JP2003041155A - 2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用水性プライマー - Google Patents
2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用水性プライマーInfo
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Abstract
とより、最も難接着性の被着材とされているフッ素系樹
脂やシリコーン系樹脂に対してもすぐれた接着力を安定
して発揮させることができ、またプライマー処理後の接
着操作時に接着部位に発泡や白化現象を生じがたく、さ
らには水性溶媒を用いるので、使用時の臭気が小さくか
つ環境や安全に対する配慮もなされた2−シアノアクリ
レート系瞬間接着剤用の水性プライマーを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 2,4,6−トリス(ジメチルアミノメ
チル)フェノールを水性溶媒に溶解した水性溶液よりな
る2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用の水性プライ
マーである。
Description
レート系瞬間接着剤を用いて接着を行うにあたり、難接
着性の被着材に対しても接着力を顕著に向上させること
のできるプライマー(すなわち、上記瞬間接着剤の適用
に先立ち被着材を処理する前処理剤)に関するものであ
る。
速硬化性を有するので、工業用、家庭用の接着剤として
普及しているが、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系
樹脂、フッ素系樹脂のような難接着性の被着材に対して
は充分の接着力が得られない。そこで、接着に先立ち、
被着材表面をプライマーで処理することがなされてい
る。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシエチレン、
ポリ弗化エチレンなど2−シアノアクリレート系瞬間接
着剤によっては接着性がほとんど示されない合成樹脂体
に接着力を付与するために、これらの合成樹脂体の表面
を予め無機塩基性物質または有機塩基性物質で処理する
方法が提案されており、このうち無機塩基性物質の例と
して、苛性アルカリ、炭酸アルカリ、炭酸水素ナトリウ
ム、水酸化カルシウムがあげられており、有機塩基性物
質の例として、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、エチルアミン、トリエチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペ
リジン、ピロリンがあげられている。
ライト、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、アクリロニト
リル−スチレン共重合体、天然ゴムなどの基材を、予め
ジメチルアニリン、トリス[1−(2メチル)アジリデ
ィニール]フォスフィンオキサイドで処理する方法が開
示されている。
エステル、ナイロン、ポリアセタール、アルミニウムな
どの基材を予めジエチルアミン、o−フェニレンジアミ
ン、ジメチル−p−トルイジン、ジエチル−p−トルイ
ジン、N,N−ジエチルアニリン、トリクロルアセトア
ミド、コハク酸イミドで処理する方法が開示されてい
る。
材、紙、皮革の接着に際し瞬間接着剤の硬化促進を図る
目的で、沸点50〜250℃のアミン化合物、脱臭剤お
よび溶剤の3成分の均一溶液からなるシアノアクリレー
ト系瞬間接着剤用硬化促進剤組成物が提案されており、
アミン化合物の例として、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、ブチルアミン、イソプロピルアミン、ジブチル
アミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p
−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、
N,N−ジメチル−o−トルイジン、ジメチルベンジル
アミン、ピリジン、ピコリン、ビニルピリジン、エタノ
ールアミン、プロパノールアミン、エチレンジアミンが
あげられている。
昭60−18561号公報には、アミノ系化合物とアク
リル酸系共重合体を水−エタノール−アセトン等に溶か
したプライマーが記載されている。ただし、この公報の
発明は、α−シアノアクリレートの硬化速度をたかめて
木材のような多孔質表面を有する材料の接着を有効に行
うことを目的としたものであり、非極性の難接着性材料
に対する有効なプライマー組成物ではない。
485号公報には、2,4−ルチジン、3,4−ルチジ
ン、6−アミノ−2−ピコリン、4−ジメチルアミノピ
リジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジンおよ
び1−ビニルイミダゾールよりなる群から選ばれた化合
物またはその溶剤溶液からなる2−シアノアクリレート
