JP5110190B2 - 電界放出型冷陰極 - Google Patents

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Description

本発明は、平面画像装置、CRT、電子顕微鏡、電子ビーム露光装置および各種電子ビーム装置の電子源として利用することが可能な電界放出型冷陰極に関するものである。
近年、カーボンナノチューブは電界放出型冷陰極のエミッタ材料としてその応用が期待されている。カーボンナノチューブは炭素原子が規則的に配列したグラフェンシートを螺旋状に丸めた中空の円筒であり、その外径はnmオーダーで長さは0.5μmから数10μmの極めてアスペクト比の高い微小な物質である。そのため、先端部分には電界が集中しやすく高い放出電流密度が期待される。また、カーボンナノチューブは化学的、物理的安定性が高いという特徴を有するため、動作真空中の残留ガスの吸着やイオン衝撃等に対して影響を受け難いことが予想される。
カーボンナノチューブを電界放出型冷陰極のエミッタ材料として用いた電子線源は既に各種のものが提案されている。図15は、特開平9−221309号公報(特許文献1)にて開示された電界放出型冷陰極の断面図である。カーボンナノチューブを用いたエミッタ層3は炭素質基板11上にイオンを照射することによって形成され、カーボンナノチューブ層形成領域を取り囲むように、導電層4、絶縁層2および導電層4が積層され、そして上側の導電層4上には電子線引き出し用のグリッド10が配置される。グリッド10は銅製のメッシュからなり、開口部の上部を覆うように配置される。カーボンナノチューブの外径は2から50nmで、その長さは0.01μmから5μmであることが記載されている。絶縁層膜厚やエミッタ径に関する記述はないが、グリッド10にカーボンナノチューブ層に対して、500Vの正の電位を印加すると、カーボンナノチューブ層(3)から電子が放出され、アノード電極6に10mAのエミッション電流が検出されると記載されている。
図16は、特開2000−141056号公報(特許文献2)にて開示された電界放出型冷陰極の断面図である。平坦な導電層4の形成された基板5上に接着性カーボンナノチューブからなるエミッタ層3が形成される。カーボンナノチューブ層(3)を囲むように絶縁層2が形成され、その上にはゲート層1が配置される。ここでは、ゲート層1の開口径が絶縁層2の開口径よりも小さく形成されていて、カーボンナノチューブ層(3)の周辺部はゲート層1に対向し、その中央部はアノード電極6に対向している。カーボンナノチューブ層(3)に対してゲート層1およびアノード電極6に正の電位を印加することにより、カーボンナノチューブ層(エミッタ層3)から電子が引き出され、そのうちの一部がアノード電極6に流入する。
図17は、特開2000−340098号公報(特許文献3)にて開示された電界放出型冷陰極の断面図である。導電性基板もしくは導電層4の形成された基板5上に粉砕等の手段によって短く加工されたカーボンナノチューブからなるエミッタ層3が形成される。エミッタ層3上には、エミッタ層3の一部が露出するように開口部が形成された、絶縁層2とゲート層1が積層されている。この例では、ゲート層1の開口径が絶縁層2の開口径と同一になされている。駆動方法は先に示した冷陰極と同様である。また、このような電界放出型冷陰極をガラス基板上に2次元的に配置し、蛍光体を塗布したガラス基板(アノード)とを対向させ、電界放出型冷陰極をアドレス駆動することにより平面画像装置を構成することができることが開示されている。
特開平9−221309号公報 特開2000−141056号公報 特開2000−340098号公報
エミッタを取り囲むように絶縁層およびゲート層(グリッド)が形成された電界放出型冷陰極では、エミッタからの放出電子量をゲート層とエミッタ間の電界によって制御することが可能である。ゲート層とエミッタ間の電界はゲートに加える電圧をその距離で割ったものにほぼ等しい。ゲートとエミッタ間の相対的な距離は絶縁層の膜厚と等価である。すなわち、絶縁層の膜厚(ゲートとエミッタ間の相対距離)が大きい場合は大きなゲート電圧を印加する必要があるが、絶縁層の膜厚(ゲートとエミッタ間の相対距離)が小さい場合は小さなゲート電圧で同一のエミッション電流を得ることができる。したがって、低電圧で駆動可能な電界放出型冷陰極を形成するにはゲート層もしくはグリッド等の引き出し電極をエミッタに近接させる必要がある。このような低電圧駆動化は、低消費電力化、ドライブ回路の小型化および低コスト化、ビーム広がりの抑制等の効果が得られるため、高性能な平面画像装置を形成する際には必須である。
しかしながら、カーボンナノチューブをエミッタに用いた電界放出型冷陰極ではエミッタとゲート層を近接させ、良好な電子放出特性を実現する際に、以下に述べる問題点があった。
