JP2003032955A - モータのアーマチュア支持構造 - Google Patents

モータのアーマチュア支持構造

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JP2003032955A
JP2003032955A JP2001210523A JP2001210523A JP2003032955A JP 2003032955 A JP2003032955 A JP 2003032955A JP 2001210523 A JP2001210523 A JP 2001210523A JP 2001210523 A JP2001210523 A JP 2001210523A JP 2003032955 A JP2003032955 A JP 2003032955A
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Japan
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motor
output shaft
support structure
bearing
inner ring
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JP2001210523A
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Masaki Iijima
正樹 飯島
Susumu Aoki
進 青木
Takeshi Hashimukai
健 橋向
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Mitsuba Corp
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Mitsuba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベアリングに適正な与圧荷重を付与すると共
に、出力軸のスラストガタを低減し得るモータのアーマ
チュア支持構造を提供する。 【解決手段】 ヨーク15内に外輪31を圧入固定させ
たベアリング21aを用いる。ベアリング21aに隣接
して出力軸12にOリング41を取り付ける。出力軸1
2は大径部36と小径部37を有し、Oリング41は、
大径部36の端面39と内輪32との間に介設され、大
径部36と小径部37との間に形成された溝部40には
め込まれる。Oリング41は、ベアリング21aに与圧
荷重を付与してボール33の遊びを低減させると共に、
出力軸12のスラストガタを吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータのアーマチ
ュア支持構造に関し、特に、電動パワーステアリング装
置に使用されるモータに適用して有効な技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に搭載される電動パワー
ステアリングでは、その動力源としてモータが使用さ
れ、そこではアーマチュア支持用の軸受としてボールベ
アリングが使用されている。この場合、ベアリングは出
力軸の両端に配置され、それぞれモータのブラケットと
ヨークに取り付けられる。このうちヨーク側のベアリン
グは、一般にその外輪をヨーク内に圧入して使用され、
内輪側に出力軸を挿入することにより、ヨーク内にてア
ーマチュアが回転自在に支持される。
【0003】ここで、ベアリング設置に際し、その内輪
を出力軸に圧入して使用することも可能ではある。とこ
ろが、ヨークはプレス加工により成形されるため寸法の
バラツキが大きく、ヨークとベアリング外輪との間に生
じるクリアランスが大きくなる。このため、出力軸が振
れるとヨーク内にてベアリングが大きく振動し、ベアリ
ングとヨークとの間で叩き音が発生するという問題があ
る。これに対し、ベアリング外輪をヨークに圧入すると
出力軸と内輪との間のクリアランスは、ヨーク・外輪間
のそれよりも小さく抑えることができる。すなわち、出
力軸や内輪孔径は共に研磨加工によって仕上げられるた
め、ヨークに比して精度が出し易く、そこに生じる隙間
を小さくすることができる。従って、出力軸が振れても
その振れ幅が小さくなり、ベアリング叩き音の発生を抑
えることができ、かかる見地から今日では外輪圧入が一
般的となっている。
【0004】このように、ベアリングのラジアル方向の
ガタは外輪圧入方式によって抑制できるものの、ベアリ
ング内にてボールと内外輪との間に遊びがあるとボール
に踊りが生じ、異音発生の原因となるおそれがある。ま
た、出力軸のスラスト方向の動きはベアリングによって
規制されており、出力軸のベアリング取付部では、スラ
スト方向の累積公差によりベアリングとの間にスラスト
