JP2003034642A - ロダシアニン色素化合物を含有する抗マラリア剤 - Google Patents

ロダシアニン色素化合物を含有する抗マラリア剤

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JP2003034642A
JP2003034642A JP2001220577A JP2001220577A JP2003034642A JP 2003034642 A JP2003034642 A JP 2003034642A JP 2001220577 A JP2001220577 A JP 2001220577A JP 2001220577 A JP2001220577 A JP 2001220577A JP 2003034642 A JP2003034642 A JP 2003034642A
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substituted
carbon atoms
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Masataka Ihara
正隆 井原
Kiyomasa Takasu
清誠 高須
Hiroshi Igami
博史 伊上
Arisuke Wataya
有佑 綿矢
Keishuku Kin
恵淑 金
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Japan Science and Technology Agency
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Japan Science and Technology Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種抗マラリア剤に耐性を有するマラリヤ原
虫に対して有効であり、副作用が少ない抗マラリヤ剤を
提供すること。 【解決手段】 一般式(I)[式中、R1及びR2はそれ
ぞれ独立して水素原子、置換若しくは未置換基のC1〜
8のアルキル基、C6〜8のアリール基、又は、互いに
連結し形成された置換若しくは未置換基の6員環を表
し、R3及びR5はそれぞれ独立して置換若しくは未置換
基のC1〜8のアルキル基を表し、R4は置換若しくは
未置換基のC1〜8のアルキル基又はC6〜8のアリー
ル基を表し、R6及びR7はそれぞれ独立して水素原子、
置換若しくは未置換基のC1〜8のアルキル基、C6〜
8のアリール基、又は、互いに連結し形成された置換若
しくは未置換基の6員環を表し、Qは薬学的に許容しう
るアニオンを表す。]で示されるロダシアニン系色素化
合物を、抗マラリア剤の有効成分とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マラリア原虫類に
よる感染症の診断、予防、及び治療に有用なロダシアニ
ン系化合物を有効成分として含有する抗マラリア剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】マラリアはハマダラカを媒体として人体
に注入されたマラリア原虫に感染して発病する感染症で
あり、ヒトに感染するマラリア原虫には熱帯熱マラリア
原虫、三日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、及び四
日熱マラリア原虫の4種類があり、世界中で患者数2〜
3億人、死者年間2〜3百万人と推定されている。近
年、殺虫剤耐性の蚊や、マラリアの特効薬として多用さ
れてきたクロロキン耐性のマラリア原虫が出現し、対策
が困難となっている。抗マラリア剤又は抗マラリア化合
物としては、特開2000−7673号公報記載の2個
の複素環を含有するオルソ−縮合系の新規化合物や、特
開平11−228446号公報記載のICAM−1発現
抑制作用を有する化合物を有効成分として含有する抗マ
ラリア剤や、特開平11−228422号公報記載の
5′−o−スルファモイル−2−クロロアデノシン等の
ヌクレオシド誘導体等を有効成分として含有する抗マラ
リア剤や、特開平11−228408号公報記載のトリ
コテセン類等を有効成分として含有する抗マラリア剤
や、特開平10−265382号公報記載のシクロプロ
ジギオシン等を有効成分とする抗マラリア剤や、特開平
8−231401号公報記載のリミノフェナジンを有効
成分として含有するマラリア予防又は治療薬や、特開平
8−73355号公報記載のキノリン誘導体等を有効成
分として含有する抗マラリア薬耐性克服剤や、特開平8
−59471号公報記載の5−フルオロオロチン酸及び
スルファモノメトキシンを有効成分とする抗マラリア剤
等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、クロロキンに耐
性をもつマラリア原虫に対して、メフロキン、プリマキ
ン等のクロロキン類似化合物や、アルテミシニン等のパ
ーオキシ環状化合物等が有効であり、特に、キク科植物
から単離されるトリオキサ構造を持つアルテミシニンが
治療薬として使われていた。しかしながら、アルテミシ
ニンに対しても耐性を示すマラリア原虫がすでに現れて
おり、新規なマラリア剤に対して次々に耐性を有するマ
ラリア原虫が出現するという問題があった。また、マラ
リア原虫に対して有効であるキニーネは、腎不全を引き
起こす可能性が高く、キニーネは最終治療としてのみ用
いられているのが現状であり、副作用が少なく感染の予
防や、治療を保証することはできなかった。本発明の課
題は、各種抗マラリア剤に耐性を有するマラリア原虫に
対して有効であり、副作用が少ない抗マラリア剤を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種抗マ
ラリア剤に耐性を有するマラリア原虫に対して有効であ
り、副作用が少ない抗マラリア剤として、ロダシアニン
色素化合物が有用であることを既に報告している(特開
2000−191531号公報)。本発明者らは、かか
るロダシアニン色素化合物とはロダニン母核に結合され
る置換基が異なる種々のロダシアニン色素化合物を合成
し、抗マラリア活性について検定したところ、特定の置
換基を有する化合物が非常に高い抗マラリア活性と選択
毒性を示すことを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち本発明は、一般式(I)[式中、
1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、未置換若しく
