。
【0004】ビーム合成方式で3ビーム以上のマルチビ
ーム化を図ったものとしては、例えば、特開平7−18
1412号公報に示されるものがある。即ち、n個の半
導体レーザからの光ビームを(n−1)面のビームスプ
リッタ面と1個のミラー面とを一体的に構成した合成プ
リズムに入射させることにより合成するようにしたもの
である。このような合成プリズムの一例として、ビーム
スプリッタ面を全て偏光ビームスプリッタ面として構成
する例が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように複
数個の偏光ビームスプリッタを用いても、3ビーム以上
の光ビームを実質的な光損失なしに合成することは原理
的に不可能である。即ち、偏光ビームスプリッタにより
合成された2本の光ビームは互いに垂直な直線偏光光束
となるので、これらの光を次の偏光ビームスプリッタに
入射させるときにはλ/2板又はλ/4板などの偏光素
子が別途必要となり、構成が複雑化する上に、この偏光
ビームスプリッタ射出後の何れかの光ビームの光量は入
射前の少なくとも1/2以下となってしまう。
【0006】従って、このような合成プリズムの場合、
複数の偏光ビームスプリッタ面を用いるメリットがあま
りなく、(n−1)面のビームスプリッタ面の内、1面
のみを偏光ビームスプリッタ面とし、残りの(n−2)
個は通常のビームスプリッタ面とするか、或いは、(n
−1)面の全てを通常のビームスプリッタ面とするかの
何れかの方式が考えられる。
【0007】例えば、図22に示すように、1面の内面
反射面Mと、(n−1)面のビームスプリッタ面BSi
(i=1,…,n−1)とにより、n本の光ビームBM
i (i=1,…,n)を合成する合成プリズム100の
場合を考える。ここでは、全てのビームスプリッタ面B
i を通常のビームスプリッタ面とし、各ビームスプリ
ッタ面BSi がその透過率と反射率とがとも0.5で光
損失を無視できるハーフミラー構成とした場合、各光ビ
ームBMi のビーム合成前後の光量比、即ち、光利用効
率ηi は、 ηi =0.5i (但し、i=1,…,n−1) ηn =0.5n-1 として表される。しかし、ハーフミラーの反射(又は、
透過)回数に応じて光量が減衰していくため、合成すべ
き光ビーム数の増加に伴い光利用効率が低下するととも
に、光利用効率のビーム間偏差が大きくなってしまう。
例えば、 n=4の場合、 η1 =0.5,η2 =0.25,η3 =η4 =0.125 n=6の場合、 η1 =0.5,η2 =0.25,η3 =0.125,η4 =0.0625,
η5 =η6 =0.03125 n=8の場合、 η1 =0.5,η2 =0.25,η3 =0.125,η4 =0.0625,
η5 =0.03125,η6 =0.0156,η7 =η8 =0.0078 の如くなり、合成プリズム100における光利用効率の
ビーム間偏差が大きくなる。
【0008】また、仮に図22のような構成においてビ
ームスプリッタ面BSn-1 のみを偏光ビームスプリッタ
面とし、他のビームスプリッタ面BSi がその透過率と
反射率とがとも0.5で光損失を無視できるハーフミラ
ー構成とした場合を考えると、各光ビームBMi のビー
ム合成前後の光利用効率ηi は、 ηi =0.5i (但し、i=1,…,n−2) ηn-1 =ηn =0.5n-1 として表され、同様に、光ビーム数の増加に従い、光利
用効率が低下するとともに、光利用効率のビーム間偏差
が大きくなってしまう。例えば、 n=4の場合、 η1 =0.5,η2 =η3 =η4 =0.25 n=6の場合、 η1 =0.5,η2 =0.25,η3 =0.125,η4 =η5 =η
6 =0.0625 n=8の場合、 η1 =0.5,η2 =0.25,η3 =0.125,η4 =0.0625,
η5 =0.03125,η6 =η7 =η8 =0.0156 の如くなり、合成プリズム100における光利用効率の
ビーム間偏差が大きくなる。
【0009】このように、何れの方式にしても、光利用
効率が低下すると高出力の光源が必要となり、光源が高
価となる。また、光利用効率のビーム間偏差が大きいの
で、合成プリズム100から射出後の光量を各光ビーム
間で均一化させるためには、NDフィルタ等の光減衰手
段が別途必要になったり、合成プリズム100への入射
前の光量、即ち、各光源自体の発光出力を、各光ビーム
の光利用効率に応じて大きく異ならせるように設定する
必要が生ずる。
【0010】従って、光源として複数個の半導体レーザ
を用いる場合を考えると、同種の半導体レーザを使用す
る場合には最低の光利用効率に合わせて高出力の半導体
レーザとする必要があり、コスト高になるとともに、光
利用効率の高い光ビームに対応する半導体レーザの発光
出力が定格より著しく小さくなるため、LED発光成分
の比率が高くなり結像性能が劣化したり半導体レーザの
モニタ電流が微弱となり出力制御に支障を来すおそれが
ある。また、出力定格の異なる複数種類の半導体レーザ
を使用する場合には、種類が異なることにより半導体レ
ーザの光学的・電気的特性(例えば、波長、拡がり角、
モニタ電流、周波数応答特性等)が異なるため、各半導
体レーザの出力制御や感光体に対する結像性能に支障を
来すことが多くなる。さらに、図22の例のように複数
本の光ビームを1列状にビーム合成装置に入射させる構
成の場合、光ビーム数の増加に伴いビーム合成装置(合
成プリズム)がビーム配列方向において大型化してしま
う。
【0011】そこで、本発明は、多数の光ビームのマル
チビーム化を図る上で、ビーム合成前後の光量比なる光
利用効率が高く、かつ、その光利用効率を各光ビーム間
で均一化し得る比較的小型で簡易な構成のビーム合成装
置を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、上記目的を達成する上
で、光損失を最小限に抑え得るビーム合成装置を提供す
る。
【0013】さらには、このようなビーム合成装置を利
用することにより、合成出力される各光ビームの光出力
を均一化し得るマルチビーム光源装置及びマルチビーム
走査装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のビ
ーム合成装置は、略同一方向からマトリックス状に入射
するm*n(m≧3,n≧3)本の光ビームを合成する
ビーム合成装置であって、互いに平行に並設された(m
−1)面のビームスプリッタ面と1面の反射面とを有
し、入射したm*n本の光ビームを実質的に列状のn本
の光ビームに合成する第1のビーム合成手段と、互いに
平行に並設された(n−1)面のビームスプリッタ面と
1面の反射面とを有し、前記第1のビーム合成手段から
出射される列状のn本の光ビームを実質的に1本の光ビ
ームに合成する第2のビーム合成手段とを備え、各々の
ビーム合成手段におけるビーム合成前後の各光ビームの
光量比が各ビーム間で略均一となるように前記(m−
1)面のビームスプリッタ面及び前記(n−1)面のビ
ームスプリッタ面の透過率及び反射率が設定されてい
る。
【0015】従って、第1のビーム合成手段は互いに平
行に並設された(m−1)面のビームスプリッタ面と1
面の反射面とからなり、第2のビーム合成手段は互いに
平行に並設された(n−1)面のビームスプリッタ面と
1面の反射面とからなるので、第1のビーム合成手段の
ビームスプリッタ面の配列方向に対応してm列、第2の
ビーム合成手段のビームスプリッタ面の配列方向に対応
してn列のマトリックス状にm*n本の光ビームを第1
のビーム合成手段に入射させることにより、これらのm
*n本の光ビームを実質的に1本の光ビームに合成する
ことができる。併せて、第1のビーム合成手段の各ビー
ムスプリッタ面の反射率及び透過率をビーム合成前後の
光量比が略均一となるように設定し、かつ、第2のビー
ム合成手段の各ビームスプリッタ面の反射率及び透過率
をビーム合成前後の光量比が略均一となるように設定し
たので、m*n本の全ての光ビームについて入射ビーム
の光量をビーム間で同一としたまま、合成後の各光ビー
ムの光量を略均一とさせることができるとともに、ビー
ムスプリッタ面の透過/反射回数の多い光ビームについ
ても大きな光損失を生ずることもない。これにより、入
射ビームの光量を大きく異ならせたり発光出力の異なる
複数種類の光源を用いることなくビーム間のばらつきの
小さな多ビーム合成が可能になるとともに、全体的に高
い光利用効率を維持することができる。加えて、m*n
本の光ビームをマトリックス状に第1のビーム合成手段
に入射させるため、1列状にm*n本の光ビームを入射
させる構成に比べ、比較的小型な構成で多ビームの合成
が可能となる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載のビ
ーム合成装置において、前記(m−1)面のビームスプ
リッタ面を前記第1のビーム合成手段による被合成ビー
ムに近い方から順にBS1 ,BS2 ,…,BSm-1
し、これらの各ビームスプリッタ面の反射率及び透過率
を各々Ri ,Ti (i=1,2,…,m−1)とし、前
記(n−1)面のビームスプリッタ面を前記第2のビー
ム合成手段による被合成ビームに近い方から順にB
1′ ,BS2′ ,…,BSn-1′ とし、これらの各ビ
ームスプリッタ面の反射率及び透過率を各々Ri′ ,T
i′ (i=1,2,…,n−1)としたとき、各反射率
i ,Ri′ 及び透過率Ti ,Ti′ が、実質的に、 R2 =T1 /R1 又は R2 =R1 /T1i =Ri-1 /Ti-1 (但し、i=3,…,m−1) Rm-1 =Tm-12′ =T1′ /R1′ 又は R2′ =R1′ /
1′ Ri′ =Ri-1′ /Ti-1′ (但し、i=3,…,n−
1) Rn-1′ =Tn-1′ なる条件を満たすように設定されている。
【0017】従って、第1,2のビーム合成手段におけ
る各ビームスプリッタ面の反射率と透過率とが実質的に
所定の条件を満たすように設定されているので、ビーム
スプリッタ面の種類や特性によらず、第1,2のビーム
合成手段通過前後の光量比をビーム間で均一化させるこ
とができ、全体として、m*n本全ての光ビームについ
てビーム合成前後の光量比が各ビーム間で均一なビーム
合成装置を提供できる。
【0018】ここに、本発明及び以下の発明において、
「実質的に」とは、光ビーム合成前後の光量比のビーム
間偏差が、機能上、問題がない程度の誤差を含み得るこ
とを意味する。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項2記載のビ
ーム合成装置において、各反射率R i ,Ri′ 及び透過
率Ti ,Ti′ が、実質的に、 R1 :T1 =(m−1):1 又は R1 :T1 =1:
(m−1) Ri :Ti =1:(m−i)(但し、i=2,…,m−
1) R1′ :T1′ =(n−1):1 又は R1′ :T1
=1:(n−1) Ri′ :Ti′ =1:(n−i)(但し、i=2,…,n
−1) なる条件を満たすように設定されている。
【0020】従って、第1,2のビーム合成手段におけ
る各ビームスプリッタ面の光損失が無視できる程度に十
分に小さい場合に、各ビームスプリッタ面の各反射率及
び透過率が実質的に所定の条件を満たすように設定され
ているので、全体としてm*n本全ての光ビームについ
てビーム合成前後の光量比が各ビーム間で略均一となる
ようにして合成して出力させることができる。
【0021】請求項4記載の発明は、請求項2記載のビ
ーム合成装置において、前記(m−1)面のビームスプ
リッタ面の光損失を各々δ、前記(n−1)面のビーム
スプリッタ面の光損失を各々δ′としたとき、各反射率
i ,Ri′ 及び透過率Ti,Ti′ が、実質的に、 R1 ={(1+δ)(1−δ)2-m−1}/{(1+δ)(1−δ)
1-m−1} 又は、 R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1} Ri =δ/{(1+δ)(1−δ)i-m−1}(但し、i=
2,…,m−1) R1′ ={(1+δ′)(1−δ′)2- n−1}/{(1+δ′)
(1−δ′)1- n−1} 又は、 R1′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)1- n−1} Ri′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)i- n−1}(但し、
i=2,…,n−1) なる条件を満たすように設定されている。
【0022】従って、第1,2のビーム合成手段におけ
る各々のビームスプリッタ面の光損失を或る一定値で近
似できる場合に、各ビームスプリッタ面の各反射率及び
透過率が実質的に所定の条件を満たすように設定されて
いるので、全体としてm*n本全ての光ビームについて
ビーム合成前後の光量比が各ビーム間で略均一となるよ
うにして合成して出力させることができる。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項1記載のビ
ーム合成装置において、前記(m−1)面のビームスプ
リッタ面及び前記(n−1)面のビームスプリッタ面の
内の何れか1つが偏光ビームスプリッタ面である。
【0024】従って、請求項1記載の発明に加えて、ビ
ームスプリッタ面の内の何れか1つが偏光ビームスプリ
ッタであるので、入射ビームの偏光状態を適切に設定す
るだけで光損失を最小限に抑えることもできる。
【0025】請求項6記載の発明は、請求項5記載のビ
ーム合成装置において、前記第1のビーム合成手段中に
前記偏光ビームスプリッタ面を含む場合にはm′=m−
1、n′=n、前記第2のビーム合成手段中に前記偏光
ビームスプリッタ面を含む場合にはm′=m、n′=n
−1であって、前記偏光ビームスプリッタ面を除く
(m′−1)面のビームスプリッタ面を前記第1のビー
ム合成手段による被合成ビームに近い方から順にBS
1 ,BS2 ,…,BSm -1 とし、これらの各ビームス
プリッタ面の反射率及び透過率を各々Ri ,Ti (i=
1,2,…,m′−1)とし、前記偏光ビームスプリッ
タ面を除く(n′−1)面のビームスプリッタ面を前記
第2のビーム合成手段による被合成ビームに近い方から
順にBS1′ ,BS2′ ,…,BSn -1′ とし、これ
らの各ビームスプリッタ面の反射率及び透過率を各々R
i′ ,Ti′ (i=1,2,…,n′−1)としたと
き、各反射率Ri ,Ri′ 及び透過率Ti ,Ti′ が、
実質的に、 R2 =T1 /R1 又は R2 =R1 /T1i =Ri-1 /Ti-1 (但し、i=3,…,m′−1) Rm -1 =Tm -12′ =T1′ /R1′ 又は R2′ =R1′ /
1′ Ri′ =Ri-1′ /Ti-1′ (但し、i=3,…,n′
−1) Rn -1′ =Tn -1′ なる条件を満たすように設定されている。
【0026】従って、第1,2のビーム合成手段におけ
る1つの偏光ビームスプリッタを除く各ビームスプリッ
タ面の反射率と透過率とが実質的に所定の条件を満たす
ように設定されているので、ビームスプリッタ面の種類
や特性によらず、第1,2のビーム合成手段通過前後の
光量比をビーム間で均一化させることができ、全体とし
て、m*n本全ての光ビームについてビーム合成前後の
光量比が各ビーム間で均一なビーム合成装置を提供でき
る。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項6記載のビ
ーム合成装置において、各反射率R i ,Ri′ 及び透過
率Ti ,Ti′ が、実質的に、 R1 :T1 =(m′−1):1 又は R1 :T1 =1:
(m′−1) Ri :Ti =1:(m′−i)(但し、i=2,…,m′
−1) R1′ :T1′ =(n′−1):1 又は R1′ :
1′ =1:(n′−1) Ri′ :Ti′ =1:(n′−i)(但し、i=2,…,
n′−1) なる条件を満たすように設定されている。
【0028】従って、第1,2のビーム合成手段におけ
る1つの偏光ビームスプリッタを除く各ビームスプリッ
タ面の光損失が無視できる程度に十分に小さい場合に、
各ビームスプリッタ面の各反射率及び透過率が実質的に
所定の条件を満たすように設定されているので、全体と
してm*n本全ての光ビームについてビーム合成前後の
光量比が各ビーム間で略均一となるようにして合成して
出力させることができる。
【0029】請求項8記載の発明は、請求項6記載のビ
ーム合成装置において、前記(m′−1)面のビームス
プリッタ面の光損失を各々δ、前記(n′−1)面のビ
ームスプリッタ面の光損失を各々δ′としたとき、各反
射率Ri ,Ri′ 及び透過率Ti ,Ti′ が、実質的
に、 R1 ={(1+δ)(1−δ)2-m −1}/{(1+δ)(1−
δ)1-m −1} 又は、 R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m −1} Ri =δ/{(1+δ)(1−δ)i-m −1}(但し、i=
2,…,m′−1) R1′ ={(1+δ′)(1−δ′)2- n −1}÷{(1+
δ′)(1−δ′)1- n −1} 又は、 R1′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)1- n −1} Ri′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)i- n −1} (但し、i=2,…,n′−1)なる条件を満たすよう
に設定されている。
【0030】従って、第1,2のビーム合成手段におけ
る1つの偏光ビームスプリッタを除く各々のビームスプ
