JP2003039082A - 水処理用のフェントン反応槽 - Google Patents

水処理用のフェントン反応槽

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JP2003039082A
JP2003039082A JP2001228988A JP2001228988A JP2003039082A JP 2003039082 A JP2003039082 A JP 2003039082A JP 2001228988 A JP2001228988 A JP 2001228988A JP 2001228988 A JP2001228988 A JP 2001228988A JP 2003039082 A JP2003039082 A JP 2003039082A
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fenton reaction
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JP2001228988A
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Itsuo Uragami
逸男 浦上
Toshio Nakamura
敏夫 中村
Kenichiro Deguchi
憲一郎 出口
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Chiyoda Kohan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後段に配された紫外線照射処理槽へのSSの
流入を低減ことができるフェントン反応槽を提供する。 【解決手段】 鉄触媒が充填された鉄触媒充填層27の
上面よりも高い位置に鉄触媒充填層27の下方から流入
した洗浄水及び洗浄用空気を排出する排出流路5が連通
され、この排出流路5の連通部33よりも高い位置に鉄
触媒充填層27の下方から流入した被処理水の流出流路
47が連通され、鉄触媒充填層27と被処理水の流出流
路5の連通部33との間にろ過部材37を設け、ろ過部
材37は、鉄触媒充填層27と被処理水の流出流路5の
連通部33との間で水位に応じて上下移動可能であり、
排出流路5の連通部33には洗浄時の洗浄水の水位を決
める越流堰44が形成されている構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理水に含まれ
る物質の酸化分解を行うための水処理用のフェントン反
応槽に関する。
【0002】
【従来の技術】被処理水中に含まれているテトラクロロ
エチレンなどの有機塩素化合物、生物難分解性有機物ダ
イオキシン、PCBなどを酸化分解する方法として、特
公平6−83828号公報などに記載のように、被処理
水に過酸化水素を添加した後、この被処理水を鉄触媒と
接触させ、フェントン反応による酸化分解を行う方法が
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鉄触媒を充
填した鉄触媒充填層に流入してきた被処理水を通流さ
せ、槽外に流出させる従来のフェントン反応槽では、被
処理水中の懸濁物質(以降SSと略称する)が鉄触媒充
填層に捕捉されると鉄触媒と被処理水との接触面積、つ
まり鉄触媒の有効表面積が減少してしまい、フェントン
反応の反応効率が低下してしまう。このため、本願発明
者らは、定期的にまたは鉄触媒充填層の閉塞状態などに
応じて鉄触媒充填層を洗浄し、鉄触媒充填層に捕捉され
たSSを除去することを考えている。
【0004】ところが、洗浄時に被処理水の流出流路に
洗浄水が流入するような一般的なろ過槽などに用いられ
る洗浄方法では、鉄触媒充填層よりも被処理水の流れに
対して下流側、つまり2次側のフェントン反応槽の内壁
面や被処理水の流出流路に洗浄によって鉄触媒充填層か
ら流出したSSが付着する恐れがある。フェントン反応
槽の2次側内壁面や被処理水の流出流路にSSが付着し