第一の問題点はゲート層とエミッタ層の近接、すなわち絶縁層の薄膜化が困難であるということである。一般的なカーボンナノチューブの生成方法であるアーク放電法やレーザーアブレーション法によって得られるカーボンナノチューブは、外径はほぼ一定でnmオーダーであるが、その長さは0.5μmから100μmの様々な長さを有する。また、カーボンナノチューブは柔軟性に富んでいるため互いに絡みやすいという特徴をもつ。そのため、長さの大きなナノチューブが互いに絡み合うと、大きな糸屑のような形状になり、カーボンナノチューブ層の平坦性を低下させる要因になる。このようなカーボンナノチューブ層上に絶縁層およびゲート層を形成する場合、カーボンナノチューブ層と絶縁層との付着力が弱く、構造が不安定になりやすい。また、このような著しく凹凸のあるカーボンナノチューブ層上に薄膜化した絶縁層とゲート層を積層する場合、絶縁層の膜厚が不均一になり、絶縁不良による素子破壊の問題を生じる。特に、複数のエミッタを二次元的に配列した平面画像装置においては、局所的な絶縁破壊等によって特性が不均一になり、画像の不安定性やムラの要因となる。信頼性の高い特性を得るためには、絶縁層の膜厚を少なくても4μm以上にする必要がある。したがって、カーボンナノチューブ層上に絶縁層およびゲート層を順次堆積し、その後、絶縁層とゲート層の一部をエッチングして開口部を形成する電界放出型冷陰極の製造において、絶縁層を薄膜化してゲート電極とカーボンナノチューブ層を近接させるには限界があった。
第二の問題点は、エミッションの低効率化である。ゲート層およびグリッド等の引き出し電極によってエミッタから引き出された電子は、アノード電極の他にゲート電極にも流入する。アノード電極およびゲート層に流入するエミッション電流をそれぞれ、アノード電流とおよびゲート電流と定義すると、アノード電流とゲート電流の和に対するアノード電流の比率(エミッション効率)は高い方が良好な特性を得られることになる。例えば、平面画像装置ではアノード電極すなわち、蛍光板に電子を射突して発光を得るため、アノード電極により多くの電子を集めることにより発光効率を向上させることができる。一方、アノード電流に対してゲート電流が大きい場合には、デバイス内に不必要な電流を流さなければならないため、消費電力の増大や寿命の劣化等の問題を生じる。
図15に示した電界放出型冷陰極の場合には開口部全体を覆うようにグリッド10が形成されているために、大部分のエミッション電子はグリッド10に入ることになる。その結果、エミッション効率は10%以下で、極めて低い値を示す。また、図16に示す電界放出型冷陰極ではゲート層1の開口径が絶縁層2の開口径よりも小さいため、少なくともゲート層1の下方に配置されるエミッタ層3から放出した電子はすべてゲート層1に流れ込む。さらに、図17に開示される電界放出型冷陰極はゲート層1の開口径が絶縁層2の開口径と同一に設定されているため、図16に示される構造と比較して、エミッション効率は改善される。しかしながら、それでも開口部内周辺のエミッタ層3表面から放出した電子は、ゲート層1にその一部が入り込む。図18は、図17に示した素子の断面構造に等電位面の分布を加えた図である。ここでの等電位面は、平面画像装置を形成する際の典型的な印加電圧として、アノード電極に加える電圧(アノード電圧)が2kV、エミッタ層3に対してゲート層1に印加する電圧(ゲート電圧)が40V、アノード電極6とエミッタ層3との距離が2mm、開口径が50μm、絶縁層2の膜厚が10μmのときの計算結果である。アノード電極6とエミッタ層3との電界は1V/μmで、ゲート層1とエミッタ層3との電界は4V/μmとなる。したがって、開口部内の等電位面はアノード電極6方向に凸型になる傾向を示し、開口部周辺の電界は開口部中心よりもおよそ2倍程度大きくなる。この場合、エミッションは主に、開口部内周辺部からの寄与が支配的になる。また、開口部周辺のエミッタ層3表面から放出した電子は凸型の電位分布を反映して、よりゲート層1に飛び込みやすくなる。このように、ゲート層1の開口径が絶縁層2の開口径と同一の場合でも、放出電子はゲート層1の開口端に入り込みやすく、エミッション効率は50%以下になる。このようなエミッションの低効率化はゲート層1とエミッタ層3を近接させた場合に開口部周辺と中心の電界差がより大きくなるため、さらに低下する傾向を示す。
したがって、従来の電界放出型冷陰極および平面画像装置では、低電圧化および高効率化を同時に実現することが困難であった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、第1に、絶縁層の膜厚によらずに低電圧化を実現できるようにすることであり、第2に、低電圧化してもエミッション効率を高く維持できるようにすることである。