リッタ面の光損失を或る一定値で近似できる場合に、各
ビームスプリッタ面の各反射率及び透過率が実質的に所
定の条件を満たすように設定されているので、全体とし
てm*n本全ての光ビームについてビーム合成前後の光
量比が各ビーム間で略均一となるようにして合成して出
力させることができる。
【0031】請求項9記載の発明のマルチビーム光源装
置は、光ビームをマトリックス状に射出するm*n(m
≧3,n≧3)個の光源と、これらの各光源から射出さ
れるm*n本の光ビームが第1のビーム合成手段に入射
される請求項1ないし8の何れか一に記載のビーム合成
装置とを備える。
【0032】従って、ビーム合成装置から合成されて出
力される各光ビームの合成前後の光量比が各ビーム間で
均一化され、かつ、光利用効率が高いので、光源として
は比較的低出力の同種のものを使用することができ、よ
って、比較的低コストにてビーム間の特性のばらつきの
少ない多ビームのマルチビーム光源装置となる。
【0033】請求項10記載の発明のマルチビーム走査
装置は、請求項9記載のマルチビーム光源装置と、この
マルチビーム光源装置のビーム合成装置から実質的に1
本に合成されて出力されるm*n本の光ビームを偏向走
査させる偏向手段と、この偏向手段により偏向走査され
るm*n本の光ビームを感光体上に光スポットとして結
像させる結像光学系とを備える。
【0034】従って、多ビームについて各ビーム間の特
性のばらつきの少ない状態で良好に感光体に対して光書
込みを行わせることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
に基づいて説明する。本実施の形態は、ビーム合成装置
1に適用されている。このビーム合成装置1は、第1の
ビーム合成手段S1と第2のビーム合成手段S2との組
合せとして構成されている。xyz座標系において、第
1のビーム合成手段S1はy方向に幅を持ってz方向に
並設され、x,z両方向に対して各々45°の角度に設
定された(m−1)個(ただし、m≧3)のビームスプ
リッタBS1 ,BS2 ,…,BSm-1 と1個のミラーM
とからなる。同じく、xyz座標系において、第2のビ
ーム合成手段S2はy方向に並設され、x,y両方向に
対して各々45°の角度に設定された(n−1)個(た
だし、n≧3)のビームスプリッタBS1′ ,BS2
,…,BSn-1′と1個のミラーM′とからなる。な
お、いうまでもないが、本実施の形態の構成において
は、ミラーM,M′の表面又は裏面には反射面が形成さ
れ、各ビームスプリッタBS1 ,BS2 ,…,BS
m-1 ,BS1′ ,BS2′ ,…,BSn-1′の表面又は
裏面にはビームスプリッタ面が形成されており、ミラー
M,M′と反射面とは等価的であり、ビームスプリッタ
BS1 ,BS2 ,…,BSm-1 ,BS 1′ ,BS2′ ,
…,BSn-1′とビームスプリッタ面とは等価的であ
る。
【0036】従って、図1に示すように、z方向にm
本、y方向にn本のマトリックス状配列のm*n本の光
ビームBM11,BM21,…,BMn1,BM12,…,BM
n2,…,BM1m,…、BMnmを略同一方向なるx方向か
ら第1のビーム合成手段S1に入射させると、これらの
光ビームは、各々対応するミラーM、各ビームスプリッ
タBS1 ,BS2 ,…,BSm-1 により適宜反射・透過
を繰り返すことでx−z平面内で順次合成され、y方向
へのn本の列状の光ビームBMc1,BMc2,…,BMcn
に合成されて射出する。図1に示す例では、入射方向と
同一のx方向に射出される。第1のビーム合成手段S1
から射出されたこれらのn本の列状の光ビームBMc1
BMc2,…,BMcnは、第2のビーム合成手段S2へ入
射し、そのミラーM′、各ビームスプリッタBS1′ ,
BS2′ ,…,BSn-1′ により適宜反射・透過を繰り
返すことでx−y平面内で順次合成されて、最終的に、
第2のビーム合成手段S2への入射方向と同一方向への
被合成ビームBMcc1又は直交方向への被合成ビームB
cc2なる実質的に1本の光ビームとして射出する。
【0037】ここに、本実施の形態では、以下に詳述す
るように、第1,2のビーム合成手段S1,S2におけ
る各ビームスプリッタBS1 ,BS2 ,…,BSm-1
BS 1′ ,BS2′ ,…,BSn-1′は、その反射率、
透過率が、各ビーム合成手段S1,S2におけるビーム
合成前後の光量比がほぼ均一となるように所定値に設定
されているので、本実施の形態のビーム合成装置1によ
り合成された光ビームはm*n本全てについてビーム合
成前後のビーム間偏差が小さいビーム合成を行なうこと
が可能となる。
【0038】いま、第1のビーム合成手段S1における
(m−1)枚のビームスプリッタに関して、第1のビー
ム合成手段S1による被合成ビームBMc1,BMc2
…,BMcnに近い方から順に、BS1 ,BS2 ,…,B
m-1 とし、各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1
の反射率及び透過率を各々Ri ,Ti (i=1,…,m
−1)とし、同様に、第2のビーム合成手段S2におけ
る(n−1)枚のビームスプリッタに関して、第2のビ
ーム合成手段S2による被合成ビームBMcc1又はBM
cc2に近い方から順に、BS1′ ,BS2′ ,…,BS
n-1′ とし、各ビームスプリッタBS1′ ,…,BS
n-1′ の反射率及び透過率を各々Ri′ ,T i′ (i=
1,…,n−1)としたとき、各反射率Ri ,Ri′ 及
び透過率Ti,Ti′ が、実質的に、下記の条件(1)
(2) R2 =T1 /R1 ……………………………………条件(1-1) 又は、 R2 =R1 /T1 ……………………………………条件(1-1)′ Ri =Ri-1 /Ti-1 (但し、i=3,…,m−1)……条件(1-2) Rm-1 =Tm-1 ……………………………………条件(1-3) …………………………………条件(1) R2′ =T1′ /R1′ ……………………………条件(2-1) 又は、 R2′ =R1′ /T1′ ……………………………条件(2-1)′ Ri′ =Ri-1′ /Ti-1′(但し、i=3,…,n−1)条件(2-2) Rn-1′ =Tn-1′ ………………………………条件(2-3) …………………………………条件(2) を満たすように設定されている。
【0039】まず、条件(1)は、第1のビーム合成手
段S1において各光ビームの合成前後の光量比を全ての
ビーム間で略均一とするための条件である。これらの
内、条件(1-1) は被合成ビームBMc1,…,BMcnを入
射方向と同一方向に取出す場合、条件(1-1)′ は被合成
ビームBMc1,…,BMcnを入射方向と直交する方向に
取出す場合の条件を示す。また、「実質的に」とは、ビ
ーム合成前後の光量比のビーム間偏差が、機能上、問題
がない程度の誤差を含み得ることを意味し、厳密に偏差
が零である必要がないことを意味する(以下の各実施の
形態においても同様である)。
【0040】具体的に、ミラーMの光損失が十分に小さ
いものとして、第1のビーム合成手段S1へ入射するm
列の各光ビームBMj1,…,BMjm(j=1,2,…,
n)の入射方向(x方向)へのビーム合成前後の光利用
効率ηi (被合成ビームBM c1,…,BMcnに最も近い
ビーム列(BM11,…,BMn1)から順にη1 ,…,η
m とする)を考えると、条件(1-1),(1-2),(1-3) を満
足する場合、 η1 =T1 η2 =R2・R1=(T1/R1)・R1=T1 =η1 η3 =R3・T2・R1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 η4 =R4・T3・T2・R1 =(R3/T3)・T3・T2・R1=R3・T2・R1=η3 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・R1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T3・T2・R1 =Ri-1・Ti-2・…・T3・T2・R1=ηi-1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 =ηm-1 となり、第1のビーム合成手段S1によるm列の光ビー
ムのビーム合成において、m列の全ての光ビームの光利
用効率が等しくなる(η1 =η2 =…=ηm =T 1 )。
【0041】同様に、ミラーMの光損失が十分に小さい
ものとして、第1のビーム合成手段S1へ入射するm列
の各光ビームBMj1,…,BMjm(j=1,2,…,
n)の入射方向に直交する方向(z方向)へのビーム合
成前後の光利用効率ηi (被合成ビームBMc1,…,B
cnに最も近いビーム列(BM11,…,BMn1)から順
にη1 ,…,ηm とする)を考えると、条件(1-1)′,
(1-2),(1-3) を満足する場合、 η1 =R1 η2 =R2・T1=(R1/T1)・T1=R1 =η1 η3 =R3・T2・T1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 η4 =R4・T3・T2・T1 =(R3/T3)・T3・T2・T1=R3・T2・T1=η3 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・T1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T3・T2・T1 =Ri-1・Ti-2・…・T3・T2・T1=ηi-1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1=ηm-2 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1=ηm-2 =ηm-1 となり、第1のビーム合成手段S1によるm列の光ビー
ムのビーム合成において、m列の全ての光ビームの光利
用効率が等しくなる(η1 =η2 =…=ηm =R 1 )。
【0042】また、条件(2)は、第2のビーム合成手
段S2において各光ビームの合成前後の光量比を全ての
ビーム間で略均一とするための条件である。これらの
内、条件(2-1) は入射方向と同一方向に被合成ビームB
cc1 を取出す場合、条件(2-1)′ は入射方向に直交す
る方向に被合成ビームBMcc2 を取出す場合の条件を示
す。
【0043】条件(2)についても基本的には条件
(1)の場合と同様であり、詳細は省略するが、ミラー
M′の光損失が十分に小さいものとし、第2のビーム合
成手段S2へ入射する光ビームBMc1,…,BMcnの入
射方向と同一方向への被合成ビームBMcc1 としてのビ
ーム合成前後の光利用効率ηi′ (被合成ビームBM
cc1に最も近い光ビームBMc1から順にη1′ ,…,
ηn′ とする)を考えると、条件(2-1),(2-2),(2-3)
を満足する場合、η1′ =η2 =…=ηn =T1
となる。また、ミラーM′の光損失が十分に小さいもの
とし、第2のビーム合成手段S2へ入射する光ビームB
c1,…,BMcnの入射方向と直交する方向への被合成
ビームBMcc2 としてのビーム合成前後の光利用効率η
i′ (被合成ビームBMcc2 に最も近い光ビームBMc1
から順にη1′ ,…,ηn′ とする)を考えると、条件
(2-1) ′,(2-2),(2-3) を満足する場合、η1′ =
η2 =…=ηn =R1′ となる。よって、何れの場
合にも、第2のビーム合成手段S2によるビーム合成前
後の光利用効率が全ての光ビームについて等しくなる。
【0044】従って、条件(1)及び条件(2)を同時
に満足することにより、m*n本の全ての光ビームを、
同一の光利用効率で合成することができる。このとき、
各光ビームBMji(i=1,…,m、j=1,…,n)
の光利用効率Ejiは、 条件(1-1),(1-2),(1-3),(2-1),(2-2),(2-3)を満足
する場合、 Eji=ηi・ηj′=T1・T1′ 条件(1-1),(1-2),(1-3),(2-1)′,(2-2),(2-3)を満
足する場合、 Eji=ηi・ηj′=T1・R1′ 条件(1-1)′,(1-2),(1-3),(2-1),(2-2),(2-3)を満
足する場合、 Eji=ηi・ηj′=R1・T1′ 条件(1-1)′,(1-2),(1-3),(2-1)′,(2-2),(2-3)を
満足する場合、 Eji=ηi・ηj′=R1・R1′ として表される。
【0045】なお、幾つかの変形例について図2ないし
図11を参照して説明する。図2に示す第1の変形例
は、第1のビーム合成手段S1による被合成ビームBM
c1,…,BMcnを光ビームの入射方向と直交する方向
(z方向)に取出す構成とした場合のビーム合成装置2
である。このような被合成ビームの取出しに対応して、
第2のビーム合成手段S2は、y方向に並設され、y,
z両方向に対して各々45°の角度に設定された(n−
1)面のビームスプリッタBS1′ ,BS2′ ,…,B
n-1′ と1面のミラーM′とからなる。
【0046】従って、第1のビーム合成手段S1により
合成され、z方向に射出されるn列の被合成ビームBM
c1,…,BMcnは、第2のビーム合成手段S2によりy
−z平面内で適宜反射・透過を繰返すことで順次合成さ
れ、最終的に、これらの被合成ビームBMc1,…,BM
cnの入射方向と同一方向への被合成ビームBMcc1 又は
直交する方向への被合成ビームBMcc2 として射出され
る。
【0047】このようなビーム合成装置2においても、
第1,2のビーム合成手段S1,S2における各ビーム
スプリッタBS1 ,BS2 ,…,BSm-1 ,BS1′ ,
BS 2′ ,…,BSn-1′は、その反射率、透過率が、
実質的に、前述した条件(1)(2)を満たすように設
定されている。よって、このようなビーム合成装置2の
場合にも、ビーム合成装置1と同様な効果が得られる。
【0048】図3ないし図6に示す第2の変形例は、ビ
ーム合成装置1に対応するビーム合成装置3をプリズム
構成により一体化構造としたものである。図3はビーム
合成装置3の構成例を示す斜視図、図4はその分解斜視
図、図5は平面図、図6は側面図である。従って、図1
における第1のビーム合成手段S1と第2のビーム合成
手段S2とがともにビーム合成プリズムとして構成さ
れ、接着等により一体化されている。即ち、第1のビー
ム合成手段S1にあっては(m−1)個のビームスプリ
ッタBS1 ,…,BSm-1 が各々ビームスプリッタ面B
1 ,…,BSm- 1 として構成され、1個のミラーMが
内面反射面Mとして構成されている。また、第2のビー
ム合成手段S2にあっては(n−1)個のビームスプリ
ッタBS1,…,BSn-1 が各々ビームスプリッタ面B
1 ,…,BSn-1 として構成され、1個のミラーM′
が内面反射面M′として構成されている。
【0049】ここに、このようなビーム合成装置3にお
いても、第1,2のビーム合成手段S1,S2における
各ビームスプリッタ面BS1 ,BS2 ,…,BSm-1
BS 1′ ,BS2′ ,…,BSn-1′は、その反射率、
透過率が、実質的に、前述した条件(1)(2)を満た
すように設定されている。よって、このようなビーム合
成装置4の場合にも、ビーム合成装置1と同様な効果が
得られる。特に、この変形例のようにプリズム構成とし
た場合には、内面反射面M,M′では光ビームが全反射
するために内面反射面M,M′での光損失を殆ど生じな
い上に、全体が一体化構造となるため、コンパクトとな
り、ビーム合成装置3が傾いたり位置ずれを起こしても
第1,2ビーム合成手段S1,S2各々において各ビー
ムスプリッタ面BS1 ,…,BSm-1 、BS1′ ,BS
2′ ,…,BSn-1′間の相対角度が変動することがな
く、ビーム合成後の各ビーム間の角度は一定に保たれ、
安定したビーム合成を行えるものとなる。また、第1,
2のビーム合成手段S1,S2間もプリズム構造の接着
等により一体化されているので、振動等による外乱や経
時変化などがあっても各面が全て同時に動くため、射出
ビームの方向を安定させることができる。
【0050】図7ないし図11に示す第3の変形例は、
ビーム合成装置2に対応するビーム合成装置4をビーム
合成装置3と同様にプリズム構成により一体化構造とし
たものである。図7はビーム合成装置4の構成例を示す
斜視図、図8はその分解斜視図、図9は平面図、図10
は正面図、図11は側面図である。この変形例による場
合、基本的には第2の変形例のビーム合成装置3の場合
と同様な効果が得られる。
【0051】なお、図1や図3ないし図6に示したビー
ム合成装置1,3のように第1のビーム合成手段S1に
よる被合成ビームBMc1,…,BMcnをビーム入射方向
と同一方向(x方向)へ取出す構成とした場合、入射ビ
ームに直交する方向(z方向)においてビーム合成装置
1,3を小型な構成とすることができる。一方、図2や
図7ないし図11に示したビーム合成装置2,4のよう
に第1のビーム合成手段S1による被合成ビームB
c1,…,BMcnをビーム入射方向と直交する方向(z
方向)へ取出す構成とした場合、入射ビームの進行方向
(x方向)においてビーム合成装置2,4を小型な構成
とすることができる。
【0052】また、前述した条件(1)のように、第1
のビーム合成手段S1による被合成ビームBMc1,…,
BMcnをビーム入射方向と同一方向へ取出す構成とする
か、ビーム入射方向と直交する方向へ取出す構成とする
かによって、各ビームスプリッタ面BS1 ,…,BS
m-1の透過率、反射率の最適な設定値が変わる(透過率
と反射率とが入れ替わる)。同様に、前述した条件
(2)のように、第2のビーム合成手段S2による最終
