特許文献1では明瞭には開示されていないが、上述したように第1位置と第2位置との間で回転するレバーが設けられた電気的接続装置においては、第1位置の状態でレバーが第1コネクタに対して係止されることが望ましい。レバーが第1コネクタに対して係止されることにより、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合作業が行われる前の状態において、レバーの位置が動かないように第1コネクタに対して保持することができる。これにより、嵌合作業時に第1位置に戻すような作業が発生してしまうことを防止して、作業性の向上が図られることが期待される。また、嵌合作業が行われる前における電気的接続装置の搬送時に、レバーが第1位置から動かないようにするためにトレイのような強固な梱包形態を選択する必要がなく、梱包形態の簡素化が図られることも期待される。
しかし、レバーと第1コネクタとの係止が解除されてレバーが動いてしまうことを防止するために、第1位置の状態においてレバーと第1コネクタとが強い係止力で強固に係止し合うように係止箇所の形状を設定すると、嵌合作業時にレバーと第1コネクタとの係止を解除することが困難になってしまう。このため、嵌合作業時の作業能率の低下を招いてしまうことになり、更には、作業者が無理に係止を解除させようとした際にレバーや第1コネクタの破損を招く虞もある。一方、作業者が指でレバーを操作して容易に第1コネクタとの係止を解除できるように、係止箇所の形状をレバーと第1コネクタとの係止力が小さくなるような設定とすると、嵌合作業前に強い力がレバーに負荷された場合、係止が容易に解除されてレバーが第1位置から容易に動いてしまうことになる。
尚、レバーにおいて、指で操作が可能な操作部分に対して回転軸心を介して反対側の端部にて、第1コネクタの係止片に係止させる構造にすることが考えられる。この場合、更に、係止片に対する係止力が強くなるように設定し、第2コネクタが嵌合する際に第2コネクタが係止片と当接してこの係止片を変位させ、レバーと第1コネクタとの係止を解除する構造にすることが考えられる。しかしながら、この構造の場合、レバーにおける操作
部分に強い力が負荷されると、レバーが倍力機構として作動することになり、回転軸心を介して操作部分と反対側で係止片と係止する端部が作用点となり、この端部に過大な力が作用してしまうことになる。このため、レバーに強い力が負荷されたときには、前述した構造と同様に、レバーと係止片との係止が容易に解除されてしまうことになり、レバーが第1位置から容易に動いてしまうことになる。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合前の状態においてレバーを第1コネクタに対して強固に係止してレバーが動いてしまうことを防止できるとともに、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合時には、容易にレバーと第1コネクタとの係止を解除することができる、電気的接続装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る電気的接続装置は、1つ又は複数の端子をそれぞれ保持する2つのコネクタが嵌合することで前記端子同士が接続される電気的接続装置であって、前記2つのコネクタのうちの一方である第1コネクタと、前記2つのコネクタのうちの他方である第2コネクタと、前記第1コネクタに対して回転自在に取り付けられるとともに、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合することで、前記第1コネクタに対して係止された第1位置から前記第1コネクタに対する係止が解除された第2位置へと回転するレバーと、前記第1コネクタに設けられ、前記レバーと係止することで、当該レバーの回転動作を規制するように前記第1コネクタに対して当該レバーを前記第1位置において係止するロック部と、を備えている。そして、第1発明に係る電気的接続装置は、前記ロック部は、前記第1コネクタに対して一体に形成され又は固定される支点部分と、前記支点部分に対して一体に形成され又は固定されるとともに当該支点部分を支点として両端部が揺動するシーソー部分と、を有し、前記シーソー部分における一方の端部は、前記第1位置の状態の前記レバーと係止可能に配置され、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合するときに、前記シーソー部分における前記一方の端部と前記支点部分を介して反対側に配置された他方の端部が前記第2コネクタと当接することで、当該シーソー部分が揺動して前記一方の端部と前記レバーとの係止が解除され、前記レバーが前記第1位置から前記第2位置へと回転することを特徴とする。
この発明によると、第1コネクタに回転自在に取り付けられたレバーは、第1及び第2コネクタが嵌合する前の第1位置の状態では、シーソー部分の一方の端部と係止し、第1コネクタに対して係止された状態で保持される。このとき、シーソー部分の一方の端部については、レバーにおける回転軸心から離れた位置であって指などを引っ掛けて力を負荷することが可能なように延びた部分(力が作用し易くて力点となり得るような部分)と直接係止する位置において、レバーに係止させることができる。このため、第1位置においてレバーをシーソー部分を介して第1コネクタに対して強固に係止させてレバーが動いてしまうことを防止できる。そして、第1コネクタに第2コネクタが嵌合すると、第2コネクタがシーソー部分の他方の端部と当接し、これにより、シーソー部分が支点部分を支点として揺動して一方の端部とレバーとの係止が解除され、レバーが第1位置から第2位置へと回転する。このように、シーソー部分は、一方の端部でレバーと係止し、第1及び第2コネクタの嵌合時には、支点部分を介して一方の端部と反対側の他方の端部で第2コネクタと当接して揺動する構造であるため、第1及び第2コネクタの嵌合とともにレバーと第1コネクタに設けられたシーソー部分との係止が容易に解除されることになる。
従って、本発明によると、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合前の状態においてレバーを第1コネクタに対して強固に係止してレバーが動いてしまうことを防止できるとともに、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合時には、容易にレバーと第1コネクタとの係止を解除することができる、電気的接続装置を提供することができる。
また、本発明によると、上記のように、嵌合前の第1位置にてレバーを第1コネクタに強固に係止してレバーが動いてしまうことを防止できるため、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合作業が行われる際まで、レバーの位置が動かないように第1コネクタに対して第1位置でレバーを保持することができる。これにより、嵌合作業時にレバーを第1位置に戻すような作業が発生してしまうことを防止でき、作業性の向上を図ることができる。また、本発明では、嵌合作業が行われる前における電気的接続装置の搬送時に、レバーが第1位置から動かないようにするためにトレイのような強固な梱包形態を選択する必要がなく、梱包形態の簡素化を図ることができる。更に、本発明では、第1位置においてレバーが強固な係止力で係止されて、嵌合作業時のみレバーが第2位置に回転する。このため、力の強い作業者が強引にレバーを動かして無理やりに誤った位置や状態で嵌合作業を行って第1及び第2コネクタを嵌合させようとした場合であっても、レバーが動くことが防止される。これにより、正規の嵌合状態ではなく半嵌合のような状態で強引に第1コネクタと第2コネクタとが嵌合されてしまう状態が発生することを防止できる。
第2発明に係る電気的接続装置は、第1発明の電気的接続装置において、互いに係止する前記レバーと前記一方の端部とのうちの少なくともいずれかには、突起状に形成された係止用突起が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、レバーと一方の端部とのうちの少なくともいずれかに係止用突起が設けられているため、レバーと一方の端部とを更に確実に係止させることができ、より強固な係止力を確保することができる。