ガタが発生する。このため、前述のようにボールに遊び
があり、ベアリング内に軸方向の隙間が存在すると、こ
のスラストガタが内部隙間分だけ余計に発生することに
なり、異音や耐久性の面において好ましくない。そこ
で、従来よりベアリングに与圧をかけることによりボー
ルの遊びを無くし、ベアリング内部の隙間による音の発
生やスラストガタの増加を抑える方策が採られている。
【0005】図7は従来のアーマチュア支持構造の一例
を示す説明図である。ここでは、図7に示すように、出
力軸51とベアリング52との間にウェーブワッシャ5
3が取り付けられている。ウェーブワッシャ53は、出
力軸51の端面54とベアリング52の内輪55の間に
介設され、内輪55を軸方向に押圧している。なお、外
輪56はヨーク57に圧入固定されている。そして、ウ
ェーブワッシャ53の押圧力によりボール58の遊びを
無くし、音やガタを低減させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウェー
ブワッシャにより与圧を行う場合、与圧荷重が高くなり
がちであり、ボールと内外輪との間のフリクションが大
きくなるという問題があった。この場合、過大な与圧荷
重はベアリング寿命にも影響を及ぼすため、その適正管
理が肝要である。ところが、ウェーブワッシャはスラス
トガタの吸収をも兼ねているためその撓み量の管理が難
しく、さらに、ウェーブワッシャは一般にばね定数が大
きいため、与圧荷重を適正値に調整するのは困難であっ
た。
【0007】また、組付工程中に何らかの理由によりモ
ータの再組付が必要となった場合、ウェーブワッシャは
出力軸に遊嵌された状態にあるため、軸から脱落するお
それがあった。そして、モータ内にウェーブワッシャが
脱落すると、それによりモータに不具合が生じるおそれ
があり、その対策が望まれていた。
【0008】本発明の目的は、ベアリングに適正な与圧
荷重を付与すると共に、出力軸のスラストガタを低減し
得るモータのアーマチュア支持構造を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のモータのアーマ
チュア支持構造は、筒状のヨークと、前記ヨーク内に回
転自在に設けられた出力軸と、前記出力軸に固定された
アーマチュアとを備えてなるモータにおけるアーマチュ
ア支持構造であって、前記ヨーク内に圧入固定された外
輪と、前記出力軸が挿入される内輪とを備え、前記出力
軸を回転自在に支持するベアリングと、前記ベアリング
に隣接して前記出力軸に取り付けられ、前記内輪を押圧
すると共に、前記出力軸のスラスト方向のガタを吸収す
る弾性押圧部材とを有することを特徴とする。
【0010】本発明によれば、ベアリングに隣接して出
力軸に弾性押圧部材を取り付けたので、ベアリングに適
正な与圧荷重を付与することができると共に、出力軸の
スラストガタを低減できる。従って、ベアリング内部の
ボールの遊びを低減でき、ボール踊りによる異音発生が
抑制される。また、弾性押圧部材はウェーブワッシャに
比して出力軸から容易に脱落しないため、再組付時など
に部品が脱落しモータに不具合が生じるのを防止でき
る。
【0011】また、前記アーマチュア支持構造におい
て、前記出力軸に前記アーマチュアが取り付けられる大
径部と、前記内輪に挿入される小径部とを形成し、前記
弾性押圧部材を、前記大径部と小径部の境界に形成され
た前記大径部の端面と前記内輪との間に介設しても良
い。これにより、端面と内輪との間に弾性押圧部材を取
り付けることができ、部品点数を増加させることなくベ
アリングに効果的に与圧を行い、出力軸のスラストガタ
を吸収することができる。
【0012】さらに、前記アーマチュア支持構造におい
て、前記大径部と前記小径部との間に前記小径部よりも
小径に形成された溝部を設け、前記溝部に前記弾性押圧
部材を装着しても良い。これにより、溝部に弾性押圧部
材を取り付けることができ、出力軸からの弾性押圧部材
の脱落をさらに効果的に防止できる。この場合、溝部を
ベアリング内輪の内側まで延設すると、弾性押圧部材が
押圧されて内輪内径側にも入り込む形となり、内輪に対
し径方向の押圧力を付与することが可能となる。従っ
て、出力軸の振れ回りが抑えられ、出力軸と内輪との間
に生じる叩き音を低減させることが可能となる。
【0013】加えて、前記モータのアーマチュア支持構
造において、前記弾性押圧部材に、前記内輪を軸方向に
沿って押圧する第1突片と、前記内輪を径方向に沿って
押圧する第2突片とを設けても良い。これにより、弾性
押圧部材によるスラスト方向の押圧力とラジアル方向の
押圧力を、それぞれ独立した部位によって発生させるこ
とができ、それらを個々に調整することが可能となる。
従って、例えば各突片の形状や厚み等を変えることによ
り、各方向の押圧力を変化させることができ、モータ仕