上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の開口が形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、中心が前記第1の開口の中心とほぼ一致し前記第1の開口の開口径以上の開口径を有する第2の開口が形成されたゲート電極層と、前記第1の開口内に形成されたエミッタ層とを有する電界放出型冷陰極において、前記エミッタ層は前記第1の開口の底面以外に前記第1の開口の側面にも形成されており、かつ、前記エミッタ膜上の任意の点は、その点からの最近接の前記ゲート電極層部分から絶縁物によって遮蔽され、かつ、前記絶縁層上の前記第2の開口の内側の領域内には、前記ゲート電極層の膜厚以上の膜厚を有する絶縁膜が形成されていることを特徴とする電界放出型冷陰極、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の開口が形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、中心が前記第1の開口の中心とほぼ一致し前記第1の開口の開口径以上の開口径を有する第2の開口が形成されたゲート電極層と、前記第1の開口内に形成されたエミッタ層とを有する電界放出型冷陰極において、前記エミッタ層は前記第1の開口の底面での膜厚が前記第1の開口の側面に向かうに連れて徐々に厚くなるように形成されており、かつ、前記エミッタ膜上の任意の点は、その点からの最近接の前記ゲート電極層部分から絶縁物によって遮蔽され、かつ、前記絶縁層上の前記第2の開口の内側の領域内には、前記ゲート電極層の膜厚以上の膜厚を有する絶縁膜が形成されていることを特徴とする電界放出型冷陰極、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、開口径がdである第1の開口が形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、中心が前記第1の開口の中心とほぼ一致し開口径がd+2Dである第2の開口が形成されたゲート電極層と、前記第1の開口内に形成されたエミッタ層とを有する電界放出型冷陰極において、前記エミッタ層は前記第1の開口の底面以外に前記第1の開口の側面にも形成されており、かつ、前記ゲート電極層の膜厚をtg、前記エミッタ膜の中心部と前記絶縁層との標高差をtiとして、
D>d・tg/2ti
を満たし、かつ、前記絶縁層上の前記第2の開口の内側の領域内には、前記ゲート電極層の膜厚以上の膜厚を有する絶縁膜が形成されていることを特徴とする電界放出型冷陰極、が提供される。
本発明は、絶縁層に形成された開口の側面にもエミッタ層を形成するようにしたものであるので、絶縁層の膜厚によらずにエミッタ層とゲート電極層との距離を近付けることが可能になり、駆動電圧の低電圧化が実現できる。さらに、ゲート電極層に形成される開口径を、絶縁層に形成される開口の径以上とし、そして、エミッタ膜上の任意の点は、その点からの最近接のゲート電極層部分から絶縁物によって遮蔽されるようになされ、さらに絶縁層上のゲート層の開口の内側の領域内には、前記ゲート電極層の膜厚以上の膜厚を有する絶縁膜が形成されているので、エミッタ層から放出された電子が直接ゲート層に向かうことが抑制され、エミッション効率が飛躍的に向上する。
本発明の第1の参考例の製造方法を示す工程順の断面図。 本発明の第1の参考例の断面図。 本発明の第1の参考例にしたがって作製された電界放出型冷陰極における絶縁層の開口端からゲート層の開口端までの距離の絶縁層膜厚依存性を示すグラフ。 本発明の第1の参考例にしたがって作製された電界放出型冷陰極のエミッション電流の印加電圧依存性を示すグラフ。 本発明の第2の参考例の断面図。 本発明の第3の参考例の断面図。 本発明の第4の参考例の製造方法を示す工程順の断面図(その1)。 本発明の第4の参考例の製造方法を示す工程順の断面図(その2)。 本発明の第4の参考例の断面図。 本発明の第の実施例の製造方法を示す工程順の断面図(その1)。 本発明の第の実施例の製造方法を示す工程順の断面図(その2)。 本発明の第の実施例の製造方法を示す工程順の断面図(その1)。 本発明の第の実施例の製造方法を示す工程順の断面図(その2)。 本発明の第1の参考例を応用して作製された平面画像装置の斜視図。 第1の従来例の断面図。 第2の従来例の断面図。 第3の従来例の断面図。 第3の従来例の動作を説明するための断面図。
以下に、本発明を実施するための形態を開示するため、本発明の好ましい参考例および実施例について図面を参照して詳細に説明する。
参考例1