第3発明に係る電気的接続装置は、第1発明又は第2発明の電気的接続装置において、前記一方の端部から前記他方の端部に亘って延びる前記シーソー部分の長手方向は、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合する嵌合方向と平行な方向に沿って延びるように配置されていることを特徴とする。
この発明によると、シーソー部分の長手方向と第1及び第2コネクタの嵌合方向とが平行に延びるように配置される。このため、第2コネクタが第1コネクタに嵌合して当接すると、第2コネクタの第1コネクタに対する相対変位とともに、シーソー部分が第2コネクタと引っ掛かってしまうことなく滑らかに揺動し、レバーと第1コネクタとの係止が解除されることになる。このため、第1位置でのレバーと第1コネクタとの強固な係止力が確保される構造において、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合時におけるレバーと第1コネクタとの係止の容易な解除を更に円滑に行うことができる。
第4発明に係る電気的接続装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかの電気的接続装置において、前記レバーは、前記第1コネクタに対して、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合する嵌合方向と垂直な方向である幅方向と平行に延びるとともに、両端部が前記第1コネクタの幅方向における両側において回転自在に取り付けられ、前記ロック部は、前記第1コネクタの幅方向において複数並んで設けられていることを特徴とする。
この発明によると、レバーがその両端部にて第1コネクタの幅方向の両側において回転自在に取り付けられるため、レバーを第1コネクタに対して回転動作が円滑に行えるように安定した状態で回転自在に取り付けることができる。そして、ロック部が第1コネクタの幅方向に複数並んで設けられるため、第1コネクタに対して安定して回転自在に支持されたレバーに対して、効率よく配置されたロック部にてより強固にレバーを係止することができる。
第5発明に係る電気的接続装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかの電気的接続装置において、前記レバーには、前記第1位置から前記第2位置へと回転するときに前記第2
コネクタに対して係合する係合部が設けられ、前記レバーは、前記係合部が当該レバーの回転軸心を中心として回転する半径が、前記一方の端部に係止する部分が当該レバーの回転軸心を中心として回転する半径よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする。
この発明によると、レバーは、第2コネクタが第1コネクタに嵌合することで、第1位置から第2位置へと回転し、係合部において第2コネクタに係合する。そして、このレバーは、係合部における回転軸心からの回転半径が、シーソー部分に係止する部分における回転軸心からの回転半径よりも小さくなるように形成されている。このため、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が外れる方向に力が作用した場合であっても、レバーに対して第2位置から第1位置へと回転する方向に作用する力を小さくでき、係合部が外れてしまうことを抑制する構造を容易に実現できる。これにより、一旦成立した第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が外れにくい構造を実現できる。また、シーソー部分に係止する部分における回転軸心からの回転半径が大きく設定されるため、第1及び第2コネクタの嵌合時に、レバーにおける係止する部分の近傍に指などを引っ掛けて力を負荷して補助的に操作する際に、小さい操作力でこの操作を容易に行うことができる。
第6発明に係る電気的接続装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかの電気的接続装置において、互いに当接する前記他方の端部と前記第2コネクタとのうちの少なくともいずれかには、凸状に形成された凸部が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、シーソー部分の他方の端部と第2コネクタとのうちの少なくともいずれかに凸部が設けられるため、第1コネクタへの嵌合時に第2コネクタが他方の端部と当接してシーソー部分を揺動させる構造を簡素な構成で実現することができる。
第7発明に係る電気的接続装置は、第6発明の電気的接続装置において、前記凸部は、前記他方の端部と前記第2コネクタとのうちの一方に設けられ、前記他方の端部と前記第2コネクタとのうちの他方には、前記レバーが前記第2位置の状態において前記凸部と嵌り合う凹部が形成されていることを特徴とする。
この発明によると、シーソー部分の他方の端部と第2コネクタとにおいて、一方に凸部が設けられ、他方に第2位置で凸部に嵌り合う凹部が設けられる。このため、第1コネクタへの嵌合時に第2コネクタが他方の端部と当接してシーソー部分が揺動した後、凸部が凹部に嵌り合うことで、シーソー部分の状態は、レバーが第1位置にあるときと同じ状態に戻ることになる。これにより、第1及び第2コネクタが嵌合した状態の電気的接続装置が、たとえば、熱の影響を受けるような環境下で用いられた場合であっても、シーソー部分にクリープ変形が生じてしまうことを防止できる。このため、電気的接続装置が一旦使用された後、第1及び第2コネクタの嵌合が解除された場合であっても、再度の嵌合作業を経て再利用することができる。
第8発明に係る電気的接続装置は、第1発明乃至第7発明のいずれかの電気的接続装置において、前記支点部分は、前記一方の端部から前記他方の端部に亘って延びる前記シーソー部分の長手方向と垂直な方向に並んで配置されるとともに、それぞれ前記第1コネクタに対して一体に形成され又は固定される一対の脚部として設けられていることを特徴とする。
この発明によると、支点部分は、シーソー部分の長手方向と垂直に並ぶ一対の脚部として設けられる。このため、シーソー部分に対して略門型形状に一体化された一対の脚部で支持されたシーソー部分が、支点部分を支点として、長手方向に対して斜めに捩れるような変形が抑制された安定した姿勢で所定の設定された方向において揺動動作を行うことに
なる。これにより、シーソー部分の作動の安定性を向上させることができる。
第9発明に係る電気的接続装置は、第8発明の電気的接続装置において、前記シーソー部分の長手方向は、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合する嵌合方向と平行な方向に沿って延びるように配置され、前記第2コネクタにおいて前記他方の端部に当接する部分は、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合するときに、前記一対の脚部の間を通過可能に設けられていることを特徴とする。
この発明によると、第2コネクタが第1コネクタに対して嵌合するように相対変位すると、長手方向が嵌合方向に平行に配置されたシーソー部分における他方の端部と第2コネクタとが一対の脚部の間で当接し、シーソー部分が揺動することになる。このため、シーソー部分の作動の安定性を向上させるように支点部分が一対の脚部として設けられた構造において、第2コネクタとシーソー部分の他方の端部とにおける当接位置をスペース効率よくコンパクトに配置することができる。
第10発明に係る電気的接続装置は、第1発明乃至第9発明のいずれかの電気的接続装置において、前記第2コネクタには、前記他方の端部に当接するように突出して形成された突出部が設けられ、前記一方の端部から前記他方の端部に亘って延びる前記シーソー部分の長手方向は、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合する嵌合方向と平行な方向に沿って延びるように配置され、前記第1コネクタには、前記第2コネクタが嵌合するときに前記突出部を前記他方の端部に向かって誘導するガイド部が形成されていることを特徴とする。
この発明によると、作業者は、第2コネクタの突出部を第1コネクタのガイド部に沿って挿入させるように第2コネクタを第1コネクタに嵌合させることで、容易に嵌合作業を行うことができ、突出部をシーソー部分の他方の端部に当接させてシーソー部分を揺動させ、シーソー部分とレバーとの係止を更に容易に解除することができる。
