JP2003035372A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP2003035372A
JP2003035372A JP2001222038A JP2001222038A JP2003035372A JP 2003035372 A JP2003035372 A JP 2003035372A JP 2001222038 A JP2001222038 A JP 2001222038A JP 2001222038 A JP2001222038 A JP 2001222038A JP 2003035372 A JP2003035372 A JP 2003035372A
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seal lip
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Yasuyoshi Hamaya
泰愛 濱屋
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    • F16C33/78—Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密封性能を向上させた信頼性の高い密封装置
を提供する。 【解決手段】 シール部材３は、外径方向反密封対象側
に延出して厚みが略同一となる薄板状に形成され、装置
本体よりも反密封対象側で軸受の内輪に取り付けられる
円盤状部材の密封対象側径方向面に面接触するシールリ
ップ３ａを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば鉄鋼圧延機
の軸受部等に用いられる密封装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来のこの種の密封装置としては、たと
えば、図３に示すような鉄鋼圧延機の軸受け１０におい
て、ゴム状弾性体で形成されたシールリップ１０１を有
するオイルシール１００が用いられていた。
【０００３】このオイルシール１００は、軸受１０にお
いて、外輪１１と、外輪１１に対して転動体１２を介し
て回転自在に設けられた内輪１３と、の間に装着される
もので、シールリップ１０１が内輪１３外周に摺動自在
に密封接触している。
【０００４】また、シールリップ１０１の密封対象側で
ある軸受内部側に、内輪１３とは非接触に、サブリップ
１０２が設けられている。
【０００５】そして、サブリップ１０２により軸受１０
内部の潤滑保持を行うとともに、シールリップ１０１の
摺動面に向けてグリースを供給させて、反密封流体側で
ある大気側からの異物（特に、鉄粉，粉塵等）を流し出
すことによりシールリップ１０１を保護している。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じる
可能性がある。
【０００７】反密封流体側からの異物が圧延水や水蒸気
である場合には、シールリップ１０１の接触状態が線接
触であると、水の粘度は低いため、圧延水や水蒸気は軸
受内部に浸入してしまう。
【０００８】この圧延水や水蒸気の浸入を防ぐため、シ
ールリップ１０１は、スプリング１０３により内輪１３
に対する緊迫力が付与されているが、回転軸すなわち内
輪１３が高速回転する条件下においては、内輪１３との
摩擦力が大きくなり摺動発熱が大きくなってしまう。
【０００９】このため、ゴム状弾性材が早期に劣化して
しまい、密封性が低下することが懸念されている。
【００１０】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、密封
性能を向上させた信頼性の高い密封装置を提供すること
にある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、ハウジングの軸孔と該軸孔内に回
転自在に設けられる軸部材との間の環状隙間を密封する
密封装置であって、前記軸部材の外周面に対して所定の
隙間を介して設けられるシール部材を有し、前記ハウジ
ングの軸孔内周面に嵌着される密封装置において、前記
シール部材は、外径方向反密封対象側に延出して厚みが
略同一となる薄板状に形成され、装置本体よりも反密封
対象側で前記軸部材に取り付けられる円盤状部材の密封
対象側径方向面に面で接触するシールリップを備えるこ
とを特徴とする。
【００１２】したがって、シールリップの剛性を抑える
ことができるので、摺動発熱を低減させることが可能と
なる。
【００１３】さらに、軸部材に取り付けられる円盤状部
材の側面にシールリップを面で密接させる摺動面を形成
しているので、反密封対象側から異物、特に、圧延水や
水蒸気が密封対象側に侵入するのを防止することが可能
となり、軸部材の回転動作に伴う円盤状部材の回転によ
る振り切り効果により、反密封対象側からの異物の侵入
を確実に防止することが可能となる。
【００１４】前記シールリップの内周側であって、反密
封対象側に延出して前記円盤状部材から隙間を介して設
けられ、該シールリップとの間に空間領域を形成するサ
ブリップを備えることも好適である。
【００１５】これにより、空間領域に潤滑剤を充填して
保持させることができるので、軸部材の回転動作に伴っ
て潤滑剤は放射状に広がり、外径側のシールリップの摺
動面に向けて微量ずつ供給させることができ、シールリ
ップに良好な潤滑状態をもたらし、摺動摩擦を低減させ