は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキ
ル基、未置換若しくは置換基を有していてもよい炭素原
子数6〜8のアリール基、又は、互いに連結し形成され
た未置換若しくは置換基を有していてもよい6員環を表
し、R3及びR5はそれぞれ独立して未置換若しくは置換
基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を
表し、R4は未置換若しくは置換基を有していてもよい
炭素原子数1〜8のアルキル基又は未置換若しくは置換
基を有していてもよい炭素原子数6〜8のアリール基を
表し、R6及びR7はそれぞれ独立して水素原子、未置換
若しくは置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の
アルキル基、未置換若しくは置換基を有していてもよい
炭素原子数6〜8のアリール基、又は、互いに連結し形
成された未置換若しくは置換基を有していてもよい6員
環を表し、Qは薬学的に許容しうるアニオンを表す。]
で示されるロダシアニン色素化合物を有効成分として含
有することを特徴とする抗マラリア剤(請求項1)に関
する。
【0006】
【化9】
【0007】また本発明は、一般式(I)で示される化
合物が、式(II)〜式(VIII)のいずれかで示されるロ
ダシアニン色素化合物であることを特徴とする上記の抗
マラリア剤(請求項2)に関する。
【0008】
【化10】
【0009】
【化11】
【0010】
【化12】
【0011】
【化13】
【0012】
【化14】
【0013】
【化15】
【0014】
【化16】
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(I)で示される
ロダシアニン色素化合物中、R1及びR2は、互いに同一
又は相異なってもよく、独立して、水素原子、未置換若
しくは置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8のア
ルキル基、又は未置換若しくは置換基を有していてもよ
い炭素原子数6〜8のアリール基を表す。上記炭素原子
数1〜8のアルキル基としては、直鎖のみならず分枝鎖
を有するものであってもよく、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブ
チル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル
基、s−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、n−ヘキシル基、2−メチル−n−ペンチル基、n
−ヘプチル基、2−メチル−n−ヘキシル基、n−オク
チル基等を例示することができ、上記炭素原子数6〜8
のアリール基としては、フェニル基、p−トリル基、4
−キシル基等を例示することができる。これらの炭素原
子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数6〜8のアリー
ル基に結合される置換基としては、ハロゲン原子、水酸
基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ
カルボニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル
基、アリールカルボニル基、アリール基、アラルキル
基、アミノ基、アルケニル基等を例示することができ
る。
【0016】また、R1とR2は、それぞれ互いに連結し
てチアゾリジン環とオルト縮合した6員環を形成しても
よく、6員環は特に限定されるものではなく、脂環式炭
化水素、芳香族炭化水素いずれであってもよいが、ベン
ゼン環であることが好ましい。6員環は置換基を有して
いてもよく、置換基としては、具体的には、ハロゲン原
子、水酸基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルキルカル
ボニル基、アリールカルボニル基、アリール基、アラル
キル基、アミノ基、アルケニル基等を例示することがで
きる。
【0017】本発明の一般式(I)で示されるロダシア
ニン色素化合物中、R3及びR5は、互いに同一又は相異
なってもよく、独立して、未置換若しくは置換基を有し
ていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。炭
素原子数1〜8のアルキル基としては、直鎖のみならず
分枝を有するものであってもよく、具体的には、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル
基、n−ペンチル基、s−ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチル−n
−ペンチル基、n−ヘプチル基、2−メチル−n−ヘキ
シル、n−オクチル基等を例示することができる。ま
た、これらの炭素原子数1〜8のアルキル基に結合され
る置換基としては、具体的には、ハロゲン原子、水酸
基、オキソ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ
カルボニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル
基、アリールカルボニル基、アリール基、アラルキル
基、アミノ基、アルケニル基等を例示することができ
る。
【0018】本発明の一般式(I)で示されるロダシア
ニン色素化合物中、R4は、未置換若しくは置換基を有
していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、又は未
置換若しくは置換基を有していてもよい炭素原子数6〜
8のアリール基を表す。上記炭素原子数1〜8のアルキ
ル基としては、直鎖のみならず分枝鎖を有するものであ
ってもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチ
ル基、イソブチル基、n−ペンチル基、s−ペンチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル
基、2−メチル−n−ペンチル基、n−ヘプチル基、2
−メチル−n−ヘキシル基、n−オクチル基等を例示す
ることができ、上記炭素原子数6〜8のアリール基とし
ては、フェニル基、p−トリル基、4−キシル基等を例
示することができる。これらの炭素原子数1〜8のアル
キル基又は炭素原子数6〜8のアリール基に結合される
置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、ア
ルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カ
ルボキシル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボ
ニル基、アリール基、アラルキル基、アミノ基、アルケ
ニル基等を例示することができる。
【0019】本発明の一般式(I)で示されるロダシア
ニン色素化合物中、R6及びR7は、互いに同一又は相異
なってもよく、独立して、水素原子、未置換若しくは置
換基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル
基、又は未置換若しくは置換基を有していてもよい炭素
原子数6〜8のアリール基を表す。上記炭素原子数1〜
8のアルキル基としては、直鎖のみならず分枝鎖を有す
るものであってもよく、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、s
−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−
ヘキシル基、2−メチル−n−ペンチル基、n−ヘプチ
ル基、2−メチル−n−ヘキシル基、n−オクチル基等
を例示することができ、上記炭素原子数6〜8のアリー
ル基としては、フェニル基、p−トリル基、4−キシル
基等を例示することができる。これらの炭素原子数1〜
8のアルキル基又は炭素原子数6〜8のアリール基に結
合される置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、オキ
ソ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アリー
ルカルボニル基、アリール基、アラルキル基、アミノ
基、アルケニル基等を例示することができる。
【0020】また、R6とR7は、それぞれ互いに連結し
て6員環を形成してもよく、6員環は特に限定されるも
のではなく、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素いずれで
あってもよく、また、ピリジン環とオルト縮合環を形成
してもよい。6員環は置換基を有していてもよく、置換
基としては、R1とR2に結合される置換基と同様のもの
を挙げることができる。
【0021】また、本発明の一般式(I)で示されるロ
ダシアニン色素化合物中、Qは薬学的に許容しうるアニ
オンを示し、ハロゲンイオン、スルホン酸イオン、スル
ファミン酸イオン、水酸化物イオン等を挙げることがで
き、具体的には、ハロゲンイオンとしては、塩素イオ
ン、臭素イオン、ヨウ素イオン等を例示することがで
き、スルホン酸イオンとしては、メタンスルホン酸イオ
ン、エタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスル
ホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ナフタ
レンスルホン酸イオン、2−ヒドロキシエタンスルホン
酸イオン等の脂肪族及び芳香族スルホン酸イオン等を例
示することができ、スルファミン酸イオンとしては、シ
クロヘキサンスルファミン酸イオンを例示することがで
き、その他、メチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオン等
の硫酸イオン、硫酸水素イオン、ホウ酸イオン、アルキ
ル及びジアルキルりん酸イオン、カルボン酸イオン、炭
酸イオン等を挙げることができる。薬学的に許容し得る
アニオンの好ましい具体例としては塩素イオン、臭素イ
オン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオ
ン、吉草酸イオン、クエン酸イオン、マレイン酸イオ
ン、フマル酸イオン、乳酸イオン、コハク酸イオン、酒
石酸イオン、安息香酸イオン、メタンスルホン酸イオ
ン、エタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸
イオン、水酸化物イオン等が挙げられる。
【0022】上記のような一般式(I)で表されるロダ
シアニン色素化合物としては、式(II)〜式(VIII)の
いずれかで示されるロダシアニン色素化合物[化合物
(II)〜化合物(VIII)]を具体的に挙げることができ
る。すなわち、4−[{5−(3−メチル−2(3H)
−ベンゾチアゾリリデン)−4−オキソ−3−(フェニ
ルメチル)−2−チアゾリジニリデン}メチル]−1−
メチルピリジニウム=p−トルエンスルホナート[化合
物(II)]、4−[{5−(3−メチル−2(3H)−
ベンゾチアゾリリデン)−4−オキソ−3−(フェニル
メチル)−2−チアゾリジニリデン}メチル]−1−メ
チルピリジニウム=クロリド[化合物(III)]、4−
[{5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリ
デン)−4−オキソ−3−エチル−2−チアゾリジニリ
デン}メチル]−1−メチルピリジニウム=p−トルエ
ンスルホナート[化合物(IV)]、4−[{5−(3−
メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−4−オ
キソ−3−(2−プロペニル)−2−チアゾリジニリデ
ン}メチル]−1−メチルピリジニウム=p−トルエン
スルホナート[化合物(V)]、4−[{5−(3−メ
チル−チアゾリリデン)−4−オキソ−3−エチル−2
−チアゾリジニリデン}メチル]−1−メチルピリジニ
ウム=p−トルエンスルホナート[化合物(VI)]、4
−[{5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリ
リデン)−4−オキソ−3−エチル−2−チアゾリジニ
リデン}メチル]−1−メチルキノリニウム=p−トル
エンスルホナート[化合物(VII)]、4−[{5−
(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−
4−オキソ−3−エチル−2−チアゾリジニリデン}メ
チル]−1−n−ブチルピリジニウム=ブロミド[化合
物(VIII)]等を例示することができる。
【0023】このような一般式(I)で表されるロダシ
アニン色素化合物の製造方法は、特に限定されるもので
はないが、例えば、4−メチルピリジンとスルホン酸
アルキル等を溶剤に混合し、加熱することによりアルキ
ル基が4−メチルピリジンに結合した1,4−メチルア
ルキルピリジニウムを得る工程、一方、2−メチルチ
オチアゾリジン誘導体と、スルホン酸アルキル等との混
合物と、2−チオキソ−4−チアゾリジノンの誘導体と