図1は、本発明の第1の参考例の製造方法を工程順に示す断面図である。エミッタを形成する基板は導電性基板もしくは図1(a)に示すように導電層4が形成されたガラス製の基板5を用いる。例えば膜厚0.5μmのアルミニウムからなる導電層4上に、シリコン酸化膜もしくはポリイミド膜等からなる絶縁層2を膜厚4μmに堆積し、その上層にゲート層1としてアルミニウムを0.5μmの膜厚に堆積する〔図1(a)〕。次に、図1(b)に示すように、ゲート層1および絶縁層2の一部をエッチングし、開口部を形成する。この際、ゲート層1の開口径は絶縁層2の開口部に堆積されるカーボンナノチューブ層上の任意の点から最近距離のゲート開口端を結ぶ線分が絶縁層2によって遮蔽されるように設計する。ここではゲート開口径を60μm、絶縁層の開口径を50μmとし、ゲート開口径を絶縁層の開口径よりも大きくする。ゲート層と絶縁層の開口はそれぞれ別々のフォトリソグラフィによって形成することもできるが、ゲート層のサイドエッチを利用して1回のリソグラフィで形成するようにしてもよい(図7、図8参照)。次いで、絶縁層の開口部に開口を有するマスク材7で絶縁層上を遮蔽する。ここで、絶縁層の開口端が遮蔽されるように、マスク材の開口の面積は絶縁層2の開口の平面面積より狭く設定されている。その後、噴霧もしくはスクリーン印刷によって、カーボンナノチューブを開口部底面および側面に膜厚がおよそ1.5μmになるように堆積してエミッタ層3を形成し〔図1(c)〕、マスク材7を除去する〔図1(d)〕。
ゲート層1および絶縁層2の開口径については、図2に示すように、絶縁層の開口径をd、ゲート層の膜厚をtg、エミッタ層3とゲート層との相対的な距離をti、絶縁層の開口端からゲート層の開口端までの距離をDとすると、エミッタ層3の任意の点から最も近接したゲート層1の開口端を結ぶ線分が絶縁層2によって遮蔽されるようにするには、Dをtg・d/2ti以上にすればよい。
図3は、絶縁層の開口径dが50μm、ゲート層の膜厚tgが0.1、0.5、1μmのときの距離Dの絶縁層膜厚ti依存性である。ここでは、tgが0.5μm、tiは2.5μmであるため、Dはおよそ5μm以上となり、結果的にゲート層1の開口径は上述したように60μmとなる。図2に示すようにエミッタ層の中心から絶縁層の開口端を介してゲート層の開口端の上面を結ぶ線分(点線)よりも低い高さになるようにカーボンナノチューブを堆積することにより、エミッタ膜上の任意の点から最近接のゲート開口端を結ぶ線分が絶縁層2によって遮蔽される。また、絶縁層2の側面上に形成するカーボンナノチューブ膜の縦方向の膜厚は図2の点線以下になるように堆積する。
マスク材は、液状のレジストをスピンコートし、露光・現像により絶縁層の開口部のみを除去して用いることも可能である。しかし、この方法では、マスク材の開口を絶縁層の開口より狭く形成することが困難である。そこで、ここでは工程が簡略化でき、さらにマスク除去時にカーボンナノチューブ膜への影響が少ないメタルマスクを用いた。ただし、ゲート層および絶縁層の開口径が微細化し、例えば30μm以下になると、メタルマスクの作製が困難になるため、レジスト等のマスク材を用いることが必要となる。この場合に、マスク材の開口を絶縁層の開口より狭く形成するのであれば、ドライフィルムレジストを用いることが望ましい。
カーボンナノチューブを噴霧にて形成する際には、基板に対して垂直方向から噴霧することによっても噴霧粒子の広がりや反跳等により、開口部側面にナノチューブを付着させることができるが、基板に対する垂線に対して15度から45度の角度で、基板を回転させながら、噴霧することにより、開口部側面により均一に、制御性良くカーボンナノチューブ層を形成することができる。15度以下の角度で噴霧した場合、側面にもカーボンナノチューブが堆積するが、不均一であり、点在する場合が多い。そのため、側面に付着したカーボンナノチューブは導電層4および開口部底面のカーボンナノチューブ層との電気的な導通が不十分になりやすく、本発明の効果が得られにくい。一方、45度以上の角度での噴霧は、マスク材7と絶縁層2の開口径よりも後退したゲート層1の隙間にカーボンナノチューブが入りやすく、ゲート層1とエミッタ層3とのショートの原因になる。絶縁層側面でのカーボンナノチューブの膜厚調整は、メタルマスクの開口径と噴霧時の粒子の入射角等を制御することによって行うことができる。例えば、絶縁層開口部側面でのナノチューブの膜厚を小さくするには、マスクの開口径を小さく設定したり、噴霧時の粒子の入射角を小さくしたりすることにより、絶縁層開口部側面への粒子の堆積速度を減少させればよい。