た状態で被処理水を通流させると、SSが被処理水に同
伴されてフェントン反応槽よりも後の工程に流れてフェ
ントン反応槽の後段に配された紫外線照射処理槽に流入
してしまい、被処理水の紫外線照射による処理効率を低
下させてしまう。
【0005】このような紫外線照射処理槽へのSSの流
入を低減するため、フェントン反応槽の2次側内壁面や
被処理水の流出流路に付着したSSを除去する洗浄工程
を行ったり、フェントン反応槽への被処理水の通流開始
時にフェントン反応槽から流出するSSを含んだ被処理
水を紫外線照射処理槽の手前で排出して捨ててしまう捨
て水工程などを行うことが考えられる。しかし、このよ
うな洗浄工程や捨て水工程を行うことは、洗浄作業や水
処理作業が煩雑になるので好ましくない。
【0006】本発明の課題は、フェントン反応槽の後段
に配された紫外線照射処理槽へのSSの流入を低減する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のフェントン反応
槽は、鉄触媒が充填された鉄触媒充填層の上面よりも高
い位置に鉄触媒充填層の下方から流入した洗浄水及び洗
浄用空気を排出する排出流路が連通され、この排出流路
の連通部よりも高い位置に鉄触媒充填層の下方から流入
した被処理水の流出流路が連通された構成とすることに
より上記課題を解決する。
【0008】このような構成とすることにより、鉄触媒
充填層の下方から流入した空気の気泡を同伴した洗浄水
で、所定時間毎または鉄触媒充填層のろ過抵抗が設定値
以上になったときなどに鉄触媒充填層を洗浄することに
より鉄触媒充填層に捕捉されたSSを鉄触媒充填層から
流出させることができる。さらに、SSを同伴した洗浄
水は、被処理水の流出流路の連通部よりも低い位置に連
通している排出流路から排出される。このため、フェン
トン反応槽の2次側内壁面へのSSの付着箇所が鉄触媒
充填層の上面から洗浄水などの排出流路までの間の内壁
面に限られ、また、被処理水の流出流路には洗浄水が流
れず、被処理水の流出流路へのSSの付着は起こらな
い。このように、SSの付着箇所はフェントン反応槽の
2次側内壁面の限られた範囲であるため、フェントン反
応槽の2次側内壁面や被処理水の流出流路に付着したS
Sを除去する洗浄工程や捨て水工程などを行わなわず
に、鉄触媒充填層のSSが除去された後に洗浄水を余分
に流すだけでフェントン反応槽の2次側内壁面に付着し
たSSを除去できる。したがって、フェントン反応槽の
後段に配された紫外線照射処理槽へのSSの流入を低減
できる。
【0009】さらに、鉄触媒充填層と被処理水の流出流
路の連通部との間にろ過部材を設けた構成とすれば、被
処理水の処理時に鉄触媒充填層からフェントン反応槽の
2次側へ流出するSSを捕捉し、SSがフェントン反応
槽から後工程に流出するのを防ぐことができる。したが
って、フェントン反応槽の後段に配された紫外線照射処
理槽へのSSの流入をより低減できるので好ましい。
【0010】また、ろ過部材は、鉄触媒充填層と被処理
水の流出流路の連通位置との間で水位に応じて上下移動
可能であり、洗浄水及び洗浄用空気を排出する排出流路
の連通部には洗浄時の洗浄水の水位を決める越流堰が形
成されている構成とする。このような構成とすれば、被
処理水の処理時は、ろ過部材が被処理水の流出流路の連
通位置近傍に上昇して被処理水の流出流路へのSSの流
入を防ぐことができる。加えて、洗浄時は、越流堰で決
定される洗浄水の水位が決定されるため、ろ過部材の上
面が越流堰の上縁近傍にくるまでろ過部材が低下するた
め、気泡を同伴した洗浄水によりろ過部材全体を洗浄す
ることができる。
【0011】さらに、被処理水及び洗浄水が流入する入
口室に洗浄用空気を吹き出す洗浄用空気吹き出し手段を
設置し、入口室の上に鉄触媒充填層を設け、この鉄触媒
充填層は、入口室と複数のストレーナーを介して連通し
ている構成とすれば、複数のストレーナーによって鉄触
媒充填層全体に被処理水をできるだけ均等に通流させる
ことができるため、フェントン反応の反応効率を向上で
きるので好ましい。
【0012】また、鉄触媒充填層を備えたフェントン反
