JP2003037286A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2003037286A JP2002136498A JP2002136498A JP2003037286A JP 2003037286 A JP2003037286 A JP 2003037286A JP 2002136498 A JP2002136498 A JP 2002136498A JP 2002136498 A JP2002136498 A JP 2002136498A JP 2003037286 A JP2003037286 A JP 2003037286A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体層が該半導体層を成長する母材基板か
ら受ける応力を確実に低減できるようにすると共に、該
母材基板を半導体層から容易に分離できるようにする。 【解決手段】 サファイアからなる母材基板11の上
に、厚さが約5μmのn型GaNからなるn型コンタク
ト層12を成長する。一旦、反応炉から取り出して、レ
ーザ光80を母材基板11側からn型コンタクト層12
に照射することにより、母材基板11とn型コンタクト
層12との間にn型コンタクト層12が熱分解してなる
熱分解層12aを形成して、母材基板11とn型コンタ
クト層12の間の接合を分離する。次に、母材基板11
の上に接着された状態のn型コンタクト層12の上に発
光層14を含むエピタキシャル層を成長する。次に、熱
分解層12aを塩酸で除去することにより、エピタキシ
ャル層から母材基板11を分離して除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光装置又
は電界効果トランジスタ等の半導体装置の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニ
ウム(AlN)又は窒化インジウム(InN)に代表さ
れるIII-V族窒化物半導体(以下、窒化物系半導体と呼
ぶ。)は、そのバンドギャップが1.9eV〜6.2e
Vと広範囲にわたっており、赤色光から紫外光までの波
長帯をカバーできる材料である。
【0003】一般に、窒化物系半導体を成長する基板に
はサファイア(単結晶Al23 )が用いられている。
サファイアと窒化物系半導体との間には大きな格子不整
合が存在するにもかかわらず、サファイアからなる基板
と窒化物系半導体層との間に低温バッファ層を設けるこ
とにより高品質な結晶を得られている。その結果、サフ
ァイア基板上に形成された窒化物系半導体からなる発光
ダイオード素子が市販されるに至っている。
【0004】また、窒化物系半導体を用いた半導体発光
装置以外にも、窒化物系半導体は絶縁破壊電圧が大きい
ため、大電力動作が可能であり、また大電力動作中の高
温動作にも耐えられる半導体装置として応用が期待され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ように、サファイアからなる基板上に半導体素子を形成
する半導体装置は、サファイア自体の特性が種々の問題
を引き起こしている。
【0006】第1に、窒化物系半導体とサファイアとの
熱膨張係数の違いにより発生する応力が素子に悪影響を
及ぼす。この応力は、基板上に窒化物系半導体層を比較
的に高温の雰囲気でエピタキシャル成長した後、室温に
戻す際には必ず生じる。
【0007】第2に、サファイアは硬度が高く且つ化学
的に安定であるため、エッチングや研磨等の加工が困難
である。例えば、素子が形成されたウエハからダイシン
グによりチップに分割すると、分割されたチップに欠け
や割れが生じやすく、また劈開も困難である。その上、
チップ自体の体積は基板が大部分を占めるにもかかわら
ず、それを分離して除去できないため、小型化及び薄膜
化することは困難である。
【0008】第3に、サファイアは絶縁体であるため、
電極を基板に直接に形成することができない。このた
め、エピタキシャル層に正電極と負電極とを形成し、半
導体装置をフリップチップ方式で実装する必要があり、
結果的に素子面積が大きくなってしまう。
【0009】第4に、サファイアは熱伝導率が小さいた
め、基板からの放熱性が悪く、半導体装置の温度特性を
改善することができない。
【0010】本発明は、前記従来の問題に鑑み、半導体
層が該半導体層を成長する母材基板から受ける応力を確
実に低減できるようにすると共に、該母材基板を半導体
層から容易に分離できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、半導体装置の製造方法を、能動層を含む
第2の半導体層を成長するよりも前に、母材基板上に成
長した第1の半導体層と母材基板との間に第1の半導体
層を熱分解してなる熱分解層を形成する構成とする。
【0012】具体的に、本発明に係る半導体装置の製造
方法は、母材基板の上に第1の半導体層を形成する第1
の工程と、母材基板に対して第1の半導体層の反対側の
面から照射光を照射することにより、第1の半導体層と
母材基板との間に第1の半導体層が熱分解されてなる熱
分解層を形成する第2の工程と、熱分解層が形成された
第1の半導体層の上に、能動層を含む第2の半導体層を
形成する第3の工程とを備えている。
【0013】本発明の半導体装置の製造方法によると、
母材基板の上に第1の半導体層を形成した後、母材基板
に対して第1の半導体層の反対側の面から照射光を照射
することにより、第1の半導体層と母材基板との間に第
1の半導体層が熱分解されてなる熱分解層を形成するた
め、第1の半導体層の上に第2の半導体層を形成した
後、第2の半導体層が形成された母材基板を室温に戻す
際に、母材基板から第1の半導体層に加わる、該母材基
板と第1の半導体層との熱膨張係数の差による応力が熱
分解層により確実に緩和される。このため、能動層を含
む第2の半導体層に生じるクラック等の欠陥を防止する
ことができるので、歩留まりが向上する。
【0014】本発明の半導体装置の製造方法は、第1の
工程と第2の工程との間に、第1の半導体層の上に、第
2の半導体層が実質的に成長しない材料からなり複数の
開口部を有するマスク膜を形成する第4の工程をさらに
備えていることが好ましい。
【0015】このようにすると、マスク膜に設けた開口
部から露出する第1の半導体層の上に第2の半導体層が
成長する場合に、該マスク膜を覆うように横方向(基板
面に平行な方向)成長する第2の半導体層には転位密度
が少ない領域、すなわち低転位密度領域が形成される。
従って、第2の半導体層に含まれる能動層を、第2の半
導体層における低転位密度領域に形成すると、欠陥が少
ない能動層を得ることができる。
【0016】本発明の半導体装置の製造方法は、第1の
工程よりも前に、母材基板の上に、第1の半導体層が実
質的に成長しない材料からなり複数の開口部を有するマ
スク膜を形成する第4の工程をさらに備えていることが
好ましい。
【0017】このようにすると、マスク膜に設けた開口
部から露出する母材基板の上に第1の半導体層が成長す
る場合に、該マスク膜を覆うように横方向成長する第1
の半導体層には転位密度が少ない領域、すなわち低転位
密度領域が形成される。従って、第2の半導体層に含ま
れる能動層を、第1の半導体層における低転位密度領域
に形成すると、欠陥が少ない能動層を得ることができ
る。
【0018】本発明の半導体装置の製造方法は、第3の
工程よりも後に、熱分解層を除去することにより、第1
の半導体層から母材基板を分離する第5の工程をさらに
備えていることが好ましい。
【0019】このように、通常、半導体装置に占める体
積が大きく且つその硬度が高い母材基板が、第1半導体
層及び第2半導体層を含むエピタキシャル層から分離し
て除去されると、エピタキシャル層に対してダイシング
等の加工が容易となる。その上、放熱性に優れない母材
基板の場合には、母材基板が分離されることにより放熱
性が良好となる。また、半導体装置の薄膜化が可能とな
る。
【0020】この場合に、本発明の半導体装置の製造方
法は、第5の工程よりも後に、第1の半導体層における
第2の半導体層の反対側の面上に電極を形成する第6の
工程をさらに備えていることが好ましい。
【0021】このようにすると、電極を母材基板におけ
る第2の半導体層の反対側の面(裏面)に直接に形成す
ることができるため、半導体装置の面積を縮小すること
ができる。
【0022】本発明の半導体装置の製造方法において、
第1の半導体層が窒化物を含む化合物半導体からなるこ
とが好ましい。
【0023】本発明の半導体装置の製造方法において、
第2の半導体層が窒化物を含む化合物半導体からなるこ
とが好ましい。
【0024】本発明の半導体装置の製造方法において、
第1の半導体層が第2の半導体層のコンタクト層である
ことが好ましい。