カーボンナノチューブには、単層カーボンナノチューブと多層のカーボンナノチューブがある。どちらのナノチューブを用いても本発明の効果を得ることができるが、ここではアーク放電法によって形成した単層カーボンナノチューブを用いた。反応容器内を6.7x104 PaのHeガスで満たし、触媒金属が含有した2本の炭素棒を対向させ、両者の間でアーク放電を起こすと、陰極炭素棒表面および反応容器内壁にカーボンナノチューブを含んだ固体が堆積する。放電は18Vの電圧を2つの炭素棒の間に印加し、100Aの電流を流して行う。生成した固体中にはカーボンナノチューブの他に直径10nmから100nm程度の粒径のグラファイトやアモルファスカーボン、触媒金属等が含まれる。得られたカーボンナノチューブは単層ナノチューブであり、その直径はおよそ1nmから5nmである。長さは0.5μmから100μmで、その平均長さは約2μmである。上記の粗生成物をエタノール中に懸濁させ、超音波粉砕する。次に、ポアサイズが0.22μmのメンブランフィルターを用いて懸濁液をろ過する。カーボンナノチューブ以外の不純物微粒子はフィルターのポアサイズよりも小さいためにフィルターを通り抜けるが、0.5μm以上の長さを持つカーボンナノチューブはフィルター上に残存する。フィルター上に残ったナノチューブを抽出することにより、ナノチューブのみを回収することができる。なお、ナノチューブの精製は特開平8−231210号公報に開示された方法等を用いるとより純度の高いナノチューブを得られるため、これらの方法を適用することも可能である。また、平坦で均一な膜形成を可能にするために、ナノチューブを粉砕し、10μm以下の長さに分断した。このようにして得られた高純度でかつ微粒子化したカーボンナノチューブは、エタノール中で超音波分散し、その分散液を直接用いることも可能である。ここでは、基板との密着力を向上させるために、ニトロセルロースやアクリル等のバインダー材中にナノチューブを分散させ、その分散液を用いてカーボンナノチューブ膜を形成した。
参考例によって形成した電界放出型冷陰極は開口部内のカーボンナノチューブ層の任意の点から最近距離のゲート層開口端を結ぶ線分が絶縁層によって遮蔽されるように設計されているため、エミッタから放出した電子は直接ゲート電極に飛び込みにくい。さらに、放出電子の一部が絶縁層開口部側面に射突した場合、その領域は負の電位でチャージアップするため、電子の走行する軌道は開口部中心に集まり、電子ビームの収束性が改善される。また、絶縁層開口部側面に形成されたカーボンナノチューブ層は基板に対して垂直方向に鋭く突出した構造をとる。通常、図18に示したように、開口部内の等電位面は凸型の電位分布を示すため、開口部内周辺は中心と比較してより大きな電界が実質的に印加される。そして、絶縁層は基本的に等電位面が浸透することができるので、このように側面に沿って鋭く王冠状に突出したカーボンナノチューブ層の上部には非常に大きな電界集中が生じることになる。
図4の実線は、本参考例によって形成された電界放出型冷陰極のエミッション電流のゲート電圧依存性を示すグラフである。冷陰極の構造は、先に示した仕様と同じである。ただし、開口部数は3600個である。アノード電極とエミッタ層との距離は2mmであり、アノード電圧は2kVである。なお点線は従来の電界放出型冷陰極の特性、すなわち、ゲート層の開口径と絶縁層の開口径が同じで、開口部側面にカーボンナノチューブが形成されていない場合の結果である。本参考例にしたがって形成された電界放出型冷陰極は従来の冷陰極と比較して、エミッション電流が大きく、低電圧にて動作する。例えば、0.1mAのエミッションを得るのに必要なゲート電圧は、従来例では約200Vであるのに対して、本参考例にて作製した冷陰極ではわずか50Vである。また、0.1mAのエミッション電流を放出させる際のエミッション効率は、従来例では約32%であるのに対して、本参考例ではおよそ99%であり、極めて高いエミッション効率を実現することが可能である。
以上のように、ゲート層と距離の近い絶縁層の開口の側面上にもエミッタ層を形成するようにすることにより、エミッタ先端部の電界集中を高めることが可能になり、低電圧駆動の冷陰極を実現することが可能になる。また、エミッタ上の任意の点から最近距離のゲート開口端を結ぶ線分が絶縁層によって遮蔽されるように素子設計を行うことによって、エミッタ層から放出した電子はゲート層に直接流入することが困難となり、その結果ゲート電流が低下し、エミッション効率が向上する。さらに、絶縁層の開口部側面に射突した電子は絶縁層上で負の電位にチャージアップするため、電子の軌道は収束作用を受け、さらに効率が改善する。
参考例2