第11発明に係る電気的接続装置は、第10発明の電気的接続装置において、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、複数対備えられ、一対の前記第1コネクタ及び前記第2コネクタと、他の一対の前記第1コネクタ及び前記第2コネクタとにおいて、前記突出部及び前記ガイド部が設けられる位置が異なることを特徴とする。
この発明によると、第1及び第2コネクタが複数対備えられている場合において、いずれか一対の第1及び第2コネクタと他の一対の第1及び第2コネクタとにおいて、突出部及びガイド部が設けられる位置が異なるよう構成される。このため、一対の第1及び第2コネクタと他の一対の第1及び第2コネクタとにおける第1及び第2コネクタの組み合わせを誤って嵌合させてしまうことを防止することができる。
第12発明に係る電気的接続装置は、第1発明乃至第11発明のいずれかの電気的接続装置において、前記第1コネクタには、前記シーソー部分に当接することで、当該シーソー部分の揺動可能範囲を規制する揺動範囲規制部が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、シーソー部分の揺動可能範囲を規制する揺動範囲規制部が第1コネクタに設けられているため、大きな外力がシーソー部分に作用したような場合であっても、シーソー部分が過度に揺動してしまうことが防止される。これにより、シーソー部分が外力によって破損してしまうことを防止でき、シーソー部分の保護を図ることができる。
第13発明に係る電気的接続装置は、第12発明の電気的接続装置において、前記揺動範囲規制部は、前記シーソー部分における前記他方の端部側と当接可能な前記第1コネク
タの壁部の一部として設けられ、前記シーソー部分が前記第2コネクタと当接した際に揺動する方向と反対方向に揺動した際に、前記シーソー部分における前記他方の端部側と当接することで前記シーソー部分の揺動可能範囲を規制することを特徴とする。
この発明によると、第1コネクタの壁部の一部によって揺動範囲規制部が構成され、シーソー部分における第2コネクタに当接した際に揺動する方向と反対方向の揺動が規制される。このため、大きな外力がシーソー部分に作用したような場合にこのシーソー部分が反対方向に過度に揺動して破損してしまうことを防止できる構造を第1コネクタの壁部を活用することで容易に実現することができる。
第14発明に係る電気的接続装置は、第13発明の電気的接続装置において、前記シーソー部分における前記他方の端部側には、前記第1コネクタの壁部の一部として設けられた前記揺動範囲規制部に対して当接可能に突出して形成された第1当接部が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、第1コネクタの壁部の一部によって構成された揺動範囲規制部に当接可能な第1当接部をシーソー部分の他方の端部側において突出して形成することで、大きな外力によってシーソー部分が反対方向に過度に揺動して破損してしまうことを防止できる構造を更に容易に実現することができる。
第15発明に係る電気的接続装置は、第12発明の電気的接続装置において、前記揺動範囲規制部は、前記第1コネクタの壁部において前記シーソー部分の周囲にて突出するように形成され、前記シーソー部分が前記第2コネクタと当接した際に揺動する方向における揺動可能範囲を規制する突出壁部として設けられ、前記突出壁部は、前記シーソー部分が前記第2コネクタと当接した際に揺動する揺動量よりも大きく揺動した際に、前記一方の端部から前記他方の端部に亘って延びる前記シーソー部分の長手方向と垂直な方向における当該シーソー部分の両側の縁部に対して当接することで、当該シーソー部分の揺動可能範囲を規制することを特徴とする。
この発明によると、シーソー部分の周囲で突出してシーソー部分の両側の縁部と当接する突出壁部によって揺動範囲規制部が構成され、シーソー部分が第2コネクタに当接した際の揺動量よりも大きく揺動してしまうことが規制される。このため、大きな外力がシーソー部分に作用したような場合にこのシーソー部分が第2コネクタとの当接時よりも過度に大きく揺動して破損してしまうことを防止できる構造を第1コネクタにおいて突出壁部を設けることで容易に実現することができる。
第16発明に係る電気的接続装置は、第15発明の電気的接続装置において、前記シーソー部分における前記他方の端部側には、前記シーソー部分の長手方向と垂直な方向の両側に張り出して広がるように形成されて、前記突出壁部として設けられた前記揺動範囲規制部に対して当接可能に形成された第2当接部が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、突出壁部によって構成された揺動範囲規制部に当接可能な第2当接部をシーソー部分の他方の端部側の両側に張り出して広がるように形成することで、大きな外力によってシーソー部分が第2コネクタとの当接時よりも過度に大きく揺動して破損してしまうことを防止できる構造を更に容易に実現することができる。
本発明によると、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合前の状態においてレバーを第1コネクタに対して強固に係止してレバーが動いてしまうことを防止できるとともに、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合時には、容易にレバーと第1コネクタとの係止を解除す
ることができる、電気的接続装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、1つ又は複数の端子をそれぞれ保持する2つのコネクタが嵌合することで各コネクタの端子同士が接続される電気的接続装置に関して、広く適用することができるものである。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気的接続装置1を示す斜視図であり、電気的接続装置1における2つコネクタが嵌合していない状態を示す図である。図1に示すように、電気的接続装置1は、2つのコネクタのうちの一方である第1コネクタ11、2つのコネクタのうちの他方である第2コネクタ12、第1コネクタ11に対して回転自在に取り付けられるレバー13、第1コネクタ11に設けられるロック部14、第1コネクタ11に取り付けられるキャップ部15、等を備えて構成されている。
図2は、図1に示す電気的接続装置1における第1コネクタ11及びレバー13を示す斜視図である。また、図3は、第1コネクタ11及びレバー13について図2とは異なる角度から見た状態を示す斜視図である。また、図4は、第1コネクタ11及びレバー13について図2における矢印C方向から見た図である。また、図5は、図1におけるA−A
線矢視位置での断面図であって、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合する嵌合方向(以下、単に「嵌合方向」ともいう)における断面図を示している。また、図6は、電気的接続装置1について図1における矢印B方向から見た図である。図1乃至図6に示す第1コネクタ11は、複数の端子(図示を省略)、複数の端子を保持するコネクタ本体16、等を備えて構成されている。
第1コネクタ11における各端子は、例えば、導電性の金属材料で筒状の部分を有するように形成された雌型の端子として構成される。そして、第1コネクタ11の複数の端子は、コネクタ本体16において、各端子の長手方向が互いに平行に延びた姿勢で、その長手方向と垂直な方向に沿って3列で各列が平行に並ぶように配置される。
コネクタ本体16は、ハウジング部17、端子保持部18、等を備えて構成されている。ハウジング部17と端子保持部18とは、絶縁性の樹脂材料で一体に形成されている。
ハウジング部17は、略角筒状に形成されており、第1コネクタ11における外周壁部を構成するように設けられている。そして、ハウジング部17は、嵌合方向における一方の端部においてキャップ部15が取り付けられ、嵌合方向における他方の端部において第2コネクタ12の端部が挿入されて嵌合するための開口17aが形成されている。