【0025】又は、本発明の半導体装置の製造方法にお
いて、第1の半導体層が第2の半導体層のクラッド層で
あることが好ましい。
【0026】本発明の半導体装置の製造方法において、
第1の半導体層がp型の窒化物からなる化合物半導体で
あることが好ましい。
【0027】本発明の半導体装置の製造方法において、
照射光の照射エネルギーの値が、約0.1J/cm2
上且つ約20J/cm2 以下であることが好ましい。
【0028】このようにすると、母材基板と第1の半導
体層とが、該第1の半導体層が熱分解されてなる熱分解
層により接着される状態を確実に得ることができる。
【0029】この場合に、照射光の波長が、母材基板を
構成する材料が持つ禁制帯幅の吸収端よりも長く、且つ
第1の半導体層を構成する材料が持つ禁制帯幅の吸収端
よりも短いことが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】図1(a)〜図1(e)は本発明の第1の
実施形態に係る半導体装置であって、発光ダイオード装
置の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0032】まず、図1(a)に示すように、例えば、
有機金属気相エピタキシャル成長(MOVPE)法を用
いる成長装置(以下、MOVPE装置と呼ぶ。)によ
り、主面の面方位が(0001)面(=C面)であるサ
ファイアからなる母材基板11の上に、厚さが約20n
mの窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層(図示
せず)と、厚さが約5μmでn型の不純物であるシリコ
ン(Si)をドープした窒化ガリウムからなるn型コン
タクト層12とを順次成長する。ここで、母材基板11
の径は、例えば、約5.1cm(2インチ)であり、そ
の厚さは約300μmである。なお、図示の都合上、母
材基板11はウエハの一部のみを示している。また、n
型コンタクト層12はバッファ層を含む構成とし、母材
基板11の上に成長したn型コンタクト層12及びその
上に成長する半導体層を、母材基板11を含めてエピタ
キシャル基板と呼ぶ。また、エピタキシャル基板から母
材基板11が除去された状態の半導体層をエピタキシャ
ル層と呼ぶ。以下の実施形態においても同様とする。
【0033】次に、図1(b)に示すように、MOVP
E装置の反応炉からエピタキシャル基板を取り出した
後、母材基板11に対してn型コンタクト層12の反対
側の面からレーザ光80を照射することにより、n型コ
ンタクト層12の母材基板11との界面に、n型コンタ
クト層12が熱分解されてなる熱分解層12aを形成す
る。ここで、レーザ光80は、例えば、ネオジウムイオ
ン(Nd3+)を添加したYAG(イットリウム・アルミ
ニウム・ガーネット)からなる結晶体により得られる、
いわゆるNd:YAGレーザ光の、波長が355nmの
第3次高調波を用いている。このときの照射エネルギー
は約0.3J/cm2 であり、パルスの間隔は約5ns
であり、照射時のレーザ光80のスポット径は約100
μmである。
【0034】レーザ光80に対してサファイアは透明で
あり、従って母材基板11により吸収されることはな
い。これに対し、窒化ガリウムの禁制帯幅における吸収
端の波長は360nm〜364nm程度であり、レーザ
光80の波長の方が短いため、n型コンタクト層12に
おいてレーザ光80は吸収される。この吸収により、n
型コンタクト層12は、金属ガリウム(Ga)と窒素
(N2 )ガスとに熱分解される。
【0035】従って、図1(c)に示すように、n型コ
ンタクト層12の全面にレーザ光80を照射すると、母
材基板11とn型コンタクト層12とは、金属ガリウム
からなる熱分解層12aの融点(約30℃)以上であれ
ば、溶融状態で接着された状態となる。なお、母材基板
11とn型コンタクト層12とが完全に分離されること
なく接着状態を維持するためには、生成する熱分解層1
2aに適当な量があり、その適当な量を決めるのはレー
ザ光80の照射エネルギーである。ここでは、レーザ光
80の照射エネルギーの値を約0.1J/cm2 以上で
且つ約20J/cm2 以下に設定している。
【0036】次に、図1(d)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、エピタキシャル基板をn型コンタク
ト層12が接着した状態で再度投入し、n型コンタクト
層12の上に、n型窒化ガリウムをさらに成長して、該
n型コンタクト層12の厚さを約20μmとする。続い
て、n型コンタクト層12の上に、厚さが約0.1μm
のシリコンをドープしたn型窒化アルミニウムガリウム
(Al0.3 Ga0.7 N)からなるn型障壁層13、厚さ
が約2nmのアンドープの窒化インジウムガリウム(I
0.2 Ga0.8 N)からなる発光層14、厚さが約0.
1μmのマグネシウム(Mg)をドープしたp型窒化ア
ルミニウムガリウム(Al0.3 Ga0.7N)からなるp
型障壁層15、及び厚さが約0.5μmのマグネシウム
をドープしたp型窒化ガリウムからなるp型コンタクト
層16を順次成長する。これにより、発光層14をn型
障壁層13とp型障壁層15とにより挟まれてなる単一
量子井戸構造を有する発光ダイオード素子が形成され
る。
【0037】次に、図1(e)に示すように、p型コン
タクト層16まで成長したエピタキシャル基板を反応炉
から取り出して室温にまで冷却した後、蒸着法により、
p型コンタクト層16の上に厚さが約1μmのニッケル
(Ni)と金(Au)との積層膜からなる正電極20を
選択的に形成する。続いて、図示はしていないが、正電
極20及びp型コンタクト層16の上に、母材基板11
の分離後のエピタキシャル層の扱いが容易となるよう
に、めっき、粘着テープ材、ガラス材又はレジスト材等
であって、塩酸(HCl)に溶けにくい材料からなる保
持材を貼付(塗布)する。その後、塩酸を用いて、熱分
解層12aを除去することにより、母材基板11をn型
コンタクト層12から分離する。続いて、蒸着法によ
り、n型コンタクト層12の熱分解層12aが付着して
いた面上に、厚さが約1μmのチタン(Ti)とアルミ
ニウム(Al)と積層膜からなる負電極21を形成す
る。続いて、ダイサーを用いて、エピタキシャル層を約
300μm角のチップ状に分割することにより、発光ダ
イオード装置を得る。ここでは、正電極20及び負電極
21の電極間に電圧を印加することにより、450nm
の波長を持つ出力光を得られている。なお、保持材は、
ウエハ状態のエピタキシャル層をチップ状に分割する工
程の前か後に除去する。
【0038】ここで、正電極20と負電極21との形成
の順序は問われない。すなわち、負電極21を正電極2
0よりも先に形成する場合には、まず、保持材をp型コ
ンタクト層16の上面に貼付又は塗布し、母材基板11
を分離した後、負電極21をn型コンタクト層12の裏
面上に形成する。その後、保持材を除去して正電極20
をp型コンタクト層16上に形成する。
【0039】このように、第1の実施形態によると、母
材基板11の上にn型コンタクト層12の下部を形成し
た後、母材基板11に対してn型コンタクト層12の反
対側の面からレーザ光80を照射することにより、n型
コンタクト層12の母材基板11との界面にn型コンタ
クト層12が熱分解されてなる熱分解層12aを形成す
る。このため、n型コンタクト層12を再成長し、さら
にこの上に、n型障壁層13、発光層14、p型障壁層
15及びp型コンタクト層16を成長した後、エピタキ
シャル基板を室温に戻す際に、母材基板11からn型コ
ンタクト層12に加わる、該母材基板11とn型コンタ
クト層12との熱膨張係数の差による応力が熱分解層1
2aにより確実に緩和される。このため、冷却時に発光
層14に加わる歪みが低減されるので、電子と正孔との
再結合確率を低下させる原因となるピエゾ効果を低減で
き、発光効率が向上する。また、エピタキシャル層に生
じるクラック等の欠陥を防止することができる。
【0040】また、加工が困難なサファイアからなる母
材基板11を除去してからダイシングを行なうため、半
導体チップに割れや欠けが生じることなく容易にチップ
分割を行なえるので、歩留まりが向上する。
【0041】また、絶縁体である母材基板11を除去す
るため、n型コンタクト層12の発光層14の反対側の
面上に正電極20と対向するように負電極21を形成す
ることができるため、チップ面積を低減することができ
る。
【0042】また、熱伝導率が小さい母材基板11を除
去するため、エピタキシャル層の放熱性が良好となるの
で、発光ダイオード装置としての温度特性が向上する。
【0043】なお、レーザ光80は、Nd:YAGレー
ザ光の第3次高調波に代えて、フッ化クリプトン(Kr
F)による波長が248nmのエキシマレーザ光を用い
ても良い。