様に応じた最適な与圧や軸保持力を設定することが可能
となる。
【0014】一方、前記弾性押圧部材として、Oリング
やゴム製ワッシャ、ブッシュ等のゴム製のリング部材を
用いても良い。なお、弾性押圧部材として、軟質の合成
樹脂製のリング部材を用いることも可能である。
【0015】また、前記アーマチュア支持構造を、車両
の操舵系に回転力を付与する電動パワーステアリング装
置用のモータに適用しても良い。これにより、異音発生
が少なく信頼性の高い電動パワーステアリング装置を実
現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本
発明の実施の形態1であるアーマチュア支持構造を適用
したモータの構成を示す断面図、図2は図1のモータに
おけるアーマチュア支持構造を示す説明図である。
【0017】図1のモータ11は、車両の操舵系に回転
力を付与する電動パワーステアリング装置用のモータで
あり、運転者がハンドルを操作すると、その操舵角や車
両走行速度等に従い、操舵補助力を供給する。そして、
モータ11の出力軸12の回転は、図示しないギヤボッ
クス内にて適宜減速された後コラムに伝達され、さらに
ステアリングギア部を介してタイロッドの往復動作に変
換されて操向車輪の転舵が行われる。これにより、操舵
力がモータ11の回転力により補助され、運転者は小さ
な力でハンドルを操作することが可能となる。
【0018】図1に示すように、モータ11は円筒状の
ヨーク15内に界磁永久磁石16を複数配置し、その内
側にアーマチュア17を回転自在に配設した構成となっ
ている。アーマチュア17は、軸方向に延びる複数のス
ロット18を有するコア19と、スロット18に巻回さ
れた巻線20とを備えており、出力軸12に固定され、
ベアリング21a,21bにて回転自在に支持されてい
る。
【0019】アーマチュア17の図1において左側には
整流子22が設けられている。この整流子22は、出力
軸12に固定され、その表面にはブラシ23が当接して
いる。ブラシ23は、ブラシホルダ24内に保持されて
いる。ブラシホルダ24は、ブラケット25内に収容さ
れ、ねじ26にてブラケット25に固定されている。ま
た、ブラケット25は、ボルト27によりヨーク15と
結合されている。
【0020】ここで、当該モータ11では、ベアリング
21a,21bには、外輪31、内輪32およびボール
33からなるいわゆるボールベアリングが使用されてい
る。そして、ベアリング21aはヨーク15の端部に形
成されたベアリング収容部34内に、また、ベアリング
21bはブラケット25のベアリング保持部35内に固
定される。この場合、ベアリング21aの外輪31はベ
アリング収容部34内に圧入固定され、ベアリング21
bの外輪31はベアリング保持部35にカシメ固定され
ている。
【0021】一方、出力軸12には、アーマチュア17
が取り付けられる大径部36と、ベアリング21aの内
輪32内に挿入され、ベアリング21bの内輪32には
圧入される小径部37が形成されている。大径部36と
小径部37の境界は段状の境界部38になっており、大
径部36の端部は軸方向と直角に端面39が形成されて
いる。このうちヨーク15側の境界部38にはさらに、
小径部37よりも小径の溝部40が形成されている。こ
の溝部40は、図2に示すように、ベアリング21aに
小径部37を挿入した際、内輪32の内側にまで延在す
るように形成されている。
【0022】溝部40には、図1,2に示すように、O
リング41が嵌め込まれている。Oリング41は、ゴム
にて形成された弾性押圧部材であり、端面39と内輪3
2との距離に応じて適宜撓むようになっている。この場
合、Oリング41の断面は元来円形であるが、溝部40
に取り付けられることにより、図2に示すように略L字
型に変形する。すなわち、Oリング41は、内輪32に
沿って外径側に変形すると共に、溝部40と内輪32の
内径との間に隙間があるため、そこに入り込む形で軸方
向へも変形する。これにより、内輪32はOリング41
から図2に示すような斜め方向の押圧力Fを受け、その
分力により、内輪32にはスラスト方向への押圧力Fth
と、ラジアル方向への押圧力Frgが働く。従って、ベア
リング21aには押圧力Fthによって与圧がかけられ、
ボール33の遊びが低減し、ボール踊りによる異音発生
が抑制される。また、この際、Oリング41はウェーブ
ワッシャよりもばね定数が低いため、その押圧力が調整
し易く、より適正な与圧を行うことが可能となる。
【0023】また、前述のように、端面39と内輪32
との間は累積公差によりその距離が変化(約1mm程度)
する可能性がある。そして、それが出力軸12のスラス
トガタとなり、ウェーブワッシャによってはそれを十分
に吸収することができなかった。これに対し本発明によ
るアーマチュア支持構造では、端面39と内輪32の間
