JP2003036928A - レバー式コネクタ - Google Patents

レバー式コネクタ

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JP2003036928A JP2001220346A JP2001220346A JP2003036928A JP 2003036928 A JP2003036928 A JP 2003036928A JP 2001220346 A JP2001220346 A JP 2001220346A JP 2001220346 A JP2001220346 A JP 2001220346A JP 2003036928 A JP2003036928 A JP 2003036928A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コネクタの構造を簡単にする。 【解決手段】 雌コネクタ20は、分割ハウジング27
などを収容するハウジング本体21の外側に門型のレバ
ー35を挟み付けて構成される。ハウジング本体21に
は、両長手壁31を切欠することでレバー35に係合可
能な第1弾性片43と第2弾性片44とが一対ずつ設け
られている。第1弾性片43の第1保持突部47がアー
ム部36に穿設した第1係合孔48の孔縁前面に係合す
るとともに、第2弾性片44の第2保持突部49がアー
ム部36に突設した係合片50に係合することで、レバ
ー35が初期位置に保持される。第2弾性片44を内方
へ弾性変形させつつレバー35を格納位置側に回動する
と、第2弾性片44が弾性復帰するとともに第2保持突
部49がアーム部36に穿設した第2係合孔51の孔縁
前後面に係合することで、レバー35が格納位置に保持
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レバー式コネクタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レバー式コネクタの一例として特
開平8−185926号公報に記載されたものが知られ
ている。このものは、内部に雌ハウジングが嵌合可能と
される雄ハウジングにカム溝を有するレバーが回動可能
に装着されており、レバーが雄ハウジングの上方に突出
した初期位置から完了位置へと回動されるのに伴って、
カム溝に沿って雌ハウジングのカムピンが変位すること
で、雌ハウジングが引き込まれるようになっている。こ
のコネクタの製造手順としては、まず成形現場にて雄雌
のハウジングとレバーとを成形した後、雄ハウジングに
対してレバーを初期位置に装着した状態で、上記嵌合作
業などを行う組付現場へ搬送している。しかしながら、
搬送途中では、初期位置としたレバーが雄ハウジングか
ら突出しているため、その突出部分に他部品が干渉する
とレバーが変形したり破損する可能性がある。
【0003】その対策として、レバーの装着位置として
新たに雄ハウジングからのレバーの突出量が小さくなる
ような格納位置を設定することが考えられる。すなわ
ち、搬送前の段階で、雄ハウジングに対してレバーを格
納位置に装着しておくことで、搬送途中でのレバーの変
形などの不具合を回避するのである。この場合、組付現
場への搬送後にレバーを初期位置に戻してから、雌ハウ
ジングとの嵌合作業を行うようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にレバーの装着位置を格納位置と初期位置との2つ設定
するには、レバーを両位置に位置決め保持するために2
つの保持手段をレバーとハウジングとにそれぞれ設ける
必要がある。このため、コネクタの構造が複雑化すると
いう問題があった。本発明は上記のような事情に基づい
て完成されたものであって、コネクタの構造を簡単にす
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明は、相手ハウジングと
嵌合可能なハウジングには、カム溝を備えたレバーが回
動可能に装着され、このレバーが初期位置から完了位置
側へ回動されるのに伴って、前記カム溝に沿って前記相
手ハウジングに設けたカムピンが変位することで両ハウ
ジングが嵌合または離脱されるようになっており、前記
レバーを前記初期位置に保持するための初期位置保持手
段と、レバーを前記ハウジングの外面からの突出量を前
