JP2003035329A - 浮動型キャリパブレーキ装置 - Google Patents

浮動型キャリパブレーキ装置

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JP2003035329A
JP2003035329A JP2001222776A JP2001222776A JP2003035329A JP 2003035329 A JP2003035329 A JP 2003035329A JP 2001222776 A JP2001222776 A JP 2001222776A JP 2001222776 A JP2001222776 A JP 2001222776A JP 2003035329 A JP2003035329 A JP 2003035329A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制輪子をディスクの両側に配置するキャリパ
と、台車の所定位置に固定される支持枠と、支持ピンが
摺動自由に嵌合するスリーブと、スリーブと支持枠に形
成の取付穴との間に介装される防振ゴムと、を備え、支
持枠にキャリパが支持ピンを介して制輪子の作動方向へ
移動可能かつ防振ゴムを変形させながら揺動可能に構成
される浮動型キャリパブレーキ装置において、材質など
に拠らず、防振ゴムの弾性を任意に調整できるようにす
る。 【解決手段】防振ゴム15aの両端をスリーブ15aに
係止する環状部材21と、各環状部材21の外径と支持
枠7側の取付穴16の内径との間に設定される防振ゴム
15aが食い込み可能な所定の隙間22と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄道車両などに
用いられる浮動キャリパ型ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2,図3において、車輪と一体に回転
するディスク1の両側にディスク面と所定の隙間をおい
て1対の制動子2,2’が配置される。これら制輪子
2,2’を支持するのがキャリパ3であり、制輪子2,
2’のいずれか一方(この場合、制輪子2)は、キャリ
パ3にピストン4を介して支持され、流体圧を油供給口
5に受けてピストン4が伸張すると、ディスク面へ押し
出される。
【0003】キャリパ3は、ディスク1の回転軸oと平
行かつ回転軸oから等距離に配置される支持ピン6,
6’により、支持枠7に制輪子2,2’の作動方向へ移
動可能に支持される。支持枠7は、台車の所定位置に固
定される。
【0004】図4は図3のA−A断面であり、上側の支
持ピン6は、球面軸受8のジャーナル9に軸方向へ摺動
自由かつ球面軸受8の中心pを支点に所定範囲を回動
(揺動)自由に支持される。10は支持枠7に形成の段
付穴(取付穴)であり、球面軸受8はC型止め輪11を
介して段付穴10の中央部に係止される。また、1対の
ゴムブッシュ12がC型止め輪13を介して段付穴10
の球面軸受8を挟む両側に係止される。
【0005】図5は図3のB−B断面であり、下側の支
持ピン6’は、スリーブ14に軸方向へ摺動自由に支持
される。15はスリーブ14と支持枠7に形成の取付穴
16との間に介装される防振ゴムであり、スリーブ14
の外周の中央部に設けられる。スリーブ14は、両端に
鍔部17が形成され、鍔部17の両側から平座金18お
よびC型止め輪19を介して取付穴16の中央部に係止
される。防振ゴム15は、ゴムのシートをスリーブ14
の外周(鍔部17の中間)に巻き付けて加硫接着により
形成される。
【0006】制動時において、キャリパ3のピストン4
が伸張すると、制輪子2がディスク面に押し付けられ、
その反力でディスク1を挟む反対側の制輪子2’を引き
寄せる。これにより、1対の制輪子2,2’がディスク
1を両側から挟み込むようになり、ディスク1との間に
摩擦力(制動力)を発生させる。
【0007】その際、制輪子2,2’がディスク面に均
一に接触せず、キャリパ3に曲げや捻れ等が作用して
も、キャリパ3が制輪子2,2’の作動方向へ移動する
と共に球面軸受8の中心Pを支点に揺動するので、制輪
子2,2’とディスク面は均一に接触するよう自動的に
調整される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図5の支持構造の場
