JP2006201046A - 電子線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 照射窓を通過する際における電子線のロスを小さくし、効率よく電子線を取り出すことができる電子線照射装置を提供する。
【解決手段】 X方向に搬送される被照射物50に向けて電子線14を照射する。X方向に伸びていると共に両端が支持されて同一平面上かつY方向に並べて配置された複数のフィラメント6に対して略平行に配置されて、フィラメント6から放出された電子を電子線として引き出す引出し電極32を備える。X方向に並列に配置される複数の長手窓28、30に仕切る長手桟22を有し、前記引出し電極32から引き出された電子線14を透過させて照射雰囲気中で取り出す照射窓16を備える。Z方向最上流側の引出し電極は、前記長手窓28、30とZ方向に対応する部位がフィラメント6側に突出する曲面を有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電子線を被照射物に照射して、被照射物の架橋、改質、硬化、殺菌、その他の表面処理に用いられる電子線照射装置に関し、より具体的には、フィラメントから電子線を引出す引出し電極の改良に関する。
この種の従来の電子線照射装置の一例を示す概略断面図を図5に示す。なお、これとほぼ同様の構造をした電子線照射装置が特許文献1の図3に記載されている。
図5において、この電子線照射装置は、電子線14を走査しない非走査型(またはエリア型)と呼ばれ、被照射物50が搬送される方向(X方向)に相対的に短く、このX方向と直交するY方向に相対的に長い平面形状(例えば矩形状)の電子線14を発生させる装置である。なお、Y方向は照射幅方向とも呼ばれる。
この電子線照射装置は、Y方向に長く矩形状の開口部を有する筒状の真空容器2と、この真空容器2の中に収納されていてY方向に長い筒状のシールド電極4と、さらにこのシールド電極4の中に収納されている電子源5と、真空容器2の開口部に設けられて電子源5から放出された電子線を照射雰囲気中へ取り出す照射窓16とを有している。
電子源5は、電子を放出するフィラメント6と、フィラメント6から放出された電子を電子線14として引き出す引出し電極12とを有しており、これらはいずれもシールド電極4の中に配置されている。なお、シールド電極4及び引出し電極12は互いに同電位にされ、それらと各フィラメント6との間には、フィラメント6側を負極にして、電子線14の引き出し用の引出し電圧Veが印加される。この引出し電圧Veを調整することにより、電子線14の発生量を調整している。なお、各フィラメント6とシールド電極4との間には、フィラメント6から放出された電子を引出し電極12側へ押し戻す作用をするリフレクタ10を設ける場合がある。
照射窓16は、真空容器2の開口部に沿って設けられた窓枠18と、真空領域と照射雰囲気とを分離するものであって、真空容器2の開口部を塞ぐ窓箔20と、この窓箔20を窓枠18に固定する押さえ枠26とを有している。
照射窓16は、多量の電子線14を取り出すために電子線密度を高くすると窓箔20の冷却が困難となるので、X方向の開口長さを大きくすることにより開口領域を広くする必要がある。しかし、X方向の開口長さが大きくなると、熱抵抗により窓箔20のX方向の中央付近の温度が上昇してしまうと共に窓箔20の機械的強度が小さいという問題がある。これらの問題を解決するために、照射窓16のX方向のほぼ中央部に(以下、「X方向の中央部」を単に「中央部」と称する。)、Y方向に伸びる(Y方向に長い)長手桟22が配置されている。このように、Y方向に伸びる長手桟22を照射窓16のX方向のほぼ中央部に設けることによって、照射窓16のX方向の開口長さを広げている。また、長手桟22は、Y方向に伸びることによって、X方向に複数の長手窓28、30が形成されるように照射窓16を仕切っている。なお、この長手桟22は中央桟と呼ばれることもある。さらに、この長手桟22には、この例のように冷却水路24が形成されている場合もあり、この場合には冷却桟22と呼ばれることもある。
窓箔20は、真空容器2と同電位にされ、引出し電極12等との間には、引出し電極12等の側を負極にして、電子線14の加速用の加速電圧Vaが印加される。
このようにして、電子源5から引き出されかつ加速された電子線14は、窓箔20を透過して真空容器2外(照射雰囲気中)に取り出され、X方向に搬送される被照射物50に向けて照射され、被照射物50の改質等の処理に供される。
