JP2003031116A - 電界放出型冷陰極及びその製造方法並びに電解放出型冷陰極を備えた平面画像装置 - Google Patents

電界放出型冷陰極及びその製造方法並びに電解放出型冷陰極を備えた平面画像装置

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JP2003031116A JP2001216626A JP2001216626A JP2003031116A JP 2003031116 A JP2003031116 A JP 2003031116A JP 2001216626 A JP2001216626 A JP 2001216626A JP 2001216626 A JP2001216626 A JP 2001216626A JP 2003031116 A JP2003031116 A JP 2003031116A
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Fuminori Ito
文則 伊藤
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/022Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
    • H01J9/025Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of field emission cathodes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧駆動可能な電界放出型冷陰極及びその
製造方法並びに電界放出型冷陰極を備えた平面画像装置
を提供する。 【解決手段】 ガラス基板1上に形成された導電層2上
に、絶縁層3及びゲート層4を堆積し、絶縁層3及びゲ
ート層4に開口部5を形成する。その後、開口部5以外
及び開口部5沿面をマスク材6にて被覆し、エミッタ材
料のカーボンナノチューブ層を堆積する。マスク材6を
エッチングすると同時に、その上層のカーボンナノチュ
ーブ層をリフトオフし、開口部5の底面にのみカーボン
ナノチューブからなるエミッタ層7を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィールド・エミ
ッション・ディスプレイ(以下、FEDと称す)、CR
T、電子顕微鏡、電子ビーム露光装置、及び各種電子ビ
ーム装置等の電子ビーム源として利用される電界放出型
冷陰極及びその製造方法並びに電界放出型冷陰極を備え
た平面画像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、新しい炭素材料であるカーボンナ
ノチューブ(以下、CNT〈Carbon Nano Tube〉と称
す)は、電界放出型冷陰極のエミッタ材料としてその応
用を期待されている。カーボンナノチューブは、炭素原
子が規則的に配列されたグラフェンシートをチューブ状
に丸めた中空の円筒形状の物質であり、その外径はナノ
メートル(nm)オーダーで、長さが0.5μm〜数1
0μmという極めてアスペクト比の高い微小な物質であ
る。このような形状のCNTでは、先端部分に電界が集
中しやすく、高い放出電流密度を期待できる。また、C
NTは、化学的、物理的安定性が高いという特性を有す
るため、動作真空中の残留ガスの吸着やイオン衝撃等に
対して影響を受けにくいことが予想される。
【0003】CNTには、単層ナノチューブ及び多層ナ
ノチューブの2種類が存在する。単層ナノチューブは、
1枚のグラフェンシート(単原子層の炭素六角網面)が
円筒状に閉じた単原子層厚さのチューブであり、その直
径はおよそ2nm程度である。多層ナノチューブは、円
筒状のグラフェンシートが多層に積み重なったもので、
その外径が5〜50nm、中心空洞の直径が3〜10n
mである。
【0004】エミッタ材料として使用頻度の高い単層ナ
ノチューブは、炭素棒を電極とするアーク放電によって
生成することができる。この生成法に関しては、Nature
vol. 354(1991)p.56-58等の文献に記載されており、そ
の中で、66500Pa(500Torr)のヘリウム
またはアルゴンガスの雰囲気中で、触媒として鉄、ニッ
ケル、コバルト、イットリウム等を添加した炭素棒電極
を用いてアーク放電を行うことが記載されている。
【0005】図9は、カーボンナノチューブを電界放出
型冷陰極として用いた従来例1として、特開2000−
340098号公報に開示される電界放出型冷陰極の断
面構造図である。導電性基板(導電層)12の形成され
た基板11上に粉砕等の手段によって短く加工したカー
ボンナノチューブからなるエミッタ層17を形成する。
エミッタ層17上には、絶縁層13とゲート層14とが
順次形成され、エミッタ層17の一部が露出するように
開口部15が形成される。エミッタ層17に対してゲー
ト層14及び真空を介して配置されるアノード電極に正
の電位を印加することにより、カーボンナノチューブか
らなるエミッタ層17から電子が引き出され、アノード
電極に流入する。また、このような電界放出型冷陰極を
ガラス基板上に2次元的に配置し、蛍光体を塗布したガ
ラス基板(アノード)とを対向させ、電界放出型冷陰極
をアドレス駆動することにより平面画像装置を形成する
ことが開示されている。
【0006】図10は、カーボンナノチューブを電界放
出型冷陰極として用いた従来例2として、本出願人によ
り先に出願されている特願2000−362395号の
電界放出型冷陰極の断面構造図である。図10に示すよ
うに、導電性基板(導電層)22の形成された基板21
上に絶縁層23及びゲート層24を順次堆積し、絶縁層
23及びゲート層24の一部に開口部25を形成する。
その後、ゲート開口径と同等もしくはそれよりも小さな
開口部が形成されたメタルマスク29を介して、カーボ
ンナノチューブからなるエミッタ材料を堆積し、ゲート
開口部25の底面上にエミッタ層27を形成する。
【0007】エミッタ層を取り囲むように絶縁層及びゲ
ート層が形成された電界放出型冷陰極は、エミッタ層か
らの放出電子量をゲート層とエミッタ層間の電界によっ
て制御することが可能である。ゲート層に印加する駆動
電圧の低減は、低消費電力化、ドライブ回路の小型化及
び低コスト化、ビーム広がりの抑制等の効果が得られる
ため、高性能な平面画像装置等を形成する上で必要不可
欠である。低電圧駆動化を実現するための手法の1つと
して、エミッタ構造の微細化が挙げられる。具体的に
は、絶縁層の薄膜化と開口径の縮小化である。
【0008】エミッタ層表面に印加される電界強度は、
ゲート電圧を絶縁層の膜厚で割った値とほぼ等価であ
る。すなわち、絶縁層の膜厚が大きい場合は大きなゲー
ト電圧を印加する必要があるが、絶縁層の膜厚が小さい
場合は小さなゲート電圧で同一のエミッション電流を得
ることができる。従って、絶縁層の薄膜化によって駆動
電圧を低減することができる。一方、ゲート開口径の縮
小は、開口部内のエミッタ層の表面電界分布を平均化す
る効果がある。
【0009】図11(a)は、素子の断面構造に等電位
面の分布を加えた図である。ここでの等電位面は、平面
画像装置を駆動する際の印加電圧として、アノード電極
30に加える電圧(アノード電圧)が2kV、エミッタ
層37に対してゲート層34に印加する電圧(ゲート電
圧)が40V、アノード電極30とエミッタ層37との
距離が2mm、開口径が50μm、絶縁層32の膜厚が
10μmのときの計算結果である。アノード電極30と
エミッタ層37との電界は1V/μmで、ゲート層34
