JP2003031327A - ランプソケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で組み付けの作業性にも優れたも
のとする。 【解決手段】 コイルボビン３１にコイル３２が巻装さ
れてトランス３３が構成されるとともに、電極端子４
０，４３並びにリードフレームが装着されてコイル３２
のリード線と接続され、これを中子として一次モールド
品５０が成形される。次に一次モールド品５０を中子と
してソケット本体２１が二次モールド成形される。ソケ
ット本体２１にはトランス３３が内蔵されるとともに、
ＨＩＤランプが装着されるソケット部２４と、電源の入
力線７７が挿通されるスリット２９とが形成され、さら
に部品収納部２８が形成される。部品収納部２８には、
起動回路を構成するトランス３３以外の回路部品７５が
プリント配線基板７３に搭載されて収納され、リードフ
レームの差込部とプリント配線基板７３の対応する導電
路とが接続される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ランプソケットに
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、例えば大型トラックのヘッドライ
トとして、メタルハライドランプ等のＨＩＤランプが実
用に供されている。このようなランプでは、点灯起動用
に高圧パルスを印可する必要があり、したがってそのラ
ンプソケット内には、トランスを含む起動回路が設けら
れるといった特殊性がある。従来、このようなＨＩＤラ
ンプ用のソケットとして特許第３１２１５９５号公報に
記載されたものが知られている。このものは、合成樹脂
材によりソケット本体が成形され、このソケット本体に
は、ランプが嵌合されるソケット部と、電源側との接続
部とに加え、トランスを含む起動回路の回路部品を収納
する部品収納部が設けられる。そして組み付けに際して
は、ソケット部に電極端子が、接続部に電源からの入力
端子がそれぞれ挿入されるとともに、部品収納部にトラ
ンスやコンデンサ等の回路部品が収納され、電極端子、
入力端子及び回路部品の所定のものの間にリードフレー
ムが渡されて半田付けにより接続されるようになってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに従来のもので
は、例えばリードフレームが部品収納部内で剥き出しに
配設されるため、その間の絶縁を図るために別途絶縁部
材を準備する必要がある。一方、部品収納部内に絶縁用
の壁を立てることも考えられるが、構造が複雑となる
し、部品収納部内がさらに狭くなって半田付け等がやり
難くなり、組み付けの作業性に劣る嫌いがあった。本発
明は上記のような事情に基づいて完成されたものであっ
て、その目的は、構造が簡単でかつ組み付けの作業性に
も優れたランプソケットを提供するところにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項１の発明は、ランプが装着され
るソケット部と、電源側との接続部とを備えたソケット
本体内には、起動回路等を構成すべくトランスを含んだ
回路部品が内蔵されたランプソケットにおいて、前記ラ
ンプの接点と接触される電極端子と、前記トランスと、
このトランスから引き出されたリードフレームとを一次
モールドし、この一次モールド品を中子として二次モー
ルドすることにより、前記ソケット部と接続部とに加え
て前記トランスを除いた他の回路部品が収納可能な部品
収納部を設けたソケット本体が形成されている構成とし
たところに特徴を有する。請求項２の発明は、請求項１
に記載のものにおいて、前記トランスを除いた他の回路
部品がプリント配線基板上に設置されているところに特
徴を有する。

【０００５】

【発明の作用及び効果】＜請求項１の発明＞一次モール
ド品の成形に伴いリードフレームの回り等が絶縁される
から、格別の絶縁用の部位が不要にできてシンプルな構
造にまとまる。また、リードフレーム等を後からソケッ
ト本体内に装着する場合に比べて位置決めが簡単とな
り、もって組み付け作業性が向上される。 ＜請求項２の発明＞トランスを除いた他の回路部品をプ
リント配線基板上にまとめたから、全体の組み付けがさ
らに簡単となる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図１
ないし図１３に基づいて説明する。この実施形態では、
ＨＩＤランプを装着するためのランプソケットを例示し
ている。ＨＩＤランプ１０は、図５に示すように、下端
側が縮径された段付き状をなす絶縁性のベース部１２の
上面に、縦向きにランプ部１１が設けられており、ベー
ス部１２の縮径部１３は筒状とされて、その奥面の中心
から中央接点１５が垂設されているとともに、縮径部１
３の上端の外周に外周接点１６が装着されている。ベー
ス部１２の拡径部１４の下縁には、一対のピン１７が立
てられている。