端子保持部18は、ハウジング部17の内側に配置され、ハウジング部17に対して他方の端部(開口17aが形成された側と反対側でキャップ部15が取り付けられる端部)側において一体に形成されている。この端子保持部18には、複数の端子がそれぞれ保持される複数の端子保持孔18aが形成されている。複数の端子保持孔18aは、嵌合方向と平行に延びる複数の貫通孔として形成され、嵌合方向と垂直な方向に沿って3列で各列が平行に並ぶように配置されている。尚、図面においては、第1コネクタ11における端子の図示を省略するが、これらの複数の端子は、それぞれケーブル(図示せず)の端部に圧着された(かしめられた)状態で、コネクタ本体16におけるキャップ部15が取り付けられる端部側から端子保持孔18aに挿入されて保持される。
また、図5に示すように、コネクタ本体16においては、ゴム材料で略角筒状に形成され、ハウジング部17の内側において端子保持部18の周囲に密着するように配置された防水用のゴム部材19が設けられている。このゴム部材19は、内周に形成された凹凸面が端子保持部18の外周に形成された凹凸面と嵌り合った状態で端子保持部18に密着するように配置されている。また、コネクタ本体16においては、樹脂材料で形成されて別部材として設けられたリテーナ20が取り付けられている。このリテーナ20は、ハウジング部17に貫通形成されたリテーナ挿入孔17bから挿入され、端子保持部18に対して嵌め込まれて取り付けられる。このリテーナ20が取り付けられた状態で複数の端子がコネクタ本体16に挿入され、複数の端子がそれぞれリテーナ20と係止し、各端子保持孔18aに配置された各端子がリテーナ20に係止された状態で保持されるように構成されている。
キャップ部15は、樹脂材料で形成された蓋状の部材として設けられ、コネクタ本体16において他方の端部側で筒状に突出した部分に対して外側から嵌り込むように嵌合することで、コネクタ本体16に対して取り付けられるように構成されている。また、コネクタ本体16における上記の筒状に突出した部分の内側には、ゴム材料で形成された防水用のゴム部材21が配置されている。そして、キャップ部15がコネクタ本体16に対して取り付けられることで、ゴム部材21がコネクタ本体16とキャップ部15とに対して密着して保持されるように構成されている。
また、キャップ部15には複数のケーブル挿入孔15aが貫通形成され、ゴム部材21
にも複数のケーブル挿入孔21aが貫通形成されている。そして、キャップ部15の各ケーブル挿入孔15aとゴム部材21の各ケーブル挿入孔21aと端子保持部18の各端子保持孔18aとがそれぞれ連通するように配置されている。各ケーブルの端部に圧着された各端子は、ケーブル挿入孔15a及びケーブル挿入孔21aを挿通され、更に端子保持孔18aに挿入されてこの端子保持孔18aに配置される。
図7は、第2コネクタ12を示す斜視図である。図1、図5乃至図7に示す第2コネクタ12は、複数の端子22、複数の端子22を保持するコネクタ本体23を備えて構成されている。
第2コネクタ12における各端子22は、例えば、導電性の金属材料でピン状の部分を有するように形成された雄型の端子として構成されている。複数の端子22は、コネクタ本体23において、各端子22の長手方向が互いに平行に延びた姿勢で、その長手方向と垂直な方向に沿って3列で各列が平行に並ぶように配置される。そして、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合することで、各端子22が、第1コネクタ11に保持された各端子に対して嵌合して接触するように接続される。これにより、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが電気的に接続される(電気を導通可能に接続される)ことになる。
コネクタ本体23は、ハウジング部24、端子保持部25、等を備えて構成されている。ハウジング部24と端子保持部25とは、絶縁性の樹脂材料で一体に形成されている。
ハウジング部24は、略角筒状に形成されており、第2コネクタ12における外周壁部を構成するように設けられている。そして、ハウジング部24は、嵌合方向における一方の端部が、第1コネクタ11の端部の開口17aに挿入されて嵌合する部分として構成されている。また、ハウジング部24の内側には、端子保持部25に保持された複数の端子22が配置される空間が形成されている。更に、ハウジング部24には、第1コネクタ11に嵌合する端部において内部の空間から外側に向かって開口する開口24aが形成されている。第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合するときには、第2コネクタ12における開口24aが設けられた端部が第1コネクタ11の開口17aに挿入され、第1コネクタ11の端子保持部18が第2コネクタ12の開口24aに挿入されることになる。
コネクタ本体23における端子保持部25は、ハウジング部24に対して、嵌合方向における他方の端部(開口24aが設けられる側と反対側の端部)側において、一体に形成されている。この端子保持部25には、複数の端子22が、嵌合方向と平行に延びた姿勢で、嵌合方向と垂直な方向に沿って3列で各列が平行に並ぶように配置されている。尚、コネクタ本体23は、端子保持部25が設けられた他方の端部側において、例えば、図示しない基板等に固定され、複数の端子22は、基板等における配線に対してそれぞれ接続される。
図1乃至図6に示すレバー13は、例えば、樹脂材料で形成され、一対の回転取付部分(13a、13a)と、この一対の回転取付部分(13a、13a)と一体に形成されてこれらを架橋するように連結する架橋部分13bと、を備えて構成されている。そして、レバー13は、一対の回転取付部分(13a、13a)において、第1コネクタ11のコネクタ本体16に対して、回転自在に取り付けられている。また、レバー13の架橋部分13bは、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合する嵌合方向と垂直な方向である幅方向(第1コネクタ11の幅方向)と平行に延びるように配置されている。尚、レバー13の両端部である一対の回転取付部分(13a、13a)は、第1コネクタ11の幅方向における両側に設けられた一対の回転軸部(26、26)において回転自在に取り付け
られている。一対の回転軸部(26、26)は、第1コネクタ11のハウジング部17において両側方に突出した円柱状の軸部として設けられており、図2及び図3では、一方のみを図示している。
また、レバー13は、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合する前の状態では、ロック部14を介して第1コネクタ11に対して係止された第1位置に位置している。尚、図1乃至図6では、レバー13が第1位置に位置した状態を示している。そして、レバー13は、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合することで、第1コネクタ11に対して係止された第1位置から第1コネクタ11に対する係止が解除された第2位置(図12乃至図14を参照)へと回転するように構成されている。
尚、図3によく示すように、ハウジング部17には、嵌合確認用係止部31が一体に形成され、この嵌合確認用係止部31は、第1コネクタ11の幅方向における中央部分に設けられている。そして、嵌合確認用係止部31は、ハウジング部17に対してキャップ部15が取り付けられる端部側から突出し、屈曲部分を経て、開口17aが設けられる側に向かって嵌合方向と平行に片持ち状に延びるように形成されている。この嵌合確認用係止部31において片持ち状に延びる先端側の端部31aは、レバー13が第2位置まで回転したときに、レバー13の架橋部分13bの縁部と係止するように配置されている。
そして、嵌合確認用係止部31は、レバー13が第2位置まで回転する際には、一旦弾性変形して撓み、レバー13が第2位置まで十分に回転したタイミングで瞬間的に弾性回復し、端部31aが、架橋部分13bの縁部に対して、弾くように衝突し、係止するように構成されている。これにより、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合作業を行う作業者は、嵌合確認用係止部31の端部31aと架橋部分13bの縁部とが衝突することで生じる衝突音と、このときに生じた瞬間的な振動が指に伝わる感覚(クリック感)とにより、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合が完了したことを確認することができる。