にOリング41が配されているため、そのようなスラス
トガタは、Oリング41の撓みによって容易に吸収する
ことができる。従って、出力軸12のスラストガタを大
幅に低減でき、異音発生を抑え、装置寿命の向上を図る
ことが可能となる。
【0024】さらに、Oリング41は、その押圧力Frg
によって出力軸12を保持する作用を有する。前述のよ
うに、外輪圧入方式では出力軸12と内輪32との間の
隙間は小さく抑えられ、そこでの叩き音は内輪圧入方式
よりも抑制されている。また、ウェーブワッシャを用い
た従来の方式では、ワッシャと内輪との摩擦力により出
力軸の振れ回りが抑制されている。しかしながら、出力
軸12と内輪32との間には僅かといえども隙間があ
り、また、ワッシャと内輪との間の摩擦係数は0.2程
度と小さいため、叩き音を根絶するには至っていいな
い。
【0025】これに対し、本発明による支持構造では、
Oリング41の反発力に起因する押圧力Frgによって出
力軸12を保持するため、摩擦係数とは無関係に反発力
そのもので出力軸12を保持することができる。従っ
て、より大きく安定した力によって出力軸12の振れ回
りを抑えることができ、出力軸12と内輪32との間に
生じる叩き音を十分低いレベルにまで低減させることが
可能となる。このため、操舵時における異音を低減させ
ることができ、運転フィーリングの向上を図ることがで
きる。
【0026】一方、Oリング41の内径は溝部40の外
径よりも小径となっており、Oリング41は溝部40に
対し若干の締め代を持って取り付けられている。すなわ
ち、Oリング41は出力軸12に拡径されて取り付けら
れており、しかも、溝部40は小径部37よりも小径で
あるため、出力軸12をベアリング21aから抜いても
Oリング41が軸から簡単には脱落しない。従って、組
付工程中に何らかの理由によりモータの再組付が必要と
なった場合でも、Oリング41が出力軸12から脱落し
てモータ内に入り込んでしまうのを防止できる。
【0027】このように、本発明によるアーマチュア支
持構造では、ベアリング21aに隣接して出力軸12に
Oリング41を取り付けたことにより、ベアリングに適
正な与圧荷重を付与することが可能となると共に、出力
軸のスラストガタを低減させることが可能となる。ま
た、ラジアル方向の押圧力をOリング41の反発力にて
発生させることができ、出力軸12と内輪32との間に
生じる叩き音を十分低いレベルにまで低減させることも
可能となる。さらに、弾性押圧部材たるOリング41が
出力軸12から容易に脱落しないため、異品混入による
モータの不具合を防止することができる。従って、電動
パワーステアリング装置に当該モータを使用した場合、
異音発生が少なく運転者の操舵感が向上すると共に、自
動車部品として十分な信頼性を確保することが可能とな
る。
【0028】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2として、Oリング41に代えて、角形断面のゴムダ
ンパを使用した支持構造について説明する。図3は、実
施の形態2であるアーマチュア支持構造を示す説明図で
ある。なお、以下の実施の形態においては、実施の形態
1と同様の部材、部分等は同一の符号を付しその説明は
省略する。
【0029】図3に示すように、当該支持構造では、溝
部40に角形断面を有するリング状のゴムダンパ(弾性
押圧部材)42が嵌め込まれている。ここで、角形断面
のゴム部材をOリング41に代えて使用したのは、耐熱
性を向上させるためである。従って、弾性押圧部材の熱
変形が防止され、より耐久性に優れた信頼性の高いモー
タを提供することが可能となる。
【0030】(実施の形態3)次に、本発明の実施の形
態3として、Oリング41に代えて、異形断面のゴムダ
ンパを使用した支持構造について説明する。図4は、実
施の形態3であるアーマチュア支持構造を示す説明図で
ある。
【0031】図4に示すように、当該支持構造では、溝
部40に2個の突片を有するリング状のゴムダンパ(弾
性押圧部材)43が嵌め込まれている。この場合、ゴム
ダンパ43には、内輪32を軸方向に沿って押圧する第
1突片44と、内輪32を径方向に沿って押圧する第2
突片45が設けられている。すなわち、前述のOリング
41におけるスラスト方向への押圧力Fthとラジアル方
向への押圧力Frgを、それぞれ独立した部位によって発
生させ得るようにしたものが本実施の形態である。これ
により、押圧力Fth、Frgはそれぞれ別個に発生し、そ
れらを個々に調整することも可能となる。つまり、各突
片44,45の形状や厚み等を変えることにより、押圧
力Fth、Frgを変化させることができる。従って、モー
タ仕様に応じた最適な与圧や軸保持力を設定することが
でき、モータ特性の向上を図ることが可能となる。
【0032】(実施の形態4)次に、本発明の実施の形