とエミッタ層37との電界は4V/μmとなる。従っ
て、開口部内の電位面は、アノード電極30方向に凸型
になる傾向を示し、開口部周辺の電界は開口部中心より
もおよそ2倍程度大きくなる。この場合、エミッション
は主に、開口部内周辺に位置するエミッタ層からの寄与
が支配的になる。
【0010】図12は、開口部内のエミッタ層の中心に
おける電界と周辺におけるの電界とのゲート開口径依存
性を示す図である。ゲート開口径が減少するに伴い、開
口部中心の電界が増加し、開口部周辺の電界に近づくこ
とが分かる。従って、絶縁層の薄膜化及びゲート開口径
の縮小化は、低電圧でより大きな放出電流を抽出する手
法として有効である。
【0011】図11(b)は、図11(a)と同様に素
子の断面構造に等電位面の分布を加えた図ある。ここで
の等電位面は、平面画像装置を駆動する際の印加電圧と
して、アノード電極40に加える電圧(アノード電圧)
が10kV、エミッタ層47に対してゲート層44に印
加する電圧(ゲート電圧)が40V、アノード電極40
とエミッタ層47との距離が2mm、開口径が50μ
m、絶縁層42の膜厚が10μmのときの計算結果であ
る。アノード電極40とエミッタ層47との電界は5V
/μmで、ゲート層44とエミッタ層47との電界は4
V/μmとなる。従って、開口部内の等電位面はアノー
ド電極40の方向に凹型になる傾向を示し、開口部周辺
の電界は開口部中心よりもおよそ0.8倍程度小さくな
る。エミッションは主に、開口部内中央に位置するエミ
ッタ層からの寄与が支配的になる。この場合も絶縁層の
薄膜化と微細化は均一で、より大きな放出電流を抽出す
る手法として有効である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カーボ
ンナノチューブをエミッタに用いた電界放出型冷陰極で
は、上述するようなエミッタ構造の微細化を行い、良好
な電子放出特性を実現する際に、以下に述べるような問
題点があった。
【0013】一般的なカーボンナノチューブの生成方法
として、アーク放電方法やレーザーアブレーション方法
によって得られるカーボンナノチューブは、外径はほぼ
一定でnmオーダーであるが、その長さは0.5μm〜
100μmといった様々な長さを有する。また、カーボ
ンナノチューブは柔軟性に富んでいるため、互いに絡み
やすいという特徴を備えている。このため、長いカーボ
ンナノチューブが互いに絡み合うと大きな糸屑のような
形状になり、カーボンナノチューブ層の平坦性を低下さ
せる要因になる。このようなカーボンナノチューブ層上
に絶縁層及びゲート層を形成する場合、カーボンナノチ
ューブ層と絶縁層との付着力が弱く、構造が不安定にな
りやすい。また、このような凹凸に富んだカーボンナノ
チューブ層上に薄膜化した絶縁層とゲート層とを積層す
る場合、絶縁層の膜厚が不均一になり、絶縁不良による
素子破壊等の問題点がある。
【0014】先述した従来例1においては、カーボンナ
ノチューブを分断することによって膜の平坦性を向上さ
せ、上層の絶縁層及びゲート層との密着性を高めている
が、絶縁層は、下地のエミッタ層の微細な凹凸の影響を
受けて、その膜厚が変化するため、特性が不安定にな
る。さらには経時劣化を生じる場合もある。アノード電
極もしくはゲート電極に正電圧を印加する場合、静電力
によりカーボンナノチューブを含むエミッタ層が正電圧
の方向に引っ張られる。動作中においては、印加電圧が
変化することで静電力が変化し、ナノチューブが伸びた
り、ぬけたり、また、触媒等形成時に含有されるエミッ
タ層を構成する他の物質、ナノパーティクルやバインダ
材等が動いたり、エミッタ層より脱離してエミッタ形状
が変化し、経時劣化を生じる。特に、複数のエミッタを
二次元的に配列した平面画像装置においては、局所的な
絶縁破壊等によって特性が不均一になり、画像の不安定
性やムラの要因となる。
【0015】さらに、従来例1に開示される製造工程で
は、エミッタ層を形成後、絶縁層及びゲート層を積層し
た後、それらの除去を行なうため、工程が複雑であると
同時に、エミッタ層表面がプロセスダメージを受けやす
いという欠点がある。従って、カーボンナノチューブ層
を形成した後に絶縁層とゲート層とを積層し、開口部を
形成する上述の製造プロセスは、絶縁層の薄膜化に限界
があり、カーボンナノチューブ表面(エミッタ層)が損
傷を受けやすいという問題点がある。
【0016】一方、従来例2においては、上述した従来
例1の製造工程とは異なり、エミッタ層を最終工程にて
ゲート開口部内にのみ選択的に形成する。従って、従来
例1の製造工程と比較して、エミッタ層表面に及ぼすプ
ロセスダメージを低減することができる。また、カーボ
ンナノチューブ層がない状態で導電層上に直接、絶縁層
及びゲート電極層を積層し、開口部形成を行なうため、
絶縁層の薄膜化を実現することができる。
【0017】しかし、メタルマスクを用いてエミッタ層
を形成する従来例2の製造方法では、マスク材とゲート
層との密着性が悪いため、噴霧等でエミッタ層を形成す
る際には、その隙間にエミッタ材料が毛細管現象によっ
て浸透しやすい。平面画像装置では、ライン状の複数の
ゲート層が絶縁層を介して平面状に配列されているた
め、このようなエミッタ材料の拡散は、隣り合うゲート
層間の絶縁性を劣化させる要因になる。
【0018】また、噴霧等の手法によってエミッタ層を
形成する場合、噴霧時の粒子の指向性が悪く、さらに開
口部内で反跳するため、開口部沿面に局所的にエミッタ
材料が付着する場合がある。これらの絶縁層沿面に付着
したエミッタ材料は、絶縁層の膜厚が大きいときには問
題にならないが、絶縁層の薄膜化が進行するにつれ、絶
縁破壊の要因になる。
【0019】また、メタルマスクの開口部形成は、機械
加工の精度等に依存するため、微細孔の形成には限界が
ある。高精度で開口率の高い穴あけ加工を行うには、開
口径を50μm以上に設定しなければならない。従っ
て、メタルマスクを用いた従来例2の製造プロセスで
は、エミッタ層表面へのプロセスダメージを軽減するこ
とはできるが、50μm以下の微細開口径を有する電界
放出型冷陰極に適用することは困難である。
【0020】以上述べたように、従来の製造方法では、
エミッタ層表面へのプロセスダメージを軽減すると同時
に、絶縁層膜厚の薄膜化及び開口径の微細化を行ない、
高性能でかつ信頼性の高い電界放出型冷陰極及び平面画
像装置を実現することが困難であるという問題点があ
る。
【0021】本発明は、上記問題点に鑑みて成されたも
のであり、エミッタ層表面へのプロセスダメージを軽減
すると共に、絶縁層膜厚及び開口径の微細化を行い、高
性能でかつ信頼性の高い電界放出型冷陰極及びその製造
方法並びに電界放出型冷陰極を備えた平面画像装置を提
供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、基板上に形成された導電層
上に絶縁層及びゲート層を順次形成する絶縁層/ゲート
層形成工程と、ゲート層及び絶縁層の一部に開口部を形
成する開口部形成工程と、開口部沿面をマスク材で被覆
する被覆工程と、開口部形成工程により露出した導電層
及び被覆工程により被覆されたマスク材の上層に複数の
チューブ状物質からなるエミッタ材料を堆積する堆積工
程と、マスク材と該マスク材の上層に堆積したエミッタ
材料とを除去する除去工程と、を有し、開口部底面に残
存したエミッタ材料によりエミッタ層を形成することを
特徴とする。
【0023】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、開口部沿面上のマスク材の膜厚は、0.1