【０００７】ランプソケット２０は、図１ないし図４に
示すように、図２の左側が円形で、右側が方形をなす平
面形状で、かつ所定高さを有するソケット本体２１を備
えており、その下面に底蓋２２が装着されるようになっ
ている。ソケット本体２１の上面の円形側端部には、Ｈ
ＩＤランプ１０を装着するソケット部２４が突設されて
いる。このソケット部２４はほぼ円筒形に形成され、そ
の底面の中心には、ＨＩＤランプ１０におけるベース部
１２の縮径部１３が嵌合可能な嵌合筒部２５が突設さ
れ、この嵌合筒部２５内に中央電極端子４０が装着され
ているとともに、ソケット部２４の内壁に、周面電極端
子４３が装着されている。ＨＩＤランプ１０は、ソケッ
ト部２４の周面に切られたＪスロット２６にピン１７が
嵌入されて抜け止め状態に装着され、ベース部１２の縮
径部１３が嵌合筒部２５に嵌合されることで中央接点１
５が中央電極端子４０と接続され、また外周接点１６が
周面電極端子４３と接続されるようになっている。

【０００８】ソケット本体２１における円形側端部の内
部には、上記したＨＩＤランプ１０の点灯用の起動回路
の一部を構成するトランス３３（図６参照）が内蔵され
ているとともに、方形側端部には、起動回路の他の回路
部品７５（コンデンサ、抵抗等）を収容するための部品
収納部２８が形成されている。上記した他の回路部品７
５は、図１２に示すように、プリント配線基板７３に搭
載されて収納されるようになっている。また、方形側端
部の端面には、図４に示すように、３本のスリット２９
が下縁に開口して形成されている。これらのスリット２
９には、電源側と接続された入力線７７（図１２）が挿
通可能であって、かつ入力線７７の端末がプリント配線
基板７３に接続可能とされており、このため上記のスリ
ット２９が、本発明における電源側との接続部を構成し
ている。

【０００９】さらに、ランプソケット２０の構造の詳細
を、その成形並びに組み付けの手順とともに説明する。
ソケット本体２１は二段階のモールド成形によって形成
されるようになっている。一次成形の中子として、図６
に示すように、合成樹脂からなる二段のコイルボビン３
１が備えられている。このコイルボビン３１には、一次
と二次のコイル３２が絶縁層を挟んで巻装され、トラン
ス３３が構成されている。

【００１０】それに加えコイルボビン３１には、図７及
び図８に示すように、上記した中央電極端子４０、周面
電極端子４３、並びに同一形状をなす２本のリードフレ
ーム（後記する第３と第４のリードフレーム４６，４
７）が予め装着される。中央電極端子４０は、コイルボ
ビン３１の上面の中心に形成された嵌合筒部２５に装着
されている。中央電極端子４０は一対の接触片４１を対
向して配しており、底板から水平方向に延設された第１
リードフレーム４２の先端が、コイルボビン３１の上面
を通って左方に突出している。

【００１１】コイルボビン３１の上面における奥側の位
置には、縦溝３６を設けた取付柱３５が立設され、この
取付柱３５の縦溝３６に、周面電極端子４３が挿入され
て装着されている。周面電極端子４３は、その上端側に
二股に分かれて円弧状に並んだ接触片４４を配してお
り、その下縁から垂設された第２リードフレーム４５の
先端が、コイルボビン３１の奥面を通過してその途中の
高さ位置に達したのち、右方に突出している。突出端に
は、下向きの差込部４５Ａが形成されている。

【００１２】コイルボビン３１の厚肉の底部には、手前
側と奥側の２箇所に差込溝３７が形成されている。両差
込溝３７には、それぞれ第３リードフレーム４６と第４
リードフレーム４７の基端が差し込まれており、それら
のリードフレーム４６，４７の先端側は、コイルボビン
３１の底面上を右方に延出され、上記の第２リードフレ
ーム４５と同じ高さまで立ち上げられたのち、右方に突
出しており、同じく突出端には下向きの差込部４６Ａ，
４７Ａが形成されている。そして図８に示すように、上
記した一次と二次のコイル３２の各両端のリード線が、
それぞれ所定のリードフレーム４２，４５，４６及び４
７にかしめられて接続されている。以上により、一次成
形のための中子が完成される。