応槽に過酸化水素を注入した被処理水を通流させ、この
フェントン反応槽から流出する被処理水に紫外線を照射
する水処理装置であり、フェントン反応槽が上記いずれ
かのフェントン反応槽である構成とすれば、フェントン
反応槽の後段に配された紫外線照射処理槽へのSSの流
入を低減できるため、水処理装置の水処理効率を向上で
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用してなるフェ
ントン反応槽及びそのフェントン反応槽を備えた水処理
装置の一実施形態について図1乃至図3を参照して説明
する。図1は、本発明を適用してなるフェントン反応槽
の概略構成と水処理を行っている状体の動作を示す断面
図である。図2は、本発明を適用してなるフェントン反
応槽を備えた水処理装置の概略構成と被処理水、洗浄
水、及び洗浄用空気の流れを示すブロック図である。図
3は、本発明を適用してなるフェントン反応槽の概略構
成と洗浄を行っている状体の動作を示す断面図である。
【0014】本実施形態のフェントン反応槽1は、図1
に示すように、両端が閉塞された円筒を縦置きにした形
状で被処理水2のフェントン反応処理を行う処理槽部
3、処理槽部3の側面に設けられ、処理槽部3から排出
される洗浄水の排出流路となる両端が閉塞された円筒状
の洗浄排水槽部5などで形成されている。処理槽部3の
底部には、被処理水と洗浄水が流入してくる入口室7が
形成されている。入口室7の側壁つまり処理槽部3の底
部側壁には、被処理水を入口室7内に導くために入口室
7に連通する導入管路9が連結されている。入口室7の
底面には、洗浄用空気が通流する洗浄用空気管路11が
挿通されており、洗浄用空気管路11の入口室7内に位
置する端部には散気管13が設けられている。また、入
口室7の底面には、処理槽部3内の水を排出するために
入口室7に連通するドレーン管路15が連結されてい
る。
【0015】導入管路9には、被処理水の処理槽部3内
への通流を制御するための被処理水入口弁17が設けら
れている。導入管路9の被処理水入口弁17と処理槽部
3の入口室7との間の部分には、導入管路9を介して入
口室7内に洗浄水を導くための洗浄水管路19が連結さ
れている。洗浄水管路19には、洗浄水の処理槽部3内
への通流を制御する洗浄水入口弁21が設けられてい
る。また、洗浄用空気管路11には、洗浄用空気の処理
槽部内への吹き込むを制御する洗浄用空気吹き込み弁2
3が、ドレーン管路15には、処理槽部3内の水の排出
を制御するドレーン弁25が各々設けられている。
【0016】入口室7を画成する入口室7の上面は、入
口室7上に配置される鉄触媒充填層27の底面となるろ
床板29となっている。つまり、入口室7と鉄触媒充填
層27とはろ床板29によって仕切られている。ろ床板
29には、複数のストレーナー31が、ろ床板29に挿
通された状態で固定されている。鉄触媒充填層27は、
ろ床板29を底面とし、ろ床板29上に多孔質粒状や鉄
繊維よりなる綿状などの鉄触媒を堆積させて充填したも
のである。充填する鉄触媒は、多孔質粒状や鉄繊維より
なる綿状など様々な形状のものを用いることができる
が、被処理水中の懸濁物質(以降SSと省略する)の濃
度が比較的高い場合は、SSによる閉塞が少ないので鉄
繊維からなる綿状のものを用いることが望ましい。ま
た、処理槽部3の鉄触媒充填層27に対応する側壁位置
には、鉄触媒充填層27を形成する鉄触媒を補充するた
めの鉄触媒補充口32が形成されている。
【0017】処理槽部3の側壁の鉄触媒充填層27上面
よりも高い位置に開口が形成されており、この開口と洗
浄排水槽部5の上部側壁に形成された開口を連結するこ
とで処理槽部3と洗浄排水槽部5とを連通させる連通部
33が形成されている。鉄触媒充填層27の上部はろ過
部材室35となっている。ろ過部材室35内には、処理
槽部3の内径とほぼ同じ径の円板状のろ過部材37が内
包されている。ろ過部材37は、例えば発泡ポリスチレ
ンなどの比重1以下のろ材で形成されており、その有効
孔径は、SSの捕捉や圧力損失などを考慮し、例えば