を溶剤に懸濁させ、アミン等の存在下で反応させ2つの
チアゾリジン誘導体を結合させる工程、得られた化合
物を酸と溶剤に懸濁させ加熱して共役酸を得る工程、
この共役酸と、前記1,4−メチルアルキルピリジニウ
ムとをアミン等の存在下で加熱し反応させる工程、によ
り目的とする一般式(I)で表されるロダシアニン色素
化合物を得ることができる。
【0024】上記一般式(I)で表されるロダシアニン
色素化合物を、マラリア原虫類による感染症の予防、抑
制及び治療に使用する場合、投与経路としては、経口、
皮下注射、静脈注射、局所投与等のいずれでもよい。ま
た、製剤としては、通常、製薬的に許容される担体、賦
形剤、その他添加剤を用いて製造した散剤、錠剤、細粒
剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤等の経口剤、点眼剤、注
射剤、坐剤等の非経口剤を挙げることができる。製薬的
に許容される担体や賦形剤、その他添加剤としては、グ
ルコース、ラクトース、ゼラチン、マンニトール、でん
ぷんペースト、トリケイ酸マグネシウム、コーンスター
チ、ケラチン、コロイド状シリカ等があり、さらには、
安定剤、増量剤、着色剤及び芳香剤の様な補助剤を含有
してもよい。これらの製剤は、各々当業者に公知慣用の
製造方法により製造できる。また、1日当たりの投与量
は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一
概に決定できないが、通常成人1日当り本発明化合物を
0.1〜1000mg、好ましくは1〜600mgを投
与するのが好ましい。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限
定されるものではない。 実施例1:化合物(II)の合成 2.0mLの4−メチルピリジンと3.1mLのp−ト
ルエンスルホン酸メチルの混合物を70℃にて12時間
撹拌した。得られた混合物を室温に冷却した後に、酢酸
エチルを加えた。沈殿物を吸引濾別し、冷酢酸エチルで
洗浄した後に乾燥することで5.4gの1,4−ジメチ
ルピリジニウム=p−トルエンスルホナートを得た。収
率は95%であった。次に、100mgの3−メチル−
2−(メチルチオ)ベンゾチアゾリウム=p−トルエン
スルホナートと61mgの3−(フェニルメチル)−2
−チオキソ−4−チアゾリジノンの混合物に1.0mL
のアセトニトリルを加え懸濁液とし、その混合物に室温
で0.060mLのトリエチルアミンを滴下した。これ
を室温にて1時間攪拌した。得られた沈殿物を吸引濾別
した。この沈殿物と0.13mLのp−トルエンスルホ
ン酸メチルの混合物に0.15mLのアニソールを加え
懸濁液とした。これを120℃にて1.5時間撹拌し
た。得られた混合物を室温に冷却した後にアセトンを加
え、沈殿物を吸引濾別して粗結晶を得た。この粗結晶
と、上記1,4-ジメチルピリジニウム=p−トルエン
スルホナート63mgと、アセトニトリル1.0mLの
混合物を攪拌した。その混合物に70℃で0.10mL
のトリエチルアミンを滴下し、これを70℃にて1時間
撹拌した。得られた混合物を室温に冷却した後に、酢酸
エチルを加えた。沈殿物を吸引濾別し、冷酢酸エチルで
洗浄した。得られた粗結晶をメタノール/酢酸エチル混
合溶媒から再結晶し、25mgの(4−[{5−(3−
メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−4−オ
キソ−3−(フェニルメチル)−2−チアゾリジニリデ
ン}メチル]−1−メチルピリジニウム=p−トルエン
スルホナート)を得た。収率は15%であった。 mp 268-273 ℃; IR (KBr) cm-1: 1185, 1501, 1539, 16
46, 3424; 1H-NMR (300MHz, DMSO-d6 ) δ: 2.23 (3H,
s), 4.05 (3H, s), 4.11 (3H, s), 5.20 (2H, s), 6.25
(1H, s), 7.11 (2H, d, J = 8.1 Hz), 8.28-7.40 (7H,
m), 7.48 (2H,d, J = 8.1 Hz), 7.55 (2H, d, J = 6.7
Hz), 7.63 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.87(1H, d, J = 7.
7 Hz), 8.36 (2H, d, J = 6.7 Hz); Anal Calcd for C
32H29N3O 4S3・1H2O: C, 60.64; H, 4.93; N, 6.63. Foun
d: C, 60.41; H, 4.98; N, 6.53.
【0026】実施例2:化合物(III)の合成 メタノールに浸潤した強塩基性陰イオン交換樹脂[アル
ドリッチ製アンバーライトIRA−400(Cl)]を
充填したイオン交換カラムに、4−[{5−(3−メチ
ル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−4−オキソ
−3−(フェニルメチル)−2−チアゾリジニリデン}
メチル]−1−メチルピリジニウム=p−トルエンスル
ホナートのメタノール/ジクロロメタン溶液を通し、溶
出液を集めて減圧濃縮した。残渣をメタノールに加熱溶
解したものに酢酸エチルを加えた。得られた沈殿を吸引
濾別した後、酢酸エチルで洗浄し、4−[{5−(3−
メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−4−オ
キソ−3−(フェニルメチル)−2−チアゾリジニリデ
ン}メチル]−1−メチルピリジニウム=クロリドを得
た。収率は99%であった。 mp 269-275℃; IR (KBr) cm-1: 1183, 1377, 1502, 154
3, 1645, 2925, 3377; 1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6 )
δ: 4.06 (3H, s), 4.11 (3H, s), 5.20 (2H, s),6.27
(1H, s), 7.28-7.40 (6H, m), 7.50 (1H, dd, J = 7.8,
8.1 Hz), 7.56 (2H, d, J = 7.1 Hz), 7.64 (1H, d, J
= 8.1 Hz), 7.87 (1H, d, J = 7.1 Hz),8.38 (2H, d,
J = 7.1 Hz); Anal Calcd for C25H22ClN3OS2・1.8H
2O: C, 58.59; H, 5.03; N, 8.20. Found: C, 58.81;
H, 5.33; N, 8.00.