ここで、電子源5と照射窓16との位置関係について、図6を参照しつつ説明する。図6は、図5の電子線照射装置のフィラメント6、引出し電極12及び照射窓16の概略を示す斜視図である。
図6において、X方向に直線状に伸びる複数本のフィラメント6が、同一平面上でY方向に複数本並べて配置されている。この複数本の各フィラメント6は、互いに電気的に並列接続されており、給電導体8によって両端部6bが支持されると共にこの給電導体8を経由してフィラメント変圧器(図示せず)から加熱用のフィラメント電力が供給される。
引出し電極12は、Y方向に長い長方形の板状部材であって多数の孔13を有しており、同一平面上に配置された複数本のフィラメント6に対して略平行(平行を含む)かつ電子線14引出し方向(Z方向)の下流側に配置されている。
照射窓16は、同一平面上に配置された複数本のフィラメント6とZ方向に対応する部位に設けられている。また、長手桟22は、フィラメント6のほぼ中央部とZ方向に対応する部位に配置されると共に、Y方向に伸びている。なお、「フィラメント6のほぼ中央部とZ方向に対応する部位」とは、フィラメント6の中央部を通過するZ方向の仮想線L1が照射窓16と交差する部位を意味する。
また、特許文献1の図4に開示されるように、電子線の引出し方向Zに互いに間をあけて配置された2枚の引出し電極を有する電子線照射装置の例もある。この場合、2枚の引出し電極は、互いに同じ構造をしており、電気的に同電位に結合されている。
特開2003−4898号公報(段落0002〜0008、図3、図4)
図5及び図6を参照しつつ説明した電子線照射装置並びに特許文献1の図3に記載の電子線照射装置における課題について、図7を参照しつつ説明する。図7は、(a)が従来の電子線照射装置の一例を示す概略断面図、(b)が(a)の電子線照射装置において電子線14が照射窓16を通過する前後の電子線量分布を示す概略図である。
図7(b)において、照射窓16を通過する前、即ち、窓箔20を透過する前の電子線14の線量は、照射窓16のほぼ中央部において最も大きくなる。これは、フィラメント6の両端が給電導体8(図6参照)によって支持されていることによって温度が低くなり、一方、フィラメント6の中央部は支持されるものがないため温度が高くなることによるものである。即ち、フィラメント6の熱分布(電子流分布)は、両端が低く中央部が高い一山型となり、温度が高いフィラメント6の中央部では放出される電子量が増加する。これにより、照射窓16を通過(即ち、窓箔20を透過)前の電子線量分布は、照射窓16のほぼ中央部において最も大きい一山型となる。
しかしながら、フィラメント6の熱分布(電子流分布)が最大値となるフィラメント6の中央部は、前述のとおり、開口されていない照射窓16の中央部(即ち、長手桟22が配置されている部位)とZ方向に対応する。従って、照射窓16を通過した後の電子線量分布は、冷却桟22が配置されている部位の電子線量が小さい二山型となる。その結果、照射窓16を通過する際における電子線14のロス(図7(b)中に示す領域G)が大きくなり、効率よく照射雰囲気中に電子を取り出すことが出来ないといった課題がある。なお、このような課題は、長手桟22が、フィラメント6の中央部6aとZ方向に対応する場合に限られず、フィラメント6の両端部6bから離れた中央部6aでない部位に設けられている場合にも生じ得る。さらに、このような場合には、複数の長手桟22が設けられている場合も考え得る。
そこで、この発明は、照射窓を通過する際における電子線のロスを小さくし、効率よく照射雰囲気中に電子線を取り出すことができる電子線照射装置を提供することを主たる目的としている。
この発明において、以下の特徴は単独で、若しくは、適宜組合わされて備えられている。前記課題を解決するためのこの発明に係る電子線照射装置は、照射幅方向に対して交差する方向に搬送される被照射物に向けて電子線を照射する電子線照射装置において、電子を放出するものであって、被照射物が搬送される方向に伸びていると共に両端が支持されて同一平面上かつ照射幅方向に並べて配置された複数のフィラメントと、前記同一平面上に配置された複数のフィラメントに対して略平行に配置され、前記フィラメントから放出された電子を電子線として引き出す引出し電極と、被照射物が搬送される方向に並列に配置される複数の長手窓に仕切る長手桟を有し、前記引出し電極から引き出された電子線を透過させて照射雰囲気中に取り出す照射窓とを備え、前記引出し電極は互いに同電位のものが電子線の引出し方向に1段以上配置されており、電子線引出し方向最上流側の引出し電極が、被照射物が搬送される方向に前記長手窓の数と同数の電極片に分割され、前記電極片は、照射幅方向に見た断面において前記長手窓と電子線の引出し方向に対応する部位が前記フィラメント側に突出する曲面を有することを特徴とする。