1.2mm程度としている。ろ過部材37の厚みは、連
通部33の開口の高さよりも小さくなっている。
【0018】ろ過部材室35は、連通部33頂部の高さ
に処理槽部3内に設置された多孔板や網状スクリーンな
どからなるろ過部材37の上限位置規制板39と、鉄触
媒充填層27の上面上方位置に設置された多孔板や網状
スクリーンなどからなるろ過部材37の下限位置規制板
40とで上下が規定されている。したがって、ろ過部材
37は、処理槽部3内の上限位置規制板39と下限位置
規制板40との間で処理槽部3内の水面の位置に応じて
上下移動可能になっている。なお、ろ過部材37の下限
位置規制板40は、鉄触媒の補充時にろ過部材37と鉄
触媒の混合が生じるのを防止する役割も果たす。
【0019】また、連通部33の開口には、ろ過部材3
7の洗浄排水槽部5への流出を防ぐための多孔板や網状
スクリーンなどからなる流出防止板41が設置されてい
る。さらに、連通部33の開口の下縁43は、水平に形
成されている。このため、処理槽部3の側壁と洗浄排水
槽部5の側壁の、連通部33の開口の下縁43を形成す
る部分は、越流堰44となる。なお、ろ過部材37の上
限位置規制板39と流出防止板41とは、共に、ろ過部
材37の有効孔径よりも小さな目開きの多孔板や網状ス
クリーンなどで形成されている。
【0020】処理槽部3内に設けられた上限位置規制板
39から上側の部分は、処理槽部3から被処理液を流出
させるための出口室45となっており、出口室45の下
部側壁、つまり処理槽部3の側壁の上限位置規制板39
上方近傍部分には、出口室45から被処理水を流出させ
るために出口室45に連通する流出管路47が連結され
ている。流出管路47には、処理槽部3からの被処理水
の流出を制御する被処理水出口弁49が設けられてい
る。洗浄排水槽部5の上面には、洗浄用空気を排出する
ための洗浄排気管路51が、洗浄排水槽部5の低面に
は、洗浄水を排出するための洗浄排水管路53が各々連
結されている。洗浄排気管路51には処理槽部3からの
空気の排出を制御する洗浄排気弁55が、洗浄排水管路
53には処理槽部3からの洗浄水の排出を制御する洗浄
排水弁57が各々設けられている。
【0021】このような構成のフェントン反応槽1を備
えた水処理装置は、図2に示すように、被処理水管路5
8を介して流入する被処理水への過酸化水素の注入と被
処理水のpHの調整を行うための薬液混合槽59、薬液
混合槽59から導入管路9を介して流入する被処理水に
含まれる物質のフェントン反応による酸化分解を行う上
記構成のフェントン反応槽1、フェントン反応槽1から
流出管路47を介して流入する被処理水に紫外線の照射
を行う紫外線照射反応槽61、紫外線照射反応槽61か
ら処理水管路62を介して流入する被処理水の中和を行
うための中和槽63などで構成されている。薬液混合槽
59には、過酸化水素供給管路65を介して過酸化水素
タンク67が、さらに硫酸供給管路69を介して硫酸タ
ンク71が連結されている。過酸化水素供給管路65に
は過酸化水素供給用ポンプ73が、硫酸供給管路69に
は硫酸供給用ポンプ74が各々設けられている。
【0022】薬液混合槽59には、薬液混合槽59内で
薬液つまり過酸化水素や硫酸と被処理水とを混合するた
めのミキサー75、そして薬液混合槽59内の被処理水
のpHを計測してpHを調節するための硫酸の被処理水
への添加量を制御するためのpH調節計77が備えられ
ている。薬液混合槽59内の被処理水をフェントン反応
槽1に導いて流入させるための導入管路9には、被処理
水入口弁17よりも被処理水の流れに対して上流側の部
分に被処理水を送液するためのポンプ79が設けられて
いる。フェントン反応槽1に洗浄用空気を供給する洗浄
用空気管路11の洗浄用空気吹き込み弁23よりも空気
の流れに対して上流側にはブロワ80が連結されてい
る。フェントン反応槽1の洗浄排水槽部5に一端が連結
されている洗浄排水管路53の他端は、洗浄排水濃縮装
置に連結されている。
【0023】中和槽63には、中和槽63内の処理が完
了した処理水81のpHを計測してpHを調節するため