【0027】実施例3:化合物(IV)の合成 2.98gの2−メチルチオベンゾチアゾール、3.7
4mLのp−トルエンスルホン酸メチルのアニソール溶
液(4.14mL)を120℃で4時間攪拌した。室温
に冷却後、60mLのアセトニトリルを加え室温にて1
5分攪拌した。その後、この混合物に2.67gの3−
エチル−2−チオキソ−4−チアゾリジノンの混合物に
3.6mLのアセトニトリルを加え懸濁液とし10℃に
冷却した。この混合物に10℃で3.6mLのトリエチ
ルアミンを滴下し、10℃にて4時間攪拌した。得られ
た沈殿物を吸引濾別し、メタノールで洗浄した後に乾燥
することで4.52gの3−エチル−5−(3−メチル
−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−2−チオキソ
−4−チアゾリジノンを得た。収率は89%であった。
次に、この3−エチル−5−(3−メチル−2(3H)
−ベンゾチアゾリリデン)−2−チオキソ−4−チアゾ
リジノン2.1gと、p−トルエンスルホン酸メチル
3.85gとの混合物に、2.3mLのジメチルホルム
アミドを加え懸濁液とし、これを130℃にて2.5時
間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却した後に、ア
セトンを加えた。沈殿物を吸引濾別し、冷アセトンで洗
浄した後に乾燥することで3.0gの3−エチル−4,
5−ジヒドロ−5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾ
チアゾリリデン)−2−メチルチオ−4−オキソチアゾ
リウム=p−トルエンスルホナートを得た。収率は90
%であった。この3−エチル−4,5−ジヒドロ−5−
(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−
2−メチルチオ−4−オキソチアゾリウム=p−トルエ
ンスルホナート0.80gと、1−メチル−4−メチル
ピリジニウム=p−トルエンスルホナート0.38g
と、6.7mLのアセトニトリルの混合物を攪拌した。
その混合物に70℃で0.56mLのトリエチルアミン
を滴下し、これを70℃にて1.5時間撹拌した。得ら
れた混合物を室温に冷却した後に、酢酸エチルを加え
た。沈殿物を吸引濾別し、冷酢酸エチルで洗浄した後に
乾燥することで0.60gの4−[{5−(3−メチル
−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−4−オキソ−
3−エチル−2−チアゾリジニリデン}メチル]−1−
メチルピリジニウム=p−トルエンスルホナートを得
た。収率は80%であった。 mp. 263-265℃; IR (KBr) cm-1: 1645, 1507, 1188; 1H
-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ: 1.22 (3H, t, J = 6.7 H
z), 2.29 (3H, s), 4.00 (2H, q, J = 6.7 Hz),4.06 (3
H, s), 4.07 (3H, s), 6.31 (1H, s), 7.11 (2H, d, J
= 8.0 Hz), 7.29(1H, dd, J = 7.4, 7.7 Hz), 7.59-7.9
1 (3H, m), 7.60 (3H, m), 7.85 (1H, d, J = 7.7 Hz),
8.37 (2H, d, J = 6.0 Hz); Anal Calcd for C27H27N3
O4S3・1H2O: C, 57.61; H, 5.01; N, 7.20. Found: C, 5
7.43; H, 4.93; N, 7.46.
【0028】実施例4:化合物(V)の合成 40gの3−メチル−2−(メチルチオ)ベンゾチアゾ
リウム=p−トルエンスルホナートと0.18gの3−
(2−プロペニル)−2−チオキソ−4−チアゾリジノ
ンの混合物に4mLのアセトニトリルを加え懸濁液とし
た。その混合物に室温で0.24mLのトリエチルアミ
ンを滴下し、室温にて3時間攪拌した。得られた沈殿物
を吸引濾別し、メタノールで洗浄した後に乾燥すること
で0.32gの5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾ
チアゾリリデン)−3−(2−プロペニル)−2−チオ
キソ−4−チアゾリジノンを得た。収率は90%であっ
た。次に、この5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾ
チアゾリリデン)−3−(2−プロペニル)−2−チオ
キソ−4−チアゾリジノン26gと、p−トルエンスル
ホン酸メチル0.39mLとの混合物に、0.3mLの
ジメチルホルムアミドを加え懸濁液とし、これを130
℃にて3.5時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷
却した後に、アセトンを加えた。沈殿物を吸引濾別し、
冷アセトンで洗浄した後に乾燥することで0.36gの
4,5−ジヒドロ−5−(3−メチル−2(3H)−ベ
ンゾチアゾリリデン)−2−メチルチオ−4−オキソ−
3−(2−プロペニル)チアゾリウム=p−トルエンス
ルホナートを得た。収率は87%であった。この4,5
−ジヒドロ−5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾチ
アゾリリデン)−2−メチルチオ−4−オキソ−3−
(2−プロペニル)チアゾリウム=p−トルエンスルホ
ナート1.32gと、1−メチル−4−メチルピリジニ
ウム=p−トルエンスルホナート0.73gと、アセト
ニトリル13mLの混合物を攪拌した後、70℃で1.