系瞬間接着剤用プライマーが示されている。
486号公報には、4−ビニルピリジンを必須成分と
し、β−ピコリンまたは/および3,4−ルチジンを任
意成分として含む化合物またはその溶剤溶液からなる2
−シアノアクリレート系瞬間接着剤用プライマーが示さ
れている。
性化合物、水可溶性有機溶剤および水の3成分を含有す
る瞬間接着剤用硬化促進剤組成物が示されており、塩基
性化合物の例として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミ
ン、イソプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−
ジメチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジ
ン、N−エチル−N−メチルトルイジン、N,N−ジエ
チルトルイジン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、
ピコリン、ビニルピリジン、エタノールアミン、プロパ
ノールアミン、エチレンジアミンがあげられている。
(R1 R2 R3 )またはR4 =N−R 5 で示される塩基
性物質を主成分とするシアノアクリレート系接着剤用下
塗り剤が示されている。この塩基性物質の例は、トリエ
チルアミン、ジメチルラウリルアミン、トリオクチルア
ミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチ
ル−4−メチルフェニルアミン、エチルフェニルベンジ
ルアミン、エチルメチルベンジルアミン、エチルジシク
ロヘキシルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、N
−エチルピペリジン、ビニルピペリジンである。
18号公報には、式R3 Nで表わされるアミン(ただし
3つのRはいずれも炭化水素基)の炭化水素基のうち少
なくとも1個の炭化水素基が炭素数8〜24の長鎖炭化
水素基である第3級アミンを有効成分とする2−シアノ
アクリレート系瞬間接着剤用プライマーが示されてい
る。
第2734710号(特開平3−207778号公報)
には、第三級アミン化合物A、蛍光顔料または蛍光染料
B、溶剤Cの3成分からなるシアノアクリレート用硬化
促進剤が示されている。第三級アミン化合物Aとしては
多種のものが例示されており、その1つとしてトリス
(ジメチルアミノエチル)フェノールにも言及がある
(ただし実施例にはあげられていない)。このシアノア
クリレート用硬化促進剤は、シアノアクリレート系瞬間
接着剤に配合して、硬化速度を著しく向上させると共
に、該接着剤の重合硬化物に蛍光色を帯びさせるための
ものである。
うち水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基
性物質を有効成分とするプライマーは、水性溶媒に溶解
した形で使用できるという利点はあるものの、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンの
ようなフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂に対しては、プ
ライマー効果が不足するという限界があった。
物の中には接着力が向上しないものも多数あり、殊に、
最も難接着性の被着材とされているポリテトラフルオロ
エチレンのようなフッ素系樹脂や、シリコーン系樹脂に
対しては、文献上は接着できたとあっても、実際に追試
してみたときには、接着力がほとんど得られなかった
り、接着力が不充分であることが多かった。
イマーの多くは、特有のアミン臭やピリジン臭があった
り、接着操作時に急速硬化に起因する発熱により発泡を
起こしたり、あるいは接着操作時に接着部位に白化現象
を起こしたりすることが多く、これの点も実用化の妨げ
になっていた。
合物は、有機溶剤に溶解した溶液の形態で用いるのが通
常であるため、環境問題や安全問題(たとえば、被着材
への適用に際しての作業者の健康に対する影響、火災発
生要因、作業場近隣の環境に与える影響)などの点で、
改善の余地があった。
接着性の被着材であるポリエチレン、ポリプロピレンの
ようなポリオレフィンはもとより、最も難接着性の被着
材とされているポリテトラフルオロエチレンのようなフ
ッ素系樹脂、シリコーン系樹脂に対してもすぐれた接着
力を安定して発揮させることができ、またプライマー処
理後の接着操作時に接着部位に発泡や白化現象を生じが
たく、さらには水性溶媒を用いるので、使用時の臭気が
小さくかつ環境や安全に対する配慮もなされた2−シア
ノアクリレート系瞬間接着剤用の水性プライマーを提供
することを目的とするものである。
リレート系瞬間接着剤用水性プライマーは、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを、水ま
たは水と有機溶剤との混合溶媒からなる水性溶媒に溶解
した水性溶液よりなることを特徴とするものである。
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