合、防振ゴム15は、支持枠7と鍔部17との接触を防
ぐに十分な弾性(ばね定数)が要求される。その一方、
弾性を高め過ぎると、せっかくの追従性が損なわれてし
まう。ところが、防振ゴム15の弾性は、材質やサイズ
(寸法)から一義的に決定され、スリーブ14の外周に
加硫接着すると、その後は、使用条件が変わっても弾性
を任意に調整しがたく、それぞれ条件の違うブレーキに
最適な弾性を得ることが難しかった。したがって、現状
では、それぞれ条件の異なるブレーキに対し、ある程度
弾性を満足する加硫接着の防振ゴム1種類で対応する場
合が多い。
【0009】図5の支持構造の場合、スリーブ14と支
持ピン6’はメタル接触のため、ディスク1の移動(車
輪の揺れ)および振動により、スリーブ14と支持ピン
6’は相対移動し、異常摩耗を起こす場合がある。
【0010】この発明は、このような課題を解決するた
めの、有効な対策手段の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、制輪子を
ディスクの両側に配置するキャリパと、台車の所定位置
に固定される支持枠と、を備え、支持枠にキャリパが支
持ピンを介して制輪子の作動方向へ移動可能に構成され
る浮動型キャリパブレーキ装置において、支持ピンが摺
動自由に嵌合するスリーブと、スリーブと支持枠に形成
の取付穴との間に介装される防振ゴムと、防振ゴムの両
端をスリーブに係止する環状部材と、各環状部材の外径
と支持枠側の取付穴の内径との間に設定される防振ゴム
の食い込み可能な所定の隙間と、を備えることを特徴と
する。
【0012】第2の発明は、第1の発明に係る浮動型キ
ャリパブレーキ装置の防振ゴムは、環状部材に係止され
る内径側端面と、隙間へ向けて小径となる所定角のテー
パに設定される外径側端面と、を備えることを特徴とす
る。
【0013】第3の発明は、第1の発明に係る浮動型キ
ャリパブレーキ装置のスリーブは、支持ピンとの摺動面
を形成するブッシュを備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】第1の発明においては、制動時のキャリ
パに曲げや捻れ等が作用すると、防振ゴムの変形によ
り、これらの力が吸収されるため、ディスク面に制輪子
は均一に接触するよう自動的に調整される。その際、防
振ゴムは、その押し潰される側が環状部材と支持枠との
隙間に食い込むようになる。隙間が小さく場合、防振ゴ
ムの食い込みに大きな抵抗が与えられ、防振ゴムの弾性
(ばね定数)が大きくなる一方、隙間が大きい場合、防
振ゴムの食い込みに与える抵抗が小さくなり、防振ゴム
が変形しやすくなる。したがって、隙間の管理により、
防振ゴムの弾性を任意に調整することが可能となる。
【0015】第2の発明においては、防振ゴムの外径側
端面に与えるテーパ角を変えると、同一の負荷に対する
防振ゴムの隙間への食い込む量(抵抗の大きさ)が変化
する。したがって、隙間の管理とテーパ角の管理との併
用により、防振ゴムの弾性に係る調整の自由度が大きく
なる。
【0016】第3の発明においては、ブッシュにより、
支持ピンとスリーブとの摺動性および耐摩耗性の向上が
図れる。その結果、キャリパの追従性も高められ、制輪
子の偏摩耗を防ぐ効果を促進できる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、図4および図5に対応す
るキャリパの支持構造を表すものであり、図2,図3の
従来例における、上側の支持構造と下側の支持構造との
両方に適用される。なお、図2〜図5と同じ部品に同じ
符号を付ける。
【0018】スリーブ14aは中央に拡径部20が形成
され、その外周に円筒形状の防振ゴム15aが圧装され
る。16は支持枠7に形成される取付穴であり、防振ゴ
ム15aは取付穴16とスリーブ14aとの間に介装さ
れる。拡径部20の両側にスペーサ21(環状部材)が
配置され、取付穴16との間に防振ゴム14aが食い込
み可能な所定の隙間22を形成する。
【0019】スペーサ21は、防振ゴム14aの内径側
端面28との接触面23(規制面)と、取付穴16の内
周との間で所定の隙間22を形成する外径面24と、C
型止め輪を受け入れる凹部25と、が備えられ、凹部2