【0044】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0045】図2(a)〜図2(e)は本発明の第2の
実施形態に係る半導体装置であって、発光ダイオード装
置の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0046】まず、図2(a)に示すように、例えば、
MOVPE装置に、C面を主面とし厚さが約300μm
のサファイアからなる母材基板11を投入し、投入した
母材基板11の主面上に、厚さが約20nmの窒化ガリ
ウム(GaN)からなるバッファ層(図示せず)と、厚
さが約5μmでp型の不純物であるマグネシウムをドー
プした窒化ガリウムからなるp型コンタクト層22と、
厚さが0.1μmのマグネシウムをドープしたp型窒化
アルミニウムガリウム(Al0.3 Ga0.7 N)からなる
p型障壁層23を順次成長する。
【0047】次に、図2(b)に示すように、MOVP
E装置の反応炉からエピタキシャル基板を取り出した
後、母材基板11に対してp型コンタクト層22の反対
側の面からレーザ光80を照射することにより、p型コ
ンタクト層22の母材基板11との界面に、p型コンタ
クト層22が熱分解されてなる熱分解層22aを形成す
る。ここで、レーザ光80は、Nd:YAGレーザ光の
第3次高調波又はKrFエキシマレーザ光を用いる。こ
のときの照射エネルギーは約0.3J/cm2 であり、
パルスの間隔は約5nsであり、照射時のレーザ光80
のスポット径は約100μmである。レーザ光80はp
型コンタクト層22において吸収され、この吸収によ
り、p型コンタクト層22は、金属ガリウムと窒素ガス
とに熱分解される。従って、p型コンタクト層22の全
面にわたってレーザ光80をスキャンすると、図2
(c)に示すように、母材基板11とp型コンタクト層
22とが熱分解層22aによりに接着された状態を得
る。
【0048】第2の実施形態においては、p型コンタク
ト層22及びp型障壁層23を母材基板11上に成長し
た後、レーザ光80をp型コンタクト層22に照射して
いるため、該p型コンタクト層22及びp型障壁層23
はレーザ光80の光吸収により加熱される。このため、
マグネシウムからなるp型アクセプタの不活性化の原因
となる水素(H)がp型コンタクト層22及びp型障壁
層23から脱離することにより、p型アクセプタが活性
化する。その上、レーザ光80がマグネシウムと水素と
の結合を直接に切断する効果もある。また、レーザ光8
0の照射エネルギーの値を約0.1J/cm2 以上で且
つ約20J/cm2 以下に設定することにより、母材基
板11とp型コンタクト層22とが完全に分離されるこ
とがない。
【0049】次に、図2(d)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、エピタキシャル基板をp型コンタク
ト層22及びp型障壁層23が接着した状態で再度投入
する。続いて、p型障壁層23の上に、厚さが約2nm
のアンドープの窒化インジウムガリウム(In0.2 Ga
0.8 N)からなる発光層24、厚さが約0.1μmのシ
リコンをドープしたn型窒化アルミニウムガリウム(A
0.3 Ga0.7 N)からなるn型障壁層25、及び厚さ
が約0.5μmのシリコンをドープしたn型窒化ガリウ
ムからなるn型コンタクト層26を順次成長する。これ
により、発光層24をp型障壁層23とn型障壁層25
とにより挟まれてなる単一量子井戸構造を有する発光ダ
イオード素子が形成される。
【0050】次に、図2(e)に示すように、n型コン
タクト層26まで成長したエピタキシャル基板を反応炉
から取り出して室温にまで冷却した後、蒸着法により、
n型コンタクト層26の上に厚さが約1μmのチタンと
アルミニウムとの積層膜からなる負電極21を選択的に
形成する。続いて、図示はしていないが、負電極21及
びn型コンタクト層26の上に、母材基板11の分離後
のエピタキシャル層の扱いが容易となるように、めっ
き、粘着テープ材、ガラス材又はレジスト材等であっ
て、塩酸に溶けにくい材料からなる保持材を貼付(塗
布)する。その後、塩酸を用いて、熱分解層22aを除
去することにより、母材基板11をp型コンタクト層2
2から分離する。続いて、蒸着法により、p型コンタク
ト層22の熱分解層22aが付着していた面上に、厚さ
が約1μmのニッケルと金と積層膜からなる正電極20
を形成する。ここでも、正電極20と負電極21との形
成の順序は問われない。その後、ダイサーを用いて、エ
ピタキシャル層を約300μm角のチップ状に分割する
ことにより、発光ダイオード装置を得る。ここでは、正
電極20及び負電極21の電極間に電圧を印加すること
により、450nmの波長を持つ出力光を得られてい
る。なお、保持材は、エピタキシャル層をチップ状に分
割する工程の前か後に除去する。
【0051】このように、第2の実施形態によると、母
材基板11の上にp型コンタクト層22及びp型障壁層
を形成した後、母材基板11に対してp型コンタクト層
22の反対側の面からレーザ光80を照射することによ
り、p型コンタクト層22の母材基板11との界面にp
型コンタクト層22が熱分解されてなる熱分解層22a
を形成する。このため、p型障壁層23の上に、発光層
24、n型障壁層25及びn型コンタクト層26を成長
した後、エピタキシャル基板を室温に戻す際に、母材基
板11からp型コンタクト層22に加わる、該母材基板
11とp型コンタクト層22との熱膨張係数の差による
応力が熱分解層22aにより確実に緩和される。このた
め、冷却時に発光層24に加わる歪みが低減されるの
で、電子と正孔との再結合確率を低下させる原因となる
ピエゾ効果を低減でき、発光効率が向上する。また、エ
ピタキシャル層に生じるクラック等の欠陥を防止するこ
とができる。
【0052】その上、第1の実施形態と異なり、レーザ
光80による熱分解層22aをp型コンタクト層22に
形成するため、レーザ光80の照射時にp型コンタクト
層22に発生する熱が、該p型コンタクト層22及びそ
の上のp型障壁層23におけるp型アクセプタを活性化
するので、活性化のための熱処理や電子線照射等により
アクセプタを活性化する工程が不要となる。
【0053】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0054】図3(a)〜図3(e)は本発明の第3の
実施形態に係る半導体装置であって、半導体レーザ装置
の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0055】まず、図3(a)に示すように、例えば、
MOVPE装置に、C面を主面とし厚さが約300μm
のサファイアからなる母材基板11を投入し、投入した
母材基板11の主面上に、厚さが約20nmの窒化ガリ
ウム(GaN)からなるバッファ層(図示せず)と、厚
さが約5μmのシリコンをドープしたn型窒化ガリウム
(GaN)からなるn型コンタクト層32とを順次成長
する。
【0056】次に、図3(b)に示すように、MOVP
E装置の反応炉からエピタキシャル基板を取り出した
後、母材基板11に対してn型コンタクト層32の反対
側の面からレーザ光80を照射することにより、n型コ
ンタクト層32の母材基板11との界面に、n型コンタ
クト層32が熱分解されてなる熱分解層32aを形成す
る。ここで、レーザ光80は、Nd:YAGレーザ光の
第3次高調波又はKrFエキシマレーザ光を用いる。こ
のときの照射エネルギーは約0.3J/cm2 であり、
パルスの間隔は約5nsであり、照射時のレーザ光のス
ポット径は約100μmである。レーザ光80はn型コ
ンタクト層32において吸収され、この吸収により、n
型コンタクト層32は、金属ガリウムと窒素ガスとに熱
分解される。従って、n型コンタクト層32の全面にわ
たってレーザ光80をスキャンすると、図3(c)に示
すように、母材基板11とn型コンタクト層32とが熱
分解層32aによりに接着された状態を得る。このと
き、レーザ光80の照射エネルギーの値を約0.1J/
cm2 以上で且つ約20J/cm2 以下に設定すること
により、母材基板11とn型コンタクト層32とが完全
に分離されることがない。
【0057】次に、図3(d)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、エピタキシャル基板をn型コンタク
ト層32が接着した状態で再度投入し、n型コンタクト
層32の上に、n型窒化ガリウムをさらに成長して、該
n型コンタクト層32の厚さを約20μmとする。続い
て、n型コンタクト層32の上に、厚さが約1μmのシ
リコンをドープしたn型窒化アルミニウムガリウム(A
0.15Ga0.85N)からなる第1クラッド層33、厚さ
が約0.1μmのアンドープの窒化ガリウムからなる第
1光ガイド層34、量子井戸活性層35、厚さが約0.