図5は、本発明の第2の参考例を示す断面図である。上述した第1の参考例では、開口部を形成した後、開口部底面および側面にカーボンナノチューブ層を形成したが、本参考例では、図5に示すように、導電層4上にカーボンナノチューブあらかじめ堆積してエミッタ層3を形成した後に、絶縁層2およびゲート層1の成膜と開口部形成を行い、上記手法を用いて絶縁層側面にもカーボンナノチューブ層を堆積する。ただし、この場合には、上述したように、ナノチューブと絶縁層の付着力や絶縁層の膜厚の不均一性、および絶縁破壊の問題から絶縁層膜厚は4μm以上にする必要がある。仮に、絶縁層膜厚が極端に厚い場合でも側面にナノチューブを堆積することによって、ゲート層とナノチューブ層の相対的な距離を小さく設定することができる。したがって、本発明によれば、素子の絶縁特性や寿命の劣化等を生じることなく、低電圧化と高効率化を実現することが可能である。
参考例3
図6は、本発明の第3の参考例を示す電界放出型冷陰極の断面構造図である。絶縁層開口部側面に形成したカーボンナノチューブ層を開口部中心部から周辺部に向かうにつれて、縦方向の膜厚を増加させ、その先端部をさらに先鋭化させたものである。図6に示す構造は、図1に示した工程を終了した後、粘着シートを用いて側面に付着したナノチューブを剥離することによって得られる。粘着シートを素子表面に貼り付ける際には、開口部周辺よりも中心近傍にシートが湾曲する。そのため、シートを剥離する時は、シートが湾曲した形状を反映してカーボンナノチューブが剥離される。すなわち、図6に示した形状となる。また、粘着シートによる剥離処理は開口部内のカーボンナノチューブをそれぞれ基板に対して垂直方向に配向させる効果があるため、各ナノチューブの端部に電界が集中しやすくなり、エミッション特性をより向上させることができる。さらに、この処理は、噴霧時に絶縁層の開口径とゲート開口径の差によって形成されるリング状の絶縁層表面等に偶発的に付着したナノチューブおよびプロセス中に付着したパーティクル等を除去し、ゲート層とエミッタ層との絶縁性をさらに高めるという効果も得られる。これらの効果は粘着シートによる剥離の他に、ラビング等の手法によっても同様な効果を得ることができる。
また、開口側面に形成されたエミッタ層の縦方向高さを側面寄りほど高くする処理は、ドライエッチングの手法を用いて行うこともできる。すなわち、図1(c)の状態に加工した後、基板を傾けつつ回転させ、例えば集束イオンビームの照射やスパッタ法を適用することにより、エミッタ層上部のエッジ部を落とすことができる。この場合、ドライエッチングの手法によりエッジ部を取り除いた後、粘着テープの貼付/剥離を行ってナノチューブの配向性高めるようにしてもよい。
参考例4
図7、図8は、本発明の第4の参考例の製造方法を工程順に示した断面図である。導電性基板または導電層4の形成されたガラス製の基板5上に、シリコン酸化膜もしくはポリイミド膜等からなる絶縁層2を膜厚約5μmに形成し、その上層にゲート層1となるアルミニウムを堆積する〔図7(a)〕。次に、フォトリソグラフィにより、絶縁層2に形成する開口のパターンの開口を有するレジスト膜8を形成し、これをマスクとしてウエット法若しくはドライ法によりゲート層1をエッチングして開口を形成する〔図7(b)〕。さらに、ウエット法によりゲート層をサイドエッチして5μm程度開口端を後退させる〔図7(c)〕。次に、レジスト膜8をマスクとして絶縁層2を異方性エッチングによりエッチングして開口を形成する〔図8(d)〕。次に、噴霧によって、カーボンナノチューブを開口部内部での膜厚がおよそ4.5μmになるように堆積して開口内部にエミッタ層3を、レジスト膜8上にカーボンナノチューブ層3aを形成する〔図8(e)〕。次いで、レジスト膜8を着けた状態で基板を20度程度傾けつつ回転させ集束性イオンビームを照射してエミッタ層3の表面が凹面となるように加工する〔図8(f)〕。その後、レジスト膜8を剥離除去する。
エミッタ層表面のエッチングは、スパッタ法やRIE法を用いて行ってもよい。また、上記第3の参考例で説明したように、粘着テープの貼付/剥離やラビングを用いてエミッタ層表面の加工を行ってもよい。また、ドライエッチング法により表面の加工を行った後、粘着テープの貼付/剥離によりナノチューブの配向性高めるようにしてもよい。
図9は、このようにして作製された第4の参考例の電界放出型冷陰極の断面図である。図9に示すされるように、カーボンナノチューブの縦方向の膜厚が開口部周辺ほど厚くなり、結果的に図1に示した側面上のナノチューブ形状と比較して、先鋭化した構造をもつ。先述したように、開口部内の電界は開口部周辺ほど大きくなるため、開口部周辺ほど先鋭化したエミッタ層先端部にはさらに大きな電界を実質的に印加することが可能である。また、図中の等電位面からもわかるように、特に、図9に示される冷陰極では、凸形状の等電位面が凹形状のエミッタ表面に緩和され、より平坦化した電位分布を形成するため、ビームの広がりが抑制されるという効果を奏することができる。