μm以上かつ3.0μm以下に設定することを特徴とす
る。
【0024】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、マスク材は、感光性材料からな
り、被覆工程は、フォトリソグラフィーにより、開口部
沿面をマスク材で被覆することを特徴とする。
【0025】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれか1項に記載の発明において、被覆工程は、ゲー
ト層の膜厚をtg、絶縁層の膜厚をti、開口部の直径
をdとするとき、基板とマスク材粒子の堆積方向とのな
す角θが、tg/d<tanθ<(tg+ti)/dを
満たし、かつ、基板面に対して開口部の中心近傍からの
垂線を軸として、基板を回転させながら開口部沿面をマ
スク材で被覆することを特徴とする。
【0026】請求項5記載の発明は、請求項1から4の
いずれか1項に記載の発明において、マスク材は、少な
くとも2層以上からなることを特徴とする。
【0027】請求項6記載の発明は、請求項1から5の
いずれか1項に記載の発明において、堆積工程は、少な
くとも、噴霧法、スクリーン印刷法、電気泳動法、気相
成長法のいずれかの方法によりエミッタ材料を堆積する
ことを特徴とする。
【0028】請求項7記載の発明は、請求項1から6の
いずれか1項に記載の発明において、除去工程は、マス
ク材をエッチングすると同時に該マスク材の上層に堆積
されたエミッタ材料をリフトオフすることで除去するこ
とを特徴とする。
【0029】請求項8記載の発明は、請求項1から7の
いずれか1項に記載の発明において、エッチング工程
は、エミッタ材料の堆積面を下向きにした基板をエッチ
ング溶液中に浸し、該基板の法線と液面とのなす角が4
5度以上かつ90度以下となるように配置してエッチン
グすることを特徴とする。
【0030】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発
明において、エッチング工程は、基板におけるエミッタ
材料の堆積面と対向する方向から磁場をかけながらエッ
チングすることを特徴とする。
【0031】請求項10記載の発明は、請求項8または
9記載の発明において、エッチング工程は、エッチング
溶液を攪拌もしくは超音波分散しながらエッチングする
ことを特徴とする。
【0032】請求項11記載の発明は、請求項1から1
0のいずれか1項に記載の発明において、エミッタ層
は、カーボンナノチューブからなることを特徴とする。
【0033】請求項12記載の発明は、絶縁層上にゲー
ト電極層を設け、絶縁層及びゲート電極層の開口部内に
複数のチューブ状物質からなるエミッタ層を設けた電界
放出型冷陰極において、エミッタ層の表面から直立した
チューブ状物質の数密度は、開口部中心よりも周辺の方
が高いことを特徴とする。
【0034】請求項13記載の発明は、絶縁層上にゲー
ト電極層を設け、絶縁層及びゲート電極層の開口部内に
複数のチューブ状物質からなるエミッタ層を設けた電界
放出型冷陰極において、エミッタ層と絶縁層沿面とは、
一定の距離を隔てて配置されていることを特徴とする。
【0035】請求項14記載の発明は、絶縁層上にゲー
ト電極層を設け、絶縁層及びゲート電極層の開口部内に
複数のチューブ状物質からなるエミッタ層を設けた電界
放出型冷陰極において、エミッタ層と絶縁層沿面とは一
定の距離を隔てて配置され、かつ、エミッタ層の膜厚
は、開口部中心よりも周辺の方が大きいことを特徴とす
る。
【0036】請求項15記載の発明は、請求項13また
は14記載の発明において、エミッタ層と絶縁層沿面と
は、0.1μm以上かつ3.0μm以下の距離を隔てて
配置されていることを特徴とする。
【0037】請求項16記載の発明は、請求項12から
15のいずれか1項に記載の発明において、エミッタ層
上面とゲート電極層下面との距離をh、ゲート径をdと
するとき、h/dは、0.2以上かつ5.0以下である
ことを特徴とする。
【0038】請求項17記載の発明は、請求項12から
16のいずれか1項に記載の発明において、エミッタ層
は、カーボンナノチューブからなることを特徴とする。
【0039】請求項18記載の発明は、請求項12から
17のいずれか1項に記載の電界放出型冷陰極を備えた
ことを特徴とする。
【0040】〈作用〉本発明によれば、微細ゲート開口
部を形成した後に、少なくとも開口部沿面をマスク材で
被覆し、リフトオフによってエミッタ層を形成する。こ
のことにより、エミッタ層表面へのプロセスダメージを
軽減すると同時に、開口部沿面もしくは開口沿面及び開
口部底辺の周辺部にエミッタ材料が固着することを防
ぎ、ゲート電極及びエミッタ材料の近接による絶縁破壊
を防止する。特に、絶縁層膜厚及び開口径の微細化を行
う場合に、絶縁不良による素子破壊や特性の不均一性を
抑制し、高性能でかつ信頼性の高い電界放出型冷陰極を
実現し、画像の不安定性やムラのない平面画像装置を実
現する。
【0041】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照しながら本
発明の実施形態である電界放出型冷陰極及びその製造方
法並びに電界放出型冷陰極を備えた平面画像装置を詳細
に説明する。図1から図8に、本発明に係る電界放出型
冷陰極及びその製造方法並びに電界放出型冷陰極を備え
た平面画像装置の実施の形態を示す。
【0042】〈第1の実施例〉図1は、本発明の第1の
実施例である電界放出型冷陰極の製造工程を示す断面構
造図である。エミッタ層を形成する基板としては、導電
性基板もしくは図1(a)に示すような導電層2が形成
されたガラス基板1を用いる。
【0043】導電層2の上層には、図1(b)に示すよ
うに、シリコン酸化膜もしくはポリイミド膜等の絶縁層
3を10μm堆積する。絶縁層3の上層には、図1
(c)に示すように、ゲート層4として、例えばアルミ
ニウムを0.5μm形成する。
【0044】次に、図1(d)に示すように、ゲート層
4及び絶縁層3の一部をエッチングして開口部を形成す
る。開口部の形状は、四角形、六角形等の多角形や楕円
形等でも適用可能であるが、本実施例では円形に開口
し、このゲート開口径を20μmで形成した。その後、
感光性材料からなるマスク材6、例えば、レジストやポ
リイミド等を基板全面にスピンコーティングにより2μ
m堆積する。
【0045】その後、図1(e)に示すように、フォト
リソグラフィー(露光、現像)によって開口部5の沿
面、または沿面かつ開口部底面の周辺部をマスク材6で
被覆し、開口部底面のみを露出させる。開口部沿面にお
けるマスク材6の膜厚は、0.1μm以上でかつ3μm
以下に設定する。マスク材の膜厚が0.1μm以下の場
合には、マスク材が薄すぎるため、エッチング溶液が基
板全体に浸透しづらく、その上層に堆積されるエミッタ
材料を後述するリフトオフにて除去することが困難とな
る。また、マスク材の膜厚が3μm以上の場合には、後
述するように電子放出特性が著しく劣化してしまう。こ
れらの理由から、ここでは開口部沿面に堆積するマスク
材6の膜厚を1μmとした。
【0046】次に、図1(f)に示すように、エミッタ
材料としてカーボンナノチューブを基板上におよそ1μ
m程度堆積する。なお、この際にはカーボンナノチュー
ブを少なくともゲート開口部内に均一に堆積させる必要
がある。カーボンナノチューブには、単層カーボンナノ
チューブと多層のカーボンナノチューブがあるが、どち
らのナノチューブを用いても本発明の効果を得ることが
できる。
【0047】ここでは、アーク放電法によって形成した
単層カーボンナノチューブを用いた。反応容器内を6.