のpH調節計82が備えられている。また、中和槽63
には、pHが調節された処理水81を放流するための放
流管路83が連結されている。中和槽63の底部には、
一端が導入管路9に連結された洗浄水管路19の他端が
連結されており、洗浄水管路19には、中和槽63内の
処理水81を洗浄水としてフェントン反応槽1の送液す
るためのポンプ85が設けられている。洗浄水管路19
のポンプ85よりも洗浄水の流れに対して上流側には、
中和槽63からの洗浄水の供給を制御する洗浄水供給弁
87が設けられている。
【0024】このような構成のフェントン反応槽の動作
と本発明の特徴部について説明する。なお、図1及び図
3において、被処理水や洗浄水の流れは実線の矢印で、
洗浄用空気の流れは破線の矢印で示している。
【0025】水の被処理水の浄化処理を行う場合、図2
に示すように、被処理水入口弁17と被処理水出口弁4
9が開かれ、洗浄水入口弁21、洗浄水供給弁87、洗
浄用空気吹き込み弁23、洗浄排気弁55、そして洗浄
排水弁57が閉じられた状態となる。この状態で、過酸
化水素供給用ポンプ73と硫酸供給用ポンプ74が駆動
されることにより、被処理水2は、薬液混合槽59で過
酸化水素が注入され、フェントン反応に最適のpHに硫
酸の添加によって調整される。過酸化水素が注入され、
pHが調整された被処理水2は、被処理水送液用のポン
プ79の駆動によって、薬液混合槽59からフェントン
反応槽1に流れる。フェントン反応槽1の入口室7に流
入し被処理水2は、図1に示すように、ろ床板29に固
定された複数のストレーナー31の作用で均等に鉄触媒
充填層2を上向きに流れる。
【0026】鉄触媒充填層2を流れる被処理水2は、主
として鉄触媒充填層2に充填されている鉄触媒の表面で
フェントン反応により標的物質、例えばダイオキシン、
PCB、生物難分解性有機物などの酸化分解が起こる。
なお、浮遊するSS表面でも溶解鉄によるフェントン反
応が起こる。続いて被処理水2は、ろ過部材室35に入
り、被処理水2中のSSやフェントン反応で生成した不
溶性物質などがろ過部材37によって捕捉、ろ過され
る。このとき、処理水槽部3内の被処理水2の水位は、
出口室45の流出管路49が連通している部分の開口の
頂部よりも高い位置にあるため、ろ過部材37は、ろ過
部材37の浮力により上限位置規制板39に当たる位置
にある。このように、上限位置規制板39は、ろ過部材
37がろ過水に同伴されるのを防いでいる。
【0027】このようにフェントン反応槽1でフェント
ン反応により標的物質の酸化分解と、SSやフェントン
反応で生成した不溶性物質などが除去された被処理水
は、図2に示すように、紫外線照射処理槽61で紫外線
照射処理されて処理水81となり、中和槽63で中和さ
れた後放流される。
【0028】ところで、このような被処理水の浄化処理
を行うと、フェントン反応槽1の鉄触媒充填層27やろ
過部材37は、SSやフェントン反応で生成した不溶性
物質などによって閉塞されて行く。このため、予め定め
た所定時間毎、または鉄触媒充填層27やろ過部材37
のろ過抵抗が規定値を超えたときに、空気と洗浄水を併
用した鉄触媒充填層27やろ過部材37の洗浄を行う。
洗浄を行う場合、被処理水入口弁17と被処理水出口弁
49が閉じられ、洗浄水入口弁21、洗浄水供給弁8
7、洗浄排気弁55、そして洗浄排水弁57が開けられ
た状態となる。このとき、処理槽部3内の水位は、図3
に示すように、処理水槽部3と洗浄排水槽部5との連通
部33に形成された開口の下縁43の位置まで下がる。
これにより、ろ過部材37は、被処理水の浄化処理時の
位置よりも下方に移動し、ろ過部材37の上面が連通部
33に形成された開口の下縁43の上方近傍に来るよう
な位置となる。
【0029】この状態で洗浄水送液用のポンプ85を駆
動して標的物質を含まぬ水である洗浄水を処理槽部3内
に送り込み、続いて、ブロワ81を駆動した状態で洗浄
用空気吹き込み弁23を開いてブロワ81から散気管1
3を介して処理槽部3内に空気を吹き込むと、鉄触媒充
填層27やろ過部材37に捕捉されたSSなどは、気泡