記初期位置と比して減少させた格納位置に保持するため
の格納位置保持手段とが備えられているものであって、
前記初期位置保持手段と前記格納位置保持手段とが共通
構造を有している構成としたところに特徴を有する。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載のもの
において、前記共通構造が、前記ハウジングに一体形成
された弾性変形可能な弾性片とされ、この弾性片が前記
レバーに設けた初期位置係合部及び格納位置係合部に係
合されることで、レバーが前記初期位置及び前記格納位
置に保持されるようになっているところに特徴を有す
る。請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおい
て、前記弾性片が前記ハウジングの表裏両側面に一対設
けられるとともに、その撓み方向が共に内向きとなって
いるところに特徴を有する。請求項4の発明は、請求項
2または請求項3に記載のものにおいて、前記初期位置
係合部が前記レバーにおける回動軌跡の外側端部近傍に
設けられているところに特徴を有する。
【0007】請求項5の発明は、請求項2ないし請求項
4のいずれかに記載のものにおいて、前記弾性片または
前記格納位置係合部の少なくともいずれか一方には、前
記レバーに対して前記初期位置側へ向けて所定以上の力
が作用した場合に、前記弾性片が前記格納位置係合部と
の係合状態を解除しつつ弾性変形するよう案内可能な傾
斜した解除案内面が形成されているところに特徴を有す
る。請求項6の発明は、請求項5に記載のものにおい
て、前記弾性片には、弾性片の撓み方向とは反対方向に
突出するとともに、前記解除案内面に連続した勾配を有
する傾斜面を有する保持力増強突部が設けられていると
ころに特徴を有する。
【0008】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6のいずれかに記載のものにおいて、前記レバーにおけ
る前記格納位置と前記完了位置とが一致していて、前記
格納位置保持手段によってレバーが格納位置及び完了位
置に保持可能とされているところに特徴を有する。請求
項8の発明は、請求項7に記載のものにおいて、前記格
納位置及び前記完了位置に達した前記レバーと前記ハウ
ジングとが衝合する部位には、衝合に伴って検知音を発
生させる検知音発生手段が設けられているところに特徴
を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>ハウジング
とレバーとを組付現場へ搬送する前に、ハウジングに対
してレバーを格納位置に組み付けておく。搬送途中で
は、格納位置としたレバーが他部品との干渉により損傷
を受けるのを極力回避できる。組付現場へ搬送した後、
レバーを格納位置から初期位置に戻してから、両ハウジ
ングの嵌合作業を行う。初期位置保持手段と格納位置保
持手段とを共通させるようにしたから、コネクタの構造
を簡単にすることができる。
【0010】<請求項2の発明>共通構造である弾性片
によりレバーを初期位置及び格納位置に弾性的に保持す
ることができる。従って、レバーを回動させる際には、
弾性片を撓ませさえすればレバーとの係合状態を解除す
ることができ、レバーの回動操作性を良好に保つことが
できる。 <請求項3の発明>両弾性片を外側から摘んで押圧する
ことで、初期位置係合部との係合状態を解除しつつ内側
に撓ませることができる。従って、例えば搬送前の段階
でレバーを初期位置から格納位置に回動させる際の作業
性が良好となる。 <請求項4の発明>弾性片と係合する初期位置係合部が
レバーの回動軌跡の外側端部近傍に設けられているか
ら、レバーの保持力を十分に得ることができ、レバーを
確実に初期位置に保つことができる。
【0011】<請求項5の発明>格納位置におけるレバ
ーの保持をセミロックとしたから、組付現場に搬送した
後にレバーを格納位置から初期位置に戻す作業を容易に
行うことができる。 <請求項6の発明>弾性片に保持力増強突部を設けると
ともに、その保持力増強突部に解除案内面に連続した勾
配を有する傾斜面を設けるようにしたから、レバーの回
動操作性を損なうことなく、レバーの保持力を増強する
ことができる。
【0012】<請求項7の発明>コネクタの構造を一層
簡単にすることができる。 <請求項8の発明>レバーが格納位置及び完了位置に達