0mLのトリエチルアミンを滴下し、これを70℃にて
1.5時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却した
後に、酢酸エチルを加えた。沈殿物を吸引濾別し、冷酢
酸エチルで洗浄した後に乾燥することで1.07gの4
−[{5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリ
リデン)−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−
チアゾリジニリデン}メチル]−1−メチルピリジニウ
ム=p−トルエンスルホナートを得た。収率は73%で
あった。 mp 259-261℃; IR (KBr) cm-1: 1181, 1507, 1640; 1H-
NMR (300MHz, DMSO-d6 )δ:2.29 (3H, s), 4.07 (3H,
s), 4.09 (3H, s), 4.60 (2H, d, J = 4.4 Hz),5.20 (1
H, d, J = 12.6 Hz), 5.25 (1H, d, J = 5.2 Hz), 5.85
-5.94 (1H, m),6.20 (1H,s), 7.11 (2H, d, J = 8.2 H
z), 7.30 (1H, dd, J = 7.4, 7.7 Hz), 7.48 (2H, d, J
= 8.2 Hz), 7.46-7.52 (1H, m), 7.58-7.64 (3H, m),
7.86 (1H,d, J = 8.0 Hz), 8.39 (2H, d, J = 6.9 H
z);.Anal Calcd for C29H27N3O4S3・0.5H2O: C, 58.51;
H, 4.91; N, 7.31. Found: C, 58.78; H, 4.92; N, 7.0
6.
【0029】実施例5:化合物(VI)の合成 155mgの4,5−ジヒドロ−3−メチル−2−(メ
チルチオ)チアゾリウム=p−トルエンスルホナート
と、79mgの3−エチル−2−チオキソ−4−チアゾ
リジノンの混合物に、1.6mLのアセトニトリルを加
え懸濁液とし、その混合物に室温で0.11mLのトリ
エチルアミンを滴下した。これを室温にて30分攪拌し
た。得られた沈殿物を吸引濾別した。この沈殿物と0.
20mLのp−トルエンスルホン酸メチルの混合物に、
0.22mLのアニソールを加え懸濁液とした。これを
120℃にて2時間撹拌した。得られた混合物を室温に
冷却した後にアセトンを加え、沈殿物を吸引濾別して粗
結晶を得た。この粗結晶と110mgの1−メチル−4
−メチルピリジニウム=p−トルエンスルホナートと
2.0mLのアセトニトリルの混合物を攪拌した。その
混合物に70℃で0.16mLのトリエチルアミンを滴
下し、これを70℃にて1.5時間撹拌した。得られた
混合物を室温に冷却した後に、酢酸エチルを加えた。沈
殿物を吸引濾別し、冷酢酸エチルで洗浄した。この粗結
晶をメタノール/酢酸エチル混合溶媒から再結晶し、4
9mgの4−[{5−(3−メチル−チアゾリリデン)
−4−オキソ−3−エチル−2−チアゾリジニリデン}
メチル]−1−メチルピリジニウム=p−トルエンスル
ホナートを得た。収率は20%であった。 mp 139-142℃; IR (KBr) cm-1: 1192, 1423, 1528, 155
0, 1645, 3452; 1H-NMR(300 MHz, DMSO-d6 ) δ:1.16
(3H, t, J = 7.1 Hz), 2.29 (3H, s), 3.21 (2H,t, J =
7.6 Hz), 3.45 (3H, s), 3.83-3.95 (4H, m), 6.26 (1
H, s), 7.11 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.47 (2H, d, J =
8.0 Hz), 7.57 (2H, d, J = 7.0 Hz), 8.36 (2H, d, J
= 7.0 Hz); Anal Calcd for C23H27N3O4S3・1.5H2O: C,
51.86; H,5.68; N, 7.89. Found: C, 52.45; H, 5.56;
N, 7.61.
【0030】実施例6:化合物(VII)の合成 1.0mLの4−メチルキノリンと1.8mLのp−ト
ルエンスルホン酸メチルの混合物を70℃にて1.5時
間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却した後に、酢
酸エチルを加えた。沈殿物を吸引濾別し、冷酢酸エチル
で洗浄した後に乾燥することで2.3gの1−メチル−
4−メチルキノリニウム=p−トルエンスルホナートを
得た。収率は91%であった。次に、この1−メチル−
4−メチルキノリニウム=p−トルエンスルホナート
0.17gと、3−エチル−4,5−ジヒドロ−5−
(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−
2−メチルチオ−4−オキソチアゾリウム=p−トルエ
ンスルホナート0.25gと、2.6mLのアセトニト
リルの混合物を攪拌した後、70℃で0.21mLのト
リエチルアミンを滴下し、これを70℃にて1時間撹拌
した。得られた混合物を室温に冷却した後に、酢酸エチ
ルを加えた。沈殿物を吸引濾別し、冷酢酸エチルで洗浄
した後に乾燥することで0.29gの4−[{5−(3
−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)−4−
オキソ−3−エチル−2−チアゾリジニリデン}メチ
ル]−1−メチルキノリニウム=p−トルエンスルホナ
ートを得た。収率は93%であった。 mp. 267-269℃; IR (KBr) cm-1: 1208, 1507, 1616, 33
96; 1H-NMR (300MHz, DMSO-d6 ) δ: 1.29 (3H, t, J =
7.1 Hz), 2.27 (3H, s), 4.11 (3H, s), 4.25 (3H,
s), 4.25-4.29 (2H, q, J = 7.1 Hz), 6.85 (1H, s),
7.10 (2H,d, J = 8.2Hz), 7.27 (1H, t, J = 7.7 Hz),
7.47 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.51-7.55 (1H,m), 7.64
(1H, d, J = 8.2 Hz), 7.76-7.85 (2H, m), 8.00 (1H,
t, J = 7.8 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.66 (1
H, d, J = 6.9 Hz), 8.74 (1H, d, J =8.5 Hz);.Anal C
alcd for C31H29N3O4S3・2H2O: C, 58.19; H, 5.20; N,
6.57.Found: C, 58.31; H, 4.99; N, 6.62.