的な被合成ビームを、第1のビーム合成手段S1による
被合成ビームBMc1,…,BMcnと同一方向の被合成ビ
ームBMcc1 を利用するか、直交する方向の被合成ビー
ムBMcc2 を利用するかによって、各ビームスプリッタ
面BS1′ ,…,BSn-1′の透過率、反射率の最適な
設定値が変わる(透過率と反射率とが入れ替わる)。
【0053】ここに、本実施の形態及び各変形例におい
て、第1のビーム合成手段S1に関する条件(1)は各
ビームスプリッタ面BS1 ,…,BSm-1 の光損失δi
(=1−Ri −Ti )(i=1,…,m−1)に依ら
ず、ビーム合成前後の光量比を一定とするための条件で
ある。即ち、各ビームスプリッタ面BS1 ,…,BSm-
1 の光損失δi が決まれば、条件(1-3) によりビームス
プリッタ面BSm-1 の反射率Rm-1 、透過率Tm-1 の設
定値は、 Rm-1 =Tm-1 =(1−δm-1 )/2 として求められる。次に、ビームスプリッタ面BSm-2
の反射率Rm-2 、透過率Tm-2 の設定値は、一般式:R
m-2 +Tm-2 =1−δm-2 、及び、条件(1-2) から導出
される式:Rm-2 /Tm-2 =Rm-1 により、 m-2 =Rm-1・(1−δm-2 )/(1+Rm-1) Tm-2 =(1−δm-2 )/(1+Rm-1) として求められる。以下、同様に、一般式:Ri +Ti
=1−δi 、及び、条件(1-2) に基づき、各ビームスプ
リッタ面BSm-3 ,…,BS2 の各々の反射率及び透過
率の設定率が順次求められ、最後に、条件(1-1) 又は条
件(1-1)′ によりビームスプリッタ面BS1 の反射率R
1 、透過率T1 の設定値が求められる。従って、条件
(1)を満足することにより、各ビームスプリッタ面B
1 ,…,BSm-1 の光損失δi によらずに、第1のビ
ーム合成手段S1によるビーム合成前後の光量比を一定
とすることができる。
【0054】条件(2)についても、条件(1)の場合
と同様にして、第2のビーム合成手段S2における各ビ
ームスプリッタ面BS1′ ,…,BSn-1′ の反射率、
透過率の設定値が求められる。従って、条件(2)を満
足することにより、各ビームスプリッタ面BS1′ ,
…,BSn-1′の光損失δi′ によらずに、第2のビー
ム合成手段S2によるビーム合成前後の光量比を一定と
することができる。
【0055】ちなみに、m=3のときに満たすべき条件
は、 R2 =T21 /R1 =R2 又は T1 /R1 =R2 n=3のときに満たすべき条件は、 R2′ =T2′ T1′ /R1′ =R2′ 又は T1′ /R1′ =
2′ である。
【0056】ところで、ビームスプリッタ面には、様々
な種類があるが、一般には、ガラス等の基体上に金属や
誘電体膜をコーティングすることにより作製される。例
えば、クロム等による金属コーティングしたものは、光
損失は比較的大きいが、入射ビームの波長、偏光状態に
よる影響が少なく、かつ、角度依存性も小さいという特
長がある。また、誘電体多層膜コーティングしたもの
は、入射ビームの波長、偏光状態による影響を受けやす
く、かつ、角度依存性が大きいが、光損失が殆どないと
いう特長がある。さらに、全誘電体無偏光コーティング
されたものは、光損失が小さく入射ビームの偏光状態の
影響も受けにくいという特長がある。また、金属+誘電
体なるハイブリッドコーティングされたものは、双方の
長所を併有する特長がある。これらは何れも使用可能で
あり、ビーム合成装置1〜4の用途に応じて適宜選択さ
れる。
【0057】また、このようなビーム合成装置1〜4に
関して、入射側と出射側とを逆にすれば、ビーム分割装
置として機能し得ることはいうまでもない(以下の各実
施の形態のビーム合成装置でも同様である)。即ち、第
2のビーム合成手段S2の射出側から光ビームを入射さ
せることにより、均一な光量のm*n本の光ビームに分
割して射出させることができる。
【0058】本発明の第二の実施の形態を図1に基づい
て説明する。本実施の形態も、ビーム合成装置1に適用
されており、基本的には、第一の実施の形態の場合と同
様であるが、第1のビーム合成手段S1における(m−
1)枚のビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1 、及
び、第2のビーム合成手段S2における(n−1)枚の
ビームスプリッタBS1′ ,…,BSn-1′の光損失が
無視できる程度に十分小さい場合に適用されている。
【0059】このような前提の下、各ビームスプリッタ
BS1 ,…,BSm-1 の各反射率R i 及び透過率Ti
(Ri +Ti ≦1)、各ビームスプリッタBS1′ ,
…,BS n-1′の各反射率Ri′ 及び透過率Ti
(Ri′ +Ti′ ≦1)が、実質的に、下記の条件
(3)(4) R1 :T1 =(m−1):1 ………………………………条件(3-1) 又は、R1 :T1 =1:(m−1) ……………………条件(3-1)′ Ri :Ti =1:(m−i)(但し、i=2,…,m−1) …………………………………条件(3-2) …………………………………条件(3) R1′ :T1′ =(n−1):1 …………………………条件(4-1) 又は、R1′ :T1′ =1:(n−1) ………………条件(4-1)′ Ri′ :Ti′ =1:(n−i)(但し、i=2,…,n−1) …………………………………条件(4-2) …………………………………条件(4) を満たすように設定されている。
【0060】まず、条件(3)は、各ビームスプリッタ
BS1 ,…,BSm-1 の光損失が無視できる程度に十
分小さい場合に、第1のビーム合成手段S1によるビー
ム合成前後の光量比を全てのビーム間で略均一とするた
めの条件である。これらの内、条件(3-1) は入射ビーム
と同一方向に被合成ビームBMc1,…,BMcnを取出す
場合、条件(3-1)′ は入射ビームと直交する方向に被合
成ビームBMc1,…,BMcnを取出す場合の条件を示
す。
【0061】具体的に、第1のビーム合成手段S1に関
して、各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1 の光損
失がない(Ri +Ti =1)ものとして、第1のビーム
合成手段S1へ入射するm列の各光ビームBMj1,…,
BMjm(j=1,2,…,n)の入射方向(x方向)へ
のビーム合成前後の光利用効率ηi (被合成ビームBM
c1,…,BMcnに最も近いビーム列(BM11,…,BM
n1)から順にη1 ,…,ηm とする)を考えると、条件
(3-1),(3-2)を満足する場合、 η1 =T1 =1/m η2 =R2・R1={1/(m−1)}・{(m−1)/m}=1/m η3 =R3・T2・R1 ={1/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m}=1/m η4 =R4・T3・T2・R1 ={1/(m−3)}・{(m−3)/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)} ・{(m−1)/m} =1/m 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・R1 ={1/(m−i+1)}・{(m−i+1)/(m−i+2)} ・{(m−i+2)/(m−i+3)}・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m となり、全ての光ビームの光利用効率η1 ,…,ηm
1/mで等しくなる。
【0062】同様に、各ビームスプリッタBS1 ,…,
BSm-1 の光損失がない(Ri +T i =1)ものとし
て、第1のビーム合成手段S1へ入射するm列の各光ビ
ームBMj1,…,BMjm(j=1,2,…,n)の入射
方向に直交する方向(z方向)へのビーム合成前後の光
利用効率ηi (被合成ビームBMc1,…,BMcnに最も
近いビーム列(BM11,…,BMn1)から順にη1
…,ηm とする)を考えると、条件(3-1)′,(3-2)を満
足する場合、 η1 =R1 η2 =R2・T1={1/(m−1)}・{(m−1)/m}=1/n η3 =R3・T2・T1 ={1/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m}=1/m η4 =R4・T3・T2・T1 ={1/(m−3)}・{(m−3)/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)} ・{(m−1)/m} =1/m 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・T1 ={1/(m−i+1)}・{(m−i+1)/(m−i+2)} ・{(m−i+2)/(m−i+3)}・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m となり、全ての光ビームの光利用効率η1 ,…,ηm
1/mで等しくなる。
【0063】また、条件(4)は、各ビームスプリッタ
BS1′ ,…,BSn-1′ の光損失が無視できる程度に
十分小さい場合に、第2のビーム合成手段S2によるビ
ーム合成前後の光量比を全てのビーム間で略均一とする
ための条件である。これらの内、条件(4-1) は入射方向
と同一方向に被合成ビームBMcc1 を取出す場合、条件
(4-1)′ は入射方向に直交する方向に被合成ビームBM
cc2 を取出す場合の条件を示す。
【0064】条件(4)についても基本的には条件
(3)の場合と同様であり、詳細は省略するが、ミラー
M′の光損失が十分に小さいものとし、第2のビーム合
成手段S2へ入射する光ビームBMc1,…,BMcnの入
射方向と同一方向への被合成ビームBMcc1 としてのビ
ーム合成前後の光利用効率ηi′ (被合成ビームBM
cc1に最も近い光ビームBMc1から順にη1′ ,…,
ηn′ とする)を考えると、条件(4-1),(4-2)を満足す
る場合、η1′ =η2 =…=ηn =1/nとなる。
また、ミラーM′の光損失が十分に小さいものとし、第
2のビーム合成手段S2へ入射する光ビームBMc1
…,BMcnの入射方向と直交する方向への被合成ビーム
BMcc2 としてのビーム合成前後の光利用効率ηi
(被合成ビームBMcc 2 に最も近い光ビームBMc1から
順にη1′ ,…,ηn′ とする)を考えると、条件(4-
1) ′,(4-2)を満足する場合、η1′ =η2 =…=η
n =1/nとなる。よって、何れの場合にも、第2の
ビーム合成手段S2によるビーム合成前後の光利用効率
が全ての光ビームについて等しくなる。
【0065】従って、条件(3)及び条件(4)を同時
に満足することにより、m*n本の全ての光ビームを、
同一の光利用効率で合成することができる。このとき、
各光ビームBMji(i=1,…,m、j=1,…,n)
の光利用効率Ejiは、 Eji=ηi・ηj′=1/(m*n) として表される。
【0066】なお、本実施の形態でも、変形例として例
示した各ビーム合成装置2〜4に同様に適用できる。即
ち、各ビームスプリッタ面BS1 ,…,BSm-1 、BS
1′,…,BSn-1′に関して、各反射率Ri ,Ri′ 及
び透過率Ti ,Ti′ が、実質的に、前述した条件
(3)(4)を満たすように設定されていればよい。
【0067】ここで、一例として、条件(3-1),(3-2),
(4-1),(4-2)の具体的数値例を示すと、 m=n=3(ビーム総数9)の場合 BS11 :T1 =2:1,R1 =0.667, T1 =0.333 BS22 :T2 =1:1,R2 =0.5 , T2 =0.5 BS1′ R1′:T1′=2:1,R1′=0.667, T1′=0.333 BS2′ R2′:T2′=1:1,R2′=0.5 , T2′=0.5 ηi =0.333(=1/m)(i=1,2,3) ηj′ =0.333(=1/n)(j=1,2,3) Eji=0.111(=1/(m*n))(i=1,2,3,j=1,2,3) m=n=4(ビーム総数16)の場合 BS11 :T1 =3:1,R1 =0.75 , T1 =0.25 BS22 :T2 =1:2,R2 =0.333, T2 =0.667 BS33 :T3 =1:1,R3 =0.5 , T3 =0.5 BS1′ R1′:T1′=3:1,R1′=0.75 , T1′=0.25 BS2′ R2′:T2′=1:2,R2′=0.333, T2′=0.667 BS3′ R3′:T3′=1:1,R3′=0.5 , T3′=0.5 ηi =0.25(=1/m)(i=1,…,4) ηj′=0.25(=1/n)(j=1,…,4) Eji=0.0625(=1/(m*n))(i=1,…,4,j=1,…,4) m=n=5(ビーム総数25)の場合 BS11 :T1 =4:1,R1 =0.8 , T1 =0.2 BS22 :T2 =1:3,R2 =0.25 , T2 =0.75 BS33 :T3 =1:2,R3 =0.333, T3 =0.667 BS44 :T4 =1:1,R4 =0.5 , T4 =0.5 BS1′ R1′:T1′=4:1,R1′=0.8 , T1′=0.2 BS2′ R2′:T2′=1:3,R2′=0.25 , T2′=0.75 BS3′ R3′:T3′=1:2,R3′=0.333, T3′=0.667 BS4′ R4′:T4′=1:1,R4′=0.5 , T4′=0.5 ηi =0.2(=1/m)(i=1,…,5) ηj′=0.2(=1/n)(j=1,…,5) Eji=0.04(=1/(m*n))(i=1,…,5,j=1,…,5) となる。
【0068】なお、条件(3-1)′,(3-2),(4-1)′,(4-
2)の具体的数値例としては、上記数値例中のR1 とT1
の数値を入替えればよい。
【0069】ちなみに、ビームスプリッタ面を図22に
示した従来のように全てハーフミラーとしたときの光利
用効率は、その最小値をEmin 、最大値をEmax とする
と(光損失はないものとする)、 ビーム総数m*n=9の場合 Emin=0.00391、Emax=0.5、Emax/Emin=128 ビーム総数m*n=16の場合 Emin=3.05×10-5、Emax=0.5、Emax/Emin=16384 ビーム総数m*n=25の場合 Emin=5.96×10-8、Emax=0.5、Emax/Emin=8.39×106 となるので、本実施の形態及び各変形例による効果が明
らかである。
【0070】例えば、仮に光利用効率のビーム間偏差が
3〜4倍程度まで許容されると仮定すると、各ビームス
プリッタ面の反射率Ri (Rj′ )、透過率Ti
(Tj′ )の上記設定値の許容範囲として、Ri
(Rj′ )、Ti (Tj′ )の内で大きい方をXi (X
j′ )としたときに(ただし、i=1,…,m−1、j
=1,…,n−1)、Xi に対しては概ね±{(√2)
1/(m-1)−1}×100%程度まで、Xj′ に対しては
概ね±{(√2)1/(n-1)−1}×100%程度まで許
容されることになり、許容範囲の大きいものとなる。
【0071】条件(3-1)′,(3-2),(4-1)′,(4-2)によ
る場合も同様である。
【0072】本発明の第三の実施の形態を図1に基づい
て説明する。本実施の形態も、ビーム合成装置1に適用
されており、基本的には、第一の実施の形態の場合と同
様であるが、第1のビーム合成手段S1における(m−
1)枚のビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1 の光損
失が無視できないほぼ等しい一定値δを持ち、第2のビ
ーム合成手段S2における(n−1)枚のビームスプリ
ッタBS1′ ,…,BSn-1′ の光損失が無視できない
ほぼ等しい一定値δ′を持つ場合に適用されている。こ
のような前提の下、各ビームスプリッタBS1 ,…,B
m-1 の各反射率Ri 及び透過率Ti (Ri +Ti =1
−δ)、各ビームスプリッタBS1′ ,…,BSn-1
の各反射率Ri′ 及び透過率Ti′ (Ri′+Ti′=1
−δ′)が、実質的に、下記の条件(5)(6) R1 ={(1+δ)(1−δ)2-m−1}/{(1+δ)(1−δ)1-m−1} ………………………条件(5-1) 又は、 R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1} ………条件(5-1)′ Ri =δ/{(1+δ)(1−δ)i-m−1}(但し、i=2,…,m−1) …………………………………条件(5-2) …………………………………条件(5) R1′ ={(1+δ′)(1−δ′)2- n−1}/{(1+δ′)(1−δ′)1- n−1} ………………………条件(6-1) 又は、 R1′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)1- n−1} ………条件(6-1)′ Ri′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)i- n−1}(但し、i=2,…,n−1) …………………………………条件(6-2) …………………………………条件(6) を満たすように設定されている。
【0073】まず、条件(5)は、第1のビーム合成手
段S1における各ビームスプリッタBS1 ,…,BS
m-1 の光損失が無視できない一定値δを持つ場合に、こ
の第1のビーム合成手段S1によるビーム合成前後の光
量比を全てのビーム間で略均一とするための条件であ
る。これらの内、条件(5-1) は入射ビームと同一方向に
被合成ビームBMc1,…,BMcnを取出す場合、条件(5
-1)′ は入射ビームと直交する方向に被合成ビームBM