したかどうかを検知音の有無によって検知できるから、
レバーが途中位置に留められるといった不具合を回避す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1ないし
図18によって説明する。この実施形態に示すレバー式
コネクタは、分割ハウジング27などを収容するハウジ
ング本体21にレバー35を装着してなる雌コネクタ2
0と、ジャンクションボックス(図示せず)に一体化さ
れた雄コネクタ10とが互いに嵌合されるようになって
いる。なお以下では両コネクタ10,20における嵌合
面側を前方として説明する。
【0014】雄コネクタ10は、図1に示すように、ジ
ャンクションボックスの上面側に一体成形された合成樹
脂製の雄ハウジング11を備え、この雄ハウジング11
は、上方に開口するとともに内側に雌コネクタ20が嵌
合可能とされるフード部12を有している。雄ハウジン
グ11の底面からは、図示しない雄タブ端子が複数本突
設されているとともに、雌コネクタ20の嵌合動作を案
内するための断面T字状のガイド片13が2本上方へ突
出して設けられている。
【0015】フード部12は、横長の略角筒状に形成さ
れており、その長手部分の内面図示左寄り位置には、レ
バー35のカム溝39に係合可能とされる円形のカムピ
ン14が一対互いに対向する位置に配設されている。両
カムピン14の前方には、雌コネクタ20のフランジ3
3を逃がすための一対の切欠部15がフード部12の上
縁部を切り欠いて形成されている。フード部12の長手
部分の内面右寄り位置には、レバー35が回動時に外側
へ開くのを許容する一対の逃がし凹部16が対向状に配
設されている。両逃がし凹部16の右端上部には、後に
詳しく説明する雌コネクタ20の第2弾性片44に係合
可能な解除突部17がそれぞれ突出して対向状に設けら
れている。解除突部17の前面は、テーパ状に形成され
ている。フード部12のうち右側の短手部分は、他の部
分よりも一段低く形成されるとともに、その内面上端部
には、レバー35のロックアーム40に係止可能なロッ
ク突部18が設けられている。
【0016】次に雌コネクタ20について説明する。ハ
ウジング本体21は、合成樹脂製とされ、図1及び図3
に示すように、後方へ開口する横長の略箱型に形成され
るとともに、内部が縦に仕切られることで、後方から3
つの分割ハウジング27を個別に収容可能な収容室22
が3室並んで配設されている。ハウジング本体21にお
ける図3の右端の収容室22の下側には、電線の端末に
接続された雌端子金具(図示せず)を後方から挿入可能
なキャビティ23が2室並んで設けられている。ハウジ
ング本体21の前壁24には、図2に示すように、両コ
ネクタ10,20の嵌合時に相手の雄タブ端子の挿通を
許容する端子挿通孔25が対応する位置に複数穿設され
るとともに、ガイド片13の挿通を許容するガイド片挿
通孔26が2つ穿設されている。
【0017】各分割ハウジング27は、合成樹脂製とさ
れ、図1に示すように、それぞれ大きさが異なる複数種
類の雌端子金具(図示せず)が収容可能とされるキャビ
ティ28を複数室並んで備えており、各キャビティ28
は対応する雌端子金具に合わせた大きさにそれぞれ形成
されている。なお、各キャビティ23,28内に挿入さ
れる雌端子金具は、ランスなどの端子保持手段によって
抜け止め保持可能とされている。各分割ハウジング27
の両外側面には、図12に示すように、抜け止め突部2
9が一対ずつ設けられており、この抜け止め突部29が
各収容室22の内面に一対ずつ突設された各被抜け止め
突部30(図3参照)の前側に係止されることで、各分
割ハウジング27をハウジング本体21から抜け止め保
持可能とされている。また、図1に示す中央と右側の分
割ハウジング27には、雄コネクタ10のガイド片13
を受け入れ可能なガイド溝部(図示せず)が前方へ開口
してそれぞれ形成されている。
【0018】ハウジング本体21の両長手壁31の外面
における後部左寄り位置には、図7に示すように、レバ
ー35を回動可能に軸支するための軸突部32が一対設
けられている。軸突部32は、前後に細長いブロック状
に形成されるとともに、その前後面が円弧状に形成され
ている。両軸突部32の突出端には、装着したレバー3
5の外開きを規制するための円板状のフランジ33がそ
れぞれ設けられている。両長手壁31の外面には、レバ