【0031】実施例7:化合物(VIII)の合成 0.50mLの4−メチルピリジンと0.70mLのn
−ブチルブロミドの混合物を90℃にて2時間撹拌し
た。得られた混合物を室温に冷却した後に、酢酸エチル
を加えた。沈殿物を吸引濾別し、冷酢酸エチルで洗浄し
た後に乾燥することで0.99gの1−ブチル−4−メ
チルピリジニウム=ブロミドを得た。収率は84%であ
った。次に、この1−ブチル−4−メチルピリジニウム
=ブロミド0.12gと、3−エチル−4,5−ジヒド
ロ−5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリ
デン)−2−メチルチオ−4−オキソチアゾリウム=p
−トルエンスルホナート0.30gと、アセトニトリル
2.5mLの混合物を攪拌した後、70℃で0.21m
Lのトリエチルアミンを滴下し、これを70℃にて30
分間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却した後に、
酢酸エチルを加えた。沈殿物を吸引濾別し、冷酢酸エチ
ルで洗浄した後に乾燥することで0.16gの4−
[{5−(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリ
デン)−4−オキソ−3−エチル−2−チアゾリジニリ
デン}メチル]−1−n−ブチルピリジニウム=ブロミ
ドを得た。収率は52%であった。 m.p. 299-300℃; IR (KBr) cm-1: 1179, 1382, 1496, 1
533, 1542, 1639; 1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6 ) δ: 0.
91 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.21 (3H, t, J = 7.1Hz),
1.19-1.31 (2H, m), 1.81 (2H, quint, J = 7.3 Hz),
4.00 (2H, q, J =7.1 Hz), 4.07 (3H, s), 4.31 (2H,
t, J = 7.3 Hz), 6.34 (1H, s), 7.29 (1H,dd, J = 7.
3, 7.8 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 7.4, 7.8 Hz), 7.61
(3H, m), 7.85 (1H, d, J = 7.3 Hz), 8.47 (2H, d, J
= 7.1 Hz); Anal Calcd for C23H26BrN3OS2: C, 54.76;
H, 5.19; N, 8.33. Found; C, 54.48; H, 4.97; N, 8.
08.
【0032】実施例8:熱帯熱マラリア原虫の培養 供試マラリア原虫として、P.Falciparum
FCR−3株(ATCC30932)及びP.Falc
iparum Honduras−1株(ATCC30
935)を用いた。また、ヒト血清を10%となるよう
に添加し、ろ過滅菌したRPMI 1640培地(pH
7.4)を供試培地とした。マラリア原虫は、O2濃度
5%、CO2濃度5%、N2濃度90%、温度36.5℃
の条件下で培養した。ヘマトクリット値(赤血球浮遊液
中に占める赤血球の体積の割合)は5%とし、培養開始
時の熱帯熱マラリア原虫の初期感染率は0.1%とし
た。24ウェル培養プレートを用いて培養し、培地は毎
日交換し、感染率4%で植継ぎを行った。感染率は薄層
塗抹標本を作成し、ギムザ染色あるいはDiff−Qi
ck染色を行った後、顕微鏡(油浸、1,000×)下
で計測し、マラリア原虫感染率を下記式から算出した。 マラリア原虫感染率(%)={(感染赤血球数)/(総
赤血球数)}×100
【0033】実施例9:マラリア原虫増殖阻害スクリー
ニング試験 培養したマラリア原虫感染赤血球を遠心分離で集め、血
清を含む培地で洗浄を行った後、非感染赤血球を加え、
初期感染率0.3%とした。このときのヘマトクリット
値は3%とした。化合物(II)〜(VIII)、並びに比較
例として、陽性対照薬キニーネ、メフロキン、アルテミ
シニン、及び2−[{5−(3−メチル−2(3H)−
ベンゾチアゾリリデン)−4−オキソ−3−(フェニル
メチル)−2−チアゾリジニリデン}メチル]−1−エ
チル−ピリジニウム=クロリド(MKT−077)を供
試サンプルとし、これら各供試サンプルを滅菌水、N,
N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと称す。)、
あるいはジメチルスルホキシド(以下、DMSOと称
す。)に溶解し、所定濃度のサンプル液とした。かかる
サンプル液を24ウェル培養プレートに5〜10μLず
つ加えた。各供試サンプルについて、2〜3回の試験を
行った。また、コントロールとして、滅菌水、DMF及
びDMSOを10μL/ウェル加えた。次に、あらかじ
め所定濃度に調整した熱帯熱マラリア原虫培養液を99
0〜995μLずつ加え、静かにピペッティングを行い
培地に一様に懸濁させた。培養プレートはCO2−O2
2(5%,5%,90%)インキュベーター中で72
時間培養した後、それぞれのウェルについて薄層塗抹標
本を作製し、ギムザ染色あるいはDiff−Qick染
色を行った後、顕微鏡(油浸、1,000×)下で計測
し、サンプル液添加群及びコントロールのマラリア原虫
感染率を算出した。
【0034】算出したマラリア原虫感染率から、次式に
よって増殖阻害率を算出し、50%増殖阻害濃度(EC