図8は、図5の一部を拡大して示す一部拡大図であり、ロック部14とその近傍の部分とを拡大して示す図である。また、図9は、図8のD−D線矢視位置における断面図であって、第1コネクタ11におけるハウジング部17の一部とロック部14とを示す図である。
図1乃至図6、図8及び図9に示すロック部14は、第1コネクタ11に設けられ、レバー13と係止することで、レバー13の回転動作を規制するように第1コネクタ11に対してレバー13を第1位置において係止する機構として設けられている。そして、ロック部14は、第1コネクタ11の幅方向において複数並んで設けられており、本実施形態では、ロック部14aとロック部14bとの2つが設けられている。尚、ロック部14a及びロック部14bは同様に構成されるため、ロック部14aの構成を説明することで、ロック部14bの構成についての説明を省略する。
図3乃至図5、図8、図9によく示すように、ロック部14aは、支点部分27と、シーソー部分28とを備えて構成されている。支点部分27は、第1コネクタ11のハウジング部17に一体に形成された一対の脚部として設けられている。シーソー部分28は、支点部分27に対して一体に形成されるとともにこの支点部分27を支点として両端部が揺動する部分として設けられている。尚、このシーソー部分28は、支点部分27の弾性変形によって揺動するように構成されている。
シーソー部分28における一方の端部28aは、第1位置の状態のレバー13と係止可能に配置されている。尚、レバー13の架橋部分13bには、突起状に形成されて、シー
ソー部分28の一方の端部28aに係止する係止用突起13cが設けられている。係止用突起13cは、ロック部14aのシーソー部分28とロック部14bのシーソー部分28とにそれぞれ対応して係止可能なように、2つ設けられている(図2及び図4を参照)。
また、シーソー部分28における他方の端部28bは、一方の端部28aと支点部分27を介して反対側に配置された端部として設けられている。この他方の端部28bは、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合するときに、第2コネクタ12と当接するように配置されている。そして、電気的接続装置1においては、第1及び第2コネクタ(11、12)の嵌合時に他方の端部28bが第2コネクタ12と当接することで、シーソー部分28が支点部分27を支点として揺動することになる。このシーソー部分28の揺動により、一方の端部28aとレバー13との係止が解除され、レバー13が第1位置から第2位置へと回転することになる。
また、シーソー部分28は、一方の端部28aから他方の端部28bに亘って延びるその長手方向が、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合する嵌合方向と平行な方向に沿って延びるように配置されている。そして、支点部分27を構成する一対の脚部(以下、「一対の脚部(27、27)」ともいう)は、それぞれハウジング部17に対して一体に形成されるとともに、シーソー部分28の長手方向と垂直な方向に並んで配置されている。
また、第2コネクタ12においてシーソー部分28の他方の端部28bに対して当接する部分には、プレート状に突出して形成されたリブ29が設けられている。リブ29は、他方の端部28bに当接するように突出して形成された本実施形態の突出部を構成しており、ロック部14a及びロック部14bのそれぞれのシーソー部分28の他方の端部28bに当接可能に2つ設けられている(図7を参照)。そして、リブ29は、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合するときに、一対の脚部(27、27)の間を通過可能に設けられている。
また、第1コネクタ11のハウジング部17には、開口17a側から一対の脚部(27、27)の間に向かって延びるスリット状に形成され、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合するときにリブ29が通過可能なガイド部30が設けられている(図3及び図9を参照)。このガイド部30が設けられていることで、第2コネクタ12が嵌合するときにリブ29がシーソー部分28の他方の端部28bに向かって誘導されて移動するように構成されている。
尚、シーソー部分28の他方の端部28bには、凸状に形成された凸部28cが設けられている。そして、第2コネクタ12のリブ29には、レバー13が第2位置の状態において凸部29と嵌り合うように凹み形成された凹部29aが設けられている。
次に、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合が行われる際の電気的接続装置1の作動について説明する。まず、作業者によって、図1、図5及び図6に示す状態から、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合作業が開始される。このとき、レバー13は、第1位置に位置している。
図10は、嵌合作業が開始され、嵌合作業が行われている途中の状態を示す電気的接続装置1の断面図であって、図5に対応する断面を示している。尚、図10では、第1コネクタ11の端子の図示は省略している。また、図11は、電気的接続装置1の図10の状態と同じ状態における図10とは異なる位置での断面図であって、図10に示す断面と平行な断面での断面図である。尚、図11は、レバー13における一方の回転取付部分13aに沿った断面位置での断面を示している。
嵌合作業が開始され、嵌合の途中の状態である図10及び図11に示す状態では、第2コネクタ12における開口24aが設けられた端部が第1コネクタ11の開口17aに挿入され、第1コネクタ11の端子保持部18が第2コネクタ12の開口24aに挿入される。このとき、第2コネクタ12の各リブ29が、第1コネクタ11の各ガイド部30を通過し、各ロック部14(14a、14b)におけるシーソー部分28の他方の端部28bと当接し、シーソー部分28の凸部28cがリブ29に乗り上げるように変位する。これにより、図10に示すように、シーソー部分28が支点部分27を支点として揺動し、シーソー部分28の一方の端部28aとレバー13の係止用突起13cとの係止が解除された状態となる。
尚、図6、図7及び図11に示すように、第2コネクタ12のハウジング部24における幅方向(第1コネクタ11に嵌合した状態で第1コネクタ11の幅方向と一致する方向)の両側には、半円状の断面を有して柱状に突出した半円柱突出部32がそれぞれ設けられている。一方、第1コネクタ11のハウジング部17の内壁には、幅方向の両側において、ハウジング部17の内側に向かって開口するように凹み形成されるとともに嵌合方向に沿って貫通して延びるよう形成された貫通溝17cがそれぞれ形成されている。そして、嵌合途中の状態では、図11に示すように、各半円柱突出部32は、各貫通溝17cを通過するように移動する。
図12は、嵌合作業が完了した状態を示す電気的接続装置1の側面図であって、図6に対応する方向から見た図である。また、図13は、嵌合作業が完了した状態を示す電気的接続装置1の断面図であって、図5及び図10に対応する断面を示している。尚、図13では、第1コネクタ11の端子の図示は省略している。また、図14は、電気的接続装置1の図13の状態と同じ状態における断面図であって、図11に対応する断面を示している。
図10及び図11に示す状態において、第2コネクタ12の第1コネクタ11への嵌合作業が継続されることで、図12乃至図14に示す状態に移行することになる。このとき、レバー13は、各ロック部14(14a、14b)のシーソー部分28における一方の端部28aとの係止が解除されており、第1位置から第2位置へと回転可能な状態となっている。