ー35の回動軌跡に沿って湾曲した形状の回動案内リブ
34が軸突部32に対して左側に1つ、右側に2つ互い
に分離した状態で設けられており、各回動案内リブ34
にレバー35の外周縁が摺接されることでその回動動作
を案内可能とされている。
【0019】レバー35は、合成樹脂製とされ、図1に
示すように、一対のアーム部36の端部が連結部37に
よって連結されることで、全体が略門型に形成されてい
る。このレバー35は、ハウジング本体21の両長手壁
31を両アーム部36によって挟むようにして装着され
るとともに、両軸突部32に対して両アーム部36の先
端側にそれぞれ設けた軸受け凹部38を後方から嵌める
ことで、軸突部32を中心として回動可能に軸支される
ようになっている(図8参照)。軸受け凹部38は、図
7に示すように、その入り口部分が軸突部32の短手寸
法とほぼ同じ幅とされるとともに、奥側部分が軸突部3
2の長手寸法とほぼ同じ径の略円形状に形成されてい
る。
【0020】両アーム部36には、雄コネクタ10のカ
ムピン14に係合可能なカム溝39がそれぞれ設けられ
ている。このカム溝39は、入り口部39aから奥側へ
行くのに従って次第に軸受け凹部38に接近するような
略渦巻き状に形成されている。またアーム部36の外周
縁のうち、カム溝39の入り口部39aを挟んだ左右の
所定領域は、軸受け凹部38を中心とする円弧状に形成
され、この部分が回動案内リブ34に摺接可能とされて
いる。このレバー35は、図13に示すように、ハウジ
ング本体21に対してカム溝39の入り口部39aが正
面を向いた初期位置に装着された状態から、カム溝39
にカムピン14を係合させつつ時計回り方向に回動され
るのに伴って、カムピン14がカム溝39に沿って変位
されることで、両コネクタ10,20の嵌合を助勢でき
るようになっている。そして、レバー35が、カム溝3
9の奥端部が軸突部32の真ん前に配される完了位置に
達すると、図18に示すように、両コネクタ10,20
が完全嵌合に至る。
【0021】連結部37の中央部分には、レバー35が
完了位置に達したときに雄コネクタ10のロック突部1
8に係止することで両コネクタ10,20を嵌合状態に
保持可能なロックアーム40が設けられている。このロ
ックアーム40は、連結部37を切欠することで弾性変
形可能な片持ち状に形成されているとともに、その延出
端(後端)側には、ロック突部18の後面に係止可能な
係止段部41が形成されている。また、連結部37の後
端部におけるロックアーム40の両側方には、レバー3
5を回動操作するための一対の操作部42が設けられて
いる。
【0022】ところで初期位置とされたレバー35は、
図13に示すように、ハウジング本体21から後方へ起
立した姿勢をとっているのに対し、完了位置とされたレ
バー35は、図18に示すように、ハウジング本体21
に対して寝たような姿勢をとっている。つまり、レバー
35は、初期位置よりも完了位置のときの方がハウジン
グ本体21から後方へ突出する量が減少しており、この
完了位置がレバー35を格納しておくための格納位置
(図10参照)を兼ねている。
【0023】さて、この雌コネクタ20には、レバー3
5を初期位置と完了位置及び格納位置とに保持するため
の保持手段が備えられている。この保持手段として、ハ
ウジング本体21の両長手壁31には、図3及び図7に
示すように、レバー35に係合可能な第1弾性片43と
第2弾性片44とが表裏に一対ずつ形成されている。第
1弾性片43と第2弾性片44は、共に長手壁31を切
欠することで後方へ延出する片持ち状に形成されるとと
もに、内方へ弾性変形可能とされている。長手壁31に
おける第1弾性片43の撓み方向奥側の切欠縁部には、
図3に示すように、第1弾性片43が過度に撓み変形す
る手前の段階で第1弾性片43に係合することで、その
過度撓みを規制可能な第1過度撓み規制部45が設けら
れている。長手壁31における第2弾性片44の撓み方
向奥側の切欠縁部には、第1過度撓み規制部45と同様
の機能を有する第2過度撓み規制部46が設けられてい
る。
【0024】両第1弾性片43は、図7に示すように、
右側の2つの回動案内リブ34の間の位置に配されると
ともに、その延出端外面には、外方へ突出する第1保持
突部47が設けられている。この第1保持突部47は、
図8に示すように、アーム部36のうちカム溝39の奥