上記構成によれば、長手窓とZ方向に対応する電極片の部位がフィラメント側に突出(この突出している部位を「電極片の突出部」と呼ぶ)しているので、電極片の突出部とフィラメントとの距離が小さくなり、両者間の引出し電界が強くなって、長手窓とZ方向に対応するフィラメントの部位から放出される電子を引き出しやすくなる。また、電極片は、Y方向に見た断面において長手窓とZ方向に対応する部位が曲面を有しているので、電極片の近傍における加速電界が、かかる曲面に沿った等電位面を形成する。従って、フィラメントから放出された電子は、この等電位面に対して直交する方向に加速され、電子線として長手窓に向かう方向に収束される。
この発明に係る電子線照射装置は、照射幅方向に対して交差する方向に搬送される被照射物に向けて電子線を照射する電子線照射装置において、電子を放出するものであって、被照射物が搬送される方向に伸びていると共に両端が支持されて同一平面上かつ照射幅方向に並べて配置された複数のフィラメントと、前記同一平面上に配置された複数のフィラメントに対して略平行に配置され、前記フィラメントから放出された電子を電子線として引き出す引出し電極と、被照射物が搬送される方向に並列に配置される複数の長手窓に仕切る長手桟を有し、前記引出し電極から引き出された電子線を透過させて照射雰囲気中に取り出す照射窓とを備え、前記引出し電極は互いに同電位のものが電子線の引出し方向に1段以上配置されており、電子線引出し方向最上流側の前記引出し電極は、前記長手窓の数と同数であって、照射幅方向に見た断面において前記長手窓と電子線の引出し方向に対応する部位が前記フィラメント側に突出する曲面を有していることを特徴とする。
上記構成によれば、長手窓とZ方向に対応する引出し電極の部位がフィラメント側に突出(この突出している部位を「引出し電極の突出部」と呼ぶ)しているので、引出し電極の突出部とフィラメントとの距離が小さくなり、両者間の引出し電界が強くなって、長手窓とZ方向に対応するフィラメントの部位から放出される電子を引き出しやすくなる。また、引出し電極は、Y方向から見た断面において長手窓とZ方向に対応する部位が曲面を有しているので、引出し電極の近傍における加速電界が、かかる曲面に沿った等電位面Eとなる。従って、フィラメントから放出された電子は、等電位面Eに対して直交する方向に加速され、電子線として長手窓に向かう方向に収束される。
請求項1に記載の発明によれば、長手窓とZ方向に対応するフィラメントの部位から放出される電子を引き出しやすくなるので、照射窓を通過する前の電子線量分布が、長手窓において大きい多山型となる。即ち、長手窓に対応した山型ができ、例えば長手窓の数が2つであれば二山型の電子線量分布となる。従って、照射窓を通過する際における電子線のロスを小さくし、効率よく電子を取り出すことが可能となる。しかも、フィラメントから放出された電子は、電子線として長手窓に向かう方向に収束されるので、更なる電子線のロスを小さくすることが可能となる。加えて、引出し電極は長手窓の数と同数の電極片に分割されているので容易に加工できる。
請求項2に記載の発明によれば、長手窓とZ方向に対応するフィラメントの部位から放出される電子を引き出しやすくなるので、照射窓を通過する前の電子線量分布が、長手窓において大きい多山型となる。即ち、長手窓に対応した山型ができ、例えば長手窓の数が2つであれば二山型の電子線量分布となる。従って、照射窓を通過する際における電子線のロスを小さくし、効率よく電子線を取り出すことが可能となる。しかも、フィラメントから放出された電子は、電子線として長手窓に向かう方向に収束されるので、更なる電子線のロスを小さくすることが可能となる。