図10、図11は、本発明の第の実施例の製造方法を工程順に示す断面図である。本実施例の製造方法は基本的に図1に示した第1の参考例と同じであるが、ゲート層1の開口径と絶縁層2の開口径の差に相当する領域に新たに絶縁膜が形成されている点が異なる。
エミッタを形成する基板は、導電性基板もしくは図10(a)に示すように、導電層4が形成されたガラス製の基板5を用いる。導電層4上に、シリコン酸化膜もしくはポリイミド膜等の絶縁層2を4μmの膜厚に堆積し、その上層にゲート層1としてアルミニウムを膜厚0.5μmに堆積する〔図10(a)〕。次に、フォトリソグラフィにより、ゲート層1の開口径と絶縁層2の開口径の差に相当する領域に開口を有するレジスト膜8を形成し、これをマスクとしてゲート層1の一部をエッチング除去する〔図10(b)〕。次に、シリコン酸化膜を膜厚1μmに堆積して絶縁膜9を形成し〔図10(c)〕、その後、レジスト膜とその上の絶縁膜とを除去する〔図11(d)〕。次に、新たなフォトリソグラフィによりレジスト膜(図示なし)を形成し、これをマスクとしてゲート層1および絶縁層2の一部をエッチングし、開口部を形成する〔図11(e)〕。なお、ここでは絶縁層の開口径を50μm、ゲート径を52μmとした。その後、開口部以外をマスク材7で遮蔽し、噴霧もしくはスクリーン印刷によって、カーボンナノチューブを約1.5μmの膜厚に開口部内および側面に堆積してエミッタ層3を形成する〔図11(f)〕。そして、マスク材7を除去することによって、図11(g)に示す電界放出型冷陰極を形成することができる。
本実施例は、第1の参考例と比較して以下の利点を有する。第1の利点は、絶縁層の開口径に対するゲート層開口径の増大の軽減である。すなわち、絶縁層とゲート層の開口径の差に相当する領域に、新たな絶縁層を形成してエミッタ上からゲート開口端までの線分を絶縁性物質によって遮蔽するため、ゲート径増大を最小限に抑えることができる。第1の参考例では各層の幾何学的配置によって、ゲート開口径を60μmに設定したが、本実施例では52μmに設定することができる。ゲート径の縮小は等電位面の凸形状を抑制する効果があるため、開口部内のエミッタ表面の電界は増加し、さらにエミッション特性の低電圧化を図ることが可能となる。第2の利点は、ゲート層とエミッタ層との絶縁特性が改善される点である。第1の参考例では、図1(c)に示すように、マスク材7と絶縁層2の間に隙間が形成されるため、このような隙間にナノチューブが残留し、ゲート層とエミッタ層の絶縁性を損なう場合がある。しかしながら、本実施例では、図11(f)に示すように、ゲート層1は、マスク材7と絶縁膜9によって完全に遮蔽されるため、仮にナノチューブが絶縁膜9の内壁に付着することがあっても、ゲート層まで到達することはなく、絶縁性は第1の参考例に比べて大きく改善される。
また、上記工程後に、第3の参考例で説明したように、粘着シートの貼付/剥離、ラビング若しくはエミッタ等によって、開口部側面のカーボンナノチューブ層を先鋭化することも可能である。
図12、図13は、本発明の第の実施例の製造方法を示工程順の断面図である。を用いる。導電層4の形成されたガラス製の基板5上に、シリコン酸化膜もしくはポリイミド膜等の絶縁層2を4μmの膜厚に堆積し、その上層にゲート層1としてアルミニウムを膜厚0.5μmに堆積する〔図12(a)〕。次に、フォトリソグラフィにより、ゲート層1の開口領域に開口を有するレジスト膜(図示なし)を形成し、これをマスクとしてゲート層1の一部をエッチング除去する〔図12(b)〕。次に、シリコン酸化膜を膜厚1μmに堆積して絶縁膜9を形成する〔図12(c)〕。その後、フォトリソグラフィによって形成すべき開口パターンの開口を有するレジスト膜8を形成し、これをマスクに絶縁膜9と絶縁層2の一部を除去して開口を形成する〔図13(d)〕。次に、噴霧によって、カーボンナノチューブを開口部内部での膜厚がおよそ3.5μmになるように堆積して開口内部にエミッタ層3を、レジスト膜8上にカーボンナノチューブ層3aを形成する〔図13(e)〕。次いで、レジスト膜8を着けた状態で基板を20度程度傾けつつ回転させ集束性イオンビームを照射してエミッタ層3の表面が凹面となるように加工する〔図13(f)〕。その後、レジスト膜8を除去することにより、本実施例の電界放出型冷陰極の製作工程が完了する。
[本発明の応用例]