1μmのアンドープの窒化ガリウムからなる第2光ガイ
ド層36、厚さが約1μmのマグネシウムをドープした
p型窒化アルミニウムガリウム(Al0.15Ga0.85N)
からなる第2クラッド層37、及び厚さが約0.3μm
のマグネシウムをドープしたp型窒化ガリウムからなる
p型コンタクト層38を順次成長する。
【0058】ここで、量子井戸活性層35は、図示はし
ていないが、厚さが約3nmの窒化インジウムガリウム
(In0.15Ga0.85N)からなる井戸層と、厚さが約7
nmの窒化インジウムガリウム(In0.02Ga0.98N)
からなる障壁層とを3周期分繰り返した多重量子井戸構
造を有している。これにより、量子井戸活性層35をn
型の第1クラッド層33とp型の第2クラッド層37と
により上下から挟まれた多重量子井戸構造を有する半導
体レーザ素子が形成される。
【0059】次に、図3(e)に示すように、p型コン
タクト層38まで成長したエピタキシャル基板を反応炉
から取り出して室温にまで冷却した後、蒸着法により、
p型コンタクト層38の上に厚さが約1μmのニッケル
と金との積層膜からなる正電極20を形成する。さら
に、量子井戸活性層35の導波路となるように、正電極
20をドライエッチング等によりストライプ状にパター
ニングする。続いて、図示はしていないが、正電極20
及びp型コンタクト層38の上に、母材基板11の分離
後のエピタキシャル層の扱いが容易となるように、粘着
テープ材、ガラス材又はレジスト材等であって、塩酸に
溶けにくい材料からなる保持材を貼付(塗布)する。そ
の後、塩酸を用いて、熱分解層32aを除去することに
より、母材基板11をn型コンタクト層32から分離す
る。続いて、蒸着法により、n型コンタクト層32の熱
分解層32aが付着していた面上に、厚さが約1μmの
チタンとアルミニウムと積層膜からなる負電極21を形
成する。さらに、負電極21は、正電極20と対向する
ようにパターニングする。なお、ここでも、正電極20
と負電極21との形成の順序は問われない。
【0060】続いて、エピタキシャル層(量子井戸活性
層35)における各面方位の(−1100)面及び(1
−100)面が共振器端面となるように、エピタキシャ
ル層の例えばn型コンタクト層32をポイントスクライ
バにより罫書き(スクライブ)し、この罫書き線(スク
ライブライン)に沿って加重してエピタキシャル層を劈
開することにより、該エピタキシャル層から所望のレー
ザチップを得る。レーザチップの量子井戸活性層35に
おいて生成される生成光は、共振器端面により反射し且
つ共振してレーザ光として取り出される。なお、ここで
は、共振器端面同士の間隔は約500μmとしている。
また、エピタキシャル層を保持する保持材は、エピタキ
シャル層をチップ状に分割する工程の前か後に除去す
る。
【0061】なお、本願明細書において、面方位に含ま
れるミラー指数に付した負符号”−”は、該負符号に続
く一の指数の反転を便宜的に表わしている。
【0062】上記のようにして得られたレーザチップ
を、ヒートシンクの上に正電極20を上面として保持し
(pサイドアップ)、各電極20、21をワイヤボンデ
ィングしてレーザ発振を試みたところ、室温において、
発振波長が405nmのレーザ光を連続的に発振可能で
あることを確認している。
【0063】第3の実施形態によると、母材基板11の
上にn型コンタクト層32の下部を形成した後、母材基
板11に対してn型コンタクト層32の反対側の面から
レーザ光80を照射することにより、n型コンタクト層
32の母材基板11との界面にn型コンタクト層32が
熱分解されてなる熱分解層32aを形成する。このた
め、n型コンタクト層32を再成長し、さらにこの上
に、量子井戸活性層35を含む各半導体層を成長した
後、エピタキシャル基板を室温に戻す際に、母材基板1
1からn型コンタクト層32に加わる、該母材基板11
とn型コンタクト層32との熱膨張係数の差による応力
が熱分解層32aにより確実に緩和される。このため、
冷却時に量子井戸活性層35に加わる歪みが低減される
ので、電子と正孔との再結合確率を低下させる原因とな
るピエゾ効果を低減でき、発光効率が向上する。また、
エピタキシャル層に生じるクラック等の欠陥を防止する
ことができる。
【0064】また、加工が困難なサファイアからなる母
材基板11を除去してから劈開を行なうため、半導体チ
ップに割れや欠けが生じることなく容易にチップ分割を
行なえるので、歩留まりが向上する。
【0065】また、絶縁体である母材基板11を除去す
るため、n型コンタクト層32の量子井戸活性層35の
反対側の面上に正電極20と対向するように負電極21
を形成できるため、チップ面積を低減することができ
る。その結果、1枚のウエハからより多くのレーザ素子
を得ることができるようになる。
【0066】また、熱伝導率が小さく且つ厚さが数百μ
mの母材基板11を除去するため、1つの素子当たりの
体積も小さくなるので小型化を容易に行なえる。その
上、エピタキシャル層の放熱性が良好となるため、半導
体レーザ装置としての温度特性が向上するので、素子の
寿命を飛躍的に向上することができる。
【0067】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0068】図4(a)〜図4(f)は本発明の第4の
実施形態に係る半導体装置であって、半導体レーザ装置
の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0069】まず、図4(a)に示すように、例えば、
MOVPE装置に、C面を主面とし厚さが約300μm
のサファイアからなる母材基板11を投入し、投入した
母材基板11の主面上に、厚さが約20nmの窒化ガリ
ウム(GaN)からなるバッファ層(図示せず)と、厚
さが約5μmのシリコンをドープしたn型窒化ガリウム
からなるn型下地層31とを順次成長する。続いて、反
応炉からエピタキシャル基板を取り出し、その後、スパ
ッタ法又はCVD法により、n型下地層31の上の全面
に厚さが約100nmの酸化シリコン(SiO2 )から
なる誘電体膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及び
フッ酸(HF)をエッチャントとするウエットエッチン
グ法により、堆積した誘電体膜から、幅及び間隔が共に
5μmのストライプ形状を有し、且つストライプが延び
る方向がn型下地層31を構成する窒化ガリウムの晶帯
軸の<11−20>方向であるマスク膜81を形成す
る。
【0070】次に、図4(b)に示すように、母材基板
11に対してn型下地層31の反対側の面からレーザ光
80を照射することにより、n型下地層31の母材基板
11との界面に、n型下地層31が熱分解されてなる熱
分解層31aを形成する。ここで、レーザ光80は、N
d:YAGレーザ光の第3次高調波又はKrFエキシマ
レーザ光を用いる。このときの照射エネルギーは約0.
3J/cm2 であり、パルスの間隔は約5nsであり、
照射時のレーザ光のスポット径は約100μmである。
レーザ光80はn型下地層31において吸収され、この
吸収により、n型下地層31は、金属ガリウムと窒素ガ
スとに熱分解される。従って、n型下地層31の全面に
わたってレーザ光80をスキャンすると、図4(c)に
示すように、母材基板11とn型下地層31とが熱分解
層31aによりに接着された状態を得る。このとき、レ
ーザ光80の照射エネルギーの値を約0.1J/cm2
以上で且つ約20J/cm2 以下に設定することによ
り、母材基板11とn型下地層31とが完全に分離され
ることがない。
【0071】次に、図4(d)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、エピタキシャル基板をn型下地層3
1が接着した状態で再度投入し、n型下地層31の上
に、マスク膜81を選択成長用のマスクとして、シリコ
ンをドープしたn型窒化ガリウムを成長して厚さが約1
5μmのn型コンタクト層32を形成する。このとき、
n型コンタクト層32を構成する窒化ガリウムは、マス
ク膜81を構成する酸化シリコンとはその結晶構造が異
なるため、マスク膜81の表面には結晶成長せず、n型
下地層31におけるマスク膜81の開口部からの露出部
分から成長を始める。さらに成長すると、マスク膜81
の開口部から成長したn型コンタクト層32はマスク膜
81の上側部分において横方向(基板面に平行な方向)
に成長し始め、ついには、n型コンタクト層32のマス
ク膜81の各開口部から成長する部分がマスク膜81を
覆うように成長する。ここで、n型コンタクト層32に
おけるマスク膜81の各開口部の上側に成長した部分
は、母材基板11との格子不整合により生じた転位が基
板面に対してほぼ垂直な方向に存在している。これに対
し、n型コンタクト層32におけるマスク膜81の上側
部分は、マスク膜81によってn型コンタクト層32中
に存在する転位(欠陥)の伝播が妨げられるため転位密
度が小さい。例えば、第4の実施形態に係るn型コンタ
クト層32の転位密度は、第3の実施形態におけるn型
コンタクト層32の転位密度と比べて1桁から2桁は小
さい。
【0072】さらに、図4(e)に示すように、n型コ
ンタクト層32の上に、厚さが約1μmのシリコンをド
ープしたn型窒化アルミニウムガリウム(Al0.15Ga
0.85N)からなる第1クラッド層33、厚さが約0.1
μmのアンドープの窒化ガリウムからなる第1光ガイド
層34、量子井戸活性層35、厚さが約0.1μmのア
ンドープの窒化ガリウムからなる第2光ガイド層36、
厚さが約1μmのマグネシウムをドープしたp型窒化ア
ルミニウムガリウム(Al0.1 Ga0.9 N)からなる第
2クラッド層37、及び厚さが約0.3μmのマグネシ
ウムをドープしたp型窒化ガリウムからなるp型コンタ
クト層38を順次成長する。ここで、量子井戸活性層3
5は、第3の実施形態と同様の多重量子井戸構造として
いる。
【0073】次に、図4(f)に示すように、p型コン
タクト層38まで成長したエピタキシャル基板を反応炉
から取り出して室温にまで冷却した後、蒸着法により、
p型コンタクト層38の上に厚さが約1μmのニッケル
と金との積層膜からなる正電極20を形成する。さら
に、量子井戸活性層35の導波路となるように、正電極
20をドライエッチング等によりストライプ状にパター