5の周縁は平座金18aとの合わせ面26に形成され
る。
【0020】スペーサ21は、拡径部20の両側(段
部)に突き当てられ、C型止め輪19aを介してスリー
ブ14aに係止される。スリーブ14aの軸方向への動
きを規制するため、スペーサ21の凹部25の周縁に平
座金18aが突き当てられ、C型止め輪19bを介して
取付穴16に係止される。
【0021】防振ゴム15aは、両側において、スペー
サ21に係止される内径側端面28と、環状隙間22へ
向けて所定のテーパ角で小径となる外径側端面27と、
が形成され、負荷により押し潰されると、外径側端面2
7が隙間22に食い込むように変形する。
【0022】スリーブ14aの内周に支持ピン6
(6’)との摺動面を形成するDUブッシュ30が取り
付けられる。31はDUブッシュ30の両側に配置され
るOリングの抑え部であり、DUブッシュ30はOリン
グの抑え部31およびC型止め輪32を介してスリーブ
14aに係止される。
【0023】制動時において、キャリパ3に曲げや捻れ
等が作用すると、防振ゴム15aの変形により、これら
の力が吸収されるため、ディスク面に制輪子2,2’は
均一に接触するよう自動的に調整される。
【0024】その際、防振ゴム15aは、その押し潰さ
れる側がスリーブ14aと支持枠7との隙間22に食い
込むようになり、スリーブ14aと支持枠7とのメタル
接触を防止するのである。
【0025】隙間22が小さい場合、防振ゴム14aの
食い込みに大きな抵抗が与えられ、防振ゴム14aの弾
性(ばね定数)が大きくなる一方、隙間22が大きい場
合、防振ゴム14aの食い込みに与える抵抗が小さくな
り、防振ゴム14aが変形しやすくなる。したがって、
隙間22の管理により、材質などを変えることなく、防
振ゴム14aの弾性を任意に調整することが可能とな
る。
【0026】防振ゴム14aの外径側端面27に与える
テーパ角を変えると、同一の負荷に対する防振ゴム14
aの隙間22への食い込む変形量が変化する。そのた
め、隙間22の管理とテーパ角の管理との併用により、
防振ゴム14aの弾性に係る調整の自由度が大きくな
り、防振ゴム14aの適正なチューニングが容易に得ら
れるのである。
【0027】スリーブ14aの内周にDUブッシュ30
を備えるので、支持ピン6(6’)とスリーブ14aと
の摺動性および耐摩耗性が向上するため、キャリパ3の
追従性も高められ、制輪子2,2’の偏摩耗を防ぐ効果
はさらに促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を表す要部断面図である
【図2】従来例を説明する全体構成の正面図である。
【図3】同じく全体構成の側面図である。
【図4】同じくA−A断面図である。
【図5】同じくB−B断面図である。
【符号の説明】
3 キャリパ 6(6’) 支持ピン 7 支持枠 14a スリーブ 15a 防振ゴム 20 拡径部 21 スペーサ(環状部材) 22 隙間 30 DUブッシュ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制輪子をディスクの両側に配置するキャリ
    パと、台車の所定位置に固定される支持枠と、を備え、
    支持枠にキャリパが支持ピンを介して制輪子の作動方向
    へ移動可能に構成される浮動型キャリパブレーキ装置に
    おいて、支持ピンが摺動自由に嵌合するスリーブと、ス
    リーブと支持枠に形成の取付穴との間に介装される防振
    ゴムと、防振ゴムの両端をスリーブに係止する環状部材
    と、各環状部材の外径と支持枠側の取付穴の内径との間
    に設定される防振ゴムの食い込み可能な所定の隙間と、
    を備えることを特徴とする浮動型キャリパブレーキ装
    置。
  2. 【請求項2】防振ゴムは、環状部材に係止される内径側
    端面と、隙間へ向けて小径となる所定角のテーパに設定
    される外径側端面と、を備えることを特徴とする請求項
    1に記載の浮動型キャリパブレーキ装置。
  3. 【請求項3】スリーブは、支持ピンとの摺動面を形成す
    るブッシュを備えることを特徴とする請求項1に記載の
    浮動型キャリパブレーキ装置。
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