態4として、断面が三角形状のゴムダンパを使用した支
持構造について説明する。図5は、実施の形態4である
アーマチュア支持構造を示す説明図である。
【0033】図5に示すように、当該支持構造では、境
界部38に断面が直角二等辺三角形に形成されたゴムダ
ンパ(弾性押圧部材)48が取り付けられている。この
場合、ベアリング21aの内輪32の内径側端部には面
取部49が形成されており、この面取部49とゴムダン
パ48の斜面48aが当接するようになっている。ま
た、ゴムダンパ48の一面は大径部36の端面39に、
また、他の一面は小径部37の外周に接している。な
お、当該実施の形態4では、溝部40は設けられていな
い。
【0034】このゴムダンパ48では、斜面48aが面
取部49を押圧し、内輪32はゴムダンパ48から斜め
方向の押圧力Fを受ける。そして、その分力により、内
輪32にはスラスト方向への押圧力Fthと、ラジアル方
向への押圧力Frgが働き、ベアリングに適正な与圧荷重
を付与し、出力軸のスラストガタが低減される。なお、
ゴムダンパ48の断面形状は、面取部49と当接する斜
面48aを有するものであれば直角二等辺三角形には限
定されず、不等辺の直角三角形や直角を有さない三角形
でも良い。また、端面39と小径部37に挟まれた形で
斜面48aが面取部49と当接する形態であれば、他の
二辺は直線でなくとも良く、例えば、斜面48a以外が
円弧状となった断面でも良い。
【0035】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることは言うまでもない。例えば、前記実施の形態で
は、ベアリング21aを出力軸12に装着するに当た
り、小径部37を形成してこれを内輪32に挿入する形
を採っているが、小径部37を形成せず、大径部36の
径のままベアリング21aにて支持しても良い。この
際、出力軸12には、図6に示すようにリング状のクリ
ップ46を装着し、このクリップ46と内輪32との間
に弾性押圧部材たるゴムダンパ47を介設してベアリン
グ21aへの与圧とスラストガタの吸収を行う。
【0036】また、弾性押圧部材は前述のようなOリン
グやゴムダンパには限定されず、例えば、ゴム製のワッ
シャを複数枚重ねたものや、合成樹脂によって形成した
ものであっても良い。なお、前述の実施の形態では、ヨ
ーク15側のベアリング21aに当該発明を適用した例
を示したが、それをブラケット25側のベアリング21
bに適用することも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明のモータのアーマチュア支持構造
によれば、ヨーク内に外輪を圧入固定させたベアリング
を用いると共に、ベアリングに隣接して出力軸に弾性押
圧部材を取り付けたので、ベアリングに適正な与圧荷重
を付与できると共に、出力軸のスラストガタを低減させ
ることができる。従って、ベアリング内におけるボール
の遊びが低減し、ボール踊りによる異音発生が抑制され
ると共に、装置寿命の向上を図ることが可能となる。ま
た、弾性押圧部材はウェーブワッシャに比して出力軸か
ら容易に脱落しないため、再組付時などに部品が脱落し
モータ内に異品が混入して不具合が生じるのを防止する
ことも可能となる。
【0038】また、出力軸の端面と内輪との間に弾性押
圧部材を介設することにより、部品点数を増加させるこ
となくベアリングに効果的に与圧を行い、出力軸のスラ
ストガタを吸収することが可能となる。さらに、溝部に
弾性押圧部材を装着することにより、出力軸からの弾性
押圧部材の脱落をさらに効果的に防止できる。
【0039】加えて、弾性押圧部材に第1突片と第2突
片とを設けることにより、弾性押圧部材によるスラスト
方向の押圧力とラジアル方向の押圧力を、それぞれ独立
した部位によって発生させることができ、それらを個々
に調整することが可能となる。従って、例えば各突片の
形状や厚み等を変えることにより、各方向の押圧力を変
化させることができ、モータ仕様に応じた最適な与圧や
軸保持力を設定することが可能となる。
【0040】また、当該アーマチュア支持構造を車両の
操舵系に回転力を付与する電動パワーステアリング装置
用のモータに適用することにより、異音発生が少なく信
頼性の高い電動パワーステアリング装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1であるアーマチュア支持
構造を適用したモータの構成を示す断面図である。
【図2】図1のモータにおけるアーマチュア支持構造を
示す説明図である。
【図3】実施の形態2であるアーマチュア支持構造を示
す説明図である。
【図4】実施の形態3であるアーマチュア支持構造を示
す説明図である。
【図5】実施の形態4であるアーマチュア支持構造を示
す説明図である。
【図6】本発明のアーマチュア支持構造の一変形例の構
成を示す説明図である。