そして、図11及び図14に示すように、レバー13の各回転取付部分13aには、レバー13が第1位置から第2位置へと回転するときに第2コネクタ12の各半円柱突出部32に対して係合する係合部13dがそれぞれ設けられている。各回転取付部分13aに設けられた各係合部13dは、各回転取付部分13aの内側(ハウジング部17に対向する側)において、各半円柱突出部32の外周に嵌り合うカム溝として機能するように円弧状に凹んだ凹み部分として形成されている。これにより、第2コネクタ12の第1コネクタ11への嵌合動作とともに、図11に示す状態から図14に示す状態に移行することになる。即ち、第2コネクタ12の嵌合動作とともに、各半円柱突出部32が各係合部13dに対して係合して嵌まり込みながら嵌合方向に移動する。そして、各半円柱突出部32が各係合部13dの円弧状の内周壁と摺接しながら嵌合方向に更に移動し、レバー13が回転軸部26を中心として第2位置まで回転することになる。尚、レバー13は、係合部13dがレバー13の回転軸心(回転軸部26の軸心)を中心として回転する半径が、シーソー部分28の一方の端部28aに係止する部分である係止用突起13cがレバー13の回転軸心を中心として回転する半径よりも小さくなるように形成されている。
上述のように、レバー13とロック部14との係止が解除された図10及び図11に示す状態から、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して更に嵌合方向に移動すること
で、図12乃至図14に示すように、第2コネクタ12の第1コネクタ11への嵌合動作が完了し、レバー13が第2位置まで回転して停止することになる。そして、レバー13が第2位置まで回転した状態では、図13によく示すように、各ロック部14(14a、14b)のシーソー部分28における凸部28cが第2コネクタ12のリブ29における凹部29aに嵌り合う位置に変位するように、各シーソー部分28が揺動する。これにより、各シーソー部分28は、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合する前と同じ姿勢の状態、即ち、嵌合方向と平行な元の姿勢の状態に戻ることになる。
また、第1コネクタ11及び第2コネクタ12の嵌合が完了する際には、前述のように、レバー13の架橋部分13bの縁部が、第1コネクタ11の嵌合確認用係止部31の端部31aと衝突してクリック感を生じさせる瞬間的な振動と衝突音とを生じさせ、係止することになる。また、第1コネクタ11及び第2コネクタ12の嵌合が完了した状態では、第2位置に位置したレバー13の係合部13dと第2コネクタ12の半円柱突出部32とが係合した状態が維持されている。そして、第1コネクタ11の各端子(図示せず)に対して第2コネクタ12の各端子22が接続した状態が維持されている。
以上説明した電気的接続装置1によると、第1コネクタ11に回転自在に取り付けられたレバー13は、第1及び第2コネクタ(11、12)が嵌合する前の第1位置の状態では、シーソー部分28の一方の端部28aと係止し、第1コネクタ11に対して係止された状態で保持される。このとき、シーソー部分28の一方の端部28aについては、レバー13における回転軸心から離れた位置であって指などを引っ掛けて力を負荷することが可能なように延びた部分(力が作用し易くて力点となり得るような部分)である架橋部分13bと直接係止する位置において、レバー13に係止させることができる。このため、第1位置においてレバー13をシーソー部分28を介して第1コネクタ11に対して強固に係止させてレバー13が動いてしまうことを防止できる。そして、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合すると、第2コネクタ12がシーソー部分28の他方の端部28bと当接し、これにより、シーソー部分28が支点部分27を支点として揺動して一方の端部28aとレバー13との係止が解除され、レバー13が第1位置から第2位置へと回転する。このように、シーソー部分28は、一方の端部28aでレバー13と係止し、第1及び第2コネクタ(11、12)の嵌合時には、支点部分27を介して一方の端部28aと反対側の他方の端部28bで第2コネクタ12と当接して揺動する構造となっている。このため、第1及び第2コネクタ(11、12)の嵌合とともにレバー13と第1コネクタ11に設けられたシーソー部分28との係止が容易に解除されることになる。
従って、本実施形態によると、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合前の状態においてレバー13を第1コネクタ11に対して強固に係止してレバー13が動いてしまうことを防止できるとともに、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合時には、容易にレバー13と第1コネクタ11との係止を解除することができる、電気的接続装置1を提供することができる。
また、電気的接続装置1によると、上記のように、嵌合前の第1位置にてレバー13を第1コネクタ11に強固に係止してレバー13が動いてしまうことを防止できるため、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合作業が行われる際まで、レバー13の位置が動かないように第1コネクタ11に対して第1位置でレバー13を保持することができる。これにより、嵌合作業時にレバー13を第1位置に戻すような作業が発生してしまうことを防止でき、作業性の向上を図ることができる。また、電気的接続装置1では、嵌合作業が行われる前における電気的接続装置1の搬送時に、レバー13が第1位置から動かないようにするためにトレイのような強固な梱包形態を選択する必要がなく、梱包形態の簡素化を図ることができる。更に、電気的接続装置1では、第1位置においてレバー13が強固な係止力で係止されて、嵌合作業時のみレバー13が第2位置に回転する。このため
、力の強い作業者が強引にレバー13を動かして無理やりに誤った位置や状態で嵌合作業を行って第1及び第2コネクタ(11、12)を嵌合させようとした場合であっても、レバー13が動くことが防止される。これにより、正規の嵌合状態ではなく半嵌合のような状態で強引に第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合されてしまう状態が発生することを防止できる。
また、電気的接続装置1によると、レバー13に係止用突起が設けられているため、レバー13とシーソー部分28の一方の端部28aとを更に確実に係止させることができ、より強固な係止力を確保することができる。
また、電気的接続装置1によると、シーソー部分28の長手方向と第1及び第2コネクタ(11、12)の嵌合方向とが平行に延びるように配置される。このため、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合して当接すると、第2コネクタ12の第1コネクタ11に対する相対変位とともに、シーソー部分28が第2コネクタ12と引っ掛かってしまうことなく滑らかに揺動し、レバー13と第1コネクタ11との係止が解除されることになる。このため、第1位置でのレバー13と第1コネクタ11との強固な係止力が確保される構造において、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合時におけるレバー13と第1コネクタ11との係止の容易な解除を更に円滑に行うことができる。
また、電気的接続装置1によると、レバー13がその両端部にて第1コネクタ11の幅方向の両側において回転自在に取り付けられるため、レバー13を第1コネクタ11に対して回転動作が円滑に行えるように安定した状態で回転自在に取り付けることができる。そして、ロック部14(14a、14b)が第1コネクタ11の幅方向に複数並んで設けられるため、第1コネクタ11に対して安定して回転自在に支持されたレバー13に対して、効率よく配置されたロック部14(14a、14b)にてより強固にレバー13を係止することができる。
また、電気的接続装置1によると、レバー13は、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合することで、第1位置から第2位置へと回転し、係合部13dにおいて第2コネクタ12に係合する。そして、このレバー13は、係合部13dにおける回転軸心からの回転半径が、シーソー部分28に係止する係止用突起13cにおける回転軸心からの回転半径よりも小さくなるように形成されている。このため、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合が外れる方向に力が作用した場合であっても、レバー13に対して第2位置から第1位置へと回転する方向に作用する力を小さくでき、係合部13dが外れてしまうことを抑制する構造を容易に実現できる。これにより、一旦成立した第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合が外れにくい構造を実現できる。また、シーソー部分28に係止する係止用突起13cとこの係止用突起13cが設けられる架橋部分13bとにおける回転軸心からの回転半径が大きく設定されるため、第1及び第2コネクタ(11、12)の嵌合時に、レバー13における係止用突起13cの近傍や架橋部分13bに指などを引っ掛けて力を負荷して補助的に操作する際に、小さい操作力でこの操作を容易に行うことができる。