ニングする。続いて、図示はしていないが、正電極20
及びp型コンタクト層38の上に、母材基板11の分離
後のエピタキシャル層の扱いが容易となるように、めっ
き、粘着テープ材、ガラス材又はレジスト材等であっ
て、塩酸に溶けにくい材料からなる保持材を貼付(塗
布)する。その後、塩酸を用いて、熱分解層31aを除
去することにより、母材基板11をn型下地層31から
分離し、続いて、n型下地層31及びマスク膜81を化
学機械的研磨(CMP)法等により研磨して除去する。
続いて、蒸着法により、n型コンタクト層32における
正電極20の反対側の面上に、厚さが約1μmのチタン
とアルミニウムと積層膜からなる負電極21を形成す
る。さらに、負電極21は、正電極20と対向するよう
にパターニングする。なお、ここでも、正電極20と負
電極21との形成の順序は問われない。
【0074】続いて、エピタキシャル層(量子井戸活性
層35)における各面方位の(−1100)面及び(1
−100)面が共振器端面となるように、エピタキシャ
ル層の例えばn型コンタクト層32をポイントスクライ
バにより罫書きし、この罫書き線に沿って加重してエピ
タキシャル層を劈開することにより、該エピタキシャル
層から所望のレーザチップを得る。ここでは、共振器端
面同士の間隔は約500μmとしている。また、エピタ
キシャル層を保持する保持材は、エピタキシャル層をチ
ップ状に分割する工程の前か後に除去する。
【0075】上記のようにして得られたレーザチップを
ヒートシンクの上にpサイドアップで保持し、各電極2
0、21をワイヤボンディングしてレーザ発振を試みた
ところ、室温において、発振波長が405nmのレーザ
光を連続的に発振可能であることを確認している。
【0076】第4の実施形態によると、母材基板11の
上に、n型コンタクト層32の下地層であるn型下地層
31を設けておき、母材基板11に対してn型下地層3
1の反対側の面からレーザ光80を照射することによ
り、n型下地層31の母材基板11との界面にn型下地
層31が熱分解されてなる熱分解層31aを形成する。
このため、n型下地層31の上にn型コンタクト層32
を成長し、さらにこの上に、量子井戸活性層35を含む
各半導体層を成長した後、エピタキシャル基板を室温に
戻す際に、母材基板11からn型下地層31に加わる、
該母材基板11とn型下地層31との熱膨張係数の差に
よる応力が熱分解層31aにより確実に緩和される。
【0077】その上、第4の実施形態に係るn型コンタ
クト層32は、窒化ガリウムが実質的に成長しない材料
からなるマスク膜81の開口部から露出するn型下地層
31から選択的に成長(選択的横方向成長)するため、
その転位密度が大幅に低減される。その結果、量子井戸
活性層35を含むエピタキシャル層の結晶性が良好とな
るので、半導体レーザ装置の動作特性が著しく向上す
る。
【0078】なお、マスク膜81の形状はストライプ状
としたが、これに限られず、ドット状又は格子状等であ
っても同様の効果を得ることができる。
【0079】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0080】図5(a)〜図5(f)は本発明の第5の
実施形態に係る半導体装置であって、半導体レーザ装置
の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0081】まず、図5(a)に示すように、例えばス
パッタ法又はCVD法により、C面を主面とし厚さが約
300μmのサファイアからなる母材基板11の主面上
に、厚さが約100nmの酸化シリコンからなる誘電体
膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びフッ酸をエ
ッチャントとするウエットエッチング法により、堆積し
た誘電体膜から、幅及び間隔が共に5μmのストライプ
形状を有し、且つストライプが延びる方向が母材基板1
1を構成するサファイアの晶帯軸の<1−100>方向
であるマスク膜81を形成する。
【0082】まず、図5(b)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、マスク膜81が形成された母材基板
11を投入し、母材基板11の上にマスク膜81を選択
成長用のマスクとしてn型窒化ガリウムを成長し、厚さ
が約30nmのバッファ層(図示せず)を形成する。続
いて、バッファ層の上に、シリコンをドープしたn型窒
化ガリウムを成長して、厚さが約5μmのn型下地層3
1を形成する。ここで、n型下地層31はバッファ層を
含む構成とする。このとき、n型下地層31を構成する
窒化ガリウムは、マスク膜81の表面には結晶成長せ
ず、n型下地層31におけるマスク膜81の開口部から
の露出部分から成長を始める。さらに成長すると、マス
ク膜81の開口部から成長したn型下地層31はマスク
膜81の上側部分において横方向(基板面に平行な方
向)に成長し始め、ついには、n型下地層31のマスク
膜81の各開口部から成長する部分がマスク膜81を覆
うように成長する。ここで、n型下地層31におけるマ
スク膜81の各開口部の上側に成長した部分は、母材基
板11との格子不整合により生じた転位が基板面に対し
てほぼ垂直な方向に存在している。これに対し、n型下
地層31におけるマスク膜81の上側部分は、マスク膜
81によってn型下地層31中に存在する転位(欠陥)
の伝播が妨げられるため低転位となる。
【0083】次に、図5(c)に示すように、MOVP
E装置の反応炉からエピタキシャル基板を取り出した
後、母材基板11に対してn型下地層31の反対側の面
からレーザ光80を照射することにより、n型下地層3
1の母材基板11との界面及びマスク膜81の近傍に、
n型下地層31が熱分解されてなる熱分解層31aを形
成する。ここで、レーザ光80は、Nd:YAGレーザ
光の第3次高調波又はKrFエキシマレーザ光を用い
る。このときの照射エネルギーは約0.3J/cm 2
あり、パルスの間隔は約5nsであり、照射時のレーザ
光のスポット径は約100μmである。酸化シリコンの
吸収端の波長は190nmであるため、レーザ光80
は、酸化シリコンでは吸収されず、n型下地層31にお
いて吸収される。このレーザ光80の吸収により、n型
下地層31は、金属ガリウムと窒素ガスとに熱分解され
る。従って、n型下地層31の全面にわたってレーザ光
80をスキャンすると、図5(d)に示すように、母材
基板11とn型下地層31とが熱分解層31aによりに
接着された状態を得る。このとき、レーザ光80の照射
エネルギーの値を約0.1J/cm2 以上で且つ約20
J/cm2 以下に設定することにより、母材基板11と
n型下地層31とが完全に分離されることがない。
【0084】次に、図5(e)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、エピタキシャル基板をn型下地層3
1が接着した状態で再度投入する。続いて、n型下地層
31の上に、厚さが約15μmのシリコンをドープした
n型窒化ガリウムからなるn型コンタクト層32と、厚
さが約1μmのシリコンをドープしたn型窒化アルミニ
ウムガリウム(Al0.15Ga0.85N)からなる第1クラ
ッド層33と、厚さが約0.1μmのアンドープの窒化
ガリウムからなる第1光ガイド層34、量子井戸活性層
35、厚さが約0.1μmのアンドープの窒化ガリウム
からなる第2光ガイド層36、厚さが約1μmのマグネ
シウムをドープしたp型窒化アルミニウムガリウム(A
0.1 Ga0.9 N)からなる第2クラッド層37、及び
厚さが約0.3μmのマグネシウムをドープしたp型窒
化ガリウムからなるp型コンタクト層38を順次成長す
る。ここで、量子井戸活性層35は、第3の実施形態と
同様の多重量子井戸構造としている。
【0085】次に、図5(f)に示すように、p型コン
タクト層38まで成長したエピタキシャル基板を反応炉
から取り出して室温にまで冷却した後、蒸着法により、
p型コンタクト層38の上に厚さが約1μmのニッケル
と金との積層膜からなる正電極20を形成する。さら
に、量子井戸活性層35の導波路となるように、正電極
20をドライエッチング等によりストライプ状にパター
ニングする。続いて、図示はしていないが、正電極20
及びp型コンタクト層38の上に、母材基板11の分離
後のエピタキシャル層の扱いが容易となるように、めっ
き、粘着テープ材、ガラス材又はレジスト材等であっ
て、塩酸に溶けにくい材料からなる保持材を貼付(塗
布)する。その後、塩酸を用いて、熱分解層31aを除
去することにより、母材基板11をn型下地層31から
分離し、続いて、n型下地層31及びマスク膜81をC
MP法等により研磨して除去する。続いて、蒸着法によ
り、n型下地層31の熱分解層31aが付着していた面
上に、厚さが約1μmのチタンとアルミニウムと積層膜
からなる負電極21を形成する。さらに、負電極21
は、正電極20と対向するようにパターニングする。な
お、ここでも、正電極20と負電極21との形成の順序
は問われない。続いて、エピタキシャル層(量子井戸活
性層35)における各面方位の(−1100)面及び
(1−100)面が共振器端面となるように、エピタキ
シャル層の例えばn型コンタクト層32をポイントスク
ライバにより罫書きし、この罫書き線に沿って加重して
エピタキシャル層を劈開することにより、該エピタキシ
ャル層から所望のレーザチップを得る。ここでは、共振
器端面同士の間隔は約500μmとしている。また、エ
ピタキシャル層を保持する保持材は、エピタキシャル層
をチップ状に分割する工程の前か後に除去する。
【0086】上記のようにして得られたレーザチップを
ヒートシンクの上にpサイドアップで保持し、各電極2
0、21をワイヤボンディングしてレーザ発振を試みた
ところ、室温において、発振波長が405nmのレーザ
光を連続的に発振可能であることを確認している。
【0087】第5の実施形態によると、母材基板11の
上に選択成長用のマスク膜81を形成した後、n型コン
タクト層32の下地層であるn型下地層31を選択成長
し、その後、母材基板11に対してn型下地層31の反
対側の面からレーザ光80を照射することにより、n型
下地層31の母材基板11との界面にn型下地層31が
熱分解されてなる熱分解層31aを形成する。このた
め、n型下地層31の上にn型コンタクト層32を成長