すなわち下記の式(1) で示される化合物である。
ライマーとしては、上述のように多種のものが提案され
ているが、この目的のプライマーとして、式(1) の2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールに
限らず、ジアルキルアミノアルキル基とフェノール性O
H基の双方を有している化合物を用いることすら、従来
知られていなかったものと信じられる。
ル)フェノールは、これを、水、または水と有機溶剤と
の混合溶媒からなる水性溶媒に溶解した水性溶液の形態
で、被着材に塗布して用いる。2,4,6−トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノールは、水や水性溶媒に溶
解する上、入手の容易さ、性能バランス、コストの点な
どを総合考慮しても、実用性のあるものである。
有機溶剤としては、両者の均一混合が図られる限りにお
いて、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アルコー
ル類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エ
チル等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等)、セロソルブ類(エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)
などが用いられる。有機溶剤を水との混合溶媒として用
いる場合、有機溶剤を2種以上併用することもできる。
水と有機溶剤の比率は種々に選べるものの、混合溶媒に
占める水の割合は、50重量%以上、60重量%以上、
70重量%以上、さらには80重量%以上というよう
に、できるだけ多い方が好ましい。というのは、水の割
合が多いほど、環境上、安全上、コスト上の点で有利と
なり、溶剤臭の低下の点でも有利となるからである。一
方、水と有機溶剤との混合溶媒を用いる利点としては、
被着材によっては濡れ性が向上すること、乾燥速度が向
上することなどがあげられる。
メチルアミノメチル)フェノールの濃度に特に限定はな
いが、 0.001〜20重量%、通常は0.01〜10重量%、
好ましくは0.02〜5重量%、殊に0.03〜3重量%の濃度
の溶液とすることが適当である。濃度が極端に低いとき
はプライマー効果が不足することがあり、濃度が極端に
高いときは、かえって接着強度が低下することがあり、
またコスト的にも不利となる。
せることもできる。界面活性剤の含有は、被着材への濡
れ性の向上、乾燥速度の調整などの点で有利に働くこと
が多いからである。
リル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレ
ンスルホン酸塩をはじめとするアニオン界面活性剤;n
−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウロ
イルイミダゾール、ポリオキシエチレンラウリルアミ
ン、アルキルアミン塩酸塩をはじめとするカチオン界面
活性剤;オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポ
リマー、オレイルポリエチレングリコールエーテル、ソ
ルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、グ
リセリンモノステアレートをはじめとするノニオン界面
活性剤;オクチルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢
酸ベタインをはじめとする両性界面活性剤;フッ素系界
面活性剤;シリコーン系界面活性剤;などがあげられ
る。
対し、5重量%以下、殊に3重量%以下、さらには2重
量%以下とすることが好ましい。界面活性剤の含有量の
含有量が余りに多くなると、難接着性の被着材に対する
プライマー効果がかえって低下するだけでなく、接着層
の耐水性を悪化させる傾向がある。界面活性剤の含有量
の下限には特に限定はなく、ゼロでもよいが、界面活性
剤を含有させることの意義を出そうとする場合には、0.
01重量%以上とすることが望ましい。
剤、着色剤、安定剤、可塑剤、増粘剤、防腐剤をはじめ
とする種々の添加剤を加えることもできる。
こともできる。2,4,6−トリス(ジメチルアミノメ
チル)フェノールの水溶液自体がアルカリ性であるが、
pH調整剤によりさらに系のpHを高めてもよく、ある
いは逆に系のpHを低めてもよい。ただし、系のpHを
低めるときは、瞬間接着剤適用時の接着力を損なわない
ようにするため、系のpHが 8.5未満にはならないよう
にすることが望ましい。
は、筆、布帛、紙、スポンジ、ローラー等による塗布、
スプレーによる塗布、浸漬による塗布などの手段がいず
れも採用される。
は、極性材料、非極性材料の如何を問わず任意の材質の
材料があげられ、被着材を上記プライマーで処理するこ
とにより、同種の被着材または異種の被着材の接着が可
能となる。