c1,…,BMcnを取出す場合の条件を示す。
【0074】ここで、条件(5-2) より、第1のビーム合
成手段S1の各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1
の透過率Ti は、 Ti =1−δ−Ri ={(1+δ)(1−δ)i-m+1−1}/{(1+δ)(1−δ)i-m−1} (但し、i=2,…,m−1)であるので、Ti =Ri
/Ri+1 (i=2,…,m−2)、即ち、Ri =Ri-1
/Ti-1 (i=3,…,m−1)と表される。また、条
件(5-2) より、 Rm-1 =δ/{(1+δ)(1−δ)-1−1} =(1−δ)/2 Tm-1 =1−δ−Rm-1 =(1−δ)/2=Rm-1 となる。
【0075】具体的に、ミラーMの光損失が十分に小さ
く、各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1 の光損失
が一定値δを持つものとして、第1のビーム合成手段S
1へ入射するm列の各光ビームBMj1,…,BMjm(j
=1,2,…,n)の入射方向(x方向)へのビーム合
成前後の光利用効率ηi (被合成ビームBMc1,…,B
cnに最も近いビーム列(BM11,…,BMn1)から順
にη1 ,…,ηm とする)を考えると、条件(5-1),(5-
2)を満足する場合、 η1 =T1 =1−δ−R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1} η2 =R2・R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)2-m−1}・{(1+δ)(1−δ)1-m−1} =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1}=η1 η3 =R3・T2・R1=(R2/T2)・T2・R1=R2・R1=η2 =η1 η4 =R4・T3・T2・R1=(R3/T3)・T3・T2・R1 =R3・T2・R1=η3 =η1 〜 ηi =Ri・Ti-1・Ti-2・…・T2・R1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T2・R1 =Ri-1・Ti-2・…・T2・R1=ηi-1 =η1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T2・R1=ηm-2 =η1 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1=ηm-1 =η1 となり、第1のビーム合成手段S1に入射したm列の全
ての光ビームの光利用効率η1 ,…,ηm がδ/{(1+
δ)(1−δ)1-m−1}として等しくなる。
【0076】同様に、ミラーMの光損失が十分に小さ
く、各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1 の光損失
が一定値δを持つものとして、第1のビーム合成手段S
1へ入射するm列の各光ビームBMj1,…,BMjm(j
=1,2,…,n)の入射方向と直交する方向(z方
向)へのビーム合成前後の光利用効率ηi (被合成ビー
ムBMc1,…,BMcnに最も近いビーム列(BM11
…,BMn1)から順にη1 ,…,ηm とする)を考える
と、条件(5-1)′,(5-2)を満足する場合、 η1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1} η2 =R2・T1 =δ/{(1+δ)(1−δ)2-m−1}・(1−δ−R1) =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1}=η1 η3 =R3・T2・T1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 =η1 η4 =R4・T3・T2・T1=(R3/T3)・T3・T2・T1 =R3・T2・T1=η3 =η1 〜 ηi =Ri・Ti-1・Ti-2・…・T2・T1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T2・T1 =Ri-1・Ti-2・…・T2・T1=ηi-1 =η1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =Rm-2・Tm-3・…・T2・T1=ηm-2 =η1 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1=ηm-1 =η1 となり、第1のビーム合成手段S1に入射したm列の全
ての光ビームの光利用効率η1 ,…,ηm がδ/{(1+
δ)(1−δ)1-m−1}として等しくなる。
【0077】また、条件(6)は、第2のビーム合成手
段S2における各ビームスプリッタBS1′ ,…,BS
n-1′ の光損失が無視できない一定値δ′を持つ場合
に、第2のビーム合成手段S2によるビーム合成前後の
光量比を全てのビーム間で略均一とするための条件であ
る。これらの内、条件(6-1) は入射方向と同一方向に被
合成ビームBMcc1 を取出す場合、条件(6-1)′ は入射
方向に直交する方向に被合成ビームBMcc2 を取出す場
合の条件を示す。
【0078】条件(6)についても基本的には条件
(5)の場合と同様であり、詳細は省略するが、ミラー
M′の光損失が十分に小さいものとし、第2のビーム合
成手段S2へ入射する光ビームBMc1,…,BMcnの入
射方向と同一方向への被合成ビームBMcc1 としてのビ
ーム合成前後の光利用効率ηi′ (被合成ビームBM
cc1に最も近い光ビームBMc1から順にη1′ ,…,
ηn′ とする)を考えると、条件(6-1),(6-2)を満足す
る場合、η1′ =η2 =…=ηn =δ′/{(1+
δ′)(1−δ′)1- n−1}となる。また、ミラーM′の
光損失が十分に小さいものとし、第2のビーム合成手段
S2へ入射する光ビームBMc1,…,BMcnの入射方向
と直交する方向への被合成ビームBMcc2 としてのビー
ム合成前後の光利用効率ηi′ (被合成ビームBMcc2
に最も近い光ビームBMc1から順にη1′ ,…,ηn
とする)を考えると、条件(6-1) ′,(6-2)を満足する
場合も、η1′=η2 =…=ηn =δ′/{(1+
δ′)(1−δ′)1- n−1}となる。よって、何れの場合
にも、第2のビーム合成手段S2によるビーム合成前後
の光利用効率が全ての光ビームについて等しくなる。
【0079】従って、条件(5)及び条件(6)を同時
に満足することにより、m*n本の全ての光ビームを、
同一の光利用効率で合成することができる。このとき、
各光ビームBMji(i=1,…,m、j=1,…,n)
の光利用効率Ejiは、 Eji=ηi・ηj′ =δ*δ′ ÷{(1+δ)(1−δ)1- m−1}*{(1+δ′)(1−δ′)1- n−1} として表される。
【0080】なお、本実施の形態でも、変形例として例
示した各ビーム合成装置2〜4に同様に適用できる。即
ち、各ビームスプリッタ面BS1 ,…,BSm-1 、BS
1′,…,BSn-1′に関して、各反射率Ri ,Ri′ 及
び透過率Ti ,Ti′ が、実質的に、前述した条件
(5)(6)を満たすように設定されていればよい。
【0081】ここで、一例として、光損失が一定値δ=
δ′=0.1 のとき条件(5-1),(5-2),(6-1),(6-2)の具
体的数値例を示すと、 m=n=3(ビーム総数9)の場合 BS11 =0.621, T1 =0.279 BS22 =0.45 , T2 =0.45 BS1′ R1′=0.621, T1′=0.279 BS2′ R2′=0.45 , T2′=0.45 ηi =0.279(=1/m)(i=1,2,3) ηj′=0.279(=1/n)(j=1,2,3) Eji=0.078(i=1,2,3,j=1,2,3) m=n=4(ビーム総数16)の場合 BS11 =0.703, T1 =0.197 BS22 =0.279, T2 =0.621 BS33 =0.45 , T3 =0.45 BS1′ R1′=0.703, T1′=0.197 BS2′ R2′=0.279, T2′=0.621 BS3′ R3′=0.45 , T3′=0.45 ηi =0.197(=1/m)(i=1,…,4) ηj′=0.197(=1/n)(j=1,…,4) Eji=0.039(i=1,…,4,j=1,…,4) m=n=5(ビーム総数25)の場合 BS11 =0.752, T1 =0.148 BS22 =0.197, T2 =0.703 BS33 =0.279, T3 =0.621 BS44 =0.45 , T4 =0.45 BS1′ R1′=0.752, T1′=0.148 BS2′ R2′=0.197, T2′=0.703 BS3′ R3′=0.279, T3′=0.621 BS4′ R4′=0.45 , T4′=0.45 ηi =0.148(=1/m)(i=1,…,5) ηj′=0.148(=1/n)(j=1,…,5) Eji=0.022(=1/(m*n))(i=1,…,5,
j=1,…,5) となる。
【0082】なお、条件(5-1)′,(5-2),(6-1)′,(6-
2)の具体的数値例としては、上記数値例中のR1 とT1
の数値を入替えればよい。
【0083】ちなみに、ビームスプリッタ面を図22に
示した従来のように全てハーフミラー(δ=0.1,T=
R=0.45)としたときの光利用効率は、その最小値をE
min、最大値をEmax とすると、 ビーム総数m*n=9の場合 Emin=0.00168、Emax=0.45、Emax/Emin=268 ビーム総数m*n=16の場合 Emin=6.28×10-6、Emax=0.45、Emax/Emin=7.16×104 ビーム総数m*n=25の場合 Emin=4.75×10-9、Emax=0.45、Emax/Emin=9.46×107 となるので、本実施の形態及び各変形例による効果が明
らかである。
【0084】本発明の第四の実施の形態を図12に基づ
いて説明する。本実施の形態は、ビーム合成装置1とほ
ぼ同一構成のビーム合成装置5に適用されている。基本
的には、第一の実施の形態のビーム合成装置1の場合と
同様であるが、第1のビーム合成手段S1における(m
−1)枚のビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1 、及
び、第2のビーム合成手段S2における(n−1)枚の
ビームスプリッタBS 1′ ,…,BSn-1′の内の何れ
か1枚が偏光ビームスプリッタPBSにより構成されて
いる。本実施の形態では、第1のビーム合成手段S1に
おける(m−1)枚のビームスプリッタBS1 ,…,B
m-1内の何れか1枚、例えば、(m−1)枚目のビー
ムスプリッタBSm-1に代えて偏光ビームスプリッタP
BSが用いられている。この偏光ビームスプリッタPB
Sは入射ビームのp偏光成分を透過し、s偏光成分を反
射するので、この偏光ビームスプリッタPBSへの入射
ビームを図示の如く所定の偏光状態に設定しておくこと
により、実質的に光損失なしにビーム合成を行なわせる
ことができる。
【0085】ここに、本実施の形態では、以下に詳述す
るように、第1,2のビーム合成手段S1,S2におけ
る偏光ビームスプリッタPBSを除く各ビームスプリッ
タに関して、その反射率、透過率が、各ビーム合成手段
S1,S2におけるビーム合成前後の光量比がほぼ均一
となるように所定値に設定されているので、本実施の形
態のビーム合成装置1により合成された光ビームはm*
n本全てについてビーム合成前後のビーム間偏差が小さ
いビーム合成を行なうことが可能となる。
【0086】いま、第1のビーム合成手段S1中に偏光
ビームスプリッタPBSを含む場合にはm′=m−1、
n′=nとし、第2のビーム合成手段S2中に偏光ビー
ムスプリッタPBSを含む場合にはm′=m、n′=n
−1とする。このような前提の下、偏光ビームスプリッ
タPBSを除く(m′−1)個のビームスプリッタを第
1のビーム合成手段Sによる被合成ビームBMc1,…,
BMcnに近い方から順にBS1 ,BS2 ,…,BSm
-1 とし、これらの各ビームスプリッタの反射率及び透
過率を各々Ri ,Ti (i=1,2,…,m′−1)と
し、かつ、偏光ビームスプリッタを除く(n′−1)個
のビームスプリッタを第2のビーム合成手段Sによる被
合成ビームBMcc1又はBMcc2に近い方から順にB
1′ ,BS2′ ,…,BSn -1′ とし、これらの各
ビームスプリッタ面の反射率及び透過率を各々Ri′ ,
i′ (i=1,2,…,n′−1)としたとき、各反
射率R i ,Ri′ 及び透過率Ti ,Ti′ が、実質的
に、下記の条件(7)(8) R2 =T1 /R1 …………………………………条件(7-1) 又は、 R2 =R1 /T1 …………………………………条件(7-1)′ Ri =Ri-1 /Ti-1 (但し、i=3,…,m′−1)条件(7-2) Rm -1 =Tm -1 ………………………………条件(7-3) …………………………………条件(7) R2′ =T1′ /R1′ ………………………条件(8-1) 又は、 R2′ =R1′ /T1′ ………………………条件(8-1)′ Ri′ =Ri-1′ /Ti-1′(但し、i=3,…,n′−1)条件(8-2) Rn -1′ =Tn -1′ …………………………条件(8-3) …………………………………条件(8) を満たすように設定されている。
【0087】まず、条件(7)は、第1のビーム合成手
段S1において各光ビームの合成前後の光量比を全ての
ビーム間で略均一とするための条件である。これらの
内、条件(7-1) は被合成ビームBMc1,…,BMcnを入
射方向と同一方向に取出す場合、条件(7-1)′ は被合成
ビームBMc1,…,BMcnを入射方向と直交する方向に
取出す場合の条件を示す。
【0088】具体的に、第1のビーム合成手段S1へ入
射するm列の各光ビームBMj1,…,BMjm(j=1,
2,…,n)の入射方向(x方向)へのビーム合成前後
の光利用効率ηi (被合成ビームBMc1,…,BMcn
最も近いビーム列(BM11,…,BMn1)から順にη
1 ,…,ηm とする)を考えると、図12の例のように
第1のビーム合成手段S1内に偏光ビームスプリッタP
BSが含まれ(m′=m−1)、ミラーMの光損失が十
分に小さく、かつ、偏光ビームスプリッタPBSへは透
過光に対してはp偏光、反射光に対してはs偏光の直線
偏光の光ビームを入射させることで偏光ビームスプリッ
タPBSによる光損失を無視できる場合に、条件(7-
1),(7-2),(7-3) を満足するとき、 η1 =T1 η2 =R2・R1=(T1/R1)・R1=T1 =η1 η3 =R3・T2・R1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 η4 =R4・T3・T2・R1 =(R3/T3)・T3・T2・R1=R3・T2・R1=η3 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・R1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T3・T2・R1 =Ri-1・Ti-2・…・T3・T2・R1=ηi-1 〜 ηm-1 =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 ηm =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 =ηm-1 となる。
【0089】また、同様に、第1のビーム合成手段S1
中に偏光ビームスプリッタPBSがない場合にも(m′
=m)、 η1 =T1 η2 =R2・R1=(T1/R1)・R1=T1 =η1 η3 =R3・T2・R1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 η4 =R4・T3・T2・R1 =(R3/T3)・T3・T2・R1=R3・T2・R1=η3 〜 ηi =R・Ti-1・…・T3・T2・R1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T3・T2・R1 =Ri-1・Ti-2・…・T3・T2・R1=ηi-1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 =ηm-1 となり、何れにしても第1のビーム合成手段S1による
m列の光ビームのビーム合成において、m列の全ての光
ビームの光利用効率が等しくなる(η1 =η2 =…=η
m =T1 )。
【0090】また、第1のビーム合成手段S1へ入射す
るm列の各光ビームBMj1,…,BMjm(j=1,2,
…,n)の入射方向と直交する方向(z方向)へのビー
ム合成前後の光利用効率ηi (被合成ビームBMc1
…,BMcnに最も近いビーム列(BM11,…,BMn1
から順にη1 ,…,ηm とする)を考えると、第1のビ
ーム合成手段S1内に偏光ビームスプリッタPBSが含
まれ(m′=m−1)、ミラーMの光損失が十分に小さ
く、かつ、偏光ビームスプリッタPBSへは透過光に対
してはp偏光、反射光に対してはs偏光の直線偏光の光
ビームを入射させることで偏光ビームスプリッタPBS
による光損失を無視できる場合に、条件(7-1)′,(7-