端部付近の位置に穿設された第1係合孔48内に進入さ
れるとともに、その前面が第1係合孔48の孔縁前部に
係合することで、レバー35を初期位置から反時計回り
方向について回動規制できるようになっている。この第
1保持突部47の前面は、図4に示すように、長手壁3
1の外面に対して鋭角をなす逆テーパ状に形成されるこ
とで、第1係合孔48の孔縁との係合状態を強固に保つ
ことができる。その一方、第1保持突部47の後面は、
長手壁31の外面に対して鈍角をなすテーパ状に形成さ
れることで、レバー35の装着動作に伴って第1弾性片
43が弾性変形するよう案内可能とされている。
【0025】両第2弾性片44は、図7に示すように、
上記第1弾性片43よりも長さ寸法・幅寸法共に大きく
設定されており、長手壁31の右端位置に配されるとと
もに、その延出端外面には、外方へ突出する第2保持突
部49が設けられている。この第2保持突部49の後面
に対して、図8に示すように、アーム部36における連
結部37付近の位置(レバー35における回動軌跡の外
側端部近傍)に突設された係合片50の前面が係合可能
とされ、これによりレバー35を初期位置から時計回り
方向について回動規制できるようになっている。この第
2保持突部49の後面は、図5に示すように、長手壁3
1の外面に対して鋭角をなす逆テーパ状に形成されるこ
とで、係合片50との係合状態を強固に保つことができ
る。また係合片50の前面も第2保持突部49の後面に
沿った傾斜面とされている(図14参照)。その一方、
第2保持突部49の前面は、長手壁31の外面に対して
鈍角をなすテーパ状に形成されている。従って、嵌合時
に雄コネクタ10の解除突部17が第2保持突部49の
前面に係合されるのに伴って第2弾性片44が係合片5
0との係合状態を解除しつつ弾性変形するよう案内可能
とされている(図16参照)。この第2保持突部49の
前面が解除案内面49aとされている。
【0026】第2保持突部49は、レバー35が格納位
置及び完了位置に配されると、図10及び図11に示す
ように、アーム部36のうち係合片50と連結部37と
の間の位置に穿設された四角形状の第2係合孔51内に
進入されるとともに、その前後面が第2係合孔51の孔
縁前後面にそれぞれ係合されることで、レバー35を格
納位置及び完了位置に保持できるようになっている。ま
た第2保持突部49の外面右側縁部には、前後に細長い
保持力増強突部52が外方へ突出して設けられているの
で、レバー35の保持力を増強することができる。ここ
で第2保持突部49の前面には、解除案内面49aが形
成されるとともに、保持力増強突部52の前面には、解
除案内面49aに連続した勾配を有する傾斜面52aが
形成されているから、レバー35を格納位置及び完了位
置から初期位置側へ所定以上の力でもって回動させた場
合には、その力を受けて第2弾性片44が第2係合孔5
1の孔縁との係合状態を解除しつつ自動的に弾性変形さ
れるようになっている。つまり、格納位置及び完了位置
における第2弾性片44によるレバー35の保持は、セ
ミロックとされている。なお、保持力増強突部52の後
面は、初期位置から格納位置及び完了位置側へレバー3
5が回動し易くなるように、ハウジング本体21の外面
に対して鈍角をなすテーパ状に形成されるとともに、そ
の後端が第2保持突部49の外面に繋げられている。
【0027】ところで、連結部37のうち操作部42と
は反対側の端部には、レバー35が格納位置及び完了位
置に至るのに伴ってハウジング本体21の右側端部に突
設した被衝合部54の後面に衝合される衝合部53が全
幅にわたって形成されている。これら衝合部53と被衝
合部54とが衝合することで、検知音が発生するととも
に、レバー35が格納位置及び完了位置から時計回り方
向へ回動するのが規制される。なお嵌合時には、完了位
置に至るとレバー35の両操作部42が雄コネクタ10
のフード部12の前端面に衝合される。ハウジング本体
21のうち被衝合部54に対して左隣りの位置には、図
2及び図6に示すように、上記した検知音を響かせるた
めの長方形状の音響空間55が前方へ開口して形成され
ている。さらには、レバー35のうち衝合部53の後方
に配された両操作部42にも同様の機能を有する音響空
間56が側方へ開口して形成されている。
【0028】続いて、本実施形態のレバー式コネクタの
製造手順を説明する。まず、成形現場にて雄タブ端子を