【００１３】次に、上記の中子により一次のモールド成
形が施される。この一次モールド品５０では、図９及び
図１０に示すように、主にコイル３２の巻装部分を覆っ
て外殻体５１が形成されるとともに、各リードフレーム
４２，４５，４６及び４７の左右への延出部分を埋設し
た埋設部が形成されている。この埋設部は都合３本形成
され、左方に突出した第１埋設部５３は中央電極端子４
０の第１リードフレーム４２を埋設している。一方、右
方に突出したうちの手前側の幅狭の第２埋設部５４には
第３リードフレーム４６が、また、奥側の幅広の第３埋
設部５５には、周面電極端子４３の第２リードフレーム
４５及び第４リードフレーム４７がそれぞれ埋設されて
いる。但し、第２と第３の埋設部５４，５５の突出端か
らは、第３リードフレーム４６、第４リードフレーム４
７及び第２リードフレーム４５のそれぞれの差込部４６
Ａ，４７Ａ及び４５Ａが、奥行き方向に一列に並んで露
出状態して下向きに突出している。

【００１４】続いて、上記した一次モールド品５０を中
子として、二次のモールド成形が施される。この二次モ
ールド成形により、図１１にも示すように、既述したソ
ケット部２４、部品収納部２８及びスリット２９等を備
えたソケット本体２１が形成される。より詳細には、部
品収納部２８内には、図３及び図１１（Ｂ）に示すよう
に、天井面の右端における手前側と奥側の２箇所から、
受け脚６０が垂設されている。各受け脚６０の受け面に
は差込ピン６１が立てられている。

【００１５】また、天井面の左端における手前側と奥側
の２箇所からも、別の受け脚６２が垂設されている。こ
ちらの受け脚６２は、上記した一次モールド品５０にお
ける第２と第３の埋設部５４，５５の突出端に繋がるよ
うにして形成されており、したがって、手前側の受け脚
６２の受け面からは、第３リードフレーム４６の差込部
４６Ａが、また奥側の幅広の受け脚６２の受け面から
は、第４リードフレーム４７と、周面電極端子４３の第
２リードフレーム４５との差込部４７Ａ，４５Ａがそれ
ぞれ突出している。

【００１６】さらに別体として、合成樹脂製の底蓋２２
が備えられている。この底蓋２２は、図１及び図１２に
示すように、ソケット本体２１に倣った平面形状を持っ
た浅皿状に形成されている。底蓋２２の内底面には、そ
の右端における手前側と奥側の２箇所、すなわちソケッ
ト本体２１側の受け脚６０と対応した位置に押さえ突部
６４が形成されている。押さえ突部６４の上面には、差
込ピン６１を逃がす逃がし孔６５が形成されている。一
方、底蓋２２の内底面における左側の位置には、ソケッ
ト本体２１のコイルボビン３１の中心孔３１Ａに嵌合可
能な位置決め突部６６が突設されている。

【００１７】ソケット本体２１の下縁部では、その外周
面が全周にわたって薄肉に削成され、上記した底蓋２２
の周壁が外嵌可能な装着面６８が形成されている。この
装着面６８における手前側と奥側の面には、左右一対ず
つのロック突部７０が突設されているとともに、底蓋２
２の周壁のうちの手前側と奥側の周壁には、上記の各ロ
ック突部７０に嵌合可能なロック孔７１が都合４箇所に
開口されている。

【００１８】また、図１２に示すように、上記した部品
収納部２８の下面側にほぼすっぽりと挿入可能なプリン
ト配線基板７３を備えている。このプリント配線基板７
３上には、起動回路を構成するトランス３３以外の回路
部品７５（コンデンサ、抵抗等）が搭載されている。ま
た、このプリント配線基板７３に設けられた３箇所の入
力部に、それぞれ電源側と接続される入力線７７が半田
付けによって接続されている。

【００１９】そして、最終的な組み付けとしては、図１
２に示すように、回路部品７５が搭載され、かつ入力線
７７が半田付けされたプリント配線基板７３が、ソケッ
ト本体２１の部品収納部２８に下方から挿入される。入
力線７７は対応するスリット２９の奥まで挿入され、ま
たプリント配線基板７３に開口された取付孔７４に差込
ピン６１が差し込まれつつ、プリント配線基板７３が左
右の受け脚６０，６２の受け面に当てられる。このと
き、リードフレーム４５〜４７の差込部４５Ａ〜４７Ａ
が、プリント配線基板７３の対応した導電路に差し込ま
れて、電気的な接続が取られる。ここで、差込部４５Ａ
〜４７Ａと導電路とは半田付けしてもよい。