2),(7-3) を満足するとき、 η1 =R1 η2 =R2・T1=(R1/T1)・T1=R1 =η1 η3 =R3・T2・R1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 η4 =R4・T3・T2・R1 =(R3/T3)・T3・T2・R1=R3・T2・R1=η3 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・R1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T3・T2・R1 =Ri-1・Ti-2・…・T3・T2・R1=ηi-1 〜 ηm-1 =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 ηm =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 =ηm-1 となる。
【0091】また、同様に、第1のビーム合成手段S1
中に偏光ビームスプリッタPBSがない場合にも(m′
=m)、 η1 =R1 η2 =R2・T1=(R1/T1)・T1=R1 =η1 η3 =R3・T2・R1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 η4 =R4・T3・T2・R1 =(R3/T3)・T3・T2・R1=R3・T2・R1=η3 〜 ηi =R・Ti-1・…・T3・T2・R1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T3・T2・R1 =Ri-1・Ti-2・…・T3・T2・R1=ηi-1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1=ηm-2 =ηm-1 となり、何れにしても第1のビーム合成手段S1による
m列の光ビームのビーム合成において、m列の全ての光
ビームの光利用効率が等しくなる(η1 =η2 =…=η
m =R1 )。
【0092】また、条件(8)は、第2のビーム合成手
段S2において各光ビームの合成前後の光量比を全ての
ビーム間で略均一とするための条件である。これらの
内、条件(8-1) は入射方向と同一方向に被合成ビームB
cc1 を取出す場合、条件(8-1)′ は入射方向に直交す
る方向に被合成ビームBMcc2 を取出す場合の条件を示
す。
【0093】条件(8)についても基本的には条件
(7)の場合と同様であり、詳細は省略するが、ミラー
M′の光損失が十分に小さいものとし、第2のビーム合
成手段S2へ入射する光ビームBMc1,…,BMcnの入
射方向と同一方向への被合成ビームBMcc1 としてのビ
ーム合成前後の光利用効率ηi′ (被合成ビームBM
cc1に最も近い光ビームBMc1から順にη1′ ,…,
ηn′ とする)を考えると、条件(8-1),(8-2),(8-3)
を満足する場合、n′=n,n′=n−1の何れの場合
も、η1′ =η2 =…=ηn =T1′ となる。ま
た、同様に、ミラーM′の光損失が十分に小さいものと
し、第2のビーム合成手段S2へ入射する光ビームBM
c1,…,BMcnの入射方向と直交する方向への被合成ビ
ームBMcc2 としてのビーム合成前後の光利用効率
ηi′ (被合成ビームBMcc2 に最も近い光ビームBM
c1から順にη1′ ,…,ηn′ とする)を考えると、条
件(8-1) ′,(8-2),(8-3) を満足する場合、n′=
n,n′=n−1の何れの場合も、η1′ =η2 =…
=ηn =R1′ となる。よって、何れの場合にも、第
2のビーム合成手段S2によるビーム合成前後の光利用
効率が全ての光ビームについて等しくなる。
【0094】従って、条件(7)及び条件(8)を同時
に満足することにより、m*n本の全ての光ビームを、
同一の光利用効率で合成することができる。このとき、
各光ビームBMji(i=1,…,m、j=1,…,n)
の光利用効率Ejiは、 条件(7-1),(7-2),(7-3),(8-1),(8-2),(8-3)を満足
する場合、 Eji=ηi・ηj′=T1・T1′ 条件(7-1),(7-2),(7-3),(8-1)′,(8-2),(8-3)を満
足する場合、 Eji=ηi・ηj′=T1・R1′ 条件(7-1)′,(7-2),(7-3),(8-1),(8-2),(8-3)を満
足する場合、 Eji=ηi・ηj′=R1・T1′ 条件(7-1)′,(7-2),(7-3),(8-1)′,(8-2),(8-3)を
満足する場合、 Eji=ηi・ηj′=R1・R1′ として表される。
【0095】なお、幾つかの変形例について図13ない
し図15を参照して説明する。図13に示す第1の変形
例は、第1のビーム合成手段S1による被合成ビームB
c1,…,BMcnを光ビームの入射方向と直交する方向
(z方向)に取出す構成とした場合のビーム合成装置6
である。構成的には、図2に示したビーム合成装置2と
同様であり、ビームスプリッタBS1 ,BS2 ,…,B
m-1、BS1′ ,BS2′ ,…,BSn-1′の何れかに
代えて1つの偏光ビームスプリッタPBSが含まれてい
る。ここでは、第1のビーム合成手段S1中に含まれて
いる。
【0096】このようなビーム合成装置6においても、
第1,2のビーム合成手段S1,S2に関して偏光ビー
ムスプリッタPBSを除く(m′−1)個、(n′−
1)個のビームスプリッタに関して、その反射率、透過
率が、実質的に、前述した条件(7)(8)を満たすよ
うに設定されている。よって、このようなビーム合成装
置6の場合にも、ビーム合成装置5と同様な効果が得ら
れる。
【0097】図14に示す第2の変形例は、ビーム合成
装置5に対応するビーム合成装置7をプリズム構成によ
り一体化構造としたものである。構成的には、図3ない
し図6に示したビーム合成装置3と同様であり、ビーム
スプリッタ面BS1 ,BS2,…,BSm-1、BS1′ ,
BS2′ ,…,BSn-1′の何れかに代えて1つの偏光
ビームスプリッタ面PBSが含まれている。ここでは、
第1のビーム合成手段S1中に含まれている。従って、
図12における第1のビーム合成手段S1と第2のビー
ム合成手段S2とがともにビーム合成プリズムとして構
成され、接着等により一体化されている。即ち、第1の
ビーム合成手段S1にあってはビームスプリッタ、偏光
ビームスプリッタが各々ビームスプリッタ面、偏光ビー
ムスプリッタ面として構成され、1個のミラーMが内面
反射面Mとして構成されている。また、第2のビーム合
成手段S2にあってはビームスプリッタが各々ビームス
プリッタ面として構成され、1個のミラーM′が内面反
射面M′として構成されている。
【0098】ここに、このようなビーム合成装置7にお
いても、第1,2のビーム合成手段S1,S2に関して
偏光ビームスプリッタ面PBSを除く(m′−1)個、
(n′−1)個のビームスプリッタ面に関して、その反
射率、透過率が、実質的に、前述した条件(7)(8)
を満たすように設定されている。よって、このようなビ
ーム合成装置7の場合にも、ビーム合成装置5と同様な
効果が得られる。特に、この変形例のようにプリズム構
成とした場合には、内面反射面M,M′では光ビームが
全反射するために内面反射面M,M′での光損失を殆ど
生じない上に、全体が一体化構造となるため、コンパク
トとなり、ビーム合成装置3が傾いたり位置ずれを起こ
しても第1,2ビーム合成手段S1,S2各々において
各ビームスプリッタ面、偏光ビームスプリッタ面間の相
対角度が変動することがなく、ビーム合成後の各ビーム
間の角度は一定に保たれ、安定したビーム合成を行える
ものとなる。また、第1,2ビーム合成手段S1,S2
間もプリズム構造の接着等により一体化されているの
で、振動等による外乱や経時変化などがあっても各面が
全て同時に動くため、射出ビームの方向を安定させるこ
とができる。
【0099】図15に示す第3の変形例は、ビーム合成
装置6に対応するビーム合成装置8をビーム合成装置7
と同様にプリズム構成により一体化構造としたものであ
る。構成的には、図7ないし図11に示したビーム合成
装置4と同様であり、ビームスプリッタ面BS1 ,BS
2 ,…,BSm-1、BS1′ ,BS2′ ,…,BSn-1
の何れかに代えて1つの偏光ビームスプリッタ面PBS
が含まれている。ここでは、第1のビーム合成手段S1
中に含まれている。この変形例による場合、基本的には
第2の変形例のビーム合成装置7の場合と同様な効果が
得られる。
【0100】なお、図12や図14に示したビーム合成
装置5,7のように第1のビーム合成手段S1による被
合成ビームBMc1,…,BMcnをビーム入射方向と同一
方向(x方向)へ取出す構成とした場合、入射ビームに
直交する方向(z方向)においてビーム合成装置5,7
を小型な構成とすることができる。一方、図13や図1
5に示したビーム合成装置6,8のように第1のビーム
合成手段S1による被合成ビームBMc1,…,BMcn
ビーム入射方向と直交する方向(z方向)へ取出す構成
とした場合、入射ビームの進行方向(x方向)において
ビーム合成装置6,8を小型な構成とすることができ
る。
【0101】また、前述した条件(7)のように、第1
のビーム合成手段S1による被合成ビームBMc1,…,
BMcnをビーム入射方向と同一方向へ取出す構成とする
か、ビーム入射方向と直交する方向へ取出す構成とする
かによって、(m′−1)面分の各ビームスプリッタ面
の透過率、反射率の最適な設定値が変わる(透過率と反
射率とが入れ替わる)。同様に、前述した条件(8)の
ように、第2のビーム合成手段S2による最終的な被合
成ビームを、第1のビーム合成手段S1による被合成ビ
ームBMc1,…,BMcnと同一方向の被合成ビームBM
cc1 を利用するか、直交する方向の被合成ビームBM
cc2 を利用するかによって、(n′−1)面分の各ビー
ムスプリッタ面の透過率、反射率の最適な設定値が変わ
る(透過率と反射率とが入れ替わる)。
【0102】ここに、本実施の形態及び各変形例におい
て、第1のビーム合成手段S1に関する条件(7)は各
ビームスプリッタ面BS1 ,…,BSm -1 の光損失δ
i (=1−Ri −Ti )(i=1,…,m′−1)に依
らず、ビーム合成前後の光量比を一定とするための条件
である。即ち、各ビームスプリッタ面BS1 ,…,BS
m -1 の光損失δi が決まれば、条件(7-3) によりビー
ムスプリッタ面BSm -1 の反射率Rm -1 、透過率T
m -1 の設定値は、 Rm -1 =Tm -1 =(1−δm -1 )/2 として求められる。次に、ビームスプリッタ面BSm
-2 の反射率Rm -2 、透過率Tm -2 の設定値は、一
般式:Rm -2 +Tm -2 =1−δm -2 、及び、条件
(7-2) から導出される式:Rm -2 /Tm -2 =Rm
-1 により、 m -2 =Rm -1・(1−δm -2 )/(1+Rm -1) Tm -2 =(1−δm -2 )/(1+Rm -1) として求められる。以下、同様に、一般式:Ri +Ti
=1−δi 、及び、条件(7-2) に基づき、各ビームスプ
リッタ面BSm -3 ,…,BS2 の各々の反射率及び透
過率の設定率が順次求められ、最後に、条件(7-1) 又は
条件(7-1)′ によりビームスプリッタ面BS1 の反射率
1 、透過率T1 の設定値が求められる。従って、条件
(1)を満足することにより、各ビームスプリッタ面B
1 ,…,BSm-1 の光損失δi によらずに、第1のビ
ーム合成手段S1によるビーム合成前後の光量比を一定
とすることができる。
【0103】条件(8)についても、条件(7)の場合
と同様にして、第2のビーム合成手段S2における各ビ
ームスプリッタ面BS1′ ,…,BSn -1′ の反射
率、透過率の設定値が求められる。従って、条件(8)
を満足することにより、各ビームスプリッタ面BS1
,…,BSn -1′の光損失δi′ によらずに、第2の
ビーム合成手段S2によるビーム合成前後の光量比を一
定とすることができる。
【0104】ちなみに、m′≦3のときに満たすべき条
件は、 m′=2(m=3)のとき、 R1 =T1 m′=3(m=3又はm=4)のとき、 R2 =T21 /R1 =R2 又は R1 /T1 =R2 であり、n′≦3のときに満たすべき条件は、 n′=2(n=3)のとき、 R1′ =T1′ n′=3(n=3又はn=4)のとき、 R2 =T21′ /R1′ =R2′ 又は R1′ /T1′ =
2′である。
【0105】ところで、ビームスプリッタ面には、様々
な種類があるが、一般には、ガラス等の基体上に金属や
誘電体膜をコーティングすることにより作製される。例
えば、クロム等による金属コーティングしたものは、光
損失は比較的大きいが、入射ビームの波長、偏光状態に
よる影響が少なく、かつ、角度依存性も小さいという特
長がある。また、誘電体多層膜コーティングしたもの
は、入射ビームの波長、偏光状態による影響を受けやす
く、かつ、角度依存性が大きいが、光損失が殆どないと
いう特長がある。さらに、全誘電体無偏光コーティング
されたものは、光損失が小さく入射ビームの偏光状態の
影響も受けにくいという特長がある。また、金属+誘電
体なるハイブリッドコーティングされたものは、双方の
長所を併有する特長がある。これらは何れも使用可能で
あり、ビーム合成装置5〜8の用途に応じて適宜選択さ
れる。
【0106】また、このようなビーム合成装置5〜8に
関しても、入射側と出射側とを逆にすれば、ビーム分割
装置として機能し得ることはいうまでもない(以下の各
実施の形態のビーム合成装置でも同様である)。即ち、
第2のビーム合成手段S2の射出側から光ビームを入射
させることにより、均一な光量のm*n本の光ビームに
分割して射出させることができる。
【0107】本発明の第五の実施の形態を図12に基づ
いて説明する。本実施の形態も、ビーム合成装置5に適
用されており、基本的には、第四の実施の形態の場合と
同様であるが、偏光ビームスプリッタPBSを除く第1
のビーム合成手段S1における(m′−1)枚のビーム
スプリッタBS1 ,…,BSm -1 、及び、第2のビー
ム合成手段S2における(n′−1)枚のビームスプリ
ッタBS1′ ,…,BSn -1′の光損失が無視できる
程度に十分小さい場合に適用されている。
【0108】このような前提の下、各ビームスプリッタ
BS1 ,…,BSm -1 の各反射率Ri 及び透過率Ti
(Ri +Ti ≦1)、各ビームスプリッタBS1′ ,
…,BSn -1′の各反射率Ri′ 及び透過率Ti
(Ri′ +Ti′ ≦1)が、実質的に、下記の条件
(9)(10) R1 :T1 =(m′−1):1 …………………………条件(9-1) 又は、R1 :T1 =1:(m′−1) ………………条件(9-1)′ Ri :Ti =1:(m′−i)(但し、i=2,…,m′−1) …………………………………条件(9-2) …………………………………条件(9) R1′ :T1′ =(n′−1):1 ………………………条件(10-1) 又は、R1′ :T1′ =1:(n′−1) ……………条件(10-1)′ Ri′ :Ti′ =1:(n′−i)(但し、i=2,…,n′−1) ……………………………………条件(10-2) …………………………………条件(10) を満たすように設定されている。
【0109】まず、条件(9)は、第1のビーム合成手
段S1における各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm
-1 の光損失が無視できる程度に十分小さい場合に、
第1のビーム合成手段S1によるビーム合成前後の光量
比を全てのビーム間で略均一とするための条件である。
これらの内、条件(9-1) は入射ビームと同一方向に被合
成ビームBMc1,…,BMcnを取出す場合、条件(9-
1)′ は入射ビームと直交する方向に被合成ビームBM
c1,…,BMcnを取出す場合の条件を示す。
【0110】具体的に、図12に示すような第1のビー
ム合成手段S1に関して、各ビームスプリッタBS1
…,BSm -1 の光損失がない(Ri +Ti =1)もの
として、第1のビーム合成手段S1へ入射するm列の各
光ビームBMj1,…,BMjm(j=1,2,…,n)の
入射方向(x方向)へのビーム合成前後の光利用効率η
i (被合成ビームBMc1,…,BMcnに最も近いビーム
列(BM11,…,BM n1)から順にη1 ,…,ηm とす
る)を考えると、第1のビーム合成手段S1内に偏光ビ
ームスプリッタPBSが含まれ(m′=m−1)、ミラ
ーMの光損失が十分に小さく、かつ、偏光ビームスプリ
ッタPBSへは透過光に対してはp偏光、反射光に対し
てはs偏光の直線偏光の光ビームを入射させることで偏
光ビームスプリッタPBSによる光損失を無視できる場
合に、条件(9-1),(9-2)を満足する場合、 η1 =T1 =1/(m−1) η2 =R2・R1={1/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)}=1/(m−1) η3 =R3・T2・R1 ={1/(m−3)}・{(m−3)/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) η4 =R4・T3・T2・R1 ={1/(m−4)}・{(m−4)/(m−3)}・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・R1 ={1/(m−i)}・{(m−i)/(m−i+1)} ・{(m−i+1)/(m−i+2)}・{(m−i+2)/(m−i+3)} ・…・{(m−3)/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) 〜 ηm-1 =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) ηm =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) となる。