50)を求めた。結果を表1に示す。 増殖阻害率(%)={1−(b−a)/(c−a)}×
100 a:初期感染率 b:サンプル液添加時の感染率 c:コントロールの感染率
【0035】実施例10:マウスFM3A細胞増殖阻害
試験 マウス乳癌由来FM3A細胞の野生株であるF28−7
株を用いた。培地はES培地に非動化した胎児牛血清を
2%となるように添加し、CO2濃度5%、37℃で培
養した。この条件下でのFM3A細胞の倍加時間は約1
2時間であった。前培養を行い、対数増殖期に入った細
胞を5×104cells/mLになるように培地で希
釈し、サンプルはマラリア活性測定時に調製したものを
用いた。24ウェル培養プレートに、実施例9で調製し
たサンプル液を5〜10μLずつ加えた。各供試サンプ
ルについて、2〜3回の試験を行った。また、コントロ
ールとして滅菌水、DMF及びDMSOを各10μL加
えたウェルも同時に試験した。次に、用意しておいた培
養細胞浮遊液を990〜995μLずつ加えて供試サン
プルの最終濃度は1×10-4〜1×10-5Mとし、静か
にピペッティングを行い培地に一様に懸濁させた。48
時間培養した後、それぞれのウェルについて細胞数をセ
ルコントローラー(CC−108,Toa.Medic
al Electrics社製)で計数した。
【0036】計数した細胞数から、次式により増殖率を
算出し、50%増殖阻害率(IC50)を算出し、各供試
サンプルの細胞毒性を評価した。結果を表1に示す。 増殖率(%)={(C−A)/(B−A)}×100 A:初期細胞数 B:2日後のコントロールの細胞数 C:サンプル添加した2日後の細胞数
【0037】実施例11:薬効判定 熱帯熱マラリア原虫に対する各供試サンプルのEC50
と、マウスFM3A細胞に対する各供試サンプルのIC
50値から各供試サンプルの抗マラリア作用を評価した。
抗マラリア作用の評価は、マラリア原虫に対する選択毒
性の指標として用いられる化学療法係数(IC50値/E
50値)により算出し、薬効判定を行った。結果を表1
に示す。
【0038】本発明化合物及び陽性対照薬からなる各供
試サンプルのEC50値、IC50値及び化学療法係数が示
された表1からも明らかなように、本発明の抗マラリア
剤は、顕著な抗マラリア活性を示し、特に、化合物(I
V)、(V)は、化学療法係数を指標とした選択毒性が
著しく優れたものであり、低毒性の抗マラリア活性物質
であることがわかった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】一般式(I)で表される本発明のロダシ
アニン色素化合物は、既存の抗マラリア剤と比較して
も、優れた抗マラリア活性を有し、かつ選択毒性が著し
く低く、抗マラリア剤として優れたものである。特に、
化合物(IV)、(V)は、ロダシアニン色素化合物の中
でも、特に化学療法係数を指標とした選択毒性が著しく
高く、低毒性の抗マラリア剤としてきわめて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊上 博史 宮城県仙台市青葉区角五郎2−5−7− 205 (72)発明者 綿矢 有佑 岡山県岡山市門田屋敷2−2−56−102 (72)発明者 金 恵淑 岡山県岡山市津島桑の木町6−1−314 Fターム(参考) 4C063 AA03 BB03 CC62 DD12 EE01 4C086 BC82 GA08 MA01 NA14 ZB38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、未置
    換若しくは置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8
    のアルキル基、未置換若しくは置換基を有していてもよ
    い炭素原子数6〜8のアリール基、又は、互いに連結し
    形成された未置換若しくは置換基を有していてもよい6
    員環を表し、R3及びR5はそれぞれ独立して未置換若し
    くは置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアル
    キル基を表し、R4は未置換若しくは置換基を有してい
    てもよい炭素原子数1〜8のアルキル基又は未置換若し
    くは置換基を有していてもよい炭素原子数6〜8のアリ
    ール基を表し、R6及びR7はそれぞれ独立して水素原
    子、未置換若しくは置換基を有していてもよい炭素原子
    数1〜8のアルキル基、未置換若しくは置換基を有して
    いてもよい炭素原子数6〜8のアリール基、又は、互い
    に連結し形成された未置換若しくは置換基を有していて
    もよい6員環を表し、Qは薬学的に許容しうるアニオン
    を表す。]で示されるロダシアニン色素化合物を有効成
    分として含有することを特徴とする抗マラリア剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示される化合物が、式
    (II)〜式(VIII)のいずれかで示されるロダシアニン
    色素化合物であることを特徴とする請求項1記載の抗マ
    ラリア剤。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】
JP2001220577A 2001-07-19 2001-07-19 ロダシアニン色素化合物を含有する抗マラリア剤 Pending JP2003034642A (ja)

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