また、電気的接続装置1によると、シーソー部分28の他方の端部28bに凸部28cが設けられるため、第1コネクタ11への嵌合時に第2コネクタ12のリブ29がシーソー部分28の他方の端部28bと当接してシーソー部分28を揺動させる構造を簡素な構成で実現することができる。
また、電気的接続装置1によると、シーソー部分28の他方の端部28bにおいて凸部28cが設けられ、第2コネクタ12のリブ29において第2位置で凸部28cに嵌り合う凹部29aが設けられる。このため、第1コネクタ11への嵌合時に第2コネクタ12
が他方の端部28bと当接してシーソー部分28が揺動した後、凸部28cが凹部29aに嵌り合うことで、シーソー部分28の状態は、レバー13が第1位置にあるときと同じ状態に戻ることになる。これにより、第1及び第2コネクタ(11、12)が嵌合した状態の電気的接続装置1が、たとえば、熱の影響を受けるような環境下で用いられた場合であっても、シーソー部分28にクリープ変形が生じてしまうことを防止できる。このため、電気的接続装置1が一旦使用された後、第1及び第2コネクタ(11、12)の嵌合が解除された場合であっても、再度の嵌合作業を経て再利用することができる。
また、電気的接続装置1によると、支点部分27は、シーソー部分28の長手方向と垂直に並ぶ一対の脚部(27、27)として設けられる。このため、シーソー部分28に対して略門型形状に一体化された一対の脚部(27、27)で支持されたシーソー部分28が、支点部分27を支点として、長手方向に対して斜めに捩れるような変形が抑制された安定した姿勢で所定の設定された方向において揺動動作を行うことになる。これにより、シーソー部分28の作動の安定性を向上させることができる。
また、電気的接続装置1によると、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合するように相対変位すると、長手方向が嵌合方向に平行に配置されたシーソー部分28における他方の端部28bと第2コネクタ12とが一対の脚部(27、27)の間で当接し、シーソー部分28が揺動することになる。このため、シーソー部分28の作動の安定性を向上させるように支点部分27が一対の脚部(27、27)として設けられた構造において、第2コネクタ12とシーソー部分28の他方の端部28bとにおける当接位置をスペース効率よくコンパクトに配置することができる。
また、電気的接続装置1によると、作業者は、第2コネクタ12のリブ(突出部)29を第1コネクタ11のガイド部30に沿って挿入させるように第2コネクタ12を第1コネクタ11に嵌合させることで、容易に嵌合作業を行うことができる。そして、リブ29をシーソー部分28の他方の端部28bに当接させてシーソー部分28を揺動させ、シーソー部分28とレバー13との係止を更に容易に解除することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電気的接続装置2について説明する。図15は、電気的接続装置2を示す斜視図であり、電気的接続装置2における2つコネクタが嵌合していない状態を示す図である。電気的接続装置2は、第1実施形態の電気的接続装置1と同様に構成され、図15に示すように、2つのコネクタのうちの一方である第1コネクタ11、2つのコネクタのうちの他方である第2コネクタ12、第1コネクタ11に対して回転自在に取り付けられるレバー13、第1コネクタ11に設けられるロック部14、第1コネクタ11に取り付けられるキャップ部15、等を備えて構成されている。
電気的接続装置2は、第1実施形態の電気的接続装置1と同様に構成されるが、第1コネクタ11にて揺動範囲規制部41が設けられている点と、ロック部14(14a、14b)のシーソー部分28にて第1当接部42及び第2当接部43が設けられている点とにおいて、第1実施形態とは異なっている。以下、電気的接続装置2の説明においては、第1実施形態と構成が異なる点について説明し、第1実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付することで、説明を省略する。
図16は、図15におけるE−E線矢視位置での断面の一部を拡大して示す一部拡大断面図である。図17は、図16のF−F線矢視位置における断面図であって、第1コネクタ11におけるハウジング部17の一部とロック部14とを示す図である。また、図18は、図17に示すハウジング部17の一部とロック部14とについて矢印G方向から見た図である。
図15乃至図18に示すように、第1コネクタ11には、ロック部14a及びロック14bの各シーソー部分28の揺動可能範囲を規制する揺動範囲規制部41が設けられている。揺動範囲規制部41は、ロック部14a及びロック部14bのそれぞれに対応して設けられている。尚、ロック部14aに対応する揺動範囲規制部41とロック部14bに対応する揺動範囲規制部41とは同様に構成されるため、以下の説明においては、ロック部14aに対応する揺動範囲規制部41についての図面を参照しつつ説明し、ロック部14bに対応する揺動範囲規制部41についての説明を省略する。また、ロック部14a及びロック部14bは同様に構成されるため、ロック部14aについての図面を参照しつつ説明することで、ロック部14bについての説明を省略する。
揺動範囲規制部41としては、図17に示す揺動範囲規制部41aと、図15乃至図18に示す揺動範囲規制部41bと、が設けられている。揺動範囲規制部41aは、シーソー部分28における他方の端部28b側と当接可能な第1コネクタ11のハウジング部17の壁部の一部として設けられている。そして、シーソー部分28が第2コネクタ12と当接した際に揺動する方向と反対方向に揺動した際に、シーソー部分28における他方の端部28b側と当接することで、シーソー部分28の揺動可能範囲を規制するように構成されている。
また、シーソー部分28における他方の端部28b側には、揺動範囲規制部41aに対して当接可能に突出して形成された第1当接部42が設けられている。尚、この第1当接部42は、ハウジング部17の壁部におけるガイド部30に隣接して配置される部分として設けられた揺動範囲規制部41aに対して対向して突出するように形成されている。これにより、外力がシーソー部分28に作用して、このシーソー部分28が第2コネクタ12との当接の際と反対方向に大きく揺動しようとすると、第1当接部42と揺動範囲規制部41aとが当接し、シーソー部分28の揺動範囲が規制されることになる。
揺動範囲規制部41bは、ハウジング部17の壁部においてシーソー部分28の周囲にて突出するように形成され、シーソー部分28が第2コネクタ12と当接した際に揺動する方向における揺動可能範囲を規制する突出壁部として設けられている。そして、この突出壁部として設けられた揺動範囲規制部41bは、シーソー部分28が第2コネクタ12と当接した際に揺動する揺動量よりも大きく揺動した際に、シーソー部分28の長手方向と垂直な方向におけるシーソー部分28の両側の縁部に対して当接することで、シーソー部分28の揺動可能範囲を規制するように構成されている。尚、この揺動範囲規制部41bは、ハウジング部17の壁部においてシーソー部分28の周囲の三方を囲むように突出して形成されており、更に、突出した先端側の部分は、シーソー部分28に向かって内側に屈曲して延びるように形成されている。
また、シーソー部分28における他方の端部28b側には、シーソー部分28の長手方向と垂直な方向の両側に張り出して広がるように形成されて、突出壁部として設けられた揺動範囲規制部41bに対して当接可能に形成された一対の第2当接部43が設けられている。尚、揺動範囲規制部41bにおいては、シーソー部分28の両側に配置されてシーソー部分28に向かって張り出した先端側の部分が、シーソー部分28の平坦な部分に対して垂直な方向と平行な方向において、第2当接部43に外側で重なるように配置されている。これにより、外力がシーソー部分28に作用して、第2コネクタ12と当接した際の揺動量よりもシーソー部分28が大きく揺動しようとすると、第2当接部43とその外側の揺動範囲規制部41bとが当接し、シーソー部分28の揺動範囲が規制されることになる。