インサートしつつジャンクションボックスと共に雄ハウ
ジング11を成形する一方で、雌コネクタ20側のハウ
ジング本体21、各分割ハウジング27及びレバー35
をそれぞれ成形する。その後、各部品を箱詰めして組付
現場へと搬送するのであるが、ここでレバー35はハウ
ジング本体21に対して格納位置に装着した状態で箱詰
めしている。レバー35の装着に当たっては、図7及び
図8に示すように、レバー35をハウジング本体21の
後方から挟み付けて一旦初期位置まで回動させる。その
後、図9に示すように、両第2弾性片44を外側から摘
んで押圧することで、係合片50との係合状態を解除す
るよう内方へ弾性変形させつつ、図10に示すように、
レバー35を格納位置へと回動させる。このとき、レバ
ー35の衝合部53がハウジング本体21の被衝合部5
4に衝合することで検知音が発生するので、レバー35
が格納位置に至ったか否かを明瞭に検知できる。このよ
うに両第2弾性片44の解除操作を摘んで行うことがで
きるので、作業性に優れる。
【0029】この格納位置では、レバー35を初期位置
とした場合と比較してハウジング本体21からのレバー
35の突出量が小さくなっているから、搬送途中におけ
るレバー35と他部品との干渉を極力回避でき、レバー
35の損傷を防ぐことができる。それに加えて、容積効
率に優れ、搬送コストの低減にも寄与できる。また、格
納位置としたレバー35は、図11に示すように、弾性
復帰した第2弾性片44の第2保持突部49及び保持力
増強突部52が共に第2係合孔51の孔縁に係合するこ
とで保持されているので、十分な保持力が得られてお
り、搬送途中にレバー35が格納位置から位置ずれする
ような事態を極力回避できる。
【0030】搬送先である組付現場では、ハウジング本
体21の両キャビティ23及び各分割ハウジング27の
各キャビティ28内に電線に接続した雌端子金具を収容
した後、図12に示すように、レバー35を格納位置と
したハウジング本体21の各収容室22内に、各分割ハ
ウジング27を後方から挿入して組み付ける。このとき
格納位置のレバー35は、連結部37が収容室22の側
方に退避しているので分割ハウジング27の組み付けが
スムーズに行われる。その後、レバー35を格納位置か
ら反時計回り方向へ回動操作すると、第2弾性片44
は、第2保持突部49の解除案内面49a及び保持力増
強突部52の傾斜面52aにより案内されて、第2係合
孔51の孔縁との係合状態を解除しつつ弾性変形される
ので、図13に示すように、レバー35を初期位置まで
戻しておく。このように第2弾性片44によるレバー3
5の保持がセミロックとなっているので、作業性に優れ
る。この初期位置では、レバー35は、図13及び図1
4に示すように、その回動軌跡の外側端部近傍に配され
た係合片50が第2弾性片44の第2保持突部49に係
合することで、十分な保持力が得られているから、続い
て行われる嵌合作業までの間にレバー35が初期位置か
ら位置ずれするのを防ぐことができる。
【0031】このようにして組み付けた雌コネクタ20
を雄コネクタ10に嵌合する作業を行う。雄コネクタ1
0のフード部12内に雌コネクタ20を上方から軽く嵌
合させ、図15に示すように、カムピン14がカム溝3
9の入り口部39aに進入させる。この過程で、図16
に示すように、第2保持突部49に解除突部17が係合
し、解除案内面49aに案内されて第2弾性片44が係
合片50との係合状態を解除しつつ内方へ弾性変形され
る。これにより、初期位置としたレバー35の回動規制
状態が解除されるから、レバー35を時計回り方向へ回
動操作する。レバー35が回動されるのに伴って、図1
7に示すように、カム溝39に沿ってカムピン14が奥
方へと変位することで、両コネクタ10,20の嵌合が
進行される。そして、レバー35が完了位置に達する
と、図18に示すように、両コネクタ10,20が完全
嵌合状態に至るとともに、ロックアーム40の係止段部
41にロック突部18が係止する。このとき、第2保持
突部49が第2係合孔51内に進入して、その孔縁の前
後面に係合される。これらロックアーム40と第2弾性
片44とにより両コネクタ10,20が嵌合状態から離
脱不能に保持される。この完全嵌合に至るのに伴って、
レバー35の衝合部53がハウジング本体21の被衝合
部54に衝合することで検知音が発生するから、レバー