図1は、この発明に係る電子線照射装置の一例を示す概略断面図であって、1段の引出し電極32を備えている。図2は、図1の電子線照射装置のフィラメント6、引出し電極32及び照射窓16の概略を示す斜視図である。図3は、(a)がこの発明に係る電子線照射装置の一例を示す概略断面図、(b)が(a)の電子線照射装置において電子線14が照射窓16を通過する前後の電子線量分布を示す概略図である。なお、図5〜図7に示した従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明する。
図1において、この電子線照射装置は、従来例における引出し電極12に代わる引出し電極32を備えており、この引出し電極32には従来例と同様にして引出し電圧Ve及び加速電圧Vaが印加される。ここで、引出し電極32は、1段のみ配置されていると共に長手窓28、30の数と同じ数の電極片にX方向に分割されている。本実施形態においては、電極片の数は2枚であり、この2枚の電極片を第1電極片34及び第2電極片36と呼ぶ。ただし、この2枚の電極片34、36は同電位に結合されており、引出し電極32は、電気的には全体としてみれば1枚の電極として働く。
図2において、第1電極片34及び第2電極片36には、長手窓28、30に向けて貫通する孔35、37が、それぞれ、形成されている。なお、図2では、便宜上、孔35、37の数を制限して図示しているが、実際には更に多数の孔35、37が形成されている。
図2に図示されるように、第1電極片34は半円筒形状に加工されている。より具体的に言えば、第1電極片34のX方向のほぼ中央部34aがフィラメント6側に突出すると共に、Y方向から見た断面において長手窓28とZ方向に対応する部位が曲面R1を有している。即ち、第1電極片34はX方向に曲がる曲面R1を有していることを意味する。また、第1電極片34のX方向の直線幅A1は、フィラメント6のX方向の長さBの約2分の1の長さとなっている。ここで、第1電極片34のX方向のほぼ中央部34aは、長手窓28のX方向のほぼ中央部28aと対応する部位である。なお、「中央部28aと対応する部位」とは、中央部28aとZ方向に対応する部位を意味する。
第2電極片36は、第1電極片34と同様に半円筒形状に加工されており、X方向のほぼ中央部34aがフィラメント6側に突出すると共に、第1電極片34と同様に、Y方向矢視において長手窓30とZ方向に対応する部位が曲面R2を有している。即ち、第2電極片36はX方向に曲がる曲面R2を有していることを意味する。また、第2電極片36のX方向の直線幅A2は、フィラメント6のX方向の長さBの約2分の1の長さとなっている。即ち、引出し電極32のX方向の長さ(A1+A2)とフィラメント6のX方向の長さBとが同じであることを意味する。また、第2電極片36のX方向のほぼ中央部36aは、長手窓30のX方向のほぼ中央部30aと対応する部位である。なお、「中央部30aと対応する部位」とは、中央部30aとZ方向に対応する部位を意味する。
また、フィラメント6のほぼ中央部6aと引出し電極32(第1電極片34と第2電極片36との境界部38)とのZ方向の距離は、第1電極片34のほぼ中央部34aとフィラメント6とのZ方向の距離及び第2電極片36のほぼ中央部36aとフィラメント6とのZ方向の距離と比して大きい。換言すれば、第1電極片34のほぼ中央部34aとフィラメント6とのZ方向の距離及び第2電極片36のほぼ中央部36aとフィラメント6とのZ方向の距離は、いずれも、フィラメント6のほぼ中央部6aと引出し電極32とのZ方向の距離と比して小さい。
なお、前述したように、長手窓28と長手窓30との間には冷却桟22が設けられており、この冷却桟22は、Y方向に伸びている。また、冷却桟22とフィラメント6のほぼ中央部6aとがZ方向に対応する。即ち、フィラメント6の中央部6aを通過するZ方向の仮想線L1は、第1電極片34と第2電極片36との境界部38及び冷却桟22と交差することとなる。
次に、本実施形態の電子線照射装置における作用効果について、図3を参照しつつ説明する。
図3(b)において、電子線14が照射窓16を通過する前の電子線量分布は、冷却桟22とZ方向に対応する部位において電子線量が小さくなる二山型となる。これは、長手窓28、30のほぼ中央部28a、30aとZ方向に対応する第1電極片34及び第2電極片36と、フィラメント6との距離が小さくなるからである。これにより、前述した引出し電圧Veによる電子の引出し電界が強くなり、長手窓28、30とZ方向に対応するフィラメント6の部位から放出される電子を引き出しやすくなる。従って、照射窓16を電子線14が通過する際(即ち、窓箔20を電子線14が透過する際)における電子線14のロスを小さくし、効率よく電子線を取り出すことにより、照射効率を上げることが可能となる。しかも、フィラメント6から放出された電子は、電子線14として長手窓28、30に向かう方向に収束されるので、冷却桟22とZ方向に対応する部位に向かう電子線量が小さくなり、その効果は顕著となる。