7×104 PaのHeガスで満たし、触媒金属を含有し
た2本の炭素棒を対向させ、両者の間でアーク放電を起
こすと、陰極炭素棒表面及び反応容器内壁にカーボンナ
ノチューブを含んだ固体が堆積する。アーク放電は、1
8Vの電圧を2つの炭素棒の間に印加し、100Aの電
流を流す。生成した固体中にはカーボンナノチューブの
他に直径10nm〜100nm程度の粒径のグラファイ
トやアモルファスカーボン、触媒金属等が含まれる。得
られたカーボンナノチューブは単層ナノチューブであ
り、その直径はおよそ1nm〜5nmであり、長さは
0.5μm〜100μm、その平均長さは約2μmであ
る。上記の粗生成物をエタノール中に懸濁させて超音波
粉砕する。
【0048】次に、ポアサイズが0.22μmのメンブ
ランフィルタを用いて懸濁液をろ過する。カーボンナノ
チューブ以外の不純物微粒子は、メンブランフィルタの
ポアサイズよりも小さいためにフィルタを通り抜ける
が、0.5μm以上の長さを持つカーボンナノチューブ
はフィルタ上に残存する。フィルタ上に残ったカーボン
ナノチューブを抽出することにより、ナノチューブのみ
を回収することができる。
【0049】なお、ナノチューブの精製方法は、特開平
8−231210号公報に開示される方法等を用いるこ
とより純度の高いナノチューブを得られるため、これら
の方法を適用することも可能である。
【0050】また、平坦で均一な膜形成を可能とするた
めに、カーボンナノチューブを粉砕して10μm以下の
長さに分断した。このようにして得られた高純度でかつ
微粒子化したカーボンナノチューブは、エタノール中で
超音波分散し、その分散液を直接用いることも可能であ
る。ここでは、基板との密着力を向上させるために、ニ
トロセルロースやアクリル等のバインダー材中にカーボ
ンナノチューブを分散させ、その分散液を用いてカーボ
ンナノチューブ層を形成した。
【0051】カーボンナノチューブの堆積方法は、噴霧
法、スクリーン印刷法、電気泳動法等を用いることがで
きるが、CVD(Chemical Vapor Deposition) 等の気相
成長法によっても堆積可能である。カーボンナノチュー
ブの堆積膜厚は、堆積時間等の堆積条件を調整すること
により制御することができる。また、レーザ光によるカ
ーボンナノチューブ表面からの反射率をモニタする等の
方法でも堆積膜厚を監視し、制御することができる。
【0052】開口部底面以外に付着したカーボンナノチ
ューブは、基板表面を研磨する方法等で除去することも
可能であるが、ここではリフトオフ法を用いてマスク材
及びその上層に堆積したカーボンナノチューブを除去し
た。カーボンナノチューブが堆積された基板をマスク材
6のエッチング溶液中に浸し、マスク材6を溶解してエ
ッチングすると同時に、図1(g)に示すように、その
上層のカーボンナノチューブをリフトオフする。最終的
に開口部内のみエミッタ層7が形成された電界放出型冷
陰極を製造することができる。
【0053】なお、ここではマスク材を基板全体に形成
したが、少なくとも開口部沿面に形成されていれば、必
ずしも基板全体に形成する必要はない。例えば、ゲート
層上や素子領域から離れた領域上ではリフトオフ以外に
研削や拭き取り等によってもエミッタ材料を除去するこ
とが可能である。
【0054】エミッタ層7は、開口部底面に形成される
が、開口部底面の周辺部にエミッタ材料が形成されない
ことが更に望ましい。開口部底面周辺部にエミッタ材料
が形成されないと、エミッタとゲート電極までの沿面距
離が長くなり、放電が起こり難くくなる。またエミッタ
形状が経時劣化により変化する場合にもエミッタ材料が
固着されない底面周辺部により距離が長くなり、沿面に
エミッタ材料が付着し難くくなる。このことは、エミッ
タ材料として高融点金属を用いたスピント型エミッタや
CVD等で形成したダイヤモンド等のようにエミッタ材
料が強固なものでは形状の経時劣化が少ないので問題な
い。しかしながら、カーボンナノチューブ単体やニトロ
セルロース、アクリル等のバインダー材中にカーボンナ
ノチューブを分散させ、その分散液を用いたカーボンナ
ノチューブを噴霧、スクリーン印刷、電気泳動等で用い
た場合には、エミッタ材料が固着されない底面周辺部に
よる放電抑制効果が大きい。
【0055】図1(e)に示すマスク材6は、フォトリ
ソグラフィー以外の方法で形成することも可能である。
例えば、マスク材をスピンコート、スクリーン印刷、も
しくはCVD、スパッタ等の気相成長法によって形成し
た後、ゲート開口径よりも小さい径の開口部をウェット
もしくはドライエッチングにて形成することもできる。
【0056】また、図2に示すように、ゲート開口部を
形成した基板面に対して当該開口部の中心近傍からの垂
線を軸として基板を回転させて、所定の入射角度で斜め
方向からマスク材を堆積させることによっても、ゲート
開口部以外及び開口部沿面をマスク材にて被覆すること
ができる。ただし、この際にはマスク材の粒子の入射角
θを制御する必要がある。この入射角θは、ゲート層4
の膜厚をtg、絶縁層3の膜をti、開口径をdとする
とき、tg/d<tanθ<(tg+ti)/dを満た
すように設定することにより、絶縁層の開口部沿面のう
ち、少なくとも一部を完全にマスク材で被覆することが
できる。
【0057】〈第2の実施例〉図3は、本発明の第2の
実施例である電界放出型冷陰極の製造工程を示す断面構
造図である。本発明の第1の実施例との差異は、マスク
材が2層構造になっている点である。
【0058】図3(a)〜(c)に示すように、導電層
2が形成されたガラス基板1上に絶縁層3及びゲート層
4を形成した後、ゲート層4及び絶縁層3の一部に開口
部5を形成する(図3(d))。
【0059】その後、図3(e)に示すように、異なる
材料からなる2層のマスク材6a、6bをゲート開口部
以外及び開口部沿面、もしくは開口沿面かつ開口部底辺
の周辺部を被覆するように形成し、カーボンナノチュー
ブをその上層におよそ1μm堆積させた。なお、マスク
材の形成方法は、上述したように、フォトリソグラフィ
ー、エッチングによる開口、もしくは斜め堆積法を用い
ることができる。
【0060】次に、2層のマスク材のうち上層のマスク
材6bのみを選択的にエッチングし、その上層のカーボ
ンナノチューブをリフトオフする。その後、2層のマス
ク材のうち下層のマスク材6aを異なるエッチング溶液
中にてエッチングし、再度リフトオフする。これによっ
て、ゲート開口部5の底面のみに選択的にエミッタ層7
を形成することができる。ここでは、リフトオフ工程を
2回に分けて行なっているため、本発明の第1の実施例
と比較して、カーボンナノチューブの再付着を大幅に減
少させることができる。
【0061】また、本発明の第2の実施例においては、