例としては、 ・ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレ
ンゴム(エチレン−プロピレンターポリマー)、ポリブ
テン−1等のポリオレフィン系樹脂、 ・シリコーン系樹脂、 ・ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリ
デン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフ
ッ素系樹脂、 ・ポリオキシメチレン(ポリアセタール)、 ・ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系
樹脂、 ・ポリアミド などがあげられる。
トラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂
や、シリコーン系樹脂のように、従来は2−シアノアク
リレート系瞬間接着剤では接着できないか接着強度の著
しく劣る被着材であっても、それら材料同士の接着、あ
るいはこれらの材料と極性基材との接着にも適用でき、
かつ有効な接着力が得られる点が、本発明の特徴でもあ
る。
ては、アルキル 2−シアノアクリレート、シクロアル
キル 2−シアノアクリレート、アルコキシアルキル
2−シアノアクリレート、アルケニル 2−シアノアク
リレート、アルキニル 2−シアノアクリレートなどの
2−シアノアクリレートを主剤とし、必要に応じ、重合
防止剤、安定剤、増粘剤、耐熱性付与剤、可塑剤、着色
剤、チクソトロピー性改善剤、pH調整剤、エチレンカ
ーボネート、有機溶剤、フィラー、増粘目的以外の合成
樹脂などを含んだものが用いられる。
剤の適用に先立って被着材の被接着面に塗布され、つい
で2−シアノアクリレート系瞬間接着剤を用いて接着が
なされる。プライマーは、その際、被着材がたとえ難接
着性のものであっても充分な接着強度を発揮させる役割
を果たす。
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール
は、ジアルキルアミノアルキル基とフェノール性OH基
の双方を有している。このうちフェノール性OH基は、
アルコール性OH基とは異なり酸性の基であるから、酸
性物質は一般に2−シアノアクリレートの硬化を抑制す
るという常識的知見からは、フェノール性OH基がプラ
イマー性能にマイナスに作用するかも知れないので、塩
基性の第三級Nと酸性のフェノール性OH基との双方を
有している2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノールが、2−シアノアクリレート系瞬間接着
剤のプライマーとして用いる可能性があるかどうかすら
わからず、たとえ用いることができた場合でも、難接着
性の被着材に対して接着力が奏されるかは全く想定でき
ないところである。
は、上記のように、ポリオレフィン系樹脂はもとより、
フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂のように最も難接着性
であるとされている被着材に対しても、充分な接着強度
を発揮するという予測できない作用効果が奏される。し
かも、本発明のプライマーは、式(1) の化合物自体の臭
気が小さい上、溶剤を併用する場合でも水性溶液として
あるので溶剤臭が大幅に抑えられ、プライマー使用時の
臭気が極めて小さい。また被着材に塗布時点から瞬間接
着剤適用までの可使時間が比較的自由にとれるので、プ
ライマー塗布操作に特別のノウハウや制限を要せず、さ
らにはプライマー処理後の接着操作時に発泡や白化現象
を生ずることもない。
いた水性溶液からなることは、有機溶剤のみを溶媒とし
て用いる場合に比し、環境や安全に対する配慮の点で好
ましいものである。
明する。以下、「部」、「%」とあるのは重量基準で表
わしたものである。
ものを調製した。 (P-1) : 純水100部に、2,4,6−トリス(ジメチ
ルアミノメチル)フェノール 0.5部を溶解し、水性溶液
を調製した。 (P-2) : 純水75部とテトラヒドロフラン25部との混
合溶媒に、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール 1.0部を溶解し、水性溶液を調製した。 (P-3) : 純水94部に、2,4,6−トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノール 0.3部を溶解し、さらに、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダの1%水溶液5部とn
−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの1%水
溶液 0.4部とを加えて混合し、水性溶液を調製した。 (P-4) : 純水80部とエタノール20部との混合溶媒
に、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール0.25部を溶解し、さらにフッ素系界面活性剤(株