流により洗い流され、処理水槽部3と洗浄排水槽部5と
の連通部33の越流堰44を越流して洗浄排水槽部5を
介して洗浄水と共に洗浄排水管路53から排出される。
一方、処理槽部3内に吹き込まれた空気は、洗浄排水槽
部5を介して洗浄排気管路51から排出される。この
後、洗浄用空気吹き込み弁23を閉じ、洗浄水のみを流
して、鉄触媒充填層27やろ過部材37、そして処理水
槽部3の内壁面や洗浄排水槽部5の内壁面の洗浄を行
う。なお、鉄触媒の補充を行う場合には、ドレーン弁2
5を開いて処理槽部3内の被処理水を排出した後、鉄触
媒補充口32から鉄触媒を補充する。
【0030】このように、本実施形態のフェントン反応
槽1では、鉄触媒充填層27の下方から流入した気泡を
同伴した洗浄水の流れつまり気泡流で、所定時間毎また
は鉄触媒充填層のろ過抵抗が設定値以上になったときな
どに鉄触媒充填層27を洗浄することにより鉄触媒充填
層27に捕捉されたSSやフェントン反応で生成した不
溶性物質などを鉄触媒充填層27から除去することがで
きる。さらに、SSなどを同伴した洗浄水は、処理槽部
3に、被処理水の流出流路47の連通位置よりも低い位
置に位置する連通部33から洗浄排水槽部5を介して排
出される。このため、フェントン反応槽1の2次側内壁
面へのSSなどの付着箇所が、鉄触媒充填層27の上面
から連通部33までの間の内壁面に限られ、また、被処
理水の流出流路47には洗浄水が流れず、被処理水の流
出流路47へのSSなどの付着は起こらない。
【0031】したがって、SSなどの付着箇所はフェン
トン反応槽1の2次側内壁面の限られた範囲であるた
め、フェントン反応槽1の2次側内壁面や被処理水の流
出流路47に付着したSSを除去するための洗浄や被処
理水の浄化処理開始時に捨て水などを行わなわずに、鉄
触媒充填層27のSSなどが除去された後、洗浄水を余
分に流すだけでフェントン反応槽1の2次側内壁面に付
着したSSなどを除去できる。よって、フェントン反応
槽の後段に配された紫外線照射処理槽へのSSの流入を
低減できる。
【0032】さらに、鉄触媒充填層27の上面と被処理
水の流出流路47の連通位置との間にろ過部材37を設
けているため、被処理水2の処理時に鉄触媒充填層27
からフェントン反応槽1の2次側へ流出するSSなどを
捕捉し、SSなどがフェントン反応槽1から後工程に流
出するのを防ぐことができる。したがって、フェントン
反応槽1の後段に配された紫外線照射処理槽61へのS
Sなどの流入をより低減できる。ただし、被処理水中に
含まれるSSの濃度が比較的低いなど、SSが鉄触媒充
填層27からフェントン反応槽1の2次側へ流出しない
か、流出する量が紫外線照射処理槽61での処理に影響
しない程度である場合には、ろ過部材37を設けていな
い構成にすることもできる。
【0033】また、ろ過部材37は、鉄触媒充填層27
と流出流路47の連通位置の下方近傍に設けられた上限
位置規制板39との間で処理槽部3内の水位に応じて上
下移動可能である。したがって、被処理水の処理時は、
ろ過部材37が被処理水の流出流路47の連通位置近傍
に上昇して被処理水の流出流路へのSSの流入を防ぐこ
とができる。加えて、洗浄時は、越流堰44の上縁、つ
まり連通部33の開口の下縁43で洗浄水の水位が決定
されるため、ろ過部材37の上面が下縁43の近傍上方
に来るまでろ過部材37が低下する。このため、気泡流
によりろ過部材全体を洗浄し、ろ過部材に捕捉されたS
Sを除去することができる。
【0034】ところで、SS除去のため珪砂層を用い、
この珪砂層の上に鉄触媒充填層を積層して上方から下方
に向けて被処理水を通流させるフェントン反応槽などで
は、気泡流による洗浄を行う場合、フェントン反応槽の
底部から上方に向かう気泡流によって、珪砂と鉄触媒の
混合が起こり、鉄触媒の有効表面積が珪砂で塞がれる。
しかし、本実施形態のフェントン反応槽1では、上下移
動可能なろ過部材37を用いているため、ろ材と鉄触媒
の混合が起こらず、鉄触媒の有効表面積が減少すること
がないため、フェントン反応の反応効率を向上できる。
【0035】さらに、本実施形態のフェントン反応槽1