【図7】従来のアーマチュア支持構造を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
11 モータ 12 出力軸 15 ヨーク 16 界磁永久磁石 17 アーマチュア 18 スロット 19 コア 20 巻線 21a ベアリング 21b ベアリング 22 整流子 23 ブラシ 24 ブラシホルダ 25 ブラケット 26 ねじ 27 ボルト 31 外輪 32 内輪 33 ボール 34 ベアリング収容部 35 ベアリング保持部 36 大径部 37 小径部 38 境界部 39 端面 40 溝部 41 Oリング(弾性押圧部材) 42 ゴムダンパ(弾性押圧部材) 43 ゴムダンパ(弾性押圧部材) 44 第1突片 45 第2突片 46 クリップ 47 ゴムダンパ(弾性押圧部材) 48 ゴムダンパ(弾性押圧部材) 48a 斜面 49 面取部 51 出力軸 52 ベアリング 53 ウェーブワッシャ 54 端面 55 内輪 56 外輪 57 ヨーク 58 ボール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋向 健 群馬県桐生市広沢町1丁目2681番地 株式 会社ミツバ内 Fターム(参考) 5H605 AA04 AA05 BB05 CC04 EA09 EB39 5H615 BB01 BB14 PP02 SS10 TT33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のヨークと、前記ヨーク内に回転自
    在に設けられた出力軸と、前記出力軸に固定されたアー
    マチュアとを備えてなるモータにおけるアーマチュア支
    持構造であって、 前記ヨーク内に圧入固定された外輪と、前記出力軸が挿
    入される内輪とを備え、前記出力軸を回転自在に支持す
    るベアリングと、 前記ベアリングに隣接して前記出力軸に取り付けられ、
    前記内輪を押圧すると共に、前記出力軸のスラスト方向
    のガタを吸収する弾性押圧部材とを有することを特徴と
    するモータのアーマチュア支持構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のモータのアーマチュア支
    持構造において、前記出力軸は、前記アーマチュアが取
    り付けられる大径部と、前記内輪に挿入される小径部と
    を有し、前記弾性押圧部材は、前記大径部と小径部の境
    界に形成された前記大径部の端面と前記内輪との間に介
    設されることを特徴とするモータのアーマチュア支持構
    造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のモータのアーマチュア支
    持構造において、前記大径部と前記小径部との間に前記
    小径部よりも小径に形成された溝部を設け、前記溝部に
    前記弾性押圧部材を装着することを特徴とするモータの
    アーマチュア支持構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載のモー
    タのアーマチュア支持構造において、前記弾性押圧部材
    は、前記内輪を軸方向に沿って押圧する第1突片と、前
    記内輪を径方向に沿って押圧する第2突片とを有するこ
    とを特徴とするモータのアーマチュア支持構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載のモー
    タのアーマチュア支持構造において、前記弾性押圧部材
    はゴム製のリング部材であることを特徴とするモータの
    アーマチュア支持構造。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載のモー
    タのアーマチュア支持構造において、前記モータは、車
    両の操舵系に回転力を付与する電動パワーステアリング
    装置用のモータであることを特徴とするモータのアーマ
    チュア支持構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006219109A (ja) * 2005-01-11 2006-08-24 Advics:Kk 負圧式倍力装置
JP2011167004A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Asmo Co Ltd 回転電機
US8093774B2 (en) 2006-12-04 2012-01-10 Mitsubishi Electric Corporation Direct current motor

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