35が完了位置に至ったか否かを明瞭に検知でき、レバ
ー35が途中で留められて両コネクタ10,20が半嵌
合とされるのを防ぐことができる。なお、アーム部36
のうち第2係合孔51の周縁前後には、嵌合過程及び完
全嵌合時に雄コネクタ10の解除突部17を逃がすため
の逃がし溝57が形成されている。
【0032】一方、メンテナンスなどの事情により両コ
ネクタ10,20を取り外す場合には、ロックアーム4
0を撓ませてロック突部18との係止状態を解除した後
に、レバー35を完了位置から初期位置へと反時計回り
方向に回動させる。するとカムピン14がカム溝39に
沿って入り口部39a側へ変位することで、両コネクタ
10,20の離脱が進行される。レバー35が初期位置
に至ったら、両コネクタ10,20を引き離すようにす
る。
【0033】以上説明したように本実施形態によれば、
レバー35を初期位置と完了位置及び格納位置との2位
置に保持するための保持手段として第2弾性片44を共
通構造としたから、仮に共通させないようにした場合と
比較してコネクタの構造を簡単にすることができる。し
かも、嵌合時にレバー35を回動させる際には、嵌合動
作を利用して解除突部17によって第2弾性片44を撓
ませることでその保持状態を解除できるから、例えば凹
凸の嵌まり合いによって保持する場合と比較してレバー
35の回動操作性に優れる。
【0034】さらには、両第2弾性片44をハウジング
本体21の表裏両面に一対配設したから、両第2弾性片
44を摘んで簡単に内方へ撓ませることができ、搬送時
にレバー35を搬送位置へ回動させる作業を簡単に行う
ことができる。しかも、第2弾性片44に係合する係合
片50がレバー35の回動軌跡の外側端部近傍に配設さ
れているから、レバー35の保持力を十分に得ることが
でき、レバー35を確実に初期位置に保つことができ
る。
【0035】また、第2弾性片44に解除案内面49a
を設けることで格納位置におけるレバー35の保持をセ
ミロックとしたから、組付現場に搬送したレバー35を
初期位置に戻す作業を容易に行うことができる。しか
も、第2弾性片44に保持力増強突部52を設けるとと
もに、その保持力増強突部52に解除案内面49aに連
続する勾配を有する傾斜面52aを設けるようにしたか
ら、レバー35の回動操作性を損なうことなく、レバー
35の保持力を増強することができる。
【0036】また、レバー35の完了位置と格納位置と
を一致させ、第2弾性片44によって両位置に保持する
ようにしたから、コネクタの構造を一層簡単にすること
ができる。しかも、レバー35が完了位置及び格納位置
に達したかどうかを検知音の有無によって検知できるか
ら、レバー35が途中位置に留められるといった不具合
を回避することができる。
【0037】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)上記した実施形態では、レバーの格納位置と完了
位置とを一致させる場合について示したが、コネクタの
構造や使用状況などにより制約がある場合には、完了位
置と格納位置とを別々に設定するようにしてもよい。
【0038】(2)上記した実施形態では、レバーの保
持手段として弾性片を用いた場合を示したが、例えばレ
バー側の設けた凹部にハウジング本体側に設けた凸部を
嵌合させることでレバーを保持するようにしてもよく、
そのようなものも本発明に含まれる。 (3)上記した実施形態では、雄コネクタがジャンクシ
ョンボックスに一体化されたものを示したが、例えば、
電線の端末に接続した雄端子金具を収容するタイプの雄
コネクタを上記実施形態の雌コネクタに嵌合するような
ものも本発明に含まれる。 (4)上記した実施形態では、レバーを雌コネクタ側に
装着した場合を示したが、逆に雄コネクタ側に装着する
場合にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るレバー式コネクタの
分解斜視図
【図2】ハウジング本体の正面図
【図3】ハウジング本体の背面図
【図4】図3のA−A線断面図
【図5】図3のB−B線断面図
【図6】図3のC−C線断面図
【図7】ハウジング本体にレバーを装着する前の状態を
示す平面図
【図8】ハウジング本体にレバーを初期位置に装着する
作業を示す平面図
【図9】両第2弾性片を押圧する作業を示す図8のD−
D線断面図