【００２０】このように、プリント配線基板７３が装着
されたら、図１３に示すように、ソケット本体２１の底
部に底蓋２２を被せる。同図（Ａ）に示すように、ロッ
ク孔７１がロック突部７０に嵌まることで底蓋２２が外
れ止め状態で装着され、このとき押さえ突部６４が受け
脚６０の受け面との間でプリント配線基板７３を挟んで
保持するとともに、位置決め突部６６がコイルボビン３
１の中心孔３１Ａの下端に嵌められる。また、ソケット
部２４の嵌合筒部２５の外周にシールリング７９が嵌着
され、これによりランプソケット２０の組み付けが完了
する。

【００２１】以上説明したように本実施形態によれば、
ソケット本体２１を二次モールドにより成形するように
しており、その場合の中子となる一次モールド品５０の
成形に伴いリードフレーム４２，４５，４６及び４７の
回り等が絶縁されるから、格別の絶縁用の部位が不要に
できてシンプルな構造にまとまる。また、リードフレー
ム４２，４５，４６及び４７等を後からソケット本体２
１内に装着する場合に比べて位置決めが簡単となり、そ
の結果、組み付け作業性が向上される。また、起動回路
の回路部品のうち、トランス３３を除いた他の回路部品
７５をプリント配線基板７３上にまとめた構造としたか
ら、プリント配線基板７３を部品収納部２８に挿入する
だけで良くて、全体の組み付けがより簡単にできる。

【００２２】＜他の実施形態＞本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 （１）上記実施形態では、入力線を直接にプリント配線
基板に接続するようにしたが、ソケット本体に対して、
プリント配線基板に設けられた入力端子を臨ませたコネ
クタ部を設け、ここに電源側から引き出されたコネクタ
を嵌合するようにしてもよい。 （２）上記実施形態に例示した組み付け手順は一例であ
って、適宜に変更し得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るランプソケットの分
解正面図

【図２】ソケット本体の平面図

【図３】その底面図

【図４】その側面図

【図５】ＨＩＤランプの正面図

【図６】（Ａ）一次成形の中子の側面から見た分解断面
図 （Ｂ）同正面から見た分解断面図

【図７】（Ａ）一次成形の中子の側面から見た断面図 （Ｂ）同正面から見た断面図

【図８】（Ａ）一次成形の中子の側面図 （Ｂ）同底面図 （Ｃ）同平面図

【図９】（Ａ）一次モールド品の側面から見た断面図 （Ｂ）同正面から見た断面図

【図１０】（Ａ）一次モールド品の側面図 （Ｂ）同底面図 （Ｃ）同平面図

【図１１】（Ａ）ソケット本体の側面から見た断面図 （Ｂ）同正面から見た断面図

【図１２】（Ａ）ランプソケットの底蓋を嵌める前の側
面から見た分解断面図 （Ｂ）同正面から見た分解断面図

【図１３】（Ａ）ランプソケットの側面から見た断面図 （Ｂ）同正面から見た断面図

【符号の説明】

１０…ＨＩＤランプ（ランプ） １５…中央接点 １６…外周接点 ２０…ランプソケット ２１…ソケット本体 ２４…ソケット部 ２８…部品収納部 ２９…スリット（接続部） ３１…コイルボビン ３２…コイル ３３…トランス ４０…中央電極端子 ４２…リードフレーム ４３…周面電極端子 ４５〜４７…リードフレーム ４５Ａ〜４７Ａ…差込部 ５０…一次モールド品 ７３…プリント配線基板 ７５…回路部品 ７７…入力線

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ランプが装着されるソケット部と、電源
   側との接続部とを備えたソケット本体内には、起動回路
   等を構成すべくトランスを含んだ回路部品が内蔵された
   ランプソケットにおいて、 前記ランプの接点と接触される電極端子と、前記トラン
   スと、このトランスから引き出されたリードフレームと
   を一次モールドし、この一次モールド品を中子として二
   次モールドすることにより、前記ソケット部と接続部と
   に加えて前記トランスを除いた他の回路部品が収納可能
   な部品収納部を設けたソケット本体が形成されているこ
   とを特徴とするランプソケット。
2. 【請求項２】 前記トランスを除いた他の回路部品がプ
   リント配線基板上に設置されていることを特徴とする請
   求項１記載のランプソケット。