マスク材を2層にした場合を示したが、2層以上にする
ことによってさらに再付着を低減することができる。な
お、所望のマスク材をエッチングする際に、他のマスク
材はエッチングされない、もしくはエッチングレートが
低いようにマスク材の選択を行なう必要がある。例え
ば、図3に示した2層のマスク材6a、6bの場合に
は、下層のマスク材6aをレジスト、上層のマスク材6
bをスピンオングラスにすることができる。
【0062】リフトオフにて不要なカーボンナノチュー
ブをリフトオフする際には、必然的にエッチング溶液中
に浮遊したカーボンナノチューブの再付着が生じる。例
えば、絶縁層の開口部沿面、もしくは開口沿面かつ開口
部底辺の周辺部にナノチューブが再付着した場合には、
ゲート層とエミッタ層の絶縁性が劣化する。また、平面
画像装置において、ゲートライン間にカーボンナノチュ
ーブが再付着した場合には、ゲートライン間が導通して
しまうため、アドレス駆動を行なうことが困難になる。
従って、カーボンナノチューブの再付着は極力防止する
ことが必要である。リフトオフ後のナノチューブの再付
着は、上記実施例によって大幅に軽減することが可能で
あるが、さらに再付着を軽減するには、以下に示す方法
を用いることができる。
【0063】図4は、リフトオフ時にエッチング溶液中
に浸された基板を示す模式図である。基板はエッチング
溶液8中でエミッタ材料(カーボンナノチューブ)7の
堆積面が下向きになるように配置される。これにより、
リフトオフした不要なカーボンナノチューブは直ちに基
板から離れ、再付着が起こりにくい。なお、エミッタ材
料の堆積面を上向きにしてエッチング溶液に浸した場合
には、マスク材がエッチングされた後、直ぐにカーボン
ナノチューブが基板上に再被覆するため、後工程で除去
することが困難になる。基板の法線と液面とのなす角が
0度、すなわち基板が液面に対して垂直の場合でも強固
な再付着は生じにくいが、エミッタ材料の堆積面が下向
きになるように45度以上かつ90度以下とすると、よ
り再付着を軽減したリフトオフを行うことができる。
【0064】また、エミッタ材料の堆積面と対向する位
置(方向)に磁場をかけながらリフトオフすることによ
っても再付着を軽減することができる。ここで用いた単
層カーボンナノチューブは、触媒金属としてニッケル
(Ni)とイットリウム(Y)を用いているため、カー
ボンナノチューブ内にこれらの金属が含有する。従っ
て、エッチング溶液中に浮遊しているカーボンナノチュ
ーブは、磁場を有する磁石等に引き寄せられ、1度基板
上から離れたカーボンナノチューブは、再度基板上に再
付着することはない。また、エッチング溶液をフィルタ
を介して循環させ、常に清浄化することによっても、再
付着を抑制することができる。
【0065】さらに、上記の手法とエッチング溶液を攪
拌もしくは超音波分散を組み合わせることによって、カ
ーボンナノチューブの再付着を防止し、かつリフトオフ
に要する時間を短縮することができる。
【0066】図5は、本発明の第1及び第2の実施例に
より製造された電界放出型冷陰極の断面構成図である。
図5に示すように、マスク材が開口部沿面、もしくは開
口沿面かつ開口部底辺の周辺を被覆していたことを反映
して、エミッタ層の径が絶縁層の開口径よりも小さい。
【0067】比較例として、図13に、メタルマスクに
てカーボンナノチューブ層を堆積した後の電界放出型冷
陰極の断面構造図を示す。この場合には、噴霧時に開口
部沿面に局所的にカーボンナノチューブが付着する場合
が多く、特に絶縁層が薄い場合には絶縁不良が生じやす
い。さらに、メタルマスクは、それ自身の加工精度が低
いため、およそ50μm以下の開口径をする電界放出型
冷陰極には適用できない。
【0068】一方、図5に示すように、本発明により製
造された電界放出型冷陰極は、絶縁層の開口部をマスク
材にて被覆しているため、リフトオフ後にゲート層とエ
ミッタ層との絶縁不良を生じることはほとんどない。ま
た、フォトリソグラフィー法を用いてマスク材の加工を
行なうため、50μm以下の微細開口径を有する電界放
出型冷陰極にも充分に適用可能である。
【0069】さらに、本発明により製造された電界放出
型冷陰極の構造上の特徴は、開口部内のエミッタ層表面
に対して直立に突出したナノチューブの数密度が開口部
中心よりも周辺の方が大きいことである。一方、従来の
手法によって形成されたエミッタ層上に直立に突出した
カーボンナノチューブの数密度は、本発明のエミッタ層
の中心部と同程度である。なお、本発明において、「直
立」とはカーボンナノチューブ層上におけるナノチュー
ブ先端から引かれる接線と基板の法線とのなす角が50
度以下の場合を意味する。
【0070】このようなエミッタ層の周辺部で突出した
ナノチューブの数密度の増加は、開口部沿面部でのリフ
トオフ時にカーボンナノチューブが外部に引き出される
ためでる。例えば、金属膜やダイヤモンド等のエミッタ
薄膜をリフトオフする際には、結晶粒が緻密で球形をな
しているため、このような突出部は形成されない。本発
明におけるリフトオフ後の微細なバリ(突出部)は、カ
ーボンナノチューブ等の微細チューブ材料に見られる特
有の現象である。また、開口部内のカーボンナノチュー
ブの断面形状は、比較的平坦な形状もしくは開口部周辺
の膜厚が中心部よりも大きい(開口部中心が窪んだ)形
状に加工することが可能である。例えば、噴霧にてエミ
ッタ層の断面形状を開口部中心が窪んだ形状に加工する
には、ナノチューブ粒子の指向性を劣化させ、等方的な
堆積を行う等の手法にて加工することができる。
【0071】図6は、本発明により製造した電界放出型
冷陰極と従来技術により作製した電界放出型冷陰極のエ
ミッション特性を示す図である。縦軸はゲート電極から
真空を隔てて配置したアノード電極に流入したアノード
電流量で、横軸はエミッタとゲート電極との電位差(ゲ
ート電圧)である。ゲート開口径は20μm、絶縁層膜
厚は10μm、開口部数は3600個である。
【0072】本発明により製造された電界放出型冷陰極
の電子放出は、10V以下という低しきい値電圧から立
ち上がり、ゲート電圧の増加とともに急峻に増加する傾
向を示す。
【0073】一方、従来例aとして、メタルマスクにて
作製した電界放出型冷陰極は、ゲート電圧40V近傍か
ら電子放出を開始する。メタルマスクの開口部形成は、
微細加工に限界があるため、グラフ中の従来例aに示し
た電界放出型冷陰極のゲート開口径は60μm、絶縁層
膜厚は本発明と同様に10μmである。
【0074】また、グラフ中の従来例bは、マスク材と
してレジストマクを用い、ゲート開口径は20μmに設
定した場合の特性である。絶縁層膜厚は本発明と同様に
10μmである。ただし、開口部沿面にはマスク材を被
覆していない。この場合、しきい値電圧は20V以上で