し、さらにこの上に、量子井戸活性層35を含む各半導
体層を成長した後、エピタキシャル基板を室温に戻す際
に、母材基板11からn型下地層31に加わる、該母材
基板11とn型下地層31との熱膨張係数の差による応
力が熱分解層31aにより確実に緩和される。
【0088】その上、第5の実施形態に係るn型下地層
31は、窒化ガリウムが実質的に成長しない材料からな
るマスク膜81の開口部から露出する母材基板11から
選択的に成長(選択的横方向成長)するため、その転位
密度が大幅に低減される。その結果、量子井戸活性層3
5を含むエピタキシャル層の結晶性が良好となるので、
半導体レーザ装置の動作特性が著しく向上する。
【0089】なお、マスク膜81の形状はストライプ状
としたが、これに限られず、ドット状又は格子状等であ
っても同様の効果を得ることができる。
【0090】(第6の実施形態)以下、本発明の第6の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0091】図6(a)〜図6(e)は本発明の第6の
実施形態に係る半導体装置であって、半導体レーザ装置
の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0092】まず、図6(a)に示すように、例えば、
MOVPE装置に、C面を主面とし厚さが約300μm
のサファイアからなる母材基板11を投入し、投入した
母材基板11の主面上に、厚さが約20nmの窒化アル
ミニウムガリウム(Al0.15Ga0.85N)からなるバッ
ファ層(図示せず)と、厚さが約1μmのシリコンをド
ープした窒化アルミニウムガリウム(Al0.15Ga0.85
N)からなるn型コンタクト層42とを順次成長する。
なお、n型コンタクト層42はバッファ層を含む構成と
する。
【0093】次に、図6(b)に示すように、MOVP
E装置の反応炉からエピタキシャル基板を取り出した
後、母材基板11に対してn型コンタクト層42の反対
側の面からレーザ光80を照射することにより、n型コ
ンタクト層42の母材基板11との界面に、n型コンタ
クト層42が熱分解されてなる熱分解層42aを形成す
る。ここで、レーザ光80は、例えば、波長が248n
mのKrFエキシマレーザ光を用いている。このときの
照射エネルギーは約0.3J/cm2 であり、パルスの
間隔は約5nsであり、照射時のレーザ光80のスポッ
ト径は約100μmである。レーザ光80に対してサフ
ァイアは透明であり、従って母材基板11により吸収さ
れることはない。これに対し、窒化アルミニウムガリウ
ム(Al0. 15Ga0.85N)の禁制帯幅における吸収端の
波長は330nm〜340nm程度であり、レーザ光8
0の波長の方が短いため、n型コンタクト層42におい
てレーザ光80は吸収される。この吸収により、n型コ
ンタクト層42は、ガリウム、アルミニウム及び窒素ガ
スに熱分解される。ここで、熱分解層42aはガリウム
とアルミニウムとの合金からなり、該合金の融点はガリ
ウムのみの純物質の融点よりも低くなる。そこで、レー
ザ光80の照射エネルギーの値を約0.1J/cm2
上で且つ約20J/cm2 以下に設定すると、前述した
のと同様に、合金の融点以上の温度であれば、溶融状態
の熱分解層42aによって、母材基板11とn型コンタ
クト層42とが接着された状態となる。従って、n型コ
ンタクト層42の全面にわたってレーザ光80をスキャ
ンすると、図6(c)に示すように、母材基板11とn
型コンタクト層42とが熱分解層42aによりに接着さ
れた状態を得る。
【0094】次に、図6(d)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、エピタキシャル基板をn型コンタク
ト層42が接着した状態で再度投入する。続いて、n型
コンタクト層42の上に、厚さが約20μmのシリコン
をドープしたn型窒化アルミニウムガリウム(Al0.15
Ga0.85N)からなる第1クラッド層43、厚さが約
0.1μmのアンドープの窒化ガリウムからなる第1光
ガイド層44、量子井戸活性層45、厚さが約0.1μ
mのアンドープの窒化ガリウムからなる第2光ガイド層
46、厚さが約1.5μmのマグネシウムをドープした
p型窒化アルミニウムガリウム(Al0.15Ga0.85N)
からなる第2クラッド層47、及び厚さが約0.3μm
のマグネシウムをドープしたp型窒化ガリウムからなる
p型コンタクト層48を順次成長する。ここで、量子井
戸活性層45は、第3の実施形態と同様に、厚さが約3
nmの窒化インジウムガリウム(In0.15Ga0.85N)
からなる井戸層と、厚さが約7nmの窒化インジウムガ
リウム(In0.02Ga0.98N)からなる障壁層とを3周
期分繰り返して構成されている。
【0095】次に、図6(e)に示すように、p型コン
タクト層48まで成長したエピタキシャル基板を反応炉
から取り出して室温にまで冷却した後、蒸着法により、
p型コンタクト層48の上に厚さが約1μmのニッケル
と金との積層膜からなる正電極20を形成する。さら
に、量子井戸活性層45の導波路となるように、正電極
20をドライエッチング等によりストライプ状にパター
ニングする。続いて、図示はしていないが、正電極20
及びp型コンタクト層48の上に、母材基板11の分離
後のエピタキシャル層の扱いが容易となるように、めっ
き、粘着テープ材、ガラス材又はレジスト材等であっ
て、塩酸に溶けにくい材料からなる保持材を貼付(塗
布)する。その後、塩酸を用いて、熱分解層42aを除
去することにより、母材基板11をn型コンタクト層4
2から分離する。続いて、蒸着法により、n型コンタク
ト層42の熱分解層42aが付着していた面上に、厚さ
が約1μmのチタンとアルミニウムと積層膜からなる負
電極21を形成する。さらに、負電極21は、正電極2
0と対向するようにパターニングする。なお、ここで
も、正電極20と負電極21との形成の順序は問われな
い。
【0096】続いて、エピタキシャル層(量子井戸活性
層45)における各面方位の(−1100)面及び(1
−100)面が共振器端面となるように、エピタキシャ
ル層の例えばn型コンタクト層32をポイントスクライ
バにより罫書きし、この罫書き線に沿って加重してエピ
タキシャル層を劈開することにより、該エピタキシャル
層から所望のレーザチップを得る。レーザチップの量子
井戸活性層45において生成される生成光は、共振器端
面により反射し且つ共振してレーザ光として取り出され
る。なお、ここでは、共振器端面同士の間隔は約500
μmとしている。また、エピタキシャル層を保持する保
持材は、エピタキシャル層をチップ状に分割する工程の
前か後に除去する。
【0097】以上説明したように、第6の実施形態にお
いても、母材基板11の上に第1の半導体層(n型コン
タクト層42)を成長した後、第1の半導体層に対して
母材基板11側から、該第1の半導体層を熱分解可能な
レーザ光80を照射することにより、母材基板11と第
1の半導体層との接合を切りながらも、界面同士を接着
する熱分解層42aを形成する。これにより、図6
(d)に示したエピタキシャル層の成長後の冷却工程に
おいて、母材基板11と第1の半導体層との間の熱膨張
係数の差に起因する応力を低減することができる。
【0098】通常、窒化ガリウム(GaN)層の上に窒
化アルミニウムガリウム(AlGaN)層を成長する場
合には、窒化ガリウム結晶と窒化アルミニウムガリウム
結晶との格子不整合により、クラックが生じやすく、膜
厚を大きくすることができない。その上、窒化アルミニ
ウムガリウムからなる半導体層の禁制帯幅(バンドギャ
ップ)を大きくするためにアルミニウムの組成を大きく
すると、格子不整合がさらに拡大するため、結晶として
の臨界膜厚は逆に小さくなってしまう。
【0099】しかしながら、第6の実施形態によると、
窒化アルミニウムガリウムからなるn型コンタクト層4
2を臨界膜厚以下の厚さに成長し、その後、n型コンタ
クト層42に対してレーザ光80の照射を受けることに
より、母材基板11から受ける応力が緩和されるため、
n型コンタクト層42にはクラックが発生するおそれが
ない。さらに、レーザ光80を照射した後には、熱分解
により生じた熱分解層42aによって、n型コンタクト
層42は母材基板11から受ける応力が緩和された状態
となるため、n型窒化アルミニウムガリウムからなる第
1クラッド層43をn型コンタクト層42の上に比較的
に厚く成長しても、該第1クラッド層43にはクラック
が発生するおそれがない。
【0100】また、n型コンタクト層42のアルミニウ
ムの組成をさらに大きくしたとしても、その臨界膜厚内
で成長した後、レーザ光80を照射しさえすれば、n型
コンタクト層42及び第1クラッド層43にクラックが
発生しなくなる。このため、アルミニウムの組成が大き
く且つ膜厚が厚い第1クラッド層43の形成が可能とな
るので、量子井戸活性層45における生成光の閉じ込め
能力及びキャリアの閉じ込め能力を向上することができ
る。
【0101】なお、量子井戸活性層45に生成光を十分
に閉じ込めるには、第1クラッド層43のアルミニウム
の組成は0.05以上とすることが望ましく、その厚さ
はn型コンタクト層42を含め0.5μm以上とするこ
とが望ましい。
【0102】また、バッファ層に窒化アルミニウムガリ
ウムを用いたが、窒化ガリウムを用いてもよい。
【0103】(第7の実施形態)以下、本発明の第7の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0104】図7(a)〜図7(e)は本発明の第7の
実施形態に係る半導体装置であって、面発光レーザ装置
の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0105】まず、図7(a)に示すように、例えば、
MOVPE装置に、C面を主面とし厚さが約300μm
のサファイアからなる母材基板11を投入し、投入した
母材基板11の主面上に、厚さが約20nmの窒化ガリ
ウムからなるバッファ層(図示せず)と、厚さが約5μ
mのシリコンをドープしたn型窒化ガリウムからなるn
型コンタクト層52とを順次成長する。
【0106】次に、図7(b)に示すように、MOVP
E装置の反応炉からエピタキシャル基板を取り出した
後、母材基板11に対してn型コンタクト層52の反対