式会社トーケムプロダクツ製「EF−112」の1%水
溶液 2.5部を加えて混合し、水性溶液を調製した。
エチレンやポリプロピレンに有効であるとされている次
の化合物の溶液を調製した。 (P'-1):ジエタノールアミンの 0.5%濃度のエタノール
溶液 (P'-2):N,N−ジメチルアニリンの 0.5%濃度のエタ
ノール溶液 (P'-3):N,N−ジメチル−p−トルイジンの 0.5%濃
度のメチルエチルケトン溶液 (P'-4):トリn−ブチルアミンの 0.5%濃度のイソプロ
パノール溶液 (P'-5):トリラウリルアミンの 0.5%濃度のアセトン溶
液 (P'-6):水酸化ナトリウムの 0.5%濃度の水溶液 (P'-7):ジエタノールアミンの 0.5%濃度の水溶液
して下記のものを準備した。試験片の大きさは、巾25
mm、長さ50mmである(厚みは後記)。各試験片は、試
験に供する前に脱脂のみ行った(コロナ放電処理などは
行っていない)。 (HDPE): 厚み2mmの高密度ポリエチレン板 (LDPE): 厚み2mmの低密度ポリエチレン板 (PP): 厚み2mmのポリプロピレン板 (sil): 厚み1mmのシリコーンゴムシート (PTFE): 厚み 0.1mmのポリテトラフルオロエチレンシー
ト
ノアクリレート系瞬間接着剤としては、次のものを用い
た。 (C-1) : 株式会社アルテコ(旧名称は株式会社アルファ
技研)製のエチル 2−シアノアクリレート系瞬間接着
剤「アルテコD」(粘度3cps/25℃)
材)に対するプライマーの処理としては、プライマーを
ごく少量ガーゼにつけた状態で試験片を拭う方法を採用
し、そのようにプライマー処理した2枚の試験片のうち
の一方の試験片にすみやかに瞬間接着剤を1滴滴下し、
両試験片が1/2インチオーバーラップするように重ね
合わせた状態で室温で1日養生し、後述の引張剪断接着
強さを測定した。
は、株式会社島津製作所製のオートグラフ「AG−20
KNE」を用いて、JIS K6861 に準拠して、引張速度2
0mm/minで測定した。
1、表2、表3に分けて示す。 ・引張剪断強さは、試験片を各5個用いて測定したとき
の平均値である。 ・表1の引張剪断強さの数値の右肩の#印は、「材料破
壊」の意味である。 ・表2の対照例は、プライマーによる処理を行うことな
く、そのまま試験片を瞬間接着剤で接着した場合であ
る。
した場合には、PEやPPはもとより、PTFEやシリ
コーンのような極めて難接着性の被着材に対しても、2
−シアノアクリレート系瞬間接着剤で接着するときに、
安定してすぐれた接着力が得られることがわかる。
比較例に関して、有効成分自体の臭気の程度、瞬間接着
剤適用後の発泡・白化の有無(被着材は silとPTFEを使
用)を比較した。結果を表4に示す。表4中、比較例に
おいて「−」とあるのは、接着性自体が劣るので、評価
にまで至らないことを意味する。
×臭気あり ・発泡 ○:発泡なし、△:発泡少しあり、×:発泡
あり ・白化 ○:白化なし、△:白化少しあり、×:白化
あり
から2−シアノアクリレート系瞬間接着剤を適用すると
きは、難接着性の被着材であるポリエチレン、ポリプロ
ピレンのようなポリオレフィンはもとより、最も難接着
性の被着材とされているポリテトラフルオロエチレンの
ようなフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂に対してもすぐ
れた接着力を安定して発揮させることができる。
用いた水性溶液からなるので、環境や安全に対する配慮
の点でも好ましい。また、プライマー使用時の臭気が極
めて小さい上(本来水系であるのでたとえ溶剤を併用す
るときでも溶剤臭が抑えられ、かつ有効成分自体の臭気
も小さい)、さらにはプライマー処理後の接着操作時に
接着部位に発泡や白化現象を生じない。
Claims (4)
- 【請求項1】2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノールを、水または水と有機溶剤との混合溶媒
からなる水性溶媒に溶解した水性溶液よりなることを特
徴とする2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用水性プ
ライマー。 - 【請求項2】水性溶媒に占める水の割合が50〜100
重量%である請求項1記載の水性プライマー。 - 【請求項3】水性溶液における2,4,6−トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノールの濃度が 0.001〜20
重量%である請求項1記載の水性プライマー。 - 【請求項4】水性溶液が界面活性剤を含んでいる請求項
1記載の水性プライマー。
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JP2001234004A JP4843162B2 (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用水性プライマー |
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