あり、すべての電圧領域に渡って、本発明による電界放
出型冷陰極の電流値よりも低い値を示す。
【0075】このように、本発明により製造された電界
放出型冷陰極が高い放出電流を示す要因は、マスク材の
微細加工が可能であり、微小開口を有する電界放出型冷
陰極にも適応可能であることと、エミッタ層上に直立に
突出したカーボンナノチューブの数密度が開口部周辺ほ
ど大きいことによる。
【0076】放出電流量は、エミッションポイントとし
て機能するエミッタ層上に直立に突出したカーボンナノ
チューブ先端部が多いほど大きく、さらに、図11
(a)及び図12で示したように、等電位面が凸型の場
合、開口部周辺部ほどより大きな電界が印加される。従
って、本発明により製造される電界放出型冷陰極は、実
効的な電界強度が最も強い開口部周辺部のエミッタ層を
有効に用いていることになる。
【0077】また、従来技術により製造した電界放出型
冷陰極は、図13に示したように、カーボンナノチュー
ブ層がゲート層に局所的に近接している箇所があるた
め、放出電流の面内分布が不均一であり、絶縁破壊を局
所的に起こしやすい。一方、本発明により製造された電
界放出型冷陰極は、エミッタ層形成の制御性が高いた
め、放出電流の面内分布が均一であり、絶縁破壊及び経
時破壊等はほとんど見られない。
【0078】また、図11(b)に示した凹型の等電位
面分布の場合でも、ゲート開口部周辺部での直立配向化
したカーボンナノチューブの密度が増加することによっ
て、放出電流量は増大する。さらに、この場合、開口部
内のエミッタ層を平坦ではなく、先述したように開口部
中心を窪んだ形状にすることによって、より開口部周辺
部の電子放出への寄与を増大させ、エミッタ層上の電子
放出分布を均一化することができる。
【0079】図7は、放出電流量における開口部内のエ
ミッタ径依存性を示すグラフである。エミッタ径は、具
体的に開口部沿面のマスク材の膜厚によって決定され
る。例えば、ゲート開口径が20μmで、開口部沿面の
マスク材の膜厚が1μmの場合、最終的形成されるエミ
ッタ層の径はおよそ18μmになる。図7において、ゲ
ート電圧は15Vの放出電流量であり、エミッタ形状は
図6で示した本発明による電界放出型冷陰極と同じであ
る。
【0080】放出電流量は、エミッタ層の径が14μm
近傍まではわずかに減少するが、14μm以下では著し
く減少する傾向を示す。エミッタ径の減少は、エミッシ
ョンに寄与するナノチューブ数を減少させるため、放出
電流量はエミッタ径の減少とともに急激に減少すること
が予想される。
【0081】しかし、実際には図7に示すように、エミ
ッタ径がゲート径20μmに比較的近い場合(14μm
以上)では、電流量の減衰率が小さい。このような領域
は、エミッタ層周辺部から放出した電子が膜近傍に存在
する絶縁層沿面にチャージアップして負の電位に帯電す
るため、実際よりも放出電流が抑制されるために生じる
ものである。一方、エミッタ径が14μm以下の場合で
は、エミッタ層周辺部から放出した電子は、絶縁層沿面
に入射しにくいため、ゲート径の減少とともに電流が急
峻に減衰する。エミッタ径が14μmの場合、開口沿面
に堆積するマスク材の膜厚は3μmとなる。従って、開
口部沿面上のマスク材の膜厚は、薄いほどより大きな放
出電流が得られるが、およそ3μm以下であればより良
好な特性を得ることができる。
【0082】なお、本発明の第1及び第2の実施例で
は、開口部内に堆積するカーボンナノチューブ層の膜厚
を1μmに設定したが、これ以外の値に設定することも
可能である。例えば、ゲート層と同等の高さまでカーボ
ンナノチューブ層を堆積させることもできる。ただし、
エミッタ層上面とゲート層下面との距離をh、ゲート径
をdとすると、h/dは0.2以上かつ4以下になるよ
うに設計することが望ましい。なお、エミッタ層の上層
は、図5に示すカーボンナノチューブ層7中の突出部を
除くベース膜で最も上部に位置する部分を意味する。
【0083】ゲート開口部内部に堆積したエミッタ層上
に印加される電界強度は、エミッタ層上面とゲート層下
面との距離h、ゲート径d、ゲート電圧及び陰極表面か
ら真空を介して配置されるアノードへの印加電圧(アノ
ード電圧)に依存する。平面画像装置の場合、アノード
は蛍光体により被覆され、電子が蛍光体に射突すること
によって発光を得ることができる。アノードに印加する
電圧は、蛍光体の種類すなわち発光効率にも依存する
が、通常1kV〜10kV程度である。図11で示した
ように、アノードとエミッタ層との電界がゲート層とエ
ミッタ層との電界よりも小さい場合は、エミッタ層表面
の等電位面は凸形状となる。この場合、ゲート電圧が最
も有効に働くのは開口部周辺である。
【0084】しかし、図12に示したように、ゲート径
を縮小し、h/dを大きくしていくと、ゲート開口部中
心部の電位が増加し、電位が均一になる。h/dの増加
は、開口部中心部の電位を相対的に周辺部の電位に近づ
けるという効果を持つが、低電圧動作を実現するにはh
/dを増加させるとともに、電位の絶対値も増加させる
必要がある。すなわち、エミッタ層上面とゲート層下面
との距離hの値をできる限り小さくすることが必須であ
る。この距離hを小さく設定することは原理的には可能
であるが、以下の理由で制約を受ける。
【0085】カーボンナノチューブ層表面から直立方向
に突出したナノチューブの長さはおよそ1μm程度であ
るため、ナノチューブとゲート電極の短絡を考慮する
と、ゲート電極の下面は少なくともカーボンナノチュー
ブ層上面から1μm以上離れた位置に配置しなければな
らない。従って、距離hの最小値は1μmとなる。ま
た、カーボンナノチューブは、その強い凝集力を反映し
て比較的大きな粒子が積み重なるようにして堆積される
ため、ゲート開口径が0.2μm以下になると、開口部
内への堆積速度が極端に小さくなる。従って、h/dは
5.0以下(1μm/0.2μm)に設定することが望
ましい。
【0086】一方、アノードとエミッタ層との電界がゲ
ート層とエミッタ層との電界よりも大きい場合は、エミ
ッタ層表面の等電位面は凹形状となる。つまり、開口部
中心部の電位が開口部周辺部に比べて相対的に大きくな
る。このような電位分布を取る場合には、開口部中心部
の電位がアノード電位に強く依存するため、ゲート電位
にて制御できない場合がある。つまり、ゲート電位がゼ
ロであっても開口部中心部のエミッタ層から電子放出が
生じることになる。平面画像装置では、色調、コントラ
スト等をゲート電圧による放出電流の変調によって行な
うため、このような電子放出は画像を形成する際に問題
となる。
【0087】しかし、凹型の電位分布は先述した凸型の
場合と同様に、h/dを大きくすることによって開口部
中心部の電位を相対的に周辺部の電界に近づけることが
できる。つまり、ゲート電圧で放出電流量制御が可能と