【0111】また、同様に、第1のビーム合成手段S1
中に偏光ビームスプリッタPBSがない場合にも(m′
=m)、 η1 =T1 =1/m η2 =R2・R1={1/(m−1)}・{(m−1)/m}=1/m η3 =R3・T2・R1 ={1/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m}=1/m η4 =R4・T3・T2・R1 ={1/(m−3)}・{(m−3)/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)} ・{(m−1)/m} =1/m 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・R1 ={1/(m−i+1)}・{(m−i+1)/(m−i+2)} ・{(m−i+2)/(m−i+3)}・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・R1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m となり、何れにしても、第1のビーム合成手段S1にお
ける全ての光ビームの光利用効率η1 ,…,ηm が1/
m′で等しくなる。
【0112】同様に、各ビームスプリッタBS1 ,…,
BSm-1 の光損失がない(Ri +T i =1)ものとし
て、第1のビーム合成手段S1へ入射するm列の各光ビ
ームBMj1,…,BMjm(j=1,2,…,n)の入射
方向に直交する方向(z方向)へのビーム合成前後の光
利用効率ηi (被合成ビームBMc1,…,BMcnに最も
近いビーム列(BM11,…,BMn1)から順にη1
…,ηm とする)を考えると、第1のビーム合成手段S
1内に偏光ビームスプリッタPBSが含まれ(m′=m
−1)、ミラーMの光損失が十分に小さく、かつ、偏光
ビームスプリッタPBSへは透過光に対してはp偏光、
反射光に対してはs偏光の直線偏光の光ビームを入射さ
せることで偏光ビームスプリッタPBSによる光損失を
無視できる場合に、条件(9-1)′,(9-2)を満足する場
合、 η1 =R1 =1/(m−1) η2 =R2・T1={1/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)}=1/(m−1) η3 =R3・T2・T1 ={1/(m−3)}・{(m−3)/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) η4 =R4・T3・T2・T1 ={1/(m−4)}・{(m−4)/(m−3)}・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・T1 ={1/(m−i)}・{(m−i)/(m−i+1)} ・{(m−i+1)/(m−i+2)}・{(m−i+2)/(m−i+3)} ・…・{(m−3)/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) 〜 ηm-1 =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) ηm =Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)} =1/(m−1) となる。
【0113】また、同様に、第1のビーム合成手段S1
中に偏光ビームスプリッタPBSがない場合にも(m′
=m)、 η1 =R1 =1/m η2 =R2・T1={1/(m−1)}・{(m−1)/m}=1/m η3 =R3・T2・T1 ={1/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m}=1/m η4 =R4・T3・T2・T1 ={1/(m−3)}・{(m−3)/(m−2)}・{(m−2)/(m−1)} ・{(m−1)/m} =1/m 〜 ηi =Ri・Ti-1・…・T3・T2・T1 ={1/(m−i+1)}・{(m−i+1)/(m−i+2)} ・{(m−i+2)/(m−i+3)}・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T3・T2・T1 =(1/2)・(2/3)・(3/4)・…・{(m−3)/(m−2)} ・{(m−2)/(m−1)}・{(m−1)/m} =1/m となり、何れにしても、全ての光ビームの光利用効率η
1 ,…,ηm が1/m′で等しくなる。
【0114】また、条件(10)は、各ビームスプリッタ
の光損失が無視できる程度に十分小さい場合に、第2の
ビーム合成手段S2によるビーム合成前後の光量比を全
てのビーム間で略均一とするための条件である。これら
の内、条件(10-1) は入射方向と同一方向に被合成ビー
ムBMcc1 を取出す場合、条件(10-1)′ は入射方向に
直交する方向に被合成ビームBMcc2 を取出す場合の条
件を示す。
【0115】条件(10)についても基本的には条件
(9)の場合と同様であり、詳細は省略するが、ミラー
M′の光損失が十分に小さいものとし、第2のビーム合
成手段S2へ入射する光ビームBMc1,…,BMcnの入
射方向と同一方向への被合成ビームBMcc1 としてのビ
ーム合成前後の光利用効率ηi′ (被合成ビームBM
cc1に最も近い光ビームBMc1から順にη1′ ,…,
ηn′ とする)を考えると、偏光ビームスプリッタPB
Sへは透過光に対してはp偏光、反射光に対してはs偏
光の直線偏光の光ビームを入射させることで偏光ビーム
スプリッタPBSによる光損失を無視できる場合に、条
件(10-1),(10-2)を満足するとき、η1′ =η2 =…
=ηn =1/n′となる。また、ミラーM′の光損失
が十分に小さいものとし、第2のビーム合成手段S2へ
入射する光ビームBMc1,…,BMcnの入射方向と直交
する方向への被合成ビームBMcc2 としてのビーム合成
前後の光利用効率ηi′ (被合成ビームBMcc2 に最も
近い光ビームBMc1から順にη1′ ,…,ηn′ とす
る)を考えると、偏光ビームスプリッタPBSへは透過
光に対してはp偏光、反射光に対してはs偏光の直線偏
光の光ビームを入射させることで偏光ビームスプリッタ
PBSによる光損失を無視できる場合に、条件(10-1)
′,(10-2)を満足するとき、η1′ =η2 =…=
ηn =1/n′となる。よって、何れの場合にも、第
2のビーム合成手段S2によるビーム合成前後の光利用
効率が全ての光ビームについて等しくなる。
【0116】従って、条件(9)及び条件(10)を同時
に満足することにより、m*n本の全ての光ビームを、
同一の光利用効率で合成することができる。このとき、
各光ビームBMji(i=1,…,m、j=1,…,n)
の光利用効率Ejiは、 Eji=ηi・ηj′=1/(m′*n′) として表される。偏光ビームスプリッタが第1のビーム
合成手段S1中に含まれる場合には(m′=m−1,
n′=n)、 Eji=1/{(m−1)*n} となり、偏光ビームスプリッタが第2のビーム合成手段
S2中に含まれる場合には(m′=m,n′=n−
1)、 Eji=1/{m*(n−1)} となる。
【0117】なお、本実施の形態でも、変形例として例
示した各ビーム合成装置6〜8に同様に適用できる。即
ち、各ビームスプリッタ面BS1 ,…,BSm -1 、B
1′ ,…,BSn -1′に関して、各反射率Ri
i′ 及び透過率Ti ,Ti′が、実質的に、前述した
条件(9)(10)を満たすように設定されていればよ
い。
【0118】ここで、一例として、条件(9-1),(9-2),
(10-1),(10-2)の具体的数値例を示すと、 m=n=n′=3,m′=2(ビーム総数9)の場合 BS11 :T1 =1:1,R1 =0.5 , T1 =0.5 BS1′ R1′:T1′=2:1,R1′=0.667, T1′=0.333 BS2′ R2′:T2′=1:1,R2′=0.5 , T2′=0.5 ηi =0.5 (=1/m′)(i=1,2,3) ηj′=0.333(=1/n′)(j=1,2,3) Eji=0.167(=1/(m′*n′))(i=1,2,3,j=1,2,3) m=n=n′=4,m′=3(ビーム総数16)の場合 BS11 :T1 =2:1,R1 =0.333, T1 =0.667 BS22 :T2 =1:1,R2 =0.5 , T2 =0.5 BS1′ R1′:T1′=3:1,R1′=0.75 , T1′=0.25 BS2′ R2′:T2′=1:2,R2′=0.333, T2′=0.667 BS3′ R3′:T3′=1:1,R3′=0.5 , T3′=0.5 ηi =0.333(=1/m′)(i=1,…,4) ηj′=0.25(=1/n′)(j=1,…,4) Eji=0.0833(=1/(m′*n′))(i=1,…,4,j=1,…,4) m=n=n′=5,m′=4(ビーム総数25)の場合 BS11 :T1 =3:1,R1 =0.25 , T1 =0.75 BS22 :T2 =1:2,R2 =0.333, T2 =0.667 BS33 :T3 =1:1,R3 =0.5 , T3 =0.5 BS1′ R1′:T1′=4:1,R1′=0.8 , T1′=0.2 BS2′ R2′:T2′=1:3,R2′=0.25 , T2′=0.75 BS3′ R3′:T3′=1:2,R3′=0.333, T3′=0.667 BS4′ R4′:T4′=1:1,R4′=0.5 , T4′=0.5 ηi =0.25(=1/m′)(i=1,…,5) ηj′=0.2(=1/n′)(j=1,…,5) Eji=0.05(=1/(m′*n′))(i=1,…,5,j=1,…,5) となる。
【0119】なお、条件(9-1)′,(9-2),(10-1)′,(1
0-2)の具体的数値例としては、上記数値例中のR1 とT
1 の数値を入替えればよい。
【0120】ちなみに、ビームスプリッタ面を図22に
示した従来のように全てハーフミラーとしたときの光利
用効率は、その最小値をEmin 、最大値をEmax とする
と(光損失はないものとする)、第二の実施の形態中で
前述したように、 ビーム総数m*n=9の場合 Emin=0.00391、Emax=0.5、Emax/Emin=128 ビーム総数m*n=16の場合 Emin=3.05×10-5、Emax=0.5、Emax/Emin=16384 ビーム総数m*n=25の場合 Emin=5.96×10-8、Emax=0.5、Emax/Emin=8.39×106 となるので、本実施の形態及び各変形例による効果が明
らかである。
【0121】例えば、仮に光利用効率のビーム間偏差が
3〜4倍程度まで許容されると仮定すると、各ビームス
プリッタ面の反射率Ri (Rj′ )、透過率Ti
(Tj′ )の上記設定値の許容範囲として、Ri
(Rj′ )、Ti (Tj′ )の内で大きい方をXi (X
j′ )としたときに(ただし、i=1,…,m′−1、
j=1,…,n′−1)、Xi に対しては概ね±{(√
2)1/(m -1)−1}×100%程度まで、Xj′ に対
しては概ね±{(√2)1/(n -1)−1}×100%程
度まで許容されることになり、許容範囲の大きいものと
なる。
【0122】条件(9-1)′,(9-2),(10-1)′,(10-2)に
よる場合も同様である。
【0123】本発明の第六の実施の形態を図12に基づ
いて説明する。本実施の形態も、ビーム合成装置5に適
用されており、基本的には、第四の実施の形態の場合と
同様であるが、第1のビーム合成手段S1における
(m′−1)枚のビームスプリッタBS1 ,…,BSm
-1 の光損失が無視できないほぼ等しい一定値δを持
ち、第2のビーム合成手段S2における(n′−1)枚
のビームスプリッタBS1′,…,BSn -1′ の光損
失が無視できないほぼ等しい一定値δ′を持つ場合に適
用されている。このような前提の下、各ビームスプリッ
タBS1 ,…,BSm -1 の各反射率Ri 及び透過率T
i (Ri +Ti =1−δ)、各ビームスプリッタB
1′ ,…,BSn -1′の各反射率Ri′ 及び透過率
i′ (Ri′ +Ti′ =1−δ′)が、実質的に、下
記の条件(11)(12) R1 ={(1+δ)(1−δ)2-m −1}/{(1+δ)(1−δ)1-m −1} ………………………条件(11-1) 又は、 R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m −1} ………条件(11-1)′ Ri =δ/{(1+δ)(1−δ)i-m −1}(但し、i=2,…,m′−1) …………………………………条件(11-2) …………………………………条件(11) R1′ ={(1+δ′)(1−δ′)2- n −1}/{(1+δ′)(1−δ′)1- n − 1} ………………………条件(12-1) 又は、 R1′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)1- n −1} ………条件(12-1)′ Ri′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)i- n −1} (但し、i=2,…,n′−1) …………………………………条件(12-2) …………………………………条件(12) を満たすように設定されている。
【0124】まず、条件(11)は、第1のビーム合成手
段S1における各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm
-1 の光損失が無視できない一定値δを持つ場合に、
この第1のビーム合成手段S1によるビーム合成前後の
光量比を全てのビーム間で略均一とするための条件であ
る。これらの内、条件(11-1) は入射ビームと同一方向
に被合成ビームBMc1,…,BMcnを取出す場合、条件
(11-1)′ は入射ビームと直交する方向に被合成ビーム
BMc1,…,BMcnを取出す場合の条件を示す。
【0125】ここで、条件(11-2) より、第1のビーム
合成手段S1の各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm
-1 の透過率Ti は、 Ti =1−δ−Ri ={(1+δ)(1−δ)i-m +1−1}/{(1+δ)(1−δ)i-m −1} (但し、i=2,…,m′−1)であるので、Ti =R
i /Ri+1 (i=2,…,m′−2)、即ち、Ri =R
i- 1 /Ti-1 (i=3,…,m′−1)と表される。ま
た、条件(11-2) より、 Rm -1 =δ/{(1+δ)(1−δ)-1−1} =(1−δ)/2 Tm -1 =1−δ−Rm -1 =(1−δ)/2=Rm -1 となる。
【0126】具体的に、ミラーMの光損失が十分に小さ
く、各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm -1 の光損
失が一定値δを持つものとして、第1のビーム合成手段
S1へ入射するm列の各光ビームBMj1,…,BM
jm(j=1,2,…,n)の入射方向(x方向)へのビ
ーム合成前後の光利用効率ηi (被合成ビームBMc1
…,BMcnに最も近いビーム列(BM11,…,BMn1
から順にη1 ,…,ηm とする)を考えると、第1のビ
ーム合成手段S1内に偏光ビームスプリッタPBSが含
まれ(m′=m−1)、ミラーMの光損失が十分に小さ
く、かつ、偏光ビームスプリッタPBSへは透過光に対
してはp偏光、反射光に対してはs偏光の直線偏光の光
ビームを入射させることで偏光ビームスプリッタPBS
による光損失を無視できる場合に、条件(11-1),(11-2)
を満足する場合、 η1 =T1 =1−δ−R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)2 -m−1} η2 =R2・R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)3 -m−1}・{(1+δ)(1−δ)2 -m−1} =δ/{(1+δ)(1−δ)2 -m−1}=η1 η3 =R3・T2・R1=(R2/T2)・T2・R1=R2・R1=η2 =η1 η4 =R4・T3・T2・R1=(R3/T3)・T3・T2・R1 =R3・T2・R1=η3 =η1 〜 ηi =Ri・Ti-1・Ti-2・…・T2・R1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T2・R1 =Ri-1・Ti-2・…・T2・R1=ηi-1 =η1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T2・R1=ηm-2 =η1 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1=ηm-1 =η1 となる。
【0127】また、同様に、第1のビーム合成手段S1
中に偏光ビームスプリッタPBSがない場合にも(m′