ることが可能となる。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される
装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきもので
あり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣
旨のものではない。
【００１７】図１は本発明の実施の形態に係る密封装置
１を示す概略断面図であり、図２（ａ）は密封装置１が
装着された状態を説明するための半断面図、同図（ｂ）
は概略上視図である。
【００１８】この密封装置１は主として、従来技術の項
で図３を用いて説明したような鉄鋼圧延機の軸受１０に
用いられるものとして説明されるものであるが、適用用
途としてこれに限定されるものではなく、同様の構成を
備えた密封装置に適用可能である。なお、軸受１０にお
いて密封装置以外の構成については従来の技術の項で説
明した構成と同様なものとして、その説明を省略する。
【００１９】密封装置１は、たとえば、図３に示すよう
な鉄鋼圧延機の軸受け１０において、ハウジング６及び
外輪１１と、外輪１１に対して転動体１２を介して回転
自在に設けられて軸に装着される軸部材としての内輪１
３と、の間に装着されて、密封対象側Ｍである軸受１０
内部の潤滑剤を密封し、反密封対象側Ｏからの異物の侵
入を防止するものである。
【００２０】密封装置１は、環状形状を呈しており、概
略、補強環として断面略Ｓ字状の金属環２と、金属環２
に一体的に形成されたゴム状弾性体のシール部材３と、
から構成される。
【００２１】金属環２は、径方向に延びる径方向部２ａ
と、径方向部２ａの外径側端縁から軸方向密封対象側Ｍ
に延びる軸方向部２ｂと、軸方向部２ｂの軸方向密封対
象側Ｍ端縁から外径方向に延びる径方向部２ｃと、から
なる。
【００２２】シール部材３は、金属環２に一体的に形成
されており、金属環２の軸方向部２ｂの外周側，径方向
部２ａの反密封対象側Ｏ，及び径方向部２ａの内径側端
部を覆っている。
【００２３】ここで、シール部材３は、金属環２の軸方
向部２ｂの外周側を覆うことにより、径方向部２ｃとと
もに嵌め合い部を構成し、ハウジング６に嵌着される。
【００２４】そして、金属環２の径方向部２ａの内径側
端部を覆っているシール部材３の内径側端部３ｃは、内
輪１３に対して隙間を介して設けられており、シール部
材３は、内径側端部３ｃから外径方向反密封対象側Ｏに
延びるシールリップ３ａと、シールリップ３ａの内周側
であって内径側端部３ｃから反密封対象側Ｏに延びてシ
ールリップ３ａとの間に空間領域３ｄを形成するサブリ
ップ３ｂと、を有している。本実施の形態では、図に示
すように、内径側端部３ｃから外径方向反密封対象側Ｏ
に傾斜させてサブリップ３ｂを設けている。
【００２５】また、密封装置１の反密封対象側Ｏには、
円盤状部材４が内輪１３に嵌着されて内輪１３と一体的
に回転可能とされており、円盤状部材４の外周側端縁４
ｂは、対向するハウジング６の内周面６ａと微小隙間Ｓ
を形成している。
【００２６】そして、本実施の形態の特徴的な構成とし
て、シールリップ３ａは、厚さが略同一の薄板状に形成
されており、円盤状部材４の密封対象側Ｍの側面である
径方向面４ａに面で密封接触している。また、サブリッ
プ３ｂにおいては、円盤状部材４の径方向面４ａと隙間
を介して設けられている。
【００２７】ここで、シールリップ３ａを厚さが略同一
の薄板状に形成することにより、剛性が小さくなり、内
径側端部３ｃを支点としてリップを撓ませることができ
るので、円盤状部材４の径方向面４ａに面接触させるこ
とができ、安定した密封性を得ることができる。
【００２８】また、内径側端部３ｃの剛性を高めること
により、シールリップ３ａを撓み易くさせることができ
るが、これには、例えば、内径側端部３ｃを厚くした
り、金属環２の径方向部２ａの内径側端縁を内径側端部
３ｃ近傍に位置させるとよい。
【００２９】以上のように構成される密封装置１にあっ
ては、シールリップ３ａが円盤状部材４の径方向面４ａ
に密封接触することにより、密封対象側Ｍの密封対象流
体であるグリースを密封することができる。
【００３０】そして、本実施の形態においては、シール
リップ３ａを厚さが略同一の薄板状として、内径側端部
３ｃを支点としてリップを撓ませて、円盤状部材４の径
方向面４ａに面接触させて径方向に摺動面を形成するこ
とにより、剛性を抑えることができ、摺動摩擦を低減さ
せることができるので、特に高速回転の条件下におい
て、摺動発熱を低減させることが可能となる。さらに
は、反密封対象側Ｏからの異物、特に、圧延水や水蒸気
が密封対象側Ｍに侵入するのを防止することが可能とな
る。
【００３１】また、サブリップ３ｂを設けることによ
り、シールリップ３ａとサブリップ３ｂとの間に形成さ
れた空間領域３ｄに潤滑剤としてのグリースを充填して
保持させることができるので、軸部材の回転、すなわち
内輪１３及び円盤状部材４の回転動作に伴ってグリース
は放射状に広がり、外径側のシールリップ３ａの摺動面
に向けて微量ずつ供給させることができ、シールリップ
３ａに良好な潤滑状態をもたらし、シールリップ３ａと
径方向面４ａとの摺動摩擦を低減させることが可能とな
る。
【００３２】また、サブリップ３ｂは、円盤状部材４の
径方向面４ａとは非接触に設けられているので、密封装
置１の摺動抵抗を低減させることができる。
【００３３】そして、特に、軸部材、すなわち内輪１３