側の面からレーザ光80を照射することにより、n型コ
ンタクト層52の母材基板11との界面に、n型コンタ
クト層52が熱分解されてなる熱分解層52aを形成す
る。ここで、レーザ光80は、Nd:YAGレーザ光の
第3次高調波又はKrFエキシマレーザ光を用いる。こ
のときの照射エネルギーは約0.3J/cm2 であり、
パルスの間隔は約5nsであり、照射時のレーザ光のス
ポット径は約100μmである。レーザ光80はn型コ
ンタクト層52において吸収され、この吸収により、n
型コンタクト層52は、金属ガリウムと窒素ガスとに熱
分解される。従って、n型コンタクト層52の全面にわ
たってレーザ光80をスキャンすると、図7(c)に示
すように、母材基板11とn型コンタクト層52とが熱
分解層52aによりに接着された状態を得る。このと
き、レーザ光80の照射エネルギーの値を約0.1J/
cm2 以上で且つ約20J/cm2 以下に設定すること
により、母材基板11とn型コンタクト層52とが完全
に分離されることがない。
【0107】次に、図7(d)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、エピタキシャル基板をn型コンタク
ト層52が接着した状態で再度投入し、n型コンタクト
層52の上に、n型窒化ガリウムをさらに成長して、該
n型コンタクト層52の厚さを約20μmとする。続い
て、n型コンタクト層52の上に、共にシリコンをドー
プしたn型窒化ガリウム(GaN)からなる第1半導体
層(図示せず)とn型窒化アルミニウムガリウム(Al
0.34Ga0.66N)からなる第2半導体層(図示せず)を
交互に35周期分の多層膜を成長してn型反射鏡53を
形成する。ここで、n型反射鏡53は、第1半導体層の
1層当たりの厚さを約43nmとし、第2半導体層の1
層当たりの厚さを約44nmとし、それぞれλ/(4
n)(但し、λは活性層における発光波長であり、nは
第1半導体層又は第2半導体層の屈折率である。)を満
たす厚さで積層して、反射率が高いブラッグ反射鏡を構
成している。
【0108】続いて、n型反射鏡53の上に、窒化ガリ
ウムからなる第1スペーサ層54と、活性層55と、窒
化ガリウムからなる第2スペーサ層56とを順次成長す
る。このように、活性層55を第1スペーサ層54及び
第2スペーサ層56により基板面に垂直な方向に挟むこ
とにより共振器構造を形成する。ここで、図示はしてい
ないが、活性層55は、厚さが約3nmのIn0.10Ga
0.90Nからなる井戸層と、厚さが約5nmのIn0.01
0.99Nからなる障壁層とを26周期分繰り返して構成
されている。
【0109】続いて、第2スペーサ層56の上に、共に
マグネシウムをドープしたp型窒化ガリウム(GaN)
からなる第1半導体層(図示せず)とp型窒化アルミニ
ウムガリウム(Al0.34Ga0.66N)からなる第2半導
体層(図示せず)を交互に30周期分の多層膜を成長し
てp型反射鏡57を形成する。ここで、p型反射鏡57
における第1半導体層の1層当たりの厚さは約43nm
であり、第2半導体層の1層当たりの厚さは約44nm
である。
【0110】続いて、p型反射鏡57まで成長したエピ
タキシャル基板を反応炉から取り出して室温にまで冷却
する。その後、p型反射鏡57の上面からプロトンを照
射して、エピタキシャル層におけるn型反射鏡53から
p型反射鏡57にわたる領域に電流狭窄用の絶縁領域5
8を形成する。
【0111】次に、図7(e)に示すように、蒸着法に
より、p型反射鏡57の上に厚さが約1μmのニッケル
と金との積層膜からなる正電極20を形成する。さら
に、p型反射鏡57における活性層55の上側の領域が
開口するように、正電極20をドライエッチング等によ
りパターニングする。続いて、図示はしていないが、正
電極20及びp型反射鏡57の上に、母材基板11の分
離後のエピタキシャル層の扱いが容易となるように、め
っき、粘着テープ材、ガラス材又はレジスト材等であっ
て、塩酸に溶けにくい材料からなる保持材を貼付(塗
布)する。その後、塩酸を用いて、熱分解層52aを除
去することにより、母材基板11をn型コンタクト層5
2から分離する。続いて、n型コンタクト層52の熱分
解層52aが付着していた面上に、厚さが約1μmのチ
タンとアルミニウムと積層膜からなる負電極21を形成
する。ここでも、正電極20と負電極21との形成の順
序は問われない。
【0112】続いて、ダイサーを用いて、エピタキシャ
ル層をチップ状に分割することにより、面発光レーザ装
置を得る。なお、保持材は、ウエハ状態のエピタキシャ
ル層をチップ状に分割する工程の前か後に除去する。
【0113】上記のようにして得られたレーザチップ
を、ヒートシンクの上に正電極20を上面として保持し
(フェースアップ)、各電極20、21をワイヤボンデ
ィングしてレーザ発振を試みた。レーザチップに注入さ
れた電流は、絶縁領域58により狭窄されて活性層55
に集中し、これにより活性層55に生成した生成光は、
n型反射鏡53とp型反射鏡57との間で共振してレー
ザ発振し、室温において発振波長が405nmのレーザ
光を連続的に発振可能であることを確認している。
【0114】以上説明したように、第7の実施形態に係
る面発光レーザ装置においても、母材基板11の上に第
1の半導体層(n型コンタクト層52)を成長した後、
第1の半導体層に対して母材基板11側から、該第1の
半導体層を熱分解可能なレーザ光80を照射することに
より、母材基板11と第1の半導体層との接合を切りな
がらも、界面同士を接着する熱分解層52aを形成す
る。これにより、図7(d)に示したエピタキシャル層
の成長後の冷却工程において、母材基板11と第1の半
導体層との間の熱膨張係数の差に起因する応力を低減す
ることができる。
【0115】なお、各反射鏡53、57は、窒化ガリウ
ムからなる第1半導体層と、窒化アルミニウムガリウム
からなる第2半導体層とを、それぞれλ/(4n)の厚
さ、すなわち半導体層中を伝播する光の実効的な波長の
4分の1の厚さで交互に成膜して形成したが、これに限
られず、3λ/(4n)と、実効的な波長の4分の3の
厚さで交互に形成してもよい。
【0116】また、各反射鏡53、57は半導体に限ら
れず、例えば酸化シリコン(SiO 2 )と酸化ジルコニ
ウム(ZrO2 )とからなる多層膜構成を持つ誘電体に
より形成されていてもよい。
【0117】また、電流狭窄用の絶縁領域58をイオン
注入により形成したが、これに限られず、絶縁領域58
を選択的に酸化して形成してもよい。
【0118】(第8の実施形態)以下、本発明の第8の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0119】図8(a)〜図8(e)は本発明の第8の
実施形態に係る半導体装置であって、HFETの製造方
法の工程順の断面構成を示している。
【0120】まず、図8(a)に示すように、例えば、
MOVPE装置に、C面を主面とし厚さが約300μm
のサファイアからなる母材基板11を投入し、投入した
母材基板11の主面上に、厚さが約20nmの窒化ガリ
ウムからなるバッファ層(図示せず)と、厚さが約2μ
mの窒化アルミニウムガリウム(Al0.15Ga0.85
層)からなる半導体層(障壁層)62と、厚さが約15
nmのシリコンを高ドープしたn+ 型窒化ガリウム(G
aN)からなるチャネル層63と、厚さが約5nmのア
ンドープの窒化アルミニウム(AlN)からなる絶縁層
64とを順次成長する。続いて、MOVPE装置の反応
炉からエピタキシャル基板を取り出した後、母材基板1
1に対して半導体層62の反対側の面からレーザ光80
を照射することにより、半導体層62の母材基板11と
の界面に、半導体層62が熱分解されてなる熱分解層6
2aを形成する。ここで、レーザ光80は、KrFエキ
シマレーザ光を用いる。このときの照射エネルギーは約
0.3J/cm2 であり、パルスの間隔は約5nsであ
り、照射時のレーザ光のスポット径は約100μmであ
る。レーザ光80は半導体層62において吸収され、こ
の吸収により、半導体層62は、金属ガリウムと窒素ガ
スとに熱分解される。従って、半導体層62の全面にわ
たってレーザ光80をスキャンすると、図8(b)に示
すように、母材基板11と半導体層62とが熱分解層6
2aによりに接着された状態を得る。このとき、レーザ
光80の照射エネルギーの値を約0.1J/cm2 以上
で且つ約20J/cm2 以下に設定することにより、母
材基板11と半導体層62とが完全に分離されることが
ない。なお、チャネル層63及び絶縁層64は、熱分解
層62aを形成した後に、再成長してもよい。
【0121】次に、図8(c)に示すように、絶縁層6
4の上にソース及びドレイン形成領域を露出する酸化シ
リコンからなるマスク膜81を選択的に形成する。続い
て、形成したマスク膜81を用いて、絶縁層64に対し
て、例えば塩素(Cl2 )ガスを用いたドライエッチン
グを行なって、チャネル層63におけるソース及びドレ
イン形成領域を露出する。
【0122】次に、図8(d)に示すように、MOVP
E装置の反応炉に、マスク膜81を形成したエピタキシ
ャル基板を再度投入する。続いて、マスク膜81を選択
成長用のマスクとして、チャネル層63における露出し
たソース及びドレイン形成領域の上に、厚さが約150
nmのシリコンを高ドープしたn+ 型窒化ガリウムから
なるコンタクト層65を再成長する。その後、コンタク
ト層65を成長したエピタキシャル基板を反応炉から取
り出した後、蒸着法により、コンタクト層65における
ソース及びドレイン形成領域に、チタン(Ti)、アル
ミニウム(Al)及び金(Au)の積層膜からなるオー
ム性電極を選択的に形成し、その後、窒素雰囲気でアニ
ールを行なうことにより、ソース電極71及びドレイン
電極72をそれぞれ形成する。続いて、蒸着法により、
絶縁層64の上の中央部に、アルミニウム(Al)、白
金(Pt)及び金(Au)の積層膜からなるショットキ
ー性電極を選択的に形成して、これをゲート電極73と
する。
【0123】次に、図示はしていないが、ソース電極7
1及びドレイン電極72等を含むエピタキシャル層の上
に、母材基板11の分離後のエピタキシャル層の扱いが
容易となるように、粘着テープ材、ガラス材又はレジス
ト材等であって、塩酸に溶けにくい材料からなる保持材
を貼付(塗布)する。その後、塩酸を用いて、熱分解層