【図10】ハウジング本体にレバーを格納位置に装着し
た状態を示す平面図
【図11】図10のB−B線断面図
【図12】ハウジング本体に分割ハウジングを収容する
前の状態を示す平面図
【図13】両コネクタを嵌合する前の状態を示す部分切
欠平面図
【図14】図13のD−D線断面図
【図15】両コネクタの嵌合初期の状態を示す部分切欠
平面図
【図16】図15のD−D線断面図
【図17】両コネクタの嵌合途中の状態を示す部分切欠
平面図
【図18】両コネクタが完全嵌合に至った状態を示す部
分切欠平面図
【符号の説明】
11…雄ハウジング(相手ハウジング) 14…カムピン 21…ハウジング本体(ハウジング) 35…レバー 39…カム溝 43…第1弾性片(初期位置保持手段) 44…第2弾性片(共通構造である弾性片) 49a…解除案内面 50…係合片(初期位置係合部) 51…第2係合孔(格納位置係合部) 52…保持力増強突部 52a…傾斜面 53…衝合部(検知音発生手段) 54…被衝合部(検知音発生手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手ハウジングと嵌合可能なハウジング
    には、カム溝を備えたレバーが回動可能に装着され、こ
    のレバーが初期位置から完了位置側へ回動されるのに伴
    って、前記カム溝に沿って前記相手ハウジングに設けた
    カムピンが変位することで両ハウジングが嵌合または離
    脱されるようになっており、前記レバーを前記初期位置
    に保持するための初期位置保持手段と、レバーを前記ハ
    ウジングの外面からの突出量を前記初期位置と比して減
    少させた格納位置に保持するための格納位置保持手段と
    が備えられているものであって、 前記初期位置保持手段と前記格納位置保持手段とが共通
    構造を有していることを特徴とするレバー式コネクタ。
  2. 【請求項2】 前記共通構造が、前記ハウジングに一体
    形成された弾性変形可能な弾性片とされ、この弾性片が
    前記レバーに設けた初期位置係合部及び格納位置係合部
    に係合されることで、レバーが前記初期位置及び前記格
    納位置に保持されるようになっていることを特徴とする
    請求項1記載のレバー式コネクタ。
  3. 【請求項3】 前記弾性片が前記ハウジングの表裏両側
    面に一対設けられるとともに、その撓み方向が共に内向
    きとなっていることを特徴とする請求項2記載のレバー
    式コネクタ。
  4. 【請求項4】 前記初期位置係合部が前記レバーにおけ
    る回動軌跡の外側端部近傍に設けられていることを特徴
    とする請求項2または請求項3記載のレバー式コネク
    タ。
  5. 【請求項5】 前記弾性片または前記格納位置係合部の
    少なくともいずれか一方には、前記レバーに対して前記
    初期位置側へ向けて所定以上の力が作用した場合に、前
    記弾性片が前記格納位置係合部との係合状態を解除しつ
    つ弾性変形するよう案内可能な傾斜した解除案内面が形
    成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4
    のいずれかに記載のレバー式コネクタ。
  6. 【請求項6】 前記弾性片には、弾性片の撓み方向とは
    反対方向に突出するとともに、前記解除案内面に連続し
    た勾配を有する傾斜面を有する保持力増強突部が設けら
    れていることを特徴とする請求項5記載のレバー式コネ
    クタ。
  7. 【請求項7】 前記レバーにおける前記格納位置と前記
    完了位置とが一致していて、前記格納位置保持手段によ
    ってレバーが格納位置及び完了位置に保持可能とされて
    いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれ
    かに記載のレバー式コネクタ。
  8. 【請求項8】 前記格納位置及び前記完了位置に達した
    前記レバーと前記ハウジングとが衝合する部位には、衝
    合に伴って検知音を発生させる検知音発生手段が設けら
    れていることを特徴とする請求項7記載のレバー式コネ
    クタ。
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