図14は、第1の参考例を基に作製される平面画像装置の製造方法を説明するための斜視図である。図1に示す電界放出型冷陰極と同様なプロセスにより、基板5上に導電層4を膜厚が0.5μmになるようにストライプ状に形成し、その上層に酸化膜もしくはポリイミド膜からなる絶縁層2を4μm堆積する。次に、ゲート層1を導電層4と直交するように、ストライプ状に形成する。導電層4とゲート層1の交差する領域のゲート層1および絶縁層2の一部をエッチングし、開口部を形成する。この際、ゲート層1の開口径は絶縁層2の開口部底面に堆積されるカーボンナノチューブ層上の任意の点から最近距離のゲート開口端を結ぶ線分が絶縁層2によって遮蔽されるように設計する。ここではゲート開口径を60μm、絶縁層の開口径を50μmとし、ゲート開口径を絶縁層の開口径よりも大きくする。その後、開口部以外をマスク材で遮蔽し、噴霧もしくはスクリーン印刷によって、エミッタ層3を開口部底面および側面に堆積させる。これにより、RGBの各画素に対応する電子放出部が形成される。なお、ここでは第1の参考例に従う方法にてエミッタ形成を行ったが、他の参考例や実施例に記載する方法を用いてもよい。エミッタを形成したガラス基板に対向する位置に真空を介して、RGBの各蛍光体をストライプ状に塗布したガラス基板を配置し、任意の画素をアドレス駆動させることによって平面画像装置を形成することができる。
以上述べた実施例や参考例では、エミッタ材料としてカーボンナノチューブを例に説明したが、これ以外のエミッタ材料を適用しても本発明の効果を達成することが可能である。例えば、ボロンナイトライド(BN)、シリコンカーバイド(SiC)、および金属等からなるチューブ状物質、もしくはダイヤモンド等の低仕事関数を有する材料を用いることもできる。また、絶縁層開口部底面および側面へのエミッタ材料の堆積法は、噴霧やスクリーン印刷の他に、CVD、スパッタ等の気相成長法を用いることも可能である。
1 ゲート層
2 絶縁層
3 エミッタ層
3a カーボンナノチューブ層
4 導電層
5 基板
6 アノード電極
7 マスク材
8 レジスト膜
9 絶縁膜
10 グリッド
11 炭素質基板

Claims (6)

  1. 第1の開口が形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、中心が前記第1の開口の中心とほぼ一致し前記第1の開口の開口径以上の開口径を有する第2の開口が形成されたゲート電極層と、前記第1の開口内に形成されたエミッタ層とを有する電界放出型冷陰極において、前記エミッタ層は前記第1の開口の底面以外に前記第1の開口の側面にも形成されており、かつ、前記エミッタ膜上の任意の点は、その点からの最近接の前記ゲート電極層部分から絶縁物によって遮蔽され、かつ、前記絶縁層上の前記第2の開口の内側の領域内には、前記ゲート電極層の膜厚以上の膜厚を有する絶縁膜が形成されていることを特徴とする電界放出型冷陰極。
  2. 前記第1の開口の側面上に形成された前記エミッタ層の前記第1の開口の底面から見た高さは前記第1の開口の側面に向かって徐々に高くなされていることを特徴とする請求項1記載の電界放出型冷陰極。
  3. 第1の開口が形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、中心が前記第1の開口の中心とほぼ一致し前記第1の開口の開口径以上の開口径を有する第2の開口が形成されたゲート電極層と、前記第1の開口内に形成されたエミッタ層とを有する電界放出型冷陰極において、前記エミッタ層は前記第1の開口の底面での膜厚が前記第1の開口の側面に向かうに連れて徐々に厚くなるように形成されており、かつ、前記エミッタ膜上の任意の点は、その点からの最近接の前記ゲート電極層部分から絶縁物によって遮蔽され、かつ、前記絶縁層上の前記第2の開口の内側の領域内には、前記ゲート電極層の膜厚以上の膜厚を有する絶縁膜が形成されていることを特徴とする電界放出型冷陰極。
  4. 開口径がdである第1の開口が形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された、中心が前記第1の開口の中心とほぼ一致し開口径がd+2Dである第2の開口が形成されたゲート電極層と、前記第1の開口内に形成されたエミッタ層とを有する電界放出型冷陰極において、前記エミッタ層は前記第1の開口の底面以外に前記第1の開口の側面にも形成されており、かつ、前記ゲート電極層の膜厚をtg、前記エミッタ膜の中心部と前記絶縁層との標高差をtiとして、
    D>d・tg/2ti
    を満たし、かつ、前記絶縁層上の前記第2の開口の内側の領域内には、前記ゲート電極層の膜厚以上の膜厚を有する絶縁膜が形成されていることを特徴とする電界放出型冷陰極。
  5. 前記第1の開口の側面の前記ゲート電極層寄りの部分にはエミッタ層が形成されていないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電界放出型冷陰極。
  6. 前記エミッタ層が、カーボンナノチューブを用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電界放出型冷陰極。
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