なる。例えば、アノード電圧が1kVから10kVまで
の範囲で、ゲート電放出電流制御が可能なh/dの値は
1以上である。ただし、本発明により製造された電界放
出型冷陰極は、エミッタ層上から直立したカーボンナノ
チューブの数密度が開口部周辺部に多く、これらのゲー
ト電極に近接したナノチューブが実効的なエミッション
サイトとして機能するため、アノード電位が高い場合で
も放出電流量をゲート電圧にて制御することが可能であ
る。この場合、h/dを0.5以上に設定することで放
出電流量の95%以上をゲート電位だけでコントロール
することが可能である。また、開口部内のエミッタ層を
中心部が窪んだ断面形状に加工することによって、ゲー
ト開口部周辺部の電子放出への寄与をより増加させるこ
とができる。この場合、h/dを0.2以上に設定する
ことで放出電流量の95%以上をゲート電位だけでコン
トロールすることが可能である。
【0088】以上述べたように、本発明により製造され
た電界放出型冷陰極は、ゲート開口部沿面をマスク材に
て被覆した状態でカーボンナノチューブの膜形成を行う
ため、ゲート層とエミッタ層間の絶縁性を劣化させるこ
とはない。また、マスク材の加工は、フォトリソグラフ
ィーを用いるため、メタルマスク等のマスク材では不可
能であった50μm以下の微細開口部を有する電界放出
型冷陰極への適用も可能である。さらに、絶縁層及びゲ
ート層の形成をエミッタ層形成前に行うため、カーボン
ナノチューブの凹凸による絶縁層薄膜化の制約を受ける
ことがない。従って、エミッタの微細化による高性能化
と高信頼性を同時に実現することができる。
【0089】また、エミッタ層形成を最終工程にて行う
ため、エミッタ層に及ぼすプロセスダメージの影響を低
減することができる。ただし、リフトオフを行う際にエ
ッチング溶液に浸されるため、カーボンナノチューブ表
面にエッチング溶液が被覆し、放出電流量を減少させる
場合がある。この場合には、電子放出を行う前に150
度以上の温度で熱処理を行うことにより電流量を増加さ
せることができる。
【0090】また、リフトオフ後にエミッタ層表面から
直立したカーボンナノチューブがエッチング溶液の表面
張力によって寝てしまう場合もある。この場合には、開
口部内のエミッタ層表面をラビングもしくは粘着シート
による剥離等を行い、カーボンナノチューブの直立配向
性を保持することも可能である。
【0091】さらに、本発明では開口部内底面のエミッ
タ層上に直立したカーボンナノチューブの数密度が中心
部よりも周辺部の方が多いため、ゲート電位による放出
電流の制御が容易であるという利点を有する。
【0092】〈第3の実施例〉図8は、本発明における
第3の実施例を示す平面画像装置の斜視図である。本発
明の実施例1で示した電界放出型冷陰極と同様なプロセ
スにより、ガラス基板1上に導電層2を膜厚が0.5μ
mになるようにストライプ状に形成し、その上層に酸化
膜もしくはポリイミド膜からなる絶縁層3を10μm堆
積する。
【0093】次に、ゲート層4を導電層2と直交するよ
うにストライプ状に形成し、交差する領域のゲート層4
及び絶縁層3の一部をエッチングして開口部を形成す
る。ここでは、ゲート層4及び絶縁層3の開口径を20
μmとした。
【0094】次に、ゲート開口部以外及び開口部沿面を
被覆するようにマスク材を本発明の第1の実施例で示し
たいずれかの方法によって形成する。その後、噴霧、ス
クリーン印刷、もしくは気相成長によって、カーボンナ
ノチューブ層7を1μm堆積する。ゲート開口底面以外
に堆積したカーボンナノチューブ層7は、マスク材をエ
ッチングし、リフトオフすることにより除去する。これ
により、RGBの各画素に対応する電子放出部が形成さ
れる。なお、ここでは本発明の第1の実施例による方法
にてエミッタ形成を行ったが、本発明の第2の実施例に
よる方法及びエミッタ材料の再付着を抑制する方法を2
つ以上組み合わせてエミッタ形成を行ってもよい。
【0095】以上のようにエミッタを形成したガラス基
板と対向する位置に、真空を介してRGBの各蛍光体を
ストライプ状に塗布したガラス基板を配置し、任意画素
をアドレス駆動させることによって平面画像装置を形成
することができる。
【0096】なお、上述する実施例は本発明の好適な実
施形態であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変形して実施することが可能である。例えば、上
述した実施例では、エミッタ材料としてカーボンナノチ
ューブを例に説明したが、これ以外のエミッタ材料を適
用しても本発明の効果を達成することが可能である。例
えば、モリブデン、タングステン、シリコン、シリコン
カーバイド、ボロンナイトライド等の金属、半導体、さ
らにこれらの化合物等からなるチューブ状物質、もしく
はフラーレン、ナノカプセル、ナノホーン等のナノ構造
を有するカーボン材料、さらにはこれらを混合した複合
材料を用いることもできる。
【0097】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、エミッタ層表面へのプロセスダメージを軽減
すると同時に絶縁層膜厚及び開口径の微細化を行い、高
性能でかつ信頼性の高い電界放出型冷陰極及びその製造
方法並びに電界放出型冷陰極を備えた平面画像装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である電界放出型冷陰極
の製造方法を示す断面構造図である。
【図2】マスク材の堆積方法の実施例を示す断面構造図
である。
【図3】本発明の第2の実施例である電界放出型冷陰極
の製造方法を示す断面構造図である。
【図4】リフトオフ時にエッチング溶液に浸された基板
を示す模式図である。
【図5】本発明により製造した電界放出型冷陰極の断面
構造図である。
【図6】本発明により製造された電界放出型冷陰極のエ
ミッション特性を示すグラフである。
【図7】本発明により製造された電界放出型冷陰極の放
出電流量における開口部内にエミッタ径依存性を示すグ
ラフである。
【図8】本発明の第3の実施例である平面画像装置の概
略構成を示す斜視図である。
【図9】従来例1の電界放出型冷陰極の製造方法を説明
する断面構成図である。
【図10】従来例2の電界放出型冷陰極の製造方法を説
明する断面構成図である。
【図11】電界放出型冷陰極のエミッタ近傍の等電位面
を示す断面構成図である。
【図12】ゲート開口部内の中心及び周辺の電界強度の
ゲート径依存性を示すグラフである。
【図13】メタルマスクにてカーボンナノチューブ層を
堆積した電界放出型冷陰極の断面構造図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 導電層 3 絶縁層 4 ゲート層 5 ゲート開口 6 マスク材 7 エミッタ層