また、本実施形態における引出し電極32は、第1電極片34と第2電極片36とに分割されているので、それぞれの電極片34、36が1つずつの曲面R1、R2を有するように曲げ加工を行えば良いので、容易に加工することができる。
次に、この発明に係る電子線照射装置の他の例について、図4を参照しつつ説明する。図4は、この発明に係る他の例の電子線照射装置のフィラメント6、引出し電極39及び照射窓16の概略を示す斜視図である。この電子線照射装置は、図1に図示される引出し電極32に代えて引出し電極39を備えている。なお、以下においては、前記実施形態との相違点を主体に説明する。
図4において、引出し電極39は1枚の板状部材を加工することにより、フィラメント6側に突出すると共に、X方向に曲がる曲面が形成された2つの曲面R3、R4を有している。これらの曲面R3、R4の中心部は、それぞれ、長手窓28、30の中央部28a、30aと対応している。また、引出し電極39には、長手窓28、30に向けて貫通する孔40が形成されている。なお、「中央部28a、30aと対応する部位」とは、中央部28a、30aとZ方向に対応する部位を意味する。即ち、各曲面R3、R4のそれぞれの中心部を通過するZ方向の仮想線L2、L3は、それぞれ、長手窓28、30の中心部と交差することとなる。
また、フィラメント6のほぼ中央部6aと引出し電極39とのZ方向の距離は、フィラメント6と引出し電極39の曲面R1、R2が形成されている部位とのZ方向の距離よりも大きい。また、フィラメント6の中央部6aを通過するZ方向の仮想線L1は冷却桟22と交差するので、電子線14が照射窓16を通過する前の電子線量分布は、図3(b)に図示される照射窓16を通過する前の電子線量分布と同様に、冷却桟22とZ方向に対応する部位において電子線量が小さくなる二山型となる。従って、照射窓16を電子線14が通過する際における電子線14のロスを小さくし、効率よく電子を取り出すことにより、照射効率を上げることが可能となる。しかも、フィラメント6から放出された電子は、電子線14として長手窓28、30に向かう方向に収束されるので、冷却桟22とZ方向に対応する部位に向かう電子線量が小さくなり、その効果は顕著となる。
なお、本実施形態では、1段の引出し電極を備えた電子線照射装置について説明したが、これに限るものではない。例えば、Z方向に2段の引出し電極又は3段の引出し電極を備えた電子線照射装置についても、この発明を適用することができる。この場合、少なくともZ方向の最上流側(即ち、フィラメント6に最も近い側)の引出し電極が、フィラメント6側に突出する曲面を有していれば良い。ただし、Z方向の最上流側の引出し電極がフィラメント6側に突出する曲面を有していれば、この引出し電極よりもZ方向の下流側の引出し電極がフィラメント6側に突出する曲面を有する態様を排除するものではない。なお、引出し電極が1段の場合、この引出し電極がZ方向最上流側の引出し電極となる。
また、本実施形態において、照射窓16が長手桟22によってX方向に二つの長手窓28、30に仕切られているが、長手窓の数が三つ以上となるように仕切られていても良い。このとき、フィラメント6側に突出する曲面の数は、長手窓の数と同数であることが好ましい。即ち、引出し電極が複数の電極片に分割されている場合であれば、1つの曲面を有する電極片を長手窓の数と同数だけ有し、一つの引出し電極が複数の曲面を有する場合であれば、長手窓の数と同数の曲面を有する。
また、本実施形態では、Y方向に対して直交するX方向に被照射物50が搬送されているが、被照射物が搬送される方向は必ずしも直交する方向には限られず、Y方向に万遍なく電子線を照射させることができる方向であれば良い。
また、本実施形態では、二つの長手窓28、30がX方向に並べて形成されているが、長手窓の数はこれに限られない。この場合、引出し電極は、長手窓の数と同数の曲面を有していることが好ましい。
さらに、長手窓28、30は、さらに小さくY方向に仕切られていても良い。この場合、引出し電極の形状は、Y方向の仕切りの有無に影響されるものではなく、長手窓28、30とZ方向に対応する曲面を有していれば良い。