=m)、 η1 =T1 =1−δ−R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1} η2 =R2・R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)2-m−1}・{(1+δ)(1−δ)1-m−1} =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1}=η1 η3 =R3・T2・R1=(R2/T2)・T2・R1=R2・R1=η2 =η1 η4 =R4・T3・T2・R1=(R3/T3)・T3・T2・R1 =R3・T2・R1=η3 =η1 〜 ηi =Ri・Ti-1・Ti-2・…・T2・R1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T2・R1 =Ri-1・Ti-2・…・T2・R1=ηi-1 =η1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =Rm-2・Tm-3・…・T2・R1=ηm-2 =η1 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・R1=ηm-1 =η1 となり、何れにしても、第1のビーム合成手段S1に入
射したm列の全ての光ビームの光利用効率η1 ,…,η
m がδ/{(1+δ)(1−δ)1-m −1}として等しくな
る。
【0128】同様に、ミラーMの光損失が十分に小さ
く、各ビームスプリッタBS1 ,…,BSm-1 の光損失
が一定値δを持つものとして、第1のビーム合成手段S
1へ入射するm列の各光ビームBMj1,…,BMjm(j
=1,2,…,n)の入射方向と直交する方向(z方
向)へのビーム合成前後の光利用効率ηi (被合成ビー
ムBMc1,…,BMcnに最も近いビーム列(BM11
…,BMn1)から順にη1 ,…,ηm とする)を考える
と、第1のビーム合成手段S1内に偏光ビームスプリッ
タPBSが含まれ(m′=m−1)、ミラーMの光損失
が十分に小さく、かつ、偏光ビームスプリッタPBSへ
は透過光に対してはp偏光、反射光に対してはs偏光の
直線偏光の光ビームを入射させることで偏光ビームスプ
リッタPBSによる光損失を無視できる場合に、条件(1
1-1)′,(11-2)を満足する場合、 η1 =δ/{(1+δ)(1−δ)2 -m−1} η2 =R2・T1 =δ/{(1+δ)(1−δ)3 -m−1}・(1−δ−R1) =δ/{(1+δ)(1−δ)2 -m−1}=η1 η3 =R3・T2・T1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 =η1 η4 =R4・T3・T2・T1=(R3/T3)・T3・T2・T1 =R3・T2・T1=η3 =η1 〜 ηi =Ri・Ti-1・Ti-2・…・T2・T1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T2・T1 =Ri-1・Ti-2・…・T2・T1=ηi-1 =η1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =Rm-2・Tm-3・…・T2・T1=ηm-2 =η1 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1=ηm-1 =η1 となる。
【0129】また、同様に、第1のビーム合成手段S1
中に偏光ビームスプリッタPBSがない場合にも(m′
=m)、 η1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1} η2 =R2・T1 =δ/{(1+δ)(1−δ)2-m−1}・(1−δ−R1) =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1}=η1 η3 =R3・T2・T1=(R2/T2)・T2・T1=R2・T1=η2 =η1 η4 =R4・T3・T2・T1=(R3/T3)・T3・T2・T1 =R3・T2・T1=η3 =η1 〜 ηi =Ri・Ti-1・Ti-2・…・T2・T1 =(Ri-1/Ti-1)・Ti-1・Ti-2・…・T2・T1 =Ri-1・Ti-2・…・T2・T1=ηi-1 =η1 〜 ηm-1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =(Rm-2/Tm-2)・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =Rm-2・Tm-3・…・T2・T1=ηm-2 =η1 ηm =Tm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1 =Rm-1・Tm-2・Tm-3・…・T2・T1=ηm-1 =η1 となり、何れにしても、第1のビーム合成手段S1に入
射したm列の全ての光ビームの光利用効率η1 ,…,η
m がδ/{(1+δ)(1−δ)1-m −1}として等しくな
る。
【0130】また、条件(12)は、第2のビーム合成手
段S2における各ビームスプリッタBS1′ ,…,BS
n -1′ の光損失が無視できない一定値δ′を持つ場合
に、第2のビーム合成手段S2によるビーム合成前後の
光量比を全てのビーム間で略均一とするための条件であ
る。これらの内、条件(12-1) は入射方向と同一方向に
被合成ビームBMcc1 を取出す場合、条件(12-1)′ は
入射方向に直交する方向に被合成ビームBMcc2 を取出
す場合の条件を示す。
【0131】条件(12)についても基本的には条件(1
1)の場合と同様であり、詳細は省略するが、ミラー
M′の光損失が十分に小さいものとし、第2のビーム合
成手段S2へ入射する光ビームBMc1,…,BMcnの入
射方向と同一方向への被合成ビームBMcc1 としてのビ
ーム合成前後の光利用効率ηi′ (被合成ビームBM
cc1に最も近い光ビームBMc1から順にη1′ ,…,
ηn′ とする)を考えると、偏光ビームスプリッタPB
Sへは透過光に対してはp偏光、反射光に対してはs偏
光の直線偏光の光ビームを入射させることで偏光ビーム
スプリッタPBSによる光損失を無視できる場合に、条
件(12-1),(12-2)を満足する場合、η1′ =η2 =…
=ηn =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)1- n −1}と
なる。また、ミラーM′の光損失が十分に小さいものと
し、第2のビーム合成手段S2へ入射する光ビームBM
c1,…,BMcnの入射方向と直交する方向への被合成ビ
ームBMcc 2 としてのビーム合成前後の光利用効率
ηi′ (被合成ビームBMcc2 に最も近い光ビームBM
c1から順にη1′ ,…,ηn′ とする)を考えると、偏
光ビームスプリッタPBSへは透過光に対してはp偏
光、反射光に対してはs偏光の直線偏光の光ビームを入
射させることで偏光ビームスプリッタPBSによる光損
失を無視できる場合に、条件(12-1) ′,(12-2)を満足
する場合も、η1′ =η2 =…=ηn =δ′/{(1
+δ′)(1−δ′)1- n −1}となる。よって、何れの
場合にも、第2のビーム合成手段S2によるビーム合成
前後の光利用効率が全ての光ビームについて等しくな
る。
【0132】従って、条件(11)及び条件(12)を同時
に満足することにより、m*n本の全ての光ビームを、
同一の光利用効率で合成することができる。このとき、
各光ビームBMji(i=1,…,m、j=1,…,n)
の光利用効率Ejiは、 Eji=ηi・ηj′ =δ*δ′ ÷{(1+δ)(1−δ)1- m −1}*{(1+δ′)(1−δ′)1- n −1} として表される。
【0133】なお、本実施の形態でも、変形例として例
示した各ビーム合成装置6〜8に同様に適用できる。即
ち、各ビームスプリッタ面BS1 ,…,BSm -1 、B
1′ ,…,BSn -1′に関して、各反射率Ri
i′ 及び透過率Ti ,Ti′が、実質的に、前述した
条件(11)(12)を満たすように設定されていればよ
い。
【0134】ここで、一例として、光損失が一定値δ=
δ′=0.1 のとき条件(11-1),(11-2),(12-1),(12-2)
の具体的数値例を示すと、 m=n=n′=3,m′=2(ビーム総数9)の場合 BS11 =0.45 , T1 =0.45 BS1′ R1′=0.621, T1′=0.279 BS2′ R2′=0.45 , T2′=0.45 ηi =0.45 (=1/m)(i=1,2,3) ηj′=0.279(=1/n)(j=1,2,3) Eji=0.126(i=1,2,3,j=1,2,3) m=n=n′=4,m′=3(ビーム総数16)の場合 BS11 =0.621, T1 =0.279 BS22 =0.45 , T2 =0.45 BS1′ R1′=0.703, T1′=0.197 BS2′ R2′=0.279, T2′=0.621 BS3′ R3′=0.45 , T3′=0.45 ηi =0.279(=1/m)(i=1,…,4) ηj′=0.197(=1/n)(j=1,…,4) Eji=0.055(i=1,…,4,j=1,…,4) m=n=n′=5,m′=4(ビーム総数25)の場合 BS11 =0.703, T1 =0.197 BS22 =0.279, T2 =0.621 BS33 =0.45 , T3 =0.45 BS1′ R1′=0.752, T1′=0.148 BS2′ R2′=0.197, T2′=0.703 BS3′ R3′=0.279, T3′=0.621 BS4′ R4′=0.45 , T4′=0.45 ηi =0.197(=1/m)(i=1,…,5) ηj′=0.148(=1/n)(j=1,…,5) Eji=0.025(i=1,…,5,j=1,…,5) となる。
【0135】なお、条件(11-1)′,(11-2),(12-1)′,
(12-2)の具体的数値例としては、上記数値例中のR1
1 の数値を入替えればよい。
【0136】ちなみに、ビームスプリッタ面を図22に
示した従来のように全てハーフミラー(δ=0.1,T=
R=0.45)としたときの光利用効率は、その最小値をE
min、最大値をEmax とすると、第三の実施の形態中で
前述したように、 ビーム総数m*n=9の場合 Emin=0.00168、Emax=0.45、Emax/ηmin=268 ビーム総数m*n=16の場合 Emin=6.28×10-6、Emax=0.45、Emax/ηmin=7.16×104 ビーム総数m*n=25の場合 Emin=4.75×10-9、Emax=0.45、Emax/ηmin=9.46×107 となるので、本実施の形態及び各変形例による効果が明
らかである。
【0137】本発明の第七の実施の形態を図16ないし
図18に基づいて説明する。本実施の形態は、マルチビ
ーム光源装置ないしはマルチビーム走査装置に関し、レ
ーザプリンタに適用されている。まず、図16に示すよ
うにm*n本のマルチビームをマトリックス状に同時に
射出し得るマルチビーム光源装置11が設けられてい
る。このマルチビーム光源装置11は図17に示すよう
にm*n(m≧3,n≧3)個の光源としての半導体レ
ーザLD11〜LDnmと、各半導体レーザLD11〜LDnm
から発せられるm*n本の光ビームを各々実質的な平行
光束(又は、所定の発散光束、或いは集光光束)とする
m*n個のコリメートレンズCL11〜CL nmと、平行光
束化されたm*n本の光ビームを合成するビーム合成装
置12とにより構成されている。即ち、複数の半導体レ
ーザLD11〜LDnmからの光ビームを各々コリメート
し、ビーム合成装置12を通すことにより合成前後の光
量比がビーム間で均一なm*n本のビームが実質的に1
本に合成された被合成ビームとして出射される。
【0138】ビーム合成装置12は、前述した各実施の
形態或いは各変形例におけるビーム合成装置1〜8の何
れかであるが、本実施の形態では、特に、ビーム合成装
置3が用いられている。即ち、m*n本の光ビームをマ
トリックス状に第1のビーム合成手段S1に入射させる
ものであり、半導体レーザLD11〜LDnm等もビーム合
成装置12(ビーム合成装置3)に対してマトリックス
状に配列されている。
【0139】マルチビーム光源装置11より射出したm
*n本の光ビームは、副走査方向にパワーを持つシリン
ダレンズ13に入射し、副走査方向に集光光束とされ、
偏向手段としての回転多面鏡14の同一反射面に入射す
る。回転多面鏡14は複数の偏向反射面を有し、入射し
た光ビームをその回転により各偏向反射面で順次偏向走
査する。
【0140】回転多面鏡14の偏向反射面で反射された
m*n本の光ビームは走査光学系15に入射し、感光体
16面上に光スポットとして結像されながら、一括して
露光走査される。ここに、走査光学系15はfθレンズ
17とトロイダルレンズ18とにより構成されており、
入射した光ビームを感光体16上に結像させるととも
に、感光体16上を略等速走査させる。なお、走査光学
系15としてはこのような構成に限らず、例えば、fθ
レンズ17に代えてfθミラーを用いるような構成であ
ってもよい。シリンダレンズ13及び走査光学系15に
より結像光学系19が構成され、マルチビーム光源装置
11から射出されたm*n本の光ビームを各々感光体1
6上に所定の光スポットとなるように結像させる。
【0141】従って、図16に示すような基本的構成に
おいて、回転多面鏡14が等速回転すると、m*n本の
光ビームは等角速度的に偏向され、感光体16上にはm
*n本の光ビームによりm*n本の走査線が一括して等
速走査されることになる。
【0142】なお、本実施の形態では、光源として半導
体レーザを用いたが、LED等を用いてもよい。また、
単なる半導体レーザに代えて、各々p(p≧2)個の発
光点を有するm*n個の半導体レーザアレイを光源とし
て用いれば、図16と同様な構成のまま、p*m*n本
の光ビームを同時に走査させ得るマルチビーム走査装置
となる。また、m*n個の光源の配列方向は任意であ
り、図示のような実施の形態例に限定されるものではな
い。
【0143】また、マルチビーム光源装置11から発せ
られる最終的な被合成ビームBMcc 1,BMcc2の内で書
込みに用いない方をビーム合成特性の検出やフィードバ
ック用に用いるようにしてもよい。
【0144】ところで、本実施の形態におけるマルチビ
ーム光源装置11の組立構成例を図18を参照して説明
する。まず、m*nマトリックス状に配列されて用いる
半導体レーザLD11〜LDnmを位置決め用の切欠部(図
示せず)の位置を基準として各半導体レーザのヘテロ接
合面が概ね平行となるように各々の支持体2111〜21
nmに圧入固定され、支持体2111〜21nmを介して基体
22にねじ止め固定される。基体22には、支持体21
11〜21nmを基体22側からねじ止め固定するためのね
じ穴23が形成されており、半導体レーザLD11〜LD
nmを支持体21 11〜21nmを介して基体22側から基体
22に仮ねじ止め固定する。
【0145】また、各々鏡筒に納められたコリメートレ
ンズCL11〜CLnmを、基体22に形成された嵌合穴2
4に各半導体レーザLD11〜LDnmと位置合わせして係
合・接着する。この際、いわゆるコリメート調整が、半
導体レーザとコリメートレンズとの対に対して順次行わ
れ、各光ビームが各々平行光束或いは所定の発散光束
(又は、集光光束)とされる。次に、各半導体レーザL
11〜LDnmからの光ビームを整形するアパーチャAP
11〜APnmが形成されたアパーチャ部材25及びビーム
合成装置12(ビーム合成装置3)を収容・支持したフ
ランジ部26を基体22に対してねじ止め固定する。こ
こに、フランジ部26の光ビーム射出部には円筒状の凸
部27が形成されている。マルチビーム光源装置11は
この円筒状の凸部27をガイドとして図16に示したよ
うなマルチビーム走査装置本体と接合される。また、ビ
ーム整形用のアパーチャ部材25はビーム合成装置12
の前方でシリンダレンズ13の後方の何れかの位置に配
設すればよい。もっとも、やや大きめのn*m個のアパ
ーチャAP11〜APnmが形成されたアパーチャ部材25
をコリメートレンズCL11〜CLnmとビーム合成装置1
2との間に配設することにより、有害光を除去し得る効
果が得られる。なお、前述したコリメート調整時には、
各光ビームは光軸(x方向)を中心に互いに所定の微小
角度(数分ないし数十分程度)ずつずれるように設定さ
れ、フランジ部26の一部に形成されたアーム部28を
マイクロメータヘッド等により押圧しマルチビーム光源
装置11全体を光軸を中心に回転することにより、感光
体16上にm*n本の光ビームが所定の走査ピッチとな
るように設定・調整される。
【0146】以上で、マルチビーム光源装置11は、半
導体レーザLD11〜LDnmが固定され基体22に仮ねじ
止め固定された支持体2111〜21nmを除いて組み立て
られた状態となる。
【0147】なお、図19ないし図21は、ビーム合成
装置12としてビーム合成装置3に代えてビーム合成装
置7を用いたマルチビーム光源装置ないしはマルチビー
ム走査装置の構成例を示す変形例である。即ち、第1,
2のビーム合成手段S1,S2のビームスプリッタ面の
何れか1つに偏光ビームスプリッタ面を含む構成のビー
ム合成装置を用いる例である。
【0148】このため、例えば第1のビーム合成手段S
1の偏光ビームスプリッタPBS部分に対する入射面に
はλ/2板30が介在されている。即ち、偏光ビームス
プリッタPBS部分に対応する光ビームは、λ/2板3
0によりその直線偏光の方向を90°回転させてからビ
ーム合成装置12に入射させることにより、高効率でビ
ーム合成が行われるとともに、各光ビームの合成前後の
光量比が均一化される。もっとも、λ/2板30を設け
ずに、対応する半導体レーザの設定方向を工夫すること
で他方の光ビームと偏光方向が直交するようにしてもよ
い。また、λ/4板31は必要に応じてビーム合成装置
12の出射側前方に設けられ、m*n本の光ビームを各
々円偏光に揃えることにより、感光体16に至る各光ビ
ームの特性が概ね均一化される。
【0149】この他の点は、図16ないし図18の場合
と同様に構成すればよい。
【0150】
【発明の効果】請求項1記載の発明のビーム合成装置に