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された導電層上に絶縁層及
    びゲート層を順次形成する絶縁層/ゲート層形成工程
    と、 前記ゲート層及び前記絶縁層の一部に開口部を形成する
    開口部形成工程と、 前記開口部沿面をマスク材で被覆する被覆工程と、 前記開口部形成工程により露出した前記導電層及び前記
    被覆工程により被覆された前記マスク材の上層に複数の
    チューブ状物質からなるエミッタ材料を堆積する堆積工
    程と、 前記マスク材と該マスク材の上層に堆積した前記エミッ
    タ材料とを除去する除去工程と、を有し、 前記開口部底面に残存した前記エミッタ材料によりエミ
    ッタ層を形成することを特徴とする電界放出型冷陰極の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記開口部沿面上のマスク材の膜厚は、
    0.1μm以上かつ3.0μm以下に設定することを特
    徴とする請求項1記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マスク材は、感光性材料からなり、 前記被覆工程は、フォトリソグラフィーにより、前記開
    口部沿面をマスク材で被覆することを特徴とする請求項
    1または2記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記被覆工程は、 前記ゲート層の膜厚をtg、前記絶縁層の膜厚をti、
    前記開口部の直径をdとするとき、前記基板とマスク材
    粒子の堆積方向とのなす角θが、 tg/d<tanθ<(tg+ti)/dを満たし、か
    つ、 前記基板面に対して前記開口部の中心近傍からの垂線を
    軸として、前記基板を回転させながら前記開口部沿面を
    マスク材で被覆することを特徴とする請求項1から3の
    いずれか1項に記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記マスク材は、少なくとも2層以上か
    らなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項
    に記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記堆積工程は、少なくとも、噴霧法、
    スクリーン印刷法、電気泳動法、気相成長法のいずれか
    の方法により前記エミッタ材料を堆積することを特徴と
    する請求項1から5のいずれか1項に記載の電界放出型
    冷陰極の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記除去工程は、 前記マスク材をエッチングすると同時に該マスク材の上
    層に堆積された前記エミッタ材料をリフトオフすること
    で除去することを特徴とする請求項1から6のいずれか
    1項に記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記エッチング工程は、 前記エミッタ材料の堆積面を下向きにした前記基板をエ
    ッチング溶液中に浸し、該基板の法線と液面とのなす角
    が45度以上かつ90度以下となるように配置してエッ
    チングすることを特徴とする請求項1から7のいずれか
    1項に記載の電界放型冷陰極の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記エッチング工程は、 前記基板における前記エミッタ材料の堆積面と対向する
    方向から磁場をかけながらエッチングすることを特徴と
    する請求項8記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記エッチング工程は、 エッチング溶液を攪拌もしくは超音波分散しながらエッ
    チングすることを特徴とする請求項8または9記載の電
    界放出型冷陰極の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記エミッタ層は、 カーボンナノチューブからなることを特徴とする請求項
    1から10のいずれか1項に記載の電界放出型冷陰極の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 絶縁層上にゲート電極層を設け、前記
    絶縁層及び前記ゲート電極層の開口部内に複数のチュー
    ブ状物質からなるエミッタ層を設けた電界放出型冷陰極
    において、 前記エミッタ層の表面から直立した前記チューブ状物質
    の数密度は、前記開口部中心よりも周辺の方が高いこと
    を特徴とする電界放出型冷陰極。
  13. 【請求項13】 絶縁層上にゲート電極層を設け、前記
    絶縁層及び前記ゲート電極層の開口部内に複数のチュー
    ブ状物質からなるエミッタ層を設けた電界放出型冷陰極
    において、 前記エミッタ層と前記絶縁層沿面とは、一定の距離を隔
    てて配置されていることを特徴とする電界放出型冷陰
    極。
  14. 【請求項14】 絶縁層上にゲート電極層を設け、前記
    絶縁層及び前記ゲート電極層の開口部内に複数のチュー
    ブ状物質からなるエミッタ層を設けた電界放出型冷陰極
    において、 前記エミッタ層と前記絶縁層沿面とは一定の距離を隔て
    て配置され、 かつ、 前記エミッタ層の膜厚は、前記開口部中心よりも周辺の
    方が大きいことを特徴とする電界放出型冷陰極。
  15. 【請求項15】 前記エミッタ層と前記絶縁層沿面と
    は、0.1μm以上かつ3.0μm以下の距離を隔てて
    配置されていることを特徴とする請求項13または14
    記載の電界放出型冷陰極。
  16. 【請求項16】 前記エミッタ層上面と前記ゲート電極
    層下面との距離をh、ゲート径をdとするとき、 h/dは、0.2以上かつ5.0以下であることを特徴
    とする請求項12から15のいずれか1項に記載の電界
    放出型冷陰極。
  17. 【請求項17】 前記エミッタ層は、 カーボンナノチューブからなることを特徴とする請求項
    12から16のいずれか1項に記載の電界放出型冷陰
    極。
  18. 【請求項18】 請求項12から請求項17のいずれか
    1項に記載の前記電界放出型冷陰極を備えたことを特徴
    とする平面画像装置。
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