62aを除去することにより、母材基板11を半導体層
62から分離する。続いて、ダイサーを用いて、エピタ
キシャル層をチップ状に分割することにより、図8
(e)に示すHFETを得る。なお、保持材は、ウエハ
状態のエピタキシャル層をチップ状に分割する工程の前
か後に除去する。
【0124】以上説明したように、第8の実施形態に係
るHFETにおいても、母材基板11の上に第1の半導
体層(半導体層62)を成長した後、第1の半導体層に
対して母材基板11側から、該第1の半導体層を熱分解
可能なレーザ光80を照射することにより、母材基板1
1と第1の半導体層との接合を切りながらも、界面同士
を接着する熱分解層62aを形成する。これにより、図
8(d)に示したコンタクト層の成長後の冷却工程にお
いて、母材基板11と第1の半導体層との間の熱膨張係
数の差に起因する応力を低減することができる。
【0125】さらに、第8の実施形態に係るHFET
は、熱伝導率が小さいサファイアからなる母材基板11
を除去しているため、動作中における放熱性が極めて良
好となり、安定に動作することができる。
【0126】なお、第1〜第8の各実施形態において、
以下に示す置き換えを行なっても、同様の効果を得るこ
とができる。
【0127】まず、母材基板11をエピタキシャル層か
ら分離するためのレーザ光源に、Nd:YAGレーザ光
の第3次高調波光又はKrFエキシマレーザ光を用いた
が、これに限られない。すなわち、窒化物半導体の吸収
端よりも大きなエネルギーに相当する波長を有し、且つ
母材基板11に対して透明であるレーザ光であればよ
い。例えば、発振波長が308nmの塩化キセノン(X
eCl)によるエキシマレーザ光や、YAGレーザ光の
第4次高調波等でも母材基板11の分離は可能である。
【0128】また、マスク膜81の材料に、酸化シリコ
ンを用いたが、窒化物系半導体がその上に実質的に成長
しない材料であれば良い。例えば、窒化ケイ素(Six
y)等の窒化物、酸化チタン(TiOx )、酸化ジル
コニウム(ZrOx )等の酸化物、又はニッケル(N
i)、モリブデン(Mo)若しくはタングステン(W)
等の高融点金属であってもよい。
【0129】また、第3〜第7の実施形態において、n
型の窒化物半導体層とp型の窒化物半導体層との互いの
導電型を入れ換えてもよい。
【0130】また、製造の対象とした半導体装置は、発
光ダイオード装置、半導体レーザ装置、面発光レーザ装
置、又はHFETに限られず、光導電性セル若しくはヘ
テロ接合フォトダイオード等の受光装置、MISFE
T、JFET若しくはHEMT等の電子デバイス、又は
フィルタ装置においても同様の方法で製造することがで
きる。
【0131】
【発明の効果】本発明の半導体装置の製造方法による
と、第1の半導体層と母材基板との間に第1の半導体層
が熱分解されてなる熱分解層を形成するため、第1の半
導体層の上に第2の半導体層を形成した後、第2の半導
体層が形成された母材基板を室温に戻す際に、母材基板
から第1の半導体層に加わる、該母材基板と第1の半導
体層との熱膨張係数の差による応力が熱分解層により確
実に緩和される。このため、能動層を含む第2の半導体
層に生じるクラック等の欠陥を防止することができるの
で、歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は本発明の第1の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図2】(a)〜(e)は本発明の第2の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図3】(a)〜(e)は本発明の第3の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図4】(a)〜(f)は本発明の第4の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図5】(a)〜(f)は本発明の第5の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図6】(a)〜(e)は本発明の第6の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図7】(a)〜(e)は本発明の第7の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図8】(a)〜(e)は本発明の第8の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【符号の説明】
11 母材基板 12 n型コンタクト層(第1の半導体層) 12a 熱分解層 13 n型障壁層 14 発光層(能動層) 15 p型障壁層 16 p型コンタクト層 20 正電極 21 負電極 22 p型コンタクト層(第1の半導体層) 22a 熱分解層 23 p型障壁層 24 発光層(能動層) 25 n型障壁層 26 n型コンタクト層 31 n型下地層 31a 熱分解層 32 n型コンタクト 32a 熱分解層 33 第1クラッド層 34 第1光ガイド層 35 量子井戸活性層(能動層) 36 第2光ガイド層 37 第2クラッド層 38 p型コンタクト層 42 n型コンタクト層 42a 熱分解層 43 第1クラッド層 44 第1光ガイド層 45 量子井戸活性層(能動層) 46 第2光ガイド層 47 第2クラッド層 48 p型コンタク 52 n型コンタクト層 52a 熱分解層 53 n型反射鏡 54 第1スペーサ層 55 活性層(能動層) 56 第2スペーサ層 57 p型反射鏡 58 絶縁領域 62 半導体層 62a 熱分解層 63 チャネル層(能動層) 64 絶縁層 65 コンタクト層 71 ソース電極 72 ドレイン電極 73 ゲート電極 80 レーザ光 81 マスク膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 昌宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 油利 正昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 清水 裕一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F041 AA03 AA40 AA43 CA04 CA40 CA65 CA74 CA76 CA77

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材基板の上に第1の半導体層を形成す
    る第1の工程と、 前記母材基板に対して前記第1の半導体層の反対側の面
    から照射光を照射することにより、前記第1の半導体層
    と前記母材基板との間に前記第1の半導体層が熱分解さ
    れてなる熱分解層を形成する第2の工程と、 前記熱分解層が形成された第1の半導体層の上に、能動
    層を含む第2の半導体層を形成する第3の工程とを備え
    ていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程と前記第2の工程との間
    に、 前記第1の半導体層の上に、前記第2の半導体層が実質
    的に成長しない材料からなり複数の開口部を有するマス
    ク膜を形成する第4の工程をさらに備えていることを特
    徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程よりも前に、 前記母材基板の上に、前記第1の半導体層が実質的に成
    長しない材料からなり複数の開口部を有するマスク膜を
    形成する第4の工程をさらに備えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程よりも後に、 前記熱分解層を除去することにより、前記第1の半導体
    層から前記母材基板を分離する第5の工程をさらに備え
    ていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか
    1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第5の工程よりも後に、 前記第1の半導体層における前記第2の半導体層の反対
    側の面上に電極を形成する第6の工程をさらに備えてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の半導体層は窒化物を含む化合
    物半導体からなることを特徴とする請求項1〜5のうち
    のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の半導体層は窒化物を含む化合
    物半導体からなることを特徴とする請求項1〜6のうち
    のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の半導体層は前記第2の半導体
    層のコンタクト層であることを特徴とする請求項1〜7
    のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の半導体層は前記第2の半導体
    層のクラッド層であることを特徴とする請求項1〜7の
    うちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の半導体層はp型の窒化物か
    らなる化合物半導体である請求項1〜9のうちのいずれ
    か1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記照射光の照射エネルギーの値は、
    約0.1J/cm2以上且つ約20J/cm2 以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記照射光の波長は、前記母材基板を
    構成する材料が持つ禁制帯幅の吸収端よりも長く、且つ
    前記第1の半導体層を構成する材料が持つ禁制帯幅の吸
    収端よりも短いことを特徴とする請求項11に記載の半
    導体装置の製造方法。
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