が高速回転する条件においては、従来、摩擦力が大きく
なり摺動発熱が大きくなってしまうことが懸念されてい
たが、密封装置１は上述のように摺動抵抗の低減化を実
現しており、さらに、シールリップ３ａと径方向面４ａ
との摺動面には、高速回転になる程、空間領域３ｄから
グリースが供給されるので、摩擦力が大きくなるような
ことはなく、すなわち、摺動発熱が大きくなってしまう
ことはない。
【００３４】従来では、摺動発熱を考慮して、ゴム状弾
性体として、耐熱性に優れたＦＫＭ（ふっ素ゴム）を使
用しなければならなかったが、本実施の形態に係る密封
装置１を適用する場合には、摺動発熱を考慮する必要が
なくなるため、性能・加工性・価格のバランスの優れた
ＮＢＲ（ニトリルゴム）やＨ−ＮＢＲ（水素添加ニトリ
ルゴム）を採用することが可能となる。
【００３５】また、内輪１３の回転動作に伴い円盤状部
材４が回転することによる振り切り効果により、反密封
対象側Ｏから密封対象側Ｍへの異物（特に、圧延水や水
蒸気）の侵入防止の効果を高めることが可能となる。
【００３６】円盤状部材４は、外周側端縁４ｂにおい
て、ハウジング６と微小隙間Ｓを形成するように設けら
れているので、ラビリンス効果を得ることができ、これ
により、反密封対象側Ｏから密封対象側Ｍへの異物（特
に、圧延水や水蒸気）の侵入防止の効果をさらに高める
ことが可能となる。
【００３７】また、円盤状部材４においては、外径側に
大きい形状とすることにより、高速回転条件下での振り
切り効果をより高めることができる。
【００３８】また、図に示すように、円盤状部材４の反
密封対象側Ｏ径方向面４ｃと、ハウジング６の軸方向の
端面となる径方向面６ｂとは、軸方向において略一致し
ている、いわゆる面一であるとよく、さらには、円盤状
部材４の径方向面４ｃが、ハウジング６の径方向面６ｂ
に対して、軸方向密封対象側Ｍに設けられていると好適
であり、圧延水等の異物の侵入防止効果をより高めるこ
とが可能となる。
【００３９】したがって、ゴム状弾性材の早期劣化（硬
化）及びシールリップの摩耗を防止することが可能とな
り、密封性能を向上させた信頼性の高い密封装置を提供
することが可能となる。
【００４０】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
厚みが略同一となる薄板状に形成され、軸部材に取り付
けられる円盤状部材の密封対象側径方向面に面で接触す
るシールリップを備えることにより、シールリップの剛
性を抑えることができるので、摺動発熱を低減させるこ
とが可能となり、さらに、面接触させることで、反密封
対象側から異物、特に、圧延水や水蒸気が密封対象側に
侵入するのを防止することが可能となる。そして、軸部
材の回転動作に伴う円盤状部材の回転による振り切り効
果により、反密封対象側からの異物の侵入を確実に防止
することが可能となる。
【００４１】また、シールリップとの間に空間領域を形
成するサブリップを設けることにより空間領域に潤滑剤
を充填して保持させることができるので、軸部材の回転
動作に伴って潤滑剤は放射状に広がり、シールリップの
摺動面に向けて微量ずつ供給させることができ、シール
リップに良好な潤滑状態をもたらし、摺動摩擦を低減さ
せることが可能となる。
【００４２】したがって、ゴム状弾性材の早期劣化（硬
化）及びシールリップの摩耗を防止することが可能とな
り、密封性能を向上させた信頼性の高い密封装置を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係る密封装置１を示す概
略断面図である。
【図２】図２（ａ）は本発明の実施の形態に係る密封装
置が装着された状態を説明するための半断面図、同図
（ｂ）は密封装置の概略上視図である。
【図３】従来技術に係る密封装置が軸受に装着された状
態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
１ 密封装置 ２ 金属環 ２ａ 径方向部 ２ｂ 軸方向部 ２ｃ 径方向部 ３ シール部材 ３ａ シールリップ ３ｂ サブリップ ３ｃ 内径側端部 ３ｄ 空間領域 ４ 円盤状部材 ４ａ 径方向面 ４ｂ 外周側端縁 ４ｃ 径方向面 ６ ハウジング ６ａ 内周面 ６ｂ 径方向面 １０ 軸受 １１ 外輪 １２ 転動体 １３ 内輪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ハウジングの軸孔と該軸孔内に回転自在に
    設けられる軸部材との間の環状隙間を密封する密封装置
    であって、 前記軸部材の外周面に対して所定の隙間を介して設けら
    れるシール部材を有し、前記ハウジングの軸孔内周面に
    嵌着される密封装置において、 前記シール部材は、 外径方向反密封対象側に延出して厚みが略同一となる薄
    板状に形成され、装置本体よりも反密封対象側で前記軸
    部材に取り付けられる円盤状部材の密封対象側径方向面
    に面接触するシールリップを備えることを特徴とする密
    封装置。
  2. 【請求項２】前記シールリップの内周側であって、反密
    封対象側に延出して前記円盤状部材から隙間を介して設
    けられ、該シールリップとの間に空間領域を形成するサ
    ブリップを備えることを特徴とする請求項２に記載の密
    封装置。
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