以上説明した電気的接続装置2によると、第1実施形態の電気的接続装置1と同様の効
果を奏することができる。即ち、電気的接続装置2によると、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合前の状態においてレバー13を第1コネクタ11に対して強固に係止してレバー13が動いてしまうことを防止できるとともに、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合時には、容易にレバー13と第1コネクタ11との係止を解除することができる。
そして、電気的接続装置2によると、シーソー部分28の揺動可能範囲を規制する揺動範囲規制部41が第1コネクタ11に設けられているため、大きな外力がシーソー部分28に作用したような場合であっても、シーソー部分28が過度に揺動してしまうことが防止される。これにより、シーソー部分28が外力によって破損してしまうことを防止でき、シーソー部分28の保護を図ることができる。
また、電気的接続装置2によると、第1コネクタ11の壁部の一部によって揺動範囲規制部41aが構成され、シーソー部分28における第2コネクタ12に当接した際に揺動する方向と反対方向の揺動が規制される。このため、大きな外力がシーソー部分28に作用したような場合にこのシーソー部分28が反対方向に過度に揺動して破損してしまうことを防止できる構造を第1コネクタ11の壁部を活用することで容易に実現することができる。
また、電気的接続装置2によると、第1コネクタ11の壁部の一部によって構成された揺動範囲規制部41aに当接可能な第1当接部42をシーソー部分28の他方の端部28b側において突出して形成することで、大きな外力によってシーソー部分28が反対方向に過度に揺動して破損してしまうことを防止できる構造を更に容易に実現することができる。
また、電気的接続装置2によると、シーソー部分28の周囲で突出してシーソー部分28の両側の縁部と当接する突出壁部によって揺動範囲規制部41bが構成され、シーソー部分28が第2コネクタ12に当接した際の揺動量よりも大きく揺動してしまうことが規制される。このため、大きな外力がシーソー部分28に作用したような場合にこのシーソー部分28が第2コネクタ12との当接時よりも過度に大きく揺動して破損してしまうことを防止できる構造を第1コネクタ11において突出壁部を設けることで容易に実現することができる。
また、電気的接続装置2によると、突出壁部によって構成された揺動範囲規制部41bに当接可能な第2当接部43をシーソー部分28の他方の端部28b側の両側に張り出して広がるように形成することで、大きな外力によってシーソー部分28が第2コネクタ12との当接時よりも過度に大きく揺動して破損してしまうことを防止できる構造を更に容易に実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)上記の実施形態では、第1コネクタ及び第2コネクタにそれぞれ保持される端子が複数である場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、第1コネクタ及び第2コネクタにそれぞれ保持される端子が1つである電気的接続装置を実施してもよい。また、上記の実施形態では、嵌合時に第1コネクタの開口に第2コネクタの端部が挿入される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、嵌合時に第2コネクタの開口に第1コネクタの端部が挿入される形態の電気的接続装置を実施してもよい。また、上記の実施形態では、第1コネクタの端子が雌型の端子として構成され、第2コネクタ
の端子が雄型の端子として構成される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、第1コネクタの端子が雄型の端子として構成され、第2コネクタの端子が雌型の端子として構成される電気的接続装置を実施してもよい。
(2)上記の実施形態では、レバーが第1コネクタの幅方向に延びる部分を有するとともに両端部において第1コネクタに回転自在に取り付けられる形態を例にとって説明したが、この例に限らず、レバーの取付形態や形状を変更して実施してもよい。また、片持ち状態で第1コネクタに対して回転自在に取り付けられるレバーを備える電気的接続装置を実施してもよい。
(3)上記の実施形態では、ロック部の支点部分が第1コネクタに対して一体に形成される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、支点部分が第1コネクタに対して一体的に固定される電気的接続装置を実施してもよい。また、ロック部において、シーソー部分が支点部分に対して一体に形成される形態に限らず、シーソー部分が支点部分に対して一体的に固定されてもよい。
(4)上記の実施形態では、レバーにおいて係止用突起が設けられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。互いに係止するレバーとシーソー部分の一方の端部とのうちの少なくともいずれかに係止用突起を設けた電気的接続装置を実施してもよい。
(5)上記の実施形態では、シーソー部分における他方の端部に凸部が設けられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。互いに当接するシーソー部分の他方の端部と第2コネクタとのうちの少なくともいずれかに凸部を設けた電気的接続装置を実施してもよい。また、本実施形態では、シーソー部分の他方の端部に凸部が設けられ、第2コネクタに凹部が設けられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。シーソー部分の他方の端部に凹部が設けられ、第2コネクタに凸部が設けられている電気的接続装置を実施してもよい。また、凹部は、凹むように形成された形態に限らず、貫通孔として形成されている形態であってもよい。また、本実施形態では、第2コネクタにおいてシーソー部分の他方の端部と当接する部分としてリブの形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、第2コネクタにおいてシーソー部分の他方の端部と当接する部分の形態としては、リブ以外の形態の突出部であってもよく、突出部以外の形態であってもよい。
(6)上記の実施形態では、シーソー部分における支点部分が一対の脚部として設けられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、支点部分の個数や形状、配置については、種々変更して実施してもよい。
(7)上記の実施形態では、一対の第1コネクタ及び第2コネクタが備えられている電気的接続装置を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。複数対の第1コネクタ及び第2コネクタが備えられ、各第2コネクタにはシーソー部分の他方の端部に当接するように突出して形成された突出部が設けられ、各第1コネクタには突出部をシーソー部分の他方の端部に向かって誘導するガイド部が設けられている電気的接続装置を実施してもよい。この場合、複数対のうちの一対の第1コネクタ及び第2コネクタと、他の一対の第1コネクタ及び第2コネクタとにおいて、突出部及びガイド部が設けられる位置が異なっている電気的接続装置を実施することができる。
上記の変形例によると、第1及び第2コネクタが複数対備えられている場合において、いずれか一対の第1及び第2コネクタと他の一対の第1及び第2コネクタとにおいて、突出部及びガイド部が設けられる位置が異なるよう構成される。このため、一対の第1及び
第2コネクタと他の一対の第1及び第2コネクタとにおける第1及び第2コネクタの組み合わせを誤って嵌合させてしまうことを防止することができる。
(8)揺動範囲規制部の形状や配置については、第2実施形態で例示した形態に限らず、種々変更して実施することができる。また、第1当接部及び第2当接部の形状や配置についても、第2実施形態で例示した形態に限らず、種々変更して実施することができる。