よれば、略同一方向からマトリックス状に入射するm*
n(m≧3,n≧3)本の光ビームを合成するビーム合
成装置であって、互いに平行に並設された(m−1)面
のビームスプリッタ面と1面の反射面とを有し、入射し
たm*n本の光ビームを実質的に列状のn本の光ビーム
に合成する第1のビーム合成手段と、互いに平行に並設
された(n−1)面のビームスプリッタ面と1面の反射
面とを有し、前記第1のビーム合成手段から出射される
列状のn本の光ビームを実質的に1本の光ビームに合成
する第2のビーム合成手段とを備えているので、第1の
ビーム合成手段のビームスプリッタ面の配列方向に対応
してm列、第2のビーム合成手段のビームスプリッタ面
の配列方向に対応してn列のマトリックス状にm*n本
の光ビームを第1のビーム合成手段に入射させることに
より、これらのm*n本の光ビームを実質的に1本の光
ビームに合成することができる。併せて、第1のビーム
合成手段の各ビームスプリッタ面の反射率及び透過率を
ビーム合成前後の光量比が略均一となるように設定し、
かつ、第2のビーム合成手段の各ビームスプリッタ面の
反射率及び透過率をビーム合成前後の光量比が略均一と
なるように設定したので、m*n本の全ての光ビームに
ついて入射ビームの光量をビーム間で同一としたまま、
合成後の各光ビームの光量を略均一とさせることができ
るとともに、ビームスプリッタ面の透過/反射回数の多
い光ビームについても大きな光損失を生ずることもな
い。これにより、入射ビームの光量を大きく異ならせた
り発光出力の異なる複数種類の光源を用いることなくビ
ーム間のばらつきの小さな多ビーム合成が可能になると
ともに、全体的に高い光利用効率を維持することができ
る。加えて、m*n本の光ビームをマトリックス状に第
1のビーム合成手段に入射させるため、1列状にm*n
本の光ビームを入射させる構成に比べ、比較的小型な構
成で多ビームの合成が可能となる。
【0151】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載のビーム合成装置において、第1,2のビーム合成手
段における各ビームスプリッタ面の反射率と透過率とが
満たすべき条件を明らかにしたので、ビームスプリッタ
面の種類や特性によらず、第1,2のビーム合成手段通
過前後の光量比がビーム間で均一化させることができ、
全体として、m*n本全ての光ビームについてビーム合
成前後の光量比が各ビーム間で均一なビーム合成装置を
提供できる。第1,2のビーム合成手段における各ビー
ムスプリッタ面の光損失が無視できる程度に十分に小さ
い場合に、各ビームスプリッタ面の各反射率及び透過率
が実質的に所定の条件を満たすように設定されているの
で、全体としてm*n本全ての光ビームについてビーム
合成前後の光量比が各ビーム間で略均一となるようにし
て合成して出力させることができる。
【0152】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載のビーム合成装置において、第1,2のビーム合成手
段における各ビームスプリッタ面の光損失が無視できる
程度に十分に小さい場合に、各ビームスプリッタ面の各
反射率及び透過率が満たすべき条件を明らかにしたの
で、全体としてm*n本全ての光ビームについてビーム
合成前後の光量比が各ビーム間で略均一となるようにし
て合成して出力させることができる。
【0153】請求項4記載の発明によれば、請求項2記
載のビーム合成装置において、第1,2のビーム合成手
段における各々のビームスプリッタ面の光損失を或る一
定値で近似できる場合に、各ビームスプリッタ面の各反
射率及び透過率が満たすべき条件を明らかにしたので、
全体としてm*n本全ての光ビームについてビーム合成
前後の光量比が各ビーム間で略均一となるようにして合
成して出力させることができる。
【0154】請求項5記載の発明によれば、請求項1記
載のビーム合成装置に加えて、ビームスプリッタ面の内
の何れか1つが偏光ビームスプリッタであるので、入射
ビームの偏光状態を適切に設定するだけで光損失を最小
限に抑えることもできる。
【0155】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載のビーム合成装置において、第1,2のビーム合成手
段における1つの偏光ビームスプリッタを除く各ビーム
スプリッタ面の反射率と透過率とが実質的に所定の条件
を満たすように設定されているので、ビームスプリッタ
面の種類や特性によらず、第1,2のビーム合成手段通
過前後の光量比がビーム間で均一化させることができ、
全体として、m*n本全ての光ビームについてビーム合
成前後の光量比が各ビーム間で均一なビーム合成装置を
提供できる。
【0156】請求項7記載の発明によれば、請求項6記
載のビーム合成装置において、第1,2のビーム合成手
段における1つの偏光ビームスプリッタを除く各ビーム
スプリッタ面の光損失が無視できる程度に十分に小さい
場合に、各ビームスプリッタ面の各反射率及び透過率が
満たすべき条件を明らかにしたので、全体としてm*n
本全ての光ビームについてビーム合成前後の光量比が各
ビーム間で略均一となるようにして合成して出力させる
ことができる。
【0157】請求項8記載の発明によれば、請求項6記
載のビーム合成装置において、第1,2のビーム合成手
段における1つの偏光ビームスプリッタを除く各々のビ
ームスプリッタ面の光損失を或る一定値で近似できる場
合に、各ビームスプリッタ面の各反射率及び透過率が満
たすべき条件を明らかにしたので、全体としてm*n本
全ての光ビームについてビーム合成前後の光量比が各ビ
ーム間で略均一となるようにして合成して出力させるこ
とができる。
【0158】請求項9記載の発明のマルチビーム光源装
置によれば、光ビームをマトリックス状に射出するm*
n(m≧3,n≧3)個の光源と、これらの各光源から
射出されるm*n本の光ビームが第1のビーム合成手段
に入射される請求項1ないし8の何れか一に記載のビー
ム合成装置とを備えることで、ビーム合成装置から合成
されて出力される各光ビームの合成前後の光量比が各ビ
ーム間で均一化され、かつ、光利用効率が高いので、光
源としては比較的低出力の同種のものを使用することが
でき、よって、比較的低コストにてビーム間の特性のば
らつきの少ない多ビームのマルチビーム光源装置を提供
することができる。
【0159】請求項10記載の発明のマルチビーム走査
装置によれば、請求項9記載のマルチビーム光源装置
と、このマルチビーム光源装置のビーム合成装置から実
質的に1本に合成されて出力されるm*n本の光ビーム
を偏向走査させる偏向手段と、この偏向手段により偏向
走査されるm*n本の光ビームを感光体上に光スポット
として結像させる結像光学系とを備えることで、多ビー
ムについて各ビーム間の特性のばらつきの少ない状態で
良好に感光体に対して光書込みを行わせることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一、二及び三の実施の形態を示すビ
ーム合成装置の原理的斜視図である。
【図2】第1の変形例を示すビーム合成装置の原理的斜
視図である。
【図3】第2の変形例を示すビーム合成装置の原理的斜
視図である。
【図4】その分解斜視図である。
【図5】その平面図である。
【図6】その側面図である。
【図7】第3の変形例を示すビーム合成装置の原理的斜
視図である。
【図8】その分解斜視図である。
【図9】その平面図である。
【図10】その正面図である。
【図11】その側面図である。
【図12】本発明の第四、五及び六の実施の形態を示す
ビーム合成装置の原理的斜視図である。
【図13】第1の変形例を示すビーム合成装置の原理的
斜視図である。
【図14】第2の変形例を示すビーム合成装置の原理的
斜視図である。
【図15】第3の変形例を示すビーム合成装置の原理的
斜視図である。
【図16】本発明の第七の実施の形態を示すマルチビー
ム光源装置及びマルチビーム走査装置の斜視図である。
【図17】そのマルチビーム光源装置を示す斜視図であ
る。
【図18】そのマルチビーム光源装置の組立構成例を示
す分解斜視図である。
【図19】変形例を示すマルチビーム光源装置及びマル
チビーム走査装置の斜視図である。
【図20】そのマルチビーム光源装置を示す斜視図であ
る。
【図21】そのマルチビーム光源装置の組立構成例を示
す分解斜視図である。
【図22】従来例を示す原理的側面図である。
【符号の説明】
1〜8,12 ビーム合成装置 11 マルチビーム光源装置 14 偏向手段 16 感光体 19 結像光学系 S1 第1のビーム合成手段 S2 第2のビーム合成手段 BS,BS′ ビームスプリッタ面 PBS 偏光ビームスプリッタ面 M,M′ 反射面 LD 光源

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略同一方向からマトリックス状に入射す
    るm*n(m≧3,n≧3)本の光ビームを合成するビ
    ーム合成装置であって、 互いに平行に並設された(m−1)面のビームスプリッ
    タ面と1面の反射面とを有し、入射したm*n本の光ビ
    ームを実質的に列状のn本の光ビームに合成する第1の
    ビーム合成手段と、 互いに平行に並設された(n−1)面のビームスプリッ
    タ面と1面の反射面とを有し、前記第1のビーム合成手
    段から出射される列状のn本の光ビームを実質的に1本
    の光ビームに合成する第2のビーム合成手段とを備え、 各々のビーム合成手段におけるビーム合成前後の各光ビ
    ームの光量比が各ビーム間で略均一となるように前記
    (m−1)面のビームスプリッタ面及び前記(n−1)
    面のビームスプリッタ面の透過率及び反射率が設定され
    ているビーム合成装置。
  2. 【請求項2】 前記(m−1)面のビームスプリッタ面
    を前記第1のビーム合成手段による被合成ビームに近い
    方から順にBS1 ,BS2 ,…,BSm-1 とし、これら
    の各ビームスプリッタ面の反射率及び透過率を各々R
    i ,Ti (i=1,2,…,m−1)とし、前記(n−
    1)面のビームスプリッタ面を前記第2のビーム合成手
    段による被合成ビームに近い方から順にBS1′ ,BS
    2′ ,…,BSn-1′ とし、これらの各ビームスプリッ
    タ面の反射率及び透過率を各々R i′ ,Ti′ (i=
    1,2,…,n−1)としたとき、各反射率Ri
    i′ 及び透過率Ti ,Ti′ が、実質的に、 R2 =T1 /R1 又は R2 =R1 /T1i =Ri-1 /Ti-1 (但し、i=3,…,m−1) Rm-1 =Tm-12′ =T1′ /R1′ 又は R2′ =R1′ /
    1′ Ri′ =Ri-1′ /Ti-1′ (但し、i=3,…,n−
    1) Rn-1′ =Tn-1′ なる条件を満たすように設定されている請求項1記載の
    ビーム合成装置。
  3. 【請求項3】 各反射率Ri ,Ri′及び透過率Ti
    i′が、実質的に、 R1 :T1 =(m−1):1 又は R1 :T1 =1:
    (m−1) Ri :Ti =1:(m−i)(但し、i=2,…,m−
    1) R1′ :T1′ =(n−1):1 又は R1′ :T1
    =1:(n−1) Ri′ :Ti′ =1:(n−i)(但し、i=2,…,n
    −1) なる条件を満たすように設定されている請求項2記載の
    ビーム合成装置。
  4. 【請求項4】 前記(m−1)面のビームスプリッタ面
    の光損失を各々δ、前記(n−1)面のビームスプリッ
    タ面の光損失を各々δ′としたとき、各反射率Ri ,R
    i′ 及び透過率Ti ,Ti′ が、実質的に、 R1 ={(1+δ)(1−δ)2-m−1}/{(1+δ)(1−δ)
    1-m−1} 又は、 R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m−1} Ri =δ/{(1+δ)(1−δ)i-m−1}(但し、i=
    2,…,m−1) R1′ ={(1+δ′)(1−δ′)2- n−1}/{(1+δ′)
    (1−δ′)1- n−1} 又は、 R1′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)1- n−1} Ri′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)i- n−1}(但し、
    i=2,…,n−1) なる条件を満たすように設定されている請求項2記載の
    ビーム合成装置。
  5. 【請求項5】 前記(m−1)面のビームスプリッタ面
    及び前記(n−1)面のビームスプリッタ面の内の何れ
    か1つが偏光ビームスプリッタ面である請求項1記載の
    ビーム合成装置。
  6. 【請求項6】 前記第1のビーム合成手段中に前記偏光
    ビームスプリッタ面を含む場合にはm′=m−1、n′
    =n、前記第2のビーム合成手段中に前記偏光ビームス
    プリッタ面を含む場合にはm′=m、n′=n−1であ
    って、前記偏光ビームスプリッタ面を除く(m′−1)
    面のビームスプリッタ面を前記第1のビーム合成手段に
    よる被合成ビームに近い方から順にBS1 ,BS2
    …,BS m -1 とし、これらの各ビームスプリッタ面の
    反射率及び透過率を各々Ri ,T i (i=1,2,…,
    m′−1)とし、前記偏光ビームスプリッタ面を除く
    (n′−1)面のビームスプリッタ面を前記第2のビー
    ム合成手段による被合成ビームに近い方から順にB
    1′ ,BS2′ ,…,BSn -1′ とし、これらの各
    ビームスプリッタ面の反射率及び透過率を各々Ri′ ,
    i′ (i=1,2,…,n′−1)としたとき、各反
    射率Ri ,Ri′ 及び透過率Ti ,Ti′ が、実質的
    に、 R2 =T1 /R1 又は R2 =R1 /T1i =Ri-1 /Ti-1 (但し、i=3,…,m′−1) Rm -1 =Tm -12′ =T1′ /R1′ 又は R2′ =R1′ /
    1′ Ri′ =Ri-1′ /Ti-1′ (但し、i=3,…,n′
    −1) Rn -1′ =Tn -1′ なる条件を満たすように設定されている請求項5記載の
    ビーム合成装置。
  7. 【請求項7】 各反射率Ri ,Ri′及び透過率Ti
    i′が、実質的に、 R1 :T1 =(m′−1):1 又は R1 :T1 =1:
    (m′−1) Ri :Ti =1:(m′−i)(但し、i=2,…,m′
    −1) R1′ :T1′ =(n′−1):1 又は R1′ :
    1′ =1:(n′−1) Ri′ :Ti′ =1:(n′−i)(但し、i=2,…,
    n′−1) なる条件を満たすように設定されている請求項6記載の
    ビーム合成装置。
  8. 【請求項8】 前記(m′−1)面のビームスプリッタ
    面の光損失を各々δ、前記(n′−1)面のビームスプ
    リッタ面の光損失を各々δ′としたとき、各反射率
    i ,Ri′ 及び透過率Ti ,Ti′ が、実質的に、 R1 ={(1+δ)(1−δ)2-m −1}/{(1+δ)(1−
    δ)1-m −1} 又は、 R1 =δ/{(1+δ)(1−δ)1-m −1} Ri =δ/{(1+δ)(1−δ)i-m −1}(但し、i=
    2,…,m′−1) R1′ ={(1+δ′)(1−δ′)2- n −1}÷{(1+
    δ′)(1−δ′)1- n −1} 又は、 R1′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)1- n −1} Ri′ =δ′/{(1+δ′)(1−δ′)i- n −1} (但し、i=2,…,n′−1)なる条件を満たすよう
    に設定されている請求項6記載のビーム合成装置。
  9. 【請求項9】 光ビームをマトリックス状に射出するm
    *n(m≧3,n≧3)個の光源と、これらの各光源か
    ら射出されるm*n本の光ビームが第1のビーム合成手
    段に入射される請求項1ないし8の何れか一に記載のビ
    ーム合成装置とを備えるマルチビーム光源装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のマルチビーム光源装置
    と、このマルチビーム光源装置のビーム合成装置から実
    質的に1本に合成されて出力されるm*n本の光ビーム
    を偏向走査させる偏向手段と、この偏向手段により偏向
    走査されるm*n本の光ビームを感光体上に光スポット
    として結像させる結像光学系とを備えるマルチビーム走
    査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003043398A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Ricoh Co Ltd マルチビーム生成装置および光走査型画像表示装置

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JP2003043398A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Ricoh Co Ltd マルチビーム生成装置および光走査型画像表示装置

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