を備えた水処理装置では、紫外線照射処理槽61にSS
が流入しないため、紫外線照射処理の効率を向上し、水
処理装置の水処理効率を向上できる。
【0036】また、本発明は、本実施形態の構成のフェ
ントン反応槽や水処理装置の構成に限らず、鉄触媒によ
りフェントン反応を行う様々なフェントン反応槽やフェ
ントン反応と紫外線照射により水処理を行う様々な水処
理装置に適用できる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、フェントン反応槽の後
段に配された紫外線照射処理槽へのSSの流入を低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなるフェントン反応槽の一実
施形態の概略構成と水処理を行っている状体の動作を示
す断面図である。
【図2】本発明を適用してなるフェントン反応槽を備え
た水処理装置の概略構成と、被処理水、洗浄水、及び洗
浄用空気の流れを示すブロック図である。
【図3】本発明を適用してなるフェントン反応槽の一実
施形態の概略構成と洗浄を行っている状体の動作を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 フェントン反応槽 3 処理槽部 5 洗浄排水槽部 9 導入管路 27 鉄触媒充填層 33 連通部 37 ろ過部材 44 越流堰 47 流出管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 憲一郎 東京都中央区銀座5丁目2番1号 千代田 工販株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA11 AB14 BA18 CA11 4D050 AA12 AB45 BB09 BC06 BD02 BD06 CA07 4H006 AA05 AC13 AC26 4H011 AA02 BA01 BB18 BC18 DA13 DD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄触媒が充填された鉄触媒充填層の上面
    よりも高い位置に前記鉄触媒充填層の下方から流入した
    洗浄水及び洗浄用空気を排出する排出流路が連通され、
    該排出流路の連通部よりも高い位置に前記鉄触媒充填層
    の下方から流入した被処理水の流出流路が連通された水
    処理用のフェントン反応槽。
  2. 【請求項2】 前記鉄触媒充填層と前記被処理水の流出
    流路の連通部との間にろ過部材を設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の水処理用のフェントン反応槽。
  3. 【請求項3】 前記ろ過部材は、鉄触媒充填層と前記被
    処理水の流出流路の連通位置との間で水位に応じて上下
    移動可能であり、前記洗浄水及び前記洗浄用空気を排出
    する排出流路の連通部には洗浄時の洗浄水の水位を決め
    る越流堰が形成されていることを特徴とする請求項2に
    記載の水処理用のフェントン反応槽。
  4. 【請求項4】 被処理水及び洗浄水が流入する入口室に
    洗浄用空気を吹き出す洗浄用空気吹き出し手段を設置
    し、前記入口室の上に前記鉄触媒充填層を設け、該鉄触
    媒充填層は、前記入口室と複数のストレーナーを介して
    連通していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1項に記載の水処理用のフェントン反応槽。
  5. 【請求項5】 鉄触媒充填層を備えたフェントン反応槽
    に過酸化水素を注入した被処理水を通流させ、該フェン
    トン反応槽から流出する被処理水に紫外線を照射する水
    処理装置であり、前記フェントン反応槽が請求項1乃至
    4のいずれか1項に記載のフェントン反応槽であること
    を特徴とする水処理装置。
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