また、本実施形態では、1つの曲面を有する2つの電極片を有する引出し電極32の例と、2つの曲面を有する1枚の引出し電極39の例とについて説明したが、長手窓の数が3つ以上の場合には、1つの曲面を有する電極片と複数個の曲面を有する電極片とを組み合わせた引出し電極であっても良い。
また、第1電極片34、第2電極片36及び引出し電極39のそれぞれが有する曲面R1〜R4の形状は特定の形状に限定されるものではなく、フィラメント6との距離が大きい部位と小さい部位とを有し、かつフィラメント6から放出された電子が長手窓28、30に向けて収束する形状であれば良い。例えば、Y方向矢視において一定の曲率半径を有している曲面(即ち、Y方向矢視において真円を描く弧の一部となる曲面)、又はY方向矢視において複数の曲率半径を有している曲面(即ち、Y方向矢視において楕円を描く弧の一部となる曲面)等が考えられる。
この発明に係る電子線照射装置の一例を示す概略断面図である。 図1の電子線照射装置のフィラメント、引出し電極及び照射窓の概略を示す斜視図である。 (a)はこの発明に係る電子線照射装置の一例を示す概略断面図、(b)は(a)の電子線照射装置において電子線が照射窓を通過する前後の電子線量分布を示す概略図である。 この発明に係る他の例の電子線照射装置のフィラメント、引出し電極及び照射窓の概略を示す斜視図である。 従来の電子線照射装置の一例を示す概略断面図である。 図5の電子線照射装置のフィラメント、引出し電極及び照射窓の概略を示す斜視図である。 (a)は従来の電子線照射装置の一例を示す概略断面図、(b)は(a)の電子線照射装置において電子線が照射窓を通過する前後の電子線量分布を示す概略図である。
符号の説明
6 フィラメント
14 電子線
16 照射窓
22 冷却桟(長手桟)
28、30 長手窓
32 引出し電極
34 第1電極片
36 第2電極片
39 引出し電極
R1 第1電極片の曲面
R2 第2電極片の曲面
R3 引出し電極の第1曲面
R4 引出し電極の第2曲面

Claims (2)

  1. 照射幅方向に対して交差する方向に搬送される被照射物に向けて電子線を照射する電子線照射装置において、
    電子を放出するものであって、被照射物が搬送される方向に伸びていると共に両端が支持されて同一平面上かつ照射幅方向に並べて配置された複数のフィラメントと、
    前記同一平面上に配置された複数のフィラメントに対して略平行に配置され、前記フィラメントから放出された電子を電子線として引き出す引出し電極と、
    被照射物が搬送される方向に並列に配置される複数の長手窓に仕切る長手桟を有し、前記引出し電極から引き出された電子線を透過させて照射雰囲気中に取り出す照射窓とを備え、
    前記引出し電極は互いに同電位のものが電子線の引出し方向に1段以上配置されており、
    電子線引出し方向最上流側の引出し電極が、被照射物が搬送される方向に前記長手窓の数と同数の電極片に分割され、
    前記電極片は、照射幅方向に見た断面において前記長手窓と電子線の引出し方向に対応する部位が前記フィラメント側に突出する曲面を有することを特徴とする電子線照射装置。
  2. 照射幅方向に対して交差する方向に搬送される被照射物に向けて電子線を照射する電子線照射装置において、
    電子を放出するものであって、被照射物が搬送される方向に伸びていると共に両端が支持されて同一平面上かつ照射幅方向に並べて配置された複数のフィラメントと、
    前記同一平面上に配置された複数のフィラメントに対して略平行に配置され、前記フィラメントから放出された電子を電子線として引き出す引出し電極と、
    被照射物が搬送される方向に並列に配置される複数の長手窓に仕切る長手桟を有し、前記引出し電極から引き出された電子線を透過させて照射雰囲気中に取り出す照射窓とを備え、
    前記引出し電極は互いに同電位のものが電子線の引出し方向に1段以上配置されており、
    電子線引出し方向最上流側の前記引出し電極は、前記長手窓の数と同数であって、照射幅方向に見た断面において前記長手窓と電子線の引出し方向に対応する部位が前記フィラメント側に突出する曲面を有していることを特徴とする電子線照射装置。
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